JP2001359244A - キャパシタによる二次蓄電池アシスト回路 - Google Patents

キャパシタによる二次蓄電池アシスト回路

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JP2001359244A
JP2001359244A JP2000177765A JP2000177765A JP2001359244A JP 2001359244 A JP2001359244 A JP 2001359244A JP 2000177765 A JP2000177765 A JP 2000177765A JP 2000177765 A JP2000177765 A JP 2000177765A JP 2001359244 A JP2001359244 A JP 2001359244A
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capacitor
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transient
charging
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Takao Rokuto
孝雄 六藤
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Shizuki Electric Co Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過渡的充放電動作が課される二次蓄電池を確
実にアシスト可能な仕様定格を有するキャパシタを備え
た二次蓄電池アシスト回路を得ることを目的とする。 【解決手段】 所定パターンの過渡的充電または放電電
力エネルギーをEgc(J)、二次蓄電池の起電電圧を
Vo(V)、二次蓄電池の許容電圧変動率をVrとした
とき、キャパシタの静電容量Cc(F)を下式で設定し
たもので、二次蓄電池の電圧変動をその許容範囲内に確
実に収めることができる。 Cc≧Egc/(Vo2・Vr)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、二次蓄電池と並
列にキャパシタを接続することにより、二次蓄電池の過
渡的充放電動作による使用条件をその許容範囲内に収め
るようアシストするキャパシタによる二次蓄電池アシス
ト回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従来
から、二次蓄電池を搭載し、この二次蓄電池を電源とし
て電動機の速度制御を行う方式の、電気自動車、バッテ
リフォークリフト、ゴーカートや搬送台車等が実用化さ
れている。この場合、使用される二次蓄電池の必要容量
は、要求される加減速度特性や航続距離または運行時間
に基づき設定されている。しかし、二次蓄電池は一定の
電力を長時間にわたり供給または充電する用途には適し
ているが、過渡的な充放電を繰り返す用途や短時間での
電力の放電や回生を処理する用途には比較的不向きで、
このような用途に使用する場合は二次蓄電池の定格容量
を大きくする必要がある。
【0003】即ち、二次蓄電池は蓄電エネルギー密度は
高いが出力パワー密度は比較的低いため、負荷の過渡制
御に適した充放電動作を短時間に行うと電圧降下が大き
くなり内部発熱が生じる。このため、過渡的な充放電動
作が要求される場合には、二次蓄電池の定格容量を大き
く設定することで対処している。また、これを補助(ア
シスト)するために、一般に負荷の過渡制御特性に適し
たキャパシタを二次蓄電池と並列に接続して使用する方
法が知られている。しかし、二次蓄電池とキャパシタの
性能の整合性や必要なキャパシタの容量の算出基準は明
確でなく、両者を組み合わせた電源装置を使って実際に
試験した結果を総合的に比較して評価していた。従っ
て、この電源装置や負荷装置の使用条件や定格容量が既
存の試験条件と異なる場合は再度追試験が必要となり、
適切な機器定格を設定することが容易でなかった。
【0004】この発明は以上のような問題点を解消する
ためになされたもので、過渡的充放電動作が課される二
次蓄電池を確実にアシスト可能な仕様定格を有するキャ
パシタを備えた二次蓄電池アシスト回路を得ることを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係るキャパシ
タによる二次蓄電池アシスト回路は、所定パターンの過
渡的充放電動作を伴う二次蓄電池と並列にキャパシタを
接続することにより上記二次蓄電池の過渡的充放電動作
による電圧変動を所定の許容範囲内に収めるアシスト回
路であって、上記二次蓄電池の許容電圧変動に相当する
電圧変動が存在した場合に発生する上記キャパシタの充
電または放電容量が、上記所定パターンの過渡的充電ま
たは放電電力エネルギー以上となるよう上記キャパシタ
の静電容量を設定したものである。
【0006】また、この発明に係る二次蓄電池アシスト
回路は、所定パターンの過渡的充放電動作を伴う二次蓄
電池と並列にキャパシタを接続することにより上記二次
蓄電池の過渡的充放電動作による電圧変動を所定の許容
範囲内に収めるアシスト回路であって、上記所定パター
ンの過渡的充電または放電電力エネルギーをEgc
(J)、上記二次蓄電池の起電電圧をVo(V)、上記
二次蓄電池の許容電圧変動率をVrとしたとき、上記キ
ャパシタの静電容量Cc(F)を下式で設定したもので
ある。 Cc≧Egc/(Vo2・Vr)
【0007】また、この発明に係る二次蓄電池アシスト
回路は、所定パターンの過渡的充放電動作を伴う二次蓄
電池と並列にキャパシタを接続することにより上記二次
蓄電池の過渡的充放電動作による電流を所定の許容範囲
内に収めるアシスト回路であって、上記過渡的充電また
は放電動作の初期時における上記二次蓄電池とキャパシ
タとの電流分担比は、上記二次蓄電池の等価内部抵抗と
キャパシタの内部抵抗との逆比で決定され、上記過渡的
充電または放電動作の終期時における上記キャパシタの
電流の初期値からの減衰率は、上記キャパシタのΩ・F
値に基づき定まる時定数で決定されるとして算出した、
上記過渡的充放電動作中の上記二次蓄電池の電流の最大
値が上記許容範囲内に収まるよう、上記キャパシタの内
部抵抗およびΩ・F値を設定したものである。
【0008】また、この発明に係る二次蓄電池アシスト
回路は、その二次蓄電池とキャパシタとの並列接続体に
電動機を駆動源とする運動体を接続し、過渡的充電は上
記電動機の減速回生運転時のエネルギー充電動作が相当
し、過渡的放電は上記電動機の加速力行運転時のエネル
ギー放電動作が相当するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1におけるキャパシタによる二次蓄電池アシ
スト回路を例えば電動イスの駆動装置に適用したシステ
ム構成図である。図において、1は二次蓄電池Bt、2
は二次蓄電池1と並列に接続されたキャパシタEDLC
(ここでは電気二重層キャパシタ)で、アシストする対
象である二次蓄電池1とともに電源装置3を構成する。
4は電源装置3の直流電力を可変電圧可変周波数の交流
電力に変換するDC/ACインバータ、5は電動イスの
駆動源である交流電動機である。
【0010】図2は電動イスの走行特性を示す図であ
る。5秒間で加速して速度5km/hに達し、その後等
速運転を続け、時間軸10秒から減速して5秒間で停止
する運転特性を示している。この運転特性の場合、電源
装置3としては、最初の加速時の5秒間が大きな放電動
作となり、最後の減速回生時の5秒間が大きな充電動作
となる。
【0011】二次蓄電池1をアシストするキャパシタ2
がなければ、この過渡的充放電動作をすべて二次蓄電池
1で負担せねばならず、既述した通り、二次蓄電池1と
してはかなり大容量の定格のものを用意する必要があ
る。この発明は、二次蓄電池1と並列にキャパシタ2を
接続することにより、上記過渡的充放電動作は主として
キャパシタ2に負担させ、二次蓄電池1はもっぱら走行
特性における定格走行時の負荷、即ち、走行抵抗に対し
て定速度を維持するための電力供給を担うようにするも
のである。
【0012】このような、二次蓄電池によるアシスト特
性が得られると、二次蓄電池としては、一定電力を長時
間にわたり供給するというその長所を活かした使用条件
となる。従って、過渡的充放電動作を伴う用途に対し、
二次蓄電池をその容量を過大にすることなく合理的経済
的な設計基準で広く適用できる途が開かれることにな
る。本願は、この適正なアシスト特性を発揮するキャパ
シタの設定基準を明らかにするもので、以下に詳細に説
明する。
【0013】このアシスト作用を解析するためには、二
次蓄電池1をキャパシタ2と同一の回路次元で扱えるよ
うにすることが必要であるが、図3に示す、従来から知
られている等価回路では十分でない。即ち、比較のため
に示すキャパシタの等価回路(同図(a))において、
Ecはキャパシタの端子間電圧、Cは静電容量、Rsは
内部抵抗、Rpは漏洩抵抗で、これらの諸定数により充
放電動作の解明が可能である。しかし、同図(b)に示
す二次蓄電池の等価回路は、電池としての特性をそのま
ま有する電圧源Eoを使用したもので、蓄電量や過渡応
答特性は表現されておらず、この等価回路では二次蓄電
池1とキャパシタ2とを組み合わせてなる電源装置3の
過渡充放電動作時の分担電流を正しく算出することがで
きない。
【0014】そこで、二次蓄電池の特性をキャパシタの
特性に等価変換しキャパシタの特性をあらわすパラメー
タを使用して充放電時の過渡現象を解析してアシストす
る時の分担電流を明確にする。二次蓄電池の蓄電容量を
示す単位[Ah]は、これと二次蓄電池の電圧単位
[V]とを積算すれば蓄電エネルギー量を表すので、こ
れをキャパシタで蓄電するとしてこの関係から式(1)
が成立する。 X[Ah]・Y[V]=3,600・X・Y[A・Sec][V] =0.5・Cb・Y2[F][V2] 式(1) 故に、蓄電容量を示す単位[Ah]を等価キャパシタ静
電容量Cbを示す単位[F]に換算する式は、式(2)
で表される。 Cb[F]=7,200・X/Y[Ah]/[V] 式(2)
【0015】また、電池の内部抵抗特性を表す単位[Ω
・Ah/V]はキャパシタの過渡応答特性を表す単位
[ΩF]に式(3)で示すように変換することができ
る。 Rbt[Ω・Ah/V]=3,600・Rbt[Ω・A・Sec/V] =3,600・Rbt[Ω・Q/V] =3,600・Rbt[ΩF] 式(3) ここで[Q]は[A・Sec]の積で決まる電荷量を示
し、また[Q/V]はキャパシタの単位[F]である。
更に、電池の等価内部抵抗Rbは式(4)で表される。 Rb[Ω]=3,600・Rbt[ΩF]/Cb[F] 式(4)
【0016】以上は、過渡的充放電動作におけるアシス
ト作用を解析するために必要な二次蓄電池のキャパシタ
特性への変換要領であるが、次に、上述した適正なアシ
スト特性を発揮するために必要なキャパシタの静電容量
の設定要領について説明する。先ず、負荷装置の力行
(または制動)運転時での電力を放電(または蓄電)す
る為に必要とするキャパシタ容量はこの電力エネルギー
を全てこのキャパシタで供給(蓄電)するとして先ず基
本静電容量Coを求める。 Egc[J]=I[A]・Vo[V]・T[Sec] =Co[F]・Vo[V]2/2 式(5) これにより基本静電容量Coは式(6)より求められ
る。 Co[F]=2・I[A]・T[Sec]/Vo[V] =2・Egc[J]/Vo[V]2 式(6)
【0017】ところで、この基本静電容量Coは、電圧
Voが零まで変化し得ると仮定して充放電エネルギー量
から算出された値であるため、実際には、二次蓄電池に
許容される電圧変動の範囲で同じエネルギー量を充放電
できる必要があると考える。今、同エネルギー量の放電
により電圧がVoからVvに降下したとすると、電圧変
動分ΔVは式(7)で表せ、電圧変動率Vrは式(8)
で示される。 ΔV=Vo−Vv 式(7) Vr=ΔV/Vo 式(8)
【0018】従って、二次蓄電池の電圧変動率を許容値
Vrに収めるために必要なキャパシタの静電容量をCc
とすると、先の基本静電容量Coを想定したときの充放
電エネルギー量と、上記Ccで設定する充放電エネルギ
ー量とが等しいことから式(9)が成立する。 0.5・Co・Vo2=0.5・Cc(Vo2−Vv2) =0.5・Cc(Vo+Vv)(Vo−Vv) ≒0.5・Cc・2・Vo・ΔV =0.5・Cc・2・Vo・Vr・Vo =0.5・Cc・Vo2・2・Vr 式(9)
【0019】従って、アシストキャパシタとして必要な
静電容量Ccは、式(10)に示された値以上とすれば
よいことになる。 Cc≒Co/(2・Vr)=Egc/(Vo2・Vr) 式(10)
【0020】実施の形態2.以上で求めた各関係式を適
用し、具体的なモデル電源システムについて二次蓄電池
をアシストするキャパシタの各定数を設定し、また、そ
のアシスト効果をシミュレーション解析した結果を実施
の形態2として説明する。図4はそのモデル電源システ
ムの回路構成を示す。図において、6は定電流源で、こ
の定電流源6により電源装置3の当初の充電動作を行
う。また、二次蓄電池1は、等価キャパシタ静電容量C
bと等価内部抵抗Rbとで表している。
【0021】モデルとした二次蓄電池は、定格電圧3.
6Vのセルを8セル直列に接続した電圧28.8Vのも
ので、その定格容量がモジュール容量94Ah、5分間
率蓄電容量が18.8Ah、内部抵抗特性が0.047
Ω・Ah/Vのリチュウムイオン電池である。この場
合、等価キャパシタ静電容量Cbは式(2)より求めら
れる。 Cb[F]=7,200×18.8[Ah]/28.8[V] =4,700[F] 過渡応答特性Rbtは式(3)より求められる。 Rbt[ΩF]=3,600×0.047[Ω・Ah/V] =169.2[ΩF] また、二次蓄電池の等価内部抵抗Rbは式(4)より求
められる。 Rb[Ω]=Rbt/Cb=169.2[ΩF]/4,700[F] =0.036[Ω]
【0022】図5にこのモデル電源の充放電パターンを
示す。時間軸5secから10secまでの5sec
間、インバータ4から電源装置3へDC30Aの定電流
で充電動作を行う。また、時間軸15secから20s
ecまでの5sec間、インバータ4から交流電動機5
へ一定電力(直流換算で30V×30A)を供給する。
即ち、電源装置3は放電動作を行う。
【0023】アシストするキャパシタ2の静電容量Cc
は以下によって算出設定した。即ち、先ず、式(6)よ
り基本静電容量Coは、 Co=2×30[A]×5[Sec]/28.8[V]
=10.42[F] となり、二次蓄電池1の許容電圧変動率Vr=0.04
2とすると、 Cc=10.42/0.084=125[F] となる。
【0024】これで、キャパシタ2の静電容量Ccは決
まるが、特に二次蓄電池1とキャパシタ2との電流分担
の状況を比較確認するため、表1に示す3種類のキャパ
シタA、L1、L2を設定してシミュレーションを実施
した。
【0025】
【表1】
【0026】この計算結果の内、電流充放電特性をそれ
ぞれ図6、図7および図8に示す。ここで、二次蓄電池
1に流れる電流をIb、キャパシタ2に流れる電流をI
cとすると、例えば、時間軸5−10secの充電動作
期間では、常に Ib+Ic=30[A] が成立する。
【0027】計算結果から、先ず、充放電電流分担比I
Rcb=Ic/Ibの初期値IRcbsは二次蓄電池1
の等価内部抵抗Rbとキャパシタ2の内部抵抗Rcとの
逆比で決まることが判る。図6(キャパシタA)の例で
示すと、内部抵抗比 Rb/Rc=0.036[Ω]/0.240[Ω]=
0.15 が、計算結果による、二次蓄電池1の電流初期値Ibs
=26[A]、キャパシタ2の電流初期値Ics=4
[A]から求まる充放電電流分担比初期値 IRcbs=Ics/Ibs=4/26=0.15 と一致する。
【0028】一方、充放電電流分担比の終期値IRcb
fはキャパシタの過渡応答特性τ[ΩF]と充放電時間
特性で決まり、キャパシタAはτ=30[ΩF]でこれ
はキャパシタの充放電時定数でもあるので、図6の5秒
間での充放電特性はフラットである。これに比べて、図
7のキャパシタL1は過渡応答特性が小さくてτ=6
[ΩF]であるので、5秒間での充放電特性は減衰特性
を示している。更に図8のキャパシタL2は過渡応答特
性が更に小さくてτ=2[ΩF]であるので、5秒間で
の充放電特性は更に大きい減衰特性を示している。
【0029】以上述べたように、二次蓄電池とキャパシ
タとの充放電電流分担比の初期値は二次蓄電池の等価内
部抵抗とキャパシタの内部抵抗との逆比に一致し、終期
値は充放電時間t[sec]とキャパシタの過渡応答特
性τ[ΩF]で決まる。特に二次蓄電池とキャパシタと
を並列に接続した時の充放電終期値での電流分担特性は
複雑で、電流動作の解析をする上で先ず、両者の動作で
の相互作用(影響)や動作順序を正確に把握しなければ
ならない。そこで、前に述べたように、二次蓄電池の過
渡応答特性Rbtは169.2[ΩF]で、アシストキ
ャパシタの過渡応答特性τ[ΩF]は、キャパシタA、
L1、L2それぞれが30、6、2[ΩF]で格段に小
さいので、定電流充放電での変化は先ずキャパシタ電流
にあらわれ、定電流充放電値とキャパシタ電流との差電
流が二次蓄電池に流れるという関係と相互作用があるも
のと思われる。
【0030】ところで、電圧Voの定電圧源に抵抗R
c、静電容量Ccの直列回路を時間t=0で投入したと
きの電流Icの過渡特性は式(11)で表される。 Ic=(Vo/Rc)・EXP(−t/Cc・Rc) 式(11) 従って、式(11)を利用すると、キャパシタ電流の終
期値Icfは、充放電時間tとキャパシタの過渡応答特
性τ[ΩF]の比により決まる指数関数として求め得る
ことが考えられる。
【0031】そこで、この状況を確かめるため、仮に、
キャパシタの分担電流Icが初期値の1/2になる時間
0.5を式(11)から求めると、 EXP(−t0.5/Cc・Rc)=0.5 t0.5=0.693・Cc・Rc[Sec] 式(12) となる。しかるに、シミュレーション結果によるこの半
減時間t0.5は式(12)の値よりも大きく、補正係数
Kを導入した式(13)を用いることにより、ほぼシミ
ュレーション結果と一致する値が得られることが判っ
た。 t0.5≒0.693・Cc・Rc/K 式(13) K=0.5・{Ics/(Ics+Ibs)} 式(14) ここで、Ics、Ibsはキャパシタおよび二次蓄電池
の分担電流初期値である。
【0032】例えば、図7のキャパシタL1では、Cc
・Rc=6[ΩF]であり、式(13)によるt0.5
20[Sec]、また、図8のキャパシタL2では、C
c・Rc=2[ΩF]であり、式(13)によるt0.5
≒4.2[Sec]となり、いずれも、シミュレーショ
ン結果とほぼ一致する。
【0033】以上のように、充放電動作におけるキャパ
シタの分担電流の終期値の初期値からの減衰率は、キャ
パシタの過渡応答特性τ[ΩF]によって決定される
が、より正確には、式(13)の関係式を利用すること
により、キャパシタの分担電流終期値Icfを求めるこ
とができる。分担電流初期値Icsは既述した通り、両
者の内部抵抗の逆比から求められるので、電源装置3と
しての充放電が定電流の条件でなされるとすると、上記
キャパシタ電流Ics、Icfから二次蓄電池分担電流
初期値Ibs、終期値Ibfが求まり、両値が二次蓄電
池1の許容電流範囲内であるか否かを確かめればよい。
範囲外であれば、範囲内となるよう、キャパシタ2の内
部抵抗Rc[Ω]および過渡応答特性τ[ΩF]の値を
調整した特性にキャパシタ2の設計を見直せばよい。
【0034】図9はアシストする効果を充放電電圧から
評価するもので、アシストキャパシタはキャパシタAの
特性の場合を示している。時間軸5secから10se
cの間は30Aの充電電流で蓄電池電圧は上昇し、最高
電圧はDC29.59Vになっている。また、時間軸1
5secから20secの間は負荷の30Aの出力電流
で電圧降下し、最低値はDC28.02Vになる。この
場合の電圧変動率Vrは充電時が3.33%に、また放
電時は3.54%になり計画の4.2%の範囲に収まっ
ている。また、キャパシタL1の特性の場合(特性図は
図示していない)の電圧変動率Vrは充電時も放電時も
2.71%の値である。これはアシストするキャパシタ
の内部抵抗がキャパシタAに比べて低い値であるので変
動率は更に低くなっている。
【0035】通常、二次蓄電池ではその容量や電圧の低
下が、定格の80%〜50%以下になった状態を寿命と
している。これには充電電圧、充電電流、蓄電池温度、
放電量、放電回数などの蓄電状態と負荷への放電条件が
関係する。温度においては30℃〜40℃の使用条件が
適しており、これより高温の時に負極板の劣化や正極芯
金の腐食も促進されて短寿命となるので50℃を越える
とファンを動作させて機能低下や損傷を防いでいる。特
に放電深度50%の放電では約1800サイクル、更に
深い放電深度75%では1300サイクル程度に、また
100%では700サイクルと短寿命となる。電圧許容
変動範囲では鉛蓄電池はセル当たり2.4V〜1.8V
(最近の傾向では2.25V〜1.8V)で、アルカリ
蓄電池では1.6V〜1.0Vとほぼ定格電圧に対し電
圧変動は±10〜30%の範囲が寿命劣化を配慮した電
圧変動と考えられているが、使用条件によっては電圧変
動を更に小さく抑える必要がある。
【0036】二次蓄電池の一般的な使用基準によれば、
放電は長時間にわたる一定電力の放電動作であり、充電
は二次蓄電池の充電許容時間や放電容量によりその定格
が決められた外部充電器により行われるので問題はない
が、例示したような電動イスのように、過渡的充放電動
作を伴う運動体の負荷に適用する場合、これを二次蓄電
池自身の能力で充足しようとすると、不経済、不合理な
装置となり、実用性に劣ることになる。
【0037】しかるに、上述した通り、この発明により
設定した静電容量Ccを有するキャパシタを並列に接続
してなる二次蓄電池アシスト回路を適用することによ
り、運動体負荷の加速減速に伴う過渡的充放電動作は主
としてキャパシタが受け持ち、二次蓄電池としては、運
動体負荷が定速を維持するために必要な軽度でほぼ一定
の負荷を負担すれば済むことになり、二次蓄電池とキャ
パシタの互いに異なる長所を共に有効に活かした合理的
経済的で、信頼性が高く長寿命の電源供給システムを実
現することができる訳である。
【0038】更に、二次蓄電池とキャパシタとの電流分
担特性に言及すれば、今まで、業界では、アシストする
時の初期分担電流を増やす為に、キャパシタの内部抵抗
を小さくすることに考えが固定され、アシストする継続
時間量には関心が薄かった。故に、内部抵抗を小さくす
ることに努力が傾注され、その為静電容量も合わせて小
さくなり、当然ΩF値も小さく現在では2[ΩF]ぐら
いになっている。これでは例えば30秒間の充放電をす
る用途には不向きである。しかるに、上述した通り、こ
の発明により電流分担の適正な設定方式を実現したの
で、充放電パターンに応じたアシストキャパシタの設計
選択が容易確実になされることになる。
【0039】なお、この発明を適用するにあたっては、
以上の実施の形態で説明した、二次蓄電池やキャパシタ
の種別、また、過渡的充放電パターンの場合に限られる
ものではないことは当然である。また、過渡的充放電動
作が要求される負荷としては、例示した電動イスに限ら
ず、電動機を駆動源とする種々の移動体、運動体を想定
することが可能であり、その種の負荷にこの発明を適用
することにより上述したと同等の効果を奏する。
【0040】
【発明の効果】以上のように、この発明に係るキャパシ
タによる二次蓄電池アシスト回路は、所定パターンの過
渡的充放電動作を伴う二次蓄電池と並列にキャパシタを
接続することにより上記二次蓄電池の過渡的充放電動作
による電圧変動を所定の許容範囲内に収めるアシスト回
路であって、上記二次蓄電池の許容電圧変動に相当する
電圧変動が存在した場合に発生する上記キャパシタの充
電または放電容量が、上記所定パターンの過渡的充電ま
たは放電電力エネルギー以上となるよう上記キャパシタ
の静電容量を設定したので、二次蓄電池の電圧変動をそ
の許容範囲に確実に収めることができ、二次蓄電池とキ
ャパシタとの両者の長所を有効に活かした合理的経済的
で、信頼性の高い直流電源システムを実現することがで
きる。
【0041】また、この発明に係る二次蓄電池アシスト
回路は、上記所定パターンの過渡的充電または放電電力
エネルギーをEgc(J)、上記二次蓄電池の起電電圧
をVo(V)、上記二次蓄電池の許容電圧変動率をVr
としたとき、上記キャパシタの静電容量Cc(F)を下
式で設定したので、二次蓄電池の電圧変動をその許容範
囲に確実に収めることができ、二次蓄電池とキャパシタ
との両者の長所を有効に活かした合理的経済的で、信頼
性の高い直流電源システムを実現することができる。 Cc≧Egc/(Vo2・Vr)
【0042】また、この発明に係る二次蓄電池アシスト
回路は、所定パターンの過渡的充放電動作を伴う二次蓄
電池と並列にキャパシタを接続することにより上記二次
蓄電池の過渡的充放電動作による電流を所定の許容範囲
内に収めるアシスト回路であって、上記過渡的充電また
は放電動作の初期時における上記二次蓄電池とキャパシ
タとの電流分担比は、上記二次蓄電池の等価内部抵抗と
キャパシタの内部抵抗との逆比で決定され、上記過渡的
充電または放電動作の終期時における上記キャパシタの
電流の初期値からの減衰率は、上記キャパシタのΩ・F
値に基づき定まる時定数で決定されるとして算出した、
上記過渡的充放電動作中の上記二次蓄電池の電流の最大
値が上記許容範囲内に収まるよう、上記キャパシタの内
部抵抗およびΩ・F値を設定したので、二次蓄電池の電
流をその許容範囲に確実に収めることができ、信頼性の
高い直流電源システムを実現することができる。
【0043】また、この発明に係る二次蓄電池は、その
二次蓄電池とキャパシタとの並列接続体に電動機を駆動
源とする運動体を接続し、過渡的充電は上記電動機の減
速回生運転時のエネルギー充電動作が相当し、過渡的放
電は上記電動機の加速力行運転時のエネルギー放電動作
が相当するので、運動体の加減速に伴う過渡的充放電負
担は主としてキャパシタが吸入し、二次蓄電池はもっぱ
ら運動体の定速を維持するための電力供給を分担するこ
とで、二次蓄電池とキャパシタとの互いに異なる両者の
長所を共に有効に活用した合理的な直流電源システムを
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるキャパシタ
による二次蓄電池アシスト回路を電動イスの駆動装置に
適用したシステム構成図である。
【図2】 電動イスの走行特性を示す図である。
【図3】 従来から知られた、キャパシタと二次蓄電池
の等価回路を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2におけるモデル電源
システムの回路構成を示す図である。
【図5】 モデル電源の充放電パターンを示す図であ
る。
【図6】 キャパシタAを適用したモデル電源のシミュ
レーション計算による充放電電流特性を示す図である。
【図7】 キャパシタL1を適用したモデル電源のシミ
ュレーション計算による充放電電流特性を示す図であ
る。
【図8】 キャパシタL2を適用したモデル電源のシミ
ュレーション計算による充放電電流特性を示す図であ
る。
【図9】 キャパシタAを適用したモデル電源のシミュ
レーション計算による充放電電圧特性を示す図である。
【符号の説明】
1 二次蓄電池Bt、2 キャパシタEDLC、3 電
源装置、4 インバータ、5 交流電動機、6 定電流
源。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定パターンの過渡的充放電動作を伴う
    二次蓄電池と並列にキャパシタを接続することにより上
    記二次蓄電池の過渡的充放電動作による電圧変動を所定
    の許容範囲内に収めるアシスト回路であって、 上記二次蓄電池の許容電圧変動に相当する電圧変動が存
    在した場合に発生する上記キャパシタの充電または放電
    容量が、上記所定パターンの過渡的充電または放電電力
    エネルギー以上となるよう上記キャパシタの静電容量を
    設定したことを特徴とするキャパシタによる二次蓄電池
    アシスト回路。
  2. 【請求項2】 所定パターンの過渡的充放電動作を伴う
    二次蓄電池と並列にキャパシタを接続することにより上
    記二次蓄電池の過渡的充放電動作による電圧変動を所定
    の許容範囲内に収めるアシスト回路であって、 上記所定パターンの過渡的充電または放電電力エネルギ
    ーをEgc(J)、上記二次蓄電池の起電電圧をVo
    (V)、上記二次蓄電池の許容電圧変動率をVrとした
    とき、上記キャパシタの静電容量Cc(F)を下式で設
    定したことを特徴とするキャパシタによる二次蓄電池ア
    シスト回路。 Cc≧Egc/(Vo2・Vr)
  3. 【請求項3】 所定パターンの過渡的充放電動作を伴う
    二次蓄電池と並列にキャパシタを接続することにより上
    記二次蓄電池の過渡的充放電動作による電流を所定の許
    容範囲内に収めるアシスト回路であって、 上記過渡的充電または放電動作の初期時における上記二
    次蓄電池とキャパシタとの電流分担比は、上記二次蓄電
    池の等価内部抵抗とキャパシタの内部抵抗との逆比で決
    定され、 上記過渡的充電または放電動作の終期時における上記キ
    ャパシタの電流の初期値からの減衰率は、上記キャパシ
    タのΩ・F値に基づき定まる時定数で決定されるとして
    算出した、上記過渡的充放電動作中の上記二次蓄電池の
    電流の最大値が上記許容範囲内に収まるよう、上記キャ
    パシタの内部抵抗およびΩ・F値を設定したことを特徴
    とするキャパシタによる二次蓄電池アシスト回路。
  4. 【請求項4】 二次蓄電池とキャパシタとの並列接続体
    に電動機を駆動源とする運動体を接続し、過渡的充電は
    上記電動機の減速回生運転時のエネルギー充電動作が相
    当し、過渡的放電は上記電動機の加速力行運転時のエネ
    ルギー放電動作が相当することを特徴とする請求項1な
    いし3のいずれかに記載のキャパシタによる二次蓄電池
    アシスト回路。
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