JP2001355408A - タービン蒸気流量制御方法と装置 - Google Patents

タービン蒸気流量制御方法と装置

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JP2001355408A
JP2001355408A JP2000178309A JP2000178309A JP2001355408A JP 2001355408 A JP2001355408 A JP 2001355408A JP 2000178309 A JP2000178309 A JP 2000178309A JP 2000178309 A JP2000178309 A JP 2000178309A JP 2001355408 A JP2001355408 A JP 2001355408A
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turbine
pipe
temperature
warming
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JP2000178309A
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Masaaki Ishikawa
昌明 石川
Shoichi Takeda
祥一 武田
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Mitsubishi Power Ltd
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Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温蒸気が配管に流れてくることにより配管
の水蒸気酸化スケールに発生する熱衝撃ひずみを制御
し、水蒸気酸化スケールの剥離を防止することを可能と
する蒸気流量制御方法と装置を提供すること。 【解決手段】(1)火力発電プラントにおける蒸気ター
ビン通気の際にボイラの過熱器1〜4と高圧タービン7
を連絡する主蒸気配管5及び再熱器13、14と中低圧
タービン17を連絡する高温再熱蒸気配管15におい
て、配管15の入口に設置された蒸気の流量を調整する
流量調節弁22と配管15の内面及び外面の温度を測定
する温度検出器23、24と配管の内面と外面の温度差
をある設定値と比較演算する比較演算器25と、この比
較演算器25の出力により蒸気流量調節弁22を開閉す
る発信器26を設ける。配管15の内外面の温度差を制
御することにより配管15の水蒸気酸化スケールのひず
みを制御し、配管内面の水蒸気酸化スケールが剥離する
のを防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火力発電プラント
などのボイラで生成する蒸気流量制御方法と装置に係わ
り、配管に配管のメタル温度と異なる温度の蒸気が流れ
る場合に配管の水蒸気酸化スケールに働く熱衝撃ひずみ
を制御し、水蒸気酸化スケールの剥離を防止するのに好
適に利用できるものである。
【0002】
【従来の技術】従来の火力発電プラントの系統図を図5
に示す。ボイラの過熱器系統は一次過熱器1、二次過熱
器2、三次過熱器3、四次(最終)過熱器4、主蒸気配
管5、主蒸気止め弁6、高圧蒸気タービン7、過熱器バ
イパス弁8、タービンバイパス弁9、復水器10、最終
過熱器出口蒸気温度検出器11、高圧蒸気タービン入口
蒸気温度検出器12などからなっており、ボイラの再熱
器系統は一次再熱器13、二次再熱器14、高温再熱蒸
気配管15、再熱蒸気止め弁16、中低圧蒸気タービン
17、二次再熱器出口蒸気温度検出器18、中低圧ター
ビン入口蒸気温度検出器19などからなっている。
【0003】蒸気は過熱器1〜4で過熱蒸気となり、こ
の蒸気はタービンの通気蒸気条件で設定されている温度
及び圧力までゆっくりと昇温昇圧される。このとき過熱
蒸気は二次過熱器2の出口と三次過熱器3の入口の間に
設けられた過熱器バイパス弁8を備えた過熱器バイパス
系統と四次過熱器4と高圧タービン7の間に設けられた
タービンバイパス弁9を備えたタービンバイパス系統を
経由してそれぞれ復水器10に回収される。
【0004】蒸気温度及び圧力は図示しないボイラへの
燃料流量及び過熱器バイパス弁8とタービンバイパス弁
9を流れる蒸気流量によって制御される。このように過
熱器系統ではボイラの燃料点火直後から比較的温度の低
い蒸気が流れ、徐々に蒸気が昇温昇圧され、それに伴い
主蒸気配管5などの配管のメタル温度もゆっくりと昇温
される。一方、再熱器系統には昇温昇圧時ほとんど蒸気
は流れず、タービン通気時に流れてくる。過熱器蒸気の
昇温昇圧が完了すると、次に蒸気が高圧タービン7に通
気されて高圧タービン7が起動する。高圧タービン7か
らの排出蒸気は再熱器13、14で再熱され、蒸気は高
温再熱蒸気配管15に流れ、中低圧タービン17に通気
される。
【0005】このような高温の蒸気が流れる主蒸気配管
5や高温再熱蒸気配管15では、プラントの運転中に前
記配管5、15内を流れる高温蒸気による酸化、すなわ
ち水蒸気酸化が生じ、配管5、15の内面に水蒸気酸化
スケールが生成される。
【0006】水蒸気酸化スケールによる問題点として
は、スケール剥離による配管5、15の減肉と剥離スケ
ールがタービン7、17に飛散してタービン7、17に
損傷を与えることがある。水蒸気酸化スケールの剥離に
対しては該スケールに作用するひずみが大きく影響す
る。特に再熱器系統では中低圧タービン17に通気した
時に、高温再熱蒸気配管15に突然高温の蒸気が流れて
くることにより高温再熱蒸気配管15内が蒸気の熱によ
り過熱され、急激な過熱の場合は高温再熱蒸気配管15
の内面と外面の間に大きな温度差が発生し、その温度差
により高温再熱蒸気配管15の配管内面の水蒸気酸化ス
ケールに熱衝撃ひずみが発生する。この熱衝撃ひずみが
大きい場合は、水蒸気酸化スケールに割れが生じたり、
剥離したりする。その結果、配管5、15の減肉が加速
されたり、剥離したスケールによりタービン7、17が
損傷したりする問題があった。
【0007】従来技術では、主蒸気配管5や高温再熱蒸
気配管15への通気時にタービン7、17の入口に設け
られた主蒸気止め弁6または再熱蒸気止め弁16をタイ
マ設定や蒸気流量設定に従い、ゆっくりと開き、蒸気流
量を徐々に増加することにより、タービン7、17を制
御したり、タービン7、17に発生するひずみを抑えた
りしていた。また補助蒸気管寄20とウォーミング弁2
1とタービンウォーミング配管30を持つウォーミング
系統を設け、主蒸気配管5や高温再熱蒸気配管15への
通気前からウォーミング弁21を開き、タービンウォー
ミング配管30を経由して少量の蒸気(ウォーミング蒸
気または補助蒸気と称することがある)を主蒸気配管5
や高温再熱蒸気配管15に流すことにより、予め蒸気タ
ービン7、17のメタル温度をゆっくりと上昇させてお
き、主蒸気及び再熱蒸気系統から流れる蒸気との温度差
を少なくすることによりタービン7、17に発生する熱
衝撃ひずみを抑えていた。
【0008】図5には補助蒸気管寄20からウォーミン
グ弁21とタービンウォーミング配管30を介して高温
再熱蒸気配管15に蒸気を流すウォーミング系統を設け
たものを示す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記従来技術のウォー
ミング系統を設ける構成は、タービン7、17にひずみ
が発生するのを抑え、タービンの制御性を高め、保護を
することが目的であり、主蒸気配管5や高温再熱蒸気配
管15を構成する配管の水蒸気酸化スケール剥離に対す
る考慮はなされていなかった。このため、実際にタービ
ン通気時やタービンウォーミング時に配管5、15内の
水蒸気酸化スケールに熱衝撃ひずみが発生し、水蒸気酸
化スケールが損傷を受ける事例が多数観察されている。
【0010】前記火力発電プラントのボイラの過熱器1
〜4と高圧タービン7を連絡する主蒸気配管5及び高温
再熱蒸気系と中低圧タービン17を連絡する高温再熱蒸
気配管15において、前記配管5、15の温度と異なる
温度の蒸気が前記配管5、15内に流入すると、当該配
管5、15の肉厚方向に温度差が発生する。この配管肉
厚方向の温度差は配管5、15と蒸気との温度差と蒸気
流量に比例する。この配管5、15の内面と外面の温度
差が大きい場合、配管5、15及び配管5、15の水蒸
気酸化スケールは熱衝撃により大きなひずみを受けて損
傷し、配管5、15内の水蒸気酸化スケールが剥離する
問題がある。
【0011】従来技術では配管5、15内面の水蒸気酸
化スケールの熱衝撃ひずみを直接考慮しておらず、実際
に熱衝撃ひずみが発生し、配管5、15内面の水蒸気酸
化スケールが損傷を受けていた。そして水蒸気酸化スケ
ールの剥離による配管5、15の減肉の加速と剥離した
水蒸気酸化スケールがタービン7、17に飛散し、ター
ビン7、17を損傷させる不具合があった。
【0012】本発明の課題は、上記の従来技術の問題点
を解決するため、高温蒸気が配管に流れてくることによ
り配管の水蒸気酸化スケールに発生する熱衝撃ひずみを
制御し、水蒸気酸化スケールの剥離を防止することを可
能とする蒸気流量制御方法と装置を提供することであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の本発明の課題を解
決するため、次の構成を採用する。 (1)火力発電プラントのボイラの過熱器から高圧蒸気
タービンに主蒸気を供給し、さらにボイラの再熱器から
中低圧蒸気タービンに高温再熱蒸気を供給するタービン
蒸気流量制御方法において、高圧蒸気タービンに供給す
る主蒸気の配管及び/又は中低圧蒸気タービンに供給す
る高温再熱蒸気の内面と外面の温度の温度差と予め入力
してある前記温度差の設定値とを比較演算し、この温度
比較演算値に基づき高圧蒸気タービンに供給する主蒸気
流量及び/又は中低圧蒸気タービンに供給する高温再熱
蒸気流量を調節するタービン蒸気流量制御方法。ここ
で、前記高圧蒸気タービン及び/又は中低圧蒸気タービ
ンに通気する前に、予め高圧蒸気タービン及び/又は中
低圧蒸気タービンをウォーミングするため補助蒸気を高
圧蒸気タービン及び/又は中低圧蒸気タービンに流し、
前記温度比較演算値に基づき前記補助蒸気流量を調節す
ることもできる。
【0014】(2)火力発電プラントのボイラの過熱器
から高圧蒸気タービンに主蒸気を供給し、さらにボイラ
の再熱器から中低圧蒸気タービンに高温再熱蒸気を供給
するタービン蒸気流量制御方法において、高圧蒸気ター
ビンに供給する主蒸気の配管及び/又は中低圧蒸気ター
ビンに供給する高温再熱蒸気の配管の内面と外面の温度
の測定値より前記主蒸気配管及び/又は高温再熱蒸気配
管の内面に付着した水蒸気酸化スケールに働くひずみを
演算し、得られたひずみ値と予め入力してあるひずみ設
定値とを比較演算し、該ひずみ比較演算値により主蒸気
タービンに供給する主蒸気流量及び/又は中低圧蒸気タ
ービンに供給する高温再熱蒸気流量を調節するタービン
蒸気流量制御方法。ここで、前記高圧蒸気タービン及び
/又は中低圧蒸気タービンに通気する前に、予め高圧蒸
気タービン及び/又は中低圧蒸気タービンをウォーミン
グするため補助蒸気を高圧蒸気タービン及び/又は中低
圧蒸気タービンに流し、前記ひずみ比較演算値に基づき
前記補助蒸気流量を調節することもできる。 (3)本発明には前記(1)〜(2)の方法を実施する
ため装置も含まれる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
と共に説明する。まず本発明の第1の実施の形態を説明
する。図6は配管の内面に生成した水蒸気酸化スケール
の剥離強度試験結果であり、水蒸気酸化スケールを持つ
試験片において、水蒸気酸化スケールが形成された面に
ひずみゲージを貼り付け、試験片にひずみを負荷し、ス
ケールが剥離するときのひずみを測定したものである。
その結果、水蒸気酸化スケールは0.1%以上のひずみ
で剥離することが判明した。そのため、配管の水蒸気酸
化スケールの剥離を防止するためには、水蒸気酸化スケ
ールに発生するひずみを0.1%以下に抑える必要があ
る。なお、ひずみの割合は、配管上の2つの指標間の初
期距離Lと水蒸気酸化スケール発生後の前記2つの指
標間の初期距離Lの差の絶対値を初期距離Lで割っ
た値で求められる。
【0016】次に、ひずみの発生要因は、配管に高温蒸
気が流れてくる場合に配管の内外面に温度差が発生し、
その温度差により配管の水蒸気酸化スケールに熱衝撃ひ
ずみが発生するためである。図7は有限要素法解析によ
り算出した配管の内外面温度差と熱衝撃により発生した
ひずみ(以下、熱衝撃ひずみと称することがある)の関
係を示す。配管の径や肉厚及び配管の水蒸気酸化スケー
ル厚さなどの形状データと配管及び水蒸気酸化スケール
の比熱、熱伝導率、ヤング率、熱膨張係数、比重などの
物性値を用いて有限要素法解析モデルを作成し、配管内
面及び外面の温度条件を与えると水蒸気酸化スケールに
発生するひずみが算出できる。この場合、図7に示す
0.1%ひずみ曲線以下の配管内外面温度差であれば、
スケールは剥離することはなく、この0.1%ひずみ曲
線に若干安全性を考慮した許容配管内外面温度差を下記
で述べる比較演算器25に入力する設定値とした。
【0017】図1は本発明のボイラの再熱器及び過熱器
の系統図を示す。ボイラの過熱器系統は一次過熱器1、
二次過熱器2、三次過熱器3、四次過熱器4、主蒸気配
管5、主蒸気止め弁6、高圧蒸気タービン7、過熱器バ
イパス弁8、タービンバイパス弁9、復水器10、最終
過熱器出口蒸気温度検出器11、高圧蒸気タービン入口
上記温度検出器12などからなっており、ボイラの再熱
器系統は一次再熱器13、二次再熱器14、高温再熱蒸
気配管15、再熱蒸気止め弁16、中低圧蒸気タービン
17、二次再熱器出口蒸気温度検出器18、中低圧ター
ビン入口蒸気温度検出器19、高温再熱蒸気配管入口に
設置された蒸気流量調節弁22、配管の内面温度検出器
23、配管外面温度検出器24、前記配管内外面温度検
出器24、25から得られた内外面温度差を設定値と比
較演算する比較演算器25、その比較演算装置25の信
号より高温再熱蒸気配管入口に設置された蒸気流量調節
弁22を開閉する発信器26などからなっている。
【0018】タービン7、17への通気前の過熱蒸気の
昇温昇圧時、過熱器1〜4で発生した蒸気はタービンバ
イパス弁9及び過熱器バイパス弁8を経由して復水器1
7に回収され、蒸気温度及び圧力は燃料流量と各バイパ
ス弁8、9を流れる蒸気流量により制御される。蒸気温
度及び圧力がタービン7、17の通気条件になれば主蒸
気止め弁6が開き、過熱器1〜4で発生した蒸気は高圧
タービン7へ流れる。高圧タービン7で仕事をした後、
高圧タービン7より排出された蒸気は再熱器13、14
で再加熱され、高温再熱蒸気配管15へと流れ、高温再
熱蒸気配管15は高温蒸気により過熱される。このとき
蒸気温度と配管メタル温度の温度差が大きく蒸気流量も
多い場合、高温再熱蒸気配管15の配管の内外面に大き
な温度差が発生し、配管内面に付着した水蒸気酸化スケ
ールにひずみが発生する。このひずみが0.1%以上で
あると、水蒸気スケールが割れたり剥離したりする。
【0019】これを防ぐために本発明の実施の形態で
は、先ず高温再熱蒸気配管15の配管の内面及び外面の
温度を測定する。前記内面の温度測定は図8に示すよう
に、蒸気温度を測定する場合によく使用される温度計ウ
ェルとほぼ同様な構造で、熱電対33、ウェル34、熱
電対保護管37、キャップ36、下つば35、上つば3
8からなる配管内面温度測定用ウェルを使用する。高温
再熱蒸気配管15の配管の外面温度測定は配管外面に直
接配管に熱電対を接着して行う。これらの配管の内外面
温度を測定する装置で得られた配管内外面の温度データ
は比較演算器25に入力される。そして比較演算器25
ではあらかじめ算出した水蒸気酸化スケールが剥離しな
い許容配管内外面温度差設定値が入力されており、この
設定値と実測値を比較演算し、実測の温度差が、この設
定値に近づくと発信器26からの信号により蒸気流量調
節弁22の開度が閉方向に制御される。そして蒸気流量
が減少され、配管の内外面温度差の増加が抑制される。
そして実測温度差が減少し、温度差設定値より低い値と
なれば、徐々に開方向に制御する。
【0020】このように本発明の第1の実施の形態では
火力発電プラントの起動時で蒸気タービン通気の際、ボ
イラの再熱器13、14と中低圧蒸気タービン17を連
絡する高温再熱蒸気配管15において、高温再熱蒸気配
管15の配管内外面温度差に基づき蒸気流量調節弁22
を制御し、配管15を流れる蒸気量を調節し、配管15
の水蒸気酸化スケールに働く熱衝撃ひずみを制御し、水
蒸気酸化スケールの剥離を防止する。本実施の形態では
高温再熱蒸気配管15に内面及び外面の温度検出器2
3、24と前記温度の偏差を比較演算する比較演算器2
5と蒸気流量調節弁22を制御する発信器26を設置し
た例であるが、その他に水蒸気酸化スケールの生成する
配管、例えば主蒸気配管5等に設置しても良い。
【0021】次に本発明の第2の実施の形態を、図2を
用いて説明する。図2に示す実施の形態では、図1に示
す第1の実施の形態の設備に加え、補助蒸気管寄せ20
に接続したタービンウォーミング配管30にウォーミン
グ蒸気流量調節弁28を設置し、蒸気タービン通気に先
だってウォーミング実施を行うときに、比較演算器25
からの信号をウォーミング蒸気流量調節弁28の開度を
制御する発信器29に入力することにより、タービンウ
ォーミング配管30を流れる蒸気流量を制御し、タービ
ンウォーミング蒸気流入時の高温再熱蒸気配管15の水
蒸気酸化スケールに発生するひずみを制御し、水蒸気酸
化スケールの剥離を防止する。
【0022】図2には、タービンウォーミング蒸気を高
温再熱蒸気配管15に流すウォーミング系統を設けたも
のを示しているが、この他高圧タービン7をウォーミン
グするのにタービンウォーミング蒸気を主蒸気配管5に
設けるものも本発明の範囲となる。さらに、タービンウ
ォーミング蒸気を高温再熱蒸気配管15と主蒸気配管5
とにそれぞれ流すウォーミング系統を設けたものも本発
明の範囲となる。なお、ウォーミング終了後は第1の実
施の形態と同様の制御を行うことになる。
【0023】次に本発明の第3の実施の形態を、図3を
用いて説明する。図1に示す第1の実施の形態における
高温再熱蒸気配15の配管の内外面の温度を測定する装
置で得られた温度データを比較演算器25に入力する代
わりに、前記温度データをひずみ演算器27に入力す
る。このひずみ演算器27には配管の径や肉厚および配
管の水蒸気酸化スケール厚さなどの形状データと配管及
び水蒸気酸化スケールの比熱、熱伝導率、ヤング率、熱
膨張係数、比重などの物性値が設定され、測定された配
管内外面温度より随時ひずみが算出される。このひずみ
演算器27の出力を比較演算器25に入力し、この演算
されたひずみの値が予め比較演算器に入力されたひずみ
設定値に達すると、発信器26からの信号により蒸気流
量調節弁22の開度が閉方向に制御される。
【0024】そして実測温度差が減少し、温度差設定値
より低い値となれば、蒸気流量調節弁22の開度を徐々
に開方向に制御する。このように本発明の第3の実施の
形態では火力発電プラントの蒸気タービン通気の際、ボ
イラの再熱器13、14と中低圧蒸気タービン17を連
絡する高温再熱蒸気配管15において、高温再熱蒸気配
管15の水蒸気酸化スケールに発生するひずみにより配
管を流れる蒸気量を調節し、配管の水蒸気酸化スケール
に発生する熱衝撃ひずみを抑えることにより水蒸気酸化
スケールの剥離を防止する。
【0025】図3には、タービンウォーミング蒸気を高
温再熱蒸気配管15に流すウォーミング系統を設けたも
のを示しているが、この他高圧タービン7をウォーミン
グするのにタービンウォーミング蒸気を主蒸気配管5に
設けるものも本発明の範囲となる。さらに、タービンウ
ォーミング蒸気を高温再熱蒸気配管15と主蒸気配管5
とにそれぞれ流すウォーミング系統を設けたものも本発
明の範囲となる。なお、ウォーミング終了後は第1の実
施の形態と同様の制御を行うことになる。
【0026】次に本発明の第4の実施の形態を、図4を
用いて説明する。図4に示す実施の形態では、図3に示
す第2の実施の形態の設備に加え、補助蒸気管寄せ20
に接続したタービンウォーミング配管30にウォーミン
グ蒸気流量調節弁28を設置し、比較演算器25からの
信号をウォーミング蒸気流量調節弁28の開度を制御す
る発信器29に入力することにより、タービンウォーミ
ング配管30を流れる蒸気流量を制御し、タービンウォ
ーミング蒸気流入時の高温再熱蒸気配管15の水蒸気酸
化スケールに発生するひずみを制御し、水蒸気酸化スケ
ールの剥離を防止する。
【0027】図4には、タービンウォーミング蒸気を高
温再熱蒸気配管15に流すウォーミング系統を設けたも
のを示しているが、この他高圧タービン7をウォーミン
グするのにタービンウォーミング蒸気を主蒸気配管5に
設けるものも本発明の範囲となる。さらに、タービンウ
ォーミング蒸気を高温再熱蒸気配管15と主蒸気配管5
とにそれぞれ流すウォーミング系統を設けたものも本発
明の範囲となる。なお、ウォーミング終了後は第1の実
施の形態と同様の制御を行うことになる。
【0028】
【発明の効果】本発明の蒸気流量制御方法及び装置を使
用することにより、火力発電プラントのボイラにおい
て、高温蒸気が主蒸気配管及び高温再熱蒸気配管に流れ
る場合に配管の水蒸気酸化スケールに発生するひずみを
制御し、水蒸気酸化スケールの損傷、及び剥離を防ぐこ
とにより、配管の減肉や剥離し飛散した水蒸気酸化スケ
ールによるタービンの損傷を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の火力発電プラントにおける高温蒸気
配管の流量制御装置の系統図である。
【図2】 本発明の火力発電プラントにおけるタービン
ウォーミング蒸気流量制御装置の系統図である。
【図3】 本発明の火力発電プラントにおける高温蒸気
配管の流量制御装置の系統図である。
【図4】 本発明の火力発電プラントにおけるタービン
ウォーミング蒸気流量制御装置の系統図である。
【図5】 従来の火力発電プラントにおける蒸気配管の
系統図である。
【図6】 水蒸気酸化スケール剥離強度試験結果であ
る。
【図7】 配管内外面温度差と配管の水蒸気酸化スケー
ルに発生するひずみの関係である。
【図8】 配管内面温度測定用ウェルである。
【符号の説明】
1 一次過熱器 2 二次過熱器 3 三次過熱器 4 四次過熱器 5 主蒸気配管 6 主蒸気止め弁 7 高圧蒸気タービン 8 過熱器バイパ
ス弁 9 タービンバイパス弁 10 復水器 11 最終過熱器出口蒸気温度検出器 12 高圧蒸気タービン入口蒸気温度検出器 13 一次再熱器 14 二次再熱器 15 高温再熱蒸気配管 16 再熱蒸気止
め弁 17 中低圧タービン 18 二次再熱器
出口蒸気温度検出器 19 中低圧タービン入口蒸気温度検出器 20 補助蒸気管寄 21 ウォーミン
グ弁 22 蒸気流量調節弁 23 配管の内面
温度検出器 24 配管外面温度検出器 25 比較演算器 26 発信機 27 ひずみ演算
器 28 ウォーミング蒸気流量調節弁 29 発信機 30 タービンウォーミング配管 31 配管 32 保温材 33 熱電対 34 ウェル 35 下つば 36 キャップ 37 熱電対保護
管 38 上つば

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 火力発電プラントのボイラの過熱器から
    高圧蒸気タービンに主蒸気を供給し、さらにボイラの再
    熱器から中低圧蒸気タービンに高温再熱蒸気を供給する
    タービン蒸気流量制御方法において、 高圧蒸気タービンに供給する主蒸気の配管及び/又は中
    低圧蒸気タービンに供給する高温再熱蒸気の内面と外面
    の温度の温度差と予め入力してある前記温度差の設定値
    とを比較演算し、この温度比較演算値に基づき高圧蒸気
    タービンに供給する主蒸気流量及び/又は中低圧蒸気タ
    ービンに供給する高温再熱蒸気流量を調節することを特
    徴とするタービン蒸気流量制御方法。
  2. 【請求項2】 前記高圧蒸気タービン及び/又は中低圧
    蒸気タービンに通気する前に、予め高圧蒸気タービン及
    び/又は中低圧蒸気タービンをウォーミングするため補
    助蒸気を高圧蒸気タービン及び/又は中低圧蒸気タービ
    ンに流し、 前記温度比較演算値に基づき前記補助蒸気流量を調節す
    ることを特徴とする請求項1記載のタービン蒸気流量制
    御方法。
  3. 【請求項3】 火力発電プラントのボイラの過熱器から
    高圧蒸気タービンに主蒸気を供給し、さらにボイラの再
    熱器から中低圧蒸気タービンに高温再熱蒸気を供給する
    タービン蒸気流量制御方法において、 高圧蒸気タービンに供給する主蒸気の配管及び/又は中
    低圧蒸気タービンに供給する高温再熱蒸気の配管の内面
    と外面の温度の測定値より前記主蒸気配管及び/又は高
    温再熱蒸気配管の内面に付着した水蒸気酸化スケールに
    働くひずみを演算し、 得られたひずみ値と予め入力してあるひずみ設定値とを
    比較演算し、 該ひずみ比較演算値により主蒸気タービンに供給する主
    蒸気流量及び/又は中低圧蒸気タービンに供給する高温
    再熱蒸気流量を調節することを特徴とするタービン蒸気
    流量制御方法。
  4. 【請求項4】 前記高圧蒸気タービン及び/又は中低圧
    蒸気タービンに通気する前に、予め高圧蒸気タービン及
    び/又は中低圧蒸気タービンをウォーミングするため補
    助蒸気を高圧蒸気タービン及び/又は中低圧蒸気タービ
    ンに流し、 前記ひずみ比較演算値に基づき前記補助蒸気流量を調節
    することを特徴とする請求項3記載のタービン蒸気流量
    制御方法。
  5. 【請求項5】 火力発電プラントのボイラの過熱器と高
    圧蒸気タービンを連絡する主蒸気配管及びボイラの再熱
    器と中低圧蒸気タービンを連絡する高温再熱蒸気配管を
    備えたタービン蒸気流量制御装置において、 前記主蒸気配管の入口部及び/又は前記高温再熱蒸気配
    管の入口部に設置された蒸気の流量を調整する蒸気流量
    調節弁と、 前記主蒸気配管及び/又は前記高温再熱蒸気配管の内面
    温度と外面温度をそれぞれ測定する温度検出器と、 前記配管の内面温度検出器と外面温度検出器による温度
    差を予め入力してある設定値と比較演算する温度比較演
    算器と、 この温度比較演算器の出力により前記蒸気流量調節弁を
    開閉する発信器とを設けたことを特徴とするタービン蒸
    気流量制御装置。
  6. 【請求項6】 前記主蒸気配管及び/又は前記高温再熱
    蒸気配管の通気前に少量の蒸気を流すことにより、予め
    高圧蒸気タービン及び/又は中低圧蒸気タービンをウォ
    ーミングするための補助蒸気管寄と高圧蒸気タービン及
    び/又は中低圧蒸気タービンを連結するタービンウォー
    ミング配管及びタービンウォーミング配管に設けられた
    ウォーミング蒸気流量調節弁を備えたウォーミング系統
    を設け、 前記ウォーミング蒸気流量調節弁の開閉度と前記温度比
    較演算器からの出力に基づき前記タービンウォーミング
    蒸気流量調節弁を開閉する発信器を設けたことを特徴と
    する請求項5記載のタービン蒸気流量制御装置。
  7. 【請求項7】 火力発電プラントのボイラの過熱器と高
    圧タービンを連絡する主蒸気配管及びボイラの再熱器と
    中低圧蒸気タービンを連絡する高温再熱蒸気配管を備え
    たタービン蒸気流量制御装置において、 前記主蒸気配管の入口部及び/又は前記高温再熱蒸気配
    管の入口部に設置された蒸気の流量を調整する蒸気流量
    調節弁と、 前記主蒸気配管及び/又は高温再熱蒸気配管の内面温度
    と外面温度をそれぞれ測定する温度検出器と、 前記配管内面温度検出器と外面温度検出器による温度測
    定値に基づき前記主蒸気配管及び/又は高温再熱蒸気配
    管の内面に付着した水蒸気酸化スケールに働くひずみを
    演算するひずみ演算器と、 該ひずみ演算器で得られたひずみ値と予め入力してある
    ひずみ設定値とを比較演算するひずみ比較演算器と、 該ひずみ比較演算器の出力により前記主蒸気配管の入口
    部及び/又は前記高温再熱蒸気配管の入口部に設置され
    た蒸気流量調節弁を開閉する発信器とを設けたことを特
    徴とするタービン蒸気流量制御装置。
  8. 【請求項8】 タービン蒸気流量制御装置には、前記主
    蒸気配管及び/又は前記高温再熱蒸気配管の通気前に少
    量の蒸気を流すことにより、予め高圧蒸気タービン及び
    /又は中低圧蒸気タービンをウォーミングするための補
    助蒸気管寄と高圧蒸気タービン及び/又は中低圧蒸気タ
    ービンを連結するタービンウォーミング配管及びタービ
    ンウォーミング配管に設けられたウォーミング蒸気流量
    調節弁を備えたウォーミング系統を設け、 前記ウォーミング蒸気流量調節弁とひずみ比較演算器か
    らの出力により前記ウォーミング蒸気流量調節弁を開閉
    する発信器を設けたことを特徴とする請求項5記載のタ
    ービン蒸気流量制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN104110282A (zh) * 2013-04-16 2014-10-22 株式会社神户制钢所 排热回收装置
CN113158587A (zh) * 2021-01-15 2021-07-23 国核电力规划设计研究院有限公司 300mw凝汽式汽轮机主蒸汽流量软测量方法
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