JPH11117810A - ガスタービンエンジンのローター系湾曲防止装置 - Google Patents

ガスタービンエンジンのローター系湾曲防止装置

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JPH11117810A
JPH11117810A JP28330697A JP28330697A JPH11117810A JP H11117810 A JPH11117810 A JP H11117810A JP 28330697 A JP28330697 A JP 28330697A JP 28330697 A JP28330697 A JP 28330697A JP H11117810 A JPH11117810 A JP H11117810A
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JP
Japan
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temperature part
high temperature
low temperature
gas turbine
heat pipe
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Pending
Application number
JP28330697A
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English (en)
Inventor
Satoshi Goto
聡 後藤
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IHI Corp
Original Assignee
IHI Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 性能を低下させることなく、内部に発生する
温度差を大幅に低減でき、これにより、ロータ系の湾曲
を大幅に低減でき、外部動力や空気源を用いることなく
いつでも直ぐに再始動を可能にできるガスタービンエン
ジンのローター系湾曲防止装置を提供する。 【解決手段】 ガスタービンエンジンの高温部と低温部
を囲む中空円筒形のヒートパイプ式カバー12と、高温
部と低温部の間の流路を開閉可能な対流遮蔽装置14と
を備える。ヒートパイプ式カバー12は、高温部で作動
流体が蒸発して吸熱し、低温部で蒸気が凝縮して放熱
し、凝縮した作動流体がウィック又は溝を毛細管力によ
って駆動されて蒸発部に戻るようになっている。対流遮
断装置14は、高温部と低温部の間の流路に開閉可能に
設けられた複数の開閉板14aと、開閉板を閉じる方向
に付勢する付勢部材14bとからなり、運転時のガス流
により開閉板が開き流路を開放する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンのローター系湾曲防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、ジェットエンジンの模式図であ
る。この図に示すように、ジェットエンジン1は、空気
を取り入れるファン2、取り入れた空気を圧縮する圧縮
機3、圧縮した空気により燃料を燃焼させる燃焼器4、
燃焼器4の燃焼ガスによりファン2及び圧縮機3を駆動
するタービン5、燃料を再噴射して再燃焼させるアフタ
バーナ6等を備えている。
【0003】アフタバーナ6は、下流に循環領域Xを形
成して保炎を行うフレームホルダ(保炎器)7、燃料を
噴射するための燃料噴射器(スプレーバ)8、イグナイ
タ(点火栓)9等からなり、アフタバーナ6による燃焼
ガスを、排気ノズル10から後方に噴射し、推力を増大
させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したジェットエン
ジンのようなガスタービンエンジンの運転停止後、回転
を停止して放置すると、エンジン内部での自然対流によ
り上下温度差(例えば約50℃前後)が発生し、ロータ
系(ロータ軸、ディスク、ブレード等)が湾曲する。こ
のため、この状態でエンジンを再始動すると、ブレード
の先端とケーシングとが激しい擦れ合うラビング現象
や、ロータ系のアンバランスにより激しい振動が発生す
る問題がある。
【0005】そのため、従来は、回転停止後、しばらく
放置した場合には、再始動を極力回避し、止むを得ない
場合には、外部動力を用いて低速で空回転させたり、外
部から空気を吹き込んだ後に再始動していた。しかし、
かかる強制再始動のためには、外部動力や空気源を必要
とするばかりでなく、再始動までに時間がかかる問題点
があった。
【0006】また、特にこのような再始動が必要なエン
ジンでは、ブレードの強度を高めてラビングに耐えるよ
うにしたり、クリアランスを大きくしていた。しかしこ
のため、コストが大幅に上昇し、寿命が短くなり、性能
が低下する等の問題点があった。
【0007】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、性
能を低下させることなく、内部に発生する温度差を大幅
に低減でき、これにより、ロータ系の湾曲を大幅に低減
でき、外部動力や空気源を用いることなくいつでも直ぐ
に再始動を可能にできるガスタービンエンジンのロータ
ー系湾曲防止装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガスタ
ービンエンジンの高温部と低温部を囲む中空円筒形のヒ
ートパイプ式カバーと、高温部と低温部の間の流路を開
閉可能な対流遮蔽装置と、を備えたことを特徴とするガ
スタービンエンジンのローター系湾曲防止装置が提供さ
れる。
【0009】本発明の好ましい実施形態によれば、前記
ヒートパイプ式カバーは、密閉された気密空間を形成す
る外筒及び内筒と、その内壁に設けられたウィック又は
溝と、内部に充填された作動流体とからなり、これによ
り、高温部で作動流体が蒸発して吸熱し、低温部で蒸気
が凝縮して放熱し、凝縮した作動流体がウィック又は溝
を毛細管力によって駆動されて蒸発部に戻るようになっ
ている。
【0010】また、前記対流遮断装置は、高温部と低温
部の間の流路に開閉可能に設けられた複数の開閉板と、
該開閉板を閉じる方向に付勢する付勢部材とからなり、
運転時のガス流により開閉板が開き流路が開放される。
【0011】上記本発明の構成によれば、運転時のガス
流により開閉板が開き流路が開放される構造の対流遮蔽
装置を備えたので、エンジンの回転が停止すると高温部
と低温部の間の流路が閉じてその間の高温ガスの自然対
流がなくなり、自然対流による上下温度差が低減され
る。更に、中空円筒形のヒートパイプ式カバーによりガ
スタービンエンジンの高温部と低温部を囲むことによ
り、ヒートパイプ式カバーに囲まれる任意の場所が高温
部と低温部となり、高温部で作動流体が蒸発して吸熱
し、低温部で蒸気が凝縮して放熱する。また作動流体の
蒸発温度と凝縮温度は同一であり、かつヒートパイプに
よる熱伝達率は非常に高いので、ヒートパイプ式カバー
に囲まれる全ての部分がほぼ同一の温度に保持される。
【0012】従って、エンジンの回転を停止して放置し
ても、このヒートパイプ式カバーによりエンジンの軸方
向の温度差(例えば燃焼器と圧縮機間の温度差)も、エ
ンジンの周方向の温度差(例えば上部と下部の温度差)
も、ほとんど発生せず、ロータ系の湾曲を大幅に低減で
き、外部動力や空気源を用いることなくいつでも直ぐに
再始動を可能にできる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施例を
図面を参照して説明する。なお、各図において共通する
部分には同一の符号を付して使用する。図1は、本発明
のローター系湾曲防止装置を備えたガスタービンエンジ
ンの構成図である。この図において、本発明のローター
系湾曲防止装置は、ガスタービンエンジンの高温部と低
温部を囲む中空円筒形のヒートパイプ式カバー12と、
高温部と低温部の間の流路を開閉可能な対流遮蔽装置1
4と、を備えている。その他の構成は、図4に示した従
来のガスタービンエンジンと同様である。
【0014】図2は、図1のヒートパイプ式カバーの模
式的構成図である。この図に示すように、ヒートパイプ
式カバー12は、密閉された気密空間を形成する外筒1
2a及び内筒12bと、その内壁に設けられたウィック
又は溝(以下、ウィック等12c)と、内部に充填され
た作動流体とからなる。この作動流体は、例えば水、フ
ロン等の冷媒であり、約300〜400℃で作動流体が
沸騰するように内部圧力が調整されている。
【0015】この構成により、高温部で作動流体が蒸発
して吸熱し、低温部で蒸気が凝縮して放熱し、凝縮した
作動流体がウィック又は溝を毛細管力によって駆動され
て蒸発部に戻るようになっている。なお、ウィック等1
2cは、繊維又は多孔質を充填したものであってもよ
い。
【0016】図3は、図1の対流遮蔽装置の構成図であ
る。この図に示すように、対流遮断装置14は、高温部
と低温部の間の流路(例えば燃焼器の入口部)に開閉可
能に設けられた複数の開閉板14aと、この開閉板14
aを閉じる方向に付勢する付勢部材14bとからなる。
付勢部材14bは、例えば圧縮バネであり、運転時に作
用するガス流により圧縮バネに抗して開閉板14aが開
き流路が開放されるようになっている。
【0017】上述した本発明の構成によれば、運転時の
ガス流により開閉板14aが開き流路が開放される構造
の対流遮蔽装置14を備えたので、エンジンの回転が停
止すると高温部と低温部の間の流路が閉じてその間の高
温ガスの自然対流がなくなり、自然対流による上下温度
差が低減される。更に、中空円筒形のヒートパイプ式カ
バー12によりガスタービンエンジンの高温部と低温部
を囲むことにより、ヒートパイプ式カバーに囲まれる任
意の場所が高温部と低温部となり、高温部で作動流体が
蒸発して吸熱し、低温部で蒸気が凝縮して放熱する。ま
た作動流体の蒸発温度と凝縮温度は同一であり、かつヒ
ートパイプによる熱伝達率は非常に高いので、ヒートパ
イプ式カバーに囲まれる全ての部分がほぼ同一の温度に
保持される。
【0018】従って、エンジンの回転を停止して放置し
ても、このヒートパイプ式カバーによりエンジンの軸方
向の温度差(例えば燃焼器と圧縮機間の温度差)も、エ
ンジンの周方向の温度差(例えば上部と下部の温度差)
も、ほとんど発生せず、ロータ系の湾曲を大幅に低減で
き、外部動力や空気源を用いることなくいつでも直ぐに
再始動を可能にできる。
【0019】なお、本発明は上述した実施例に限定され
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できるこ
とは勿論である。
【0020】
【発明の効果】上述した本発明によれば、新たな駆動
源、空気源等を必要とせずに、高温源であるタービン部
又はコンプレッサ上部で、冷媒流体はケーシングから熱
伝導により熱を受けて蒸発し、この蒸気は内筒に充満す
る。低温源であるサンプレッサ下部で蒸気はケーシング
と熱交換を行い凝縮する。この液体は外筒内を毛細管現
象により運ばれ再び高温源へと送られる。更に、高温部
であるバーナー/タービン部からコンプレッサ部への高
温空気の流入を阻止することができる。
【0021】従って、本発明のガスタービンエンジンの
ローター系湾曲防止装置は、性能を低下させることな
く、内部に発生する温度差を大幅に低減でき、これによ
り、ロータ系の湾曲を大幅に低減でき、外部動力や空気
源を用いることなくいつでも直ぐに再始動を可能にでき
る、等の優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のローター系湾曲防止装置を備えたガス
タービンエンジンの構成図である。
【図2】ヒートパイプ式カバーの模式的構成図である。
【図3】対流遮蔽装置の構成図である。
【図4】従来のジェットエンジンの構成図である。
【符号の説明】
1 ジェットエンジン 2 ファン 3 圧縮機 4 燃焼器 5 タービン 6 アフタバーナ 7 フレームホルダ(保炎器) 8 燃料噴射器(スプレーバ) 9 イグナイタ(点火栓) 10 排気ノズル 12 ヒートパイプ式カバー 12a 外筒 12b 内筒 12c ウィック等 14 対流遮蔽装置 14a 開閉板 14b 付勢部材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガスタービンエンジンの高温部と低温部
    を囲む中空円筒形のヒートパイプ式カバーと、高温部と
    低温部の間の流路を開閉可能な対流遮蔽装置と、を備え
    たことを特徴とするガスタービンエンジンのローター系
    湾曲防止装置。
  2. 【請求項2】 前記ヒートパイプ式カバーは、密閉され
    た気密空間を形成する外筒及び内筒と、その内壁に設け
    られたウィック又は溝と、内部に充填された作動流体と
    からなり、 これにより、高温部で作動流体が蒸発して吸熱し、低温
    部で蒸気が凝縮して放熱し、凝縮した作動流体がウィッ
    ク又は溝を毛細管力によって駆動されて蒸発部に戻る、
    ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジ
    ンのローター系湾曲防止装置。
  3. 【請求項3】 前記対流遮断装置は、高温部と低温部の
    間の流路に開閉可能に設けられた複数の開閉板と、該開
    閉板を閉じる方向に付勢する付勢部材とからなり、運転
    時のガス流により開閉板が開き流路が開放される、こと
    を特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジンの
    ローター系湾曲防止装置。
JP28330697A 1997-10-16 1997-10-16 ガスタービンエンジンのローター系湾曲防止装置 Pending JPH11117810A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6510684B2 (en) 2000-05-31 2003-01-28 Honda Giken Kogyo Kabushiki Kaisha Gas turbine engine
WO2007015847A3 (en) * 2005-07-20 2009-04-16 Stephen A Ralls Turbine engine with interstage heat transfer
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