JP2001334261A - 着色水処理用フィルタおよび着色水処理装置 - Google Patents

着色水処理用フィルタおよび着色水処理装置

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JP2001334261A
JP2001334261A JP2000158052A JP2000158052A JP2001334261A JP 2001334261 A JP2001334261 A JP 2001334261A JP 2000158052 A JP2000158052 A JP 2000158052A JP 2000158052 A JP2000158052 A JP 2000158052A JP 2001334261 A JP2001334261 A JP 2001334261A
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filter
cellulose
water
dye
wastewater
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Mitsuo Kimura
光雄 木村
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Suzuki Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Sangyo Co Ltd
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  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Water Treatment By Sorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 染色工場等から排出される排水量を減少させ
るとともに、着色排水の脱色を効率的に行うことを課題
とする。 【解決手段】 抗菌成分を含有する植物加工残滓および
セルロース系産業廃棄残滓を架橋して構成されたセルロ
ース系高分子吸着材を、フィルタシートで被装し、フィ
ルタカートリッジ4を構成するとともに、該フィルタカ
ートリッジ4を、処理を行う水の流下方向に複数個重ね
た装置3を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色・捺染工場、
染料製造工場等から出る染料を含有する廃水中の染料、
その他の汚濁物質を分離させて廃水中の着色成分を除去
する処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】染色・捺染工場、染料製造工場等の染料
を扱う工場から出る廃水は染料が混入しているため着色
していることが多い。このような廃水は、河川、海など
に放流する前に、廃水中に含まれる汚濁物質を除去する
処理が施される。ところが、廃水中の染料等着色成分は
完全に除去することが難しく、また、人間の視覚は着色
に対して非常に敏感であるので極く微量しか含まれてい
ない場合でも所謂視覚公害として人々に不快な印象を与
える。そのために、工場廃水の放流水質に、着色度の項
目を加え規制しようとする動きがでてきている。
【0003】従来、廃水中の着色成分の処理法として、
無機あるいは有機凝集剤による凝集処理法と酸化・還元
などの化学的手段による処理法が一般的に用いられてい
る。
【0004】凝集処理法は、アルミニウム、鉄等の金属
の塩化物、硫酸塩等を廃水中に加え、これに消石灰、ソ
ーダ灰、その他のアルカリ剤を加えて、アルミニウム、
鉄の水酸化物を形成させる方法である。廃水中の着色成
分はこの水酸化物と一緒に凝集分離される。この凝集分
離を促進させるために、ポリアクリルアミドやポリアク
リル酸などの水溶性高分子凝集剤を併用することも知ら
れている。
【0005】また、特公昭52−34854号公報に
は、染色廃水にポリアミンを添加することにより、廃水
中に溶解若しくは分散している染料を、不溶化、凝集さ
せ、これらを水と分離する処理法が記載されている。こ
のポリアミンはベンジルジアリルアミン誘導体の重合体
あるいはベンジルジアリルアミン誘導体とジアリルアミ
ン誘導体との共重合体であり、各種のものが開示されて
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た凝集処理法では、反応性染料、酸性染料、直接染料な
どの親水性の大きいアニオン系染料を処理する場合に
は、脱色効果が不十分であった。脱色効果を高めるため
に多量の凝集剤を加えると、無機凝集剤の場合では、ス
ラッジ量が多くなる。そのため処理施設として大型のも
のが必要となり、経済的負担が問題となっていた。有機
凝集剤の場合では、それだけでは完全な脱色は達成され
ず、また、多量に加え過ぎると逆に凝集が悪化するとい
った問題があった。
【0007】一方、化学的手段による処理法では、染色
工程で染料以外に均染剤、緩染剤、界面活性剤などの染
色助剤や繊維加工剤が廃水中に混入してくる。そのた
め、染料だけを選択的に反応させることが難しく、脱色
効率が非常に悪いという問題があった。例えば、オゾン
を利用した脱色処理が昨今注目されており、この方法で
染料だけの水溶液を処理すると極めて容易に脱色される
ことが認められる。しかし、実際の染色工場廃水で行っ
てみると、廃水中に酸化されやすい化学物質が混在して
いるため、多量のオゾンが必要となり、経済的に不利と
なるという問題があった。
【0008】また一方で、フィルタの構成成分として多
用されるセルロースは、生分解性を有するため、使用
後、放置したままであっても分解される利点を有する反
面、使用中、短期間で生分解されるという問題点も有す
る。このため、セルロースを架橋処理したり、誘導体化
することによって分解時間を延ばすことが行われてい
る。
【0009】しかし、この方法により得られた担体は、
完全に生分解が抑止されるわけではない。そのため、排
水処理用の微生物固定化用等、担体の強度が要求される
用途においては、生分解が進行するに伴って強度低下が
生じることとなる。その結果、完全に生分解される前に
担体の形状を維持することができなくなり、担体として
の使用ができなくなる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、染料を含
有する着色排水から、主として着色成分を除去する処理
方法について鋭意研究を重ねた結果セルロース系高分子
吸着材による着色排水の方法を見出し、この知見に基づ
き本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、セルロース系産業廃棄物のみを
原料として、その数種の材料を組み合わせて架橋反応さ
せ、吸着材とするものである。そして、請求項1に記載
のごとく、抗菌成分を含有する植物加工残滓およびセル
ロース系産業廃棄残滓を架橋して構成されたセルロース
系高分子吸着材を、フィルタシートで被装して、着色水
処理用フィルタを構成するものである。
【0012】さらに、請求項2に記載のごとく、抗菌成
分を含有する植物加工残滓およびセルロース系産業廃棄
残滓を架橋して構成されたセルロース系高分子吸着材を
フィルタシートで被装した着色水処理用フィルタを、処
理を行う水の流下方向に複数個重ね、該着色水処理用フ
ィルタに染料を吸着・貯留させる着色水処理装置を構成
するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態について
説明する。本発明は、産業廃棄物を利用し、セルロース
系の高分子吸着材を構成し、該高分子吸着材を利用し
て、余剰染料排水を処理するものである。セルロース系
産業廃棄物としては、主に、製紙過程において発生する
製紙残滓、大豆加工の加工過程や大豆油の製造過程にお
いて発生する大豆加工残滓、製糸過程や織布過程におい
て発生する糸屑等を用いることが可能である。
【0014】セルロース系の高分子として、主に産業廃
棄物として生成されるものを用いるのは、これらの繊維
が加工処理によって細断され、フィブリル化(毛羽立
ち)した状態にあるためである。単繊維が細断されたも
のや、毛羽立った繊維は製品としての価値が低く、従来
は産業廃棄物として焼却もしくは廃棄されるものである
が、染料を水溶液中で迅速に吸着させるためには、この
ような繊維の状態は好ましいものである。繊維の細断や
フィブリル化は繊維の非晶領域を増加させるため染料分
子の吸着する表面積が増大するからであるが、同時に、
架橋剤との反応が容易となり大きな網目構造を形成し
て、染料分子の吸着をより有利にすることができる。こ
れにより、産業廃棄物由来のセルロース系高分子を使用
することにより、効率の良いセルロース系高分子吸着材
を構成できるものである。
【0015】これらは、圧搾された大豆等の残滓につい
ても言うこができる。油などを得る為に、圧搾された大
豆には過大な圧力およびひずみがかかる。これにより、
大豆殻等を形成する繊維が過大な力に切断され、繊維長
が短くなるとともに、繊維のささくれや、毛羽立ちが発
生する。すなわち、大豆加工残滓、トウモロコシ加工残
滓、さとうきび加工残滓等のセルロース系産業廃棄物を
利用することができる。
【0016】そして、これらのセルロース系産業廃棄物
に、架橋剤を加え、セルロース系高分子吸着材を構成す
るものである。この架橋剤としては、エポキシ化合物、
活性ビニル化合物などがあげられるが、より好ましくは
HMM(ヘキサメチロールメラミン)もしくはTAF
(トリアクリロイルヘキサヒドロトリアジン)などの3
官能性化合物があげられる。エポキシ化合物の例として
は、エピクロロヒドリン、グリシドール等の1官能基を
有する化合物、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセロールジグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールジグリ
シジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プロピレン
グリコールジグリシジルエーテル等の2官能基以上の多
官能基を有するジグリシジルエーテル類、トリグリシジ
ルエーテル類等のポリグリシジルエーテル類があげられ
る。
【0017】さらに、N−メチロール化合物の例として
は、ジメチロール尿素、メチル化トリメチロールメラミ
ン、ジメチロールエチレン尿素、ヘキサメチロールメラ
ミン、ジメチロールアルキルトリアゾン、メチル化ジメ
チロールウロン、ジメチロールヒドロキシエチレン尿
素、ジメチロールプロピレン尿素等のメラミン−ホルム
アルデヒド系、5員環尿素系、6員環尿素系、ウロン
系、トリアゾン系化合物を含む化合物をあげることがで
きる。
【0018】さらにまた、活性ビニル化合物の例として
は、ジビニルスルホン、トリス(β−スルファトエチ
ル)スルホニウム、ジビニルケトン、アクリルアミド等
のアリルアミド型試薬等をあげることができる。
【0019】上記の各架橋剤は、それぞれ1種の化合物
のみを使用してもよく、また、2種以上の化合物を併用
してもよい。
【0020】セルロース系産業廃棄物は、セルロース、
セルロース誘導体を加えることにより、その性質を調節
することができるものである。セルロース、セルロース
誘導体としては、セルロース、アミノセルロース(キト
サン)、アセチルアモノセルロース(キチン)、メチル
セルロース、カルボキシメチルセルロース等があげられ
る。
【0021】後述する官能基を有する高分子化合物をセ
ルロース系産業廃棄物に混合することにより、セルロー
ス系高分子吸着材の結合度を調節することができる。こ
の官能基の例としては、水酸基、カルボニル基、アミノ
基、イミノ基、アミド基、カルボキシル基、エステル
基、シアノ基、アルケニル基等があげられる。上記高分
子化合物は、セルロース複合架橋体としたときに所定の
強度を発揮するものであればよく、親水性であっても疎
水性であってもよい。親水性の高分子化合物を用いれ
ば、得られるセルロース複合架橋体は均一な架橋体とな
り、また、疎水性の高分子化合物を用いれば、得られる
セルロース複合架橋体は高分子化合物がセルロース又は
セルロース誘導体中に均一に分散した架橋体となる。
【0022】親水性の高分子化合物の例としては、ポリ
ビニルアルコール(以下、「PVA」と略する。)、ポ
リエチレングリコール、エチレングリコール、ポリ酢酸
ビニル、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミン、ポリア
リルアミン等があげられる。また、疎水性の高分子化合
物としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル等と上記官能基をもった高分子化合物との共重合物
や、上記官能基が化学的に導入されているものがあげら
れる。
【0023】上記のセルロース系高分子と架橋剤により
構成されるセルロース系高分子吸収剤に抗菌処理を行う
ことも可能である。抗菌処理の方法としては、抗菌剤を
セルロース系高分子吸着材中に含有させることができ
る。抗菌剤としては、抗菌作用があることで知られる植
物などの加工残滓を用いることができる。例えば、笹加
工残滓、柿の葉加工残滓、ヒノキ加工残滓、竹の加工残
滓等である。竹、笹、柿の葉、ヒノキには抗菌成分が含
まれることがしられており、これらの残滓においても、
その抗菌成分が含まれるものである。例として、笹加工
残滓を用いて説明する。クマ笹は薬効成分の抽出に用い
られるものであり、この薬効成分を抽出する際に残滓が
発生するが、これら残滓にも強い抗菌成分が含まれてい
る。クマ笹より薬効成分を抽出する場合に、緑葉に銅ク
ロロフィリン化処理が行われ、ろ過される。ろ過された
成分は遠心分離され、上澄みが医薬品として使用され、
沈殿物は残滓Aとなる。前記銅クロロフィリン化処理後
のろ過過程で生じた残滓はアルカリ処理され、色素溶液
とパルプとなる。ここにおいて、セルロース系高分子吸
着材には、クマ笹のパルプ、もしくは残滓Aを用いるこ
とができる。笹加工残滓、柿の葉加工残滓、ヒノキ加工
残滓、竹の加工残滓等は、セルロース系高分子を主体と
するものである。そして、これらのみによりセルロース
系高分子吸着材を構成することも可能である。
【0024】抗菌剤の添加方法としては、架橋され生成
したセルロース系高分子吸収体に抗菌成分を混合するこ
とも可能であり、抗菌作用のある前記セルロース系産業
廃棄物をセルロース系高分子吸着剤の原料に含ませるこ
とも可能である。笹加工残滓、柿の葉加工残滓、ヒノキ
加工残滓などを抗菌剤として用いることにより、産業廃
棄物の有効利用を行える。そして、これらは元来自然界
に豊富に存在するものであり、環境に大きな影響を与え
ることがない。
【0025】すなわち、抗菌成分を含有する植物加工残
滓を、セルロース系産業廃棄物に混ぜ、これらを架橋し
て構成されたセルロース系高分子吸着材を着色水のフィ
ルタとして用いることにより、腐食しにくく、吸着力の
高いフィルタを構成することができる。また、セルロー
スで構成することにより、染料のみを吸着することがで
きる。
【0026】
【実施例】上記の発明を、実施例を用いて具体的に説明
する。まず、以下にセルロース系高分子吸着材の製造方
法について説明する。
【0027】製造実施例の第一例として、紡績繊維残滓
と大豆加工残滓から吸着材を製造する場合について説明
する。紡績繊維残滓(2)に対して、大豆加工残滓
(2)を加え、水とエチレングリコールを適宜加える。
そして、加熱しながら攪拌し、HMM(1)と硝酸亜鉛
(1)水溶液を適宜加える。そして、ゲル状と化した生
成物を乾燥し、粉砕して製造した。
【0028】製造実施例の第二例として、クマ笹残滓パ
ルプと紡績繊維屑から吸着材を製造する場合について説
明する。クマ笹残滓パルプ(3)に対して、紡績繊維屑
(5)を加え、水を適宜加える。そして、加熱しながら
攪拌し、TAF(2)とリン酸二アンモニウム(2)水
溶液を適宜加え、pHを11〜12に調節しながら加熱
する。そして、生成物を乾燥し、粉砕して製造した。
【0029】製造した吸着材の吸着力を活性炭と比較し
た。テスト方法としては、流動吸着法(固定床下降流)
を用いた。吸着材試料5gをカラムに入れ、定流量ポン
プを使用して、供試排水を通過速度(SV)5〜30(ml
/BV・hr)で流し、流出液中の染料濃度を分光比色法で
定量して脱色率を求めた。試験の結果を図7に示す。
【0030】カラム試験では、吸着材充填層に通水する
と、はじめは流出水中の染料濃度は低濃度であるが、時
間の経過とともに流水中の濃度が増加する。一定の通水
条件下で、処理水の染料濃度が許容濃度に達することを
破過点といい、破過点を超えて、通水を続けると、処理
水の染料濃度が急激に増加する。これにより、吸着力を
比較することができるものである。
【0031】セルロース系高分子吸着材と活性炭との吸
着力の比較結果を図7に示すものである。活性炭のコス
トを考慮した場合には、セルロース系高分子吸着材の性
能は活性炭を十分に上回るものである。
【0032】セルロース系高分子吸着材への吸着の特徴
は、弱い吸着力により吸着をおこなうものである。この
ため、希薄有色排水の処理に適しており、脱着再生を容
易に行うことができる。
【0033】次に、セルロース系高分子吸着材を用いた
着色排水脱色装置の構成について、図を用いて説明す
る。図1は、着色排水脱色装置の全体構成図、図2はセ
ルロース系高分子吸着材を封入した装置の構成を示す
図、図3はフィルタカートリッジ接続部における装置内
の構成を示す一部断面図、図4はフィルタカートリッジ
の交換の構成を示す模式図、図5はフィルタカートリッ
ジの構成を示す図、図6は吸着材交換可能なフィルタカ
ートリッジの構成を示す図である。
【0034】着色排水脱色装置の全体構成について、図
1および図2を用いて説明する。着色排水脱色装置は、
原水槽1、装置3、処理水槽6およびポンプ2・5によ
り構成されている。原水槽1に溜められた着色水は、ポ
ンプ2により装置3に導入される。装置3内にはフィル
タカートリッジ4・4が充填されており、着色水は、装
置3においてフィルタカートリッジ4によりろ過され
る。そして、装置3を介した着色水は処理水槽6に供給
される。これにより、処理水槽6には脱色された水が溜
まるものである。
【0035】フィルタカートリッジ4には、セルロース
系高分子吸着材が封入されているものである。着色水は
フィルタカートリッジ4を介すことにで、セルロース系
高分子吸着材により着色成分を除去されるものである。
ここで、セルロース系高分子吸着材は着色成分を除去す
るものであり、他の塩などを除去しない。このため、染
色等に用いた排水を本発明の着色排水脱色装置により処
理さた場合には、排水の着色成分が除去され、排水中に
含まれる助剤などは処理された水に残る。
【0036】上記のごとく、処理水には着色成分が無い
ので、着色排水脱色装置により処理した水を再び、染色
に用いることができる。処理された水は着色成分が除去
されているが、助剤や界面活性剤などは残るので、他の
色の染料を加えて用いることができる。これにより、染
色に用いる助剤の排出を無くし、染色にかかる経費を節
約できる。
【0037】さらに、セルロース系高分子吸着材への着
色成分の吸着力は弱いので、着色されていない水を、装
置3内において、逆流させることによりフィルタカート
リッジ4に吸着した染料を再利用することができる。図
1において、ポンプ5を作動させ、処理水槽6内の水を
装置3に供給することにより、装置3内に貯蔵した染料
を取り出すことができる。これにより、排水中の染料を
装置3内に貯蔵し、この染料を再び用いることができ
る。
【0038】装置3内に貯蔵した染料を廃棄する場合に
は、ポンプ5により処理水を装置3内に導入する。そし
て、装置3を介して染料を含む排水が配管7より廃棄さ
れる。これにより、装置3内を洗浄できるものであり、
フィルタカートリッジ4を再利用できるものである。
【0039】次に、図3において、装置3の構成につい
て説明する。装置3内において、フィルタカートリッジ
4は処理水の流下方向に積層されている。これにより、
複数個のフィルタカートリッジ4により着色水を脱色す
ることができる。フィルタカートリッジ4は、装置3内
において多孔板12上に配設されている。これにより、
多孔板12の孔よりフィルタカートリッジ4を介した排
水が、下方に流下するものである。多孔板12とフィル
タカートリッジ4の間には、ゴム板11が配設されてい
る。該ゴム板11は装置3の内側の側面に沿って配設さ
れており、ゴム板11の内側部分がフィルタカートリッ
ジ4上にのった状態になっている。これにより、水がフ
ィルタカートリッジ4と装置3内周部に入り込むのを防
ぎ、脱色効果を高めるものである。
【0040】装置3におけるフィルタカートリッジ4の
交換方法について、図4を用いて説明する。装置3内に
おいて、フィルタカートリッジ4は、図4(a)に示す
ごとく積載された状態で充填されている。この状態か
ら、図4(b)に示すごとく下部のハッチを開け、最下
位置のフィルタカートリッジ4を抜きとる。そして、装
置3内のフィルタカートリッジ4を下方に移動させる。
この後に、図4(c)に示すごとく装置3の上部ハッチ
を開き、フィルタカートリッジ4を補充することができ
る。
【0041】フィルタカートリッジ4の外側は紙、織布
もしくは不織布によりなるフィルタシートで構成するこ
とができる。特に、不織布よりなるフィルタシートを用
いることにより、耐久性のあるフィルタカートリッジを
構成することができる。フィルタカートリッジ4はこの
ようなフィルタシート内にセルロース系高分子吸着材が
封入されるものである。セルロース系高分子吸着材をフ
ィルタシートにより被装することで、該セルロース系高
分子吸着材のフィルタカートリッジよりの流出を防止で
き、フィルタの目詰まりも抑制できる。
【0042】フィルタシートとしては、合成繊維を含ま
ない非ヒートシール層からなるシートと合成繊維を主体
としたヒートシール層からなるフィルタシートを用いる
ことの可能である。例えば、ポリプロピレンとメルトボ
ロンなどからなる3層のラミネートシートを用いること
ができる。また、一般にコーヒーやお茶のフィルターに
用いられているものを利用することができる。
【0043】フィルタカートリッジ4の形態としては、
図5(a)に示す円柱型、図5(b)に示す袋型、図5
(c)に示す箱型を用いることができる。ここで、円柱
型および箱型のフィルタカートリッジ4の外側フィルタ
シートは熱溶着されているものであり、袋型のものは袋
状に構成したフィルタシートの開口部をかみ締めなどに
より閉じて構成することができる。
【0044】次に、セルロース系高分子吸着材を交換可
能とした、フィルタカートリッジの構成について図6を
用いて説明する。フィルタカートリッジ4は箱型に構成
されており、該フィルタカートリッジ4の上面は開口部
13となっている。図6(a)に示すごとく、開口部1
3を開くことにより、内部のセルロース系高分子吸着材
15を取り出すことができる。開口部13の一辺はフィ
ルタカートリッジ4の側部とつながっており、該開口部
13の他の三辺には面ファスナ14が取り付けられてい
る。そして、開口部13を閉じた位置において、該開口
部13の面ファスナ14取り付け位置に対応するよう
に、フィルタカートリッジ4の側部上端にも面ファスナ
14が取り付けられている。また、面ファスナの変わり
に、一般的なファスナ等を用いることも可能である。
【0045】フィルタカートリッジ4内にセルロース系
高分子吸着材15を投入する際には、開口部13を開い
て行うものであり、投入が終わった後に図6(b)に示
すごとく、面ファスナ14により開口部13を閉じるも
のである。これにより、セルロース系高分子吸着材15
の取り替えを容易に行えるものである。
【0046】
【発明の効果】本発明において、請求項1に記載のごと
く、抗菌成分を含有する植物加工残滓およびセルロース
系産業廃棄残滓を架橋して構成されたセルロース系高分
子吸着材を、フィルタシートで被装するので、耐久性が
高く、脱色効率のよいフィルタを構成できる。さらに、
吸着材としてセルロース系高分子吸着材を用いるので、
廃棄が容易である。抗菌成分を植物由来の物とすること
で生分解による処理を行うことも可能である。
【0047】また、請求項2に記載のごとく、抗菌成分
を含有する植物加工残滓およびセルロース系産業廃棄残
滓を架橋して構成されたセルロース系高分子吸着材をフ
ィルタシートで被装した着色水処理用フィルタを、処理
を行う水の流下方向に複数個重ね、該着色水処理用フィ
ルタに染料を吸着・貯留させるので、染料を再度利用で
き、染色にかかるコストを削減できる。さらに、排水の
量を減少できる。セルロース系高分子吸着材に対する染
料の吸着力が弱いため、着色水処理用フィルタを容易に
洗浄でき、該着色水処理用フィルタを繰り返し使用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】着色排水脱色装置の全体構成図。
【図2】セルロース系高分子吸着材を封入した装置の構
成を示す図。
【図3】フィルタカートリッジ接続部における装置内の
構成を示す一部断面図。
【図4】フィルタカートリッジの交換の構成を示す模式
図。
【図5】フィルタカートリッジの構成を示す図。
【図6】吸着材交換可能なフィルタカートリッジの構成
を示す図。
【図7】セルロース系高分子吸着材と活性炭との吸着比
較試験の結果を示す図。
【符号の説明】
1 原水槽 2・5 ポンプ 3 装置 4 フィルタカートリッジ 6 処理水槽 7 配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D017 AA01 BA20 CA12 CB03 DA01 EA01 EA05 EA07 4D024 AA07 AB04 BA17 BB02 BB05 CA04 DB02 4G066 AA14D AA50D AA53D AB06D AB10D AC12B AC35B AC39B AC39D BA03 BA05 CA10 DA08 FA03 FA07 FA21

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌成分を含有する植物加工残滓および
    セルロース系産業廃棄残滓を架橋して構成されたセルロ
    ース系高分子吸着材を、フィルタシートで被装したこと
    を特徴とする着色水処理用フィルタ。
  2. 【請求項2】 抗菌成分を含有する植物加工残滓および
    セルロース系産業廃棄残滓を架橋して構成されたセルロ
    ース系高分子吸着材をフィルタシートで被装した着色水
    処理用フィルタを、処理を行う水の流下方向に複数個重
    ね、該着色水処理用フィルタに染料を吸着・貯留させる
    ことを特徴とする着色水処理装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009172486A (ja) * 2008-01-22 2009-08-06 Nippon Oil Corp 排水処理装置
JP2013091062A (ja) * 2007-10-16 2013-05-16 Kochi Prefecture イオン収着材
JP2013226530A (ja) * 2012-04-27 2013-11-07 Toshiba Corp 不純物吸着方法及び吸着装置
WO2022110258A1 (zh) * 2020-11-30 2022-06-02 绍兴市高峰印染有限公司 一种印染设备废水处理装置

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