JP2001502892A - 刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム - Google Patents

刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム

Info

Publication number
JP2001502892A
JP2001502892A JP10511840A JP51184098A JP2001502892A JP 2001502892 A JP2001502892 A JP 2001502892A JP 10511840 A JP10511840 A JP 10511840A JP 51184098 A JP51184098 A JP 51184098A JP 2001502892 A JP2001502892 A JP 2001502892A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ikk
signalsome
kinase
activity
ikk signalsome
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10511840A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4695735B2 (ja
Inventor
マーキュリオ,フランク
ズー,ヘンギィ
バーボサ,ミグエル
リー,ジアン
ダブリュー. マーレイ,ブライオン
Original Assignee
シグナル ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/697,393 external-priority patent/US5972674A/en
Application filed by シグナル ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド filed Critical シグナル ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド
Publication of JP2001502892A publication Critical patent/JP2001502892A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4695735B2 publication Critical patent/JP4695735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/10Transferases (2.)
    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1205Phosphotransferases with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. protein kinases
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • C07K14/4701Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals not used
    • C07K14/4702Regulators; Modulating activity
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Control Of Indicators Other Than Cathode Ray Tubes (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 NF-κB関連状態を処置するための組成物および方法が提供される。特に、本発明は、刺激誘導性IKKシグナルソームならびにその成分および改変体を提供する。IKKシグナルソームまたはその成分は、例えば、NF-κBカスケードを介したシグナル伝達を阻害または活性化する抗体および他の調節因子を同定するために使用され得る。IKKシグナルソーム、その成分、および/または調節因子はまた、NF-κB活性化に関連した疾患の処置に使用され得る。

Description

【発明の詳細な説明】 刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム技術分野 本発明は、一般的に、核因子κB(NF-κB)の活性化を導くカスケードの研究お よびこのような経路に関連する疾患の処置に有用な組成物および方法に関する。 本発明は、より詳細には、刺激誘導性IκBキナーゼ[IKK]シグナルソーム(signa lsome)、構成IκBキナーゼ、およびこのようなキナーゼの改変体に関する。本 発明はまた、NF-κB経路を介したシグナル伝達を阻害または活性化する抗体およ び他の因子を同定するための、刺激誘導性IKKシグナルソームまたはIκBキナー ゼの使用に関する。発明の背景 NF-κB/Relファミリーの転写因子は、炎症、細胞増殖、およびアポトーシスに 関与する遺伝子の重要なレギュレーターである(概説については、Vermaら、Gen es Dev.9:2723-35,1995;Siebenlist,Biochem.Biophys.Acta 1332:7-13,1997;B aeuerleおよびHenkel,Ann.Rev.Immunol.12:141-79,1994;BarnesおよびKarin,Ne w Engl.J.Med.366,1066-71,1997;BaeuerleおよびBaltimore,Cell 87:13-20,199 6;Grilliら、NF-κB and Rel:Participants in a multiform transcriptional regulatory system(Academic Press,Inc.,1993),第143巻;BaichwalおよびBaeuer le,Curr.Biol.7:94-96,1997を参照のこと)。このファミリーの原型メンバーで あるNF-κBは、p50 NF-κBおよびp65 RelAからなる(BaeuerleおよびBaltimore, Cell 53:211-17,1988;BaeuerleおよびBaltimore,Genes Dev.3:1689-98,1989) 。NF-κBは、免疫、炎症、および急性期応答の遺伝子(インターロイキン1、イ ンターロイキン8、腫瘍壊死因子、および特定の細胞接着分子を含む)で観察さ れるされる高度に特異的な遺伝子発現パターンにおいて中心的な役割を果たす。 転写アクチベーターのRelファミリーの他のメンバーと同様に、NF-κBは、ほ とんどの細胞型において細胞質に不活性形態で隔離されている。種々の細胞外刺 激(マイトジェン、サイトカイン、抗原、ストレス誘導因子、UV光、およびウイ ルスタンパク質を含む)は、最終的にNF-κBの放出および活性化を導くシグナル 伝達経路を開始する。従って、シグナル伝達経路のインヒビターおよびアクチベ ーターを使用して、活性NF-κBのレベルを変化させ、そしてNF-κBの活性化に関 連する疾患の処置における潜在的な有用性を有し得る。 これらの刺激の各々に応答したNF-κBの活性化は、細胞質中でNF-κBを保持す る、阻害サブユニットIκBにより制御される。6つの既知メンバーがあるIκBタ ンパク質は、各々NκKB/Relダイマーとの会合および活性の阻害に必要とされる 5〜7のアンキリン様反復を含む(Begら、Genes Dev.7,2064-70,1993;Gilmore およびMorin,Trends Genet.9,427-33,1993;Diaz-Mecoら、Mol.Ccll.Biol.13:47 70-75,1993;Haskillら、Cell 65:1281-89,1991を参照のこと)。IκBタンパク 質は、IκBαおよびIκBβを含む。 NFκB活性化は、IκBの連続的なリン酸化、ユビキチン化、および分解を含む 。IκBのリン酸化は、標識残基に高度に特異的である。例えば、IκBタンパク質IκB αのリン酸化はセリン残基S32およびS36で起こり、そしてIκBβのリン酸化はセ リン残基S19およびS23で起こる。改変および分解工程の編成されたシリーズは、 それまでにIκBによりマスクされていたNFκB上の核局在化シグナルの暴露によ り転写的に活性なNFκBの核移入をもたらす(Begら、Genes Dev.6:1899-1913,19 92)。従って、NFκB活性化は、1つ以上の特異的IκBキナーゼ、E1、E2、およ びE3ユビキチン酵素の連関したシリーズ、26Sプロテアソーム、ならびに核輸入 機構を含むシグナル伝達カスケードにより媒介される。IκBのリン酸化は、NF- κBの活性化において重要な工程であり、そしてIκBキナーゼの同定、ならびに そのキナーゼ活性を調節するタンパク質は、活性化プロセスのさらなる理解、な らびに治療方法の開発に重要である。 いくつかのプロテインキナーゼ(プロテインキナーゼA(GhoshおよびBaltimo re,Nature 344:678-82,1990)、プロテインキナーゼC(GhoshおよびBaltimore, Nature 344:678-82,1990)、ならびに2本鎖RNA依存性プロテインキナーゼ(Kum arら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:6288-92,1994)を含む)は、インビトロでI κBをリン酸化することが見出されている。カゼインキナーゼIIによるIκBαの 構成的リン酸化もまた観察されている(Barrogaら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92 :7637-41,1995を参照のこと)。しかし、これらのキナーゼのいずれもが、NF-κ Bのインビボ活性化を担わないようである。例えば、プロテインキナーゼAおよ びプロテインキナーゼCによるインビトロでのIκBαリン酸化はNF-κBとのその 会合を妨げ、そして2本鎖RNA依存性プロテインキナーゼによるリン酸化は、NF- κBの解離をもたらす。これらのいずれもが、インビボでのリン酸化の効果(S32 およびS36でのIκBαリン酸化は、NF-κBからの解離をもたらさない)に即応し ない。 他の以前に知られていないIκBキナーゼ活性を有するタンパク質が報告されて いるが、これらのタンパク質はまた、インビボで重要なアクチベーターではない ようである。推定IκBαキナーゼは、Kunoら、J.Biol.Chem.270:27914-27919,19 95により同定されたが、このキナーゼは、インビボ調節に重要であることが知ら れているS32およびS36ではなく、IκBαのC末端領域の残基をリン酸化するよう である。Diaz-Mecoら、EMBO J.13:2842-2848,1994はまた、リン酸化部位が特徴 付けられていない、50kD IκBキナーゼを同定した。Schoutenら、EMBO J.16:313 3-44,1997は、推定IκBαキナーゼとしてp90rskiを同定したが;p90rskiはTPAに より活性化されるのみであり、そしてSer32上でのみIκBαをリン酸化し、これ はIκBαをユビキチン化の標的にするのに不十分である。最後に、Chenら、Cell 84:853-862,1996は、IκBαをリン酸化するキナーゼを同定したが、このキナー ゼは、IκBαキナーゼ活性の非生理学的インデューサーを用いて同定され、そし てインビトロリン酸化のために外因性因子の添加を必要とする。 従って、インビボキナーゼの基質特異性および他の特性を有するIκBキナーゼ が当該分野で必要とされる。NF-κBの活性化に関与するタンパク質の活性を調節 し、そしてNF-κBの活性化に関連する疾患を処置するための改善した方法もまた 必要とされる。本発明はこれらの必要を満たし、そして他の関連した利点をさら に提供する。発明の要旨 手短に述べると、本発明は、大きなマルチサブユニットIKKシグナルソームま たはその成分もしくは改変体を使用する組成物および方法を提供する。1つの局 面において、本発明は、外因性補因子の添加なく、残基S36およびS36でIκBαを ならびに残基19および23でIκBβを特異的にリン酸化し得るIKKシグナルソーム を提供する。 さらに関連した局面において、IKKシグナルソームの成分またはこのような成 分の改変体を含むポリペプチドが提供され、ここでこの成分は、配列番号9に示 される配列を有する。このようなポリペプチドをコードする単離されたDNA分子 および組換え発現ベクター、ならびにトランスフェクトされた宿主細胞もまた提 供される。 別の局面において、IKKシグナルソームを調製するための方法が提供され、こ の方法は、適切な緩衝液中にIKKシグナルソームの成分を組み合せる工程を包含 する。 なお別の局面において、IKKシグナルソームの基質をリン酸化するための方法 が提供され、この方法は、基質とIKKシグナルソームまたはその成分とを接触さ せ、それにより基質をリン酸化する工程を包含する。 さらなる局面において、本発明は、IKKシグナルソーム活性を調節する因子を スクリーニングするための方法を提供し、この方法は、以下の工程:(a)候補 因子とIKKシグナルソームとを接触させる工程であって、ここで接触させる工程 が、候補因子およびIKKシグナルソームを相互作用させるのに十分な条件下およ び時間で行われる工程;および(b)続いて、候補因子が、IKKシグナルソーム の活性を調節する能力を測定する工程、を包含する。 関連する局面において、本発明はIKKシグナルソーム活性を調節するためのス クリーニングのための方法を提供し、この方法は、以下の工程:上記のように候 補因子とIKKシグナルソームの成分を含むポリペプチドとを接触させる工程であ って、ここで接触させる工程が、候補因子およびポリペプチドを相互作用させる のに十分な条件下および時間で行われる工程;および(b)続いて、候補因子が 、ポリペプチドがIκBタンパク質をリン酸化する能力を調節する能力を測定する 工程、を包含する。 別の局面において、IKKシグナルソームの成分(例えば、IKK-1および/または IKK-2)に結合する抗体が提供され、ここで成分はIκBαをリン酸化し得る。 さらなる局面において、本発明は、患者のNF-κB活性を調節するための方法を 提供し、この方法は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せてIκBキナーゼ活 性を調節する因子を患者に投与する工程を包含する。IKKシグナルソーム活性化 に関連する疾患に冒されている患者を処置するための方法がまた提供され、この 方法は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せて、IκBキナーゼ活性を調節す る治療的に有効な量の因予を患者に投与する工程を包含する。 なお別の局面において、サンプル中のIKKシグナルソーム活性を検出するため の方法が提供され、この方法は、以下の工程:(a)抗体がIKKシグナルソーム を免疫沈降させるのに十分な条件下および時間で、サンプルとIKKシグナルソー ムに結合する抗体とを接触させる工程;(b)免疫沈降された物質をサンプルか ら分離する工程;および(c)免疫沈降された物質がインビボで特異性を有する IκBタンパク質を特異的にリン酸化する能力を決定する工程、を包含する。1つ のこのような実施態様において、免疫沈降された物質が残基S32および/またはS 36でIκBαをリン酸化する能力が決定される。 関連した局面において、適切な緩衝液と組み合せてIKKシグナルソームに結合 する抗体を含む、サンプル中のIKKシグナルソーム活性を検出するためのキット が提供される。 さらなる局面において、本発明は、NF-κBシグナル伝達カスケードにおける上 流キナーゼを同定するための方法を提供し、この方法は、候補の上流キナーゼが IKKシグナルソーム、その成分、またはこのような成分の改変体をリン酸化する 能力を評価する工程、を包含する。 IKKシグナルソームの成分を同定するための方法もまた提供され、この方法は 、以下の工程:(a)IKKシグナルソームを単離する工程;(b)シグナルソー ムを成分に分離する工程、および(c)成分の部分配列を得る工程、を包含する 。 なお別の局面において、IKKシグナルソームを生物学的サンプルから調製する ための方法が提供され、この方法は、以下の工程:(a)生物学的サンプルを2 つ以上の画分に分離する工程;および(b)画分中のIκBキナーゼ活性をモニタ ーする工程、を包含する。 本発明のこれらおよび他の局面は、以下の詳細な説明および添付の図面を参照 して明らかになる。本明細書中に開示される全ての参考文献は、各々が別々に援 用されるように、それらの全体が参考として本明細書により援用される。図面の簡単な説明 図1A-1Cは、イムノブロット分析の結果を示すオートラジオグラムである。図1 Aは、刺激の際のIκBαの高分子量複合体への動員(recruitment)を示す。無刺激 Jurkat細胞またはPMA(50ng/ml)およびPHA(1μg/ml)刺激(10分)Jurkat細胞いず れかの細胞質抽出物を、ゲル濾過カラムで分画した。IκBαをイムノブロット分 析により可視化した。上段パネルは、無刺激細胞の溶出プロフィールを示し、そ して下段パネルは、PMA/PHA刺激細胞の溶出プロフィールを示す。分子量標準を 上端の矢印により示す。 図1Bは、刺激依存性IκBαキナーゼ活性が、高分子量複合体(Mr500〜700kDa) としてクロマトグラフしたことを示す。TNFα刺激(20ng/ml、7分)HeLa S3細胞 の全細胞抽出物をSuperdex 200ゲル濾過カラムで分画し、そしてIκBαキナーゼ 活性についてモニターした。GST IκBα 1-54(野生型)基質のリン酸化を、右側 の矢印により示す。分子量標準を上端の矢印により示す。 図1Cは、IKKシグナルソームと共に共同クロマトグラフするタンパク質の同定 を示す。IKKシグナルソームを、Q Sepharose、Superdex 200、Mono QおよびPhen yl Superoseカラムでの連続分画により、TNFα刺激HeLa S3細胞の抽出物から部 分精製した。IKKシグナルソーム活性のピークを含むPhenyl Superose画分を、各 パネルのそれぞれの左側に示されるいくつかの異なる抗体を用いたウェスタンブ ロット分析にかけた。IKKシグナルソーム活性のレベルを、漸増数の(+)により 上部陰影領域に示す。 図2は、IKKシグナルソーム調製のための代表的な精製手順を示すフローチャ ートである。 図3Aおよび3Bは、ゲル濾過後のHeLa S3細胞質抽出物中のIκBαレベルのウェ スタンブロット分析の結果を示すオートラジオグラムである。抽出物を、TNFα に暴露した細胞(図3B)および暴露していない細胞(図3A)から調製した。 図4Aおよび4Bは、インビトロキナーゼアッセイの結果を示すオートラジオグラ ムであり、ここで上記の細胞抽出物がIκBαのN末端部分をリン酸化する能力を 評価した。図4Aは、TNFαで処理しなかった細胞に由来する抽出物を使用した結 果を示し、そして図4Bは、細胞をTNFαで処理した場合の結果を示す。 図5Aおよび5Bは、TNFα処理HeLa S3細胞の細胞質抽出物を用いたインビトロキ ナーゼアッセイの結果を示すオートラジオグラムであり、ここで抽出物は、Q Se pharose分画に供される。基質は短縮型IκBα(残基1〜54)であり、図5Aは、野生 型IκBα配列を用いて得た結果を示し、そして図5Bは、32位および36位にスレオ ニン置換を含むポリペプチドを用いて得た結果を示す。 図6Aおよび6Bは、TNFα処理HeLa S3細胞の細胞質抽出物を用いたインビトロキ ナーゼアッセイの結果を示すオートラジオグラムであり、ここでは、抽出物を、 Q Sepharose、Superdex 200、Mono Q Sepharose、およびPhenyl Superoseによる クロマトグラフィー分画に連続して供した。基質は短縮型IκBα(残基1〜54)で あり、図6Aは、野生型IκBα配列を用いて得た結果を示し、そして図6Bは、32位 および36位にスレオニン置換を含むポリペプチドを用いて得た結果を示す。 図7は、ゲル濾過後にTNFα処理HeLa S3細胞の細胞質抽出物を用いて行われた イムノキナーゼアッセイ(抗MKP-1抗体を使用)の結果を示すオートラジオグラム である。アッセイを、基質GST−IκBα1-54野生型(レーン1)およびGST−IκBα 1-54 S32/36→T(レーン2)を用いて行った。IκBαおよびGST−IκBα1-54の位 置を左に示す。 図8A〜8Cは、イムノブロット分析の結果を示すオートラジオグラムである。図 8Aにおいて、上段パネルは、シグナルソーム活性誘導の時間経過を示す。示され た時間TNFα(20ng/ml)で刺激したHeLa S3細胞の抽出物からの抗MKP-1免疫沈降物 を、標準的な免疫複合体キナーゼアッセイにより、IKKシグナルソーム活性につ いてアッセイした。4μgのGST IκBα1-54 WT(野生型)またはGST IκBα1-54 S32/36→T変異体(S>T)のいずれかを基質として使用した。下段パネルにおいて 、上段パネルに記載されるように調製したHeLa細胞抽出物を、IκBα分解につい てウェスタンブロット分析により調べた。IκBαスーパーシフト(supershifting )リン酸化は、刺激の3および5分後に観察され得、続いてIκBαが消失した。 図8Bは、TPCKによりブロックされる、IKKシグナルソームの刺激依存性活性化 を示す。TNFα(20ng/ml、レーン2および6)、IL−1(10ng/ml、レーン3)、また はPMA(50ng/ml、レーン4)で7分間刺激されたか、あるいはTNFα誘導前にTPCK( 15μM、レーン7)で30分間前処理されたかのいずれかされた、HeLa S3細胞の細 胞抽出物からの抗MKP-1免疫沈降物を、IKKシグナルソーム活性について調べた。 GST IκBα1-54WT(4μg)を基質として使用した。 図8Cは、RelA:IκBα複合体において、IKKシグナルソームが、IκBαホロタ ンパク質のセリン32および36を特異的にリン酸化する能力を示す。TNFα(20ng/m l、7分)で刺激したHeLa S3細胞の細胞抽出物からの抗MKP-1免疫沈降物を、IκB α WT(レーン3)またはIκBα S32/36→A変異体(レーン4)ホロタンパク質のい ずれかを含むバキュロウイルス発現RelA:IκBα複合体をリン酸化する能力につ いて調べた。使用した特異的基質を上部に示す。リン酸化された基質の位置を、 パネルの左に矢印により示す。 図9Aは、ペプチドがIKKシグナルソームによりリン酸化されるイムノキナーゼ アッセイの結果を示すオートラジオグラムである。上段パネルにおいて、リン酸 化されていないか、またはSer-32もしくはSer-36のいずれかで化学的にリン酸化 されたIκBα(21-41)ペプチドを、γ-[32P]-ATPの存在下でIKKシグナルソームと 共にインキュベートした。2つにリン酸化されたペプチドP32,36は、IKKシグナ ルソームによりリン酸化されず、そして遊離のセリンおよびスレオニン残基を有 する無関係なc-Fos(222-241)ホスホペプチドは、シグナルソームの基質として機 能しなかった。 図9Bは、IκBα(21-41)ペプチドによるGST−IκBα(1-54)のリン酸化の阻害を 示すグラフである。IκBα(21-41)ペプチドP32,36は、14μMのKi値を有する産 物インヒビターとしてGST-IκBα(1-54)を阻害する。無関係なホスホペプチドc- Fos(222-241)はインヒビターとして機能しない。このアッセイは、沈降した32P 標識タンパク質のみを検出し、32P標識ペプチドを検出しない。単一にリン酸化 されたか、またはリン酸化されていないIκBα(21-41)ペプチドの添加は、GST− IκBα(1-54)のより少ないリン酸化をもたらし、そして見かけの阻害をもたらす 。 図10は、刺激誘導性IkBキナーゼ複合体内のユビキチンレベルのウェスタンブ ロット分析の結果を示すオートラジオグラムである。レーン1は100ngユビキチ ンの検出を示し、レーン2は10ngユビキチンを示し、そしてレーン3はPhenyl S uperose工程により精製された3.4μgのIKKシグナルソーム(10キナーゼ反応に十 分な量)を示す。ユビキチンの位置を左の矢印により示す。 図11Aは、IKKシグナルソームの精製手順を示す。全細胞抽出物を、TNFα刺激( 20ng/ml、7分誘導)したHeLa S3細胞(1.2g総タンパク質)から調製した。次いで 、IKKシグナルソームを、抗MKP-1抗体を用いて抽出物から免疫沈降させ、3.5M尿 素を含む緩衝液で洗浄し、そして過剰なMKP-1特異的ペプチドの存在下で4℃に て一晩溶出させた。次いで、溶出したIKKシグナルソームをMono Qカラムで分画 し、IκBキナーゼ活性画分をプールし、濃縮し、そして調製SDS-PAGEに供した。 個々のタンパク質バンドを切り出し、そしてペプチド配列決定のために提出され た。 図11Bは、SDS-PAGEおよび標準的な銀染色プロトコル後の活性なIKKシグナルソ ーム活性を含むMono Q画分を示す写真である。IKKシグナルソーム活性のピーク 活性は、レーン3、4、および5に示される。IKK-1およびIKK-2に対応するタン パク質バンドを、図の左側に示す。分子量標準(kDa)を図の左側に示す。 図12Aおよび12Bは、ナノエレクトロスプレー質量分析法によるIKK-2の配列決 定間に得られた質量スペクトルである。図12Aは、図11BのIKK-2バンドのゲル内 消化(in-gel digestion)から生じたトリプシン処理ペプチドの非分離混合物の質 量スペクトルの一部を示す。図12Bは、m/z 645.2のピークのタンデム質量スペク トルを示す。 図13Aは、IKK-1およびIKK-2のアミノ酸配列を示す。記号:矢印、キナーゼド メインの境界;下線、ナノエレクトロスプレー質量分析法により同定されたペプ チド配列;星印、ロイシンジッパーモチーフを含むロイシンを示す;太文字、IK K-1とIKK-2との間で保存されるアミノ酸同一性を示す;強調した囲み、ヘリック ス-ループ-ヘリックスドメイン;ダッシュ、アラインメントを最適化するために 挿入されたギャップ。 図13Bは、成人ヒト組織におけるIKK-2m RNAのノーザンブロット分析の結果を 示すオートラジオグラムである。組織の供給源を上端に示す。ヒトIKK-2のコー ド領域およびβ−アクチンcDNAにわたるプローブを使用し、そして左に示す。分 子量標準を右に示す。 図14Aは、IKK-1およびIKK-2を用いたキナーゼアッセイの結果を示すオートラ ジオグラムである。IKK-1およびIKK-2を、ウサギ網状赤血球溶解物から免疫沈降 させた。これは、IκBαおよびIκBβをリン酸化する。HAタグ化IKK−1(レーン 1)またはFlagタグ化IKK-2(レーン2)のいずれかを、左に矢印により示されるよ うに、ウサギ網状赤血球溶解物中で翻訳し、免疫沈降し、そしてGSTIκBα1-54 WTおよびGST IκBβ 1-44をリン酸化する能力について調べた。IKK-1(レーン1) は、より長い暴露時間でのみ同定されるIKK-2(レーン2)とは対照的に、著しい 自己リン酸化を受ける。 図14Bおよび14Cは、IKK-1およびIKK-2のキナーゼ不活性変異体が、TNFα刺激H eLa細胞におけるRelA転座を阻害する能力を評価するアッセイの結果を示す顕微 鏡写真である。HeLa細胞を、HAタグ化IKK-1 K44→M変異体発現ベクター(14B)ま たはFlagタグ化IKK-2 K44→M変異体発現ベクター(14C)のいずれかを用いて一過 的にトランスフェクトした。トランスフェクション後36時間に、細胞を、図の右 に示すように、刺激しなかったか(Unstim)、または30分間TNFα刺激(20ng/ml)し た(TNFα)。次いで、細胞を、IKK-1 K44→MまたはIKK-2 K44→Mの発現を視覚化 するために、それぞれ抗HA抗体または抗Flag抗体を用いる免疫蛍光染色に供した 。RelAの刺激依存性転座を、抗RelA抗体を用いてモニターした。使用した抗体を 図の上端に示す。トランスフェクトされたIKK変異体を、図の左に示す。 図15Aおよび15Bは、インビトロ翻訳後に免疫沈降されたIKK-1およびIKK-2のオ ートラジオグラムである。図15Aにおいて、HAタグ化IKK-1およびFlagタグ化IKK- 2を、示すように、別々にまたは組み合せてのいずれかで、コムギ胚芽溶解物中 でインビトロ翻訳させた。次いで、プログラムされた翻訳混合物を、示した抗体 を用いた免疫沈降に供した。サンプルをSDS-PAGEで泳動し、そしてオートラジオ グラフィーに供した。図15Bにおいて、HAタグ化IKK-1およびFlagタグ化IKK-2を 、示すように、別々にまたは組み合せてのいずれかで、ウサギ網状赤血球溶解物 中でインビトロ翻訳させた。次いで、プログラムされた翻訳混合物を、示した抗 体を用いて免疫沈降に供した。サンプルをSDS-PAGEで泳動し、そしてオートラジ オグラフィーに供した。結果は、IKK-1およびIKK-2が、ウサギ網状赤血球溶解物 中 で翻訳させる場合に共沈することを示す。発明の詳細な説明 上記のように、本発明は、一般に、NF-κB活性化を導くシグナル伝達を調節す る(すなわち、刺激または阻害する)ための組成物および方法に関する。特に、本 発明は、後のユビキチン化およびインビボでの分解に重要な2つのN末端セリン 残基におけるIκBαおよびIκBβの刺激依存性リン酸化が可能なI κBキナーゼ(k inase)(IKK)シグナルソーム(本明細書中で「刺激誘導性IκBキナーゼ複合体」また は「IκBキナーゼ複合体」とも呼ばれる)を含む組成物に関する。このような刺激 依存性リン酸化は、外因性補因子を添加することなく達成され得る。特に、IKK シグナルソームは、IκBα(配列番号1)を残基S32およびS36で特異的にリン酸化 し、そしてIκBβ(配列番号2)を残基S19およびS23で特異的にリン酸化する。本 発明はまた、このようなIKKシグナルソームの1つ以上の成分またはこのような 成分の改変体を含む組成物を包含する。本明細書中で「IKKシグナルソームキナー ゼ」、「IκBキナーゼ」、またはIKKと呼ばれる好ましい成分は、IKKシグナルソー ムに組込まれた場合、IκBαをS32およびS36でリン酸化し得るキナーゼである。 特に好ましい成分は、IKK−1(配列番号10)およびIKK-2(配列番号9)である。 IKKシグナルソームおよび/またはIκBキナーゼは、一般に、基質(すなわち、I κB(例えば、IκBα)またはインビボでリン酸化される残基でリン酸化され得る その一部もしくは改変体)をリン酸化するために、およびIκBキナーゼ活性のモ ジュレーターを同定するために使用され得る。このようなモジュレーターならび にインビボおよび/またはインビトロでIκBαキナーゼ活性を調節するためにそ れらを使用する方法もまた、本発明により包含される。一般に、IκBキナーゼ活 性を阻害する組成物は、IκBリン酸化を阻害し得るか、またはIκBキナーゼおよ び/またはIKKシグナルソームの活性化を阻害し得る。 IKKシグナルソームは、いくつかの特有な特性を有する。このような複合体は 安定であり(すなわち、その成分が本明細書中に記載されるような精製後に会合 したままである)、そして高分子量(ゲル濾過クロマトグラフィーにより決定され る場合、約500〜700kD)を有する。図3(AおよびB)ならびに図4(AおよびB)に示 されるように、IKKシグナルソームのIκBキナーゼ活性は、それが、TNFα(すな わち、TNFαでの細胞の処理は、増大したIκBキナーゼ活性およびIκB分解をも たらす)および/またはNF-κBの1つ以上の他のインデューサー(例えば、IL−1、 LPS、TPA、UV照射、抗原、ウイルスタンパク質、およびストレス誘導因子)によ り刺激されるという点で「刺激誘導性」である。TNFαによる刺激の速度論は、イ ンビボで見出されるものに対応する。IKKシグナルソームのIκBキナーゼ活性は また、IκBαのS32およびS36に特異的である。図5(AおよびB)ならびに図6(Aお よびB)に示されるように、IKKシグナルソームは、IκBαのN末端配列(GST−Iκ Bα1-54;配列番号3)を有するポリペプチドをリン酸化し得るが、このようなリ ン酸化は、32位および36位にスレオニン置換を含むIκBα誘導体において検出さ れ得ない。さらに、IκBキナーゼ活性は、2つにリン酸化された(すなわち、S32 およびS36でリン酸化された)IκBαペプチドにより強力に阻害されるが、単一の ホスホスレオニンを含む無関係なc-fosホスホペプチドにより阻害されない。IKK シグナルソームのさらなる特徴は、外因性補因子を添加することなく、標準的な キナーゼ緩衝液中でインビトロで基質をリン酸化する能力である。遊離ユビキチ ンは、非常に長い暴露でさえ、IKKシグナルソームの調製物中で検出され得ない( 図10を参照のこと)。従って、IKKシグナルソームは、Chenら、Cell 84:853-62,1 996により記載されるユビキチン依存性IκBαキナーゼ活性とは異なる。 IKKシグナルソームは、MKP−1(MAPキナーゼホスファターゼ-1;Santa Cruz Bi otechnology,Inc.,Santa Cruz,CA #SC-1102)に対して惹起された抗体により免疫 沈降され得、そしてその活性は、インビトロIκBαキナーゼアッセイを用いて検 出され得る。しかし、以下でさらに議論されるように、MKP-1は、IκBキナーゼ 複合体の成分であると思われない。免疫沈降したIKKシグナルソームの基質特異 性は維持される(すなわち、野生型GST−IκBα1-54(配列番号3)およびGST-IκB β 1-44(配列番号4)の強力なリン酸化、ならびにGST-IκBα 1-54(ここで、セ リン32および36はスレオニンにより置換されている)(GST−IκBα S32/36→T; 配列番号5)またはGST-IκBβ 1-44(ここで、セリン19および23はアラニンによ り置換されている)(GST-IκBβ 1-44 S19/23→A;配列番号6)の実質的に検出可 能でないリン酸化が存在する)。 IKKシグナルソームは、ヒトまたは他の細胞から、そして種々の組織および/ま たは細胞型の任意のものから単離され得る。例えば、標準的なプロトコルを用い て、細胞質および/または核/膜抽出物は、30ng/mL TNFαでの7分間の誘導後にH eLa S3細胞から調製され得る。次いで、抽出物は、Q Scpharose、ゲル濾過(HiL oad 16/60 Superdex 200)、Mono Q、Phenyl Superose、ゲル濾過(Superdex 200 10/30)、およびMono Qを含む一連のクロマトグラフィー工程に供され得る。この 代表的な精製手順は図2に図解され、そして高度に富化されたIKKシグナルソー ムをもたらす(例えば、図5Aおよび6Aと比較のこと)。 代替精製手順は、MKP-1抗体によるIKKシグナルソームの認識に基づく、2段階 アフィニティ方法を使用する(図11A)。TNFα刺激HeLa細胞からの全細胞溶解物 は、抗MKP-1抗体で免疫沈降され得る。IKKシグナルソームは、それに対して抗体 が生成された特定のMKP-1ペプチドを用いて溶出され、そしてMono Qカラムでさ らに分画され得る。 分画の間を通じて、インビトロキナーゼアッセイを使用して、IKKシグナルソ ームのIκBキナーゼ活性をモニターし得る。このようなアッセイにおいて、画分 が適切な基質(例えば、IκBα(配列番号1)またはその誘導体もしくは改変体 )をリン酸化する能力は、当業者に明らかな任意の種々の手段により評価される 。例えば、基質は、32P γ-ATP、ホスファターゼインヒビター、およびプロテア ーゼインヒビターを含むプロテインキナーゼ緩衝液中でクロマトグラフィー画分 と組み合わされ得る。混合物は、30℃で30分間インキュベートされ得る。次いで 、反応は、SDSサンプル緩衝液の添加により停止され、そして後のオートラジオ グラフィーと共にSDS-PAGEを用いて分析され得る。適切な基質は、完全長IκBα (配列番号1)、IκBαのN末端54アミノ酸を含むポリペプチド、完全長IκBβ (配列番号2)、およびIκBβのN末端44アミノ酸を含むポリペプチドを含む。 任意のこれらの基質は、N末端タグととともにまたはともなわずに使用され得る 。1つの適切な基質は、IκBαの残基1-54およびN末端GSTタグを含むタンパク 質(本明細書中でGST-IκBα 1-54;配列番号3と呼ばれる)である。IκBキナ ーゼ複合体の特異性を評価するために、32および36位にスレオニンまたはアラニ ン残基および/または他の修飾を含むIκBα変異体が使用され得る。 あるいは、IKKシグナルソームは、その成分(これもまた本発明に含まれる) から調製され得る。このような成分は、以下により詳細に記載されるように、周 知の組換え技術を用いて生成され得る。IKKシグナルソームの成分は天然であり 得るか、または天然成分の改変体であり得る(すなわち、成分改変体を含む複合 体のIκBαを特異的にリン酸化する能力が、実質的に減少されなければ、成分配 列は1つ以上の置換および/または修飾において天然配列とは異なり得る)。置 換および/または修飾は、一般的に、天然タンパク質の重要でないおよび/また は重要な領域において作製され得る。改変体は、一般的に、Lアミノ酸、Dアミ ノ酸、またはその任意の組み合せの残基を含み得る。アミノ酸は天然に生じ得る か、または少なくとも1つのアミノ基および少なくとも1つのカルボキシル基が 分子内に存在するのであれば、非天然であり得;αおよびβアミノ酸が一般的に 好ましい。改変体はまた、任意の広範な種々の側鎖修飾および/または置換(例 えば、メチル化、ベンジル化、t−ブチル化、トシル化、アルコキシカルボニル 化など)の存在または非存在下で、1つ以上の希なアミノ酸(例えば、4−ヒド ロキシプロリンもしくはヒドロキシリジン)、有機酸またはアミド、ならびに/ あるいは一般的なアミノ酸の誘導体(例えば、エステル化された(例えば、ベン ジル、メチル、もしくはエチルエステル)またはアミド化されたC末端カルボン 酸および/あるいはN末端アミノ基の修飾(例えば、アセチル化またはアルコキ シカルボニル化)を有するアミノ酸)を含み得る。成分改変体はまた、あるいは 、他の修飾(ポリペプチド活性に対して最小の影響を有するアミノ酸の欠失また は付加を含む)を含み得る。特に、改変体は、アミノおよび/またはカルボキシ 末端にさらなるアミノ酸配列を含み得る。このような配列は、例えば、成分ポリ ペプチドの精製または検出を容易にするために使用され得る。一般的に、1つ以 上の置換および/または修飾の効果は、本明細書中で提供される代表的なアッセ イを用いて評価され得る。 成分は、一般的に、周知の組換え方法を用いて成分をコードするDNA配列から 調製され得る。IKKシグナルソームの成分をコードするDNA配列は、例えば、適切 な発現ライブラリー(すなわち、IKKシグナルソームを発現する細胞株または組 織(例えば、脾臓、白血球、HeLa細胞、またはJurkat細胞)から調製されたライ ブラリー)をIKKシグナルソームに対してまたはその1つ以上の成分に対して惹 起された抗体を用いてスクリーニングすることにより単離され得る。次いで、タ ンパク質成分は、周知の組換え技術を用いて、同定されたDNA配列の発現により 調製され得る。 あるいは、成分の部分配列は、標準的な生化学的精製および微量配列決定技術 を用いて得られ得る。例えば、上記のような精製された複合体は、SDS-PAGEゲル 上で泳動され得、そして個々のバンドは単離され、そしてタンパク質微量配列決 定に供され得る。次いで、成分をコードするDNA配列は、ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR)および当業者に周知の方法を用いて、適切なヒトcDNAライブラリーから の増幅により調製され得る。例えば、IKKシグナルソームを発現する細胞株また は組織(例えば、HeLaもしくはJurkat細胞)から調製されたアダプター連結cDNA ライブラリーは、縮重5'特異的正方向プライマーおよびアダプター特異的プライ マーを用いてスクリーニングされ得る。縮重オリゴヌクレオチドはまた、当業者 に周知の方法を用いてcDNAライブラリーをスクリーニングするために使用され得 る。さらに、既知のタンパク質は、特異的抗体を用いたウェスタンブロット分析 を介して同定され得る。 IKKシグナルソームの成分はまた、当業者に公知の任意の種々のタンパク質-タ ンパク質相互作用アッセイを行うことにより同定され得る。例えば、既知の成分 は、他の調節分子を同定するための標準的なツーハイブリッドスクリーニングに おいて「おとり(bait)」として使用され得、これはIKK-1、IKK-2、NFκB1、Re 1A、IκBβ、および/またはp70 S6キナーゼを含み得る(Kieranら、Cell 62:10 07-1018,1900;Nolanら、Cell 64:961-69,1991;Thompsonら、Cell 80:573-82,1 995;Groveら、Mol.Cell.Blol.11:5541-50,1991)。 IKKシグナルソームの特に好ましい成分はIκBキナーゼである。IκBキナーゼ は、1つ以上のIκBタンパク質をリン酸化するその能力に基づいて同定され得、 これは本明細書中に記載される代表的なキナーゼアッセイを用いて容易に決定さ れ得る。一般的に、IκBキナーゼは、このようなアッセイを行う前に本明細書中 に記載されるIKKシグナルソームに組込まれる。なぜなら、複合体会合しないIκ Bキナーゼは、複合体会合IκBキナーゼと同じリン酸化活性を示さないかもしれ ないからである。上記のように、IKKシグナルソーム内のIκBキナーゼは、特定 の刺激に応答して、IκBαを残基S32およびS36で特異的にリン酸化し、そしてI κBβを残基19および23でリン酸化する。 上記のように、IKK-1およびIKK-2は、特に好ましいIκBキナーゼである。IKK- 1およびIKK-2は、ピークIκBキナーゼ活性を含むMono Qカラムからの画分をプー ルし、そしてプールされた画分を調製用SDSゲル電気泳動に供することにより調 製され得る。約85および約87kDaの2つの顕著なタンパク質バンドの強度(それ ぞれ、IKK-1およびIKK-2として図11Bにおいて銀染色により示される)は、IκB キナーゼ活性のプロフィールと相関する。IKK-1に対応する約85kDaバンドは、本 発明の状況でCHUK(保存されたヘリックス-ループ-ヘリックス偏在キナーゼ;Con nelyおよひ情arcu,Cell.Mol.Biol.Res.41:537-49,1995を参照のこと)として同 定されている。約87kDaバンドは、IKK-2を含む。 配列分析は、IKK-1およびIKK-2が、タンパク質相互作用モチーフを含む関連し たタンパク質セリンキナーゼ(51%同一性)であることを明らかにする(図13A) 。IKK-1およびIKK-2の両方は、N末端にキナーゼドメイン、ならびにそれらのC 末端領域にロイシンジッパーモチーフおよびヘリックス-ループ-ヘリックスモチ ーフを含む。ノーザン分析は、IKK-2をコードする・RNAが、約4.5kbおよび6kbの 転写物サイズでヒト組織に広く分布することを示す(図13B)。IKK-1およびIKK- 2の配列はまた、それぞれ、配列番号7および8として提供される。 本発明の状況において、IKK-1またはIKK-2を含むウサギ網状赤血球溶解物免疫 沈降物は、正しい基質特異性でIκBαおよびIκBβをリン酸化することが見出さ れた(図14Aを参照のこと)。これらのキナーゼの変化したバージョンは、RelA のTNFα刺激HeLa細胞核への転座を妨げる。従って、IKK-1およびIKK-2は、NFκB 活性化の著しく初期の段階を制御するようである。 IKKシグナルソームの他の成分もまた本発明により意図される。このような成 分は、上流キナーゼ(例えば、MEKK-1(Leeら、Cell 88,:213-22,1997;Hiranoら 、J.Blol.Chem.271:13234-38,1996)またはNIK(Malininら、Nature 385:540-44,1 997));IKK-1:IKK-2相互作用を媒介するアダプタータンパク質;抗MKP-1と交差 反応する成分;誘導性RelAキナーゼ;および/または多(multi)ユビキチン鎖 をリン酸化IκBに移すE3ユビキチンリガーゼ(HershkoおよびCiechanover,Annu. Rev.Biochem.61:761-807,1992)を含み得るが、これらに限定されない。 IKKシグナルソームの成分は、一般的に、培養宿主細胞(安定な細胞株または 一過的にトランスフェクトされた細胞であり得る)におけるDNA発現により成分 をコードするDNAから調製され得る。好ましくは、宿主細胞は、細菌、酵母、バ キュロウイルス感染昆虫細胞、または哺乳動物細胞である。組換えDNAは、当業 者に周知の技術を用いて、宿主細胞内での使用に適した任意の発現ベクターにク ローニングされ得る。発現ベクターは、エピトープをコードするDNAを含むかも しれないが、含む必要はなく、その結果組換えタンパク質は、NまたはC末端に エピトープを含む。エピトープ(例えば、グルタチオン-Sトランスフェラーゼタ ンパク質(GST)、HA(赤血球凝集素)タグ、FLAG、およびヒスチジンタグ)は、 当業者に周知の技術を用いて付加され得る。 この様式で発現されるDNA配列は、上記のように、IKKシグナルソームの天然成 分をコードし得るか、または天然成分の一部または改変体をコードし得る。改変 体をコードするDNA分子は、一般的に、標準的な変異誘発技術(例えば、オリゴ ヌクレオチド指定部位特異的変異誘発)を用いて調製され得る。あるいは、DNA 配列の断片はまた、短縮ポリペプチドの調製を可能にするために除去され得、そ してさらなる配列をコードするDNA(例えば「タグ」)は、DNA分子の5'または3' 末端に付加され得る。 IKKシグナルソーム成分は、一般的に、IKKシグナルソームを再構成するために 使用され得る。このような再構成は、適切な緩衝液中でIKKシグナルソーム成分 を組み合せることによりインビトロで達成され得る。あるいは、再構成は、本明 細書中に記載されるように、適切な宿主細胞(例えば、HeLaまたはHUVEC)にお いて成分を発現させることによりインビボで達成され得る。 発現されたIKKシグナルソームまたはその成分は、実質的に純粋な形態で単離 され得る。好ましくは、IKKシグナルソームまたは成分は、少なくとも80重量% の純度まで、より好ましくは少なくとも95重量%の純度まで、そして最も好まし くは少なくとも99重量%の純度まで単離される。一般的に、このような精製は、 例えば、本明細書中に記載の代表的な精製法、または硫酸アンモニウム分画、SD S-PAGE電気泳動、およびアフィニティクロマトグラフィーの標準的技術を用いて 達成され得る。本発明の方法における使用のためのIKKシグナルソームおよび成 分は、天然であるか、精製されているか、または組換え体であり得る。 本発明の1つの局面において、IKKシグナルソームおよび/またはその1つ以 上の成分を使用して調節因子を同定し得、これは抗体(例えば、モノクローナル )、ポリヌクレオチド、または他の薬物であり得、NF-κBカスケードを介したシ グナル伝達を阻害または刺激する。調節は、NF-κB活性の抑制または増強を含む 。調節はまた、IκBリン酸化の抑制もしくは増強、または活性化された(すなわ ち、リン酸化された)IKKシグナルソームが基質をリン酸化する能力の刺激もし くは阻害を含み得る。IκBリン酸化を阻害することによりNF-κB活性を阻害する 組成物は、IκBαキナーゼ活性を阻害またはブロックする1つ以上の因子(例え ば、IKKシグナルソームを中和する抗体、IκBキナーゼの基質結合ドメインまた はIκBのリン酸化モチーフを代表する競合ペプチド、IκBキナーゼの転写および /または翻訳を妨げるアンチセンスポリヌクレオチドまたはリボザイム、複合体 に結合することによりIKKシグナルソームを不活化する分子、IκBに結合しそし てIKKシグナルソームによるリン酸化を妨げる分子、あるいはキナーゼから基質 へのリン酸基の転移を妨げる分子)を含み得る。特定の実施態様で、調節因子は 、IKK-1および/またはIKK-2の発現または活性を阻害または増強する。 一般的に、調節因子は、試験化合物とIKKシグナルソーム、IκBキナーゼ、ま たはIκBキナーゼをコードするポリヌクレオチドとをインビトロまたはインビボ で組み合せ、そして例えば、本明細書中に記載の代表的なアッセイを用いて、I κBキナーゼ活性に対する試験化合物の効果を評価することにより同定され得る 。キナーゼ活性の増大または減少は、放射性化合物(例えば、32P-ATP)を添加 し、そしてIKKシグナルソームの適切な基質への放射能取り込みを観察し、それ により化合物がキナーゼ活性を阻害または刺激するか否かを決定することにより 測定され得る。簡単には、候補因子は、IKKシグナルソーム、IκBキナーゼ、ま たはIκBキナーゼをコードするポリヌクレオチドと共に、キナーゼ反応に必要な 化合物(本明細書中に記載される)およびIκB基質を含む反応混合物中に含まれ 得る。一般的に、このようなアッセイにおける使用のための抗体または他の因子 の適切 な量は、約0.01μM〜約10μMの範囲である。次いで、IκBキナーゼ活性に対す る因子の効果は、[32P]リン酸のIκB(例えば、IκBα)(またはその誘導体も しくは改変体)への取り込みを定量し、そして候補因子の添加なしでIκBキナー ゼを用いて達成した取り込みレベルを比較することにより評価され得る。あるい は、IκBキナーゼの転写に対する候補調節因子の効果は、例えば、ノーザンブロ ット分析またはプロモーター/レポーターに基づく全細胞アッセイにより測定さ れ得る。 あるいは、試験化合物がIKKシグナルソームと組み合せられるアッセイについ て、異なるIKKシグナルソーム活性に対する効果がアッセイされ得る。例えば、I KKシグナルソームはまた、p65キナーゼ活性およびIKKホスファターゼ活性を示す 。このような活性に対する試験化合物の効果を評価するためのアッセイは、周知 の技術を用いて行われ得る。例えば、p65キナーゼ活性についてのアッセイは、 一般的に、Zhongら、Cell 89:413-24,1997により記載されるように行われ得る。 ホスファターゼ活性について、アッセイは、一般に、組換えリン酸化IκBキナー ゼを基質として用いて、Sullivanら、J.Biomolecular Screening 2:19-24,1997 により記載されるように行われ得る。 本発明の別の局面において、IKKシグナルソームまたはIκBキナーゼは、IκB (例えば、IκBα)(またはその誘導体もしくは改変体)をリン酸化して、それ をユビキチン化および続く分解のための標的にするために使用され得る。IκBは 、IKKシグナルソームまたはIκBキナーゼとIκBとを、適切な緩衝液中で30℃で3 0分間インキュベートすることによりインビトロでリン酸化され得る。一般的に 、約0.01μg〜約9μgのIκBキナーゼ複合体は、約0.5μg〜約2μgのIκB をリン酸化するために十分である。次いで、リン酸化された基質は、GSH-sephar oseに結合し、そして洗浄することにより精製され得る。基質リン酸化の程度は 、一般的に、[γ-32P]ATPを試験アリコートに添加し、そして本明細書中に記載 されるように基質リン酸化レベルを評価することによりモニターされ得る。 IKKシグナルソーム、その成分、調節因子、ならびに/あるいは成分および/ または調節因子をコードするポリヌクレオチドはまた、患者のNF-κB活性を調節 するために使用され得る。このような調節は、任意の種々の機構(成分または調 節因子を用いたIκBリン酸化の直接阻害または増強;あるいはIKKシグナルソー ムまたはその成分を用いた上流アクチベーター(例えば、NIKまたはMEK)の阻害 を含むが、それらに限定されない)により起こり得る。本明細書中で使用する「 患者」は、任意の哺乳動物(ヒトを含む)であり得、そしてIκBキナーゼ活性化 およびNF-κBカスケードに関連する疾患に罹患していてもよく、または検出可能 な疾患がなくてもよい。従って、処置は、現存する疾患の処置であり得るか、ま たは予防であり得る。NF-κBカスケードに関連する疾患は、炎症性疾患、神経変 性疾患、自己免疫疾患、ガン、およびウイルス感染を含む。 処置は、IKKシグナルソーム、その成分、および/またはIκBキナーゼ活性を 調節する因子の投与を含み得る。患者への投与のために、1つ以上のこのような 化合物は、一般的に、薬学的組成物として処方される。薬学的組成物は、滅菌水 性または非水性溶液、懸濁液、またはエマルジョンであり得、これは生理学的に 受容可能なキャリア(すなわち、活性成分の活性を妨げない非毒性物質)をさら に含む。当業者に公知の任意の適切なキャリアは、本発明の薬学的組成物中に使 用され得る。代表的なキャリアは、生理学的食塩水溶液、ゼラチン、水、アルコ ール、天然または合成油、糖類溶液、グリコール、注射可能な有機エステル(例 えば、オレイン酸エチル)、またはこのような物質の組み合せを含む。任意に、 薬学的組成物は、保存料、および/もしくは他の添加剤(例えば、抗菌剤、抗酸 化剤、キレート剤、および/もしくは不活性ガス)、ならびに/または他の活性 成分をさらに含み得る。 あるいは、薬学的組成物は、生理学的に受容可能なキャリアと組み合せて、( 成分および/または調節因子がインサイチュで生成されるように)IKKシグナル ソームの成分および/または調節因子をコードするポリヌクレオチドを含み得る 。このような薬学的組成物において、ポリヌクレオチドは、当業者に公知の任意 の種々の送達系(核酸、細菌およびウイルス発現系、ならびにコロイド分散系( リポソームを含む)を含む)内に存在し得る。適切な核酸発現系は、患者におけ る発現のために必要なポリヌクレオチド配列(例えば、適切なプロモーターおよ び終結シグナル)を含む。DNAはまた、例えば、Ulmerら、Science 259:1745-49, 1993に記載されるように「裸」であり得る。 標的化された患者細胞に核酸配列を導入するために使用され得る種々のウイル スベクターは、ワクシニアまたは他のポックスウイルス、ヘルペスウイルス、レ トロウイルス、またはアデノウイルスを含むが、それらに限定されない。DNAを このようなベクターに取り込むための技術は、当業者に周知である。好ましくは 、レトロウイルスベクターは、マウスまたはトリレトロウイルス(モロニーマウ ス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーべイマウス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳房 腫瘍ウイルス(MuMTV)、およびラウス肉肺ウイルス(RSV)を含むが、これらに限定 されない)の誘導体である。レトロウイルスベクターは、(形質導入された細胞 の同定または選択を助けるために)選択マーカー遺伝子および/または(ベクタ ー標的を特異的にするために)特定の標的細胞上のレセプターに対するリガンド をコードする遺伝子を、さらに転移または組込み得る。例えば、レトロウイルス ベクターは、糖、糖脂質、またはタンパク質をコードするヌクレオチド配列を挿 入することにより標的特異的にされ得る。標的化はまた、当業者に公知の方法に より、抗体を用いて達成され得る。 ウイルスベクターは、代表的には、感染性ベクター粒子を産生するために補助 を必要とする非病原性(欠損)の複製コンピテントウイルスである。この補助は 、例えば、LTR内の調節配列制御下のレトロウイルスの全ての構造遺伝子をコー ドするプラスミドを含むが、カプセル化のためのRNA転写物を認識するパッケー ジング機構を可能にするヌクレオチド配列がない、ヘルパー細胞株を使用するこ とにより提供され得る。このようなヘルパー細胞株は、Ψ2、PA317、およびPA12 を含むが、それらに限定されない。このような細胞に導入されたレトロウイルス ベクターはパッケージングされ、そしてベクタービリオンが産生され得る。次い で、この方法により産生されたベクタービリオンを使用して、組織細胞株(例え ば、NIH 3T3細胞)を感染し、多量のキメラレトロウイルスビリオンを産生し得 る。 別のポリヌクレオチドの標的化送達系は、コロイド分散系である。コロイド分 散系は、巨大分子複合体、ナノカプセル、マイクロスフェア、ビーズ、および脂 質に基づく系(水中油型エマルジョン、ミセル、混合ミセル、およびリポソーム を含む)を含む。インビトロおよびインビボでの送達ビヒクルとしての使用に好 ましいコロイド系はリポソーム(すなわち、人工膜小胞)である。大型単層小胞 (LUV)(サイズが0.2〜4.0μmの範囲である)は、大きな巨大分子を含む水性 緩衝液の実質的な割合をカプセル化し得ることが示されている。RNA、DNA、およ びインタクトなビリオンは水性内部内にカプセル化され、そして生物学的に活性 な形態で細胞に送達され得る(Fraleyら、Trends Biochem.Sci.6:77,1981)。哺 乳動物細胞に加えて、リポソームは、植物、酵母、および細菌細胞におけるポリ ヌクレオチドの送達に使用されてきた。リポソームが効率的な遺伝子導入ビヒク ルであるために、以下の特徴が存在すべきである:(1)高い効率での目的の遺 伝子のカプセル化(一方、それらの生物学的活性を傷つけない);(2)非標的 細胞と比較して標的細胞への優先的および実質的な結合;(3)高い効率での標 的細胞質への小胞水性含有物の送達;および(4)遺伝情報の正確なおよび効果 的な発現(Manninoら、Biotechniques 6:882,1988)。 リポソームの標的化は、解剖学的および力学的要因に基づいて分類され得る。 解剖学的分類は感受性レベルに基づき、そして例えば、器官特異的、細胞特異的 、および/または細胞小器官特異的であり得る。力学的標的化は、受動的または 能動的であるか否かに基づいて区別され得る。受動的標的化は、リポソームが洞 様毛細血管を含む器官における網内皮細胞系(RES)細胞に分布する自然の傾向 を利用する。一方、能動的標的化は、リポソームを特異的リガンド(例えば、モ ノクローナル抗体、糖、糖脂質、またはタンパク質)に結合させることによるか 、または天然に存在する局在化部位以外の器官および細胞型への標的化を達成す るためにリポソームの組成またはサイズを変えることによるリポソームの改変を 含む。 投与の経路および頻度、ならびに用量は、患者間で変化する。一般的に、薬学 的組成物は、静脈内的、腹腔内的、筋肉内的、皮下的、腔内的、または経皮的に 投与され得る。1〜6用量が毎日投与され得る。適切な用量は、NF-κBカスケー ドに関連した疾患に罹患した患者の徴候において改善を示すに十分な量である。 このような改善は、炎症応答(例えば、浮腫、移植拒絶、過敏)をモニターする ことにより、または疾患に関連した臨床徴候における改善を通して検出され得る 。投薬量は、一般的に、調節因子の性質および処置されるべき疾患に依存して変 化し得る。代表的には、1用量に存在する調節因子の量、または1用量に存在す る DNAによりインサイチュで生成された調節因子の量は、宿主1kgあたり約1μg 〜約200mgの範囲である。適切な用量サイズは患者のサイズと共に変化するが、 代表的には、10〜60kg動物について約10mL〜約500mLの範囲である。 別の局面において、本発明は、サンプル中の刺激誘導性IκBキナーゼ活性レベ ルを検出するための方法を提供する。IκBキナーゼ活性レベルは、一般的に、イ ムノキナーゼアッセイを介して決定され得、ここでIKKシグナルソームは、複合 体に結合する抗体で最初に免疫沈降される。次いで、免疫沈降された物質は、本 明細書中に記載のようにキナーゼアッセイに供される。基質特異性は、刺激誘導 性IκBキナーゼ複合体の活性を他のキナーゼ活性から区別するために、本明細書 中に記載のようにさらに評価され得る。 本発明はまた、サンプル中のIKKシグナルソームまたはその成分のレベルを検 出するための方法を提供する。IKKシグナルソーム、IκBキナーゼ、またはIκB キナーゼをコードする核酸の量は、一般的に、IκBキナーゼ、またはその成分を コードするDNAもしくはRNAに結合する試薬を用いて決定され得る。成分をコード する核酸を検出するために、標準的なハイブリダイゼーションおよび/またはPC R技術が、核酸プローブまたはPCRプライマーを用いて使用され得る。適切なプロ ーブおよびプライマーは、成分配列に基づいて当業者により設計され得る。IKK シグナルソームまたはその成分を検出するために、代表的には、試薬は抗体であ り、これは以下に記載のように調製され得る。 サンプル中のタンパク質を検出するために、抗体を用いた当業者に公知の種々 のアッセイフォーマットがある。例えば、HarlowおよびLane,Antibodies:A Labo ratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,1988を参照のこと。例えば、抗 体は、それがタンパク質に結合し、そしてサンプルからタンパク質を取り出し得 るように、固体支持体に固定化され得る。次いで、結合したタンパク質は、抗体 /タンパク質複合体に結合し、そして検出可能なレポーター基を含む第2の抗体 を用いて検出され得る。あるいは、競合アッセイが利用され得、ここで固定化抗 体に結合するタンパク質は、レポーター基で標識され、そして抗体とサンプルと のインキュベーション後に固定化抗体に結合させられる。サンプル成分が標識タ ンパク質の抗体への結合を阻害する程度は、サンプル内のタンパク質レベルの指 標である。これらの方法にける使用に適切なレポーター基は、酵素(例えば、西 洋ワサビペルオキシダーゼ)、基質、補因子、インヒビター、色素、放射性核種 、発光基、蛍光基、およびビオチンを含むが、それらに限定されない。 本発明に包含される抗体は、ポリクローナルまたはモノクローナルであり得、 そしてIKKシグナルソームおよび/または1つ以上のその成分(例えば、IKK-1お よび/またはIKK-2)に結合し得る。好ましい抗体は、上記のように、インビボ およびインビトロアッセイ内でIκBキナーゼ活性を阻害またはブロックする抗体 である。他の好ましい抗体は、1つ以上のIκBタンパク質に結合する抗体である 。上記のように、IκBキナーゼ活性に対して所望の効果を有する抗体および他の 因子は、インビボでのIκB(例えば、IκBα)のリン酸化を調節するために、( 予防的であるかまたは現存する疾患の処置のためであるかのいずれかで)患者に 投与され得る。 抗体は、当業者に公知の任意の種々の技術により調製され得る(例えば、Harl owおよびLane,Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laborator y,1988を参照のこと)。1つのこのような技術では、目的のタンパク質を含む免 疫原は、好ましくは、1回以上の追加抗原刺激免疫を組込む予め決定されたスケ ジュールに従って、適切な動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、お よびヤギ)に最初に注射され、そして動物は周期的に採血される。次いで、タン パク質に特異的なポリクローナル抗体は、例えば、適切な固体支持体に結合した タンパク質を用いるアフィニティクロマトグラフィーによりこのような抗血清か ら精製され得る。 IKKシグナルソームまたはその成分に特異的なモノクローナル抗体は、例えば 、KohlerおよびMilstein,Eur.J.Immunol.6:511-519,1976の技術およびそれに対 する改良を用いて調製され得る。簡単には、これらの方法は、所望の特異性(す なわち目的の複合体および/または成分との反応性)を有する抗体を産生し得る 不死細胞株の調製を含む。このような細胞株は、例えば、上記のように免疫され た動物から得られた脾臓細胞から生成され得る。次いで、脾臓細胞は、例えば、 ミエローマ細胞融合パートナー(好ましくは、免疫された動物と同系のもの)と の融合により不死化される。例えば、脾臓細胞およびミエローマ細胞は、2、3 分 間非イオン性界面活性剤と組み合せられ、次いで、ハイブリッド細胞の増殖を支 持するが、ミエローマ細胞の増殖を支持しない、選択培地上に低い密度でプレー ティングされ得る。好ましい選択技術は、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリ ン、チミジン)選択を使用する。十分な時間(通常、1〜2週間)の後、ハイブ リッドコロニーが観察される。単一のコロニーが選択され、そしてポリペプチド に対する結合活性について試験される。高い反応性および特異性を有するハイブ リドーマが好ましい。 モノクローナル抗体は、増殖ハイブリドーマコロニーの上清から単離され得る 。さらに、種々の技術(例えば、ハイブリドーマ細胞株の適切な脊椎動物宿主( 例えば、マウス)の腹膜腔への注射)が、収量を増強するために使用され得る。 次いで、モノクローナル抗体は、腹水または血液から採集され得る。汚染物は、 従来の技術(例えば、クロマトグラフィー、ゲル濾過、沈降、および抽出)によ り抗体から除去され得る。 本発明の関連した局面では、サンプル中のIKKシグナルソーム、IκBキナーゼ 、IκBキナーゼをコードする核酸、および/またはIκBキナーゼ活性のレベルを 検出するためのキットが提供される。任意の種々のサンプル(真核生物細胞、細 菌、ウイルス、このような生物から調製された抽出物、および生存生物内で見出 される体液を含む)が、このようなアッセイにおいて使用され得る。一般的に、 本発明のキットは、アッセイにおいて使用される要素(例えば、試薬または緩衝 液)を囲む1つ以上の容器を含む。 IKKシグナルソーム、IκBキナーゼ、またはIκBキナーゼをコードする核酸の レベルを検出するためのキットは、代表的には、目的の化合物に結合する試薬を 含む。IκBキナーゼをコードする核酸を検出するために、試薬は、核酸プローブ またはPCRプライマーであり得る。IKKシグナルソームまたはIκBキナーゼを検出 するために、試薬は、代表的には、抗体である。このようなキットはまた、試薬 の直接的または間接的検出に適切なレポーター基を含む(すなわち、レポーター 基は、試薬に共有結合し得るか、または第2の分子(例えば、プロテインA、プ ロテインG、免疫グロブリン、またはレシチン)(これ自体が試薬に結合し得る )に結合し得る)。適切なレポーター基は、酵素(例えば、西洋ワサビペルオ キシダーゼ)、基質、補因子、インヒビター、色素、放射性核種、発光基、蛍光 基、およびビオチンを含むが、それらに限定されない。このようなレポーター基 は、当業者に公知の標準的な方法を用いて、試薬のサンプル成分への結合を直接 的または間接的に検出するために使用され得る。 なお別の局面において、IKKシグナルソームは、当業者に周知の方法を用いて 、1つ以上のネイティブな上流キナーゼ(すなわち、インビボでIKKシグナルソ ームをリン酸化および活性化するキナーゼ)またはIκBキナーゼ活性に影響する 他の調節分子(例えば、ユビキチン化に関与するホスファターゼまたは分子)を 同定するために使用され得る。例えば、IKKシグナルソーム成分は、このような 成分と相互作用するタンパク質を同定するために、酵母ツーハイブリッドシステ ムにおいて使用され得る。あるいは、発現ライブラリーは、IKKシグナルソーム またはその成分をリン酸化するcDNAについてスクリーニングされ得る。 以下の実施例は、例示のために提供され、そして限定のために提供されるので はない。 実施例 実施例1 活性化の間のNFκBのIKKシグナルソーム中への漸増 本実施例は、NFκBの、IκBキナーゼおよび他のシグナリングタンパク質を含 むタンパク質複合体(IKKシグナルソーム)への漸増を例示する。 非刺激Jurkat細胞または刺激Jurkat細胞のいずれかの細胞質抽出物を、Superd ex 200ゲル濾過カラムで分画し、そしてIκBαを免疫ブロット分析により視覚化 した。Jurkat細胞を1.5×106細胞/mlの細胞密度まで増殖し、そして刺激しなか ったか、またはPMA(50ng/ml)/PHA(1μg/ml)で10分間誘導したかのいずれかで あった。細胞を採集し、そして2容量のHLB緩衝液(20mM Tris(pH8.0)、2mM ED TA、1mM EGTA、10mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、10mM PNPP、300μM Na3VO4、1mMベンズアミジン、2mM PMSF、10μg/mlアプロトニン、1μg/ml ロイペプチン、1μg/mlペプスタチン、1mM DTT)に懸濁し、0.1% NP40とし 、そして 15分間氷上に放置し、そしてガラスDounceホモジナイザーで溶解した。核を、So rval SS34ローター中で10,000rpmで20分間ペレット化した。上清を、Ti50.1ロー ター中で40,000rpmで60分間さらに遠心分離した。全ての手順は4℃で行った。S -100画分を濃縮し、そしてGF緩衝液(20mM Tris HCl(pH8.0)、150mM NaCl、1mM EDTA、1mM EGTA、5%グリセロール、0.025%Brij35、1mMベンズアミジン、2 mM PMSF、10mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、10mM PNPP、300μM Na3V O4、10μg/mlアプロトニン、1μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプスタチン 、1mM DTT)で平衡化した、Hi Load 16/60 Superdex 200プレップグレードゲル 濾過カラムでクロマトグラフした。単離された画分を、抗IκBαまたは抗JNK抗 体(Santa Cruz,Inc.,Santa Cruz,CA)のいずれかを用いてウェスタンブロット 分析により分析した。 図1Aに示されるように、非刺激細胞からの細胞抽出物中のIκBαは、不活性NF κB−IκB複合体のクロマトグラフイー特性(BaeuerleおよびBaltimore,Genes D ev.3:1689-98,1989)と一致して、約300kDaの見かけの分子量で溶出した(レーン 5〜7)。対照的に、リン酸化されたIκBα(刺激された期間が短すぎてタンパ ク質の完全な分解を可能にしなかった細胞に由来する)は、同じクロマトグラフ ィーカラムで約600kDaで移動した(レーン2、3)。移動におけるこの差異は、 IκBに特異的であった。なぜなら、同じ画分の分析は、Jun N末端キナーゼJNK1 およびJNK2が低い見かけの分子量で移動することを示し、そして刺激細胞と非刺 激細胞との間のクロマトグラフィー挙動における差違を示さなかったからである 。IκBのこのより大きなタンパク質複合体への刺激依存性漸増はリン酸化IκBの 出現と一致し、これは複合体がIκBリン酸化を仲介する特異的IκBキナーゼを含 んでいたことを示唆する。これらの結果は、NFKB活性化が、IκBキナーゼおよび 他のシグナリングタンパク質を含むタンパク質複合体(IKKシグナルソーム)中 への漸増を含むことを証明する。 実施例2 IKK シグナルソームの部分精製および同時精製成分の同定 本実施例は、IκBキナーゼを含む抽出物の分画を例示する。TNFα刺激細胞か らの全細胞抽出物を、上記のように、ゲル濾過、イオン交換、および他のクロマ トグラフィー方法により分画した。画分中のIκBキナーゼ活性を、GST−IκBα( 1-54)(配列番号3)またはGST-IκBβ(1-44)(配列番号4)のリン酸化により アッセイした。キナーゼアッセイを、20mM HEPES(pH7.7)、2mM MgCl2、2mM Mn Cl2、10μM ATP、1〜3μCi γ−[32P]-ATP、10mM β-グリセロホスフェート 、10mM NaF、10mM PNPP、300μM Na3V04、1mMベンズアミジン、2μMPMSF、10 μg/mlアプロトニン、1μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプスタチン、1mM D TT)中で30℃で30〜60分間、示された基質の存在下で行った。キナーゼ反応を、 6×SDS-PAGEサンプル緩衝液の添加により止め、SDS-PAGE分析に供し、そしてオ ートラジオグラフィーを用いて視覚化した。上記のアッセイにおける使用のため のGST-IκB基質を、細菌発現GSTタンパク質のための標準的な技術を用いて調製 した(Current Protocols in Molecular Biology 2:16.7.1-16.7.7,1996を参照 のこと)。細菌細胞を溶解し、GSTタンパク質をGSTアガロースビーズへの結合を 介して精製し、数回洗浄し、グルタチオンでビーズから溶出させ、キナーゼアッ セイ緩衝液に対して透析し、そして-80℃で保存した。キナーゼの特異性を、セ リン32、36がスレオニンに変異した変異体GST-IκBα(1-54)(配列番号5)、お よびセリン19、23がアラニンに変異したGST-IκBβ(1-44)(配列番号6)を用い ることにより確立した。 IκBキナーゼ活性は、非刺激細胞からの抽出物において観察されなかったが、 一方5〜7分間のTNFαでの刺激は、キナーゼ活性の強力な誘導をもたらした。 図1Bに示されるように、刺激細胞に由来するIκBキナーゼ活性は、NFκB活性化 に必要とされる他の成分を潜在的に含む大きなタンパク質複合体におけるその存 在と一致して、約500〜700kDaの広いピークとしてゲル濾過でクロマトグラフし た。 NFκBの活性化は、MAPキナーゼ経路もまた刺激する条件下で起こることが知ら れている(Leeら、Cell 88:213-22,1997;Hiranoら、J.Biol.Chem.271:13234-38 ,1996)。従って、IKKシグナルソーム精製の種々の段階でMAPキナーゼおよびホス ファターゼカスケードに関連するタンパク質を検出するために、さらなる実験を 行った。RelAおよびIκBβに加えて、MEKK-1および約55および約40kDaの2つの チロシンリン酸化タンパク質は、IκBキナーゼ活性と共に同時精製した(図1C) 。RelAおよびIκBβに対する抗体を、Santa Cruz Biotechnology,Inc.(Santa Cr uz,CA)から得、そしてMEKK-1に対する抗体を、Upstate Biotechnology(Lake Pla cld,NY)から得た。他のシグナリング成分(PKCζ、PP1、およびPP2Aを含む)を 、初期クロマトグラフィー段階においてIκBキナーゼと同じ画分中に検出したが 、より後期のクロマトグラフィー段階で同時精製しなかった(データ示さず)。 最も興味深いことには、MKP-1に対する抗体とのその交差反応により検出された 約50kDaの同定されなかったタンパク質は、いくつかの精製段階を通してIκBキ ナーゼと共に同時精製した(図1C)。このタンパク質は、本物のMKP-1の分子量 が38kDaであるので、MKP-1自身ではないようである。 実施例3 HeLa S3 細胞抽出物からのIKKシグナルソームの調製 本実施例は、IKKシグナルソームの代替調製および複合体の特徴付けを例示す る。 HeLa S3細胞を約0.6×106/mLの細胞密度まで増殖させ、10倍濃縮し、そして7 分間TNFα(30ng/mL)で誘導した。次いで、ホスファターゼインヒビター(10mM フッ化ナトリウム、0.3mMオルトバナジウム酸ナトリウム、および20mMβ-グリセ ロホスフェート)を含む氷冷PBSの2容量を添加した。細胞をスピンダウンし、 ホスファターゼインヒビターを含む氷冷PBSで1回洗浄し、そして急速凍結した 。 次いで、標準的なプロトコルを使用して、細胞質および核抽出物を調製した。 より詳細には、凍結したHeLa S3細胞ペレットを37℃で急速解凍し、2容量の氷 冷低張溶解緩衝液(20mM Tris(pH8.0)、2mM EDTA、1mM EGTA、10mM β-グリセ ロホスフェート、10mM NaF、10mM PNPP、0.3mM Na2VO4、5mMリン酸ナトリウム 、1mMベンズアミジン、2mM PMSF、10μg/mlアプロチニン、1μg/mlロイペ プチン、および1μg/mlペプスタチン)に再懸濁し、そして氷上で30分間放置 し、インキュベートした。次いで、膨張した細胞を堅い乳棒で30回すりつぶし( dounced)、そして核を、4℃で15分間10,000rpmでペレット化した。上清を超遠 心分離(4℃で1時間50,000rpm)を介して清澄して、最終細胞質抽出物を生成 した。 核/膜ペレットを、等容量の高塩抽出緩衝液(20mM Tris(pH8.0)、0.5M NaCl、1 mM EDTA、1mM EGTA、0.25% Triton X-100、20mM β-グリセロホスフェート、10 mM NaF、10mM PNPP、0.3mM Na2VO4、1mMベンズアミジン、1mM PMSF、10μg/ml アプロチニン、1μg/mlロイペプチン、および1μg/mlペプスタチン)に再懸 濁し、そして4℃で30分間回転させた。細胞破片を、4℃で30分間12,500rpmの 遠心分離を介して除去し、そして得られた上清を、核/膜抽出物として保存した 。 次いで、これらの抽出物を、独立して、Pharmacia FPLCシステム(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)を用いる一連のクロマトグラフィー工程(図2に示さ れる)に供した: (1)Q Sepharose(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)−このカラムを、0.0M NaCl Q緩衝液(20mM Tris(pH8.0)、0.5mM EDTA、0.5mM EGTA、0.025% Brij 35 、20mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、0.3mM Na2VO4、1mMベンズアミジ ン、1mM PMSF、2mM DTT、10μg/mlアプロチニン、1μg/mlロイペプチン、 および1μg/mlペプスタチン)で始まり、そして0.5M NaCl Q緩衝液で終わる直 線勾配で作動させた。IκBαキナーゼ活性は、0.25〜0.4M NaClで溶出した。 (2)ゲル濾過HiLoad 16/60 Superdex 200)(Pharmacia Biotech,Piscataway, NJ)−このカラムを、ゲル濾過緩衝液(20mM Tris(pH8.0)、150mM NaCl、1mM EDT A、1mM EGTA、0.05% Brij 35、20mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、0.3 mM Na2VO4、1mMベンズアミジン、1mM PMSF、1mM DTT、10μg/mlアプロチニン 、1μg/mlロイペプチン、および1μg/mlペプスタチン)で作動させた。ピー クIκBαキナーゼ活性は40〜48mLで溶出し、これは731kD〜623kDの分子量に対応 する。 (3)HR 5/5 MonoQ(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)−このカラムを、0.0 M NaCl Q緩衝液で始まり、そして0.5M NaCl Q緩衝液(Phenyl Superoseカラムの ためのサンプルを調製するためにBrij界面活性剤を含まない)で終わる線状勾配 で作動させた。IκBαキナーゼ活性は、0.25〜0.4M NaClで溶出した。 (4)HR Phenyl Superose(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)−このカラム を、Phenyl Superose緩衝液(20mM Tris(pH8.0)、0.25mM EDTA、1mMEGTA、20mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、0.1mM Na2VO4、1mMベンズアミジン、 1mM PMSF、1mM DTT、10μg/mlアプロチニン、1μg/mlロイペプチン、およ び1μg/mlペプスタチン)中の1.0M〜0.0M硫酸アンモニウムの線上勾配で作動 させた。IκBαキナーゼ活性は、0.35〜0.2M硫酸アンモニウムで溶出した。 (5)ゲル濾過Superdex 200 HR 10/30(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)− このカラムを、ゲル濾過緩衝液(上記(2)を参照のこと)で作動させた。活性 ピークは8〜10mLで溶出し、これは720kD〜600kDの分子量に対応する。 (6)HR 5/5 MonoQ−このカラムを、0.05% Brij 35が全てのQ緩衝液に含ま れる以外は、上記の(3)のように作動させた。 類似した基質特異性および分子量を有するIκBαキナーゼ活性を、細胞質およ び核/膜両方の抽出物から単離した。 分画の各工程で、IκBキナーゼ活性をインビトロアッセイを用いてモニターし た。アッセイを、2μgの各IκB基質(以下に記載されるような、GST−IκBα 1-54(野生型)またはGST-IκBα(S32/36→T))と、3〜5μLのクロマトグラフ ィー画分および20μLのγ32P-ATPを含むキナーゼアッセイ緩衝液(20mM HEPES( pH7.4)、10mM MgCl2、10mM MnCl2、20mM NaCl、1M DTT、20mM PNPP、20μM ATP 、20mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、0.1mM Na2VO4、1mMベンズアミジ ン、1mM PMSF)とを組み合せ、そして30℃で30分間インキュベートすることに より行った。キナーゼ反応を、8μLの6×SDS-PAGEサンプル緩衝液を添加する ことにより終結させた。全サンプルを、12%ポリアクリルアミドゲル上で泳動さ せ、乾燥させ、そしてオートラジオグラフィーに供した。 上記のアッセイにおける使用のためのIκB基質を、標準的な技術(Haskillら 、Cell 65:1281-1289,1991を参照のこと)を用いて調製した。GST-IκBα 1-54( 野生型)またはGST-IκBα(S32/36→T)基質を、細菌発現したGSTタンパク質のた めの標準的な技術を用いて調製した。細菌細胞を溶解し、GSTタンパク質をGSTア ガロースビーズへの結合を介して精製し、数回洗浄し、グルタチオンでビーズか ら溶出させ、50mM NaClキナーゼアッセイ緩衝液に対して透析し、そして-80℃で 保存した。 IκBキナーゼ活性のTNFα誘導性を、ゲル濾過後のHeLa S3細胞質抽出物中のI κBレベルのウェスタンブロット分析により最初に評価した。10% SDSPAGEで18 μLのゲル濾過画分を泳動させ、標準的なブロッティング技術を用いてニトロセ ルロース膜(Hybond-ECL,Amersham Life Sciences,Arlington Height,IL)に移 し、そして抗IκBα抗体(Santa Cruz Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)で プローブすることにより、IκBαをアッセイした。TNFα誘導性を、TNFα(上記 のように7分間30ng/mL)に暴露した細胞(図3B)と暴露しなかった(図3A)細 胞におけるIκBαレベルを比較することにより評価した。 これらの細胞質抽出物のIκBキナーゼ活性を、上記のキナーゼアッセイを用い て評価した。図4Bに示されるように、TNFα処理細胞の抽出物はGST-IκBα 1-54 (野生型)をリン酸化し、一方、未処理細胞抽出物は、著しく低いレベルのIκBα キナーゼ活性を示した(図4A)。 TNFα処理HeLa S3細胞の細胞質抽出物(Q Sepharose分画後)もまた、基質と してIκBαのN末端部分(残基1〜54)を用いてインビトロキナーゼアッセイに 供した。野生型基質を用いると、GST-IκBα 1-54のリン酸化は容易に明らかで あった(図5A)。対照的に、32および36位にスレオニン置換を含む基質はリン酸 化されなかった(図5B)。 Q Sepharose、Superdex 200、MonoQ Sepharose、およびPhenyl Superoseによ るクロマトグラフィー分画後、インビトロキナーゼアッセイは、IκBキナーゼ活 性の実質的な精製を示した(図6A)。IκBキナーゼのさらなる精製は、サンプル を、分析Superdex 200およびMonoQ HR5/5に連続して通過させることにより達成 し、銀染色により決定されるような8つの主要なタンパク質バンドをもたらした 。以前のように、32および36位にスレオニン置換を含む基質の使用は、リン酸化 を著しく低減した(図6B)。これらの結果は、外因性因子の添加なくIκBαの32 および36位のセリン残基を特異的にリン酸化する、刺激誘導性IκBαキナーゼ複 合体の精製を証明する。 実施例4 抗MKP-l抗体を用いたIKKシグナルソームの免疫沈降 本実施例は、刺激細胞から調製された細胞質抽出物に由来するIκBキナーゼ活 性の免疫沈降を例示する。A.HeLa細胞に由来するIκBキナーゼ複合体の免疫沈降 HeLa細胞をTNFα処理し(30μg/mL、7分)、そして実施例3に記載のように ゲル濾過により分画した。20μLのゲル濾過画分#6(約700kD分子量に対応す る)および1μgのMKP-1に対して惹起された精製抗体(Santa Cruz Biotechnol ogy,Inc.,Santa Cruz,CA)を、400μLの氷冷1×プルダウン(Pull Down)緩衝 液(20mM Tris(pH8.0)、250mM NaCl、0.05% NP-40、3mM EGTA、5mM EDTA,10mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、10mM PNPP、300μM Na3VO4、1mMベン ズアミジン、2mM PMSF、10μg/mlアプロトニン、1μg/mlロイペプチン、1 μg/mlペプスタチン、1mM DTT)に添加した。サンプルを4℃で1時間穏やか に回転し、この時に40μLのプロテインA-アガロースビーズ(50:50スラリー、 Santa Cruz Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)を添加した。次いで、サンプ ルを、4℃でさらに1.5時間回転させた。プロテインA-アガロースビーズを4℃ で2分間3,000rpmでペレット化し、そしてペレットを氷冷プルダウン緩衝液(洗 浄あたり800μL)で3回洗浄した。 ペレットを、基質として2μgのGST-IκBα1-54(野生型)または2μgのGS T-IκBα1-54(S32/36→T)のいずれかを用いて、(上記のように)標準的なイ ンビトロIκBαキナーゼアッセイに供した。 図7に示される結果は、MKP-1に対して指向された抗体は、刺激誘導性IκBα キナーゼ活性を免疫沈降することを証明する。このIκBαキナーゼ活性の基質特 異性は、インビボで記載されたもの(GST-IκBα1-54(野生型)の強力なリン酸 化およびGST-IκBaI-54(S32/36→T)を用いたリン酸化なし)に一致する。B.免疫沈降されたIKKシグナルソームの特徴づけ これらの研究のために、小規模の免疫沈降を、HeLa細胞の2つの150mmプレー ト(刺激細胞および非刺激細胞)を用いて行った。全細胞溶解物を、2×プルダ ウン緩衝液(40mM Tris(pH8.0)、500mM NaCl、0.1% NP-40、6mM EDTA、6mM EG TA、10mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、10mM PNPP、300μM Na3VO4、1m Mベンズアミジン、2μM PMSF、10μg/mlアプロトニン、1μg/mlロイペプチ ン、1μg/mlペプスタチン、1mM DTT)で4倍に希釈し、そして2〜4μgの示 された抗体を添加した。溶解物を1〜2時間氷上でインキュベートし、10μlの プロテインAまたはGビーズを添加し、そして溶解物を、4℃でさらに1時間穏 やかに回転しながらインキュベートしたままにした。次いで、免疫沈降物を、2 ×プルダウン緩衝液で3回、ATPを含まないキナーゼ緩衝液で1回洗浄し、そし て実施例2に記載のようにキナーゼアッセイに供した。免疫沈降物を、例えば、 RIPA緩衝液(20mM Tris、250mM NaCl、1% NP-40、1% DOC、0.1% SDS、3mM EDTA、3mM EGTA、10mM β-グリセロホスフェート、10mM NaF、10mM PNPP、300 μM Na3VO4、1mM ベンズアミジン、2μM PMSF、10μg/mlアプロトニン、1 μg/mlロイペプチン、1μg/mlペプスタチン、1mM DTT)でのより激しい洗浄 、または3.5M尿素までの洗浄に供した。 試験された大きなパネルの抗体のうち、3つの抗MKP-1抗体のうちの1つは、H eLa細胞ならびに初代ヒト請静脈内皮細胞(HUVEC)由来の誘導性IκBキナーゼ活 性を効率的に共同免疫沈降した。共同免疫沈降キナーゼ(IKKシグナルソームキ ナーゼ)は、非刺激HeLa細胞において不活性であったが、TNFα刺激の数分内で 迅速に活性化された(図8A、上方のパネル)。IKKシグナルソームキナーゼは、 セリン残基32および36がスレオニンに変異している変異体GST-IκBαタンパク質 をリン酸化しなかった(図8A上方のパネル、偶数のレーン)。シグナルソームキ ナーゼの活性化は5分で最大であり、そしてその後低下し、時間経過は同じ条件 下のIκBαリン酸化および分解の時間経過と一致した(図8A、下方のパネル)。 期待されたように、シグナルソームIκBキナーゼはまた、IL-1またはPMAでの細 胞の刺激により活性化され(図8B、レーン1〜4);さらに、その活性は、NFκ B活性化の既知のインヒビターであるTPCKで処理された細胞において阻害された (図8B、レーン7)。さらに、IKKシグナルソームキナーゼは、生理学的RelA-Iκ Bα複合体の状況において、完全長野生型IκBαを特異的にリン酸化したが、セ リン32、36でのアラニン変異を有する変異体IκBαをリン酸化しなかった(図8 C、レーン3、4)。同時に、これらの結果は、抗MKP-1抗体がIKKシグナルソー ムを共同免疫沈降したことを示す。シグナルソーム関連IκBキナーゼは、標準の IκBキナーゼの期待される全ての基準を満たし、そして検出可能なIκBαC末端 キナーゼ活性を有さなかった。 IKKシグナルソームキナーゼの特異性は、速度論的分析により、ならびに種々 のペプチドおよび組換えタンパク質基質に対するその活性を調べることによりさ らに確立された(図9A)。これらの研究のために、合成ペプチド(Alpha Diagno stics International,San Antonio,TX)を以下の配列を用いて調製した: これらのペプチド(100μM)のリン酸化を、上記のようにキナーゼ反応を用 いて行った。反応は、室温で1時間であり、そしてSDS-PAGEローディング緩衝液 の添加により終結させた。16% Tris/トリシンゲル(Novax,San Diego,CA)また は4〜20% Tris/グリシンゲル(Novax,San Diego,CA)を用いたSDS-PAGEを使用 して、反応産物を特徴付けた。ゲルを洗浄し、真空乾燥し、そしてオートラジオ グラフフィルムに暴露した。 免疫精製されたIKKシグナルソーム活性の阻害を、上記の反応条件を用いた不 連続アッセイにおいてGST-IκBα(1-54)への32P取り込みにより測定した。阻害 研究において使用されるGST-IκBα(1-54)およびATPの濃度は、それぞれ0.56μ Mおよび3μMであった。酵素反応(32μL)を、室温で1時間96ウェルアッセ イプレートのウェル中で行い、そしてトリクロロ酢酸(TCA)(12.5% w/vの150 μL/ウェル)の添加で終結させた。続く20分のTCAとのインキュベーションによ って、タンパク質は沈降したが、溶液からはペプチドは沈降しなかった。TCA沈 降物を、96ウェルガラスファイバープレート(Packard)上に収集し、そしてPac kard Filermate 196を用いてウェルあたり約0.3mLのダルベッコリン酸緩衝化生 理食塩水(pH7.4)(Sigma)で10回洗浄した。シンチレーション液(0.50mL、Mi croScint,Packard)を各ウェルに添加し、そしてプレートを、Packard TopCount シンチレーションカウンターを用いて32Pについて分析した。10%未満のATPをア ッセイ反応の経過において代謝回転させ、速度論データが初速度データを示すこ とを確実 にした。P32、P36ペプチドの阻害定数を、Dixon分析(DixonおよびWebb,In Enzy mes(Academic Press:New York,第3版,1979),350-51頁)により決定した。 キナーゼは、正常なミカエリスーメンテン速度論を示し、これは異なる非関連 キナーゼの混合物でないことを示唆した。キナーゼは、IκBα(21-41)ペプチ ド(図9Aおよび9B)ならびに2つの異なるIκBα(21-41)ペプチド(各々、32 または36位のいずれかに遊離セリン、および他の位置にホスホセリンを有する) (図9Aおよび9B、レーン2、3)をリン酸化し得た。期待されたように、両方の 位置にホスホセリンを有するペプチドは、全くリン酸化されず(図9B、上方)、 本発明者らの反応条件下でリン酸の有意なターンオーバーが存在しなかったこと を示す。これらの実験は、セリン32および36の両方がIKKシグナルソームキナー ゼのホスホアクセプター部位であることを示し、従って、それと他のキナーゼ( 例えば、セリン32のみでIκBαをリン酸化するpp90Rsk(Schoutenら、EMBO J.1 6:3133-44,1997))とを区別する。 IKKシグナルソームキナーゼはIκBペプチドを効率的にリン酸化したが、遊離 セリンおよび遊離スレオニンを含むc-Fosホスホペプチド(図9B、上方)、2つ のc-Junペプチド(それぞれセリン63および73を含む)(図9A、上方のパネル、 レーン4、5)、または4つのセリンおよび3つのスレオニンを含むMKP-1ペプ チド(図9A、レーン6)をリン酸化しなかった。後者のペプチドは、JNK2の基質 であった(図9A、下方のパネル、レーン4〜6)。セリン32および36がスレオニ ンにより置換されたIκBα(21-41)ペプチドは、野生型セリン含有ペプチドよ り少なくとも10倍少ないシグナルソームによりリン酸化され、これは、細胞にお けるIκBα(S32/S36→T)のより遅いリン酸化および分解速度論(DiDonatoら、Mol .Cell.Blol.16:1295-1304,1996)、ならびに完全長IκBαおよびGST-IκBα(1-5 4)の両方における32、36位でのスレオニンを越えるセリンに対するキナーゼの優 先(図8AおよびC)と一致した。さらに、キナーゼは、低い親和性にもかかわら ず、GST-IκBβ(1-54)をリン酸化した。ほとんどの実験において、IκBキナーゼ 活性はまた、強力なRelAキナーゼ活性(図8C、レーン3、4)に関連したが、い くつかの他の基質(ミエリン塩基性タンパク質(MBP)、GST-ATF2(1−112)、GST -cJun(1-79)、GST-ERK3、GST-Elk(307-428)、GST-p38、およびIκBα(242-314) のC末端領域を含むGST融合タンパク質を含む)に対する活性は観察されなかっ た。 IKKシグナルソームキナーゼの特異性は、産物阻害に対するその感受性により さらに強調された(図9B、下方)。キナーゼは、32および36位の両方にホスホセ リンを有する二重にリン酸化されたIκBαペプチドにより強力に阻害されたが、 単一のホスホスレオニンを含む非関連c-Fosホスホペプチドにより阻害されなか った。単一にリン酸化されたIκBαペプチド、およびリン酸化されなかったIκB αペプチドは、あまり効果的なインヒビターでなかった。 実施例5 精製IKKシグナルソームにおける遊離ユビキチンの非存在 本実施例は、実施例3におけるように調製されたIKKシグナルソームを用いた 検出可能な遊離ユビキチンの非存在を例示する。標準的なウェスタンブロット手 順を行った(Amersham Life Scienceプロトコル、Arlington Heights,IL)。100 ngユビキチン、10ngユビキチン、および20μl精製IκBαキナーゼ複合体を、16 %Tricine SDS-PAGE(Novex,SanDiego,CA)に供し、Hybond ECLニトロセルロース 膜(Amersham Life Science,Arlington Heights,IL)に移し、そしてユビキチ ンに対して指向された抗体(MAB1510;Chemicon,Temecula,CA)でプローブした 。結果を図10に示す。遊離ユビキチンは、精製IκBαキナーゼ調製物中で検出さ れ得なかった(非常に長い曝露でさえ)。本明細書中に記載の複合体は、IκBα キナーゼ活性を検出するために内因性ユビキチンの添加を必要としないし、遊離 ユビキチンは、本発明の精製IκBαキナーゼ調製物における成分でもない。 実施例6 NF κBシグナルソームの精製ならびにIKK-1およびIKK-2の同定 本実施例は、MKP-1抗体によるその認識に基づくIKKシグナルソーム精製(図11 Aに示される)およびIκBキナーゼ同定のための2段階アフィニティ方法を例示 する。 大規模IKKシグナルソーム精製のために、HeLa S3細胞を20ng/ml TNFα(R&D S ystems,Minneapolis,MN)で7分間刺激し、採集し、全細胞溶解物を調製し(1.2 g総タンパク質)、そして約5mgの抗MKP-1抗体(Santa Cruz Biotechnology,Inc. ,SantaCruz,CA)を添加し、そして穏やかに回転しながら4℃で2時間インキュ べートした。続いて、50mlのプロテインAアガロース(Calbiochem,San Diego,C A)を添加し、そして混合物をさらに2時間インキュベートした。次いで、免疫 沈降物を、4×プルダウン緩衝液、2×RIPA緩衝液、2×プルダウン緩衝液、1 ×3.5M尿素-プルダウン緩衝液、および3×プルダウン緩衝液で連続的に洗浄し た。次いで、免疫沈降物を10mlのプルダウン緩衝液の添加により厚いスラリーに し、25mgの特異的MKP-1ペプチド(これに対して抗体が作製された(Santa Cruz B iotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA))を添加し、そして混合物を、穏やかに回転 しながら4℃で一晩インキュベートした。次いで、溶出されたIKKシグナルソー ムを、50mM Q緩衝液で平衡化したPD 10脱塩カラム(Pharmacia Biotech,Piscata way,NJ)で脱塩し、そしてMono Qカラム(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ) でクロマトグラフした。ピークIkBキナーゼ活性を含む画分をプールし、濃縮し 、そして調製SDS-PAGEに供した。約85および約87kDaの2つの顕著なタンパク質 バンド(それぞれ、IKK-1およびIKK-2として図11Bにおいて銀染色により示され る)の強度は、IκBキナーゼ活性のプロフィールと相関した。 クマシー染色された約85および約87kDaバンドを切除し、トリプシンでインゲ ル消化し(Wilmら、Nature 37:466-69,1996)、そして上清の少ないアリコートを 、Shevchenkoら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:14440-45,1996により記載される ように、高質量精度MALDIペプチド質量マッピングにより分析した。IKK-1バンド に由来するペプチド質量マップを、EMBL Heidelbergの建物において開発された プログラムPeptideSearchを用いて包括的タンパク質配列データベースに対して 検索した。8つの測定されたペプチド質量が、30ppm内でCHUK(保存性ヘリック ス-ループ-ヘリックス偏在(ubiquitous)キナーゼ;ConnelyおよびMarcu,Cell.Mo l.Biol.Res.41:537-49,1995)に由来する計算されたトリプシン処理ペプチド質量 に適合し、このタンパク質を明瞭に同定した。IKK-2バンドのペプチド質量マッ プは明らかな同定をもたらさず、従ってサンプルは、ナノエレクトロスプレー質 量分析(Wilmおよび、Mann,Anal.Chem.68:1-8,1996)に供された。ゲル断片の 抽出後に得られたペプチド混合物を、50nLのPOROS R2樹脂(PerSeptive Biosyst ems,Framingham,MA)を含む毛細管で微量精製した。洗浄後、ペプチドを、ナノ エレクトロスプレー針へ5%ギ酸中の50%MeOH 0.5μlで段階溶出した。この針 をAPIII質量分析計(Perkin-Elmer,Sciex,Toronto,Canada)に移し、そしてサン プルを約20分間スプレーした。この時間の間、質量スペクトルから明らかなペプ チドイオンを選択し、そして順に単離し、そして質量分析計の衝突チャンバー内 でフラグメント化した。タンデム質量スペクトルから、配列の短い範囲を、ペプ チド配列タグに組み立て(MannおよびWilm,Anal.Chem.66:4390-99,1994)、そして タンパク質配列データベースに対してか、またはPeptideSearchを用いるdbESTに 対して検索した。 3つのペプチドがIKK-1配列に適合した。A1:IIDLGYAK(配列番号17);A2:VEV ALSNIK(配列番号18);A3 SIQLDLER(配列番号19)。3つの他のペプチドがdbE STにおいてヒトEST配列に適合し;B1:ALELLPK(配列番号20)、B2:VIYTQLSK( 配列番号21)、B6:LLLQAIQSFEK(配列番号22)、全てがESTクローンAA326115に 適合する。配列LGTGGFGNVIR(配列番号23)を有するペプチドB4は、クローンR06 591において見出された。完全長IKK-2配列が(以下に記載のように)得られた後 、さらに2つのペプチドB3:ALDDILNLK(配列番号24)およびB5:DLKPENIVLQQGE QR(配列番号25)はこの配列において見出された。ペプチドA1は、IKK-1およびI KK-2両方の配列に存在する。同定された全てのESTクローンは、今まで未知であ った機能のセリン/スレオニンキナーゼである、ヒトおよびマウスCHUKに明らか に相同であった。一旦IKK-2の完全なコード配列が(以下に記載のように)得ら れると、全ての配列決定されたペプチド(IKK-1に由来する2つのペプチドを除 いて)は、このタンパク質に割り当てられ得る。 代表的な質量スペクトルを図12Aおよび12Bに示す。図12Aにおいて、Aと標識 したピークは、フラグメント化、それに続くペプチド配列タグでのデータベース 検索の際にIKK-1のトリプシン処理ペプチドに適合させられた。B2、B4、B6と標 識したピークは、タンパク質データベースに見出されなかったが、その代わりヒ トEST配列に適合した。ヒトESTクローンに適合するもう1つのペプチド(B1)は m/z392.2で観察された。そしてこれはパネルAに示さない。図12Bにおいて、連 続シリーズのC末端含有フラグメント(Y"-イオン)を使用して、囲んだ文字に より示されるようにペプチド配列タグを構築した。このタグの検索は、ヒトEST クローンAA326115中のペプチドLLLQALQSFEK(配列番号22)に対する適合をもた らした。もう2つのペプチドB1(ALELLPK;配列番号20)およびB2(VIYTQLSK; 配列番号21)は、同じESTクローンの配列において見出された。 完全長ヒトIKK-1およびIKK-2 cDNAを、Genome Systems,Inc.(St.Lois,MO)か ら得た、ヒトESTクローンに基づいてクロ−ニングした。正確なヌクレオチド配 列を決定し、そしてこれを使用して、ヒトHeLa細胞cDNAライブラリー(Clontech ,Inc.,Palo Alto,CA)からヒトIKK-2をPCRクローニングするためのプライマーを 設計した。いくつかのIKK-2 cDNAクローンを単離し、そして配列決定した。完全 長マウスIKK-1および部分的ヒトIKK-1ヌクレオチド配列は、包括的データベース において利用可能であり、それぞれのヒトおよびマウスIKK-1 cDNAをPCRクロー ニングするためのプライマーを設計した。部分的ヒトIKK-1コード領域を使用し て、標準的な手順を用いて完全長ヒトIKK-1 cDNAクローンを得るために、HeLa c DNAファージライブラリー(Stratagene,Inc.,LaJolla,CA)をプローブした。 これらのクローンの配列分析は、IKK-1およびIKK-2が、タンパク質相互作用モ チーフを含む関連プロテインセリンキナーゼ(51%同一性)であることを明らか にした(図13A)。IKK-1およびIKK-2の両方は、N末端にキナーゼドメインならび にC末端領域にロイシンジッパーモチーフおよびヘリックスーループ-ヘリック スモチーフを含む(図13A)。ノーザン分析は、IKK-2をコードするmRNAが、約4. 5kbおよび6kbの転写サイズでヒト組織に広く分布することを示した(図13B)。I KK-1(CHUK)転写物の分布は以前に報告されている(Connelyら、Cell.Mol.Biol.Re s.41:537-49,1995)。IKK-1 mRNAおよびIKK-2 mRNAは、Jurkat、HeLa、および有 UVEC細胞株において構成的に発現され、そしてそれらのレベルは、NFκBインデ ューサー(例えば、TNFα(HeLa、HUVEC)または抗CD28+PMA(Jurkat))での刺 激後8時間まで変えられない。 IKK-1およびIKK-2の特性をさらに特徴付けるために、組換えHAタグ化IKK-1お よびFlagタグ化IKK-2は、別々または単独のいずれかで、コムギ胚芽またはウサ ギ網状赤血球溶解物(Promega,Madison,WI)においてインビトロで転写および翻 訳された。反応を、製造者のプロトコルに記載のように正確に行った。次いで、 エピトープタグ化IKK-1およびIKK-2は、適切な抗タグ抗体で免疫沈降した。これ らのタンパク質を含む免疫沈降物は、正しい基質特異性でIκBαおよびIκBβを リン酸化した(すなわち、IKK-1およびIKK-2の免疫沈降物は、GST−IκBα(図1 4A、パネル3)およびGST−IκBβ(パネル4)の両方をリン酸化したが、T変異 体タンパク質に対応するS32/36をリン酸化しなかった)。ウサギ網状赤血球溶解 物において発現されたIKK-1もまた自己リン酸化が可能であったが(図14A、パネ ル2、レーン1)、一方IKK-1のキナーゼ不活性バージョン(ここで保存性リジ ン44がメチオニンに変異している)は自己リン酸化を示さなかった。対照的に、 IKK-2は、溶解物中で等価なレベルで発現したが(レーン1)、非常に弱い自己 リン酸化を示した(パネル2、レーン2)。 IKK-1およびIKK-2のキナーゼ不活性変異体(KからM)の発現は、免疫蛍光研究 により実証されるように、両方がNFκB活性化において重要な役割を果たすこと を示す(図14Bおよび14C)。これらの研究のために、HeLa細胞を、HAタグ化IKK- 1またはFlagタグ化IKK-2のいずれかで一過的にトランスフェクトした。細胞を、 メタノールで30分間固定した。免疫蛍光染色のために、細胞を、10%ロバ血清お よび0.25% Triton X-100を含むPBS中の1次抗体で2時間、続いて蛍光結合また はテキサスレッド結合2次抗体(Jackson Immunoresearch Laboratories,Inc.,W est Grove,PA;1:500希釈で使用)で室温で1時間、連続的にインキュベートし た。カバーガラスをリンスし、そしてスコア付けおよび代表的な視野の写真撮影 の前にVectashield(Vector Laboratories,Burlingame,CA)でカバーガラスを付け た。免疫蛍光染色に使用されたl次抗体は、RelA(Santa Cruz Biotechnology,In c.,Santa Cruz,CA)、HAタグ(Babco,Berkeley,CA)、およびFlagタグ(IBI-Koda k,New Haven,CT)に対する抗体を含んだ。 IKK-1およびIKK-2のキナーゼ不活性バージョン(K44からM)は、非刺激HeLa細 胞におけるRelAの亜細胞局在化に対して効果を有さなかった。なぜならRelAは、 エピトープタグ化タンパク質を発現する細胞および隣接したトランスフェクトさ れていない細胞の両方において細胞質に残存したからである(図14Bおよび14C、 上のパネル)。対照的に、両方の変異体タンパク質は、TNFα刺激細胞におけるR elA核転座を阻害した(図14Bおよび14C、下のパネル)。IKK-2変異体により媒介 される阻害は著しくかつ完全であったが(図14C:同じ視野における、変異体IKK -2発現細胞とトランスフェクトされていない細胞を比較せよ)、明らかに等価な レベルで発現された変異体IKK-1タンパク質により媒介される阻害は、有意であ ったが不完全であった(図14B)。2つの変異体キナーゼの機能的活性における 差異は、NFκB活性化におけるこれらの2つのキナーゼの異なる役割を示し得る 。 IKK-1およびIKK-2におけるロイシンジッパーおよびヘリックス-ループ-ヘリッ クスモチーフの存在は、それらがシグナルソームにおける他のタンパク質を機能 的に相互作用したことを示唆した。明らかな可能性は、タンパク質が互いにヘテ ロまたはホモダイマーを形成したことであった。HAタグ化IKK-1およびFlagタグ 化IKK-2は、単独または共にのいずれかで、ウサギ網状赤血球溶解物において翻 訳され、次いで適切なエピトープタグに対する抗体で免疫沈降した。この実験は 、IKK-2がIKK-1免疫沈降物に存在し(図15A、レーン3)そして逆もまた同じ( レーン4)ことを明らかに証明し、これはこれらのタンパク質が直接的に会合す るか、またはウサギ網状赤血球溶解物に存在するアダプタータンパク質/IKKシ グナルソーム成分を介して会合するかのいずれかを示唆した。しかし、対照的に 、コムギ胚芽溶解物おいて同時翻訳されたIKK-1およびIKK-2の会合についての証 拠はなく(図15B)、これはタンパク質が直接的にヘテロダイマーを形成しなか ったことを示唆した。完全長IKK-1が、タンパク質相互作用モチーフをなお有し たIKK-1の短縮バージョンと共にコムギ胚芽抽出物において共に翻訳された場合 、会合の証拠もなく、IKK-1もまたこれらの条件下でホモダイマーを形成し得な かったことを示唆した。 IKK-1およびIKK-2キナーゼの両方は、それらが自己リン酸化し得たので、コム ギ胚芽抽出物において発現された場合に活性であったが、それらはIκB基質のリ ン酸化に関して不活性であった。自己リン酸化および基質リン酸化の両方はウサ ギ網状赤血球溶解物においてインタクトであったので、より高次のタンパク質複 合体へのIKK-1およびIKK-2の会合とIKK-1およびIKK-2免疫沈降物における特定の IκBキナーゼ活性の存在との間に直接的相関があると思われる。このより高次の 複合体は、ほとんどIKKシグナルソーム自身であるらしい。確かに、抗MKP-1抗体 でのウサギ網状赤血球溶解物の免疫沈降は、IKKシグナルソームに特徴的な低い レベルの活性IκBキナーゼの活性を下げた。 IKKシグナルソームが、IKK-1およびIKK-2に加えて複数のタンパク質成分を含 むことは明らかである(図11B)。これらのうちのいくつかは、上流のキナーゼ (例えば、MEKK-1(Chenら、Cell 84:853-62,1996)またはNIK(Mallninら、Nature 385:540-44,1997))であり得;他は、IKK-1:IKK-2相互作用を媒介するアダプ タータンパク質であり得る。実際に、MEKK-1を、IKKシグナルソーム活性と共に 同時精製し(図1C)、そして他の2つのシグナルソームタンパク質を機能的に同 定している。抗MKP-1と交差反応性のタンパク質が、この抗体と同時沈降したIκ Bキナーゼ活性が2〜4M尿素での洗浄に安定であるので、IKKシグナルソームキ ナーゼの内因性成分である。さらに、IKK-1免疫沈降物、およびIKKシグナルソー ムを含むMKP-1免疫沈降物(図8C)の両方は、その活性化速度論が、同じ免疫沈 降物におけるIκBキナーゼのものと類似している誘導性RelAキナーゼを含む。シ グナルソーム複合体におけるタンパク質の別の強力な候補は、多ユビキチン(mul tiubiquitin)鎖をリン酸化IκBに転移するE3ユビキチンリガーゼである(Hershk oら、Annu.Rev.Biochem.61:761-807,1992)。 これらの結果は、IKK-1およびIKK-2が、IκBリン酸化およびNFκB活性化を媒 介する、IKKシグナルソーム内で機能的キナーゼであることを示す。IKK-1および IKK-2の適切な調節は、より高次のタンパク質複合体へのそれらの組み立てを必 要とし得、より高次のタンパク質複合体は、アダプタータンパク質、完全なIKK シグナルソーム、またはIKK-1およびIKK-2の両方を含むいくつかの中間亜複合体 により促進にされるヘテロダイマーであり得る。 前述から、本発明の特定の実施態様が、例示の目的のために本明細書中で記載 されたが、種々の改変が、本発明の精神および範囲を逸脱することなくなされ得 ることが認識される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 105 C07K 16/40 C07K 16/40 C12N 1/19 C12N 1/19 1/21 1/21 9/12 5/10 C12P 21/08 9/12 C12Q 1/48 Z C12P 21/08 G01N 33/15 Z C12Q 1/48 33/50 Z G01N 33/15 33/573 A 33/50 C12N 5/00 B 33/573 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),AU,CA,JP (72)発明者 ズー,ヘンギィ アメリカ合衆国 カリフォルニア 92130, サン ディエゴ,ブルックバーン ドライ ブ 4941 (72)発明者 バーボサ,ミグエル アメリカ合衆国 カリフォルニア 92129, サン ディエゴ,カミノ デル スエロ 13763 (72)発明者 リー,ジアン アメリカ合衆国 カリフォルニア 92130, サン ディエゴ,リュエッテ アリアンテ 12445 (72)発明者 マーレイ,ブライオン ダブリュー. アメリカ合衆国 カリフォルニア 92130, サン ディエゴ,ナーシサス ドライブ 2685

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.外因性補因子の添加なく、IκBαを残基S32およびS36で、ならびにIκBβを 残基19および23で特異的にリン酸化し得るIKKシグナルソーム。 2.前記シグナルソームがヒト組織または細胞株に由来する、請求項1に記載の IKKシグナルソーム。 3.請求項1に記載のIKKシグナルソームの成分、またはこのような成分の改変 体を含むポリペプチドであって、ここで該成分が配列番号9に列挙される配列を 有する、ポリペプチド。 4.請求項3に記載のポリペプチドをコードする単離されたDNA分子。 5.請求項4に記載のDNA分子を含む組換え発現ベクター。 6.請求項5に記載の発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿 主細胞。 7.請求項6に記載の宿主細胞であって、ここで宿主細胞は、細菌、酵母、バキ ュロウイルス感染昆虫細胞、および哺乳動物細胞からなる群より選択される、宿 主細胞。 8.IKKシグナルソームを調製するための方法であって、適切な緩衝液中にIKKシ グナルソームの成分を組み合せる工程を包含する、方法。 9.IKKシグナルソームの基質をリン酸化するための方法であって、基質と請求 項1に記載のシグナルソームとを接触させ、それにより該基質をリン酸化する工 程を包含する、方法。 10.IKKシグナルソームの基質をリン酸化するための方法であって、基質とI κBキナーゼ活性を有するIKKシグナルソームの成分を含むポリペプチドとを接 触させ、それにより該基質をリン酸化する工程を包含する、方法。 11.前記ポリペプチドがIKK-1(配列番号10)を含む、請求項10に記載の方 法。 12.前記ポリペプチドがIKK-2(配列番号9)を含む、請求項10に記載の方 法。 13.前記基質がIκBαまたはその改変体である、請求項9または10のいずれ かに記載の方法。 14.IKKシグナルソーム活性を調節する因子をスクリーニングするための方法 であって、以下の工程: (a)候補因子と請求項1に記載のIKKシグナルソームとを接触させる工程で あって、ここで接触させる工程が、該候補因子および該IKKシグナルソームを相 互作用させるのに十分な条件下および時間で行われる工程;および (b)続いて、該候補因子が該IKKシグナルソーム活性を調節する能力を測定 する工程、 を包含する、方法。 15.前記調節されるIKKシグナルソーム活性が、IκBキナーゼ活性、p65キナー ゼ活性、およびIKKホスファターゼ活性からなる群より選択される、請求項14 に記載の方法。 16.IKKシグナルソーム活性を調節する因子をスクリーニングするための方法 であって、以下の工程: (a)候補因子と請求項1に記載のIKKシグナルソームの成分を含むポリペプ チドとを接触させる工程であって、ここで接触させる工程が、該候補因子および 該ポリペプチドを相互作用させるのに十分な条件下および時間で行われる工程; および (b)続いて、該候補因子が、該ポリペプチドがIκBタンパク質をリン酸化す る能力を調節する能力を測定する工程、 を包含する、方法。 17.前記ポリペプチドがIKK-1(配列番号10)を含む、請求項16に記載の方 法。 18.前記ポリペプチドがIKK-2(配列番号9)を含む、請求項16に記載の方 法。 19.IKK-1(配列番号10)および/またはIKK-2(配列番号9)に結合する抗体 。 20.前記抗体がIKKシグナルソームによるIκBタンパク質のリン酸化を阻害す る、請求項19に記載の抗体。 21.患者のNF-κB活性を調節する薬物の製造における使用のための、薬学的に 受容可能なキャリアと組み合せたIKKシグナルソーム活性を調節する因子を含む 組成物。 22.前記因子がIKKシグナルソームの活性化を阻害する、請求項21に記載の 組成物。 23.前記因子が活性化IKKシグナルソームのキナーゼ活性を阻害する、請求項 21に記載の組成物。 24.IKKシグナルソーム活性化に関連する疾患に冒された患者を処置する薬物 の製造における使用のための、薬学的に受容可能なキャリアと組み合せたIKKシ グナルソーム活性を調節する因子を含む組成物。 25.前記因子がモノクローナル抗体である、請求項21〜24のいずれか1項 に記載の組成物。 26.前記因子がポリヌクレオチドを含む、請求項21〜24のいずれか1項に 記載の組成物。 27.サンプル中のIKKシグナルソーム活性を検出するための方法であって、以 下の工程: (a)抗体がIKKシグナルソームを免疫沈降させるのに十分な条件下および時 間で、サンプルとIKKシグナルソームに結合する抗体とを接触させる工程; (b)免疫沈降された物質を該サンプルから分離する工程;および (c)該免疫沈降された物質がインビボで特異性を有するIκBタンパク質をリ ン酸化する能力を決定する工程、 を包含する、方法。 28.前記免疫沈降された物質がIκBαを残基S32およびS36でリン酸化する、請 求項27に記載の方法。 29.適切な緩衝液と組み合せてIKKシグナルソームに結合する抗体を含む、サ ンプル中のIKKシグナルソーム活性を検出するためのキット。 30.NF-κBシグナル伝達カスケードにおける上流キナーゼを同定するための方 法であって、該方法は、候補上流キナーゼがIKKシグナルソーム、またはその成 分もしくは改変体の酵素活性をリン酸化し、そして誘導する能力を評価し、それ により該NF-κBシグナル伝達カスケードにおける上流キナーゼを同定する工程を 包含する、方法。 31.IKKシグナルソームの成分を同定するための方法であって、以下の工程: (a)IKKシグナルソームを単離する工程; (b)該シグナルソームを成分に分離する工程;および (c)成分の部分配列を得、それにより該IKKシグナルソームの成分を同定す る工程、 を包含する、方法。 32.IKKシグナルソームを生物学的サンプルから調製するための方法であって 、以下の工程: (a)生物学的サンプルを2つ以上の画分に分離する工程;および (b)画分中のIκBキナーゼ活性をモニターする工程、 を包含する、方法。
JP51184098A 1996-08-26 1997-08-26 刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム Expired - Fee Related JP4695735B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/697,393 US5972674A (en) 1996-08-26 1996-08-26 Stimulus-inducible protein kinase complex and methods of use therefor
US08/697,393 1996-08-26
US08/910,820 US6258579B1 (en) 1996-08-26 1997-08-13 Stimulus-inducible protein kinase complex and methods of use therefor
US08/910,820 1997-08-13
PCT/US1997/015003 WO1998008955A1 (en) 1996-08-26 1997-08-26 Stimulus-inducible i (kappa)b kinase [ikk] signalsome

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008127763A Division JP2008301815A (ja) 1996-08-26 2008-05-14 刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001502892A true JP2001502892A (ja) 2001-03-06
JP4695735B2 JP4695735B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=27106013

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51184098A Expired - Fee Related JP4695735B2 (ja) 1996-08-26 1997-08-26 刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム

Country Status (6)

Country Link
US (3) US6576437B2 (ja)
EP (1) EP0920518A1 (ja)
JP (1) JP4695735B2 (ja)
AU (1) AU726383B2 (ja)
CA (1) CA2263835C (ja)
WO (1) WO1998008955A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2249551A1 (en) 1996-03-19 1997-09-25 Proscript, Inc. A kinase capable of site-specific phosphorylation of i.kappa.b.alpha.
EP0920518A1 (en) * 1996-08-26 1999-06-09 Signal Pharmaceuticals, Inc. Stimulus-inducible i (kappa)b kinase ikk] signalsome
US5932425A (en) * 1997-02-18 1999-08-03 Signal Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for modulating cellular NF-κB activation
WO1998037228A1 (en) * 1997-02-25 1998-08-27 The Regents Of The University Of California IλB KINASE, SUBUNITS THEREOF, AND METHODS OF USING SAME
US5837514A (en) * 1997-03-07 1998-11-17 Tularik Inc. IκB kinases
US5851812A (en) * 1997-07-01 1998-12-22 Tularik Inc. IKK-β proteins, nucleic acids and methods
US6235512B1 (en) * 1997-07-01 2001-05-22 Tularik Inc. IKK-α proteins, nucleic acids and methods
EP0897009A3 (en) * 1997-08-04 1999-06-09 Smithkline Beecham Plc HKABY60 polypeptides
US6087169A (en) * 1997-08-04 2000-07-11 Smithkline Beecham Plc HKABY60: polynucleotide encoding a helix-loop-helix ubiquitous kinase family polypeptide
US6030834A (en) * 1997-12-30 2000-02-29 Chiron Corporation Human IKK-beta DNA constructs and cells
AU6189999A (en) * 1998-10-15 2000-05-08 Bioimage A/S Specific therapeutic interventions obtained by interference with redistribution and/or targetting
ATE499445T1 (de) 1998-12-10 2011-03-15 Signal Pharm Llc Menschliche ubiqutin ligase e3. verwendung für die modulation von nf-kappa b
US6630312B2 (en) 1999-08-10 2003-10-07 Joslin Diabetes Center, Inc. Method for identifying compounds for treatment of insulin resistance
WO2001010384A2 (en) 1999-08-10 2001-02-15 Joslin Diabetes Center, Inc. Method for identifying compounds for treatment of insulin resistance
GB9930616D0 (en) * 1999-12-24 2000-02-16 Mathilda & Terence Kennedy Ins Activation and inhibition of the immune system
WO2002094265A1 (en) * 2001-05-24 2002-11-28 Leo Pharma A/S A method of modulating nf-$g(k)b activity
US6642215B2 (en) 2001-05-24 2003-11-04 Leo Pharma A/S Method of modulating NF-kB activity
EP3438265A1 (en) 2017-08-02 2019-02-06 Universität Bielefeld Dual inhibition of ikk1 and ikk2 for the treatment of proliferative diseases

Family Cites Families (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6150090A (en) 1986-01-09 2000-11-21 Massachusetts Institute Of Technology Nuclear factors associated with transcriptional regulation
US5126324A (en) 1990-06-07 1992-06-30 Genentech, Inc. Method of enhancing growth in patients using combination therapy
US5597898A (en) 1995-02-15 1997-01-28 Yale University NF-κB activation regulatory protein, IκB-β
CA2249551A1 (en) * 1996-03-19 1997-09-25 Proscript, Inc. A kinase capable of site-specific phosphorylation of i.kappa.b.alpha.
CA2260803C (en) 1996-07-19 2007-06-26 Toto Ltd. Photocatalytically hydrophilifiable coating composition
US5972674A (en) 1996-08-26 1999-10-26 Signal Pharmaceuticals, Inc. Stimulus-inducible protein kinase complex and methods of use therefor
EP0920518A1 (en) * 1996-08-26 1999-06-09 Signal Pharmaceuticals, Inc. Stimulus-inducible i (kappa)b kinase ikk] signalsome
US5932425A (en) 1997-02-18 1999-08-03 Signal Pharmaceuticals, Inc. Compositions and methods for modulating cellular NF-κB activation
US6268194B1 (en) * 1997-02-25 2001-07-31 The Regents Of The University Of California IKB kinase and methods of using same
US6235512B1 (en) 1997-07-01 2001-05-22 Tularik Inc. IKK-α proteins, nucleic acids and methods
US5851812A (en) 1997-07-01 1998-12-22 Tularik Inc. IKK-β proteins, nucleic acids and methods
US5843721A (en) * 1997-07-03 1998-12-01 Tularik Inc. Nucleic acids encoding human NIK protein
US6242253B1 (en) 1997-10-09 2001-06-05 Regents Of The University Of California IkB kinase, subunits thereof, and methods of using same
FR2774378A1 (fr) 1998-01-30 1999-07-30 Inst Nat Sante Rech Med PROTEINE HUMAINE BETA-TrCP DE CIBLAGE DES PROTEINES VERS LES VOIES DE DEGRADATION PAR LE PROTEASOME
ATE499445T1 (de) 1998-12-10 2011-03-15 Signal Pharm Llc Menschliche ubiqutin ligase e3. verwendung für die modulation von nf-kappa b
US6649654B1 (en) 1999-11-23 2003-11-18 The Regents Of The University Of California Methods for identifying and using IKK inhibitors

Also Published As

Publication number Publication date
CA2263835A1 (en) 1998-03-05
EP0920518A1 (en) 1999-06-09
JP4695735B2 (ja) 2011-06-08
AU4090497A (en) 1998-03-19
AU726383B2 (en) 2000-11-02
US20030100026A1 (en) 2003-05-29
US7285654B2 (en) 2007-10-23
WO1998008955A1 (en) 1998-03-05
CA2263835C (en) 2012-02-21
US20020151021A1 (en) 2002-10-17
US6576437B2 (en) 2003-06-10
US7759476B2 (en) 2010-07-20
US20090169564A1 (en) 2009-07-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7759476B2 (en) Double-stranded RNAS directed to IKK-2
JP2008301815A (ja) 刺激誘導性I(κ)Bキナーゼ[IKK]シグナルソーム
Andjelković et al. The catalytic subunit of protein phosphatase 2A associates with the translation termination factor eRF1.
CA2180570C (en) Isolated p27 protein and its encoding nucleic acid molecules
US20050255094A1 (en) Mitogen-activated protein kinase kinase MEK6 and methods of use therefor
AU736316B2 (en) Mitogen-activated protein kinase p38-2 and methods of use therefor
AU2001263952B2 (en) Tumour suppressor and uses thereof
AU2001263952A1 (en) Tumour suppressor and uses thereof
US7202049B2 (en) Mitogen-activated protein kinase p38-2 and methods of use therefor
JP4633259B2 (ja) NF−κBの活性化を調節する化合物および方法
JPH11500606A (ja) 核タンパク質セリン/スレオニンキナーゼ
JP2002515223A (ja) Taoプロテインキナーゼおよびその使用方法
US5559019A (en) Protein serine kinase, SRPK1
AU762809B2 (en) Histidine protein-phosphatase
JPH10117788A (ja) ヒト・myt−1キナーゼクローン
US20040115631A1 (en) Nucleic acid coding for a bonding site of a protein kinase of the mitogenic signalling cascade of a clycolysis-catalysing enzyme
US6677130B1 (en) Mitogen-activated protein kinase p38-2 and methods of use therefor
US6372467B1 (en) P54s6k and p85s6k genes, proteins, primers, probes, and detection methods
US6617427B1 (en) Nucleic acid molecule encoding an ankyrin repeat TVL-1 protein and methods of use thereof

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070425

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080514

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080627

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20080814

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20081218

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101007

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101013

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101105

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101111

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20101207

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20101210

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110228

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140304

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees