【発明の詳細な説明】
隆起した突起部を有する方向指示性舗装道路用マーキング及び製造方法
発明の分野
本発明は、マーカーが方向により異なるイメージを表示するように異なる特性
、例えば色または屈折率を有する複数の光学要素を隆起している突起部に部分的
に埋め込んだ、方向を指示する再帰性の舗装道路用マーキングに関する。
発明の背景
舗装道路用マーキング、例えば、ペイント、テープ及び個々に配置される物品
は、一般に道路に沿って移動する自動車運転者を案内し方向付けるために用いら
れる。一般に、日中は、当該マーキングは自動車運転者を案内するのに十分な視
認性を示す。しかしながら、夜間では、主な光源が乗物のヘッドライトである場
合、マーキングはそれが光を再帰反射しない限り自動車運転者を案内するに十分
な明るさを示さないことがある。再帰反射性の舗装道路用マーキングは、光源方
向の入射光の大部分を回帰させることができる。このため、道路には再帰反射性
の舗装道路用マーキングが一般的となっている。
高速道路上のラインのような再帰反射性舗装道路用マーキングの多くは、当該
ラインが粘着性を有している間にその上にガラスビーズのような光学要素を落下
させることにより製造されている。その他、顔料や充填剤を含有するベースシー
トに光学要素を固定することにより製造されるものもある。固定は、一般に、ベ
ースシート中
に当該要素を埋め込む方法またはベースシートに当該要素をバインダーで固定す
る方法のいずれかで行われる。当該顔料及び充填剤は、一般に、コスト削減、耐
久性向上、整合性付与、等いくつかの理由から、ベースシート全体に分散させら
れる。また、顔料は舗装道路用マーキングの視認性を高め、さらに再帰反射機構
においてある役割を果たすこともできる。
入射光は、以下のようにして舗装道路用マーカーから再帰反射する。最初に、
入射光は光学要素(例、微小球体)を透過して当該マーカーの結合材料又はベー
スシートに含まれる顔料に当たる。その顔料が当該入射光を散乱させて微小球体
中に戻し、そして当該微小球体がその散乱光の一部を光源方向に向け直す。再帰
反射を、特に湿ったコンディションの下で効果的にするためには、微小球体を、
雨天時に水没しないように舗装道路表面の上の高い位置におくことが好ましい。
微小球体を高い位置においた舗装道路用マーカーの一例が、Hedblom の米国特
許第 4,988,555号明細書(Hedblom’555 と称する) に記載されている。この舗装
用マーカーは、微小球体が舗装道路表面よりも高くなるように埋め込まれている
垂直面を有するあるパターンの突起部を含む。それらの微小球体は、高い位置に
おかれ且つ入射光に対して垂直になるように配向されているため、より効率の高
い再帰反射が得られる。微小球体の位置が高いため、微小球体が完全に水没する
ことはない。また、その突起部は水をマーカーから一層効率よく排水させるので
、雨が止んだ後一層迅速に再帰反射性能を回復させることができる。
パターン化した舗装道路用マーカーは非常に有用な物品であるが、その製造工
程は多少複雑なものとなる。例えば、米国特許第 4,988,541号明細書(Hedblom’
541 と称する)に記載されているように
、所定のパターンのくぼみを有するエンボスロールを使用して高分子材料シート
を型押しすることにより一体型突起部を作りだしている。高分子材料がエンボス
ロールのくぼみを充填するので、所定のパターン、寸法及び間隔を有する突起部
が形成される。型押工程後、バインダー材料を、突起部の間の谷部の中に流れ込
まないよう慎重に突起部の上に配置する。その後、微小球体及び/又は耐滑性粒
子をバインダー材料に固定する。このプロセスは多少複雑であるのみならず、突
起のパターン、形状、大きさ又は間隔を変更する場合には、一般に労力と長期の
時間を要するエンボスロールの変更が必要となる。突起のパターンが異なれば、
それぞれに対応するエンボスロールが必要となる。
Hedblom’555は、色の異なるビーズ結合層を使用することにより光を異なる二
色で再帰反射させることができる舗装道路用マーキングをも開示している。当該
ビーズ結合層は、突起部の垂直面を被覆し且つ微小球体を支持する。ビーズ結合
層中の顔料が再帰反射する光の色に寄与する。例えば、第一の方向に向いている
第一のビーズ結合層がTiO2顔料を使用することにより白色光を再帰反射すると同
時に、第二の方向に向いている第二のビーズ結合層がクロム酸鉛顔料の使用によ
り黄色光を再帰反射することができる。上記文献は、その他の色/顔料の組合せ
を使用することにより別の信号情報をドライバーへ提供できることも記載してい
る。
米国特許第 4,040,760号明細書(Wyckoff) に、別のレンズ封入型方向指示性舗
装道路用マーカーの例が記載されている。この舗装道路用マオカーは、高分子バ
インダー層に埋封された光学要素を含有する。この舗装道路用マーカーは鋸歯状
の横断面を有し、各くさびが、小さな鋭角で上方に傾斜している比較的長い表面
と、当該上方傾斜表面に対して実質的に法線方向の下方に傾斜している比較的短
い表面とを有する。当該下方傾斜表面が、反射性であり、一体式にカバーされて
おり、そして所定の色を有すると記載されている。この反射表面は、連関する反
射面を有する光学要素を透明バインダー層中に埋め込むことにより製造される。
光学要素とバインダーの双方を着色してもよい。上方傾斜表面は、下方傾斜表面
とは異なる色を有し且つ、例えば、白色紙又はフラットペイントのような光学的
拡散反射性を有する。この文献はまた、上方傾斜表面が再帰反射性であってもよ
いことも記載している。一例として、下方傾斜表面が赤色光を再帰反射すると共
に、上方傾斜表面が白色光をすべての方向に散乱する。この舗装道路用マーカー
は、情報をドライバーへ中継するのに有用となり得るが、封入された下方傾斜表
面を含むその形状は製造が比較的困難となり得る。
特公平5-33661号公報(Shinmiら)に、シート表面に任意の凸形成形形材を有
する道路標識用シートが記載されている。この凸形成形形材に反射材料が結合さ
れている。当該シートは、熱可塑性ポリマー並びに充填剤、顔料、可塑剤及び反
射材料のような添加剤を含む。凸形成形形材は、溶融したシート材料を成形ロー
ラー中に押し込むことにより製造される。凸形形材はシートの一体部分である。
成形ローラーが凸形形材の大きさ、形状及び間隔のような特徴を決めるので、こ
れら特徴の変更は、Hedblom’541の場合と同様、成形ローラーの形状を変更する
ことなしに容易に行うことはできない。
国際公開第WO97/18947号明細書に、ベースシートと、当該ベースシートに密着
された不連続高分子層と、当該高分子層に部分的に埋め込まれた、微小球体や耐
滑性粒子のような複数の粒子とを含む舗装道路用マーカーが記載されている。当
該高分子層はブロックされたイソシアネート架橋剤を含む熱硬化ポリマーであり
、スクリーン印刷法のような連続プロセスにより六角形を繰り返したパターンの
ようなパターンとして当該ベースシートに適用される。この舗装道路用マーカー
は非常に有用であり、しかもその製造プロセスは一般的に簡素化されているが、
当該高分子層のパターンはスクリーン印刷法により予め決まるため、装置変更を
伴わずに簡単に変更することができない。
舖装道路表面の上に光学要素を高い位置におく別の方法として、コア材料に多
数の微小球体を被覆した再帰反射性要素又は凝集体を使用する方法がある。この
ような要素の例が、欧州特許出願公開第565,756 A2号、米国特許第 3,043,196号
、同第 3,171,827号、同第 3,175,935号、同第 3,274,888号、同第 3,418,896号
、同第 3,556,637号及び同第 4,983,458号並びに国際公開第WO95/32337号明細書
に記載されている。これらの再帰反射性要素は非常に有用であるが、製造が容易
ではないものもある。
発明の概要
上記の観点より、濡れたコンディションの下で良好な再帰反射性を提供するこ
とができ、しかも方向指示性を示すことができると同時に、簡素化されたプロセ
スで製造することができる再帰反射性物品に対するニ−ズが今なお存在する。本
発明はこのような再帰反射性物品を提供するものである。
本発明の物品は、隆起した突起部の輪郭を有する。当該突起部の異なる部分に
又は当該突起部上に配置された任意のバインダー層に、特性(例、色、直径、屈
折率、組成)の異なる光学要素が埋め込まれている。バインダー層を使用する場
合、当該突起部の異なる部分に異なる色を有することができる。当該突起部が光
学要素を舗装道路表面から高い位置に上げるので、本発明の物品の再帰反射性部
分からの排水効率が高くなり、雨が止んだ後の再帰反射性の迅速な
回復が可能となる。
要約すると、本発明の再帰反射性物品は、(a)第一及び第二の主面を有する
ベースシート;(b)前記ベースシートの第一の主面上に配置された複数の突起
部;(c)少なくとも二組の光学要素であって、第一の組が当該突起部の第一の
部分に部分的に埋め込まれており、第二の組が当該突起部の第二の部分に部分的
に埋め込まれており、前記第二の組が前記第一の組とは異なる特性を有するもの
;並びに(d)少なくとも1種の光散乱剤であって、前記光学要素を通過した入
射光が光散乱剤に当たりその光源に向かってその方向を変えるように前記光学要
素と光学的に連関されているもの、を含むこと又はこれらから実質的に成ること
ができる。
本発明の方法は、(a)突起部及び光散乱剤を有するベースシートを提供する
工程;(b)第一の組の光学要素を、前記突起部の第一の部分に、前記光学要素
が光散乱剤と光学的に連関するように部分的に埋め込む工程;及び(c)第二の
組の光学要素を、前記突起部の第二の部分に、前記光学要素が光散乱剤と光学的
に連関するように部分的に埋め込む工程を含むこと又はこれらから実質的に成る
ことができる。第二の組は第一の組とは異なる特性を有する。
本発明の舗装道路用マーキングは、容易に製造することができ、しかも突起部
に異なる組合せの光学要素が埋め込まれている物品を提供するという点で、公知
のマーキングとは相違する。特性(例、色、直径、屈折率及び組成)の異なる光
学要素は、例えば、当該ベースシートのための実質的に円形の又は湾曲したウェ
ブ経路を使用すること、及び突起形状を利用することにより、突起部の異なる部
分に容易に付着させることができる。従来技術とは異なり、本発明の方向指示性
舗装道路用マーキングは、着色の異なるバインダー層ではなく、着色の異なる光
学要素を使用することにより製造できる
光学系を包含する。光学要素が突起部に対して一層容易に選択的に固定されるの
で、本発明は公知の指向性突起部を有するマーカーよりも有利である。
本発明によると、本発明の物品は、自動車運転者に、間違った方向に向かって
いると警告するような信号情報を中継するための方向指示性舗装道路用マーカー
として有用である。
図面の簡単な説明
図面に関して本発明を更に説明する。
図1は、本発明に係る突起部16の異なる部分を示す横断面図である。
図2は、本発明に係る再帰反射性物品10の横断面図である。
図3は、本発明に係る再帰反射性物品20の別の態様の横断面図である。
図4は、図3に示した態様の平面図である。
図5は、本発明に係る再帰反射性物品80の別の態様の横断面図である。
図6は、本発明に係る再帰反射性物品60の製造方法の概略図である。
これらの図面は理想化したものであり、同じ縮尺で描いたものではなく、単に
例示的且つ非限定的なものである。
実施態様の具体的説明
本発明の物品は、突起部の様々な部分に埋め込まれた微小球の形態であること
ができる光学要素の組を含んで成る光学システムに基づく。前記突起部は、ベー
スシートの第一の主面の上に形成される。前記ベースシートの第二の主面上には
、本発明の物品を道路のよ
うな表面に適用しやすくするためのバインダー層と任意の強化層とがある。
図1は、第一部分16aと第二部分16bの少なくとも2つの部分を有する本発明
の突起部16の例を示す。該突起部の各部分は異なる組の光学要素を支持しており
、そして所望により異なる色のバインダー層を支持することができる。該突起部
は所望であれば様々な異なる組の光学要素または異なる色のバインダー層を支持
することができる。
図2は、再帰反射性物品10が、光散乱剤(図示してない)を含む突起部16の異
なる部分に部分的に埋め込まれた光学要素の組14aと14bを有するベースシート
12を含む、本発明の一態様の例を示す。
図3は、再帰反射性物品20が、適合層26上に配置された光散乱剤(図示してな
い)を含む熱可塑性層24を有する多層ベースシート22を含む、本発明の一態様の
例を示す。突起部16は光散乱剤(示してない)を含み、熱可塑性層24に接着さ
れている。光学要素の組14aと14bは突起部16の異なる部分に部分的に埋め込ま
れている。熱可塑性層24に埋め込まれた光学要素は組14aまたは14bの部分のい
ずれかまたは両方であることができる。
図4は、異なるサイズの突起部16がベースシート22(図示してない)の熱可塑
性層24上に無作為に分散されている図3の態様の平面図である。14として概して
示される光学要素は、突起部16に埋め込まれており、ベースシート22(図示して
ない)の熱可塑性層24上にもある。
図5は、再帰反射性物品80が、適合層26の上に置かれた熱可塑性層24を有する
多層ベースシート22を含む、本発明の別の態様の例を示すものである。突起部16
が、光散乱剤(図示してない)を含むバインダー層27で被覆されている。光学要
素の組14aと14bはバイン
ダー層27中に部分的に埋め込まれておりそして熱可塑性層24の上にもある。
突起部は、光学要素が水に完全に浸らないように光学要素を支持体面より高く
上げ、降雨の後、突起部から水が容易に流れ落ちることができるので、それらは
迅速に再帰反射性能を回復することができる。典型的には突起部は隆起したポリ
マーのコアまたは本体である。好ましい態様では、熱可塑性の突起部が使われる
。本明細書中で使用する時、「熱可塑性の突起部」という語は、熱可塑性である
、すなわち、十分な量の熱に暴露された時に溶融しそして流動することができる
、隆起した本体またはコアを意味する。突起部は所望によりそのようなコアの上
に置かれたバインダー層を含むことができる。突起部は、異なる光学要素の組を
支持しそして場合により異なる色のバインダー層を支持する異なる部分を有する
。
米国特許第 4,988,555号明細書(Hedblom) および日本国特許公告平成5年(19
93年)第 33661号公報(Shinmi他)に開示されている突起部とは異なり、本発明
の突起部は非一体型であることできる。非一体型とは、それらの突起部がベース
シートとの一体式要素として形成されなくてもよいこと、すなわち、突起部とベ
ースシートがそれらの間に界面を持たない単一部材として形成される必要がない
ことを意味する。
突起部は、より効率的な再帰反射を生じる実質的に垂直な面を有する断面構造
を提供する。垂直断面を有する物品、即ち突起部を有する物品と、垂直断面を持
たないもの、すなわち実質的に平坦な物品とでは、垂直断面を有する物品が通常
、より効率的な再帰反射を提供する。何故なら、垂直面上の光学要素がより多く
の入射光を捕集しそしてその光をその光源に向けて再帰反射することができるか
らである。
突起部は、そのような突起部を持たない同様な構造を持つ平坦な物品よりも増
強された磨耗性の測定値も提供する。本明細書中で使用する時、「磨耗性」とは
、繰り返される衝撃や車両用タイヤからの磨耗に耐え、それによって本発明の物
品の有効寿命を延長する能力を意味する。本発明の物品の増強された磨耗性は、
車両用タイヤがまず突起部と接触し、それにより本発明の物品の残りの部分を磨
耗させる前にそれらの突起部を磨耗させるゆえに達成される。
突起部として使用するのに適当なポリマーの代表例としては、フルオロポリマ
ー、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ポリ塩化
ビニル、ポリオレフィンコポリマー、およびそれらのブレンドが挙げられる。突
起部用に選ばれるポリマーは、多層ベースシートの熱可塑性層のものと異なって
いてもよい。ベースシートに良好に接着し、光学要素に良好に接着し、且つ繰り
返される交通衝撃に耐える十分な耐久性がある突起部用材料を選ぶことに注意が
払われねばならない。「良好な接着」とは、突起部が車両用タイヤによる繰り返
し衝撃の後でも、ベースシートと光学要素へのそれの接着を保持することを言う
。
突起部は、水平断面で、即ち支持体上に平らに置いた時にマーカーベースシー
トに対して平行な面内で、本質的に任意の所望の形状のものであってもよい。突
起部の水平断面は、例えば、不規則のまたは規則的な、楕円形、円形、長方形、
角形であることができる。最適な全方向性再帰反射明度が望まれるような態様、
例えば交差点の舗装道路用マーキング(標識)では、全方向からの明度が得られ
るため、突起部の水平断面は実質的に円形であるのが好ましい。一般に、円形断
面を有する突起部は実質的に半球形の突起部、またはその一部分を作る。
典型的には、通常の降雨で水に完全に浸らないようにするのに十
分なサイズのものであるためには、突起部は高さが約 0.2〜約 6.0ミリメートル
で直径が約1〜20ミリメートルである。より好ましくは、突起部は高さが約〜約
4ミリメートルであり、ベース位置での直径が約2〜約8ミリメートルである。
再帰反射率と磨耗性との良好なバランスを与え、再帰反射性部分からの水はけを
促進し、そして舗装道路マーカーの寿命を延ばす磨耗面を提供する傾向があるた
め、突起部はより大きいサイズのものである方が好ましい。大きすぎる突起部は
、支持体への再帰反射性物品の適合を阻害し、接着の低下を引き起こす。本発明
に使用できる突起を使った舗装道路用マーカーは、譲受人の同時係属米国出願第
08/895,132号明細書に開示されている。
図4に示されるように、突起部16は一般的に無作為な形で間隔を置いて配置さ
れていてもよい。無作為な間隔を置いて配慮することは、ベースシート12,22の
上に樹脂を自由に付着させることにより達成することができる(図2,3および
5)。一度ポリマー粒子がベースシートと接触したら、それらが軟化して通常は
半球形の突起部を生じるように、ベースシート12,22を加熱する。最適明度が要
求されないような用途では、最適以下の突起間隔を使ってもよい。このランダム
であるが制御可能な突起部配置は、増強した光学要素を有する突起舗道マーキン
グを製造する際に単純で低費用の製造方法を使用できるようにする。所望であれ
ば、突起をベースシートの表面積の大体50%、例えば該表面積の約10%〜約40%
と接触させることができる。
所望であれば、光学要素の接着性を高めるために、突起部をバインダー溶液で
被覆しそして硬化させてバインダー層を与えることができる。バインダー層は熱
可塑性ポリマーまたは熱硬化性ポリマーであることができる。本発明での使用に
適する好ましいバインダー
溶液は、Hedblom の第'541号特許明細書に開示されており、そこではそのような
溶液を「ビーズ結合材」と呼んでいる。バインダー層を使う場合、光学要素はそ
の中に埋め込まれ、突起部中には直接埋め込まれない。そのような場合、バイン
ダー層が約5〜約20容量%の光散乱剤を含み、突起部は必ずしも光散乱剤を含ま
なくてもよい。バインダー層は、所望により突起部の異なる部分の上に異なる着
色剤を有してもよい。例えば、図1では、白色顔料をバインダー溶液に添加しそ
して第一の部分16aにコーティングすることができる。同様に黄色顔料をバイン
ダー溶液に添加しそして第二の部分16bにコーティングすることができる。Hedb
lom の第'541号特許明細書は、突起部に2種類のバインダー層を適用するための
好ましいコーティング方法を開示している。
突起部は、第二の層が第一の層の下に配置され、第一の層がポリマーと拡散反
射体顔料を含み、そして第二の層がポリマーと正反射性顔料を含んで成る第一の
層と第二の層を有することができる〔米国特許第 5,417,515号(Hachey他)明細
書を参照のこと〕。この二重反射層突起部は、正反射性顔料を含む内部本体と拡
散反射性顔料を含む外側被覆とを有するポリマー粒子を使って製造することがで
きる。そのような組成のポリマー粒子が熱に暴露されて突起部を形成する場合、
突起部に埋め込まれた光学要素の部分が外側の拡散反射性顔料層と内側の正反射
性顔料層の両方と接触するように、外側の第一の層は十分な厚さを有するべきで
ある。あるいは、拡散反射性顔料を有するバインダー層を、ポリマーと正反射性
顔料とを含む突起部の上に配置することができる。
二重層反射突起部は、再帰反射性物品の配向に関係なく、広範囲の距離と入射
角に渡って高い再帰反射レベルを提供することができる。微小球と接触している
突起部により形成される面に関して、正
反射層は法線近くに入る光を戻すのに最適であり、一方で拡散反射層は法線から
65°〜90°である、より大きい入射角の光を戻すのに最適である。突起部は垂直
成分を提供するので、ドライバーの位置でより高い再帰反射率を達成することが
できる。
光散乱剤は光学要素と光学的連関状態にある。「光学的連関」という語は、光
線が光学要素にあたり屈折された場合に、光線が反射して光学要素に戻るように
、光線が光散乱剤にあたることができることを意味する。典型的には、光散乱剤
は光学要素を支持する層にある、即ち、突起部の中にまたは突起上に置かれたバ
インダー層の中にある。光学要素が突起部の中に部分的に埋め込まれる場合、突
起部は好ましくは光散乱剤を含んで成る。光学要素が突起部上に置かれたバイン
ダー層の中に部分的に埋め込まれる場合、好ましくはバインダー層が光散乱剤を
含み、そして突起部が光散乱剤を含む必要はない。
本発明での使用に適する光散乱剤には正反射性顔料と拡散反射性顔料が含まれ
る。正反射性顔料粒子は通常薄く、平板状である。顔料粒子に当たった光は、そ
れが入射した角度と等しい角度ではあるが入射側とは反対側に反射される。本発
明で使われる正反射性顔料の適当な例としては、真珠箔(pearlescent) 顔料、雲
母、および真珠光沢のある(nacreous)顔料が挙げられる。拡散反射性顔料は一
般的に、比較的サイズが均一である細かい粒子である。顔料粒子は、多数の様々
な方向に配向する性質があるので、粒子にあたった光は、入射光の光路に沿って
返るものを含む、色々な角度で反射され返ってくる。
突起部内での使用に好適な光散乱剤の具体例には、米国特許第 5,286,682号明
細書(Jacobs et al.) 中に開示されているように、酸化亜鉛、硫化亜鉛、リトポ
ン(lithophone)、ジルコン(zircon)
、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、及びそれらの組合せから成
る群から選ばれた顔料粒子が含まれる。これらの顔料は、白色光を反射する。こ
れらの顔料を使用した再帰反射性物品は、それらが着色光学要素と組み合されて
使用される場合、潜在的に毒性のある金属、例えば、カドミウム、クロム、及び
鉛ベースの顔料を使用せずにはっきり識別することができる夜間光(night time
colors) を反射することができるという利点をもつ。
他の光散乱剤を、他の色を反射させるために使用することができる。具体例に
はバナジン酸ビスマスがあり、これは黄色光を反射し、そして無色の光学要素と
共に使用されて黄色舗装道路用マーキングを作ることができる。制御された粒子
サイズをもついくつかの有機レーキと有機顔料も使用できる。
典型的には、光散乱剤は、使用される場合、その光学要素を支持する層、すな
わち、突起部又はバインダー層の、約5〜20容量%で存在する。好ましくは散乱
剤は、約5〜15容量パーセント、より好ましくは、約7〜約13容量パーセントで
存在する。この後者の範囲が好ましい。なぜなら、それは、突起部への変形の間
、反射性のために必要な散乱剤の量とそのポリマー材料の流動性との間の良好な
バランスを提供するからである。上記のように、光散乱剤は、使用される場合、
バインダー層内に、そして突起部内に存在することができる。さらに、突起部又
はバインダー層の異なる部分が、異なるタイプの光散乱剤を含むことができる。
例えば、突起部の第1の部分が拡散反射性顔料を含み、第2の部分が正反射性顔
料を含むことができる。従って、少なくとも1種の光散乱剤は、上記光学要素と
光学的に連関している。光散乱剤は、上記光学要素と光学的に連関するように配
置された正反射性材料の層、例えばアルミニウムもしくは銀金属又は誘電体の層
を含むこともできる。
本発明において使用されるベースシートは、単一又は多層の構造をもつことが
できる。構造において単一であるか又は多層であるかに拘らず、ベースシートは
、望ましくは、非平面状支持体に容易に適用されることができるように形作られ
る。
多層ベースシート構造物においては、典型的には、適合層上に置かれた熱可塑
性層がある。この適合層は、ポリマーであることができる。米国特許第 4,490,4
32号明細書(Jordan)には、本発明における使用に好適な例証的な適合層が開示
されている。このタイプの適合層は、非架橋エラストマー(例えば、アクリロニ
トリル−ブタジエン、ネオプレン、ニトリルゴム、及びポリアクリレート)、熱
可塑性強化ポリマー(例えば、ポリオレフィン、ビニルコポリマー、ポリエーテ
ル、ポリアクリレート、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ポリエステル
、ポリウレタン、及びセルロース誘導体)、並びに粒状無機充填剤(例えば、珪
酸マグネシウム、タルク、及び雲母)を含む。
本発明における使用に好適な他のポリマー適合層は、米国特許第 5,194,113号
明細書(Lasch et al.)中に開示されており、これは、延性(ductile)熱可塑
性ポリマー及び非強化鉱物粒子を含む。このタイプの適合層は、約50〜約85容量
パーセントの熱可塑性ポリマー及び約15〜約50容量パーセントの鉱物粒子であっ
て、少なくとも1マイクロメーターの平均粒子サイズをもつものを含む。好適な
熱可塑性ポリマーについて開示されている具体例には、ポリオレフィンが含まれ
ており、このポリオレフィンはポリエチレン、エチレンコポリマー、ポリプロピ
レン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー、ポリブチレン、及びそれら
の混合物から成る群から選ばれる。好適な鉱物粒子について開示されている具体
例には、例えば、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウムタルク、アルミナ三水和物
、
シリカ、ウォラストナイト、雲母、長石、重晶石、珪酸カルシウム、アタパルジ
ャイト、並びに合成及び天然鉱物のさまざまな中空ビーズを含む。
本発明における使用に好適なさらに他のポリマー適合層は、米国特許第 5,643
,655号明細書(Passarino) 中に開示されており、これは、アクリロニトリルブタ
ジエンゴム(NRB) とエラストマー前駆体を調製するための改質剤とに基づくカレ
ンダー処理された非加硫の配合物を含む、本質的に塩素を含まない適合層である
。この改質剤は、天然又は合成エラストマーの機械的及び物理的特性を改善する
。
適合層は、金属であることができる。金属製適合層は、延性、かつ、適合性で
あるように十分な厚みをもたなければならず、そしてさらに加工処理可能である
ように十分な強度をもたなければならない。金属製適合層としての使用に好適な
材料の具体例には、アルミニウム箔及び銅箔が含まれる。アルミニウム箔が好ま
しい。なぜなら、それは良好な適合特性を有し、そして比較的低コストで商業的
に入手可能なものであるからである。
製造を容易にするために、熱可塑性層を適合層にラミネートするか又はその上
に直接押出して、多層ベースシートを作ることができる。多層構造物においては
、熱可塑性層と適合層の間に良好な接着性があることが望ましい。熱可塑性層と
しての使用に好適な材料の具体例には、ポリオレフィンコポリマー、ポリウレタ
ン、ポリ塩化ビニル、及びそれらのブレンドが含まれる。好ましいポリオレフィ
ンコポリマーは、エチレン−メタクリル酸(EMAA)及びエチレン−アクリル酸(E
AA) である。なぜなら、それらは、さまざまな材料に対して非常に良好な接着性
をもち、そして商業的に入手可能なものであるからである。
熱可塑性層は、突起部及びバインダー層において使用されるものに類似した光
散乱剤を含むことができる。典型的には、この光散乱剤は、熱可塑性層の約5〜
約20容量パーセントを構成する。好ましくは、反射のために必要な散乱剤の量と
、加工処理の間の熱可塑性層の流動性との間に良好なバランスを提供するために
、熱可塑性層の、約5〜約15容量パーセント、そしてより好ましくは約7〜約13
容量パーセントで存在する。熱可塑性層中に光散乱剤が存在する利点は、その中
に埋め込まれる光学要素のいずれもが入射光を再帰性反射するであろうというこ
とである。図3中、光学要素の組14aと14bは、突起部16と熱可塑性層24中に埋
め込まれており、それらの両者が、入射光を再帰反射する。典型的には、熱可塑
性層は、支持体への本発明に係る物品の適合性を実質的に阻害しないように適合
層に一定の特性バランスを提供するために、厚さ0.25mm未満である。好ましくは
、熱可塑性層は、適合性とベースシートの団結性との間の良好なバランスを作り
出すために厚さ約0.05〜0.2 mmである。
本発明において使用される光学要素は、光透過性微小球であることができる。
それらは、光散乱剤を含む突起部又はバインダー層内に入射光を屈折させる球状
レンズとして作用する。光散乱剤は、入射光の一部を反射させて、それを微小球
内に戻し、そこでその光が再び屈折するが、その際、光源に向って戻される。
使用される場合、突起又はバインダー層の異なる部分が、異なる組の光学要素
を支持する。光学要素は、特性、例えば、色、直径、屈折率、及び組成において
相違していてもよい。例えば、図1中、突起部分16aは、無色の光学要素を支持
するであろうが、16bの部分においては、光学要素は、黄色の透明の着色剤をも
つことができる。突起部が白色顔料、例えば、二酸化チタンを含む場合、16aの
部分は、白色光を再帰反射するはずであり、一方、16bの部分は黄
色光を再帰反射するはずである。このように、方向指示性舗装道路用マーキング
を製造することができる。
微小球は、ガラス又は非ガラス質セラミックであることができる。非ガラス質
セラミック微小球は、典型的には、より大きな耐久性及び耐摩耗性のために、好
ましい。好ましい非ガラス質セラミック微小球は、米国特許第 4,564,556号明細
書(Lange) ;第 4,758,469号明細書(Lange) ;第 4,772,511号明細書(Wood et a
l.) ;及び第 4,931,414号明細書(Wood)中に開示されている。ガラス微小球は
、低コストで耐久性の低さを埋め合わせる。典型的には、微小球は、直径約 100
〜約600 マイクロメートルであり、そして約 1.5〜約2.2 の屈折率をもつ。
図2中に示すように、微小球は、所望により、突起部上にのみ配置されること
ができる。このような選択的配置は、微小球を受容しないベースシートを使用す
ることにより達成される。金属製適合層、例えば、アルミニウムホイルはこのよ
うなベースシートの具体例である。適合層の他の側には、突起部の軟化点よりも
高い融点をもつ架橋ポリマー又は熱可塑性ポリマーが含まれる。
微小球は、図3中に示すように、ベースシート及び突起部上に配置されること
もできる。図中、ベースシート22の熱可塑性層24は微小球に対し受容性である。
微小球は、図5中に示されるようにバインダー層上に配置されることができる。
舗装道路用マーキングの適用においては、運転者が異なる色のマーカーの間、
例えば、白色マーカーと黄色マーカーの間の違い識別することが重要である。所
望により、光透過性着色剤が、昼間と夜間の両方の色を強化するために、微小球
に添加されることができる。例えば、黄色着色剤が、黄色光を再帰反射する舗装
道路用マーカーを作るために微小球に添加されてよい。例えば、米国特許第 5,2
86,682号明細書(Jacobs et al.) を参照のこと。
図6は、本発明の再帰反射性物品60の製法を示す。リザーバー70は、光散乱剤
(図示せず)を含むポリマー粒子43を、ベースシート42上に放出する。加熱源72
が、ポリマー粒子43の軟化を開始する。ベースシート42が熱缶48に接触し、そし
て実質的に環状経路を経るとき、ポリマー粒子43は、さらに軟化し、溶融し、そ
して変形して、突起部16を作り出す。環状経路の上方部分で、第1アプリケータ
ー46が光学要素14aの第1の組を放出し、そして重力の助けを借りて、光学要素
14aは、上記突起部の第1部分内に、部分的に埋め込まれる。光学要素14aのい
くつかは、それが光学要素に対し受容性である場合、上記ベースシート内に部分
的にはまり込むことができる。ベースシートは、それが環状経路の下方部分上の
第2アプリケーター54に会うまで、熱缶48を移動し続ける。アプリケーター54は
、光学要素14bの第2の組を放出し、そして重力の助けを借りて、光学要素は、
上記突起部の第2部分内に部分的に埋め込まれる。光学要素14bのいくつかは、
それが光学要素に対し受容性である場合、上記ベースシート内に部分的にはまり
込むことができる。突起部内に光学要素を部分的に埋め込む他の方法は、機械的
又は空気手段(pneumatic means)を含む。空気手段の具体例は、突起部に光学
要素を部分的に埋め込むための実質的に不活性な気体のジェットの使用である。
機械的手段の具体例は、突起部に向って光学要素を投射する回転翼(impeller)
の使用である。再帰反射分野における当業者は、注意して、アプリケーター46と
54を位置決めし、そして他の工程変数(例えば、線速度、暴露熱量、その他)を
制御して、突起部及びベースシート上への光学要素の所望のコーティングを獲得
するであろう。所望により、第3のアプリケーターが、突起部の第3の部分に部
分的に埋め込まれるであろう光学要素の第3の組を放出
することができる。
好ましくは、光学要素の異なった組、たとえば、第1の組、第2の組及び用い
るなら第3の組は異なった色で、異なった直径、屈折率及び組成であることもで
きる。たとえば、光学要素の組14aは屈折率約1.9を有する無色のガラス微小球
であるのに対して光学要素の組14bは屈折率約2.2を有する透明な赤色セラミッ
ク微小球であり、光学要素の両方の組が、白色顔料、たとえば、二酸化チタンを
含む突起部中に部分的に埋め込まれていることができる。このように、方向指示
性舗装道路用マーキングを、白色光を第1方向にそして赤色光を第2の反対方向
に再帰反射させるようにすることができる。上記舗装道路用マーカーは、自動車
を運転する人が第2の方向に進むのに警告するように有効であるべきである。
多数の熱源を、ポリマーの粒子を軟化させて突起部に変形させるのに用いるこ
とができる。図6に示すように、熱缶48はポリマーの粒子43を軟化させるための
熱を供給する。加熱オーブンを、粒子を軟化させるのに用いることができる。た
とえば、ベースシートがオーブンを通って動くにつれて、ベースシート上にあら
かじめ付着されたポリマーの粒子は軟化し、溶融し、突起部に変形する。また、
ポリマーの粒子を担持するベースシートを輻射ヒーター、たとえば、Calrod(商
標)ヒーターまたは赤外線ランプ列の下を通過させて、粒子を突起部に変形させ
ることができる。
突起部の最終的形状は、たとえば、(1)加工条件、たとえば、加熱の温度及
び方法、(2)ポリマーの粒子の当初の形状、(3)ポリマーの粒子の溶融特性
及び(4)ポリマーの粒子と接触するベースシートの表面に依存して変化し得る
。ポリマーの粒子を大体において軟化を引き起こすのに十分な量の熱があれば、
突起部の最終的形状は非常に平らになり得る。多量の熱がないなら、突起部の最
終的形状はより半球状になり得る。ポリマー粒子をランダムに適用し、次いで連
続的に加熱すると、いくつかの粒子は加熱により、いっしょに流動するかもしれ
ない。得られる突起部は大体において、半球状の形を有しないけれども、一般的
はなお、楕円の突起部にも有意の再帰反射性がある。
突起部の密度及び間隔は、ベースシートのウェブのスピードを変えること、ポ
リマーの粒子のサイズを変えることまたは粒子の付着率を変えることにより容易
に変えることができる。
二次化工プロセスにおいては、所望なら、ベースシート上に光学要素を付着さ
せるのと同時または直後に耐スキッド粒子を加えるのが一般的である。光学要素
及び耐スキッド粒子は第1の主要表面、すなわち、ベースシートの一番上の表面
に、たとえば、振りかけること、まき散らすこと等によって適用することができ
る。慣用の耐スキッド粒子の例は、コランダム(酸化アルミニウム)及び石英(
砂、酸化ケイ素またはマイクロ化石英)を包含する。好ましい耐スキッド粒子は
米国特許第 4.937,127号明細書(Haenggi他) 、第 5,053,253号明細書(Haenggi他
) 、第 5,094,902号明細書(Haenggi他) 及び第 5,124,187号明細書(Haenggi他)
に開示されている。
再帰反射性ベースシートの下ある本発明の物品の部材は好ましくは所望の用途
に合うように選択される。たとえば、スクリム接着剤(すなわち、接着剤をしみ
込ませたポリマーのスクリム)がさらなる強度、たとえば、除去性における強度
または他の所望の摩耗特性、並びに再帰反射性物品に対して選択される接着特性
を与える。
例
次の例は本発明の異なった態様及び詳細を説明するためのものである。この例
はこの目的のために役立つけれども、用いられた特定の成分及び量並びに他の条
件及び詳細は、本発明の範囲を不当に限
定するようなに解されるべきではない。
本発明の白色舗装道路用マーキングを次のように作ることができる。20重量%
の二酸化チタンを含有する、デラウェア州、ウィルミントンのデュポン・カンパ
ニーから入手可能な、エチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA)である、Nucrel
(商標)699 の白色樹脂ペレットを用いて、厚さ 0.076mmの極軟アルミニウム箔
上に厚さ約0.11mmの白色フィルムを押し出して多層ベースシートを生産する。
1.16m/分の速度の多層ベースシートを、直径約 0.6mの熱缶に、白色のフィ
ルムをほとんど溶融状態にするのに十分に熱い、約 204℃の温度の熱缶と箔の側
が接触するように、接触させる。直径1mmで、高さ2mmを有し、50重量%の二酸化
チタンを含有するEMAAの着色された円筒状粒子をベースシートのEMAA側上に振り
かける。熱缶上への約5〜8cmの巻付け後、ベースシート上に着色された粒子を
コーティングする。粒子でコーティングされたベースシートは熱缶の表面を移動
し続けるので、当初の円筒形の粒子は軟化し、一般的に半球形状をとり、突起部
を形成する。次にこのベースシートを、突起部の第1の部分上に振りかけること
ができる約 1.9の屈折率を有する無色のガラス微小球の第1組を振りかけること
ができる。第1の粒子コーターの下に移動する。ベースシートが熱缶を移動し続
ける時、黄色の透明微小球の第2組を突起の第2の部分上に振りかける。熱缶の
表面を離れた後で、巻き上げる前にベースシートを周囲条件下で冷却させる。
本明細書において引用されたすべての参考文献は参照により、この文書に全体
として組み込まれる。
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