JP2001337214A - 回折光学素子 - Google Patents

回折光学素子

Info

Publication number
JP2001337214A
JP2001337214A JP2000156699A JP2000156699A JP2001337214A JP 2001337214 A JP2001337214 A JP 2001337214A JP 2000156699 A JP2000156699 A JP 2000156699A JP 2000156699 A JP2000156699 A JP 2000156699A JP 2001337214 A JP2001337214 A JP 2001337214A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
optical element
optical member
diffractive optical
thin film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000156699A
Other languages
English (en)
Inventor
Kunihisa Koo
邦寿 小尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Olympus Optical Co Ltd filed Critical Olympus Optical Co Ltd
Priority to JP2000156699A priority Critical patent/JP2001337214A/ja
Publication of JP2001337214A publication Critical patent/JP2001337214A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回折効率の波長依存特性を低減して、色むら
や不要次数光によるフレアの発生を有効に防止し、互い
に異なる光学材料が強固に積層された回折光学素子を提
供する。 【解決手段】 互いに異なる種類の光学材料からなる2
つの光学部材1、2の境界面に、レリーフパターン3を
有する回折光学素子において、前記境界面に、二酸化珪
素、硫化亜鉛および酸化アルミニウムのうち少なくとも
一種からなる薄膜層4を形成して構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の波長の光で
使用する回折光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】回折光学素子、例えば、集光作用を有す
る回折レンズを用いる光学系には、従来の屈折レンズを
用いる場合に比べて、以下のような特長を有することが
知られている。 回折レンズによって非球面波を容易に生成できるの
で、収差補正上効果的である。 回折レンズは、実質的に厚みを持たないので、光学
系をコンパクトにできるとともに、設計の自由度を上げ
ることができる。 屈折レンズでいう分散特性に相当する量が、回折レ
ンズでは逆の値を持つので、色収差を効果的に補正する
ことができる。
【0003】このような回折レンズの特徴を利用して、
光学系の特性を向上させることに関しては、例えば、B
inary Optics Technology;T
heory and Design of Multi
Level Diffract Optical E
lement ,Gary J.Swason,Tec
hical Report 854,MIT,Linc
oln Laboratory,August 198
9.に詳しく記述されている。
【0004】また、異なる光学材料の境界面にレリーフ
パターンを形成した回折格子として、例えば、特開平1
0−268116号公報には、第1光学材料がガラスま
たは樹脂で、第2光学材料が紫外線硬化型樹脂、液体ま
たは弾性体である2種類の光学材料の境界面に回折格子
を有する位相型の回折光学素子が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、回折光
学素子には、従来の屈折素子にはない多くの有用な特長
があるが、他方では、回折効率が波長に依存するため
に、以下に説明するように、種々の問題がある。例え
ば、光学系に適用する回折光学素子は、レンズ素子とし
て利用される場合が多いが、このような用途において
は、複数の回折光(複数の焦点)が存在するのは、一般
に好ましくない。そこで、回折レンズにおいては一般
に、図8に示すように、使用する波長によって、透明な
基材101に断面形状が鋸歯波状のレリーフパターン1
02を形成して、特定次数の回折光にエネルギーを集中
させるようにしている。
【0006】しかしながら、断面形状を図8に示すよう
に鋸歯波状に形成すると、その溝深さによってエネルギ
ーを集中できる波長が異なるため、波長幅を有する帯域
光のエネルギーを特定次数の回折光に集中させることが
できなくなる。このような現象は、例えばレーザのよう
な単色と見なせる光を利用する場合には問題とならない
が、カメラのように白色光を利用する光学系において
は、無視できない問題となる。また、回折光学素子の有
用な特長の一つである色収差補正効果を実現する場合に
は、使用する波長が必然的に複数であるために、特定の
波長の光で回折効率を最適化すると、その他の波長では
回折効率が低下し、特に、可視帯域光で撮像する撮像光
学系に適用する場合には、回折効率の波長依存特性によ
って、色むらや不要次数光によるフレアが生じるという
問題がある。
【0007】そこで、この問題を解決するため、特開平
10−268116号公報に開示された技術は、2種類
の光学材料の境界面に回折格子を有する位相型の回折光
学素子において、第1光学材料と第2光学材料との光学
特性が、ある特定の条件式を選択することにより、設計
次数での回折効率は波長によらず高くなるようにし、回
折効率の波長依存特性の低減を実現している。また、第
1光学材料をガラスまたは樹脂から選択し、第2光学材
料を紫外線硬化型樹脂、液体または弾性体から選択する
ことにより製造が容易になるようにしている。しかし、
第1光学材料であるガラスまたは樹脂と第2光学材料
である紫外線硬化型樹脂との熱や水分などによる膨張率
が異なること、界面のレリーフパターンが複雑である
こと、光学特性の制限から接着性に乏しいポリオレフ
ィン系樹脂や二酸化珪素成分が少ないガラスなどの材料
を選択せざるを得ないことなどの理由から、両者の界面
から剥離しやすいという問題がある。また、第2光学材
料に液体を用いた場合、液体は温度による光学特性の変
化が固体の樹脂やガラスに比べて著しく大きいため、回
折光学素子の性能が環境によって大きく影響を受けると
いう問題がある。さらに、第2光学材料に弾性体を用い
た場合、弾性体を回折格子の形状に完璧に追従させるこ
とが難しく、回折格子の谷部に気泡が残るという問題が
ある。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、請求項1、2または3に係る発明の課題
は、回折効率の波長依存特性を低減して、色むらや不要
次数光によるフレアの発生を有効に防止し、互いに異な
る光学材料が強固に積層された回折光学素子を提供する
ことである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1、2または3に係る発明は、互いに異なる
種類の光学材料からなる2つの光学部材の境界面に、レ
リーフパターンを有する回折光学素子において、前記境
界面に、二酸化珪素、硫化亜鉛および酸化アルミニウム
のうち少なくとも一種からなる薄膜層を形成して構成し
た。
【0010】請求項1、2または3に係る発明の回折光
学素子では、互いに異なる種類の光学材料からなる2つ
の光学部材の境界面に形成した二酸化珪素、硫化亜鉛お
よび酸化アルミニウムのうち少なくとも一種からなる薄
膜層の成分を調整することにより、境界面での界面反射
が防止され、回折効率が向上し、かつ2つの光学部材の
接着強度を大きくする。
【0011】請求項2または3に係る発明の回折光学素
子では、上記作用に加え、2つの光学部材のうち、一方
の光学部材は高屈折率低分散材料からなり、他方の光学
部材は低屈折率高分散材料からなることにより、設計次
数での回折効率が波長によらず高くなるようにできる。
【0012】請求項3に係る発明の回折光学素子では、
上記作用に加え、薄膜層の屈折率が、一方の光学部材の
屈折率と他方の光学部材の屈折率との中間の値であるこ
とにより、境界面での界面反射が防止される。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の回折
光学素子の概要を示す断面図である。図1において、第
1光学部材1の光学面の片面には、レリーフパターン3
が形成されている。レリーフパターン3の表面には、少
なくとも二酸化珪素、硫化亜鉛および酸化アルミニウム
から選ばれた混合物からなる薄膜層4が形成されてい
る。さらに、薄膜層4の上には、第2光学部材2が積層
されている。第1光学部材1および第2光学部材2は、
設計次数での回折効率が波長によらず高くなるように
し、回折効率の波長依存特性を低減させるために、用い
られる光学材料は、高屈折率低分散材料と低屈折率高分
散材料との組合せが選択される。高屈折率低分散材料と
してガラスまたは熱可塑性樹脂が、低屈折率高分散材料
として紫外線硬化型樹脂または熱硬化性樹脂が用いられ
る。
【0014】薄膜層4は、二酸化珪素、硫化亜鉛、酸化
アルミニウムのいずれか1つまたは複数で構成され、真
空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリングなどの
方法によってレリーフパターン3の表面に形成される。
二酸化珪素、硫化亜鉛および酸化アルミニウムは、樹脂
との接着性に優れる性質があり、第1光学部材1が接着
性に乏しいポリオレフィン系の樹脂や二酸化珪素成分の
少ないガラスなどの材料からなっていても、薄膜層4が
中間層となり、その上に積層される第2光学部材2を形
成する樹脂との接着強度が十分に大きくなり、第1光学
部材1と第2光学部材2との境界面からの剥離を防止す
ることができる。さらに、薄膜層4の屈折率を、第1光
学部材1の屈折率と第2光学部材2の屈折率との中間の
値になるように、二酸化珪素、硫化亜鉛および酸化アル
ミニウムの混合比を調整することによって、第1の光学
部材1と第2の光学部材2との境界面での界面反射が防
止され、回折効率が向上し、フレアが減少する効果もあ
る。すなわち、薄膜層4の成分を調整することにより、
第1光学材料1と第2光学材料2との接着性を向上させ
ることができるばかりではなく、回折効率の向上やフレ
アの減少という光学上の効果を得ることができる。以
下、具体的な実施の形態を説明する。
【0015】(実施の形態1)図2および図3は実施の
形態1を示し、図2は回折光学素子の縦断面図、図3は
回折光学素子の回折効率の測定結果を示す図表である。
【0016】図2において、回折光学素子10は、一方
の光学部材としての第1光学部材11に、屈折率ndが
1.694、アッベ数νdが56.3である高屈折率低
分散材料としての低融点ガラスを用い、他方の光学部材
としての第2光学部材12に、下記の化学式(1)で示
すフルオレン誘導体を主成分とする屈折率ndが1.6
31、アッベ数νdが24.8である低屈折率高分散材
料としての紫外線硬化型樹脂を用いている。第1光学部
材11と第2光学部材12との境界面には、鋸歯波状の
レリーフパタン13を形成し、このレリーフパターン1
3の表面には、二酸化珪素および酸化アルミニウムから
なる薄膜層14を形成している。薄膜層14の屈折率n
dは、1.580となっている。
【0017】
【化1】
【0018】つぎに、回折光学素子10の製造方法につ
いて説明する。最初に、一方の成形面が所望のレリーフ
パターンを反転したレリーフパターンであり、他方の成
形面が平面である一対の成形用金型(図示省略)を用意
する。この成形用金型の間に、第1光学部材11の光学
素材である前記低融点ガラスを加熱軟化させて載置し、
押圧成形して、図2に示すように、一方の面が所望のレ
リーフパターン13を有し、他方の面が平面11aであ
る第1光学部材11を作製する。つぎに、成形した第1
光学部材11を、そのレリーフパターン13面が蒸着で
きるように、真空蒸着装置にセットし、真空蒸着チャン
バー(図示省略)内を2×10−5Torr以下の真空
に排気する。その後、二酸化珪素および酸化アルミニウ
ムの混合物(重量比で1:3)を電子線加熱蒸着法によ
り、光学的膜厚にして100nmの混合膜をレリーフパ
ターン13の表面に蒸着し、薄膜層14を形成する。
【0019】つぎに、薄膜層14の上に前記フルオレン
誘導体を主成分とする紫外線硬化型樹脂を適量塗布す
る。そしてこの紫外線硬化型樹脂に、下面が平面に研磨
された成形型(図示省略)を上方から押圧しながら、紫
外線を照射して硬化させた後、成形型を離型して、第2
光学部材12を形成して、回折光学素子10を得た。
【0020】図3に示すように、回折光学素子10は、
回折効率の波長依存特性を実質的に無視できる程度に小
さく抑えることができ、改善効果が著しいことが実証さ
れた。また、回折光学素子10を温度−50〜+90℃
で、湿度0〜90%RHの間で周期的に変化するヒート
サイクル試験機に5日間放置し耐環境性の試験を行っ
た。この結果、光学的性能の低下および低融点ガラスと
紫外線硬化型樹脂との界面剥離などの問題は起こらなか
った。
【0021】本実施の形態によれば、回折効率の波長依
存特性を低減して、色むらや不要次数光によるフレアの
発生を有効に防止し、互いに異なる光学材料が強固に積
層された両平面状の回折光学素子を得ることができる。
【0022】(実施の形態2)図4および図5は実施の
形態2を示し、図4は回折光学素子の縦断面図、図5は
回折光学素子の回折効率の測定結果を示す図表である。
【0023】図4において、回折光学素子20は、実施
の形態1の回折光学素子10の材料の組合せを変化さ
せ、一方の光学部材としての第1光学部材21に、屈折
率ndが1.633、アッベ数νdが63.8である高
屈折率低分散材料としての低融点ガラスを用い、他方の
光学部材としての第2光学部材22に、下記の化学式
(2)で示すフルオレン誘導体を主成分とする屈折率n
dが1.575、アッベ数νdが32.0である低屈折
率高分散材料としての紫外線硬化型樹脂を用いている。
第1光学部材21と第2光学部材22との境界面には、
鋸歯波状のレリーフパタン23を形成し、このレリーフ
パターン23の表面には、実施の形態1における回折光
学素子10の薄膜層14の成分を変更し、二酸化珪素お
よび硫化亜鉛からなる薄膜層24を形成している。薄膜
層24の屈折率ndは、1.590となっている。
【0024】
【化2】
【0025】つぎに、回折光学素子20の製造方法につ
いて説明する。最初に、一方の成形面が所望のレリーフ
パターンを反転したレリーフパターンであり、他方の成
形面が平面である一対の成形用金型(図示省略)を用意
する。この成形用金型の間に、第1光学部材21の光学
素材である前記低融点ガラスを加熱軟化させて載置し、
押圧成形して、図4に示すように、一方の面が所望のレ
リーフパターン23を有し、他方の面が平面21aであ
る第1光学部材21を作製する。つぎに、成形した第1
光学部材21を、そのレリーフパターン23面が蒸着で
きるように、真空蒸着装置にセットし、実施の形態1と
同様の条件で真空蒸着チャンバー(図示省略)内を真空
に排気する。その後、二酸化珪素および硫化亜鉛の混合
物(重量比で6:1)を電子線加熱蒸着法により、光学
的膜厚にして130nmの混合膜をレリーフパターン2
3の表面に蒸着し、薄膜層24を形成する。
【0026】つぎに、薄膜層24の上に前記フルオレン
誘導体を主成分とする紫外線硬化型樹脂を適量塗布す
る。そしてこの紫外線硬化型樹脂に、下面が凹球面に研
磨された成形型(図示省略)を上方から押圧しながら、
紫外線を照射して硬化させた後、成形型を離型して、上
面が凸球面22aの第2光学部材22を形成して、回折
光学素子20を得た。
【0027】図5に示すように、回折光学素子20は、
回折効率の波長依存特性を実質的に無視できる程度に小
さく抑えることができ、改善効果が著しいことが実証さ
れた。また、回折光学素子20を温度−50〜+90℃
で、湿度0〜90%RHの間で周期的に変化するヒート
サイクル試験機に5日間放置し耐環境性の試験を行っ
た。この結果、光学的性能の低下および低融点ガラスと
紫外線硬化型樹脂との界面剥離などの問題は起こらなか
った。
【0028】本実施の形態によれば、回折効率の波長依
存特性を低減して、色むらや不要次数光によるフレアの
発生を有効に防止し、互いに異なる光学材料が強固に積
層された平面および凸球面を有する回折光学素子を得る
ことができる。
【0029】(実施の形態3)図6〜図7は実施の形態
3を示し、図6は回折光学素子の縦断面図、図7は回折
光学素子の回折効率の測定結果を示す図表である。
【0030】図6において、回折光学素子30は、実施
の形態2の回折光学素子20の材料の組合せを変化さ
せ、一方の光学部材としての第1光学部材31に、屈折
率ndが1.524、アッベ数νdが55.0である高
屈折率低分散材料としてのオレフィン系熱可塑性樹脂を
用い、他方の光学部材としての第2光学部材32に、ア
クリル系オリゴマーを主成分とする屈折率ndが1.5
18、アッベ数νdが52.0である低屈折率高分散材
料としての熱硬化型樹脂を用いている。第1光学部材3
1の第2光学部材32との境界面には、鋸歯波状のレリ
ーフパタン33を形成し、このレリーフパターン33の
表面には、二酸化珪素および酸化アルミニウムからなる
薄膜層34を形成している。薄膜層34の屈折率nd
は、1.520となっている。
【0031】つぎに、回折光学素子30の製造方法につ
いて説明する。最初に、一方の成形面が所望のレリーフ
パターンを反転したレリーフパターンであり、他方の成
形面が凸非球面である一対の成形用金型(図示省略)を
用意する。この成形用金型の間に、第1光学部材31の
光学素材である前記オレフィン系熱可塑性樹脂を加熱軟
化させて載置し、押圧成形して、図6に示すように、一
方の面が所望のレリーフパターン33を有し、他方の面
が凹非球面31aである第1光学部材31を作製する。
つぎに、成形した第1光学部材31を、そのレリーフパ
ターン33面が蒸着できるように、真空蒸着装置にセッ
トし、実施の形態1と同様の条件で真空蒸着チャンバー
(図示省略)内を真空に排気する。その後、二酸化珪素
および酸化アルミニウムの混合物(重量比で2:1)を
電子線加熱蒸着法により、光学的膜厚にして130nm
の混合膜をレリーフパターン33の表面に蒸着し、薄膜
層34を形成する。
【0032】つぎに、薄膜層34の上に前記アクリル系
オリゴマーを主成分とする熱硬化型樹脂を適量塗布す
る。そしてこの熱硬化型樹脂に、下面が凹球面に研磨さ
れた成形型(図示省略)を上方から押圧しながら、80
℃5時間加熱し、前記熱硬化型樹脂を硬化させた後、成
形型を離型して、上面が凸球面32aの第2光学部材3
2を形成して、回折光学素子30を得た。
【0033】図7に示すように、回折光学素子30は、
回折効率の波長依存特性を実質的に無視できる程度に小
さく抑えることができ、改善効果が著しいことが実証さ
れた。また、回折光学素子30を温度−50〜+90℃
で、湿度0〜90%RHの間で周期的に変化するヒート
サイクル試験機に5日間放置し耐環境性の試験を行っ
た。この結果、光学的性能の低下およびオレフィン系熱
可塑性樹脂と熱硬化型樹脂との界面剥離などの問題は起
こらなかった。
【0034】本実施の形態によれば、回折効率の波長依
存特性を低減して、色むらや不要次数光によるフレアの
発生を有効に防止し、互いに異なる光学材料が強固に積
層された凹非球面および凸球面を有する回折光学素子を
得ることができる。
【0035】なお、上述の具体的な実施の形態からつぎ
のような構成の技術的思想が導き出される。 (付記) (1) 使用する波長帯域で実質的に透明である少なく
とも2つの光学材料からなり、その少なくとも1つの互
いに異なる光学材料の境界面にレリーフパターンを有す
る回折光学素子において、前記境界面に、少なくとも二
酸化珪素、硫化亜鉛および酸化アルミニウムから選ばれ
る薄膜層を形成したことを特徴とする回折光学素子。
【0036】付記(1)によれば、境界面での界面反射
が防止され、回折効率が向上し、かつ2つの光学材料の
接着強度を大きくするので、回折効率の波長依存特性を
低減して、色むらや不要次数光によるフレアの発生を有
効に防止し、互いに異なる光学材料が強固に積層された
回折光学素子を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】請求項1、2または3に係る発明によれ
ば、境界面での界面反射が防止され、回折効率が向上
し、かつ2つの光学部材の接着強度を大きくするので、
回折効率の波長依存特性を低減して、色むらや不要次数
光によるフレアの発生を有効に防止し、互いに異なる光
学材料が強固に積層された回折光学素子を得ることがで
きる。
【0038】請求項2または3に係る発明によれば、上
記効果に加え、設計次数での回折効率が波長によらず高
くなるようにできるので、回折効率の波長依存特性を低
減させる。
【0039】請求項3に係る発明によれば、上記効果に
加え、境界面での界面反射が防止されるので、さらに、
回折効率を向上させ、フレアを減少させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態の回折光学素子の概要を示す
断面図である。
【図2】実施の形態1の回折光学素子の縦断面図であ
る。
【図3】実施の形態1の回折光学素子の回折効率の測定
結果を示す図表である。
【図4】実施の形態2の回折光学素子の縦断面図であ
る。
【図5】実施の形態2の回折光学素子の回折効率の測定
結果を示す図表である。
【図6】実施の形態3の回折光学素子の縦断面図であ
る。
【図7】実施の形態3の回折光学素子の回折効率の測定
結果を示す図表である。
【図8】従来技術の回折光学素子の縦断面図である。
【符号の説明】
1 第1光学部材 2 第2光学部材 3 レリーフパターン 4 薄膜層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに異なる種類の光学材料からなる2
    つの光学部材の境界面に、レリーフパターンを有する回
    折光学素子において、 前記境界面に、二酸化珪素、硫化亜鉛および酸化アルミ
    ニウムのうち少なくとも一種からなる薄膜層を形成して
    構成したことを特徴とする回折光学素子。
  2. 【請求項2】 前記2つの光学部材のうち、一方の光学
    部材は高屈折率低分散材料からなり、他方の光学部材は
    低屈折率高分散材料からなることを特徴とする請求項1
    記載の回折光学素子。
  3. 【請求項3】 前記薄膜層の屈折率は、一方の光学部材
    の屈折率と他方の光学部材の屈折率との中間の値である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の回折光学素
    子。
JP2000156699A 2000-05-26 2000-05-26 回折光学素子 Withdrawn JP2001337214A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000156699A JP2001337214A (ja) 2000-05-26 2000-05-26 回折光学素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000156699A JP2001337214A (ja) 2000-05-26 2000-05-26 回折光学素子

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001337214A true JP2001337214A (ja) 2001-12-07

Family

ID=18661454

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000156699A Withdrawn JP2001337214A (ja) 2000-05-26 2000-05-26 回折光学素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001337214A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011257695A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Canon Inc 回折光学素子、光学系および光学機器
US8508847B2 (en) 2009-12-28 2013-08-13 Panasonic Corporation Diffractive optical element and optical device

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8508847B2 (en) 2009-12-28 2013-08-13 Panasonic Corporation Diffractive optical element and optical device
JP2011257695A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Canon Inc 回折光学素子、光学系および光学機器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7554733B2 (en) Diffractive optical element and method for manufacturing same
US7957063B2 (en) Diffractive optical device, optical system using the diffractive optical device and method for manufacturing diffractive optical device
US20100130246A1 (en) Method and Apparatus for Producing Hybrid Lenses
US20050180010A1 (en) Dielectric multilayer filter and its manufacturing method, and solid-state imaging device
US7839582B2 (en) Optical element
JPH1144808A (ja) 回折光学素子及びそれを用いた光学系
JP2005107298A (ja) 回折光学素子及び回折光学素子の製造方法
US7042642B2 (en) Diffractive optical element
US8953249B2 (en) Method of manufacturing an apodizer, and optical module
US6523963B2 (en) Hermetically sealed diffraction optical element and production method thereof
US6870677B2 (en) Optical material, optical element, multilayer diffraction optical element, optical system, and method of molding optical element
WO2016145590A1 (en) Camera module comprising a nir-cut filter and method for producing the same
JP2008242390A (ja) 回折光学素子およびそれを有する光学系
JP5824788B2 (ja) 導光板の製造方法及び導光板
JP2001249208A (ja) 回折光学素子およびその製造方法
WO2011074388A1 (ja) 光学部品及びその製造方法
JP2001337214A (ja) 回折光学素子
JPH1068878A (ja) レンズ
JPH11287904A (ja) 回折光学素子及びその製造方法
JP2000298202A (ja) 赤外線レンズ
JP2015179297A (ja) 導光板の製造方法及び導光板
KR20160123671A (ko) 다층 구조의 렌즈 및 그 렌즈 제조 방법
JP2001264526A (ja) 回折光学素子、該素子を有する光学系及び光学装置
JP2013205534A (ja) 回折光学素子及びその製造方法並びに回折光学素子を用いた光学系
WO2021200175A1 (ja) 光学体、光学体の製造方法及び光学デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807