JP2001502306A - インシュリン依存性糖尿病の処置方法および組成物 - Google Patents

インシュリン依存性糖尿病の処置方法および組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は概して自己免疫疾患症状の予防および処置方法およびそれに有用な物質に関する。より詳細には、本発明は自己免疫病状に付随する徴候から保護し、あるいはこれを改善する粘膜媒介性の耐性を考察する。さらにより詳細には、本発明は糖尿病に関係する自己抗原を粘膜表面にエアロゾル投与することによって臨床的糖尿病を予防する方法、または臨床的糖尿病の影響を予防し、あるいは軽減し、あるいは改善する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 インシュリン依存性糖尿病の処置方法および組成物 本発明は概して、自己免疫疾患症状の予防および処置方法ならびにこれに有用 な物質に関する。より詳細には、本発明は自己免疫病状に付随する徴候から保護 し、あるいはこれを改善する粘膜媒介性の耐性を目的とする。さらにより詳細に は、本発明はIDDMに関係する自己抗原を粘膜表面にエアロゾル投与すること によって、臨床的なインシュリン依存性糖尿病(IDDM)を予防する方法、ま たは臨床的なIDDMの影響を予防し、あるいは軽減し、あるいは改善する方法 を提供する。 本明細書中で引用するたくさんの文献の詳細な著書目録は記述の最後に集めて ある。 以下の本明細書および請求の範囲を通して、文脈上、他の意味が必要でなけれ ば、用語「含む」「特徴とする」は記載の要素(integer)または要素群を包含 することを意味するが、他の要素または要素群が包含されることを排除するもの ではないことは理解されよう。 免疫系一般および詳細には細胞性免疫機構の知識の増大は、治療薬およびその 代替の投与経路の設計を多大に促進させる。研究の重要な領域の1つは、自己免 疫疾患症状において特定の抗原によって誘導される細胞性免疫の反応性低下の機 構である。 自己抗原は、その投与が自己免疫疾患の自然な進展を改変すると、病原性にな る場合がある。免疫耐性を誘導する自己抗原特異的な戦略は齧歯動物における実 験的自己免疫疾患の自然な進展を有利に改変することが示されている(8,24 −28)。古典的に経口経路で可溶性タンパク質抗原を粘膜表面へ与えると、抗 原特異的なT細胞媒介性の遅延型過敏症(DTH)およびIgE応答が選択的に 抑制される(2,8,29)。「経口耐性」はT細胞(Th1)から抗体(Th2 )応答への免疫の偏り、調節T細胞の誘導、およびより高い抗原投与量では、T 細胞アネルギーおよびT細胞欠失の両方と関連している(8,30)。 特に衰弱している自己免疫症状は自己免疫炎症性「膵島炎(insulitis)」障害 の範囲内で、膵臓の島においてインシュリン産生β細胞が選択的に崩壊すること から生じるインシュリン依存性糖尿病(IDDM)である(10,11)。β細胞 崩壊の媒介における自己反応性T細胞の主要な役割は、2つのIDDMの自然発 生動物モデルである、Bio-Breeding(BB)(31)ラットおよび非肥満糖尿病( NOD)マウス(24)において直接示されている。β細胞に対し免疫反応性を 誘発し、あるいは引き起こす標的自己抗原は、診断適用性を有するだけでなく、 特異的な免疫治療用の強力な物質である(25−28)。不顕性または臨床的ID DMの齧歯動物およびヒトにおいて、循環性抗体またはT細胞との反応性により いくつかの潜在的な病原性の島/β細胞自己抗原、詳細にはインシュリン、グル タミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)およびIA−2ファミリーのチロシンホ スファターゼが同定されている(32)。しかし、インシュリンおよびその前駆体 であるプレプロインシュリンがβ細胞に特異的である唯一のIDDM自己抗原で ある。 インシュリン自己抗体(IAA)は臨床的IDDMの発達に対する危険性マー カーであり(33)、糖尿病の母親の子孫において他の島抗原に対する自己抗体よ り前に検出されている(34)。不顕性および最近診断されたIDDM患者の半分 までに、ヒトインシュリンに対する末梢血T細胞の増殖の増加が示されたが、応 答は比較的低い。これは優勢なヒトT細胞エピトープがプロインシュリン中にあ るからかもしれない。インシュリンB鎖およびプロインシュリンの連結(C)ペ プチド間の天然の分裂部位をまたぐペプチドは、危険な状態にあるIDDM患者 の大多数においてT細胞の増殖を誘発することが報告された(36)。NODマウ スでは、IAAが糖尿病の発達の危険性マーカーであることが報告され、膵島炎 障害から生じたT細胞クローンの大多数はインシュリンB鎖であるアミノ酸9− 23と反応した(38)。 IDDMを予防する可能性に関して幅広い注目が集められているにもかかわら ず、比較的少ない研究において天然NODマウスモデルの粘膜媒介性の耐性が評 価されているのみである。Zhangら(22)は、経口のブタインシュリン( 週2回、1mg)が糖尿病の発病を遅延させ、発病率を低下させ、ならびに糖 尿病マウス由来の脾臓細胞による若年の非糖尿病マウスへの糖尿病の転移を部分 的に遮断する脾臓T細胞と関連していることを発見した。続いて、Berger otら(23)は、経口のインシュリンによって誘導される調節細胞がCD4+ T細胞であることを報告した。しかし、実験的自己免疫脳脊髄炎(EAE)のル イスラットモデルでの、モルモットのミエリン塩基性タンパク質(MBP)に対 する経口耐性の研究では、IL−4、IL−10およびTGF−βを分泌するC D4およびCD8調節T細胞の両方が記載されている。 細胞性(媒介性)自己免疫症状の抑制を誘導するための抗原供給用の有効な投 与戦略を開発する必要がある。この投与戦略は免疫学的に有効であるだけでなく 、使用者にとって簡便で直接的で安全でなければならない。本発明を導くに至っ た研究では、発明者らはIDDMの動物モデルにおいてインシュリンおよびその 前駆体のエアロゾル投与を研究し、これが膵臓の島の病状および糖尿病の発病率 を減少させるのに有効であることを示した。 したがって、本発明の一態様は患者における細胞性自己免疫疾患の抑制方法で あって、自己免疫病状を予防し、軽減し、さもなければ改善するのに十分な条件 下で一定時間、該自己免疫疾患に関連する有効量の抗原をエアロゾルとして投与 することを特徴とする方法に関する。 より詳細には、本発明は患者の自己免疫疾患症状を予防し、軽減し、さもなけ れば改善する方法であって、細胞性自己免疫病状を保護する免疫調節機構を誘導 し、あるいは刺激するのに十分な条件下で一定時間、該自己免疫疾患に関連する 有効量の抗原を患者にエアロゾルとして投与することを特徴とする方法を提供す る。 本明細書では以後、「免疫調節機構」とは、T細胞の機能的活性の調節、例え ば1つまたはそれ以上のサプレッサーT細胞、Th1、Th2またはCD8+T 細胞(本明細書中では「調節T細胞」と称する)の調節、あるいはリンパ細胞、 骨髄細胞またはストロマ細胞によるサイトカイン産生の調節を介するものなどを 含むがこれらに限定されない細胞性免疫応答を調節するすべての機構を表すと理 解されるべきである。 以後、IDDM、成人の潜在性自己免疫糖尿病[LADA]として表されるこ ともある徐進行性(slowly progressive)IDDM(SPIDDM)およびID DMを基礎とする妊娠期糖尿病を予防し、軽減し、さもなければ改善することに 関して本発明を記載する。しかし、このことは本発明が細胞性自己免疫症状の範 囲にまで広がっていることの理解を伴っている。 したがって、本発明の他の態様は、患者のIDDM、SPIDDMまたは妊娠 期糖尿病を予防し、軽減し、さもなければ改善する方法であって、IDDMに関 連する細胞性自己免疫病状を抑制するのに十分な調節T細胞および/または他の 適当な機構を誘導するのに十分な条件下で一定時間、IDDMに関連する自己抗 原の有効量を該患者にエアロゾルとして投与することを特徴とする方法に関する 。 本明細書中、以後「IDDM」の用語にはIDDM、SPIDDMおよび妊娠 期IDDMが含まれる。 誘導される調節T細胞は抗原の形態およびその投与経路に依存するであろう。 例えば、長いペプチドおよび全分子(例えばインシュリン)を投与した場合、C D8T細胞、より詳細にはCD8γδT細胞が誘導される。プロインシュリンペ プチドのようなより小さい分子(例えばプロインシュリンペプチド24−36) は概してCD4T細胞、より詳細にはCD4αβT細胞を誘導する。 特に好ましい投与形態はエアロゾルスプレー、ドリップまたは吸入剤による鼻 腔内投与である。 エアロゾルまたは他の鼻腔内投与組成物として用いるのに好ましいIDDMに 関連する抗原は、プレプロインシュリンまたはプロインシュリン、ならびにイン シュリン、およびプロインシュリン(例えばプロインシュリンペプチド24−3 6)、プレプロインシュリンまたはインシュリンのペプチド断片のような(これ らに限定されない)その免疫応答刺激性の誘導体である。好ましくは、免疫応答 刺激は調節T細胞の刺激を誘発する。しかし、種々のイソ型のグルタミン酸デカ ルボキシラーゼ(GAD)(例えばGAD65およびGAD67)またはその誘導 体およびチロシンホスファターゼIA−2またはその誘導体のような(これらに 限定されない)いかなる島抗原を用いてもよい。該抗原はヒト由来または非ヒト 種、例えばマウス由来であってもよい。 用語「誘導体」にはこの抗原の断片、部分、一部、化学的等価物、突然変異物 、 相同体および類似体が含まれる。類似体は天然シネシック(synethic)または組 換えの起源から誘導することができ、これに融合タンパク質を含ませることがで きる。抗原の化学的等価物は抗原の機能的類似体として作用することができる。 化学的等価物は必ずしも抗原から誘導することはないが、一定のコンフォメーシ ョンの類似性を共通にするかもしれない。一方、化学的等価物は抗原の生理化学 的特性をまねるように特別に設計することができる。化学的等価物は化学的に合 成することができ、あるいは例えば天然産物のスクリーニングにしたがって検出 できる。 本明細書中で考察する抗原の相同体にはヒトまたは非ヒト種、例えばマウスか ら誘導した抗原が含まれるが必ずしもこれらに限定されない。 誘導体には1つまたはそれ以上の挿入、欠失またはアミノ酸置換が含まれる。 アミノ酸挿入誘導体には単一または多数のアミノ酸のアミノおよび/またはカル ボキシル末端融合物および内部配列挿入物が含まれる。挿入アミノ酸配列異型は 、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が該サイトカインのあらかじめ決められた 位置に挿入されたものであるが、得られた産物の適切なスクリーニングを用いて 無作為の挿入物もまた可能である。欠失異型は配列から1つまたはそれ以上のア ミノ酸を除去することによって特徴付けられる。置換アミノ酸異型は配列中の少 なくとも1つの残基を除去し、その場所に異なる残基を挿入したものである。ア ミノ酸配列の付加には他のペプチドまたはポリペプチドを用いた融合が含まれる 。例えば、患者に好ましいサイトカインを他のサイトカインまたはリンパ性サイ トカインまたは機能的な相同体または類似体によって置換することが可能である 。ハイブリッドサイトカインはサイトカインの組合せからなる。 該誘導体にはペプチド誘導体およびペプチドエピトープ類似体が含まれる。用 語「プロインシュリン24−36配列を含む疾患抑制性ペプチド」にはフランキ ングアミノ酸配列がその一端または両端に結合しているプロインシュリン24− 36配列への言及が含まれると理解されるべきである。該フランキング末端は、 例えばプロインシュリン24−26配列のMHC分子への水素結合を増加させる などの機構により、該プロインシュリン24−36配列の有効性を高めるのに有 用であるかもしれない。該フランキング末端は、例えばプロインシュリン24− 36配列のC末端に付加されたアラニン残基を含んでいてもよい。 用語「エアロゾル」は鼻腔、咽頭、気管支または経口経路を介して投与可能な 製剤が含まれる、その最も一般的な意味で用いる。エアロゾルには一般に、気体 または蒸気に懸濁された液状または固形の粒子が含まれる。エアロゾルは分散媒 体が気体であるコロイド系、例えばミストであるのが都合がよい。エアロゾル製 剤の投与方法は重要ではなく、ハンドポンプ、電気ポンプ、加圧ディスペンサー 、鼻腔ドリップまたは他の簡便な手段を用いて行うことができる。本発明の方法 は該製剤の鼻腔内表面への直接投与にまで広がっていることが理解されよう。特 に好ましい態様では、約1〜約20L/分、好ましくは約2〜約15L/分の速 度、約0.1〜約10μm、より好ましくは約0.1〜6μmの滴サイズでエア ロゾルを供給する。都合よく、抗原の保存溶液を約0.5〜約20mg/担体溶 液のmL、より好ましくは約1.0〜約10mg/担体溶液のmLの濃度で調製し た。市販の約4mg/mLのインシュリンは特に有用である。有用な投与量は保 存溶液からの約50μL〜1000μL、好ましくは100μL〜500μLで ある。 抗原を単独でまたはアジュバント中もしくはアジュバントとともに製剤化する ことによって投与できる。このアジュバントはコレラトキシンB、大腸菌の熱不 安定性トキシン、サポニン、Quill A抽出物および他のサポニン誘導体、 DEAE−デキストラン、デキストラン硫酸、アンモニウム塩および非イオン性 遮断共重合物を含む免疫調節応答を高めるアジュバントの範囲から選択される。 このアジュバントはサイトカイン(例えばIL−4またはIL−13)、ムラミル ジペプチドおよび誘導体、およびマイコバクテリアまたはコリネバクテリア種由 来の細胞壁成分のような他の免疫調節物質を含む。アジュバント製剤には2また はそれ以上のリストされているアジュバントを組合せて含ませることができる。 これらのリストは余すところのないものと考えるべきではない。アジュバントは 部分的に、標的とされる種に依存して選択され、ならびに必要とされる免疫応答 の量および持続時間ならびに反応原性(reactogenicity)の欠如(すなわち組織 融和性)に基づいて選択される。活性成分およびアジュバントの量は望ましい免 疫応答の量および持続時間を達成するように選択する。 治療的に有効な量の抗原を投与する。治療的に有効な量とは、少なくとも部分 的に望ましい効果を達成し、あるいは処置する特定の症状の発症を遅延させ、進 行を阻害し、あるいは全体的に発症または進行を中止させるのに必要な量を意味 する。このような量はもちろん、処置する特定の症状、症状の重篤度、および年 齢、健康状態、背格好、体重、同時点での他の処置などの個々の患者のパラメー タに依存する。これらの要因は当業者に周知であり、わずかな決まりきった実験 とともに取り扱われ得るものである。概して、最大の投与量、すなわち信頼でき る医師の判断にしたがった最も高い安全な投与量を用いることが好ましい。しか し、医学的理由、心理学的理由または実質的に他の理由によって、より少ない投 与量または許容可能量を投与することもできることは当業者に理解されよう。 概して、抗原の一日の経口投与量は、約0.01mg/kg/日〜1000m g/kg/日である。ます、少量の投与量(0.01−1mg)を投与し、続い て約1000mg/kg/日までの大量の投与量を投与することができる。上記 投与量で患者の応答が十分でない場合には、患者の耐性が許容できる程度にまで さらに大量の投与量(または異なるより局所的供給経路による大量の有効な投与 量)を用いることができる。単一の投与量を投与でき、あるいは時間、日、週ま たは月ごとを基準に複数の投与量が必要とされることもある。抗原の有効量は個 体に依存して変化するが、投与量当たり約0.1μg〜約20mg、好ましくは 約1μg〜約10mg、より好ましくは約1μg〜5mgの範囲をとり得る。 本発明の関連する態様では、処置を受ける患者は治療または予防処置を必要と しているヒトまたは動物のいずれであってもよい。 全体的な免疫状態、および具体的な調節T細胞の量およびサイトカインプロフ ァイルは当業者に既知の慣用方法を用いる処置法を通して容易に決定できる。例 えば、T細胞集団に特異的な市販の抗体を用いて標識した後に、血球計算分析し て調節T細胞の量をモニターできる。患者の状態を決定するのに適した方法の他 の例には、密度遠心分離によって末梢血単核細胞を精製し、次いで周知の抗原、 例えばGAD、IA−2ファミリーメンバー、インシュリンまたはプロインシュ リンとインキュベートして刺激することが含まれる。H3チミジン包含量をアッ セイして、得られた増殖を定量する。抗原で刺激した約24時間後にサイトカイ ンプロファイルを決定できる。このサイトカインは例えば特異的サイトカイン抗 体を用いて検出できる。抗原で刺激した24時間後、例えば活性化マーカー発現 (例えばCD69、CD44、CTLA4、CD25)のフローサイトメトリー 分析によって、刺激した細胞を表原型について特徴付けすることができる。活性 化した細胞を細胞表面標識した後、この細胞をさらに固定し、螢光色素で標識し た、特定のサイトカインに対する抗体とインキュベートして細胞内サイトカイン 量を決定することができる。特に、例えば二重標識アッセイによって細胞をさら に評価できる。フローサイトメトリー分析または蛍光分光分析を利用して二重標 識した細胞を分析できる。 本発明の他の態様は、1つまたはそれ以上の製薬的に許容される担体および/ または希釈剤を含むエアロゾル製剤中、自己免疫疾患に関連する抗原を含む組成 物を提供する。 好ましくは自己免疫疾患はIDDMである。 好ましくは、抗原はインシュリンまたはその前駆体、例えばプレプロインシュ リン、プロインシュリンまたはその誘導体(例えばプロインシュリンペプチド2 4−36)またはGADまたはチロシンホスファターゼIA−2またはその誘導 体のような島抗原である。 好ましくは、投与する抗原および投与経路により、例えばインシュリンCD8 T細胞および最も好ましくはCD8γδT細胞のような全体分子に関連して、あ るいはプロインシュリンペプチド24−36、CD4T細胞および最も好ましく はCD4αβT細胞のようなより小さい分子に関連して調節T細胞が誘導される 。 以下に非限定的な図および/または実施例を挙げ、本発明をさらに説明する。 図中: 図4 はエアロゾルのインシュリンが糖尿病の転移を抑制するCD8T細胞を誘 導することを示す図解説明である。エアロゾルのインシュリンまたは卵白アルブ ミンで処置したNODの雌由来の分画していない(A)あるいは分画した(B− E)脾臓細胞のいずれかとともに、最近、糖尿病になった(recently-diabetic )生後14−19週間の雌からプールした脾臓細胞を生後6−9週間のNOD雄 性マウス(n=16/群)に注射し、次いでそれらの糖尿病発病率をモニターした 。示した実験では、エアロゾル提供マウスは生後49日目から10日 間続けて処置し、次いで毎週処置し、生後156日目に殺す時は正常血糖であっ た。 図5 はエアロゾルのインシュリンが、糖尿病の転移を抑制するCD8γδT細 胞を誘導することを示す図解説明である。図1の説明中のように、「糖尿病」脾 臓細胞(2×107)およびすべての、あるいは分画したエアロゾル処置マウス 由来の脾臓T細胞を若年の雄性NODマウスに同時注射した。注入した分画細胞 の数は、A)では〜107総T細胞およびエアロゾルインシュリンマウス由来の 〜107γδ−喪失T細胞または1.4×106γδT細胞、ならびにB)ではエ アロゾルインシュリンマウス由来の〜107総T細胞、2×106CD8T細胞、 2×106γδ−喪失CD8T細胞または1.5×106CD8γδ+veT細胞 である。 図6 は糖尿病の養子転移がエアロゾルのインシュリンによって誘導されるCD 8γδT細胞によって抑制されることを示す概略の説明であり、11の実験のま とめである。 実施例1 エアロゾル処置および糖尿病の評価 8匹の雌性NODマウスの入った半密封の箱を標準的な患者用(patient)電 気ポンプ(Maymed Aerosol MKV,Anaesthetic Supplies,Sydney,Australia) およびエアロフロ(Aeroflo)噴霧器(Waite & Co.,Sydney)に接続して、それ ぞれエアロゾルで処置した。組換えヒトインシュリン(Humulin R,Eli Lilly) または対照標準卵白アルブミンタンパク質を4mg/mLで24−32マウスの 群に、空気流速6リットル/分、定格滴サイズ<5.8μmで10分間かけて供 給した。すべての処置は0900および1100時の間与えた。プロトコルおよ びマウスの世話は動物倫理委員会(Animal Ethic Committee)によって是認され 、監督されているものである。生後100日から少なくとも28日ごとに眼窩後 方静脈血をサンプルし、繰り返し試験して確認した血中グルコース濃度が>11 mMであればそのマウスは糖尿病であると考えた。グルコースは麻酔していない マウスのレトロー眼窩静脈叢からガラスキャピラリーチューブを介して吸引した 一滴の血液上、BM−Test GlycemieRストリップおよびRefloluxRIIメーター (Boehringer-Mannheim)で測定した。 実施例2 組織学 CO2吸入によってマウスを殺し、膵臓および唾液腺を直ちにブアン(Bouin) 固定液中に取り出し、パラフィン中に包埋した。島浸潤の重篤度の尺度である膵 島炎スコアは2人の独立した実験者によって、ヘマトキシリンおよびエオシンで 染色した6μmの連続膵臓切片中、15の異なる膵島の最小値を等級付けし、次 いで平均して盲検的に決定した。等級付け尺度は以下のとおりである:0、浸潤 なし、島無傷;1、<10の島周りのリンパ細胞、島無傷;2、10−20の島 周りおよび島内のリンパ細胞、島無傷;3、>20の島周りおよび島内のリンパ 細胞、<50%の島置換あるいは崩壊;4、>50%の島置換あるいは崩壊を伴 う大量のリンパ細胞浸潤。唾液腺の浸潤はクラスターのリンパ細胞の数によって 分類した:0、細胞なし;1、<10細胞;2、10−50細胞;3、>50細 胞。 実施例3 免疫応答 個々の正常血糖性マウス由来の脾臓細胞を赤血球溶解緩衝液で処理し、指定し た濃度の抗原を含む丸底ウェル中、50μm 2−メルカプトエタノールを含有 する血清を含まないHL−1培地(Hycor,Irvine,CA)200μL中に2×1 05の割合で4回再懸濁し、インキュベートした。5%v/v CO2/空気中、 37℃で3日間置いた後、それぞれの複製上清から100μLを集め、サイトカ インアッセイ用に−70℃で保存した;次いでこの細胞に3Hチミジンを適用し 、16時間後に収集し、TopcountTMマイクロシンチレーションカウンタ ー(Packard,Meriden,CT)でカウントした。エアロゾル処置に用いたインシュ リンはヒト由来の組換え体(Humulin R,Eli Lilly)であった。マウスインシュ リンIIのアミノ酸9−23に対応するインシュリンB鎖ペプチド(Peptide Ex press,Port Collins,CO)はHPLC分析によると純度90%以上であった。 GAD65はバキュロウイルス系においてC末端6ヒスチジンを伴って発現され 、Ni2+キレーションアフィニティークロマトグラフィーによって精製された組 換えヒト型であった。これはSDS−PAGEで単一バンドとして分離され、定 量的リムルス(Limulus)溶解物アッセイ(BioWhittaker,Walkersville,MD) によるとエンドトキシンを含んでいなかった。 モノクローナル抗体ペア(Pharmingen)を用いるELISAによって、IL− 2、−4、−10およびIFN−γを測定した;検出の下限はそれぞれ62、1 6、16および55pg/mLであった。TGF−β1は、16pg/mLの検 出下限のELISAキット(Promega)を用いて測定した。 インシュリン抗体を検出するため、125Iで標識したヒトインシュリン(約1 00,000cpm:特異的活性120μCi/μg)をプロテアーゼ阻害物質 およびマウス血清の連続対数希釈物の混合物を含有するリン酸緩衝塩溶液中、過 剰の非標識インシュリン(10μg/mL)とともに、あるいはこれを加えずに 、4℃で5日間インキュベートした。次いでウサギ抗マウスグロブリン抗血清を 用いて複合体を沈殿させ、洗浄し、ガンマカウンターでカウントした。正の対照 標準血清(モルモット抗ブタインシュリン血清、ヒトIDDM血清)は最大、総 放射能の37−54%を沈殿させた。過剰の非標識インシュリンの存在下では、 非 実施例4 糖尿病の養子転移 生後6−9週間の雄性NODマウス(16/群)をコバルト線源から放射線照 射(800R)し、3−6時間後、エアロゾルのインシュリンまたは卵白アルブ ミンで処置したマウス由来の2×107の脾臓細胞(あるいは同数から分画した 細胞)とともに、最近糖尿病になった生後14−19週間の雌性NODマウスか らプールした2×107の脾臓細胞を尾部静脈を介して200μL与えた。次い で転移2週間後に血中グルコース測定を開始し、糖尿病の発症をモニターした。 実施例5 脾臓細胞集団の分画 脾臓細胞を赤血球溶解緩衝液で処理し、マウス等張性リン酸緩衝塩溶液に再懸 濁した。すべてのT細胞をナイロンウールへの非接着性によって精製した。製造 元のプロトコルにしたがって、MACSマイクロビーズ(Milteny Biotec,GmbH , F.R.G.)に直接結合させたモノクローナル抗体を用いて、CD4およびCD8細 胞を磁気的に(magnetically)ポジティブ選択し/喪失させ、生存可能な細胞( トライパンブルー染色陰性)をカウントした。フローサイトメトリーではCD4 またはCD8細胞の95%喪失とともに、回復率それぞれ〜80%および〜50 %が示された。 エアロゾル処理マウス由来のT細胞をビオチニル化GL3−1A抗体(Pharmi ngen,San Diego,CA)および次いでストレプトアビジン−MACSマイクロビ ーズとインキュベートし、続いて誘引分離することによって、γδT細胞をポジ ティブ選択し/喪失させた。フローサイトメトリーによれば、γδ細胞は1−2 %NOD脾臓細胞を含有し、GL3−1A抗体を用いてすべて喪失させた。CD 8γδT細胞を精製するため、まず抗CD8‐FITC複合体および抗FITC マイクロビーズを用い、すべてのT細胞からCD8T細胞を磁気的に選択した。 次いでMiltenyi Biotecプロトコルにしたがってこのマイクロビーズを解放し、 CD8細胞をγδポジティブの喪失フラクションに磁気的に分離した。二重染色 およびFACS分析により、γδ細胞の完全な喪失およびCD8集団を高度およ び低度に発現するGL3−1Aとしての回復が示された。 実施例6 糖尿病および膵島炎 生後28日目から種々のスケジュールで、エアロゾルのヒトインシュリンまた は卵白アルブミンを雌性NODに投与し、次いでマウスコロニー中、膵島炎が検 出可能な最も早い時間およびその糖尿病発病率および膵島炎の重篤度を測定した 。 糖尿病の発病率は、生後28日目の単一のエアロゾルインシュリン処置によっ てわずかに影響され、エアロゾルの卵白アルブミン処置後の88%と比較して2 40日目までに75%となった。しかし、連続3日または10日間、次いで週に 1回の処置により糖尿病の発症が有意に遅延し、糖尿病の発病率が減少した。5 回の別々の実験では、156日目の糖尿病発病率は卵白アルブミン処置マウスの 中央値47%からインシュリン処置マウスの23%に減少した;累積の糖尿病発 病率が最大値に近づく生後240日目では、値はそれぞれ79%および49%( p=0.005、Kaplan-Meier survival statistic)であった。最初の処置 が3日間であるか10日間であるかで相違はない。連続10日間、次いで週に1 回処置を行ったが、膵島炎が十分に確立する49日目まで処置を開始しなかった 他の実験でも、エアロゾルのインシュリンは依然として糖尿病発病率を156日 目で58%から25%(p=0.001)に有意に減少させた。糖尿病発病率の 減少を列挙した「膵島炎スコア」によって判断すると、インシュリン処置は島障 害の重篤度の有意な減少と関連していた(表1)。また、NODマウスで生じるリ ンパ細胞による唾液腺の浸潤(唾液腺炎、sialitis)はエアロゾルのインシュリ ンによって影響を受けなかった。 吸収促進物質の不存在下では、ヒトにおける鼻咽腔粘膜からのインシュリンの 組織摂取は少量である(1)。NODマウスでは、血中グルコースはエアロゾルの インシュリンによって短期間では変化しなかった。10%エバンスブルー色素で 標識したインシュリン溶液が鼻咽腔、気管および主気管支および食道内に沈積さ れているのが観察された。エアロゾル処理または可溶性タンパク質の鼻腔内供給 後、いくらか胃腸系が暴露されることを避けることは、不可能ではないにしても 困難であるかもしれないが、鼻咽腔内への供給のみで耐性を誘導するのに十分で ある(2、3、4)。 実施例7 免疫応答 発明者らはエアロゾルインシュリン処置がインシュリンに対する免疫応答を変 化させたかどうかを調査した。初回抗原刺激を受けていないT細胞の、島抗原、 例えばインシュリンに対する増殖応答がNODマウス(5)において報告されて いるが、常に複製可能であるわけではない(6)。生後56−105日目のインシ ュリンまたは卵白アルブミン処置マウス由来の脾臓細胞(0.5−2.5×106 /mL)の、種々の血清補充または血清を含まない培地におけるヒトインシュ リンまたは卵白アルブミン(0.2、2.0、20および40μg/mL)に対 する増殖応答は、基準値の2倍より少ない範囲までで変化し、通常、最も高いイ ンシュリン濃度では基準値以下に低下した。高濃度のインシュリンはT細胞応答 を阻害することが報告されている(7)。対照的に、インシュリン処置マウスでは なく卵白アルブミンで処置した対照標準マウスでは、NODマウス島誘導 性のT細胞クローンに対する主要なエピトープであるインシュリンB鎖ペプチド 9−23(38)に対する応答は有意であった(表2)。さらに卵白アルブミン処 置マウスは、NODマウスにおいて脾臓T細胞を刺激することが以前に報告され ている(5)ヒトグルタミン酸デカルボキシラーゼ65(GAD65)に対し、 インシュリン処置マウスより有意に高い応答を示した。両処置群由来のマウスで は、コンカナバリンAまたはT細胞レセプターCD3モノクローナル抗体、14 5−2C11による非抗原特異的な刺激に対する増殖応答は同様であり(表2)、 非処置マウスと相違がなく、このことからエアロゾル処置は全体的な免疫抑制を 引き起こさなかったことが示される。インシュリンB鎖9−23に応答するIL −2、IFN−γおよびTGF−β1の分泌はインシュリンおよび卵白アルブミ ン処置マウス間で有意な相違がなかった;しかし、IL−4および特にIL−1 0の量はインシュリン処置マウスの細胞由来のほうがより多かった。 生後70−105日目のインシュリンおよび卵白アルブミン処置マウス由来の 血清(n=12/群)を用い、標準的な免疫沈降アッセイによってインシュリン 抗体を測定した。インシュリン処置マウス由来の血清中の抗体による125I−イ ンシュリン放射能の沈降(12.7±3.6%;平均沈降cpm±SD)は卵白 アルブミン処置マウスでの値(6.9±2.5%)より有意に高かった(p<0 .01、Mann Whitney U試験)。このエアロゾルインシュリン処置後のインシュ リン抗体「量」の増加は、T細胞増殖の抑制およびインシュリンB鎖ペプチドに 対するIL−4およびIL−10の応答の増加とともに、ルイスラットにおける 経口MBP処置後(8)およびNODマウスにおける鼻腔内GADペプチド処置 後(9)に記載の免疫偏差現象と一貫性がある。IDDMのDTH障害の範囲内 のβ−細胞崩壊はTh−1媒介過程(10、11)の1つの例であり、エアロゾ ルインシュリンによるその阻害は鍵となる島抗原に応答してTh1/Th2バラ ンスをTh2側へ移動させることが予期され得る。IDDMにおいてこのバラン スをTh1側へ移動させる欠損サプレッサーT細胞の機能が仮定されている(1 1)。GADを伴う培養物中、添加インシュリンが存在しないことに関係なく、 conAおよび抗CD3に対する応答が減少しないため、T細胞のGADに対す る増殖応答の減少が、インシュリンエアロゾル誘導性の調節細胞によるTh 2サイトカインIL−4およびIL−10の分泌が原因の「バイスタンダー(bys tander)」抑制を反映することはあり得ないと思われる。この直接の説明は、G ADに対する応答の減少が膵島炎およびβ細胞崩壊に対するエアロゾルインシュ リンの保護作用を反映することである。これは少なくともいくつかのGAD免疫 性が二次的なものであり、(プロ)インシュリンに対する免疫性がβ細胞崩壊に より直接的な役割を有しているかもしれないことを示す。ヒトGAD65に対す るNODマウスのT細胞応答が天然ヒトインシュリンに対する応答より強力であ り、より早期に現れることが報告されている(5)が、NODマウスの抗原存在 細胞におけるマウスプロインシュリンIIのトランスジェニック発現は膵島炎お よび糖尿病を完全に妨げることがわかっている(12)。 実施例8 調節CD8γδT細胞 発明者らはエアロゾルインシュリンが、病原性の、エフェクターT細胞による 糖尿病の養子転移を阻害することができる調節細胞を誘導したかどうかを調べた 。古典的養子転移モデル(13)(図6参照)では、若年の放射線照射した非糖尿 病の同系の雄性または雌性受容マウスに、静脈内移転された糖尿病NOD雌性マ ウス由来の脾臓細胞は、4週間以内に大多数において臨床的糖尿病を引き起こす 。より老年の糖尿病マウスから2×107個の脾臓細胞をエアロゾル卵白アルブ ミン処置マウス由来の同数の脾臓細胞とともに同時注入した場合、若年の受容マ ウスの大多数は4−5週間以内に糖尿病を発達させた;対照的に、エアロゾルイ ンシュリンマウス由来の脾臓細胞を同時注入した後は、ほんの少数が糖尿病を発 達させただけであった(図1A)。エアロゾルインシュリンマウス由来の脾臓細胞 またはナイロンウール非接着脾臓細胞(T細胞が豊富)のいずれかを用いた6回 の 次いで脾臓細胞を分画し、糖尿病転移の抑制に寄与する調節細胞を同定した。 CD4およびCD8細胞の喪失およびポジティブ選択は、もつぱらCD8が転移 の抑制に寄与することをはっきりと示した(図4B−3)。CD4細胞の喪失はエ アロゾルインシュリンマウス由来の残りの脾臓細胞の転移抑制能を変化させず( 図4B)、ポジティブ選択されたCD4細胞は転移を抑制しなかった(図4C)。 一方、エアロゾルインシュリンマウス由来のCD8喪失脾臓細胞による抑制は存 在しなかった(図4D)が、ポジティブ選択したCD8細胞は転移を抑制した( 図4E)。CD8細胞喪失後の糖尿病の発達が迅速であるのとは対照的に、ポジ ティブ選択したCD8細胞による抑制が部分的であるのは、おそらくCD8細胞 の回復効率が悪いせいであろう;本実験では、7×105個の精製CD8細胞を 糖尿病マウス由来の2×107個の牌臓細胞とともに各受容マウスに同時注入し た。 γδレセプターを保持するT細胞は免疫調節の役割を有していることが示され ている(14−19)。興味深いことに、末梢血γδ細胞の総量が不顕性IDDM であるヒトのβ細胞機能の喪失に付随して減少することが報告されている(20) 。観察された糖尿病転移の抑制がγδT細胞のせいであるかどうかを決定するた め、発明者らは抗γδT細胞モノクローナル抗体であるGL3−1Aを用いて脾 臓細胞を分画した。γδT細胞の喪失は、CD8の喪失同様に、インシュリンエ アロゾル処置マウス由来のナイロンウール非接着脾臓細胞の糖尿病の養子転移抑 制能を完全に排除した(図5A)。逆に言えば、インシュリンエアロゾル処置マウ ス由来の比較的少数のγδT細胞が転移を抑制することができた。糖尿病マウス 由来の1.4×105個のγδT細胞を2×107個の脾臓細胞とともに同時注入 した場合、転移後の糖尿病発病率は少なくとも70日間で50%減少した(図5 A)。糖尿病転移を抑制する脾臓CD8細胞およびγδT細胞は1種類および同 種であり、2種の互いに依存する集団ではなかった。したがって、インシュリン エアロゾル処置マウス由来のCD8細胞の転移抑制能は、最初にγδT細胞を喪 失させた場合、完全に破壊されたが、CD8細胞から精製された少数のγδ細胞 は転移を妨げた(図5B)。11の種々の同時転移実験の結果を図3にまとめる。 FACS分析により、GL3抗体と反応するγδ細胞は全体の1.6−2.4 %および生後12−16週間の雌性NODマウスの脾臓のCD8+細胞の−1% を構成する。これらの値は、インシュリンまたは卵白アルブミンエアロゾルで処 置したマウス群間で違いがなかった。しかし、その量が少ないので、明確な抗原 特異的CD8γδT細胞の亜集団をこのように区別するのは困難であろう。 分画された細胞、例えば連続精製CD8γδ細胞(図6)でのより高い保護は定 量的であり、非分画細胞と比べ、そのより高い絶対数を反映する。 実施例9 インシュリンのエアロゾル化 インシュリン供給様式としての粘膜へのエアロゾル吸入は、NODマウスにお いて糖尿病発病率を減少させるのに経口インシュリン(22、23)と同じくら い有効であった。エアロゾルが膵島炎発症後に治療的であったという事実は、潜 在的膵島炎を反映して循環性の島抗原反応性の抗体およびT細胞が存在する不顕 性疾患を伴う危険な状態のヒトIDDMの予防に特に都合よい。実際、最近ID DMと診断されたヒトと比べて、NODマウスはより強力な膵島炎を有し、雌の 大多数が糖尿病を進行させる(10、11、24)。エアロゾルインシュリンはあ きらかな代謝作用を有さなかったが、調節細胞CD8γδT細胞の集団を誘導し 、そのうち少数は病原性エフェクターT細胞が養子的に糖尿病を移転させる能力 を抑制した。 従来、細胞性自己免疫病状から保護するこれらの抗原誘導性の「サプレッサー 」T細胞は記載されていない。 経口耐性は細胞の減少、時に体液抗原特異的免疫性の増加を伴い、ならびにそ れぞれTGF−βまたはIL−4、IL−10およびTGF−β1を分泌するC D8またはCD4T細胞かどちらかを伴う(8)。しかし、これらの調節細胞はγ δレセプターを保持していることが同定できなかった。NODマウスでは、イン シュリンに対する経口耐性は調節CD4T細胞に起因する(23)。本発明によれ ば、CD8γδT細胞はエアロゾルインシュリンによって誘導される調節細胞の 説明となる。 実施例10 鼻腔内インシュリン、プロインシュリンまたはプロインシュリンペプチド24− 36 鼻腔内インシュリン(図1)、プロインシュリン(図2)またはプロインシュリ ンペプチド24−36(図3)。 インシュリン担体溶液またはマウス等張性リン酸緩衝塩溶液中の市販の4mg /mLのインシュリンまたは1−4mg/mLのプロインシュリンまたはプロイ ンシュリンペプチド24−36を10−20μL容量、麻酔していない拘束した 生後28日または56日目のNOD雌性マウスの鼻孔にアプライした。注目すベ きことに、生後56日目のすべてのマウスが潜在的島浸潤(膵島炎)を示した。 インシュリン、プロインシュリンまたはプロインシュリンペプチド24−36 の単一投与量は、対照標準タンパク質である卵白アルブミンまたはニワトリ卵リ ゾチーム(HEL、示していない)と比較して、生後28日または56日目どち らにおいてもそれぞれNOD雌性マウスの糖尿病の発症を遅延させ、発病率を減 少させた。投与量に基づく比較では、プロインシュリンおよびプロインシュリン ペプチド24−36はインシュリンより有効であった。これらのタンパク質また はペプチドを連続投与すれば、これらの有効性はより高くなった(示していない) 。プロインシュリン24−36の鼻腔内単一投与量で前処置した雌性マウスでは 、全脾臓細胞、ならびにCD8を喪失し、CD4T細胞を喪失していない全脾臓 細胞は、糖尿病マウス由来の脾臓細胞による糖尿病の養子転移を有意に抑制した 。生後28日目に雌性マウスを処置し、次いで生後56日目に殺し、その脾臓細 胞を養子的な同時転移物から用いた(図7)。 実施例11 危険な状態の個人における鼻腔内インシュリンの臨床試験 臨床試験には、島自己抗原と反応性の循環性抗体およびT細胞を含むIDDM の免疫マーカーに第一級に関係する危険な状態であるが、その他は健康なヒトに 対する鼻腔内インシュリンの投与が含まれる。我々の被験者は、インシュリン、 GADまたはチロシンホスファターゼIA−2に対する少なくとも2つの抗体、 ならびにインシュリンまたはプロインシュリンペプチド24−36および時にG ADおよびIA−2ペプチドに応答する末梢血T細胞を有する。根本的な原理は 、NODマウスにおける本アプローチの成功に基づいて、インシュリンに対する 粘膜媒介性の免疫耐性を誘導することである。市販のヒト組換えインシュリンを 用い、これを皮下または静脈内注射によってIDDMを患うヒトに繰り返し投与 する。現在、試験に参加している4−30歳の危険性の高い36人の被験者にお いて重大な副作用は観察されなかった。粘膜の炎症の可能性が存在するが、これ は ごく稀であり、軽症で、一時的なものである。エアロゾルまたは鼻腔内インシュ リンで処置したNODマウスは、臨床的な問題または解剖での異常を全く示して いない。 この試験では、代用のIDDM免疫マーカーに対する鼻腔内インシュリンの作 用を調べる。この計画は無作為に、二重盲およびプラセボ対照標準で行い、6月 で対照標準集団と被験集団を交換する。プラセボはインシュリン用に通常に用い る担体溶液とする。目的は、インシュリンおよび他のβ細胞抗原に対する抗体お よびT細胞量への有意な作用を示すことである。さらにグルコースの静脈内注入 に応答する第一期のインシュリン放出、すなわちβ細胞機能の測定を6月および 12月の時点で前もってモニターする。対照標準集団と被験集団の交換計画はす べての被験者に処置の機会を与え(危険な状態の関係者にとって重要な問題であ る)、処置作用が持続するかどうかを測定し、群内および群間の分析を可能にす る。処置は連続10日間毎日投与し、次いで週ごとに連続2日間投与する。6月 後、処置は対照標準集団と被験集団とで交換される(インシュリンからプラセボ 、またはその逆)。 鼻孔当たりのインシュリン投与量は市販の4mg/mL溶液約200μLであ る。プラセボはインシュリンを通常溶解する担体溶液である。 当業者には、本明細書中に記載の発明を具体的に記載の態様より他に変化させ 、修飾することが可能であることが理解されよう。本発明はすべてのそのような バリエーションおよび修飾を含むことが理解されるべきである。また本発明は、 本明細書中で言及し、あるいは示したすべての過程、特徴、組成物および化合物 を個別的に、あるいは集合的に含み、2またはそれ以上の該過程または特徴の組 合せをいずれもすべて含む。 表1 エアロゾルタンパク質で処置したNODマウスにおける膵島炎の重篤度および糖 尿病頻度 マウス(32/群)にエアロゾルインシュリンまたは卵白アルブミンのどちら かを生後28日目から連続10日間、次いで週に1回投与した。生後105日目 では、各群からの非糖尿病マウス5匹を膵臓の組織を研究するために殺した。膵 島炎スコアは平均値±SDで示す。 1.インシュリン処置マウスの膵島炎スコアは有意に減少 (p<0.01、Mann-Whitney U試験) 2.インシュリン処置マウスの糖尿病頻度は有意に減少 (p=0.04、フィッシャー(Fisher)厳密試験)。 表2 エアロゾル処置マウス由来の脾臓細胞の増殖応答 群あたり3匹のマウス由来の脾臓細胞を血清を含まないHL−1培地中で4回 アッセイした。各群についての12の結果の間で統計学的比較(Mann-Whitney U試験)を行った。 表3 40μg/mLマウスインシュリンII B鎖ペプチド(a9−23)に対する エアロゾル処置細胞由来の脾臓細胞によるサイトカイン分泌 複製培養ウェル由来の上清(表2)をインキュベート3日後にサンプルし、サ イトカインについてアッセイした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/28 A61K 37/26 38/43 37/50 38/44 37/54 38/46 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,ID,IL,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.患者の細胞媒介性自己免疫疾患の抑制方法であって、自己免疫病状を予防し 、軽減し、さもなければ改善するために十分な条件下ならびに一定時間、この自 己免疫疾患に関連する少なくとも1つの抗原の有効量をエアロゾルとして投与す ることを特徴とする方法。 2.自己免疫疾患がインシュリン依存性糖尿病(IDDM)である請求項1に記 載の方法。 3.自己免疫疾患が徐進行性IDDM(SPIDDM)である請求項1に記載の 方法。 4.自己免疫疾患が妊娠期IDDMである請求項1に記載の方法。 5.抗原がプレプロインシュリン、プロインシュリン、プロインシュリンペプチ ド、インシュリン、グルタミン酸デカルボキシラーゼ(GAD)、チロシンホスフ ァターゼIA−2およびその誘導体または相同体から選択される請求項1または 2または3または4に記載の方法。 6.プロインシュリンペプチドがプロインシュリンペプチド24−36である請 求項5に記載の方法。 7.抗原の投与量が、細胞性自己免疫病状を保護する免疫調節機構を誘導し、あ るいは刺激するのに十分である請求項5に記載の方法。 8.免疫調節機構がサプレッサーT細胞の産生である請求項7に記載の方法。 9.抗原がプロインシュリンペプチドであり、サプレッサーT細胞がCD4T細 胞である請求項8に記載の方法。 10.サプレッサーT細胞がCD4αβT細胞である請求項9に記載の方法。 11.プロインシュリンペプチドがプロインシュリンペプチド24−36である 請求項7または8または9または10に記載の方法。 12.抗原がインシュリンであり、サプレッサーT細胞がCD8T細胞である請 求項8に記載の方法。 13.サプレッサーT細胞がCD8γδT細胞である請求項12に記載の方法。 14.2つ以上の抗原を同時に、あるいは連続して投与する請求項5に記載の方 法。 15.プロインシュリンペプチドを1つまたはそれ以上のインシュリン、GAD 、チロシンホスファターゼIA−2、プレプロインシュリンまたはプロインシュ リンと同時に、あるいは連続して投与する請求項14に記載の方法。 16.プロインシュリンまたはその誘導体もしくは相同体を、プロインシュリン 24−36配列: FFYTPKTRREAED[配列番号:1] を含む疾患抑制性ペプチドと同時に、あるいは連続して投与する請求項14に記 載の方法。 17.IDDM、SPIDDMまたは妊娠期IDDMの自己免疫病状を予防し、 軽減し、さもなければ改善するのに十分な条件下ならびに一定時間、1つまたは それ以上のプロインシュリン、プロインシュリンペプチド、プレプロインシュリ ン、インシュリン、GADもしくはチロシンホスファターゼIA−2またはその 誘導体もしくは相同体をエアロゾルとして投与することを特徴とするIDDM、 SPIDDMまたは妊娠期IDDMの予防または処置方法。 18.プロインシュリンペプチドがプロインシュリンペプチド24−36である 請求項17に記載の方法。 19.プロインシュリンペプチドを1つまたはそれ以上のインシュリン、GAD 、チロシンホスファターゼIA−2、プロインシュリンまたはプレプロインシュ リンと同時に、あるいは連続して投与する請求項17に記載の方法。 20.プロインシュリンまたはその誘導体もしくは相同体を、プロインシュリン 24−36配列: FFYTPKTRREAED[配列番号:1] を含む疾患抑制性ペプチドと同時に、あるいは連続して投与する請求項17に記 載の方法。 21.抗原または抗原の組合せをエアロゾル形態で、1〜約20リットル/分の 速度で供給する前述のクレームのいずれかに記載の方法。 22.抗原の投与量が約0.1μg〜約5mgである請求項20に記載の方法。 23.エアロゾル投与に適した形態のプロインシュリンまたはその誘導体もしく は相同体および1つまたはそれ以上の製薬的に許容される担体および/または希 釈剤を含む組成物。 24.インシュリンをさらに含む請求項22に記載の組成物。 25.プロインシュリンペプチド24−36をさらに含む請求項22に記載の組 成物。 26.プロインシュリン24−36配列: FFYTPKTRREAED[配列番号:1] を含む疾患抑制性ペプチドをさらに含む請求項22に記載の組成物。 27.エアロゾル投与に適した形態のプロインシュリンまたはその誘導体もしく は相同体および1つまたはそれ以上の製薬的に許容される担体および/または希 釈剤を含む免疫調節機構を誘導または刺激するIDDM、SPIDDMまたは妊 娠期IDDMの予防および処置物質。 28.該免疫調節機構がサプレッサーT細胞の産生である請求項26に記載の物 質。 29.1つまたはそれ以上のインシュリン、プロインシュリンペプチド24−3 6、およびプロインシュリン24−36配列: FFYTPKTRREAED[配列番号:1] を含む疾患抑制性ペプチドをさらに含む請求項27に記載の物質。 30.IDDM、SPIDDMまたは妊娠期IDDMの予防または処置用薬剤の 製造におけるプロインシュリンまたはその誘導体もしくは相同体の使用。 31.1つまたはそれ以上のインシュリン、プロインシュリンペプチド24−3 6、およびプロインシュリン24−36配列: FFYTPKTRREAED[配列番号:1] を含む疾患抑制性ペプチドをさらに含む請求項30に記載の使用。
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