JP2001347175A - 粉砕機に使用される破砕面部材 - Google Patents

粉砕機に使用される破砕面部材

Info

Publication number
JP2001347175A
JP2001347175A JP2000172184A JP2000172184A JP2001347175A JP 2001347175 A JP2001347175 A JP 2001347175A JP 2000172184 A JP2000172184 A JP 2000172184A JP 2000172184 A JP2000172184 A JP 2000172184A JP 2001347175 A JP2001347175 A JP 2001347175A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wear
wear resistance
surface member
resistance
resistant metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000172184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3779529B2 (ja
Inventor
Hajime Kawazu
肇 河津
Yuji Torii
勇治 鳥居
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shoji Kk Ing
ING Shoji Co Ltd
Original Assignee
Shoji Kk Ing
ING Shoji Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shoji Kk Ing, ING Shoji Co Ltd filed Critical Shoji Kk Ing
Priority to JP2000172184A priority Critical patent/JP3779529B2/ja
Publication of JP2001347175A publication Critical patent/JP2001347175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3779529B2 publication Critical patent/JP3779529B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Crushing And Grinding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐磨耗性が高い部分と耐磨耗性が低い部分が
交互に設けられた破砕面部材において、耐磨耗性が高い
部分の性能を顕著に引き上げた場合に問題となる、耐磨
耗性が低い部分の早期磨耗を防止する。 【解決手段】 母材部10の表面に設けられた複数の溝
11に、母材部10より耐磨耗性の高い耐磨耗性金属材
20を多層肉盛溶接することにより、耐磨耗性の高い部
分Bを形成する。隣接する溝11,11を仕切る仕切り
壁12の上に、耐磨耗性金属材20と同じ耐磨耗性金属
材30を肉盛する。耐磨耗性金属材30が希釈され、そ
の耐磨耗性が低下することにより、耐磨耗性の低い部分
Aが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロール粉砕機、コー
ンクラッシャ、リングロールミル、竪型ローラミル、エ
ッジランナ等の粉砕機に使用されて高面圧摩擦を受ける
ローラ、テーブ等の破砕面部材に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の破砕面部材として、本出願人
は、その少なくとも表層部に耐磨耗性が異なる2種類の
ブロックを、破砕面上で材料が噛み込まれていく方向に
交互に配列したものを先に提案した(特開昭63−14
3946号公報)。この破砕面部材をローラについて図
7により説明する。
【0003】ローラ1の母材部2の表面に周方向に所定
間隔で設けられた溝3,3・・に、耐磨耗性金属材を肉
盛溶接することにより、ローラ1の表層部に、耐磨耗性
の低い部分Aと耐磨耗性の高い部分Bとが交互に形成さ
れている。即ち、耐磨耗性金属材の肉盛溶接部が耐磨耗
性の高い部分Bであり、隣接する肉盛溶接部に挟まれた
母材部2の一部分が耐磨耗性の低い部分Aである。
【0004】ローラ1の母材部2の表面に耐磨耗性の高
い部分B,B・・を所定間隔で形成すると、図8(a)
に示すように、耐磨耗性の低い部分A,A・・の各表面
に安定的な凹みが形成され、破砕性が著しく向上する。
耐磨耗性の低い部分Aに生じる凹みの深さdは0.5〜
15mmが好適であり、耐磨耗性の低い部分Aの幅wa
は、耐磨耗性の高い部分Bの幅wbの1/10〜1/2
が適当である。
【0005】この破砕面部材とは別に、本出願人は、マ
ンガンを主な合金成分とするマンガンオーステナイト系
合金をマトリックスとして、そのマトリクス中に、別途
製造された高硬度炭化物粒子を、断面積比で20〜70
%占めるよう添加して分散混合させた複合材を先に開発
した(特開平9−108887号公報)。
【0006】この複合材は、高面圧下で耐磨耗性に著し
く優れるので、耐磨耗性の高い部分Bを形成するための
耐磨耗性肉盛材としても好適である。マトリックスとし
ては、重量%でC:0.2〜1.8%、Cr:25%以
下、Mn:11〜25%以下、Ni:10%以下、S
i:2.5%以下、Nb:0〜10%を含む、マンガン
オーステナイト系合金が特に好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】耐磨耗性の高い部分
B,B・・をこの複合材で形成すると、耐磨耗性の高い
部分Bの耐磨耗性が余りにも高くなるために、耐磨耗性
の低い部分Aと耐磨耗性の高い部分Bとの耐磨耗性の差
異が圧倒的に異なり、その結果として、図8(b)に示
すように、耐磨耗性の低い部分Aが早期磨耗するように
なる。
【0008】耐磨耗性の低い部分Aが余りに早く磨耗す
ると、耐磨耗性の高い部分Bの両側面が極端な磨耗に曝
され、両側のエッジ部から磨耗が進行することにより、
耐磨耗性の高い部分Bが尖った山形になる。その結果、
耐磨耗性の高い部分Bの見掛け上の幅が極端に小さくな
り、また、耐磨耗性の低い部分Aに生じる凹みの深さも
極端に深くなる。その結果、騒音が大きくなるとか、耐
磨耗性の高い部分Bに欠けが発生して寿命が短くなるな
どの問題が発生する。
【0009】このような耐磨耗性の低い部分Aの早期磨
耗は、粒径が2〜3mm程度の細粒材料、例えば粘土、
ケイ石等を粉砕する場合は、耐磨耗性の低い部分Aに生
じた凹みに微粉が埋まり、一定以上の磨耗進展が防止さ
れるため、顕著化しない。しかし、セメント工場におけ
る原料ミルローラによる粘土、ケイ石の粉砕のように粒
径が50〜60mmの粗粒を粉砕する場合は、この早期
磨耗が顕著化する。
【0010】耐磨耗性の低い部分Aの耐磨耗性を高める
と、この早期磨耗は防止されるが、耐磨耗性の低い部分
Aの耐磨耗性を高めることは、ローラ1の母材部2の耐
磨耗性を高めることを意味するので、母材部2の耐磨耗
性向上に伴う機械的強度の低下を発生させる。即ち、ロ
ーラ1の母材部2としては、全体の機械的強度を確保す
るために、SS400、ステンレス鋼、S35C炭素鋼
のような耐磨耗性の低い材料の使用が不可欠である。
【0011】本発明の目的は、耐磨耗性の高い部分Bの
耐磨耗性を顕著に引き上げた場合に問題となる耐磨耗性
の低い部分Aの早期磨耗を、母材部の耐磨耗性を高める
ことなく防止できる破砕面部材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の粉砕機に使用される破砕面部材は、その破
砕面部材の母材部の表面に、耐磨耗性の低い部分Aと耐
磨耗性の高い部分Bを所定ピッチで交互に設けると共
に、耐磨耗性の低い部分Aを、母材部より耐磨耗性が高
く耐磨耗性の高い部分Bより耐磨耗性が低い耐磨耗性金
属材により形成したものである。
【0013】耐磨耗性の低い部分Aは、母材部より耐磨
耗性が高く耐磨耗性の高い部分Bと耐磨耗性が同じかこ
れより耐磨耗性が低い耐磨耗性金属材を、母材部の表面
上へ肉盛することで形成するのが好ましい。耐磨耗性の
高い部分Bと耐磨耗性が同じ耐磨耗性金属材を肉盛して
も、意図的な溶け込みにより母材部から十分な希釈を受
けるので、耐磨耗性の高い部分Bより低い耐磨耗性が、
耐磨耗性の低い部分Aに付与されることになる。これに
よると、両部分を同じ溶接で形成できるので、施工が簡
単である。
【0014】耐磨耗性の高い部分Bは、高クロム鋳鉄系
合金の多層盛りにより形成することができる。また、炭
化物析出型合金の多層盛りにより形成することができ
る。また、ニッケル基合金マトリックス又はコバルト基
合金マトリックスにタングステン炭化物粒子を55〜6
5%分散混合させた複合材の多層盛りにより形成するこ
とができる。また、マンガンを主な合金成分とするマン
ガンオーステナイト系合金からなるマトリックス中に、
別途製造された高硬度炭化物粒子を、断面積比で20〜
70%占めるよう添加して分散混合させた複合材の多層
盛りにより形成することができる。マトリックスとして
のマンガンオーステナイト系合金は、重量%でC:0.
2〜1.8%、Cr:25%以下、Mn:11〜25%
以下、Ni:10%以下、Si:2.5%以下、Nb:
0〜10%を含むものが好ましい。複合材は耐磨耗性の
高い部分Bに特に高い耐磨耗性を付与することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0016】図1は本発明の第1実施形態を示す。本実
施形態の破砕面部材では、ローラ、テーブル等の母材部
10の表面に、耐磨耗性の低い部分Aと耐磨耗性の高い
部分Bとが交互に形成されている。耐磨耗性の高い部分
Bは、母材部10の表面に設けられた溝11に、母材部
10より耐磨耗性の高い耐磨耗性金属材20を多層肉盛
溶接することにより形成されている。
【0017】ここで、隣接する溝11,11を仕切る仕
切り壁12は、耐磨耗性金属材20の肉盛高さより低く
されている。即ち、耐磨耗性金属材20は、仕切り壁1
2より高く肉盛されている。そして、仕切り壁12の上
に耐磨耗性金属材20と同じ耐磨耗性金属材30を、耐
磨耗性の高い部分Bと同じ高さとなるように肉盛するこ
とにより、耐磨耗性の低い部分Aは形成されている。
【0018】即ち、仕切り壁12の上に耐磨耗性金属材
20と同じ耐磨耗性金属材30を肉盛すると、母材部1
0の仕切り壁部12によって耐磨耗性金属材30が希釈
されるため、その耐磨耗性が低下し、耐磨耗性の低い部
分Aが形成されることになるのである。
【0019】このようにして形成された耐磨耗性の低い
部分Aは、耐磨耗性の高い部分Bとの耐磨耗性の差が小
さいため、早期磨耗が防止される。ここにおける耐磨耗
性の差は、耐磨耗性の低い部分Aの早期磨耗を防止でき
る差異であり、より具体的には、耐磨耗性の低い部分A
の表面に安定的に生じる凹みの深さdを0.5〜15m
mとするのに必要な差異である。
【0020】
【表1】
【0021】耐磨耗性金属材20,30としては、表1
に示すような高クロム鋳鉄系合金(No.7〜21)の
使用が可能である。この合金は、重量%でC:1.0〜
7.5%、Mn:0.1〜4.5%、Si:0.1〜
5.0%、Cr:5〜40%を含み、残部Fe及び不可
避的不純物からなる主成分に対して、炭化物形成元素と
してMo、Ti、V、Nb、W、B、Zr、Ta等を添
加し、その他Co、Al、Ni、Cu等を添加したもの
である。これらの添加量は1種で最高20%、合計でも
20%以下とされる。また、炭化物析出型合金(No.
1〜6)やニッケル基又はコバルト基タングステン炭化
物系合金(No.22,23)の使用が可能である。
【0022】Ni−Cr−B−Si基合金マトリックス
若しくはステライトNo.6に相当するコバルト基合金
マトリックスに55〜65%の微小タングステン炭化物
粒子を含有させた市販タングステン炭化物系合金は、非
常に高価であるが、マトリックスの硬度がHv400〜
520程度と低く、高クロム炭化物系合金や炭化物析出
型合金に比べ、マトリックスの靱性に優れ、耐磨耗性金
属材20,30として好ましい材料である。含有される
炭化物粒子の形状は球状が好ましい。その理由は、球状
黒鉛を含有するダクタイル鋳鉄(FCD)が、針状黒鉛
を含有するズク鋳物(FC材)より、耐衝撃性や破壊強
度に優れることと同じである。タングステン炭化物はコ
バルトを6〜30%含有しているものでもよい。マトリ
ックス同士を比較した場合、マンガンオーステナイト系
合金より耐磨耗性が低いので、耐磨耗性金属材30とし
て特に好適である。
【0023】図2は本発明の第2実施形態を示す。本実
施形態の破砕面部材は、仕切り壁12の上に肉盛される
耐磨耗性金属材30が、耐磨耗性の高い部分Bを形成す
る耐磨耗性金属材20より耐磨耗性が低い点が、第1実
施形態の破砕面部材と相違する。
【0024】このようにして形成された耐磨耗性の低い
部分Aも、その早期磨耗を防止できる程度に、耐磨耗性
の高い部分Bとの耐磨耗性の差を小さく抑えることがで
きる。耐磨耗性金属材20,30としては、表1に示す
各種合金のなかから、適当な耐磨耗性の差をもつ2種を
選択すればよい。
【0025】図3は本発明の第3実施形態を示す。本実
施形態の破砕面部材は、仕切り壁12の上に肉盛される
耐磨耗性金属材30を多層盛りとした点が、第2実施形
態の破砕面部材と相違する。
【0026】表1に示された高クロム鋳鉄系合金及び炭
化物析出型合金では、炭素含有量が炭化物の析出量を支
配しており、炭素含有量が多くなるほど、肉盛溶着金属
に割れが発生しやすくなり、粉砕操業中に粉砕原料によ
り剥離、脱落が発生しやすくなる。このため、炭素含有
量が多くなるほど肉盛厚さが制限される。
【0027】この観点から、耐磨耗性金属材30の肉盛
厚さは、炭素含有量が1.2%以上2.1%未満の場合
で20mm以下、2.1%以上4.5%未満の場合で1
0mm以下、4.5%以上6%以下の場合で6mm以下
にそれぞれ制限される。また、ニッケル基又はコバルト
基タングステン炭化物系合金の場合には、10mm以下
に制限される。
【0028】この制限内であれば、耐磨耗性金属材30
を多層盛りとすることが可能である。
【0029】図4は本発明の第4実施形態を示す。本実
施形態の破砕面部材は、仕切り壁12を省略して耐磨耗
性金属材30の多層盛りのみで、耐磨耗性の低い部分A
を形成した点が、第3実施形態の破砕面部材と相違す
る。
【0030】耐磨耗性金属材30の肉盛厚さが上述した
制限内であれば、本実施形態のように仕切り壁12の省
略も可能である。
【0031】なお、仕切り壁12は、必ずしも母材部1
0と一体化する必要はなく、溶接で形成することも可能
である。その場合、母材部10と必ずしも同じ材質であ
る必要はない。例えば、母材部10の上に軟鋼クラッド
バー材や、ステンレス鋼フラットバー材、14%マンガ
ン鋼等を溶接により取り付けてもよく、同材質の溶接材
料で肉盛により形成してもよい。
【0032】図5は本発明の第5実施形態を示す。本実
施形態の破砕面部材は、耐磨耗性金属材20,30とし
て、マトリックス中に別途製造された高硬度炭化物粒子
を、断面積比で20〜70%占めるよう添加して分散混
合させた複合肉盛材を用いた点が、第1実施形態の破砕
面部材と相違する。
【0033】即ち、耐磨耗性の高い部分Bを形成する耐
磨耗性金属材20として、高硬度炭化物粒子を断面積比
で例えば40〜60%含む複合肉盛材を用い、仕切り壁
12の上に肉盛されて耐磨耗性の低い部分Aを形成する
耐磨耗性金属材20として、高硬度炭化物粒子を断面積
比で例えば30%含む複合肉盛材を用いている。
【0034】このように、本実施形態の破砕面部材で
は、耐磨耗性金属材20,30として高硬度炭化物粒子
を含む複合肉盛材を用い、耐磨耗性金属材20における
粒子含有量を耐磨耗性金属材30における粒子含有量よ
り多くすることで、耐磨耗性が低い部分Aと耐磨耗性が
高い部分Bとの間の耐磨耗性の差を小さく抑制してい
る。このようにして形成された耐磨耗性の低い部分A
も、その早期磨耗を防止できる程度に、耐磨耗性の高い
部分Bとの耐磨耗性の差を小さく抑えることができる。
また、耐磨耗性が低い部分Aと耐磨耗性が高い部分Bと
の間の耐磨耗性の差が、粒子量の変更により簡単に調節
される。
【0035】マトリックスは、重量%でC:0.2〜
1.8%、Cr:25%以下、Mn:11〜25%以
下、Ni:10%以下、Si:2.5%以下、Nb:0
〜10%を含む、マンガンを主な合金成分とするマンガ
ンオーステナイト系合金であり、炭化物形成元素として
Ti、V、W、Mo、B等をそれぞれ10%以下で添加
することができる。代表的な成分系としては、例えば
C:1.2%、Mn:17.4%、Si:0.35%、
Cr:8.5%、Nb:2.6%、Ti:0.11%
(硬度HB250)を挙げることができる。
【0036】図6は本発明の第6実施形態を示す。本実
施形態の破砕面部材は、耐磨耗性の低い部分Aを、母材
部10から独立したブロック状の耐磨耗性金属材40に
より形成した点が、これまでの実施形態の破砕面部材と
相違する。ちなみに、これまでの実施形態の破砕面部材
では、耐磨耗性の低い部分Aは肉盛により形成されてい
る。
【0037】母材部10から独立したブロック状の耐磨
耗性金属材40としては、C:3%、Cr:27%、F
e:残を主成分とする高クロム鋳鉄や、C:3%、C
r:15〜18%、Mo:3〜5%、Fe:残を主成分
とする白銑鋳鉄等が使用される。これらの耐磨耗性金属
材は、溶接すると割れを発生して破断する危険性がある
ので、機械的に母材部10に取り付ける必要がある。
【0038】取り付け方法としては、ブロック状の耐磨
耗性金属材40の厚みに匹敵するスリット13を母材部
10の表面に形成して、これにブロック状の耐磨耗性金
属材40を差し込み固定する。溶接固定はブロック状の
耐磨耗性金属材40に割れを発生させるので、このよう
な機械的な嵌合が良い。特に、スリット13を断面台形
状に形成したり、スリット13の幅を小さめにしてブロ
ック状の耐磨耗性金属材40を焼き嵌めするのが良い。
【0039】更に、このままでは、使用中にブロック状
の耐磨耗性金属材40が脱落する危険があるので、ブロ
ック状の耐磨耗性金属材40についても断面台形状とす
るのがよい。ここにおけるテーパとしては、例えば耐磨
耗性金属材40の最上部の幅を6mmとして、最下部の
幅が12mmとなる程度がよい。
【0040】隣接する耐磨耗性金属材40,40の間に
耐磨耗性金属材20を肉盛する場合、両側の耐磨耗性金
属材40,40を溶融させないようにすることが必要で
ある。このため、耐磨耗性金属材40の両側にステンレ
ス鋼からなる保護板50,50を取り付けるのがよい。
両側の保護板50,50は、耐磨耗性金属材20の肉盛
時に自らは溶融するが、その溶融により溶接入熱を吸収
して内側の耐磨耗性金属材40を溶融させない働きをす
る。
【0041】また、耐磨耗性金属材40を貫通するステ
ンレス鋼製の連結棒60により、両側の保護板50,5
0を耐磨耗性金属材40に固定することが可能である。
連結棒60の両端部は両側の保護板50,50と溶接さ
れる。これにより、耐磨耗性金属材40の脱楽がより効
果的に防止される。保護板50,50及び連結棒60に
はステンレス鋼を使用したが、強度、靱性、特に曲げ強
度、溶接性に優れる材料であれば、如何なる種類の材料
でも使用可能である。
【0042】いずれの実施形態においても、耐磨耗性の
低い部分Aの高さは、耐磨耗性の高い部分Bの高さ(耐
磨耗性金属材20の肉盛厚さ)によって決定され、これ
とほぼ同じとされるが、当初より粉砕原料の粉砕性を高
めたい場合は、耐磨耗性の高い部分Bの高さ(耐磨耗性
金属材20の肉盛厚さ)より低くすることも可能であ
る。この場合の高さの差は3〜5mmが好適である。
【0043】また、耐磨耗性の高い部分Bを形成する耐
磨耗性金属材20が、炭化物粒子を含有する複合肉盛材
の場合は、最下層及び/又は中間層には、炭化物粒子を
含有しない比較的溶接性の良好な耐磨耗性金属材を肉盛
することができ、これにより耐磨耗性の高い部分Bの機
械的強度を高めることができる。
【0044】耐磨耗性の高い部分Bの配置形態として
は、図9に示すように、耐磨耗性の低い部分Aのなか
に、多数の耐磨耗性の高い部分B,B・・・が分散して
配置されるものであってもよい。
【0045】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の粉砕機に
使用される破砕面部材は、耐磨耗性の低い部分Aを、母
材部より耐磨耗性が高く耐磨耗性の高い部分Bより耐磨
耗性が低い耐磨耗性金属材により形成することにより、
耐磨耗性の高い部分Bの耐磨耗性を顕著に引き上げた場
合に問題となる耐磨耗性の低い部分Aの早期磨耗を、母
材部の耐磨耗性を高めることなく防止することができ、
その寿命延長に特に大きな効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す破砕面部材の要部
断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す破砕面部材の要部
断面図である。
【図3】本発明の第3実施形態を示す破砕面部材の要部
断面図である。
【図4】本発明の第4実施形態を示す破砕面部材の要部
断面図である。
【図5】本発明の第5実施形態を示す破砕面部材の要部
断面図である。
【図6】本発明の第6実施形態を示す破砕面部材の要部
断面図である。
【図7】破砕面部材の一例を示すローラの斜視図であ
る。
【図8】破砕面部材の表面磨耗状況を示す断面図であ
る。
【図9】破砕面部材の他のを示すローラの斜視図であ
る。
【符号の説明】
10 母材部 11 溝 12 仕切り壁 20,30,40 耐磨耗性金属材 50 保護板 60 連結棒

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉砕機に使用される破砕面部材であっ
    て、その破砕面部材の母材部の表面に、耐磨耗性の低い
    部分と耐磨耗性の高い部分が所定ピッチで交互に設けら
    れており、耐磨耗性の低い部分が、母材部より耐磨耗性
    が高く耐磨耗性の高い部分より耐磨耗性が低い耐磨耗性
    金属材により形成されていることを特徴とする粉砕機に
    使用される破砕面部材。
  2. 【請求項2】 耐磨耗性の低い部分は、母材部の表面上
    へ、母材部より耐磨耗性が高く耐磨耗性の高い部分と耐
    磨耗性が同じかこれより耐磨耗性が低い耐磨耗性金属材
    を肉盛することにより形成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の粉砕機に使用される破砕面部材。
  3. 【請求項3】 耐磨耗性の高い部分は、高クロム鋳鉄系
    合金、炭化物析出型合金、ニッケル基合金マトリックス
    又はコバルト基合金マトリックスにタングステン炭化物
    粒子を55〜65%分散混合させた複合材、或いはマン
    ガンを主な合金成分とするマンガンオーステナイト系合
    金からなるマトリクス中に、別途製造された高硬度炭化
    物粒子を、断面積比で20〜70%占めるよう添加して
    分散混合させた複合材の多層盛りにより形成されている
    請求項1に記載の粉砕機に使用される耐磨耗性部材。
JP2000172184A 2000-06-08 2000-06-08 粉砕機に使用される破砕面部材 Expired - Fee Related JP3779529B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000172184A JP3779529B2 (ja) 2000-06-08 2000-06-08 粉砕機に使用される破砕面部材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000172184A JP3779529B2 (ja) 2000-06-08 2000-06-08 粉砕機に使用される破砕面部材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001347175A true JP2001347175A (ja) 2001-12-18
JP3779529B2 JP3779529B2 (ja) 2006-05-31

Family

ID=18674625

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000172184A Expired - Fee Related JP3779529B2 (ja) 2000-06-08 2000-06-08 粉砕機に使用される破砕面部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3779529B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247539A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Tokushu Denkyoku Kk 焼結クラッシャー受歯
JP2006281179A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Ing Shoji Kk 破砕面部材
CN100443185C (zh) * 2006-09-19 2008-12-17 西安建筑科技大学 复合破碎壁与复合轧臼壁的制造工艺
EP2181797A1 (en) * 2008-10-31 2010-05-05 Welding Alloys Limited Method of manufacture of composite press rollers with welded high abrasion resistant material in cavities ; Composite press roller with such filled cavities
JP2010158623A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Kurimoto Mec Ltd 竪型ミル及びその再生方法
JP2011031246A (ja) * 2010-11-15 2011-02-17 Ing Shoji Kk 破砕面部材
WO2011064685A1 (en) * 2009-11-25 2011-06-03 Flsmidth A/S Wear -resistant roller for crushing and method for producing the same
CN102921501A (zh) * 2012-11-26 2013-02-13 遂宁华能机械有限公司 耐磨破碎机细破辊筒
WO2018090098A1 (en) * 2016-11-18 2018-05-24 Muddie's Holdings Pty Ltd Method of application of hard facing to wear parts and apparatus formed therefrom
CN109772523A (zh) * 2019-03-11 2019-05-21 张思汉 一种生物医药用的离心碾磨装置
AU2016352428B2 (en) * 2015-11-09 2019-09-12 Flsmidth A/S Tool for working abrasive materials

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20130023393A1 (en) * 2010-04-16 2013-01-24 Flsmidth A/S Wear-resistant roller

Cited By (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006247539A (ja) * 2005-03-11 2006-09-21 Tokushu Denkyoku Kk 焼結クラッシャー受歯
JP4579035B2 (ja) * 2005-04-05 2010-11-10 アイエヌジ商事株式会社 破砕面部材
JP2006281179A (ja) * 2005-04-05 2006-10-19 Ing Shoji Kk 破砕面部材
CN100443185C (zh) * 2006-09-19 2008-12-17 西安建筑科技大学 复合破碎壁与复合轧臼壁的制造工艺
EP2181797A1 (en) * 2008-10-31 2010-05-05 Welding Alloys Limited Method of manufacture of composite press rollers with welded high abrasion resistant material in cavities ; Composite press roller with such filled cavities
CN101722080A (zh) * 2008-10-31 2010-06-09 焊接合金有限公司 复合压辊的制造
JP2010158623A (ja) * 2009-01-08 2010-07-22 Kurimoto Mec Ltd 竪型ミル及びその再生方法
WO2011064685A1 (en) * 2009-11-25 2011-06-03 Flsmidth A/S Wear -resistant roller for crushing and method for producing the same
JP2011031246A (ja) * 2010-11-15 2011-02-17 Ing Shoji Kk 破砕面部材
CN102921501A (zh) * 2012-11-26 2013-02-13 遂宁华能机械有限公司 耐磨破碎机细破辊筒
AU2016352428B2 (en) * 2015-11-09 2019-09-12 Flsmidth A/S Tool for working abrasive materials
US10882049B2 (en) 2015-11-09 2021-01-05 Thyssenkrupp Industrial Solutions Ag Tool for working abrasive materials
WO2018090098A1 (en) * 2016-11-18 2018-05-24 Muddie's Holdings Pty Ltd Method of application of hard facing to wear parts and apparatus formed therefrom
CN109772523A (zh) * 2019-03-11 2019-05-21 张思汉 一种生物医药用的离心碾磨装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3779529B2 (ja) 2006-05-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001347175A (ja) 粉砕機に使用される破砕面部材
EP0464087B1 (en) Wear-resistant steel castings
CA2585688C (en) Wear-resistant castings and method of fabrication thereof
US8999518B2 (en) Hierarchical composite material
JP4148390B2 (ja) 耐磨耗性プレート
GB2132525A (en) Wear part with high wear strength
JP4579035B2 (ja) 破砕面部材
KR100892320B1 (ko) 내마모성이 우수한 다층 육성용접층 및 이를 이용한 미분기의 분쇄롤 및 회전판
GB2257075A (en) A welding process.
JP2863768B2 (ja) 粉砕機に使用される破砕面部材
JP3066390B2 (ja) 耐摩耗材
AU636531B2 (en) Crushing member of gyratory crusher
CA3167053A1 (en) Wear resistant composite
JP3749434B2 (ja) 耐磨耗性金属肉盛り方法及び両面耐磨耗性クラッド鋼板
JP3365481B2 (ja) 高Mn鋳鋼よりなる大型の耐摩耗部材
JP4579668B2 (ja) 篩分器
JP3462742B2 (ja) 表面硬化部材およびその製法並びに溶着金属
AU1557092A (en) Multibond hardfaced composites
EP4279201A1 (en) Method for casting a component for application in a high wear industrial environment and such a casted component
US20100279063A1 (en) Breaker plates for shaking tables and rotary drums
AU2009101175A4 (en) Facing for mineral processing elements
JP4680633B2 (ja) 高硬度異形炭化物粒子及びこれを用いた耐摩耗材
JP2004073897A (ja) 破砕面部材
JPH11344292A (ja) 焼結機用クラッシデッキライナー及び受歯
JPH02250939A (ja) 耐アブレージョン複合鋳造体およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050801

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051013

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060131

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3779529

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100310

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110310

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120310

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130310

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140310

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees