JP2001336031A - 吸収可能でオートクレーブ処理可能な合成モノフィラメント繊維および近接照射療法用シード・スペーサー - Google Patents

吸収可能でオートクレーブ処理可能な合成モノフィラメント繊維および近接照射療法用シード・スペーサー

Info

Publication number
JP2001336031A
JP2001336031A JP2000387750A JP2000387750A JP2001336031A JP 2001336031 A JP2001336031 A JP 2001336031A JP 2000387750 A JP2000387750 A JP 2000387750A JP 2000387750 A JP2000387750 A JP 2000387750A JP 2001336031 A JP2001336031 A JP 2001336031A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
seed
fibers
monofilament
spacer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000387750A
Other languages
English (en)
Inventor
John J Karl
ジョン・ジェイ・カール
Nicholas Popadiuk
ニコラス・ポパディック
Dennis D Jamiolkowski
デニス・ディー・ジャミオルコフスキ
Kenneth Michael Keilman
ケネス・マイケル・ケイルマン
Sasa Andjelic
ササ・アンジェリク
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ethicon Inc
Original Assignee
Ethicon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ethicon Inc filed Critical Ethicon Inc
Publication of JP2001336031A publication Critical patent/JP2001336031A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/58Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products
    • D01F6/62Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from homopolycondensation products from polyesters
    • DTEXTILES; PAPER
    • D01NATURAL OR MAN-MADE THREADS OR FIBRES; SPINNING
    • D01FCHEMICAL FEATURES IN THE MANUFACTURE OF ARTIFICIAL FILAMENTS, THREADS, FIBRES, BRISTLES OR RIBBONS; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED FOR THE MANUFACTURE OF CARBON FILAMENTS
    • D01F6/00Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof
    • D01F6/78Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from copolycondensation products
    • D01F6/84Monocomponent artificial filaments or the like of synthetic polymers; Manufacture thereof from copolycondensation products from copolyesters
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61NELECTROTHERAPY; MAGNETOTHERAPY; RADIATION THERAPY; ULTRASOUND THERAPY
    • A61N5/00Radiation therapy
    • A61N5/10X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy
    • A61N5/1001X-ray therapy; Gamma-ray therapy; Particle-irradiation therapy using radiation sources introduced into or applied onto the body; brachytherapy
    • A61N2005/1019Sources therefor
    • A61N2005/1023Means for creating a row of seeds, e.g. spacers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Artificial Filaments (AREA)
  • Radiation-Therapy Devices (AREA)
  • Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
  • Pretreatment Of Seeds And Plants (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸収性の高グリコリド・ポリマーにより作成
される吸収性で、オートクレーブ処理可能なモノフィラ
メント繊維を提供する。 【解決手段】 本発明による繊維は全体で4.1倍乃至
5.9倍の延伸比で延伸され、約165℃乃至約185
℃の温度でアニール処理される。さらに、本発明は上記
の吸収性で、オートクレーブ処理可能な高グリコリド・
ポリマーから成るモノフィラメント繊維により製造され
る近接照射療法用シード・スペーサー、および上記繊維
およびシード・スペーサーを製造するための方法に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はグリコリド基材ポリ
マーから成る吸収可能な合成モノフィラメント繊維に関
し、特に、近接照射療法用シード送達システムにおける
近接照射療法用シード・スペーサーの製造に有用なポリ
(ラクチド−コ−グリコリド)コポリマーに関する。
【0002】
【従来の技術】前立腺癌は3人の男性のうち1人が罹る
と推定されている。米国においてだけで、前立腺癌の治
療の候補者となる患者が千五百万人いると推定できる。
この治療の従来的な方法として、外科的介入、外部放射
線療法、およびその他の近接照射療法(介在性放射線)
技法が含まれる。このような放射線療法の局在的な使用
についての一般論がBagshaw, M. A.、Kaplan, I. D.お
よびCox, R. C.の「局在化した病気に対する放射線療法
(Radiation Therapy for Localized Disease)」(CAN
SER 71 、第939頁乃至第952頁、1993年)に
記載されている。外科的介入に伴う不都合点として、イ
ンポテンスおよび失禁症がある。また、外部放射線療法
は周囲の正常な組織(例えば、膀胱、直腸、および尿
道)に有害な作用が及ぶ恐れがある。これに対して、近
接照射療法はインポテンスおよび失禁症のような合併症
を減らすと共に、外部放射線療法に比して大量で集中し
た放射線の投与を前立腺に供給できる。近接照射療法の
さらに別の利点はこの治療方法が数週間と言った長い治
療期間に比して数日の内に行なえることができ、近接す
る各器官への放射線の暴露を大幅に減少できる。
【0003】前立腺の近接照射療法は使用する放射線の
量に基づいて2種類に分けることができる。第1のカテ
ゴリーは一時的移植であり、この用法は高い活性の供給
源を使用する。また、第2のカテゴリーは永久的移植で
あり、この用法は比較的低い活性の供給源を使用する。
なお、これらの2種類の技法については、Porter, A.T.
およびForman, J. D. の「前立腺近接照射療法(Prost
ate Brachytherapy)」(CANSER 71、第953頁乃至第
958頁、1993年)に記載されている。前立腺近接
照射療法において用いる主な放射線活性供給源として、
ヨウ素−125、パラジウム−103、金−198、イ
ッテルビウム−169、およびイリジウム−192が含
まれる。また、前立腺近接照射療法は放射線活性材料を
前立腺内に導入するための方法に基づいて分類される。
例えば、切開または閉鎖手術が恥骨または会陰恥骨後方
の接近手法により行なうことができる。
【0004】前立腺癌は男性において一般的な癌であ
る。この症状を治療するために種々の療法があるが、比
較的有効な手法の一つが放射線活性のシード(seeds)ま
たは供給源を移植することにより前立腺を放射線に暴露
することである。このようなシードは数列に移植され、
その間隔が患者の前立腺の特異的な形状に適合し、且
つ、組織に対して適当な放射線投与が確実に行なえるよ
うに配慮される。これらのシードを移植するための現行
の技法として、近接照射療法針と呼ばれる針状の挿入装
置におけるカニューレの中にこれらを同時に装填する方
法がある。さらに、各シードの間にはスペーサーが配置
される。さらに、この技法においては、移植するシード
の各列に対応して別々の照射針が装填される。
【0005】シード・スペーサーは吸収性(または吸収
可能)または非吸収性の種々の材料により作成できる
が、材料が吸収性である場合に利点があり、これらの利
点として、体内におけるこの材料の長期の存在による何
らかの影響を減少または消去することが含まれる。吸収
性の材料としては、腸線、コラーゲン、および吸収性の
合成ポリマーがある。腸線およびコラーゲンは通常にお
いて水との反応、すなわち、加水分解のような化学的機
構と対照的な酵素的機構により崩壊する。近接照射療法
用シードおよびスペーサーの滅菌処理のための好ましい
方法は蒸気滅菌処理(オートクレーブ処理)である。腸
線をシード・スペーサー材料として使用する場合は、こ
のオートクレーブ処理が、おそらく暴露中にこれらの材
料が取り込む水の可塑化作用により、スペーサーを軟質
化する。このように、物理的特性を維持しないことに加
えて、腸線シード・スペーサーはオートクレーブ処理に
対する暴露時にその形を変化できる。現行の吸収性の合
成材料は腸線またはコラーゲンのように水を多量に取り
込まない。しかしながら、これらの合成材料は加水分解
機構により崩壊する。この加水分解の反応速度が高温に
なるほど増大することは周知である。従って、近接照射
療法用シードおよびスペーサーの好ましい滅菌処理方法
が蒸気滅菌処理(オートクレーブ処理)である場合に、
今日において知られる上記の合成材料がこれらの用途に
おいて効果的に機能できることは注目に値する。すなわ
ち、吸収性の合成ポリマーが化学的な加水分解によりほ
とんど崩壊するという事実に基づいて、オートクレーブ
処理により滅菌処理する医療装置として使用する場合に
これらの合成材料を考慮することすら行なわれないから
である。
【0006】このような吸収性の合成ポリマーによるシ
ード・スペーサーの早期の崩壊に関する蒸気滅菌処理の
作用を最少にする手法の一つは加水分解に対する抵抗性
のはるかに高い吸収性の合成ポリマーを考慮することで
ある。このような材料として、ポリラクチドがある。す
なわち、この材料は、例えば、ポリグリコリドに比べ
て、オートクレーブ処理に対する暴露後において近接照
射療法用シード供給装置に使用するのに必要とされる機
械的特性を維持できる可能性が極めて高い。しかしなが
ら、このポリラクチドは体内における吸収にかなり長い
時間を必要とするので、一般的に材料として選択されな
い。例えば、特定の整形外科手術において有用な長期に
わたって市販されている縫合線材料の製造に用いられて
いる高ラクチドポリマー、すなわち、95/5ポリ(ラ
クチド−コ−グリコリド)もまた近接照射療法において
必要とされる吸収時間よりもかなり長い吸収時間を要す
る。
【0007】さらに、特定の吸収性合成ポリマーには別
の問題がある。例えば、吸収性の合成ポリマーであるポ
リ(p−ジオキサノン)はポリグリコリドに比べてはる
かに長い時間にわたってその強度を保つことが知られて
いるが、融点が低すぎるためにオートクレーブ処理によ
る滅菌処理には適さない。このように、近接照射療法用
シード・スペーサーとしての使用に適する特性を有する
モノフィラメント繊維の製造において適当な材料の選択
が重要な要素となる。
【0008】さらに、材料の選択に加えて、本発明者は
製造の方法が重要な要素の一つであることが分かった。
射出成形法はシード・スペーサーを作成するための製造
方法として完全に適していると思われるが、通常の吸収
性合成ポリマーの射出成形法を利用すると、製造したス
ペーサーが滅菌処理中に極めて破壊しやすく、極めて低
い強度に維持される。そこで、本発明者は高グリコリド
の吸収性の合成ポリマーによる近接照射療法用シード・
スペーサーの作成方法として好ましい押出成形処理、延
伸処理、およびアニール処理により構成することによ
り、一定の長さに切り出すことのできる適当な特性を有
するモノフィラメント繊維を提供できることを見出し
た。
【0009】多用途において使用するためのモノフィラ
メント繊維は適正な機能を可能にするために折れ曲がり
の無い直線状であることが特に必要である。このような
用途の一例が近接照射療法用シード・スペーサーであ
る。シードが折れたり曲がっている場合は、シード/シ
ード・スペーサーの組立体の供給中に供給装置と絡み合
う可能性がある。加えて、各シードが初期的に曲がって
いたり、さらに悪い場合は、初期的に検出されることな
く組立体の中で再現不能に屈曲していると、不所望な間
隔寸法のばらつきが生じる。近接照射療法用シード・ス
ペーサーの機能が各放射線活性シードを位置決めして適
当な間隔のパタンで放射線活性を供給することを補助す
ることであるので、各シードはその寸法において十分に
正確で安定している必要がある。特定の紡績処理により
作成される繊維は押出および延伸処理の後に直線状でな
い場合がある。これらは一定のコイル形状記憶を保持す
る傾向がある。ラック・アニール処理の後でさえも、特
定の処理により作成された繊維は残存するコイル形状記
憶により曲がる可能性がある。
【0010】さらに、種々の処理条件が近接照射療法用
シード・スペーサーとして使用するための繊維に必要と
される特性に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、オー
トクレーブ処理時において、不所望な長さの収縮が生じ
たり、部品が歪みや曲がりを生じる場合がある。
【0011】繊維を一定の長さに切断する際に生じるこ
とのある「ブルーミング(brooming)」に加えて、特定
の製造された装置、すなわち、シード・スペーサーもま
た機械的な負荷により外科処理中に「ブルーミング」ま
たは裂け目が生じる。このようなオートクレーブによる
滅菌処理中の不所望な長さの収縮、歪みまたは曲がり、
あるいは、負荷による「ブルーミング」または崩壊は、
これらが検出困難な時点で生じることや、さらに悪く
は、実際の外科処理中に生じるために、特に解消困難な
問題である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、体内において
吸収可能であり、機械的な特性維持できて、繊維が近接
照射療法用シード送達システムにおける近接照射療法用
シード・スペーサーとしての使用に適するような、吸収
性の合成モノフィラメント繊維を開発することが有利で
ある。さらに、上記のような近接照射療法用シード・ス
ペーサーとしての使用に適する吸収性および機械的強度
を有する吸収性の合成モノフィラメント繊維を信頼性良
く作成するための確固とした方法を提供することが有利
である。
【0013】本発明によれば、シード・スペーサーのよ
うな滅菌手段としてオートクレーブ処理を必要とする医
療装置の製造に適する吸収性の合成モノフィラメント繊
維を製造するための方法が提供される。予想外にも、本
発明者は、全体の延伸比が4.1倍乃至5.9倍で延伸
した繊維であって、約165℃乃至185℃でアニール
処理した、特定の高グリコリド・コポリマーにより作成
したモノフィラメント繊維がオートクレーブによる滅菌
処理工程にかけても依然として十分な特性を維持して近
接照射処理を含む特定の医療処理において使用できるこ
とを見出した。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は100モル%乃
至約80モル%、好ましくは100モル%乃至約85モ
ル%の重合化グリコリド・モノマーを含有するポリマー
により作成したモノフィラメント繊維に関する。グリコ
リド・ホモポリマーはポリグリコリドまたはポリグリコ
ール酸としても知られている。好ましくは、この繊維は
0モル%乃至約15モル%の重合化ラクチド・モノマー
および100モル%乃至約85モル%の重合化グリコリ
ド・モノマー、すなわち、ポリ(ラクチド−コ−グリコ
リド)から成るポリマーにより作成されている。最も好
ましくは、このポリマーは約10モル%の重合化ラクチ
ド・モノマーおよび約90モル%の重合化グリコリド・
モノマーにより構成されている。上記の繊維は全体で
4.1倍乃至5.9倍の範囲の延伸比で延伸されてい
て、約165℃乃至約185℃の温度でアニール処理さ
れている。この繊維は体内において吸収可能であり、近
接照射療法用シード・スペーサーを滅菌処理するために
用いるオートクレーブ処理にかけることができると共
に、近接照射療法用シード送達装置における近接照射療
法用シード・スペーサーとしての使用に必要とされる機
械的特性を維持する。また、本発明は上記のモノフィラ
メント繊維により作成される近接照射療法用シード・ス
ペーサーに関する。さらに、本発明は上記の繊維および
近接照射療法用シード・スペーサーを製造する各方法に
関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のモノフィラメント繊維の
作成において使用するポリマーは近接照射療法用シード
・スペーサーとして使用される場合に体内において吸収
可能である必要がある。この「吸収可能または吸収性
(absorbable)」とは、材料が移植部位から単純に溶散
するだけでなく、その部位および通常は体内から生物学
的手段により除去されるさらに低い分子量の物質に変化
することを意味する。この「さらに低い分子量の物質」
への変化は、大抵の吸収性の合成ポリマーの場合におい
て、化学的加水分解による連鎖的開裂により生じる。な
お、近接照射療法用シード・スペーサーの場合に、術後
約3ヶ月以内乃至4ヶ月以内にその装置が「消去される
(cleared)」ことが好ましい。
【0016】吸収可能であることに加えて、上記のポリ
マーにより作成される繊維は近接照射療法用シード・ス
ペーサーとして有用となる特定の機械的特性を有してい
る必要がある。特に、この繊維の支柱(column)強度
は、最低でも、シード・スペーサーの製造中に一定の長
さに切断する際に裂けまたはブルーミングを防止するの
に有効である必要がある。好ましくは、この繊維および
後続のシード・スペーサーの支柱強度はオートクレーブ
処理後において少なくとも3.5ポンドである。また、
この繊維の表面は近接照射療法用シード・スペーサーと
して使用する場合に十分に滑らかである必要がある。加
えて、この繊維は寸法的に安定でオートクレーブ処理が
可能であり、シード・スペーサーの滅菌処理に適してい
て病院環境内で実施されるオートクレーブ処理にかけた
場合にシード・スペーサーとして使用する場合に有効な
形状および寸法を繊維が維持できることが必要である。
【0017】既に述べたように、ポリラクチド・ホモポ
リマーは適当な機械的特性を示すことが知られていた
が、体内で吸収される時間が長すぎるという欠陥があ
る。また、ポリ(p−ジオキサノン)ポリマーの融点温
度はオートクレーブ処理を行なうには低すぎる。さら
に、グリコリドおよびカプロラクトンのセグメント・コ
ポリマーのような、室温よりも低いガラス転移点温度を
有し、モノフィラメント縫合線としての有用性が見出さ
れて市販されている重合化グリコリドを含有する吸収性
の合成ポリマーは一般にオートクレーブによる滅菌処理
後においてシード・スペーサーとして機能するのに必要
とされる機械的特性を有していない。そこで、本発明者
は全ての吸収性の合成ポリマーがシード・スペーサー材
料として同等に機能するとは限らないことを見出した。
【0018】この結果、好ましくは、0/100モル%
乃至15/85モル%のラクチド/グリコリドから成る
ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、最も好ましくは、
10/90ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)により作
成されていて、繊維が全体で4.1倍乃至5.9倍の範
囲の延伸比で延伸されて、約165℃乃至約185℃の
温度でアニール処理されている、約85モル%乃至10
0モル%の重合化グリコリドを含有する高グリコリドポ
リマーにより作成されるモノフィラメント繊維が近接照
射療法用シード送達装置において使用するための吸収性
でオートクレーブ処理可能な近接照射療法用シード・ス
ペーサーを高信頼性で製造するために使用できることが
予想外に分かった。比較的容易な水との反応性、すなわ
ち、比較的容易な化学的加水分解性による体内での吸収
性にも拘わらず、本発明のシード・スペーサーは高温に
おける水(水蒸気)対する暴露、およびオートクレーブ
処理工程における所要時間にわたる滅菌処理に対して耐
久性を有している。
【0019】本発明による繊維を作成するために使用す
るポリマーは一般に100モル%乃至約80モル%のグ
リコリド・モノマーおよび0モル%乃至約20モル%の
共重合可能なコモノマーにより作成される。例示的なコ
モノマーはL(−)−ラクチド、D(+)−ラクチド、
メソ−ラクチド、p−ジオキサノン、トリメチレン・カ
ーボネート、およびイプシロン−カプロラクトンから成
る群から選択できる。なお、約80モル%よりも少ない
グリコリドを使用する場合は、これにより製造される繊
維は近接照射療法用シード・スペーサーにおいて使用す
るのに必要とされる十分な機械的特性を有さない。ま
た、好ましいコモノマーは特に約10モル%の量でのラ
クチドである。さらに、例えば、重合化の開始段階にお
いてアルファ、オメガ−ジヒドロキシ化合物を添加する
等により、別の配列を上記ポリマーに組み込むことが可
能である。
【0020】一般に、本発明のポリマーは、押出成形処
理前において、0.1g/dLの濃度で25℃における
ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)中で測定
した場合に、約1.0dL/g乃至約2.5dL/gの
固有粘度(IV)値に相当する分子量を有している。さ
らに、この樹脂のIV値は1.2dL/g乃至2.1d
L/gであるのが好ましく、さらに好ましくは1.3d
L/g乃至2.0dL/gであり、最も好ましくは1.
4dL/g乃至1.7dL/gである。なお、上記ポリ
マーの分子量が小さすぎる場合は、本発明に従って必要
とされる延伸比率で繊維を延伸することが極めて困難に
なることが当然に考えられる。また、この分子量が大き
すぎると、溶融した樹脂の搬送が困難になる恐れがあ
る。
【0021】Dorband 他に発行された「外科用固定装置
および製造方法(Surgical Fastening Device And Meth
od for Manufacture)」と題する米国特許第4,67
1,280号に開示されているモノフィラメント繊維を
作成するための方法において、80モル%以上の重合化
グリコリドから成るポリマーにより作成した繊維が全体
で7.4倍の延伸比で延伸されて、135℃でアニール
処理されている。一方、本発明による繊維は全体で4.
1倍乃至5.9倍、好ましくは約4.5倍乃至約5.5
倍の延伸比で延伸する必要がある。全体の延伸比が小さ
すぎると、繊維は近接照射療法用シード・スペーサーと
して使用する場合にオートクレーブ処理後に十分な支柱
強度を維持しない。一方、全体の延伸比が大きすぎる
と、得られる繊維の表面がシード・スペーサーとして使
用するには粗すぎて、一定の長さへの切断時または外科
処理においてシード/シード・スペーサー組立体を導入
する際に生じるような機械的負荷が加わる時に、繊維の
端部が容易に裂けたり、「ブルーミング」を生じる可能
性がある。
【0022】本発明による繊維を製造するために使用す
る方法を確固たるものにするためには、近接照射療法用
シード・スペーサーにおいて使用するのに必要とされる
機械的特性、特に寸法安定性および表面の滑らかさを有
する繊維を一貫して提供する必要がある。本発明者は、
約80モル%乃至100モル%の重合化グリコリドから
成る押出成形したモノフィラメント繊維を全体で4.1
倍乃至5.9倍の延伸比で延伸した後に約165℃乃至
約185℃の温度でアニール処理すると、必要な寸法安
定性および表面の滑らかさを示す繊維が一貫して提供で
きることを予想外に見出した。なお、アニール処理温度
が約165℃よりも低い、例えば、約155℃である
と、繊維は曲がりのような不十分な機械的特性を示す場
合が多い。好ましくは、繊維は約170℃乃至約180
℃でアニール処理され、繊維が約175℃でアニール処
理されるのがさらに好ましい。
【0023】オートクレーブによる滅菌処理時におい
て、長さの不所望な収縮が大きくなりすぎる場合があ
り、部品が歪みや曲がりを生じる可能性がある。繊維を
一定の長さに切断する際に生じる可能性のある「ブルー
ミング」に加えて、特定の製造された装置、すなわち、
シード・スペーサーもまた機械的負荷がかかる外科処理
中に「ブルーミング」や裂けを生じる場合がある。従っ
て、このようなオートクレーブによる滅菌処理時におけ
る大きすぎる長さの不所望な収縮、歪みまたは曲がり、
あるいは、負荷を加えた時の「ブルーミング」または崩
壊を生じる繊維やスペーサーは近接照射療法における使
用に有効でないと考えられる。
【0024】なお、「オートクレーブ処理可能(autocl
aveable)」とは、シード・スペーサーの形態の繊維がオ
ートクレーブの処理工程中に少なくとも3.5ポンドの
支柱強度を維持して、近接照射療法用シード・スペーサ
ーとしての使用を妨げる歪みや曲がりを生じないことを
意味する。
【0025】約30ミル乃至40ミルのシード・スペー
サーの直径が特に有利であるが、本発明のモノフィラメ
ント繊維の直径は最小で約20ミル乃至最大で約60ミ
ル以上とすることができる。一般に、繊維の断面は円形
になるが、別の形状も有効に使用できる。なお、非円形
断面の場合は、(円形の場合に)相当する断面積が支配
的になる。
【0026】以下、本発明の高グリコリド繊維および近
接照射療法用シード・スペーサーを作成するための方法
を説明する。
【0027】実施例1 ポリマーおよび重合化 一般に、本発明のポリマーは、押出成形処理前におい
て、0.1g/dLの濃度で25℃におけるヘキサフル
オロイソプロパノール(HFIP)中で測定した場合
に、約1.0dL/g乃至約2.5dL/gの固有粘度
(IV)値に相当する分子量を有している。さらに、こ
の樹脂のIV値は1.2dL/g乃至2.1dL/gで
あるのが好ましく、さらに好ましくは1.3dL/g乃
至2.0dL/gであり、最も好ましくは1.4dL/
g乃至1.7dL/gである。好ましくは、このポリマ
ーは10/90モル比のポリ(ラクチド−コ−グリコリ
ド)である。例えば、97モル%乃至100モル%のよ
うに、重合化グリコリドの含有量が極めて高い場合は、
HFIP中においてさえも、樹脂の溶解性が極めて低く
なり、放置すると顕著に結晶化しやすくなる。このた
め、固有粘度測定においては、(乾燥した)樹脂のサン
プルを溶融した後に測定を行なってから急冷して結晶化
を避ける必要がある。すなわち、このように処理したサ
ンプルは通常においてIV値決定用のHIFP中に溶解
できる。
【0028】本発明のポリマーは一般にグリコリド・モ
ノマーの開環重合により作成することができ、特定のコ
ポリマーの場合において、モノマーはL(−)−ラクチ
ド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、p−ジオキ
サノン、トリメチレン・カーボネートおよびイプシロン
−カプロラクトンから成る群から選択される。これらの
別のモノマーは、押出成形に適する形成されたポリマー
樹脂が少なくとも80モル%のグリコリドを含有してい
れば、グリコリド・モノマーと任意の組み合わせで使用
できる。上記の重合化は適当な反応容器に上記の1種類
以上のモノマー、オクタン酸第一錫のような触媒、およ
びドデカノールのような開始剤を入れて、脱気して不活
性な雰囲気を形成し、十分な温度および時間で加熱する
ことにより行なうことができる。得られたポリマーを研
削またはペレット化して「乾燥処理」、すなわち、未反
応モノマーの除去に適した樹脂が形成できる。また、例
えば、重合化の開始段階においてアルファ、オメガ−ジ
ヒドロキシ化合物を添加する等により、別の配列を上記
ポリマーに組み込むことができる。なお、最終的な樹脂
は少なくとも85モル%のグリコリド配列を含有してい
る必要がある。
【0029】押出成形/延伸処理 本発明のモノフィラメント繊維は20℃乃至40℃の範
囲の水冷温度で1インチ横型押出装置により押出成形し
た(表1参照)。一般的な押出装置温度は225℃乃至
250℃であるが、樹脂に応じて、この温度は約200
℃乃至約265℃の範囲になる。押出装置のダイの直径
を次の段階においてフィラメントに対して行なう延伸処
理の量に従って変えた。なお、記載する各実験において
は、このダイの直径は200ミル乃至220ミルの範囲
である。この場合に、延伸比が高くなるほど、大きなダ
イの直径を選択して延伸した繊維の直径を一定に保つよ
うにした。一例として、最終的に延伸処理した繊維の直
径が35ミルの場合に、適当なダイの直径は最小で14
0ミル乃至最大で約255ミルとすることができる。
【0030】フィラメントはゴデット間の各段階におい
て当該ゴデット間に配置した各イン−ライン・オーブン
により延伸した。第1の組および第2の組のゴデット・
ロールの間の延伸比は4.5倍乃至5.0倍であり、オ
ーブン温度は50℃乃至75℃である。第3の段階は
1.01倍乃至1.2倍の付加的な延伸段階であり、オ
ーブン温度は50℃乃至75℃である。
【表1】
【0031】ゴデット間の各延伸比は、各ゴデット・ロ
ール上での繊維の滑りが全くないものとして、後方のゴ
デットの線形速度を前方のゴデットの線形速度で割るこ
とにより計算できる。すなわち、各ゴデット1,2およ
び3がそれぞれ15フィート/分,55フィート/分,
75フィート/分で動作している場合に、ゴデット1お
よび2の間の延伸比は55/15すなわち3.67倍で
あり、ゴデット2および3の間の延伸比は75/55す
なわち1.36倍である。従って、全体の延伸比は個々
の延伸比を掛け合わせることにより計算でき、例えば上
記の実施例においては、3.67×1.36=5.0倍
となる。なお、各ゴデット・ロール上で滑りが存在する
場合には、繊維速度により延伸比を計算することができ
る。さらに、円形断面を有する繊維の場合には、延伸比
は特定の延伸処理段階の前後における繊維直径の測定に
より計算でき、その初期的な直径の最終的な直径に対す
る比率の平方根が延伸比となる。一般に、円形または非
円形の断面を有する繊維の場合に、初期的な断面積の最
終的な断面積に対する比率が延伸比である。
【0032】アニール処理 押出成形処理したモノフィラメント繊維を延伸処理した
後に、この繊維をスプール上で貯蔵できる。その後、こ
の繊維を標準的なラック上に、例えば1ポンドのような
最小の張力で巻き取る。ラックは約36インチの長さの
ものが適している。フィラメントの張力はアニール処理
後に長さが約5%変化する程度に繊維をラックの周囲に
巻いている間に調節できる。次に、巻き取った繊維をオ
ーブンの中に入れて、オーブンを窒素で満たす。アニー
ル処理中に、オーブンを約1℃/分の速度で加熱できる
が、その他の加熱速度も使用可能である。あるいは、こ
のアニール処理工程は約165℃乃至185℃の最終温
度に到達する前に上昇する温度での各増加保持時間を含
むことができる。例えば、最終温度に加熱する前に75
℃で1時間の増加保持時間を設定できる。この加熱処理
工程の後に、材料を周囲温度まで冷却し、ラックを手動
で30インチのより糸に切断してから、最終寸法に切り
出す準備ができるまで真空チャンバーの中で貯蔵する。
【0033】繊維についての支柱強度の検査は以下の方
法で行なう。すなわち、検査設備を少なくとも100ポ
ンドの圧縮型ロード・セルを有するように設定する。ス
タイレット(stylet)および針に適合する内径を有する
ステンレス・スチール・チューブを用いて切断した繊維
(spacer)を圧縮する。このチューブを垂直に把持固定
して針が下方位置にあるスペーサーを押圧するようにす
る。この位置が設備において設定されると、ゲージの長
さを「ゼロ」にしてスタイレットおよび押圧器が過剰動
作しないようにする。その後、クロスヘッド速度を0.
5インチ/秒に設定する。さらに、最大負荷および最大
負荷における変位を記録する。
【0034】表2に記載する各繊維をオートクレーブ処
理の前に145℃でアニール処理した後に、上記の方法
でオートクレーブ処理後の支柱強度を評価した。この結
果、一部のサンプルはアニール処理後に許容できない支
柱強度を示し、許容できない程度に粗い表面を有してい
た。
【表2】
【0035】アニール処理したより糸を直線性、裂けま
たはブルーミングを生じることなく容易に切断できる能
力、およびオートクレーブ処理後の支柱強度等の性能に
ついてさらに評価した。これらの結果を表3に示す。表
3により、約155℃以下でアニール処理した繊維は一
定しない性能を示すことが分かる。例えば、145℃で
アニール処理したサンプル2aは直線性の条件を満たし
ていない、すなわち、曲がりを生じているために不良で
ある。さらに、表3における155℃でアニール処理し
たサンプルC,DおよびGもまた直線性の条件を満たし
ていないために不良である。
【表3】
【0036】この結果、本発明者は上記の高グリコリド
・ポリマーにより作成され、合計で4.1倍乃至5.9
倍の延伸比で延伸して、約165℃乃至約185℃の温
度でアニール処理したモノフィラメント繊維が近接照射
療法用シード供給装置において使用するための吸収性で
オートクレーブ処理可能な近接照射療法用シード・スペ
ーサーを信頼性高く製造するために使用できることを予
想外に見出した。
【0037】上記の繊維を利用することにより、近接照
射療法用シード・スペーサーを以下のように作成した。
【0038】切断処理 本発明の繊維は近接照射療法用シード・スペーサーとし
ての使用において必要とされる寸法条件を提供する任意
の方式で切断できる。この方式には機械的手段または熱
的手段が含まれる。例えば、イン−ライン式切断機構は
経済的に有利な切断方法を提供する。切断処理は繊維に
「マッシュルーム(mushroom)」、破砕、ブルーミン
グ、または剥がれが生じないように行なう必要がある。
手動切断が可能であり、「かみそり刃」または「ペーパ
ー・カッター」式の切断機構により行なうことができ
る。切断処理後は、繊維を「窒素ボックス」または真空
チャンバーのような無水環境内で貯蔵するのが好まし
い。簡単な切断機構は複雑な設備に要する資金を回避で
きる点で有利である。さらに、本発明の繊維は、「マッ
シュルーム形成」、破砕、ブルーミング、または剥がれ
を生じることなく簡単な手段により切断されて、近接照
射療法用シード・スペーサーとしての使用が可能になる
という点で付加的な利点を有している。
【0039】オートクレーブによる滅菌処理 異なる種類の市販のオートクレーブ滅菌処理装置が使用
できる。2種類の主な型式として、「予備真空(pre-va
cuum)」式および「重力変位(gravity-displacemen
t)」式が知られている。予備真空式の滅菌処理装置は
排気工程の開始時における1回以上の圧力および真空度
の変化に依存する。この方法により、チャンバー(およ
び滅菌処理する「装填物」または物品)からの空気の除
去が迅速になり、通常において比較的高い動作温度(例
えば、132℃乃至135℃、または250°F乃至2
54°F)のために包装された物品に対応する工程時間
が短縮できる。なお、予備真空式の滅菌処理装置におけ
る典型的な動作パラメータは132℃乃至135℃にお
いて3分乃至4分である。一方、重力変位式の滅菌処理
装置は投入される蒸気が残存する空気を滅菌処理装置の
チャンバーの底部またはその近くのポートまたはドレイ
ンを通して排出する装置である。この重力変位式の滅菌
処理装置の場合の典型的な動作パラメータは121℃乃
至123℃において15分乃至30分である。
【0040】サンプルを滅菌処理するために4種類の滅
菌処理サイクルを採用した。すなわち、(1)275°
F(135℃)で10分間の予備真空式処理、(2)2
75°F(135℃)で15分間の重力変位式処理、
(3)275°F(135℃)で25分間の重力変位式
処理、(4)254°F(123.3℃)で30分間の
重力変位式処理である。
【0041】実施例2 本発明による寸法安定性を有する吸収性のスペーサーを
製造する別の方法は以下の工程を含む。1インチ−2
4:1型押出成形装置のような典型的な横型押出成形装
置により、ポリマーのペレットを溶融してからダイを通
して押し出してモノフィラメントを形成する。その後、
このフィラメントを例えば加熱した水槽により冷却す
る。さらに具体的に言えば、上記の横型押出成形装置
は、例えば、3個の領域で、これら全ての領域が約20
0℃乃至約260℃、好ましくは約225℃乃至250
℃の温度にそれぞれ独立して設定されているような、多
数個の領域を備えている。ポリマー・ペレットがこれら
3個の領域を通過する時に、これらのペレットが溶融し
て、溶融したポリマーが約210℃乃至約265℃、好
ましくは230℃乃至255℃の温度に加熱されたフラ
ンジの中に圧入される。この加熱フランジを通過した後
に、溶融ポリマーはポンプの中に送り込まれ、当該ポン
プは約210℃乃至265℃、好ましくは約232℃乃
至255℃の温度に設定されている。最後に、溶融ポリ
マーは例えば0.22インチの所定の直径を有するダイ
の中に圧入される。その後、このポリマーは長い棒状に
なり、約2インチ乃至4インチの長さで空気中に吊り下
げられて約30℃乃至40℃の温度の水槽中で冷却され
ることによりこの押出成形処理が完了する。この押出成
形処理の直後に、または、その後に一定時間経過してか
ら、フィラメントを加熱したゴデット・ロール間におけ
る延伸、またはイン−ライン式オーブンにより構成可能
な(付加的な)加熱手段を備える(必要に応じて加熱し
た)ゴデット・ロール間における延伸により約5:1の
延伸比で延伸する。なお、繊維製造を熟知する者にとっ
て、特定の延伸比で繊維を延伸するために異なる手段が
使用できることは明らかである。特に、上記の押出成形
した棒材を水槽から引き出して約4メートル/分乃至6
メートル/分の速度で回転する第1のローラーにこの棒
材を巻き付けることにより延伸することができる。その
後、この押出成形した棒材を4メートル/分乃至6メー
トル/分の速度で回転する第2のロールに巻き付ける。
この第2のロールを通過した後に、押出成形した棒材を
約50℃乃至55℃の温度に設定した第1のオーブンの
中に通過させる。さらに、この第1のオーブンを通過し
た後に、押出成形した棒材を17メートル/分乃至21
メートル/分の速度で回転する第3のロールの周囲に通
過させる。この第3のロールを通過した後に、押出成形
した棒材を50℃乃至55℃の温度に設定した第2のオ
ーブンの中に通過させる。さらに、この第2のオーブン
を通過した後に、押出成形した棒材を24メートル/分
乃至31.5メートル/分の速度で回転する第4のロー
ルの周りに巻き付ける。さらに、切断処理および滅菌処
理の前に、この棒材を約165℃乃至185℃でアニー
ル処理する必要がある。
【0042】本発明による吸収性および寸法安定性を有
するオートクレーブ処理可能なシード・スペーサーは当
該スペーサーが吸収される時に吸収可能な特定種の薬剤
を含有するように変更できることが理解されると考え
る。このような薬剤の例として、抗炎症剤、抗癌剤、ま
たは特定の持続放出剤等が含まれる。さらに、本発明に
よるシード・スペーサーは当該スペーサーを超音波また
はX線に対して観察可能にするのに適したマーカー等の
材料を含有できる。
【0043】以上、本発明の好ましい実施形態を図示
し、説明したが、当該技術分野における熟練者であれ
ば、これらの実施形態が例示の目的のためのみに記載さ
れていることが明らかに理解できる。すなわち、当該技
術分野の熟練者であれば、これらの実施形態を参考にす
ることにより、本発明に逸脱することなく種々の変形、
変更、および置換を行なうことが可能になる。従って、
本発明の範囲および趣旨を特許請求の範囲およびその実
施態様においてのみ定めるものとする。
【0044】本発明の実施態様は以下の通りである。 (1)前記ポリマーがL(−)−ラクチド、D(+)−
ラクチド、メソ−ラクチド、p−ジオキサノン、トリメ
チレン・カーボネート、およびイプシロン−カプロラク
トンから成る群から選択される約20モル%までの重合
化モノマーにより構成されている請求項1に記載の方
法。 (2)前記ポリマーが約10モル%の重合化ラクチドお
よび約90モル%の重合化グリコリドにより構成されて
いる実施態様(1)に記載の方法。 (3)前記全体の延伸比が約4.5倍乃至約5.5倍で
ある請求項1に記載の方法。 (4)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約1
80℃の温度でアニール処理される請求項1に記載の方
法。 (5)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約1
80℃の温度でアニール処理される実施態様(3)に記
載の方法。
【0045】(6)前記ポリマーがL(−)−ラクチ
ド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、p−ジオキ
サノン、トリメチレン・カーボネート、およびイプシロ
ン−カプロラクトンから成る群から選択される約20モ
ル%までの重合化モノマーにより構成されている請求項
2に記載の繊維。 (7)前記ポリマーが約10モル%の重合化ラクチドお
よび約90モル%の重合化グリコリドにより構成されて
いる実施態様(6)に記載の繊維。 (8)前記全体の延伸比が約4.5倍乃至約5.5倍で
ある請求項2に記載の繊維。 (9)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約1
80℃の温度でアニール処理される請求項2に記載の繊
維。 (10)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約
180℃の温度でアニール処理される実施態様(8)に
記載の繊維。
【0046】(11)前記ポリマーがL(−)−ラクチ
ド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、p−ジオキ
サノン、トリメチレン・カーボネート、およびイプシロ
ン−カプロラクトンから成る群から選択される約20モ
ル%までの重合化モノマーにより構成されている請求項
3に記載のシード・スペーサー。 (12)前記ポリマーが約10モル%の重合化ラクチド
および約90モル%の重合化グリコリドにより構成され
ている実施態様(11)に記載のシード・スペーサー。 (13)前記全体の延伸比が約4.5倍乃至約5.5倍
である請求項3に記載のシード・スペーサー。 (14)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約
180℃の温度でアニール処理される請求項3に記載の
シード・スペーサー。 (15)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約
180℃の温度でアニール処理される実施態様(13)
に記載のシード・スペーサー。
【0047】(16)前記ポリマーがL(−)−ラクチ
ド、D(+)−ラクチド、メソ−ラクチド、p−ジオキ
サノン、トリメチレン・カーボネート、およびイプシロ
ン−カプロラクトンから成る群から選択される約20モ
ル%までの重合化モノマーにより構成されている請求項
4に記載の方法。 (17)前記ポリマーが約10モル%の重合化ラクチド
および約90モル%の重合化グリコリドにより構成され
ている実施態様(16)に記載の方法。 (18)前記全体の延伸比が約4.5倍乃至約5.5倍
である請求項4に記載の方法。 (19)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約
180℃の温度でアニール処理される請求項4に記載の
方法。 (20)前記モノフィラメント繊維が約170℃乃至約
180℃の温度でアニール処理される実施態様(18)
に記載の方法。
【0048】
【発明の効果】従って、本発明によれば、良好な機械的
特性ならびに形状および寸法安定性を有し、吸収性で、
オートクレーブ処理可能な医療用、特に近接照射療法用
シード・スペーサ用モノフィラメント繊維が提供でき
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ニコラス・ポパディック アメリカ合衆国、08876 ニュージャージ ー州、ヒルズボロー、ランドルフ・ウェイ 13 (72)発明者 デニス・ディー・ジャミオルコフスキ アメリカ合衆国、07853 ニュージャージ ー州、ロング・バレー、フォーンリッジ・ ドライブ 20 (72)発明者 ケネス・マイケル・ケイルマン アメリカ合衆国、08869 ニュージャージ ー州、ラリタン、コルビー・アベニュー 1021 (72)発明者 ササ・アンジェリク アメリカ合衆国、10021 ニューヨーク州、 ニュー・ヨーク、アパートメント・ナンバ ー2エイ、イースト・シックスティナイン ス・ストリート 423

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノフィラメント繊維の製造方法におい
    て、 100モル%乃至約80モル%の重合化グリコリドによ
    り構成されているポリマーを押出成形処理してモノフィ
    ラメント繊維を形成する工程と、 前記押出成形処理したモノフィラメント繊維を全体で
    4.1倍乃至5.9倍の延伸比で延伸処理する工程と、 前記延伸処理したモノフィラメント繊維を約165℃乃
    至約185℃の温度でアニール処理する工程とから成る
    方法。
  2. 【請求項2】 吸収性で、オートクレーブ処理可能なモ
    ノフィラメント繊維において、 100モル%乃至約80モル%の重合化グリコリドによ
    り構成されているポリマーを押出成形処理してモノフィ
    ラメント繊維を形成する工程と、 前記押出成形処理したモノフィラメント繊維を全体で
    4.1倍乃至5.9倍の延伸比で延伸処理する工程と、 前記延伸処理したモノフィラメント繊維を約165℃乃
    至約185℃の温度でアニール処理する工程とから成る
    方法により作成した繊維。
  3. 【請求項3】 吸収性で、オートクレーブ処理可能なモ
    ノフィラメント繊維により構成されている近接照射療法
    用シード・スペーサーにおいて、 100モル%乃至約80モル%の重合化グリコリドによ
    り構成されているポリマーを押出成形処理してモノフィ
    ラメント繊維を形成する工程と、 前記押出成形処理したモノフィラメント繊維を全体で
    4.1倍乃至5.9倍の延伸比で延伸処理する工程と、 前記延伸処理したモノフィラメント繊維を約165℃乃
    至約185℃の温度でアニール処理する工程とから成る
    方法により作成したシード・スペーサー。
  4. 【請求項4】 近接照射療法用シード・スペーサーの製
    造方法において、 100モル%乃至約80モル%の重合化グリコリドによ
    り構成されているポリマーを押出成形処理してモノフィ
    ラメント繊維を形成する工程と、 前記押出成形処理したモノフィラメント繊維を全体で
    4.1倍乃至5.9倍の延伸比で延伸処理する工程と、 前記延伸処理したモノフィラメント繊維を約165℃乃
    至約185℃の温度でアニール処理する工程と、 前記延伸処理した後にアニール処理したモノフィラメン
    ト繊維を近接照射療法用シード・スペーサーとして使用
    するのに有効な所定の寸法に切断する工程とから成る方
    法。
JP2000387750A 1999-12-21 2000-12-20 吸収可能でオートクレーブ処理可能な合成モノフィラメント繊維および近接照射療法用シード・スペーサー Pending JP2001336031A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/468,463 US6419866B1 (en) 1999-12-21 1999-12-21 Process of making synthetic absorbable autoclaveable monofilament fibers and brachytherapy seed spacers
US468463 1999-12-21

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001336031A true JP2001336031A (ja) 2001-12-07

Family

ID=23859925

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000387750A Pending JP2001336031A (ja) 1999-12-21 2000-12-20 吸収可能でオートクレーブ処理可能な合成モノフィラメント繊維および近接照射療法用シード・スペーサー

Country Status (5)

Country Link
US (2) US6419866B1 (ja)
EP (1) EP1113098B1 (ja)
JP (1) JP2001336031A (ja)
AT (1) ATE283386T1 (ja)
DE (1) DE60016153T2 (ja)

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6419866B1 (en) * 1999-12-21 2002-07-16 Ethicon, Inc. Process of making synthetic absorbable autoclaveable monofilament fibers and brachytherapy seed spacers
US6749553B2 (en) * 2000-05-18 2004-06-15 Theragenics Corporation Radiation delivery devices and methods for their manufacture
US6743505B2 (en) * 2001-07-27 2004-06-01 Ethicon, Inc. Bioabsorbable multifilament yarn and methods of manufacture
US20030191355A1 (en) * 2002-04-04 2003-10-09 Ferguson Patrick J. Hollow bioabsorbable elements for positioning material in living tissue
US7037252B2 (en) * 2003-05-05 2006-05-02 Draxis Specialty Pharmaceuticals, Inc. Brachytherapy seed transport devices and methods for using same
US7361135B2 (en) * 2004-08-24 2008-04-22 C R Bard, Inc Brachytherapy system for dispensing medication
US7588528B2 (en) * 2004-08-24 2009-09-15 C. R. Bard, Inc. Brachytherapy apparatus for dispensing medication
US8663210B2 (en) 2009-05-13 2014-03-04 Novian Health, Inc. Methods and apparatus for performing interstitial laser therapy and interstitial brachytherapy
WO2019089243A1 (en) 2017-11-02 2019-05-09 Isoray Medical, Inc. Device for loading brachytherapy seeds into implantation sleeves

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5982865A (ja) * 1982-10-01 1984-05-14 エチコン・インコ−ポレ−テツド グリコリドとε―カプロラクトンの共重合体から成る手術用製品
US4815449A (en) * 1984-11-21 1989-03-28 Horowitz Bruce S Delivery system for interstitial radiation therapy including substantially non-deflecting elongated member
JPH03262430A (ja) * 1990-03-13 1991-11-22 Gunze Ltd 漁網
JPH08208966A (ja) * 1994-10-11 1996-08-13 Ethicon Inc 吸収性ポリマーブレンドおよびそれを使用した装置、方法
JPH10179712A (ja) * 1996-09-20 1998-07-07 Ethicon Inc グリコリツドとε−カプロラクトンのコポリマーから縫合糸を製造する方法
JPH11181077A (ja) * 1997-09-04 1999-07-06 Mitsui Chem Inc ランダム−ブロック共重合体及びそのモノフィラメント

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3792010A (en) 1972-03-27 1974-02-12 Ethicon Inc Plasticized polyester sutures
US4671280A (en) * 1985-05-13 1987-06-09 Ethicon, Inc. Surgical fastening device and method for manufacture
US5294395A (en) * 1989-09-01 1994-03-15 Ethicon, Inc. Thermal treatment of theraplastic filaments for the preparation of surgical sutures
US5451461A (en) * 1989-09-01 1995-09-19 Ethicon, Inc. Thermal treatment of thermoplastic filaments for the preparation of surgical sutures
US5324307A (en) * 1990-07-06 1994-06-28 American Cyanamid Company Polymeric surgical staple
DE69728307T2 (de) * 1996-01-19 2005-02-17 United States Surgical Corp., Norwalk Absorbierbare polymer Mischungen und chirurgische Gegenstände daraus
US6221003B1 (en) * 1999-07-26 2001-04-24 Indigo Medical, Incorporated Brachytherapy cartridge including absorbable and autoclaveable spacer
US6613254B1 (en) * 1999-10-19 2003-09-02 Ethicon, Inc. Method for making extruded, oriented fiber
US6419866B1 (en) * 1999-12-21 2002-07-16 Ethicon, Inc. Process of making synthetic absorbable autoclaveable monofilament fibers and brachytherapy seed spacers

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5982865A (ja) * 1982-10-01 1984-05-14 エチコン・インコ−ポレ−テツド グリコリドとε―カプロラクトンの共重合体から成る手術用製品
US4815449A (en) * 1984-11-21 1989-03-28 Horowitz Bruce S Delivery system for interstitial radiation therapy including substantially non-deflecting elongated member
JPH03262430A (ja) * 1990-03-13 1991-11-22 Gunze Ltd 漁網
JPH08208966A (ja) * 1994-10-11 1996-08-13 Ethicon Inc 吸収性ポリマーブレンドおよびそれを使用した装置、方法
JPH10179712A (ja) * 1996-09-20 1998-07-07 Ethicon Inc グリコリツドとε−カプロラクトンのコポリマーから縫合糸を製造する方法
JPH11181077A (ja) * 1997-09-04 1999-07-06 Mitsui Chem Inc ランダム−ブロック共重合体及びそのモノフィラメント

Also Published As

Publication number Publication date
EP1113098A2 (en) 2001-07-04
US20020180096A1 (en) 2002-12-05
ATE283386T1 (de) 2004-12-15
US6419866B1 (en) 2002-07-16
EP1113098B1 (en) 2004-11-24
DE60016153T2 (de) 2005-12-01
EP1113098A3 (en) 2001-10-31
DE60016153D1 (de) 2004-12-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2788223B2 (ja) 外科用縫合糸
JP2788219B2 (ja) p−ジオキサノンとグリコリドの結晶性共重合体のフイラメント
EP0072211B1 (en) Radiation sterilizable absorbable polymeric materials and methods for manufacturing the same
US8084125B2 (en) Non-curling polyhydroxyalkanoate sutures
JP3740521B2 (ja) トリブロック三元共重合体、外科用縫合糸材料へのその使用およびその製法
Fu et al. Structure and property studies of bioabsorbable poly (glycolide-co-lactide) fiber during processing and in vitro degradation
US10406004B2 (en) Radiation and radiochemically sterilized fiber-reinforced, composite urinogenital stents
JP2001336031A (ja) 吸収可能でオートクレーブ処理可能な合成モノフィラメント繊維および近接照射療法用シード・スペーサー
US5797962A (en) Surgical suture and method for preparation thereof
JP3253222B2 (ja) p−ジオキサノンの共重合体
US4435590A (en) Radiation sterilizable absorbable polymeric materials and methods for manufacturing the same
EP3062831B1 (en) Absorbable poly (p-dioxanone-co-glycolide) monofilament fibers possessing mid-term strength retention post-implantation
JPH11181077A (ja) ランダム−ブロック共重合体及びそのモノフィラメント
CN112469550A (zh) 用于具有增强的植入后强度保持性的高强度缝合线的易吸收共聚物组合物

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071121

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071217

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101102

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110426