JP2001346070A - 画像信号の輪郭検出回路及びそれを備えた画像表示装置 - Google Patents

画像信号の輪郭検出回路及びそれを備えた画像表示装置

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JP2001346070A
JP2001346070A JP2000170395A JP2000170395A JP2001346070A JP 2001346070 A JP2001346070 A JP 2001346070A JP 2000170395 A JP2000170395 A JP 2000170395A JP 2000170395 A JP2000170395 A JP 2000170395A JP 2001346070 A JP2001346070 A JP 2001346070A
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Yukimitsu Yamada
幸光 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ノイズの影響などがある画像に対
しても正確に画像の輪郭部が検出できる輪郭検出処理回
路を提供する。 【解決手段】 入力画像信号の連続する画像エリアの信
号に対して輪郭部の検出処理を行う検出処理手段11、1
2、13、14、15を有する。検出処理手段11、12、13、1
4、15の検出処理データを用いて、所望の画素の検出処
理データを基準にし、この画素に隣接する所定数の画素
の検出処理データをブロック化した配列パターンを形成
するとともに、配列パターンと予め用意されている参照
パターンであって、配列パターンと同サイズのデータブ
ロックの参照パターンとを比較してこれらの一致、不一
致を判断するパターン比較手段21を有する。パターン比
較手段21における比較の結果、配列パターンと参照パタ
ーンとが一致した場合には配列パターンを参照パターン
に基づき配列パターンと異なるパターンに変換して出力
し、パターン比較手段24における比較の結果、配列パタ
ーンと参照パターンとが不一致の場合には配列パターン
をそのまま出力するデータ変換手段31を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶、CRT等の
表示装置、特に、入力画像信号の輪郭検出回路及び入力
画像の画質を向上させる機能を有する画像表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】画像表示装置等にて受信する映像信号
は、送信システムの関係から使用可能な周波数が限定さ
れているため、映像信号の周波数の帯域が制限されてお
り、表示装置に表示させた画像の輪郭部がぼけてしまう
という問題があった。このため、受信側のモニタなどに
おいて受信した映像信号の輪郭部を検出し、輪郭部の信
号波形を急峻にし、画質を向上させる方法が数多く知ら
れている。又、近年、画像表示装置の高機能化および高
精細化に伴い、低解像度の映像信号を高精細化された表
示装置を使用して、画像を表示する場合、入力される低
解像度のデータを補間処理しながら輪郭部の信号波形に
急峻化処理を行う方法についても幾つか検討されてい
る。この急峻化処理においては入力される低解像度の映
像信号に対する輪郭部の検出処理の精度により、急峻化
処理後の画像の画質が決定づけられる。
【0003】従来の画像表示装置において、画像の輪郭
は、映像信号の高い周波数成分が含まれるタイミングを
微分処理などにより抽出し、そのタイミングにて抽出さ
れた値が映像信号の輪郭にあたるか否かの判別を行って
検出していた。更に、その結果に応じて映像信号に対し
て輪郭の急峻化処理を行ってきた。この従来の輪郭検出
回路について図15を用いて説明する。図15におい
て、101は輪郭検出回路であり、映像信号(輝度信
号)X1に対して微分処理を行う微分回路102、微分
回路102により算出された一次微分値X2のレベルに
応じ輪郭の判別を行う判別回路103から構成されてい
る。104は判別回路102より出力される輪郭検出結
果信号X3に基づいて映像信号(輝度信号)X1を急峻
化処理する急峻化回路、105は急峻化回路103の出
力信号に基づいて画像を表示する表示装置である。判別
回路102の判別動作は、微分回路101より出力され
る一次微分値X2と外部より任意に設定されるしきい値
Dthとを比較して行われる。
【0004】この輪郭検出回路101の動作を図16を
用いて説明する。図16中、(16−1)の信号波形X
1a、X2a、X3aは、入力映像信号X1の波形変化
が大きい場合の各信号X1、X2、X3の波形の様子を
示している。(16−2)の信号波形X1b、X2b、
X3bは、入力映像信号X1の波形変化がなだらかな場
合の各信号X1、X2、X3の波形の様子を示してい
る。さらに、(16−3)の信号波形X1cは、X1b
の信号波形データの一部がタイミングA4にてノイズ等
の影響を受け、データ値が変化した場合の波形図であ
り、信号波形X2c、X3cは、このX1cの信号に対
する一次微分値の波形及び判別結果を示す波形である。
信号波形X1aは、タイミングA3からA4の部分にか
けてデータの一次微分値X2aがしきい値Dthより大
きくなる場所があるため、ここが輪郭部と検出される。
信号波形X1bは、タイミングA1からA6においてデ
ータ全ての部分の一次微分値X2bがしきい値Dthよ
り小さいため、輪郭部が検出されない。信号波形X1c
は、タイミングA4においてデータの一部がノイズ等の
影響を受け、タイミングA3の部分において一次微分値
X2cがしきい値Dthより、大きくなる場所があるた
め、ここが輪郭部と検出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この輪郭検出回路10
1は、単純な演算処理の結果のみにより輪郭部の判断を
行うため、映像信号にノイズ等の影響が生じた場合に、
波形X1bが波形X1cのように変化し、その一次微分
値の波形X2cにより、輪郭部検出を行うことになる。
この場合、一次微分値の波形X2が閾値であるDthを
超えた値になるので、判別回路103は、ノイズの影響
がある場合、もともと輪郭部と検出されない信号に対し
ても輪郭部を検出し、輪郭検出信号X3cを出力するこ
ととなる。その結果、映像信号が急峻化回路104にお
いて急峻化処理され、表示装置105は本来と異なる映
像信号により画像を表示することになる。
【0006】本発明は、上述の問題点を解決し、映像信
号がノイズ等の影響を受けた場合においても、正確に輪
郭検出処理を行うことができる画像信号の輪郭検出回路
及びそれを備えた画像表示装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の画像信号の輪郭
検出回路は、入力される画像信号の輪郭を検出する輪郭
検出回路であって、入力された前記画像信号の連続する
画像エリアの、該画像エリア内の画像信号に対して輪郭
部の検出処理を行う複数の検出処理手段と、該複数の検
出処理手段の検出処理データを用いて、所望の画素の検
出処理データを基準にし、 該画素に隣接する所定数の
画素の検出処理データをブロック化した配列パターンを
形成するとともに、該配列パターンと予め用意されてい
る参照パターンであって、前記配列パターンと同サイズ
のデータブロックの参照パターンとを比較してこれらの
一致、不一致を判断するパターン比較手段と、該パター
ン比較手段における比較の結果、前記配列パターンと前
記参照パターンとが一致した場合には前記配列パターン
を前記参照パターンに基づき前記配列パターンと異なる
パターンに変換して出力し、前記パターン比較手段にお
ける比較の結果、前記配列パターンと前記参照パターン
とが不一致の場合には前記配列パターンをそのまま出力
するデータ変換手段とを備えたものである。本発明の画
像信号の輪郭検出回路によれば、映像信号がノイズ等の
影響を受けたものであっても、輪郭部の検出処理を行う
複数の検出処理手段のデータをブロック化した配列パタ
ーンと予め用意されている参照パターンとをパターン比
較手段において比較し、ノイズを除去した正確な輪郭検
出処理を行うことができる。
【0008】参照パターンが、データブロックにおける
輪郭部の分布に対応するとともに輪郭部の分布が連続性
を一部において欠いているパターンであり、データ変換
手段が出力する配列パターンと異なるパターンは、連続
性が一部において欠けているパターンの一部について、
連続性が維持されるように輪郭部の分布を変更したもの
であると、ノイズを除去した連続する輪郭部を確実に検
出することができる。連続性が欠けている画素数の割合
が、データブロックの長辺の画素数の40%以下であれ
ば、違和感無く連続する輪郭部が検出でき、この割合が
20%以下であれば、更に良好に輪郭部が検出できる。
【0009】参照パターンが、データブロックにおける
輪郭部の分布に対応するとともに輪郭部の分布が周辺か
ら孤立している状態のパターンであり、データ変換手段
が出力する配列パターンと異なるパターンは、孤立した
輪郭部が消去されるように輪郭部の分布を変更したもの
であると、ノイズによって発生した輪郭部を消去するこ
とができる。孤立した輪郭部とは、データブロック内に
おいて、その分布が全方位において他の輪郭部から遮断
された輪郭部である。遮断された輪郭部の画素数の割合
が、データブロックの長辺の画素数の40%以下であれ
ば、違和感無く消去でき、この割合が20%以下であれ
ば、更に良好に消去できる。
【0010】また配列パターンが、少なくとも3行*3
列のデータブロックから構成されるものであると、画像
のエリア単位で検出処理を行うため、ノイズなどの影響
で画像信号が本来の信号と異なっても確実に輪郭を検出
することができる。データブロックの大きさは、大きい
ほど良好に輪郭部が検出できる。
【0011】本発明の画像表示装置は、輪郭検出回路を
備え、輪郭検出回路の出力結果を用いて画像を表示する
ようにしたものである。本発明の画像表示装置によれ
ば、映像信号がノイズ等の影響を受けたものであって
も、ブロック化した配列パターンと予め用意されている
参照パターンとをパターン比較手段において比較し、ノ
イズの影響を除去した輪郭を有する画像を表示すること
ができる。
【0012】画像表示装置に、輪郭検出回路の出力結果
を用いて、入力される画像信号に対して急峻化処理を行
う急峻化処理回路を備えることにより、画像の輪郭の連
続性を確保しつつ、輪郭部を強調した画像を表示するこ
とができる。
【0013】画像表示装置に、輪郭検出回路の出力結果
を用いて、入力される画像信号に対してより高い解像度
の信号を出力する高解像度信号変換回路を備えることに
より、画像の輪郭の連続性を確保しつつ、より鮮明な輪
郭部をもつ高解像度の画像を表示することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の輪郭検出回路に
ついて、図面に基づいて説明する。図1は、本発明の輪
郭検出回路の第1の実施の形態を示す画像表示装置ブロ
ック図であって、入力映像信号のデータが輝度の場合を
示し、入力信号から検出した輪郭部の分布を表示装置に
表示するものである。図1において、1は原画像の入力
信号P1の輪郭を検出する輪郭検出回路、2、3、4、
5は、それぞれ原画像の入力信号P1を1ライン単位で
信号を記憶するラインメモリ、6は入力信号P1及びラ
インメモリ2、3、4、5にて1ライン単位で遅延させ
られた信号P2、P3、P4、P5に対してそれぞれ輪
郭検出処理を行う検出処理回路、7は6の検出処理回路
の検出処理結果を画像として表示する表示装置である。
【0015】図2は、検出処理回路6の詳細な構成を示
すブロック図である。検出処理回路6は、各々信号P
1、P2、P3、P4、P5に対して輪郭検出を行う演
算回路11、12、13、14、15、演算回路11、
12、13、14、15より出力される演算信号Q1、
Q2、Q3、Q4、Q5に基づいて連続する5ラインの
信号をブロック化するとともにブロック内のデータ配列
パターンを所定のパターンと比較するパターン比較回路
21及びパターン比較回路21の比較結果に基づいて変
換の対象となる信号Q3に対してデータの変換を行う変
換回路31より構成されている。パターン比較回路21
は、演算信号Q1、Q2、Q3、Q4、Q5に基づいて
連続する5ラインの信号をブロック化するブロック化回
路22、予め用意されたテーブルデータを記憶するテー
ブル回路23、ブロック化回路22より出力される信号
Raとテーブル回路23内に記憶されているテーブルデ
ータRbとのマッチング処理を行うマッチング処理回路
24より構成されている。マッチング処理回路24より
出力されるマッチング処理結果信号Rcは、信号Raと
テーブルデータRbと照合がとれた場合、ハイ状態にな
る。
【0016】次に演算回路11、12、13、14、1
5の詳細な構成を図3を使用して説明する。演算回路1
1は、入力信号P1に対して微分処理を行う一次微分回
路16、入力信号P1の一次微分化された信号P1aに
対して微分処理を行う二次微分処理回路17、入力信号
P1を一次微分化した信号データP1aに対して、二次
微分化された信号P1bの極性が切り替わる場所のデー
タを基準にし、そのデータと隣接する位置にあるデータ
の一次微分化した信号P1aとの除算等の処理により一
次微分値の変化の度合いを算出する検出演算回路18、
検出演算回路18の演算結果の値P1cと外部より設定
されるしきい値Dthと比較することにより輪郭検出の判
断および制御を行う判別制御回路19より構成されてい
る。検出演算回路18の演算結果の値P1cが閾値Dt
hより大きい場合、判別制御回路19の出力信号Q1は
ハイ状態になる。演算回路12、13、14、15の構
成は、演算回路11の構成と全く同一であるので、その
説明を省略する。
【0017】図3の判別制御回路19が輪郭部と判別す
る条件は、次の通り設定されている。 1)信号データP1の前後に存在する信号データの一次
微分値の極性が同一極性であること。 2)信号データP1の二次微分値P1bがゼロクロスす
るポイントであること。 3)信号データP1の一次微分値P1aを被除数とし、
信号データP1に前後する信号データの一次微分値P1
aの平均値を被除数とした場合、その除算結果が外部よ
り設定されるしきい値Dthより大きいこと。 この判別条件において、信号データP1に対する判別制
御回路19の動作を以下説明する。
【0018】図4のP1は、入力される画像信号の一例
であり、タイミングA1以前、A6以降のデータはそれ
ぞれタイミングA1、A6のデータと等しいものであ
る。P1aは、入力される画像信号に対して一次微分処
理を行った信号波形であり、タイミングA3からタイミ
ングA4にかけて入力画像信号P1の波形変化が大きい
ので、正の極大値を示している。P1bは、二次微分処
理を行った信号波形であり、タイミングA2において正
の極大値を示し、タイミングA3において負の極小値を
示すとともにタイミングA2からタイミングA3の間に
ゼロクロスしている。P1cは、一次微分値P1aに対
して演算処理を行った信号波形であり、タイミングA3
においてしきい値Dthより大きい値を示している。Q
1は判別制御回路19が信号波形P1b、P1c及び閾
値Dth各信号をもとに条件を満足するか否かの判別処
理を行った結果の出力波形であり、タイミングA3にお
いて信号値がHになっている。図4の各信号波形の値は
表1に示す通りである。この図4及び表1から判別制御
回路Q1が輪郭部と判別する条件を満足する信号はタイ
ミングA3部分でり、入力画像信号P1については、タ
イミングA3部分が輪郭部と判断された場所となる。
【表1】
【0019】次に図2に示したパターン比較回路21の
ブロック化回路22、マッチング処理回路24及びテー
ブル回路23並びに変換回路31の動作について説明す
る。図5は、演算回路11乃至15の5ライン分の出力
信号Q1乃至Q5を、水平方向の各々5画素に対応させ
て5データ分抜き出したデータ配列ブロックの説明図で
ある。ここでは、同図中央部のデータがこのマッチング
回路24において処理され、出力されるものとする。
【0020】図6、図7、図8左側のパターンは、テー
ブル回路23に記憶されている連続する5ライン分の信
号であって水平に連なる各々5画素に対応させた分のデ
ータブロックの輪郭部配列の参照パターンをそれぞれを
示す。又これらに対応する右側のパターンはこれら輪郭
部配列の参照パターンのいずれか1つに図5に示すブロ
ックの輪郭部配列パターンが一致した場合に変換回路3
1が出力する図5に示すブロックの中央部の変換データ
をそれぞれ示す。これらデータブロックにおいて輪郭部
に相当するデータの場所は黒塗りつぶし、輪郭部に相当
しないデータの場所を白で表現する。5*5で構成され
るブロックの輪郭部配列参照パターンは、多くの数の組
み合わせが存在する。多くの数の参照パターンのうち、
図5に示すブロックの輪郭部配列パターンが図6の
(a)、(c)、(e)、(g)、図7の(a)、
(c)、図8の(a)に示した輪郭部配列パターンのい
ずれかに一致したときに、図5に示すブロックの中央部
のデータを図6の(b)、(d)、(f)、(h)、図
7の(b)、(d)、図8の(b)のように変換するこ
とにより、映像信号がノイズ等の影響を受けた場合にお
いても、輪郭部の検出が的確に行われ、ノイズ等の影響
を取り除いた輪郭部の分布画像が表示装置8に表示され
ることを本発明者は実験により確認した。
【0021】図6、図7、図8は、演算回路11乃至1
5から出力されたデータブロックを変換するテーブルの
一例であって、図6は輪郭部の場所を変更する変換例を
示し、図7は輪郭部の欠落場所を補充するテーブルの例
を示し、図8は輪郭部の場所を削除するテーブルの例を
示している。輪郭部参照配列パターンは、図6、図7、
図8に示したもの以外に、これらパターンを90°、1
80°、270°各々回転させたパターンであっても良
いが、ここではその説明を省略する。
【0022】図6の(a)、(c)、(e)、(g)、
図7の(a)、(c)、図8の(a)に示した輪郭部配
列参照パターンと同じ配列パターンがブロック化回路2
2に発生した場合、マッチング処理回路24内において
比較され、変換回路31において右側のブロック化に変
換されたパターンが出力される。例えば、図6(a)の
パターンは、変換対象画素の輪郭部の検出処理結果が輪
郭部が変換対象画素を中心に形成される2次元にブロッ
ク化されたパターン内に斜め方向に形成される輪郭部の
連続性を遮断しているケースである。この場合には図6
(b)に示すように変換対象画素の輪郭部の検出処理結
果を右斜め方向に形成される輪郭部の連続性を維持する
ような状態に輪郭部の位置を変更し、変換対象画素を中
心に形成形成される2次元にブロック化されたパターン
内に右斜め方向に連続する輪郭部が形成される。図6の
他のパターンも同様に連続する輪郭部を形成するパター
ンである。
【0023】次に、図7(a)のパターンは、変換対象
画素の輪郭部の検出処理結果が輪郭部と検出されず、変
換対象画素を中心に形成される2次元にブロック化され
たパターン内に右斜め方向に形成される輪郭部の連続性
を遮断しているケースである。この場合には図7(b)
に示すように変換対象画素の検出処理結果を輪郭部と検
出された状態に変換し、変換対象画素を中心に形成され
る2次元にブロック化されたパターン内に右斜め方向に
連続する輪郭部が形成される。図7の他のパターンも同
様に輪郭部の欠落があると、遮断されないように輪郭部
を補充するパターンである。
【0024】次に、図8(a)のパターンは、変換対象
画素の輪郭部の検出処理結果が孤立した輪郭部と検出さ
れ、変換対象画素を中心に形成される2次元にブロック
化されたパターン内において変換対象画素付近に輪郭部
が検出されないケースである。この場合には図8(b)
に示すように変換対象画素の輪郭部の検出処理結果を輪
郭部と検出されない状態に変換し、変換対象画素を中心
に形成される2次元にブロック化されたパターン内に輪
郭部が消去されパターンとなる。
【0025】以上説明したように、変換対象画素を中心
に形成される2次元にブロック化されたパターンを特定
の参照パターンと比較し、変換対象画素の輪郭部の処理
結果を変換することにより、ノイズなどの影響をうける
ことなく輪郭部の検出処理を確実に行うことができる。
この輪郭検出回路1を備えた画像表示装置の輪郭検出処
理に関する実験結果を図9(A)〜(D)に示す。図9
(A)は本来の画像データであり左上から右下方向への
曲線が描かれている図である。図9(B)は(A)の画
像に対してNTSC規格相当の伝送帯域を経て送信され
た画像である。図9(C)は、図9(B)に対して従来
の輪郭検出処理手法を用いた検出処理結果の画像であ
り、図9(A)と比較すると、その輪郭部の分布がC1
及びC2となり、本来の画像の滑らかな輪郭分布が検出
されていない。これに対して輪郭検出回路1を用いた輪
郭検出処理結果の画像が図9(D)である。この場合、
輪郭部の分布がD1及びD2となり、図9(A)の画像
の輪郭を正確に検出している。このように輪郭部の検出
処理に図6乃至図7に変換するテーブルを用いることに
より、本来の画像の輪郭が正確に検出される。
【0026】第一の実施の形態において、データブロッ
クの大きさは5*5の画素で構成されるものとしたが、
データブロックの大きさはこれに限られるもので無く、
少なくとも3*3のブロックで構成されるものであれば
良い。又、参照パターンの種類も図6乃至図8に示した
もの以外であっても良い。このブロック内で定義される
輪郭の連続と判断する条件は、用いるブロック及び対象
となる画像データのサイズに大きく左右されるが、実験
からブロックの縦横方向に対する大きさの5割程度の画
素数に設定すると、検出処理結果が良好になる。連続性
が欠けている画素数の割合が、データブロックの長辺の
画素数の40%以下であれば、違和感無く連続する輪郭
部が検出でき、この割合が20%以下であれば、更に良
好に輪郭部が検出できる。孤立した輪郭部とは、データ
ブロック内において、その分布が全方位において他の輪
郭部から遮断された輪郭部であり、遮断された輪郭部の
画素数の割合が、データブロックの長辺の画素数の40
%以下であれば、違和感無く消去でき、この割合が20
%以下であれば、更に良好に消去できる。
【0027】次に、本発明の輪郭検出回路の輪郭検出処
理結果を使用して輪郭の急峻化処理を行う第2の実施の
形態を、図面に基づいて説明する。図10は、本発明に
おける輪郭検出回路の第2の実施の形態を示す画像表示
装置の要部ブロック図であって、入力映像信号のデータ
が輝度の場合を示している。図10において、P11は
原画像の入力信号、41は信号P11を記憶するメモ
リ、42は第1の実施の形態で説明した輪郭検出処理を
行う輪郭検出回路、S11はメモリ41より出力される
信号、S12は輪郭検出回路42より出力される輪郭検
出信号、43は輪郭検出信号S12をもとに輪郭部と判
断されたデータの場所を中心にした信号波形に対して信
号波形の急峻化処理を行う急峻化回路、S13は急峻化
回路43内において入力信号が急峻化処理された出力信
号である。
【0028】図10の輪郭検出回路42の動作および構
成は第1の実施の形態で説明した輪郭検出回路1と同一
であるため、その説明は省略する。ここでは急峻化回路
43の動作について詳細に説明する。この急峻化回路4
3は輪郭部と検出された場所を中心にメモリ41より出
力される信号S11にたいして急峻化処理を行って出力
するとともに、輪郭部と検出されない場所に対しては何
も処理を行わず出力するものである。急峻化回路43
は、図11に示すように、輪郭検出回路42が入力信号
P11に対してタイミングA3乃至A4においてに輪郭
部と検出すると、タイミングA3乃至A4の信号に対し
て、それぞれA2、A5の隣接する場所のデータを用い
る急峻化処理を行い、急峻化処理された信号S13aを
出力する。
【0029】このように輪郭検出処理が行われたポイン
トに対して急峻化回路43において急峻化処理を行うこ
とにより、急峻化処理後の画像に違和感が生じることが
ない変換を行うことができる。急峻化回路43を備えた
画像表示装置の実験結果を図9(A)〜(D)と図12
(A)、(B)を用いて説明する。図9(A)〜(D)
についての画像の説明は第一の実施の形態において説明
したため、省略する。図12(A)の画像は図9(C)
の輪郭検出結果を用いて第二の実施の形態に示すような
急峻化処理をおこなった画像であり、図12(B)の画
像は輪郭検出回路42を用い、急峻化回路43にて急峻
化処理を行った画像である。図12(A)は、図9
(A)の本来の画像と比較すると左上から右下に描かれ
た曲線の輪郭部がかなりがたついている。図12(B)
は、図9(A)の本来の画像とほぼ同様な画像となり、
帯域制限をうけた画像から原画像を忠実に再現したもの
となっている。この実施の形態において急峻化処理は、
輪郭部と検出された場所に対して、その場所と隣接する
場所のデータを用いる手法を用いて行ったが、隣接する
場所の一次微分値を加算するなどの様々な急峻化処理手
法をこの本発明の輪郭検出回路42と組み合わせること
により効果的な急峻化処理を実現できることは言うまで
もない。
【0030】続いて、本発明の輪郭検出回路の輪郭検出
処理結果を使用して輪郭の急峻化処理とデータの補間処
理を行い、入力信号を高解像度の信号に変換する第3の
実施の形態を、図面に基づいて説明する。図13は、本
発明における輪郭検出回路の第3の実施の形態を示す画
像表示装置の要部ブロックであって、入力映像信号のデ
ータが輝度の場合を示している。図13において、P2
1は原画像の入力信号、51は信号P21を記憶するメ
モリ、52は第1の実施の形態にて説明した輪郭検出処
を行う輪郭検出回路、S21はメモリ51より出力され
る信号、S22は輪郭検出回路52より出力される輪郭
検出信号、53は輪郭検出信号S22をもとに原画像の
入力信号P21の輪郭部と判断されたデータの場所を中
心にした信号波形に対して信号波形の急峻化処理を行
い、輪郭部と検出されない場所のデータに対しては直線
補間処理を行い補間データを作成する高解像度信号変換
回路、S23は高解像度信号変換回路53内において入
力信号P21が高解像度信号に変換された出力信号であ
る。
【0031】図13内の輪郭検出回路52の構成および
動作は第1の実施の形態にて説明した輪郭検出回路1と
同一であるためその説明は省略する。ここでは図13の
高解像度信号変換回路53の動作について図14を用い
て詳しく説明する。図14のP21は輪郭検出回路52
および高解像度信号変換回路53に入力される信号であ
り、第1の実施の形態にて使用した図4に示した信号P
11と同一の信号であり、S22は輪郭検出処理回路5
2より出力される輪郭検出信号、S23aは高解像度信
号に変換処理された信号である。高解像度信号変換回路
53は、輪郭検出回路52において信号P21の輪郭部
と検出されたタイミングA3乃至A4のデータを中心に
波形を第2の実施の形態にて行ったのと同様に急峻化処
理を行うとともに、中間のタイミングにおいて補間処理
を行う。補間処理は、輪郭部と検出されないタイミング
A1乃至A3データ及びタイミングA4乃至A6データ
に対しては、補間するデータの場所に隣接する原データ
の平均値を用いる直線補間処理を行い、入力信号P21
を高解像度な信号S23aに変換する
【0031】高解像度信号変換回路53は、信号S22
より輪郭部と検出されたタイミングA3乃至A4データ
に対してタイミングAcのデータを中心に波形を急峻に
変換するとともに、輪郭部と検出されない場所に対して
は直線補間案処理を行いデータを補間し、入力された信
号P21を高解像度な信号S23aに変化する。このよ
うに高解像度信号変換回路53は、輪郭検出が行われた
ポイントに対して信号S21に急峻化処理を行うととも
に、高解像度な信号S23aへ変換処理を行うことによ
り、入力された信号P21が高解像度な信号に変換し、
高解像度信号に適した輪郭が明瞭な信号に変換する。こ
の実施の形態において高解像度信号変換は、輪郭部と検
出された場所に対して、その場所と隣接する場所のデー
タを用いて行ったが、隣接する場所の一次微分値を加算
するなどの様々な高解像度変換の方法を輪郭検出回路5
2と組み合わせる方法により効果的な高解像度信号に変
換できることは言うまでもない。
【0033】第1の実施の形態乃至第3の実施の形態に
て用いた輪郭検出回路1、42、52の演算回路11乃
至15は、入力信号の二次微分化された信号の極性が切
り替わる場所のデータを基準に、そのデータと隣接する
位置にあるデータの一次微分化した信号との除算等の処
理を行う方法を用いているが、従来例に示した単純な一
次微分値の大きさで判断する方法など様々な演算処理を
適用できることは、いうまでもない。第1の実施の形態
にて用いた輪郭検出回路1を画像表示装置のみならず、
医療で用いられるレントゲンなどに代表されるように輪
郭部の分布画像を用いる装置、生産工程の電子部品の部
品の位置情報などを認識する装置等に用いることも可能
である。
【0034】
【発明の効果】本発明の画像信号の輪郭検出回路は、入
力された画像信号の連続する画像エリアの、画像エリア
内の画像信号に対して輪郭部の検出処理を行う複数の検
出処理手段と、複数の検出処理手段の検出処理データを
用いて、所望の画素の検出処理データを基準にし、画素
に隣接する所定数の画素の検出処理データをブロック化
した配列パターンを形成するとともに、配列パターンと
予め用意されている参照パターンであって、配列パター
ンと同サイズのデータブロックの参照パターンとを比較
してこれらの一致、不一致を判断するパターン比較手段
と、パターン比較手段における比較の結果、配列パター
ンと参照パターンとが一致した場合には配列パターンを
参照パターンに基づき配列パターンと異なるパターンに
変換して出力し、パターン比較手段における比較の結
果、配列パターンと参照パターンとが不一致の場合には
配列パターンをそのまま出力するデータ変換手段とを備
えたものである。本発明の画像信号の輪郭検出回路によ
れば、映像信号がノイズ等の影響を受けたものであって
も、輪郭部の検出処理を行う複数の検出処理手段のデー
タをブロック化した配列パターンと予め用意されている
参照パターンとをパターン比較手段において比較し、ノ
イズを除去した正確な輪郭検出処理を行うことができ
る。
【0036】本発明の画像表示装置は、輪郭検出回路を
備え、輪郭検出回路の出力結果を用いて画像信号表示す
るようにしたものである。本発明の画像表示装置によれ
ば、映像信号がノイズ等の影響を受けたものであって
も、ブロック化した配列パターンと予め用意されている
参照パターンとをパターン比較手段において比較し、ノ
イズを除去した輪郭を有する正確な画像を表示すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の輪郭検出回路の第1の実施の形態の画
像表示装置を示すブロック図である。
【図2】図1に示した検出処理回路のブロック図であ
る。
【図3】図2に示した演算回路のブロック図である。
【図4】図3に示した演算回路の動作を説明するための
説明図である。
【図5】図1に示した輪郭検出回路の動作を説明するた
めの説明図である。
【図6】図1に示した輪郭検出回路の動作を説明するた
めの第二の説明図である。
【図7】図1に示した輪郭検出回路の動作を説明するた
めの第三の説明図である。
【図8】図1に示した輪郭検出回路の動作を説明するた
めの第四の説明図である。
【図9】図1に示した輪郭検出回路にて処理した画像の
説明図である。
【図10】本発明の輪郭検出回路の第2の実施の形態を
示す画像表示装置の要部ブロック図である。
【図11】図10に示した急峻化回路の動作を説明する
ための説明図である。
【図12】図10に示した急峻化回路にて処理した画像
の説明図である。
【図13】本発明の輪郭検出回路の第3の実施の形態を
示す画像表示装置の要部ブロック図である。
【図14】図13に示した高解像度信号変換回路にて処
理した画像の説明図である。
【図15】従来の画像表示装置のブロック図である。
【図16】図15の輪郭検出処理回路の動作を説明する
ための説明図である。
【符号の説明】
1、41、51 輪郭検出回路 2、3、4、5 ラインメモリ 6 検出処理回路 7 表示装置 11、12、13、14,15 演算回路 21 パターン比較回路 22 ブロック化回路 23 テーブル回路 24 マッチング処理回路 31 変換回路 41、51 メモリ 43 急峻化回路 53 高解像度信号変換回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C021 PA53 PA58 PA66 PA67 PA75 PA76 PA79 PA80 RA02 SA22 XB03 5C058 AA01 AA05 BA25 BB12 BB14 5C082 AA01 BA12 BA41 BB15 BB26 CA22 CA82 CB01 DA53 MM10 5L096 DA01 EA05 EA17 FA06 GA02 GA03 GA12 GA19 GA53 JA07 LA06

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力される画像信号の輪郭を検出する輪
    郭検出回路であって、入力された前記画像信号の連続す
    る画像エリアの、該画像エリア内の画像信号に対して輪
    郭部の検出処理を行う複数の検出処理手段と、 該複数の検出処理手段の検出処理データを用いて、所望
    の画素の検出処理データを基準にし、該画素に隣接する
    所定数の画素の検出処理データをブロック化した配列パ
    ターンを形成するとともに、該配列パターンと予め用意
    されている参照パターンであって、前記配列パターンと
    同サイズのデータブロックの参照パターンとを比較して
    これらの一致、不一致を判断するパターン比較手段と、 該パターン比較手段における比較の結果、前記配列パタ
    ーンと前記参照パターンとが一致した場合には前記配列
    パターンを前記参照パターンに基づき前記配列パターン
    と異なるパターンに変換して出力し、前記パターン比較
    手段における比較の結果、前記配列パターンと前記参照
    パターンとが不一致の場合には前記配列パターンをその
    まま出力するデータ変換手段とを具備したことを特徴と
    する画像信号の輪郭検出回路。
  2. 【請求項2】 前記参照パターンが、前記データブロッ
    クにおける輪郭部の分布に対応するとともに該輪郭部の
    分布が連続性を一部において欠いているパターンであ
    り、前記データ変換手段が出力する前記配列パターンと
    異なるパターンは、連続性が一部において欠けている前
    記パターンの一部について、連続性が維持されるように
    輪郭部の分布を変更したものであることを特徴とする請
    求項1に記載の画像信号の輪郭検出回路。
  3. 【請求項3】 前記参照パターンが、前記データブロッ
    クにおける輪郭部の分布に対応するとともに該輪郭部の
    分布が周辺から孤立している状態のパターンであり、前
    記データ変換手段が出力する前記配列パターンと異なる
    パターンは、孤立した輪郭部が消去されるように輪郭部
    の分布を変更したものであることを特徴とする請求項1
    に記載の画像信号の輪郭検出回路。
  4. 【請求項4】 前記配列パターンが、少なくとも3行*
    3列のデータブロックから構成されていることを特徴と
    する請求項1に記載の画像信号の輪郭検出回路。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の画像信号の輪郭検出
    回路を備えたことを特徴とする画像表示装置。
  6. 【請求項6】 前記輪郭検出回路の出力結果を用いて、
    入力される前記画像信号に対して急峻化処理を行う急峻
    化処理回路を備えたことを特徴とする請求項5に記載の
    画像表示装置。
  7. 【請求項7】 前記輪郭検出回路の出力結果を用いて、
    入力される画像信号に対してより高い解像度の信号を出
    力する高解像度信号変換回路を備えたことを特徴とする
    請求項5に記載の画像表示装置。
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