JP2001356057A - 赤外線イメージセンサ及びその製造方法 - Google Patents

赤外線イメージセンサ及びその製造方法

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JP2001356057A
JP2001356057A JP2000177004A JP2000177004A JP2001356057A JP 2001356057 A JP2001356057 A JP 2001356057A JP 2000177004 A JP2000177004 A JP 2000177004A JP 2000177004 A JP2000177004 A JP 2000177004A JP 2001356057 A JP2001356057 A JP 2001356057A
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membrane
image sensor
infrared image
heat
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浩幸 ▲樽▼見
Hiroyuki Tarumi
Hiroshi Ando
浩 安藤
Katsumasa Nishii
克昌 西井
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱検知素子が形成されたメンブレン上に赤外
線吸収用の金属黒吸収膜を形成した構成において、熱検
知素子の有効面積を増大することができるようにする。 【解決手段】 Si基板9a上にはメンブレン16a及
び当該メンブレン16aを支持するための梁101が形
成されていると共に、メンブレン16a上にはPt/T
i膜103が蛇行パターンで形成されている。梁101
をレジスト102で被覆してからPt/Ti膜103に
白金黒吸収膜104を形成する。このとき、Pt/Ti
膜103は隣接するPt/Ti膜103との間の寸法が
白金黒吸収膜104の目標厚さ寸法の2倍以内に設定さ
れているので、Pt/Ti膜103の上面に白金黒吸収
膜104が目標厚さ寸法まで成長したときは、メンブレ
ン16a全体に白金黒吸収膜104を形成することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線をメンブレ
ンからなる熱検知素子が吸収することにより信号を得る
赤外線イメージセンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の赤外線イメージセンサでは、基
板に断熱構造で支持されたメンブレン(熱分離構造部)
の吸熱効率を高めるために、メンブレン上に光吸収層を
形成するようにしている。この光吸収層として、金属材
料を真空蒸着或いは電着によりポーラス状に形成した金
属黒と称されるものがある。この金属黒は、入射した光
を乱反射しながら吸収することから、光を熱エネルギに
効率よく変換することができる。この金属黒として金を
用いた場合には金黒と称され、白金を用いた場合には白
金黒と称されるものであり、赤外線に対して高い吸収率
を持つものとして知られている技術である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、特開平6−
342942号公報のものでは、白金黒を電気化学的処
理において成膜する技術を開示している。つまり、メン
ブレンが形成された構造体に白金電極を施して電気メッ
キを行うことにより、白金電極に白金黒を電着すること
により白金黒吸収膜を形成するようにしている。
【0004】しかしながら、白金電極はメンブレン上に
面状に形成するようにしているので、白金電極は比較的
大きな残留応力を有している。このため、メンブレンが
白金電極の残留応力により変形して熱検知素子の有効面
積(フィルファクタ)が小さくなってしまうので、検出
感度が低下するという欠点がある。
【0005】また、メンブレンはエッチングホールを通
じたエッチングにより基板からフローティングしている
と共にメンブレンは梁により支持されているので、それ
らの領域の分だけ熱検知素子の有効面積は小さくなって
しまい、同様に検出感度が低下している。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、熱検知素子が形成されたメンブレン上
に電極を形成し、その電極上に赤外線吸収用の金属黒吸
収膜を形成した構成において、熱検知素子の有効面積を
増大することができる赤外線イメージセンサ及びその製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によれ
ば、赤外線イメージセンサにおいて、金属黒吸収膜形成
用の電極は、パターン間の幅寸法が金属黒吸収膜の厚さ
寸法の2倍以内に設定された所定のパターン形状に形成
されているので、電極に金属黒吸収膜を成長させた状態
では、パターン間ひいてはメンブレン全体に金属黒吸収
膜を形成することができる。この場合、メンブレン全体
に金属黒吸収膜を形成しながら、電極の面積を小さく設
けることができるので、電極の残留応力を抑制してメン
ブレンの変形を防止することができる。
【0008】請求項2の発明によれば、金属黒吸収膜
は、メンブレンを支持する梁及び当該梁に隣接して形成
されたメンブレン形成用のエッチングホール上にも空間
を存して形成されているので、熱検知素子の有効面積
(フィルファクタ)を高めることができる。これによ
り、赤外線イメージセンサの感度を高めることができ
る。
【0009】請求項3の発明によれば、メンブレンを支
持する梁及び当該梁に隣接して形成されたメンブレン形
成用のエッチングホールを合わせた幅寸法は、金属黒吸
収膜の厚さ寸法の2倍以内に設定されているので、電極
に金属黒吸収膜を形成した状態では、メンブレンに加え
て梁及びエッチングホール上にも空間を存して金属黒吸
収膜を形成することができる。
【0010】請求項4の発明によれば、梁及びエッチン
グホールを金属黒吸収膜の厚さ寸法よりも薄いレジスト
により被覆した状態で金属黒吸収膜を成長させたとき
は、金属黒吸収膜がレジスト上にも成長させることがで
きる。そして、レジストを除去することにより、金属黒
吸収膜を梁及びエッチングホール上に空間を存して形成
することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明を車両用の赤外線検出装置に適用した第1の実施の形
態を図1乃至図16を参照して説明する。車室内を示す
図2において、車室の天井には赤外線検出装置1,2が
配置されている。これらの赤外線検出装置1,2は車室
の天井において前席及び後席に対応した位置に取付けら
れている。この場合、前席用赤外線検出装置1の検出対
象領域は運転席及び助手席周辺に設定されている。ま
た、後席用赤外線検出装置2の検出対象領域は後席の右
側席及び左側席周辺に設定されている。
【0012】図3は赤外線検出装置1,2の構造を示し
ている。この図3において、ベースホルダ3は取付ステ
イ4により車両のルーフに取付けられている。このベー
スホルダ3は断熱部材5を内蔵しており、角度調整ネジ
6により天井に対する取付角度が調整可能となってい
る。
【0013】断熱部材5には膨出形成された伝熱基板7
が取着されており、その伝熱基板7の裏面にフレキシブ
ルプリント基板8が添着されている。このフレキシブル
プリント基板8には赤外線イメージセンサ9が固定され
ており、その赤外線イメージセンサ9がフレキシブルプ
リント基板8及び伝熱基板7に設けられた窓部10,1
1を通じて外方を臨んでいる。また、フレキシブルプリ
ント基板8には電子部品12が搭載されている。
【0014】上記構成の装置全体にはカバー13が被着
されている。このカバー13の窓部14には集光レンズ
15が装着されており、この集光レンズ15により赤外
線イメージセンサ9上に検出対象領域の熱画像が結像す
るようになっている。この集光レンズ15は高密度ポリ
エチレン、カルコゲンガラス、BaF2 、ZnSなどか
ら成る赤外線用の集光レンズであり、球面、非球面、或
いはフレネル形状をなしている。
【0015】図4は赤外線検出装置1の全体構成を概略
的に示している。この図4において、赤外線イメージセ
ンサ9は、熱検知素子16が例えば15×10個のよう
に2次元のマトリクス状に集合した形状をしており、座
席周辺から発せられる赤外線を集光レンズ15で集光し
て熱検知素子16上に熱画像として結像する。この場
合、集光レンズ15は、例えば500mmはなれた位置
で750×500mmの範囲を熱検知素子16全体に集
光できるように設計されている。従って、赤外線イメー
ジセンサ9の熱検知素子16の個数が15×10個とす
ると、1つの熱検知素子16で検出できる範囲(検出分
解能)は50mm四方となる。また、赤外線イメージセ
ンサ9において熱検知素子16の周辺には、信号発生回
路17及び選択回路18が設置されている。
【0016】熱検知素子16は、図5に示すようにSi
基板9a上にPSG薄膜からなるメンブレン16a、金
属薄膜抵抗部(熱検知部に相当)16b、赤外線吸収膜
16cを形成してから、メンブレン16aの裏面側をエ
ッチングにより除去することによりメンブレン16aが
Si基板9aからエアギャップを存して位置する断熱構
造に形成されている。
【0017】図6は赤外線イメージセンサ9の電気的構
成を概略的に示している。この図6において、赤外線イ
メージセンサ9の熱検知素子16の金属薄膜抵抗部16
bは選択回路18を構成するXリングカウンタ18a及
びYリングカウンタ18bによりFET19を通じて択
一的に順番に選択されるようになっており、選択された
熱検知素子16からの信号を図4に示す信号検出・処理
回路20に順に取込むことにより、熱検知素子16に設
定された検出対象領域の温度分布を検出することができ
る。
【0018】即ち、図4において、信号検出・処理回路
20は、信号増幅器21、信号処理回路22、データ送
信回路23から構成されており、信号処理回路22にお
いて赤外線イメージセンサ9が検出した温度分布に基づ
いて熱画像データを作成するようになっている。そし
て、各種システム制御回路24は、信号検出・処理回路
20から与えられる熱画像データに基づいて後述するよ
うに所定の車両用システムを制御する。
【0019】尚、上記赤外線イメージセンサ9において
熱検知素子16の抵抗値の変化により絶対温度を得るた
めには、入射した赤外線による温度変化のみを検出する
必要がある。このため、このようなボロメータタイプの
センサでは、熱検知素子16に加えて基板上に図示しな
いリファレンス素子を設けており、熱検知素子16とリ
ファレンス素子との抵抗変化の差をとることにより絶対
値を得ることができるようになっている。
【0020】次に上記構成の作用について説明する。例
えば運転席に運転者が着座した状態では、運転者から発
せられた赤外線が前席用赤外線検出装置1の集光レンズ
15を通じて赤外線イメージセンサ9に到達する。
【0021】赤外線イメージセンサ9の熱検知素子16
にあっては、入射した赤外線を吸収膜16cで吸収する
ことにより熱に変換し、その熱により金属薄膜抵抗部1
6bの温度が上昇して抵抗値が変化するので、熱検知素
子16からの検出出力(センサ信号)を信号検出・処理
回路20に順に出力することにより検出対象領域の温度
分布を検出することができる。
【0022】そして、信号検出・処理回路20は、全て
の熱検知素子16からの検出出力を取込むことにより検
出対象領域の熱画像データを作成する。つまり、赤外線
イメージセンサ9が検出した温度分布データを信号増幅
器21で増幅してから信号処理回路22で処理すること
により熱画像データを作成する。この熱画像データは、
データ送信回路23により各種システム制御回路24に
送信され、検出対象領域に位置する人の位置検出に用い
る。
【0023】具体的には、エアバッグシステムにおいて
は、信号検出・処理回路20からの熱画像データを取得
してから、その熱画像データを温度に換算し、顔或いは
体に相当する温度を検索する。
【0024】続いて、顔、体の位置からエアバッグまで
の距離を計算してから、エアバッグの展開条件を決定し
て制御パラメータを設定する。この制御パラメータとし
ては、顔や体がエアバッグに接近しすぎているという条
件の場合は、エアバッグシステムを作動させなかった
り、或いはエアバッグの展開速度を抑制したり、ガスの
噴射総量を少なめに設定することである。
【0025】従って、エアバッグが作動するタイミング
で例えば運転者がステアリングホイールに接近して運転
していたときは、エアバッグが作動しなかったり、エア
バッグの展開速度が抑制されたり、ガスの噴射総量は少
なめとなるので、最適なエアバックの作動が可能とな
る。
【0026】また、エアコンシステムにおいては、信号
検出・処理回路20からの熱画像データを取得すると共
に、検出対象領域の絶対温度に換算してから、エアコン
の配向・温度を制御する。
【0027】即ち、人の着座位置に集中的に空調風を送
風するのに加えて、人の体或いは頭部の位置に応じて配
向を調整すると共に、人の皮膚温度において他の部位に
比較して大きな温度差を有する部位がある場合には、そ
の部位の温度差を解消するように適切な空調風を送風す
る。
【0028】従って、人の着座位置、体格、皮膚温度に
かかわらず適切な温度、送風強度の空調風を送風するこ
とができるので、車両内の全ての人が快適と感じること
ができる。
【0029】また、セキュリティシステムにおいては、
信号検出・処理回路20からの熱画像データを取得する
と共に、出力時間/単位時間を計算してから、侵入物か
ノイズかを判断し、侵入物であると判断したときは警報
を発令する。
【0030】即ち、例えば人が降車した状態で日差しの
侵入により赤外線イメージセンサ9の検出対象領域の温
度が上昇したときは、その領域全体の温度が略均一に徐
々に上昇することから日差しであると判断でき、警報を
発令することはない。これに対して、赤外線イメージセ
ンサ9の検出対象領域の一部の温度が一気に上昇すると
共にその高熱部分が移動するようなときは、侵入者であ
ると判断でき、警報を発令する。
【0031】ところで、上記赤外線イメージセンサ9に
おいては、熱検知素子16に効率よく赤外線を吸収して
温度変化を起こすためには、メンブレン16a上に形成
された高効率の赤外線吸収膜16cとしては、強固な構
造でパターニングが可能であり、且つ高い赤外線吸収能
力を有しながら、メンブレン16a上に制御の容易な工
程を用いて歩留まりよく形成する必要がある。そこで、
本実施の形態では、赤外線吸収膜16cとして高吸収率
が期待できる白金黒を電着法を用いメンブレン16a上
のみに強固に成膜するようにした。
【0032】図7及び図8は白金黒の成膜工程を示して
おり、以下に説明する。 (a)シリコンウェハに熱酸化膜を形成する。 (b)熱酸化膜をエッチングすることにより犠牲層エリ
アを形成する(図9参照)。 (c)CVDによりポリシリコン犠牲層を形成する。 (d)フォトエッチングにより素子エリア外のポリシリ
コン犠牲層をエッチングホールを成形する(図10参
照)。 (e)CVDによりPSG膜を両面に形成する。 (f)スパッタまたは真空蒸着により金属薄膜抵抗部と
なるPt/Ti膜を形成する(アニール処理有り)。
【0033】(g)フォトエッチングにより金属薄膜抵
抗部及び端子を形成する(図11参照)。 (h)CVDによりPSG膜を両面に形成してから、端
子にコンタクトホールを形成する。 (i)スパッタまたは真空蒸着により白金黒電着用電極
となるPt/Ti膜を形成する。
【0034】ここで、Pt/Ti膜を蛇行パターンとな
るように形成した。この場合、Pt/Ti膜間の寸法
は、白金黒の目標厚さ寸法の2倍以内となるように設定
されている(図12参照)。 (j)フォトエッチングによりエッチングホールを形成
する(図13参照)。 (k)白金黒用レジストをフォトエッチングにより形成
する(図14参照)。この場合、白金黒の膜厚5μmよ
りもレジストが厚くなるようにする。
【0035】(l)Pt/Ti膜に白金黒を電着する
(図15の斜線領域)。 この場合、赤外線の吸収率を確保するためには白金黒の
膜厚は1〜15μmがよく、特に3〜5μmにすること
により、吸収率95%、熱時定数30msec をともに満
足することができる。この場合の条件としては、電流密
度0.1〜5mA/mm2 がよく、特に0.2〜0.5
μmにすることにより、以下の工程で白金黒の剥離が生
じることを防止できる。このとき、電着時間は10分程
度で膜厚が5μmとなる。尚、このときの電着液にはフ
ロロ白金塩電着液(H2 PtCl 6 in 1mol/l HC
l)100mlに添加剤として(CH3 COO)4 Pb
を0.025g添加したものを用いた。
【0036】(m)アッシャー及び剥離液により白金黒
用レジストを剥離する(図16参照)。 (n)フォトエッチングにより不要部分の白金黒電着用
電極を剥離する。尚、この工程は、予め白金黒吸収膜の
膜厚をエッチングされる分だけ、多めに成膜することに
より省くことができる。 (o)エッチングによりキャビティを形成する。
【0037】以上のような製造方法により、メンブレン
16a上のみに白金黒吸収膜を成膜することにより赤外
線吸収膜16cを形成することができる。そして、上述
のようにして形成された複数の熱検知素子16をチップ
単位にダイシングしてパッケージングすることにより赤
外線イメージセンサ9を製造することができる。
【0038】ここで、図1は図15中のA−A断面を示
しており、Pt/Ti膜に白金黒が成長する過程を示し
ている。尚、金属薄膜抵抗部16bの図示は省略してい
る。この図1において、メンブレン16aを支持するた
めの梁101にレジスト102を被覆した状態でPt/
Ti膜(電極に相当)103に白金黒吸収膜(金属吸収
膜に相当)104を成長させると、白金黒吸収膜104
はPt/Ti膜103の表面全体で成長することから、
Pt/Ti膜103の側面も上面と同様に成長する。つ
まり、白金黒吸収膜104は、隣接するPt/Ti膜1
03の側面から同時に成長することになる。この場合、
Pt/Ti膜103の間隔は、白金黒吸収膜104の目
標厚さ寸法の2倍以内に設定されているので、Pt/T
i膜103の上面に白金黒吸収膜104が目標厚さ寸法
に成長したときには、Pt/Ti膜103の側面に成長
した白金黒吸収膜104は隣接したPt/Ti膜103
の側面に成長した白金黒吸収膜104と連結するように
なる。この結果、Pt/Ti膜103を蛇行パターン形
状に形成しながら、白金黒吸収膜104をメンブレン1
6a全体に形成することができる。従って、メンブレン
16a上に占めるPt/Ti膜103の面積を小さく設
けることができるので、Pt/Ti膜103に残留が発
生するにしても、その影響は小さく、残留応力によるメ
ンブレン16aの変形を抑制することができる。
【0039】このような実施の形態によれば、白金黒電
着用のPt/Ti膜103を蛇行パターン形状で形成す
ることによりPt/Ti膜103の面積が小さくなるよ
うにしたので、Pt/Ti膜103に残留応力が発生す
るにしても、残留応力の影響を抑制してメンブレン16
aが変形してしまうことを極力防止できる。従って、メ
ンブレン全体に金属黒電着用の電極を形成していた従来
例のものと違って、従来と同様にメンブレン16a全体
に白金黒を形成しながら、熱検知素子16の有効面積が
低下してしまうことを極力防止することができるので、
検出感度が低下してしまうことを防止できる。
【0040】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態を図17乃至図19を参照して説明する。こ
の第2の実施の形態の特徴は、白金黒の形成領域を拡大
して熱検知素子の有効面積(フィルファクタ)を拡大す
ることにある。
【0041】即ち、第1の実施の形態では、図1に示し
たように、白金黒用レジストを形成する際に、レジスト
の厚さ寸法を白金黒の膜厚よりも厚くなるように形成し
たが、本実施の形態では、レジストを白金黒の膜厚寸法
よりも薄く形成した状態で白金黒を形成する。
【0042】図17は図18におけるA−A断面を示し
ており、Pt/Ti膜に白金黒が成長する過程を示して
いる。この図17において、メンブレン16aを支持す
るための梁101にレジスト102を薄肉に被覆した状
態でPt/Ti膜103に白金黒吸収膜104を成長さ
せると、Pt/Ti膜103の上面に成長した白金黒吸
収膜104は、図17に示すように横方向に成長してレ
ジスト102上にも成長することから、白金黒吸収膜1
04の目標厚さ寸法を5μm、レジスト102の厚さ寸
法を1μmに設定すると、梁101及び当該梁101の
両側に位置するエッチングホールを合わせた横幅の合計
が8μm以内であれば、梁101及びエッチングホール
の両側から成長した白金黒吸収膜104が連結して梁1
01及びエッチングホール上全体を被覆するようになり
(図18参照)、フィルファクタはほぼ100%とな
る。
【0043】そして、レジスト102を除去することに
より、梁101及びエッチングホール上に白金黒吸収膜
104を空間を存して形成することができる(図19参
照)。
【0044】尚、メンブレン16aを囲繞するように形
成されたエッチングホールに関しては、メンブレン16
a上の最端部に形成されたPt/Ti膜103から白金
黒吸収膜104がエッチングホール上に成長するので、
エッチングホールの幅寸法が4μm以内であれば、メン
ブレン16aを囲繞するように形成されたエッチングホ
ール上にも白金黒吸収膜を形成することができる。
【0045】このような実施の形態によれば、白金黒形
成時のレジスタの厚さ寸法を調整することにより梁及び
エッチングホール上にも白金黒を形成するようにしたの
で、メンブレン上のみに白金黒を形成する構成に比較し
て、熱検知素子の有効面積を増大することができる。
【0046】尚、梁及びエッチングホールの幅寸法とし
て、両側に位置するPt/Ti膜から成長した白金黒が
完全に連結しないような寸法に設定した場合であって
も、熱検知素子の有効面積を増大することができること
は勿論である。
【0047】本発明は、上記各実施の形態に限定されも
のではなく、白金黒形成用の電極パターンとしては、蛇
行パターンに代えて、ループ状或いは格子状であっても
よい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における白金黒の成
長家庭を示す要部の拡大断面図
【図2】赤外線検出装置の配置位置及び検出対象領域を
示す車室内の斜視図
【図3】赤外線検出装置の断面図
【図4】全体構成を示す概略図
【図5】赤外線イメージセンサの構造を示す模式図
【図6】赤外線イメージセンサの電気的構成を示す概略
【図7】製造方法を示すウェハの模式的断面図(その
1)
【図8】製造方法を示すウェハの模式的断面図(その
2)
【図9】犠牲層エリアを示すウェハの模式的斜視図
【図10】エッチングホールを示すウェハの模式的斜視
【図11】金属薄膜抵抗部を示すウェハの模式的斜視図
【図12】Pt/Ti膜を示すウェハの模式的斜視図
【図13】エッチングホールを示すウェハの模式的斜視
【図14】レジストを示すウェハの模式的斜視図
【図15】白金黒を示すウェハの模式的斜視図
【図16】レジストを剥離して示すウェハの模式的斜視
【図17】本発明の第2の実施の形態における図1相当
【図18】図15相当図
【図19】図16相当図
【符号の説明】
1,2は赤外線検出装置、9は赤外線イメージセンサ、
15は集光レンズ、16は熱検知素子、16aはメンブ
レン、16bは金属薄膜抵抗部(熱検知部)、16cは
赤外線吸収膜、101は梁、102はレジスタ、103
はPt/Ti膜(電極)、104は白金黒吸収膜(金属
黒吸収膜)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西井 克昌 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 2G066 BA09 BA51 BA55 BB09 4M118 AA01 AA10 AB01 BA05 CA14 CA35 CB14 FB09 FB13 5C024 AX06 CX41 GX02 GX08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板に断熱構造で支持された薄膜からな
    るメンブレン上に熱検知部が形成され、その熱検知部に
    電極が形成され、その電極上に赤外線吸収用の金属黒吸
    収膜が形成された熱検知素子を複数組合わせてなる赤外
    線イメージセンサにおいて、 前記電極は、パターン間の幅寸法が前記金属黒吸収膜の
    厚さ寸法の2倍以内に設定された所定のパターン形状に
    形成されていることを特徴とする赤外線イメージセン
    サ。
  2. 【請求項2】 基板に断熱構造で支持された薄膜からな
    るメンブレン上に熱検知部が形成され、その熱検知部上
    に電極が形成され、その電極上に赤外線吸収用の金属黒
    吸収膜が形成された熱検知素子を複数組合わせてなる赤
    外線イメージセンサにおいて、 前記金属黒吸収膜は、前記メンブレンを支持する梁及び
    当該梁に隣接して形成された前記メンブレン形成用のエ
    ッチングホール上にも空間を存して形成されていること
    を特徴とする赤外線イメージセンサ。
  3. 【請求項3】 前記梁及び前記エッチングホールを合わ
    せた幅寸法は、前記金属黒吸収膜の厚さ寸法の2倍以内
    に設定されていることを特徴とする請求項2記載の赤外
    線イメージセンサ。
  4. 【請求項4】 請求項2または3記載の赤外線イメージ
    センサにおいて、 前記梁及び前記エッチングホールを前記金属黒吸収膜の
    厚さ寸法よりも薄いレジストにより被覆した状態で前記
    金属黒薄膜を成長させてから、前記レジストを除去した
    ことを特徴とする赤外線イメージセンサの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100374832C (zh) * 2005-05-20 2008-03-12 中国科学院上海技术物理研究所 室温铁电薄膜红外焦平面探测器的吸收层及制备方法
JP2012514753A (ja) * 2009-01-07 2012-06-28 ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング 電磁放射センサおよび製造方法
WO2019031235A1 (ja) * 2017-08-10 2019-02-14 浜松ホトニクス株式会社 光検出器

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