JP2001356344A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2001356344A
JP2001356344A JP2000180397A JP2000180397A JP2001356344A JP 2001356344 A JP2001356344 A JP 2001356344A JP 2000180397 A JP2000180397 A JP 2000180397A JP 2000180397 A JP2000180397 A JP 2000180397A JP 2001356344 A JP2001356344 A JP 2001356344A
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Shinko Nakajima
伸向 中嶋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 反射表示機能と透過型表示機能とを有する液
晶表示装置において、透過表示の際にコントラストでは
なく、明るさを優先したシステムにすることによって、
より明るい透過型表示を達成し得る液晶表示装置を提供
する。 【解決手段】 裏側位相差層32は、裏セル側位相差板
32aと裏背面側位相差板32bとの2枚の位相差板か
ら構成される。裏セル側位相差板32aのレタデーショ
ン値Reがバックライト40による背面からの入射光の
波長λの略(1/4+K/2)倍の値(Kは0以上の整
数)、裏背面側位相差板32bのレタデーション値Re
がバックライト40による背面からの入射光の波長λの
略(1/2+K′/2)倍の値(K′は0以上の整数)
に選ばれる。液晶層1の厚みdと該液晶層1の光学異方
性Δnとの積dΔnがバックライト40による背面から
の入射光の波長λの略(1/2+L/2)倍の値(Lは
0以上の整数)に選ばれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射型表示機能と
透過型表示機能とを有する液晶表示装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄くて軽いので、携帯
型情報端末のディスプレイを始めとして、様々な用途に
広く用いられている。また、光源を持たず、外部光を利
用して表面側から入射する外部光を反射させて表示する
反射型液晶表示装置は、極めて消費電力の低い表示装置
である。
【0003】しかしながら、この反射型液晶表示装置
は、室内等の外部光の光量が小さい場所では、表示明度
が低く、明るい表示が得られない。
【0004】したがって、外部光を利用して表面側から
入射する外部光を反射させて表示する反射型表示機能
と、バックライトからの光を利用し裏面側からバックラ
イトの光を入射させて表示する透過型表示機能とを有す
る液晶表示装置が、室内等の外部光の光量が小さい場所
でも十分な表示明度を得ることのできる液晶表示装置で
ある。
【0005】また、液晶表示装置がSTN(Super Twis
ted Nematic)型の液晶セルを用いる場合、液晶表示装置
の構造が簡略化されるので、液晶表示装置を低価格化で
きることが知られている。
【0006】具体的には、上述した反射表示機能と透過
型表示機能とを有する従来の液晶表示装置80は、図6
に示すように、液晶セル81を挟んで表側(同図におい
て上側)に表側偏光層82と裏側(同図において下側)
に裏側偏光層83とを配置するとともに、液晶セル81
とこの液晶セル81の裏側に配置された裏側偏光層83
との間に半透過層84を配置し、かつ上記裏側偏光層8
3の裏側にバックライト87を配置した構成になってい
る。
【0007】上記液晶セル81は、液晶層88を2枚の
透明な基板89・90にて挟んだ構成になっており、各
基板89・90の液晶層88側には図示しない透明電極
と配向膜とがそれぞれ積層されている。
【0008】また、上記バックライト87は、導光板9
1と光源ランプ92とからなっており、光源ランプ92
からの光が導光板91の端面から入射され、導光板91
内に導かれ、導光板91にて反射されて液晶セル81に
向かって出射されるものとなっている。
【0009】ここで、液晶表示装置には、液晶層の光の
旋光性を利用するTN(Twisted Nematic)型液晶表示装
置と液晶層の光の複屈折性を利用する前記STN型液晶
表示装置とがある。
【0010】STN型液晶表示装置では、光の複屈折性
を利用しているために、液晶層の複屈折量に依存して、
出射光の偏光状態が変化するので光学補償が難しい。こ
のため、透過光が着色する欠点が生じる。
【0011】そこで、例えば、特開平8−292413
号公報の液晶表示装置では、反射表示機能と透過型表示
機能とを有するSTN型液晶表示装置において、液晶層
の複屈折性量の波長依存性に起因する色付きを防止する
技術について開示している。
【0012】すなわち、上記公報の液晶表示装置では、
前記図6において、液晶セル81と表側偏光層82との
間に液晶層88の光学補償のための1枚の補償板からな
る表側位相差層95を配置する一方、半透過層84と裏
側偏光層83との間に液晶層88の光学補償のための1
枚の補償板からなる裏側位相差層96を配置した構成と
なっている。
【0013】上記表側位相差層95及び裏側位相差層9
6は、これら位相差層95・96の複屈折量の波長依存
性が液晶層88の複屈折量の波長依存性を反映したもの
となるように構成されており、その結果、液晶層88に
おける複屈折量の波長依存性は表側位相差層95及び裏
側位相差層96によって打ち消される。
【0014】一方、周知の事実として、反射表示機能と
透過型表示機能とを有する液晶表示装置における反射モ
ードでの最適化に関しては、以下の最適化理論が一般的
になっている。
【0015】液晶層88のレタデーション値dΔnと表
側位相差層95のレタデーション値Reとの差が、可視
光の全波長領域について、該波長の略4分の1の整数倍
となる場合、可視光の全波長において、光が表側偏光層
82と反射層である半透過層84との間を往復する時の
光路差は、各波長毎に半波長の略整数倍となる。
【0016】したがって、光は、表側偏光層82にて理
想的に遮光又は透過される。このため、表側偏光層82
の吸収軸AP1と表側位相差層95の擬似的な遅相軸A
F1との交差角Δφを45°又は135°に設定すれ
ば、反射層である半透過層84にて反射される時の光の
偏光は、可視光の全波長領域について円偏光となってい
る(図5(b)参照)。
【0017】しかしながら、1枚の位相差板からなる表
側位相差層95にて、この表側位相差層95のレタデー
ション値Reと液晶層88のレタデーション値dΔnと
の差を可視光の全波長領域について該波長の略4分の1
の整数倍とすることは難しい。
【0018】一方、反射表示機能と透過型表示機能とを
有する液晶表示装置の透過モードでの最適化理論は、以
下の最適化理論が一般的になっている。
【0019】液晶層88のレタデーション値dΔnと裏
側位相差層96のレタデーション値Reとの差が、可視
光の全波長領域について該波長の略4分の1の整数倍で
あって、かつ裏側偏光層83の吸収軸AP2と裏側位相
差層96の擬似的な遅相軸AF5との交差角Δφを13
5°又は45°に設定することによって(図4(c)参
照)、裏側偏光層83を透過し、裏側位相差層96を透
過した光の偏光が可視光の全波長領域について円偏光と
なる(図5(b)参照)。
【0020】ここで、透過モードでの最適化理論におい
て、表側のシステムは、前述のように、反射層である半
透過層84にて円偏光となるのが理想であり、一般に、
反射層で円偏光となるように決められている。したがっ
て、光は、表側偏光層82にて理想的には遮光又は透過
される。
【0021】しかしながら、裏側位相差層32につい
て、上述した表側のシステムと同様に、1枚の位相差板
からなる裏側位相差層96にて、この裏側位相差層32
のレタデーション値Reと液晶層88のレタデーション
値dΔnとの差を可視光の全波長領域について該波長の
略4分の1の整数倍とすることは難しい。
【0022】現在、λ/4板とλ/2板とを組み合わせ
ることによって、位相差層のレタデーション値Reと液
晶層88のレタデーション値dΔnとの差がより広帯域
の波長領域で該波長λの略4分の1の整数倍に近づくこ
とが知られている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】ところで、反射型表示
機能と透過型表示機能とを有する液晶表示装置では、明
るい場所では反射型表示機能を用いることにより消費電
力を抑え、暗い場所ではバックライトを使用して透過型
表示機能を用いることによって暗い場所でも明るい表示
ができることを特徴としている。
【0024】しかしながら、上記従来の液晶表示装置で
は、コントラストが最も高くなることを目的として設計
されているために、透過率が低く、透過型表示では十分
な明るさが得られないという問題点を有している。
【0025】すなわち、その理由は、従来の偏光層と位
相差層とのシステムの理想論が、コントラストが最も良
くなるようなシステムを前提としているためである。
【0026】一方、反射型表示機能と透過型表示機能と
を有する液晶表示装置の透過型表示では、コントラスト
よりも明るさが必要とされているのが現状である。
【0027】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、反射表示機能と透過型表
示機能とを有する液晶表示装置において、透過表示の際
にコントラストではなく、明るさを優先したシステムに
することによって、より明るい透過型表示を達成し得る
液晶表示装置を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】本発明の液晶表示装置
は、上記課題を解決するために、透明電極と配向膜とを
積層した一対の透明な基板に液晶層を狭持した液晶セル
と、液晶セルの裏側基板における裏側又は液晶層側であ
る内側のいずれか一方に配置されて入射光の一部の成分
を反射させて残余の成分を透過する半透過層と、液晶セ
ルの表側に配置される表側位相差層と、上記表側位相差
層の表側に配置される表側偏光層と、上記半透過層の裏
側に配置される裏側位相差層と、上記裏側位相差層の裏
側に配置される裏側偏光層と、上記裏側偏光層の裏側に
配置されるバックライトとを備えた液晶表示装置におい
て、上記裏側位相差層は、液晶セル側に配置される裏セ
ル側位相差板と裏側偏光層側に配置された裏背面側位相
差板との2枚の位相差板から構成される一方、上記裏セ
ル側位相差板のレタデーション値が、バックライトによ
る背面からの入射光の波長λの略(1/4+K/2)倍
の値(Kは0以上の整数)に選ばれ、上記裏背面側位相
差板のレタデーション値が、バックライトによる背面か
らの入射光の波長λの略(1/2+K′/2)倍の値
(K′は0以上の整数)に選ばれるとともに、上記液晶
層の厚みdと該液晶層の光学異方性Δnとの積dΔn
が、バックライトによる背面からの入射光の波長λの略
(1/2+L/2)倍の値(Lは0以上の整数)に選ば
れる一方、上記裏側偏光層の吸収軸と裏側位相差層との
擬似的な遅相軸との交差角Δφが、0°<Δφ<45
°、又は45°<Δφ<90°のうちいずれかの範囲内
の値に選ばれていることを特徴としている。
【0029】上記の発明によれば、液晶表示装置は、透
明電極と配向膜とを積層した一対の透明な基板に液晶層
を狭持した液晶セルと、液晶セルの裏側基板における裏
側又は液晶層側である内側のいずれか一方に配置されて
入射光の一部の成分を反射させて残余の成分を透過する
半透過層と、液晶セルの表側に配置される表側位相差層
と、上記表側位相差層の表側に配置される表側偏光層
と、上記半透過層の裏側に配置される裏側位相差層と、
上記裏側位相差層の裏側に配置される裏側偏光層と、上
記裏側偏光層の裏側に配置されるバックライトとを備え
ている。したがって、光の複屈折性を利用する反射表示
機能と透過型表示機能とを有する液晶表示装置となって
いる。
【0030】ところで、従来の反射表示機能と透過型表
示機能とを有する液晶表示装置では、コントラストを重
要視するあまり、透過型表示において、明るさが十分で
ないという問題を有していた。また、光の複屈折性を利
用する反射表示機能と透過型表示機能とを有する液晶表
示装置においては、従来から、液晶層の複屈折量の波長
依存性によって出射光の各波長での偏光状態が変化する
ので、光学補償が難しく、透過光が着色する欠点が生じ
ていた。
【0031】そこで、本発明では、先ず、裏側位相差層
は、液晶セル側に配置される裏セル側位相差板と裏側偏
光層側に配置された裏背面側位相差板との2枚の位相差
板から構成される一方、上記裏セル側位相差板のレタデ
ーション値が、バックライトによる背面からの入射光の
波長λの略(1/4+K/2)倍の値(Kは0以上の整
数)に選ばれ、上記裏背面側位相差板のレタデーション
値が、バックライトによる背面からの入射光の波長λの
略(1/2+K′/2)倍の値(K′は0以上の整数)
に選ばれるとともに、上記液晶層の厚みdと該液晶層の
光学異方性Δnとの積dΔnが、バックライトによる背
面からの入射光の波長λの略(1/2+L/2)倍の値
(Lは0以上の整数)に選ばれるようになっている。
【0032】これによって、裏側位相差層のレタデーシ
ョン値Reと液晶層のレタデーション値dΔnとの差を
可視光の全波長領域について該波長λの略4分の1の整
数倍とすることができるので、液晶層における複屈折量
の波長依存性を打ち消し、この複屈折量の波長依存性に
起因する色付きを確実に防止することができる。
【0033】また、本発明では、裏側偏光層の吸収軸と
裏側位相差層との擬似的な遅相軸との交差角Δφが、0
°<Δφ<45°、又は45°<Δφ<90°のうちい
ずれかの範囲内の値に選ばれている。
【0034】このため、透過表示を行うときに、バック
ライトからの光の裏側位相差層透過後の偏光状態が円偏
光ではなく、楕円偏光になる。この結果、透過表示の際
に、十分明るい表示品位を得ることができる。
【0035】したがって、反射表示機能と透過型表示機
能とを有する液晶表示装置において、透過表示の際にコ
ントラストではなく、明るさを優先したシステムにする
ことによって、より明るい透過型表示を達成し得る液晶
表示装置を提供することができる。
【0036】なお、本発明においては、上述のように、
「裏側位相差層との擬似的な遅相軸との交差角Δφ」と
いうように、「擬似的な遅相軸」という表現を用いてい
る。
【0037】この理由について、以下に説明する。
【0038】すなわち、レタデーション値Reや遅相軸
の軸方向の異なる2枚の位相差板を積層することによっ
て構成された位相差層を直線偏光光が透過するとき、光
はこの位相差層によって楕円偏光する。したがって、こ
のときの、位相差層は一軸性ではない。このため、本発
明においては、疑似的な遅相軸を定義している。
【0039】本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決
するために、上記記載の液晶表示装置において、裏側偏
光層の吸収軸と裏側位相差層との擬似的な遅相軸との交
差角は、55°又は35°のいずれかの値に選ばれてい
ることを特徴としている。
【0040】上記の発明によれば、裏側偏光層の吸収軸
と裏側位相差層との擬似的な遅相軸との交差角は、55
°又は35°のいずれかの値に選ばれている。
【0041】これにより、確実に、透過表示を行うとき
に、バックライトからの光の裏側位相差層透過後の偏光
状態が円偏光ではなく、楕円偏光になる。
【0042】この結果、透過表示の際に、十分明るい表
示品位を確実に得ることができる。
【0043】本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決
するために、上記記載の液晶表示装置において、裏側位
相差層を構成する裏セル側位相差板と裏背面側位相差板
との交差角は62.5°であることを特徴としている。
【0044】上記の発明によれば、裏側位相差層を構成
する裏セル側位相差板と裏背面側位相差板との交差角は
62.5°である。
【0045】これにより、確実に、透過表示を行うとき
に、裏側位相差層のレタデーション値Reをより広帯域
の波長領域で該波長の略1/4の整数倍に近づけること
ができる。
【0046】この結果、透過表示の際に、透過光が着色
することなく、より良い表示品位を得ることができる。
【0047】本発明の液晶表示装置は、上記課題を解決
するために、上記記載の液晶表示装置において、液晶層
がスーパーツイステッドネマティック型に構成されると
ともに、この液晶層における液晶分子のツイスト角が1
80°以上かつ270°以下となるように選ばれている
ことを特徴としている。
【0048】上記の発明によれば、液晶層がスーパーツ
イステッドネマティック型に構成されるとともに、この
液晶層における液晶分子のツイスト角が180°以上か
つ270°以下となるように選ばれている。
【0049】このため、液晶層がスーパーツイステッド
ネマティック型であって、液晶層における液晶分子のツ
イスト角が180°以上かつ270°以下となる液晶表
示装置において、上記の発明の効果を得ることができ
る。
【0050】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図5に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0051】本実施の形態の液晶表示装置は、単純マト
リクス型のものであり、反射型表示機能と透過型表示機
能とを有している。
【0052】すなわち、本実施の形態の液晶表示装置
は、図1に示すように、液晶セル10と、表側偏光層2
1及び裏側偏光層31と、表側位相差層22及び裏側位
相差層32と、半透過層33と、バックライト40とを
少なくとも含んでいる。
【0053】なお、表側偏光層21が存在する側の液晶
表示装置の最外面が、液晶表示装置の表示面20になる
一方、裏側偏光層31が存在する側の液晶表示装置の最
外面が、背面30になる。
【0054】上記表側偏光層21は、液晶セル10の表
側(同図において上側)の最上位置に配置されている。
また、バックライト40は、液晶セル10の裏側である
背面側(同図において下側)の最下位置に配置されてい
る。
【0055】また、裏側偏光層31は、バックライト4
0と液晶セル10との間に配置されている。
【0056】次に、上記表側位相差層22は、表側偏光
層21と液晶セル10との間に配置される一方、裏側位
相差層32は、液晶セル10と裏側偏光層31との間に
配置される。
【0057】さらに、半透過層33は、液晶セル10と
裏側位相差層32との間に配置される。この半透過層3
3は、入射光の一部の成分を反射させて残余の成分を透
過するものである。したがって、本実施の形態の半透過
層33は、上述のように、液晶セル10と裏側位相差層
32との間に配置されているが、必ずしもこれに限ら
ず、例えば、液晶セル10の液晶層1側である内側に設
けることも可能である。
【0058】上記液晶セル10では、対向電極3a及び
画素電極3bが表側配向膜2a及び裏側配向膜2bを介
して液晶層1を挟んでいる部分が、表示面20側から見
て画素になっている。
【0059】各画素内の液晶層1には、各画素の表示状
態に応じて予め定める大きさの電圧が印加されるように
なっている。
【0060】また、液晶セル10を構成する表側基板4
a及び裏側基板4b、対向電極3a及び画素電極3b、
並びに表側配向膜2a及び裏側配向膜2bは、それぞれ
透光性を有している。なお、透明な電極を透明電極と称
する。また、画素電極3bにはその他の電極が接続され
ているが、一般的なものであるので、詳細については省
略する。
【0061】上記の液晶表示装置における構成部品の具
体的構成についてより詳細に説明する。
【0062】先ず、表側基板4a及び裏側基板4bは、
ガラス基板にて実現される。また、表側位相差層22及
び裏側位相差層32は、後述するように、それぞれ2枚
の位相差板にてなり、いずれもポリカーボネイトからな
る材料を用いた一軸延伸位相差板によって実現される。
さらに、半透過層33は、裏側基板4bにアルミニウム
を電着して形成されるアルミニウム薄膜の半透過層にて
実現される。
【0063】また、対向電極3a及び画素電極3bは、
ITO(Indium Tin Oxide:インジウムすず酸化物)の
薄膜薄片からなるストライプ状の電極にて実現され、複
数本ずつ存在している。各対向電極3a…の線幅は、2
15μmであり、隣り合う任意の2本の対向電極3a・
3aの線間は、25μmとなっている。
【0064】さらに、各画素電極3b…の線幅は73μ
mであり、隣り合う任意の2本の画素電極3b・3bの
線間は10μmである。
【0065】また、上記対向電極3a及び画素電極3b
の長手方向は、対向電極3aと画素電極3bとがねじれ
の位置で交差する部分をマトリクス状に配置させるため
に、表示面20から見て相互に直交している。
【0066】さらに、液晶層1の厚さdは、5.95μ
mである。この液晶層1は、左旋光性を有するカイラル
剤を添加したネマティック混合液晶から形成されてい
る。
【0067】また、上記表側配向膜2a及び裏側配向膜
2bは、ポリイミド系の薄膜にラビング処理を施して形
成されるポリイミド系配向膜で実現される。これら表側
配向膜2a及び裏側配向膜2bの配向方向は、液晶のツ
イスト角が240°になるように設定されている。これ
によって、液晶層1は、STN(Super Twisted Nemati
c)型になる。
【0068】なお、本実施の形態の液晶のツイスト角が
240°になるように設定されているが、必ずしもこれ
に限らず、例えば、液晶のツイスト角が180以上であ
り、かつ270°以下であれば良い。これによって、S
TN(Super Twisted Nematic)型になる。なお、液晶の
ツイスト角が270°を越えると、液晶の配向性が低下
してくるので、商品としての動作保証が得られなくな
る。
【0069】また、その他についても、本発明の液晶表
示装置の部品の具体的な構成は、以上説明した具体的構
成には限定されない。
【0070】上記構成の液晶表示装置において、透過型
表示機能を利用して表示するときには、上記バックライ
ト40の光源ランプ41からの光が導光板42の端面か
ら入射され、導光板42内に導かれ、導光板42にて反
射されて液晶層1に向かって(同図において上に向かっ
て)出射される。この光は、半透過層33等を透過し、
液晶セル10を透過して表側偏光層21を透過する。こ
れによって、液晶表示装置の表示面20にて、液晶表示
画面を見ることができる。
【0071】一方、この液晶表示装置において、反射型
表示機能を利用して表示するときには、表示面20側か
ら光が表側偏光層21等を通して液晶セル10に入り込
み、半透過層33にて反射される。この半透過層33に
て反射された光は、再び逆の経路を通って液晶セル10
を透過し、表側偏光層21等を透過して上方に抜けて行
く。これによって、バックライト40の光源ランプ41
を点灯しない場合においても、液晶表示装置の表示面2
0にて液晶表示画面を見ることができる。
【0072】ここで、本実施の形態における液晶表示装
置では、透過型表示機能を使用する際の表示面20での
明るさが従来よりも明るくなっている。この効果を生じ
させる構成について、以下に詳細に説明する。
【0073】先ず、反射表示機能と透過型表示機能とを
有する液晶表示装置における透過モードでの最適化理論
は、以下の最適化理論が一般的になっている。
【0074】液晶層1のレタデーション値dΔnと裏側
位相差層32のレタデーション値Reとの差が、可視光
の全波長領域について該波長λの略4分の1の整数倍で
あって、かつ裏側偏光層31の吸収軸AP2と裏側位相
差層32の擬似的な遅相軸AF5との交差角Δφを13
5°又は45°に設定することによって(後述する図4
(c)参照)、裏側偏光層31を透過し、裏側位相差層
32を透過した光つまりバックライト40による光の偏
光が可視光の全波長領域について円偏光となる(後述す
る図5(b)参照)。すなわち、円偏光にすることが、
コントラストの向上に繋がる。
【0075】しかしながら、裏側位相差層32を1枚の
位相差板にて構成して、この裏側位相差層32のレタデ
ーション値Reと液晶層1のレタデーション値dΔnと
の差を可視光の全波長領域について該波長λの略4分の
1の整数倍とすることは難しい。
【0076】一方、液晶表示装置における透過モードで
の最適化理論において、前記〔従来の技術〕の欄で述べ
たように、半透過層33よりも上側においては、半透過
層33にて円偏光となるのが理想であり、一般に、半透
過層33にて円偏光となるように決められている。これ
により、表示面20から入射した光は、表側偏光層21
にて理想的に遮光又は透過される。
【0077】しかしながら、上記同様に、表側位相差層
22を1枚の位相差板にて構成して、この表側位相差層
22のレタデーション値Reと液晶層1のレタデーショ
ン値dΔnとの差を可視光の全波長領域について該波長
λの略4分の1の整数倍とすることは難しい。
【0078】これに対して、現在の技術では、λ/4板
とλ/2板とを組み合わせることによって、裏側位相差
層32のレタデーション値Reと液晶層1のレタデーシ
ョン値dΔnの差、及び表側位相差層22のレタデーシ
ョン値Reと液晶層1のレタデーション値dΔnとの差
がより広帯域の波長領域で該波長λの略4分の1の整数
倍に近づくことが知られている。
【0079】そこで、本実施の形態においても、先ず、
裏側位相差層32について、背面30側(同図において
下側)に配置された裏背面側位相差板32bと、この裏
背面側位相差板32bと液晶セル10との間に配置され
た裏セル側位相差板32aとの2枚の位相差板によって
構成している。
【0080】そして、上記裏セル側位相差板32aのレ
タデーション値Reは、背面30からの入射光の波長λ
の略(1/4+K/2)倍の値(Kは0以上の整数)に
選ばれるとともに、裏背面側位相差板32bのレタデー
ション値は、背面30からの入射光の波長λの略(1/
2+K′/2)倍の値(K′は0以上の整数)となるよ
うに選ばれている。
【0081】具体的には、上記裏セル側位相差板32a
のレタデーション値Reは、バックライト40の光源ラ
ンプ41における視角感度が最も高い光の波長λ=55
0nmに対して、K=0とした時の値138nm(≒5
50nm/4)である一方、裏背面側位相差板32bの
レタデーション値Reは、光源ランプ41における視角
感度が最も高い光の波長λ=550nmに対して、K′
=0とした時の値275nm(=550nm/2)とな
っている。
【0082】一方、本実施の形態では、表側位相差層2
2についても、液晶セル10の表示面20側(同図にお
いて上側)に配置された表反セル側位相差板22aと、
この表反セル側位相差板22aと液晶セル10との間に
配置された表セル側位相差板22bとの2枚の位相差板
によって構成している。
【0083】そして、上記表反セル側位相差板22aの
レタデーション値Reは675nmであり、表セル側位
相差板22bのレタデーション値Reは175nmとな
っている。
【0084】また、本実施の形態では、液晶層1の厚み
dと液晶層1の光学異方性Δnとの積である液晶層1の
レタデーション値dΔnは、バックライト40の光源ラ
ンプ41による背面30からの入射光の波長λの略(1
/2+L/2)倍の値(Lは0以上の整数)となるよう
に選ばれている。
【0085】具体的には、例えば、液晶層1は、バック
ライト40の光源ランプ41における視角感度が最も高
い光の波長λ=550nmに対して、L=2とした時の
値825nm〔=550nm×(1/2+2/2)〕を
基準として、実際の光学特性が良くなるように合せ込ん
だレタデーション値dΔn≒800nmとなっている。
【0086】なお、このときの実際の液晶層1の厚さd
は5.95μmであり、液晶層1の光学異方性Δnは
0.1320である。したがって、液晶層1のレタデー
ション値dΔn=785nmとなっている。
【0087】ここで、表側位相差層22及び裏側位相差
層32、並びに液晶層1のいずれにも波長分散性がある
ために、層が厚くなる程光の波長による偏光の差が大き
くなる。このため、K及びLの値は、小さい値をとるこ
とが望ましい。
【0088】なお、本発明の液晶表示装置の表側位相差
層22及び裏側位相差層32のレタデーション値Re及
び液晶層1のレタデーション値dΔnの具体的な値は、
以上説明した具体的な値には限定されない。
【0089】次に、本実施の形態では、透過型表示機能
を使用する際の表示面20での明るさを従来よりも明る
くするために、裏側偏光層31を透過し、裏側位相差層
32を透過した光の偏光が可視光の全波長領域について
円偏光とするのではなく、楕円偏光とすることによっ
て、コントラストを抑えて明るさを増大するようにして
いる。
【0090】具体的には、後述する実施例での実験的検
討により、裏側偏光層31の吸収軸AP2と裏側位相差
層32の擬似的な遅相軸AF5との交差角Δφが、0°
<Δφ<45°、又は45°<Δφ<90°のうちいず
れかの範囲内の値に選ばれるようにしている。
【0091】すなわち、この条件を満たすことによっ
て、理論的に、裏側偏光層31を透過し、裏側位相差層
32を透過した光の偏光が、可視光の全波長領域につい
て円偏光とするのではなく、楕円偏光となる。
【0092】具体的には、例えば、裏側偏光層31の吸
収軸AP2と裏側位相差層32の擬似的な遅相軸AF5
との交差角Δφを、55°又は35°のいずれかの値に
選ぶことが好ましい。
【0093】その他の条件としては、例えば、裏側位相
差層32を構成する裏セル側位相差板32aと裏背面側
位相差板32bとの交差角は62.5°とするのが好ま
しい。
【0094】また、このとき、液晶層1は、スーパーツ
イステッドネマティック(STN)型に構成され、かつ
この液晶層1における液晶分子のツイスト角が180°
以上かつ270°以下となるように選ばれている。
【0095】これによって、後述する実施例での実験的
確認等により、透過表示において、コントラスト重視型
の液晶表示装置よりも明るい表示を得ることができた。
【0096】このように、本実施の形態の液晶表示装置
は、対向電極3aと表側配向膜2a及び画素電極3bと
裏側配向膜2bとを積層した一対の透明な表側基板4a
及び裏側基板4bに液晶層1を狭持した液晶セル10
と、液晶セル10の裏側基板4bにおける裏側又は液晶
層1側である内側のいずれか一方に配置されて入射光の
一部の成分を反射させて残余の成分を透過する半透過層
33と、液晶セル10の表側に配置される表側位相差層
22と、この表側位相差層22の表側に配置される表側
偏光層21と、半透過層33の裏側に配置される裏側位
相差層32と、この裏側位相差層32の裏側に配置され
る裏側偏光層31と、この裏側偏光層31の裏側に配置
されるバックライト40とを備えている。したがって、
光の複屈折性を利用する反射表示機能と透過型表示機能
とを有する液晶表示装置となっている。
【0097】ところで、従来の反射表示機能と透過型表
示機能とを有する液晶表示装置では、コントラストを重
要視するあまり、透過型表示において、明るさが十分で
ないという問題を有していた。また、光の複屈折性を利
用する反射表示機能と透過型表示機能とを有する液晶表
示装置においては、液晶層1の複屈折量の波長依存性に
よって出射光の各波長での偏光状態が変化するので、光
学補償が難しく、透過光が着色する欠点が生じていた。
【0098】そこで、本実施の形態では、先ず、裏側位
相差層32は、液晶セル10側に配置される裏セル側位
相差板32aと裏側偏光層31側に配置された裏背面側
位相差板32bとの2枚の位相差板から構成される。
【0099】一方、裏セル側位相差板32aのレタデー
ション値Reが、バックライト40による背面からの入
射光の波長λの略(1/4+K/2)倍の値(Kは0以
上の整数)に選ばれている。
【0100】また、裏背面側位相差板32bのレタデー
ション値Reが、バックライト40による背面からの入
射光の波長λの略(1/2+K′/2)倍の値(K′は
0以上の整数)に選ばれている。
【0101】さらに、液晶層1の厚みdと該液晶層1の
光学異方性Δnとの積dΔn、つまり液晶層1のレタデ
ーション値dΔnが、バックライト40による背面から
の入射光の波長λの略(1/2+L/2)倍の値(Lは
0以上の整数)に選ばれるようになっている。
【0102】これによって、裏側位相差層32のレタデ
ーション値Reと液晶層1のレタデーション値dΔnと
の差を可視光の全波長領域について該波長λの略4分の
1の整数倍とすることができるので、液晶層1における
複屈折量の波長依存性を打ち消し、この複屈折量の波長
依存性に起因する色付きを確実に防止することができ
る。
【0103】また、本実施の形態では、裏側偏光層31
の吸収軸AP1と裏側位相差層32の擬似的な遅相軸A
F5との交差角Δφが、0°<Δφ<45°、又は45
°<Δφ<90°のうちいずれかの範囲内の値に選ばれ
ている。
【0104】このため、透過表示を行うときに、バック
ライト40からの光の裏側位相差層32透過後の偏光状
態が円偏光ではなく、楕円偏光になる。この結果、透過
表示の際に、十分明るい表示品位を得ることができる。
【0105】したがって、反射表示機能と透過型表示機
能とを有する液晶表示装置において、透過表示の際にコ
ントラストではなく、明るさを優先したシステムにする
ことによって、より明るい透過型表示を達成し得る液晶
表示装置を提供することができる。
【0106】なお、本実施の形態においては、「裏側偏
光層31の吸収軸AP1と裏側位相差層32の擬似的な
遅相軸AF5との交差角Δφ」というように、「擬似的
な遅相軸」という表現を用いている。
【0107】この理由は、レタデーション値や遅相軸の
軸方向の異なる2枚の位相差板を積層することによって
構成された位相差層を直線偏光光が透過するとき、光は
この位相差層によって楕円偏光する。したがって、この
ときの位相差層は一軸性ではないためである。
【0108】この定義した位相差層の擬似的な遅相軸
は、以下に示される方法で決定される。
【0109】例えば、2枚の位相差層を積層することに
よって構成された位相差層を反射板の上に張り、その上
側に吸収軸の軸方向が既知の偏光板を配置し、偏光板の
吸収軸を回転させながら、偏光板の上側から反射光の明
度を測定する。このときの明度が最も小さくなる軸配置
で、偏光板の吸収軸に対して交差角が45°になる軸方
向で、かつ2枚の位相差板の遅相軸の交差角の鋭角側に
位置する軸が、積層位相差層の疑似的な遅相軸であると
する。
【0110】また、本実施の形態の液晶表示装置では、
裏側偏光層31の吸収軸AP1と裏側位相差層32の擬
似的な遅相軸AF5との交差角Δφは、55°又は35
°のいずれかの値に選ばれている。
【0111】これにより、確実に、透過表示を行うとき
に、バックライト40からの光の裏側位相差層32の透
過後の偏光状態が円偏光ではなく、楕円偏光になる。
【0112】この結果、透過表示の際に、十分明るい表
示品位を確実に得ることができる。
【0113】また、本実施の形態の液晶表示装置では、
裏側位相差層32を構成する裏セル側位相差板32aと
裏背面側位相差板32bとの交差角は62.5°となっ
ている。
【0114】これにより、確実に、透過表示を行うとき
に、裏側位相差層32のレタデーション値Reをより広
帯域の波長領域で該波長の略1/4の整数倍に近づける
ことができる。
【0115】この結果、透過表示の際に、透過光が着色
することなく、より良い表示品位を得ることができる。
【0116】また、本実施の形態の液晶表示装置では、
液晶層1がスーパーツイステッドネマティック(ST
N)型に構成されるとともに、この液晶層1における液
晶分子のツイスト角が180°以上かつ270°以下と
なるように選ばれている。
【0117】このため、液晶層1がスーパーツイステッ
ドネマティック(STN)型であって、液晶層1におけ
る液晶分子のツイスト角が180°以上かつ270°以
下となる液晶表示装置において、上記の本実施の形態の
効果を得ることができる。
【0118】
【実施例】本実施例では、反射型表示機能と透過型表示
機能とを有する液晶表示装置の具体的な軸配置として、
下記の実施例1、実施例2及び比較例について比較検討
した。
【0119】〔実施例1〕実施例1における反射型表示
機能と透過型表示機能とを有する液晶表示装置では、裏
側偏光層31の吸収軸AP2と裏側位相差層32の遅相
軸AF5との交差角Δφ=55°になるようにした。具
体的な軸配置は下記の通りになっている。
【0120】先ず、図2(a)に示すように、表側偏光
層21の吸収軸AP1と表反セル側位相差板22aの遅
相軸AF3との交差角は75°である。また、表反セル
側位相差板22aの遅相軸AF3と表セル側位相差板2
2bの遅相軸AF4との交差角は40°である。
【0121】一方、図2(b)に示すように、表側偏光
層21の吸収軸AP1と半透過層33に最も近接する液
晶層1の液晶分子の長軸方向ALCLとの角度θ1は、
5°である。
【0122】また、図2(c)に示すように、裏側位相
差層32における裏セル側位相差板32aの遅相軸AF
1と裏背面側位相差板32bの遅相軸AF2との交差角
は62.5°である。このとき、裏側位相差層32にお
ける惰円偏光の遅相軸AF5は、裏セル側位相差板32
aの遅相軸AF1との交差角が35°となる。
【0123】この結果、同図(c)に示すように、裏側
偏光層31の吸収軸AP2と裏側位相差層32の遅相軸
AF5との交差角Δφが55°になる。
【0124】また、このとき、図2(b)に示すよう
に、裏側偏光層31の吸収軸AP2と半透過層33に最
も近接する液晶層1における液晶分子の長軸方向ALC
Lとの角度θ2は20°である。
【0125】このときの、各層を透過した際の偏光状態
は、図5(a)のように示される。
【0126】なお、本発明の液晶表示装置の具体的な軸
配置は、以上に説明した具体的軸配置に限定されない。
【0127】〔実施例2〕実施例2における反射型表示
機能と透過型表示機能とを有する液晶表示装置では、裏
側偏光層31の吸収軸AP2と裏側位相差層32の遅相
軸AF5との交差角Δφ=35°になるようにした。そ
の具体的な軸配置は下記の通りになっている。
【0128】先ず、図3(a)に示すように、表側偏光
層21の吸収軸AP1と表反セル側位相差板22aの遅
相軸AF3との交差角は75°である。また、表反セル
側位相差板22aの遅相軸AF3と表セル側位相差板2
2bの遅相軸AF4の交差角は40°である。
【0129】一方、図3(b)に示すように、表側偏光
層21の吸収軸AP1と半透過層33に最も近接する液
晶層1の液晶分子の長軸方向ALCLとの角度θ1は、
5°である。
【0130】また、図3(c)に示すように、裏側位相
差層32における裏セル側位相差板32aの遅相軸AF
1と裏背面側位相差板32bの遅相軸AF2の交差角は
62.5°である。
【0131】このとき、図3(c)に示すように、裏側
位相差層32の惰円偏光の遅相軸AF5は、裏セル側位
相差板32aの遅相軸AF1に対して交差角が35°と
なる。
【0132】この結果、裏側偏光層31の吸収軸AP2
と裏側位相差層32の遅相軸AF5との交差角Δφは3
5°となる。
【0133】また、裏側偏光層31の吸収軸AP2と半
透過層33に最も近接する液晶層1における液晶分子の
長軸方向ALCLとの角度θ2は70°である。
【0134】このときの、各層を透過した際の偏光状態
は、図5(a)のように示される。
【0135】なお、本発明の液晶表示装置の具体的な軸
配置は、以上に説明した具体的軸配置に限定されない。
【0136】〔比較例〕比較例として、表側位相差層2
2として表反セル側位相差板22aと表セル側位相差板
22bとの2枚の位相差板とからなるとともに、裏側位
相差層32として裏セル側位相差板32aと裏背面側位
相差板32bとの2枚の位相差板とからなる液晶表示装
置について、従来品と同様に、裏側偏光層31の吸収軸
AP2裏と裏側位相差層32の擬似的な遅相軸AF5の
擬似的な遅相軸AF5との交差角Δφが45°になるよ
うに設計したものを比較例として検討した。
【0137】すなわち、上記のコントラスト重視型の反
射型表示機能と透過型表示機能とを有する液晶表示装置
の具体的な軸配置は下記の通りになっている。
【0138】図4(a)に示すように、先ず、表側偏光
層21の吸収軸AP1と表反セル側位相差板22aの遅
相軸AF3の交差角は75°である。
【0139】また、表反セル側位相差板22aの遅相軸
AF3と表セル側位相差板22bの遅相軸AF4の交差
角は40°である。
【0140】さらに、図4(b)に示すように、表側偏
光層21の吸収軸AP1と半透過層33に最も近接する
液晶層1の液晶分子の長軸方向ALCLとの角度θ1は
5°である。
【0141】また、図4(c)に示すように、裏セル側
位相差板32aの遅相軸AF1と裏背面側位相差板32
bの遅相軸AF2の交差角は62.5°である。
【0142】裏セル側位相差板32aの遅相軸AF1と
裏側位相差層32の楕円偏光の遅相軸AF5の交差角は
35°である。裏側偏光層31の吸収軸AP2と裏側位
相差層32の遅相軸AF5の交差角Δφは45°であ
る。
【0143】また、図4(b)に示すように、裏側偏光
層31の吸収軸AP2と半透過層33に最も近接する液
晶層1の液晶分子の長軸方向ALCLとの角度θ2は3
0°である。
【0144】このときの、各層を透過した際の偏光状態
は、図5(b)のように示される。
【0145】〔対比〕以上述べた、実施例1及び実施例
2の液晶表示装置と、比較例としての従来のコントラス
ト重視型のシステムの液晶表示装置とを比較した結果を
表1に示す。
【0146】
【表1】
【0147】表1から分かるように、実施例1及び実施
例2の液晶表示装置は、従来品と比較してコントラスト
は低くなるが透過率は非常に高くなっている。このた
め、実施例1及び実施例2の液晶表示装置では、透過表
示で明るく見易い表示ができる。
【0148】また、実施例1及び実施例2の液晶表示装
置の表示の方が従来品と比較して明るく、見易いことを
目視でも確認した。
【0149】
【発明の効果】本発明の液晶表示装置は、以上のよう
に、裏側位相差層は、液晶セル側に配置される裏セル側
位相差板と裏側偏光層側に配置された裏背面側位相差板
との2枚の位相差板から構成される一方、上記裏セル側
位相差板のレタデーション値が、バックライトによる背
面からの入射光の波長λの略(1/4+K/2)倍の値
(Kは0以上の整数)に選ばれ、上記裏背面側位相差板
のレタデーション値が、バックライトによる背面からの
入射光の波長λの略(1/2+K′/2)倍の値(K′
は0以上の整数)に選ばれるとともに、上記液晶層の厚
みdと該液晶層の光学異方性Δnとの積dΔnが、バッ
クライトによる背面からの入射光の波長λの略(1/2
+L/2)倍の値(Lは0以上の整数)に選ばれる一
方、上記裏側偏光層の吸収軸と裏側位相差層との擬似的
な遅相軸との交差角Δφが、0°<Δφ<45°、又は
45°<Δφ<90°のうちいずれかの範囲内の値に選
ばれているものである。
【0150】それゆえ、裏側位相差層は、液晶セル側に
配置される裏セル側位相差板と裏側偏光層側に配置され
た裏背面側位相差板との2枚の位相差板から構成される
一方、上記裏セル側位相差板のレタデーション値が、バ
ックライトによる背面からの入射光の波長λの略(1/
4+K/2)倍の値(Kは0以上の整数)に選ばれ、上
記裏背面側位相差板のレタデーション値が、バックライ
トによる背面からの入射光の波長λの略(1/2+K′
/2)倍の値(K′は0以上の整数)に選ばれるととも
に、上記液晶層の厚みdと該液晶層の光学異方性Δnと
の積dΔnが、バックライトによる背面からの入射光の
波長λの略(1/2+L/2)倍の値(Lは0以上の整
数)に選ばれるようになっている。
【0151】これによって、裏側位相差層のレタデーシ
ョン値Reと液晶層のレタデーション値dΔnとの差を
可視光の全波長領域について該波長λの略4分の1の整
数倍とすることができるので、液晶層における複屈折量
の波長依存性を打ち消し、この複屈折量の波長依存性に
起因する色付きを確実に防止することができる。
【0152】また、本発明では、裏側偏光層の吸収軸と
裏側位相差層との擬似的な遅相軸との交差角Δφが、0
°<Δφ<45°、又は45°<Δφ<90°のうちい
ずれかの範囲内の値に選ばれている。
【0153】このため、透過表示を行うときに、バック
ライトからの光の裏側位相差層透過後の偏光状態が円偏
光ではなく、楕円偏光になる。この結果、透過表示の際
に、十分明るい表示品位を得ることができる。
【0154】したがって、反射表示機能と透過型表示機
能とを有する液晶表示装置において、透過表示の際にコ
ントラストではなく、明るさを優先したシステムにする
ことによって、より明るい透過型表示を達成し得る液晶
表示装置を提供することができるという効果を奏する。
【0155】また、本発明の液晶表示装置は、以上のよ
うに、上記記載の液晶表示装置において、裏側偏光層の
吸収軸と裏側位相差層との擬似的な遅相軸との交差角
は、55°又は35°のいずれかの値に選ばれているも
のである。
【0156】それゆえ、確実に、透過表示を行うとき
に、バックライトからの光の裏側位相差層透過後の偏光
状態が円偏光ではなく、楕円偏光になる。
【0157】この結果、透過表示の際に、十分明るい表
示品位を確実に得ることができるという効果を奏する。
【0158】本発明の液晶表示装置は、以上のように、
上記記載の液晶表示装置において、裏側位相差層を構成
する裏セル側位相差板と裏背面側位相差板との交差角は
62.5°であるものである。
【0159】それゆえ、確実に、透過表示を行うとき
に、裏側位相差層のレタデーション値Reをより広帯域
の波長領域で該波長の略1/4の整数倍に近づけること
ができる。
【0160】この結果、透過表示の際に、透過光が着色
することなく、より良い表示品位を得ることができると
いう効果を奏する。
【0161】本発明の液晶表示装置は、以上のように、
上記記載の液晶表示装置において、液晶層がスーパーツ
イステッドネマティック型に構成されるとともに、この
液晶層における液晶分子のツイスト角が180°以上か
つ270°以下となるように選ばれているものである。
【0162】それゆえ、液晶層がスーパーツイステッド
ネマティック型であって、液晶層における液晶分子のツ
イスト角が180°以上かつ270°以下となる液晶表
示装置において、上記の発明の効果を得ることができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における液晶表示装置の実施の一形態を
示すものであり、液晶表示装置の構成を示す断面図であ
る。
【図2】上記液晶表示装置において、裏側偏光層の吸収
軸と裏側位相差層の遅相軸との交差角Δφを55°にな
るようにしたときの、各層の軸配置の関係を示す説明図
であり、(a)は表側偏光層及び表側位相差層偏光層の
関係を示すもの、(b)は表側偏光層、裏側偏光層及び
液晶層の関係を示すもの、(c)は裏側偏光層及び裏側
位相差層の関係を示すものである。
【図3】上記液晶表示装置において、裏側偏光層の吸収
軸と裏側位相差層の遅相軸との交差角Δφを35°にな
るようにしたときの、各層の軸配置の関係を示す説明図
であり、(a)は表側偏光層及び表側位相差層偏光層の
関係を示すもの、(b)は表側偏光層、裏側偏光層及び
液晶層の関係を示すもの、(c)は裏側偏光層及び裏側
位相差層の関係を示すものである。
【図4】上記液晶表示装置において、従来と同様にした
ときの各層の軸配置の関係を示す説明図であり、(a)
は表側偏光層及び表側位相差層偏光層の関係を示すも
の、(b)は表側偏光層、裏側偏光層及び液晶層の関係
を示すもの、(c)は裏側偏光層及び裏側位相差層の関
係を示すものである。
【図5】上記液晶表示装置における、各層を透過する透
過光の偏光状態を示す説明図であり、(a)は実施例1
及び実施例2を示すもの、(b)は比較例を示すもので
ある。
【図6】従来の液晶表示装置の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 液晶層 2a 表側配向膜 2b 裏側配向膜 4a 表側基板 4b 裏側基板 10 液晶セル 21 表側偏光層 22 表側位相差層 22a 表反セル側位相差板 22b 表セル側位相差板 31 裏側偏光層 32 裏側位相差層 32a 裏セル側位相差板 32b 裏背面側位相差板 33 半透過層 40 バックライト AP1 表側偏光層の吸収軸 AP2 裏側偏光層の吸収軸 AF1 裏セル側位相差板の遅相軸 AF2 裏背面側位相差板の遅相軸 AF3 表反セル側位相差板の遅相軸 AF4 表セル側位相差板の遅相軸 AF5 裏側位相差層の擬似的な遅相軸 ALCH 表側偏光層に最も近接する液晶層の液晶分子
の長軸方向 ALCL 半透過層に最も近接する液晶層の液晶分子の
長軸方向 θ1 表側偏光層の吸収軸AP1と半透過層に最も
近接する液晶層の液晶分子の長軸方向ALCLとの角度 θ2 裏側偏光層の吸収軸AP2と半透過層に最も
近接する液晶層の液晶分子の長軸方向ALCLとの角度

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明電極と配向膜とを積層した一対の透明
    な基板に液晶層を狭持した液晶セルと、液晶セルの裏側
    基板における裏側又は液晶層側である内側のいずれか一
    方に配置されて入射光の一部の成分を反射させて残余の
    成分を透過する半透過層と、液晶セルの表側に配置され
    る表側位相差層と、上記表側位相差層の表側に配置され
    る表側偏光層と、上記半透過層の裏側に配置される裏側
    位相差層と、上記裏側位相差層の裏側に配置される裏側
    偏光層と、上記裏側偏光層の裏側に配置されるバックラ
    イトとを備えた液晶表示装置において、 上記裏側位相差層は、液晶セル側に配置される裏セル側
    位相差板と裏側偏光層側に配置された裏背面側位相差板
    との2枚の位相差板から構成される一方、 上記裏セル側位相差板のレタデーション値が、バックラ
    イトによる背面からの入射光の波長λの略(1/4+K
    /2)倍の値(Kは0以上の整数)に選ばれ、 上記裏背面側位相差板のレタデーション値が、バックラ
    イトによる背面からの入射光の波長λの略(1/2+
    K′/2)倍の値(K′は0以上の整数)に選ばれると
    ともに、 上記液晶層の厚みdと該液晶層の光学異方性Δnとの積
    dΔnが、バックライトによる背面からの入射光の波長
    λの略(1/2+L/2)倍の値(Lは0以上の整数)
    に選ばれる一方、 上記裏側偏光層の吸収軸と裏側位相差層の擬似的な遅相
    軸との交差角Δφが、0°<Δφ<45°、又は45°
    <Δφ<90°のうちいずれかの範囲内の値に選ばれて
    いることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】裏側偏光層の吸収軸と裏側位相差層の擬似
    的な遅相軸との交差角は、55°又は35°のいずれか
    の値に選ばれていることを特徴とする請求項1記載の液
    晶表示装置。
  3. 【請求項3】裏側位相差層を構成する裏セル側位相差板
    と裏背面側位相差板との交差角は62.5°であること
    を特徴とする請求項1又は2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】液晶層がスーパーツイステッドネマティッ
    ク型に構成されるとともに、この液晶層における液晶分
    子のツイスト角が180°以上かつ270°以下となる
    ように選ばれていることを特徴とする請求項1、2又は
    3記載の液晶表示装置。
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