JP2001353014A - ハードケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量が嵩む場合であっても運搬に便利なハー
ドケースを提供すること。 【解決手段】 ハードケース１２が重く、取っ手１４１
０を持ってハードケース１２を運ぶことが大変で、舗装
されていないところを運搬する場合には、肩掛けベルト
２４をボックス１８から取り出し、フック２４０２を肩
掛けベルト２４に係合させ、ハードケース１２を背中に
背負えって運搬する。また、舗装されている所で運搬す
る場合には、肩掛けベルト２４をベルト脱着用金具１６
から外してボックス１８内に収容し、軸部２００２を伸
長状させて取っ手２００４をケース本体１４の上方に位
置させ、引き回し用部材２０を使用状態とし、また、輪
体２２０４をケース本体１４の下面の下方に位置させ、
キャスター２２を使用状態とする。そして、輪体２２０
４を転動させつつ取っ手２００４を引き回すことでハー
ドケース１２を運搬する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はビデオカメラなどの
電子機器を運搬する場合に好適なハードケースに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ビデオカメラなどを収容するハードケー
スは、収容物を保護するため、その表面がアルミニウム
合金などの板体で構成されるなど強固な構造となってい
る。この種のハードケースは、ビデオカメラと共に、交
換レンズや、バッテリ、充電器、コード、カセットなど
が同時に収容されるような大きな収容スペースを備えて
いるものが多い。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】したがって、このよう
な大きな収容スペースを有するハードケースに、ビデオ
カメラと共に、交換レンズや、バッテリ、充電器、コー
ド、カセットなどを一式収容した場合には、重量が嵩
み、持ち運びが容易でなくなる。一方、ビジネスケース
や旅行ケースなどでは、ケースの左右側部に予め金具を
設けておき、この金具に吊り下げベルトの両端を連結
し、肩から吊り下げるようにしたものも提供されている
が、このような構成を上記のハードケースに適用した場
合には、重量が嵩むため、長い距離の運搬には適さな
い。また、後付けのキャスターなどが提供されている
が、このようなキャスターはゴム紐などを用いて装着す
る構造となっているため、ハードケースへの装脱作業が
面倒となり、また、非使用時に、キャスター保管用のス
ペースを確保しなければならない不具合がある。本発明
は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目
的は、重量が嵩む場合であっても運搬に便利なハードケ
ースを提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
本発明のハードケースは、少なくとも前面と後面を有す
るケース本体と、前記前面の上部中央と下部左右にそれ
ぞれ設けられたベルト脱着用金具と、前記後面に設けら
れたボックスと、前記ボックスに配設された引き回し用
部材と、前記ボックスに配設されたキャスターと、肩掛
けベルトとを備えている。前記肩掛けベルトは、前記ベ
ルト脱着用金具に係脱可能に結合され、これらベルト脱
着用金具に結合された状態でケース本体を背中に背負え
るように構成されている。前記引き回し用部材は、伸縮
可能な軸部と、この軸部の上端に取着された取っ手から
なり、縮小した状態で前記軸部はその大半が前記ボック
スの内部に収容されると共に、伸長した状態で前記軸部
がボックスの上部から上方に延在して前記取っ手がケー
ス本体の上方に位置するように構成されている。前記キ
ャスターは、前記ボックスの下部から下方に出没可能な
軸部と、この軸部の下端に設けられた輪体からなり、前
記軸部がボックスの下部に没入した状態で前記輪体がケ
ース本体の下面の上方に位置すると共に、前記軸部がボ
ックスの下部から下方に突出した状態で前記輪体がケー
ス本体の下面の下方に位置するように構成されている。
さらに、前記ボックスの内部は、前記ベルト脱着用金具
から取り外された肩掛けベルトを収容できるように構成
されている。

【０００５】本発明によれば、肩掛けベルト、引き回し
用部材、キャスターがハードケースに常時備えられてい
るので、出先において、出先の運搬箇所の状況に応じ
て、背負えって運搬する形態と引き回して運搬する形態
とを選択できるようになる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図１は斜め前方から見たハ
ードケースの斜視図、図２(Ａ)、(Ｂ)は斜め後方から見
たハードケースの斜視図、図３(Ａ)、(Ｂ)はキャスター
部分の説明図である。実施の形態に係るハードケース１
２は、ビデオカメラ用のもので、その内部はビデオカメ
ラと共に、交換レンズや、バッテリ、充電器、コード、
カセットなどが同時に収容される大きさで形成されてい
る。前記ハードケース１２は、ケース本体１４と、ベル
ト脱着用金具１６と、ボックス１８と、引き回し用部材
２０と、キャスター２２と、肩掛けベルト２４を備えて
いる。

【０００７】前記ケース本体１４は、上面が開放された
上端開口を有する長方体形状の本体部１４０２と、本体
部１４０２の上端開口を開閉する蓋部１４０４からな
り、これら本体部１４０２と蓋部１４０４の表面はアル
ミニウム合金などの板体で構成されている。前記本体部
１４０２と蓋部１４０４は、後面側においてヒンジ１４
０６により揺動可能に連結され、前記本体部１４０２の
上端開口を開放した状態で、蓋部１４０４は、本体部１
４０２の後面の上部においてほぼ水平方向に延在するよ
うに構成されている。また、本体部１４０２の前面側に
おいて本体部１４０２の上端と蓋部１４０４にわたり施
錠機構１４０８が設けられ、さらに、蓋部１４０４の上
面には取っ手１４１０が設けられている。

【０００８】前記ベルト脱着用金具１６は、本体部１４
０２の前面の上部中央と下部左右の３箇所にそれぞれ設
けられており、本実施の形態では、ベルト脱着用金具１
６は本体部１４０２に取着されたリングで構成されてい
る。前記肩掛けベルト２４は、ベルト脱着用金具１６に
係脱可能なフック２４０２と、ベルト２４０４とで構成
されている。そして、これら３つのベルト脱着用金具２
４にそれぞれフック２４０２を係合させることで肩掛け
ベルト２４の使用状態が形成され、この状態でベルト２
４０４の二股部２４０６に左右の腕を通して二股部２４
０６を左右の肩の上に載せることで、本体部１４０２の
前面を背中に押し当てた状態でケース本体１４を背中に
背負えるように構成されている。

【０００９】前記ボックス１８は、本体部１４０２の後
面中央に設けられている。前記ボックス１８は、前後方
向に偏平な直方体状に形成され、上面部と下面部と左右
の側面部は、例えば、強度を有する合成樹脂や金属など
で構成され、後面部は布などで構成されている。そし
て、布には開閉可能なファスナー１８０２が設けられ、
ファスナー１８０２を介して前記肩掛けベルト２４をボ
ックス１８の内部に収容でき、また、取り出せるように
構成されている。

【００１０】前記引き回し用部材２０は、前記キャスタ
ー２２を接地させてハードケース１２を引き回す際に用
いるもので、引き回し用部材２０は、伸縮可能な軸部２
００２と、この軸部２００２の上端に取着された取っ手
２００４で構成されている。前記軸部２００４は左右に
間隔をおいて２本設けられ、各軸部２００４は、図３に
示すように、第１軸部２０１１、第２軸部２０１２、第
３軸部２０１３の円筒状の３つの分割体から構成されて
いる。前記ボックス１８の内部の左右に円筒状の軸部材
３０が固定され、前記軸部２００２をボックス１８内に
押し込めた軸部２００２の縮小状態において、図２に示
すように、この軸部材３０に前記第１軸部２０１１が収
容され、第１軸部２０１１の内側に第２軸部２０１２が
収容され、第２軸部２０１２の内側に第１軸部２０１１
が収容され、これにより軸部２００２の大半がボックス
１８内に収容されると共に、取っ手２００４がボックス
１８の上面の直上に位置する非使用状態になるように構
成され、この状態を図２（Ａ）に示す。なお、このよう
に軸部２００２が縮小した状態で、取っ手２００４は、
本体部１４０２の上端開口を開放しほぼ水平方向に延在
する蓋部１４０４の下方に位置している。また、軸部２
００２を引き伸ばした伸長状態で、図２（Ｂ）に示すよ
うに、第１軸部２０１１の下端大径部が軸部材３０の上
端小径部に係止して第１軸部２０１１がボックス１８の
上面から上方に突出し、第２軸部２０１２の下端大径部
が第１軸部２０１１の上端小径部に係止して第２軸部２
０１２が第１軸部２０１１の上方に突出し、第３軸部２
０１３の下端大径部が第２軸部２０１２の上端小径部に
係止して第３軸部２０１３が第２軸部２０１２の上方に
突出し、これにより取っ手２００４がケース本体１４の
上方に位置する使用状態になるように構成されている。

【００１１】前記キャスター２２は、前記軸部材３０の
下部に収容されてボックス１８の下部から下方に出没可
能な軸部２２０２と、この軸部２００２の下端に水平方
向に旋回可能に設けられた輪体２００４(キャスター輪)
とで構成され、輪体２００４はコイルスプリング２００
６によりボックス１８の下面に近づく方向に付勢されて
いる。前記軸部材３０の下部には、上下に延在する第１
溝３０１１と第２溝３０１２とが下部を連通させて形成
され、前記軸部２２０２の上端に設けられた凸部２２０
８がこれら溝３０１１，３０１２に挿入され、凸部２２
０８が第１溝３０１１の上端に係止した状態で、図２
（Ａ）および図３(Ａ)に示すように、輪体２２０４がケ
ース本体１４の下面の上方に位置して輪体２２０４がボ
ックスの下面に近づいたキャスター２２の非使用状態と
なり、凸部２２０８が第２溝３０１２の上端に係止した
状態で、図２（Ｂ）に示すように、輪体２２０４がケー
ス本体１４の下面の下方に位置したキャスター２２の使
用状態となるように構成されている。

【００１２】次に、ハードケース１２の使用形態につい
て説明する。ハードケース１２に収容するものが、例え
ば、ビデオカメラとその他の少量の付属品しかなく、ハ
ードケース１２が軽く、取っ手１４１０を持ってハード
ケース１２を運べる場合には、肩掛けベルト２４をベル
ト脱着用金具１６から外してボックス１８内に収容し、
軸部２００２をボックス１８内に押し込めて引き回し用
部材２０を非使用状態とし、凸部２２０８を第１溝３０
１１の上端に係止させてキャスター２２を非使用状態と
する。これにより、肩掛けベルト２４はなくなり、ま
た、取っ手２００４および輪体２２０４はボックス１８
の上下面にそれぞれ近接するので、これら肩掛けベルト
２４や引き回し用部材２０、キャスター２２が邪魔にな
らず、従来のハードケースと同様に取っ手１４１０を持
って運搬することができる。また、肩掛けベルト２４を
ハードケース１２に付設されたボックス１８内に収容で
きるので、ハードケース１２内部の収容スペースを狭め
ることもなく肩掛けベルト２４を常時携帯でき、必要に
応じて肩掛けベルト２４をいつでも使用できて便利とな
る。

【００１３】また、ハードケース１２に、ビデオカメラ
とその他の多数の付属品を収容し、ハードケース１２が
重くなり、取っ手１４１０を持ってハードケース１２を
運ぶことが大変になる場合には、肩掛けベルト２４を用
いて、あるいは、引き回し用部材２０とキャスター２２
を用いてハードケース１２を運搬することができる。例
えば、舗装されていない山道を歩く場合や階段を上る場
合などには、引き回し用部材２０とキャスター２２を非
使用状態のまま、肩掛けベルト２４をボックス１８から
取り出し、フック２４０２を肩掛けベルト２４に係合さ
せ、ベルト２４０４の二股部２４０６に左右の腕を通
し、二股部２４０６を左右の肩の上に載せ本体部１４０
２の前面を背中に押し当て、このような状態でハードケ
ース１２を背中に背負えって運搬することができる。

【００１４】また、ハードケース１２が重く、取っ手１
４１０を持ってハードケース１２を運ぶことが大変で、
舗装されている所でハードケース１２を運搬する場合に
は、肩掛けベルト２４をベルト脱着用金具１６から外し
てボックス１８内に収容し、引き回し用部材２０を使用
状態とし、また、キャスター２２を使用状態とする。す
なわち、軸部２００２を伸長状させて取っ手２００４を
ケース本体１４の上方に位置させ、また、凸部２２０８
を第２溝３０１２の上端に係止させ輪体２２０４をケー
ス本体１４の下面の下方に位置させる。そして、ハード
ケース１２の後面を進行方向前方の斜め下方に向け、輪
体２２０４を転動させつつ取っ手２００４を引き回すこ
とでハードケース１２を運搬することができる。

【００１５】したがって、本実施の形態によれば、ハー
ドケース１２の重さに応じて、あるいは、運搬箇所の状
況に応じて、取っ手１４１０を持って運搬する形態、肩
掛けベルト２４を用いてハードケース１２を背中に背負
えって運搬する形態、キャスター２２を転動させつつ引
き回し用部材２０でハードケース１２を引き回して運搬
する形態の、３つの形態を選択でき、便利となる。特
に、肩掛けベルト２４、引き回し用部材２０、キャスタ
ー２２がハードケース１２に常時備えられているので、
ハードケース１２が重い場合に、出先において、出先の
運搬箇所の状況に応じて、背負えって運搬する形態と引
き回して運搬する形態とを選択でき、極めて便利とな
る。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明で明らかなように本発明によ
れば、出先において、その出先の運搬箇所の状況に応じ
て、手で持って運搬する形態と、背負えって運搬する形
態と、引き回して運搬する形態とを選択でき、したがっ
て、ハードケースに、ビデオカメラなどの電子機器と共
に、交換レンズや、バッテリ、充電器、コード、カセッ
トなどの付属品を一式収容し、重量が嵩む場合に、便利
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】斜め前方から見たハードケースの斜視図であ
る。

【図２】(Ａ)、(Ｂ)は斜め後方から見たハードケースの
斜視図である。

【図３】(Ａ)、(Ｂ)はキャスター部分の説明図である。

【符号の説明】

１２……ハードケース、１４……ケース本体、１６……
ベルト脱着用金具、１８……ボックス、２０……引き回
し用部材、２２……キャスター、２４……肩掛けベル
ト。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも前面と後面を有するケース本
   体と、 前記前面の上部中央と下部左右にそれぞれ設けられたベ
   ルト脱着用金具と、 前記後面に設けられたボックスと、 前記ボックスに配設された引き回し用部材と、 前記ボックスに配設されたキャスターと、 肩掛けベルトとを備え、 前記肩掛けベルトは、前記ベルト脱着用金具に係脱可能
   に結合され、これらベルト脱着用金具に結合された状態
   でケース本体を背中に背負えるように構成され、 前記引き回し用部材は、伸縮可能な軸部と、この軸部の
   上端に取着された取っ手からなり、縮小した状態で前記
   軸部はその大半が前記ボックスの内部に収容されると共
   に、伸長した状態で前記軸部がボックスの上部から上方
   に延在して前記取っ手がケース本体の上方に位置するよ
   うに構成され、 前記キャスターは、前記ボックスの下部から下方に出没
   可能な軸部と、この軸部の下端に設けられた輪体からな
   り、前記軸部がボックスの下部に没入した状態で前記輪
   体がケース本体の下面の上方に位置すると共に、前記軸
   部がボックスの下部から下方に突出した状態で前記輪体
   がケース本体の下面の下方に位置するように構成され、 さらに、前記ボックスの内部は、前記ベルト脱着用金具
   から取り外された肩掛けベルトを収容できるように構成
   されている、ことを特徴とするハードケース。
2. 【請求項２】 前記ケース本体は、上面が開放された上
   端開口を有する長方体形状の本体部と、この本体部に揺
   動可能に連結され前記上端開口を開閉する蓋部からな
   り、前記蓋部は前記上端開口を開放した状態で前記後面
   の上部側方においてほぼ水平方向に延在し、前記引き回
   し用部材の軸部が縮小した状態で前記取っ手は前記水平
   方向に延在する蓋部の下方に位置していることを特徴と
   する請求項１記載のハードケース。
3. 【請求項３】 前記蓋部には、ケース本体を持ち運ぶた
   めの取っ手が設けられていることを特徴とする請求項２
   記載のハードケース。
4. 【請求項４】 前記ケース本体には電子機器が収容され
   ることを特徴とする請求項１記載のハードケース。
5. 【請求項５】 前記電子機器はビデオカメラであること
   を特徴とする請求項４記載のハードケース。