JP2001338798A - 中性子散乱装置におけるターゲット容器 - Google Patents
中性子散乱装置におけるターゲット容器Info
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- JP2001338798A JP2001338798A JP2000156197A JP2000156197A JP2001338798A JP 2001338798 A JP2001338798 A JP 2001338798A JP 2000156197 A JP2000156197 A JP 2000156197A JP 2000156197 A JP2000156197 A JP 2000156197A JP 2001338798 A JP2001338798 A JP 2001338798A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 1MW程度以上に及ぶ大強度の陽子ビームを
用いる中性子散乱装置において、液体金属等のターゲッ
ト材を収納したターゲット容器の陽子ビームの入射に対
応するビーム窓部を薄肉構造とし、併せて圧力波等の大
きな力に耐える構造としたものを提供することを課題と
する。 【解決手段】 前面に陽子ビームを入射するビーム窓部
を形成した外筒と内筒を有し、前記外筒との間を所定間
隔離して前記内筒を外筒内に配置した二重構造とし、同
外筒と内筒の間に冷却材、内筒内にターゲット材を供給
するターゲット容器において、前記内筒のビーム窓部を
平板構造としてターゲット容器を構成し、この様にビー
ム窓部を平板構造とすることにより剛性を低くし、圧力
波によりターゲット容器に生じる2次応力的な容器応力
を低減させ、冷却の容易な薄肉構造を得た。
用いる中性子散乱装置において、液体金属等のターゲッ
ト材を収納したターゲット容器の陽子ビームの入射に対
応するビーム窓部を薄肉構造とし、併せて圧力波等の大
きな力に耐える構造としたものを提供することを課題と
する。 【解決手段】 前面に陽子ビームを入射するビーム窓部
を形成した外筒と内筒を有し、前記外筒との間を所定間
隔離して前記内筒を外筒内に配置した二重構造とし、同
外筒と内筒の間に冷却材、内筒内にターゲット材を供給
するターゲット容器において、前記内筒のビーム窓部を
平板構造としてターゲット容器を構成し、この様にビー
ム窓部を平板構造とすることにより剛性を低くし、圧力
波によりターゲット容器に生じる2次応力的な容器応力
を低減させ、冷却の容易な薄肉構造を得た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1MW程度以上に
及ぶ大強度の陽子ビームを用いる中性子散乱装置におい
て、液体金属等のターゲット材を収納したターゲット容
器に関するものである。
及ぶ大強度の陽子ビームを用いる中性子散乱装置におい
て、液体金属等のターゲット材を収納したターゲット容
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】中性子散乱装置は、加速器から発射され
る陽子ビームを重金属に入射して核破砕反応を起こし、
中性子ビームを発生させて生命科学、物性物理、核物理
等の広範囲の分野で先端的研究を行う設備である。
る陽子ビームを重金属に入射して核破砕反応を起こし、
中性子ビームを発生させて生命科学、物性物理、核物理
等の広範囲の分野で先端的研究を行う設備である。
【0003】ここで特に強度の大きい陽子ビームを用い
るものにおいては、主として陽子、中性子による照射劣
化の観点から、ターゲット材としては固体金属ではな
く、水銀、鉛、鉛−ビスマス合金等の液体金属を採用
し、ターゲット材である液体金属自身を冷却系に循環さ
せることにより、前記核破砕反応によって発生した熱を
除去する様になっている。
るものにおいては、主として陽子、中性子による照射劣
化の観点から、ターゲット材としては固体金属ではな
く、水銀、鉛、鉛−ビスマス合金等の液体金属を採用
し、ターゲット材である液体金属自身を冷却系に循環さ
せることにより、前記核破砕反応によって発生した熱を
除去する様になっている。
【0004】この様な中性子散乱装置におけるターゲッ
ト容器として、従来提案されているものの一例を図2に
基づいて説明する。図2(a)は従来提案されている水
銀ターゲット容器の平面図、(b)は側面図である。
ト容器として、従来提案されているものの一例を図2に
基づいて説明する。図2(a)は従来提案されている水
銀ターゲット容器の平面図、(b)は側面図である。
【0005】1は外筒で、その前面は側断面で見て半球
状の断面形状として、陽子ビームの入射されるビーム窓
部1aを設けている。
状の断面形状として、陽子ビームの入射されるビーム窓
部1aを設けている。
【0006】2は内筒で、前記外筒1との間を所定の距
離隔てて冷却空間3を形成し、同外筒1内に配置されて
同軸状に嵌め合わされた二重構造とし、かつその前面に
は、前記外筒1のビーム窓部1aと並行して半球状の断
面形状としたビーム窓部2aを設けている。
離隔てて冷却空間3を形成し、同外筒1内に配置されて
同軸状に嵌め合わされた二重構造とし、かつその前面に
は、前記外筒1のビーム窓部1aと並行して半球状の断
面形状としたビーム窓部2aを設けている。
【0007】前記外筒1と内筒2との間の冷却空間3に
は、必要に応じて上流側から蒸留水等の冷却材が供給さ
れ、また、冷却の必要のない時にはヘリウム等の付活性
ガスが供給され安定状態に維持される様になっている。
は、必要に応じて上流側から蒸留水等の冷却材が供給さ
れ、また、冷却の必要のない時にはヘリウム等の付活性
ガスが供給され安定状態に維持される様になっている。
【0008】前記内筒2の内部空間4は、内筒2の長手
方向に延びる複数の仕切板5が配列されており、水銀、
鉛、鉛−ビスマス合金等の液体金属から選択されたター
ゲット材8が上流側の供給管6から供給され、約1m/
s程度のゆっくりとした速度で流れて図中に矢印を以て
示す様にビーム窓部2aの位置で折り返し、後流の回収
管7へ帰還する様になっている。
方向に延びる複数の仕切板5が配列されており、水銀、
鉛、鉛−ビスマス合金等の液体金属から選択されたター
ゲット材8が上流側の供給管6から供給され、約1m/
s程度のゆっくりとした速度で流れて図中に矢印を以て
示す様にビーム窓部2aの位置で折り返し、後流の回収
管7へ帰還する様になっている。
【0009】従って、前方に配置された図示省略の加速
器から陽子ビームが発射され、外筒1のビーム窓部1
a、内筒2のビーム窓部2aを経てターゲット材8に入
射されると、ターゲット材8に核破砕反応が発生し、中
性子が散乱することとなる。
器から陽子ビームが発射され、外筒1のビーム窓部1
a、内筒2のビーム窓部2aを経てターゲット材8に入
射されると、ターゲット材8に核破砕反応が発生し、中
性子が散乱することとなる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た中性子散乱装置にあっては、陽子ビームの入射の際に
液体金属は熱膨張により100MPa程度の圧力波を発生
すると考えられており、この様な大きな力に耐える構造
であることが必要とされる。
た中性子散乱装置にあっては、陽子ビームの入射の際に
液体金属は熱膨張により100MPa程度の圧力波を発生
すると考えられており、この様な大きな力に耐える構造
であることが必要とされる。
【0011】他方、同液体金属ターゲット容器へ陽子ビ
ームが入射するビーム窓部の構造は冷却の観点より薄肉
にする必要があるので、前記圧力波に対して健全性を維
持しつつ、この熱的条件を満たす様な都合の良いビーム
窓部の設計をなすことは、困難を極めるというのが実状
である。
ームが入射するビーム窓部の構造は冷却の観点より薄肉
にする必要があるので、前記圧力波に対して健全性を維
持しつつ、この熱的条件を満たす様な都合の良いビーム
窓部の設計をなすことは、困難を極めるというのが実状
である。
【0012】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、ターゲット容器の陽子ビームの入射に対応す
るビーム窓部を、冷却の観点より必要とされる薄肉構造
とし、併せて圧力波等による大きな力に耐える構造とし
た中性子散乱装置におけるターゲット容器を提供するこ
とを課題とするものである。
たもので、ターゲット容器の陽子ビームの入射に対応す
るビーム窓部を、冷却の観点より必要とされる薄肉構造
とし、併せて圧力波等による大きな力に耐える構造とし
た中性子散乱装置におけるターゲット容器を提供するこ
とを課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は前記した課題を
解決すべくなされたもので、その第1の手段として、前
面に陽子ビームを入射するビーム窓部をそれぞれ形成し
た外筒と内筒を有し、前記外筒との間を所定間隔離して
前記内筒を外筒内に配置した二重構造とし、同外筒と内
筒の間に冷却材を供給すると共に内筒内にターゲット材
を供給するターゲット容器において、前記内筒のビーム
窓部を平板構造とした中性子散乱装置におけるターゲッ
ト容器を提供するものである。
解決すべくなされたもので、その第1の手段として、前
面に陽子ビームを入射するビーム窓部をそれぞれ形成し
た外筒と内筒を有し、前記外筒との間を所定間隔離して
前記内筒を外筒内に配置した二重構造とし、同外筒と内
筒の間に冷却材を供給すると共に内筒内にターゲット材
を供給するターゲット容器において、前記内筒のビーム
窓部を平板構造とした中性子散乱装置におけるターゲッ
ト容器を提供するものである。
【0014】すなわち同第1の手段によれば、外筒内に
配置して二重構造とした内筒の前面に形成されるビーム
窓部は、平板構造で形成されているので、同ビーム窓部
は剛性を低くすることができ、圧力波によりターゲット
容器に生じる2次応力的な容器応力を低減させ、かつ、
冷却の容易な薄肉構造を得る様にしたものである。
配置して二重構造とした内筒の前面に形成されるビーム
窓部は、平板構造で形成されているので、同ビーム窓部
は剛性を低くすることができ、圧力波によりターゲット
容器に生じる2次応力的な容器応力を低減させ、かつ、
冷却の容易な薄肉構造を得る様にしたものである。
【0015】また、本発明は第2の手段として、前記第
1の手段において、前記外筒内の圧力を前記内筒内の圧
力より高くして差圧構造とした中性子散乱装置における
ターゲット容器を提供するものである。
1の手段において、前記外筒内の圧力を前記内筒内の圧
力より高くして差圧構造とした中性子散乱装置における
ターゲット容器を提供するものである。
【0016】すなわち同第2の手段によれば、前記外筒
内に配置した内筒前面のビーム窓部は、平板構造で形成
されていることに加えて、同ビーム窓部で区画される内
筒内の圧力よりも外筒内の圧力を高くしているので、内
筒内に発生する圧力波は外筒内に供給される冷却材が共
働して対応することとなり、前記平板状のビーム窓部は
曲げ応力にも耐え、健全に維持される様にしたものであ
る。
内に配置した内筒前面のビーム窓部は、平板構造で形成
されていることに加えて、同ビーム窓部で区画される内
筒内の圧力よりも外筒内の圧力を高くしているので、内
筒内に発生する圧力波は外筒内に供給される冷却材が共
働して対応することとなり、前記平板状のビーム窓部は
曲げ応力にも耐え、健全に維持される様にしたものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る中性
子散乱装置におけるターゲット容器の要部であるビーム
窓部の断面側面図である。
1に基づいて説明する。図1は本実施の形態に係る中性
子散乱装置におけるターゲット容器の要部であるビーム
窓部の断面側面図である。
【0018】すなわち、本実施の形態において、11は
中性子散乱装置におけるターゲット容器の外殻を形成す
る外筒で、その前面には、側断面で見て半球状の断面形
状として、図示省略の加速器から発射された陽子ビーム
20が入射されるビーム窓部11aを設けている。
中性子散乱装置におけるターゲット容器の外殻を形成す
る外筒で、その前面には、側断面で見て半球状の断面形
状として、図示省略の加速器から発射された陽子ビーム
20が入射されるビーム窓部11aを設けている。
【0019】12は内筒で、前記外筒11との間を所定
の距離隔てて冷却空間13を形成し、同外筒11内に内
筒12を配置して同軸で嵌め合わされた二重構造を構成
し、かつその前面には、前記外筒11のビーム窓部11
aに対峙してビーム窓部12aを設けている。
の距離隔てて冷却空間13を形成し、同外筒11内に内
筒12を配置して同軸で嵌め合わされた二重構造を構成
し、かつその前面には、前記外筒11のビーム窓部11
aに対峙してビーム窓部12aを設けている。
【0020】ここで内筒12のビーム窓部12aは、半
球状の断面形状とした前記外筒11のビーム窓部11a
と異なり、ビーム窓部11aを通過した陽子ビーム20
が直進状に通過する平板構造となっている。
球状の断面形状とした前記外筒11のビーム窓部11a
と異なり、ビーム窓部11aを通過した陽子ビーム20
が直進状に通過する平板構造となっている。
【0021】前記外筒11と内筒12との間に形成され
る冷却空間13には、上流側から蒸留水等の冷却材19
が供給され、また、内筒12の内部空間14には水銀、
鉛、鉛−ビスマス合金等の液体金属から選択されたター
ゲット材18が、約1m/s程度のゆっくりとした速度
で供給されるが、冷却空間13内の内部圧力をP0 と
し、内部空間14内の圧力をPi とすれば、この両者間
にはΔP=P0 −Pi >0の関係が維持されている。
る冷却空間13には、上流側から蒸留水等の冷却材19
が供給され、また、内筒12の内部空間14には水銀、
鉛、鉛−ビスマス合金等の液体金属から選択されたター
ゲット材18が、約1m/s程度のゆっくりとした速度
で供給されるが、冷却空間13内の内部圧力をP0 と
し、内部空間14内の圧力をPi とすれば、この両者間
にはΔP=P0 −Pi >0の関係が維持されている。
【0022】前記の様に構成された本実施の形態におい
て、前方に配置された図示省略の加速器から陽子ビーム
20が発射され、外筒11のビーム窓部11a、内筒1
2のビーム窓部12aを経てターゲット材18に入射さ
れると、ターゲット材18に核破砕反応が発生し中性子
が散乱すると共に内部圧力波が生じることとなる。
て、前方に配置された図示省略の加速器から陽子ビーム
20が発射され、外筒11のビーム窓部11a、内筒1
2のビーム窓部12aを経てターゲット材18に入射さ
れると、ターゲット材18に核破砕反応が発生し中性子
が散乱すると共に内部圧力波が生じることとなる。
【0023】本実施の形態のターゲット容器の様に、内
部圧力波等に起因してその内部から圧力が掛かる容器に
おいて、耐圧設計としては通常球構造が最も強く、次に
円筒構造が有利であり、平板構造は最も弱い構造であ
る。
部圧力波等に起因してその内部から圧力が掛かる容器に
おいて、耐圧設計としては通常球構造が最も強く、次に
円筒構造が有利であり、平板構造は最も弱い構造であ
る。
【0024】しかしながら本発明の発明者等は、ターゲ
ット容器においては、圧力波による容器応力が2次応力
的な性質を持つことに着目し、通常応力条件の最も厳し
い部位に当たる陽子ビーム20が入射される内筒12の
ビーム窓部12aを、球状、又は円筒状構造とするので
はなく、敢えて平板構造を採用することによりこの部位
における剛性を低くし、容器に生じる応力を低減すると
いう知見を得、この構成を採用するに至ったものであ
る。
ット容器においては、圧力波による容器応力が2次応力
的な性質を持つことに着目し、通常応力条件の最も厳し
い部位に当たる陽子ビーム20が入射される内筒12の
ビーム窓部12aを、球状、又は円筒状構造とするので
はなく、敢えて平板構造を採用することによりこの部位
における剛性を低くし、容器に生じる応力を低減すると
いう知見を得、この構成を採用するに至ったものであ
る。
【0025】また、この平板状構造によれば、球状、又
は円筒状構造に特有の膜応力を1/2以下に落とすこと
となり、設計を楽にし、かつ板厚をも1/2にする事が
可能となるので、熱応力も大幅に低減できるものであ
る。
は円筒状構造に特有の膜応力を1/2以下に落とすこと
となり、設計を楽にし、かつ板厚をも1/2にする事が
可能となるので、熱応力も大幅に低減できるものであ
る。
【0026】なお、内筒12のビーム窓部12aを平板
構造とすることにより、曲げ応力が球状、又は円筒状構
造の場合より大きくなるが、これに対しては数 bar、例
えば3〜4 barないしは4〜5 bar程度の外圧設計とす
ることにより、圧力波による圧力と相殺する応力を確保
し、曲げ応力を許容応力レベルまで低減することが可能
である。
構造とすることにより、曲げ応力が球状、又は円筒状構
造の場合より大きくなるが、これに対しては数 bar、例
えば3〜4 barないしは4〜5 bar程度の外圧設計とす
ることにより、圧力波による圧力と相殺する応力を確保
し、曲げ応力を許容応力レベルまで低減することが可能
である。
【0027】また、外圧設計という点に限って見れば、
理論上は球状、又は円筒状構造においてもこの外圧設計
で応力低減できることになるが、通常、前記球状、又は
円筒状構造が内圧に対して高強度のため、応力を有意な
程度下げるには、数MPaの圧力差を形成することが必要
であり、現実的ではない。
理論上は球状、又は円筒状構造においてもこの外圧設計
で応力低減できることになるが、通常、前記球状、又は
円筒状構造が内圧に対して高強度のため、応力を有意な
程度下げるには、数MPaの圧力差を形成することが必要
であり、現実的ではない。
【0028】以上、本発明を図示の実施の形態について
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、
本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えて
よいことはいうまでもない。
【0029】
【発明の効果】以上、本出願の請求項1に記載の発明に
よれば、前面に陽子ビームを入射するビーム窓部をそれ
ぞれ形成した外筒と内筒を有し、前記外筒との間を所定
間隔離して前記内筒を外筒内に配置した二重構造とし、
同外筒と内筒の間に冷却材を供給すると共に内筒内にタ
ーゲット材を供給するターゲット容器において、前記内
筒のビーム窓部を平板構造として中性子散乱装置におけ
るターゲット容器を構成しているので、この様に外筒内
に配置して二重構造とした内筒の前面に形成されるビー
ム窓部を平板構造とすることにより、同ビーム窓部は剛
性を低くすることができ、圧力波によりターゲット容器
に生じる2次応力的な容器応力を低減させ、かつ、冷却
の容易な薄肉構造を得、以て実用性に富んだ好適な中性
子散乱装置におけるターゲット容器を得ることが出来た
ものである。
よれば、前面に陽子ビームを入射するビーム窓部をそれ
ぞれ形成した外筒と内筒を有し、前記外筒との間を所定
間隔離して前記内筒を外筒内に配置した二重構造とし、
同外筒と内筒の間に冷却材を供給すると共に内筒内にタ
ーゲット材を供給するターゲット容器において、前記内
筒のビーム窓部を平板構造として中性子散乱装置におけ
るターゲット容器を構成しているので、この様に外筒内
に配置して二重構造とした内筒の前面に形成されるビー
ム窓部を平板構造とすることにより、同ビーム窓部は剛
性を低くすることができ、圧力波によりターゲット容器
に生じる2次応力的な容器応力を低減させ、かつ、冷却
の容易な薄肉構造を得、以て実用性に富んだ好適な中性
子散乱装置におけるターゲット容器を得ることが出来た
ものである。
【0030】また、請求項2に記載の発明によれば、前
記請求項1に記載の発明において、前記外筒内の圧力を
前記内筒内の圧力より高くして差圧構造として中性子散
乱装置におけるターゲット容器を構成しているので、前
記外筒内に配置した内筒前面のビーム窓部は、平板構造
で形成されていることに加えて、同ビーム窓部で区画さ
れる内筒内の圧力よりも外筒内の圧力を高くしたことに
より、内筒内に発生する圧力波に対して外筒内に供給さ
れる冷却材が共働して対応し、前記平板状のビーム窓部
は曲げ応力にも耐えて健全に維持され、以て実用性の高
い好適な中性子散乱装置におけるターゲット容器を得る
ことが出来たものである。
記請求項1に記載の発明において、前記外筒内の圧力を
前記内筒内の圧力より高くして差圧構造として中性子散
乱装置におけるターゲット容器を構成しているので、前
記外筒内に配置した内筒前面のビーム窓部は、平板構造
で形成されていることに加えて、同ビーム窓部で区画さ
れる内筒内の圧力よりも外筒内の圧力を高くしたことに
より、内筒内に発生する圧力波に対して外筒内に供給さ
れる冷却材が共働して対応し、前記平板状のビーム窓部
は曲げ応力にも耐えて健全に維持され、以て実用性の高
い好適な中性子散乱装置におけるターゲット容器を得る
ことが出来たものである。
【図1】本発明の実施の一形態に係る中性子散乱装置に
おけるターゲット容器の要部であるビーム窓部の断面側
面図である。
おけるターゲット容器の要部であるビーム窓部の断面側
面図である。
【図2】従来提案されている中性子散乱装置におけるタ
ーゲット容器の概要を示し、(a)は水銀ターゲット容
器の平面図、(b)は側面図である。
ーゲット容器の概要を示し、(a)は水銀ターゲット容
器の平面図、(b)は側面図である。
1 外筒 1a ビーム窓部 2 内筒 2a ビーム窓部 3 冷却空間 4 内部空間 5 仕切板 6 供給管 7 回収管 8 ターゲット材 11 外筒 11a ビーム窓部 12 内筒 12a ビーム窓部 13 冷却空間 14 内部空間 18 ターゲット材 19 冷却材 20 陽子ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 23/222 G01N 23/222 (72)発明者 神永 雅紀 茨城県那珂郡東海村白方字白根2番地の4 日本原子力研究所東海研究所内 (72)発明者 石倉 修一 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 鵜澤 将行 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 柳澤 一郎 神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1号 三 菱重工業株式会社神戸造船所内 Fターム(参考) 2G001 AA05 BA01 BA14 CA04 JA01 KA12 LA01 LA02 RA03 2G085 BA17 BE02 BE10 EA10
Claims (2)
- 【請求項1】 前面に陽子ビームを入射するビーム窓部
をそれぞれ形成した外筒と内筒を有し、前記外筒との間
を所定間隔離して前記内筒を外筒内に配置した二重構造
とし、同外筒と内筒の間に冷却材を供給すると共に内筒
内にターゲット材を供給するターゲット容器において、
前記内筒のビーム窓部を平板構造としたことを特徴とす
る中性子散乱装置におけるターゲット容器。 - 【請求項2】 前記外筒内の圧力を前記内筒内の圧力よ
り高くして差圧構造としたことを特徴とする請求項1に
記載の中性子散乱装置におけるターゲット容器。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000156197A JP2001338798A (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 中性子散乱装置におけるターゲット容器 |
PCT/JP2001/004407 WO2001091134A1 (fr) | 2000-05-26 | 2001-05-25 | Conteneur cible pour appareil de diffusion de neutrons |
US10/019,960 US20030006379A1 (en) | 2000-05-26 | 2001-05-25 | Target container for neutron scattering apparatus |
EP01932270A EP1284482A4 (en) | 2000-05-26 | 2001-05-25 | TARGET TANK FOR NEUTRON SPREADING DEVICE |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000156197A JP2001338798A (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 中性子散乱装置におけるターゲット容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001338798A true JP2001338798A (ja) | 2001-12-07 |
Family
ID=18661017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000156197A Withdrawn JP2001338798A (ja) | 2000-05-26 | 2000-05-26 | 中性子散乱装置におけるターゲット容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001338798A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003066200A (ja) * | 2001-06-19 | 2003-03-05 | Koninkl Philips Electronics Nv | 液体金属ターゲットを備えたx線源 |
JP2014115286A (ja) * | 2012-12-06 | 2014-06-26 | Bruker Axs Gmbh | 偏向可能な電子ビームを用いるx線装置 |
-
2000
- 2000-05-26 JP JP2000156197A patent/JP2001338798A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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