JP2001356510A - 耐光衝撃性電子写真用画像形成部材 - Google Patents

耐光衝撃性電子写真用画像形成部材

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JP2001356510A
JP2001356510A JP2001121914A JP2001121914A JP2001356510A JP 2001356510 A JP2001356510 A JP 2001356510A JP 2001121914 A JP2001121914 A JP 2001121914A JP 2001121914 A JP2001121914 A JP 2001121914A JP 2001356510 A JP2001356510 A JP 2001356510A
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エム パイ ダモダー
Moritz P Wagner
ピー ワグナー モーリッツ
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A Abramson Dennis
エー アブラムソン デニス
Jimmy E Kelly
イー ケリー ジミー
Kent J Evans
ジェイ エバンス ケント
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐光衝撃性の電子写真用画像形成部材を提供
する。 【解決手段】 ヒドロキシガリウムフタロシアニンを光
発生顔料として利用する電子写真用画像形成部材は、ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニンのバインダポリマーと
してポリカーボネートZポリマーを含む電荷発生層を形
成することにより耐光衝撃性が改良される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的には電子写
真用画像形成部材に関する。更に詳しくは、本発明は、
光衝撃に対して改良された抵抗性を有する電子写真用画
像形成部材及び該画像形成部材の使用法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真技術において、導電層上に光導
電性絶縁層を含む電子写真プレートへの画像形成は、ま
ず光導電性絶縁層の画像形成表面に均一に静電荷を与え
ることから始まる。次にこのプレートを光などの活性化
電磁放射線のパターンに露光する。すると光導電性絶縁
層の照射領域における電荷が選択的に消失し、非照射領
域に静電潜像が残る。次にこの静電潜像を、微粉状の検
電性トナー粒子を光導電性絶縁層表面に付着させること
によって現像し、可視画像を形成させる。得られた可視
トナー画像は紙などの適切な受容部材に転写され得る。
この画像形成工程は再使用可能な電子写真用画像形成部
材を用いて何度も繰り返すことができる。
【0003】電子写真用画像形成部材はプレート、ドラ
ム、又はフレキシブルベルトの形態であり得る。これら
の電子写真用部材は通常、基板、導電層、場合により正
孔ブロッキング層、場合により接着層、電荷発生層、電
荷輸送層、場合によりオーバーコート層、及び一部のベ
ルト形態ではカール防止裏打ち層を含む多層式フォトレ
セプタである。
【0004】フォトレセプタはフォトレセプタに使用さ
れている電荷発生層の種類によって様々な程度の光衝撃
を受けやすい。光衝撃とは、室内灯などの光源に暴露さ
れたフォトレセプタがその一つ又はそれ以上の性質に永
続的な有害変化を見せる現象のことである。例えば、光
衝撃の結果、フォトレセプタは、その後でプリンタ、コ
ピー機又は複写機などの電子写真式画像形成装置で行う
電子写真画像形成工程に利用されるとき、暗失活及び劣
化の増加、並びに感度の増加を示し得る。このような露
光は、例えばフォトレセプタの据付中又は装置の運転中
に発生しうる。光衝撃は、露光時間、暗残時間(dark re
st time)、及びVddpの電圧差(露光領域対非露光領
域)の点から定義/定量化できると考えられる。
【0005】フォトレセプタ全体が同じ光束に露光され
るのであれば、性質の変化は深刻な非均一性の問題を提
起しない。しかしながら、据付に長時間を要する大面積
のベルト式フォトレセプタでは、又は機械の使用運転中
に、ベルトは室内光源から問題の多い非均一的な露光を
受けやすい。
【0006】光衝撃のため、室内灯への暴露により導電
性となったフォトレセプタの領域は露光事象の終了後も
導電性のままである。光衝撃を受けやすいフォトレセプ
タ、特に10ピッチベルトのような非常に大きなフォト
レセプタベルトの場合、光への暴露はフォトレセプタの
異なる領域に異なる程度の露光をもたらす。例えばフォ
トレセプタベルトの上面、側面及び底面は異なる程度の
光衝撃を経験する。従って、例えばベルト交換や機械の
メンテナンス中、フォトレセプタの室内灯への非均一的
な暴露がVddp(暗現像電位)に非均一性をもたらす。
【0007】Vddpは、フォトレセプタが露光されない
場合に現像ステーションで達成される電位のことであ
る。Vddpの通常値は所定の機械で約600〜約100
0ボルトであろう。Vddpは運転サイクルに伴って二種
類の変化を記録する。初期暴露後最初の変化で暗失活は
数サイクルのうちに変化を受け、その後波高値で安定化
する。第二の変化は長期の影響で、何十キロサイクルに
わたるVddpの漸減(暗失活の増加)として現れる。
【0008】フォトレセプタの露光領域と非露光領域の
間に5Vddpの電圧差があると、非均一的な画像電位に
つながるので望ましくない。これが今度は光衝撃を受け
たフォトレセプタをその後で電子写真式画像形成に利用
する場合に非均一的なトナー画像の形成をもたらすこと
になる。
【0009】光衝撃の問題はヒドロキシガリウムフタロ
シアニン又はアルコキシガリウムフタロシアニン粒子を
例えば電荷発生層のポリマーバインダ中に分散させた光
発生顔料として含有するフォトレセプタで特に深刻であ
る。非常に高品質の画像形成にとってこの非均一性は甚
だ望ましくない。
【0010】光衝撃による導電性の劇的な変動は、高度
に複雑且つ高性能の機械でも自動制御で補うことは不可
能である。そこで、ヒドロキシガリウムフタロシアニン
顔料を含有し、光衝撃に対して抵抗性のある電荷発生層
を含むフォトレセプタの開発が望まれている。
【0011】ヒドロキシガリウムフタロシアニン及びア
ルコキシガリウムフタロシアニン粒子を光発生顔料とし
て使用しているフォトレセプタは特に光衝撃とそれに付
随する問題を被りやすい。光衝撃の問題を経験しない三
方晶系セレン又はベンズイミダゾールペリレン(Bz
P)を含有するフォトレセプタと比較した場合に特にそ
うである。例えば、ベンズイミダゾールペリレン顔料を
MitsubishiChemical Compan
y社製のPCZポリカーボネート、すなわちポリ(4,
4’−ジフェニル−1,1’−シクロヘキサンカーボネ
ート)を含むバインダ内に分散させたフォトレセプタ電
荷発生層の形成が知られている。例えば、好適な電荷発
生層はポリ(4,4’−ジフェニル−1,1’−シクロ
ヘキサンカーボネート)の中に分散させたベンズイミダ
ゾールペリレンで構成されると記述している米国特許第
5,906,904号(全内容を本願に引用して援用す
る)参照。
【0012】米国特許第5,906,904号は電荷発
生層について記述している先行技術の代表である。これ
には電荷発生層はいくつかの公知種類の顔料を含むこと
ができ、該顔料は非常に多数の公知バインダ材料中に分
散させることができると記載されている。しかしなが
ら、該先行技術は次にたった一つの特定種類の電荷発生
層が好適であることを教えており、この場合、それはポ
リ(4,4’−ジフェニル−1,1’−シクロヘキサン
カーボネート)バインダの中に分散させたベンズイミダ
ゾールペリレン顔料で構成される電荷発生層である。
【0013】これに関連して、米国特許第5,922,
498号、第5,863,686号及び第5,492,
785号も参照(これらの全内容を本願に引用して援用
する)。これらの特許も同様にポリ(4,4’−ジフェ
ニル−1,1’−シクロヘキサンカーボネート)バイン
ダの中に分散させたベンズイミダゾールペリレン顔料で
構成される電荷発生層が好適であることを教えている。
【0014】また、ポリスチレン/ポリ−4−ビニルピ
リジンコポリマーバインダの中に分散させたヒドロキシ
ガリウムフタロシアニン顔料で構成される電荷発生層が
好適であることを教えている米国特許第5,985,5
00号も参照(全内容を本願に引用して援用する)。
【0015】米国特許第5,571,648号に、支持
基板(チタンを含む層の上にジルコニウムを含む層を含
む二つの導電性接地面層を有する)と、正孔ブロッキン
グ層と、接着層(コポリエステル塗膜形成樹脂を含む)
と、中間層(前記接着層に接触し、塗膜形成カルバゾー
ルポリマーを含む)と、電荷発生層(ポリカーボネート
とカルバゾールポリマーとの塗膜形成ポリマーバインダ
ブレンドの中に分散させたペリレン又はフタロシアニン
粒子を含む)と、正孔輸送層(電荷発生層が光発生正孔
を発生し注入するスペクトル領域では実質的に非吸収で
あるが、前記電荷発生層からの光発生正孔の注入を支持
し、前記正孔を前記電荷輸送層を通って輸送することが
できる)とを含む電子写真用画像形成部材が記載されて
いる。しかしながら、この引用特許にもポリ(4,4’
−ジフェニル−1,1’−シクロヘキサンカーボネー
ト)バインダの中に分散させたベンズイミダゾールペリ
レン顔料で構成される電荷発生層が好適であることが記
載されている。
【0016】米国特許第5,473,064号にヒドロ
キシガリウムフタロシアニンの製造法が記載されてい
る。これにもヒドロキシガリウムフタロシアニンは幾つ
かの公知ポリマーから選ばれ得るバインダ樹脂中に分散
させることによって電荷発生層に使用できることが記載
されている。幾つかの公知ポリマーとは、米国特許第
3,121,006号を参照して、ポリ(ビニルブチラ
ール)、ポリ(ビニルカルバゾール)、ポリエステル
類、ポリカーボネート類、ポリ(塩化ビニル)、ポリア
クリレート類及びメタクリレート類、塩化ビニルと酢酸
ビニルとのコポリマー類、フェノキシ樹脂類、ポリウレ
タン類、ポリ(ビニルアルコール)、ポリアクリロニト
リル、ポリスチレン、などである。例示された好適なバ
インダはポリビニルブチラールである。
【0017】フォトレセプタ、特に大型ベルト式フォト
レセプタの電荷発生層にヒドロキシガリウムフタロシア
ニンを使用することに付随する光衝撃の問題を検討して
いる参考文献は一つもない。
【0018】係属中の米国特許出願第09/487,5
74号(2000年1月19日出願、本願に引用して援
用する)に、電荷輸送層にトリエタノールアミン、モル
ホリン、イミダゾール又はそれらの混合物といった耐光
衝撃性添加剤を含めることにより耐光衝撃性の改良され
た電子写真用画像形成部材が記載されている。この画像
形成部材は好ましくは光発生粒子としてヒドロキシガリ
ウムフタロシアニン、アルコキシガリウムフタロシアニ
ン及びそれらの混合物を含有する電荷発生層を有する。
そのような電荷発生層を含む画像形成部材に容認できる
耐光衝撃性を付与する方法は、トリエタノールアミン、
モルホリン、イミダゾール又はそれらの混合物といった
耐光衝撃性添加剤を含有する電荷輸送層を電荷発生層と
の関連で形成することを含む。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒドロ
キシガリウムフタロシアニン顔料を含有する電荷発生層
を含むフォトレセプタ、特に大型ベルト式フォトレセプ
タにおける光衝撃の問題を処理する簡便な方法が依然と
して模索されている。
【0020】そこで本発明の目的は、前述の欠点を克服
する改良されたフォトレセプタを提供することにある。
本発明のさらに別の目的は高品質の光導電性コーティン
グを有する改良されたフォトレセプタを提供することで
ある。本発明のまたさらに別の目的は耐光衝撃性を示す
改良されたフォトレセプタを提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明のこれら及び他の
目的は、本質的にポリカーボネートZポリマー(ビスフ
ェノールZ型ポリカーボネート)からなるポリマーバイ
ンダ中に分散させたヒドロキシガリウムフタロシアニン
の光発生粒子を含む電荷発生層を含む電子写真用画像形
成部材を提供することによって達成される。
【0022】また、本発明のこれら及び他の目的は、ヒ
ドロキシガリウムフタロシアニンを電荷発生顔料として
含有するフォトレセプタにおける光衝撃を実質的に除去
する方法を提供することによっても達成される。該方法
は、ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を本質的に
ポリカーボネートZポリマー(ビスフェノールZ型ポリ
カーボネート)からなるポリマーバインダ中に分散さ
せ、該分散物から電荷発生層を形成させることを含む。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成部材は、均一荷
電、像様露光、現像及び転写の各ステップを通って電子
写真的にサイクル運転され、受容部材上にトナー画像を
形成させる。
【0024】画像形成部材は、本質的にポリカーボネー
トZポリマーからなるバインダ中に分散させたヒドロキ
シガリウムフタロシアニン顔料で構成される電荷発生層
の結果、耐光衝撃性を示す。
【0025】本文脈における“本質的に〜からなる”と
は、そのような用語の慣例的な意味を意図する。すなわ
ち、電荷発生層のバインダは、電荷発生層の性能に著し
く影響を及ぼすような量のポリカーボネートZポリマー
以外のバインダ材料を含まないということである。“本
質的に〜からなる”から特別に除外されるのは、カルバ
ゾールポリマー及びコポリマーである。
【0026】本明細書中で使用している、容認できる耐
光衝撃性及び/又は光衝撃の実質的除去とは、フォトレ
セプタが以下のような許容可能なVddp以内であること
を意味する。
【0027】
【表1】
【0028】従って、本明細書中で使用している“耐光
衝撃性”及び“光衝撃の実質的除去”とは、特定の条件
下でフォトレセプタのVddpの非均一性は10V未満で
あるということを意味する。
【0029】光衝撃の影響を測定するには、各フォトレ
セプタデバイスをスキャナのシャフト上を回転する円筒
形アルミニウムドラム基板上に搭載する。ドラムの外縁
沿いに搭載されたコロトロンによって各フォトレセプタ
を荷電する。表面電位は時間の関数としてシャフト回り
の異なる位置に配置された静電結合電圧プローブによっ
て測定される。プローブはドラム基板に公知電位を印加
することによって較正する。ドラム上のフォトレセプタ
をコロトロン下流のドラム付近の位置に配置された光源
により露光する。ドラムが回転すると、初期(露光前)
の荷電電位が第一の電圧プローブによって測定される。
さらに回転すると露光ステーションに到達、そこでフォ
トレセプタは公知強度の単色放射線に露光される。フォ
トレセプタは荷電上流の位置に配置された光源により消
去される。
【0030】行われる測定にはフォトレセプタを定電流
又は定電圧モードで荷電することが含まれる。フォトレ
セプタは陰極コロナに荷電される。ドラムが回転する
と、初期荷電電位が第一の電圧プローブによって測定さ
れる。さらに回転すると露光ステーションに到達し、そ
こでフォトレセプタは公知強度の単色放射線に露光され
る。露光後の表面電位は第二及び第三の電圧プローブに
よって測定される。フォトレセプタは最終的に適当な強
度の消去ランプに露光される。そして残留電位があれば
それを第四の電圧プローブで測定する。この工程は次の
運転サイクル中に自動的に変更された露光規模で繰り返
される。光放電特性は、第二及び第三の電圧プローブに
おける電位を露光の関数としてプロットすることによっ
て得られる。電荷受容(アクセプタンス)及び暗失活も
スキャナで測定される。電荷受容は定電流モードでコロ
トロンを運転することによって測定される。暗現像電位
dd pは荷電ステップ後特定の時間にデバイスに残留し
ている電位のことである。
【0031】電子写真用画像形成部材、すなわちフォト
レセプタは当該技術分野で周知である。通常、基板は導
電性表面を有して提供される。次に少なくとも一つの光
導電層が導電性表面に塗布される。光導電層の塗布前に
導電性表面に電荷ブロッキング層を塗布することもでき
る。所望であれば接着層を電荷ブロッキング層と光導電
層との間に使用してもよい。多層式フォトレセプタでは
通常、電荷発生バインダ層をブロッキング層又は場合に
より接着層上に塗布し、電荷輸送層を電荷発生層の上に
形成する。しかしながら、所望であれば電荷発生層を電
荷輸送層に塗布してもよい。
【0032】光導電体基板は当該技術分野で公知の任意
の適切な有機又は無機材料を含むことができる。基板は
全体を導電性材料で成形することができる。又は導電性
表面を有する絶縁材料であってもよい。
【0033】基板は不透明又は実質的に透明であってよ
く、必要な機械的性質を備えた多数の適切な材料を含み
得る。従って、基板は非導電性又は導電性材料の層を無
機又は有機組成物として含むことができる。基板全体が
同一の材料で構成されておりその結果導電性表面を有す
ることになっても、導電性表面が単に基板上のコーティ
ングであってもよい。
【0034】適切な導電性材料であればいずれでも使用
できる。代表的な導電性材料は、銅、真鍮、ニッケル、
亜鉛、クロム、ステンレススチール、導電性プラスチッ
ク類及びゴム類、アルミニウム、半透明アルミニウム、
鋼、カドミウム、銀、金、ジルコニウム、ニオブ、タン
タル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、ク
ロム、タングステン、モリブデン、適切な物質の包接に
より又は物質を導電性とするに足る水分含有量の存在が
確実な湿大気中でのコンディショニングを通じて導電性
とした紙、インジウム、スズ、酸化スズ及び酸化インジ
ウムスズを含む金属酸化物などである。使用できる非導
電性材料としては、本目的用として知られた種々の樹
脂、例えばポリエステル類、ポリカーボネート類、ポリ
アミド類、ポリウレタン類、紙、ガラス、プラスチッ
ク、Mylar(Du Pont社製)又はMelin
ex 447(ICI Americas,Inc.社
製)のようなポリエステルなどのリジッド(剛性)又は
ウェブのようなフレキシブルなものなどがある。
【0035】基板層の厚さは考慮すべき機械的及び経済
的条件を含む多くの要因に依存する。従ってフレキシブ
ルベルト用のこの層の実質的な厚さは例えば約125μ
m、又は最終の電子写真用デバイスに有害な影響がなけ
れば最小厚50μm未満であってもよい。基板はリジッ
ド又はフレキシブルのいずれかであり得る。フレキシブ
ルベルトの一実施の形態において、この層の厚さは、短
径のローラ、例えば直径19mmのローラに巻き付けた
場合に最適な可撓性(フレキシビリティ)と最小の伸び
となるように約65μm〜約150μm、好ましくは約
75μm〜約100μmの範囲である。ドラム又はシリ
ンダの形状の基板は、所望の程度の剛性(リジディテ
ィ)に応じて任意の適切な厚さの金属、プラスチック、
又は金属とプラスチックとの組合せで構成されることに
なろう。
【0036】導電層の厚さは、電子写真用部材として所
望される光学的透明度及びフレキシビリティの程度によ
って実質的に広範囲にわたって変動しうる。従ってフレ
キシブルな感光画像形成デバイスの場合、導電層の厚さ
は導電度、フレキシビリティ及び光透過度の好適な組合
せに応じて約20オングストローム〜約750オングス
トローム、さらに好ましくは約100オングストローム
〜約200オングストロームであり得る。フレキシブル
な導電層は、例えば基板上に任意の適切なコーティング
技術、例えば真空蒸着技術によって形成された導電性金
属層であり得る。基板が金属性、例えば金属ドラムの場
合、その外表面は通常本来的に導電性であるので別の導
電層を塗布する必要はない。
【0037】導電性表面の形成後、場合により正孔ブロ
ッキング層をその上に塗布してもよい。一般的に、正に
荷電したフォトレセプタのための正孔ブロッキング層
(電子ブロッキング層又は電荷ブロッキング層ともい
う)は、正孔をフォトレセプタの画像形成表面から導電
層の方向に移動させる。隣接する光導電層と下にある導
電層の間で正孔に対して電子バリアを形成できる任意の
適切なブロッキング層が利用できる。ブロッキング層は
周知であり、例えば米国特許第4,286,033号、
第4,291,110号、及び第4,338,387号
に開示されている。これらの全開示内容は本願に引用し
て援用する。負に荷電した光導電体に利用される代表的
な正孔ブロッキング層は、例えばLuckamide
(メトキシメチル置換ポリアミドから誘導されたナイロ
ン型材料)のようなポリアミド類、ヒドロキシアルキル
メタクリレート類、ナイロン類、ゼラチン、ヒドロキシ
アルキルセルロース、有機ポリホスファジン類、有機シ
ラン類、有機チタネート類、有機ジルコネート類、酸化
ケイ素類、酸化ジルコニウム類などである。好ましくは
正孔ブロッキング層は窒素含有シロキサン類を含む。代
表的な窒素含有シロキサン類は加水分解シランを含有す
るコーティング溶液から製造される。代表的な加水分解
可能シラン類は、3−アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、(N,N’−ジメチル3−アミノ)プロピルトリエ
トキシシラン、N,N−ジメチルアミノフェニルトリエ
トキシシラン、N−フェニルアミノプロピルトリメトキ
シシラン、トリメトキシシリルプロピルジエチレントリ
アミン及びそれらの混合物などである。
【0038】ブロッキング層は任意の適切な従来技術、
例えばスプレー、浸漬コーティング、牽引バーコーティ
ング、グラビアコーティング、シルクスクリーン、エア
ナイフコーティング、リバースロールコーティング、真
空蒸着、化学処理などによってコーティングとして塗布
できる。薄層を得る便宜上、ブロッキング層は好ましく
は希釈溶液の形態で塗布され、コーティングの付着後真
空、加熱などの従来技術によって溶媒を除去する。付着
コーティングの乾燥は、任意の適切な従来技術、例えば
オーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などによって実施
できる。
【0039】ブロッキング層は、空気に暴露された場合
に大部分の金属接地表面の外表面上に生来的に形成され
る酸化表面を含む。ブロッキング層は連続し、約2μm
未満の厚さでなければならない。これより厚いと残留電
圧が高くなる可能性があり望ましくない。
【0040】場合により接着層を正孔ブロッキング層に
塗布することができる。当該技術分野で周知の任意の適
切な接着層が利用できる。満足いく結果が達成されるの
は接着層の厚さが約0.05μm(500オングストロ
ーム)〜約0.3μm(3,000オングストローム)
のときである。電荷ブロッキング層に接着層コーティン
グ混合物を塗布するための従来技術は、スプレー、浸漬
コーティング、ロールコーティング、巻線ロッドコーテ
ィング、グラビアコーティング、バードアプリケータコ
ーティングなどである。付着コーティングの乾燥は、任
意の適切な従来技術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾
燥、空気乾燥などによって実施できる。
【0041】フォトレセプタの電荷発生又は光発生層は
ポリマーバインダ中に分散させたヒドロキシガリウムフ
タロシアニン粒子の光発生粒子を含む。
【0042】前述のようにヒドロキシガリウムフタロシ
アニン顔料粒子を光発生顔料として使用するフォトレセ
プタは特に光衝撃及びそれに付随する問題を被りやす
い。光衝撃問題を経験しない三方晶系セレン又はベンズ
イミダゾールペリレン(BzP)を含有するフォトレセ
プタと比較した場合に特にそうである。
【0043】光導電性ヒドロキシガリウムフタロシアニ
ン顔料粒子は当該技術分野で周知である。これらの粒子
は多くの多形で得られる。任意の適切なヒドロキシガリ
ウムフタロシアニンの多形が本発明のフォトレセプタの
電荷発生層に使用できる。ヒドロキシガリウムフタロシ
アニンの多形は技術文献及び特許文献中に広く記載され
ている。例えばヒドロキシガリウムフタロシアニンV型
及び他の多形が米国特許第5,521,306号に記載
されている。当該特許の全開示内容は本願に引用して援
用する。
【0044】光発生顔料をポリマーバインダ中に分散さ
せて電荷発生層を形成する。このポリマーバインダは本
質的にポリカーボネートZポリマー(ビスフェノールZ
型ポリカーボネートポリマー)からなる。最も好ましく
はポリカーボネートZポリマーは、例えばポリ(4,
4’−ジフェニル−1,1’−シクロヘキサンカーボネ
ート)ポリマーである。この種類のポリカーボネート樹
脂は商品名“PCZ”、例えばPCZ−200又はPC
Z−400としてMitsubishi Chemic
al Companyから市販されている。該ポリマー
バインダの重量平均分子量は例えば約5,000〜約2
50,000の範囲であり得る。
【0045】
【化1】 “n”は例えば10〜1,000の範囲であり得る。
【0046】驚くべきことに、この特定種のポリカーボ
ネートバインダをヒドロキシガリウムフタロシアニン顔
料と組み合わせて電荷発生層に使用することによりフォ
トレセプタは耐光衝撃性を示すことが本発明者らによっ
て見出された。特に電荷発生層がポリスチレンとポリビ
ニルピリジンとのコポリマー、例えばポリスチレン−コ
−4−ビニルピリジン(4−ビニルピリジン対スチレン
の組成比が約5/95〜約30/70の範囲、さらに好
ましくは約8/92〜約20/80の範囲にあるブロッ
クコポリマー)に分散させたヒドロキシガリウムフタロ
シアニン顔料で構成されるフォトレセプタと比較した場
合にそうである。
【0047】光発生顔料は塗膜形成ポリマーバインダ組
成物中に任意の適切な量又は所望の量存在しうる。例え
ば約10体積%〜約75体積%の光発生顔料を約25体
積%〜約90体積%の塗膜形成ポリマーバインダ中に分
散させることができる。さらに好ましくは約20体積%
〜約50体積%の光発生顔料を約50体積%〜約80体
積%の塗膜形成ポリマーバインダ組成物中に分散させる
ことができる。通常、顔料は光発生層中に約5〜約80
重量%、好ましくは約25〜約75重量%の量存在し、
バインダは約20〜約95重量%、好ましくは約25〜
約75重量%の量存在しているが、相対量はこれらの範
囲外であってもよい。
【0048】光導電組成物及び/又は顔料の粒径は、好
ましくは付着固化層の厚さ未満であり、さらに好ましく
は良好な被覆均一性を促進するために約0.01μm〜
約0.5μmである。
【0049】光導電組成物と樹脂性バインダ材料とを含
有する光発生層の厚さは一般に約0.05μm〜約10
μm以上、好ましくは約0.1μm〜約5μm、さらに
好ましくは約0.3μm〜約3μmの範囲であるが、こ
れらの範囲外でもよい。光発生層の厚さは光発生顔料と
バインダの相対量に関連する。高バインダ含有組成物は
一般に光発生のために厚い層を必要とする。一般的に、
像様露光又は印刷露光ステップにおいて光発生層に向け
られる入射光線の約90%以上を吸収するに足る厚さで
この層を提供するのが望ましい。この層の最大厚は主と
して、考慮すべき機械的条件、選ばれる特定の光発生化
合物、他の層の厚さ、及びフレキシブルな光導電画像形
成部材が使用されるか否かといった要因によって異な
る。
【0050】光発生層は下部層に任意の所望又は適切な
方法で塗布できる。任意の適切な技術を利用して光発生
層コーティング混合物を混合し、その後塗布することが
できる。代表的な塗布技術は、スプレー、浸漬コーティ
ング、ロールコーティング、巻線ロッドコーティングな
どである。付着コーティングの乾燥は、任意の適切な技
術、例えばオーブン乾燥、赤外線乾燥、空気乾燥などに
よって実施できる。
【0051】任意の適切な溶媒を塗膜形成バインダの溶
解に利用することができる。代表的な溶媒は、例えばテ
トラヒドロフラン、トルエン、塩化メチレン、モノクロ
ロベンゼンなどである。電荷発生層用のコーティング分
散物は、例えばアトリタ、ボールミル、Dynomil
ls、ペイントシェーカ、ホモジナイザ、ミクロフリュ
イダイザなどを用いる任意の適切な技術によって作成で
きる。
【0052】活性電荷輸送層は、電気的に不活性なポリ
マー材料中に分散され、これらの材料を電気的に活性化
する添加剤として有用な任意の適切な活性化化合物を含
むことができる。これらの化合物は、発生材料からの光
発生正孔の注入を支持できず、またこれらの正孔をその
中を通って輸送させることもできないポリマー材料に添
加できる。これにより電気的に不活性なポリマー材料
は、発生材料からの光発生正孔の注入を支持でき、活性
層上で表面電荷を放電するためにこれらの正孔を活性層
を通って輸送させることができる材料に変換されること
になる。
【0053】本発明の多層式光導電体の二つの電気的作
動層の一つに使用される特に好適な輸送層は、約25重
量%〜約75重量%の少なくとも一つの電荷輸送芳香族
アミン化合物、及び約75重量%〜約25重量%の、芳
香族アミンが可溶なポリマー性塗膜形成バインダ樹脂を
含む。
【0054】電荷輸送層形成混合物は、好ましくは一般
式:
【化2】
【0055】を有する芳香族アミン化合物の一つ以上の
化合物を含む。式中R1及びR2は、置換又は非置換フェ
ニル基、ナフチル基、及びポリフェニル基からなる群か
ら選ばれる芳香基であり、R3は、置換又は非置換アリ
ール基、1〜18個の炭素原子を有するアルキル基、及
び3〜18個の炭素原子を有する脂環式化合物からなる
群から選ばれる。置換基は、NO2基、CN基などのよ
うな電子求引基を持たないものでなければならない。
【0056】電荷発生層の光発生正孔の注入を支持し、
その正孔を電荷輸送層を通って輸送させることができ
る、上記構造式で表される電荷輸送層用の電荷輸送芳香
族アミンの例は、例えばトリフェニルメタン、ビス(4
−ジエチルアミン−2−メチルフェニル)フェニルメタ
ン、4’,4”−ビス(ジエチルアミノ)−2’,2”
−ジメチルトリフェニルメタン、N,N’−ビス(アル
キルフェニル)−{1,1’−ビフェニル}−4,4’
−ジアミン(アルキルは例えばメチル、エチル、プロピ
ル、n−ブチルなど)、N,N’−ジフェニル−N,
N’−ビス(クロロフェニル)−{1,1’−ビフェニ
ル}−4,4’−ジアミン、N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3”−メチルフェニル)−(1,1’
−ビフェニル)−4,4’−ジアミンなどで、これらが
不活性樹脂バインダ中に分散されている。
【0057】塩化メチレン又は他の適切な溶媒、例えば
テトラヒドロフラン、トルエン、モノクロロベンゼンな
どに可溶の任意の適切な不活性樹脂バインダが本発明の
方法に使用できる。塩化メチレンに可溶の代表的な不活
性樹脂バインダは、ポリカーボネート樹脂、ポリビニル
カルバゾール、ポリエステル、ポリアリーレート、ポリ
アクリレート、ポリエーテル、ポリスルホンなどであ
る。重量平均分子量は約20,000〜約150,00
0の範囲で変動しうる。
【0058】好適な電気的不活性樹脂材料は重量平均分
子量が約20,000〜約150,000、さらに好ま
しくは約50,000〜約120,000のポリカーボ
ネート樹脂である。電気的不活性樹脂材料として最も好
適な物質は、重量平均分子量が約35,000〜約4
0,000のポリ(4,4’−ジプロピリデン−ジフェ
ニレンカーボネート)(Lexan 145としてGe
neral Electric Companyから入
手できる)、重量平均分子量が約40,000〜約4
5,000のポリ(4,4’−プロピリデン−ジフェニ
レンカーボネート)(Lexan 141としてGen
eral Electric Companyから入手
できる)、重量平均分子量が約50,000〜約12
0,000のポリカーボネート樹脂(Makrolon
としてFarbenfabrickenBayer
A.G.から入手できる)、及び重量平均分子量が約2
0,000〜約50,000のポリカーボネート樹脂
(MerlonとしてMobayChemical C
ompanyから入手できる)である。塩化メチレン溶
媒はすべての成分の溶解に適切であること及び低沸点で
あることから電荷輸送層コーティング混合物の望ましい
成分である。
【0059】最も好適な実施の形態において、電荷輸送
アミンはN,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−
メチル−フェニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,
4’−ジアミン(TPD)であり、ポリマーバインダは
MakrolonとしてFarbenfabricke
n Bayer A.G.から入手できるポリ(4,
4’−イソプロピリデン−ジフェニレンカーボネート)
である。
【0060】任意の適切な従来技術を利用して電荷輸送
層コーティング混合物を混合し、その後被覆又は非被覆
基板に塗布することができる。代表的な塗布技術は、ス
プレー、浸漬コーティング、ロールコーティング、巻線
ロッドコーティングなどである。付着コーティングの乾
燥は任意の適切な従来技術、例えばオーブン乾燥、赤外
線乾燥、空気乾燥などによって実施できる。
【0061】一般的に電荷輸送層の厚さは約10〜約5
0μmであるが、この範囲外の厚さを使用することもで
きる。電荷輸送層は、電荷輸送層上にある静電荷は照射
されなければ電荷輸送層上の静電潜像の生成及び保持を
妨げるほどの速度で伝導されない、という程度には絶縁
体でなければならない。一般に、電荷輸送層対電荷発生
層の厚さの比は、好ましくは約2:1〜200:1に保
たれるが、場合によっては400:1にもなることがあ
る。
【0062】少なくとも二つの電気的作動層を有する感
光部材の例は、米国特許第4,265,990号、第
4,233,384号、第4,306,008号、第
4,299,897号及び第4,439,507号に開
示されている電荷発生層及びジアミン含有輸送層の部材
などである。これらの特許の開示内容はすべて本願に引
用して援用する。フォトレセプタは、例えば前述のよう
に導電性表面と電荷輸送層との間に挟まれた電荷発生層
を含んでいても、又は導電性表面と電荷発生層との間に
挟まれた電荷輸送層を含んでいてもよい。
【0063】必要に応じてオーバーコート層を使用して
耐摩耗性を改良することもできる。場合によってはカー
ル防止のための裏打ちコーティングをフォトレセプタの
反対側に施して、ウェブ構成のフォトレセプタを作製す
る場合に平面性及び/又は耐摩耗性を付与してもよい。
これらのオーバーコート層及びカール防止裏打ちコーテ
ィング層は当該技術分野で周知であり、電気的に絶縁又
はわずかに半導性である熱可塑性有機ポリマー又は無機
ポリマーを含み得る。オーバーコート層は連続してお
り、市販品の厚さは約10μm未満である。カール防止
裏打ち層の厚さは、支持基板層の反対側の層の全体の力
の均衡を実質的に取るに足るものでなければならない。
カール防止裏打ち層の例は米国特許第4,654,28
4号に記載されており、該特許の全開示内容は本願に引
用して援用する。フレキシブルフォトレセプタには約7
0〜約160μmの厚さが満足のいく範囲である。
【0064】本発明を以下の実施例によってさらに説明
する。すべての割合は別途記載のない限り重量による。
【0065】
【実施例】実施例1及び比較例1:ポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に真空蒸着チタン層を含む基板の上
に従来技術を用いてコーティングを形成することにより
二つの同一のフォトレセプタ基板を製造した。第一のコ
ーティングは加水分解ガンマ−アミノプロピルトリエト
キシシランから形成された0.005μm(50オング
ストローム)の厚さを有するシロキサンバリア層であっ
た。バリア層コーティング組成物は、3−アミノプロピ
ルトリエトキシシラン(PCR Research C
enterChemicals of Florida
社製)をエタノールと1:50の体積比で混合すること
によって調製した。該コーティング組成物をマルチプル
クリアランスフィルムアプリケータによって塗布し、湿
潤厚0.5ミル(12.7μm)のコーティングを形成
した。次に、コーティングを室温で5分間乾燥させ、次
いで強制空気オーブン中110℃で10分間硬化した。
第二のコーティングは0.005μm(50オングスト
ローム)の厚さを有するポリエステル樹脂(49,00
0、E.I.duPont de Nemours &
Co.社製)の接着層であった。この第二のコーティ
ング組成物を0.5ミル(12.7μm)のバーを用い
て塗布し、得られたコーティングを強制空気オーブン中
で10分間硬化した。
【0066】比較例1:一つの基板を、40体積%のヒ
ドロキシガリウムフタロシアニンと60体積%のスチレ
ン(82%)/4−ビニルピリジン(18%)のブロッ
クコポリマー(Mw11,000)を含有する光発生層
で被覆した。この光発生コーティング組成物は、1.5
gのスチレン/4−ビニルピリジンブロックコポリマー
を42mLのトルエン中に溶解することによって調製し
た。この溶液に1.33gのヒドロキシガリウムフタロ
シアニンと300gの直径1/8インチ(0.3cm)
のステンレススチールショットを加えた。次に該混合物
をボールミル上に20時間置いた。次に得られたスラリ
ーをバードアプリケータを用いて接着界面に塗布し、湿
潤厚0.25ミル(6.35μm)の層を形成した。該
層を強制空気オーブン中135℃で5分間乾燥させ、乾
燥厚0.4μmの光発生層を形成した。
【0067】次に塗布した層は輸送層である。これは、
11.5gの塩化メチレン溶媒中に溶解した1gのN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチル−フェ
ニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミ
ン(TPD)と1gのポリカーボネート樹脂、ポリ
(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレンカーボネ
ート)(MakrolonとしてFarbenfabr
icken BayerA.G.から入手できる)を含
有する溶液をバードコーティングアプリケータを用いて
塗布することにより形成した。N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチル−フェニル)−(1,1’
−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)は電気
的に活性な芳香族ジアミン電荷輸送小分子であるが、ポ
リカーボネート樹脂は電気的に不活性な塗膜形成バイン
ダである。該デバイスを強制空気オーブン中で半時間8
0℃で乾燥させ、乾燥厚25μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0068】実施例1:もう一つの基板を、40体積%
のヒドロキシガリウムフタロシアニンと60体積%のポ
リマー、ポリ(4,4’−ジフェニル−1,1’−シク
ロヘキサンカーボネート)(PCZ 300)(Mw3
0,000)を含有する光発生層で被覆した。この光発
生コーティング組成物は、1.5gのスチレン/4−ビ
ニルピリジンブロックコポリマーを42mLのトルエン
中に溶解することによって調製した。この溶液に1.3
3gのヒドロキシガリウムフタロシアニンと300gの
直径1/8インチのステンレススチールショットを加え
た。次に該混合物をボールミル上に20時間置いた。次
に得られたスラリーをバードアプリケータを用いて接着
界面に塗布し、湿潤厚0.25ミルの層を形成した。該
層を強制空気オーブン中135℃で5分間乾燥させ、乾
燥厚0.4μmの光発生層を形成した。
【0069】次に塗布した層は輸送層である。これは、
11.5gの塩化メチレン溶媒中に溶解した1gのN,
N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチル−フェ
ニル)−(1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミ
ン(TPD)と1gのポリカーボネート樹脂、ポリ
(4,4’−イソプロピリデン−ジフェニレンカーボネ
ート)(MakrolonとしてFarbenfabr
icken BayerA.G.から入手できる)を含
有する溶液をバードコーティングアプリケータを用いて
塗布することにより形成した。N,N’−ジフェニル−
N,N’−ビス(3−メチル−フェニル)−(1,1’
−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(TPD)は電気
的に活性な芳香族ジアミン電荷輸送小分子であるが、ポ
リカーボネート樹脂は電気的に不活性な塗膜形成バイン
ダである。該デバイスを強制空気オーブン中で半時間8
0℃で乾燥させ、乾燥厚25μmの電荷輸送層を形成し
た。
【0070】実施例2及び比較例2:光衝撃測定:実施
例1及び比較例1の各フォトレセプタの光衝撃を、キセ
ノン光源にフォトレセプタを8分間合計1.3×106
ergs/cm2の露光の前後にスキャナで測定した。
光衝撃の影響を測定するために、各フォトレセプタデバ
イスを、スキャナのシャフト上を回転する円筒形アルミ
ニウムドラム基板に搭載した。各フォトレセプタをドラ
ムの外縁沿いに搭載されたコロトロンにより荷電した。
表面電位は時間の関数としてシャフト回りの異なる位置
に配置された静電結合電圧プローブによって測定した。
プローブはドラム基板に公知電位を印加することによっ
て較正した。ドラム上のフォトレセプタをコロトロン下
流のドラム付近の位置に配置された光源により露光し
た。ドラムが回転すると、初期(露光前)の荷電電位が
電圧プローブ1によって測定された。さらに回転すると
露光ステーションに到達、そこでフォトレセプタは公知
強度の単色放射線に露光された。フォトレセプタは荷電
上流の位置に配置された光源により消去された。行われ
る測定にはフォトレセプタを定電流又は定電圧モードで
荷電することが含まれた。フォトレセプタは陰極コロナ
に荷電された。ドラムが回転すると、初期荷電電位が電
圧プローブ1によって測定された。さらに回転すると露
光ステーションに到達し、そこでフォトレセプタは公知
強度の単色放射線に露光された。露光後の表面電位は電
圧プローブ2及び3によって測定された。フォトレセプ
タは最終的に適当な強度の消去ランプに露光された。残
留電位があればそれを電圧プローブ4で測定した。この
工程は次の運転サイクル中に自動的に変更された露光規
模で繰り返された。光放電特性は、電圧プローブ2及び
3における電位を露光の関数としてプロットすることに
よって得られた。電荷受容(アクセプタンス)及び暗失
活もスキャナで測定された。電荷受容は定電流モードで
コロトロンを運転することによって測定される。暗現像
電位VDDPは荷電ステップ後特定の時間にデバイスに残
留している電位のことである。実施例1及び比較例1の
画像形成部材のVDDPを、キセノン光源に部材を8分間
合計1.3×106ergs/cm2の露光の前後に測定
した。
【0071】実施例1のデバイスは、光衝撃前後の劣
化、暗失活及び感度の変化の測定で分かるように光衝撃
がかなり小さかった。以下の表2にVDDPの変化と感度
の変化をまとめてある。感度の変化は、波長780nm
で3ergs/cm2の露光を使用して初期VDDP800
Vから放電した場合の光誘発放電(Photoinduced Disch
arge、PIDC)電位の降下として定義される。
【0072】
【表2】
【0073】結果から分かるとおり、電荷発生層にPC
Zバインダを用いる本発明のフォトレセプタ(実施例
1)は、電荷発生層にPCZバインダを使用しない比較
例のフォトレセプタ(比較例1)に比べて暗失活及び感
度の増加を1/2未満に減少させている。
【0074】この結果は極めて驚くべきことで、これに
よりヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を電荷発生
層に使用し、且つ光衝撃に対して驚異的に抵抗性のある
大型ベルト式フォトレセプタの製造が可能となる。その
ようなフォトレセプタの光衝撃に対する感受性を実質的
に除去する方法は、特定のバインダを使用するだけの簡
単なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ネビル アール フィリップス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ロチェ スター ハンタース レーン 139 (72)発明者 デニス エー アブラムソン アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ピッツ フォード クレストビュー ドライブ 23 (72)発明者 ジミー イー ケリー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 ロチェ スター クリントウッド コート 108ジ ー (72)発明者 ケント ジェイ エバンス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 リマ ヨーク ストリート 1245 Fターム(参考) 2H068 AA13 AA19 AA21 AA34 AA55 BA39 BB26 FA30

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 主にポリカーボネートZポリマーを含有するポリマーバ
    インダ中に分散させたヒドロキシガリウムフタロシアニ
    ンの光発生粒子を含む電荷発生層と、 電荷輸送材料と塗膜形成バインダとを含む電荷輸送層
    と、 を含むことを特徴とする電子写真用画像形成部材。
JP2001121914A 2000-05-09 2001-04-20 耐光衝撃性電子写真用画像形成部材 Withdrawn JP2001356510A (ja)

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