JP2001357792A - 電子銃及び陰極線管 - Google Patents

電子銃及び陰極線管

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JP2001357792A
JP2001357792A JP2000177045A JP2000177045A JP2001357792A JP 2001357792 A JP2001357792 A JP 2001357792A JP 2000177045 A JP2000177045 A JP 2000177045A JP 2000177045 A JP2000177045 A JP 2000177045A JP 2001357792 A JP2001357792 A JP 2001357792A
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cathode
electron
electrons
ray tube
cathode ray
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JP2000177045A
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Kousuke Ichida
耕資 市田
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 駆動電圧を低減することにより良好な信号波
形を得ることができ、高い駆動周波数に対しても良好な
電子ビームスポットを得ることができる電子銃及びこの
電子銃を備えた陰極線管を提供する。 【解決手段】 冷カソード25と、この冷カソード25
からの電子を増倍する増倍手段26とからなる電子放出
源を有して電子銃1を構成する。また、この電子銃1を
備えて陰極線管を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子銃及び電子銃
を備えた陰極線管に係わる。
【0002】
【従来の技術】図7にカラー陰極線管の構造を示す。こ
のカラー陰極線管51は、陰極線管体のパネル部51a
の内側に蛍光面54が形成され、陰極線管体のファンネ
ル部51bの内面には内装カーボン膜55が形成され、
ファンネル部51bから陰極線管体のネック部51cに
かけて周囲に電子ビームEBを偏向させて蛍光面54の
所定の位置に照射させるための偏向ヨーク56が設けら
れている。
【0003】そして、ネック部51cの内側には電子銃
52が配置され、電子銃52は電子ビームEBの形成及
び変調の役割を持つ三極部61と、電子ビームEBを収
束させる主レンズ部62とに分けられる。図中53は電
子銃52に各種電圧を印加するピンを示す。
【0004】さらに、図7のカラー陰極線管51の電子
銃52の三極部61の構造を図8に示す。三極部61
は、ヒーター63とスリーブ64とカソード材65とか
ら成るカソード66、第1グリッドG1、第2グリッド
G2より構成される。カソード66は、電子ビームの
R,G,Bの3色に対応して3つ設けられ、第1グリッ
ドG1及び第2グリッドG2には、3つのカソード66
に対向して3つの孔が設けられている。第1グリッドG
1には例えば0V、第2グリッドG2には例えば300
〜500Vの電位が印加される。
【0005】現在一般的に陰極線管51の電子銃52に
用いられているカソード66は、図9に示すように、例
えばBaO等を電子放出源65Aとして用いてヒーター
63により加熱する熱カソードである。図中65Bは、
スリーブ64に対するキャップとなると共に、還元剤と
して例えばMgを0.2%、Wを0.4%含んで成り、
これら還元剤を電子放出源65AのBaOと反応させ
て、 BaO+Mg→MgO+Ba 6BaO+W→Ba3W+3Ba という反応を発生させて、電子放出源65Aから電子を
放出させるものである。
【0006】このタイプのカソード66は、通常カット
オフ電圧が約100Vのとき、ドライブ電圧Edと発生
する電子ビームEBの電流値Ikとの関係が図10のよ
うになる。例えばコンピュータディスプレイ用の陰極線
管に通常必要な300μAの電流値を得るためには、ド
ライブ電圧は約43V必要となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】今後、陰極線管の高精
細度化に伴って、カソードのドライブ周波数は高くな
り、スクリーン上のスポットサイズも小さくする必要が
ある。
【0008】ところが、カソードのドライブ周波数が高
くなるにつれて、信号波形の劣化が大きくなり、現状の
駆動電圧で信号を劣化させずに駆動するためには、信号
波形を補正する回路が必要となり、回路コストが高くな
ってしまう。
【0009】そこで、信号波形の劣化を抑えるために
は、駆動電圧を現状より下げることが考えられる。そし
て、現在のカソードの構成で駆動電圧を下げるために
は、第1グリッドG1の孔径を大きくするか、或いはカ
ソード66と第1グリッドG1の距離を小さくすること
が考えられる。
【0010】しかしながら、第1グリッドG1の孔径を
大きくすると、電子の放出面積を広げることになり、陰
極線管のスクリーン(蛍光面)54上のスポットサイズ
が増大してしまうというジレンマが生じる。
【0011】また、カソード66と第1グリッドG1と
の距離を短縮していくと、非常に高い組み立て精度が必
要となり、熱変形の影響も大きくなるため、距離の短縮
には限界がある。
【0012】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、駆動電圧を低減することにより良好な信号波形
を得ることができ、高い駆動周波数に対しても良好な電
子ビームスポットを得ることができる電子銃及びこの電
子銃を備えた陰極線管を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の電子銃は、冷カ
ソードと、この冷カソードからの電子を増倍する増倍手
段とからなる電子放出源を有するものである。
【0014】本発明の陰極線管は、冷カソードと、この
冷カソードからの電子を増倍する増倍手段とからなる電
子放出源を有する電子銃を備えたものである。
【0015】上述の本発明の電子銃の構成によれば、冷
カソードを有することにより、小さい駆動電圧で電子を
発生させることができる。また、冷カソードからの電子
を増倍する増倍手段を有することにより、冷カソードか
らの少ない電子を増倍して多数の電子として、陰極線管
の蛍光面を光らせるために充分な電子ビームの量即ち電
流量を得ることが可能になる。
【0016】上述の本発明の陰極線管の構成によれば、
上記電子銃を備えたことにより、駆動電圧が小さいため
信号波形の劣化が少なく、陰極線管の蛍光面における電
子ビームのスポットを良好な形状とすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、冷カソードと、冷カソ
ードからの電子を増倍する増倍手段とからなる電子放出
源を有する電子銃である。
【0018】また本発明は、上記電子銃において、冷カ
ソードは、スピント構造のフィールドエミッションカソ
ード、カーボンナノチューブを用いたカソード、弾道面
放出型カソード、半導体のpn接合を利用するアバラン
シェカソードから選ばれる1種を用いる構成とする。
【0019】本発明は、冷カソードと、冷カソードから
の電子を増倍する増倍手段とからなる電子放出源を有す
る電子銃を備えた陰極線管である。
【0020】本発明の具体的な実施の形態の説明に先立
ち、本発明の概要について説明する。本発明では、電子
銃のカソードに冷カソードを用いて、低い駆動電圧でも
電子が得られるように構成する。さらに、本発明では、
冷カソードから得られる電子の量は少ないので、陰極線
管の動作に必要な大きさの電子ビーム(電流量)を得る
ために、増倍手段を設けて、冷カソードで発生した電子
を増倍するように構成している。
【0021】このように、冷カソードと増倍手段とを有
して電子放出源を構成することにより、駆動電圧を小さ
くして信号波形の劣化を抑制することができ、良好な電
子ビームスポットが得られる。
【0022】そして、冷カソードの構成としては、例え
ば次のような構成が考えられる。 1)スピント構造のフィールドエミッションカソード 2)カーボンナノチューブを用いた(フィールドエミッ
ション)カソード 3)弾道面放出型カソード 4)半導体のpn接合を利用するアバランシェカソード 冷カソードの構成は、これらに限定されるものではな
く、また今後開発される新たな冷カソードの構成を採用
することも可能である。
【0023】また、冷カソードで得られた電流を、陰極
線管の動作に必要な値に増倍する増倍手段としては、具
体的には例えばマイクロチャンネルプレートが挙げられ
るが、これに限ったものではない。
【0024】続いて、本発明の具体的な実施の形態を説
明する。図1は本発明の一実施の形態として、陰極線管
用電子銃の要部即ち電子放出源の概略構成図(一部内部
の断面を示す斜視図)を示す。
【0025】本実施の形態では、冷カソードとしてスピ
ント構造のフィールドエミッションカソードを採用し、
増倍手段としてマイクロチャンネルプレート(MCP)
を採用している。図1に示すように、この電子放出源で
は、カソード25と、カソード25から発生する電子を
増倍する増倍手段とを有して成る。
【0026】そして、カソード25として、スピント構
造のフィールドエミッションカソードを構成している。
具体的には、背面電極21と制御電極24とが絶縁体2
3を介して対向するように配置され、制御電極24には
孔28が形成され、絶縁体23にはこの孔28より広い
開口23Aが形成されている。そして、制御電極24の
孔28に対向するように、絶縁体23の開口23A内に
スピント型のエミッタ22が配置されている。このエミ
ッタ22は、背面電極21上に形成されて、背面電極2
1により電圧が供給される。
【0027】背面電極21及びエミッタ22には0Vが
与えられる。制御電極24には、バイアス電圧V1とカ
ソード25の交流のドライブ電圧Vdとを加えた電圧が
与えられる。
【0028】また、図1においては、増倍手段としてマ
イクロチャンネルプレート(MCP)を構成している。
具体的には、カソード25の制御電極24上に、二次電
子放出材料を有するマイクロチャンネルプレート26
が、マイクロチャンネルプレート電極27(27A,2
7B,27C,27D)と交互に積層されている。マイ
クロチャンネルプレート電極27(27A,27B,2
7C,27D)には、Vb1,Vb2,Vb3,Vb4
が与えられる。これらマイクロチャンネルプレート26
及びマイクロチャンネルプレート電極27には、カソー
ド25の制御電極24の孔28と連続するように孔29
が形成され、この孔29を通じて電子30が放出され
る。
【0029】マイクロチャンネルプレート26は、二次
電子放出材料を有するものであり、例えば二次電子放出
材料自体(もしくは二次電子放出材料が混合された層)
により構成されていてもよく、或いは絶縁体に開けた孔
29の内壁に二次電子放出材料が塗布されて構成されて
いてもよい。二次電子放出材料としては、例えばMg
O、BeO等の酸化物、GaP、GaAsP等の化合物
半導体が挙げられる。
【0030】このような構成により、カソード25の背
面電極21と制御電極24との間に電位差を与えて、交
流のドライブ電圧Vdの変化によってこの電位差がある
電位差を超えると、エミッタ22から電子30が放出さ
れる。放出された電子30は、マイクロチャンネルプレ
ート26の孔29の内壁にある二次電子放出物質に衝突
して、より多くの電子30を放出する。電子30の衝突
と電子30の放出とを繰り返し、カソード25からの電
子30を増倍することができる。
【0031】図2に図1の電子放出源の構成をカラー陰
極線管用電子銃の三極部に組み込んだ状態の概略構成図
を示す。この電子銃1では、例えばR,G,Bの3色に
対応した3本の電子ビーム30を得るために、図1に示
した電子放出源を各電子ビーム30についてそれぞれ1
つずつ設けている。そして、カソード25とマイクロチ
ャンネルプレート26とから成る電子放出源、第1グリ
ッドG1、第2グリッドG2により電子銃1の三極部1
1が構成されている。電子ビーム30は、三極部11か
ら主レンズ12により収束されて、蛍光面54に照射さ
れる。
【0032】第1グリッドG1には例えば1500V、
第2グリッドG2には例えば1800〜2000Vの電
位が与えられ、マイクロチャンネルプレート電極27
(27A,27B,27C,27D)には、Vb1=V
b2=Vb3=Vb4=250Vが与えられ、背面電極
21には0Vが与えられる。この条件のもとで、制御電
極24に、70V程度のバイアス電圧V1に重ね合わさ
れたカソードのドライブ電圧Vdを加える。
【0033】このとき、1個のスピント型のエミッタ2
2から取り出される電流量は、ドライブ電圧Vd=10
Vのとき0.1μAとなる。また、マイクロチャンネル
プレート26の増倍係数は、Vb1+Vb2+Vb3+
Vb4=1kVのとき、約1×104 (約1万倍)であ
るので、1つのカソード25より1mAの電流値を得る
ことができる。
【0034】従って、カソード25のドライブ電圧Vd
が10V以下であっても、ディスプレイ用陰極線管の動
作に必要な電流値を得ることができる。
【0035】また、1つのカソード25からの電流量を
増やすために、エミッタ22とマイクロチャンネルプレ
ート26の組を複数組設けて、1つのカソード25を構
成するようにしてもよい。尚、図2のように、カラー陰
極線管用電子銃に使用する場合には、少なくとも3本の
電子ビーム30のそれぞれに対して、エミッタ22とマ
イクロチャンネルプレート26の組を1組以上設けて、
合計3つのカソード25を構成する。
【0036】上述の本実施の形態によれば、カソード2
5をスピント構造のフィールドエミッションカソードに
より構成しているので、低いドライブ電圧Vdで電子を
発生させることが可能になる。
【0037】また、増倍手段としてマイクロチャンネル
プレート26を用いて、カソード25から発生した少量
の電子を増倍するようにしているので、陰極線管の動作
に必要な電流値を得ることが可能になる。
【0038】従って、本実施の形態の電子放出源を、陰
極線管の電子銃1の三極部11に適用することにより、
カソード25のドライブ電圧Vdが低いために、高いド
ライブ周波数においても信号波形の劣化が抑制されるた
め、信号波形の補正回路を設ける必要がなく、低い回路
コストで良好な電子ビームスポットが得られる。即ち高
いドライブ周波数を使用する陰極線管においても、良好
な画質が得られる。
【0039】また、制御電極23上に直接マイクロチャ
ンネルプレート26の最下層が形成され、かつ制御電極
23の孔28とマイクロチャンネルプレート26の孔2
9が連続するように配置されることにより、カソード2
5とマイクロチャンネルプレート26とが一体化された
電子放出源を構成している。従って、孔28,29が連
続して精度良く位置合わせされるため、冷カソードと増
倍手段とを別々に設けた場合よりも容易に位置合わせす
ることができる。
【0040】尚、マイクロチャンネルプレート(MC
P)としては、図1に示した構成の他、さまざまな構成
がある。例えば次のような構成が考えられている。1)
孔の外壁をガラスにより構成し、ガラスの両端に電極を
設けて、両端の電極に電位差を与えると、電位差による
電界で電子が加速されると共に、孔の外壁に電子が衝突
して二次電子を放出する。2)絶縁体と金属等の導電体
とを交互に積層して、孔の内壁にMgO等の二次電子放
出材料を塗布する。各層の導電体に電位を与えると、電
子が加速されると共に、孔の外壁の二次電子放出材料に
電子が衝突して二次電子を放出する。
【0041】続いて、本発明の他の実施の形態として、
冷カソードの他の構成について説明する。本実施の形態
は、冷カソードとしてカーボンナノチューブを使用する
場合である。図3に示すように、平板状の電極31上に
針状のカーボン(カーボンナノチューブ)32を設けて
カソード33を構成する。そして、図示しないが、図1
に示した制御電極24と、マイクロチャンネルプレート
26から成る増倍手段とを備えて電子放出源を構成す
る。さらに、カーボンナノチューブ32と、図1に示し
た制御電極24の孔28とを対向させて配置する。
【0042】カーボンナノチューブ32は、非常に径が
細いチューブであることから、平板状の電極31と制御
電極24との間に電位差を与えることにより、カーボン
ナノチューブ32の先端から電子30を放出させること
ができる。
【0043】この場合も、1本の電子ビーム30に対し
て、複数のカーボンナノチューブ32を設けて電流量を
多くすることが可能である。
【0044】本実施の形態においても、先の実施の形態
と同様に、低いドライブ電圧Vdでカーボンナノチュー
ブ32の先端から電子を発生させることができ、増倍手
段により電子を増幅して陰極線管の動作に必要な電流を
得ることができる。
【0045】続いて、本発明のさらに他の実施の形態と
して、冷カソードのさらに他の構成について説明する。
本実施の形態は、冷カソードとして弾道面放出型カソー
ドを使用する場合である。図4に示すように、基板(図
示せず)例えばガラス基板上に、多孔質の多結晶シリコ
ン微結晶36を形成し、この多孔質の多結晶シリコン微
結晶36の周囲を覆うようにSiO2 膜37を形成す
る。さらに、表面に例えば金から成る電極39を配置し
てカソード40を構成する。
【0046】さらに、カソード40の上方に、例えば図
1に示した制御電極23とマイクロチャンネルプレート
26から成る増倍手段とを配置する。そして、制御電極
23と電極39との間に電圧を印加することにより、多
孔質の多結晶シリコン微結晶36に注入された電子が、
その回りのSiO2 膜37を通過することにより加速さ
れて、電子30が電極39の上方に放出される。
【0047】また、このカソード40では、電子放出面
以外の部分に多孔質ではない多結晶シリコン層38を形
成して、この多結晶シリコン層38をSiO2 膜37で
覆っている。これにより、電子30を放出する領域を、
多孔質の多結晶シリコン微結晶36がある領域に規制す
る。
【0048】本実施の形態のカソード40においても、
先の実施の形態と同様に、低いドライブ電圧で電子30
を発生させることができ、増倍手段により電子を増幅し
て陰極線管の動作に必要な電流を得ることができる。
【0049】続いて、本発明の別の実施の形態として、
冷カソードの別の構成について説明する。本実施の形態
は、冷カソードとして半導体のpn接合を利用するアバ
ランシェカソードを使用する場合である。図5に示すよ
うに、p型の半導体基体41の表面付近に、薄いn++
チャネル領域42を形成し、n++のチャネル領域42の
一部の下にp+ のカソード領域43を形成する。n++
チャネル領域42の周囲には、n+ のコンタクト領域4
4が形成されている。n+ のコンタクト領域44には、
絶縁膜45の開口を通じて電極46が接続されている。
半導体基体41の下には裏面電極47が形成されてい
る。n++のチャネル領域42とp+ のカソード領域43
との間にはpn接合48が形成される。尚、半導体基体
41は、半導体基板、或いは半導体基板及びその上に形
成された半導体エピタキシャル層により構成される。
【0050】この構成において、電極46と裏面電極4
7との間に逆バイアス電圧Vrを印加して、電極46側
をプラス、裏面電極47側をマイナスとすることによ
り、アバランシェ効果を発生させて、pn接合48から
電子30を放出させることが可能になる。この場合に
も、カソード領域43の上方に、例えば図1に示した制
御電極23とマイクロチャンネルプレート26から成る
増倍手段とを配置することにより、放出された電子30
を増倍して陰極線管に必要な電流量を得ることができ
る。
【0051】上述のようにアバランシェ効果を発生させ
て電子を放出させる構成としては、この他にも例えば図
6に示す構成が考えられている。図6A及び図6Bに示
すように、ガラス基板101上に下部電極102、例え
ばTa2 5 から成る電子ブロック層103、例えばS
iO2 から成る電子加速層104を順次形成し、電子加
速層104の上に上部電極105を形成する。上部電極
105の一部が薄くなっていて、この薄い部分が電子放
出口106となる。下部電極102と上部電極105と
は交流電源110を介して接続される。電子加速層10
4には、SiO2 等の酸化物の他、硫化物や有機物等を
用いることが可能である。
【0052】この構成の動作を説明する。交流電源11
0から正弦波電圧を印加していて、下部電極102側が
プラスのときには、電子加速層104に加わる電界がブ
レークダウン電界を超えると、アバランシェ効果により
電子加速層104内が導通し、図6Aに示すように、電
子107は電子ブロック層103との界面まで移動す
る。次に、電界の極性が逆転し、図6Bに示すように、
下部電極102側がマイナスとなったときには、電子加
速層104に加わる電界が再びブレークダウン電界を超
えると、電子加速層104と電子ブロック層103との
界面にあった電子107は、上部電極105へと移動す
る。このとき、電子107が電子加速層104内で充分
加速されていれば、電子放出口106を抜けて上方に放
出される。
【0053】この構成を図5の構成の代わりに採用し
て、本発明の冷カソードを構成することも可能である。
【0054】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0055】
【発明の効果】上述の本発明によれば、冷カソードによ
り、小さい駆動電圧で電子を発生させることができる。
また、冷カソードからの電子を増倍する増倍手段を有す
ることにより、冷カソードからの少ない電子を増倍して
多数の電子として、陰極線管の蛍光面を光らせるために
充分な電子ビームの量即ち電流量を得ることが可能にな
る。即ち小さい駆動電圧で、陰極線管の動作に必要な電
流値を得ることができ電子放出源が可能になる。
【0056】従って、駆動電圧が小さいため、高いドラ
イブ周波数においても信号波形の劣化が少なく、陰極線
管の蛍光面における電子ビームのスポットを良好な形状
とすることができる。
【0057】また、高いドライブ周波数の陰極線管にお
いても、信号波形の補正回路が不要となるため、回路コ
ストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の陰極線管用電子銃の電
子放出源の概略構成図(一部内部の断面を示す斜視図)
である。
【図2】図1の電子放出源の構成をカラー陰極線管用電
子銃の三極部に組み込んだ状態を示す概略構成図であ
る。
【図3】本発明の他の実施の形態の冷カソードの概略構
成図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態の冷カソードの
概略構成図である。
【図5】本発明の別の実施の形態の冷カソードの概略構
成図である。
【図6】A、B アバランシェ効果を発生させて電子を
放出させる構成とその動作を示す図である。
【図7】カラー陰極線管の概略構成図である。
【図8】図7の電子銃の三極部の構造を示す図である。
【図9】熱カソードの構造を示す図である。
【図10】従来の電子銃におけるドライブ電圧と電流と
の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 電子銃、11 三極部、12 主レンズ、21 背
面電極、22 エミッタ、24 制御電極、25,3
3,40 カソード、26 マイクロチャンネルプレー
ト、27A,27B,27C,27D マイクロチャン
ネルプレート電極、28,29 孔、30 電子(電子
ビーム)、31 (平板状の)電極、32針状のカーボ
ン(カーボンナノチューブ)、39,46 電極、41
半導体基体、42 チャネル領域、43 カソード領
域、44 コンタクト領域、47裏面電極、101 ガ
ラス基板、102 下部電極、103 電子ブロック
層、104 電子加速層、105 上部電極、106
電子放出口、107 電子、110 交流電源、G1
第1グリッド、G2 第2グリッド

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷カソードと、該冷カソードからの電子
    を増倍する増倍手段とからなる電子放出源を有すること
    を特徴とする電子銃。
  2. 【請求項2】 上記冷カソードは、スピント構造のフィ
    ールドエミッションカソード、カーボンナノチューブを
    用いたカソード、弾道面放出型カソード、半導体のpn
    接合を利用するアバランシェカソードから選ばれる1種
    を用いることを特徴とする請求項1に記載の電子銃。
  3. 【請求項3】 冷カソードと、該冷カソードからの電子
    を増倍する増倍手段とからなる電子放出源を有する電子
    銃を備えたことを特徴とする陰極線管。
JP2000177045A 2000-06-13 2000-06-13 電子銃及び陰極線管 Pending JP2001357792A (ja)

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