JP2001502719A - 改良された診断/治療用薬剤 - Google Patents

改良された診断/治療用薬剤

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Abstract

(57)【要約】 気体含有または気体発生物質を含むレポーターの水性担体液体中の懸濁液を含有し、そのレポーターが1種以上の非生物活性ベクターにカップリングまたは連結されている、標識設定可能な診断用および/または治療用薬剤、例えば超音波造影剤。

Description

【発明の詳細な説明】 改良された診断/治療用薬剤 本発明は、診断用の、および/または、治療活性を有する薬剤、特に身体内の 特定の位置の診断用造影および/または治療が強化される、身体の内部の部位お よび/または構造と相互作用を示すか、これに対する親和性を有する部分を配合 している、診断用の、および/または治療活性を有する薬剤に関する。特に関連 するものは超音波造影において使用される診断剤であり、これを本明細書では標 的設定超音波造影剤と称する。 超音波造影は、例えば特に心臓撮影における血管系、および組織微小血管構造 の研究において潜在的に価値ある診断手段である。このようにして得られる音響 像を増強するものとして種々の造影剤が提案されており、これらには固体粒子の 懸濁液、乳化液滴、気泡およびカプセル化された気体または液体が包含される。 容易に圧縮できる低密度の造影剤はそれらが発生する音響後方散乱の点で特に効 率的であることが一般的に知られており、このため、気体含有および気体発生の 系の製造が多くの注目を集めている。 気体含有造影媒体はまた磁気共鳴(MR)造影において、例えば、MR信号密度を低 下させる作用を有する感受性造影剤として有効であることが知られている。酸素 含有造影媒体もまた潜在的に有用な常磁性のMR造影剤である。 更に、X線造影の分野では二酸化炭素のような気体がネガ型の経口造影剤また は血管内造影剤として使用できることが判っている。 放射性気体、例えばキセノンのような不活性ガスの放射性同位体の使用もまた 、例えば血液プール造影のためのシンチグラフィーにおいて提案されている。 標的設定超音波造影剤は(i)超音波の照射と相互作用を示し検出可能な信号を 発生することのできるレポーター部分;(ii)身体内部の特定の標的 部位および/または構造に対する、例えば、特定の細胞または患部領域に対する 親和性を有するベクター1つ以上;および(iii)レポーターとベクターが直接連 結していない場合はこれらを連結するリンカー1つ以上を有するものと考えられ る。 薬剤を結合させる分子および/または構造は、今後本明細書では標的と称する 。身体内の選択された領域/構造において特定の造影を行なうかまたは治療効果 を得るためには、標的はその領域/構造中に存在し、使用可能でなければならな い。理想的には関連する領域にのみ発現するものであるが、通常は身体内の他の 位置にも存在し、バックグラウンドの問題を生じさせる場合がある。標的は確定 した分子種(即ち標的分子)または未知の分子またはより複雑な構造(即ち標的構 造)のいずれかであってよく、これは、造影および/または治療すべき領域に存 在し、特定のベクター分子に特異的または選択的に結合することができる。 ベクターはレポーター部分を造影および/または治療すべき領域および/また は構造に結合させるためにこれら領域に結合または連結する。ベクターは選択さ れた標的に特異的に結合するか、または、結合が選択的であるだけで、限定され た数の他の分子/構造に対しても親和性を有し、やはりバックグラウンドの問題 を生じさせる場合がある。 標的設定超音波造影剤に関する従来技術には限界があった。即ち、例えば、US -A-553980号はレポーターが薄膜状または層状の形態で少なくとも部分的に存在 する膜形成界面活性剤1種以上で安定化された空気または気体の微小気泡の水性 懸濁液を含有し、この界面活性剤が「特定の標的設定目的のために設計された生 物活性種」を有するベクター1種以上に結合する系に関する。これによれば、微 小気泡は界面活性剤物質で直接カプセル化されているのではなく、微小気泡を安 定化させる液体充填リポソーム内に取り込まれているとされている。このような リポソーム中に存在するリン脂質のような薄膜状または層状の界面活性剤物質は 親油性テール部を 「バックトゥーバック」に、そして親水性ヘッド部を内側と外側の両方に有する 脂質二重層の1個以上の形態として存在せざるを得ない(例えばSchneider,M. の「Liposomes as drug carriers:10 years of research」,Drug Targeting,Ny on,Switzerland,1984年10月3-5日、Buri,P.and Gummma,A.(Ed),Elservie r,Amsterdam 1984参照)。 EP-A-0727225は被験者の体温で一部気化するような十分な蒸気圧を有する物質 をレポーターが含有する標的設定超音波造影剤を記載している。この物質は界面 活性剤またはアルブミンの担体を伴っており、これにはベクターとしての蛋白系 、ペプチド系または炭水化物系の細胞接着分子リガンドが含まれる。このような 造影剤のレポーター部分はWO-A-9416739に記載されているフェイズシフトコロイ ド系に相当し、現在ではこのようなフェイズシフトコロイドの投与は、恐らくは 、例えば心筋血管構造および脳の潜在的に危険な塞栓を起こす程度まで制御不可 能に成長する微小気泡の発生を起こすと考えられている(例えばSchwarz,Advanc es in Echo-Contrast[1994(3)],pp48-49参照)。 WO-A-9320802は組織特異的超音波像増強が抗体、ペプチド、レクチン等のよう な組織特異的リガンドにコンジュゲートされた音響反射オリゴ薄膜リポソームを 用いて達成されることを記載している。リポソームは気体を含まないように慎重 に選択されるため、気体系超音波造影剤の好都合なエコー源生特性を有しない。 この技術に関する詳細、例えばフィブリン、血栓およびアテローム性動脈硬化部 分に対する標的設定については、Alkanonyuksel,H等の出版物(J.Pharm.Sci. (1996)85(5),486-490;J.Am.Coll.Cardiol.(1996)27(2)Suppl A,298A;お よびCirculation,68Sci.Sessions,Anaheim,1995年11月13-16日)に記載されて いる。 実際の有意な詳細を示してはいないが、ベクターとしてのモノクローナル抗体 の使用の可能性および/または細網内皮系によって取り込まれ、それにより肝臓 のような臓器の像増強を可能にする物質を含有するレポータ ーに副次的に言及している多くの超音波造影剤関連文献があり、例えばWO-A-930 0933,WO-A-9401140,WO-A-9408627,WO-A-9428874,US-A-5088499,US-A-53480 16およびUS-A-5469854等である。 本発明は、非生物活性ベクターに結合した気体含有および気体発生の診断およ び/または治療剤が、対象にとって望ましくなくしかも不必要な生物学的作用効 果を顕在化させ得る慣用の標的設定剤と比較して高められた安全性を有するが故 に特に有用な標的設定剤であるという知見に基づいている。 ある種の非生物活性ベクターの更に別の利点は、それらのベクターが生物活性 ベクターと比較して改善された標的設定効力を示すことができるという点にある 。その理由としては、生物活性ベクターは通常、標的分子上の同一結合部位に対 する内生リガンドと競争しなければならないであろうという点にある。逆に、非 生物活性ベクターは、内生リガンドの存在しない標的分子に結合することがよく あるし、あるいはまた非生物活性ベクターは、標的分子の生物学的機能において は包含されず、しかも身体中には天然リガンドが存在しない標的分子中の各部位 で結合することができる。 ここで使用する「非生物活性」という用語は2種の物質を意味する。第1に、 それは、生物学的応答を生ずる際には通常包含されていない標的分子または標的 構造と相互作用するかまたはそれに結合することが可能な物質を意味する。第2 に、それは、生物活性物質が標的に結合した後に通常顕在化される生物学的応答 を付与したりまたは阻止したりすることなしに、ある一定の標的と相互作用する かまたはそれに結合することが可能な物質を意味する。ここで生物活性物質は別 の分子(即ち、標的)と相互作用し、明確な測定可能な生物学的応答を生ずる物 質である。 例えばトランスフェリンまたはリポタンパク質用の受容体のような輸送蛋白質 用の多くの受容体は、リガンドの結合後にそれ自体で生物学的応答を生じない。 同様に、蛋白質中に担持される一部分は生物活性であり得る が、しかしアポタンパク質それ自体は生物活性ではない。同様に、多くのコファ クター、ビタミン類等は、それらが細胞中に運ばれた後だけ生物活性である。即 ち、それらは単に担体蛋白質に結合しただけでは生物学的応答を顕在化しない。 本発明で有用なベクターは、例えば、それ自体で非生物活性であるか、または 診断および/または治療目的に有用な投与量で非生物活性であるのがよい。ある いはまた、一つの型のベクターにより顕在化される生物活性が、同一薬剤に結合 されるかあるいはまた同一の診断および/または治療用組成物中に存在する別種 または他の種類のベクター分子によって確実に相殺されるような方法で他の生物 活性ベクターとの組み合わせを用いてもよい。 本発明の一つの好都合な実施態様は、標的への限定された付着が診断用および /または治療活性のある薬剤の高度に有用な性質であって、この性質が標的への 固定的な付着よりはむしろ一時的な保持を付与する非生物活性ベクターを用いる ことにより達成され得るという更に別の知見に基づいている。即ち、このような 薬剤は、特定の部位に固定的に保持されている場合よりも、例えば、その内皮細 胞との一過性の相互作用により血管内皮に沿った遅延血流の形態を効果的に示す 。即ちこのような薬剤は、血管壁上で濃縮され、超音波造影剤の場合には、永久 的な構造特徴のない血流全体と比較してそのエコー源生能を強化する。従ってこ れにより、微細血管構造を含む毛管系の造影が増強され、これらは、例えば心臓 における正常な組織と灌流の不十分な組織との間の識別を容易にし、また、クプ ファー細胞、血栓およびアテローム性動脈硬化患部のような構造を可視化する際 に、または、血管新生領域および炎症を有する組織の領域を可視化するために有 用である。本発明は特に、組織壊死領域に位置する正常な血管内で起こる変化を 像作成するのに適している。 即ち、本発明の一つの特徴によれば、気体含有または気体発生物質を含 有し、かつそのベクターが非生物活性であることを特徴とするベクターの1種以 上に結合したレポーターの、水性担体液体例えば注射用担体液体中の懸濁液から なる標識設定可能な診断剤および/または治療剤例えば超音波造影剤が提供され る。 本発明で有用なベクターとしては、例えば造影剤が細胞表面に濃縮されるよう にして、細胞表面のプロテオグリカン類に結合する蛋白質を挙げることができる 。そのようなプロテオグリカン類はグルコサミノグリカン側鎖を含有する大きな 糖蛋白質であり、多くの場合にはヘパラン硫酸である。グルコサミノグリカン類 への結合が、生物学的応答を顕在化することは今までに示されたことはなかった 。本発明によれば、分子の他の部分と関連するいずれもの生物活性を回避しなが ら、ベクターとして用いるためのその分子のプロテオグリカン結合(または、適 切ならば、ヘパラン硫酸結合)部分を単離または合成することができる。 非生物活性の単量体または二量体ベクターの使用および非生物活性のペプチド ベクターの使用は本発明の好ましい特徴を示す。 本発明の更に別の特徴は、例えば、ベクター1種以上が、ベクターが標的また は標的受容体に容易に曝露されないような方法でレポーターに連結されるか、ま たはその内部に非共有結合的に取り込まれることである。即ち、別の工程を適用 してベクターを曝露することにより、例えば薬剤を外部からの超音波に曝露して ベクター含有部分の拡散性を変更することにより、組織特異性の向上を達成する ことが可能である。 いずれの生体適合性気体も本発明造影剤のレポーター中に存在してよい。本明 細書中で用いる「気体」の用語は、37℃のヒト正常体温で実質的または完全に気 体(蒸気を含む)の形態であるいずれもの物質(混合物を含む)を包含する。即ち 気体は例えば空気;窒素;酸素;二酸化炭素;水素;不活性ガス、例えばヘリウ ム、アルゴン、キセノンまたはクリプトン;フッ化イオウ例えば六フッ化イオウ 、十フッ化二イオウまたは五フッ化トリフ ルオロメチルイオウ;六フッ化セレン;場合によりハロゲン化されたシラン、例 えばメチルシランまたはジメチルシラン;低分子量炭化水素(例えば炭素原子7 個までを含むもの)、例えばアルカン、例えばメタン、エタン、プロパン、ブタ ンまたはペンタン、シクロアルカン、例えばシクロプロパン、シクロブタンまた はシクロペンタン、アルケン例えばエチレン、プロペン、プロパジエンまたはブ テン、またはアルキンン例えばアセチレンまたはプロピン;エーテル例えばジメ チルエーテル;ケトン;エステル;ハロゲン化低分子量炭化水素(例えば炭素原 子7個までを含むもの);またはこれらの混合物を包含する。好都合にはハロゲ ン化気体中のハロゲン原子の少なくとも幾つかは弗素原子である;即ち、生体適 合性のあるハロゲン化炭化水素気体は例えば、ブロモクロロジフルオロメタン、 クロロジフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタ ン、クロロトリフルオロメタン、クロロペンタフルオロエタン、ジクロロテトラ フルオロエタン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロエチレン、エチルフロ リド、1,1−ジフルオロエタンお.よびパーフルオロカーボン、例えばパーフル オロアルカン、例えばパーフルオロメタン、パーフルオロエタン、パーフルオロ プロパン、パーフルオロブタン(例えば場合によりパーフルオロ−i−ブタンの ような他の異性体との混合物中のパーフルオロ−n−ブタン)、パーフルオロペ ンタン、パーフルオロヘキサンおよびパーフルオロヘプタン;パーフルオロアル ケン、例えばパーフルオロプロペン、パーフルオロブテン(例えばパーフルオロ ブト−2−エン)およびパーフルオロブタジエン;パーフルオロアルキン、例え ばパーフルオロブト−2−イン;およびパーフルオロシクロアルカン、例えばパ ーフルオロシクロブタン、パーフルオロメチルシクロブタン、パーフルオロジメ チルシクロブタン、パーフルオロトリメチルシクロブタン、パーフルオロシクロ ペンタン、パーフルオロメチルシクロペンタン、パーフルオロジメチルシクロペ ンタン、パーフルオロシクロヘキサン、、パーフルオロメチルシクロヘ キサンおよびパーフルオロシクロヘプタンから選択することができる。他のハロ ゲン化気体としては、塩化メチル、フッ化(例えば過フッ化)ケトン、例えばパー フルオロアセトンおよびフッ化(例えば過フッ化)エーテル、例えばパーフルオロ ジエチルエーテルが挙げられる。過フッ化気体、例えば六フッ化イオウおよびパ ーフルオロカーボン、例えば、パーフルオロプロパン、パーフルオロブタンおよ びパーフルオロペンタンの使用はこのような気体を含有する微小気泡の血流中の 安定性が高いことが解っているため、特に好都合である。 レポーターはいずれか好都合の形態で存在してよく、例えば、いずれか適当な 気体含有または気体発生の超音波造影剤製剤である。そのような製剤の代表的な 例としては耐癒着性表面膜(例えばWO-A-8002365に記載のようなゼラチン)、膜 形成性蛋白質(例えばUS-A-4718433、US-A-4774958、US-A-4844882、EP-A-03592 46、WO-A-9112823、WO-A-9205806、WO-A-9217213、WO-A-9406477またはWO-A-950 1187に記載のようなアルブミン、例えばヒト血清アルブミン)、重合体物質(例 えばEP-A-0398935に記載のような生分解性合成重合体、EP-A-0458745に記載のよ うな弾性界面合成高分子膜、EP-A-0441468に記載のような微粒子状生分解性ポリ アルデヒド、EP-A-0458079に記載のようなポリアミノ酸−多環状イミドの微粒子 状N-ジカルボン酸誘導体またはWO-A-9317718またはWO-A-9607434に記載のような 生分解性重合体)、非重合体および非重合性の壁形成性物質(例えばWO-A-95216 31に記載のような)、または界面活性剤(例えばプルロニック(Pluronic)のよう なポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー界面活性剤、 WO-A-9506518に記載のような重合体界面活性剤または例えばWO-A-9211873、WO-A -9217212、WO-A-9222247、WO-A-9428780またはWO-A-9503835に記載のような膜形 成性界面活性剤例えばリン脂質)によって安定化された(例えば少なくとも部分 的にカプセル化された)気体の微小気泡を挙げることができる。 他の有用な気体含有造影剤製剤の例としては、気体含有固体系、例えばその中 に、またはそれと一緒に含有された(例えばEP-A-0122624、EP-A-0123235、EP-A -0365467、WO-A-9221382、WO-A-9300930、WO-A-9313802、WO-A-9313808またはWO -A-9313809に記載のような、その表面に吸着され、および/またはその中の空隙 、空洞または孔の中に含有されている)気体を有する微粒子状物(特に、微粒子 の集合物)を挙げることができる。このような微粒子状造影剤のエコー発生能力 は、含有/または連結された気体から、および/または固形物質から遊離した( 例えば微粒子状構造の溶解と同時に遊離した)気体(例えば微小気泡)から直接 誘導されることが認められる。 気体含有造影剤製剤に関する前記全ての文献に記載の開示は参照により本明細 書中に組み込まれる。 例えば静脈注射による投与後に肺系に自由に通過できるためには、気体微小気 泡およびその他の気体含有物質例えば微粒子状物は、10μmを越えない初期平均 径(例えば7μmまたはそれ以下)を有するのが好ましい。 リン脂質含有組成物が本発明に従って、例えばリン脂質で安定化された気体の 微小気泡の形態で用いられる場合、有用なリン脂質の代表例には、レシチン(即 ちホスファチジルコリン)、例えば天然レシチン、例えば卵黄レシチンまたは大 豆レシチンおよび合成または半合成のレシチン、例えばジミリストイルホスファ チジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリンまたはジステアロイルホス ファチジルコリン;ホスファチジン酸;ホスファチジルエタノールアミン;ホス ファチジルセリン;ホスファチジルグリセロール;ホスファチジルイノシトール ;カルジオリピン;スフィンゴミエリン;上記物質の任意のフッ化類縁体;上記 物質の任意の混合物およびコレステロールのような他の脂質との混合物が包含さ れる。 個々に正味の全電荷、例えば天然(例えば大豆または卵黄由来)の、半合成( 例えば部分または完全水添)の、および合成のホスファチジルセリ ン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジ ン酸および/またはカルジオリピンに見られるのような負電荷、を有する分子か ら主として(例えば少なくとも75%)なるリン脂質を使用することが、特に有利 である。 気体含有造影剤を調製するのに使用できる他の脂質の例としては、脂肪酸、ス テアリン酸、パルミチン酸、2−n−ヘキサデシルステアリン酸、オレイン酸お よび他の酸含有脂質構造を挙げることができる。これらの脂質構造は、アミド結 合形成によりアミノ基1個以上を有するアミノ酸にカップリングされる場合に特 に興味深いと思われる。得られた脂質修飾アミノ酸(例えばジパルミトイルリジ ンまたはジアステロイル−2,3−ジアミノプロピオン酸)は、ベクター分子1個 以上のコンジュゲーションのためのカップリング部位を特徴づける官能基を有す るスペーサー要素の連結に有用な前駆体と考えられる。 本発明の更なる範囲は、リンカー部分(例えばPEG、ポリアミノ酸、アルキル ハライド等)に連結した脂質レポーターからなるリポタンパク質構造の合成に関 する。そのリンカーはベクター分子1個以上のへのカップリングのために適当に 官能化されている。特に好ましいのは、負荷電膜との静電的相互作用を介して微 小気泡中のレポーター要素を契合できる正荷電リンカー要素(例えば2個以上の リジン残基)の包含である。 更に本発明の範囲内にあるものとして考えれるのは、細胞表面に位置する多数 の受容体分子の非特異的修飾のための反応性基1つ以上を有する官能化された微 小気泡である。チオール部分を有する微小気泡は、例えば、ジスルフィド交換反 応を介して細胞表面受容体に結合することができる。この共有結合の可逆性は、 気泡の流れが酸化還元環境を変化させることにより制御され得ることを意味する 。同様に、N−ヒドロキシスクシンイミドエステルのような活性エステルを有す る膜の“活性化された”微小気泡は、多数の細胞表面分子上に存在するアミノ基 を修飾するために用いるこ とができる。 本発明で有用な気体含有微粒子状物質の代表例としては、炭水化物(例えばヘ キソース例えばグルコース、フルクトースまたはガラクトース;二糖類例えばス クロース、ラクトースまたはマルトース;ペントース例えばアラビノース、キシ ロースまたはリボース;α−,β−およびγ−シクロデキストリン;多糖類例え ばデンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミロース、アミロペクチン、グリコ ーゲン、イヌリン、プルラン、デキストラン、カルボキシメチルデキストラン、 デキストランホスフェート、ケトデキストラン、アミノエチルデキストラン、ア ルギネート、キチン、キトサン、ヒアルロン酸またはヘパリン;および糖アルコ ール例えばアルジトール(例えばマンニトールまたはソルビトール)、無機塩( 例えば塩化ナトリウム)、有機塩(例えばクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム または酒石酸ナトリウム)、X線造影剤(例えばメトリゾン酸、ジアトリゾン酸 、イオタラミン酸、イオキサグリン酸、イオヘキソール、イオペントール、イオ パミドール、イオジキサノール、イオプロミド、メトリザミド、イオジパミド、 メグルミンイオジパミド、メグルミンアセトリゾエートおよびメグルミンジアセ トリゾエートのように、3−および/または5−位に例えばカルボキシル、カル バモイル、N−アルキルカルバモイル、N−ヒドロキシアルキルカルバモイル、 アシルアミノ、N−アルキルアシルアミノまたはアシルアミノメチルのような置 換基を有する少なくとも1個の2,4,6−トリヨードフェニル基を典型的には含有 する、商業的に入手可能なカルボン酸および非イオン性アミド造影剤のいずれか )並びにポリペプチドおよび蛋白質(例えばゼラチンまたはアルブミン例えばヒ ト血清アルブミン)を挙げることができる。 レポーターは、いずれか都合のよい方法で、例えば気体含有または気体発生製 剤を調製することにより製造することができる。代表的な例としては、WO911524 4号に記載されるように、界面活性剤を気体と接触させ、そ して水性担体の存在下でそれらを混合することによる気体微小気泡の懸濁液の製 造;またはEP512693A1号に記載されるように、気体の存在下で壁形成物質の溶液 または分散液を霧状にして中空のマイクロカプセルにすることによる製造;US56 48095号に記載されるように、二重乳化法による固形微小気泡の製造;EP681843A 2号に記載されるように、噴霧乾燥により中空のマイクロカプセルを形成する方 法;またはUS5469854号に記載されるように、気体の存在下で脂質含有水溶液を 振とうすることによる気体充填リポソームの製造を挙げることができる。 レポーターへ所望ベクターを連結するのに適当な方法は、あらかじめ生成した レポーターを、レポーターとベクターとの両方の表面にある反応性基を用いて適 当なリンカーで表面修飾することからなる。この方法のいずれかの工程でレポー ター物質をベクター含有物質と混合することは、物理的に特に有利であることが ある。このような方法でレポーターへのベクターの混入または連結が達成される 。随意の製造工程ではレポーターに結合されない過剰のベクターを、例えば浮遊 による分離後に気体含有粒子を洗浄することによって除去することができる。よ り好ましくは、気体含有薬剤の形成前に、所望ならば他のレポーター分子とあら かじめ混合させることができる、例えばチオール、マレイミド、ビオチン等の官 能基を混入しているリポペプチド構造を使用することである。ベクターの分子の 連結は下記のリンカー試薬を使用して実施することができる。 所望のベクターへのレポーター単位のカップリングは、通常はレポーターおよ び/またはベクター上に位置する官能基1つ以上との相互作用の関与する共有結 合または非共有結合の手段により達成される。このために使用してよい化学的反 応性を有する官能基の例には、アミノ、ヒロドキシル、スルフィドリル、カルボ キシルおよびカルボニル基、並びに炭水化物基、ビシナルジオール、チオエーテ ル、2−アミノアルコール、2−アミノチオール、グアニジニル、イミダゾリル およびフェノール性の基が包含され る。 従って、レポーターとベクターの共有結合カップリングはこのような官能基と 反応できる反応性の部分を有する連結剤を用いて行なってよい。スルフィドリル 基と反応できる反応性部分の例にはX-CH2CO-型(式中X=Br,ClまたはI)のα− ハロアセチル化合物が包含され、これはスルフィドリル基に対して特別の反応性 を示すが、Grudl,F.R.N.がMethods Enzymol.(1967)11,532に記載のとおりイ ミダゾリル、チオエーテル、フェノールおよびアミノ基を修飾するために使用す ることもできる。N−マレイミド誘導体もまたスルフィドリル基に対して選択性 を有すると考えられているが、特定の条件下ではアミノ基へのカップリングにお いても有用である。N−マレイミドはKitagawa,T.等がChem.Pharm.Bull.(19 81)29,1130に記載のとおりレポーター−ベクターコンジュゲーションのための 結合系に組み込んでよく、また、Kovacic,P.等がJ.Am.Chem.Soc.(1959),8 1,1887に記載のとおり、気泡安定化のための重合体交叉結合剤として用いてよ い。結合がジスルフィド架橋の形成をとおして起こる場合は、アミノ基の変換に よってチオール基を導入する、例えばTraut,R.等がBiochemistry(1973)12,3 266に記載の2−アミノチオランのような試薬がスルフィドリル試薬と考えられ る。即ち、レポーターまたはベクターの何れかに反応性のジスルフィド結合を導 入する試薬が有用であるのは、結合がベクターとレポーターの間のジスルフィド 交換によりもたらされるためであり;このような試薬の例にはEllman試薬(DTNB) 、4,4'−ジチオジピリジン、メチル−3−ニトロ−2−ピリジルジスルフィドお よびメチル−2−ピリジルジスルフィド(Kimura,T.等,Analyt.Biochem.(19 82)122,271)が包含される。 アミノ基との反応が可能な反応性の部分の例にはアルキル化およびアシル化剤 が包含される。代表的なアルキル化剤を以下に示す。 i)反応性チオール基の非存在下でアミノ基に対して特異性を示し、 X-CH2CO-(式中X=Cl,BrまたはI)の型のα−ハロアセチル化合物、例えば、 Wong,Y-H.H.がBiochemistry(1979)24,5337に記載のもの; ii)マイケル型反応を介して、または、Smyth,D.G.等がJ.Am.Chem.Soc.( 1960)82,4600およびBiochem.J.(1964)91,589に記載の環状カルボニル基へ の付加によるアシル化を介して、アミノ基と反応するN−マレイミド誘導体; iii)反応性のニトロハロ芳香族化合物のようなアリールハライド; iv)McKenzie,J.A.等がJ.Protein Chem.(1988)7,581に記載のアルキルハ ライド; v)アミノ基とのシッフ塩基形成が可能なアルデヒドおよびケトンであり、形 成した付加物は通常還元により安定化されて安定なアミンとなるもの; vi)アミノ、スルフィドリルまたはフェノール性ヒドロキシル基と反応するエ ピクロロヒドリンおよびビスオキシランのようなエポキシド誘導体; vii)アミノ、スルフィドリルまたはヒドロキシル基のような親核物質に対して 高い反応性を有するs-トリアジンの塩素含有誘導体; viii)開環によりアミノ基のような親核物質と反応する、例えばRoss,W.C.J. のAdv.Cancer Res.(1954)2,1に記載されているもののような、上記したs− トリアジン化合物系のアジリジン; ix)Tietze,L.F.のChem.Ber.(1991)124,1215に記載のスクワリック(squari c)酸ジエチルエステル;および x)例えばBenneche,T.等がEur.J.Med.Chem(1993)28,463に記載したも ののような、エーテル酸素原子により誘発された活性化のためにノルマルアルキ ルハライドよりも反応性の高いアルキル化剤であるα−ハロアルキルエーテル。 代表的なアミノ反応性アシル化剤の例には以下のものが包含される。 i)Schick,A.F.等がJ.Biol.Chem.(1961)236,2477に記載したもののよう な、安定な尿素およびチオ尿素誘導体をそれぞれ形成し、蛋白交叉結合のために 使用されているイソシアネートおよびイソチオシアネート、特に芳香族誘導体; ii)Herzig.D.J.等がBiopolymers(1964)2,349に記載した、そして、リン カーへの蛍光レポーター基の導入のために有用であるスルホニルクロリド; iii)酸ハロゲン化物; iv)ニトロフェニルエステルまたはN−ヒドロキシスクシンイミジルエステル のような活性エステル; v)混合無水物、対象無水物またはN-カルボキシ無水物のような酸無水物; vi)Bodansky,M.等がPrinciples of Peptide Synthesis(1984)Springer-Ve rlagに記載したようなアミド結合形成のための他の有用な試薬; vii)例えばWetz,K.等がAnal.Biochem.(1974)58,347に記載したような、 アジド基が亜硝酸ナトリウムを用いて予め形成されたヒドラジド誘導体から形成 されるアシルアジド; viii)例えばRasmussen,J.K.がReactive Polymers(1991)16,199に記載し たような、ビスアクリルアミドのような重合体に結合したアズラクトン;および 、 ix)例えばHunter,M.J.とLudwig,M.L.がJ.Am.Chem.Soc.(1962)84,3491 に記載したようなアミノ基との反応により安定なアミジンを形成するイミドエス テル。 アルデヒド官能基のようなカルボニル基は親核蛋白側鎖官能基がプロトン化さ れるようなpHで弱蛋白塩基と反応させてよい。弱塩基には、例えばRatner,S.等 がJ.Am.Chem.Soc.(1937)59,200に記載のようなアルデ ヒド基を有する安定な5員チアゾリジン環を選択的に形成するN−末端システイ ン残基中に認められるような1,2−アミノチオールが包含される。フェニルヒド ラゾンのような他の弱塩基も、例えばHeitzman,H.等がProc.Natl.Acad.Sci.U SA(1974)71,3537に記載のとおり、使用してよい。 アルデヒドおよびケトンはまたアミンと反応させてシッフ塩基を形成してよく 、これは還元的アミノ化により好都合に安定化してよい。アルコキシルアミノ部 分は例えばWebb,R.等がBioconjugate Chem.(1990)1,96に記載のとおり、ケ トンおよびアルデヒドと容易に反応して安定なアルコキシアミンを生成する。 カルボキシル基との反応が可能な反応性の部分の例には、ジアゾアセテートエ ステルおよびジアゾアセトアミドのようなジアゾ化合物が包含され、これらは、 例えばHerriot R.M.がAdv.Protein Chem.(1947)3,169に記載のとおり、高い 選択性で反応してエステル基を生成する。O−アシル尿素形成、次いでアミド結 合形成を介して反応するカルボジイミドのようなカルボン酸修飾試薬もまた有用 に使用され;連結はアミンの添加を通じて促進してよく、あるいは、直接ベクタ ー−受容体カップリングを行なってよい。有用な水溶性カルボジイミドには例え ばZot,H.G.およびPuett,D.がJ.Biol.Chem.(1989)264,15552に記載のとお り、1−シクロヘキシル−3−(2−モルホリニル−4−エチル)カルボジイミド (CMC)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(ED C)が包含される。他の有用なカルボン酸修飾試薬にはイソキサゾリウム誘導体、 例えばWoodwards試薬K;クロロホルメート、例えばp−ニトロフェニルクロロホ ルメート;カルボニルジイミダゾール、例えば1,1'−カルボニルジイミダゾール ;およびN−カルボアルコキシジヒドロキノリン、例えばN−(エトキシカルボ ニル)−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリンが包含される。 他の潜在的に有用な反応性の部分には、例えばWagner等がNucleic acid Res.(1978)5,4065に記載のとおりグアニジニル基と反応させるために用いて よいp−フェニレンジグリオキサルのようなビシナルジオン;および、例えばIs hizaka,K.およびIshizaka T.がJ.Immunol.(1960)85,163に記載のとおり、親 電子置換反応を起こすジアゾニウム塩が包含される。ビスジアゾニウム化合物は 酸性溶液中亜硝酸ナトリウムでアリールジアミンを処理することにより容易に調 製される。レポーターおよび/またはベクター中の官能基は、当然ながら、例え ば別の反応性または選択性を与えるために、所望により他の官能基に変換した後 に反応させてよい。このために有用な方法の例には、無水ジカルボン酸のような 試薬を用いたアミンからカルボン酸への変換;N-アセチルホモシステインチオラ クトン、無水S−アセチルメルカプトコハク酸、2−イミノチオランまたはチオ ール含有スクシンイミジル誘導体のような試薬を用いたアミンからチオールへの 変換;α−ハロアセテートのような試薬を用いたチオールからカルボン酸への変 換;エチレンイミンまたは2−ブロモエチルアミンのような試薬を用いたチオー ルからアミンへの変換;カルボジイミド次いでジアミンのような試薬を用いたカ ルボン酸からアミンへの変換;およびトシルクロリドのような試薬を用い、次い でチオアセテートとのエステル交換および酢酸ナトリウムを用いたチオールへの 加水分解によるアルコールからチオールへの変換が包含される。 ベクター−レポーターカップリングはまた長さゼロ−レングスの連結剤として 酵素を用いて行ってもよく;即ち、例えば、トランスグルタミナーゼ、パーオキ シダーゼおよびキサンチンオキシダーゼを用いて連鎖生成物を得てもよい。逆蛋 白分解もまたアミド結合の形成を介した結合のために用いてよい。 非共有結合ベクター−レポーターカップリングは例えば安定な金属複合体の形 態のキレート形成を介して、または、アビジン/ビオチン結合のような高親和性 結合相互作用を介して、ポリリジニル−官能化されたレポー ターとポリグルタミル官能化されたベクターとの間の静電電荷相互作用により行 なってよい。負荷電膜表面へ非共有結合的にコーティングされたポリリジンはま た、電荷相互作用により細胞に対する微小気泡の親和性を非特異的に増大させる 。 あるいは、ベクターはリン脂質に結合することが判っている蛋白にカップリン グさせてよい。多くの場合、リン脂質の単一の分子をトランスロカーゼのような 蛋白に結合させ、他の蛋白は主にリン脂質のヘッド基よりなる表面に結合してよ く、このことを用いてベクターをリン脂質ミクロスフェアに結合させてよく;そ のような蛋白の一例はβ2−糖蛋白Iである(Chonn,A.,Semple,S.C.およびCu llis,P.R.,Journal of Biological Chemistry(1995)270,25845-25849)。ホ スファチジルセリン結合蛋白は例えばIgarashi,K.等によりJournal of Biologi cal Chemistry 270(49),29075-29078に記載されている。 アネキシン類(Annexins)はリン脂質結合蛋白質の1群であり、その多くはホ スファチジルセリンに特に親和的に結合する(Raynal,P.and H.B.Pollard. “Annexins:the problem of assessing the biologicalrole for a gene family of multifunctional calcium-and phospholipid-binding proteins".Biochim .Biophys.Acta 1197:63-93に概説されている)。従って、ベクターとこのよう なホスファチジルセリン結合蛋白質とのコンジュゲートは、ホスファチジルセリ ンでカプセル化する微小気泡にベクターを連結させるのに使用することができる 。結合蛋白のアミノ酸配列が既知の場合は、リン脂質結合蛋白を合成するか、ま たは、単離して、ベクターとのコンジュゲーションに用い、これにより分子の別 の場所に位置する可能性のある生物学的活性を回避することができる。 分子ライブラリを直接スクリーニングしてミクロスフェア結合分子を探すこと によりミクロスフェアの表面に(または「膜」内に)特異的に結合す る分子を得ることができる。例えば、小型ペプチドを表示しているファージライ ブラリを用いてこのような選択を行なってよい。選択はミクロスフェアとファー ジ表示ライブラリを単に混合し、浮遊ミクロスフェアに結合しているファージを 溶出させることによりおこなってよい。血液成分と交叉反応するペプチドを排除 するため、所望により「生理学的条件」下(例えば血中)で選択を行なってよい 。この種の選択方法の利点は、未損傷の浮遊ミクロスフェアに結合した結合分子 だけが表面まで上昇するため、ミクロスフェアの安定性を損なわない結合分子の みを選択すればよい。安定性を損なう結合分子を選択しないように選択操作の間 ある種の「ストレス」(例えば圧力)を導入することも可能である。更に、選択は せん断条件下、例えば、まずファージをミクロスフェアと反応させ、次いでミク ロスフェアを流動条件下、抗ファージ抗体でコーティングされた表面を通過させ ることにより行なってよい。この方法では、in vivoで存在するせん断条件に抵 抗性を示すバインダーを選択することができる。この方法で同定される結合部分 を(化学的コンジュゲーションにより、またはペプチド合成により、または組み 換えベクターの場合はDNAレベルで)ベクター分子にカップリングさせてよく、 これはミクロスフェアにベクター分子を結合させるための一般的手段となる。 膜挿入を媒介することのできる要素を含むペプチド、リポ−オリゴ糖またはリ ポペプチドリンカーを有する、またはこれと結合するベクターもまた有用である 。1つの例は、Leenhouts,J.M.等のFebs Letters(1995)370(3),189-192に記 載されている。既知の膜挿入係留部/信号群よりなる非生物活性分子もまた特定 の用途のためのベクターとして使用してよく、その例はXie,Y.およびMorimoto ,T.がJ.Biol.Chem.(1995)270(20),11985-11991に記載のNa,K-ATPaseα− サブユニット由来のH1疎水性セグメントである。係留基は脂肪酸またはコレス テロールであってよい。 カップリングはまたアビジンまたはストレプトアビジンを用いて行なっ てよく、これらはビオチンに対する高親和性結合部位4個を有している。従って アビジンは、ベクターとレポーターが共にビオチニル化されている場合にベクタ ーをレポーターにコンジュゲートするために使用される。その例はBayer,E.A. およびWilchek,M.のMethods Biochem.Anal.(1980)26,1に記載されている 。この方法を拡張して、気泡の結合を向上させ、結果としてエコー源生能を増大 させる方法である、レポーターとレポーターの連結も意図してよい。あるいは、 アビジンまたはストレプトアビジンをレポーター微細粒子の表面に直接結合させ てもよい。 非共有結合カップリングもまた二重特異性免疫グロブリンの二官能性の性質を 利用してよい。これらの分子は2個の抗原に特異的に結合できるため、これらを 連結できる。例えば、二重特異性のIgGまたは化学的に構築された2特異性のF(a b)'2フラグメントのいずれかを連結剤として用いて用いてよい。ヘテロ二官能性 二重特異性抗体もまた、例えばBode,C.等,J.Biol.Chem.(1989)264,944およ びStaerz,U.D.等,Proc.Natl.Acad.Sic.USA(1986)83,1453に記載のとおり 、2種の異なる抗体に連結することが報告されている。同様に、2種以上の抗原 決定基を有するレポーターおよび/またはベクター(Chen,Aa等,Am.J.Pathol .(1988)130,216等)を抗体分子と交叉結合させ、エコー源生能の向上した多気 泡交叉結合構造体を形成してもよい。 本発明で使用される連結剤は一般的にある程度の特異性でベクターからレポー ターまたはレポーターからレポーターへの連結をもたらすものであり、1種以上 の治療活性薬剤を結合するためにも用いてよい。 場合により、PEGがスペーサーとして機能しない同分子内のレポーターに対し 、ベクターと組合わせて、あるいは直接、安定化剤としてPEG成分を含むことが 好都合である。 本発明においては、レポーター単位は通常はベクターに結合している。しかし ながら、標的設定過程の別のタイプ、いわゆる「前標的設定」においては、ベク ター(モノクローナル抗体である場合が多い)のみを投与し;その後、レポーター を投与し、前標的設定ベクター分子に特異的に結合することのできる部分にカッ プリングする(前標的設定ベクターが抗体である場合は、レポーターは蛋白Aま たは抗−免疫グロブリン抗体のような免疫グロブリン結合分子にカップリングす る)。この操作法の利点は、標的に結合しないベクター分子の排除をおこなう時 間の余裕があり、そして過剰なレポーター−ベクターコンジュゲートの存在に伴 うバックグラウンドの問題を実質的に小さくする点である。本発明においては、 1種の特異的なベクター、次いで、他のベクターにカップリングするレポーター 単位および第1のベクターを結合する部分による前標的設定を想定している。 更に本発明においては、例えば心筋のような標的領域における血液潅流速度を 評価する際には、標的に結合した造影剤がそれから置き換えまたは放出される速 度を測定するのが有利である。これは、造影剤をその標的から置き換えまたは放 出することのできる別のベクターおよび/または他の物質を投与することにより 制御する方法で達成される。 本発明で用いる超音波造影法は、2次元および3次元の造影方法、例えばBモ ード造影(例えば発生した超音波パルスの基本周波数から、その低調波または高 調波から、または、発生したパルスおよび上記調波に由来の和周波数または差周 波数から発生される信号エンベロープの時変増幅を用いる、基本周波数またはそ の第2調和波から発生する像が好ましい)、カラードプラー造影およびドプラー 増幅造影およびこれら2つの造影と上記方法との組合せを包含する。意外にも、 本発明に従って用いる場合には本発明の標的設定単層安定化ミクロスフェアから の第2調波信号が優れていることが解った。移動の影響を低減するために、心臓 または腎臓のような組織の連続像を適当な同調方法(例えばECGへのゲート開放ま たは対被験者 の呼吸運動)を用いて収集する。微細気泡の停止または遅延に伴う共鳴周波数ま たは周波数吸収の変化の測定もまた造影剤の検出のために有用に用いられる。 本発明は所望の部位への生成物のベクター媒介方向設定と組合わせた治療薬デ リバリーのための手段を提供する。「治療」または「薬」という用語はヒトまた はヒト以外の動物の生体における特定の疾患に対する有利な効果を有する薬剤を 指す。薬物と超音波造影剤の組合せは例えばWO-A-9428873号およびWO-A-9507072 号において提案されているが、これらの生成物には特定の部位に対する親和性を 有するベクターがなく、このため、薬剤放出の前またはその間の所望の部位にお ける特異的保持が比較的不十分である。 本発明で用いる治療化合物は微小気泡/微粒子の内部にカプセル化するか、ま たは、その構造内に結合するかまたはその中に取り込ませる。即ち、治療化合物 は例えば共有結合またはイオン結合を介して壁またはマトリックスの一部に結合 するか、または、特に薬物がこの物質と同様の極性または溶解度を有する場合は 、体内で作用する前に生成物が漏出するのを防止するためにカプセル化物質また はマトリックス物質中に物理的に混入してもよい。薬剤の放出は投与後の血液と の単なる湿式接触により開始されるか、または、他の内的または外的な影響、例 えば、酵素による触媒された溶解過程または超音波の使用の結果開始される。外 的超音波を用いる気体含有微細粒子の崩壊は例えばWO-A-9325241号に記載のとお り、超音波造影剤に関する良く知られた現象であり;薬物の放出速度はトランス デューサーから生じる超音波エネルギーの特定の量を用いて、治療用途の種類に 応じて変化させられる。 治療薬は例えば本明細書に記載する適当な連結剤を用いてカプセル化膜表面に 共有結合させてよい。即ち例えば、まずリン脂質またはリポペプチドの誘導体を 調製し、これに生分解性の結合またはリンカーにより薬物を 結合させ、次にこの誘導体を前述のとおり、レポーターを調製するために使用す る物質に配合する。あるいはまた、治療薬なしで生成物を最初に調製し、次いで 使用の前に微細泡または微粒子にカップリングさせるか、またはその上に被覆し てもよい。従って例えば、治療薬を水性媒体中の微細泡または微粒子の懸濁液に 加え、次いで治療薬をそれに結合させるかまたは付着させるために振とうするこ とができるであろう。 本発明の薬物デリバリー組成物中で用いるのに適する代表的な治療薬には、酸 化条件下でチオール含有微小気泡にカップリングしてジスルフィド基を形成する チオール基を有する知られた治療薬またはその活性類縁体が包含される。ベクタ ーとの組合せにより、このような薬物/ベクター修飾微小気泡は標的組織に蓄積 され;次に還元グルタチオンのような還元剤を投与することにより、薬物の分子 を標的細胞近隣の標的設定微小気泡から遊離させ、これにより薬物の局所濃度を 増大させ、その治療効果を強化させる。あるいは、組成物をまず治療薬を用いず に調製し、その後治療薬を使用直前の微小気泡上にカップリングまたはコーティ ングしてよく;即ち、例えば、治療薬を水性媒体中の微小気泡の懸濁液に添加し 、そして治療薬を微小気泡に結合または付着させるために振とうしてよい。 他の薬物デリバリーシステムには標的設定ベクターと組合わせてポリ−L−リ ジンまたはポリ−D−リジン鎖を有するリポペプチド構造でドープされたベクタ ー修飾リン脂質膜が包含される。特にレセプター媒介薬物デリバリーによる遺伝 子治療/アンチセンス技術に合わせて、微小気泡担体をカチオン性ポリリジンと の静電相互作用によりDNAまたはRNAと縮合させる。この方法の利点は、標的設定 デリバリーに用いるベクターがポリリジン担体部分に直接結合していない点にあ る。ポリリジン鎖はまた脂質鎖の存在によりより堅固に微小気泡膜に契合される 。デリバリーの効果を高める超音波の使用もまた有用でる。 あるいは、遊離のポリリジン鎖をまず薬物またはベクター分子で修飾し、 その後、標的設定微小気泡の負荷電表面に縮合させる。 本発明において有用な薬物の代表的な例(これらに限定されるものではない) には、抗新生物剤、例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ブス ルファン、クロラムブシル、スピロプラチン、シスプラチン、カルボプラチン、 メトトレキセート、アドリアマイシン、ミトマイシン、ブレオマイシン、シトシ ンアラビノシド、アラビノシルアデニン、メルカプトプリン、マイトテン、プロ カルバジン、ダクチノマイシン(アンチノマイシンD)、ダウノルビシン、塩酸 ドキソルビシン、タキソール、プリカマイシン、アミノグルテシミド、エストラ ムスチン、フルタミド、ロイプロリド、酢酸メゲストロール、タモキシフェン、 テストラクトン、トリロスタン、アムサクリン(m-AMSA)、アスパラギナーゼ(L −アスパラギナーゼ)、エトポシド、インターフェロンa−2aおよび2b、血 液製剤例えばヘマトポルフィリンまたはその誘導体;生物学的応答調節剤、例え ばムラミルペプチド;抗カビ剤例えばケトコナゾール、ニスタチン、グリセオフ ルビン、フルシトシン、ミコナゾールまたはアンホテリシンB;ホルモンまたは ホルモン類縁体、例えば成長ホルモン、メラノサイト刺激ホルモン、エストラジ オール、ベクロメタゾンジプロピオネート、ベタメタゾン、酢酸コーチゾン、デ キサメタゾン、フルニソリド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、酢酸 パラメタゾン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロンまたは酢酸フ ルドロコルチゾン;ビタミン、例えばシアノコバラミンまたはレチノイド;酵素 、例えばアルカリホスファターゼまたはマンガンスーパーオキシドジスムターゼ ;抗アレルギー剤、例えばアメレキサノクス;組織因子抑制剤、例えばモノクロ ーナル抗体およびそのFabフラグメント、合成ペプチド、非ペプチドおよび組織 因子発現をダウンレギュレーションする(downregulating)化合物;血小板抑制剤 、例えばGPIa,GPIbおよびGPIIb-IIIa,ADP受容体、トロンビン受容体、von Wil lbrand因子、プロスタグランジン、アスピリン、チクロピジン、クロ ピゴグレルおよびレオプロ;凝固蛋白標的抑制剤、例えば、FIIa、FVa、FVIIa、 FVIIIA、FIXa、FXa、組織因子、ヘパリン、ヒルジン、ヒルログ、アルガトロバ ン、DEGR-rFVIIaおよびアネキシンV:フィブリン形成抑制剤およびフィブリノ リシス促進剤、例えばt−PA、ウロキナーゼ、プラスミン、ストレプトキナーゼ 、rt−プラスミノーゲン活性化剤およびrスタフィロキナーゼ;抗血管新生促進 因子、例えばメドロキシプロゲステロン、五硫酸ペントサン、スラミン、タキソ ール、タリドミド、アンジオスタチン、インターフェロン−アルファ、メタロプ ロテイナーゼ阻害剤、血小板因子4、ソマトスタチン、トロンボスポンジン;循 環系薬物、例えばプロプラノロール;代謝強化剤、例えばグルタチオン;抗結核 剤例えばp−アミノサリチル酸、イソニアジド、硫酸カプレオマイシン、シクロ セキシン、エタンブトール、エチオナミド、ピラジナミド、リファンピンまたは 硫酸ストレプトマイシン;抗ウイルス剤、例えばアシクロビル、アマンタジン、 ァジドチミジン、リバビリン、またはビダラビン;血管拡張剤、例えばジルチア ゼム、ニフェジピン、ベラパミル、四硝酸エリスリトール、二硝酸イソソルビド 、ニトログリセリンまたは四硝酸ペンタエリスリトール/抗生物質、例えばダプ ソン、クロラムフェニコール、ネオマイシン、セファクロル、セファドロキシル 、セファレキシン、セファラジン、エリスロマイシン、クリンダマイシン、リン コマイシン、アモキシリン、アンピシリン、バカンピシリン、カルベニシリン、 ジクロキサシリン、シクラシリン、ピクロキサシリン、ヘタシリン、メチシリン 、ナフシリン、ペニシリン、ポリミキシンまたはテトラサイクリン;抗炎症剤、 例えばジフルニサル、イブプロフェン、インドメタシン、メクレフェナメート、 メフェナミック酸、ナプロキセン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、トルメチ ン、アスピリンまたはサリシレート;抗原生動物剤、例えばクロロキン、メトロ ニダゾール、キニンまたはアンチモン酸メグルミン;抗リューマチ剤、例えばペ ニシラミン;麻酔剤、例えばパレゴリック;アヘン剤、例えばコデイ ン、モルヒネまたはアヘン;強心配糖体、例えばデスラネシド、ジギトキシン、 ジゴキシン、ジギタリンまたはジギタリス;神経筋ブロッカー、例えばアトラク リウムメシレート、ガラミントリエチオジド、ヘキサフルオレニウムブロミド、 ヨウ化メトクリン、臭化パンクロニウム、塩化スクシニルコリン、塩化ツボクラ リンまたは臭化ベクロニウム;沈静剤、例えばアモバルビタール、アモバルビタ ールナトリウム、アプロプバルビタール、ブタバルビタールナトリウム、抱水ク ロラール、エトクロルビノール、エチナメート、塩酸フルラゼパム、グルテシミ ド、塩酸メトトリメプラジン、メチプリロン、塩酸ミダゾラム、パラアルデヒド 、ペントバルビタール、セコバルビタールナトリウム、タルブタール、テマゼパ ムまたはトリアゾラム;局所麻酔剤、例えばブピバカイン、クロロプロカイン、 エチドカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカインまたはテトラカイン;全 身麻酔剤、例えばドロペリドール、エトミデート、クエン酸フェンタニル+ドロ ペリドール、塩酸ケタミン、メトヘキシタールナトリウムまたはチオペンタール および医薬的に許容しうる塩(例えば酸付加塩例えば塩酸塩または臭化水素酸塩 、または塩基塩例えばナトリウム、カルシウムまたはマグネシウム塩)またはそ の誘導体(例えば酢酸塩)が包含される。治療薬の他の例には遺伝子物質、例えば 、核酸、RNA、および天然または合成のDNA、例えば組み換えRNAおよびDNAが包含 される。特定の蛋白質をコードするDNAは種々の疾患の治療で使用される。例え ば、腫瘍壊死因子またはインターロイキン−2遺伝子を用いて進行ガンを治療し てよく;チミジンキナーゼ遺伝子を用いて卵巣ガンまたは脳腫瘍を治療してよく ;インターロイキン−2遺伝子を用いて、神経芽腫、悪性黒色腫または腎臓ガン を治療してよく;そしてインターロイキン−4遺伝子を用いてガンを治療してよ い。 疎水相互作用により微小気泡膜に結合している薬物の親油性の誘導体は例えば 超音波を使用することにより微小気泡の一部として、または微小気 泡から放出された後に治療効果を示す。薬物が所望の物理的特性を有しない場合 は、親油性の基を導入して薬物を膜に係留してよい。好ましくは、親油性の基は 分子のin vivoの力価に影響しないような状態で導入することが必要であり、あ るいは、親油性の基が分解されて活性薬物を放出するようにしてもよい。親油性 の基は薬物分子中で使用可能な官能基により異なる種々の化学的方法で導入して よい。共有結合カップリングは適切に官能基化された親油性化合物と反応できる 薬物分子中の官能基を用いて行なってよい。親油性部分の例には、分枝鎖または 非分枝鎖のアルキル鎖、環状化合物、芳香族残基および縮合した芳香族および非 芳香族の環系が包含される。場合により、親油性部分は適当に官能化されたステ ロイド、例えばコレステロールまたは関連化合物よりなる。誘導体化に特に適す る官能基の例はアミノ、ヒドロキシおよびスルフィドリル基のような親核性の基 である。カプトプリルのようなスルフィドリル基を有する任意の薬物の親油性誘 導体化のための適当な方法には、直接アルキル化、例えば塩基性条件下のアルキ ルハライドとの反応、および、活性カルボン酸との反応によるチオールエステル 形成が包含される。カルボキシル官能基を有する任意の薬物、例えばアテノロー ルまたはクロランブシルの誘導体化の代表的な例には、適切な物理的特性を有す るアミンおよびアルコールそれぞれとのカップリングによるアミドおよびエステ ルの形成が包含される。好ましい実施態様は分解性エステル結合を形成すること による治療化合物へのコレステロールの結合が包含される。 本発明の好ましい適用は血管新生に関するものであり、これは既存血管からの 分枝による新しい血管の形成を意味する。この過程のための第1の刺激は組織中 の細胞への栄養および酸素の不十分な供給(低酸素)である。細胞は血管新生促進 因子分泌により応答するが、そのような因子は数多く存在し、その1つの例は、 血管内皮生育因子である。これらの因子は基底膜の蛋白を分解する蛋白分解酵素 、並びに、このような潜在的に有害な酵 素の作用を制限する阻害剤の分泌を開始させる。結合の消失と血管新生促進因子 に対する受容体から発生される信号との複合作用は、内皮細胞を移動させ、複製 させ、そしてそれらを再配置させ、最終的に新しい血管の周囲の基底膜を合成す る。 腫瘍はその生育速度を維持するためにはミリメートルの大きさに達した段階で 血管新生を開始させなければならない。血管新生には内皮細胞とその環境の特徴 的な変化が伴い、この工程は治療介入の有望な標的となる。血管新生を伴う形質 変換はまた診断にとって極めて有望なものであり、そのよい例は悪性疾患である が、この原理は炎症および種々の炎症関連疾患においても大変有用である。これ らの因子はまた、短時間で狭窄が開放される際に起こる心筋の梗塞部における再 血管形成に関与している。 血管新生に関係する多くの知られた受容体/標的を後に示す表中に記載する。 本明細書に記載した標的設定原理を用いて、医療で使用されている造影技術の大 部分により血管新生を検知してよい。造影剤増強超音波は更に別の利点も有して おり、造影媒体は血管の内部に留められるミクロスフェアである。標的抗原が多 くの種類の細胞上にみとめられる場合でも、ミクロスフェアは内皮細胞に限定的 に結合する。 いわゆるプロドラッグもまた本発明の薬剤で使用してよい。即ち、物理化学的 性質を変化させ、レポーター中に含有するのに適するように薬物を誘導体化して よく;このように誘導体化された薬物をプロドラッグとみなし、通常は誘導体化 のための基の切断により薬物の活性型が生じるまで不活性である。 プロドラッグ活性化酵素を含有するる気体充填微小気泡を患部に向けて標的設 定することにより、酵素の標的設定を造影してよく、微小気泡が患部領域に適切 に標的設定され、同時に非標的領域から消失している場合に、可視化することが できる。この方法により患者個体へのプロドラッグの注入の至適時間を決定でき る。 別の方法はプロドラッグ、プロドラッグ−活性化酵素およびベクターを、プロ ドラッグのみが同じ外来性刺激の後に活性化される系の同じ微小気泡に取り込む 方法である。このような刺激は、例えば、上記した腫瘍特異的プロテアーゼ、ま たは、所望の標的設定が達成された後の外部からの超音波による微小気泡の破裂 であってよい。 治療薬は、例えば心臓、全身血管のような患部領域または壊死領域に、そして 肝臓、脾臓、腎臓および他の領域、例えば、リンパ系、体腔または胃腸系に対し 、本発明に従って容易にデリバリーすることができる。 本発明の生成物はin vivoまたはin vitroの何れかの標的設定治療薬デリバリ ーのために使用してよい。後者の場合は、プロドラッグは種々の疾患の診断また は血液または組織の試料中の種々の成分の同定のためのキットのようなin vitro の系において有用である。 本発明の薬剤中のレポーター単位の低い密度を利用して浮遊および反復洗浄に より気体含有物質の分離を行ないながら、特定の血液成分または細胞をin vitr oの重合体粒子(例えば単分散磁性粒子)に結合させて試料から分離させる際に用 いる方法と同様の方法を本発明で使用してよい。 別の連結剤の導入を行なうことなく2種の反応性の化学基の直接共有結合をも たらすいわゆるゼロ−レングスの連結剤(例えばカルボジイミドを用いた、ある いは酵素によるアミド結合の形成の場合等)は、所望により、非共有結合レレポ ーター−ベクター連結をもたらすビオチン/アビジン系のような薬剤および疎水 性または静電気的相互作用をもたらす薬剤と同様、本発明に従って使用してよい 。 しかしながら、最も一般的には、連結剤はスペーサー要素により連結された、 例えば上記したような2種以上の反応性の部分を有する。このようなスペーサー の存在により、二官能性のリンカーは分子内または2種の異なる分子間の特定の 官能基と反応することができ、これにより、これら2成分間の結合が起こり、レ ポーター−ベクターコンジュゲート内に外来性 のリンカー由来物質が導入される。連結剤中の反応性の部分は同じ(ホモ二官能 性物質)かまたは異なって(ヘテロ二官能性物質または数種の異なる反応性の部 分が存在する場合はヘテロ多官能性物質)いてよく、これにより分子内または分 子間の何れの化学種の間も共有結合できる多様な試薬が得られる。 連結剤により導入される外来性物質の性質は、標的設定能力および最終生成物 の全般的安定性に対し、重要な関連性を有している。従って、例えば生物分解性 または化学的に感受性が高いか、または、酵素切断部位を有するスペーサーアー ムを含む不安定な連結を導入することが望ましい。あるいは、スペーサーは、例 えば界面活性剤として機能し、気泡安定性を向上させるために重合体成分を含ん でもよい。スペーサーはまた、表面の交叉結合を増強させるために例えば上記し たような反応性の部分を含んでいてもよく、または、蛍光プローブ、スピンラベ ルまたは放射性物質のようなトレーサー要素を含んでいてもよい。 従って、X線造影剤、光造影プローブ、スピンラベルまたは放射性単位のよう な造影要素をレポーターユニットに容易に配合または結合できるため、本発明の 造影剤は全ての造影方法において有用である。 スペーサー要素は典型的には、距離5〜30Åでリンカーの反応部分を効果的に 分ける脂肪族鎖よりなる。PEGのような巨大分子構造を有し、これは生物工学お よび生物医学の用途において大きく注目されている(例えばMilton・Haris,J.(e d),“Poly(etllylene glycol)chemistry,biotechnical and biomedical appli cations",Plenum Press,New York,1992参照)。PEGは水などのほとんどの溶媒 中に可溶であり、2または3個の水分子が各エチレングリコールセグメントに結 合しながら水性条件で高度に水和しており;これは他の重合体または蛋白のPEG 修飾表面への吸着を阻止する作用を有する。PEGは非毒性であり活性蛋白または 細胞に対して無害であることが判っており、また、共有結合PEGは非免疫原性お よび 非抗原性であることが判っている。PEGは更に、その化学特性に殆ど影響するこ なく容易に修飾し他分子に結合することができる。その好都合な溶解性と生物学 特性はPEGおよびPEG−ポリウレタンおよびPED−ポリプロピレンのようなブロッ ク共重合体を含むその共重合体の用途が広いことから明らかである。 本発明で使用するPEGスペーサーの適切な分子量は例えば120ダルトン〜20kダ ルトンである。 網内系(RES)細胞による粒子の取り込みの主要な機序は血中の血漿蛋白による オプソニン作用であり;これらがマークした外来性粒子が次いでRESに取り込ま れる。本発明で使用するPEGスペーサー要素の生物学的性質はPEG化されたリポソ ームで観察されるものと同様の造影剤循環時間を延長させることである(例えば Klibanov,A.L.等,FEBS Leters(1990)268,235-237およびBlume,G.およびCe vc,G.Iiiocim.Biophys.Acta(1990)1029,91-97参照)。対象となる領域へ のカップリング効率の増強はまたPEGスペーサーの末端に結合した抗体を用いて 行なってよい(例えばMaruyama.K.等,Biochim.Biophys.Acta(1995)1234, 74-80およびHansen,C.B.等,Biochim.Biophys.Acta(1995)1239,133-144参 照)。 場合により、PEGがスペーサーとして機能しない同分子内のレポーターに対し 、ベクターと組合わせて、あるいは直接、安定化剤としてPEG成分を含むことが 好都合である。 他の代表的なスペーサー要素には、構造型多糖類、例えばポリガラクツロン酸 、グリコサミノグリカン、ヘパリノイド、セルロースおよび水産多糖類、例えば アルギネート、キトサンおよびカラギーナン;保存型多糖類、例えば澱粉、グリ コーゲン、デキストランおよびアミノデキストラン;リジン、グルタミン酸およ びアスパラギン酸のホモおよびコポリマーの場合のように、ポリアミノ酸および そのメチルおよびエチルエステル;および酵素切断部位を有するかまたは有しな いポリペプチド、オリゴ糖およびオ リゴヌクレオチドが包含される。 一般的にスペーサー要素はビシナルグリコール、アゾ、スルホン、エステル、 チオエステルまたはジスルフィド基のような切断可能な基を有する。 下記式: -(Z)m.Y.X.C(R1R2)X.Y.(Z)n- [式中、XおよびZは-0-,-S-および-NR-(Rは水素または有機性の基)から選択 され;Yは各々カルボニル、チオカルボニル、スルホニル、ホスホリルまたは同 様の酸形成基であり;mおよびnは各々0または1であり;そしてR1およびR2は 各々、水素、有機性の基または基-X.Y.(Z)m-であるか一緒になって2価の有機性 の基を形成する]の生物分解性メチレンジエステルまたはジアミド基含有のスペ ーサーも有用であり;例えばWO-A-9217436に記載のとおり、このような基は例え ばin vivoでエステラーゼの存在下容易に生物分解されるが、このような酵素の 非存在下では安定である。従ってこれらは、好都合に治療薬と結合させてその放 出を遅延させることができる。 ポリ[N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド]は細胞および組織との相 互作用の程度が低いため潜在的に有用なスペーサー物質である Bioact.Comp.Polymers(1992)7,175-190参照)。主として密接に関連する2 −ヒドロキシプロピル誘導体よりなる類似の重合体に関する研究によれば、更に 低い程度までのみ単核食細胞系によるエンドサイト−シスは低い程度にしか起こ らないことが判っている(Goddard,P.,Williamson,I.,Bron,J.,Hutchkinso n,L.E.,Nicholls,J.およびPetrak,K.,J.Bioct.Compat.Polym.(1991)6 ,4-24参照)。 他の潜在的に有用な重合体スペーサー物質には以下のものが包含される。 i)メチルメタクリレートとメタクリル酸の共重合体、即ち浸潤崩壊可 能であり(Lee,P.I.,Pharm.Res.(1993)10,980参照)、カルボキシレート置 換基は中性の重合体と比較してより高い水準の膨潤を起こすもの; ii)ポリメタクリレートと生物分解性ポリエステルのブロック共重合体(例え ばSan Roman,J.およびGuillen-Garcia,P.,Biomaterials(1991)12,236-241 参照); iii)シアノアクリレート、即ち、2−シアノアクリル酸のエステルの重合体で 、生物分解性であり、選択的薬物デリバリーのためにナノ粒子の形態で使用され ているもの(Forestier,F.,Gerrier,P.,Chaumard,C.,Quero,A.M.,Couvre ur,P.およびLabarre,C.,J.Antimicrob.Chemoter.(1992)30,173-179参照) ; iv)水溶性で一般的に生体適合性であると考えられているポリビニルアルコー ル(例えばLanger,R.,J.Control.Release(1991)16,53-60参照); v)生物浸潤崩壊性であるとされているビニルメチルエーテルと無水マレイン 酸との共重合体(Finne,U.,Hannus,M.およびUrtti,A.,Int.J.Pharma.(1 992)78,237-241参照); vi)腎臓で急速に濾過される例えば分子量約25,000未満のポリビニルピロリド ン(Hespe,W.,Meier,A.M.およびBlankwater,Y.M.,Arzeim.-Forsch./Drug R es.(1977)27,1158-1162参照); vii)グリコール酸、乳酸、酪酸、吉草酸およびカプロン酸のような短鎖脂肪族 ヒドロキシ酸の重合体および共重合体(例えばCarli,F.,Chim.Ind.(Milan)( 1993)75,494-9参照)、例えば分解速度を高めるために芳香族ヒドロキシ酸を配 合した共重合体(Imasaki,K.,Yoshida,M.,Fukuzaki,H.,Asano,M.,Kumaku ra,M.,Mashimo,T.,Yamanaka,HおよびNagai.T.のInt.J.Pharm.(1992 )81,31-38参照); viii)非分解性であるが生体適合性の高いDacron Rのようなエチレングリコー ルとテレフタル酸の交互単位よりなるポリエステル; ix)脂肪族ヒドロキシ酸重合体の生物分解性セグメントを有するブロック共重 合体(例えばYounes,H.,Nataf,P.R.,Cohn,D.,Appelbaum,Y.J.,Pizov,G .およびUretzky,G.,Biolmater.Artif.Cells Artif.Organs(1988)16,70 5-719参照)、例えばポリウレタンと組合わせたもの(Kobayashi,H.,Hyon,S.H. およびIkada,Y.,“Water-curable and biodegradable prepolymers”-J.Biom ed.Mater.Res.(1991)25,1481-1494参照)。 x)移植片中で許容性の高いことが判っており、例えばポリ(テトラメチレン グリコール)、ポリ(プロピレングリコール)またはポリ(エチレングリコール)を 含有する可撓性の「ソフト」セグメントおよび例えば4,4'−メチレンビス(フェニ レンイソシアネート)を含有する芳香族「ハード」セグメントと組合わせてよいポ リウレタン(例えばRatner,B.D.,Johnston,A.B.およびLenk,T.J.,J.Biome d.Mater.Res:Applied Biomaterials(1987)21,59-90;Sa Da Costa,V.等,J. ,Coll.InterfaceSci.(1981)80,445-452およびAffrossman,S.等,Clinical M aterials(1991)8,25-31参照); xi)加水分解性エステル結合のために生物分解性エステルであると考えられて おり(例えばSong,C.X.,Cui,X.M.およびSchindler,A.,Med.Biol.Eng.Com put.(1993)31,S147-150参照)、吸収性を向上させるためにグリコリド単位を 含んでいてよい(Bezwada,R.S.,Shalaby,S.W.およびNewman,H.D.J.,Agricu ltural and synthetic polymers:Biodegradability and utilization(1990)( ed Glass,J.E.およびSwift,G.),167-174-ACS symposium Series,#433,Was hington D.C.,USA-American Chemical Society)ポリ(1,4−ジオキサン−2−オ ン); xii)ウサギ(Brem,H.,Kader,A.,Epstein,J.I.,Tamargo,R.J.,Domb,A .,Langer,R.およびLeong,K.W.,Sel.Cancer Ther.(1989)5,55-65参照)お よびラット(Tamargo,R.J.,Epstein,J.I.,Reinhard, C.S.,Chasin,M.およびBrem,H.,J.Biomed.Mater.Res.(1989)23,253-26 6)における試験で明らかな毒性作用を伴うことなく薬物の脳内制御放出に有用で あることが判っているセバシン酸(オクタンジ酸)とビス(4−カルボキシ−フェ ノキシ)プロパンの共重合体のようなポリ無水物; xiii)in vivoの制御放出のために用いられているオルトエステル基を有する 生物分解性重合体(Maa,Y.F.およびHeller,J.,J.Control.Release(1990)1 4,21-28);および、 xiv)交互に存在するリンおよび窒素原子よりなる無機重合体であるポリホス ファゼン(Crommen,J.H.,Vandorpe,J.およびSchacht,E.H.,J.Control.Rel ease(1993)24,167-180参照)。 以下の表は本発明の標的設定薬剤を調製する際に有用な連結剤、ビオチニル化 剤と蛋白修飾のための薬剤を挙げたものである。ヘテロ二官能性連結剤 ホモ二官能性連結剤 ビオチニル化剤 蛋白修飾のための薬剤 脱グリコシド化は肝臓、脾臓、マクロファージ等による取込を低下させる場合 が多いが、蛋白の新しいグリコシル化は肝臓およびマクロファージによる取込を 増大させる場合が多いので、他の潜在的に有用な蛋白修飾の例には、ノイラミニ ダーゼ、エンドグリコシダーゼまたは過ヨウ素酸塩による部分的または完全な脱 グリコシド化;大きさの減少と循環における半減期の短縮をもたらす蛋白分解的 切断による末端切断形態の調製;および、例えばKumagi等.,J.Biol.Chem.(1 987)262,15214-15219;Triguero等.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1989)86, 4761-4765;Pardridge等.,J.Pharmacol.Exp.Therap.(1989)251,821-826お よびPardridgeおよびBoado,Febs Lett.(1991)288,30-32に記載のカチオン化 が包含される。 本発明の標的設定薬剤中で有用に使用されるベクターには以下のものが包含さ れる。 i)極めて広範囲の標的のためのベクターとして使用でき、極めて高い特異性 、高い親和性(適宜)、所望により親和性を調節する能力等のような好都合な性 質を有する抗体。抗体が生物活性を有するか否かは特定のベ クター/標的組合せによる。従来の抗体および遺伝子工学による抗体の双方を用 いてよいが、後者の場合は例えば親和性および特異性に関して特定の要件を備え るように抗体を構築することができる。ベクター分子に対する免疫反応の可能性 を回避するためにはヒト抗体の使用が好ましい。更に別の種類の有用な抗体は、 いわゆる二重特異性および多特異性の抗体、即ち、抗体1分子中2種以上の異な る抗原に対する特異性を有する抗体を包含する。このような抗体は、例えば、気 泡クラスターの形成を促進するために有用であり、また、例えば毒性部分を標的 まで運搬するなど、種々の治療目的のためにも用いてよい。二重特異的抗体の種 々の特徴は、McGuinness,B.T.等.,Nat.Biotechnol.(1996)14,1149-1154;Ge orge,A.J.等.,J.Immunol.(1994)152,1802-1811;Bonardi等.,Cancer Res.( 1993)53,3015-3021;およびFrench,R.R.等.,Cancer Res.(1991)51,2353-236 1に記載されている。 ii)細胞付着分子、その受容体、サイトカイン、生育因子、ペプチドホルモン およびこれらの部分構造。このようなベクターは標的分子受容体との通常の生物 学的蛋白−蛋白相互作用に基づいており、このため多くの場合標的との結合によ り生物学的応答を示し、これにより生物活性となり;これはプロテオグリカンが 標的となるベクターとの関りは比較的小さい。 iii)細胞付着分子、サイトカイン、生育因子およびペプチドホルモンに対す る受容体の非ペプチドアゴニスト/拮抗剤または非生物活性バインダー。この範 疇はアゴニストでも拮抗剤でもないがなお価値ある標的設定能力を示す非生物活 性ベクターを包含する。 iv)ワトソン−クリックまたは他の型の塩基対を介してDNAまたはRNAに結合す るオリゴヌクレオチドおよび修飾オリゴヌクレオチド。DNAが細胞外の空間に存 在するのは通常は細胞の損傷の結果としてのみであるため、通常は非生物活性で ある上記オリゴヌクレオチドは例えば、多くの種類の病的状態に伴う壊死領域を 標的設定するために有用である。ノリゴヌクレ オチドはまた特定のDNA−またはRNA−結合蛋白、例えば、腫瘍細胞または活性化 免疫または内皮細胞で過剰発現することの多い転写因子に結合するように設計し てよい。組合せライブラリを用いて何れかの可能な標的分子に特異的に結合し、 そのために標的設定のためのベクターとして使用してよいオリゴヌクレオチドを 選択してよい。 v)DNA−結合薬物はオリゴヌクレオチドと同様の挙動を示す場合があるが、 細胞に取り込まれた場合には生物活性および/または毒性作用を示す場合がある 。 vi)プロテアーゼ基質/阻害剤。プロテアーゼは多くの病的状態に関与してい る。多くの基質/阻害剤は非ペプチド系であるが、少なくとも阻害剤の場合は生 物活性であることが多い。 vii)造影すべき領域/構造について(in vitro,ex vivoまたはin vivoで) 官能基的に選択することにより厳密な分子標的を知る必要なく組合せライブラリ からベクター分子を発生させてよい。 viii)種々の生物学的受容体に結合することが判っている生物活性化合物を包 含する種々の小型分子。このようなベクターまたはその標的を用いて同じ標的に 結合する非生物活性化合物を発生させてよい。 ix)グルコソアミノグリカンへの結合は生物学的応答をもたらさないことから 、より大型の分子のグルコソアミノグリカン結合部分を含むグルコソアミノグリ カン側鎖、例えばヘパランスルフェートに結合する蛋白またはペプチド。プロテ オグリカンは赤血球中には存在せず、これら血球への望ましくない吸着が回避で きる。 以下の表は特定の種類の標的に標的設定してよい種々のベクターおよびそのよ うなベクターを含む本発明の標的設定可能な診断薬および/または治療剤の使用 を意図する領域を示す。前記ベクターが生物活性である場合には(1)非生物活性 類似体が使用される;(2)ベクターは生物学的応答が得られないような低い投与 量で使用される;または(3)ベクターは、得ら れる診断用および/または治療用組成物が全く生物学的応答を与えないような方 法で組み合わせにおいて使用される;のいずれかであることが理解されよう。蛋白およびペプチドベクター−抗体 References 蛋白およびペプチドベクター−細胞付着分子等 サイトカイン/成長因子/ペプチドホルモンおよびその断片を有するベクター 種々の蛋白質およびペプチドベクター サイトカイン/成長因子/ペプチドホルモン/細胞付着分子の受容体の非ペプチ ドアゴニスト/拮抗剤または非生物活性バインダーを有するベクター 抗血管新生促進因子を有するベクター 血管新生促進因子を有するベクター 血管新生に関与する受容体に対する親和性を有することが知られている既知血管 新生促進因子以外のベクター分子 血管新生関連受容体/標的 オリゴヌクレオチドベクター 修飾オリゴヌクレオチドベクター ヌクレオシドおよびヌクレオチドベクター DNA 結合薬を含有する受容体 プロテアーゼ基質を含有する受容体 プロテアーゼ阻害剤を含有する受容体 コンビナトリアルライブラリ由来のベクター 炭化水素ベクター (糖)脂質ベクター 小型分子べクター References 以下の非限定的な実施例は本発明を説明するものである。生成物の微細粒子の 性質の確認はWO-A-9607434に記載の顕微鏡観察により行なう。超音波伝達測定は 、広帯域の変換器を用いて、標準物質と比較して増大した音波減衰を与える微小 気泡懸濁液を示すことにより行なってよい。生成物のフローサイトメトリーによ る分析を用いて巨大分子の結合を確認することができる。標的を発現する細胞に 特異的に結合する標的設定微小気泡の能力は、顕微鏡観察および/または固定化 細胞を有するフローチャンバーを用いて、例えば標的構造を発現する細胞集団お よび標的を発現しない細胞集団を用いながら、in vitroで検討してよい。放射、 蛍光または酵素標識ストレプトアビジン/アビジンを用いてビオチン結合を分析 してよい。 実施例 1 ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびビオチンアミドカプロエー ト−PEG3400-Ala−コレステロールでカプセル化された気体充填微小気泡 a)Z-Ala−コレステロール(3−O−(カルボベンジルオキシ−L−アラニル)コ レステロール)の合成 コレステロール(4ミリモル)、Z−アラニン(5ミリモル)およびジメチルアミ ノピリジン(4ミリモル)をジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(20ml+5m l)に溶解し、ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加した。反応混合物を周囲温 度で一夜攪拌した。ジシクロヘキシル尿素を濾去し、溶媒をロータリーエバポレ ーターで蒸発させた。残存物をクロロホルムに溶解し、未溶解のジシクロヘキシ ル尿素を濾去し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。残存物をシリカ ゲルカラム上に置き、Z-Ala−コレステロールをトルエン/石油エーテル(20:2 )次いでトルエン/ジエチルエーテル(20:2)で溶離した。標題化合物を含有す る画分を合わせ、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。生成物の構造は NMRで確認した。 b)Ala−コレステロール(3−O−(L−アラニル)コレステロール)の合成 Z-Ala−コレステロール(0.48ミリモル)をテトラヒドロフラン(20ml)および氷 酢酸(3ml)中に入れ、2時間5%Pd/Cの存在下水素添加する。反応混合物を濾 過し、真空下に濃縮する。 c)Boc-NH-PEG3400-Ala−コレステロールの合成 Ala−コレステロールをクロロホルム中のBoc-NH-PEG3400-SC(t−ブチルカー バメートポリ(エチレングリコール)スクシンイミジルカーボネート)の溶液に添 加し、次いでトリエチルアミンを添加する。懸濁液を10分間41℃で攪拌する。粗 生成物をクロマトグラフィーで精製する。 d)H2N-PEG3400-Ala−コレステロールの合成 Boc-NH-PEG3400-Ala−コレステロールを周囲温度で2.5時間ジオキサン中4M 塩酸中で攪拌する。溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、残存物をクロロ ホルムに溶解し、水で洗浄する。有機層をロータリーエバポレーターで蒸発乾固 させる。粗生成物はクロマトグラフィーで精製してよい。 e)ビオチンアミドカプロエート−PEG3400-Ala−コレステロールの合成 テトラヒドロフラン中のビオチンアミドカプロエートN−ヒドロキシスクシン イミドエステルの溶液をテトラヒドロフランおよびp・7.5の0.1Mリン酸ナトリ ウム緩衝液(2ml)に溶解したH2N-PEG3400-Ala−コレステロールに添加する。反 応混合物を30℃に加熱し、反応をTLCで完了が確認できるまで継続し、その後溶 媒を蒸発させる。 f)ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびビオチンアミドカプロ エート−PEG3400-Ala−コレステロールでカプセル化された気体充填微小気 泡の調製 ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリン(合計90〜99.9モル%)お よびビオチンアミドカプロエート−PEG3400-Ala−コレステロール (10−0.1モル%)の混合物に、水中5%プロピレングリコール−グリセロール( 1ml)を添加する。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却した。 次に分散液(0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタ ンでフラッシュする。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後 、試料をローラーテーブル上に乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、 洗浄操作を反復する。 g)ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリンおよびビオチンアミドカプロ エート−PEG3400-Ala−コレステロールでカプセル化された気体含有微小気 泡の調製の別法 ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリンの混合物(5mg)を水中5% プロピレングリコール-グリセロール(1ml)に添加する。分散液を5分間80℃以下 に加熱し、次いで周囲温度に冷却する。次に分散液(0.8ml)をバイアル(1ml)に移 し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラッシュする。バイアルを45秒間 キャップミキサー中で振とうし、その後、試料をローラーテーブル上に乗せる。 遠心分離後、下部清澄液を水と交換する。水に溶解したビオチンアミドカプロエ ート−PEG3400-Ala−コレステロールを洗浄した微小気泡に添加し、これを数時 間ローラーテーブル上に置く。微小気泡膜内にビオチンアミドカプロエート−PE G3400-Ala−コレステロールを取り込んだ後、洗浄操作を反復する。 実施例 2 ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ビオチンアミドカプロエート− PEG3400-Ala−コレステロールおよび薬物−コレステロールを含有する気体充填 微小気泡 a)薬物−コレステロールの合成 コレステロール(4ミリモル)、酸基を有する薬物よびジメチルアミノピリジン (4ミリモル)をジメチルホルムアミド/テトラヒドロフラン(20ml+5ml)に溶 解し、ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加する。反応混 合物を周囲温度で一夜攪拌する。ジシクロヘキシル尿素を濾去し、溶媒をロータ リーエバポレーターで蒸発させる。標題化合物をクロマトグラフィーで精製する 。 b)ホスファチジルセリン、ホスファチジルコリン、ビオチンアミドカプロエー ト−PEG3400-Ala−コレステロールおよび薬物−コレステロールを含有する 気体充填微小気泡の調製 ホスファチジルセリンおよびホスファチジルコリン(合計90〜99.9モル%)およ びビオチンアミドカプロエート−PEG3400-Ala−コレステロール(実施例1のと おり調製)および薬物−コレステロール(合計10〜0.1モル%)の混合物(5mg)に 、水中5%プロピレングリコール−グリセロール(1ml)を添加する。分散液を5 分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却する。分散液(0.8ml)をバイアル(1m l)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラッシュする。バイアルを 45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試料をローラーテーブル上に乗 せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄操作を反復する。 実施例 3 気泡充填微小気泡に結合したビオチン ビオチンは種々の方法、例えばCorley,P.およびLoughrey,H.C.,(1994),Bi ochim.Biophys.Acta 1195,149-156に記載の方法と同様にして、微小気泡に結 合してよい。形成した泡は例えばビオチンの気泡への結合を検出するため蛍光ス トレプトアビジンを用いてフローサイトメトリーにより分析する。あるいは、放 射標識または酵素標識ストレプトアビジン/アビジンを用いてビオチンの結合を 分析する。 実施例 4 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−〔ホスポ−L−セリン〕およびビオ チン−DPPEでカプセル化された気体充填微小気泡 1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−〔ホスポ−L−セリン〕ホ (Avanti社製,lot#180PS-12,22.6mg)に水中4%プロピレングリコールーグリ セロール(4ml)を添加した。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に 冷却した。4%プロピレングリコールーグリセロール(1ml)中のビオチン−DPPE (Pierce lot# 96092472,1.5mg)の水性分散液を添加し、試料を1〜2時間ロ ーラーテーブル上に置いた。懸濁液をバイアルに充填し、ヘッドスペースをパー フルオロブタンでフラッシュした。バイアルを45秒間振とうし、その後、ローラ ーテーブル上に置いた。7分間の遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄操 作を2回反復した。 蒸発光分散検出器を用いた正相HPLCによれば、微小気泡の膜は4モル%のビオ チン−DPPEを含有していることが確認された。微小気泡の平均粒径はクールター カウンター(Coulter Counter)ーで測定したところ4μmであった。3.5mHz広帯 域変換器を用いて測定した超音波伝導によれば<2mg/mlの粒子の分散が5dB/ cmより高度な音波の減衰を示した。 実施例 5 ホスファチジルセリンおよびストレプトアビジン−Succ-PEG-DSPEに非共有結合 したビオチニル化オリゴヌクレオチドによりカプセル化された気体充填微小気泡 a)Succ-PEG3400-DSPEの合成 NH2-PEG3400-DSPE(実施例1に記載のとおり調製)を例えばNayar,R.およびSch roit,A.J.,Biochemistry(1985)24,5967-71に記載の方法と同様にして無水 コハク酸を用いてカルボキシル化する。 b)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡の調製 ホスファチジルセリン(90〜99.9モル%)およびSucc-PEG3400-DSPE(10〜0.1モ ル%)の混合物(5mg)に水中5%プロピレングリコール−グリセロール(1ml)を 添加する。分散液を5分間80℃以下で加熱し、次に周囲温度に冷却する。分散液 (0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラ ッシュする。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、試料を ローラーテーブル上に乗せる。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄を反 復する。あるいは、微小気泡は実施例1(f)に記載のとおり調製してもよい。 c)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡へのストレプトアビジンのカップリング 水溶性カルボジイミドを用いた標準カップリング法により微小気泡内のSucc-P EG3400-DSPEにストレプトアビジンを共有結合させる。反応中は試料をローラー テーブル上に置く。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗浄を反復する。結 合したストレプトアビジンの官能基は例えば蛍光標識ビオチン、ビオチニル化抗 体(蛍光標識二次抗体で検出)またはビオチニル化され蛍光標識または放射標識さ れたオリゴヌクレオチドに結合させることにより分析する。分析は蛍光顕微鏡観 察またはシンチレーション計数に より行なう。 d)ホスファチジルセリンおよびストレプトアビジン−Succ-PEG-DSPEに非共有 結合したビオチニル化オリゴヌクレオチドによりカプセル化された気体充填 微小気泡の調製 前記(c)の微小気泡をビオチニル化オリゴヌクレオチドを含有する溶液中でイ ンキュベートする。オリゴヌクレオチドコーティング気泡を上記のとおり洗浄す る。気泡へのオリゴヌクレオチドの結合は例えば気泡への結合のための蛍光標識 オリゴヌクレオチドを用いるか、結合したオリゴヌクレオチドを標識された(蛍 光または放射性)相補オリゴヌクレオチドにハイブリダイズするかして検出する 。オリゴヌクレオチド担持微小気泡の官能基は、例えば結合したオリゴヌクレオ チドに対して相補的な配列を含む固定化DNAで気泡をハイブリダイズすることに より分析する。例えば(一倍性ゲノムあたりのコピーが多数存在する)リボソーム DNAに相補的なオリゴヌクレオチドおよび(rasの一倍性ゲノムあたりのコピーが 多数存在する)オリコジーンに相補的なオリゴヌクレオチドを使用してよい。 実施例 6 ホスファチジルセリンでカプセル化した気体充填微小気泡に結合したぺプチドFN FRLKAGOKIRFGAAAWEPPRARI ホスファチジルセリン結合およびヘパリン結合部分を有するペプチドFNFRLKAG OKIRFGAAAWEPPRARIを合成する。ペプチドを予め形成したホスファチジルセリン カプセルにつめたパーフルオロブタン微小気泡に添加し、十分混合する。 実施例 7 ホスファチジルセリンおよび不活性化ヒトトロンビン−Succ-PEG3400-DSPEでカ プセル化された気体充填微小気泡 a)ヒトトロンビンの不活性化 ヒトトロンビンは、37℃で30分間、0.05M HEPES緩衝液(pH8.0)中20% モル過剰のD-Phe-L-Pro-L-Arg−クロロメチルケトンとともにインキュベートす ることにより不活性化した。 b)ホスファチジルセリンおよびSucc-PEG3400-DSPEでカプセル化された気体充 填微小気泡の調製 ホスファチジルセリン(90〜99.9モル%)およびSucc-PEG3400-DSPE(10〜0.1 モル%、実施例5(a)に記載のとおり調製)の混合物(5mg)に水中5%プロピレン グリコール−グリセロール(1ml)を添加した。分散液を5分間80℃以下で加熱し 、次に周囲温度に冷却した。分散液(0.8ml)をバイアル(1ml)に移し、ヘッドス ペースをパーフルオロブタンでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキ サー中で振とうし、その後、試料をローラーテーブル上に乗せた。遠心分離後、 下部清澄液を水と交換し、洗浄を反復した。あるいは、微小気泡は実施例1(f) に記載のとおり調製してもよい。 c)ホスファチジルセリンおよび不活性化ヒトトロンビン−Succ-PEG3400-DSPE でカプセル化された気体充填微小気泡の調製 水溶性カルボジイミドを用いた標準カップリング法により上記(b)の微小気泡 中のSucc-PEG3400-DSPEに不活性化ヒトトロンビンを共有結合させる。反応中は 試料をローラーテーブル上に置いた。遠心分離後、下部清澄液を水と交換し、洗 浄を反復した。 実施例8 エチリデンビス(16−ヒドロキシヘキサデカノエート)とアジポイルクロリドか らの重合体およびその重合体に非共有的に結合するビオチン−アミドカプロエー ト−Alaを含有する基体含有微粒子状物 a)Z−Ala−重合体(3−O−(カルボベンジルオキシ−L−アラニル)−重 合体)の合成 重合体をエチリデンビス(16−ヒドロキシヘキサデカノエート)とアジポイル クロリドからWO−A−9607434号に記載のようにして製造し、分子量 10000を有する重合体断片をガス透過クロマトグラフィー(GPC)で精製する。こ の物質10g(OH基1ミリモルに相当する)、Z−アラニン(5ミリモル)および ジメチルアミノピリジン(4ミリモル)を乾燥ジメチルホルムアミド/テトラヒ ドロフラン中に溶解し、次いでジシクロヘキシルカルボジイミドを加える。反応 混合物を周囲温度で一夜攪拌する。ジシクロヘキシル尿素を濾去し、溶媒をロー タリーエバボレーターで除去する。生成物をクロマトグラフィーにより精製し、 標記化合物を含有する断片を合一し、溶媒をロータリーエバボレーターで除去す る。生成物の構造はNMRで確認する。 b)Ala−重合体(3−O−(L−アラニル)−重合体)の合成 Z−Ala−重合体(0.1ミリモル)をトルエン/テトラヒドロフランおよび水酢 酸(全容量の15%)中で攪拌し、2時間5%Pd/Cの存在下水素添加する。反応 混合物を濾過し、真空下に濃縮する。 c)ビオチンアミドカプロエート−Ala−重合体の合成 テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドおよびpH7.5の0.1Mリン酸ナトリ ウム緩衝液の混合物中に溶解したH2N−Ala−重合体に、テトラヒドロフラン中の ビオチンアミドカプロエートN−ヒドロキシスクシンイミドエステルの溶液を加 える。反応混合物を30℃に加熱し、激しく攪拌する。反応は完了までTLCにより 追跡する。溶媒を蒸発させ、粗生成物をそれ以上精製せずに使用する。 d)ビオチンアミドカプロエート−Ala−重合体とPEG10000メチルエーテル16− ヘキサデカノイルオキシヘキサデカノエートを含有する気体含有粒子 60℃に維持した(−)−カンフェン中のビオチン−アミドカプロエート−Ala −重合体の5%w/w溶液10mlを、同一温度でPEG10000メチルエーテル16−ヘキサ デカノイルオキシヘキサデカノエート(WO−A−9607434号に記載のようにして製 造した)の1%w/w水溶液30m1に加える。混合物を数 分間低速でローターステーターミキサー(Ultra Turax(R)T25)を用いて乳化し 、次いでドライアイス/メタノール浴中で凍らせ、48時間凍結乾燥して標記生成 物を白色粉末として得る。 e)音波による生成物の特性化および顕微鏡検査 生成物の微粒子状性質の確認はWO−A−9607434号に記載のように光顕微鏡を用 いて行なう。3.5MHz広域変換器を用いて測定した超音波伝導によれば<2mg/ml の粒子の懸濁が少なくとも5dB/cmの音波の減衰を示す。 実施例 9 ビオチンによる気体充填アルブミン微小球体(GAM)の官能基付与 5mg/mlアルブミンのGAM(6×108個の粒子/ml)の均質懸濁液を使用した。 全ての操作は室温で実施した。2つの10m1アリコートを遠心分離して(170×g ,5分)微小球体の浮遊を促進し、下部清澄液を慎重な吸引により除去し次いで 空気飽和のリン酸塩緩衝塩水の等容量で置き換え、生成物を15〜20分間回転して 微小球体を再懸濁した。この操作を2回繰り返し、その後には遊離の、微小球体 結合アルブミンの無視し得る量のみが残存するものと想定された。 NHS−ビオチン50μl(ジメチルスルホキシド中10mM)を各アリコートの1つ に加え(最終濃度50μM)、他の(対照)アリコートにはジメチルスルホキシド 50μlを入れた。試料を含む管を1時間回転し、次いで各管に50%グルタルアル デヒド水溶液の20μlずつを加えて微小球体を架橋させた。さらに1時間回転し た後に、それらの管を一夜水平に置いて微小球体を浮遊させた。翌日それらの懸 濁液を1mg/mlのヒト血清アルブミン含有のリン酸塩緩衝塩水(PBS/HSA)で2 回洗浄し、最後の遠心分離後にPBS/HSA中に再懸濁した。 微小球体結合ビオチンを測定するために、セイヨウワサビペルオキシダーゼに コンジュゲートしたストレプトアビジン(strep-HRP)を再懸濁液に加え、それ らの管を1時間回転して反応させた。次いで微小球体を3回 洗浄し、0.1mg/mlのフェニレンジアミンジ塩酸塩および0.01過酸化水素を含有 する100mMクエン酸−リン酸塩緩衝液(pH5)中に再懸濁し、10分間回転した。 黄−緑色の発現は酵素の存在を示した。得られた結果は下記のとおりであった。 試 料 色の発現 ビオチニル化球体+strep-HRP 2+ 対照球体+strep-HRP + 上記結果よりGAMがビオチニル化されたことが確認される。 実施例 10 使用方法 カプセル化膜に取り込まれた不活性化ヒトトロンビン−Succ-PEG3400-DSPEを 有するホスファチジルセリンカプセル化微小気泡を含有する実施例7の薬剤を0. 01Mリン酸塩緩衝液pH7.4から凍結乾燥させる。生成物を滅菌水に再懸濁し、脚 部静脈中に静脈血栓を有すると疑われる患者に静脈内注射する。脚部を標準的な 超音波法により検査する。血栓は周囲の組織と比較してコントラストが高いこと により位置を特定される。 実施例 11 内皮細胞へのポリ−L−リジンコーティングされたホスファチジルセリンカプセ ル化微小気泡の接着 分子量115kDaのポリ−L−リジン(8mg,Sigma P-1274 lot no.14H5546)を水 (400μl)中に溶解した。ホスファチジルセリンカプセル化パーフルオロブタ ン(40μl)の新しく再分散させた微小気泡を室温で15分間水(400μl)また はポリ−L−リジン溶液中でインキュベートした。ゼータ電位測定によりそのポ リ−L−リジンコーティングされた微小気泡は正に帯電し、一方コーティングさ れていない気泡は負に帯電していることが確認された。培養皿(CRL型1730)中 で増殖させたヒト内皮細胞を用いた細胞接着検査を上記微小気泡について実施し 、その際コーティングされてい ない微小気泡を対照として使用した。インキュベーション後の内皮細胞を顕微鏡 で検査したところ、コーティングされていない微小気泡と比較して内皮細胞に接 着する遥かに増加した数のポリ−L−リジンコーティングされた微小気泡が示さ れた。 実施例 12 ヘパリンスルフェート結合ペプチド(KRKR)およびフィブロネクチンペプチド(WOP PRARI)を有するリポペプチドで「ドープ」されたDSPSの気体含有微小気泡の調製 および生物学的評価 a)ヘパリンスルフェート結合ペプチド(KRKR)およびフィブロネクチンペプチド (WOPPRARIよりなるリポペプチドの合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上にFmoc-I le-Wang樹脂(Novabiochem社製)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装 置上でリポペプチドを合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はカップリング 前にHBTUを用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基からのペプチドの同 時除去は5%フェノール、5%EDT、5%アニソールおよび5%水を含有するTFA 中2時間行ない、150mgの収量で粗生成物を得た。粗生成物の内40mgを、流量9m l/分で40分間にわたって70〜100%B(A=0.1% TFA/水およびB=MeOH)の 勾配による調製用HPLC(Vydac 218TP1022)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物 質16mgを得た(分析用HPLC、勾配70〜100%,B=MeOH,A=0.01% TFA/水:カ ラム−Vydac 218TP54:検出−UV260および蛍光、Ex280,Em350−生成物の保持時 間=19.44分)。更に生成物を同定するためにMALDI質量スペクトル分析を 行った。M+H理論値2198、実測値2199 b)ヘパリンスルフェート結合ペプチド(KRKR)およびフィブロネクチンペプチド (WOPPRARI)を有するリポペプチドで「ドープ」されたDSPSの気体充填微小気 泡の調製 DSPS(Avanti社製、4.5mg)および段階(a)のリポペプチド(0.5mg)をバイアル2 本の各々に計り入れ、1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液0. 8mlを各バイアルに添加した。混合物を5分間80℃に加温した(加温中はバイアル を振とう)。試料を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスで フラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、微小気泡を 一夜ローリングした。気泡を脱イオン水で数回洗浄し、クールターカウンター[ 粒径1〜3ミクロン(87%)、3〜5ミクロン(11.5%)]および音響減衰(最大減 衰周波数:3.5MHz)で分析した。微小気泡は120mmHgで安定であった。MALDI質量 スペクトル分析によりDSPS微小気泡への取込を確認するために、約0.1mlの微小 気泡懸濁液を新しいバイアルに入れ、0.05〜0.1mlのメタノールを添加した。懸 濁液を30秒間音波処理し、溶液をMALDI MSにより分析した。正電荷モードでM+H2 200であった(リポペプチドの理論値,2198)。 c)ヘパリンスルフェート結合ペプチド(KRKR)およびフィブロネクチンペプチド (WOPPRARI)を有するリポペプチドで「ドープ」されたDSPSの気体充填微小気 泡のin vitro試験:流動条件下の内皮細胞への結合 正常腑帯由来ヒト内皮細胞系ECV304(ATCCCRL-1998)をL−グルタミン(200mM) 、ペニシリン/ストレプトマイシン(10,000U/mlおよび10,000μg/ml)および1 0%ウシ胎児血清(Hyclone lot no.AFE5183)を添加したRPMI 1640培地(Bio Wh ittaker)中260ml容のNunc培養フラスコ(chutney153732)中で培養した。全面培養 時スプリット比1:5〜1:7で細胞を継代培養した。直径22mmのカバーガラス (BDH,Cat no.406/0189/40)を滅菌し、12ウエルの培養プレート(Costar)の底部 に置き、その後、血清添加 完全培地0.5ml中の細胞をプレート上面に添加した。細胞が全面培養に達した時 点で、ガラスプレートに切り込まれた溝よりなる専用のフローチャンバー内にカ バーガラスを入れ、その際、細胞を有するカバーガラスは細胞が溝に面するよう にガラスプレート上に乗せ、これにより流路が形成されるようにした。蠕動ポン プを用いながら、段階(b)で調製した超音波微小気泡を37℃に維持されたリザー バーからフローチャンバーに通し、リザーバーに戻した。流量は生理学的に妥当 なせん断速速度が得られるように調節した。フローチャンバーを顕微鏡下に置き 、微小球体と細胞との間の相互作用を直接観察した。顕微鏡上に搭載したカメラ をカラービデオプリンターとモニターに接続した。細胞上の微小気泡の経時的蓄 積が流量に依存した速度で認められた。流量を更に大きくしたところ細胞はカバ ーガラスから脱離しはじめたが、微小気泡は細胞に結合したままだった。ベクタ ーを担持していない対照の気泡は内皮細胞に接着せず、最小の流動条件下でチャ ンバーから消失した。 d)イヌにおけるin vivo実験 例1) 体重22kgの雑種イヌをペントバルビタールで麻酔し、人工呼吸させた。胸部を 正中胸肋切開し、前心膜を除去し、心臓とATL HDI-3000超音波スキャナーのP5-3 変換器との間に30mmのゲル化シリコーンゴムスペーサーを挿入した。スキャナー を遅延EGCトリガーによる各終収縮(end-systole)に1回断続的短軸造影にセット した。段階(b)の微小気泡を実質容で2ml単回静脈内高速注射し;3秒後、造影し た右心室に造影剤が入っているのがみとめられ、更に3秒後、左心室にも入り、 左心室の後部の像を曖昧にさせる一過性の減衰影が観察された。実質的な輝度増 大が心筋にみられ、減衰影が消失した後には左心室から遠位の心臓の部分にもみ とめられた。初回の巨丸剤の通過の後、超音波スキャナーを、造影組織領域中の 超音波造影剤微小気泡の破壊を起こすことが解っている操作法である連続高フレ ーム 比率高出力造影にセットした。数秒後、スキャナーを初期設定にもどした。これ により心筋はより暗くベースライン値により近づいた。新しい位置に像断面を移 動させたところ造影作用が再出現し;断面を最初の位置にもどすとベースライン に近い組織輝度となった。 例2)[比較] リポペプチドを製剤中に含有させない以外は上記段階(b)と同様の方法で調製 した実質容2mlの微小気泡を上記と同様の造影操作法を用いて注射した。心筋エ コー増強は例1で観察されたものと比較して遥かに弱く、短かった。左心室減衰 期の終了時には心筋造影作用はほぼ完全に失われており、例1でみとめられた左 心室後部の心筋エコー増強は観察されなかった。 実施例 13 ポリリジンおよびPS−結合成分とフィブロネクチンペプチド配列を有する融合ペ プチドNH2F.N.F.R.L.K.A.G.O.K.I.R.F.G.G.G.G.W.O.P.P.R.A.I.OHで非共有結合 的にコーティングされたDSPSを有する標的設定気体充填微小気泡 a)PS−結合/フィブロネクチンフラグメント融合ペプチドNH2F.N.F.R.L.K.A.G .O.K.I.R.F.G.G.G.G.W.O.P.P.R.A.I.OHの合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上にFmoc-Ile- Wang樹脂(Novabiochem社製)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置上 でペプチドを合成した。全アミノ酸ともカップリング前にHBTUを用いて予備活性 化させた。樹脂および側鎖保護基からのペプチドの同時除去は5%フェノール、 5%EDTおよび5%水を含有するTHF中2時間行ない、302mgの収量で粗生成物を 得た。粗生成物のうち25mgを、流量9ml/分で40分間にわたって20〜40%B(A =0.1%TFA/水およびB=0.1%TFA/アセトニトリル)の勾配を用いた調製用HPL C(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質10mgを得た( 分析用HPLC、勾配20 〜50%B、B=0.1%TFA/アセトニトリル、A=0.01%TFA/水:カラム−Vydac 218TP54:検出−UV214および260nm−生成物の保持時間=12.4分)。更に生成物 を同定するためにMALDI質量スペクトル分析を行った。M+H理論値2856、実測値28 66 b)ポリリジンおよびPS−結合/フィブロネクチンフラグメント融合ペプチドNH 2F.N.F.R.L.K.A.G.O.K.I.R.F.G.G.G.G.W.O.P.P.R.A.I.OHで非共有結合的に コーティングされたDSPSを有する微小気泡の調製 DSPS(5mg,Avanti)をポリ−L−リジン(Sigma,0.2mg)および上記段階(a)の ペプチド(0.2mg)とともに新しいバイアルに計り入れた。バイアルに1.4%プロピ レングリコール/2.4%グリセロールの溶液1.0mlを添加した。混合物を5分間80 ℃に加温した。試料を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガス でフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、微小気泡 を3分間1000rpmで遠心分離した。水、PBSおよび水で十分に洗浄した後、最終溶 液のポリリジンおよびペプチドの含有量をMALDI MSで測定した。最終洗液中には ポリペプチド物質はみとめられなかった。次にアセトニトリル(0.5ml)を添加し 、微小気泡を音波処理により破壊した。次に得られた溶液のポリリジンおよびPS −結合/フィブロネクチン融合ペプチドの分析をMALDI MSで行った。結果を以下 に示す。 MALDI 理論値 MALDI 実測値 ポリ−L−リジン 786, 914 790, 919 1042,11710 1048,1177 DSPS−結合ペプチド 2856 2866 PS−結合/フィブロネクチン融合ペプチド内に含まれるスペーサ成分(-GGG-) もまたPEG2000またはポリアラニン(-AAA-)のような他のスペーサーで置き換えて よい。予備標的設定の形態を用い、これによりDSPS結合/フィブロネクチンフラ グメント融合ペプチドをまずフィブロネクチンペプチド結合を介して細胞に結合 させることも考えられる。その後、PS微小気泡を投与し、次いでPS−結合ペプチ ドに結合する。 実施例 14 CD71 FITC標識抗トランスフェリン受容体抗体で共有結合修飾され内皮細胞に対 する親和性を有するリポペプチドで「ドープ」したDSPSを含有する気体含有微小 気泡 本実施例は多ベクター標的設定超音波薬剤の調製に関するものである。 a)内皮細胞結合リポペプチド:2−n−ヘキサデシルステアリル−Lys-Leu-Al a-Leu-Lys-Leu-Ala-Leu-Lys-Ala-Leu-Lys-Ala-Ala-Leu-Lys-Leu-Ala-NH2の 合成 以下に示すリポペプチドは1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリ モルスケール上でRinkアミド樹脂を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装 置上で合成した。 全アミノ酸および2−n−ヘキサデシルステアリ酸はカップリング前にHBTUを 用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基からのペプチドの同時除去は5 %EDTおよび5%水を含有するTFA中2時間行ない、150mgの収量で粗生成物を得 た。粗生成物の内40mgを、流量9ml/分で50分間にわたり90〜100%B(A=0.1 %TFA/水およびB=MeOH)の勾配による調製用HPLC(Vydac 218TP1022カラムで 精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質10mgを得た(分析用HPLC、勾配90-100%B 、B=MeOH、A=0.01%TFA/水:カラム−Vydac 218TP54:検出−UV214nm−生 成物の保持時間=23分)。更に生成物を同定するためにMALDI質量スペクトル分析 を行った。M+H理論値2369、実測値2373 b)内皮細胞結合リポペプチドおよびPE-PEG2000-Malで「ドープ」されたDSPSを 含有する気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti,4.5mg)および段階(a)のリポペプチド(0.5mg)を実施例50のPE-PE G2000-Mal(0.5mg)とともに新しいバイアルに計り入れ、1.4%プロピレングリコ ール/2.4%グリセロールの溶液1mlを添加した。混合物を5分間80℃に加温し 、次に4.5ミクロンのフィルターで濾過した。試料を室温に冷却し、ヘッドスペ ースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミ キサー中で振とうし、得られた微小気泡を蒸留水で3回洗浄した。 c)FITC−標識抗トランスフェリン受容体抗体のチオール化 FITC−標識CD71抗トランスフェリン受容体Ab(PBS中100μg/ml,Becton Dick inson,0.7ml)を1時間室温においてTraut試薬(0.9mg)で修飾した。過剰の試薬 をNAP-5カラム(Pharmacia)上修飾蛋白から分離した。 d)内皮細胞結合リポペプチドおよびDSPE-PEG2000-Malで「ドープ」されたDSPS を含有する気体含有微小気泡へのチオール化FITC−標識抗トランスフェリン 受容体抗体のコンジュゲーション 上記段階(c)の蛋白画分(合計2ml)のうち0.5mlを段階(b)の微小気泡に添加し 、ローラーテーブル上10分間コンジュゲーション反応を行った。3分間1000rpm で遠心分離した後、蛋白溶液を除去し、蛋白溶液をそれぞれ1mlおよび0.5ml用 いて2回以上コンジュゲーションを反復した。次に気泡を4回蒸留水で洗浄し、 フローサイトメトリーおよび顕微鏡観察により試料中の抗体の存在を分析した。 >92%の蛍光集団が観察された。 添付図面の図1はDSPSの陰性対照微小気泡(左曲線)とCD71 FITC−標識抗トラ ンスフェリン抗体(網点曲線、右)とをフローサイトメトリーで比較したものであ り、集団の92%が蛍光性であることが解る。 微小気泡へのリポペプチドの取り込みは実施例12(b)に記載のとおりMALDI質量 スペクトル分析で確認した。 実施例 15 標的設定超音波造影のためのトランスフェリン/アビジンコーティング気 体含有微小気泡の調製 本実施例は標的設定超音波/治療のためのベクターを含有する微小気泡の調製 に関するものである。 a)チオール官能性付与脂質分子:ジパルミトイル−Lys-Lys-Lys-Aca-Cys.OHの 調製 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.25ミリモルスケール上にFmoc-Cys (Trt)-Wang樹脂(Novabiochem社製)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成 装置上で脂質構造を合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はHBTUカップリン グ法により予備活性化させた。樹脂からのペプチドの除去と側鎖保護基の脱保護 は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に行ない、250mgの収量 で粗生成物を得た。粗生成物の内40mgを、流量9ml/分で50分間にわたり90〜10 0%B(A=0.1%TFA/水およびB=MeOH)の勾配による調製用HPLC(Vydac 218TP1 022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質24mgを得た(分析用HPLC、70 〜100%Bの勾配、B=0.1%TFA/アセトニトリル、A=0.01%TFA/水:カラム −Vydac 218TP54:検出−UV214nm−生成物の保持時間=23分)。更に生成物を同 定するためにMALDI質量スペクトル分析を行った。M+H理論値1096、実測値1099 b)チオール含有脂質構造で「ドープ」されたDSPSを含有する気体充填微小気泡 の調製 DSPS(Avanti社製,4.5mg)および段階(a)の脂質構造(0.5mg)を新しいバ イアルに計り入れ、水中1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液 0.8mlを添加した。混合物を5分間80℃に加温(加温の間バイアルを振とう)し、 まだ熱いうちに40ミクロンのフィルターで濾過した。試料を室温に冷却し、ヘッ ドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャ ップミキサー中で振とうし、微小気泡を一夜ローラーテーブル上に置いた。得ら れた微小気泡を脱イオン水で数回洗浄し、Ellmans試薬を用いてチオール基の取 り込みを分析した。 c)フルオレセイン−NHSおよびスルホ−SMPBによるトランスフェリンおよびア ビジンの修飾 PBS(1ml)中のトランスフェリン(Holo,ヒト,Alpha Therapeutic Corp)2m gおよびアビジン2mgの混合物に、スルホ−SMPB(Pierce)1mgおよびフルオレ セイン−NHS(Pierce)0.5mgを含有するDMSO溶液0.5mlを添加した。混合物を室 温で45分間攪拌し、次に溶離剤としてPBSを使用しながらセファデックス200カラ ムを通した。蛋白画分を収集し、使用時まで4℃で保存した。 d)修飾トランスフェリン/アビジンとの微小気泡のコンジュゲーション 段階(b)のチオール含有微小気泡に、段階(c)の修飾トランスフェリン/アビジ ン蛋白溶液1mlを添加した。溶液のpHを9とした後、コンジュゲーション反応を 室温で2時間進行させた。脱イオン水で十分洗浄した後、微小気泡をクールター カウンター(1〜7ミクロンが81%)および蛍光顕微鏡観察(高度に蛍光を有する 微小気泡を観察)で分析した。 実施例 16 標的設定超音波造影のための官能性付与された気体含有微小気泡の調製 本実施例は複数の細胞標的への結合を行なうために原則としてジスルフィド交 換反応を利用する、非特異的標的設定のための表面上に反応性基を有する微小気 泡の調製に関する。 DSPS(Avanti社製,5.0mg)および実施例15a)から得られたチオール含有脂質構 造(1.0mg)を計算して新しいバイアル中に入れ、水中に1.4%プロピレングリコ ール/2.4%グリセロールを含有する溶液0.8mlを加えた。混合物を5分間80℃に 加温し(加温中バイアルを振とう)、まだ熱いうちに40μフィルターに通して濾 過した。これらの試料を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガ スでフラッシュした。バイアルをキャップミキサー中で45秒間振とうし、微小気 泡を一夜ローラーテーブル上に置いた。気泡を脱イオン水で数回洗浄し、エルマ ンス試薬を用いてチオール基の取り込みを分析した。 実施例 17 内皮細胞標的設定のためのリポペプチドおよびカプトプリル含有分子を有するDS PDの気体含有微小気泡 本実施例は複合標的設定および治療用途のための超音波造影剤の調製に関する 。 a)カプトプリルで官能性を付与されたリポペプチドの合成 上記構造は0.125ミリモルスケール上Fmoc保護Rink Amide MBHA樹脂(Novabioch em社製)を出発物質として手動の窒素バブラー装置を用いて合成した。すべての アミノ酸はNovabiochem社からそしてパルミチン酸はFluka社から購入した。標準 的なTBTU/HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。ブロモ酢酸をDIC予備 活性化を用いて対象無水物としてLysの側鎖を介してカップリングさせた。DMFに 溶解したカプトプリル(Sigma社 製)を塩基としてDBUを用いながら固相上に導入した。樹脂からのペプチドの除去 および側鎖保護基の脱保護は、2時間5%EDT、5%水および5%エチルメチル スルフィドを含有するTFA中で同時に行った。粗生成物の内10mgを、流量10ml/ 分で60分間にわたり70〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=0.1%TFA/アセト ニトリル)の勾配による調製用液体クロマトグラフィー(Vydac 218TP1022カラム )で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質2mgを得た(分析用HPLC、勾配70〜10 0%B,20分間、A=0.1%TFA/水、B=0.1%TFA/アセトニトリル、流量1ml /分;カラム−Vydac 218TP54:検出−UV214nm−保持時間26分)。更に同定する ためにMALDI質量スペクトル分析を行ったところ、M+Hの理論値1265が得られた。 b)内皮細胞への親和性を有するリポペプチド:ジパルミトイル−Lys-Lys-Lys- Aca-Ile-Arg-Arg-Val-Ala-Arg-Pro-Pro-Leu-NH2の合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上にRinkアミ ド樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置上でリ ポペプチドを合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はカップリング前にHBTU を用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基からのペプチドの同時除去は 5%フェノール、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中2時間行ない、160mgの 収量で粗生成物を得た。粗生成物の内35mgを、流量9ml/分で40分間に渡り70〜 100%B(A=0.1%TFA/水およびB=MeOH)の勾配による調製用HPLC(Vydac 218T P1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質20mgを得た(分析用HPLC、 勾配70〜100%,B=MeOH、A=0.01%TFA/水;カラム−Vydac 218TP54:検出 −UV214および260nm−生成物の保持時間=16分)。更に生成物を同定するために MALDI質量スペクトル分析を行った。M+H理論値2198、実測値2199 c)薬物デリバリーのための内皮細胞標的設定のためのリポペプチドおよびカプ トプリル含有分子を有するDSPSの気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti社製,4.5mg)、段階(a)の生成物(0.5mg)および段階(b)の生成物を バイアルに計り入れ、1.4%プロピレンングリコール/2.4%グリセロールの溶液 1.0mlを添加した。混合物を5分間80℃に加温した(加温の間バイアルを振とうし た)。試料を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッ シュした。バイアルをまず45秒間キャップミキサー中で振とうし、次に1時間ロ ーリングし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI MSによれば最 終洗浄溶液中検出可能な濃度の出発物質は認められなかった。MALDI質量スペク トル分析を用いて実施例12(b)に記載のとおり微小気泡への段階(a)および(b)の 生成物の取込みを確認した。 実施例 18 細胞膜に対する親和性を有するヘリカルペプチドを有するリポペプチドおよびペ プチド抗生物質ポリミキシンBスルフェートを担持下DSPSを有する気体含有微小 気泡の調製 本実施例は複合標的設定および治療用途を有する多ペプチド性ベクターを有す る標的設定微小気泡の調製に関する。 a)細胞膜に対する親和性を有するヘリカルペプチドを有するリポペプチド:ヘ キサデシルステアリル−Lys-Leu-Ala-Leu-Lys-Leu-Ala-Leu-Lys-Ala-Leu-Ly s-Ala-Ala-Leu-Lys-Leu-Ala-NH2の合成 これは実施例14(a)に記載のとおり調製する。 b)多特異性気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti,5.0mg)、段階(a)のリポペプチド(0.3mg)およびポリミキシンB スルフェート(Sigma,0.5mg)を新しいバイアルに計り入れ、1.4%プロピレング リコール/2.4%グリセロールの溶液1.0mlを添加した。混合 物を3〜5分間音波処理し、5分間80℃に加温し、次に4.5ミクロンのフィルタ ーで濾堝した。混合物を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガ スでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、得られ た微小気泡を3分間1000rpmで遠心分離した。MALDI-MSにより下部清澄液中にポ リミキシンBスルフェート又はリポペプチドが検出されなくなるまで微小気泡を 水で洗浄した。顕微鏡観察によれば、気泡集団の粒径分布は所望の範囲の1〜8 ミクロンであった。洗浄した気泡(約0.2ml)をメタノール(0.5ml)に添加し、混 合物を2分間音波処理バス中に入れた。得られた透明な溶液はMALDI-MSで分析し たところ、リポペプチドとポリミキシンBスルフェートの両方を含有しているこ とが解った(理論値1203,実測値1207)。 実施例 19 IL-1受容体結合配列を有するリポペプチドで「ドープ」され薬物メトトレキセー トを含有する分枝鎖構造で修飾されたDSPSを有する気体含有微小気泡の調製 本実施例は標的設定のための非生物活性ベクターおよび薬物デリバリーのため の成分を含有する標的設定微小気泡の調製に関する。 a)インターロイキン−1受容体結合ペプチドを有するリポペプチド:ジパルミ トイル−Lys-Gly-Asp-Trp-Asp-Gln-Phe-Gly-Leu-Trp-Arg-Gly-Ala-Ala.OHの 合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上にFmoc-Ala- Wang樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置上で リポペプチドを合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸 はカップリング前にHBTUを用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基から のペプチドの同時除去は5%水、5%アニソール、5%フェノールおよび5%ED Tを含有するTFA中2時間行ない、150mgの収量で粗生成物を得た。粗生成物の内3 0mgを、流量9ml/分で40分間に渡り90〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=M eOH)の勾配による調製用HPLC(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥 の後、純粋な物質4mgを得た(分析用HPLC、勾配90〜100%B、20分間、B=MeOH 、A=0.01%TFA/水:カラム-Vydac 218TP54:検出−UV214nm−生成物の保持時 間=23分)。更に生成物を同定するためにMALDI質量スペクトル分析を行った。M+ H理論値2083、実測値2088 b)チオール部分を含む分枝鎖メトトレキセートコア構造の合成 メトトレキセート構造は0.1ミリモルスケール上にFmoc-Cys(Trt)Tentagel樹脂 を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置上で合成した。樹脂からの生成 物の除去および保護基の脱保護は、2時間5%EDTおよび5%水を含有するTFA中 で同時に行い、粗生成物160mgを得た。粗生成物の内30mgを、流量9ml/分で40 分間にわたり10〜30%B(A=0.1%TFA/水およびB=0.1%TFA/アセトニトリ ル)の勾配による調製用HPLC(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。純粋な画 分を凍結乾燥した後、純粋な物質9mgを得た(分析用HPLC、勾配5−50%B、B= 0.1%TFA/アセトニトリル、A=0.01%TFA/水:カラム−Vydac 218TP54:検出 −UV214nm −生成物の保持時間=9.5分)。生成物を更に同定するためにMALDI質量スペクト ル分析を行った。M+H理論値1523、実測値1523 c)多特異的気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti,4.5mg)、実施例15(a)のチオール含有リポペプチド(0.5mg)およ び段階(a)のリポペプチド(0.2mg)を新しいバイアルに計り入れ、1.4%プロピレ ングリコール/2.4%グリセロールの溶液1.0mlを添加した。混合物を3〜5分間 音波処理し、5分間80℃に加温し、次に4.5ミクロンのフィルターで濾過した。 混合物を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュ した。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、得られた微小気泡を3 分間1000rpmで遠心分離し、その後、下部清澄液を廃棄した。 d)チオール化微小気泡へのメトトレキセート分枝鎖構造のコンジュゲーション 上記段階(b)のメトトレキセート構造(0.5mg)をPBS(pH8.0)に溶解した。次に溶 液を段階(c)のチオール含有微小気泡に添加し、ジスルフィド結合の形成を16時 間進行させた。PBSと水で十分洗浄した後、気泡を顕微鏡およびMALDI MSで分析 した。 微小気泡にメトトレキセート構造を連結しているジスルフィド結合をin vivo で還元して遊離の薬物分子を放出させて得ることも適切であると考えられる。腫 瘍特異的ベクターとの組合わせにおけるそれは薬物デリバリーシステムである。 グルタチオンのような生理学的に許容される還元剤を用いて薬物放出を行なって よい。 実施例 20 DSPSでカプセル化され、血栓標的設定リポペプチドおよび血栓溶解性酵素組織プ ラスミノーゲン活性化剤で官能性付与された気体含有微小気泡の調製 本実施例は治療薬血栓溶解剤を含有する血栓標的設定超音波造影剤の調 製に関する。 a)血栓に対する親和性を有するリポペプチド(ジパルミトイル−Lys-Asn-Asp- Gly-Asp-Phe-Glu-Glu-Ile-Pro-Glu-Glu-Tyr-Lue-Gln.NH2)の合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上にRinkアミ ド樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置上でリ ポペプチドを合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はカップリング前にHBTU を用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基からのペプチドの同時除去は 5%フェノール、5%EDT、5%アニソールおよび5%水を含有するTFA中2時間 行ない、80mgの収量で粗生成物を得た。粗生成物の内20mgを調製用HPLC(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質6mgを得た。生成物 を同定するためにMALDI質量スペクトル分析および分析用HPLCを行った。 b)スルホ−SMPBによる用いた組織プラスミノーゲン活性化剤の修飾 t-PA(Sigma)0.1mgを含有する炭酸アンモニウム緩衝液0.1mlの溶液に水を添 加して0.2mlとした。この溶液にスルホ−SMPB(Pierce)0.4mg(DMSO 0.05ml中に 溶解)を添加した。蛋白溶液を45分間室温で放置した後、Superdex 200カラム上 で精製した。生成物をPBS中に溶離させ、修飾蛋白画分を収集した。 c)DSPS/血栓結合リポペプチドおよびチオール含有リポペプチドでカプセル化 された気体含有微小気泡の調製および修飾組織プラスミノーゲン活性化剤の コンジュゲーション DSPS(Avanti,5.0mg)を段階(a)のリポペプチド0.5mgおよび実施例15(a) のチオール含有リポペプチド0.5mgと共に新しいバイアルに計り入れた。これに1 .4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液1.0mlを添加し、混合物を 2分間音波処理し、次に、5分間80℃に加温した。加温直後、溶液を4ミクロン のフィルターで濾過した。試料を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロ ブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし 、得られた微小気泡を脱イオン水で2回洗浄した。下部清澄液を廃棄し、上記段 階(b)の蛋白溶液のうちの1mlと交換した。コンジュゲーション反応を1時間進 行させた。微小気泡を遠心分離し、下部清澄液を更に1mlの蛋白溶液と交換した 。全ての蛋白溶液が消費されるまでインキュベーション工程を反復した。次に微 小気泡を水で十分洗浄し、クールターカウンターで分析した。微小気泡を実施例 12(c)に記載のフローチャンバー試験において評価した。蛋白で修飾された微小 気泡はリポペプチド/DSPSまたはDSPSのみのいずれかを含有するものよりも多数 が結合していることが解った。 これらの微小気泡の標的設定/治療/超音波活性はin vitroおよびin vivoの 両方の血栓発生のモデルにおいで評価できる。 実施例 21 チオール化抗CD34-MAL-PEG2000-PEを含有するDSPSでカプセル化された気体含有 微小気泡の調製 a)DSPSとPE-PEG2000-Malでカプセル化された気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti,4.5mg,3.9ミリモル)およびPE-PEG2000-Mal(0.5mg)を新しいバ イアルに計り入れ、1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液1ml を添加した。混合物を5分間80℃に加温し、次に4.5ミクロンのフィルターで濾 過した。試料を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラ ッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、得られた微小気 泡を蒸留水で3回洗浄した。 b)抗CD34抗体のチオール化 リン酸塩緩衝食塩水(PBS)(pH7)0.5ml中に溶解した抗CD34抗体0.3mgにTraut試 薬0.3mgを添加し、溶液を1時間室温で攪拌した。過剰の試薬をNAP-5カラム(Ph armacia)上修飾蛋白より分離した。 c)DSPSでカプセル化されDSPE-PEG2000-MALを含有する気体含有微小気泡へのチ オール化抗CD34抗体のコンジュゲーション 段階(b)のチオール化抗体調製物0.5mlを段階(a)の微小気泡の一部に添加し、 ローラーテーブル上30分間コンジュゲーション反応を行った。5分間2000rpmで 遠心分離した後、下部清澄液を除いた。微小気泡を更に3回水で洗浄した。 d)FITC−コンジュゲート二次抗体を用いた微小気泡中にカプセル化された抗体 の検出 段階(c)の微小気泡懸濁液に、FITC−コンジュゲートヤギ抗マウス抗体0.025ml を添加した。混合物をローラーテーブル上30分間室温暗所でインキュベートし、 次に5分間2000rpmで遠心分離した。下部清澄液を除き、微小気泡を更に3回水 で洗浄した。微小気泡懸濁液のフローサイトメトリーによる分析によれば集団全 体の98%が蛍光であった。 実施例 22 細胞膜に対する親和性を有するヘリカルペプチドを含有するリポペプチドを担持 下DSPSを含有する気体含有微小気泡の調製 本実施例は細胞膜構造の標的設定のための非生物活性ペプチド性ベクターを有 する標的設定微小気泡の調製に関する。 a)細胞膜に対する親和性を有するヘリカルペプチドを含有するリポペプチドの 合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.2ミリモルスケール上に Rinkアミド樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装 置上でリポペプチドを合成した。全アミノ酸および2−n−ヘキサデシルステア リン酸はカップリング前にHBTUを用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護 基からのリポペプチドの同時除去は5%水を含有するTFA中2時間行ない、520mg の収量で粗生成物を得た。粗生成物の内30mgを、流量9ml/分で40分間にわたり 90〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=MeOH)の勾配による調製用HPLC(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質10mgを得た(分析用HPL C、20分間で90〜100%Bの勾配、B=MeOH、A=0.01%TFA/水:カラム−Vydac 218TP54:検出−UV214nm−生成物の保持時間=23分)。更に生成物を同定するた めにMALDI質量スペクトル分析を行った。M+H理論値2369、実測値2375 b)気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti,4.5mg)および段階(a)のリポペプチド(0.5mg)を新しいバイアル に計り入れ、1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液1.0mlを添 加した。混合物を3〜5分間音波処理し、5分間80℃に加温し、次に4.5ミクロ ンのフィルターで濾過した。混合物を室温に冷却し、ヘッドスペースをパーフル オロブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振と うし、得られた微小気泡を3分間1000rpmで遠心分離した。次にMALDI-MSにより リポペプチドが検出されなくなるまで微小気泡を水で洗浄した。クールターカウ ンター、音響減衰および圧力安定性試験を行った。洗浄した気泡(約0.2ml)にメ タノール(0.5ml)を添加し、混合物を2分間音波処理バス中に入れた。得られた 透明な溶液はMALDI-MSで分析したところ、リポペプチドを含有していることが判 った。微小気泡は実施例12で作成した微小気泡でみとめられたものと同様のin v itroおよびin vivoの特性を有していた。 実施例 23 非生物活性インターロイキン−1受容体結合ペプチドを有するリポペプチ ドを充填したDSPSの気体含有微小気泡の調製 本実施例は、シグナル形質導入を誘発したりIL-1結合を妨害することのないIL -1受容体における標的設定のための非生物活性ペプチドベクターを有する標的設 定微小気泡の調製に関する。 a)非生物活性インターロイキン−1受容体結合ペプチドを有するリポペプチド の合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上にFmoc-Ala- Wang樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置上で リポペプチドを合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はカップリング前にHB TUを用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基からのリポペプチドの同時 除去は5%水、5%アニソール、5%フェノールおよび5%EDTを含有するTFA中 2時間行ない、150mgの収量で粗生成物を得た。粗生成物の内30mgを、流量9ml /分で40分間にわたり90〜100%B(A=0.1%TFA/水およびB=MeOH)の勾配に よる調製用HPLC(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な 物質4mgを得た(分析用HPLC、20分にわたり90〜100%Bの勾配、B=MeOH、A=0 .01%TFA/水:カラム−Vydac 218TP54:検出−UV214nm−生成物の保持時間=23 分)。更に生成物を同定するためにMALDI質量スペクトル分析を行った。M+H理論 値2083、実測値2088 b)多特異性気体含有微小気泡の調製 DSPS(Avanti,4.5mg)および段階(a)のリポペプチド(0.5mg)を新しいバイアル に計り入れ、1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液1.0mlを添 加した。混合物を3〜5分間音波処理し、5分間80℃に加温 し、次に4.5ミクロンのフィルターで濾過した。混合物を室温に冷却し、ヘッド スペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャッ プミキサー中で振とうし、得られた微小気泡を3分間1000rpmで遠心分離した。 次にMALDI-MSによりリポペプチドが検出されなくなるまで微小気泡を水で洗浄し た。洗浄した気泡(約0.2ml)にメタノール(0.5ml)を添加し、混合物を2分間 音波処理バス中に入れた。得られた透明な溶液はMALDI-MSで分析したところ、リ ポペプチドを含有していることが解った(理論値2083,実測値2088)。 実施例 24 標的設定超音波造影のためのDSPC、DSPSおよび内皮細胞結合リポペプチドを有す るパーフルオロプロパン含有微小気泡の調製 プロピレングリコール/グリセロール(水中4%)中のDSPC:DSPS(3:1)(5m g/ml)を含有する溶液0.8mlに、実施例17(b)のリポペプチド0.5mgを添加した。 混合物を5分間80℃に加熱し、振とうした。次に溶液を周囲温度に冷却し、ヘッ ドスペースをパーフルオロプロパンでフラッシュした。バイアルを45秒間キャッ プミキサー(Espe Capmix)中で振とうし、5分間ローラーテーブル上に置いた。 試料を5分間2000rpmで遠心分離(Juan MR14.11)し、下部清澄液を除去し、蒸留 水と交換した。ヘッドスペースを再度パーフルオロプロパンでフラッシュし、均 質な外観が得られるまで試料をローラーテーブル上に保持した。洗浄操作を再度 繰り返した。得られた超音波造影剤をクールターカウンター分析、音響減衰測定 および外圧への耐性により評価した。微小気泡は実施例12に詳述するin vitro試 験に付した。細胞に結合する微小気泡の経時的蓄積が観察された。 実施例 25 標的設定超音波造影のためのDSPC,DSPSおよび内皮細胞結合リポペプチドを有す るSF6含有微小気泡の調製 プロピレングリコール/グリセロール(水中4%)中のDSPC:DSPS(3:1)(5m g/ml)を含有する溶液0.8mlに、実施例17(b)のリポペプチド0.5mgを添加した。 混合物を5分間80℃に加熱し、振とうした。次に溶液を周囲温度に冷却し、ヘッ ドスペースをSF6ガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー(Es pe Capmix)中で振とうし、5分間ローラーテーブル上に置いた。試料を5分間20 00rpmで遠心分離(Juan MR 14.11)し、下部清澄液を除去し、蒸留水と交換した。 ヘッドスペースを再度SF6でフラッシュし、均質な外観が得られるまで試料をロ ーラーテーブル上に保持した。洗浄操作を再度繰り返した。得られた超音波造影 剤をクールターカウンター分析、音響減衰測定および外圧への耐性により評価し た。 実施例 26 標的設定超音波造影のためのDSPGおよび内皮細胞結合リポペプチドを有するPFB 含有微小気泡の調製 プロピレングリコール/グリセロール(水中4%)中のDSPG(5mg/ml)を含有す る溶液0.8mlに、実施例17(b)のリポペプチド0.5mgを添加した。混合物を5分間8 0℃に加熱し、振とうした。次に溶液を周囲温度に冷却し、ヘッドスペースをパ ーフルオロブタンでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振 とうし、5分間ローラーテーブル上に置いた。試料を5分間2000rpmで遠心分離 し、下部清澄液を除去し、蒸留水と交換した。ヘッドスペースを再度パーフルオ ロブタンでフラッシュし、均質な外観が得られるまで試料をローラーテーブル上 に保持した。洗浄操作を再度繰り返した。得られた超音波造影剤をクールターカ ウンター分析、音響減衰測定および外圧への耐性により評価した。微小気泡を実 施例12に詳述するin vitro試験に付したところ、細胞に結合する微小気泡の経時 的蓄積 が観察された。 実施例 27 標的設定超音波造影のためのDSPGおよび内皮細胞結合リポペプチドを含有するPF B含有微小気泡の調製 プロピレングリコール/グリセロール(水中4%)中のDSPG(5mg/ml)を含有す る溶液0.8mlに、実施例17(b)のリポペプチド0.5mgを添加した。混合物を5分間8 0℃に加熱し、振とうした。次に溶液を周囲温度に冷却し、ヘッドスペースをパ ーフルオロプロパンでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー(Esp e Capmix)中で振とうし、5分間ローラーテーブル上に置いた。試料を5分間200 0rpmで遠心分離(Juan MR 14.11)し、下部清澄液を除去し、蒸留水と交換した。 ヘッドスペースを再度パーフルオロプロパンでフラッシュし、均質な外観が得ら れるまで試料をローラーテーブル上に保持した。洗浄操作を繰り返した。得られ た超音波造影剤をクールターカウンター分析、音響減衰測定および外圧への耐性 により評価した。微小気泡を実施例12に詳述するin vitro試験に付したところ、 細胞に結合する微小気泡の経時的蓄積が観察された。 実施例 28 標的設定超音波造影のためのDSPGおよび内皮細胞結合リポペプチドを含有するSF6 含有微小気泡の調製 プロピレングリコール/グリセロール(水中4%)中のDSPG(5mg/ml)を含有す る溶液0.8mlに、実施例17(b)のリポペプチド0.5mgを添加した。混合物を5分間8 0℃に加熱し、振とうした。次に溶液を周囲温度に冷却し、ヘッドスペースをSF6 ガスでフラッシュした。バイアルを45秒間キャップミキサー(Espe Capmix)中で 振とうし、5分間ローラーテーブル上に置いた。試料を5分間2000rpmで遠心分 離(Juan MR 14.11)し、下部清澄液を除去し、蒸留水と交換した。ヘッドスペー スを再度SF6でフラッシュし、均質な外観が得られるまで試料をローラーテーブ ル上に保持した。洗浄操作 を繰り返した。得られた超音波造影剤をクールターカウンター分析、音響減衰測 定および外圧への耐性により評価した。 実施例 29 ポリリジンで非共有結合的にコーティングされたDSPSを有する標的設定気体含有 微小気泡 DSPS(Avanti,5mg)をポリ−L−リジン(Sigma,0.2mg)とともに新しいバイア ルに計り入れた。バイアルに1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの 溶液1.0mlを添加した。混合物を5分間80℃に加温した。試料を室温に冷却し、 ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした。バイアルを45秒間 キャップミキサー中で振とうし、形成した微小気泡を3分間1000rpmで遠心分離 した。水、PBSおよび水で十分に洗浄した後、最終溶液のポリリジン含有量をMAL DI MSで測定した。最終洗液中にはポリペプチド物質は認められなかった。次に アセトニトリル(0.5ml)を添加し、気泡が全て爆発するまで微小気泡を音波処理 した。得られた溶液のポリリジンの分析を再度MALDI MSで行った.。結果を以下 に示す。 MALDI理論値 MALDI 実測値 ポリ−L−リジン 786,914,1042,1170 790,919,1048,1177 実施例 30 血栓結合リポペプチドで「ドープ」したDSPSを含有するPFB気体含有微小気泡の 調製 a)血栓に対して親和性を有するリポペプチド(ジパルミトイル-Lys-Asn-Gly-A sp-Phe-Glu-Glu-Ile-Gro-Glu-Glu-Tyr-Leu-Gln.NH2)の合成 1ミリモルアミノ酸カートリッジを用いて0.1ミリモルスケール上に Rinkアミド樹脂(Novabiochem)を出発物質としてABI 433A自動ペプチド合成装置 上でリポペプチドを合成した。全アミノ酸およびパルミチン酸はカップリング前 にHBTUを用いて予備活性化させた。樹脂および側鎖保護基からのペプチドの同時 除去は5%フェノール、5%EDT、5%アニソールおよび5%水を含有するTFA中 2時間行ない、80mgの収量で粗生成物を得た。粗生成物のうち20mgを調製用HPLC (Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥の後、純粋な物質6mgを得た。 生成物を同定するためにMALDI質量スペクトル分析および分析用HPLCを行った。 b)血栓標的設定超音波微小気泡の調製 DSPS(Avanti,4.5mg)および上記段階(a)のリポペプチド(1.0mg)をバイアルに 計り入れ、1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液0.8mlを添加 した。混合物を5分間80℃に加温し、次に4ミクロンのフィルターで濾過した。 室温に冷却した後、ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュした 。バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、得られた微小気泡を脱イオ ン水で十分洗浄した。顕微鏡観察およびクールターカウンター分析により微小気 泡を評価した。MALDI-MSを用いて前述の記載と同様にリポペプチドの存在を確認 した。 実施例 31 治療用途のための、ヘパリンスルフェート結合ペプチド(KRKR)およびフィブロネ クチンペプチド(WOPRRARI)からなる標的設定用のリポペプチド並びにアテノロー ル含有リポペプチドを含有するDSPSの気体含有微小気泡 a)固相カップリングに適する保護アテノロール誘導体の合成 i)メチル4−[(2,3−エポキシ)プロポキシ]−フェニルアセテートの合成 メチル4−ヒドロキシフェニルアセテート(4.98g,0.030モル)、エピクロロヒ ドリン(23.5ml,0.30モル)およびピリジン(121μl,1.5ミリモル)の混合物を2 時間85℃で攪拌した。反応混合物を冷却し、過剰のエピ クロロヒドリンを留去した(ロタベーパー(rotavapor))。残存物を酢酸エチルに 溶解し、塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。溶液を濾過し、濃縮した。暗色の残 存物をクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサン/酢酸エチル7:3)に付し、無 色油状物2.25g(34%)を得た。1H(300MHz)および13CNMR(75MHz)のスペクトルは構 造と合致していた。 ii)メチル4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ] フェニルアセテートの合成 メチル4−[(2,3−エポキシ)プロポキシ]フェニルアセテート(2.00g,9.00ミ リモル)、イソプロピルアミン(23ml,0.27モル)および水(1.35ml,74.7ミリモル )の混合物を一夜室温で攪拌した。反応混合物を濃縮(ロタベーパー)し油状の残 存物をクロロホルムに溶解し、乾燥(Na2SO4)した。濾過し、濃縮して定量的に得 られた黄色油状物を更に精製することなく次段階で使用した。その構造は1Hおよ び13C NMR分析により証明された。 iii)4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フェ ニル酢酸塩酸塩の合成 メチル4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ]フ ェニルアセテート(563mg,2.00ミリモル)の6M塩酸(15ml)中の溶液を4時間100 ℃で加熱した。反応混合物を濃縮(ロタベーパー)し、残存物を水に溶解し、凍結 乾燥した。1Hおよび13C NMRのスペクトルは構造と合致しており、MALDI質量スペ クトル分析によりれば理論値どおりM+H268であった。 iv)N-Boc−4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキシ ]フェニル酢酸の合成 水(2ml)中4−[2−ヒドロキシ−3−[(1−メチルエチル)アミノ]プロポキ シ]フェニル酢酸塩酸塩(2.0ミリモル)の溶液を水/ジオキサン(2:1,15ml)中 の重炭酸ナトリウム(0.60g,7.2ミリモル)の溶液に添加した。ジオキサン(5ml) 中のジ−t−ブチルジカーボネート(0.48g,2.2ミ リモル)の溶液を添加した。TLC分析(シリカ、CHCl3/MeOH/AcOH 85:10:5)に より反応の進行をモニターし、変換が終了するまでジ−t−ブチルジカーボネー トを少しづつ添加した。反応混合物を硫酸水素カリウムで飽和した水上に注ぎこ み、有機物を酢酸エチルに抽出した。有機相を水および塩水で洗浄し、乾燥(Na2 SO4)し、濾過し、粗製物質0.6gを得た。生成物をクロマトグラフィー(シリカ、C HCl3/MeOH/AcOH 85:10:5)で精製した。溶液を濃縮し、残存物を氷酢酸に溶 解し、凍結乾燥した。収量415mg(56%)、白色固体。構造は1Hおよび13CNMR分析 で確認した。 b)アテノロールで官能性付与されたリポペプチドの合成 上記構造は手動の窒素バブラー装置を用いてFmoc−保護RinkアミドMBHA樹脂(N ovabiochem)を出発物質として、0.125スケール上で、Novabiochem社のアミノ酸 、Fluka社のパルミチン酸および段階(a)の化合物を用いて合成した。標準的なTB TU/HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。樹脂からのペプチドの除去と 側鎖保護基の脱保護は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間同時に行 なった。粗製物質をエーテルから沈殿させ、流量10ml/分で60分間にわたり70〜 100%B(A=0.1%TFA/水およびB=0.1%THF/アセトニトリル)の勾配による 調製用液体クロマトグラフィー(Vydac 218TP1022カラム)で精製した。凍結乾燥 の後、純粋な物質38mgを得た(分析用HPLC、20分間に渡り70〜100%Bの勾配、 A=0.1%TFA/水、B=0.1%THF/アセトニトリル、流量1ml/分、カラムVyda c 218TP54、検出UV214nm、保持時間25分)。更に同定するためにMALDI質量スペ クトル分析(ACHマトリックス)を行ったところ、理論値 1257のところ実測値はM+H 1258であった。 c)治療用途のための、ヘパリンスルフェート結合ペプチド(KRKR)およびフィブ ロネクチンペプチド(WOPRRARI)からなる標的設定用のリポペプチド並びにア テノロール含有リポペプチドを含有するDSPSの気体含有微小気泡 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(Avanti,5.0mg)、実施例12(a)の生成物(0.5mg)および段階(b)の生成物(0 .5mg)の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し、5分間80℃に加熱し( 加温中はバイアルを振とう)した。その溶液を濾過し、次に冷却した。ヘッドス ペースをパーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミ キサー中で振とうし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI-MSに より気泡へのアテノロール含有リポペプチドの取込みが確認された。約50μlの 微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しいバイアルに入れた。混合物 を30秒間音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス)で分析したところ、実施 例12(a)のリポペプチドおよび段階(b)のリポペプチドのぞれぞれに相当する2202 および1259の2つのM+Hピークが認められた。 実施例12に記載のとおりin vitro試験において微小気泡を評価した。細胞に結 合する気泡の経時的な蓄積が観察された。 実施例 32 診断用途のためのDSPSおよび葉酸含有化合物でカプセル化された気体含有微小気 泡 a)葉酸を含有するリポペプチドの合成 上記構造は手動の窒素バブラー装置を用いてFmoc−保護RinkアミドMBHA樹脂( Novabiochem)を出発物質として、0.125ミリモルスケール上で、Novabiochem社 のアミノ酸、Fluka社のパルミチン酸およびAcros社の葉酸を用いて合成した。標 準的なTBTU/HOBt/DIEA法を用いてカップリングを行った。樹脂からのペプチド の除去と側鎖保護基の脱保護は、5%EDTおよび5%水を含有するTFA中で2時間 同時に行なった。粗製物質をエーテルから沈殿させ、MALDI質量スペクトル分析 をおこなたところ理論値1430に対し1435に構造に相当するM+Hピークが認められ た。物質を更に分析用HPLC(カラムVydac 218TP54)で20分間にわたり70〜100%B 勾配、A=0.1%TFA/水およびB=0.1%TFA/アセトニトリル、流量1.0ml/分 の条件で同定したところ、UV368nmで検出される保持時間27分の生成物のピーク が認められた。 b)葉酸含有リポペプチドを含有するDSPSの気体含有微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(Avanti,4.5mg)および段階(a)の生成物(0.5mg)の混合物に添加した。希 アンモニア(pH8まで)およびDMSO(40μl)を添加し、混合物を5分間音波処理し 、次に5分間80℃に加熱した(加温中はバイアルを振 とう)。溶液を濾過し、冷却した。ヘッドスペースをパーフルオロブタンガスで フラッシュし、バイアルを45秒間キャップミキサー中で振とうし、その後、内容 物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI-MSにより微小気泡への段階(a)の構造の 取込みを確認するために、約50μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入 った新しいバイアルに入れた。混合物を30秒間音波処理し、MALDI-MS(ACH−マト リックス)で分析したところ、段階(a)の構造に相当する1238にM+Hのピークが認 められた。 実施例12に詳述するin vitro試験で微小気泡を検討した。細胞に結合する微小 気泡の経時的蓄積が観察された。 実施例 33 診断および治療用途のための、ホスファチジルセリンおよびビオチンアミド−PE G−β−Ala−コレステロールおよびクロラムブシルのコレステリルエステルを含 有する気体充填微小気泡 a)コレステリルN-Boc−β−アラニネートの合成 DIC(510μl)を不活性雰囲気下ジクロロメタン(15ml)中のBoc-β-Ala-OH(1.25 g,6.60ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を30分間攪拌し、次にジクロ ロメタン(15ml)中のコレステロール(1.16g,3.00ミリモル)およびDMAP(367mg ,3.00ミリモル)の溶液の入ったフラスコに移した。反応混合物を2時間攪拌し 、次に硫酸水素カリウムの水溶液に注ぎこんだ。相を分離させた後、水相をクロ ロホルムで抽出した。合わせた有機相を硫酸水素カリウム水溶液および水で洗浄 し、乾燥(MgSO4,FEKO2-3/031-01)した。濾過および蒸発させた後、粗生成物を クロマトグラフィー(シリカ、クロロホルム/メタノール99:1)に付し、白色 固体1.63g(97%)を得た。構造は1H NMR(500MHz)で確認した。 b)コレステリルβ−アラニネート塩酸塩の合成 1,4−ジオキサン中1M塩酸(5ml)中の段階(a)の化合物(279mg,0.500ミリモ ル)の溶液を4時間室温で攪拌した。反応混合物を濃縮し、定量 的な収率でコレステリルβ−アラニネート塩酸塩を得た。構造は1H NMR(500MHz )分析で確認し、MALDI質量スペクトルによれば理論値481のところ482にM+Naの ピークが得られた。 c)ビオチン−PEG3400−β-Ala−コレステロール クロロホルム/湿潤メタノール(2.6:1,3ml)中のコレステリルβ−アラニ ネート塩酸塩(15mg,0.03ミリモル)の溶液に、トリエチルアミン(42μ1,0.30ミ リモル)を添加した。混合物を室温で10分間攪拌し、1,4−ジオキサン(1ml)中の ビオチン−PEG3400-NHS(100mg,0.03ミリモル)の溶液を滴加した。3時間室温で 攪拌した後、混合物を蒸発乾固させ、残存物をフラッシュクロマトグラフィーで 精製し、白色結晶102mg(89%)を得た。構造はMALDI-MSおよびNMR分析により確認 した。 d)コレステリル4−[4−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]フェニル]ブタノ エートの合成 DIC(170μl,1.10ミリモル)を乾燥ジクロロメタン(15ml)中のクロラムブシル (Sigma,669mg,2.20ミリモル)の溶液に添加した。混合物を0.5時間室温で攪拌 し、ジクロロメタン(10ml)中のコレステロール(Aldrich,387mg,1.00ミリモル) およびDMAP(122mg,1.00ミリモル)の溶液に添加した。反応混合物を一夜攪拌し 、次に5%重炭酸ナトリウム上に注ぎこんだ。相を分離させ。有機相を塩水で洗 浄し、乾燥(MgSO4)した。溶液を濾過し、濃縮し、生成物をカラムクロマトグラ フィー(シリカ、クロロホルム)で精製し、無色油状物560mg(83%)を得た。生成 物はMALDI質量スペクトルで同定し、理論値どおり674にM+Hが観察された。1H(50 0MHz)および13C(125NHz)のNMRで更に同定したところ、構造に応じたスペクトル が得られた。 e)気体含有微小気泡の調製 1.4%プロピレングリコール/2.4%グリセロールの溶液(1.0ml)をバイアル中 のDSPS(Avanti,5mg)、段階(c)の生成物(0.5mg)および段階(d)の生成物(0.5mg) の混合物に添加した。混合物を5分間音波処理し、次に5 分間80℃に加熱し(加温中はバイアルを振とう)、冷却した。ヘッドスペースをパ ーフルオロブタンガスでフラッシュし、バイアルを45秒間キャップミキサー中で 振とうし、その後、内容物を脱イオン水で十分洗浄した。MALDI質量スペクトル によれば、最終洗液中に段階(c)および(d)の化合物は検出可能な濃度では存在し なかった。MALDI-MSにより微小気泡への段階(c)および(d)の化合物の取込みを確 認ずるために、約50μlの微小気泡を90%メタノール約100μlの入った新しい バイアルに入れた。混合物を30秒間音波処理し、MALDI-MS(ACH−マトリックス) で分析したところ、段階(c)および(d)の化合物に相当するM+Hのピークが認めら れた。 実施例 34 内皮細胞に特異的に結合するベクターを有する微小気泡による内皮細胞の浮遊化 正常臍帯由来ヒト内皮細胞系ECV304(ATCC CRL−1998)をL−グルタミン(200mM )、ペニシリン/ストレプトマイシン(10,000U/mlおよび10,00μg/ml)および 10%ウシ胎児血清(Hyclone Lot no.AFE5183)を添加したRPMI1640培地(Bio Whita ker社製)中、Nunc培養フラスコ(chutney 153732)中で培養した。トリプシン処理 後、全面培養時スプリット比1:5〜1:7で細胞を継代培養した。トリプシン 処理された全面培養クラスターから得た2000,000個の細胞を5本の遠沈管の各セ ットに添加した。次に、対照微小気泡またはWQPPARIを含むベクター(実施例12 )もしくは内皮細胞に結合したペプチドベクター(実施例14)を担持する気泡を 、各試験管当たり2、4、6、8百万および1千万の気泡となるように添加した 。5分間400Gで遠心分離した後に試験管の底部にある脂肪をクールターカウンタ ーで計数した。細胞に結合している微小気泡4個以上がその細胞を遠沈管内の液 の上面まで押し上げていることが判った。全細胞が内皮細胞に結合したペプイチ ドベクターによりそして約50%がWQPPARIベクターにより浮遊させられていた。 実施例 35 気体充填微小気泡による遺伝子転移 本実施例は遺伝子転移のための標的設定微小気泡の調製に関する。 a)ポリ−L−リジンでコーティングされた、DSPSリポペプチド気泡/PFB気体 の調製 DSPS(4.5mg)および実施例17(b)のリポペプチド(0.5mg)を2本の2ml容量のバ イアルに計り入れた。各バイアルに水中プロピレングリコール/グロセロール( 4%)0.8mlを添加した。各溶液を5分間80℃に加熱し、振とうし、次いで周囲温 度に冷却し、その後、ヘッドスペースをパーフルオロブタンでフラッシュした。 バイアルを4450振動/分で45秒間キャップミキサー(Espe Capmix)上で振とうし 、5分間ローラーテーブル上に置いた。バイアル内容物を混合し、得られた試料 を5分間2000rpmで遠心分離することにより洗浄した。下部清澄液を除き、同量 の蒸留水を添加した。洗浄操作を再度繰り返した。ポリ−L−リジンHBr(20.6mg )を水2mlに溶解し、次いで、そのうち少量(0.4ml)を水で2mlとした。希薄ポリ −L−リジン溶液1.2mlにDSPS−リポペプチド気泡懸濁液0.12mlを添加した。イ ンキュベーション後、過剰のポリリジンを水で十分洗浄することにより除去した 。 b)細胞のトランスフェクション 内皮細胞(ECV 304)を6穴プレート中均一なサブコンフルーエント層となるま で培養した。RPMI培地中DNA(CLONTECH製の増強緑蛍光蛋白ベクター)5μgおよ び段階(a)の微小気泡懸濁液50μlよりなるトランスフェクション混合物を最終 容量250μlとなるように調製した。混合物を15分間室温で放置し、次に完全RPM I培地1mlを添加した。培地を細胞培養皿から除き、DNA微小気泡混合物を細胞に 添加した。細胞を細胞培養インキュベーター(37℃)中でインキュベートした。 c)超音波処理 15分間インキュベートした後、選択したウエルを30秒間1MHz、0.5W/cm2の 連続波の超音波に曝露した。 d)インキュベーションおよび検査 細胞を細胞培養インキュベーター(37℃)中で約4.5時間更にインキュベートし た。次にDNA微小気泡含有培地を吸引除去し、完全RPMI培地2mlを添加した。細 胞は観察前に40〜70時間インキュベートした。次に培地の大部分を除去し、細胞 を蛍光顕微鏡で観察した。結果をDNAまたはDNAポリリジンを細胞に添加した対照 実験の結果と比較した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/48 A61K 49/04 A 49/00 49/02 A 49/04 37/02 51/00 37/54 (31)優先権主張番号 9622367.2 (32)優先日 平成8年10月28日(1996.10.28) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9700698.5 (32)優先日 平成9年1月15日(1997.1.15) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9700699.3 (32)優先日 平成9年1月15日(1997.1.15) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9708265.5 (32)優先日 平成9年4月24日(1997.4.24) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9711842.6 (32)優先日 平成9年6月6日(1997.6.6) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (31)優先権主張番号 9711844.2 (32)優先日 平成9年6月6日(1997.6.6) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ロングヴェド,ポール ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 ヘーグセト,アンダース ノールウエー国エン―0681 オスロ.トレ シェヴン32アー (72)発明者 トーレスハウグ,ヘルジェ ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 ゴダール,アスラーク ノールウエー国エン―0365 オスロ.ネー ドレシルケストロー 16 (72)発明者 カスバートソン,アラン ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 レーヴハウグ,ダーグフィン ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト (72)発明者 スールバーケン,マグネ ノールウエー国エン―0401 オスロ.ピ ー・オー・ボツクス 4220トルシヨヴ.ニ ユコヴエイエン2.ニユコメド・イメージ ング・アクシエセルカペト

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ベクター1種以上にカップリングしているかまたは連結していて、かつ気体 含有または気体発生物質を含有するレポーターの水性担体液体中の懸濁液を含む 標的設定可能な診断用および/または治療用薬剤であって、そのベクターが非生 物活性であることを特徴とする薬剤。 2.気体が空気、窒素、酸素、二酸化炭素、水素、不活性ガス、フッ化イオウ、 六フッ化セレン、低分子量炭化水素、ケトン、エステル、ハロゲン化低分子量炭 化水素またはこれらの混合物を含む請求項1記載の薬剤。 3.気体が過フッ化ケトン、過フッ化エーテルまたはパーフルオロカーボンを含 む請求項2記載の薬剤。 4.気体が六フッ化イオウまたはパーフルオロプロパン、パーフルオロブタンも しくはパーフルオロペンタンを含む請求項2記載の薬剤。 5.耐癒着性表面膜、膜形成性タンパク質、重合体物質、非重合体および非重合 性の壁形成性物質または界面活性剤によって安定化された微小気泡を含む請求項 1〜4のいずれか1項に記載の薬剤。 6.界面活性剤が少なくとも1種のリン脂質を含む請求項5記載の薬剤。 7.界面活性剤物質の少なくとも75%が個々に正味の全電荷を有するリン脂質分 子を含む請求項6記載の薬剤。 8.膜形成性界面活性剤物質の少なくとも75%がホスファチジルセリン、ホスフ ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸および カルジオリピンから選択されるリン脂質1種以上を含む請求項7記載の薬剤。 9.上記リン脂質の少なくとも80%がホスファチジルセリンを含む請求項8記載 の薬剤。 10.各生物活性ベクターの組み合わせからなり、その生物活性がその組み合わせ が非生物活性であるように相殺される請求項1〜9のいずれか1 項に記載の薬剤。 11.ベクターが単量体または低重合体である請求項1〜10のいずれか1項に記載 の薬剤。 12.ベクターが非生物活性ペプチドである請求項1〜10のいずれか1項に記載の 薬剤。 13.ベクターが抗体;細胞接着分子;細胞接着分子受容体;サイトカイン;成長 因子;ペプチドホルモンおよびその部分;細胞接着分子に対する受容体の非生物 活性バインダー;オリゴヌクレオチドおよび修飾されたオリゴヌクレオチド;DN A-結合薬;プロテアーゼ基質/阻害剤;コンビナトリアルライブラリーから得ら れた分子;並びにグルコサミノグリカン側鎖に結合するタンパク質およびペプチ ドから選択される請求項1〜10のいずれか1項に記載の薬剤。 14.薬剤が標的と相互作用をするが、それと固定的に結合はしない水準で、上記 標的に対する親和性をベクターが有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の薬 剤。 15.ベクターが細胞接着蛋白質に対するリガンドおよび内皮細胞表面上に相当す るリガンドを有する細胞接着蛋白質から選択される請求項14記載の薬剤。 16.ベクターが標的に容易に曝露されない状態で位置づけられている請求項1〜 15のいずれか1項に記載の薬剤。 17.ベクターがレポーターに共有結合的にまたは非共有結合的にカップリングま たは連結されている請求項1〜16のいずれか1項に記載の薬剤。 18.ベクターが静電的電荷相互作用を介してレポーターにカップリングまたは連 結されている請求項1〜16のいずれか1項に記載の薬剤。 19.ベクターがアビジン-ビオチンおよび/またはストレプトアビジン−ビオチ ン相互作用によりレポーターにカップリングまたは連結されている請求項1〜16 のいずれか1項に記載の薬剤。 20.放射性の、またはX線造影剤、光造影プローブまたはスピン標識として有効 な部分を更に含む請求項1〜19のいずれか1項に記載の薬剤。 21.治療化合物を更に含む請求項1〜20のいずれか1項に記載の薬剤。 22.治療化合物が抗新生物薬、血液製剤、生物学的応答調節剤、抗カビ剤、ホル モンまたはホルモン類似体、ビタミン、酵素、抗アレルギー剤、組織因子抑制剤 、血小板抑制剤、凝固蛋白標的抑制剤、フィブリン形成抑制剤、フィブリン溶解 促進剤、抗血管形成剤、循環薬、代謝強化剤、抗結核剤、抗ウイルス剤、血管拡 張剤、抗生物質、抗炎症剤、抗原虫剤、抗リューマチ剤、麻酔剤、アヘン剤、強 心配糖体、神経筋ブロッカー、鎮静剤、局所麻酔薬、全身麻酔薬または遺伝子分 物質である請求項21記載の薬剤。 23.上記治療化合物がジスルフィド基を介してレポーターに共有結合的にカップ リングまたは連結している請求項21または22に記載の薬剤。 24.脂肪親和性の、または脂肪親和性的に誘導された治療化合物が、疎水性相互 作用を介してレポーターに連結している請求項21または22に記載の薬剤。 25.下記成分: i)選択された標的に対する親和性を有する前標的設定ベクターを有する第1の 投与可能な組成物;および ii)上記前標的設定ベクターに対する親和性を有するベクターを有する前記請求 項1〜24のいずれかに記載の薬剤を含有する第2の投与可能な組成物 を含有する複合製剤。 26.上記前標的設定ベクターがモノクローナル抗体である請求項25記載の複合製 剤。 27.下記成分: i)請求項1〜24のいずれかに記載の薬剤を含有する第1の投与可能な 組成物;および ii)上記薬剤をその標的から転置または放出させることのできる物質を含有する 第2の投与可能な組成物 を含有する複合製剤。 28.下記成分: i)請求項23記載の薬剤を含有する第1の投与可能な組成物;および ii)上記第1の投与可能な組成物の薬剤中の治療化合物とレポーターをカップリ ングまたは連結させているジスルフィド基を還元的に切断させることのできる還 元剤を含有する第2の投与可能な組成物 を含有する複合製剤。 29.気体含有または気体発生物質を含むレポーターに少なくとも1種の非生物活 性ベクターをカップリングまたは連結させることからなる、請求項1に記載の標 的設定可能な診断用および/または治療用薬剤を調製する方法。 30.治療化合物もまたレポーターと配合させる請求項29記載の方法。 31.標的設定可能な超音波造影剤としての請求項1〜24のいずれか1項に記載の 薬剤の使用。 32.請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬剤をヒトまたはヒトでない動物の身 体に投与し、そして上記身体の少なくとも一部の、超音波、磁気共鳴、X線、放 射線または光による像を発生させることからなる、上記身体の増強された像を発 生させる方法。 33.下記工程: i)選択された標的に対する親和性を有する前標的設定ベクターを身体に投与す ること、およびその後に ii)請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬剤であって、上記前標的設定ベクタ ーに対する親和性を有するベクターを有する薬剤を投与すること からなる請求項32記載の方法。 34.前標的設定ベクターがモノクローナル抗体である請求項33記載の方法。 35.下記工程: i)請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬剤を身体に投与すること、およびそ の後に ii)薬剤をその標的から転置または放出させることのできる物質を投与すること からなる請求項32記載の方法。 36.薬剤が更に治療化合物を含む請求項32〜35のいずれか1項に記載の方法。 37.治療化合物がジスルフィド基を介してレポーターに共有結合的にカップリン グまたは連結されており、上記スルフィド基を還元的に切断させることのできる 還元剤を含有する組成物がその後に投与される請求項36記載の方法。 38.標的を発現する細胞がフローチャンバー内に固定的に位置付けられており、 担体液体中の薬剤の懸濁液が上記チャンバーを通過し、上記薬剤の上記細胞への 結合を調べる、請求項1〜24のいずれか1項に記載の薬剤による標的設定のin v itro検査の方法。 39.担体液体の流量を制御してin vivoで生じるせん断速度を擬似的に具現化す る請求項38記載の方法。
JP10520191A 1996-10-28 1997-10-28 改良された診断/治療用薬剤 Pending JP2001502719A (ja)

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GBGB9622367.2A GB9622367D0 (en) 1996-10-28 1996-10-28 Improvements in or relating to diagnostic/therapeutic agents
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GB9700699.3 1997-01-15
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GB9708265.5 1997-04-24
GBGB9708265.5A GB9708265D0 (en) 1997-04-24 1997-04-24 Contrast agents
GB9711842.6 1997-06-06
GB9711844.2 1997-06-06
GBGB9711844.2A GB9711844D0 (en) 1997-06-06 1997-06-06 Improvements in or relating to diagnostic/therapeutic agents
GBGB9711842.6A GB9711842D0 (en) 1997-06-06 1997-06-06 Improvements in or relating to diagnostic/therapeutic agents
GB9622364.9 1997-06-06
GB9700698.5 1997-06-06
PCT/GB1997/002958 WO1998018498A2 (en) 1996-10-28 1997-10-28 Improvements in or relating to diagnostic/therapeutic agents

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007527857A (ja) * 2003-06-25 2007-10-04 ゲルベ 特異的高緩和度化合物
JP2010513476A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 造影剤

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JP2007527857A (ja) * 2003-06-25 2007-10-04 ゲルベ 特異的高緩和度化合物
JP2010513476A (ja) * 2006-12-20 2010-04-30 ジーイー・ヘルスケア・アクスイェ・セルスカプ 造影剤

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