【発明の詳細な説明】
選択的にN-アルキル化されたペプチド模倣的コンビナトリアルライブラリ
およびその中の化合物
本出願は、米国特許出願08/611,390から変更された、米国特許暫定出願番号60
/____(1996年3月5日出願)の利益を主張し、これは、本明細書中で参考と
して援用する。
発明の分野
本発明は、一般的に、新規な、選択的にN-アルキル化された、以下の式Iの
化合物、ならびにそのような多くの化合物から構成される新規なライブラリ、ラ
イブラリの合成方法およびスクリーニング方法、およびその化合物の使用方法に
関する。
背景技術
新しい治療活性化合物を発見するプロセスは、使用可能な化合物のコレクショ
ン(collection)のすべての化合物のスクリーニングを含む。テストされた化合物
から、1種以上の構造が有望なリードとして選択される。次いで、構造活性相関
を発展させ、そして1種以上の最適な化合物を選択するために、多数の関連アナ
ログが合成される。従来の毎回1種ずつの合成(one-at-a-time synthesis)およ
びアナログの生物学的テストでは、この最適化プロセスは、長くそして労力集約
的である。発見および最適化プロセスの最初のスクリーニング工程に使用される
化合物コレクションに顕著な数の新しい構造を加えることは、従来の毎回1種ず
つの合成方法では、数ヶ月もしくは数年の期間をかけなければ達成され得ない。
数日または数週間で、数千までの関連化合物の調製を可能にする速い方法が必要
である。この必要性は、本発明の化合物のように、2つまたはそれ以上のモノマ
ーから構成され、それぞれのモノマーが1つ以上の可変の置換基を有する複雑な
化合物を合成することになった場合に、特に明らかである。
ペプチドの合成のための固相技術は、広範に開発され、そしてペプチドの組み
合わせライブラリは、大きな成功を収めている。過去4年の間に、ペプチドから
作成された、化学的に合成された組み合わせライブラリ(SCL)の実質的な発展が
あった。合成ペプチド組み合わせライブラリの調製および用途は、例えば、Dool
eyの米国特許第5,367,053号、Huebnerの米国特許第5,182,366号、Appelらの国際
公開公報WO PCT 92/09300、Geysenの公開ヨーロッパ特許出願0 138 855およびPi
rrungの米国特許第5,143,853号に記載されている。このようなSCLは、このよう
なライブラリにおける非常に多くの様々なペプチドの効率的な合成および先導的
な薬学的ペプチドを同定するライブラリの迅速なスクリーニングを提供する。
ペプチドおよびペプチド模倣物の混合物について置換基の制限は、より伝統的
な液相技術にかわる固相技術により克服された。固相技術の開発における重要な
ステップは、例えば、Rutterの米国特許第5,010,175号およびSimonの国際公開公
報WO PCT91/19735号に記載されているように、多数の化合物の可溶性混合物から
活性な個々の化合物を同定する方法の発見であった。しかし、これらの溶液混合
物は、以前は、アミド骨格を有し、それぞれのアミドの窒素上に異なる置換基を
有する化合物には適用されていなかった。現在まで、以前に知られていた方法に
よって、同一の特定の置換基のみを、それぞれそしてすべてのアミド骨格の窒素
原子に加えることができた。従って、このような選択的にN-アルキル化された
アミド化合物を合成する改良された方法が必要であった。
本発明は、これらの必要性を満足し、そして関連する利点もまた提供する。本
発明は、選択的N-アルキル化に関するコンビナトリアルケミストリーの欠点の
公知の制限を克服する。本発明は、ペプチド模倣化合物の固相合成技術と組み合
わせライブラリの一般的合成技術を組み合わせて、新しい選択的N-アルキル化
化合物を調製する。発明の要旨
本発明は、単一の選択的にN-アシル化された化合物、または2つ以上の選択
的にN-アルキル化された式(I)の化合物のほぼ等モル混合物のライブラリ、なら
びにそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和物または水和物に関する。 ここで:
R1およびR2は、独立して、水素原子、アミノ保護基、C1〜C12アシル、C3
〜C10シクロアルキル、C3〜C6ヘテロ環、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換
アルキル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール、C6
〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6〜C15アルキルヘテロ環であり;
R3、R5およびR7は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12
置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16
置換アルキルアリール、C6〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6〜C15ア
ルキルヘテロ環であり;
R4、R6およびR8は、独立して、C1〜C18置換基であり;ただし、R4、R6
およびR8のうちの1つ以外は同時に同一の基ではあり得ず;
R9は、水素原子または固体支持体であり;
R1およびR2が水素原子、アミノ保護基、以外である場合またはR1およびR2
の両方がC1〜C12アシル基である場合に、R10は、必要に応じて、C1〜C18置
換基として存在し;
AA、BB、CCは、独立して0〜5であり;
Bは、0〜3であり;
さらにここで、R3、R5およびR7に結合した炭素における立体化学は、独立
して、RまたはSあるいはその両者の混合物であり;
さらにここで、Bが2または3の場合;各R4およびR5は、同一であってもよ
く、または異なってもよく;
ただし、それぞれ、独立に、R1またはR2は、R3とつながって;R4またはR5
は、R6とつながって;そしてR6、R7とつながって;置換もしくは非置換のピ
ロリジン環を形成し得;
XおよびYは、1)それぞれ、水素原子であるか、または2)一緒になって、カル
ボニル基を表すかのいずれかである。
本発明はまた、上記の化合物のライブラリを以下に説明するように合成する、
繰返しおよび位置スキャニング方法に関する。本発明の他の局面は、以下に説明
する選択的N-アルキル化の方法である。さらに、本発明は、哺乳類に鎮痛効果
を与える方法、哺乳類が炭水化物負荷を摂取した後の哺乳類の食後の血中グルコ
ースレベル上昇の減少を達成する方法、および微生物感染を処置する方法を含み
、これらの方法のすべては、以下に説明するように、上記式の単一の化合物を、
薬学的に受容可能なキャリアとともに投与する工程を包含する。発明の詳細な説明
本発明は、式(I)の単一の化合物または2つ以上の選択的にN-アルキル化され
た化合物のほぼ等モル混合物、ならびにそれらの薬学的に受容可能な塩、溶媒和
物および水和物に関する:
ここで:
R1およびR2は、独立して、水素原子、アミノ保護基、C1〜C12アシル、C3
〜C10シクロアルキル、C3〜C6ヘテロ環、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換
アルキル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール、C6
〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6〜C15アルキルヘテロ環であり;
R3、R5およびR7は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12
置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16
置換アルキルアリール、C6〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6〜C15ア
ルキルヘテロ環であり;
R4、R6およびR8は、独立して、C1〜C18置換基であり;ただし、R4、R6
およびR8のうちの1つ以外は同時に同一の基ではあり得ず;
R9は、水素原子または固体支持体であり;
R1およびR2が水素原子、アミノ保護基、以外である場合またはR1およびR2
の両方がC1〜C12アシル基である場合に、R10は、必要に応じて、C1〜C18置
換基として存在し;
AA、BB、CCは、独立して0〜5であり;
Bは、0〜3であり;
さらにここで、R3、R5およびR7に結合した炭素における立体化学は、独立
して、RまたはSあるいはその両者の混合物であり;
さらにここで、Bが2または3の場合;各R4およびR5は、同一であってもよ
く、または異なってもよく;
ただし、それぞれ、独立的に、R1またはR2は、R3とつながって;R4または
R5は、R6とつながって;そしてR6、R7とつながって;置換もしくは非置換の
ピロリジン環を形成し得;
XおよびYは、1)それぞれ、水素原子であるか、または2)一緒になって、カル
ボニル基を表すかのいずれかである。
上記式Iで使用される用語は、式Iに関連して使用される場合および記載され
る後の式に使用される場合に、以下の意味を有する:
C3〜C10シクロアルキル − 非置換もしくは置換の一もしくは二環式飽和
環。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル
、シクロヘプチル、またはアダマンチルまたは環。ここで置換基は、1つ以上の
ヒドロキシ、ハロ、アミノ、保護アミノ、カルボキシ、保護カルボキシ、アミド
、ニトロ、トリフルオロメチル、フェニル、ヘテロ環式環、C1〜C7アシル、C1
〜C7アルコキシ、またはC1〜C3アルキル基である。
C3〜C6ヘテロ環 − 3〜6個の炭素および1〜3個の窒素、酸素、硫黄原
子を含む、非置換もしくは置換の一もしくは二環式環。例えば、アゼチジン、ピ
ロリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ピペラジン、パーヒドロアゼピンまたは
トロパン、オキサゾール、チアゾール、ピラゾール、チオフェニル、およびピラ
ニル環。ここで置換基は、1つ以上の、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、ハロ、ア
ミノ、保護アミノ、一置換アミノ、二置換アミノ、カルボキシ、保護カルボキシ
、アミド、ニトロ、トリフルオロメチル、フェニル、またはC1〜C3アルキル基
である。
C1〜C12アルキル − 必要に応じてC3〜C7飽和または部分的に飽和の環
を含む、直鎖または枝分かれ状炭素鎖。ここで、炭素鎖はまた、必要に応じて部
分的に不飽和である。例えば、メチル、エチル、tert-ブチル、イソプロピル、6
-(シクロヘキシル)-n-ヘキシル、アリル、n-オクチル、3-(シクロペンチル)-n-
ペンチル、メチルシクロプロピルなど。
用語、C1〜C18置換基は、以下の式の基を示す:
-CH2-W
ここで、Wは、水素原子、C1〜C12アルキル、C3〜C10シクロアルキル、C1
〜C12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、
C7〜C16置換アルキルアリールからなる群から選択される。これらの用語は、
本明細書中で定義される。
用語「C1〜C12置換アルキル」は、上記C1〜C12アルキル基が、1〜3個の
ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アミノ、保護アミノ、グアニジノ、C1
〜C7アシルオキシ、C1〜C7アシル、ニトロ、カルボキシ、保護カルボキシ、
カルボキサミド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、メチルスルホニルアミノ
、またはC1〜C4アルコキシ基で置換されたものを示す。置換アルキル基は同じ
または異なる置換基で、1度または2度置換され得る;
上記置換アルキル基の例としては、以下が挙げられる:シアノメチル、ニトロ
メチル、ヒドロキシメチル、トリチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル
、アミノメチル、カルボキシメチル、アリルオキシカルボニルメチル、アリルオ
キシカルボニルアミノメチル、カルバモイルメチル、メトキシメチル、エトキシ
メチル、t-ブトキシメチル、アセトキシメチル、クロロメチル、ブロモメチル、
ヨードメチル、6-ヒドロキシヘキシル、2,4-ジクロロ(n-ブチル)、2-アミノ(イ
ソ-プロピル)、2-カルバモイルエチルなど。上記「C1〜C6置換アルキル」基の
例の好ましい基は、置換メチル基、言い換えれば、「C1〜C6置換アルキル」基
と同じ置換基で置換されたメチル基が挙げられる。置換メチル基の例は、例えば
、保護ヒドロキシメチル(例えば、テトラヒドロピラニルオキシメチル)、アセト
キシメチル、カルバモイルメチル、クロロメチル、ブロモメチル、およびヨード
メチルの様な基が挙げられる。
用語「置換フェニル」は、1つ以上の、そして好ましくは1つもしくは2つの
、以下からなる群から選択された部分で置換されたフェニル基を特定する:ハロ
ゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、C1
〜C6アルキル、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7アシル、C1〜C7アシルオキシ
、カルボキシ、保護カルボキシ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、
ヒドロキシメチル、保護ヒドロキシメチル、アミノ、保護アミノ、(一置換)アミ
ノ、保護(一置換)アミノ、(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミ
ド、N-(C1〜C6アルキル)カルボキサミド、保護N-(C1〜C6アルキル)カルボキ
サミド、N,N-ジ(C1〜C6アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N-((
C1〜C6アルキル)スルホニル)アミノ、N-(フェニルスルホニル)アミノ、または
フェニル(置換もしくは非置換の、例えば、ビフェニルまたはナフチル基が得ら
れるようなもの)。
用語「置換フェニル」の例は、以下が挙げられる:モノもしくはジ(ハロ)フェ
ニル基、例えば、2、3、もしくは4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,
5-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2、3、もしくは4-ブロモフェニル
、3,4-ジブロモフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2、3、もしくは4-フ
ルオロフェニルなど;モノもしくはジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば、2、3、
もしくは4-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、それらの保護-ヒ
ドロキシ誘導体など;ニトロフェニル基、例えば、2、3、もしくは4-ニトロフェ
ニル;シアノフェニル基、例えば、2、3、もしくは4-シアノフェニル;モノもし
くはジ(アルキル)フェニル基、例えば、2、3、もしくは4-メチルフェニル、2,4-
ジメチルフェニル、2、3、もしくは4-(イソプロピル)フェニル、2、3、もしくは
4-エチルフェニル、2、3、もしくは4-(n-プロピル)フェニルなど;モノもしくは
ジ(アルコキシ)フェニル基、例えば、2,6-ジメトキシフェニル、2、3、もしくは
4-メトキシフェニル、2、3、もしくは4-エトキシフェニル、2、3、もしくは4-(
イソプロポキシ)フェニル、2、3、もしくは4-(t-ブトキシ)フェニル、3-エトキ
シ-4-メトキシフェニルなど:2、3、もしくは4-トリフルオロメチルフェニル;
モノもしくはジカルボキシフェニル、または(保護カルボキシ)フェニル基、例え
ば、2、3、もしくは4-カルボキシフェニル、または2,4-ジ(保護カルボキシ)フェ
ニル;モノもしくはジ(ヒドロキシメチル)フェニル、または(保護ヒドロキシメ
チル)フェニル、例えば、2、3、もしくは4-(保護ヒドロキシメチル)フェニル、
または3,4-ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノもしくはジ(アミノメチル)フェ
ニル、または(保護アミノメチル)フェニル、例えば、2、3、もしくは4-(アミノ
メチル)フェニル、または2,4-(保護アミノメチル)フェニル;またはモノもしく
は
ジ(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば、2、3、もしくは4-(N-(メチ
ルスルホニルアミノ))フェニル。また、用語「置換フェニル」は、二置換フェニ
ル基を表し、ここで置換基は異なる。例えば、3-メチル-4-ヒドロキシフェニル
、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシ-4-ブロモフェニル、4-エチル-2
-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル、2-ヒドロキシ-4-クロ
ロフェニルなど。
用語「ハロ」、および「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨ
ード基をいう。1つ以上のハロゲンがあり得、それらは、同じか、または異なる
。好ましいハロゲンは、クロロおよびフルオロである。
用語「C7〜C16アルキルアリール」は、任意の位置がフェニルまたはナフチ
ル環で置換されたC1〜C6アルキル基をいう。そのような基の例としては、ベン
ジル、2-フェニルエチル、3-フェニル(n-プロピル)、4-フェニルヘキシル、3-フ
ェニル(n-アミル)、3-フェニル(sec-ブチル)などが挙げられる。好ましいC7〜
C16フェニルアルキル基は、ベンジルフェニルエチルナフト-1-イルメチル、お
よびナフト-2-イルメチル基である。
用語「C7〜C16置換アルキルアリール」は、C1〜C6アルキル部分上で、1
つ以上の、そして好ましくは1つまたは2つの、以下から選択される基で置換さ
れたC7〜C16アルキルアリール基をいう:ハロゲン、ヒドロキシ、保護ヒドロ
キシ、オキソ、保護オキソ、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モ
ノ置換)アミノ、(二置換)アミノ、グアニジノ、ヘテロ環式環、置換ヘテロ環式
環、C1〜C7アルコキシ、C1〜C7アシル、C1〜C7アシルオキシ、ニトロ、カ
ルボキシ、保護カルボキシ、カルバモイル、カルボキサミド、保護カルボキサミ
ド、N-(C1〜C6アルキル)カルボキサミド、保護N-C1〜C6アルキル)カルボキ
サミド、N,N-(C1〜C6ジアルキル)カルボキサミド、シアノ、N-((C1〜C6アル
キルスルホニル)アミノ、チオール、C1〜C4アルキルチオ、C1〜C4アルキル
スルホニル基;および/またはフェニル基は、以下から選択される、1つ以上、
そして好ましくは1つまたは2つの置換基で置換され得る:ハロゲン、ヒドロキ
シ、保護ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C1〜C6アルキル、C1〜C7アルコキシ
、C1〜C7アシル、C1〜C7アシルオキシ、カルボキシ、保護カルボキ
シ、カルボキシメチル、保護カルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護ヒドロ
キシメチル、アミノ、保護アミノ、(モノ置換)アミノ、保護(モノ置換)アミノ、
(二置換)アミノ、カルボキサミド、保護カルボキサミド、N-(C1〜C6アルキル)
カルボキサミド、保護N-(C1〜C6アルキル)カルボキサミド、N,N-ジ(C1〜C6
アルキル)カルボキサミド、トリフルオロメチル、N-((C1〜C6アルキル)スルホ
ニル)アミノ、N-(フェニルスルホニル)アミノ、またはフェニル基(ビフェニル
またはナフチル基が得られるために置換もしくは非置換)。置換されたアルキル
またはフェニル基は、1つ以上、そして好ましくは1つまたは2つの置換基で置
換され得、置換基は、同じであってもよく、または異なってもよい。
用語「C7〜C16置換アルキルアリール」は、例えば、以下の基を含む:2-フ
ェニル-1-クロロエチル、2-(4-メトキシフェニル)エチル、4-(2,6-ジヒドロキシ
フェニル)n-ヘキシル、2-(5-シアノ-3-メトキシフェニル)n-ペンチル、3-(2,6ジ
メチルフェニル)n-プロピル、4-クロロ-3-アミノベンジル、6-(4-メトキシフェ
ニル)-3-カルボキシ(n-ヘキシル)、5-(4-アミノメチルフェニル)-3-(アミノメチ
ル)n-ペンチル、5-フェニル-3-オキソ-n-ペント-1-イル、(4-ヒドロキシナフト-
2-イル)メチルなど。
用語「(一置換)アミノ」は、以下からなる群から選択される1つの置換基で置
換されたアミノ基をいう:フェニル、置換フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜
C6置換アルキル、C1〜C7アシル、C2〜C7アルケニル、C2〜C7置換アルケ
ニル、C2〜C7アルキニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキ
ルアリール、およびヘテロ環式環。(モノ置換)アミノは、さらに、用語「保護(
モノ置換)アミノ」に包含されるアミノ-保護基を有し得る。
用語「(二置換)アミノ」は、以下からなる群から選択される2つの置換基で置
換されたアミノ基をいう:フェニル、置換フェニル、C1〜C6アルキル、C1〜
C6置換アルキル、C1〜C7アシル、C2〜C7アルケニル、C2〜C7アルキニル
、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール、およびヘテロ
環式環。2つの置換基は、同じであってもよく、または異なってもよい。
用語「薬学的に受容可能な塩」は、カルボキシレートアニオンとともに形成さ
れるこれらの塩を包含し、そして以下から選択されるような有機および無機カ
チオンとともに形成される塩を含む:例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類
金属(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、バリウム、お
よびカルシウム);アンモニウム;および有機カチオン(例えば、ジベンジルアン
モニウム、ベンジルアンモニウム、2-ヒドロキシエチルアンモニウム、ビス(2-
ヒドロキシエチル)アンモニウム、フェニルエチルベンジルアンモニウム、ジベ
ンジルエチレンジアンモニウムなどのカチオン)。上記の用語に包含される他の
カチオンは、プロカイン、キニン、およびN-メチルグルコサミンのプロトン化形
態、ならびに塩基性アミノ酸(例えば、グリシン、オルニチン、ヒスチジン、フ
ェニルグリシン、リジン、およびアルギニン)のプロトン化形態、ならびに酢酸
様対イオン(例えば、アセテートおよびトリフルオロアセテート)を含む。さらに
、カルボン酸およびアミノ基により形成される本発明の化合物の任意の両性イオ
ン形態は、この用語で呼ばれる。カルボキシレートアニオンに好ましいカチオン
は、ナトリウムカチオンである。さらに、用語は、塩基性基(例えば、アミノ基)
と有機もしくは無機酸との標準的酸-塩基反応により形成する塩を含む。このよ
うな酸には、以下が挙げられる:塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、コハク酸、クエン
酸、乳酸、マレイン酸、フマル酸、パルミチン酸、コール酸、パモイル(pamoic)
酸、ムチン酸、D-グルタミン酸、D-ショウノウ酸、グルタル酸、フタル酸、酒石
酸、ラウリン酸、ステアリン酸、サリチル酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスル
ホン酸、ソルビン酸、ピクリン酸、安息香酸、ケイヒ酸などの酸。
式Iの化合物はまた、溶媒和物および水和物として存在し得る。従って、これ
らの化合物は、例えば、水和の水、または母液溶媒の分子の1つ、複数、または
任意のそれらのフラクションとともに結晶化する。このような化合物の溶媒和物
および水和物は、本発明の範囲内に含まれる。
本明細書中で使用される用語「カルボキシ保護基」は、化合物の他の官能基に
おいて反応が行われる間、カルボン酸基をブロックまたは保護するために一般的
に使用されるカルボン酸基の1つのエステル誘導体をいう。このようなカルボン
酸保護基の例には、以下が挙げられる:t-ブチル、4-ニトロベンジル、4-メトキ
シベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、2,4,6-トリメ
トキシベンジル、2,4,6-トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4-メ
チレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'-ジメトキシトリチル、4,4',4"
-トリメトキシトリチル、2-フェニルプロピル、トリメチルシリル、t-ブチルジ
メチルシリル、フェナシル、2,2,2-トリクロロエチル、β-(トリメチルシリル)
エチル、β-(ジ(n-ブチル)メチルシリル)エチル、p-トルエンスルホニルエチル
、4-ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1-(トリメチルシ
リルメチル)-プロペニルなどの部分。使用されるカルボキシ保護基の種類は、誘
導されたカルボン酸が、後の反応条件に対して安定でありかつ適切な時点で分子
の残りを破壊せずに除去され得る限り重要ではない。これらの基のさらなる例は
、C.B.Reese、およびE.Haslam、「Protective Groups in Organic Chemistry,
」J.G.W.Mc0mie、編、Plenum Press、New York、NY、1973、5章、それぞれ、
ならびにT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Syn
thesis、」第2版,John Wiley and Sons、New York、NY、1991.第5章、これ
らのそれぞれは、本明細書中に参考として援用する。関連する用語「保護カルボ
キシ」は、上記カルボキシ保護基の1つで置換されたカルボキシ基をいう。
用語「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシル基に結合した容易に切断可能な基
をいう。例えば、テトラヒドロピラニル、2-メトキシプロプ-2-イル、1-エトキ
シエト-1-イル、メトキシメチル、β-メトキシエトキシメチル、メチルチオメチ
ル、t-ブチル、t-アミル、トリチル、4-メトキシトリチル、4,4'-ジメトキシト
リチル、4,4',4"-トリメトキシトリチル、ベンジル、アリル、トリメチルシリル
、(t-ブチル)ジメチルシリル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル基など。
ヒドロキシ保護基のさらなる例は、C.B.ReeseおよびE.Haslam、「Protecti
ve Groups in Organic Chemistry、」J.G.W.McOmie、編、Plenum Press、New Y
ork、NY、1973、第3章、および4章、それぞれ、ならびにT.W.GreeneおよびP.
G.M.Wuts、「Protective Groups in Organic Synthesis、」第2版、John Wile
yおよびSons、New York、NY、1991、第2章、および3章。好ましいヒドロキシ-
保護基は、tert-ブチル基である。関連する用語「保護ヒドロキシ」は、上記ヒ
ドロキシ保護基の1つに結合したヒドロキシ基を指す。
本明細書で用いる用語「アミノ保護基」は、分子の他の官能基を反応させる間
、アミノ官能性をブロックまたは保護するために一般的に使用されるアミノ基
の置換基をいう。用語「保護(モノ置換)アミノ」は、アミノ保護基がモノ置換ア
ミノ窒素原子上にあることを意味する。さらに、用語「保護カルボキサミド」は
、アミノ保護基がカルボキサミド窒素上にあることを意味する。
このようなアミノ保護基の例は、以下を含む:ホルミル(「For」)基、トリチ
ル基、フタルイミド基、トリクロロアセチル基、トリフルオロ-アセチル基、ク
ロロアセチル、ブロモアセチル、およびヨードアセチル基、ウレタン-タイプブ
ロッキング基(例えば、t-ブトキシカルボニル(「Boc」)、2-(4-ビフェニリル)プ
ロピル-2-オキシカルボニル(「Bpoc」)、2-フェニルプロピル-2-オキシカルボニ
ル(「Poc」)、2-(4-キセニル)イソプロポキシカルボニル、1,1-ジフェニルエチ
ル-1-オキシカルボニル、1,1-ジフェニルプロピル-1-オキシカルボニル、2-(3,5
-ジメトキシフェニル)プロピル-2-オキシカルボニル(「Ddz」)、2-(p-トルイル)
プロピル-2-オキシカルボニル、シクロペンタニルオキシカルボニル、1-メチル
シクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1-メ
チルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2-メチルシクロヘキサニルオキシカル
ボニル、2-(4-トルイルスルホニル)エトキシカルボニル、2-(メチルスルホニル)
エトキシカルボニル、2-(トリフェニルホスフィノ)エトキシカルボニル、9-フル
オレニルメトキシカルボニル(「Fmoc」)、2-(トリメチルシリル)エトキシカルボ
ニル、アリルオキシカルボニル、1-(トリメチルシリルメチル)プロプ-1-エニル
オキシカルボニル、5-ベンズイソキサリルメトキシカルボニル、4-アセトキシベ
ンジルオキシカルボニル、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2-エチニル-2
-プロポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、イソボルニルオ
キシカルボニル、1-ピペリジルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル(
「Cbz」)、4-フェニルベンジルオキシカルボニル、2-メチルベンジルオキシ-カ
ルボニル、α-2,4,5-テトラメチルベンジルオキシカルボニル(「Tmz」)、4-メト
キシベンジルオキシカルボニル、4-フルオロベンジルオキシカルボニル、4-クロ
ロベンジルオキシカルボニル、3-クロロベンジルオキシカルボニル、2-クロロベ
ンジルオキシカルボニル、2,4-ジクロロベンジルオキシカルボニル、4-ブロモベ
ンジルオキシカルボニル、3-ブロモベンジルオキシカルボニル、4-ニトロベンジ
ルオキシカルボニル、4-シアノベンジルオキシカルボニル、4-(デシルオキシ)ベ
ンジルオキシカルボニルなど;ベンゾイルメチルスルホニル基、2,2,5,7,8-ペン
タメチルクロマン(chroman)-6-スルホニル基(「PMC」)ジチアスクシノイル(「Dt
S」)、2-(ニトロ)フェニルスルフェニル基(「Nps」)、ジフェニル-ホスフィンオ
キシド基、などのアミノ保護基。使用されるアミノ保護基の種類は、誘導される
アミノ基が後の反応条件に対して安定でありかつ適切な時点で化合物の残りを破
壊することなく除去され得る限り、重要ではない。好ましいアミノ保護基は、Bo
c、Cbz、およびFmocである。上記の用語に包含されるアミノ保護基のさらなる例
は、有機合成およびペプチドの分野において周知であり、そして、以下に記載さ
れている:例えば、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、「Protective Groups in O
rganic Synthesis、」第2版、John WileyおよびSons、New York、NY、1991、第
7章、M.Bodanzsky,「Principles of Peptide Synthesis、」第1版および改
訂第2版、Springer-Verlag、New York、NY、1984および1993、ならびにJ.M.Ste
wartおよびJ.D.Young、「Solid Phase Peptide Synthesis、」第2版、Pierce C
hemical Co.、Rockford、IL、1984、E.AthertonおよびR.C.Shephard、「Soli
d Phase Peptide Synthesis-A Practical Approach」IRL Press、Oxford、Engla
nd(1989)、これらのそれぞれは、本明細書中に参考として援用される。関連する
用語「保護アミノ」は、上記説明されたアミノ保護基で置換されるアミノ基を規
定する。
用語「ヘテロ環式」は、必要に応じて置換された、1〜4個のヘテロ原子(例え
ば、酸素、硫黄、および/または窒素、特に窒素を、単独で、あるいは硫黄また
は酸素環原子とともにのいずれかで有する、5員環または6員環を指す。これら
の5員環、または6員環は、飽和、完全な不飽和、または部分的な不飽和であり
得る。完全な飽和環が好ましい。「アミノ-置換ヘテロ環式環」は、上記ヘテロ
環式環の任意の1つが少なくとも1つのアミノ基で置換されていることを意味す
る。好ましいヘテロ環式環としては、モルホリノ、ピペリジニル、ピペラジニル
、テトラヒドロフラノ、ピロロ、およびテトラヒドロチオフェニルが挙げられる
。
さらに、上記必要に応じて置換された5員環または6員環は、必要に応じて芳
香族5員環または6員環系(例えば、ピリジンまたはトリアゾール系、そして好
ましくはベンゼン環)に融合され得る。
以下の環系は、用語「ヘテロ環式環」で示されるヘテロ環式(置換もしくは非
置換)ラジカルの例である:チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラ
ゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、トリア
ゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル
、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、チ
アジニル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、
ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、テトラジニル、チアトリア
ジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピ
リミジル、テトラヒドロピリミジル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル、および
プリニル、ならびにベンゾ融合誘導体、例えば、ベンズオキサゾリル、ベンズチ
アゾリル、ベンズイミダゾリル、およびインドリル。
上記のヘテロ環式環系のさらなる特定の例は、1個〜3個の窒素原子を含む6
員環系である。このような例として、ピリジル(例えば、ピリド-2-イル、ピリ
ド-3-イルおよびピリド-4-イル);ピリミジル(好ましくは、ピリミド-2-イル
およびピリミド-4-イル);トリアジニル(好ましくは、1,3,4-トリアジン-2-イ
ルおよび1,3,5-トリアジン-4-イル);ピリダジニル(特に、ピリダジン-3-イル
)、およびピラジニルが挙げられる。ピリジンN-オキシドおよびピリダジンN-オ
キシド、およびピリジル、ピリミド-2-イル、ピリミド-4-イル、ピリダジニルお
よび1,3,4-トリアジン-2-イルラジカルが、好ましい基である。
必要に応じて置換されたヘテロ環式環系の置換基、および上記の5および6員
環系のさらなる例は、米国特許第4,278,793号(W.Durckheimerら、1981年7月14
日に発行、カラム9〜21およびカラム188〜233)(本明細書中に参考として援用
される)に見出される。(カラム33〜188において、用語「ヘテロ環式環」の例
は、見出し「A」で列挙されているヘテロ環式チオメチル基に含まれる。)
用語「C6〜C15アルキルヘテロ環」は、アルキル鎖の炭素原子(6個まで)
およびヘテロ環の炭素原子の合計が15を超えない限り、上記からのヘテロ環の環
(ヘテロ環、これは14個までの炭素原子を含む)によって任意の位置で置換され
たC1〜C6アルキル基を意味する。同様に、用語「置換C6〜C15アルキルヘテ
ロ環」は、C7〜C16置換アルキルアリール基に関して列挙したのと同一の
置換基によりアルキル部分において、および置換ヘテロ環について上記で定義さ
れたようなヘテロ環において置換されたC6〜C15アルキルヘテロ環基をいう。
上記の単一化合物または2以上の化合物のおよそ等モルの混合物のライブラリ
は、いくつかの好ましい実施態様を有する。特に、単一化合物が示される実施態
様において、単一化合物の好ましいグループは内部アミド化合物である(すなわ
ち、ここでXおよびYは一緒になってカルボニル部分を形成する)。内部アミド
単一化合物の好ましいグループは、二量体である。従って、ここでAAが0また
は1であり得(R7が水素原子であるとき)、およびCCが0または1であり得
る(R3が水素原子であるとき)ことを除いては、B、AA、BBおよびCCは
0である。次いで、内部アミド二量体の好ましいグループは、固体支持体から切
断されそして4級化されていないグループである。従って、ここでR9は水素原
子であり、そしてR10は存在しない。切断された内部アミド二量体単一化合物の
好ましいグループは、R3およびR7が以下からなる群から独立して選択され:S-
またはR-メチル、S-またはR-ベンジル、水素原子、S-またはR-(ブト-2-イル)、S
-またはR-[4-(N-メチルアミノ)-n−ブチル]、S-またはR-[4-(N-エチルアミノ)-n
-ブチル]、S-またはR-[4-(N-アリルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-ベン
ジルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-(ナフト-2-イルメチルアミノ)-n-ブ
チル]、S-またはR-[4-(アミノ)-n−ブチル]、S-またはR-[sec-ブチル]、S-また
はR-(メチルスルフィニル)エト-1-イル、S-またはR-アセトアミド、S-またはR-(
N,N-ジメチル)アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジエチル)アセトアミド、S-また
はR-(N,N-ジアリル)アセトアミド、S-またはR-(N-アリル)アセトアミド、S-また
はR-(N,N-ジベンジル)アセトアミド、S-またはR-(N-ベンジル)アセトアミド、S-
またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル))アセトアミド、S-またはR-(N-(ナフト-
2-イルメチル))アセトアミド、S-またはR-プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-
ジメチル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジエチル)プロピオンアミド、S-
またはR-(N,N-ジアリル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジベンジル)プロピ
オンアミド、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル))プロピオンアミド、S-
またはR-[3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N-ジアリル)-3-グアニ
ジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリアリル)-3-グアニジノ-n-プロピ
ル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリメチル)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-または
R-[(N,N,N'-トリエチル)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-ヒドロキシ
メチル、S-またはR-[1-(ヒドロキシ)エチル]、S-フェニル、S-またはR-[3-(カル
ボキシ)-n-プロピル]、S-またはR-[イソ-プロピル]、S-またはR-[(インドール-3
-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(メチル)インドール-3-イル)メチル]、S-または
R-[(N-(エチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(アリル)インドー
ル-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ベンジル)インドール-3-イル)メチル]、S-
またはR-[(N-(ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-(4
-(メトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(エトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(ア
リルオキシ))ベンジル、S-またはR-[4-ヒドロキシベンジル]、S-またはR-(n-ブ
チル)、S-またはR-(n-プロピル)、S-またはR-[(ナフト-2-イル)メチル];R7が
水素原子であるときAAは0または1であり、R3が水素原子、S-またはR-[シク
ロヘキシルメチル]、S-またはR-チオメチルであるとき、もしくはR1またはR2
のいずれかがR3と一緒になってS-またはR-ピロリジンまたはS-[4-(ヒドロキシ)
ピロリジン]を形成するとき、CCは0または1である、グループである。
切断された内部アミド二量体(以下、「タイプI」アミド二量体)として記載
される単一化合物の特に好ましいグループは、ここでR6およびR8は独立してメ
チル、エチル、アリル、ベンジル、またはナフト-2-イルメチルである。「タイ
プI」アミド二量体の好ましいグループは「タイプIIアミド二量体であり、従っ
て、ここで、R1またはR2のいずれもそれぞれ水素原子であるか、あるいはR1
またはR2のいずれか1つは水素原子であり、そして他はR3と一緒になってS-ピ
ロリジン環を形成する。タイプII内部アミド二量体の好ましいグループは、プロ
リン残基のようなN-末端モノマーであり、従って、ここで、R1またはR2のいず
れか1つは水素原子であり、そして他はR3と一緒になってS-ピロリジン環を形
成する。N-末端プロリンタイプII内部アミド二量体の好ましいグループは以下の
場合に生じる:R6がナフト-2-イルメチルでありそしてR8がベンジルであると
き、そしてより同様にR7がS-またはR-メチル、水素原子、S-またはR-[3-(グア
ニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル]、S-[イソ-
プロピル]、S-[2-(メチルスルフィニル)エチル]、S-またはR-(n-プロピ
ル)、S-またはR-(ヒドロキシメチル)、S-またはR-[n-ブチル]、R-[(ナフト-2-イ
ル)メチル]、またはS-フェニルであるとき、そして特に同様にC-末端残基がS-ま
たはR-アラニン(従って、R7は、S-またはR-メチルである)であるとき。
タイプII内部アミド二量体の別の好ましいグループは、S-フェニルアラニンの
ようなN-末端残基を有し、そしてより同様にここで、R6はエチルでありそして
R8は(ナフト-2-イル)メチルであり、そして特に同様にR7はS-メチル、S-(2-(
メチルスルフィニル)エチル)、水素原子、S-(4-(ヒドロキシ)ベンジル)またはS-
[(ヒドロキシ)メチル]である。この化合物の好ましいグループの範囲内で示され
る特定の化合物は、R7がS-メチルである化合物である。
タイプI内部アミド二量体の別の好ましいグループは、R1およびR2がそれぞ
れ水素原子であり、そしてR3がR-[(N-ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イル
)メチル]であるグループである。このタイプI化合物の好ましいグループの範囲
内で示されるのは、R6がナフト-2-イルメチルでありそしてR8がベンジルであ
り、そして特に同様にR7がS-またはR-[3-(グアニジノ)-n-プロピル]またはS-ま
たはR-[4-(ベンジルアミノ)-n-ブチル]であるグループである。
タイプI内部アミド二量体のさらに別の好ましいグループは、R1またはR2の
いずれか1つが水素原子であるか、あるいはR3と結合してピロリジン環を形成
し、そして他はC1〜C12アシル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C6ヘテロ環
、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、C7〜C16アルキルアリール、
C7〜C16置換アルキルアリール、C6〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6
〜C15アルキルヘテロ環である場合に生じる。
上記の式Iの化合物の別の好ましいグループ(ここで、単一化合物が示される
)は、内部アミン化合物、換言すれば、XおよびYがそれぞれ水素原子である化
合物である。これらの内部アミン化合物の好ましいグループは二量体であり、こ
こで、R7が水素原子であるときAAが0または1であり得、そしてR3が水素原
子であるときCCが0または1であり得ることを除いては、B、AA、BBおよ
びCCは0である。次いで、内部アミン二量体の好ましいグループは、固体支持
体から切断されたグループであり、従って、ここで、R9は水素原子でありそし
てR10は存在しない。切断された内部アミン二量体の好ましいグループは、
R6およびR8が独立してメチル、ベンジルまたは4-ヒドロキシベンジルであるグ
ループである。これらの好ましい切断された内部二量体の好ましいグループは、
以下、「タイプIの切断された内部アミン二量体」として記載される。すなわち
、R3およびR7が独立してベンジルまたは4-ヒドロキシベンジルである。タイプ
Iの切断された内部アミン二量体の好ましいグループは、R8がベンジル、R7が
4-ヒドロキシベンジル、R6がメチル、そしてR3が4-ヒドロキシベンジルである
グループである。これらのタイプIの化合物のより好ましいグループは以下のよ
うなグループである:a)R1およびR2が同一であり、そしてメチルまたは水素
原子である;b)R1またはR2のいずれかが水素原子であり、そして他はメチル
、イソ-プロピル、シクロプロピルメチル、4-ヒドロキシメチル、N-メチルピペ
リジン-4-イル、および3-(N,N-ジメチルアミノ)-2-メチル-プロプ-2-エン-1-イ
ルからなる群より選択される。タイプIの切断された内部アミン二量体の別の好
ましいグループは、R8がメチル、R7がベンジル、R6が4-ヒドロキシベンジル
、そしてR3が4-ヒドロキシベンジルであり、そして特に同様にR1およびR2が
同一であり、そして水素原子またはメチルのいずれかであるか、あるいは、R1
またはR2のうち1つが水素原子であり、そして他はメチルであるグループであ
る。
タイプIの切断された内部アミン二量体のまた別の好ましいグループは、R8
がメチル、R7が4-ヒドロキシメチル、R6がベンジル、そしてR3が4-ヒドロキ
シベンジルであり、そして特に同様にR1およびR2が同一であり水素原子または
メチルのいずれかであるか、あるいはR1またはR2の1つが水素原子であり他は
メチルであるグループである。
式Iによって包含される本発明の範囲内の化合物の別の好ましいクラスは、2
つ以上の化合物のおよそ等モルの混合物のライブラリである。この化合物のライ
ブラリの好ましいグループは、内部アミド化合物(従って、ここで、XおよびY
は一緒になってカルボニル基を形成する)および特に内部アミド二量体(ここで
、R7が水素原子であるときAAが0または1であり得、そしてR3が水素原子で
あるときCCが0または1であり得ることを除いては、B、AA、BBおよびC
Cは0である)である。
内部アミド二量体のライブラリの好ましいグループは、樹脂結合内部アミド二
量体であり、ここで、R9は固体支持体であり、そしてR10は存在しない。これ
らの樹脂結合二量体の好ましいグループは、R3およびR7が独立して、以下から
なる群から選択され:S-またはR-メチル、S-またはR-ベンジル、水素原子、S-ま
たはR-(ブト-2-イル)、S-またはR-[4-(t-ブトキシカルボニルアミノ)-n-ブチル]
、S-またはR-[sec-ブチル]、S-またはR-(メチルスルフィニル)エト-1-イル、S-
またはR-[3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N-PMC)-3-(グアニジノ)-n
-プロピル]、S-またはR-(t-ブチルオキシ)メチル、S-またはR-[2-(t-ブチルオキ
シ)エチル、S-フェニル、S-またはR-[2-(t-ブトキシカルボニル)エチル]、S-ま
たはR-[イソ-プロピル]、S-またはR-[(N-(t-ブトキシカルボニル)インドール-3-
イル)メチル]、S-またはR-[4-ヒドロキシベンジル]、S-またはR-[(4-(t-ブチル
オキシ))ベンジル]、S-またはR-(n-プロピル)、S-またはR-(n-ブチル)、S-また
はR-[(ナフト-2-イル)メチル]、S-またはR-(2-カルボキシエチル)、S-またはR-(
シクロヘキシルメチル)、S-[(4-メトキシベンジルチオ)メチル]、S-またはR-[(4
-メチルベンジルチオ)メチル]、S-またはR-チオメチル、S-またはR-[4-(N-メチ
ル-N-(t-ブトキシカルボニル)アミノ)-n−ブチル]、S-またはR-[4-(N-エチル-N-
(t-ブトキシカルボニル)アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-アリル(N-(t-ブ
トキシカルボニル)アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-ベンジル(N-(t-ブトキ
シカルボニル)アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-(ナフト-2-イル)(N-(t-ブ
トキシカルボニル)アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-アセトアミド、S-またはR-[2
-(N,N-ジメチルアミノ)エチル、S-またはR-(N,N-ジエチル)アセトアミド、S-ま
たはR-(N,N-ジアリル)アセトアミド、S-またはR-(N-アリル)アセトアミド、S-ま
たはR-(N,N-ジベンジル)アセトアミド、S-またはR-(N-ベンジル)アセトアミド、
S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル))アセトアミド、S-またはR-(N-(ナフ
ト-2-イルメチル))アセトアミド、S-またはR-プロピオンアミド、S-またはR-(N,
N-ジメチル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジエチル)プロピオンアミド、S
-またはR-(N,N-ジアリル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジベンジル)プロ
ピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル))プロピオンアミド、S
-またはR-[(N,N'-ジアリル-N-PMC)-3-グアニジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(N,
N',N''-トリメチル-N-PMC)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N',N'
'-トリエチル-N-PMC)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N',N''-ト
リアリル-N-PMC-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(インドール-3-イル
)メチル]、S-またはR-[(N-(メチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N
-(エチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(アリル)インドール-3-
イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ベンジル)インドール-3-イル)メチル]、S-また
はR-[(N-(ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-(4-(メ
トキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(アリルオキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(エ
トキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(ベンゾキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(ナフ
ト-2-イルメトキシ)ベンジル;R7が水素原子であるときAAは0または1であ
り、R3が水素原子、もしくはR1またはR2のいずれかがR3と一緒になってS-ま
たはR-ピロリジンまたはS-[4-(ヒドロキシ)ピロリジン]を形成するとき、CCは
0または1である、グループである。
樹脂結合内部アミド二量体のライブラリ(以下、「タイプI結合アミド二量体
(ライブラリ)」という)のより好ましいグループは、R6およびR8が独立して
メチル、エチル、アリル、ベンジル、またはナフト-2-イルメチルである。タイ
プI結合アミド二量体(ライブラリ)の好ましいグループは、R1またはR2のい
ずれかが水素原子であるかもしくはR3と結合してピロリジン環を形成し、そし
て他はC1〜C12アシル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C6ヘテロ環、C1〜
C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C1 6
置換アルキルアリール、C6〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6〜C15ア
ルキルヘテロ環である基である。
タイプI結合アミド二量体(ライブラリ)の別の好ましいグループは、R1ま
たはR2のいずれもそれぞれ水素原子であるか、あるいはR1またはR2の1つが
水素原子であり、そして他がR3と一緒になってS-ピロリジン環を形成するグル
ープである。
内部アミド二量体(ライブラリ)の別の好ましいグループは、固体支持体から
切断されたグループ(以下、「切断された内部アミド二量体(ライブラリ)」と
いう)であり、そして上記の式Iで、R9は水素でありR10は存在しないグルー
プに相当する。切断された内部アミド二量体の好ましいグループは、R3および
R7が独立して以下からなる群から選択され:S-またはR-メチル、S-またはR-ベ
ンジル、水素原子、S-またはR-(ブト-2-イル)、S-またはR-[4-(N-メチルアミノ)
-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-エチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-N-アリ
ルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル]、S-または
R-[4-(N-ナフト-2-イルメチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(アミノ)-n-ブ
チル]、S-またはR-[sec-ブチル]、S-またはR-(メチルスルフィニル)エト-1-イル
、S-またはR-アセトアミド、S-またはR-[2-(N,N-ジメチル)アセトアミド]、S-ま
たはR-(N,N-ジエチル)アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジアリル)アセトアミド、
S-またはR-(N-アリル)アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジベンジル)アセトアミド
、S-またはR-(N-ベンジルアセトアミド、S-およびR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチ
ル))アセトアミド、S-およびR-(N-(ナフト-2-イルメチル))アセトアミド、S-ま
たはR-(N,N-ジメチル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジエチル)プロピオン
アミド、S-またはR-(N,N-ジアリル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジベン
ジル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル)プロピオン
アミド、S-またはR-[3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N-ジアリル)
-3-グアニジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリアリル)-3-グアニジノ-n
-プロピル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリメチル)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S
-またはR-[(N,N,N'-トリエチル)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-ヒド
ロキシメチル、S-またはR-[1-(ヒドロキシ)エチル]、S-フェニル、S-またはR-[2
-(カルボキシ)エチル]、S-またはR-[イソ-プロピル]、S-またはR-[(インドール-
3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(メチル)インドール-3-イル)メチル]、S-また
はR-[(N-(エチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(アリル)インド
ール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ベンジル)インドール-3-イル)メチル]、
S-またはR-[(N-(ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-
(4-(メトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(エトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(
アリルオキシ))ベンジル、S-またはR-[4-ヒドロキシベンジル]、S-またはR-(n-
ブチル)、S-またはR-(n-プロピル)、S-またはR-[(ナフト-2-イル)メチル];R7
が水素原子であるときAAは0であり、R3が水素原子、S-またはR-(シクロヘ
キシルメチル)、S-またはR-チオメチルであるか、あるいはR1またはR2がR3と
一緒になってS-またはR-ピロリジンまたはS-[4-(ヒドロキシ)ピロリジン]を形成
するとき、CCは0または1である、グループである。
切断された内部二量体(以下、「タイプIの切断されたアミド二量体」という
)のライブラリのより好ましいグループは、R6およびR8が独立してメチル、エ
チル、アリル、ベンジル、またはナフト-2-イルメチルであるグループである。
タイプIの切断されたアミド二量体の特定の例は以下のときに生じる:
(1)R6がナフト-2-イルメチル、R3がR-[(N-(ナフト-2-イルメチル)インドー
ル-3-イル)メチル]であり、そしてR1およびR2が同一でありそれぞれ水素原子
である;
(2)R6がエチルであり、R3がベンジルであり、そしてR1およびR2が同一で
ありそれぞれ水素原子である;
(3)R6がナフト-2-イルメチル、R3がS-メチルであり、R1およびR2が同一
でありそれぞれ水素原子である;そして
(4)R1またはR2のいずれかが水素原子であり、そして他はR3と結合してS-
ピロリジン環を形成し、そしてR6はナフト-2-イルメチルである。
式Iの2つ以上のおよそ等モルの混合物のライブラリ内の化合物の別の好まし
いグループは、内部アミン化合物である。従って、上記の式Iにおいて、Xおよ
びYは同一でありそしてそれぞれ水素原子である。内部アミン化合物の好ましい
ライブラリは、二量体である。つまり、ここで、AAが0または1であり得る場
合(R7が水素原子であるとき)、およびCCが0または1であり得る場合(R3
が水素原子であるとき)を除いては、B、AA、BBおよびCCは0である。好
ましい内部アミン二量体(ライブラリ)は、固体支持体から切断されたものであ
り、ここで、R9は水素原子であり、R10は存在しない。このような切断された
内部アミン二量体の好ましいグループは、R3およびR7が独立して以下からなる
群から選択され:S-またはR-メチル、S-またはR-ベンジル、水素原子、S-または
R-(ブト-2-イル)、S-またはR-[4-(N-メチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(
N-エチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-アリルアミノ)-n-ブチル]、S-ま
たはR-[4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-(ナフト-2-イ
ルメチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[s
ec-ブチル]、S-またはR-(2-アミノエチル)、S-またはR-(メチルスルフィニル)エ
ト-1-イル、S-またはR-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]、S-またはR-(N,N-ジエ
チルアミノ)エチル、S-またはR-(N,N-ジアリルアミノ)エチル、S-またはR-(N-ア
リルアミノ)エチル]、S-またはR-(N,N-ジベンジルアミノ)エチル、S-またはR-(N
-ベンジルアミノ)エチル、S-およびR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチルアミノ))エ
チル、S-およびR-(N-(ナフト-2-イルメチルアミノ))エチル、S-またはR-(N-プ
ロピル)アミン、S-またはR-(N,N-ジメチルアミノ)プロピル、S-またはR-(N,N-ジ
エチルアミノ)プロピル、S-またはR-(N,N-ジアリルアミノ)プロピル、S-またはR
-(N,N-ジベンジルアミノ)プロピル、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチルア
ミノ)プロピル、S-またはR-[3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N-ジ
アリル)-3-グアニジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリアリル)-3-グア
ニジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリメチル)-3-(グアニジノ)-n-プロ
ピル]、S-またはR-[(N,N,N'-トリエチル)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-また
はR-ヒドロキシメチル、S-またはR-[1-(ヒドロキシ)エチル]、S-フェニル、S-ま
たはR-[3-(ヒドロキシ)-n-プロピル]、S-またはR-[イソ-プロピル]、S-またはR-
[(インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(メチル)インドール-3-イル)メ
チル]、S-またはR-[(N-(エチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(
アリル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ベンジル)インドール-3-
イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イル)メチ
ル]、S-またはR-(4-(メトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(エトキシ))ベンジル
、S-またはR-(4-(アリルオキシ))ベンジル、S-またはR-(4-ヒドロキシベンジル)
、S-またはR-(n-ブチル)、S-またはR-(n-プロピル)、S-またはR-[((ナフト-2-イ
ル)メチル];R7が水素原子であるときAAは0または1であり、R3が水素原子
、S-またはR-(シクロヘキシルメチル)、S-またはR-チオメチルであるか、あるい
はR1またはR2がR3と一緒になってS-またはR-ピロリジンまたはS-[4-(ヒドロ
キシ)ピロリジン]を形成するとき、CCは0または1である、グループである。
直前の好ましいグループの範囲内の二量体の好ましいグループは、R6およびR8
が独立してメチル、エチル、アリル、ベンジル、またはナフト-2-イルメチル
であるときに生じる。
内部アミン二量体のライブラリ内の別の好ましいグループは樹脂結合化合物で
ある。従って、ここで、R9は固体支持体であり、そしてR10は存在しない。樹
脂結合内部アミン二量体(ライブラリ)の好ましいグループは、R3およびR7が
独立して以下からなる群から選択され:S-またはR-メチル、S-またはR-ベンジル
、水素原子、S-またはR-(ブト-2-イル)、S-またはR-[4-(N-メチルアミノ)-n-ブチ
ル]、S-またはR-[4-(N,N-ジメチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-エチル
アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-メチル-N-エチルアミノ)-n-ブチル]、S-
またはR-[4-(N-アリルアミノ)-n−ブチル]、S-またはR-[4-(N-メチル-N-アルキ
ルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル]、S-または
R-[4-(N-メチル-N-ベンジルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-(ナフト-2-イ
ルメチルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-メチル-N-ナフト-2-イルメチル
アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[sec-ブチ
ル]、S-またはR-(2-アミノエチル)、S-またはR-(メチルスルフィニル)エト-1-イ
ル、S-またはR-アセトアミド、S-またはR-[2-(N,N-ジメチルアミノ)エチル]、S-
またはR-(N,N-ジエチルアミノ)エチル、S-またはR-(N,N-ジアリルアミノ)エチル
、S-またはR-(n-アリルアミノ)エチル、S-またはR-(N,N-ジベンジルアミノ)エチ
ル、S-またはR-(N-ベンジルアミノ)エチル、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イル
メチルアミノ))エチル、S-またはR-(N-(ナフト-2-イルメチルアミノ))エチル、S
-またはR-(N-プロピルアミン)、S-またはR-プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-
ジメチルアミノ)プロピル、S-またはR-(N,N-ジエチルアミノ)プロピル、S-また
はR-(N,N-ジアリルアミノ)プロピル、S-またはR-(N,N-ジベンジルアミノ)プロピ
ル、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチルアミノ)プロピル、S-またはR-[3-(
N-PMC-グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N'-ジアリル-N-PMC)-3-グアニ
ジノ-n−プロピル]、S-またはR-[(N,N',N''-トリアリル-N-PMC)-3-グアニジノ-n
-プロピル]、S-またはR-[(N,N',N''-トリメチル-N-PMC)-3-(グアニジノ)-n-プロ
ピル]、S-またはR-[(N,N',N''-トリエチル-N-PMC)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]
、S-またはR-ヒドロキシメチル、S-またはR-[1-(ヒドロキシ)エチル]、S-フェニ
ル、S-またはR-[3-(ヒドロキシ)-n-プロピル]、S-またはR-[イソ-プロピル]、S-
または
R-[(インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(メチル)インドール-3-イル)
メチル]、S-またはR-[(N-(エチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-
(アリル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ベンジル)インドール-3-
イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イル)メチ
ル]、S-またはR-(4-(メトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(エトキシ))ベンジル
、S-またはR-(4-(アリルオキシ))ベンジル、S-またはR-[4-ヒドロキシベンジル]
、S-またはR-[n-ブチル]、S-またはR-(n-プロピル)、S-またはR-[(ナフト-2-イ
ル)メチル];R7が水素原子であるときAAは0または1であり、R3が水素原子
、S-またはR-[シクロヘキシルメチル]、S-またはR-[チオメチル]であるか、ある
いはR1またはR2のいずれかがR3と一緒になってS-またはR-ピロリジンまたはS
-[4-(ヒドロキシ)ピロリジン]を形成するとき、CCは0または1である、場合
に生じる。樹脂結合内部アミン二量体のライブラリ中のなおより好ましいグルー
プは、R6およびR8が独立してメチル、エチル、アリル、ベンジル、またはナフ
ト-2-イルメチルであるとき、生じる。
本発明の別の局面は、哺乳動物において鎮痛をもたらすための方法であり、こ
の方法は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて式Iの単一化合物の有効
量を投与する工程を包含する。哺乳動物における鎮痛をもたらす好ましい方法は
、内部アミド二量体であり、さらにAA、BBおよびCCが0であり、R9が水
素原子、R8がナフト-2-イルメチル、R7がS-メチル、R6がエチル、R3がS-ベ
ンジル、そしてR1およびR2がそれぞれ水素原子である、単一化合物が用いられ
るときに起こる。哺乳動物において鎮痛をもたらす別の好ましい方法は、単一内
部アミン二量体を利用する。ここで、単一内部アミン二量体はさらに、R9が水
素原子、R8がベンジル、R7がS-メチル、R6がナフト-2-イルメチル、R3がR1
またはR2のいずれかと一緒になってS-ピロリジン環を形成し、R1およびR2の
他方は水素原子である。
本発明の別の局面は、哺乳動物による炭水化物負荷の食物摂取後の、哺乳動物
の血糖の食後の上昇を低下させる方法である。この方法は、薬学的に受容可能な
キャリアと組み合わせて式Iの単一化合物の有効量を投与する工程を包含する。
哺乳動物の血糖の食後の上昇を低下させる好ましい方法は、単一化合物が一緒に
なってカルボニル基を形成するXおよびYを有し、B、AA、BBおよびCCが
0であり、R9が水素原子、R8がベンジル、R6がナフト-2-イルメチル、R3がR
-(N-ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イルメチル)、R1およびR2がそれぞれ
水素原子、R10が存在せず、そしてR7がS-(4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル)、
R-(4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル)、S-(3-グアニジノ)-n-プロピル、およびR-
(3-グアニジノ)-n-プロピルからなる群から選択されるとき、起こる。
本発明のさらに別の局面は、哺乳動物の微生物感染を処置する方法である。こ
の方法は、薬学的に受容可能なキャリアと組み合わせて式Iの単一化合物の有効
量を投与する工程を包含する。哺乳動物の微生物感染を処置する好ましい方法は
、単一化合物が一緒になってカルボニル基を形成するXおよびYを有し、B、A
A、BBおよびCCが0であり、R9が水素原子、R8がベンジル、R6がナフト-
2-イルメチル、R3がR-(N-(ナフト-2-イルメチル)インドール-3-イルメチル)、
R1およびR2がそれぞれ水素原子、R10が存在せず、そしてR7がS-(4-(N-ベン
ジルアミノ)-n-ブチル)、R-(4-(N-ベンジルアミノ)-n-ブチル)、S-(3-グアニジ
ノ)-n-プロピル、およびR-(3-グアニジノ)-n-プロピルからなる群から選択され
るとき、起こる。
本発明の別の局面は、式(II)の化合物のN-末端残基のアミド結合の逐次的(ste
p-wise)N-アルキル化の方法である:
ここで:
R11は独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フ
ェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルア
リール、C6〜C15アルキルヘテロ環(heterocycleal)、または置換C6〜C15ア
ルキルヘテロ環である;
ZZは、0〜5である;
そして、R12は、固体支持体または以下の式(III)の基である:
ここで、R14はC1〜C18置換基である;
ここで、Wは、0〜4である;
R13は独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フ
ェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルア
リール、C6〜C15アルキルヘテロ環、または置換C6〜C15アルキルヘテロ環で
ある;
R15は固体支持体(Wが1のとき)、または前述のメチレン基への結合(Wが
2〜4のとき)である;
YYは0〜5である;
ここで、上式の化合物は、a)まず、不活性雰囲気の無水条件下で、約18〜約
40の間のpKaを有する過剰量の非求核性塩基と反応させ;次いでb)得られた
アニオンを、極性非プロトン性溶媒中、不活性雰囲気の無水条件下で、過剰量の
以下の式のアルキル化試剤
(LG)−Q
ここで、LGは脱離基である;
Qは、式(I)について上記で規定したようなC1〜C18置換基である;と反応
させ、
そして、工程a)およびb)をアルキル化が完了するのに必要なだけ繰り返す
;
ただし、全ての前述の内部骨格アミド結合は、C1〜C18置換基であらかじめ
アルキル化されており、そしてWが2〜4である場合、すべてのR14基は同一の
C1〜C18置換基でない。
逐次的N-アルキル化の好ましい方法は、LGがヨードまたはブロモであり、そ
して-CH2-Q部分がメチル、エチル、アリル、ベンジルまたはナフト-2-イルメチ
ルであるときに起こる。逐次的N-アルキル化のさらなる好ましい方法は、R11お
よびR13が独立して以下からなる群から選択され:S-またはR-メチル、S-または
R-ベンジル、水素原子、S-またはR-(ブト-2-イル)、S-またはR-[4-(t-ブトキシ
カルボニルアミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-
[sec-ブチル]、S-またはR-(メチルスルフィニル)エト-1-イル、S-またはR-[3-(
グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N-PMC)-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、
S-またはR-(t-ブトキシ)メチル、S-またはR-[2-(t-ブトキシ)エチル]、S-フェニ
ル、S-またはR-(3-(2-ブトキシカルボニル)エチル)、S-またはR-[イソ-プロピル
]、S-またはR-[(N-(t-ブトキシカルボニル)インドール-3-イル)メチル]、S-また
はR-[4-ヒドロキシベンジル]、S-またはR-[(4-(t-ブトキシ))ベンジル]、S-また
はR-[n-プロピル]、S-またはR-(n-ブチル)、S-またはR-[(ナフト-2-イル)メチル
]、S-またはR-(シクロヘキシルメチル)、S-[(4-メトキシベンジルチオ)メ
チル]、S-[(4-メチルベンジルチオ)メチル]、S-またはR-チオメチル、S-またはR
-[4-(N-メチル-(N-(t-ブトキシカルボニル))アミノ)-n−ブチル]、S-またはR-[4
-(N-エチル-(N-(t-ブトキシカルボニル))アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-
アリル-(N-(t-ブトキシカルボニル))アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-ベン
ジル-(N-(t-ブトキシカルボニル))アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[4-(N-(ナフ
ト-2-イル)-(N-(t-ブトキシカルボニル))アミノ)-n-ブチル]、S-またはR-[2-(N,
N-ジメチル)アセトアミド]、S-またはR-アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジエチ
ル)アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジアリル)アセトアミド、S-またはR-(n-アリ
ル)アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジベンジル)アセトアミド、S-またはR-(N-ベ
ンジル)アセトアミド、S-またはR-(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル))アセトアミド
、S-またはR-(N-(ナフト-2-イルメチル))アセトアミド、S-またはR-n-プロピル
アミン、S-またはR-プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジメチル)プロピオンア
ミド、S-またはR-(N,N-ジエチル)プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジアリル)
プロピオンアミド、S-またはR-(N,N-ジベンジル)プロピオンアミド、S-またはR-
(N,N-ジ(ナフト-2-イルメチル)プロピオンアミド、S-またはR-[(N,N'-ジアリル-
N-PMC)-3−グアニジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N',N''-トリメチル-N-PMC)
-3-(グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N',N''-トリエチル-N-PMC)-3-(
グアニジノ)-n-プロピル]、S-またはR-[(N,N',N''-トリアリル-N-PMC)-3-グアニ
ジノ-n-プロピル]、S-またはR-[(インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(
メチル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(エチル)インドール-3-イ
ル)メチル]、S-またはR-[(N-(アリル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[
(N-(ベンジル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-[(N-(ナフト-2-イルメチ
ル)インドール-3-イル)メチル]、S-またはR-(4-(メトキシ))ベンジル、S-または
R-(4-(エトキシ))ベンジル、S-またはR-(4-(アリルオキシ))ベンジル、S-または
R-(4-(ベンズオキシ)ベンジル、S-またはR-(4-(ナフト-2-イルメトキシ(ylnetho
xy))ベンジル;R11が水素原子であるときZZは1または0であり、R13が水素
原子であるとき、あるいはいずれかのR13がR14と一緒になってS-またはR-ピロ
リジンまたはS-[4-(ヒドロキシ)ピロリジン]を形成するとき、YYは1または0
である、場合に生じる。
本発明の別の局面は、位置スキャニング(positional scanning)方法を利用し
、そしてほぼ等モル量の以下の式(IV)の化合物のライブラリの合成方法および
生物学的活性の試験方法である: ここで、上記式(IV)では:
R19、R21およびR23は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換
アルキル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換ア
ルキルアリール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環で
あり;
R25は、水素原子または固体支持体であり;
R20、R22およびR24は、独立して、C1〜C18置換基であり;
AA、BBおよびCCは、独立して、0〜5であり;
Bは、0〜3であり;
XおよびYは、一緒になって、カルボニル基を形成するか、または別々に、それ
ぞれが、水素原子であり;
R16、R17およびR18は、独立して、水素原子、アミノ保護基、C1〜C12アシル、
C3〜C10シクロアルキル、C3〜C6複素環、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキ
ル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール、C6〜C15アルキ
ル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;R16は、R1およびR2が水素
原子またはアミノ保護基以外のとき、必要に応じて、C1〜C18置換基として存在
し;
ここで、該化合物ライブラリは、物理的に別個のSLサブライブラリから構成さ
れ;ここで、SLは、(2B+4)に等しく;
さらに、ここで、各サブライブラリは、物理的に別個の混合物から構成され、
ここで、該混合物の数は、Rfixに含まれる異なる置換基の数に等しく、このRfi x
は、上記式IVのR19、R20、R21、R22、R23またはR24のいずれか1個であり得る
;
ここで、上記式IVの化合物は、以下のようにして合成され試験される:
(a)各サブライブラリSLについて、R19、R20、R21、R22、R23またはR24から
Rfixを選択する工程;
(b)固体支持体を、ほぼ同じ別個の部分に分割することであって、この部分
の数は、R23にて含まれる置換基の数に等しく、そして固体支持体の各物理的に
別個の部分を、R23に単一置換基を含有するモノマーの1個とカップリングし、
次いで、該物理的に別個の部分の全てを混合する工程;
(c)工程(a)からの混合固体支持体を、アルキル化によりR24に含まれる異な
る置換基の数と等しい数で、ほぼ同じ別個の部分に分割し、各物理的に別個の固
体支持体混合物を、1個のアルキル基でアルキル化し、次いで、該樹脂を混合す
る工程;
(d)Bが1〜3のとき、該固体支持体部分のそれぞれを、一定数のほぼ同じ
別個の部分に分割し、該数は、R21での置換基の数に等しく、単一置換基R23を含
有するモノマーの1個を、各別個の固体支持体部分とカップリングし、次いで、
該部分を混合する工程;
(e)Bが1〜3のとき、該固体支持体部分の混合物を、一定数のほぼ同じ別
個の部分に分割し、該数は、R20でのアルキル置換基の数に等しく、各物理的に
別個の部分を、1個のこのようなアルキル化剤でアルキル化し、そして得られた
全ての固体支持体部分を混合する工程;
(f)Bが2または3のとき、必要に応じて、工程(d)および(e)を、それぞれ
、1回または2回繰り返す工程;
(g)工程(c)、工程(e)または工程(f)のいずれかから得た固体支持体の混合
物を、R19にて配置した置換基の数に等しいほぼ同じ別個の部分に分割し、単一
のR19を含有する1個のこのようなモノマーを、各物理的に別個の固体支持体部
分とカップリングし、そして該部分を混合する工程;
(h)工程(g)由来の部分の混合物を、一定数のほぼ同じ別個の部分に分割し
、該数は、使用するR22でのアルキル置換基の数に等しく、各該別個の部分を、
単
一のアルキル基R22でアルキル化する工程;
(i)必要に応じて、還元アルキル化により、R17および/またはR18を付加す
る工程;
(j)必要に応じて、四級置換基R16を付加する工程;
(k)必要に応じて、その内部アミドを還元し、それにより、XおよびYを一緒
にカルボニル酸素に転化する工程であって、ここで、各XおよびYは、水素原子で
ある、工程;および
(l)この固体支持体から該分子を切り離す工程;
(m)各SLサブライブラリの各部分を、適切な生物学的スクリーニングで試験
し、そして該スクリーニングの結果から、Rfixにてどの置換基が最良であるかを
決定する工程;
(n)必要に応じて、R19、R20、R21、R22、R23またはR24にて、最良の(Rfix)
置換基を含む式(I)の分子を合成する工程であって、
但し、各サブライブラリSLについて、Rfixの導入の直後に続いての第一の固体
支持体を混合する工程は、省略する。
さらに、ここで:
(1)上記一連の工程((b)、(d)、(f)および(g))での各カップリング工程は、
式(V)の基質と:
過剰の活性アシル化形態の式(VI)のモノマーとを反応させる(involve): ここで、上記式(V)および(VI)では:
SSは、固体支持体であり;
R26は、それぞれ、窒素原子に結合した2個の水素原子であり;
R28は、C1〜C18置換基であり;
R27は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール
、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;
RVARは、R27と同一であっても異なってもよく、R27と同じ置換基の群から選択
され;
DDおよびEEは、独立して、0〜5であり;
XおよびYは、共に一緒になって、カルボニル酸素を形成し;
PGは、トリチル以外のアミノ保護基であり;
Aは、前出のカルボニル基と一緒になった場合、活性アシル化剤を形成する基
であり;そして
Cは、0〜4であり;
(2)上記工程(c)、(e)、(f)および(h)での各アルキル化工程は、極性の非プ
ロトン性溶媒中で、無水条件および不活性雰囲気下にて、式(VII)の基質と:過剰の式(VIII)のアルキル化剤とを反応させることを必要とし:
ここで、上記式(VII)および(VIII)では:
LGは、このアルキル化条件下での脱離基であり;
Qは、式(I)で上で定義したC1〜C18置換基であり;
FFは、0〜5であり;
XおよびYは、一緒になって、カルボニル酸素を形成し;
R31は、R29がトリチル基またはC1〜C18置換基のとき、水素原子であり;
R30は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール
、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;そして
R29は、R31が水素原子または式(IX)の基のとき、トリチル基であり: ここで、上記式(IX)では:
XおよびYは、上記XおよびYと同じであり;
GGは、0〜5であり;
Cは、1〜4であり;
R33は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール
、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;そして
R32は、R32がN-末端アミノ基と結合しているなら、水素原子であり、そうでな
いなら、C1〜C18置換基であり、ここで、1個のこのようなC1〜C18置換基は、他
の置換基とは異なる;
(3)穏やかな酸性条件下での、R34基および/またはR35基を含有するケトン
またはアルデヒドを用いた、式(X)の化合物の工程(i)での上記N-末端窒素基の
還元アルキル化であって:
続いて、還元剤が処理され;
ここで、上記式(X)では:
XおよびYは、一緒になって、カルボニル酸素を形成し;
HH、IIおよびJJは、独立して、0〜5であり;
Bは、0〜3であり;
R39、R41およびR37は、同一または異なり、独立して、水素原子、C1〜C12アル
キル、C1〜C12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリー
ル、C7〜C16置換アルキルアリール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C1 5
アルキル複素環からなる群から選択され;
R40およびR42は、異なり、C1〜C18置換基であり;
R34およびR35は、Bが0である場合、必要に応じて、窒素原子に結合した1個
または2個の水素原子であり、または必要に応じて、1個以上の同一または異な
る基であり、水素原子、アミノ保護基、C1〜C12アシル、C3〜C10シクロアルキル
、C3〜C6複素環、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、C7〜C16アルキルア
リール、C7〜C16置換アルキルアリール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6
〜C15アルキル複素環からなる群から選択され;
R36は、水素またはこの還元が起こる前でBが1〜3のとき、R34またはR35への
結合であり;R38は、少なくとも1個の他のR40基、R42基またはR38基とは異なる
C1〜C18置換基である;
(4)この固体支持体から切り離す前または後での、ホウ素還元剤を用いた、
式(X)の化合物の工程(j)での上記アミド結合の任意の還元であって、ここで、X
およびYは、一緒になって、カルボニル基を形成する;
(5)極性の非プロトン性溶媒中での、過剰量の次式の上記アルキル化剤での
末端アミノ基の任意の四級化であって:
ここで、(LG)およびQは、上記と同じ意味を有する。
上記の位置スキャニング方法では、R34、R35およびR36での置換基は、サブラ
イブラリSLの数が、これらの3個の「R」基のいくつを変えるかに依存して、そ
れぞれ、1個、2個または3個だけ増えるように、「Rfix」として表わすことが
できることは、当業者に明らかである。
本発明のさらに他の局面は、繰り返し合成手法であり、ここで、ほぼ等モル量
の式(XI)の化合物のライブラリの繰り返し合成およびスクリーニング方法である
:
ここで、上記式(XI)では:
R48は、水素原子または固体支持体であり;
R45およびR47は、異なり、それぞれ、C1〜C18置換基であり;
KKおよびLLは、独立して、0〜5であり;
R44およびR46は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキ
ル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アル
キルアリール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環から
なる群から選択され;
XおよびYは、共に一緒になって、カルボニル基を形成するか、または別々に、
それぞれが、水素原子であり;
R43は、1個または2個の水素原子、または式Ra、RbおよびRcの基であり、こ
こで、RaおよびRbは、独立して、水素原子、アミノ保護基、C1〜C12アシル、C3
〜C10シクロアルキル、C3〜C6複素環、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル
、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール、C6〜C15アルキル
複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;Rcは、RaおよびRbが水素原
子またはアミノ保護基以外のとき、必要に応じて、C1〜C18置換基として存在す
る;そして
ここで、この方法は、以下を包含する:
(a)固体支持体を、ほぼ同じ別個の部分に分割する工程であって、該部分の
数は、R46にて異なる置換基を含有するモノマーの数に等しい、工程;
(b)R46での多くの置換基の1個を含有するモノマーを、この固体支持体の
別個の部分とカップリングする工程;
(c)この固体支持体の別個の部分の全てを混合する工程;
(d)この固体支持体混合物を、ほぼ同じ別個の部分に分割する工程であって
、この部分の数は、R47で付加した異なる置換基の数に等しい、工程;
(e)各固体支持体の別個の部分を、単一のアルキル化剤でアルキル化する工
程であって、各アルキル化剤は、R47にて独特のアルキル基を含有し、それによ
り、R47での単一のアルキル基を、各別個の固体支持体の部分に結合した複数の
化合物に付加する、工程;
(f)この固体支持体の別個の部分の全てを混合する工程;
(g)この固体支持体混合物を、ほぼ同じ別個の部分に分割する工程であって
、この部分の数は、R44にて付加した異なる置換基の数に等しい、工程;
(h)R44にて単一の置換基を含有する各モノマーを、この固体支持体の別個
の部分とカップリングし、それにより、単一の異なるモノマーを、この樹脂の各
別個の部分に結合した複数の化合物とカップリングする、工程;
(i)各固体支持体の別個の部分のそれぞれを、一定数のほぼ同じ物理的に別
個の部分に分割する工程であって、ここで、この部分の数は、R45にてアルキル
化により付加される異なる置換基の数に等しい、工程;
(j)各固体支持体の別個の部分を、単一の異なるR45基を含有する別個のア
ルキル化剤でアルキル化して、それにより、R45での単一の異なるアルキル基を
、この樹脂の各別個の部分に結合した複数の化合物に付加する、工程;
(k)生成した式(XI)の化合物混合物を、固体支持体の各別個の部分から切り
離し、そして各固体支持体の別個の部分からの各別個の混合物を、適切な生物学
的スクリーニング(単数または複数)で試験し、そして該スクリーニングの結果
から、どの混合物が、R44およびR45にて置換基の最良の組合せを含有するかを決
定する、工程;
(l)工程(a)〜(e)を繰り返す工程であって、ここで、R46およびR47での置換
基は、該最初の工程(a)〜(e)で使用したものと同じである、工程;
(m)最も活性なR44置換基を含有するモノマーを、工程(l)からの樹脂の各別
個の部分とカップリングする工程;
(n)工程(m)からの各部分を、R45において、工程(k)で決定した最良のアル
キル基でアルキル化する工程;
(o)上記式(XI)の化合物の各別個の混合物を、この固体支持体から切り離し
、化合物の各別個の混合物を、工程(k)と同じ生物学的スクリーニングで試験し
、そしてこれらのスクリーニングにて、R47での最も活性な置換基を決定する工
程;
(p)工程(a)および(b)を繰り返す工程であって、ここで、最初の工程(a)と
同じ群の種々の置換基R46を含有するモノマーが使用される、工程;
(q)工程(p)からの各別個の樹脂部分を、アルキル化剤でアルキル化して、
工程(o)で決定したような最良のアルキル基を、R47に配置する工程;
(r)各別個の樹脂部分に、工程(k)で決定したような最良のR44置換基を含有
するモノマーをカップリングする工程;
(s)各別個の樹脂部分を、工程(k)で決定したような最良のアルキル基R45の
基でアルキル化する工程;
(t)各別個の化合物を、この固体支持体から切り離し、そしてR46での最良
の置換基を決定するために、工程(o)および(k)と同じスクリーニングにて、各化
合物の別個の混合物を別々に試験する工程;
(aa)必要に応じて、この固体支持体からの化合物の切断の前または後のい
ずれかにて、このN-末端アミノ基(R43)を還元的にアルキル化し、そして四級化
する工程;および
(bb)必要に応じて、式(XI)のXおよびYがそれぞれ水素原子となるように、
この固体支持体からの化合物の切断の前または後に、この内部アミド基を還元す
る工程;
さらに、ここで:
(1)上記各カップリング工程(b)、(h)、(l)、(m)、(p)または(r)は、式(XII
)の基質と:
過剰の活性アシル化形態の式(XIII)モノマーとを反応させる(involve):
ここで、上記式(XII)および(XIII)では:
SSは、固体支持体であり;
R49は、2個の水素原子であり;
R51は、C1〜C18置換基であり;
R50は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール
、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;
RVAR2は、R50と同一であっても異なってもよく、R50と同じ置換基の群から選
択され;
MMおよびNNは、独立して、0〜5であり;
XおよびYは、一緒になってカルボニル基を形成するか、または別々に、それぞ
れが、水素原子であり;
PGは、トリチル以外のアミノ保護基であり;
Aは、前出のカルボニル基と一緒になったとき、活性アシル化剤を形成する基
であり;そして
Cは、0または1である;
(2)上記各アルキル化工程(e)、(j)、(l)、(m)、(q)および(s)のそれぞれは
、極性の非プロトン性溶媒中で、無水条件および不活性雰囲気下にて、式(XIV)
の基質と:
過剰の式(XV)のアルキル化剤とを反応させることを必要とする:
ここで、上記式(XIV)および(XV)では:
LGは、このアルキル化条件下での脱離基であり;
Qは、C1〜C18置換基であり;
OOは、0〜5であり;
XおよびYは、一緒になって、カルボニル基を形成するか、または別々に、それ
ぞれが、水素原子であり;
R54は、R52がトリチル基またはC1〜C18置換基のとき、水素原子であり;
R53は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリール
、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環であり;そして
R52は、R54が水素原子または式(XVI)の基のとき、トリチル基であり: ここで、上記式(XVI)では:
XおよびYは、上記XおよびYと同じであり;
PPは、0〜5であり;
R55は、トリチル基であり;
R56は、独立して、水素原子、C1〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェ
ニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換アルキルアリ
ール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環である;そし
て
(3)穏やかな酸性条件下での、R1基および/またはR2基を含有するケトンま
たはアルデヒドを用いた、式(XVII)の化合物のN-末端窒素基の任意の還元アルキ
ル化であって:
これに、還元剤を用いる処理が続き;
ここで、上記式(XVII)では:
XおよびYは、一緒になって、カルボニル基を形成し;
QQおよびRRは、独立して、0〜5であり;
R58およびR60は、同一であるかまたは異なり、独立して、水素原子、C1〜C12
アルキル、C1〜C12置換アルキル、フェニル、置換フェニル、C7〜C16アルキルア
リール、C7〜C16置換アルキルアリール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6
〜C15アルキル複素環からなる群から選択され;
R59およびR61は、同一であるかまたは異なり、C1〜C18置換基である;
R57は、窒素原子に結合した2個の水素原子であるか、または単一の水素原子
および窒素原子に結合した他の基であるかのいずれかであり、この基は、水素原
子、アミノ保護基、C1〜C12アシル、C3〜C10シクロアルキル、C3〜C6複素環、C1
〜C12アルキル、C1〜C12置換アルキル、C7〜C16アルキルアリール、C7〜C16置換
アルキルアリール、C6〜C15アルキル複素環、または置換C6〜C15アルキル複素環
からなる群から選択される;
(4)固体支持体から切断する前または後での、ホウ素ベースの還元剤(例え
ば、ボランまたはホウ水素化ナトリウムなど)を用いた、式(XI)の化合物のアミ
ド結合の必要に応じた還元。
上記繰り返しの合成アプローチでは、方法が、式Iの化合物の全てのライブラ
リを包含するように、言い換えれば、カップリング工程;上記のアルキル化およ
びテスト工程を繰り返すことが、式Iの範囲内の化合物(ここで、Bは、1、2
または3である)に適用されるように、容易に拡張し得ることは、当業者に自明
である。さらに、R1、R2およびR10での置換基が、上記繰り返し方法により合成
およびスクリーニングされ得る別個の変数であることは、当業者に自明である。
これらの置換基は、もし存在するなら、それらの分子内での位置によって、その
N-末端モノマーおよび付随するN-アルキル基を決定する前に、最良の置換基を見
出すようにスクリーニングされる。
最後に、当業者は、財源および時間を節約するために、上記の繰り返し手法お
よび位置スキャニング手法を組み合わせ得る。例えば、上記式IのBが1、2ま
たは3であるライブラリでは、繰り返し手法は、最後の2個の可変置換基上の最
適置換基を決定するのに使用され得、残りの位置での最適置換基は、位置スキャ
ニング手法により決定し得る。
同時複数固相方法論(Merrifield、R.B.、J .Am.Chem.Soc.、85:2149(1963)
)は、式Iで示したペプチド模倣物ライブラリを合成し設計するのに使用される
基礎技術であった。固相ベースの合成方法は、各アミド結合を、その形成に続い
て連続的にアルキル化するために開発された。このライブラリでは、高められた
分子多様性を作り出すため、およびアミド官能性の水素結合の能力を除去するた
めに、異なるアルキル化剤が使用されていた。必要に応じて、N-末端窒素は、還
元的にアルキル化および四級化され得、内部アミド結合が還元され得る(すなわ
ち、XおよびYは、それぞれ、水素原子である)。式Iでは、Bが2または3の
とき、R4およびR5は、分子内に存在する他のR4基およびR5基と同じでなくて
もよい。固体支持体からの切断により、式Iのペプチド模倣物が生じた(ここで
、R9は、水素であり、それぞれ、そのアミノ酸側鎖位置(R3、R5およびR7)
、アミドアルキル基(R4、R6およびR8)およびN−末端基(R1、R2および
R10)で、多様な位置を有する)。
ペプチドを溶液中で過メチル化する非常に多くの方法(Hakomori、S.-I.、J .B iochem
55:205(1964);Vilkas,E.ら、Tetrahedron Letters、26:3089(196
8);Challis、B.C.ら、The Chemistry of Amides、Zabicky,J.著;Interscienc
e:New York、1970、pp.731-857)が知られているものの、アミドアニオンの形
成のための水素化ナトリウムを用いた樹脂結合ペプチドの過メチル化は、最近、
報告されたにすぎない(Ostreshら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:11138-11142(1
994))。固体支持体上の各アミノ酸カップリングに続いた逐次的なアルキル化の
目的上、リチウムt-ブトキシドは、アミドアニオンの連続形成に対してより効果
的であることが分かった。
このライブラリの合成の重要な前提条件として、固相結合アミノ酸またはペプ
チドの塩基処理には、N-アミドアルキル化の再現可能条件を確立しなければなら
なかった。これらの反応は、無水窒素雰囲気下にて行なわれ、そして目的のアミ
ノ酸またはペプチド樹脂は、テトラヒドロフラン中の過剰のリチウムt-ブトキシ
ドで処理された。過剰の塩基の除去に続いて、非プロトン性極性溶媒(例えば、
ジメチルスルホキシド)中のアルキル化剤を、樹脂結合化合物と反応させた。次
いで、アルキル化反応混合物を除去し、そして塩基およびアルキル化処理を繰り
返して、アルキル化反応を完結させた。アルキル化中に起こり得るラセミ化は、
逆相高速液体クロマトグラフィー分析(RP-HPLC)を用いて研究された。参照標準
として、Phe-Leu-NH2の4つの可能な過メチル化立体異性体を使用した。(Ostres
h、J.M.ら、Peptides 94 :Proceedings of the 23rd European Peptide Symposi um
、Maia,H.L.S.編;Escom:Leiden、1995、pp.416-417)。繰り返し塩基およ
びメチル化処理に続いて見出されるラセミ化の最大割合は、1%未満であった。
式Iの選択的N-アルキル化化合物の合成技術は、上で述べた選択的N-アルキル
化手順を除いて、当該技術分野で周知である。これらの技術は、好都合には、ス
キーム1に関連して説明され得る:
上記スキーム1では、反応「i」は、ペプチド様残基のC-末端とアミノ誘導体
化固体支持体とのカップリングを表わす。例えば、塩基または弱酸不安定保護基
(例えば、Fmoc)で保護されたアミノ末端を有するペプチド様残基を、公知の試薬
および条件を用いて、その場で、良好なアシル化剤に転化する。このような試薬
には、非プロトン性極性溶媒(例えば、DMF)中のカルボジイミド試薬(例えば、1-
ヒドロキシベンゾトリアゾールと組み合わせたN,N'-ジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)およびN,N'-ジイソ-プロピルカルボジイミド)が挙げられる。(必要
なら、このようなカップリングを繰り返した)。スキーム1で「ii」として標識
した反応では、N-末端保護基を除去し、そしてトリチル基で置き換え、これは、
次の選択的な内部N-アルキル化工程中に、このような基を保護することが分かっ
た。無水条件および不活性雰囲気下では、トリチル化残基を、極性非プロトン性
溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中にて、過剰量のリチウムt-ブトキシドで処
理し、続いて、次式の過剰のアルキル化剤を添加した:
ここで、LGは、反応のSn2条件下で良好な脱離基(例えば、ブロモ、ヨード、ト
シル、トリフレートなど)であり、そしてQは、式IのR4、R6およびR8の「C1
〜C18置換基」に関連して上で記述したように、C1〜C18の線状、分枝状、環
状の飽和、部分不飽和または完全不飽和アルキル基を形成する。このようなアル
キル化条件の複数回の繰り返しが、しばしば、必要である。上記スキーム1で「
iii」として示した反応は、直前のN-アルキル化樹脂結合残基に、(式IIで定義し
たような)第二の(および任意の追加の)モノマーをカップリングさせるのに必要
な工程を表わす。それゆえ、トリチル保護基を、弱酸性条件下(2%トリフルオ
ロ酢酸)にて除去し、中和した脱保護分子を、次いで、第一残基をアミノ誘導体
化樹脂にカップリングした条件と同じ条件を用いて、FMOC-保護アミノ酸(または
等価の保護基を持つもの)とカップリングする。スキーム1で「iv」として標識
した反応は、選択的N-アルキル化手順の繰り返しであり、これには、反応「ii」
の予備的なN-保護工程が含まれる。反応「v」は、前のような結合残基の
アミノ末端からのトリチル基の除去に続いて、フッ化水素を用いた、アミノ誘導
体化残基からの選択的-N-アルキル化分子の除去を示す。当業者は、スキーム1
に示した工程に従って、アミノ誘導体化の除去前に、次の残基が付加され得、次
いで、選択的にアルキル化され得、それゆえ、式Iの化合物(ここで、Bは、1
、2または3である)が生じることを認識する。さらに、依然として樹脂に結合
させつつ、N-末端アミノ基を誘導体化して、R1およびR2の少なくとも1個が水素
以外でありそしてR10が存在する可能性のある化合物を形成するのが有利である
。R1基およびR2基は、最も頻繁には、以下に示すような還元アルキル化プロセ
スにより、付加される(Borch,R.F.ら、J .Am.Chem.Soc.、93:2897(197
opment Research、33:146(1994))(これらの内容は、本明細書中で参考として援
用されている)。それゆえ、樹脂結合化合物には、穏やかな酸性条件下にて、適
切なアルデヒドまたはケトンが付加されて、シッフ塩基(イミン)の形成が起こり
、このイミンは、シアノホウ水素化ナトリウムまたは他の穏やかな還元剤によ
ug Development Research、33:146(1994))(その内容は、本明細書中で参考とし
て援用されている)に記述のような周知の条件を用いて、C1〜C12アシル基でアシ
ル化され得る。しかしながら、還元アシル化の前に、R10(アルキル)置換基を付
加するのが好ましい。このようなアルキル化は、R4基、R6基およびR8基につ
いて用いた条件と同じアルキル化条件下にて進行する。最終的には、依然として
樹脂を結合させたまま、または樹脂からの切断後に、内部アミド基が還元され得
る(すなわち、一緒になって、カルボニル基を形成するXおよびYから、それぞ
れ、水素原子であるXおよびYに還元される)。このような還元は、当該技術分
野で公知である(例えば、Dooley、C.T.ら、Analgesia、INRC Proceedings、1:
400(1995)を参照)。それゆえ、両方の状態(すなわち、R9が、水素原子または固
体(樹脂)のとき)について、穏やかで可溶性水素化触媒(例えば、ホウ酸/トリメ
チルボレート/ボラン−テトラヒドロフランの組合せ)が使用され得る。
アルキル化条件中でのアミノ酸側鎖の変性を研究するために、個々のモデル化
合物を使用した。50個のN-トリチル(トリフェニルメチル;Trt)ジペプチド樹脂
(Trt-O-Leu-MBHA(MBHA=p-メチルベンズヒドリルアミン)樹脂と呼ばれる)をアル
キル化した。ここで、Oは、単一のタンパク質形成性(proteinogenic)L-アミノ酸
、それらのD-異性体(counterparts)、または11個の他の個々の「非天然」アミノ
酸を表わす。塩基処理およびアルキル化に続いて複数の生成物が形成されるので
、20個のタンパク質形成性アミノ酸から、アスパラギン酸が除外された。アルキ
ル化剤としては、まず、ヨウ化メチル、臭化アリルおよび臭化ベンジルを使用し
た。個々の粗アルキル化生成物を、RP-HPLCおよびマトリックス補助レーザー脱
離イオン化−質量分光分析(MALDI-MS)により分析して、それらの純度および種類
を決定した。(Ostresh、J.M.ら、Peptides 94 :Proceedings of the 23rd Europ ean Peptide Symposium
、Maia、H.L.S.編;Escom:Leiden、1995、pp.463-464)
。アルキル化手順の間に、アミノ酸側鎖の官能基を、再現可能的に変性した。予
備的な証拠に基づいて、以下の変性を認めた:1)リジンのe-アミノ基をBocで保
護したとき、アルキル化の間に、ε-モノアルキルアミンが形成した;2)3種の
アルキル化剤のいずれかでアルキル化したとき、L-アスパラギンおよびL-グルタ
ミンの側鎖の未保護アミド官能性は、ジアルキルアミドを生じたのに対して、そ
のD-異性体のアリル化およびベンジル化により、モノおよびジアルキルアミドが
生じ、このことは、これらのジアステレオマーの立体化学的な障害を意味してい
る;3)2,2,5,7,8-ペンタメチルクロマン-6-スルホニル(Pmc)保護アルギニン側鎖
は、過メチル化の後にトリメチル誘導体を生じ、そして過アリル化の後にジ−お
よびトリアリル誘導体を生じたが、過ベンジル化によっては、ほとんどアルキル
化されなかった;4)未保護のとき、トリプトファンの反応性インドール窒素は、
アルキル化された;5)チロシンに対する2-ブロモ-Cbz保護の使用により、メチル
およびアリルエーテルアナログが形成し、そしてアルキル化において、臭化ベン
ジルを用いて形成された任意のO-ベンジル生成物は、フッ化水素処理中に、切断
された;そして6)チロシンヒドロキシルをt-Bu保護したとき、側鎖は未変性であ
った。詳細には研究されていないものの、グルタミン酸t-Buエステルは、繰り返
しのアルキル化の後に、複数の生成物を生じた。潜在的に反応性の官能性を持っ
た側鎖を有する他のアミノ酸誘導体(セリン、スレオニン、ヒドロキシプロリン(
全て、それらのt-Buエーテルとして保護した)、メチオニン(スルホキシド)およ
びトリ
プトファン(Boc)を含む)は、アルキル化工程中に、いずれの変性も受けなかった
。トリチル保護N-末端グリシンおよびβ−アラニンの繰り返しアルキル化により
、MALDI-MSで検出された追加アルキル基を含有する副生成物が生じた。
式I(ここで、B=0である)の化合物の組合せライブラリは、OOXXフォーマッ
トを有し、ここで、Oは、規定された位置を表わし、そしてXは、混合物位置を表
わす。第一のX位置(R3)には、46個の異なるアミノ酸(システインおよびヒスチ
ジンは、これらのアミノ酸を含有するアナログがアルキル化手順の間に著しい副
反応および/または不完全反応を有することが分かったので、除外された)を組み
入れ、そして第一のO位置(R7)には、50個の異なるアミノ酸を組み入れた。第
二のX(R8)位置および第二のO(R6)位置のアミドアルキル基は、以下であ
った:メチル、エチル、アリル、ベンジルまたはナフチルメチル。この組合せラ
イブラリは、250個の混合物(50個のアミノ酸×5個のアルキル基)から成ってお
り、それぞれは、230個の化合物(46個のアミノ酸×5個のアルキル基)から構成
されており、分割、カップリングおよび再組合せプロセスを適用することにより
調製され、また、独立して、「混合および部分」および「スプリット合成」アプ
ローチとして報告された(Lam、K.S.ら、Nature、354:82(1991);Furka、A.ら、Int .J.Pept.Protein Res
.、37:487(1991))。逐次的な合成は、図1で概説し
たような先に形成したアミド結合のアミノ酸結合およびアルキル化を交互に行う
ことにより、固相上で行われた。アミノ酸の取り込みのための標準的なFmoc化学
は、固体支持体としてのMBHA樹脂と共に使用された。C-末端アミノ酸とMBHAリン
カーとの間のアミド結合のアルキル化は、アミド−樹脂結合の安定性を低下させ
て酸分解状態にすることが分かった。(Kornreich、W.ら、Int .J.Pept.Prote in Res.
、25:414(1985))。アミノ基がかさばったトリチル基で保護されたこと
により、樹脂結合化合物のアミド基の操作中でのN-末端アミンの変性が回避され
た。5個のハロゲン化アルキル(ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化アリル、臭
化ベンジルおよび2-(ブロモメチル)ナフタレン)を、上記アルキル化方法の繰り
返し処理を用いて先に形成したアミドアニオンと反応させた。固相樹脂上の5回
の別個のアルキル化処理のそれぞれの最中に、コントロール樹脂Trt-Leu-MBHAお
よびTrt-Trp-MBHAの複製を添加した。R8残基は、同時に導入され、これ
らの反応のそれぞれの完結を決定することが可能になった。次いで、トリチル基
をジクロロメタン中の2%トリフルオロ酢酸で除去した後に、これらのコントロ
ール樹脂に、第二のアミノ酸誘導体をカップリングした。これにより、H2N-Phe-
Leu-NHRおよびH2N-Ala-Trp(R)-NHR(R=メチル、エチル、アリル、ベンジルまた
はナフチルメチル)の式を有する個々の化合物が生成した。ヨウ化メチルおよび
ヨウ化エチルでの3回の処理の後の粗化合物についてのRP-HPLCにより、出発物
質は検出されなかった。アリル化、ベンジル化およびナフチルメチル化には、ア
ルキル化手順を6回繰り返す必要があり、一般に、10%未満の出発物質が残留し
ていた(RP-HPLCにより決定した)。Ala-Trpコントロールの場合には、40%までの
モノアルキル化物質が認められた(RP-HPLCを使用)。次いで、最初の2個のライ
ブラリ部分を含む230個の樹脂を組み合わせ、充分に混合し、そして250個の同じ
部分(50個×5個のライブラリ樹脂パケット(packet))に分割した。トリチル除去
に続いて、第二群の保護アミノ酸(システインおよびヒスチジンを含む)を添加し
、Fmoc基を除去し、そして遊離アミノ基を、塩化トリチルと再び反応させた。次
いで、新たに形成したアミド結合を、上記のようにアルキル化したが、但し、ア
ルキル化手順を5回繰り返して行った。この第二アルキル化工程のために、式Tr
t-Phe-Leu-NHMe-MBHAおよびTrt-Ala-Trp-NHMe-MBHAを有するコントロール樹脂を
調製した。これらのコントロール樹脂を第一アミド位置で過メチル化し、第二ア
ルキル化の完結を決定した。トリチル除去の後、これらの5個の粗アルキル化コ
ントロール生成物のいずれについても、RP-HPLCまたはMALDI-MSにより、出発物
質は検出されなかった。ペプチド模倣物とMBHA樹脂リンカーとの間の非常に酸不
安定性のアミド結合のために、最終的な樹脂からの切断の前には、酸不安定性側
鎖保護基は除去され得ない。それゆえ、これらの混合物は、標準的な高いフッ化
水素切断条件下にて、樹脂から切断され(Houghten、R.A.ら、Int .J.Pept.Pro tein Res.
、27:673(1986))、そして50%アセトニトリル水溶液での抽出の後に
、凍結乾燥粉末として得られた。粗コントロール化合物の一部の収量は、配列依
存的であることが分かった。最後の酸性Trt除去の間、R2位置にかさばったアル
キル残基を有する化合物が、樹脂から部分的に切断された。(Gisin、B.F.ら、J .Am.Chem.Soc.
、94:3102(1972))。
式H2N-Phe-N(R)-Leu-NHMeの化合物(R=メチル、エチル、アリル、ベンジルま
たナフチルメチルである)は、上記方法を用いて個々に合成され、分析コントロ
ール(control)としての物質を提供した。分取RP-HPLCによる精製の後に、各化合
物の同定は、RP-HPLC、MALDI-MS,HR-MS、微量分析およびNMRにより確認された
。
非支持体結合ライブラリ混合物を、溶液中にて、ラジオレセプター、抗菌およ
び酵素阻害アッセイでスクリーニングした。これらの高活性混合物の解析は、繰
り返し方法および位置スキャニング方法の両方により行われた。繰り返し方法は
、Dooleyら、Science、266:2019-2022(1994)に示されており、位置スキャニン
グ方法は、米国特許出願第07/943,709号に示されており、これらの内容は、本明
細書中で参考として援用されている。
すぐ前の記述は、一般に、式Iの選択的にN-アルキル化された化合物を合成す
る際に使用される反応技術を示している。これらの技術は、最も活性な化合物を
発見するための2つの戦略的アプローチ(繰り返しアプローチおよび位置スキャ
ニングアプローチ)の1つに使用され得る。繰り返し手法は周知であり、一般に
、Houghtenら、Nature、354、84-86(1991);およびDooleyら、Science、266:20
19-2022(1994)に示されており、これらの内容は、本明細書中で参考として援用
されている。繰り返し手法では、例えば、6個の可変基を有する分子のサブライ
ブラリが作られ、ここで、最初の2個の可変基が規定されている。(図面を参照
すると、この説明のための例は、Bが1であって、R10は存在せず、R1およびR2が
それぞれ水素原子であって、6個の可変基として、R8〜R3を有するものである)
。2個の規定された可変基を有する化合物のそれぞれは、他の4個の可変基での
他の全ての可能性のものと反応される。これらのサブライブラリは、それぞれ、
テストされて、選択が決定されたスクリーニング中で最も高い活性を有するサブ
ライブラリ中での第三の可変基の同定を規定する。最初の3個の可変位置が規定
された新たなサブライブラリは、残りの3個の未規定可変位置での全ての他の可
能性のものと再び反応させられる。前と同様に、最も高い活性を有するサブライ
ブラリ中での可変第四位置の同定を決定し、そして4つの規定された可変領域を
有する新たなサブライブラリのセットを合成する。6個の可変基の全てにつ
いて、このプロセスを繰り返すと、スクリーニングプロセス中で最も高い所望の
活性に寄与する各可変基を有する化合物が得られる。このプロセスで得られる有
望な化合物は、次いで、さらなる生物学的研究のために、伝統的な単一化合物合
成方法にて、大規模に合成され得る。
位置スキャニングアプローチは、種々の有機ライブラリおよび種々のペプチド
ライブラリについて、記述されている(例えば、R.Houghtenら、PCT/US91/08694
、S.P.A.FodorおよびL.Stryerならびに米国特許出願第07/876,792号を参照せ
よ;これらの内容は、本明細書中で参考として援用されている)。しかしながら
、位置スキャニング手法は、今回の式Iの選択的なN-アルキル化化合物には、一
度も適用されたことがなかった。位置スキャニングアプローチでは、サブライブ
ラリが作られ、サブライブラリの各セットについて1つだけ可変基を規定し、そ
してそれぞれ単一の可変基が規定された(そして他の全ての可変位置では、他の
全ての可能性のものである)全ての可能なサブライブラリが作られ、そして試験
される。今回の記述から、当業者は、2つの固定位置が同時に規定されたライブ
ラリを合成し得る。各単一可変基が規定されたライブラリのテストから、その位
置での最適置換基が決定され、最適の化合物、または少なくとも、所望の生体活
性の最大値を有する一連の化合物が指摘される。このアプローチは、式Iの選択
的N-アルキル化化合物に適用されるので、サブライブラリ(ここでは、任意の1
個のR基(例えば、R8)の各可能性のものが規定され、そして残りのR基の他の全
ての可能性のものが合成され、そして所望の活性についてスクリーニングされる
。それゆえ、単一の位置が規定された化合物についてのサブライブラリの数は、
その位置で所望される異なる置換基の数となり、そして各サブライブラリでの全
ての化合物の数は、他の可変基のそれぞれにおける置換基の数の積となる。それ
ゆえ、本発明は、式Iの選択的にN-アルキル化した化合物のサブライブラリをス
クリーニングすることに関し、ここで、各サブライブラリは、規定されたR基を
有し、そして他の全てのR基は、所望の置換基を伴って合成され、そして全ての
このような可変位置が規定されそして所望の活性についてスクリーニングされる
まで、サブライブラリの類似のグループ分けおよび生体活性についてのスクリー
ニングにより、各単一の可変基を規定する。当業者は、このアプローチもまた、
各
サブライブラリが上記技術の変形を用いてR基を規定すべき状況において、適用
され得ることを理解する。
式Iの化合物の内部アミドの還元は、安定性を付加しそして活性を高め得るこ
のような化合物の化学的変換の他の手段である。アミドのアミンへの還元には、
多くの試薬が利用可能であり、また周知である(例えば、Wannら、JOC、46:257(
1981)およびRaucherら、Tett .Let.、21:14061(1980)に開示のもの;両方の内
容は、本明細書中で参考として援用される)。ジボランには、反応操作(workup)
での唯一の副生成物であるトリメチルボレートが揮発性であり、そしてそれゆえ
に、溶液相還元でのエバポレートにより容易に除去されるという利点がある。テ
トラヒドロフランを還流する際の過剰のジボランの使用により、単純脂肪族およ
び芳香族アミドを、急速にそしてしばしば定量的に、その対応するアミンに還元
することが可能となる。
新たに合成された化合物は、化合物のサイズまたは電荷に基づいて、逆相高速
液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)のような方法または他の分離方法を用いて精
製され得る。さらに、精製された化合物は、これらの方法および他の周知方法(
例えば、アミノ酸分析および質量スペクトル測定)を用いて特徴付けることがで
きる。
製造後、化合物は、ラジオレセプターアッセイ(実施例IIIおよびIV)または以
下で概説する他のアッセイ(グリコシダーゼアッセイ(実施例V)を含む)を用いて
、レセプター結合活性について分析され得る。
本発明の化合物の一部は、μレセプターに結合するので、それらは、アヘン剤
レセプターサブタイプを研究するために、インビトロアッセイで使用され得る。
例えば、未知のタイプまたは起源のサンプルレセプターでは、化合物は、検出可
能なマーカー(例えば、ラジオアイソトープ)で標識した後、特定のレセプターサ
ブタイプに特異的に結合し易い条件下にて、レセプターサンプルと接触させられ
得る。未結合レセプターおよび化合物は、例えば、生理食塩水溶液で洗浄するこ
とにより除去され得、そして結合したレセプターは、次いで、当業者に周知の方
法を用いて検出され得る。従って、本発明の化合物は、インビトロで、関連した
オピオイドレセプターサブタイプの診断、そして特に、脳および他の組織サンプ
ル中のμ型の診断に有用である。
インビトロスクリーニング方法でのそれらの有用性に加えて、これらの化合物
はまた、インビボでも有用である。例えば、本発明の化合物の一部は、インビボ
で、オピオイドレセプターサブタイプを局在化するために、診断的に使用され得
る。これらの化合物はまた、オピオイドレセプター系と相互作用する他の化合物
に関連した病態を処置する薬物としても有用である。これらの化合物は、中枢作
用する鎮痛剤(pain killer)の周辺効果をブロックする治療目的で使用され得る
と予想され得る。例えば、モルヒネは、中枢作用する鎮痛剤である。しかしなが
ら、モルヒネは、所望の鎮痛効果に必要ではない周辺領域の多くの有害効果(例
えば、便秘およびそう痒(かゆみ))を有する。多くのペプチドが血液−脳関門を
容易に通過せず、従って、中枢効果を引き出さないことが知られているが、本発
明によるペプチドは、モルヒネの周辺効果(例えば、便秘およびそう痒)をブロッ
クすることに、価値を有し得る。
本発明は、薬学的に受容可能なキャリアー中に式Iの化合物を含む薬学的組成
物を提供する。本明細書中で使用する「薬学的に受容可能なキャリアー」との用
語は、任意の標準的な薬学的キャリアー(例えば、リン酸緩衝化生理食塩水溶液
、水および乳濁液(例えば、油/水乳濁液または水/油乳濁液)、ならびに種々のタ
イプの湿潤剤を包含する。
適切な薬学的キャリアーおよびそれらの処方は、Martin、REMINGTON'S PHARMA
CEUTICAL SCIENCES、15th Ed.(Mack Publishing Co.、Easton 1975)に記述され
ている。このような組成物は、一般に、被検体への適切な投与のための適切な投
薬形態を調製するために、適切な量のキャリアーと共に、効果的な量の活性試薬
を含有する。
薬学的組成物の調製に有用な薬学的キャリアーは、固体、液体または気体であ
り得る。それゆえ、組成物は、錠剤、丸薬、カプセル剤、粉剤、腸溶被覆あるい
は他の保護した処方(例えば、イオン交換樹脂または他のキャリアー上での結合
により、または脂質タンパク質小胞中にパッケージすることにより、または追加
の末端アミノ酸を付加することによる)、持続放出処方、溶液(例えば、目薬)、
懸濁液、エリキシル剤、エアロゾルなどの形態をとり得る。水、生理食塩水、水
性デキストロースおよびグリコールは、特に(等張性のとき)、注射可能溶液に好
ましい液体キャリアーである。キャリアーは、例えば、石油、動物、植物または
合成起源のものを含む種々のオイル(例えば、落花生油、大豆油、鉱油、ゴマ油
など)から選択され得る。適切な薬学的賦形剤には、澱粉、セルロース、タルク
、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、小麦粉、チョ
ーク、シリカゲル、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、グリ
セロールモノステアレート、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール
、プロピレングリコール、水、エタノールなどが挙げられる。
これらの組成物は、通常の薬学的手順(例えば、滅菌)に供され得、そして通常
の薬学的添加剤(例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤または乳化剤、浸透圧を調
整するための塩、緩衝液など)を含有していてもよい。
本発明は、哺乳動物を処置する方法を提供し、この方法は、治療上効果的な量
の本発明の薬学的組成物を被検体に投与する工程を包含する。本明細書中で使用
する「治療上効果的な量(治療的有効量)」とは、哺乳動物が罹っている状態を軽
減するのに必要な量である。
本発明の治療方法を実施する際に、式Iの化合物の薬学的組成物の効果的な量
は、それ単独かまたは本発明の他の化合物と組み合わせるかのいずれかで、当該
技術分野で公知の任意の通常の受容可能な方法によって、投与される。これらの
化合物または組成物は、それゆえ、上でより詳細に述べたように、固体、液体ま
たは気体のいずれかの投薬形態(錠剤、懸濁液およびエアロゾルを含む)で、経口
的、舌下的、局所的(例えば、皮膚または目にて)、非経口的(例えば、筋肉内、
静脈内、皮下的または皮内的)または吸入的に投与し得る。投与は、連続療法と
共に単一単位の投薬形態で、または単一用量療法で随意に行うことができる。
1つの実施態様では、本発明の治療方法は、症状の救済が特に必要であるか、
またはおそらくそうするのが危急であるとき、実施される。他の実施態様では、
この方法は、継続的または予防的な処置として、効果的に実施される。
本発明の治療方法を実施する際に、被検体に投与される薬学的組成物の特定の
投薬量は、種々の要件(疾患の性質、その重症度、投与スケジュール、被検体の
年齢および身体的特徴などを含む)に依存する。適切な投薬量は、医薬分野で公
知の臨床的アプローチを用いて、確立され得る。現在では、被検体の体重1キロ
グラムあたり、本発明の化合物の0.1〜100mgの範囲の投薬量が有用であり、そし
て投与が注射または経口摂取による場合、一般に、1kgあたり1〜100mgの範囲が
好ましいと考えられている。局所投薬は、活性ペプチドおよび液体キャリアーま
たは賦形剤を含有する処方を使用し得、複数回の毎日適用が適切である。
フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)アミノ酸誘導体を、Calbiochem-Novab
iochem Corp.(San Diego、CA、USA)、Bachem Bioscience Inc.(Philadelphia
、PA、USA)およびBachem California(Torrance、CA、USA)から購入した。MBHA樹
脂(1%ジビニルベンゼン、100〜200メッシュ、0.9mmol/g置換)を、Peninsula
Laboratories、Inc.(Belmont、CA、USA)から受領した。N,N'-ジイソプロピルカ
ルボジイミド(DIC)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)を、Chem Imp
ex International(Wood Dale、IL、USA)から購入し、トリフルオロ酢酸を、Halo
carbon(River Edge、NJ、USA)から購入し、そしてフッ化水素を、Air Products(
San Marcos、CA、USA)から購入した。他の全ての試薬および無水溶媒(DMSO、THF
)は、Aldrich Chemical Company(Milwaukee、WI、USA)から購入された。溶媒ジ
クロロメタン(DCM)、ジメチルホルムアミド(DMF)、イソプロパノール(IPA)およ
びメタノールは、Fisher Scientific(Fair Lawn、NJ、USA)から得られた。全て
の試薬および溶媒は、さらに精製することなく使用された。MALDI-MS分析は、Kr
atos Analytical Compact MALDI II(Ramsey、NJ、USA)で行った。HR-FAB-MSは、
the University of California Riverside Mass Spectrometry Facility、Depar
tment of Chemistry(Riverside、CA、USA)にて、ZAB質量分析計で記録した。RP-
HPLC分析は、Beckman System Gold装置(Beckman Instruments、Fullerton、CA、
USA)で行った。サンプルは、Vydac 218TP54 C18カラム(0.46×25cm)を用いて分
析された。分取RP-HPLC精製は、Waters Delta Prep 3000装置(Millipore、Water
s Division、San Francisco、CA、USA)で行った。サンプルは、Waters Delta-Pa
k C18カラム(2.5×10cm)を用いて精製された。報告された全ての勾配は、溶離液
A(0.05% TFA水溶液)および溶離液B(アセトニトリル中の0.05% TFA)中で線形
であった;流速は、1mL/分(分析用)および20mL/分(分取用)であった;溶離液は
、214nmでモニターされた。通例の1H NMRおよび13C NMRは、Varian Gemin
i 200(200MHz)で記録された。微量分析は、GalbraithLaboratories,Inc.(Knox
ville、TN、USA)で行われた。
ライブラリ合成
アミノ酸誘導体
上記式Iに従う組み合わせライブラリを合成する際に、以下のアミノ酸誘導体
を使用した: Fmoc-cys(MeOBn)-OH(MeOBn=4-メトキシベンジル)、Fmoc-Cys(MeBn)-OH(MeBn
=4-メチルベンジル)、Fmoc-His(Trt)-OHおよびFmoc-D-His(Trt)-OHもまた、ラ
イブラリのN-末端位置で使用された。実施例I
A.コンビナトリアルライブラリの合成
1.第一アミノ酸誘導体のカップリング
以下で記述のライブラリを、同時複数ペプチド合成(Houghten、R.A.、Proc .N atl.Acad.Sci.USA
、82:5131(1985))を用いて合成した。固体支持体(MBHA樹
脂)は、230個のポリプロピレンメッシュパケット(1パケットあたり250mgの樹脂
;パケットサイズ3cm×3cm)に含まれた。コントロール化合物の合成に使用す
るために、MBHA樹脂(100mg)を含有する40個の追加のポリプロピレンメッシュパ
ケットを調製した。
樹脂パケットの全てに、一般的な洗浄および中和工程を行った(1×DCM、2×
5% DIEA、2×DCM、2×DMF;1パケットあたりおよそ8mL;全ての樹脂パケ
ットは、溶媒で完全に覆われた)後、個々の樹脂パケットを46個の群に分割した
。各群は、第一カップリング工程で使用される46個のアミノ酸誘導体の添加用に
、5個のパケットを含有していた。20個のコントロール樹脂パケットの2個の群
に、Fmoc-Leu-OHおよびFmoc-Trp-OHを添加した。44個の群を0.1M Fmocアミノ酸
誘導体(6.75mmol)/DIC/H0BtのDMF溶液(67.5mL)で一晩激しく振とうすることによ
り、5個のライブラリ樹脂パケットの46個の群のそれぞれに対して、アミノ酸カ
ップリングを行った(Fmoc-Glyカップリングは、75分間を要したに過ぎなかった)
;他の2個の群に対しては、ライブラリ樹脂パケットおよびコントロールパケッ
トを、0.1M Fmoc-L-Leu(17.55mmol)/DIC/H0Btおよび0.1M Fmoc-L-Trp(17.55mmol
)/DIC/H0BtのDMF溶液にて一晩激しく振とうした。樹脂パケットを洗浄し(2×DM
F、1×DCM、1×Me0H;1パケットあたりおよそ8mL)、そしてアミノ酸カップ
リングの完結を、ニンヒドリン試験(Kaiser、E.T.ら、Anal .Biochem.、34:59
5(1970))を用いて確認した。繰り返しのカップリングが必要なアミノ酸は、Fmoc
-L-Gln-OH、Fmoc-D-Gln-OH、Fmoc-L-Arg(Pmc)-OHおよびFmoc-D-Lys(Boc)-OHだけ
だった。Fmoc保護基の除去は、樹脂パケットを20%ピペリジン/DMF(1×3分間
、1×10分間;2L)中で振とうすることに続いて、洗浄サイクル(5×DMF、2×
IPA、3×DCM;1パケットあたりおよそ8mL)により、達成された。
2.N-末端アミノ基のトリチル化
Fmoc基の除去に続いて、270個の樹脂パケット(全体で55mmolの遊離のN-α-ア
ミノ基)を、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.6mol、280mL)を含有するDCM/
DMF(9:1、3.6L)中の塩化トリチル(276.75mmol)の0.077M溶液中にて、3時間
振とうした。短い洗浄操作(1×DMF、1×5% DIEA、1×DCM;1パケットあた
りおよそ8mL)の後、同量の塩基を含有するDCM(5.5L)中の塩化トリチルの0.05M
溶液にて一晩振とうすることにより、トリチル化手順をさらに2回繰り返し、そ
して洗浄した(2×DMF、1×5% DIEA、3×DCM、1×MeOH;1パケットあたり
およそ8mL)。トリチルカップリングの完結は、ブロモフェノールブルー
を用いて、46個の異なるアミノ酸樹脂のそれぞれについて、確認された。
3.第一アミド位のアルキル化
全ての操作は、窒素雰囲気および厳しい無水条件下にて行われた。270個の樹
脂パケットを、50mTorrで一晩乾燥した。5つの群のそれぞれは、46個のアミノ
酸樹脂パケットおよびコントロール樹脂パケット(4個のTrt-Leu-MBHAパケット
および4個のTrt-Trp-MBHAパケットを含む)を含み、5個の別個の丸底フラスコ
の1個(5個のアルキル化反応のそれぞれに対して1個)に入れられた。各フラス
コは、同量の利用可能なアミド基(各11.07mmol)を含有していた。これらの5個
の反応容器のそれぞれに、THF(220mmol、220mL)中の1Mリチウムt-ブトキシド、
およびTHF(220mL)を添加し、そして室温で15分間振とうした。過剰の塩基溶液を
、カニューレ挿入により除去した。DMSO(440mL)の添加に続いて、個々のアルキ
ル化剤(665mmol、すなわち、ヨウ化メチル41.4mL;ヨウ化エチル53.1mL;臭化ア
リル57.5mL;臭化ベンジル79.0mL)を添加した。2-(ブロモメチル)ナフタレン(66
5mmol、147g)をDMSO(440mL)に溶解し、そして溶液として反応容器に移した。反
応混合物を、室温で2時間にわたり、激しく撹拌した。アルキル化溶液を、カニ
ューレ挿入により除去し、その全体の手順をさらに2回繰り返した。得られた樹
脂パケットを洗浄し(3×DMF、2×IPA、3×DCM、1×Me0H;1パケットあたり
およそ8mL)、そして乾燥した。樹脂パケットを50mTorrで一晩完全に乾燥した後
、上記プロセスを、アリル化、ベンジル化およびナフチルメチ
ル化について3回繰り返した(各アルキル化、2×2時間および1×5時間)。
4.樹脂の再結合(recombine)、混合および分割
230個のライブラリパケットの樹脂を合わせ、DCM(2L;15時間振とう)中で混
合し、そして乾燥した。樹脂を250個のポリプロピレンメッシュパケット(パケッ
トサイズ、3cm×3cm;それぞれ、310mgの樹脂を含有する)に分割した。
5.トリチル保護基の除去
上記のように調製した樹脂パケットを洗浄し(1×DCM;1パケットあたりおよ
そ8mL)、DCM中の2%TFAで2回処理し(1×2分間、1×30分間;2L)、そして
洗浄した(1×DCM、2×IPA、2×DCM、1×Me0H;1パケットあたりおよそ8mL
)。
6.第二アミノ酸誘導体のカップリングおよび第二アルキル化
アミノ酸カップリング(50個の異なるアミノ酸誘導体を用いて)、Fmoc除去、遊
離アミノ基のトリチル化、先に形成したアミド結合のアルキル化およびトリチル
除去は、上記のように行われた。アルキル化中に、コントロール樹脂として、Tr
t-Phe-Leu-NMe-MBHA樹脂パケットおよびTrt-Ala-Trp(Me)-NMe-MBHA樹脂パケット
を添加した。第二のアミド位置は、アルキル化のために5回処理された(メチル
化およびエチル化、それぞれ、5×2時間;アリル化、ベンジル化およびナフチ
ルメチル化、それぞれ、3×2時間および2×3時間)。
7.HF切断
250個の混合物樹脂パケットを、多容器切断装置(Kornreich、W.ら、Int .J.P ept.Protein Res.
、25:414(1985))を用いて、フッ化水素(樹脂1パケットあた
り5mLで、スカベンジャーとしてアニソール0.35mLを添加した)で一度に24切断
した。得られた混合物を、50%アセトニトリル水溶液(3×5mL)で超音波処理す
ることにより、抽出した。得られた溶液を50%アセトニトリル水溶液から凍結乾
燥し、そしてさらに2回再凍結乾燥した。
8.個々の化合物
個々の化合物を、ライブラリ合成に記述と同様にして調製した。アルキル化は
、一般に、繰り返して行った。HF切断に続いて、粗製の個々の化合物を分取RP-H
PLCにより精製した。分取HPLCの条件:vydac C18;線状勾配25〜55%B、30分間
;
溶離液A:0.05% TFA水溶液;溶離液B:アセトニトリル中の0.05% TFA;流速
:20mL/分;溶離液は、214nmでモニターされた。
フェニルアラニル-N-メチル-ロイシンメチルアミド。分取HPLC(TFA塩)後の収率
:59.8%。1H NMR(200MHz,CDCl3;配座異性体の混合物;主要配座異性体に対し
て選択されたデータ;比78:22):フェニルアラニル-N-エチル-ロイシンメチルアミド。分取HPLC(TFA塩)後の収率
:18.8%。1H NMR(200MHz、CDCl3;主要配座異性体に対して選択されたデータ;
比72:28):
フェニルアラニル-N-アリル-ロイシンメチルアミド。分取HPLC(TFA塩)後の収率
:20.05%。1H NMR(200MHz、CDCl3;主要配座異性体に対して選択されたデータ
;比71:29):フェニルアラニル-N-ベンジル-ロイシンメチルアミド。分取HPLC(TFA塩)後の収
率:20.34%。1H NMR(200MHz、CDCl3;主要配座異性体に対して選択されたデー
タ;比65:35):
フェニルアラニル-N-ナフチルメチル-ロイシンメチルアミド。分取HPLC(TFA塩)
後の収率:18.54%。1H NMR(200MHz、CDCl3;主要配座異性体に対して選択され
たデータ;比67:33): 実施例II
A.樹脂結合ペプチド模倣化合物H2N-Tyr(tBu)-N(Me)-Tyr(tBu)-N(Bzl)-樹脂の
合成
1.第一アミノ酸誘導体のカップリング
ペプチド模倣化合物を、同時複数ペプチド合成(Merrifield、R.B.J.Am.Ch
em.Soc.1963、85、2149;Houghten、R.A.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 1985
、82、5131)およびFmoc戦略を用いて合成した。固体支持体(MBHA樹脂)は、ポリ
プロピレンメッシュパケット(1パケットあたり100mgの樹脂;パケットサイズ3
cm×3cm)に含まれた。
中和洗浄工程を行った後[1×DCM、2×5%N,N-ジイソプロピルエチルアミン
(DIEA)、2×DCM、2×DMF;各洗浄工程に対して、およそ5mL]、樹脂パケッ
トを、0.1M Fmoc-L-Tyr(tBu)-OH(0.54mmol)/DIC/H0BtのDMF溶液(5.4mL)にて一晩
激しく振とうした。樹脂パケットを洗浄し(2×DMF、1×DCM、1×MeOH)、そし
てアミノ酸カップリングの完結は、ニンヒドリンテスト(Kaiser,E.T.;Colesco
tt、R.L.;Blossinger、C.D.;Cook、P.I.Anal.Biochem.1970、34、595)を
用いて確認された。1回の繰り返しカップリングが必要であった。Fmoc保護基の
除去は、樹脂パケットを20%ピペリジン/DMF(1×3分間、1×10分間;2L)中
で振とうすることに続いて、洗浄サイクル(5×DMF、2×IPA、3×DCM)により
、達成された。
2.N-末端アミノ基のトリチル化
樹脂パケット(0.09mmolの遊離のN-α-アミノ基)を、DIEA(2.61mol、0.45mL)を
含有するDCM/DMF(9:1、5.84mL)中の塩化トリチル(0.45mmol)の0.077M溶液に
て、2時間振とうした。短い洗浄手順(1×DMF、1×5%DIEA、1×DCM)の後、
DCM(5.84mL)中の塩化トリチルの0.077M溶液にて一晩振とうし、DCM/DMF(9:1
、5.84mL)中の塩化トリチルの0.077m溶液にて3時間振とうし、そして同量の塩
基を含有するDCM(9mL)中の塩化トリチルの0.05M溶液にて再び一晩振とうするこ
とにより、トリチル化手順をさらに3回繰り返した。樹脂パケットを洗浄し(2
×DMF、1×5% DIEA、3×DCM、1×Me0H)、そして少量の樹脂サンプルを、ト
リチルカップリングの完結について、ブロモフェノールブル−着色
m.、1988、53、2542)を用いてテストした。
3.第一アミド位のアルキル化
全ての操作は、窒素雰囲気および厳しい無水条件下にて行われた。樹脂パケッ
トを、50mTorrで一晩乾燥した。樹脂パケット(アミド基0.09mmol)を含有する反
応容器に、THF(1.8mmol、1.8mL)中の1Mリチウムt-ブトキシド、およびTHF(1.8m
L)を添加し、そして室温で15分間振とうした。過剰の塩基溶液は、カニューレ挿
入により除去された。DMSO(3.6mL)の添加に続いて、臭化ベンジル(5.4mmol、0.6
4mL)を添加した。反応混合物を、室温で2時間にわたり、激しく撹拌した。アル
キル化溶液を、カニューレ挿入により除去し、そしてその全体の手順をさらに2
回繰り返した。得られた樹脂パケットを洗浄し(3×DMF、2×IPA、
3×DCM、1×MeOH;およそ5mL)、そして乾燥した。樹脂パケットを50mTorrで
一晩完全に乾燥した後、上記プロセスを、さらに2回繰り返した。
4.トリチル保護基の除去
樹脂パケットを洗浄し(1×DCM;およそ5mL)、DCM中の2% TFAで2回処理し
(1×3分間、1×30分間)、そして洗浄した(1×DCM、2×IPA、2×DCM、1×
MeOH;およそ5mL)。
5.第二アミノ酸誘導体のカップリングおよび第二アルキル化
樹脂結合化合物へのFmoc-L-Tyr(tBu)-OHのカップリング、Fmocの除去、および
遊離アミノ基のトリチル化(3回の処理だけが必要であった)は、上記のように行
われた。
6.第二アミド位のアルキル化
全ての操作および塩基処理は、上で記述のように行われた。アルキル化のため
に、DMSO(3.6mL)およびヨウ化メチル(5.4mmol、0.34mL)を添加した。反応混合物
を、室温で2時間にわたり、激しく振とうした。アルキル化溶液を、カニューレ
挿入により除去し、そしてその全体の手順をさらに2回繰り返した。得られた樹
脂パケットを洗浄し(3×DMF、2×IPA、3×DCM、1×MeOH;およそ5mL)、そ
してトリチル保護基を、上記のように除去した。
B.(CB3)2CH-NH-Tyr(tBu)-N(Me)-Tyr(tBu)-N(Bzl)-樹脂の合成
1.還元アルキル化
この手順は、当該技術分野で公知のものから適用された:Borch、R.F.ら、J . Am.Chem.Soc.
、93:2897(1971);Coy、D.H.ら、Tetrahedron、44:835(198
容は、本明細書中で参考として援用されている)。
遊離のN-末端アミノ基を有する樹脂結合化合物を含有する樹脂パケットを、メ
タノール(MeOH)20%/ジクロロメタン(DCM)79%/酢酸1%およびアルデヒドまた
はケトン2〜10当量(それらの反応性に依存して)の溶液(0.05mmolのアミンを含
有する1個の樹脂パケットに対して、4mLの溶媒を使用した−樹脂パケットを覆
うのに充分)中で振とうした。20分後、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)中のシア
ノホウ水素化ナトリウムの1M溶液2〜10当量を添加し、そして反応混合物を
60分間振とうした。樹脂パケットを、以下の洗浄順序を用いて洗浄した:5×DM
F、1×DCM、1×MeOH(上で述べたサイズの1個の樹脂パケットに対して、各工
程について、およそ5mLの溶媒)。第二級アミンの形成の完結は、Kaiserテスト
を用いてテストされた。もし必要なら、反応はまた、1%酢酸を含有するDMFの
ような異なる溶媒系を用いることにより、繰り返され得る。
ペプチド模倣物ライブラリに使用される全てのアミノ酸誘導体に対するこの反
応の適用可能性は、50個のモデルジペプチド樹脂(OL-樹脂)のセットに適用され
た。HF切断に続いて、モデル化合物を、HPLCおよびMALDI-MSにより分析した。こ
の手順は、R.F.Borchら、J .Am.Chem.Soc.、93:2897-2904(1971);D.H.Coyら
、Tetrahedron、44:835-841(1988);およびM.Stankovaら、Drug Developmen t Research
、33:146-156(1994)(これらのすべては、本明細書中で参考として援
用される)に記述のようにして行った。
中和(3×5% DIEA、2×DCM)および洗浄工程(1×DMF/2%酢酸)に続いて、
樹脂パケットを、MeOH 20%/DCM 79%/酢酸1%(4mL)およびアセトン(0.9mmo1
;66.6μL)の溶液中で振とうした。20分後、DMF中のシアノホウ水素化ナトリウ
ムの1M溶液0.9ml(0.9mmol)を添加し、そして反応混合物を60分間振とうした。
樹脂パケットを、以下の洗浄順序を用いて洗浄した:5×DMF、1×DCM、1×Me
OH、各工程について、およそ5mLの溶媒。第二級アミンの形成の完結は、Kaiser
試験を用いてテストされた[もし必要なら、反応はまた、1%酢酸を含有するDMF
のような異なる溶媒系を用いることにより、繰り返され得る]。
C.red[(CH3)2CH-NH-Tyr(tBu)-N(Me)-Tyr(tBu)-N(Bzl)]の合成;(red=還元)
1.還元
還元は、固体支持体上[手順A]または溶液中[手順B]のいずれかで行われ得る
。
手順A:
50mLガラス試験管(テフロンライニングキャップ)中に、樹脂パケットおよびホ
ウ酸310mg(5.014mmol)を添加した。窒素雰囲気下にて、トリメチルボレート0.5m
L(0.0042mmol)を添加し、続いて、1Mボラン−テトラヒドロフラン錯体15mL(15m
mol)を添加した。水素の発生の停止の後、試験管を密封し、そして6
5℃で100時間加熱した。次いで、試験管を取り除き、室温まで冷却し、そしてメ
タノール2mLを添加して、過剰の還元剤をクエンチした。樹脂パケットをTHF(1
×1分間×10mL)およびMeOH(4×1分間×10mL)で洗浄した。樹脂パケットを乾
燥した後、それをピペリジン15mLで覆い、そして65℃で18時間加熱した。樹脂パ
ケットを、DMF(2×1分間×5mL)、DCM(2×1分間×5mL)、MeOH(1×1分間
×5mL)、DMF(2×1分間×5mL)、DCM(2×1分間×5mL)およびMeOH(1×1分
間×5mL)で洗浄した。
手順B:
以下の手順は、Dooley、C.T.ら、Analgesia、INRC Proceedings、1:400(199
5)(この内容は、本明細書中で参考として援用されている)から適用された。50mL
ガラス試験管(テフロンライニングキャップ)中に、化合物(0.09mmol;2個の骨
格カルボニル基)およびホウ酸310mg(5.014mmol)を添加した。窒素雰囲気下にて
、トリメチルボレート0.5mL(0.0042mmol)を添加し、続いて、1Mボラン−テトラ
ヒドロフラン錯体15mL(15mmol)を添加した。水素の発生の停止の後、試験管を密
封し、そして60℃で90時間加熱した。試験管を室温まで冷却し、そしてメタノー
ル5mLを滴下して、過剰の還元剤を除去した。過剰の溶媒は、試験管を、一定の
窒素流(10〜15psi)下にて、55℃水浴に浸漬することにより、除去された。その
後化合物を、メタノール(2×5mL)を用いた連続洗浄およびエバポレートにかけ
た。水/MeOH(1:3)中の2N塩酸(3mL;6mmol)を添加した後、ガラス試験管を
密封し、そして60℃で18時間加熱して、ホウ素−窒素錯体を加水分解した。試験
管を熱から取り除き、MeOH(2ml)を添加し、そして溶媒をエバポレートした。
C.HF切断−可溶化合物
化合物を、複数容器切断装置(Houghten、R.A.ら、Int .J.Pept.Protein Re s.
、27:673(1986))を用いて、フッ化水素(樹脂1パケットあたり5mLで、スカ
ベンジャーとして、アニソール0.35mLを添加した)で、樹脂から切断した。化合
物を固体支持体上で還元した場合、切断時間は、0℃で9時間であった。非還元
化合物は、0℃で90分間切断た。得られた化合物を、50%アセトニトリル水溶液
(3×5mL)で超音波処理することにより、抽出した。得られた溶液を50%ア
セトニトリル水溶液から凍結乾燥し、そしてさらに2回凍結乾燥した。
実施例III
A.ラジオレセプターアッセイによるMu選択的オピオイドペプチドの同定
本実施例は、μ−選択的オピオイドペプチド[3H]-[D-Ala2,MePhe4,Gly-015]
エンケファリン([3H]-DAMGO)のインヒビターとして、合成コンビナトリアルライ
ブラリ混合物に含有されるかまたは別個に調製されたかのいずれかの個々の化合
物の同定を記述する。個々のペプチドは、ラジオレセプターアッセイにより、[3
H]-DAMGOを阻害し得るものとして、同定された。
以下で記述のように、本発明の化合物ライブラリは、ラット脳ホモジネートお
よび放射リガンドとしての[3H]-DAMGOを用いて、ラジオレセプターアッセイにお
いて、単一濃度(0.08mg/ml)でスクリーニングされた。IC50値は、[3H]-DAMGOの
結合を著しく阻害したライブラリ内の混合物について、決定された。
B.Muレセプターに選択的なラジオレセプターアッセイ
液体窒素中で凍結したラットおよびモルモットの脳を、Harlan Bioproducts f
or Science(Indianapolis、IN)から得た。凍結した脳を解凍し、小脳を除去し、
そして残りの組織を計量した。各脳を、個々に、Tris-HCl緩衝液40ml(50mM、pH7
.4、4℃)でホモジネートし、そして4℃で10分間にわたって、遠心分離した(39
000×g)(Model J2-HC;Beckman Instruments、Fullerton、CA)。ペレットを新
鮮なTris-HCl緩衝液に再懸濁し、そして37℃で40分間インキュベートした。イン
キュベーションに続いて、これらの懸濁液を上記のように遠心分離し、得られた
ペレットを、Tris緩衝液100容量に懸濁し、そしてこれらの懸濁液を合わせた。
膜懸濁液を調製し、そして同じ日に使用した。粗ホモジネートのタンパク質含量
は、Bradford(Bradford、Anal .Biochem. 72:248-254(1976)、これは、本明細
書中で参考として援用される)に記述の方法を用いて決定したところ、0.15〜0.2
mg/mlの範囲であった。
ポリプロピレン試験管にて、結合アッセイを行った。各試験管は、膜懸濁液0.
5ml、μ−選択的オピオイドペプチド[3H]-DAMGO(36Ci/mmolの比放射能)3nM、化
合物混合物0.08mg/mlおよびTris-HCl懸濁液を、全容量0.65mlで含んだ。ア
ッセイ試験管を、25℃で60分間インキュベートした。反応を、GF-Bフィルター(W
allac、Inc.、Gaithersburg、MD)を通した濾過により、停止させた。続いて、フ
ィルターを、4℃にて、Tris-HCl緩衝液6mlで洗浄した。結合放射能を、βプレ
ート液体シンチレーションカウンター(Beta-plate Liquid Scintillation Count
er)(Life Technologies、Gaithersburg、MD)で計数し、そして1分間あたりのカ
ウント(cpm)で表わした。アッセイ間およびアッセイ内変動標準曲線は、0.13〜3
900nMの未標識DAMGOの存在下にて、[3H]-DAMGOのインキュベーションにより決定
した。競合阻害アッセイは、ペプチド混合物の連続希釈を用いて、上記のように
行われた。次いで、IC50値を、ソフトウェアGRAPHPAD(ISI、San Diego、CA)を用
いて算出した。1000nM未満のIC50値は、μレセプターに結合する非常に活性なオ
ピオイド化合物を表わし、特に活性な化合物は、100nM以下のIC50値を有し、そ
して最も活性な化合物は、10nM未満のIC50値を有する。
以下の表では、可変基はR7だけに存在する。それゆえ、以下の化合物の全ては
、式Iを参照して、以下の構造を有する:XおよびYは、一緒になって、カルボ
ニル基を形成し、R1およびR2は、それぞれ、水素原子であり、R10は、存在せ
ず、Bは、ゼロであり、AA、BBおよびCCは、ゼロであり、R6は、エチル
であり、R8は、ナフト−2−イルメチルであり、そしてR9は、水素原子である
。
1 試験前に、保護基を除去した。実施例IV
A.カッパアヘン剤レセプター阻害のアッセイ
本実施例は、カッパアヘン剤レセプターに対する、式Iの新規な選択的N-アル
キル化化合物の特異性を証明する。
κレセプターに対するカッパアヘン剤レセプターへの結合の選択的な阻害を証
明するアッセイは、放射性リガンドとしての[3H]-U69,593(3nM、62Ci/mmolの比
放射能)、ならびにPMSF(100μM)、MgCl2(5mM)およびBSA(1mg/ml)を含有するT
ris緩衝液(pH7.4)を用いてモルモットの脳(皮質および小脳)から調製された組織
ホモジネートを使用して、行われた。サンプル試験管を2.5時間インキュベート
した。0.05〜6300nMのナロキソンを用いて、標準曲線を調製した。
トリチル化リガンド、[3H]-DAMGO、[3H]-DPDPEおよび[3H]-[D-Ser2、Leu5、Th
r6]エンケファリン([3H]-DSLET)、乱用(NIDA)整復剤(abuse(NIDA)repository)(M
ultiple Peptide Systems(San Diego、CA)から調製した)、Amersham(Arlington
Heights、IL)から得た[3H]-U69,593およびDuPont NEN Research Products(Los A
ngels、CA)から得た[3H]-ナルトリンドール。IC50値に対する平均標準偏差は、
±20%であった。
以下の表2では、全ての化合物は、水素原子としてのR1またはR2のいずれかを
有し、そして他のものは、R3と一緒になって、ピロリジン基を形成する。Xおよ
びYは、一緒になって、カルボニル基を形成し、Bは、ゼロであり、AA、BB
およびCCは、注意書きがある場合以外はゼロであり、R6は、ベンジルであり
、そしてR9は、水素原子である。それゆえ、これらの化合物をアッセイで試験す
るとき、R7だけが変わる。
1 試験前に、保護基を除去した。実施例V
A.α−グリコシダーゼインヒビター
α−グリコシダーゼは、炭水化物代謝に必須であるだけでなく、種々の糖タン
パク質および糖脂質の処理に不可欠である。これらの酵素(特に、α−グリコシ
ダーゼ)のインヒビターは、従って、高い治療能力がある。α−グリコシダーゼ
インヒビターは、強力な経口抗糖尿病剤であり(Lebovitz、H.E.Drugs、44(3):
21-28(1992))、そして細菌感染のブロックに関係している:
(Fischer,P.B.,et al. J.Virol. 69(9):5791-5797(1995);Rademacher,T.W.,
IN:Sandler,M.and Smith,J.H.(Eds.),Enzymes as Drugs Vol.2,Oxford Un
iversity Press,Oxford,333-343(1994))and tumor growth(Pili,R.et al.
,Cancer Res.,55:2920-2926(1995)).
公知の天然および合成のα−グリコシダーゼインヒビターのほとんどは、シュガ
ーアナログ(例えば、偽オリゴサッカライド(Bischoff、H.、Eur .J.Clin.Inve stig.
、24(3):3−10(1994))、アザシュガー(Wong、C.H.ら、J .Org.Chem.、60
:1492-1501(1995))、またはインドリジジンアルカロイド類(Elbein、A.D.、Ann .Rev.Biochem.
、56:497-534(1987)))である。グリコシダーゼインヒビターは
、しばしば、1種より多い解糖酵素を阻害する(Kajimoto、T.ら、J .Am.Chem. Soc.
、113:6187-6196(1990))。
以下の表3で示した結果は、本質的にHaslvorsonおよびEllias(Biochem .Biop hys.Acta
、30:28-40(1958))によって記述されているようにして、色素生産性
基質としてのp-ニトロフェニル-α-D-グリコピラノシドおよびベーカーズイース
ト(bakers yeast)に由来のα−グリコシダーゼを用いて、96ウェルフォーマット
にて行われたα−グリコシダーゼ阻害アッセイから得られる。IC50値は、50%の
酵素阻害に必要な濃度を表わす。最も活性なインヒビターは、式Iの化合物であ
り、ここで、XおよびYは、一緒になって、カルボニル基を形成し、Bは、ゼ
ロであり、AA、BBおよびCCは、注意書きがある場合以外はゼロであり、R9
は、水素原子であり、R8は、ベンジルであり、R6は、ナフト−2−イルメチ
ルであり、R3は、S−(N−(ナフト−2−イルメチル)インドール−3−イ
ルメチル)であり、R1およびR2は、それぞれ、水素であり、R10は、存在せず
、そしてR7は、以下の表3で示す: 上記の教示を考慮して、非常に多くの改変および変形が可能であり、従って、
添付の請求の範囲内にて、本発明は、上で特に記述したものとは別の態様で実施
され得る。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
C07C 237/20 C07K 2/00
C07K 2/00 G01N 33/15 Z
G01N 33/15 33/50 Z
33/50 33/543 501Z
33/543 501 33/566
33/566 A61K 37/02
(72)発明者 オストレッシュ,ジョン エム.
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92024,
エンシニタス,ラ ヴィータ アベニュー
315
(72)発明者 ドーリー,コレット ティー.
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92109,
サン ディエゴ,サッフィアー ストリー
ト 844
(72)発明者 エイチラー,ジェッタ
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92007,
カーディフ―バイ―ザ―シー,ウィンザー
ロード 1224,アパートメント エイチ
(72)発明者 ホーテン,リチャード エイ.
アメリカ合衆国 カリフォルニア 92014,
デル マー,ランチョ ビエジョ 4939