JP2001351631A - アルカリ金属電気化学電池に組み込まれる表面積が小さい単一相混合金属酸化物のカソード活物質を調製するための合成方法 - Google Patents

アルカリ金属電気化学電池に組み込まれる表面積が小さい単一相混合金属酸化物のカソード活物質を調製するための合成方法

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JP2001351631A JP2001113703A JP2001113703A JP2001351631A JP 2001351631 A JP2001351631 A JP 2001351631A JP 2001113703 A JP2001113703 A JP 2001113703A JP 2001113703 A JP2001113703 A JP 2001113703A JP 2001351631 A JP2001351631 A JP 2001351631A
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エイ、ライシング ランドルフ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水性電解質の、アルカリ金属/遷移金属酸
化物の電気化学電池、特に、低下した電圧遅延または認
められないほどの電圧遅延および低下したRdc上昇を
示す一方で、大電流パルス放電適用のために設計された
リチウム/酸化銀バナジウム電気化学電池を提供する。 【解決手段】 分解性銀塩と酸化バナジウムとの混合物
から、最初に、混合物の分解温度よりも約2℃〜約40
℃高い温度に加熱され、その後、約490℃〜約520
℃の温度範囲に加熱されて調製される単一相の酸化銀バ
ナジウムが記載されている。この酸化銀バナジウムは、
増大したパルス電圧および減少した電圧遅延を有する改
良型高エネルギー密度の電気化学的電池を得るために、
リチウムアノードと組み合わせられ、非水性電解質で活
性化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(技術分野)本発明は、一般には化学エネ
ルギーの電気エネルギーへの変換に関する。より詳細に
は、本発明は、遷移金属酸化物のカソードが非水性電解
質で活性化されたアルカリ金属電気化学電池に関する。
遷移金属酸化物のカソード活物質は、好ましくは、表面
積が約0.2m2 /g〜約0.80m2 /gである単一
相の酸化銀バナジウムである。この単一相の酸化銀バナ
ジウムは、約490℃〜約520℃の最終的な分解温度
での分解反応で製造される。
【0002】(背景技術)Liang他の米国特許第
4,310,609号および同第4,391,729号
には、非水性電解質バッテリーにおいて使用されるカソ
ード物質としての酸化銀バナジウム(SVO)を調製す
ることが開示されている。これらの特許には、約360
℃の最終的な熱処理工程を含む熱分解反応による酸化銀
バナジウムの調製が記載されている。
【0003】Keister他の米国特許第4,83
0,940号には、高電流パルスを送達するための固体
カソードの液体有機電解質リチウム電池が記載されてい
る。この固体カソードは、活物質として、Agx2
y (式中、xは約0.5〜約2.0の範囲であり、かつ
yは約4.5〜6.0の範囲である)を含む。Keis
ter他は、酸化銀バナジウムを硝酸銀および五酸化バ
ナジウムの約360℃での熱分解から調製することを記
載する「一次リチウム/酸化銀バナジウムバッテリーの
性能に対する銀含有量の影響」(E.S.Takeuc
hiおよびP.Keister、Electroche
mical Society、1985年10月13日
〜18日、Las Vegas、Nevada、抄録番
号125)の刊行物を参照している。
【0004】Crespi他の米国特許第5,221,
453号には、約300℃〜約700℃の温度範囲にお
ける化学付加反応(AgVO3 およびV25 、または
Ag2OおよびV25 の組合せ)による酸化銀バナジ
ウムの調製が開示されている。この化学付加反応は、L
iang他およびKeister他によって記載された
熱分解反応とは異なると記載されている。分解反応は、
反応物がV25 およびAgNO3 である場合には窒素
酸化物ガスの発生を特徴とする。化学付加反応は、反応
副生成物ガスの発生を含まない。
【0005】R.A.LeisingおよびE.S.T
akeuchi、Chemistryof Mater
ials、5、738〜742(1993)の刊行物に
は、320℃、375℃、450℃および540℃の温
度でAgNO3 およびV2 5 を熱分解することによっ
て酸化銀バナジウムを調製することが記載されている。
この刊行物にはまた、そのような様々な温度で調製さ
れ、LiAsF6 が1MのPC/DME電解質で活性化
された酸化銀バナジウムカソード活物質を含む実験的な
リチウム電池の放電結果が報告されている。375℃で
調製されたSVO物質は、450℃の物質よりもわずか
に大きな送達容量を示し、540℃で調製されたSVO
物質よりも著しく大きな容量を示した。例示として、図
1のグラフ(曲線10)は、酸化銀バナジウムがこの刊
行物に従ってAgNO3 およびV25 の熱分解反応で
調製されたリチウム電池の放電容量対合成温度から作製
された。様々な方法で調製された電池の送達容量が、短
期間(2日未満)の定抵抗放電を使用して測定された。
【0006】(発明の概要)本発明は、非水性電解質
の、アルカリ金属/遷移金属酸化物の電気化学電池に関
し、特に、低下した電圧遅延または認められないほどの
電圧遅延および低下したRdc上昇を示す一方で、大電
流パルス放電適用のために設計されたリチウム/酸化銀
バナジウム電気化学電池に関する。そのような適用の例
には、バッテリーが、デバイスの作動時に大きな割合の
電流パルス放電によって中断される長期間にわたる高負
荷のデバイスモニター様式のもとで使用され得る体内埋
め込み可能な心臓除細動器(cardiac defibrillator)が
ある。電圧遅延は、電池容量の約40%〜約70%が消
耗した、電流パルス放電適用に供されているリチウム/
酸化銀バナジウム電池において典型的に現れる現象であ
る。電圧遅延の発生は、デバイスの作動を遅らせ、デバ
イスの寿命を短くし得るために有害である。
【0007】本発明の電気化学電池は、アルカリ金属ア
ノードと;カソードと;前記アノードおよび前記カソー
ドと機能的に結合した非水性電解質とを含むものであっ
て、当該電池における改良点として、前記カソードが、
第1の分解性金属含有成分および第2の金属酸化物成分
から分解反応で製造される単一相の混合金属酸化物を含
み、この際、前記の第1および第2の成分の混合物が、
混合物の分解温度よりも約2℃〜約40℃高い第1の温
度に加熱され、その後、粉砕され、次いで、混合物の分
解温度よりも約50℃〜約250℃高い第2の温度に加
熱されることを特徴とする。
【0008】又、本発明の電気化学電池は、 a)アルカリ金属を含むアノードと; b)分解性成分としての第1の銀塩と第2の金属酸化物
成分とからの分解反応にて製造された単一相の酸化銀バ
ナジウムを含み、前記の第1および第2の成分の混合物
が、混合物の分解温度よりも約2℃〜約40℃高い第1
の温度に加熱され、その後、粉砕され、次いで、約49
0℃〜約520℃の範囲の第2の温度に加熱されたもの
であるカソードと; c)前記アノードおよび前記カソードと機能的に関連し
た非水性電解質とを含むことを特徴とするものでもあ
る。
【0009】更に、液体の非水性電解質で活性化された
電気化学電池における電圧遅延を減少させるための本発
明の方法は、下記の工程a)〜c): a)アルカリ金属を含むアノードを提供する工程; b)分解性成分としての第1の銀塩と第2の金属酸化物
成分とからの分解反応で製造される単一相の混合金属酸
化物を含むカソードを提供する工程であって、前記の第
1および第2の成分の混合物が、混合物の分解温度より
も約2℃〜約40℃高い第1の温度に加熱され、その
後、粉砕され、次いで、約490℃〜約520℃の範囲
の第2の温度に加熱される工程;および c)前記アノードおよび前記カソードと機能的に結合
し、かつアルカリ金属塩を溶解させた非水性電解質で電
気化学電池を活性化する工程を含むことを特徴とする。
【0010】本発明によれば、電圧遅延の望ましい減少
は、出発物質混合物の分解温度よりも高い温度で分解反
応を行い、その後、約490℃〜約520℃の範囲の温
度で第2の加熱を行うことによって調製される表面積が
小さい単一相の酸化銀バナジウムを含み、かつ非水性電
解質を用いて活性化されたリチウム電池において実現さ
れる。
【0011】特に好ましい遷移金属酸化物のカソード活
物質は、一般式Agx2y (ε相の場合、x=1.
0、かつy=5.5)を有する単一相の酸化銀バナジウ
ムを含む。本発明により、この物質は、出発物質の混合
物を混合物の分解温度よりも高い温度に最初に加熱し、
その後、約490℃〜約520℃の最終的な加熱温度で
の2回目の加熱を行うことによる分解反応において製造
される。この特に好ましいSVO物質は、一般式におい
てx=0.35およびy=5.18を有するβ相の酸化
銀バナジウム、および一般式においてx=0.74およ
びy=5.37を有するγ相の酸化銀バナジウムとは対
照的である。この物質の表面積は、約0.2m2 /g〜
約0.80m2 /gである。
【0012】この電気化学的な組合せを活性化するため
に典型的に使用される電解質は、PCおよびDMEの5
0:50混合物(容量比)に溶解された1MのLiAs
6 を含む。使用可能な電池容量の増大、従って、その
ような電池におけるその後のバッテリー寿命の増大は、
急速放電条件のもとで放電させた450℃および540
℃のSVOに関して発表された容量データに基づけば予
想外である。再度ではあるが、前記のLeising他
の刊行物において、450℃のSVOは、375℃で調
製されたSVOよりも少ない容量をもたらし、従って、
調製温度が375℃からさらに高くなるほど、電池は容
量が少なくなることが推定され得る。
【0013】(好ましい実施形態の詳細な説明)本明細
書中で使用されているように、用語「パルス」は、パル
ス直前のプレパルス電流の振幅よりも大きな振幅の電流
の短い放出(ショートバースト)を意味する。パルス列
は、パルス間の開路停止を伴うか、または伴うことなく
比較的短く連続して送達される電流の少なくとも2つの
パルスからなる。
【0014】一時的にすぎないとしても、電圧遅延によ
り引き起こされる低下したパルス電圧は、そのようなパ
ルス電圧により、デバイス適用における回路不良が生
じ、電池の寿命をより短くし得るために望ましくない。
Rdcの上昇もまた、高率放電時におけるパルス電圧を
低下させることにより電気化学電池の寿命を短くする。
当業者により十分に知られているように、埋め込み可能
な心臓除細動器は、例えば、心臓のセンサー機能および
鼓動機能のような機能を行う回路によってもたらされる
一般的には中程度の割合の一定した抵抗負荷成分に電源
を必要とするデバイスである。心臓除細動器は、時に
は、例えば、頻拍性不整脈(矯正しないで放置した場合
には死亡し得る不規則な早い鼓動)を処置するための電
気ショックを心臓に送達する目的で除細動器内の蓄電器
を充電しているときに生じる一般には大きな割合のパル
ス放電負荷成分を必要とし得る。従って、電流パルス適
用時における電圧遅延の減少およびさらには電圧遅延の
除去は、適正なデバイス作動および長いデバイス寿命に
は重要である。
【0015】本発明の電気化学電池は、心臓除細動器な
どの埋め込み可能な医療デバイス用の電源として特に適
している。本発明の電池は、リチウム、ナトリウム、カ
リウムなどを含む元素周期律表のIA族、IIA族およ
びIIIB族、ならびにそれらの合金および金属間化合
物(例えば、Li−Si合金、Li−Al合金、Li−
B合金およびLi−Si−B合金ならびに金属間化合物
を含む)から選択される金属のアノードを含む。好まし
いアノードはリチウムから成るものである。これに代わ
るアノードは、リチウム−アルミニウム合金などのリチ
ウム合金を含んだものである。しかし、合金中に存在す
るアルミニウム量(重量比)が大きくなるほど、電池の
エネルギー密度は低下する。
【0016】アノードの形態は変化し得るが、好ましく
は、アノードは、アノード部を形成するために金属性ア
ノード集電体(すなわち、好ましくはニッケルを含む集
電体)上にプレス成形またはロールされたアノード金属
の薄い金属シートまたは金属箔である。本発明の例示的
な電池では、アノード部は、アノード集電体(すなわ
ち、好ましくはニッケル)と同じ材料の伸ばされたタブ
またはリード線が溶接などによって一体化され、そして
ケースがアノードである電気的形態で導電性材料の電池
ケースへの溶接によって接触している。あるいは、アノ
ードは、表面が小さい別の電池を設計することができる
ように、ボビン形状、円筒型またはペレット型などの特
定の他の形状に形成され得る。
【0017】カソードでの電気化学的反応には、アノー
ドからカソードに移動するイオンの原子状形態または分
子状形態への変換が含まれる。本発明のカソード活物質
は、表面積が小さい単一相の混合金属酸化物を含む。本
発明による好ましい単一相の混合金属酸化物は、硝酸銀
を五酸化バナジウムと十分に混合することによって開始
される。この混合物は、最初に、混合物の分解温度より
も約2℃〜約40℃高い温度に加熱される。好ましく
は、混合物は約300℃に加熱される。この温度は、混
合物の分解温度よりも約20℃高いが、硝酸銀成分単独
の分解温度よりも低い。出発物質の混合物は、この温度
で、約5時間〜約16時間保たれるか、あるいは混合物
が完全に分解するまで保たれる。得られた分解混合物を
十分に粉砕した後、混合物は、この混合物の分解温度よ
りも約50℃〜約250℃高い温度に約12時間〜48
時間加熱されるか、あるいは硝酸銀と五酸化バナジウム
との混合物の場合には約490℃〜約520℃に約48
時間加熱される。
【0018】下記の表1は、本発明の出発物質の様々な
物質に関する熱分析データをまとめたものである。
【0019】
【表1】
【0020】下記の表2は、表1に示された出発物質の
様々な分解性混合物に関する熱分析データをまとめたも
のである。
【0021】
【表2】
【0022】本発明により、分解性出発物質のいずれか
が、金属との混合物、金属酸化物との混合物、または少
なくとも第1および第2の金属またはそれらの酸化物、
および可能であれば、第3の金属または金属酸化物を含
む混合金属酸化物との混合物で、あるいは、母材である
金属酸化物のマトリックスに組み込まれた第1および第
2の金属またはそれらの金属酸化物の混合物で提供され
る。カソード活物質はまた、金属硫化物を含むことがで
きる。混合物は、均一性を確保するために粉砕され、続
いて熱処理されて、表面積が小さい単一相の混合金属酸
化物の新規なカソード活物質にされる。従って、本発明
の合成プロトコルは、分解性の出発物質成分に依存し
て、約80℃〜約310℃の分解加熱温度において酸素
含有雰囲気中で行われる。分解が始まる正確な温度は、
出発物質により決定される。
【0023】表3には、本発明による種々の銀前駆体物
質を使用する分解加熱工程に適切な温度が示されてい
る。
【0024】
【表3】
【0025】当業者には、表2に列記されていない硝酸
塩、亜硝酸塩、炭酸塩、硫化物およびアンモニウム塩の
様々な組合せが本発明による単一相金属酸化物の調製に
有用であることが容易に理解されるであろう。それらに
は下記の組合せが含まれるが、それらに限定されるもの
ではない。乳酸銀および酸化バナジウム;トリフル酸銀
および酸化バナジウム;ペンタフルオロプロピオン酸銀
および酸化バナジウム;ラウリン酸銀および酸化バナジ
ウム;ミリスチン酸銀および酸化バナジウム;パルミチ
ン酸銀および酸化バナジウム;ステアリン酸銀および酸
化バナジウム;硝酸マンガンおよび酸化バナジウム;炭
酸マンガンおよび酸化バナジウム;亜硝酸マンガンおよ
び酸化バナジウム;硫化銀および酸化バナジウム;硫化
銅(II)および酸化バナジウム;硫化マンガンおよび
酸化バナジウム;硝酸銀、硝酸マンガンおよび酸化バナ
ジウム;硝酸銅、硝酸マンガンおよび酸化バナジウム;
炭酸銀、炭酸銅および酸化バナジウム;炭酸銀、炭酸マ
ンガンおよび酸化バナジウム;炭酸銅、炭酸マンガンお
よび酸化バナジウム;硝酸銀、硝酸銅および酸化バナジ
ウム;硝酸銀、亜硝酸マンガンおよび酸化バナジウム;
硝酸銅、硝酸マンガンおよび酸化バナジウム;硫化銀、
硫化銅(II)および酸化バナジウム;硫化銀、硫化マ
ンガンおよび酸化バナジウム;硫化銅、硫化マンガンお
よび酸化バナジウム;硫化銀、硝酸銅および酸化バナジ
ウム;硫化銀、亜硝酸銅および酸化バナジウム;硫化
銀、炭酸銅および酸化バナジウム;硝酸銀、硫化銅およ
び酸化バナジウム;硝酸銀、硫化銅および酸化バナジウ
ム;炭酸銀、硫化銅および酸化バナジウム;硫化銀、硝
酸マンガンおよび酸化バナジウム;硫化銀、亜硝酸マン
ガンおよび酸化バナジウム;硫化銀、炭酸マンガンおよ
び酸化バナジウム、ならびにそれらの組合せおよび混合
物。
【0026】当業者にはまた、表2に、1:1のモル比
での様々な反応物ならびにその対応する融点および分解
温度が列記されていることも理解されるであろう。しか
しながら、モル比は変化させることができ、従って、こ
れにより得られる混合物の融点および分解温度は変化す
る。
【0027】表面積が小さい単一相の好ましい1つの混
合金属酸化物は、実質的には、一般式SMx2y
(式中、SMは元素周期律表のIB族〜VIIB族およ
びVIII族から選択される金属であり、かつ一般式に
おいてxは約0.30〜2.0で、yは約4.5〜6.
0である)を有する活物質を含む。例示として、また決
して限定する目的ではないが、1つの例示的な単一相の
カソード活物質は、実質的には、一般式Agx2y
をその相のいずれかで有する酸化銀バナジウム(SV
O)を含む。すなわち、前記一般式にてx=0.35お
よびy=5.8であるβ相の酸化銀バナジウム、前記一
般式にx=0.74およびy=5.37であるγ相の酸
化銀バナジウム、および前記一般式にてx=1.0およ
びy=5.5であるε相の酸化銀バナジウムのいずれか
を含み、後者の相が最も好ましい。
【0028】本発明による表面積が小さい単一相の混合
金属酸化物の製造技術によって、前記の米国特許第4,
391,729号(Liang他)に従って実施される
AgNO3 およびV25 の出発物質から分解合成を使
用して調製される酸化銀バナジウムなどの混合相金属酸
化物と比較して、増大した容量および低下した電圧遅延
を示す活物質が製造される。本発明の単一相金属酸化物
の放電容量および低下した電圧遅延はまた、本発明の出
願人に譲渡され、参考として本明細書中に援用される米
国特許第5,498,494号(Takeuchi他)
に記載されているような化学付加反応によってAg2
およびV25 から典型的に調製される酸化銀バナジウ
ムの改善を上回る改善である。
【0029】このような表面積が小さい単一相物質を使
用することの利点には、パルス放電適用に関して増大し
た容量および低下した電圧遅延が含まれる。そのような
適用例には、バッテリーが高率パルス放電によって中断
される長期間の高負荷のもとで使用され得る埋め込み可
能な心臓除細動器である。このような条件のもとで電圧
遅延が生じることは、デバイスの寿命を短くし得るため
に有害である。
【0030】別の好ましい単一相の複合カソード物質
は、酸化バナジウムおよび第2の分解性金属化合物、金
属または金属酸化物および第3の分解性金属化合物、金
属または金属酸化物の均一な混合物から調製される。こ
の場合、第2および第3の金属成分の少なくとも一方は
銀および銅の分解性形態である。本発明により、この均
一な混合物は、式Cux Agy2z (CSVO)
(好ましくは、x≦y)を有する単一相の金属酸化物を
得るために、硝酸銅、亜硝酸銅または銅のアンモニウム
塩のいずれかと酸化銀との混合物と、あるいは酸化銅お
よび硝酸銀、亜硝酸銀または銀のアンモニウム塩の混合
物と組み合わせたV2z (式中、z≦5)から形成さ
れる。この調製技術において、酸化物の出発物質には、
Ag2z (式中、z=2〜1)およびCuOz (式
中、z=0〜1)が含まれ得る。従って、この複合カソ
ード活物質は、金属−金属酸化物−金属酸化物または金
属−金属−金属酸化物として表すことができ、Cux
y2z に見出される物質組成の範囲は、好ましく
は、約0.01≦x≦1.0で、約0.01≦y≦1.
0で、約5.01≦z≦6.5である。本発明の別の実
施形態は、酸化バナジウムが銀および銅の両方の分解性
化合物と組み合わせられる。CSVOの典型的な単一相
形態は、zが約5.5であるCu0.16Ag0.672
z 、およびzが約5.75であるCu0.5 Ag0.52
z である。米国特許第5,472,810号(Tak
euchi他)および同第5,516,340号(Ta
keuchi他)には、CSVOの先行技術による調製
が記載されている。
【0031】上記に記載される活物質は、1つまたは複
数の活物質を、アセチレンブラック、カーボンブラック
および/またはグラファイトなどの導電性添加物と混合
することによって電気化学電池に組み込むための電極に
される。粉末形態のニッケル、アルミニウム、チタンお
よびステンレススチールなどの金属物質もまた、上記の
活物質と混合されたときには導電性希釈物として有用で
ある。電極はさらに、粉末化ポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)または粉末化ポリビニリデンフルオリド
(PVDF)などのフッ素樹脂粉末が好ましいバインダ
ー物質を含む。より詳細には、好ましいカソード活物質
は、バインダー物質および導電性希釈物と混合されたS
VOをその多数の相のいずれか1つあるいはその混合で
含む。
【0032】本発明による好ましいカソード作用物質
は、好適なバインダーおよび導電性希釈物と混合された
SVOを含むカソード活物質を約80重量%〜99重量
%で含む。得られる混合されたカソード作用混合物は、
カソード電極にするために、集電体と接触させる前に独
立したシートにすることができる。カソード作用混合物
を独立したシートに調製する方法が米国特許第5,43
5,874号(Takeuchi他)に詳しく記載され
ている(この特許は、本発明の出願人に譲渡され、参考
として本明細書中に援用される)。さらに、電池に組み
込むためのカソード部もまた、本発明のカソード作用混
合物を好適な集電体上にロール成形し、または延ばし、
またはプレス成形することによって調製することができ
る。上記の記載に従って調製されたカソードは、アノー
ド物質の少なくとも1つまたは複数のプレートと機能的
に結合した1つまたは複数のプレートの形態であっても
よく、あるいは、「ゼリーロール」に類似した構造でア
ノード物質の対応する帯板で巻かれた帯板の形態であっ
てもよい。
【0033】内部の短絡状態を防止するために、カソー
ドは、好適なセパレーター物質によってアノード物質か
ら分離される。セパレーターは電気的な絶縁性物質であ
る。セパレーターはまた、アノードおよびカソードの活
物質との化学反応性を有さず、そして電解質との化学反
応性を有さず、かつ電解質に溶解しない。さらに、セパ
レーター物質は、電池の電気化学的反応のときに電解質
がその中を流れることを可能にするのに十分な多孔度を
有する。例示的なセパレーター物質には、フッ素ポリマ
ー繊維から織られた織物が含まれる。そのようなフッ素
ポリマーには、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレ
ンテトラフルオロエチレンおよびポリエチレンクロロト
リフルオロエチレンが含まれ、これらは単独で使用され
るか、あるいはフッ素ポリマーのミクロ細孔性フィル
ム、不織ガラス、ポリプロピレン、ポリエチレン、ガラ
ス繊維物質、セラミックス、ZITEXの登録商標(C
hemplast Inc.)で市販されているポリテ
トラフルオロエチレンメンブラン、CELGARDの登
録商標(Celanese Plastic Comp
any,Inc.)で市販されているポリプロピレンメ
ンブラン、およびDEXIGLASの登録商標(C.
H.Dexter,Div.、Dexter Cor
p.)で市販されているメンブランで積層される。セパ
レーターはまた、不織ガラス、ガラス繊維物質およびセ
ラミック物質から構成され得る。
【0034】セパレーターの形態は、典型的には、アノ
ード電極およびカソード電極の間に、それらの物理的な
接触を防止する方法で置かれているシートである。その
ような形態は、多数のカソードプレートがアノード折り
畳みの中間に配置され、そして電池ケース内に収容され
た蛇腹様構造でアノードが折り畳まれる場合、あるいは
電極の組み合わせがロール成形されるか、そうでなけれ
ば電極の組み合わせが円筒状の「ゼリーロール」形態に
される場合には当てはまる。
【0035】本発明の電気化学電池はさらに、アノード
電極およびカソード電極と機能的に結合した非水性のイ
オン電導性電解質を含む。電解質は、電池の電気化学的
反応のときにイオンがアノードとカソードとの間を移動
するための媒体として作用する。本発明に好適な非水性
溶媒は、イオン輸送に必要なそのような物理的性質(低
い粘度、小さい表面張力および濡れ性)を示すように選
ばれる。好適な非水性溶媒は、非水性溶媒に溶解された
無機塩から構成される。より詳細には、低粘度の溶媒
(有機エステル、エーテルおよびジアルキルカーボネー
トならびにそれらの混合物を含む)と高誘電率の溶媒
(環状カーボネート、環状エステルおよび環状アミドな
らびのそれらの混合物を含む)とを含む非プロトン性有
機溶媒の混合物に溶解させたアルカリ金属塩から構成さ
れる。低粘度の溶媒には、テトラヒドロフラン(TH
F)、ジイソプロピルエーテル、酢酸メチル(MA)、
ジグリム、トリグリム、テトラグリム、1,2−ジメト
キシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(D
EE)、1−エトキシ−2−メトキシエタン(EM
E)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカー
ボネート(DEC)、ジプロピルカーボネート(DP
C)、エチルメチルカーボネート(EMC)、メチルプ
ロピルカーボネート(MPC)およびエチルプロピルカ
ーボネート(EPC)ならびにそれらの混合物が含まれ
る。高誘電率の溶媒には、プロピレンカーボネート(P
C)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボ
ネート(BC)、アセトニトリル、ジメチルスルホキシ
ド、ジメチルホルアミド、ジメチルアセトアミド、γ−
バレロラクトン、γ−ブチロラクトン(GBL)および
N−メチル−ピロリジノン(NMP)ならびにそれらの
混合物が含まれる。
【0036】好ましい電解質は無機アルカリ金属塩を含
む。リチウムを含むアノードの場合、電解質のアルカリ
金属塩は、リチウムを主材とした塩である。アノードか
らカソードへのアルカリ金属イオンの輸送用媒体として
有用な知られているリチウム塩には、LiPF6 、Li
BF4 、LiAsF6 、LiSbF6 、LiClO4
LiAlCl4 、LiGaCl4 、LiC(SO2 CF
33 、LiN(SO2CF32 、LiSCN、Li
3 SCF2 CF3 、LiC65 SO3 、LiO2
CF3 、LiSO3 F、LiNO3 、LiO2 、LiB
(C654 およびLiCF3 SO3 ならびにそれら
の混合物が含まれる。好適な塩濃度は、典型的には約
0.8〜1.5モル濃度の範囲である。リチウム/遷移
金属酸化物の電気化学電池に好ましい電解質としては、
PCおよびDMEの50:50混合物(容量比)に溶解
させたLiAsF6 またはLiPF6 が挙げられる。
【0037】本発明において、好ましい電気化学電池
は、リチウム金属のアノードと、上記に詳しく記載され
ているように、出発物質の混合物を混合物の分解温度よ
りも高い第1の温度に加熱し、その後、約490℃〜約
520℃の第2の温度に加熱することによる熱分解反応
で調製される遷移混合金属酸化物AgV25.5 のカソ
ードとを有する。活性化用電解質は、少なくとも1つの
上記の低粘度溶媒と少なくとも1つの上記の高誘電率溶
媒とを含み、有機カーボネート添加物が加えられた非プ
ロトン性溶媒に溶解させた1.0M〜1.4MのLiA
sF6 である。好ましい非プロトン性溶媒混合物は、プ
ロピレンカーボネートおよびジメトキシエタンの50/
50混合物(容量比)を含む。
【0038】本明細書中に記載されている電池の集合体
は、好ましくは、渦巻き型単電池の形態である。すなわ
ち、製造されたカソード、アノードおよびセパレーター
は、ケースがアノードである形態で電池ケースと電気的
に接触させるためにロール物の外側にアノードが位置す
るように、「ゼリーロール」型形態または「渦巻き単電
池積層」で一緒に巻かれる。好適な頂部絶縁体および底
部絶縁体を使用して、渦巻き電池積層物は好適なサイズ
寸法の金属ケースに挿入される。金属ケースは、金属物
質が電池構成成分との使用に関して適合し得る限り、ス
テンレススチール、軟鋼、ニッケルめっき軟鋼、チタ
ン、タンタルまたはアルミニウム(これらに限定されな
い)などの材料を含むことができる。
【0039】電池のヘッダーは、ガラス金属シール/端
子ピンのフィードスルーを収容するための第1の孔と、
電解質を充填するための第2の孔とを有する金属性のデ
ィスク形状体を含む。使用されるガラスは、約50重量
%までのシリコンを有する耐食型であり、例えば、CA
BAL12、TA23またはFUSITE425または
FUSITE435などである。カソード端子ピンのフ
ィードスルーは、好ましくはチタンを含むが、モリブデ
ン、アルミニウム、ニッケル合金またはステンレススチ
ールもまた使用することができる。電池のヘッダーは、
電気化学電池のそれ以外の構成成分との適合性を有する
要素を含み、腐食に対して耐性である。カソードのリー
ド線がカソード端子ピンにガラス金属シールで溶接さ
れ、そしてヘッダーが、電極積層体を含むケースに溶接
される。その後、電池は、上記に記載された少なくとも
1つのカーボネート添加物を含む電解質溶液が充填さ
れ、充填孔の上部をステンレススチール球を密着溶接す
ることによって密閉されるが、これに限定されるもので
はない。
【0040】上記の集合体は、本発明の例示的な電池の
好ましい構成であるケースがアノードである電池を表し
ている。当業者には十分知られているように、本発明の
例示的な電気化学的システムは、ケースがカソードであ
る形態で組み立てることもできる。
【0041】下記の実施例には、本発明の電気化学電池
の様式とプロセスが記載されており、これらは、本発明
を実施するために本発明者らによって考えられる最適な
態様を示すものであるが、限定を意味するものとして解
釈すべきではない。
【0042】実施例I 改良型酸化銀バナジウムのカソード物質を、500℃の
最終加熱温度を含む多段階の熱分解法によって合成し
た。詳しく記載すると、モル比が1:1の硝酸銀(Ag
NO3 )と五酸化バナジウム(V25 )との混合物
を、下記のプロトコルを使用して、空気の存在下で加熱
した: 工程1:混合物を、その分解温度よりも高く、すなわ
ち、約300℃に約16時間加熱する。 工程2:得られた分解混合物を室温にまで冷却して、十
分に粉砕する。及び 工程3:分解混合物を約500℃に約12時間〜48時
間加熱する。
【0043】合成の工程1のときにAgNO3 の熱分解
が生じ、NOX ガスが、約300℃の温度になるまで放
出される。300℃の工程の後で粉砕して、銀塩が分解
した後のサンプルを混合することは、均一なSVO物質
を得る際には重要である。工程3の高温により、表面積
が小さい単一相の物質が得られる。これらの工程の組合
せにより、示差熱分析(DTA)によって明らかにされ
るように一般式Agx 2y においてx=1.0で、
y=5.5であり、BET表面積分析によって決定され
るように、表面積が約0.2m2 /g〜約0.80m2
/gである均一なε相のSVOカソード物質が得られ
る。DTA分析の結果を図2(曲線20)に示す。図2
において、単一相の生成物が得られたことは明らかであ
る。
【0044】スキーム1の工程1で加えられた温度は、
硝酸銀を反応で使用することに関して適切であることに
注意しなければならない。上記に示されているように、
硝酸銀は、酸化バナジウムの存在下で300℃よりも低
い温度で分解する。従って、工程1の温度は、具体的に
は硝酸銀/酸化バナジウム混合物の分解点よりも高く設
定された。異なる銀前駆体を使用する場合、工程1の温
度は、酸化バナジウムと混合された銀前駆体の混合物の
反応温度よりも高い温度に変更しなければならない。
【0045】比較例I 500℃の最終温度で合成されたSVOとの比較とし
て、1:2のモル比で酸化銀(Ag2 O)と五酸化バナ
ジウム(V25 )との反応を、酸化銀のみが300℃
よりも高い温度で酸化バナジウムと反応するとしても、
実施例Iに示されているプロトコルに従って行った。こ
の反応の得られた生成物を、図3(曲線30)に示され
ているように、DTAにより分析した。図3において、
複数相がSVO生成物に混在していることは明らかであ
る。
【0046】比較例II 別のサンプルを、Ag2 OおよびV25 を1:2のモ
ル比で使用して、実施例Iに示されているプロトコルに
従って調製したが、工程1の温度を440℃に変更し
た。この物質もまたDTAにより熱分析した。その結果
を図4(曲線40)に示す。この物質は、ε相SVOに
帰属される1個の吸熱点を示している。従って、工程1
の温度は、均一なSVO物質を調製する際には重要であ
り、銀前駆体と酸化バナジウムとの反応温度よりも高く
設定しなければならない。
【0047】比較例III 酸化銀バナジウムを、モル比が2:1のバナジン酸銀
(AgVO3 )とV25との混合物から調製した。図
5(曲線50)には、これらの出発物質から、実施例I
に示されるプロトコルに従って調製された反応生成物の
DTAが示されている。酸化銀から調製されたSVOと
同様に、このサンプルは、300℃の温度が工程1で使
用されたときに、混合相の存在を示す多数の等温点を示
している。しかし、図6(曲線60)には、450℃の
温度が工程1における熱処理に使用されたプロトコル1
を使用して、モル比が2:1のAgVO3 およびV2
5 から調製されたSVOのDTAが示されている。この
サンプルは、DTA曲線において1個のピークを示す。
【0048】実施例II 表面積が小さい単一相混合金属酸化物のカソード物質の
放電性能を、先行技術の物質との比較において、密封し
た電気化学電池で試験した。本発明による試験電池に
は、約500℃の最終加熱温度で約48時間調製され、
表面積が約0.6m 2 /gである単一相のSVOを使用
した。比較として、対照電池は、Liang他に従って
375℃の最終加熱温度で48時間製造され、表面積が
約1.1m2/gであるSVOを含有するものとした。
本発明および先行技術の試験電池は、伸ばされたチタン
集電体上にプレス成形された、94重量%のSVO、3
%PTFE、2%グラファイトおよび1%カーボンブラ
ックの混合物からなるカソードを含むものとした。合計
で7.92グラムのカソード混合物を各電池で使用し
た。カソードは、伸ばされたニッケル集電体に接触して
いるリチウム金属のアノードからポリプロピレンセパレ
ーターによって分離した。これらの電池を、LiAsF
6 が1MのPC/DME電解質にて充填した。
【0049】Li/SVO電池のパルス試験を、心臓除
細動器などの埋め込み可能な医療デバイスおける電池の
使用を模擬する長期間の試験条件のもとで行った。電池
を、パルス間に15秒の停止を伴い、10秒間継続する
2.0アンペアの定電流パルスに供した。放電時におい
て、電流パルスを、37℃で33.2kΩの一定した抵
抗基礎負荷で、106日毎に、4つのグループにて加え
た。パルス試験は、約106日毎に33.2kΩの基礎
負荷に重ねられたパルスからなるものとした。これを、
36ヶ月または3年の加速放電データ(ADD)試験と
呼ぶ。
【0050】図7には、各電池グループについて、プレ
パルス電圧、パルス1最小およびパルス4最小を重ねた
グラフが示されている。図8に示される電圧遅延は、
(パルス1最終電圧−パルス1最小電圧)に等しい。す
べてのグラフは、各グループにおいて4つの電池の平均
がプロットされている。特に、曲線70は、表面積が約
1.1m2 /gである先行技術のSVO物質を含む電池
グループのプレパルス電圧から作製され、曲線72は、
表面積が約0.6m2 /gであるSVO物質を含む本発
明の電池グループから作製された。曲線74および曲線
76はこれらの電池グループの平均P1最小電位から作
製され、曲線78および曲線80はそれぞれの電池グル
ープの平均P4最小電圧から作製された。
【0051】図8において、曲線82は、36ヶ月AD
D試験のもとで放電させた、1.1m 2 /gのSVO物
質を含む先行技術の電池グループの平均電圧遅延から作
製され、曲線84は、同じ条件のもとで放電させた、
0.6m2 /gのSVO物質を含む先行技術の電池グル
ープの平均電圧遅延から作製された。
【0052】実施例III 先行技術および本発明の電池の別の組合せを60ヶ月A
DD試験で放電させた。60ヶ月ADD試験は、本明細
書の提出時において依然として継続中である。再度では
あるが、375℃の最終加熱温度で48時間製造された
先行技術のSVO物質は、Liang他に従って調製さ
れ、表面積が約1.1m2 /gであり、一方、本発明の
SVO物質は、約500℃の最終加熱温度で約48時間
調製され、表面積が約0.5m2 /gであった。試験に
は、56.2kΩの負荷とともに、6ヶ月毎に加えられ
た4つのグループで15秒の間隔で加えられた10秒継
続する2.0アンペアのパルスを使用した。
【0053】図9には、各電池グループについて、プレ
パルス電圧、パルス1最小およびパルス4最小を重ねた
グラフが示されている。特に、曲線90は、表面積が約
1.1m2 /gであるSVO物質を有する先行技術の電
池のプレパルス電圧から作製され、曲線92は、表面積
が約0.6m2 /gであるSVO物質を含む本発明の電
池グループから作製された。曲線94および曲線96は
そのような電池グループの平均P1最小電位から作製さ
れ、曲線98および曲線100はそれぞれの電池グルー
プの平均P4最小電圧から作製された。
【0054】図8において、102は、60ヶ月ADD
試験のもとで放電させた、1.1m2/gのSVO物質
を含む先行技術の電池グループの平均電圧遅延について
作製され、曲線104は、同じ条件のもとで放電させ
た、0.6m2 /gのSVO物質を有する本発明の電池
グループの平均電圧遅延から作製された。
【0055】図7〜図9のグラフから理解され得るよう
に、500℃で調製されたSVOを有する電池は、特に
電池放電の後期において、375℃で調製されたSVO
を含む電池よりもはるかに大きなパルス電圧および小さ
な電圧遅延を有している。「発明の概要」の節に記載さ
れているように、電圧遅延は、電池容量の約40%〜約
70%が消耗したLi/SVO電池において典型的に生
じる現象である。P1最小電圧とP4最小電圧との分離
が大きくなるほど、電圧遅延は大きくなる。
【0056】従って、本発明によれば、最終温度が49
0℃〜520℃である多段階合成から調製され、表面積
が約0.2m2 /g〜約0.8m2 /gであるSVOを
使用することにより、先行技術に従って375℃の最終
加熱温度で調製されたSVO物質と比較して、増大した
パルス電圧および小さい電圧遅延の利点が得られる。一
時的にすぎないとしても、電圧遅延によって生じる小さ
くなったパルス電圧は、それにより、デバイス適用にお
ける回路不良を生じさせ、実際上、電池の寿命をより短
くし得るために望ましくない。
【0057】実施例IV 図10には、375℃、450℃、510℃および54
0℃で調製されたSVO物質の示差熱分析(DTA)曲
線が重ねて示されている。この実験は、アルゴン雰囲気
下、20℃/分の速度でSVOサンプルを加熱すること
によって行われた。DTA曲線におけるピークの存在
は、SVOの知られている相に特徴的な相転移を示して
いる。従って、DTAは、SVOカソード物質における
不純物相の存在を検出するための良好な技術である。図
10において認められ得るように、SVO合成温度が3
75℃から510℃まで上昇すると、不純物物質である
バナジン酸銀(AgVO3 )およびγ相の量は減少す
る。これらの曲線から、500℃〜520℃の温度範囲
をSVO合成に使用することには、375℃または45
0℃の以前に報告された温度を上回る利点が存在するこ
とが明らかである。合成温度が高いほど、小さい表面積
が得られることに加えて、本発明は、生成物のSVO物
質においてAgV25.5 の純度が大きくなる点で純度
の増大をもたらす。これらのDTA曲線はまた、500
℃〜520℃の好ましい範囲よりも高い540℃で調製
されたSVOが、増大した量のバナジン酸銀不純物を含
み、所望するSVO物質であるε相のSVOによるピー
クがなくなっていることを示している。
【0058】約490℃〜約520℃の最終温度で調製
されたSVOを含むリチウム電池に関して、パルス電圧
の望ましい増大および電圧遅延の望ましい減少は、この
ような物質の表面積がより小さいことに由来し得る新し
い予想外の結果である。長期間の試験結果とSVO物質
の表面積との関係は新しい発見である。この場合、より
小さい表面のSVOは、先行技術の物質よりも著しく有
利である。さらに、使用可能な電池容量の増大、従っ
て、長期間試験のためにこの改良型カソード物質を使用
するバッテリー寿命のその後の増大は、急速放電条件の
もとで放電させた450℃のSVOの発表された容量デ
ータに基づけば予想外のことである。
【0059】R.A.LeisingおよびE.S.T
akeuchiによる上記に議論された刊行物(Che
mistry of Materials、5、738
〜742(1993))には、375℃で調製されたS
VO物質が、450℃の物質よりもわずかに大きな送達
容量をもたらし、540℃で調製されたSVO物質より
も著しく大きな容量をもたらしたことが開示されてい
る。
【0060】従って、約490℃〜約520℃の温度範
囲で調製された酸化銀バナジウムのカソード活物質を含
み、PCとDMEとの50:50混合物(容量比)に溶
解させた1MのLiAsF6 で活性化されたリチウム電
池について見出されたパルス電圧の増大、および電圧遅
延の望ましい減少は、本発明に起因し得る新しい予想外
の結果である。
【0061】本明細書中に記載されている本発明の概念
に対する様々な改変が、本明細書中に添付された請求項
によって規定される本発明の精神および範囲から逸脱す
ることなく当業者には明らかであることが理解される。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化銀バナジウムがAgNO3 およびV25
の先行技術の熱分解反応で調製されたリチウム電池の放
電容量対合成温度から作製されたグラフである。
【図2】本発明による分解反応で反応させたモル比が
1:1のAgNO3 およびV25から作製されたグラ
フである。
【図3】最初の加熱温度が300℃であり、最終的な加
熱温度が500℃である分解反応で反応させたモル比が
1:2のAg2 OおよびV25 から作製されたグラフ
である。
【図4】最初の加熱温度が440℃であり、最終的な加
熱温度が500℃である分解反応で反応させたモル比が
1:2のAg2 OおよびV25 から作製されたグラフ
である。
【図5】最初の加熱温度が300℃で、最終的な加熱温
度が500℃で調製されたモル比が2:1のAgVO3
およびV25 から作製されたグラフである。
【図6】最初の加熱温度が450℃で、最終的な加熱温
度が500℃で調製されたモル比が2:1のAgVO3
およびV25 から作製されたグラフである。
【図7】36ヶ月及び60ヶ月の加速放電データ法のも
とで放電させた先行技術および本発明のLi/SVO電
池の結果を示す。
【図8】36ヶ月及び60ヶ月の加速放電データ法のも
とで放電させた先行技術および本発明のLi/SVO電
池の結果を示す。
【図9】図7および図8を作製するために使用された電
池からの電圧遅延のグラフである。
【図10】様々な加熱温度で調製されたSVO物質から
得られる示差熱分析曲線のグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ランドルフ エイ、ライシング アメリカ合衆国、ニューヨーク州 14221、 ウィリアムズヴィル、エドワード ストリ ート 35 Fターム(参考) 5H029 AJ01 AJ03 AK03 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ14 CJ01 CJ02 CJ28 DJ08 DJ17 HJ01 HJ02 HJ07 HJ14 5H050 AA01 AA08 BA16 CA07 CB12 FA05 FA19 GA02 GA05 GA27 HA01 HA02 HA07 HA14

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属アノードと;カソードと;
    前記アノードおよび前記カソードと機能的に結合した非
    水性電解質とを含む電気化学電池であって、当該電池に
    おける改良点として、前記カソードが、第1の分解性金
    属含有成分および第2の金属酸化物成分から分解反応で
    製造される単一相の混合金属酸化物を含み、この際、前
    記の第1および第2の成分の混合物が、混合物の分解温
    度よりも約2℃〜約40℃高い第1の温度に加熱され、
    その後、粉砕され、次いで、混合物の分解温度よりも約
    50℃〜約250℃高い第2の温度に加熱されることを
    特徴とする電気化学電池。
  2. 【請求項2】 前記遷移金属酸化物が、五酸化バナジウ
    ムおよび熱分解性銀塩から形成されたものとして特徴づ
    けられる、請求項1記載の電気化学電池。
  3. 【請求項3】 前記遷移金属酸化物が、空気および酸素
    からなる群から選択される雰囲気のもとで行われる分解
    反応のときに形成されたものとして特徴づけられる、請
    求項1に記載の電気化学電池。
  4. 【請求項4】 前記遷移金属酸化物が酸化銀バナジウム
    であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学電
    池。
  5. 【請求項5】 前記第1の温度が約300℃で、しかも
    前記第2の温度が約490℃〜約520℃であることを
    特徴とする請求項4記載の電気化学電池。
  6. 【請求項6】 前記酸化銀バナジウムが、約0.2m2
    /g〜約0.8m2 /gの表面積を有することを特徴と
    する、請求項4に記載の電気化学電池。
  7. 【請求項7】 前記アノードがアルカリ金属からなり、
    前記電解質が非水性電解質であり、かつアルカリ金属塩
    が前記非水性電解質に溶解され、前記塩のアルカリ金属
    が、前記アノードを構成するアルカリ金属と同じである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学電池。
  8. 【請求項8】 a)アルカリ金属を含むアノードと; b)分解性成分としての第1の銀塩と第2の金属酸化物
    成分とからの分解反応にて製造された単一相の酸化銀バ
    ナジウムを含み、前記の第1および第2の成分の混合物
    が、混合物の分解温度よりも約2℃〜約40℃高い第1
    の温度に加熱され、その後、粉砕され、次いで、約49
    0℃〜約520℃の範囲の第2の温度に加熱されたもの
    であるカソードと; c)前記アノードおよび前記カソードと機能的に関連し
    た非水性電解質とを含むことを特徴とする電気化学電
    池。
  9. 【請求項9】 前記酸化銀バナジウムが、約0.2m2
    /g〜約0.8m2 /gの表面積を有することを特徴と
    する、請求項8に記載の電気化学電池。
  10. 【請求項10】 前記非水性電解質が、エステル、エー
    テルおよびジアルキルカーボネートならびにそれらの混
    合物からなる群から選択される低粘度溶媒を含むことを
    特徴とする、請求項8に記載の電気化学電池。
  11. 【請求項11】 前記低粘度溶媒が、ジイソプロピルエ
    ーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキ
    シエタン、1−エトキシ−2−メトキシエタン、ジメチ
    ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカ
    ーボネート、エチルメチルカーボネート、メチルプロピ
    ルカーボネート、エチルプロピルカーボネート、酢酸メ
    チル、テトラヒドロフラン、ジグリム、トリグリムおよ
    びテトラグリムならびにそれらの混合物からなる群から
    選択されることを特徴とする、請求項10に記載の電気
    化学電池。
  12. 【請求項12】 前記非水性溶媒が、環状カーボネー
    ト、環状エステルおよび環状アミドならびにそれらの混
    合物からなる群から選択される高誘電率溶媒を含むこと
    を特徴とする、請求項8に記載の電気化学電池。
  13. 【請求項13】 前記高誘電率溶媒が、プロピレンカー
    ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
    ト、γ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、N−メ
    チルピロリジノン、ジメチルスルホキシド、アセトニト
    リル、ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミ
    ドならびにそれらの混合物からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする、請求項12に記載の電気化学電池。
  14. 【請求項14】 前記電解質が、LiPF6 、LiAs
    6 、LiSbF6 、LiBF4 、LiClO4 、Li
    AlCl4 、LiGaCl4 、LiC(SO2 CF3
    3 、LiN(SO2 CF32 、LiSCN、LiO3
    SCF2 CF3 、LiC65 SO3 、LiO2 CCF
    3 、LiSO3 F、LiNO3 、LiB(C654
    およびLiCF3 SO3 ならびにそれらの混合物からな
    る群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載
    の電気化学電池。
  15. 【請求項15】 前記酸化銀バナジウムが、ε相(x=
    1.0、かつy=5.5)、γ相(x=0.74、かつ
    y=5.37)およびβ相(x=0.35、かつy=
    5.8)のいずれかから選択される一般式AgX2
    y から実質的になることを特徴とする、請求項8に記載
    の電気化学電池。
  16. 【請求項16】 前記酸化銀バナジウムが、AgNO
    3 、AgNO2 、Ag2 O、Ag2 CO3 、Ag(CH
    3 CO2 )および元素状銀ならびにそれらの混合物から
    なる群から選択される銀含有成分から形成されたものと
    して特徴づけられる、請求項8に記載の電気化学電池。
  17. 【請求項17】 前記酸化銀バナジウムが、分解反応に
    おいて、銀含有成分と組み合わせた五酸化バナジウムか
    ら形成されたものとして特徴づけられる、請求項8に記
    載の電気化学電池。
  18. 【請求項18】 前記カソード成分が、約80重量パー
    セント〜約99重量パーセントの前記酸化銀バナジウム
    を含むことを特徴とする、請求項8に記載の電気化学電
    池。
  19. 【請求項19】 前記カソード成分が導電性添加剤をさ
    らに含むことを特徴とする、請求項8に記載の電気化学
    電池。
  20. 【請求項20】 前記カソード成分がバインダー物質を
    さらに含むことを特徴とする、請求項8に記載の電気化
    学電池。
  21. 【請求項21】 前記電解質が、非水性溶媒に溶解され
    たIA族金属塩の溶液を含むことを特徴とする、請求項
    8に記載の電気化学電池。
  22. 【請求項22】 前記アノードがリチウムであることを
    特徴とする、請求項8に記載の電気化学電池。
  23. 【請求項23】 液体の非水性電解質で活性化された電
    気化学電池における電圧遅延を減少させるための方法
    で、当該方法が下記の工程a)〜c): a)アルカリ金属を含むアノードを提供する工程; b)分解性成分としての第1の銀塩と第2の金属酸化物
    成分とからの分解反応で製造される単一相の混合金属酸
    化物を含むカソードを提供する工程であって、前記の第
    1および第2の成分の混合物が、混合物の分解温度より
    も約2℃〜約40℃高い第1の温度に加熱され、その
    後、粉砕され、次いで、約490℃〜約520℃の範囲
    の第2の温度に加熱される工程;および c)前記アノードおよび前記カソードと機能的に結合
    し、かつアルカリ金属塩を溶解させた非水性電解質で電
    気化学電池を活性化する工程を含むことを特徴とする方
    法。
  24. 【請求項24】 遷移金属酸化物を酸化銀バナジウムと
    して提供することを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 約0.2m2 /g〜約0.8m2 /g
    の表面積を有する酸化銀バナジウムを提供することを含
    む、請求項23に記載の方法。
  26. 【請求項26】 遷移金属酸化物が、五酸化バナジウム
    および熱分解性銀塩から形成されたものとして特徴づけ
    られる、請求項23に記載の方法。
  27. 【請求項27】 低粘度溶媒を含む非水性電解質を提供
    し、かつ前記低粘度溶媒を、エステル、エーテルおよび
    ジアルキルカーボネートならびにそれらの混合物からな
    る群から選択することを含む、請求項23に記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 高誘電率溶媒を含む非水性電解質を提
    供し、かつ前記高誘電率溶媒を、環状カーボネート、環
    状エステルおよび環状アミドならびにそれらの混合物か
    らなる群から選択することを含む、請求項23に記載の
    方法。
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