JP2001342849A - ガスタービンエンジン - Google Patents

ガスタービンエンジン

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JP2001342849A
JP2001342849A JP2000166437A JP2000166437A JP2001342849A JP 2001342849 A JP2001342849 A JP 2001342849A JP 2000166437 A JP2000166437 A JP 2000166437A JP 2000166437 A JP2000166437 A JP 2000166437A JP 2001342849 A JP2001342849 A JP 2001342849A
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compressor
heat
turbine engine
gas turbine
rotating shaft
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Minoru Matsunaga
稔 松永
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Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスタービンエンジンのタービンおよびコン
プレッサ間を熱遮蔽するとともに、コンプレッサを通過
した空気を高温のタービンの熱で加熱できるようにす
る。 【解決手段】 ガスタービンエンジンEは、吸入した空
気を圧縮する遠心型のコンプレッサ17と、コンプレッ
サ17で圧縮した空気を燃焼器19に供給する圧縮空気
通路28と、燃焼器19で発生した燃焼ガスで駆動され
るタービン18とを備え、コンプレッサ17およびター
ビン18が回転軸14の前後に隣接して設けられる。放
射状に配置した複数のヒートパイプ33の半径方向内側
の蒸発部33aをコンプレッサ17およびタービン18
間の回転軸14の外周面に対向させるとともに、前記ヒ
ートパイプ33の半径方向外側の凝縮部33bを圧縮空
気通路28に臨ませる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸入した空気を圧
縮する遠心型のコンプレッサと、コンプレッサで圧縮し
た空気を燃焼器に供給する圧縮空気通路と、燃焼器で発
生した燃焼ガスで駆動されるタービンとを備え、コンプ
レッサおよびタービンを回転軸の前後に隣接して設けた
ガスタービンエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジンの運転を停止した
後、エンジン内部の空気の自然対流により温度差が発生
してロータ系が湾曲するのを防止すべく、エンジンの高
温部および低温部を囲む中空円筒状のヒートパイプを設
けて前記温度差を解消するものが、特開平11−117
810号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、小型のガス
タービンエンジンではコンプレッサおよびタービンが回
転軸の軸方向に極めて接近して配置されるため、高温の
燃焼ガスが通過するタービン側の熱がコンプレッサ側に
直接伝達されてしまい、コンプレッサの入口部の空気温
度が上昇して該コンプレッサによる空気の圧縮性能が低
下する問題があった。またコンプレッサを出た空気温度
が高いほど燃焼器での燃料の燃焼効率が高まるため、構
造の複雑な熱交換器を設けることなく燃焼器に供給され
る空気と燃焼ガスとの間で熱交換を行なうことができれ
ば、ガスタービンエンジンを大型化することなく性能の
向上を図ることができる。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、ガスタービンエンジンのタービンおよびコンプレッ
サ間を熱遮蔽するとともに、コンプレッサを通過した空
気を高温のタービンの熱で加熱できるようにすることを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、吸入した空気
を圧縮する遠心型のコンプレッサと、コンプレッサで圧
縮された空気を燃焼器に供給する圧縮空気通路と、燃焼
器で発生した燃焼ガスで駆動されるタービンとを備え、
コンプレッサおよびタービンを回転軸の前後に隣接して
設けたガスタービンエンジンにおいて、放射状に配置し
た複数のヒートパイプの半径方向内側の蒸発部をコンプ
レッサおよびタービン間の回転軸の外周面に対向させる
とともに、前記ヒートパイプの半径方向外側の凝縮部を
圧縮空気通路に臨ませたことを特徴とするガスタービン
エンジンが提案される。
【0006】上記構成によれば、タービン側の熱をヒー
トパイプの蒸発部に吸熱させてコンプレッサ側への伝達
を防止し、コンプレッサによる空気の圧縮効率の低下を
抑制することができる。しかもタービン側の熱をヒート
パイプで圧縮空気通路に伝達し、そこを流れる空気を加
熱して燃焼器における燃料の燃焼効率を高めることがで
きる。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、ヒートパイプの蒸発部の内周
面と回転軸の外周面との間にエアベアリングを形成した
ことを特徴とするガスタービンエンジンが提案される。
【0008】上記構成によれば、回転軸の振れをエアベ
アリングで抑制してスムーズな回転を可能にすることが
できる。しかもエアベアリングを用いたことによりオイ
ルレスとなり、オイルポンプ等の付属品が不要になって
一層の小型化を図ることができる。
【0009】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項2の構成に加えて、ヒートパイプの蒸発部の内周
面に、円周方向に対して傾斜あるいは直交した多数の溝
を形成したことを特徴とするガスタービンエンジンが提
案される。
【0010】上記構成によれば、蒸発部の内周面に形成
した多数の溝でエアベアリングの空気膜の反力を増加さ
せて回転軸の支持性能を高めることができる。
【0011】また請求項4に記載された発明によれば、
請求項2または請求項3の構成に加えて、回転軸の外周
面に対向するヒートパイプの蒸発部の内周面の幅を回転
軸の軸方向に拡大したことを特徴とするガスタービンエ
ンジンが提案される。
【0012】上記構成によれば、エアベアリングを構成
するヒートパイプの蒸発部の内周面と回転軸の外周面と
の対向面積が増加するので、回転軸の支持性能を高める
ことができる。
【0013】また請求項5に記載された発明によれば、
請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、隣接
する少なくとも2本のヒートパイプの蒸発部を相互に連
通させたことを特徴とするガスタービンエンジンが提案
される。
【0014】上記構成によれば、複数本のヒートパイプ
間で作動流体が移動するのを可能にし、各ヒートパイプ
に均等な熱輸送性能を発揮させることができる。
【0015】また請求項6に記載された発明によれば、
請求項1〜請求項4の何れか1項の構成に加えて、全て
のヒートパイプの蒸発部を相互に連通させたことを特徴
とするガスタービンエンジンが提案される。
【0016】上記構成によれば、全てのヒートパイプ間
で作動流体が移動するのを可能にし、各ヒートパイプに
一層均等な熱輸送性能を発揮させることができる。
【0017】また請求項7に記載された発明によれば、
請求項1〜請求項6の何れか1項の構成に加えて、圧縮
空気通路に臨むヒートパイプの凝縮部がデフューザを構
成することを特徴とするガスタービンエンジンが提案さ
れる。
【0018】上記構成によれば、ヒートパイプの凝縮部
自体が圧縮空気通路のデフューザを構成するので、部品
点数を増加させることなくデフューザ機能を発揮させる
ことができる。
【0019】また請求項8に記載された発明によれば、
請求項1〜請求項7の何れか1項の構成に加えて、コン
プレッサおよびタービン間を放射方向に延びるヒートパ
イプの蒸発部を円周方向に湾曲させたことを特徴とする
ガスタービンエンジンが提案される。
【0020】上記構成によれば、ヒートパイプの蒸発部
の長さを増加させて吸熱性能を高め、コンプレッサおよ
びタービン間の熱遮蔽を効果的に行なうことができる。
【0021】また請求項9に記載された発明によれば、
請求項1〜請求項8の何れか1項の構成に加えて、圧縮
空気通路に臨むヒートパイプの凝縮部を円周方向に湾曲
させたことを特徴とするガスタービンエンジンが提案さ
れる。
【0022】上記構成によれば、ヒートパイプの凝縮部
の長さを増加させて放熱性能を高め、圧縮空気通路を流
れる空気を効果的に加熱することができる。
【0023】また請求項10に記載された発明によれ
ば、請求項1〜請求項9の何れか1項の構成に加えて、
圧縮空気通路およびヒートパイプを、回転軸を含む面で
複数のモジュールに分割したことを特徴とするガスター
ビンエンジンが提案される。
【0024】上記構成によれば、圧縮空気通路およびヒ
ートパイプを複数のモジュールに分割したので、それら
を回転軸の外周に組み付ける際の組付性能が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0026】図1〜図6は本発明の第1実施例を示すも
ので、図1はガスタービンエンジンの縦断面図、図2は
図1の2−2線矢視図、図3は図1の3方向矢視図、図
4は熱交換器ユニットの縦断面図、図5は図4の5方向
矢視図、図6は図1の6−6線拡大断面図である。
【0027】図1〜図3に示すように、本実施例のガス
タービンエンジンEは被駆動機器であるジェネレータG
を一体に備える。ジェネレータGは円筒状の本体ハウジ
ング11と、本体ハウジング11の前後両端部を覆うフ
ロントカバー12およびリヤカバー13と、両カバー1
2,13に支持された回転軸14とを備える。回転軸1
4に設けたロータ15の外周面が本体ハウジング11に
設けたステータ16の内周面に対向しており、ロータ1
5およびステータ16の相対回転により発電が行われ
る。
【0028】ジェネレータGのリヤカバー13から後方
に突出する回転軸14に、ガスタービンエンジンEの遠
心型のコンプレッサ17および遠心型のタービン18が
前後に隣接して一体に設けられる。コンプレッサ17は
中実のコンプレッサディスク17aの前面に放射状に形
成された多数のベーン17b…を備え、またタービン1
8は中実のタービンディスク18aの後面に放射状に形
成された多数のベーン18b…を備える。
【0029】ガスタービンエンジンEはカンアニュラ型
の燃焼器19を備える。燃焼器19は外周壁20、内周
壁21および後壁22で囲まれた空間の内部に6本のフ
レームチューブ23…を60°間隔で備えており、後壁
22に支持された6個の燃料噴射ノズル24…が対応す
るフレームチューブ23…の内部に延びている。燃焼器
19の内周壁21の前部はタービン18のシュラウド2
1aを構成し、また前記内周壁21の後部は排気通路2
1bを構成する。
【0030】図4および図5に示すヒートパイプユニッ
ト25が、ジェネレータGのリヤカバー13から後方に
延びる4本の支持脚26…の後端に支持される。ヒート
パイプユニット25は支持脚26…の後端に結合された
基板27を備えており、この基板27の後面に圧縮空気
通路28の外壁29が固定される。圧縮空気通路28の
外壁29の半径方向内側には、コンプレッサ17のシュ
ラウド29aが一体に形成される。圧縮空気通路28の
外壁29の後面に多数のデフューザ30…を介して圧縮
空気通路28の内壁31が支持される。外壁29および
内壁31によって区画された圧縮空気通路28は、コン
プレッサ17の半径方向内端から半径方向外側に延びた
後に90°向きを変えて後方に延びており、その下流端
は燃焼器19の内部に連通している。燃焼器19の出口
には、タービン18の半径方向外端に臨むノズルガイド
ベーン32…が設けられる。
【0031】回転軸14を中心として放射状に配置され
た複数本(実施例では24本)のヒートパイプ33…
が、圧縮空気通路28の内壁31の後面に支持板34…
を介して支持される。コンプレッサ17およびタービン
18に挟まれた空間に配置されるヒートパイプ33…の
半径方向内側部分は、回転軸14の外周面に臨む蒸発部
33a…を構成する。そしてヒートパイプ33…の半径
方向外側部分は内壁31を貫通した後に90°向きを変
えて圧縮空気通路28の内部を後方に延びており、この
部分が凝縮部33b…を構成する。圧縮空気通路28の
内部に位置する前記凝縮部33b…は、圧縮空気通路2
8の上流端に配置された前記デフューザ30…と共に、
コンプレッサ17で圧縮された空気の運動エネルギーを
圧力エネルギーに変換する機能を発揮する。
【0032】図4および図6から明らかなように、圧縮
空気通路28の内部に位置する各ヒートパイプ33の円
周方向両側部は一対の隔壁板35,35で挟まれてお
り、これら隔壁板35,35は圧縮空気通路28の外壁
29および内壁31に接続されるとともに、隔壁板3
5,35の上流端部とヒートパイプ33との隙間は閉塞
板36で覆われる。これにより、外壁29および内壁3
1とヒートパイプ33との間に形成される断面略三角形
の4つの空間を空気が流れて気流が乱れるの防止し、ヒ
ートパイプ33の凝縮部33bにデフューザとしての機
能を効果的に発揮させることができる。
【0033】ヒートパイプ33の構造は公知のもので、
両端が閉塞された例えば銅製のパイプの内部にセシウ
ム、ルビジウム、カリウム、ナトリウム、水銀等の作動
流体を封入したもので、その内壁面は作動流体をよく吸
収する多孔質のウイック材で内張りされている。尚、ヒ
ートパイプ33…の中身が液体(流体)である場合に
は、蒸発部33a…を凝縮部33b…よりも低い位置に
配置する必要があることから、ガスタービンエンジンE
の回転軸14を重力方向に向け、かつコンプレッサ17
側が下になるように設置する必要がある。
【0034】次に、上記構成を備えた第1実施例の作用
について説明する。
【0035】ガスタービンエンジンEの運転時には、コ
ンプレッサ17で圧縮された空気が圧縮空気通路28を
経て燃焼器19に供給され、燃焼器19において燃料噴
射ノズル24…から噴射された燃料が前記空気と混合し
て燃焼し、発生した燃焼ガスがタービン18を駆動す
る。タービン18が回転すると、そのタービン18と回
転軸14を共有する前記コンプレッサ17および前記ジ
ェネレータGが駆動される。
【0036】さて、運転中に燃焼器19から出た燃焼ガ
スに晒されるタービン18は高温になり、そのタービン
18の熱がコンプレッサ17に伝達されると該コンプレ
ッサ17の圧縮効率が低下してしまう。特にコンプレッ
サ17の入口側の温度上昇は圧縮性能を大きく低下させ
る要因となる。一方、コンプレッサ17の出口側の圧縮
空気通路28に送出された空気は入口側の空気よりも温
度および圧力が上昇しているが、その温度を更に高めて
燃焼器19に供給すれば、ガスタービンエンジンEの性
能向上に寄与することができる。そこで本実施例では、
ヒートパイプ33…によってタービン18側の熱が軸方
向前方のコンプレッサ17側に伝達されないように遮熱
を行い、かつタービン18側の熱を半径方向外側の圧縮
空気通路28に積極的に伝達して燃焼器19に供給され
る空気を更に加熱するようになっている。
【0037】以下、その作用を詳細に説明する。高温の
タービン18の熱がヒートパイプ33…の蒸発部33a
…に伝達されると、蒸発部33a…の作動流体が熱を奪
って蒸発し、その蒸気はヒートパイプ33…の内部を半
径方向外側に移動して凝縮部33b…に達する。凝縮部
33b…において前記蒸気は圧縮空気通路28内を流れ
る比較的に低温の空気に熱を奪われて凝縮し、液化した
作動流体はウイックの毛管現象で蒸発部33a…に戻さ
れる。
【0038】このように、コンプレッサ17およびター
ビン18間にヒートパイプ33…の蒸発部33a…を配
置したことにより、コンプレッサ17側の熱がタービン
18側に移動しないように熱遮蔽を行ってコンプレッサ
17の圧縮効率の低下を防止することができる。しかも
ヒートパイプ33…の蒸発部33a…でタービン18側
から奪った熱を凝縮部33b…で圧縮空気通路28に放
出し、そこを流れる空気を加熱して燃焼器19における
燃焼効率を高めることができる。
【0039】また多数のヒートパイプ33…の蒸発部3
3a…がコンプレッサ17およびタービン18間の回転
軸14を囲むように配置されるので、ヒートパイプ33
…の蒸発部33a…の内周面と回転軸14の外周面との
間にエアベアリングを構成して回転軸14の振れを効果
的に抑制することができる。しかも回転軸14をエアベ
アリングで支持したことにより、潤滑油を供給するため
のオイルポンプ等の付属品を設ける必要がなくなり、ガ
スタービンエンジンEの一層の小型化を図ることができ
る。
【0040】次に、図7に基づいて本発明の第2実施例
を説明する。
【0041】第2実施例は、第1実施例の改良であっ
て、ヒートパイプ33…の蒸発部33a…の径を軸方向
に膨らませて回転軸14の外周面に対向する面積を増加
させたものである。この構成によりエアベアリングが回
転軸14を支持する支持力を高めることができる。
【0042】次に、図8に基づいて本発明の第3実施例
を説明する。
【0043】第3実施例は、第2実施例(図7参照)の
改良であって、軸方向に膨らませたヒートパイプ33…
の蒸発部33a…の内周面に、円周方向に対して傾斜し
た多数の溝33c…を形成したものである。この構成に
より、エアベアリングの空気膜の反力を増加させて回転
軸14の支持力を更に高めることができる。前記溝の形
態には、V字状の溝を連ねたヘリングボーン型や、相互
に逆方向に傾斜した第1の溝群および第2の溝群を軸方
向に離反させて配置した部分溝付き型のものが採用可能
である。また前記溝33c…を円周方向に対して直交す
る方向(軸線方向)に形成することも可能である。
【0044】次に、図9および図10に基づいて本発明
の第4実施例を説明する。
【0045】第4実施例は、第1実施例の改良であっ
て、圧縮空気通路28の内部に延びるヒートパイプ33
…の凝縮部33b…を、回転軸14の軸線回りに螺旋状
に傾斜して配置したものである。この構成により、圧縮
空気通路28の内部におけるヒートパイプ33…の凝縮
部33b…の長さが増加して空気に接触する機会が増加
するため、熱交換効率を高めて燃焼器19に供給される
空気を効果的に加熱することができる。
【0046】次に、図11に基づいて本発明の第5実施
例を説明する。
【0047】第5実施例は、第4実施例(図9および図
10参照)の改良であって、回転軸14を中心としてヒ
ートパイプ33…が放射状に延びる部分、つまり蒸発部
33a…から凝縮部33b…の手前位置までの部分を円
周方向に湾曲させて渦巻き状としたものである。この構
成により、コンプレッサ17およびタービン18に挟ま
れたヒートパイプ33…の蒸発部33a…の長さが増加
するため、タービン18側の熱を一層効果的に吸収して
コンプレッサ17側への伝達を防止することができる。
【0048】次に、図12および図13に基づいて本発
明の第6実施例を説明する。
【0049】第6実施例は、第3実施例(図8参照)の
改良であって、隣接する6本のヒートパイプ33…の蒸
発部33a…を相互に連通させたものであり、各々6本
のヒートパイプ33…よりなる4つの群は円周方向に9
0°間隔で配置される。そして一体に連通する蒸発部3
3a…は回転軸14の軸方向に幅広に形成されており、
回転軸14の外周面に対向するエアベアリングにはヘリ
ングボーン型あるいは他の形状の多数の溝33c…が形
成される。この構成により、6本のヒートパイプ33…
間で作動流体を流通させ、蒸発部33a…から凝縮部3
3b…への均等な熱輸送を可能にすることができる。ま
た回転軸14の外周面に対向する蒸発部33a…の内周
面の切れ目が少なくなるため、溝33c…の効果と相俟
って回転軸14の支持性能を更に高めることができる。
【0050】次に、図14および図15に基づいて本発
明の第7実施例を説明する。
【0051】第7実施例は、第6実施例(図12および
図13参照)の改良であって、24本の全てのヒートパ
イプ33…の蒸発部33a…を相互に連通させたもので
ある。この構成により、24本のヒートパイプ33…間
で作動流体を流通させ、蒸発部33a…から凝縮部33
b…への熱輸送を更に均等化することができ、しかも回
転軸14の外周面に対向する蒸発部33a…の内周面の
切れ目が存在しなくなり、エアベアリングの性能が更に
高められる。尚、本実施例では組み付けを可能にするた
めに回転軸14をコンプレッサ17およびタービン18
間で分割する必要がある。
【0052】次に、図16に基づいて本発明の第8実施
例を説明する。
【0053】第8実施例は、第6実施例(図12および
図13参照)の改良であって、ヒートパイプユニット2
5の基板27を除く、圧縮空気通路28、外壁29、デ
フューザ30…および内壁31を回転軸14を通る平面
で90°の中心角を有する4個のモジュール37…に分
割したものである。この構成により、ヒートパイプユニ
ット25の組み付けが容易になる。
【0054】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0055】例えば、本発明のガスタービンエンジンE
はジェネレータGの駆動用以外の任意の目的に使用可能
である。また実施例ではタービン18として遠心型のも
のを例示したが、軸流型のものであっても良い。また第
8実施例ではヒートパイプユニット25を4個のモジュ
ール37…に分割したが、2個、3個あるいは5個以上
のモジュールに分割しても良い。
【0056】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、タービン側の熱をヒートパイプの蒸発部に吸
熱させてコンプレッサ側への伝達を防止し、コンプレッ
サによる空気の圧縮効率の低下を抑制することができ
る。しかもタービン側の熱をヒートパイプで圧縮空気通
路に伝達し、そこを流れる空気を加熱して燃焼器におけ
る燃料の燃焼効率を高めることができる。
【0057】また請求項2に記載された発明によれば、
回転軸の振れをエアベアリングで抑制してスムーズな回
転を可能にすることができる。しかもエアベアリングを
用いたことによりオイルレスとなり、オイルポンプ等の
付属品が不要になって一層の小型化を図ることができ
る。
【0058】また請求項3に記載された発明によれば、
蒸発部の内周面に形成した多数の溝でエアベアリングの
空気膜の反力を増加させて回転軸の支持性能を高めるこ
とができる。
【0059】また請求項4に記載された発明によれば、
エアベアリングを構成するヒートパイプの蒸発部の内周
面と回転軸の外周面との対向面積が増加するので、回転
軸の支持性能を高めることができる。
【0060】また請求項5に記載された発明によれば、
複数本のヒートパイプ間で作動流体が移動するのを可能
にし、各ヒートパイプに均等な熱輸送性能を発揮させる
ことができる。
【0061】また請求項6に記載された発明によれば、
全てのヒートパイプ間で作動流体が移動するのを可能に
し、各ヒートパイプに一層均等な熱輸送性能を発揮させ
ることができる。
【0062】また請求項7に記載された発明によれば、
ヒートパイプの凝縮部自体が圧縮空気通路のデフューザ
を構成するので、部品点数を増加させることなくデフュ
ーザ機能を発揮させることができる。
【0063】また請求項8に記載された発明によれば、
ヒートパイプの蒸発部の長さを増加させて吸熱性能を高
め、コンプレッサおよびタービン間の熱遮蔽を効果的に
行なうことができる。
【0064】また請求項9に記載された発明によれば、
ヒートパイプの凝縮部の長さを増加させて放熱性能を高
め、圧縮空気通路を流れる空気を効果的に加熱すること
ができる。
【0065】また請求項10に記載された発明によれ
ば、圧縮空気通路およびヒートパイプを複数のモジュー
ルに分割したので、それらを回転軸の外周に組み付ける
際の組付性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスタービンエンジンの縦断面図
【図2】図1の2−2線矢視図
【図3】図1の3方向矢視図
【図4】熱交換器ユニットの縦断面図
【図5】図4の5方向矢視図
【図6】図1の6−6線拡大断面図
【図7】本発明の第2実施例に係る熱交換器ユニットの
縦断面図
【図8】本発明の第3実施例に係る熱交換器ユニットの
縦断面図
【図9】本発明の第4実施例に係る熱交換器ユニットの
縦断面図
【図10】図9の10方向矢視図
【図11】本発明の第5実施例に係る熱交換器ユニット
の縦断面図
【図12】本発明の第6実施例に係る熱交換器ユニット
の縦断面図
【図13】図12の13方向矢視図
【図14】本発明の第7実施例に係る熱交換器ユニット
の縦断面図
【図15】図14の15方向矢視図
【図16】本発明の第8実施例に係る熱交換器ユニット
の分解後面図
【符号の説明】
14 回転軸 17 コンプレッサ 18 タービン 19 燃焼器 28 圧縮空気通路 33 ヒートパイプ 33a 蒸発部 33b 凝縮部 33c 溝 37 モジュール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸入した空気を圧縮する遠心型のコンプ
    レッサ(17)と、コンプレッサ(17)で圧縮した空
    気を燃焼器(19)に供給する圧縮空気通路(28)
    と、燃焼器(19)で発生した燃焼ガスで駆動されるタ
    ービン(18)とを備え、コンプレッサ(17)および
    タービン(18)を回転軸(14)の前後に隣接して設
    けたガスタービンエンジンにおいて、 放射状に配置した複数のヒートパイプ(33)の半径方
    向内側の蒸発部(33a)をコンプレッサ(17)およ
    びタービン(18)間の回転軸(14)の外周面に対向
    させるとともに、前記ヒートパイプ(33)の半径方向
    外側の凝縮部(33b)を圧縮空気通路(28)に臨ま
    せたことを特徴とするガスタービンエンジン。
  2. 【請求項2】 ヒートパイプ(33)の蒸発部(33
    a)の内周面と回転軸(14)の外周面との間にエアベ
    アリングを形成したことを特徴とする、請求項1に記載
    のガスタービンエンジン。
  3. 【請求項3】 ヒートパイプ(33)の蒸発部(33
    a)の内周面に、円周方向に対して傾斜あるいは直交し
    た多数の溝(33c)を形成したことを特徴とする、請
    求項2に記載のガスタービンエンジン。
  4. 【請求項4】 回転軸(14)の外周面に対向するヒー
    トパイプ(33)の蒸発部(33a)の内周面の幅を回
    転軸(14)の軸方向に拡大したことを特徴とする、請
    求項2または請求項3に記載のガスタービンエンジン。
  5. 【請求項5】 隣接する少なくとも2本のヒートパイプ
    (33)の蒸発部(33a)を相互に連通させたことを
    特徴とする、請求項1〜請求項4の何れか1項に記載の
    ガスタービンエンジン。
  6. 【請求項6】 全てのヒートパイプ(33)の蒸発部
    (33a)を相互に連通させたことを特徴とする、請求
    項1〜請求項4の何れか1項に記載のガスタービンエン
    ジン。
  7. 【請求項7】 圧縮空気通路(28)に臨むヒートパイ
    プ(33)の凝縮部(33b)がデフューザを構成する
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項6の何れか1項に
    記載のガスタービンエンジン。
  8. 【請求項8】 コンプレッサ(17)およびタービン
    (18)間を放射方向に延びるヒートパイプ(33)の
    蒸発部(33a)を円周方向に湾曲させたことを特徴と
    する、請求項1〜請求項7の何れか1項に記載のガスタ
    ービンエンジン。
  9. 【請求項9】 圧縮空気通路(28)に臨むヒートパイ
    プ(33)の凝縮部(33b)を円周方向に湾曲させた
    ことを特徴とする、請求項1〜請求項8の何れか1項に
    記載のガスタービンエンジン。
  10. 【請求項10】 圧縮空気通路(28)およびヒートパ
    イプ(33)を、回転軸(14)を含む面で複数のモジ
    ュール(37)に分割したことを特徴とする、請求項1
    〜請求項9の何れか1項に記載のガスタービンエンジ
    ン。
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