JP2001356188A - 放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置 - Google Patents

放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置

Info

Publication number
JP2001356188A
JP2001356188A JP2000176151A JP2000176151A JP2001356188A JP 2001356188 A JP2001356188 A JP 2001356188A JP 2000176151 A JP2000176151 A JP 2000176151A JP 2000176151 A JP2000176151 A JP 2000176151A JP 2001356188 A JP2001356188 A JP 2001356188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cask
lid
block
seal
radioactive waste
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000176151A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Akamatsu
哲郎 赤松
Hisahiro Matsuoka
寿浩 松岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000176151A priority Critical patent/JP2001356188A/ja
Publication of JP2001356188A publication Critical patent/JP2001356188A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Gasket Seals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャスクの輸送作業を簡単にすること。 【解決手段】 二次蓋8と胴本体のフランジ部6との気
密に金属ガスケット20を用い、キャスク輸送時におい
てもこの金属ガスケット20をそのまま使用して輸送を
行う。二次蓋8には、金属ガスケット20のガスケット
溝101のみが加工形成されている。このキャスク10
0によれば、ゴムOリングへの換装作業が不要になるの
で、キャスク100の輸送作業を極めて簡単に行うこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼を終えた使
用済み燃料集合体を収容する圧力容器であって、その輸
送を簡単に行うことができる放射性廃棄物貯蔵用キャス
クおよびその輸送方法、並びに放射性廃棄物貯蔵用キャ
スクのガス漏洩試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】核燃料サイクルの終期にあって燃焼を終
え使用できなくなった核燃料集合体を、使用済み燃料集
合体という。使用済み燃料集合体は、FPなど高放射能
物質を含むので熱的に冷却する必要があるから、原子力
発電所の冷却ピットで約60年間冷却される。その後、
放射性廃棄物遮蔽容器であるキャスクに収納され、トラ
ック等で再処理施設に搬送、貯蔵される。キャスク内に
は、高放射能物質が収容されているので、当該キャスク
の密封には厳重なる注意が必要である。
【0003】図7は、従来のキャスクの構造を示す断面
図である。図8は、図7に示したキャスクの一部拡大図
である。このキャスク500は、ステンレス製または炭
素鋼製の胴本体1と、キャスク外面を構成する外筒2
と、胴本体1と外筒2との間に充填される水素を含有し
た高分子材料のレジン3と、胴本体1の下部に溶接さ
れ、レジン4を封入した構造の底板5と、胴本体1のフ
ランジ部6に設けた一次蓋7および二次蓋8とから構成
される。一次蓋7と二次蓋8は、図8に示すように、ボ
ルト9,10によってフランジ部6に固定されている。
また、二次蓋8には、レジンが封入されている(図示省
略)。
【0004】胴本体1内には、使用済み燃料集合体を収
容するバスケット11が内設されている。このバスケッ
ト11は、ボロン(B)とアルミニウムとの複合材料に
よって構成されている。また、このキャスク500内に
は、ヘリウムガスが負圧状態で充填されている。一方、
一次蓋7と二次蓋8の空間12内は正圧となっており、
これによってキャスク500内部と外部との間に圧力障
壁が形成される。また、二次蓋8には、蓋間空間の圧力
を測定するための孔13が設けられており、この孔13
の出口には圧力センサー14が設けられている。
【0005】前記一次蓋7には、キャスク500内のガ
ス置換を行うためのバルブ15が設けられている。ま
た、このバルブ15は、バルブカバー16によって覆わ
れている。一次蓋7と胴本体1との間、二次蓋8と胴本
体1との間には、金属ガスケット20、21が設けられ
ている。また、バルブカバー16と一次蓋7の間にも、
金属ガスケット22が介在している。
【0006】図9は、キャスクのシール部を示す拡大図
である。なお、一次蓋7と胴本体1との間、二次蓋8と
胴本体1との間のシール部は、同じシール構造となる。
ガスケット溝23は、機械加工により形成される。使用
する金属ガスケット20、21は、図10に示すよう
に、内外輪の二連構造になっている。この金属ガスケッ
ト20、21は、腐食や高温酸化に強いインコネル(商
標名:クロム16%、鉄7%を含むニッケル系合金)によっ
て製作したコイルスプリング24に、同じくインコネル
を用いたインナーエンベロープ25で被覆し、さらに、
アルミニウム製のアウターエンベロープ26で内外輪を
まとめて被覆した構成である。
【0007】ガスケット溝23に対しては、アウターエ
ンベロープ26部分でボルト27によって固定する。前
記金属ガスケット20、21には、例えば原子力用キャ
スクに使用実績の多い、日本バルカー工業株式会社製
「トライバック」やフランス国のCEFILAC社製の「ヘリ
コフレックスシール」などを用いることができる。
【0008】金属ガスケット20、21の塑性変形率と
密封性能の温度・時間依存性Larson-Miller Parameter
(LMP)により表すことが可能であり、その詳細は、
「使用済燃料貯蔵キャスクの長期密封性能評価手法の開
発」(加藤、伊東、三枝、日本原子力学会誌、Vol.38,N
o.6,95〜101,1996)により開示されている。一般的に、
金属ガスケットの長期密封性能は、密封保持限界のLMP
を求め、所定温度における限界時間を予測することによ
り行う。
【0009】また、金属ガスケット20、21の内周側
には、合成ゴム製のOリング28を嵌めこむOリング溝
29が機械加工されている。このOリング溝29は、O
リング28を固定するために蟻溝になっている。通常、
キャスク500の貯蔵時には、合成ゴム製のOリング2
8は用いない。貯蔵時に合成ゴム製のOリング28を用
いないのは、高温(150℃前後)、高線量条件下にお
いての使用に耐えることができないからである。
【0010】一方、金属ガスケット20は、以下の理由
によりキャスク輸送時の使用には不向きである。金属ガ
スケット20を用いた場合、メーカー推奨値である漏洩
率(1×10-9Pa・m3/s)に対する二次蓋8と胴
本体1とのずれ量は0.2〜0.3mm程度が限界とな
るが、実際のキャスク落下時のずれ量は数mmとなる。
従って、金属ガスケット20を装着したキャスク500
が落下した場合、上記推奨値を超える可能性がある。こ
のため、従来のキャスク500では、輸送時に二次蓋8
の金属ガスケット20を合成ゴム製のOリング28に換
装してから輸送をするようにしていた。
【0011】これに対して、合成ゴム製のOリング28
は、高温、高線量下においても数ヶ月程度であれば、落
下による横ずれに対しても十分な密封機能を保持できる
ことが確認されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のキャスク5
00では、金属ガスケット20と合成ゴム製のOリング
28を換装するには、いったん二次蓋8を取り外し、こ
の二次蓋8のOリング溝29にOリング28を装着する
必要がある。そして、二次蓋8をキャスク500に取り
付け、機密検査を行う。これらの作業は全て高線量下に
て行われるため、キャスク500をプール内に沈めて作
業を行わなければならない。或いは、厚い遮蔽壁に囲ま
れたホットセル内にキャスク500を設置し、遠隔作業
によって行う必要がある。このため、シールの換装作業
に手間とコストがかかるという問題点があった。
【0013】また、換装作業を行う必要性についても疑
問があった。すなわち、従来では金属ガスケット20の
メーカーの推奨値に基づいて金属ガスケット20の漏洩
率を評価しているが、この値は使用する製品を限定しな
い場合のものであって、実際にその使用をキャスク50
0に限定して評価したものではない。また、従来から、
金属ガスケット20をキャスク500に使用した場合の
漏洩率を試験する試験装置もなく、キャスク輸送時の漏
洩率の具体的な基準もない。このため、従来の取り扱い
では、一般的なメーカー推奨値に基づき、キャスク輸送
時には密封装置の換装作業が必要であると評価していた
ことになる。
【0014】さらに、上記従来のキャスク500では、
二次蓋8のずれ量を0.3mm程度に抑えるのは製造技
術上困難であること、上記密封装置の換装作業を行って
いたこと、から当該二次蓋8と胴本体1のフランジ部6
との間隔を詰めて、キャスク輸送時のずれ量を抑制する
ような工夫は特にされていないのが現状である。
【0015】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、請求項1に係る放射性廃棄物貯蔵用キャスクは、
底付きのキャビティ内に使用済み燃料集合体を収容する
バスケットを備えると共にその周囲に中性子遮蔽体を設
けた胴本体と、胴本体のフランジ部に取り付けられた蓋
とを備え、キャスクの密封に関して、前記フランジ部と
蓋との接触部分に金属シール用のシール溝のみを設け、
このシール溝に金属シールを入れたものである。
【0016】このキャスクは、金属シール用のシール溝
のみを設けた構成であるから、合成ゴム製のOリング用
のシール溝は不要である。このため、従来のように当該
Oリング用のシール溝を加工する手間が省ける。なお、
上記キャスクとは、使用済み燃料集合体などの放射性廃
棄物を収容し、これらを貯蔵するための圧力容器をい
う。このキャスクは、金属シールのみを用いて貯蔵およ
び輸送用に供される。すなわち、金属シール用のシール
溝のみを有するから、ゴム製Oリングを換装する余地が
なく、この金属シールのみにより輸送時の内部ガス漏洩
を被爆上問題のない範囲に抑えることができる。
【0017】従来のキャスクでは、金属シールメーカー
の一般的推奨値に基づき、Oリングへの換装を行うべき
であることが常識であった。そこで、本願発明者らは、
従来では行っていなかったキャスクの漏洩率の試験を下
記専用の試験装置を開発することにより実施した。この
試験によって、金属シールのみを用いて輸送しても、漏
洩について問題が生じないことが判った。このため、O
リングへの換装作業を省略して金属シールのままキャス
クを輸送できるので、輸送の手間が大幅に削減される。
また、Oリング用のシール溝を加工する手間が省ける。
なお、上記金属シールには、金属ガスケットおよび金属
Oリングなどを含むものとする。
【0018】また、請求項2に係る放射性廃棄物貯蔵用
キャスクは、上記放射性廃棄物貯蔵用キャスクにおい
て、さらに、前記フランジ部に対して蓋を取り付けた
後、当該フランジ部と蓋との微小間隙に嵌め入れる断面
楔形状の位置決め部材を有するものである。
【0019】上記従来において金属シールが問題になる
のは、フランジ部に対する蓋のずれ量が大きいからであ
る。しかしながら、ずれが生じないように、フランジ部
と蓋との間隙を小さくする加工は困難である。このた
め、いったんフランジ部に蓋を取り付け、フランジ部と
蓋との間隙に断面が楔形状の位置決め部材、例えば断面
が楔形状の分割したリング部材などを嵌め入れ、蓋を固
定するようにした。このようにすれば、キャスクが落下
したときの蓋のずれ量を小さくすることができるから、
金属シールとのずれによるガス漏洩を少なくすることが
できる。
【0020】また、請求項3に係る放射性廃棄物貯蔵用
キャスクの輸送方法は、胴本体のキャビティ内に使用済
み燃料集合体を収容し、この胴本体のフランジ部に対し
て蓋を取り付けると共にフランジ部と蓋との間の密封を
金属シールによって行い、この状態で海上や公道などを
輸送するようにしたものである。
【0021】従来では、キャスク落下時の密封破壊のお
それから、キャスク輸送時には金属シールから合成ゴム
製のOリングに換装するようにしていた。これに対し
て、本願発明者らは、上記のような試験研究の結果、金
属シールによってもキャスクを輸送することができると
いうことを確認することができた。このため、換装手順
が省略され、輸送手順を大幅に簡略化することができる
ようになる。
【0022】また、請求項4に係る放射性廃棄物貯蔵用
キャスクの輸送方法は、上記放射性廃棄物貯蔵用キャス
クの輸送方法において、さらに、フランジ部に対して蓋
を取り付けた後、キャスク輸送時に、前記フランジ部と
蓋との微小間隙に断面楔形状の位置決め部材を嵌め入れ
るようにしたものである。
【0023】このように、キャスク輸送時にフランジ部
と蓋との間に断面楔形状の位置決め部材を嵌め込むこと
により、蓋を固定することができる。このため、キャス
クの落下時において蓋がずれ難くなるから、金属シール
の密封破壊が生じ難くなる。
【0024】また、請求項5に係る放射性廃棄物貯蔵用
キャスクのガス漏洩試験装置は、第1平面部にシール溝
や突起などの金属シールの保持構造を形成し、この保持
構造に金属シールを保持した第1ブロックと、前記第1
ブロックの第1平面部に面接触する第2平面部を有し、
この第2平面部が金属シールと接触することで一部に密
封空間を形成する第2ブロックと、第1ブロックまたは
第2ブロックに形成され、前記密封空間に試験ガスを供
給するガス供給通路と、前記密封空間から漏洩したガス
を検出するガス検出手段と、第1ブロックまたは第2ブ
ロックに対して荷重を付加し、当該第1ブロックと第2
ブロックとを前記接触面にて相対移動させる荷重付加手
段とを備え、前記金属シールをキャスクの密封に用いた
場合の内部ガスの漏洩を試験するようにしたものであ
る。
【0025】衝撃付与手段により衝撃を付与すること
で、第1ブロックと第2ブロックとが相対移動し、第2
平面部と金属シールとの間でずれが発生する。一方、金
属シールにより形成した密閉空間には、ガス供給通路を
通じてガスが供給されているから、前記ずれによって密
封が破れて当該ガスが漏洩する。ガス検出手段は、漏洩
したガスを検出する。この試験装置により、キャスクの
蓋に金属シールを設けた場合の漏洩試験が可能になる。
【0026】また、請求項6に係る放射性廃棄物貯蔵用
キャスクは、上記放射性廃棄物貯蔵用キャスクにおい
て、さらに、前記キャスクの蓋が一つのみとしたもので
ある。このようにすることで、キャスクの気密を保持し
つつ構造を簡単にできる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、この発明につき図面を参照
しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこ
の発明が限定されるものではない。
【0028】(実施の形態1)図1は、この発明の実施
の形態にかかるキャスクを示す一部断面図である。この
キャスク100では、合成ゴム製のOリングを入れるO
リング溝を省略し、金属ガスケット用のガスケット溝1
01のみが設けた点に特徴がある。これ以外の構成は、
上記従来例と同じであるからその説明を省略する。な
お、この発明において、金属ガスケット20のガスケッ
ト溝101のみを設けるということは、同図に示すよう
に、Oリング溝を省略して従来の金属ガスケット20の
ガスケット溝23のみにした場合と、ガスケット溝とO
リング溝とを共用していたものを(図示省略)、金属ガ
スケット20の専用にした場合とを含むものとする。い
ずれの場合であっても、Oリング溝のような蟻溝形状を
加工する必要がないため、加工が簡単になる。例えば図
1に示したような、簡単な断面コの字形状の溝で済む。
【0029】また、このキャスク100では、海上や公
道上の輸送時にOリングへの換装作業が不要である。上
記の通り、従来ではキャスク内のヘリウムガスの漏洩率
にメーカー推奨値を用いていたが、この推奨値は一般的
な値であってキャスクに特化した場合の値ではない。ま
た、このような漏洩試験は従来から行われておらず、キ
ャスクに要求される漏洩率の検証はされていなかったの
が現状である。このため、かかる推奨値に基づいてOリ
ングへの換装作業を行うようにしており、この換装作業
によって多大な負担を強いられていた。
【0030】本願発明者らは、かかる点に注目し、キャ
スク100に要求される漏洩率を検証した。まず、キャ
スク100には長期密封性が要求されるが、この貯蔵は
約60年間行われるため、要求される漏洩率は比較的高
いものとなる。具体的には、金属ガスケット部の温度が
150℃の条件下で、貯蔵時にキャスク100内の負圧
を維持できる漏洩率は、1×10-7Pa・m3/s以内
となる。つぎに、キャスク輸送時にキャスクが落下し
て、これによって二次蓋8にずれが発生した場合、1ヶ
月間はキャスク100内の負圧を維持する必要があり、
そのときの漏洩率は、1×10-4Pa・m3/sであ
る。
【0031】つぎに、漏洩試験装置の構成を説明する。
図2は、漏洩試験装置を示す構成図である。この漏洩試
験装置200は、中央の移動ブロック201を円盤状の
フランジ202、203で挟んだ構成であり、フランジ
202とブロック201の接触面には金属ガスケット2
04のガスケット溝205と、合成ゴム製のOリング2
06を入れるOリング溝207が設けられている。ガス
ケット溝205内側には微小な間隙208が形成されて
いる。この微小間隙208には、フランジ202に形成
されたガス供給通路210からヘリウムガスが供給され
る。
【0032】ヘリウムガスは、外部に設置したガスボン
ベ211から供給される。また、金属ガスケット204
とOリング206との間に形成される間隙209には、
漏洩ガスを検出するための通路212が形成されてい
る。この通路212は、フランジ202の外部に設置し
たガス検出装置213に接続されている。フランジ20
2の外面には、ヒーター214が設置されている。ま
た、微小間隙208の近傍には、熱伝対215が配置さ
れており、この温度出力はヒーター214の処理装置2
16に送られる。
【0033】フランジ202とブロック201の下部に
は、変位計217が設置されている。この変位計217
の変位データは、前記処理装置216に送られる。な
お、両フランジ202、203は架台218に設置され
ている。ブロック201の上部には、衝撃荷重を付加す
るシリンダー220が設けられている。シリンダー22
0の動きは、変位計217の出力に基づいて処理装置2
16によって制御される。
【0034】漏洩試験装置200は、シリンダー220
によって中央のブロック201に対して荷重を付加する
ことにより行う。この荷重付加によってブロック201
が下方に移動し、金属ガスケット204による気密状態
が変化する。微小間隙208には、ガスボンベ211か
らヘリウムガスが供給されており、金属ガスケット20
4の気密状態の変化によりその漏洩量が変化する。漏洩
したヘリウムガスは、金属ガスケット204とOリング
206との間隙209に漏れ、当該間隙209に通じて
いる通路212を介してガス検出装置213により検出
される。
【0035】ブロック201の変位は変位計217によ
り計測され、その計測データは処理装置216に送られ
る。処理装置216は変位計217からの計測データに
基づいて、シリンダー220の位置を制御する。また、
微小間隙208近傍は、ヒーター214により加熱され
ており、この温度は常に熱伝対215によって監視され
ている。処理装置216は、温度データ、変位データ、
漏洩量を取得してメモリに蓄積する。なお、この漏洩試
験装置200は、縦型のみならず、横型のものであって
もよい。
【0036】漏洩試験に用いた金属ガスケット204
と、金属ガスケット204と接触するフランジ202、
ブロック201の条件を次に示す。 (1)金属ガスケット ・形式:トライパック(弾性芯入金属Oリング)、日本
バルカー工業株式会社製 ・構造:外被…アルミニウム 内被…Inco.600 コイルスプリング…Inco.X-750 ・寸法:フープ内径176mm、線径(断面径)5.6
mm (2)フランジおよびブロック ・ガスケット溝寸法:OD208mm×ID175.6
mm×t4.5mm ・材料:SUS304、Rmax3〜9μm
【0037】図3に、図2に示した漏洩試験装置200
を用いてずらし試験を行った結果を示す。また、この試
験条件を下記表1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】この試験の結果、ずれ量の大きいほど漏洩
率が大きくなることが確認できた。また、当該すべての
試験条件下において輸送時の許容漏洩率(1×10-4
a・m3/s)以下の結果を得ることができた。特に、
ずれ量が3mmの場合であっても、その漏洩率が1×1
-7Pa・m3/sであって、許容漏洩率を大きく下回
ることを確認できた。このほか、高温時に漏洩率が小さ
くなることが判った。これは、材料の軟化によるなじみ
性の向上によるものと考えられる。なお、フランジ粗さ
の漏洩率に対する影響には、明確な傾向を見出すことが
できなかった。
【0040】この試験結果によりずれ量が小さいほど、
漏洩率を小さくできることが判っている。そこで、キャ
スク100の二次蓋8を固定することですれ量を抑制す
るようにする。図4は、そのようなキャスクを示す一部
断面図である。このキャスク150では、フランジ部1
51内に二次蓋8を入れ込み、この二次蓋8とフランジ
部151との間隙152に断面楔形状の位置決め部材1
53を嵌め込む。この位置決め部材153は、図5に示
すような分割した環状のもので、前記間隙152の3部
位に均等に嵌め込むようにする。
【0041】これにより、フランジ部151に対して二
次蓋8を固定できるので、二次蓋8のずれ量をある程度
抑制することが可能になる。このため、漏洩率をさらに
小さくすることが可能になる。なお、位置決め部材15
3は、前記分割した環状のもの以外、例えば釘状のもの
や、軟質材からなる板材などであってもよい。また、こ
の位置決め部材153は、キャスク貯蔵時から取り付け
ておいてもよいし、キャスク100を輸送する際に取り
付けるようにしてもよい。キャスク輸送時のみ取り付け
る場合には、位置決め部材153を使い回すことができ
るので経済的である。
【0042】以上の発明のキャスク100、150によ
れば、合成ゴム製のOリングを換装する必要がないの
で、キャスク100、150の輸送作業を極めて簡略化
することができる。さらに、位置決め部材153により
二次蓋8を固定するようにしたので、二次蓋8のずれを
抑制し、漏洩量を小さくすることができる。
【0043】(実施の形態2)図6は、この発明の実施
の形態2にかかるキャスクを示す一部断面図である。こ
のキャスク300は、二次蓋を省略した点に特徴があ
る。胴本体301のフランジ部302には、蓋303が
設けられており、この蓋303とフランジ部302とは
上記同様の金属ガスケット20により気密に保持されて
いる。また、蓋303には、キャスク内のガス置換を行
うためのバルブ304が設けられている。また、このバ
ルブ304は、バルブカバー305によって覆われてい
る。
【0044】バルブカバー305と蓋303の間にも、
上記同様の金属ガスケット306が介在している。な
お、蓋303は、ボルト307によって胴本体301に
固定されている。このキャスク300では、上記同様、
キャスク輸送時のOリング換装を省略して、金属ガスケ
ット20のまま搬送する。
【0045】このキャスク300によれば、上記金属ガ
スケット20を用いて輸送可能であることに加えて、二
次蓋を省略した分、キャスク300の重量を軽くするこ
とができる。また、二次蓋に関連する作業、例えば真空
乾燥、ヘリウム充填、配管類の取り付けと撤去、漏洩機
密検査が不要になり、取り扱いが容易になる。さらに、
キャスク内と外気との差圧が小さくなるから、漏洩しに
くくなる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の放射性
廃棄物貯蔵用キャスク(請求項1)では、底付きのキャ
ビティ内に使用済み燃料集合体を収容するバスケットを
備えると共にその周囲に中性子遮蔽体を設けた胴本体
と、胴本体のフランジ部に取り付けられた蓋とを備え、
キャスクの密封に関して、前記フランジ部と蓋との接触
部分に金属シール用のシール溝のみを設け、このシール
溝に金属シールを入れたので、Oリングへの換装作業を
省略できるので、キャスク輸送の手間が大幅に削減され
る。また、Oリング用のシール溝を加工する手間が省け
る。
【0047】また、この発明の放射性廃棄物貯蔵用キャ
スク(請求項2)では、上記キャスクのフランジ部に対
して蓋を取り付けた後、当該フランジ部と蓋との微小間
隙に嵌め入れる断面楔形状の位置決め部材を有するの
で、キャスクが落下したときの蓋のずれ量を小さくする
ことができる。このため、金属シールとのずれによるガ
ス漏洩を少なくすることができる。
【0048】また、この発明の放射性廃棄物貯蔵用キャ
スクの輸送方法(請求項3)では、胴本体のキャビティ
内に使用済み燃料集合体を収容し、この胴本体のフラン
ジ部に対して蓋を取り付けると共にフランジ部と蓋との
間の密封を金属シールによって行い、この状態で海上や
公道などを輸送するようにしたので、換装手順が省略さ
れ、輸送手順を大幅に簡略化することができるようにな
る。
【0049】また、この発明の放射性廃棄物貯蔵用キャ
スクの輸送方法(請求項4)では、上記キャスクのフラ
ンジ部に対して蓋を取り付けた後、キャスク輸送時に、
前記フランジ部と蓋との微小間隙に断面楔形状の位置決
め部材を嵌め入れるようにした。このため、キャスクが
落下したときの蓋のずれ量を小さくすることができるか
ら、金属シールとのずれによるガス漏洩を少なくするこ
とができる。
【0050】また、この発明の放射性廃棄物貯蔵用キャ
スクのガス漏洩試験装置(請求項5)では、第1平面部
にシール溝や突起などの金属シールの保持構造を形成
し、この保持構造に金属シールを保持した第1ブロック
と、前記第1ブロックの第1平面部に面接触する第2平
面部を有し、この第2平面部が金属シールと接触するこ
とで一部に密封空間を形成する第2ブロックと、第1ブ
ロックまたは第2ブロックに形成され、前記密封空間に
試験ガスを供給するガス供給通路と、前記密封空間から
漏洩したガスを検出するガス検出手段と、第1ブロック
または第2ブロックに対して荷重を付加し、当該第1ブ
ロックと第2ブロックとを前記接触面にて相対移動させ
る荷重付加手段とを備え、前記金属シールをキャスクの
密封に用いた場合の内部ガスの漏洩を試験するようにし
た。このため、この試験装置により、キャスクの蓋に金
属シールを設けた場合の漏洩試験が可能になるから、金
属シールを用いたキャスクの漏洩率を評価できる。
【0051】また、この発明の放射性廃棄物貯蔵用キャ
スク(請求項6)では、上記キャスクの蓋を一つのみに
したので、キャスクの気密を保持しつつ構造を簡単にす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1にかかるキャスクを示
す一部断面図である。
【図2】漏洩試験装置を示す構成図である。
【図3】図2に示した漏洩試験装置を用いてずらし試験
を行った結果を示すグラフ図である。
【図4】図1に示したキャスクの変形例を示す一部断面
図である。
【図5】図4に示した位置決め部材を示す説明図であ
る。
【図6】この発明の実施の形態2にかかるキャスクを示
す一部断面図である。
【図7】従来のキャスクの構造を示す断面図である。
【図8】図7に示したキャスクの一部拡大図である。
【図9】キャスクのシール部を示す拡大図である。
【図10】金属ガスケットを示す説明図である。
【符号の説明】
100 キャスク 1 胴本体 6 フランジ部 7 一次蓋 8 二次蓋 12 空間 20、21 金属ガスケット 101 ガスケット溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 底付きのキャビティ内に使用済み燃料集
    合体を収容するバスケットを備えると共にその周囲に中
    性子遮蔽体を設けた胴本体と、胴本体のフランジ部に取
    り付けられた蓋とを備え、 キャスクの密封に関して、前記フランジ部と蓋との接触
    部分に金属シール用のシール溝のみを設け、このシール
    溝に金属シールを入れたことを特徴とする放射性廃棄物
    貯蔵用キャスク。
  2. 【請求項2】 さらに、前記フランジ部に対して蓋を取
    り付けた後、当該フランジ部と蓋との微小間隙に嵌め入
    れる断面楔形状の位置決め部材を有することを特徴とす
    る請求項1に記載の放射性廃棄物貯蔵用キャスク。
  3. 【請求項3】 胴本体のキャビティ内に使用済み燃料集
    合体を収容し、この胴本体のフランジ部に対して蓋を取
    り付けると共にフランジ部と蓋との間の密封を金属シー
    ルによって行い、この状態で海上や公道などを輸送する
    ようにしたことを特徴とする放射性廃棄物貯蔵用キャス
    クの輸送方法。
  4. 【請求項4】 さらに、フランジ部に対して蓋を取り付
    けた後、キャスク輸送時に、前記フランジ部と蓋との微
    小間隙に断面楔形状の位置決め部材を嵌め入れることを
    特徴とする請求項3に記載の放射性廃棄物貯蔵用キャス
    クの輸送方法。
  5. 【請求項5】 第1平面部にシール溝や突起などの金属
    シールの保持構造を形成し、この保持構造に金属シール
    を保持した第1ブロックと、 前記第1ブロックの第1平面部に面接触する第2平面部
    を有し、この第2平面部が金属シールと接触することで
    一部に密封空間を形成する第2ブロックと、 第1ブロックまたは第2ブロックに形成され、前記密封
    空間に試験ガスを供給するガス供給通路と、 前記密封空間から漏洩したガスを検出するガス検出手段
    と、 第1ブロックまたは第2ブロックに対して荷重を付加
    し、当該第1ブロックと第2ブロックとを前記接触面に
    て相対移動させる荷重付加手段とを備え、 前記金属シールをキャスクの密封に用いた場合の内部ガ
    スの漏洩を試験するようにしたことを特徴とする放射性
    廃棄物貯蔵用キャスクのガス漏洩試験装置。
  6. 【請求項6】 さらに、前記キャスクの蓋が一つのみで
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の放射性
    廃棄物貯蔵用キャスク。
JP2000176151A 2000-06-12 2000-06-12 放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置 Pending JP2001356188A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176151A JP2001356188A (ja) 2000-06-12 2000-06-12 放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000176151A JP2001356188A (ja) 2000-06-12 2000-06-12 放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005062575A Division JP2005201909A (ja) 2005-03-07 2005-03-07 放射性廃棄物貯蔵用キャスクのガス漏洩試験装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001356188A true JP2001356188A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18677907

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000176151A Pending JP2001356188A (ja) 2000-06-12 2000-06-12 放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001356188A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020128920A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 使用済燃料貯蔵容器の閉じ込め機能確認装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020128920A (ja) * 2019-02-08 2020-08-27 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 使用済燃料貯蔵容器の閉じ込め機能確認装置
JP2022185113A (ja) * 2019-02-08 2022-12-13 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 使用済燃料貯蔵容器の閉じ込め機能確認方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5182076A (en) Method for monitoring the emplacement of a transportable element and the tightness of its joint with a fixed structure, and the use of this method
TW436813B (en) Device for permanent inspection of the tightness of container closing covers for radioactive materials
US20030004390A1 (en) Transportation vessel for radioactive substance and method of loading closed vessel
US4495139A (en) Radioactive-waste container with leak monitor
RU2611057C1 (ru) Контейнер для хранения и транспортирования отработавших тепловыделяющих сборок и чехол для их размещения
JP2005201909A (ja) 放射性廃棄物貯蔵用キャスクのガス漏洩試験装置
Chopra et al. Managing aging effects on dry cask storage systems for extended long-term storage and transportation of used fuel
JP2001356188A (ja) 放射性廃棄物貯蔵用キャスクおよびその輸送方法並びにそのガス漏洩試験装置
KR20030011776A (ko) 방사성 물질을 운반 또는 보관하는 이중 용기 컨테이너
JP2002156490A (ja) キャスクおよび管継手
JP7221716B2 (ja) 放射性廃棄物の収納装置および監視装置並びに放射性廃棄物の管理方法
JP2008089487A (ja) 放射性物質収納容器およびその補修方法
EP1097462A1 (en) Fuel containment apparatus
Sinha et al. Choice of rotatable plug seals for prototype fast breeder reactor: Review of historical perspectives
RU162627U1 (ru) Контейнер для транспортировки и хранения отработавшего ядерного топлива
JP3986249B2 (ja) キャスクの密封方法およびキャスク
JP2006017609A (ja) キャスク用ガスケットの要素試験方法及びその装置
JP2004340578A (ja) キャスクの密封方法
Hexafluoride A Manual of Good Handling Practices
JP2002156494A (ja) キャスク
WO2023083938A1 (en) Overpack cask for removably receiving, handling and transporting a repository container for spent nuclear material
Neylan et al. Leaktightness in HTGRs: experience at Fort St. Vrain
Jobson et al. Castor® X/32 s—a New Dual-Purpose Cask for the Storage and Transport of Spent Nuclear Fuel
Krauss et al. Helium mass spectrometer leak testing of dry fuel storage containers
Yang et al. Spent Fuel Cask Seal Performance Testing: Interim Report

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041018

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050105

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050307

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20050324

A912 Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20050610