JP2001349710A - 三次元計測装置 - Google Patents

三次元計測装置

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JP2001349710A JP2000171729A JP2000171729A JP2001349710A JP 2001349710 A JP2001349710 A JP 2001349710A JP 2000171729 A JP2000171729 A JP 2000171729A JP 2000171729 A JP2000171729 A JP 2000171729A JP 2001349710 A JP2001349710 A JP 2001349710A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】計測対象物の三次元形状を位相シフト法を用い
て計測するに際し、ハレーション等による不具合を抑制
し、計測精度をより高めることを可能とする。 【解決手段】印刷状態検査装置1は、クリームハンダC
の印刷されてなるプリント基板Kを載置するためのテー
ブル2と、プリント基板Kの表面に対し斜め上方から正
弦波状の複数の位相変化する光パターンを照射するため
の照明装置3と、プリント基板K上の前記照射された部
分を撮像するための撮像手段を構成するCCDカメラ4
とを備えている。照明装置3は、テーブル2の中心とコ
ーナー部とを結ぶ直線上に配置されており、プリント基
板Kの辺方向に対し、平面視斜め45度の方向から光パ
ターンを照射する。従って、クリームハンダCの延びる
方向に対し、45度傾いた線に沿って照度が正弦波状に
変化する縞状の光パターンが照射される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、測定対象物の三次
元形状等を位相シフト法を用いて計測する三次元計測装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、プリント基板上に電子部品を実
装する場合、まずプリント基板上に配設された所定の電
極パターン上にクリームハンダが印刷される。次に、該
クリームハンダの粘性に基づいてプリント基板上に電子
部品が仮止めされる。その後、前記プリント基板がリフ
ロー炉へ導かれ、所定のリフロー工程を経ることでハン
ダ付けが行われる。昨今では、リフロー炉に導かれる前
段階においてクリームハンダの印刷状態を検査する必要
があり、かかる検査に際して三次元計測装置が用いられ
ることがある。
【0003】近年、光を用いたいわゆる非接触式の三次
元計測装置が種々提案されており、中でも位相シフト法
を用いた三次元計測装置に関する技術が提案されている
(特開平11−211443号公報、特許第27110
42号等)。
【0004】上記技術における三次元計測装置において
は、CCDカメラが用いられる。すなわち、光源と正弦
波パターンのフィルタとの組み合わせからなる照射手段
により、正弦波状の光強度分布を有する光パターンを測
定物体(この場合プリント基板)に照射する。そして、
基板上の点を真上に配置したCCDカメラを用いて観測
する。この場合、画面上の点Pの光の強度Iは下式で与
えられる。
【0005】I=e+f・cosφ [但し、e:直流光ノイズ(オフセット成分)、f:正
弦波のコントラスト(反射率)、φ:物体の凹凸により
与えられる位相] このとき、光パターンを移動させて、位相を例えば4段
階(φ+0、φ+π/2、φ+π、φ+3π/2)に変
化させ、これらに対応する強度分布I0、I1、I2、
I3をもつ画像を取り込み、下記式に基づいて変調分α
を求める。
【0006】 α=arctan{(I3−I1)/(I0−I2)} この変調分αを用いて、プリント基板(クリームハン
ダ)上の点Pの3次元座標(X,Y,Z)が求められ、
もってクリームハンダの三次元形状、特に高さが計測さ
れる。
【0007】
【発明が解決しょうとする課題】ところで、上記技術に
おける三次元計測装置においては、基板の真上にCCD
カメラが設置され、該CCDカメラから離れた部位に照
射手段が設置される。また、図6に示すように、照射手
段からの光Lは、平面から見て矩形状のプリント基板K
の設置方向に沿って照射されるよう設定されている。す
なわち、プリント基板Kの一対の辺と平行に(残りの1
対の辺とは垂直に)光Lが当てられる。
【0008】また、図7に示すように、一般には、クリ
ームハンダCは長尺状をなしており、プリント基板Kの
辺と平行に又は直交方向に延びるようにして印刷され
る。従って、該長尺状のクリームハンダCに対して、光
LはクリームハンダCの延びる方向と平行に又は直交方
向に当てられることとなる。
【0009】ここで、クリームハンダCは、基板上に配
設された銅箔からなる電極パターン上に印刷されるので
あるが、該銅箔が錆びたりするのを防止するために、
(1)銅箔表面に金メッキを施したり、(2)銅箔の上
にプリフラックスを塗布したり、(3)ハンダの接合強
度を増すために銅箔表面にハンダメッキを施したりする
ことが行われる。しかし、図8に示すように、電極部分
の端縁(エッジ部分)の一部がクリームハンダCで被覆
されないことがあり、この場合には、該エッジ部分が露
出することとなる。そして、かかる露出状態にて光Lを
当てた場合、同図に示すように、光LがCCDカメラの
方へと反射してしまうことが起こりうる。そのため、撮
像に際しハレーションを起こしてしまうことがあり、他
のクリームハンダCで被覆されている部分について正確
な測定が困難となってしまうおそれがある。特に、上記
(3)のように、銅箔表面にハンダメッキを施すことで
電極パターンが構成されている場合には、エッジ部分が
断面円弧状となるため、上記不具合が起こりやすくなる
傾向にある。
【0010】また、光Lは真上から照射される訳ではな
いので、図7の斜線及び図9に示すように、光Lが当た
らない(陰となる)部分が生じることとなる。そして、
該部分のクリームハンダCは測定されにくい。これに対
し、上述したように(図7参照)、クリームハンダCの
中には、自身が延びる方向と平行に光Lが当たるもの
と、直交する方向に光Lが当たるものとがある。ここ
で、平行に光Lが当たる場合には陰となる部分が少ない
のに対し、直交する方向に当たる場合には陰となる部分
が多くなる。このため、たとえ同じ量のクリームハンダ
Cが印刷形成された場合であっても、平行に光Lが当た
るものと直交方向に光Lが当たるものとでは、測定され
るクリームハンダCの量に大きな差異が生じてしまうお
それがある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であり、計測対象物の三次元形状を位相シフト法を用い
て計測するに際し、ハレーション等による不具合を抑制
し、計測精度をより高めることのできる三次元計測装置
を提供することを主たる目的の一つとしている。
【0012】
【課題を解決するための手段及びその効果】上記目的を
達成し得る特徴的手段について以下に説明する。また、
各手段につき、特徴的な作用及び効果を必要に応じて記
載する。
【0013】手段1.略矩形状をなす基板本体上に設け
られた長尺状の計測対象物に対し、略正弦波状の光強度
分布を有する光パターンを照射可能な照射手段と、計測
対象物を撮像可能な撮像手段と、前記計測対象物と、前
記光パターンとの相対位相関係を変化させる位相変化手
段と、前記位相変更手段により変化させられた複数通り
の相対位相関係下において前記撮像手段にて撮像された
複数通りの画像データに基づき、位相シフト法により少
なくとも前記計測対象物の所定の高さを演算する演算手
段とを備え、前記照射手段にて照射される光パターン
が、前記基板本体の各辺に対し斜めとなるよう構成した
ことを特徴とする三次元計測装置。
【0014】手段1によれば、略矩形状をなす基板本体
上に設けられた長尺状の計測対象物に対し、略正弦波状
の光強度分布を有する光パターンが照射手段によって照
射される。また、光パターンの照射された計測対象物が
撮像手段によって撮像される。このとき、計測対象物と
光パターンとの相対位相関係が位相変化手段によって変
化させられる。そして、位相変更手段により変化させら
れた複数通りの相対位相関係下において前記撮像手段に
て撮像された複数通りの画像データに基づき、演算手段
では、位相シフト法により少なくとも計測対象物の所定
の高さが演算される。ここで、照射手段にて照射される
光パターンは、基板本体の各辺に対し斜めとなる。この
ため、撮像の対象となる計測対象物が基板本体の辺方向
に延びるように設けられている場合には、光が計測対象
物を撮像するための撮像手段の方へと反射してしまうこ
とが起こりにくくなり、ハレーションによる不具合が抑
制される。
【0015】手段2.ほぼ全ての計測対象物が、前記基
板本体の辺方向に延びるように設けられていることを特
徴とする手段1に記載の三次元計測装置。
【0016】手段2によれば、光がほぼ全ての計測対象
物の延びる方向に斜めに当たり、反射光が撮像手段の方
へと反射してしまうことが起こりにくくなり、ハレーシ
ョンによる不具合が一層抑制される。また、光が当たら
ない部分が生じたとしても、ほぼ全ての計測対象物の延
びる方向に斜めに光が当たるため、各計測対象物間で陰
となる部分の均一化が図られる。このため、計測対象物
間での計測結果に差異を生じにくくすることができる。
【0017】手段3.長尺状をなす計測対象物に対し、
略正弦波状の光強度分布を有する光パターンを照射可能
な照射手段と、計測対象物を略矩形状の視野にて撮像可
能な撮像手段と、前記計測対象物と、前記光パターンと
の相対位相関係を変化させる位相変化手段と、前記位相
変更手段により変化させられた複数通りの相対位相関係
下において前記撮像手段にて撮像された複数通りの画像
データに基づき、位相シフト法により少なくとも前記計
測対象物の所定の高さを演算する演算手段とを備え、前
記照射手段にて照射される光パターンが、前記撮像手段
の視野の各辺に対し斜めとなるよう構成したことを特徴
とする三次元計測装置。
【0018】手段3によれば、長尺状をなす計測対象物
に対し、略正弦波状の光強度分布を有する光パターンが
照射手段によって照射される。また、照射された計測対
象物が、撮像手段によって略矩形状の視野にて撮像され
る。このとき、計測対象物と光パターンとの相対位相関
係が位相変化手段によって変化させられる。そして、位
相変更手段により変化させられた複数通りの相対位相関
係下において前記撮像手段にて撮像された複数通りの画
像データに基づき、演算手段では、位相シフト法により
少なくとも計測対象物の所定の高さが演算される。ここ
で、照射手段にて照射される光パターンは、撮像手段の
視野の各辺に対し斜めとなる。このため、撮像の対象と
なる計測対象物が撮像手段の視野の辺方向に延びるよう
に設けられている場合には、光が撮像手段の方へと反射
してしまうことが起こりにくくなり、ハレーションによ
る不具合が抑制される。
【0019】手段4.ほぼ全ての計測対象物が、前記撮
像手段の視野の辺方向に延びるように設けられているこ
とを特徴とする手段3に記載の三次元計測装置。
【0020】手段4によれば、光がほぼ全ての計測対象
物の延びる方向に斜めに当たり、反射光が撮像手段の方
へと反射してしまうことが起こりにくくなり、ハレーシ
ョンによる不具合が一層抑制される。また、光が当たら
ない部分が生じたとしても、ほぼ全ての計測対象物の延
びる方向に斜めに光が当たるため、各計測対象物間で陰
となる部分の均一化が図られる。このため、計測対象物
間での計測結果に差異を生じにくくすることができる。
【0021】手段5.長尺状をなし、第1の方向及び該
第1の方向に略直交する第2の方向の少なくとも一方向
に延びるよう配列された計測対象物に対し、略正弦波状
の光強度分布を有する光パターンを照射可能な照射手段
と、計測対象物を撮像可能な撮像手段と、前記計測対象
物と、前記光パターンとの相対位相関係を変化させる位
相変化手段と、前記位相変更手段により変化させられた
複数通りの相対位相関係下において前記撮像手段にて撮
像された複数通りの画像データに基づき、位相シフト法
により少なくとも前記計測対象物の所定の高さを演算す
る演算手段とを備え、前記照射手段にて照射される光パ
ターンが、前記計測対象物の延びる方向に対し斜めとな
るよう構成したことを特徴とする三次元計測装置。
【0022】手段5によれば、長尺状をなし、第1の方
向及び該第1の方向に略直交する第2の方向の少なくと
も一方向に延びるよう配列された計測対象物に対し、略
正弦波状の光強度分布を有する光パターンが照射手段に
よって照射される。また、照射された計測対象物が撮像
手段によって撮像される。このとき、計測対象物と光パ
ターンとの相対位相関係が位相変化手段によって変化さ
せられる。そして、位相変更手段により変化させられた
複数通りの相対位相関係下において前記撮像手段にて撮
像された複数通りの画像データに基づき、演算手段で
は、位相シフト法により少なくとも計測対象物の所定の
高さが演算される。ここで、照射手段にて照射される光
パターンが、計測対象物の延びる方向に対し斜めとな
る。このため、光が計測対象物の延びる方向に斜めに当
たることとなり、反射光が撮像手段の方へと反射してし
まうことが起こりにくくなる。そのため、ハレーション
による不具合が抑制される。また、光が当たらない部分
が生じたとしても、計測対象物の延びる方向に斜めに光
が当たるため、各計測対象物間で陰となる部分の均一化
が図られる。このため、計測対象物間での計測結果に差
異を生じにくくすることができる。
【0023】手段6.前記計測対象物は、略矩形状のプ
リント基板本体表面に設けられた複数の電極パターン上
に印刷形成されたクリームハンダであることを特徴とす
る手段1乃至5のいずれかに記載の三次元計測装置。
【0024】手段6によれば、クリームハンダで被覆さ
れない電極パターンの露出部分があったとしても、該露
出部分に当たった光の反射光が撮像手段の方へと反射し
てしまうことが起こりにくくなる。そのため、ハレーシ
ョンによる不具合が抑制される。また、クリームハンダ
の端部において光が当たらない部分が生じたとしても、
クリームハンダの延びる方向に斜めに光が当たるため、
各クリームハンダ間で陰となる部分の均一化が図られ
る。このため、各クリームハンダ間での計測結果に差異
を生じにくくすることができる。
【0025】手段7.前記電極パターン表面にはハンダ
メッキが施されていることを特徴とする手段6に記載の
三次元計測装置。
【0026】手段7によれば、電極パターン表面に設け
られたハンダメッキは、一般にはそのエッジ部分が断面
円弧状をなしている。このため、該エッジ部分に光が当
たった場合には、光が撮像手段の方へ反射することが懸
念されるところであるが、光を計測対象物の延びる方向
に対し斜めに当てることによって、撮像手段とは別の方
向へ反射させることが可能となる。このため、撮像手段
の方へと光が反射することによる不具合の抑制を図るこ
とができる。
【0027】手段8.前記演算手段は、前記位相変更手
段により変化させられた相対位相関係下において前記撮
像手段にて撮像された少なくとも3通りの画像データに
基づき前記計測対象物の所定の高さを演算することを特
徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の三次元計測
装置。
【0028】手段8によれば、前記位相変更手段により
変化させられた相対位相関係下において前記撮像手段に
て撮像された少なくとも3通りの画像データに基づき、
演算手段では、計測対象物の所定の高さが演算される。
このため、演算に際し、光強度に関するオフセット成分
と反射率とをキャンセルした計測が可能となる。
【0029】手段9.前記照射手段にて照射される光パ
ターンが、前記計測対象物の延びる方向に対し略45度
となるよう構成したことを特徴とする手段1乃至8のい
ずれかに記載の三次元計測装置。
【0030】手段9によれば、照射手段にて照射される
光パターンが、前記計測対象物の延びる方向に対し略4
5度となるため、各計測対象物間で陰となる部分の一層
の均一化が図られ、計測対象物間での計測結果の差異を
一層生じにくくすることができる。
【0031】手段10.手段1乃至9のいずれかに記載
の三次元計測装置を備え、前記演算手段による演算結果
に基づき、計測対象物の良否を判定する判定手段を設け
たことを特徴とする検査装置。
【0032】手段10によれば、判定手段では、演算手
段による演算結果に基づき、計測対象物の良否が判定さ
れる。このため、反射光の影響や陰の影響の少ない正確
な判定を期待することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、一実施の形態について、図
1乃至図5を参照しつつ説明する。
【0034】図1は、本実施の形態における三次元計測
装置を具備する印刷状態検査装置1を模式的に示す概略
構成図である。同図に示すように、印刷状態検査装置1
は、クリームハンダCの印刷されてなるプリント基板K
を載置するためのテーブル2と、プリント基板Kの表面
に対し斜め上方から正弦波状の複数の位相変化する光パ
ターンを照射するための照明手段及び位相変化手段を構
成する照明装置3と、プリント基板K上の前記照射され
た部分を撮像するための撮像手段を構成するCCDカメ
ラ4とを備えている。なお、本実施の形態におけるクリ
ームハンダCは、プリント基板K上に設けられた銅箔か
らなる電極パターン上に印刷形成されている。また、電
極パターン上にはハンダメッキが施されている。
【0035】テーブル2には、モータ5,6が設けられ
ており、該モータ5,6によって、テーブル2上に載置
されたプリント基板Kが任意の方向(X軸方向及びY軸
方向)へスライドさせられるようになっている。
【0036】照明装置3は、公知の液晶光学シャッター
を備えており、プリント基板Kに対し、斜め上方から4
分の1ピッチづつ位相変化する光パターンを照射するよ
うになっている。また、図4に示すように、本実施の形
態における照明装置3は、テーブル2の中心とコーナー
部とを結ぶ直線上に配置されており、テーブル2の辺方
向(プリント基板Kの辺方向)に対し、平面視斜め45
度の方向から光パターンを照射する。従って、光源から
の光は液晶光学シャッターを介してプリント基板K上に
照射されるようになっており、特にプリント基板Kの辺
方向に対し、45度傾いた線に沿って照度が正弦波状に
変化する縞状の光パターン(正弦波パターン)が照射さ
れるようになっている(図2参照)。
【0037】なお、照明装置3において、図示しない光
源からの光は光ファイバーにより一対の集光レンズに導
かれ、そこで平行光にされる。その平行光が、液晶素子
を介して恒温制御装置内に配置された投影レンズに導か
れる。そして、投影レンズから4つの位相変化する光パ
ターンが照射される。このように、照明装置3に液晶光
学シャツターが使用されていることによって、縞状の光
パターンを作成した場合に、その照度が理想的な正弦波
に近いものが得られ、これにより、三次元計測の測定分
解能が向上するようになっている。また、光パターンの
位相シフトの制御を電気的に行うことができ、制御系の
コンパクト化を図ることができるようになっている。
【0038】また、図1に示すように、前記CCDカメ
ラ4、照明装置3、モータ5,6を駆動制御するととも
に、CCDカメラ4により撮像された撮像データに基づ
き種々の演算を実行するための制御装置7が設けられて
いる。すなわち、プリント基板Kがテーブル2上に載置
されると、制御装置7は、まずモータ5,6を駆動制御
して所定の位置に移動させ、プリント基板Kを初期位置
に移動させる。この初期位置は、例えばCCDカメラ4
の視野の大きさを1単位としてプリント基板Kの表面を
予め分割しておいた中の1つの位置である。また、制御
装置7は、照明装置3を駆動制御して光パターンの照射
を開始させると共に、この光パターンの位相を4分の1
ピッチずつシフトさせて4種類の照射を順次切換制御す
る。さらに、このようにして光パターンの位相がシフト
する照明が行われている間に、制御装置7はCCDカメ
ラ4を駆動制御して、これら各照射ごとに検査エリア部
分を撮像し、それぞれ4画面分の画像データを得る。
【0039】制御装置7は画像メモリを備えており、4
画面分の画像データを順次記憶する。この記憶した画像
データに基づいて、制御装置7は各種画像処理を行う。
かかる画像処理が行われている間に、制御装置7は、モ
ータ5,6を駆動制御してテーブル2を次の検査エリア
へと移動せしめる。制御装置7は、ここでの画像データ
についても画像メモリへ格納する。一方、画像メモリで
の画像処理が一旦終了した場合、すでに画像メモリには
次の画像データが記憶されているので、速やかに制御装
置7は次の画像処理を行うことができる。つまり、検査
は、一方で次なる検査エリア(n+1番目)への移動及
び画像入力を行い、他方ではn番目の画像処理及び比較
判定を行う。以降、全ての検査エリアでの検査が完了す
るまで、交互に同様の上記並行処理が繰り返し行われ
る。このように、本実施の形態の印刷状態検査装置1に
おいては、制御装置7の制御により検査エリアを移動し
ながら、順次画像処理を行うことにより、プリント基板
K上のクリームハンダCの印刷状態を高速かつ確実に検
査することができるようになっている。
【0040】次に、制御装置7の行う画像処理と比較判
定について説明する。プリント基板Kに投影された光パ
ターンに関して、プリント基板K面上とクリームハンダ
Cとの間では、その高さの相違に基づく位相のずれが生
じる。そこで、制御装置7では、光パターンの位相が4
分の1ピッチずつシフトした際の検査エリアの画像デー
タ(本実施の形態では4画面の画像データ)に基づき、
位相シフト法(縞走査法)によって検査エリア内の各部
の反射面の高さを算出するのである。
【0041】すなわち、画面上の点Pの光の強度Iは下
式で与えられる。
【0042】I=e+f・cosφ [但し、e:直流光ノイズ(オフセット成分)、f:正
弦波のコントラスト(反射率)、φ:物体の凹凸により
与えられる位相] このとき、光パターンをシフトさせて、位相を例えば4
段階(φ+0、φ+π/2、φ+π、φ+3π/2)に
変化させ、これらに対応する強度分布I0、I1、I
2、I3をもつ画像を取り込み、下記式に基づいて変調
分αを求める。
【0043】 α=arctan{(I3−I1)/(I0−I2)} この変調分αを用いて、下記式に基づいてプリント基板
(クリームハンダ)上の点Pの3次元座標(X,Y,
Z)を求める。
【0044】 X=−sx Y=b+s(−c+ycosφ) Z=a+s(−d+ysinφ) s=(−bcosθ)/u θ=arctan(lα/a) u=(−c−ycosφ)cosθ+(−d+ysin
φ)sinθ φ=arctan(b/a) c=am d=bm (但し、l:基準面に投影された光パターン
のピッチ、m:カメラ倍率) このようにして得られた点Pの3次元座標(X,Y,
Z)データは、撮像画面の画素P単位に演算され、制御
装置7のメモリに格納される。また、当該各部のデータ
に基づいて、基準面より高くなったクリームハンダCの
印刷範囲が検出され、この範囲内での各部の高さを積分
することにより、印刷されたクリームハンダCの量が算
出される。そして、このようにして求めたクリームハン
ダの位置、面積、高さ又は量等のデータが予め記憶され
ている基準データと比較判定され、この比較結果が許容
範囲内にあるか否かによって、その検査エリアにおける
クリームハンダCの印刷状態の良否が判定されるのであ
る。
【0045】以上詳述したように、本実施の形態によれ
ば、照明装置3にて照射される光パターンが、クリーム
ハンダCの延びる方向に対し斜めとなる(プリント基板
Kの各辺に対し斜めとなり、CCDカメラ4の視野の各
辺に対し斜めとなる:図2参照)。このため、図3に示
すように、光LがクリームハンダCの延びる方向に斜め
に(45度の角度で)当たることとなる。従って、仮に
クリームハンダCの端縁部において、電極パターンのエ
ッジ部分が露出していたとしても、該エッジ部分に当た
った光LがCCDカメラ4の方へと反射してしまうとい
った事態が起こりにくくなる。その結果、ハレーション
による不具合を抑制することができ、ひいては計測精度
をより高めることができる。
【0046】また、同図に示すように、光Lが当たらな
い部分が生じたとしても、クリームハンダCの延びる方
向に斜めに光Lが当たるため、クリームハンダCが同図
縦方向に延びていても横方向に延びていても陰となる部
分に差異が生じにくい。従って、各クリームハンダC間
で陰となる部分の均一化が図られる。このため、結果と
して得られる各クリームハンダCについての計測結果に
関し、差異を生じにくくすることができ、もってより一
層の計測精度の向上を図ることができる。
【0047】さらに、本実施の形態では平面視斜め45
度の方向から光パターンを照射する構成となっているた
め、図5に示すように、クリームハンダCに対して、該
クリームハンダCの延びる方向と平行に又は直交方向に
当てられていた従来技術に比べて、照射光の角度が相対
的に鋭角となる。そのため、陰となる部分(同図散点模
様を付した部分)が相対的に減少することとなる。その
結果、より一層加減の影響を少なくすることができるこ
とから、計測精度をより一層高めることができる。さら
に、本実施の形態では、CCDカメラ4や照明装置3を
移動させることなく固定状態で配設しておけばよいた
め、装置全体の構造の簡素化及び計測精度のさらなる向
上を図ることができる。
【0048】尚、上述した実施の形態の記載内容に限定
されることなく、例えば次のように実施してもよい。
【0049】(a)上記実施の形態では、照明装置3が
光パターンをシフトさせることができる構成となってい
たが、プリント基板K(ひいてはクリームハンダC)を
移動させることにより、位相を変化させることとしても
よい。
【0050】(b)CCDカメラ4及び照明装置3の配
置を従来と同じにしておいて、テーブル2やプリント基
板Kの配置角を従来と異ならせることとしてもよい。
【0051】(c)上記実施の形態では平面視斜め45
度の方向から光パターンを照射する構成となっていた
が、必ずしも45度という数値に拘泥されるわけではな
く、平面視斜めの方向から光パターンが照射される構成
となっていれば、例えば30度であってもよいし、40
度であってもよいし、60度であってもよい。
【0052】(d)上記実施の形態では、撮像回数を4
回としたが、3回であってもよい。この場合には、位相
変化手段により変化させられる3通りの相対位相関係を
それぞれ0、δ、εとしたときの前記3通りの光の強度
がそれぞれI0、I1、I2であるとき、下記式により変調分
αが求められ、該変調分αに基づき所定の高さ等が演算
される。
【0053】
【数1】 (e)上記実施の形態ではクリームハンダCの高さ等を
計測する場合に具体化したが、他の計測対象物の高さ等
を計測する場合に具体化してもよい。他の計測対象物と
しては、基板上に印刷された印刷物、積層体等が挙げら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態における三次元計測装置を具備す
る印刷状態検査装置を模式的に示す概略斜視図である。
【図2】プリント基板、正弦波パターン及びカメラ視野
の関係を模式的に示す平面図である。
【図3】プリント基板上のクリームハンダ及び入射光の
関係を概略的に示す平面模式図である。
【図4】プリント基板、CCDカメラ及び照明装置の相
対位置関係を示す平面模式図である。
【図5】本実施の形態の照射光に関する作用効果を説明
する側面模式図である。
【図6】従来技術におけるプリント基板、正弦波パター
ン及びカメラ視野の関係を模式的に示す平面図である。
【図7】従来技術におけるプリント基板上のクリームハ
ンダ及び入射光の関係を概略的に示す平面模式図であ
る。
【図8】従来技術におけるプリント基板上のクリームハ
ンダ並びに入射及び反射光の関係を概略的に示す断面模
式図である。
【図9】従来技術におけるプリント基板上のクリームハ
ンダ及び入射光の関係を概略的に示す断面模式図であ
る。
【符号の説明】
1…三次元計測装置を具備する印刷状態検査装置、2…
テーブル、3…照明手段及び位相変化手段を構成する照
明装置、4…撮像手段としてのCCDカメラ、7…演算
手段を構成する制御装置、K…基板本体を構成するプリ
ント基板、L…光、C…計測対象物を構成するクリーム
ハンダ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA24 AA53 CC01 CC26 DD12 FF04 HH06 JJ03 JJ26 LL25 LL30 MM03 PP12 5B057 AA03 BA02 BA15 CA12 CA16 CB13 CB17 DA17 DB02 DC02 DC23 5E319 AC17 BB05 CD29 CD52

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略矩形状をなす基板本体上に設けられた
    長尺状の計測対象物に対し、略正弦波状の光強度分布を
    有する光パターンを照射可能な照射手段と、 計測対象物を撮像可能な撮像手段と、 前記計測対象物と、前記光パターンとの相対位相関係を
    変化させる位相変化手段と、 前記位相変更手段により変化させられた複数通りの相対
    位相関係下において前記撮像手段にて撮像された複数通
    りの画像データに基づき、位相シフト法により少なくと
    も前記計測対象物の所定の高さを演算する演算手段とを
    備え、 前記照射手段にて照射される光パターンが、前記基板本
    体の各辺に対し斜めとなるよう構成したことを特徴とす
    る三次元計測装置。
  2. 【請求項2】 ほぼ全ての計測対象物が、前記基板本体
    の辺方向に延びるように設けられていることを特徴とす
    る請求項1に記載の三次元計測装置。
  3. 【請求項3】 長尺状をなす計測対象物に対し、略正弦
    波状の光強度分布を有する光パターンを照射可能な照射
    手段と、 計測対象物を略矩形状の視野にて撮像可能な撮像手段
    と、 前記計測対象物と、前記光パターンとの相対位相関係を
    変化させる位相変化手段と、 前記位相変更手段により変化させられた複数通りの相対
    位相関係下において前記撮像手段にて撮像された複数通
    りの画像データに基づき、位相シフト法により少なくと
    も前記計測対象物の所定の高さを演算する演算手段とを
    備え、 前記照射手段にて照射される光パターンが、前記撮像手
    段の視野の各辺に対し斜めとなるよう構成したことを特
    徴とする三次元計測装置。
  4. 【請求項4】 ほぼ全ての計測対象物が、前記撮像手段
    の視野の辺方向に延びるように設けられていることを特
    徴とする請求項3に記載の三次元計測装置。
  5. 【請求項5】 長尺状をなし、第1の方向及び該第1の
    方向に略直交する第2の方向の少なくとも一方向に延び
    るよう配列された計測対象物に対し、略正弦波状の光強
    度分布を有する光パターンを照射可能な照射手段と、 計測対象物を撮像可能な撮像手段と、 前記計測対象物と、前記光パターンとの相対位相関係を
    変化させる位相変化手段と、 前記位相変更手段により変化させられた複数通りの相対
    位相関係下において前記撮像手段にて撮像された複数通
    りの画像データに基づき、位相シフト法により少なくと
    も前記計測対象物の所定の高さを演算する演算手段とを
    備え、 前記照射手段にて照射される光パターンが、前記計測対
    象物の延びる方向に対し斜めとなるよう構成したことを
    特徴とする三次元計測装置。
  6. 【請求項6】 前記計測対象物は、略矩形状のプリント
    基板本体表面に設けられた複数の電極パターン上に印刷
    形成されたクリームハンダであることを特徴とする請求
    項1乃至5のいずれかに記載の三次元計測装置。
  7. 【請求項7】 前記電極パターン表面にはハンダメッキ
    が施されていることを特徴とする請求項6に記載の三次
    元計測装置。
  8. 【請求項8】 前記演算手段は、前記位相変更手段によ
    り変化させられた相対位相関係下において前記撮像手段
    にて撮像された少なくとも3通りの画像データに基づき
    前記計測対象物の所定の高さを演算することを特徴とす
    る請求項1乃至7のいずれかに記載の三次元計測装置。
  9. 【請求項9】 前記照射手段にて照射される光パターン
    が、前記計測対象物の延びる方向に対し略45度となる
    よう構成したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれ
    かに記載の三次元計測装置。
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