JP2001334614A - 複合膜材 - Google Patents

複合膜材

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JP2001334614A
JP2001334614A JP2001066409A JP2001066409A JP2001334614A JP 2001334614 A JP2001334614 A JP 2001334614A JP 2001066409 A JP2001066409 A JP 2001066409A JP 2001066409 A JP2001066409 A JP 2001066409A JP 2001334614 A JP2001334614 A JP 2001334614A
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Yoshitoyo Hongo
欣豊 本郷
Yasuhiko Tsunoda
恭彦 角田
Jiyunkan Takiguchi
順寛 瀧口
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IST Corp Japan
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材の表面にフッ素樹脂層を有し、前記フッ素
樹脂層の表面粗さ(Rz)が100μm以下でかつ25℃に
おける熱伝導率が0.5Kcal/m・hr・℃以下とすることに
より、氷結、凍結、氷着などを防止できる複合膜材を提
供する。 【解決手段】あらかじめガラス繊維の表面にフッ素樹脂
をコーティングし、その後製織加工し、次いでフッ素樹
脂の熱接着加工および断熱材の接着加工して複合膜材を
得る。フッ素樹脂フィルム43とガラスクロス30は熱
ラミネーター31,32において積層一体化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は基材の表面にフッ素
樹脂層を有する複合膜材に関する。さらに詳しくは氷着
凍結防止用もしくは滑雪促進用の屋根材料、または冷凍
倉庫の内装材料、瞬間冷凍における容器等に使用する複
合膜材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、冷凍食品の普及と共に食品加工品
または生鮮食品の冷凍保存技術の発展は目覚ましい。し
かしながら、生鮮食品、特に魚などの瞬間冷凍において
は、冷凍前の食品を金属や、プラスチックの容器に入れ
瞬間冷凍を行うが、容器と魚などの食品が冷凍によりく
っつき容器から取り出す時に凍結面で魚の表皮が剥がれ
傷がつき製品の品質を低下させることが問題になってい
る。また生鮮食品の冷凍に限らずシュークリームなど加
工食品の冷凍時の取扱いにおいても同じような問題を有
している。同時に冷凍庫の出入口は扉の開閉により霜が
付きやすく、それが氷になり冷凍効果を低下させるだけ
でなく、作業の安全性にも支障をきたしている。また氷
着、凍結などと同じような問題として降雪の多い地方に
おける屋根上の積雪は家屋の損傷、積雪の落下による事
故、これらの事故を防止するための雪下ろし作業など、
温暖な地方では考えられない多くの問題を現在も持ち続
けている。このような問題点に対し、フッ素系塗料の塗
布、または離型性フイルムの接着、凍結防止オイル塗
布、電熱フイルムヒーターの貼り付けなどさまざまな方
法が考えられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、いずれ
の方法もこれらの問題を解決するに至っていない。すな
わち、冷凍庫内で使う食品収納容器においても金属製容
器にフッ素樹脂をコートしたものやポリエチレン(P
E)やポリプロピレン(PP)など耐寒性があり離型性
の優れたプラスチック容器などさまざまなものが考えら
れ実施されているが、瞬間冷凍工程で容器と生鮮食品が
密着したまま冷凍されるため、食品を冷凍のまま取り出
すことが難しく、食品が損傷し商品価値が低下する問題
を持ち続けている。同時に降雪地帯における雪害対策に
おいても、屋根材料の改良もしくは屋根材の上にフッ素
系塗料の塗布または離型性フィルムなどを接着する方法
が考えられているが、積雪が進むと屋根材料と塗料面ま
たはフィルム面の間に温度の差ができなく、屋根材の温
度及び外気温で積雪の状態が保持され、効果が現れてい
ない。またフイルム状の薄膜ヒーターを設置した場合、
積雪や氷結は防止できるが維持費が高く経済的な問題を
持っている。
【0004】本発明は従来の問題を解決するために、表
面がフッ素樹脂層を有する複合膜材であって、冷凍倉庫
の内装材料、瞬間冷凍における食品などの凍結損傷を防
止でき、また建築物上の積雪、氷結、凍結などを防止す
るために優れた特性を有する複合膜材を供給することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の複合膜材は、基材の表面にフッ素樹脂層を有
し、前記フッ素樹脂層の表面粗さ(Rz)が100μm
以下でかつ25℃における熱伝導率が0.5Kcal/m・hr・
℃以下であることを特徴とする。これにより、氷結、凍
結、氷着などを防止するために優れた特性を発揮でき
る。本発明の複合膜材において、フッソ樹脂層は離型
性、耐候性、食品衛生上の安全性また耐寒性を有してお
り好ましい。またフッ素樹脂層の表面粗さがRz100
μm以下であれば滑雪効果があり、またフッ素樹脂表面
の汚染も少なく好ましい。表面粗さが粗くなると凹部分
の汚染が進み滑雪性が低下し、氷結しやすくなお且つ耐
久性も低下する。より好ましい表面粗さRzは50μm
以下である。また、25℃における熱伝導率が0.5Kcal
/m・hr・℃以下であると、冷凍室の容器などの冷凍温
度とフッ素樹脂表面層温度との間に温度差が生じやすく
好ましい。すなわちフッ素樹脂の離型性のみでは氷結防
止や滑雪効果は得られにくく0.5Kcal/m・hr・℃以下の
断熱効果を付与することにより、本発明の目的を達成で
きる。また本発明はフッ素樹脂層、ガラスクロス層、及
び断熱材層よりなり、ガラスクロスは断熱性及び機械特
性を有し本複合膜材のバインダー的な役割を持つ。また
断熱材層を兼ね備えることにより、本来凍結または氷着
する面と本複合膜材の最外面であるフッ素樹脂の表面と
の間に温度差を生じさせやすく、好ましい。
【0006】三層構造の各層の厚みがフッ素樹脂層<ガ
ラスクロス層<断熱材層の順であり断熱材層の外面に接
着層が存在すると、断熱の効果と共に取り扱い性や作業
性が良く好ましい。すなわち、フッ素樹脂層とガラスク
ロス層の2層構造では、フッ素樹脂フィルムを熱ラミネ
ートした場合、フィルム面にカールが生じ取り扱いにく
くなる。
【0007】また、フッ素樹脂がポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフ
ルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重
合体(FEP)、ポリクロロトリフロロエチレン(PC
TFE)から選ばれる少なくとも一の材料であると、耐
候性、離型性、食品衛生などの面からも好ましい。
【0008】ガラスクロスがガラスバルキー繊維を含む
と、断熱性の効果と共にフッ素樹脂層とガラスクロス面
及び断熱材層とガラスクロス面の接着力を向上させるた
めに好ましい。
【0009】断熱材が発泡体であると、柔軟性があり異
型物に接着する時に形状成形が容易であり、また用途に
応じて断熱性と機械的特性のバランスを取ることがで好
ましい。
【0010】発泡体の発泡倍率が2〜30倍の範囲であ
ると断熱効果と共に、機械的強度が保持できて好まし
い。
【0011】フッ素樹脂及びガラス繊維が吸熱色に着色
されていると滑雪効果が改良され好ましい。
【0012】ガラスクロスの片面にフッ素樹脂フィルム
を熱接着させその後断熱材を接着することが断熱材とガ
ラスクロスの接着力を改善するに好ましい。
【0013】また本発明の複合膜材は、ガラス繊維の表
面にフッ素樹脂がコーティングされ、製織され、フッ素
樹脂と熱接着され、さらに断熱材が接着されて、全体が
一体化していることを特徴とする。これにより、フッ素
樹脂フィルムとガラスクロス及び断熱材との接着力を改
善できる。
【0014】次に本発明の複合膜材は、前記いずれかに
記載の複合膜材を氷着凍結防止用材料、滑雪促進用の屋
根材料、冷凍倉庫の内装材料、冷凍用容器又は冷凍用包
装材料に使用することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の複合膜材の好ましい例
は、フッ素樹脂層、ガラスクロス層、またはフッ素樹脂
層、ガラスクロス層、断熱材層の三層構造からなり、瞬
間冷凍庫の内装に本発明の複合膜材を設置することによ
り氷着を防止でき、また食品保存用容器に複合膜材を貼
り付け食品を冷凍すると、冷凍のまま食品を容器から取
り出しても生鮮食品を損傷することがない。また降雪地
域の建築物の屋根などに接着することにより滑雪が促進
され、前記の降雪作業あるいは家屋の損傷、積雪の落下
による事故などを防止できる。
【0016】次に本発明の複合膜材及びその製造方法の
代表的な実施の形態について説明する。本複合膜材はA
工程でガラスクロスの製造、B工程はフッ素樹脂フィル
ムの熱ラミネート、C工程は断熱材の接着工程に分ける
ことができる。
【0017】まずA工程では市販のガラスクロスを直接
使用することもできる。しかしながらB工程でフッ素樹
脂フィルムをラミネートする工程でフッ素樹脂とガラス
クロスの密着力を上げるためには、あらかじめフッ素樹
脂を含浸焼成させたガラス繊維を製織したフッ素樹脂含
浸繊維によるクロスを用いることが望ましい。ガラス繊
維にフッ素樹脂を含浸及び焼成する方法の一例として、
図1の製造プロセスを示す。図1において、ガラス繊維
の嵩高加工糸Gは糸巻きパッケージ1から解舒されて、
ガイドロール2,3,4,5を通過し、フッ素樹脂を含
む分散液7に中に存在するガイドロール8に導かれて浸
漬される。フッ素樹脂を含む分散液7は槽6に貯蔵さ
れ、嵩高加工糸Gに付着して減る分は、供給槽9aから
供給ライン9bを通じて供給される。フッ素樹脂を含む
分散液7に浸漬されたガラス繊維の嵩高加工糸Gは、上
方のガイドロール15に向かって引き上げられる。そし
てフッ素樹脂液が付着しているガラスヤーンの表面をド
クターロール28に沿わせ、余分に付着したフッ素樹脂
を絞り除去する。次いで、バキュームゾーン10で吸引
力によりフッ素樹脂分散液の余剰付着分は風圧力により
除去される。バキュームゾーン10はバキュームポンプ
11a,バキュームライン11bに接続されている。ま
たバキュームゾーン10は、金網、細孔の開いたメッシ
ュプレート、スリット孔の開いたパイプなどで形成さ
れ、外部または内部をガラス繊維の嵩高加工糸Gが通過
するようになっている。これにより、フッ素樹脂の付着
率は5〜70重量%の範囲に制御される。前記におい
て、ドクターロール28を用いて絞ることにより、フッ
素樹脂余剰付着分を取り除き、これを含浸槽に返すこと
ができるので、製造コストを安価にできる。また絞った
後にバキュームゾーン10で吸引力を用いてさらに前記
分散液の余剰付着分を除去するが、このとき風圧力を用
いているので、フッ素樹脂付着長繊維の嵩高性(バルキ
ー性)を高く保持できる。すなわち、最初の絞り工程で
見掛上嵩高性が落ちても、風圧力処理工程で嵩高性は回
復する。
【0018】次いでガラス繊維嵩高加工糸Gは、乾燥ゾ
ーンAの糸通過孔14で乾燥される。乾燥ゾーンAは例
えば熱板12の中にヒーター13が埋め込まれており、
温度コントローラーT125によって温度100〜30
0℃の範囲、で調節できる。次いで乾燥されたガラス繊
維嵩高加工糸Gは、焼成ゾーンBで焼成される。焼成ゾ
ーンBは、温度コントローラーT327によって温度7
00℃の範囲まで調節できる。なお、乾燥ゾーンAと焼
成ゾーンBの境界部には温度コントローラーT 226を
設けてたとえば温度280〜450℃の範囲にコントロ
ールする。乾燥から焼成までの各ゾーンにおける設定温
度は各ゾーンを通過するガラス繊維の通過速度あるいは
供給するガラス繊維の本数、付着量などによって最適の
条件を設定することができる。糸通過孔14からはガス
が発生するので、排気ファン24により排気する。
【0019】以上のようにしてフッ素樹脂が焼成被覆さ
れたガラス繊維嵩高加工糸Gは、ガイドロール15,1
6,17,18,19とテンションロール20を通過
し、引き取りローラー21,22とテークアップローラ
ー23によって巻き取られる。図1においては、わかり
やすく説明するために1本のガラス繊維嵩高加工糸Gを
用いた加工例を示したが、実用的には複数本、たとえば
30〜150本程度を並列させて処理するのが好まし
い。
【0020】耐熱性長繊維例えばガラス繊維の嵩高加工
糸は、公知の方法にしたがってガラスフィラメントヤー
ンをエアージェットによる高速乱気流中に入れ、各繊維
にクリンプを形成することにより得られる。嵩高性は、
定長間に付与するクリンプの数を変化させることにより
コントロールすることができる。
【0021】またガラス繊維を着色するためにはフッ素
樹脂水性懸濁液の中にカーボンあるいは染料、顔料をあ
らかじめ配合し、ガラス繊維に含浸することにより着色
ガラス繊維を得ることができる。
【0022】またガラス繊維は長繊維、撚糸繊維など用
途状況に応じて選定することができる。本発明の複合膜
材のガラスクロスとしては、嵩高性を持ったバルキー繊
維を用いるのが、断熱効果及びフッ素樹脂及び断熱材と
の接着性を上げるに効果があるため好ましい。また製織
における織構造においても特に限定するものではない
が、熱ラミネート後のフッ素樹脂層の表面粗さを一定以
内におさめるためには製織後の表面が平滑な構成が良
い。織物の厚みも100μm〜3mm程度のものまで使
用ができる。また冷凍庫もしくは建築物の屋上などは水
滴、雨水などの影響もあり密着力の低下または耐候性の
低下なども考えられるためシリコーンなどの防水剤をガ
ラス繊維塗布することも好ましい。
【0023】B工程はA工程のガラスクロスの片面にフ
ッ素樹脂フィルムを熱ラミネートする工程である。フッ
素樹脂フィルムはPTFE切削フィルム、PFA、FE
P、PCTFEなどの押出し成形フィルムを使うことが
できる。フイルムの厚みも特に限定するものではなく通
常10〜500μmの厚みのものを使用できる。好まし
くは30〜150μmであり、フイルムが薄すぎるとラ
ミネート時にガラスクロスの織り目の中にフィルムが流
れ込み穴明き現象になったり、ラミネート後のフッ素樹
脂層の表面粗さが大きくなる。またフイルムが厚すぎる
とガラスクロスと熱ラミネート品が極端にカールした
り、また製品コストが上昇する。また各フィルムにはあ
らかじめ顔料や染料を配合することにより希望する色彩
を得ることができる。
【0024】C工程は片面にフッ素樹脂フィルムを熱ラ
ミネートしたガラスクロスの他方面に断熱材を接着する
工程である。断熱材の材質あるいは構造についても特に
限定するものではなくポリプロピレン、ウレタン、塩化
ビニール、ポリエチレン、各種ゴム、フッ素樹脂、けい
素樹脂などが使用でき、その形状も発泡体、ハニカム構
造、中空状成形体など屋外、屋内あるいは水分の影響を
考慮し用途に応じて選定できる。断熱材の形状では発泡
体が一般的で使いやすく発泡倍率は2〜30倍が適正で
ある。発泡倍率が高すぎると機械的な面や接着力または
吸水率も上がり耐久性が悪くなる。また発泡倍率が低す
ぎると断熱効果が減少し目的を達し得なくなる。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明する。以下の実施例において、熱伝導率の測定は京都
電子工業(株)のQTM−D3で測定した。
【0026】(実施例1)ガラス繊維はユニチカユウエ
ムグラス(株)のバルキー繊維TDE200を用い、フッ
素樹脂被覆ガラス繊維の製造プロセスは図1に示す工程
を用いた。まず、旭硝子(株)製PTFE懸濁液AD−
1の中に大日精化(株)製のカーボンディスパージョン
EP510BTRをそれぞれの固形分濃度比率で10w
t%配合した。PTFE樹脂懸濁液の液比重1.081g/cc
になるように調整し、このPTFE懸濁液に前記ガラス
バルキー繊維を連続的に浸漬し、次いで乾燥ゾーンに入
る前にPTFE樹脂が付着しているガラス繊維の表面を
ドクターロールに沿わせ、余分に付着しているPTFE
樹脂を除去し付着量を調整した。次いで、乾燥ゾーン30
0℃(滞留時間約6S)、焼成ゾーン450℃(滞留時間約9S)で
フッ素樹脂を焼成処理した。これらの一連の処理は10m/
分で連続的に行い、焼成後のPTFE樹脂の付着量は16.8重
量%であった。このPTFE樹脂被覆繊維を用い、経糸
として30本/インチ、緯糸32本/インチの織り組織
で厚みが0.8mm、幅1300mmの平織で黒色の織物を作
製した。
【0027】次いでB工程として図2に示す熱ラミネー
ターを用い前記ガラスクロスとPFAフィルムのラミネ
ート加工を行った。図2において、フッ素樹脂フィルム
43は供給ロール41から巻き出されガイドロール42
を通過してニップロール31,32からなる熱ラミネー
ターに送られる。一方、ガラスクロス30は供給ロール
34から巻き出されガイドロール35を通過してニップ
ロール31,32からなる熱ラミネーターに送られる。
熱ラミネーターにおいてフッ素樹脂フィルム43とガラ
スクロス30は積層一体化され、積層複合膜33はガイ
ドロール36を通過して巻き取りロール37に巻き取ら
れる。前記において、フッ素樹脂のPFAフィルムの厚
みは75μmであり、ヒーターロールの温度450℃で
0.5m/分の速度で加工し、片面にPFAフィルムを
熱ラミネートした厚み0.81mmで2層構造の複合膜
を得た。この2層構造の熱伝導率は0.102Kcal/m・hr・
℃であった。またフッ素樹脂層の表面粗さRzは35μm
であった。
【0028】この2層構造複合膜のガラスクロス面にシ
リコーン系接着剤をドクターブレードで塗布しアルミニ
ュウム製の容器(深さ200mm×幅700mm×奥行4
00mm厚み1.8mm)の内面に貼り付け、この中に鮮
魚を入れ、マイナス40℃の急速冷凍庫に挿入し冷凍処
理した。その後、冷凍品を取り出し別の容器に移し替え
たところ簡単に移動でき魚の損傷もなかった。
【0029】(実施例2)実施例1と同等のPFA樹脂と
ガラスクロスの2層構造複合膜のガラスクロス面に、C
工程としてシリコーン系接着剤をドクターブレードで塗
布し、発泡倍率1.62倍、厚み6mmのHDPE発泡
体を接着し、目的とする三層構造の複合膜材を製作し
た。この複合膜材の熱伝導率は0.078Kcal/m・hr
・℃であった。さらにこの発泡体の裏面にシリコーン系
両面接着テープを貼り付け、アルミニュウム製容器の内
面に貼りつけ、実施例1と同じ実験を行ったところ、実
施例1と同等の結果がえられた。また、幅900×18
00mmの鉄板に上記複合膜材を幅500mm、長さ90
0mm、両端部は鉄板の内側に100mm部分折り曲げ
貼り付け、鉄板を40°の傾斜を付け屋外に放置し、鉄
板のみの部分と複合膜上の積雪状況を観察したところ鉄
板のみの部分には152mmの積雪があったが複合膜材
上にはほとんど積雪はなかった。
【0030】(実施例3)実施例1と同等のガラスクロス
を用い100μmのPTFE切削フィルムを熱ラミネートした
2層構造複合膜を製作した。このガラスクロス面に、シ
リコーン系接着剤をドクターブレードで塗布し厚み4m
mのPP製中空成形体(図3)を接着し、目的とする三層
構造の複合膜材を製作した。この複合膜材の熱伝導率は
0.21Kcal/m・hr・℃であった。この複合材料をマ
イナス40℃の冷凍庫の出入口の内側天井にビス止め貼
りつけを行ったところ、通常は冷凍庫から製品の搬入出
により霜が氷になり、氷が成長し除去作業が必要である
が、複合膜材を貼った個所は氷着も少なく、氷の除去作
業も不要であった。同時にPPの中空成形体は平版として
腰があるため取扱い作業もしやすく、また簡単に取りつ
けることができた。
【0031】(比較例1)実施例1容器の内面をブラス
ト処理及びプライマー処理しPTFE(AD−1)をスプ
レーコートし焼成処理を行いフッ素樹脂コティング容器
を得た。この容器の熱伝導率は108Kcal/m・hr・℃
であった。この容器により実施例1と同様の冷凍実験を
行ったところ容器と魚のくっつきが激しく容器から直接
魚を取り出すことができなかった。
【0032】(比較例2)市販の生ガラスクロス厚み0.
28mm(ユニチカユーエムグラス(株)製H335)を用い、
B工程で厚さ75μmのFEPフィルムを熱ラミネートし
二層構造の複合膜材を製作した。この複合膜材の熱伝導
率は0.24Kcal/m・hr・℃であった。この複合膜材
を使い実施例1と同様の実験を行ったところ、冷凍品の
移し替えは問題なく処理できた。一方、耐久性の面でガ
ラスクロスに水分が浸透し、FEPフイルムあるいはアル
ミニュウム容器との密着力も低下し長期使用できなかっ
た。
【0033】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の複合膜材
は、基材の表面にフッ素樹脂層を有し、前記フッ素樹脂
層の表面粗さ(Rz)が100μm以下でかつ25℃に
おける熱伝導率が0.5Kcal/m・hr・℃以下であることに
より、氷結、凍結、氷着などを有効に防止できる。また
本発明の複合膜材は、氷結、凍結などを防止または滑雪
などに効果があることから、冷凍作業、冷凍容器、冷凍
倉庫の内装、降雪地帯建築物屋根材への取付け、及び除
雪機関車、自動車、トラック、船舶など凍結、氷結を伴
なう部分に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のフッ素樹脂被覆ガラス繊維
の製造プロセスを示す工程図。
【図2】本発明の一実施例の熱ラミネーターによるフッ
素樹脂フィルムとガラスクロスとを積層一体化して複合
膜材を形成する製造プロセスを示す工程図。
【図3】本発明の一実施例の三層構造の複合膜材に用い
る中空成形体を示す部分切り欠き図。
【符号の説明】
1 糸巻きパッケージ 2,3,4,5,8,15,16,17,18,19,
ガイドロール 6 フッ素樹脂を含む分散液槽 7 フッ素樹脂を含む分散液 9a フッ素樹脂を含む分散液の供給槽 9b フッ素樹脂を含む分散液の供給ライン 10 バキュームゾーン 11a バキュームポンプ 11b バキュームライン 12 熱板 13 ヒーター 14 糸通過孔 20 テンションロール 21,22 引き取りローラー 23 テークアップローラー 24 排気ファン 25,26,27 温度コントローラー 28 ドクターロール 30 ガラスクロス 31,32 ニップロールからなる熱ラミネーター 33 積層複合膜 34 ガラスクロスの供給ロール 35,36,42,43 ガイドロール 37 巻き取りロール 41 フッ素樹脂フィルムの供給ロール

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面にフッ素樹脂層が形成され、前
    記フッ素樹脂層の表面粗さ(Rz)が100μm以下で
    かつ25℃における熱伝導率が0.5Kcal/m・hr・℃以下
    であることを特徴とする複合膜材。
  2. 【請求項2】基材がガラスクロス層及び断熱材層よりな
    る請求項1に記載の複合膜材。
  3. 【請求項3】ガラスクロスがガラスバルキー繊維を含む
    請求項2に記載の複合膜材。
  4. 【請求項4】フッ素樹脂がポリテトラフルオロエチレン
    (PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
    アルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフ
    ルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
    (FEP)、ポリクロロトリフロロエチレン(PCTF
    E)から選ばれる少なくとも一つである請求項1に記載
    の複合膜材。
  5. 【請求項5】各層の厚みがフッ素樹脂層<ガラスクロス
    層<断熱層の順であり、断熱層の外面に接着層が存在す
    る請求項2に記載の複合膜材。
  6. 【請求項6】断熱材が発泡体である請求項2または5に
    記載の複合膜材。
  7. 【請求項7】発泡倍率が2〜30倍の範囲の発泡体であ
    る請求項6に記載の複合膜材。
  8. 【請求項8】フッ素樹脂及びガラス繊維が吸熱色に着色
    されている請求項2に記載の複合膜材。
  9. 【請求項9】ガラス繊維の表面にフッ素樹脂がコーティ
    ングされ、製織され、フッ素樹脂と熱接着され、さらに
    断熱材が接着されて、全体が一体化していることを特徴
    とする複合膜材。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の複合膜
    材が氷着凍結防止用材料、滑雪促進用の屋根材料、冷凍
    倉庫の内装材料、冷凍用容器又は冷凍用包装材料である
    ことを特徴とする複合膜材。
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KR20040038653A (ko) * 2002-10-31 2004-05-08 후지고분시고오교오가부시끼가이샤 열 압착용 이형 시트 및 그 제조 방법
CN111278649A (zh) * 2017-10-24 2020-06-12 大金工业株式会社 层积体

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