JP2001355403A - 球形のz軸ピストン機関 - Google Patents

球形のz軸ピストン機関

Info

Publication number
JP2001355403A
JP2001355403A JP2000174279A JP2000174279A JP2001355403A JP 2001355403 A JP2001355403 A JP 2001355403A JP 2000174279 A JP2000174279 A JP 2000174279A JP 2000174279 A JP2000174279 A JP 2000174279A JP 2001355403 A JP2001355403 A JP 2001355403A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
axis
piston
housing
spherical
circular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000174279A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomio Okura
富美夫 大倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000174279A priority Critical patent/JP2001355403A/ja
Publication of JP2001355403A publication Critical patent/JP2001355403A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 球体を基本構造とした極めて軽量コンパクト
な高出力の内燃ピストン機関を提供する。 【解決手段】 ハウジング10内中央に設けた固定壁の
ハウジング隔壁12に隔壁窓17を設け、その隔壁窓1
7を挟むハウジング10対向壁に円形凹みの軸板室15
と、その中心部を貫く主軸受13を設ける。そして、各
軸板室15に凹面円形板の軸板24を回転可能に嵌合さ
せ、その両軸板24を連結棒26が掛け渡すZ軸23の
軸頸を主軸受13に軸承させ、且つ揺動ピストン30を
前記隔壁窓17に差し込んで主軸受13の軸直線に対し
て±θ角度範囲を揺動可能に枢結子88を介在させて連
結棒26に枢着する。すると、ハウジング10内壁面と
軸板24凹面とハウジング隔壁12面と揺動ピストン3
0板面とで作動室Fuが形成され、その作動室Fuを臨
むハウジング10壁に吸気孔Inと排気孔Ex、それを
開閉するバルブ装置Va、及び点火具Igとを具備す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ピストンの揺動に
伴って作動室容積が変化し、その作動室内における燃焼
ガスの圧力をピストンに作用させて機関軸の回転力とす
るピストンスピードの極めて高い軽量コンパクトな新規
な内燃ピストン機関に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、2行程サイクル、及び4行程サイ
クルの原動機は、レシプロカッティングピストン機関
(以下、往復ピストン機関という)の火花点火機関とデ
ィーゼル機関が各種汎用機関として存在する。往復ピス
トン機関は、シリンダー、ピストン、コネクティングロ
ッド、クランク軸、フライホイール等の主要構成部品か
らなり、クランク軸がピストンの直線往復運動を円運動
に変換するものである。従って、その作動においては、
ピストン側面でシリンダー壁を強打して振動、騒音のも
ととなるピストン・スラップの発生があり、往復運動部
分のために機関の平衡が損なわれる慣性質量の障害とト
ルク変動が発生する。その慣性力とトルク変動による振
動を軽減する為に、また機関出力を増大させる等の見地
から殆どの往復ピストン機関は複数気室の多気筒機関で
ある。
【0003】往復ピストン機関における多気筒機関は、
重量、寸法の機関全体の容積が大きくなり、各々のピス
トンがピストンピン、コネクティングロッド、クランク
を経て回転軸に連結される為に同一部品の点数が多く複
雑であると共に、回転軸は長軸になって自然振動の為に
軸破壊がし易くなり、高出力を実現する為の高回転化を
阻止する。反面、往復ピストン機関のピストンスピード
は、それが余り速いと潤滑の追従が困難となってピスト
ンは破壊し易くなり、同様にバルブ装置も機関回転数を
高めるほどに異常振動が発生して吸、排気効率を低下さ
せ、バルブとピストンとを干渉し易くして機関の高回転
化を阻止する。
【0004】また、往復ピストン機関の燃焼室は、円筒
シリンダー両端の一方側のみであって単位重量、単位体
積あたりの機関出力を小さくしている。その上、円筒シ
リンダーの頂部に吸、排気のバルブ取付け箇所が限られ
ていることにより吸入空気重量が制限され、その吸、排
気効率の向上と動弁装置における慣性質量低減の為に個
々の部品を細分化した多バルブ化の傾向にあるが、何れ
の場合にもその分解、組立ての作業性には不利である。
更に、各々の気室は容積/面積比が小さい為に最高燃焼
温度が高く、有害排気ガスである窒素酸化物(NOx)
の生成が多い等の欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した往
復ピストン機関の多くの問題点に鑑み、内燃機関として
不可欠な諸条件を充分に満たすと共に、出力、燃料消
費、排出ガス、静粛性、耐久性、重量寸法、生産費等に
関して、従来の往復ピストン機関よりも優れた各種性能
を有するピストンの摺動面を球面とした球体構造の新規
な内燃ピストン機関を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、相互に関係す
る点、線、面の幾何学的構成における幾何図形上におい
て成り立つ基本的構造の特質がある。
【0007】
【解決手段1】本発明は、上記課題を解決する手段の一
つとして、球心Oから半径rの球面Gを有するハウジン
グ10において、角度θをなして球心Oで交差する二つ
の直線をX軸線、Y軸線とし、そのX軸線に球心Oにお
いて直交する軸直線をM軸線とし、そのM軸線を垂線と
して球面G内のX軸線上に形成される大円平面をR円面
とし、且つY軸線を鉛直軸線として球面G内に球心Oを
通って形成される大円平面をS円面とし、そのR円面と
S円面とが交差する球心O上の交差割線を軸線Kとし、
その交差割線Kの両端を点Ka、点Kbとする。
【0008】上記のように点、線、面の各関係を設定し
たハウジング10内のS円面上が球面Gのハウジング1
0内壁面と一体化するハウジング隔壁12として交差割
線K上に窓状空隙の隔壁窓17を有する平面状壁に形成
され、且つY軸線上のハウジング10対向内壁の各々を
軸板室15として円形凹みに形成すると共に、その両軸
板室15の側壁中心を貫く軸受円孔の主軸受13を設け
る。
【0009】その両主軸受13には、互いの外側面中心
に柄状の軸柱を固着させて互いの内側凹面を対面させ、
且つ前記軸板室15の各々に回転可能に嵌合する凹面円
形板からなる軸板24の各々をX軸線上の連結棒26が
掛け渡してZ状に形成したZ軸23の両側軸頸を軸承さ
せ、尚その連結棒26の球心O部分にM軸線を関節の基
軸線とするピン継手関節55の円形素子からなる枢結子
88をX軸線を回転軸として外嵌させる。
【0010】R円面上には、球面Gに回転可能に接する
外周面の球弧面32と、その球弧面32の弓形輪郭平面
をなしてK軸線側を弦とする弓形面31とを有し、且つ
その弓形面31の弦側に円柱状のピストン中間軸33を
合体させた略板状の揺動ピストン30を設け、この揺動
ピストン30のピストン中間軸33の母線方向を前記ハ
ウジング隔壁12の隔壁窓17に回動自由な摺接関係に
嵌め込む。
【0011】この揺動ピストン30には、前記Z軸23
の連結棒26を遊挿させるピストン通軸孔34を球弧面
32に開口させ、そのピストン通軸孔34のピストン中
間軸33内中央に円形空隙部分のピストン枢35を有し
て前記枢結子88にX軸線上の連結棒26を基軸として
±θ角度範囲を揺動可能に枢着し、且つピストン中間軸
33両端の前記点Ka,Kb側に交差割線Kを連結軸と
する蝶番関節50の蝶番ピン51、又は蝶番ピン受52
の何れかの連結素子を設ける。
【0012】また、交差割線Kの両端にあたる前記隔壁
窓17の対向両壁の各々に前記蝶番関節50素子に対応
する連結素子を設けて嵌合させると、前記ハウジング隔
壁12に揺動ピストン30が交差割線Kを蝶着の軸とし
て±θ角度範囲を擺動可能に連結する。
【0013】すると、S円面上のハウジング隔壁12が
ハウジング10内の球面Gをなす凹面を閉鎖して半球状
の空間からなる半月状作動室Haを形成し、且つその半
月状作動室HaをR円面上の揺動ピストン30が櫛形状
空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、その櫛形状
作動室Fuに臨ませて吸気孔Inと排気孔Exと、その
出入孔を開閉するバルブ装置Vaとを設け、且つ燃焼室
を窺って点火具Ig、或は燃料噴射弁を挿着したことを
特徴とする球形のZ軸ピストン機関である。
【0014】
【解決手段2】上記解決手段1に対する解決手段のもう
一つとして、球心Oから半径rを有する球面Gの内壁面
に形成したハウジング10において、角度θをなして球
心Oで交差する二つの直線をX軸線、Y軸線とし、その
X軸線に球心Oにおいて直交する軸直線をM軸線とし、
そのM軸線を垂線として球面G内のX軸線上に形成され
る大円平面をR円面とし、且つY軸線を鉛直軸線として
球面G内に球心Oを通って形成される大円平面をS円面
とし、そのR円面とS円面とが交差する球心O上の交差
割線を軸線Kとし、その交差割線Kの両端を点Ka、点
Kbとする。
【0015】上記のように点、線、面の各関係を設定し
たハウジング10内のS円面上が球面Gのハウジング1
0内壁面と一体化するハウジング隔壁12として交差割
線K上に窓状空隙の隔壁窓17を有する平面状壁に形成
され、且つY軸線上のハウジング10の対向両壁を貫く
軸受円孔の主軸受13を設ける。
【0016】その両主軸受13には、互いの外側面端部
に柄状の軸柱を固着させた任意形状の腕の部分からなる
軸腕25の各々をX軸線上の連結棒26が掛け渡してZ
状をなすZ軸23の両側軸頸を軸承させ、尚その連結棒
26の球心O部分にM軸線を関節の基軸線とするピン継
手関節55の円形素子からなる枢結子88をX軸線を回
転軸として外嵌させる。
【0017】R円面上には、球面Gをなすハウジング1
0内壁面に回転可能に接する外周面の球弧面32と、そ
の球弧面32の弓形輪郭平面をなしてK軸線側を弦とす
る弓形面31とを有し、且つその弓形面31の弦側にK
軸線を取付け軸線とする円柱状のピストン中間軸33を
合体させた略板状の揺動ピストン30を設け、この揺動
ピストン30のピストン中間軸33の母線方向を前記ハ
ウジング隔壁12の隔壁窓17に回動自由な摺接関係に
嵌め込む。
【0018】この揺動ピストン30には、前記Z軸23
の連結棒26と軸腕25とを遊挿させるピストン通軸孔
34を球弧面32に開口させ、そのピストン通軸孔34
のピストン中間軸33内中央に円形空隙部分のピストン
枢35を有して前記枢結子88にX軸線上の連結棒26
を基軸として±θ角度範囲を揺動可能に枢結し、且つピ
ストン中間軸33両端の前記点Ka,Kb側に交差割線
Kを連結軸とする蝶番関節50の蝶番ピン51、又は蝶
番ピン受52の何れかの連結素子を設ける。
【0019】また、交差割線Kの両端にあたる前記隔壁
窓17の対向両壁の各々に前記蝶番関節50素子に対応
する連結素子を設けて嵌合させると、前記ハウジング隔
壁12に揺動ピストン30が交差割線Kを蝶着の軸とし
て±θ角度範囲を擺動可能に連結する。
【0020】すると、S円面上のハウジング隔壁12が
ハウジング10の球面Gをなす凹面内壁11を閉鎖して
半球状の空間からなる半月状作動室Haを形成し、且つ
その半月状作動室HaをR円面上の揺動ピストン30が
櫛形状空間の櫛形状作動室Fuに形成する。更に、その
櫛形状作動室Fuに臨ませて吸気孔Inと排気孔Ex
と、その出入孔を開閉するバルブ装置Vaとを設け、且
つ燃焼室を窺って点火具Ig、或は燃料噴射弁を挿着し
たことを特徴とする球形のZ軸ピストン機関である。
【0021】
【共通の解決手段1】上記解決手段1、及び解決手段2
の構成において、前記ハウジング隔壁12は、K軸線を
挟むS円面上の両側に弦側面18,18を対面させた半
円より小さい弓形板の二つが互いの弓形輪郭面をハウジ
ング10内壁面に結合させてK軸線上を矩形に突き抜け
た前記隔壁窓17を有する。R円面上には、前記球弧面
32と、表裏の前記弓形面31,31と、その弓形面3
1,31の弓形弦が挟持する弦側面とから形成された半
円より小さい半月状板の二つをK軸線を挟んで互いの弦
側面を対面させて対称配置し、且つその対面する弦側面
に前記ピストン中間軸33を介在合体させて略円形板に
形成した前記揺動ピストン30を配置する。
【0022】すると、S円面上のハウジング隔壁12の
壁面とハウジング10内の凹面とで囲われた二つの前記
半月状作動室Ha,Haが形成され、且つその半月状作
動室Ha,Haの各々をR円面上の揺動ピストン30が
二つずつの前記櫛形状作動室Fu,Fu、Fu,Fuに
形成する球形のZ軸ピストン機関である。
【0023】
【共通の解決手段2】又は、上記解決手段1、及び解決
手段2の構成において、前記ハウジング隔壁12は、K
軸線を挟むS円面上の何れか一方側に半円より小さい弓
形板が弓形輪郭面をハウジング10内壁面に結合させて
弦側面18を辺とする弓形優弧形の前記隔壁窓17を有
する。R円面上には、S円面を跨ぐ範囲の半球面より大
きい前記球弧面32と、K軸線を挟んだ両側に前記弓形
面31,31とを有し、且つその両弓形面31,31の
弓形弦間に前記ピストン中間軸33を半埋い込み状に介
在合体させて半球状の略円形板に形成した前記揺動ピス
トン30を配置する。
【0024】すると、S円面上のハウジング隔壁12の
壁面とハウジング10内の凹面とで囲われた二つの前記
半月状作動室Ha,Haが形成され、且つその半月状作
動室Ha,Haの各々をR円面上の揺動ピストン30が
前記櫛形状作動室Fu,Fuに形成する球形のZ軸ピス
トン機関である。
【0025】
【共通の解決手段3】或は、上記解決手段1、及び解決
手段2の構成において、前記ハウジング隔壁12は、S
円面を挟む両側の何れか一方側を塞いでハウジング10
の内部空間を半球状にすると共に、K軸線上が溝状の半
円柱形凹み部分に形成された前記隔壁窓17を有する。
R円面上には、前記球弧面32と、表裏の前記弓形面3
1,31と、その弓形面31,31の弓形弦が挟持する
弦側面とから形成された半円より小さい半月状板が弦側
面に前記ピストン中間軸33を合体させて略半円板に形
成した前記揺動ピストン30を配置する。
【0026】すると、S円面上のハウジング隔壁12の
壁面とハウジング10内の凹面とで囲われた前記半月状
作動室Haが形成され、且つその半月状作動室HaをR
円面上の揺動ピストン30が二つの前記櫛形状作動室F
u,Fuに形成する球形のZ軸ピストン機関である。
【0027】
【発明の実施の形態】本発明は、相互に関係する点、
線、面の幾何学的構成における幾何図形上において成り
立つ基本的構造の特質と作動原理とを有する特徴があ
る。即ち、本発明における相互関係の図形を図1に示す
と、球心Oから半径rの球面Gを内包するハウジング1
0には、又は球心Oから半径rを有して球面Gをなす内
壁面に形成されたハウジング10には、角度θをなして
球心Oで交差する二つの直線をX軸線、Y軸線とし、そ
のX軸線に球心Oにおいて直交する軸直線をM軸線と
し、そのM軸線を垂線として球面G内のX軸線上に形成
される大円平面をR円面とし、且つY軸線を鉛直軸線と
して球面G内に球心Oを通って形成される大円平面をS
円面とし、そのR円面とS円面とが球心Oにおいて交差
する交差割線を軸線Kとし、その交差割線Kの両端を点
Ka、点Kbとし、以上のように各点、線、面の関係を
設定する。
【0028】そして図1において、X軸線は自らが球面
Gに交わる点PとY軸線が球面Gに交わる点Qとの間を
半径とする円を底面とし、球心Oを頂点とする円錐の周
面を回転軌跡とした円錐運動をする。即ち、X軸線が
X、Yの軸線間に創出される角度θを保持して球心Oを
旋回の中心とし、回転軸とするY軸線の回りを旋回すれ
ば、X軸線は球心Oを円錐の頂点として自らを円錐母線
とする円錐運動の周回軌跡上を回転し、起点とする図1
から図2の方向に順次回転して図5に至って半回転であ
る180度分を回転し、更に180度分の回転を与える
と元の図1に戻る。
【0029】同様に前記解決手段1は図6、前記解決手
段2は図7において、矢印方向の回転を与えると、前記
Z軸23と前記枢結子88とが図6,7の各(アa),
(アb)乃至各(オa),(オb)の順に位相を変化さ
せながら180度分を回転するが、図6,7の各(ア
a),(アb)のZ軸23と枢結子88の位相は図形の
図1の回転角位置に、図6,7の各(イa),(イb)
のZ軸23と枢結子88の位相が図形の図2の回転角位
置に何れも対応し、また図6,7の各(ウa),(ウ
b)は図形の図3、更に図6,7の各(エa),(エ
b)は図形の図4に、そして図6,7の各(オa),
(オb)は図形の図5に何れも各Z軸23と枢結子88
との位相が互いに与する図形の各回転角位置に対応す
る。
【0030】その時、S円面の位相は不動であるが、R
円面はY軸線を回転軸とする公転のみで自転をしないX
軸線の為に、その公転に伴って交差割線Kを蝶着の軸、
支点として位相不動のS円面に接近と離間を繰り返す。
即ち、R円面は交差割線Kを境として対面するS円面の
何れか一方の半円から離間すれば対称側のもう一方の半
円側に接近し、その接近が離間に転じれば対称側(先の
離間側)が接近し、そのようにR円面は半回転毎にS円
面に近付いたり離れたりを繰り返すから、球面GとR円
面とS円面とで囲われて密閉された各空間A,B,C,
Dを見ると、図1から図2,3,4を経て図5までの半
回転において空間Aは拡張して空間Bは収縮し、空間C
は拡張して空間Dは収縮するが、図5から半回転して元
の図1になると、空間Aは収縮して空間Bは拡張し、空
間Cは収縮して空間Dは拡張する。
【0031】つまり、空間Aが拡張すると空間Bは収縮
して空間Cが拡張すると空間Dは収縮し、また空間Aの
拡張に対して空間Dが収縮し、空間Bの収縮に対して空
間Cが拡張するから、空間AとBは互いの体積増減を反
比例に変化させて対をなし、空間CとDも互いの体積の
増減を反比例に変化させて対偶し、空間AとC、空間B
とDは互いの体積変化を正比例させる順と逆の関係にあ
る。また、軸線X,Y,Mのそれぞれが同一の平面上に
ある時のS円面とR円面との交差角度は、空間A,C側
の鋭角側が90−θ角度となって最小となり、空間B,
D側の鈍角側が90+θ角度となって最大となる。
【0032】そのように設定した点、線、面の各関係を
もとに本発明における具体的な実施の形態を実施例に基
づいて以下説明する。尚この各種実施例を説明する図8
乃至図17において、作動媒体の吸入孔Inと排出孔E
x、バルブ装置Va、点火具(又は燃料噴射弁)Ig等
の図示は省略すると共に、本発明の説明に付する全図面
においても、ガスシール、オイルシール等の密閉具(往
復ピストン機関ではピストンリング)、及び冷却装置、
及び潤滑装置等の図示は省略した。
【0033】
【実施例1】図8、図9に示すこの実施例1は、前記解
決手段1(及び共通の解決手段1)の構成に基づくと共
に、その解決手段1と同様に球心O、半径r、球面G、
角度θ、軸線X、軸線Y、軸線M、R円面、S円面、交
差割線K、点Ka、点Kbの点、線、面の各関係を設定
する。そのように点、線、面の各関係を設定した球面G
を内包するハウジング10の内部空間がS円面を対称面
として互いの凹面を対面させた二つの半球状をなす空間
に形成されるが、その対面する半球状の空間は、固定壁
のハウジング隔壁12によって球面Gをなす球体の空間
がS円面の両側に隔絶されたものである。
【0034】即ち、ハウジング隔壁12は、弓形の劣弧
とその劣弧の両端を差し渡す弓形弦とから形成された半
円より小さい半月状板の二つを互いの弓形輪郭面を外側
向きにして互いの弦側面18,18を内側向きにし、且
つ前記交差割線Kを対称軸としてS円面上に対称配置
し、その上で双方の弓形輪郭面を球面Gをなすハウジン
グ10内壁面に結合させれば互いの弦側面18,18が
K軸線を挟んで対面し、前記点Kaと点Kb側のハウジ
ング10内壁の対向両面も対面する。それら対面する4
辺は、ハウジング隔壁12の隔壁窓17として交差割線
Kに沿って長ずる矩形の窓状空隙部分を形成し、ハウジ
ング10内の二つの半球状空間を連通すべく突き抜けて
いる。
【0035】そのように形成された隔壁窓17の点K
a、点Kb側にあたるハウジング10の対向壁には、K
軸線を連結の軸とする蝶番関節50の蝶番ピン51,5
1を内部突出させる。また、ハウジング10には、Y軸
線上の球面Gからなる対向内壁を何れも円形凹みに切り
欠き形成した軸板室15,15と、その両軸板室15,
15壁の中心部に貫通孔の主軸受13,13とが設けら
れる。
【0036】そして、対称同形の凹面円形板に形成した
互いの軸板24,24を向き合わせて並立させ、その軸
板24,24の互いを一方筋交い状に連結固定する丸棒
の連結棒26と、各軸板24の外側面中心部に固着させ
た柄状の丸棒とから全体形を一体構造のZ字形に形成し
たZ軸23は、その両軸頸がジャーナルに形成されて互
いの与する前記主軸受13,13に回転自由に嵌挿する
と共に、両軸板24,24も各々が与する前記軸板室1
5,15に回転可能に組込まれる。尚この時、各軸板2
4の内側凹面が球心Oから半径rを有する球面Gの位置
にあって連結棒26の軸直線とX軸線とが同一線上に一
致し、且つ軸板24が軸板室15に回転可能に嵌合すれ
ば、軸板24形成の差し渡し長は自由である。
【0037】一方、周側面を同心の回転摺接面に形成
し、且つその周側面に鉛直に貫く軸受円孔を設けた円形
体からなるピン継手関節55の枢結子88が、その軸受
円孔にZ軸23の連結棒26を嵌挿させて球心Oの位置
に回転自由に取付けられるが、この枢結子88には自ら
の円形体軸線のM軸線を連結軸とするピンか、又はピン
受孔(図8,9ではピン受孔である)の何れかからなる
連結素子を有する。
【0038】また、球面Gに回転可能に契合する外周面
の球弧面32と、その球弧面32の弓形輪郭平面をなす
表裏の弓形面31,31と、その弓形面31,31の弓
形弦が挟持する弦側面とから形成された半円より小さい
半月状板の二つを同一平面上に対称配置し、且つその両
半月状板の弦側面間に円柱状のピストン中間軸33を介
在合体させて略円形板にした揺動ピストン30を前記R
円面上に設ける。この揺動ピストン30には、ピストン
中間軸33の両底面中心部の各々に前記隔壁窓17の点
Ka,Kb側に設けた前記蝶番ピン51,51に与する
蝶番ピン受52,52を備えて対応する。
【0039】その上で、ピストン中間軸33を母線方向
に沿って前記ハウジング隔壁12の隔壁窓17に差し込
み入れると、揺動ピストン30とハウジング隔壁12と
がピストン中間軸33上において交差すると共に、ピス
トン中間軸33と隔壁窓17との点Ka、点Kb側に蝶
番ピンと蝶番ピン受51,52、51,52とが軸支関
係の回動自在に嵌合し、更にピストン中間軸33の軸線
と交差割線Kとが同一線上に一致して隔壁窓17の前記
弦側面18,18とピストン中間軸33柱面とが回動自
由な摺接関係に密封し、ピストン中間軸33の両底面と
隔壁窓17の点Ka,Kb側の対向両面も摺接関係に密
封し、且つ両球弧面32,32もその各々が与する前記
軸板24,24の球面Gをなす内側凹面を回転摺動関係
に密封する。
【0040】尚この揺動ピストン30には、自らが内包
するR円面に沿ってX軸線上を球弧面32からピストン
中間軸33内中央に貫き穿つ空洞のピストン通軸孔34
を開口させ、且つそのピストン通軸孔34の内部中央に
は中心部にピン状の素子を有する円形の空隙に形成した
ピストン枢35を設けて前記枢結子88に対応させ、そ
のピストン通軸孔34に前記Z軸23の連結棒26を遊
挿させると共に、連結棒26の中央部分に取付けた枢結
子88をピストン枢35に枢支関係に連結嵌合させてM
軸線を連結軸とする前記ピン継手関節55を組成する。
【0041】結局、ハウジング10の内部空間は、固定
平面であるS円面上のハウジング隔壁12によって球面
Gの凹面がハウジング隔壁12を挟んで対面する半球状
の定積空間からなる二つの半月状作動室Ha,Haに形
成され、そこにM,K軸線の2軸に支持された運動平面
であるR円面上の揺動ピストン30が、その半月状作動
室Ha,Haの各々を反比例に体積変化させる二つずつ
の櫛形状空間からなる気室A,B,C,Dに形成する。
このように構成されたこの実施例のZ軸23に回転を与
えると、X軸線上の連結棒26は球心Oを回転の中心と
し、Y軸線を回転軸としてY軸線に常に角度θを保持し
たまま円錐運動をし、揺動ピストン30はピストン中間
軸33両端の点Ka、点Kb側の前記蝶番関節50によ
って交差割線Kを蝶着の軸とする動きのみ可能に拘束さ
れるが、前記枢結子88の介在によってS円面のハウジ
ング隔壁12を擺動の対向面として±θ角度範囲を揺動
する。
【0042】そこで、図示はしないが各気室A,B,
C,Dがハウジング10外部と連通して作動媒体を流出
入させる吸気孔Inと排気孔Exと、その吸、排気孔I
n,Exを開閉するバルブVaとを設け、且つそのバル
ブVaをバルブ駆動装置に連結して連動させる。また、
図示はしないが各気室A,B,C,Dの燃焼室部を窺っ
て点火具Ig、或はディーゼル機関の態様では燃料噴射
弁(燃料噴射ノズル)を挿着しておき、揺動ピストン3
0の振幅運動に伴う体積変化に同期させ、適宜吸、排気
弁Vaに開閉を与えて作動媒体を交換すると共に、作動
媒体の圧縮時に点火具Igにより点火するか、燃料噴射
弁(以下、燃料噴射弁は上記点火具Igに含ませて点火
具Igのみ記載する)により燃料を噴射する。
【0043】つまり、各気室A,B,C,Dの体積が最
小の位置から大きくなる過程に作動媒体を吸入して圧縮
し、その圧縮の上死点付近で点火して燃焼させると、そ
の燃焼気室に与する揺動ピストン30の弓形面31とハ
ウジング隔壁12の壁面間が膨張圧力によって押し広げ
られるから、揺動ピストン30は膨張する燃焼ガス圧力
を受けてX軸線上の連結棒26に取付けたM軸線上の枢
結子88から拘束を受けつつ、且つK軸線を中心に角度
(θ×2)の範囲を揺動しつつ枢結するZ軸23を回転
させる。
【0044】
【実施例2】図10に示す実施例2は、円形状板の揺動
ピストン30を組込んで球形ハウジング10内に4気室
A,B,C,Dを存在させた上記実施例1に対して、ハ
ウジング10内に半球状板の揺動ピストン30を組込ん
で回転軸に水平方向並びの2気室A,Dか、又は気室
B,Cに構成して作動させる前記解決手段1、及び前記
共通の解決手段2の構成に基づく実施の形態であるか
ら、上記以外の各部構成の主要素とその作動は上記実施
例1の場合と全く同じである。
【0045】この実施例におけるハウジング隔壁12
は、半円より小さい一つの半月状板がその弦側面18を
前記交差割線Kに平行に置いて弓形輪郭面をS円面上の
球面Gをなすハウジング10内壁面に結合させて形成さ
れ、隔壁窓17は、弦側面18とK軸線の両端に位置す
る前記点Kaと点Kb側を含む球面Gをなすハウジング
10内壁面とから、S円面上に弓形の優弧からなる半円
より大きい窓状空隙部分に形成されてハウジング10内
の二つの半球状空間を連通する。その隔壁窓17には、
球面Gに契合して回転可能に摺接する半球面より大きい
回転外周面の球弧面32と、その球弧面32の弓形輪郭
平面をなして互いの弓形弦が平行に置かれた両側の弓形
面31,31と、その弓形弦の平行間隔内に軸柱面の母
線方向を挟持させた円柱状のピストン中間軸33を半埋
込み状に合体させて全体形を半球体より大きい略円形板
に形成した揺動ピストン30が、そのピストン中間軸3
3母線方向を嵌挿状態に組付けられる。
【0046】そこで、上記実施例1における構成と同様
に、点Ka、点Kb側にあたる隔壁窓17の対向両側と
ピストン中間軸33の両端に互いが与して嵌合する蝶番
ピンと蝶番ピン受51,52、51,52との前記蝶番
関節50を組成して連結すると共に、前記Z軸23は両
側軸板24,24がY軸線上に対向する軸板室15,1
5に収容されて主軸受13,13に両軸頸を嵌挿させ、
且つ連結棒26に外嵌させた枢結子88と揺動ピストン
30のピストン枢34とが枢結して球心O上にピン継手
関節55を組成する。
【0047】結局、ハウジング10の内部空間は、S円
面上のハウジング隔壁12によって球面Gをなす凹面が
ハウジング隔壁12を挟んで対面する半球状の定積空間
からなる二つの半月状作動室Ha,Haに形成され、そ
の半月状作動室Ha,Haの各々が半球板状揺動ピスト
ン30によってR円面における表裏の何れか一方の平面
上に一つずつの櫛形状空間をなす気室A,Dか、又は気
室B,Cに形成され、而もハウジング10には、図示は
しないが気室A,Dか、又は気室B,Cに面して作動媒
体流出入孔の吸、排気孔In,Exと、その吸、排気孔
In,Exを開閉する弁Vaと、燃焼室を窺って点火具
Igとが設けられる。
【0048】
【実施例3】図11に示すこの実施例3は、前記解決手
段1、及び前記共通の解決手段3に基づく構成であり、
上記実施例1における揺動ピストン30の円形状板を半
円状板に置き換えたもので、球形ハウジング10内に4
気室A,B,C,Dを存在させた上記実施例1の構成に
対して回転軸に垂直方向並びの2気室A,Bか、又は
C,Dに構成して作動させる実施の形態である。従っ
て、上記実施例1を円球分の構成とすれば、この実施例
では半球分の構成であり、その構成の主要素と作動は上
記実施例1の場合と同じである。
【0049】この実施例におけるハウジング隔壁12
は、前記交差割線Kを挟むS円面上の両側に半円より小
さい対称弓形面の壁面が互いの弓形弦を交差割線Kに平
行に置いて、その弓形弦側間に溝状の凹み部分を有して
形成されるから、隔壁窓17はその溝状凹面の弦側面1
8とK軸線両端の前記点Ka,Kb側のハウジング10
対向壁面とから形成される半円柱形の凹状の空隙部分で
ある。そのように形成された隔壁窓17には、球面Gに
回転可能に契合する回転外周面の球弧面32と、その球
弧面32の弓形輪郭平面をなす表裏の弓形面31,31
と、その表裏の弓形面31,31の弓形弦に挟持される
弦側面とから形成される櫛形状の半月状板が、その半月
状板の弦側面に円柱状のピストン中間軸33と軸柱面の
母線方向に沿って合体した半円より大きい略半円板の揺
動ピストン30をピストン中間軸33の母線方向が差し
込まれて組付けられる。
【0050】また、この実施例においても、点Ka,K
b側にあたる隔壁窓17の対向両側とピストン中間軸3
3の両端に前記蝶番関節50が組成されて連結すると共
に、前記Z軸23は両側の軸板24,24がY軸線上に
対向する軸板室15,15に収容されて両主軸受13,
13に両軸頸を嵌挿させ、且つ連結棒26の球心O位置
に外嵌させた枢結子88が揺動ピストン30のピストン
枢34に枢結する。尚、ハウジング隔壁12の裏側に位
置する軸板室15はY軸線に同心円の空隙がピストン中
間軸33より外側に隔壁窓17から継続して形成される
が、その軸板室15に与する軸板24が回転可能に収納
されると、対向側の軸板24は球面Gをなす内側凹面が
前記半径rを有する位置にあって互いの軸板24,24
を繋ぐ連結棒26の軸直線と前記X軸線とが同一線上に
一致する。
【0051】結局、この実施例におけるハウジング10
の内部空間は、S円面上のハウジング隔壁12によって
球面Gの凹面が閉鎖されて半球状の定積空間からなる半
月状作動室Haに形成され、その半月状作動室HaがR
円面上の半円状板揺動ピストン30によって櫛形状空間
をなす二つの気室A,Bか、又はC,Dに形成され、而
もハウジング10には、その気室A,Bか、又はC,D
に面して図示はしないが作動媒体を流出入させる吸、排
気孔In,Exと、その各孔In,Exを開閉する弁V
aと、燃焼室を窺って点火具Igとが設けられる。
【0052】
【実施例1乃至3の共通態様(軸板)】上記実施例1乃
至3における共通の態様として、Z軸23の軸板24
は、半球状空間からなる半月状作動室Haの内側凹面径
を満たす凹面状板であるか、又は半月状作動室Haの内
側凹面径より小さい径の凹面板であるかし、その後者に
おける半月状作動室Haの凹面は軸板24の凹面とその
軸板24凹面を延長する同心円のハウジング10内壁面
とから形成される。
【0053】
【実施例1乃至3共通の別態様(軸腕)】また、何れの
上記実施例においても、Z軸23の軸板24の部分を揺
動ピストン30のピストン通軸孔34内に収容して作動
させることが可能である。即ち上記実施例1乃至3の構
成においては、凹面の円形板からなる作動室Fu側の軸
板24を球面Gより外側の位置にハウジング10内壁を
軸板室15に削成して収容すると共に、その軸板24の
内側面に球面Gを持たせたものであるが、それに対して
作動室Fu側のハウジング10壁には軸板室15を設け
ずに凹面内壁11に球面Gを持たせ、任意形状の板状、
又は棒状からなる腕状の部材に形成した軸腕25を揺動
ピストン30内に遊離関係に収めて作動させる前記解決
手段2の構成に基づく実施例4乃至6を以下簡潔に説明
する。
【0054】
【実施例4】図12,13に示す実施例4は、前記解決
手段2と共通の解決手段1に基づく構成であるが、上記
実施例1におけるZ軸23の両軸板24,24の部分を
軸腕25,25に換えて構成するもので、それ以外の各
部構成の主要素とその作動においては上記実施例1の場
合と全く同様である。即ち、何れも任意形状からなる腕
状の部分に形成した両軸腕25,25を球面G内におい
て向き合わせ、その互いを中間斜軸をなす丸棒の連結棒
26が一方の筋交い状に連結固定すると共に、各軸腕2
5の外側面に軸頸とする柄状の丸棒を固着させてZ字形
の一体構造からなるZ軸23を形成し、その両軸頸をハ
ウジング10対向壁の主軸受13,13に嵌挿させて軸
承させ、且つ軸腕25,25と枢結子88を取付けた連
結棒26との部分を円形状揺動ピストン30のピストン
通軸孔34に挿通させて枢結子88をピストン枢34に
枢着させる。
【0055】結局、球形のハウジング10内には、上記
実施例1の場合と同様にS円面上のハウジング隔壁12
が球面Gをなす凹面(この実施例では両凹面内壁11,
11である)をハウジング隔壁12を挟んで対面させた
半球状の定積空間からなる二つの半月状作動室Ha,H
aを形成し、その半月状作動室Ha,Haの各々がR円
面上の円形状板からなる揺動ピストン30によって反比
例に体積変化をさせる二つずつの櫛形状空間をなす気室
A,B,C,Dに形成される。
【0056】
【実施例5】図14に示す実施例5は、前記解決手段
2、及び前記共通の解決手段2に基づく構成であり、上
記実施例2におけるZ軸23の両軸板24,24の部分
を軸腕25,25に換えて構成するものである。即ち、
何れも任意形状の腕状の部分に形成した両軸腕25,2
5を球面G内において向き合わせ、その互いを中間斜軸
をなす連結棒26に固定させると共に、各軸腕25の外
側面に軸頸とする柄状の丸棒を固着させてZ字形の一体
構造からなるZ軸23を形成し、その両軸頸をハウジン
グ10対向両壁に貫設される主軸受13,13に嵌挿さ
せて軸承させ、且つ枢結子88を取付けた連結棒26と
軸腕25,25との部分を半球状円形板の揺動ピストン
30のピストン通軸孔34に挿通させて枢結子88をピ
ストン枢34に枢着させる。
【0057】結局、ハウジング10の内部空間は、上記
実施例2の場合と同様にS円面上のハウジング隔壁12
によって球面Gをなす凹面(この実施例ではハウジング
10の両凹面内壁11,11である)がハウジング隔壁
12を挟んで対面する半球状定積空間からなる二つの半
月状作動室Ha,Haに形成され、その半月状作動室H
a,Haの各々を半球状揺動ピストン30がR円面表裏
の何れか一方の平面上に一つずつの櫛形状空間をなす気
室A,Dか、又は気室B,Cに形成する。
【0058】
【実施例6】図15に示す実施例6は、前記解決手段
2、及び前記共通の解決手段3に基づく構成であり、上
記実施例3におけるZ軸23の軸板24,24を軸腕2
5,25に置き換えて構成したものであるから、この実
施例は上記以外の各部構成の主要素とその作動は上記実
施例3の場合と同じである。即ち、何れも腕状の部分に
形成した両軸腕25,25を球面G内に向き合わせて互
いを中間斜軸の連結棒26の端部に固定させ、且つ各軸
腕25の外側面に軸頸とする柄状の丸棒を固着させてZ
字形の一体構造からなるZ軸23を形成し、その作動室
Fu側の軸腕25と枢結子88を取付けた連結棒26と
の部分を半円状板揺動ピストン30のピストン通軸孔3
4に挿通させて枢結子88をピストン枢34に枢着させ
る。
【0059】また、両側のうち一方の軸腕25は前記半
径r内のピストン通軸孔34内に置かれ、もう一方の軸
腕25はハウジング隔壁12の裏側に位置して隔壁窓1
7に継続的に設けられる軸腕室16に収容されるから、
この軸腕室16に与する軸腕25はピストン中間軸33
より外側に置かれるが、その軸腕室16側壁と前記凹面
内壁11との各々の中心部に設けられる主軸受13,1
3にZ軸23の各軸頸を嵌挿させて軸承させ、更にこの
実施例においてもハウジング10の内部空間はS円面上
のハウジング隔壁12によって球面Gをなす凹面内壁1
1が閉鎖されて半球状の定積空間からなる半月状作動室
Haに形成され、その半月状作動室HaをR円面上の半
円状板からなる揺動ピストン30が櫛形状空間をなす二
つの気室A,Bか、又は気室C,Dに形成する。
【0060】尚、上記実施例4乃至6の何れの実施例に
おいても、各気室Fuに面して作動媒体の出入孔In,
Exと、その出入孔In,Exを開閉する弁Vaとを設
け、且つその弁Vaを弁駆動装置に連結して連動させる
と共に、各気室Fuの燃焼室の部分を窺って点火具Ig
を挿着しておき、各気室Fuの体積変化に同期させ、適
宜吸、排気の弁Vaに開閉を与えて作動媒体を交換し、
その作動媒体の圧縮終わりに点火具Igにより点火する
ものである。
【0061】
【その他の実施例】機関作動における1サイクル4行程
のうち、ポンピング作用をする吸、排気行程と仕事行程
の準備をする圧縮行程は負の仕事であり、トルク発生に
拘わる膨張行程のみが正の仕事であるが、4行程サイク
ル機関に不変的に正の仕事をさせる為には基本的に4気
室(2サイクル機関では2燃焼室)が必要である。その
ような4作動室の構成には、一つのハウジング10内に
気室A,B,C,Dを存在させた上記実施例1,4の他
に、半球状の円形板に形成した揺動ピストン30を組込
んで回転軸に水平並びの気室A,Dか、又は気室B,C
に構成した上記実施例2,5における各成分を1組分と
し、又は半円状板に形成した揺動ピストン30を組込ん
で回転軸に垂直並びの気室A,Bか、又は気室C,Dに
構成した上記実施例3,6における各成分を1組分と
し、その何れにおいてもその素子組成と同様なもう1組
分を構成して2組分にすると共に、その2組分の素子組
成を一つのハウジング10内に並列、又は直列に連結さ
せて気室A,B,C,Dにする。
【0062】即ち、上記実施例2の構成における2組分
連結は、図16(a)に示すように双方のハウジング1
0,10をY軸線上において合体させ、両Z軸23,2
3も一方ずつの軸板24,24を背面で合体させてY軸
線上に一体化させると共に、その結合部分に対応する内
空部をハウジング10の中央部に形成して回転可能に収
納し、また上記実施例5における構成の2組分連結は、
図16(b)に示すように双方のハウジング10,10
をY軸線上において合体させ、且つY軸線上のハウジン
グ10中央壁にも主軸受13を貫設し、その主軸受13
に双方が結合して軸央に形成されるZ軸23のジャーナ
ル部を嵌挿させるが、その何れにおいても半球状をなす
定積空間の半月状作動室Ha,Ha、Ha,Haの二つ
ずつが、その各々に与する半球状円形板の揺動ピストン
30,30によって反比例に体積変化させる二つずつの
櫛形状作動室A,DとB,Cに形成される。
【0063】又は、上記実施例3,6の各構成における
それぞれの2組分の連結は、図17(a),(b)に示
すように双方のハウジング10,10をY軸線上におい
て合体させ、両Z軸23,23も図(a)に示す一方ず
つの軸板24,24、又は図(b)に示す一方ずつの軸
腕25,25を背面でY軸線上に合体させると共に、そ
の結合部分を回転可能に収納する内空部をハウジング1
0の中央部に形成して嵌挿させ、その何れにおいても双
方の半球状をなす半月状作動室Ha,Haが、その各々
に与する半円状板の揺動ピストン30,30によって反
比例に体積変化する二つずつの櫛形状作動室A,Bと
C,Dに形成される。
【0064】
【各実施例の共通態様(θ角度)(枢結子)(吸、排気
孔と点火具)】上記何れの実施例においても、X軸線と
Y軸線とが球心O上において交差して創出する角度θは
10°<θ<60°が実用範囲であり、その最適角度は
25°〜35°である。
【0065】また、上記何れの実施例においても、ピン
継手関節55素子の枢結子88は、図18に示すように
円板状(短柱)か、又は円柱状(丸棒)の円形体である
が、それも図18(あ)の如くに自らの軸線上にピン受
孔を有する環状の円形板か、又は図18(い)の如くに
両底面の中心部分にピン柱を凸設形成した円形板か、或
は図18(え)の如くに枢結子88本体が丸棒状のピン
柱に形成されるかし、その何れにおいても周側面を貫通
する連結棒26の挿通孔と軸止めされたピン、又はピン
受孔を含む円形本体の形成軸線とがX軸線とM軸線との
関係にあって十字に交差する。また、図18(う),
(お)に示すように連結棒26が挿通する孔に合わせて
対向両側か、又は図示はしないが両側面の何れか一方に
管(中空円柱)を固着させ、その管孔から連結棒26を
挿通させる袖付きにすることも可能である。
【0066】また、上記何れの実施例においても、各作
動室Fuに臨んで吸、排気孔In,Exを対とした作動
媒体の出入孔がハウジング10壁を貫通して穿設される
が、4気室Fu,Fu、Fu,Fuを存在させる構成に
おいては吸、排気孔In,Exの4対が、2気室Fu,
Fuの構成においては吸、排気孔In,Exの2対がそ
れぞれ穿設され、その上その何れの場合にもそれら各孔
In,Exは、例えば図19,20に示すようにカム駆
動される茸弁や、Z軸23の軸頸取付け歯車に従動する
環バルブ等のバルブ装置Vaによって開閉される。その
時、燃焼室に面して挿着する点火具(スパークプラグ)
Igは、図19,20に示すように4気室Fu,Fu、
Fu,Fu構成では最少4本であり、2気室Fu,Fu
構成の実数は少なくとも2本である。
【0067】
【各実施例共通の別態様(2サイクル態様)】上記何れ
の実施例も4行程サイクル機関として作動させるもので
あるが、その各実施例における共通の別態様として、2
行程サイクル機関に構成して作動させることが可能であ
り、その2行程サイクル機関には従来機関のクランク室
圧縮型、及び掃気ポンプ付きに相当する何れの形態も許
容する。例えば図21(イ)に示す形態は、ポンプ側と
パワー側気室Pu,Woを繋ぐ連通孔Sc内に図22
(a),(b)に示すようなバルブVaの装着はあって
も2気室Fu,Fu1対組はクランク室圧縮型2サイク
ル機関に対置される。
【0068】即ち、その2気室Fu,Fuの1対組は、
一方の気室Fuをポンプ気室Puとして作動媒体の給気
充填と圧縮行程をさせ、もう一方の気室Fuをワーキン
グのパワー気室Woとして作動媒体の燃焼に伴う膨張圧
力を受圧させるが、ポンプ、パワー気室Pu,Wo間を
連絡する往復ピストン機関の掃気孔に相当する連通孔S
cがハウジング隔壁12を貫通して設けられ、且つその
連通孔Sc内部に面して点火具IgとバルブVaを挿着
し、連通孔Scを燃焼室として構成する。つまり、ポン
プ気室Puに吸入された作動媒体は、圧縮行程の中期以
後にポンプ気室Pu側のバルブVaが開いて燃焼室に移
動し、圧縮行程の終了と同時にそのポンプ気室Pu側の
バルブVaが閉じて燃焼室に圧縮気として充填される
が、その充填圧縮気は既に燃焼室挿着の点火具Igによ
って点火され、その時パワー気室Wo側のバルブVaは
既に開放されているから、作動媒体の燃焼と共に燃焼ガ
スは排気行程を終了しているパワー気室Woに移動す
る。
【0069】このポンプ、パワー気室Pu,Woから構
成される2サイクル機関の態様は、図8,12と図1
6,17の各(a),(b)に示す気室A,Bをパワー
側気室Woとすれば気室C,Dがポンプ側気室Puであ
り、気室A,Dがパワー側気室Woである時に気室B,
Cがポンプ側気室Puであり、又は気室A,Cがパワー
側気室Woであれば気室B,Dはポンプ側気室Puであ
るが、その何れにおいてもパワー、ポンプ気室Wo,P
uが逆の組合わせになり得る。また、図10,11と図
14,15に示す二つの気室Fu,Fuにおいても、何
れか一方がパワー気室Woとすれば他方がポンプ気室P
uであるが、その何れの組合せにおいても、ポンプ側気
室PuにはバルブVa付きの吸気孔Inを取付けてパワ
ー側気室WoにもバルブVa付きの排気孔Exを取付
け、且つポンプ、パワー気室Pu,Wo間に互いを連通
する連通孔Scとその連通孔Scを開閉するバルブ装置
Vaとを設けて燃焼室に面して点火具Igを挿着する。
【0070】
【実施例1とその他の実施例共通の別態様(2サイクル
態様)】上記実施例1と上記その他の実施例において、
例えば図21(イ),(ロ)に示すように上記実施例1
におけるZ軸23の各軸板24が揺動ピストン30の揺
動範囲を越える差し渡しの凹面板であり、その凹面部分
が櫛形状空間Fuの形成面であると共に、その櫛形状空
間Fuが4気室A,B,C,Dから構成される場合で
は、その櫛形状空間Fuに面する各軸板24の縁部近く
にポンプ、パワー気室Pu,Woに合致する吸、排気孔
In,Exの何れかの軸板孔29を穿設し、且つその軸
板孔29の回転円周上のハウジング10壁にもハウジン
グ10壁を貫く周回分の連続した孔、若しくは溝状の孔
を開口しておく。
【0071】つまり、揺動ピストン30における±θ角
度分の揺動は、揺動ピストン30が半月状作動室Haの
最下端位置から最上端への移動か、又はその逆向きの移
動であるが、それはZ軸23の半回転分の回転に相当し
て1行程分に相当するから、軸板孔29をY軸線上のZ
軸23軸頸軸線とX軸線上の連結棒26軸線との双方を
通る平面とY軸線とに直交する直線を穿孔の基準軸線と
して軸板24の縁部近くに開口させれば、その軸板孔2
9は軸板24の半回転につき一つの気室Fu空間上を通
過する。即ち、気室A,B,C,Dの各々には、その各
々に与する軸板24の半回転毎にハウジング10外部と
連通する軸板孔29が出没することになり、その1回転
毎に各気室A,B,C,Dの空間は開放と閉鎖とを組と
して繰り返し、その開放と閉鎖の行程を吸気と圧縮の行
程か、又は膨張と排気との行程として各半月状作動室H
a毎に分担させると共に、互いの半月状作動室Ha,H
aの適合する一つずつの櫛形状空間Fu−Fu、Fu−
Fuを繋ぐ前記連通孔Sc,Scを図22(a),
(b)に示すように燃焼室として作動させてもよい。
【0072】
【作動原理】本発明において、定位軸線のY軸線上にあ
るZ軸23の回転は、球心Oを回転の中心としてY軸線
を回転軸とする歳差軸線が与えられたX軸線上の連結棒
26をY軸線に対して常に角度θを保持したままの円錐
軌跡上を回転させる。その上、球心Oに位置する連結棒
26の回転中心部にその連結棒26を回転軸として外嵌
させた枢結子88がM軸線を連結軸とする揺動ピストン
30のピストン枢35に枢結しているから、連結棒26
の円錐軌跡上の回転に伴って揺動ピストン30もその円
錐軌跡を得べく方向の運動をするが、この揺動ピストン
30はピストン中間軸33両端の点Ka、点Kb側がハ
ウジング10壁の固定部分に支持されていて交差割線K
を軸とする回動のみ可能に拘束される。
【0073】結局、揺動ピストン30はZ軸23の回転
に伴う回転運動はしないが、Z軸23の半回転につきS
円面上のハウジング隔壁12の壁面を擺動の対向面とし
て±θ角度の範囲を擺動する。その時、Z軸23の連結
棒26は軸承される両軸頸と一体構造である為に公転と
自転との周期が等しく、偏平な空隙に形成されているピ
ストン通軸孔34内を自らの1回転につき球心Oに位置
するピストン枢35が支点となって偏平方向に1往復の
揺動をすると同時に、十字に交差する二つの連結軸線の
一方を連結棒26に、他方をピストン枢35に連結して
球心Oに拠点を置く枢結子88はその球心Oにおいて公
転のみの円錐運動をする。
【0074】また、本発明の球形のZ軸ピストン機関
は、前述したように2サイクル機関に構成して作動させ
ることも可能であるが、本来4ストローク往復ピストン
機関と同じように確実な吸気行程、圧縮行程、膨張行
程、及び排気行程を有する4サイクル機関に構成して作
動させても何ら差し支えがない。次に、その4行程サイ
クル機関としての本発明の球形のZ軸ピストン機関にお
ける作動を説明する。
【0075】その前に、従来の往復ピストン機関におけ
る動作流体である混合気の燃焼と吸気と排気とについて
述べると、混合気の燃焼にはある時間を必要とし、定積
燃焼が出来ない為にピストンの上死点よりもかなり前に
点火するが、一般には最高圧力が上死点後12度(クラ
ンク回転角)あたりにくるようにして点火すると、この
原因による仕事損失が最小になる。つまり、通常は上死
点前30度付近で点火され、すぐには燃焼せずに着火待
ち時間があって上死点前15度付近で燃焼が開始され、
それから気筒内圧力が急激に上昇し始め、上死点後10
度ほどで燃焼が終了して最高圧力となるが、その燃焼開
始の上死点前15度付近の回転角位置を(A)として燃
焼終了の上死点後10度付近の位置を(B)とした時の
(A),(B)間の中央が上死点となるように点火進角
を合わせると最高出力になる。また、燃焼ガスの排出に
もある時間を必要とし、下死点まで膨張を続けてから排
気弁を開いたのでは排気噴き出しによって気筒内圧力が
十分に低下する余裕がなく排気行程に負の仕事をさせる
ことになり、そこで下死点よりもかなり前に排気弁を開
き、排気噴き出しによって気筒内圧力を大気圧力に近付
くまで落して排気行程に移るほうがよく、吸気において
も高速の吸入空気流動の慣性を考慮して吸気弁の閉まる
時期を下死点よりもかなり(クランク回転角において数
十度)遅らせてある。即ちバルブ開閉のバルブタイミン
グにおいて、吸気バルブは上死点のかなり前で開いて下
死点のかなり後で閉じ、同様に排気バルブも下死点のか
なり前で開いて上死点のかなり後で閉じるから、吸、排
気バルブの作用角は上死点において大きくオーバーラッ
プする。
【0076】しかし、本発明の球形のZ軸ピストン機関
における1サイクル四つの行程は、便宜上回転角0度か
ら吸入作用に入って180度で吸気行程が終了し、36
0度で圧縮行程が終了するものとし、且つその時に点火
されて回転角540度で膨張行程が終了し、720度に
おいて排気行程が終了するものとする。従って、作動室
Fu空間の最小から最大、又はその逆の最大から最小へ
の容積変化がZ軸23の回転角にして180度毎に行わ
れ、吸気行程から排気行程までの全作動は4ストローク
の往復ピストン機関と同様に720度回転角、即ちZ軸
23の2回転の間に行われる。
【0077】まず、揺動ピストン30の擺動に伴って各
気室A,B,C,Dに生じる容積変化を上記実施例1の
構成を例として図23に基づき詳しく説明する。両側の
半月状の空間Ha,Ha内に揺動ピストン30の円形状
板を組込むと、ハウジング10の内壁面を含むかする各
軸板24の内側凹面とハウジング隔壁12の壁面とピス
トン中間軸33の軸柱面を含む揺動ピストン30の各弓
形面31とに囲われた二つずつの櫛形状空間をなす気室
A,B,C,Dが形成されるが、その同一半月状作動室
Ha内の2気室A,Bか、又はC,Dは、何れも揺動ピ
ストン30の擺動に伴って互いが反比例に体積を増減さ
せる。
【0078】つまり、ハウジング隔壁12によってダブ
ルエンドに構成された各半月状作動室Ha内に半円分ず
つがダブルエンドのピストンに相当する揺動ピストン3
0を組込めば、その半円分が二つの気室A,B、又は
C,Dの一方を拡張して体積を増加させると反対側の空
間は収縮して体積を減少させる。また、二つの半月状空
間Ha,Haの体積を等しく、且つ揺動ピストン30の
半円分ずつも同一容積に形成すれば、4気室A,B,
C,Dの行程体積は等しく同じ側のハウジング隔壁12
を挟む2気室A,D、又はB,Cの互いも反比例に体積
を変化させて作動し、対称位置にある2気室A,C、又
はB,Dは互いの体積が常に等しい正比例の関係を有し
て増減する。
【0079】結局、櫛形状の空間からなる気室Fuの形
成は、相対する揺動ピストン30の弓形面31とハウジ
ング隔壁12の壁面との二つの板面の間隙であり、その
互いの板面の離合によって生ずる間隙の大小が気室空間
の増減である。従って、互いに与する揺動ピストン30
の弓形面31とハウジング隔壁12の壁面の接近は、そ
の両面間に形成される間隙の収縮であり、その間隙が形
成する気室体積の減少であって往復ピストン機関におけ
るピストンが下死点から上死点に向かう過程の作動に相
当し、反対に揺動ピストン30の弓形面31とハウジン
グ隔壁12の壁面の離反は、その両面間に形成される間
隙の拡張であると共に、その間隙が形成する気室体積の
増加であって往復ピストン機関におけるピストンが上死
点から下死点への移動過程に相当する。
【0080】いま図23(a)において、気室Aとその
気室Aの対称位置にある気室Cは、互いが気室間隙を収
縮させていて気室体積も最小であり、また揺動ピストン
30の同一面を気室Aと共に挟む気室Bとハウジング隔
壁12の同一面を気室Aと共に挟む気室Dは、共に気室
間隙を最大に拡張させた行程体積分を持っているが、Z
軸23に矢印方向の回転を与えれば、図(a)から
(b),(c),(d)の順に気室A,Cの二つの気室
間隙を押し広げてその体積を増加させ、反対に気室B,
Dを構成する揺動ピストン30とハウジング隔壁12と
の両板面が近付いて互いの気室間隙を収縮させ、その気
室体積を減少させる。
【0081】つまり、図23(a)におけるZ軸23が
矢印方向に90度分を回転すると、図示はしないが揺動
ピストン30はZ軸23に対して水平位置になり、気室
A,B,C,Dの体積変化が中位になって4気室の体積
は等量になるが、図(c)の方向に向かう程、気室A,
Cの両気室間隙は更に広がって気室体積を拡大させ、反
対に気室B,Dの両気室体積を更に縮小させて図(d)
に至る。ここまでにZ軸23は180度分である半回転
を行っており、揺動ピストン30を右上がりから右下が
りの体勢に変化させると共に、気室Aは気室Cと同様に
行程体積分の最大体積を有し、反対に気室B,Dは何れ
も最大容積から最小容積へ変換されて気室空間を収縮さ
せる。
【0082】更に、図(d)における気室A,Cの双方
が最小容積、気室B,Dが共に最大容積になるまでZ軸
23に矢印方向の回転を加えれば、図(e)と(f)を
経て再び図(a)に戻るが、それまでにZ軸23は36
0度分である1回転を行って各気室A,B,C,Dが二
つずつの行程を完了させる。従って、図(a)乃至
(f)に示す上述の作動を繰り返して行えば4行程サイ
クルの継続が可能であるが、それには各気室A,B,
C,Dに供給する給気と排出される廃気との作動媒体の
流出入が必要である。
【0083】即ち、各気室A,B,C,Dの吸、排気時
に見合う適位置のハウジング10壁に作動媒体の流路孔
In,Exを取付け、更にその流路孔In,Ex上にバ
ルブ装置Vaを設けて気室A,B,C,Dの各行程の進
行に伴って適宜開閉する。つまり、各気室A,B,C,
Dの吸気行程時には、その気室における排気孔Exの弁
Vaを閉じて吸気孔Inの弁Vaを開け、排気行程時に
は吸気孔Inの弁Vaを閉じて排気孔Exの弁Vaを開
け、而も各気室A,B,C,Dの体積が最小になる上死
点辺りの燃焼室内を窺うハウジング10壁に点火具Ig
を挿着しておき、各気室A,B,C,Dの圧縮行程が最
大に達する付近で作動媒体に点火、燃焼させて内燃ピス
トン機関における給気の吸入と圧縮、圧縮気の燃焼と膨
張、廃気排出の各行程を成立させるものである。
【0084】
【行程の進行】更に作動原理として、各気室A,B,
C,Dの各々が次々と行う各行程の作動と進行を上記実
施例1の構成を例に図24に基づき説明する。尚この図
24は、Z軸23の半回転における揺動ピストン30の
作動と各気室A,B,C,Dの体積変化を示すものであ
るが、その中で吸、排気孔In,Exは各気室A,B,
C,Dの体積変化に呼応して適宜、動作流体を流出入す
べく弁Vaによって開閉されるものとして図示しない。
【0085】図24(イ)において、いま気室Aは揺動
ピストン30が上死点位置の空隙容積に相当する最小体
積時であり、廃気排出の終了と共に吸気孔Inが開けら
れた給気の開始時であるが、気室Bは行程体積いっぱい
まで拡張した膨張行程の終息時であって排気孔Exが開
放された燃焼ガスの排出開始時である。その時、気室
C,Dにおいては吸、排気孔In,Exが共に閉じられ
ていて、気室Dは気室空間を拡張させた最大の容積を有
して吸気行程を終了し、気室Cは気室空間が最小に収縮
した圧縮行程の最大時にあって作動媒体が既に点火され
た膨張行程開始の回転角位置である。
【0086】その気室Cにおける膨張行程は、その燃焼
圧力が気室Cを形成する揺動ピストン30の弓形面31
とハウジング隔壁12面との両面間を押し広げると同時
に、直ぐ前に膨張行程を終了させた気室Bに換わってZ
軸23に回転力を与えるが、その回転力は気室Cの間隙
の広がりに伴って図24における(イ)から(ロ),
(ハ)の順に示すように気室Aの気室空間を拡張させる
と共に、気室B,Dの両気室間隙を収縮させるように作
用する。結局、図24(イ)から(ロ)を経て(ハ)に
至ってZ軸23が180度分を回転し、気室A,B,
C,Dの各々が何れの行程も重複しない1行程分ずつを
終了させる。
【0087】[吸気行程(1)〜(3)]図24におい
て、(1)の状態は気室Fu容積が最小であって往復ピ
ストン機関におけるピストンの上死点位置に相当し、
(2)〜(3)とZ軸23の回転と揺動ピストン30の
揺動に伴って気室Fu空間は順次大きくなり、開口した
吸気孔Inから混合気が吸い込まれ、この(3)の状態
になると気室Fu容積は最大となって吸気行程が完了す
るが、この状態は往復ピストン機関におけるピストンの
下死点位置に相当する。 [圧縮行程(4)〜(6)]上記における下死点の位置
を過ぎて(5)〜(6)と混合気が圧縮され、この
(6)の往復ピストン機関における上死点に相当する近
辺まで圧縮された位置で点火具Igによって点火され
る。 [膨張行程(7)〜(9)](7)で点火された混合気
は燃焼し、(8)〜(9)と下死点位置に相当する付近
まで膨張しながら揺動ピストン30を介して枢結子88
と連結棒26を経てZ軸23に回転力を与える。 [排気行程(10)〜(12)]膨張行程終わりの(10)の
下死点位置に相当する付近で排気孔Exが開口し、仕事
行程を終えた燃焼ガスが排出され始めて(12)の上死点
に相当する付近まで排気が続けられる。
【0088】以上のように、各気室A,B,C,Dの各
行程は図24(イ)を出発点として同時進行し、次の
(ロ)を経て(ハ)に至って気室Aが吸気行程、気室B
が排気行程、気室Cが膨張行程、気室Dが圧縮行程を終
了させる。次に、気室Aには圧縮行程をさせて気室Bに
は吸気行程をさせ、気室Cには排気行程、気室Dには膨
張行程をさせるが、以下各気室A,B,C,Dに後続す
るそれぞれの行程を行わせれば、揺動ピストン30が2
往復する間に気室A,B,C,Dの各々はそれぞれに吸
気、圧縮、膨張、及び排気の各行程を完了させると共
に、4気室A,B,C,Dにおいて揺動ピストン30の
2往復間に4回の膨張行程を有することになる。
【0089】
【トルク発生原理】次に、本発明の球形のZ軸ピストン
機関におけるトルク発生の原理を図25に基づいて説明
する。
【0090】本発明において、Z軸23は往復ピストン
機関におけるクランク軸と同様に一様な回転速度で回っ
ていると見なしてもよいが、揺動ピストン30の揺動速
度は往復ピストン機関のピストンと同様に上下の両死点
に相当する近辺では行程途中よりも遅く、特に上下両死
点では速度が零となって運動方向が反転するもので、上
下両死点付近では時間に対する作動室の容積変化が小さ
い。一方、燃焼室内において作動媒体である混合気の燃
焼時間はかなり短く、大まかには燃焼がほぼ定容のもと
に行われ、その燃焼質量の割合に応じた燃焼ガス圧力が
揺動ピストン30弓形面31に作用して揺動ピストン3
0に力を及ぼす。そして、更にZ軸23が回転をすると
揺動ピストン30は膨張する燃焼ガスの圧力による力を
受けつつその力の方向に運動をするから、この力が仕事
をしてZ軸23の回転という形で機械エネルギーに変換
される。
【0091】従って、本発明の球形のZ軸ピストン機関
におけるトルク発生は往復ピストン機関と同様に考える
ことが出来る。即ち、ピストン中間軸33の軸柱面を含
む揺動ピストン30の弓形面31に加わるガス圧力Pg
は、球面GにX,Y軸線が接するZ軸23の軸頸と軸腕
25、又は軸板24との結合部の点Qと、連結棒26と
軸腕25、又は軸板24との結合部の点Pとの2点間
(軸腕25長)を半径長とした円周において、その円周
の接線方向に作用する切線力FtとZ軸23のジャーナ
ル軸受荷重として作用するPbとに分けて考えることが
出来る。
【0092】つまり、揺動ピストン30において交差割
線Kの両端(点Ka,Kb)にある蝶番関節50の蝶番
ピン51,51が往復ピストン機関におけるピストンピ
ンに相当するが、X軸線上のM軸線を連結軸とするピン
継手関節55の枢結子88とピストン枢35とが往復ピ
ストン機関のクランクピンに相当し、Y軸線上にあるZ
軸23軸頸の点Qが往復ピストン機関のクランク回転中
心に相当する。結局、Z軸23におけるトルクTは、往
復ピストン機関のクランクピン、クランク半径(e)に
相当するZ軸23の点Pと点Q間をeとすれば、T=F
t・eで示される。
【0093】
【出力計算】従って、本発明の球形のZ軸ピストン機関
における出力Neは、次式によって計算される。 Ne=Pme・Vh・z・i/75×60×100 =2・π・T・n/75×60(PS) Ne:軸出力 Pme:正味平均有効圧力 Vh:単室作動容積 (cm3) n:Z軸の回転数 (r.p.m) i:Z軸1回転あたりのサイクル数 z:作動室数 T:トルク (kg/m) 尚、本発明の球形のZ軸ピストン機関における4行程サ
イクル機関の態様ではZ軸23の2回転で1回の膨張行
程のため、i=1/2(2行程サイクル機関の態様では
i=1)である。
【0094】
【発明の効果】従来の往復ピストン機関では、その構造
において円筒シリンダー、ピストン、コネクティングロ
ッド、クランク軸、弁等があって部品の数が多く複雑で
あり、単位出力あたりの機関容積が大きい上に、その作
動において往復運動部分の慣性質量による障害が発生す
ると共に、ピストンはシリンダー内壁にはまってのみ支
持されて定位軸の支持がなく上下摺動の反転時(上端)
にピストンがシリンダー壁を強打して振動、騒音の原因
をなすピストンスラップを発生させる。また、気筒内の
燃焼温度が高い為に浄化困難な窒素酸化物(NOx)の
生成が多い等の欠点がある。
【0095】そのような従来の往復ピストン機関に対
し、本発明の球形のZ軸ピストン機関は上記構成と作用
によるものであり、機関軸をクランク軸からZ状のZ軸
23に置き換えることによって揺動ピストン30の中心
部を枢支すると共に、ピストン中間軸33両端の点K
a、点Kb側も関節連結の軸承部として支持する構造上
の特徴を有するものである。従って、ピストンスラップ
の発生がなく、その運動においても往復動ではなくピス
トン中間軸33軸線の交差割線Kを支点として揺動ピス
トン30の弓形面31を可動端の作用点とする揺動ピス
トン30の擺動である為に、ピストン中間軸33を対称
軸としてシンメトリーに形成される揺動ピストン30で
は慣性質量、慣性偶力が共に容易に排除可能である。
【0096】そのピストンの往復加速運動による慣性力
の解決と軸対称ピストンの揺動は、機関の回転数を変化
させることが容易であり、慣性モーメントが小さく機関
の過渡特性に優れて追従性がよく、平均ピストンスピー
ドの上限を押し上げて機関の使用回転範囲を広げる。つ
まり、機関の高速回転を意味するから高出力が実現し、
高回転をするほどにPS/lの比出力も増大して必然的
に燃費性能も向上する。また、外部殻のハウジング10
を球形、球面を基本構造とするもので機関内部の受圧・
加圧に係わる部分も球体の大円を含むダブルエンドに形
成される。
【0097】即ち、立体形において最大の容積と最小表
面積からなる球形を基本構造とすることにより、球体内
に4気筒分が集約されて機関体積に対する行程容積の占
める割合が著しく大きく、極めて軽量コンパクトであ
り、球体の機関本体は熱変形や応力、衝撃荷重に強く堅
牢である。尚、揺動ピストン30とZ軸23との組合わ
せから構成する主要部品の各々がシンプルであり、部品
数が少ないと同時に同一の部品も少なく、機構も簡単平
明で複雑でないから分解、組立て、手入れ等の作業性に
有利であると共に、機構からくる高い製作精度、高い組
立て精度を要求されないから低コストであり、故障しに
くく耐久性に富む。
【0098】更に、球形内に形成される偏平空間の櫛形
状作動室Fuは、容積に対して面積の比が従来の往復ピ
ストン機関より著しく大きい上に、球面の凹面内を作動
室Fu空間が移動すること等から流入空気に乱れと撹拌
が生じ、その為に火炎伝播は進行して完全燃焼が促さ
れ、不完全燃焼による有害なCOの生成や未燃焼のHC
ガスの排出を抑えて高い燃焼効率が得られる。反面、火
炎が接触する燃焼室壁の表面積が大きい為に火炎は常に
燃焼室壁に冷やされて最高燃焼温度が低く抑えられ、高
温で発生する有害排気ガスの窒素酸化物(NOx)が生
成されにくい上に、ノッキング、或はピンキングに代表
される高温による異常燃焼の発生が少ない。
【0099】以上説明したように本発明によれば、従来
の往復ピストン機関とは全く異なった原理に基づく構造
と作動を示すもので、クランクレスを構成するパーツを
球体内に収めたことにより小形軽量と高回転が実現し、
且つ振動と騒音の発生を抑制することが出来た。また、
燃焼状態においては、燃焼室の形状と球面を移動する燃
焼室とから完全燃焼と低い最高温度の燃焼が得られるも
ので、その低い最高温度の燃焼は有害排出ガスである窒
素酸化物(NOx)の発生を低減させるものである。一
方、球体内に集中する燃焼室は、必要な熱の分散を抑え
て高い熱効率の水準が得られるもので大型の冷却装置を
必要としない等の多数の利点を有すると共に、従来の往
復ピストン機関では相矛盾して解決が不可能とされてい
た出力と燃費性能との両立を実現させた高性能の内燃ピ
ストン機関である。
【0100】即ち、本発明の球形のZ軸ピストン機関
は、高出力で優れた燃料経済性を兼ね備え、有害排出ガ
スの生成が少なく、部品組成に難解さがなく簡単平明で
あり、部品数が少なく、複雑でなく、取り扱い易く、ま
たその単純さ故に製造コストが大幅に低く安価であると
共に、耐久品であり、軽量コンパクトであり、静粛機関
である等の多数の優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す基準図形の一部縦断斜視
図。
【図2】基準図形の角度変化を示す斜視図。
【図3】基準図形の角度変化を示す斜視図。
【図4】基準図形の角度変化を示す斜視図。
【図5】基準図形の角度変化を示す斜視図。
【図6】本発明の解決手段1におけるZ軸と枢結子の転
回過程を示す(アa)(イa)(ウa)(エa)(オ
a)の各展開斜視図と、同(アb)(イb)(ウb)
(エb)(オb)の各展開側面図。
【図7】本発明の解決手段2におけるZ軸と枢結子の転
回過程を示す(アa)(イa)(ウa)(エa)(オ
a)の各展開斜視図と、同(アb)(イb)(ウb)
(エb)(オb)の各展開側面図。
【図8】本発明の実施例1を示す一部縦断側面図。
【図9】図8の一部断面分解斜視図。
【図10】本発明の実施例2を示す一部縦断側面図。
【図11】本発明の実施例3を示す一部縦断側面図。
【図12】本発明の実施例4を示す一部縦断側面図。
【図13】図12の一部断面分解斜視図。
【図14】本発明の実施例5を示す一部縦断側面図。
【図15】本発明の実施例6を示す一部縦断側面図。
【図16】実施例2、又は実施例5の構成成分を2組連
結した態様を示す(a)(b)の各一部縦断側面図。
【図17】実施例3、又は実施例6の構成成分を2組連
結した態様を示す(a)(b)の各一部縦断側面図。
【図18】本発明における枢結子の各種態様を示す
(あ)(い)(う)(え)(お)の各斜視図。
【図19】本発明の各実施例における吸、排気孔と弁、
及び点火具取り付けの例を示す一部縦断側面図。
【図20】本発明の各種実施例に取付ける環バルブの例
を示す一部縦断側面図。
【図21】その他の実施例における2サイクル態様を示
す(イ)の一部縦断側面図と、(ロ)の軸板を示す側面
図。
【図22】図21の連通孔の態様を示す(a)(b)の
各断面部分図。
【図23】本発明における各気室の容積変化を示す
(a)(b)(c)(d)(e)(f)の各一部縦断側
面図。
【図24】本発明における各気室の1行程分(180
度)の進行過程を示す(イ)(ロ)(ハ)の各一部縦断
側面図。
【図25】本発明におけるトルク発生の原理を示す一部
縦断正面図。
【符号の説明】
G 球面 O 球面Gの球心 r 球面Gの半径 X X軸線(Z軸の連結棒取付け軸線) Y Y軸線(Z軸取付け軸線、S円面の形成軸線) M M軸線(X軸線の垂直軸線、ピン継手関節の連結
軸線) R R円面(X軸線上の水平平面) S S円面(Y軸線の垂直平面) K K軸線(R円面とS円面との交差割線) Ka K軸線の端点(K軸線両端の一方の点) Kb K軸線の端点(K軸線両端のもう一方の点) P X軸線上の点(X軸線が球面Gに交わる点) Q Y軸線上の点(Y軸線が球面Gに交わる点) θ θ角度(X軸線とY軸線との鋭角側の交差角度) Ha 半月状作動室 Fu 櫛形状作動室 In 吸気孔 Ex 排気孔 Ig 点火具(燃料噴射弁) Va 弁、バルブ A 空間A、気室A、櫛形状作動室A B 空間B、気室B、櫛形状作動室B C 空間C、気室C、櫛形状作動室C D 空間D、気室D、櫛形状作動室D Sc 連通孔(掃気孔) Pu ポンプ気室 Wo パワー気室 10 ハウジング 11 凹面内壁 12 ハウジング隔壁 13 主軸受 15 軸板室 16 軸腕室 17 隔壁窓 18 隔壁窓の弦側面 23 Z軸 24 Z軸の軸板 25 Z軸の軸腕 26 Z軸の連結棒 29 軸板孔 30 揺動ピストン 31 揺動ピストンの弓形面 32 揺動ピストンの球弧面 33 ピストン中間軸 34 ピストン通軸孔 35 ピストン枢 50 蝶番関節 51 蝶番ピン 52 蝶番ピン受 55 ピン継手関節 88 枢結子

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 球心(O)から半径(r)の球面(G)
    を有するハウジング(10)において、角度(θ)をな
    して球心(O)で交差する二つの直線を軸線(X)軸線
    (Y)としその軸線(X)に球心(O)において直交す
    る軸直線を軸線(M)としその軸線(M)を垂線として
    球面(G)内の軸線(X)上に形成される大円平面を円
    面(R)とし且つ軸線(Y)を鉛直軸線として球面
    (G)内に球心(O)を通って形成される大円平面を円
    面(S)としその円面(R)と円面(S)とが交差する
    球心(O)上の交差割線を軸線(K)としその交差割線
    (K)の両端を点(Ka)点(Kb)とし、 そのように点線面の各関係を設定したハウジング(1
    0)内の円面(S)上が球面(G)のハウジング(1
    0)内壁面と一体化するハウジング隔壁(12)として
    交差割線(K)上に窓状空隙の隔壁窓(17)を有する
    平面状壁に形成され且つ軸線(Y)上のハウジング(1
    0)対向内壁の各々を軸板室(15)として円形凹みに
    形成すると共にその両軸板室(15)の側壁中心を貫く
    軸受円孔の主軸受(13)を設け、 その両主軸受(13)には互いの外側面中心に柄状の軸
    柱を固着させて互いの内側凹面を対面させ且つ軸板室
    (15)の各々に回転可能に嵌合する凹面円形板からな
    る軸板(24)の各々を軸線(X)上の連結棒(26)
    が掛け渡してZ状に形成したZ軸(23)の両側軸頸を
    軸承させ尚その連結棒(26)の球心(O)部分に軸線
    (M)を関節の基軸線とするピン継手関節(55)の円
    形素子からなる枢結子(88)を軸線(X)を回転軸と
    して外嵌させ、 円面(R)上には球面(G)に回転可能に接する外周面
    の球弧面(32)とその球弧面(32)の弓形輪郭平面
    をなして軸線(K)側を弦とする弓形面(31)とを有
    し且つその弓形面(31)の弦側に円柱状のピストン中
    間軸(33)を合体させた略板状の揺動ピストン(3
    0)を設けこの揺動ピストン(30)のピストン中間軸
    (33)の母線方向を前記ハウジング隔壁(12)の隔
    壁窓(17)に回動自由な摺接関係に嵌め込み、 この揺動ピストン(30)には前記Z軸(23)の連結
    棒(26)を遊挿させるピストン通軸孔(34)を球弧
    面(32)に開口させそのピストン通軸孔(34)のピ
    ストン中間軸(33)内中央に円形空隙部分のピストン
    枢(35)を有して前記枢結子(88)に軸線(X)上
    の連結棒(26)を基軸として角度(±θ)範囲を揺動
    可能に枢着し且つピストン中間軸(33)両端の前記点
    (Ka)点(Kb)側に交差割線(K)を連結軸とする
    蝶番関節(50)の蝶番ピン(51)又は蝶番ピン受
    (52)の何れかの連結素子を設け、 また交差割線(K)の両端にあたる前記隔壁窓(17)
    の対向両壁の各々に前記蝶番関節(50)素子に対応す
    る連結素子を設けて嵌合させると前記ハウジング隔壁
    (12)に揺動ピストン(30)が交差割線(K)を蝶
    着の軸として角度(±θ)範囲を擺動可能に連結し、 すると円面(S)上のハウジング隔壁(12)がハウジ
    ング(10)内の球面(G)をなす凹面を閉鎖して半球
    状の空間からなる半月状作動室(Ha)を形成し且つそ
    の半月状作動室(Ha)を円面(R)上の揺動ピストン
    (30)が櫛形状空間の櫛形状作動室(Fu)に形成
    し、 更にその櫛形状作動室(Fu)に臨ませて吸気孔(I
    n)と排気孔(Ex)とその出入孔を開閉するバルブ装
    置(Va)とを設け且つ燃焼室を窺って点火具(Ig)
    或は燃料噴射弁を挿着したことを特徴とする球形のZ軸
    ピストン機関。
  2. 【請求項2】 球心(O)から半径(r)を有して球面
    (G)をなす内壁面に形成したハウジング(10)にお
    いて、角度(θ)をなして球心(O)で交差する二つの
    直線を軸線(X)軸線(Y)としその軸線(X)に球心
    (O)において直交する軸直線を軸線(M)としその軸
    線(M)を垂線として球面(G)内の軸線(X)上に形
    成される大円平面を円面(R)とし且つ軸線(Y)を鉛
    直軸線として球面(G)内に球心(O)を通って形成さ
    れる大円平面を円面(S)としその円面(R)と円面
    (S)とが交差する球心(O)上の交差割線を軸線
    (K)としその交差割線(K)の両端を点(Ka)点
    (Kb)とし、 そのように点線面の各関係を設定したハウジング(1
    0)内の円面(S)上が球面(G)のハウジング(1
    0)内壁面と一体化するハウジング隔壁(12)として
    交差割線(K)上に窓状空隙の隔壁窓(17)を有する
    平面状壁に形成され且つ軸線(Y)上のハウジング(1
    0)の対向両壁を貫く軸受円孔の主軸受(13)を設
    け、 その両主軸受(13)には互いの外側面端部に柄状の軸
    柱を固着させた任意形状の腕の部分からなる軸腕(2
    5)の各々を軸線(X)上の連結棒(26)が掛け渡し
    てZ状をなすZ軸(23)の両側軸頸を軸承させ尚その
    連結棒(26)の球心(O)部分に軸線(M)を関節の
    基軸線とするピン継手関節(55)の円形素子からなる
    枢結子(88)を軸線(X)を回転軸として外嵌させ、 円面(R)上には球面(G)をなすハウジング(10)
    の内壁面に回転可能に接する外周面の球弧面(32)と
    その球弧面(32)の弓形輪郭平面をなして軸線(K)
    側を弦とする弓形面(31)とを有し且つその弓形面
    (31)の弦側に円柱状のピストン中間軸(33)を合
    体させた略板状の揺動ピストン(30)を設けこの揺動
    ピストン(30)のピストン中間軸(33)の母線方向
    を前記ハウジング隔壁(12)の隔壁窓(17)に回動
    自由な摺接関係に嵌め込み、 この揺動ピストン(30)には前記Z軸(23)の連結
    棒(26)と軸腕(25)とを遊挿させるピストン通軸
    孔(34)を球弧面(32)に開口させそのピストン通
    軸孔(34)のピストン中間軸(33)内中央に円形空
    隙部分のピストン枢(35)を有して前記枢結子(8
    8)に軸線(X)上の連結棒(26)を基軸として角度
    (±θ)範囲を揺動可能に枢結し且つピストン中間軸
    (33)両端の前記点(Ka)点(Kb)側に交差割線
    (K)を連結軸とする蝶番関節(50)の蝶番ピン(5
    1)又は蝶番ピン受(52)の何れかの連結素子を設
    け、 また交差割線(K)の両端にあたる前記隔壁窓(17)
    の対向両壁の各々に前記蝶番関節(50)素子に対応す
    る連結素子を設けて嵌合させると前記ハウジング隔壁
    (12)に揺動ピストン(30)が交差割線(K)を蝶
    着の軸として角度(±θ)範囲を擺動可能に連結し、 すると円面(S)上のハウジング隔壁(12)がハウジ
    ング(10)の球面(G)をなす凹面内壁(11)を閉
    鎖して半球状の空間からなる半月状作動室(Ha)を形
    成し且つその半月状作動室(Ha)を円面(R)上の揺
    動ピストン(30)が櫛形状空間の櫛形状作動室(F
    u)に形成し、 更にその櫛形状作動室(Fu)に臨ませて吸気孔(I
    n)と排気孔(Ex)とその出入孔を開閉するバルブ装
    置(Va)とを設け且つ燃焼室を窺って点火具(Ig)
    或は燃料噴射弁を挿着したことを特徴とする球形のZ軸
    ピストン機関。
  3. 【請求項3】 前記ハウジング隔壁(12)は軸線
    (K)を挟む円面(S)上の両側に弦側面(18),
    (18)を対面させた半円より小さい弓形板の二つが互
    いの弓形輪郭面をハウジング(10)内壁面に結合させ
    て軸線(K)上を矩形に突き抜けた前記隔壁窓(17)
    を有し、 円面(R)上には前記球弧面(32)と表裏の前記弓形
    面(31),(31)とその弓形面(31),(31)
    の弓形弦が挟持する弦側面とから形成された半円より小
    さい半月状板の二つを軸線(K)を挟んで互いの弦側面
    を対面させて対称配置し且つその対面する弦側面に前記
    ピストン中間軸(33)を介在合体させて略円形板に形
    成した前記揺動ピストン(30)を配置し、 すると円面(S)上のハウジング隔壁(12)面とハウ
    ジング(10)内の凹面とで囲われた二つの前記半月状
    作動室(Ha),(Ha)が形成され且つその半月状作
    動室(Ha),(Ha)の各々を円面(R)上の揺動ピ
    ストン(30)が二つずつの前記櫛形状作動室(F
    u),(Fu)、(Fu),(Fu)に形成する請求項
    1又は請求項2記載の球形のZ軸ピストン機関。
  4. 【請求項4】 前記ハウジング隔壁(12)は軸線
    (K)を挟む円面(S)上の何れか一方側に半円より小
    さい弓形板が弓形輪郭面をハウジング(10)内壁面に
    結合させて弦側面(18)を辺とする弓形優弧形の前記
    隔壁窓(17)を有し、 円面(R)上には円面(S)を跨ぐ範囲の半球面より大
    きい前記球弧面(32)と軸線(K)を挟んだ両側に前
    記弓形面(31),(31)とを有し且つその両弓形面
    (31),(31)の弓形弦間に前記ピストン中間軸
    (33)を半埋い込み状に介在合体させて半球状の略円
    形板に形成した前記揺動ピストン(30)を配置し、 すると円面(S)上のハウジング隔壁(12)面とハウ
    ジング(10)内の凹面とで囲われた二つの前記半月状
    作動室(Ha),(Ha)が形成され且つその半月状作
    動室(Ha),(Ha)の各々をR円面上の揺動ピスト
    ン(30)が前記櫛形状作動室(Fu),(Fu)に形
    成する請求項1又は請求項2記載の球形のZ軸ピストン
    機関。
  5. 【請求項5】 前記ハウジング隔壁(12)は円面
    (S)を挟む両側の何れか一方側を塞いでハウジング
    (10)の内部空間を半球状にすると共に軸線(K)上
    に溝状の半円柱形凹み部分の前記隔壁窓(17)を有
    し、 円面(R)上には前記球弧面(32)と表裏の前記弓形
    面(31),(31)とその弓形面(31),(31)
    の弓形弦が挟持する弦側面とから形成された半円より小
    さい半月状板が弦側面に前記ピストン中間軸(33)を
    合体させて略半円板に形成した前記揺動ピストン(3
    0)を配置し、 すると円面(S)上のハウジング隔壁(12)面とハウ
    ジング(10)内の凹面とで囲われた前記半月状作動室
    (Ha)が形成され且つその半月状作動室(Ha)を円
    面(R)上の揺動ピストン(30)が二つの前記櫛形状
    作動室(Fu),(Fu)に形成する請求項1又は請求
    項2記載の球形のZ軸ピストン機関。
JP2000174279A 2000-06-09 2000-06-09 球形のz軸ピストン機関 Pending JP2001355403A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000174279A JP2001355403A (ja) 2000-06-09 2000-06-09 球形のz軸ピストン機関

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000174279A JP2001355403A (ja) 2000-06-09 2000-06-09 球形のz軸ピストン機関

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001355403A true JP2001355403A (ja) 2001-12-26

Family

ID=18676353

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000174279A Pending JP2001355403A (ja) 2000-06-09 2000-06-09 球形のz軸ピストン機関

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001355403A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009523950A (ja) * 2006-01-17 2009-06-25 ステード,クリスチアーン,フィリップス フォン 振動ピストンとその変換機構
CN102297018A (zh) * 2011-07-24 2011-12-28 王震 旋转发动机

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009523950A (ja) * 2006-01-17 2009-06-25 ステード,クリスチアーン,フィリップス フォン 振動ピストンとその変換機構
JP4908521B2 (ja) * 2006-01-17 2012-04-04 ステード,クリスチアーン,フィリップス フォン 振動ピストンとその変換機構
CN102297018A (zh) * 2011-07-24 2011-12-28 王震 旋转发动机

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02112627A (ja) クランク無しの往復運動機械
KR900006248B1 (ko) 내연기관 또는 공기압축기에 있어서의 운동변환장치
US4485769A (en) Engine
WO1997045629A1 (fr) Moteur a cycle de conservation d'energie
JP2001355401A (ja) 球形の回転ピストン機関
JP6242909B2 (ja) 非対称ポートタイミングによる内燃機関
CN102003277A (zh) 一种内燃机
JP2018087575A (ja) 多角形振動ピストンエンジン
US8230836B2 (en) Multi-cylinder reciprocating rotary engine
JP2001355403A (ja) 球形のz軸ピストン機関
US5138993A (en) Rotary wavy motion type engine
CN101963093A (zh) 一种旋转活塞式发动机
JPH01134001A (ja) 回転ピストン移動装置
JP3404571B2 (ja) 球形の回転ピストン機関
CN1103403C (zh) 不等容积比滚动转子发动机
JP4326342B2 (ja) 内燃機関
WO2021070199A1 (en) An internal combustion engine
CN102011643A (zh) 一种内燃机
WO2010017778A1 (zh) 一种摇阀转缸式变容机构及其旋转发动机
KR100368119B1 (ko) 축방향 4행정 엔진
KR970001461B1 (ko) 요동피스톤식 내연 기관
CN101586491A (zh) 一种旋转活塞式发动机
RU2651106C2 (ru) Роторный двигатель внутреннего сгорания
CN201269135Y (zh) 一种旋转活塞式发动机
JP2561506Y2 (ja) 内燃機関