JP2001329714A - 耐震骨組構造 - Google Patents

耐震骨組構造

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JP2001329714A JP2000150883A JP2000150883A JP2001329714A JP 2001329714 A JP2001329714 A JP 2001329714A JP 2000150883 A JP2000150883 A JP 2000150883A JP 2000150883 A JP2000150883 A JP 2000150883A JP 2001329714 A JP2001329714 A JP 2001329714A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 住戸階の下階に事務所などの非住居階を設け
た複合用途の建築物に適用でき、経済性を損なうことな
く、水平耐力や水平剛性あるいは靭性等の構造的特性に
富み、建築設計の融通性ある耐震骨組構造を提供する。 【解決手段】 複数階を有する上部骨組部3の下階に、
1以上の階を有する支持骨組部4を接合する。上部骨組
部3は、上部柱11Aと、上部柱の間に設けた中間柱32
と、これらを横方向に連結する上部梁31とを備えたラー
メン構造をなす。支持骨組部4は、上部柱に接合された
支持柱11Bと、その支持柱を横方向に連結する伝達梁手
段2とを備えたラーメン構造をなす。中間柱32の最下階
の柱脚部は伝達梁手段2のスパン中間部から立設され
る。伝達梁手段2は、スパン端部の梁成がスパン中間部
の梁成より小さい変断面の梁として構成され、スパン端
部で支持柱11Bと一体化して剛接合部を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数階を有する住
戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複
合用途に供される建築物に好適に用いられる、耐震性能
に優れた耐震骨組構造に関する。
【0002】
【従来の技術】高層の集合住宅などに適用される耐震構
造の建物として、例えば特公昭59−14142号公報
に開示されたものが知られている。該公報に開示された
高層建物では、建物の長手方向(桁行方向)において、
主柱の間に中間柱を設けて短スパンのラーメン構造を構
成し、建物の短手方向(はり間方向)においては、連層
耐震壁構造を構成している。このような構造を備えた建
物を、図26,27に示す。
【0003】図26は上記建物の構造を示す平面図、図
27は上記建物の構造を示す正面図(桁行方向)であ
る。図において、符号Aは所要の間隔をおいて基礎H上
に立設する主柱、Bは主柱の間に設けられた中間柱、C
は主柱によって囲まれる住戸空間、Dは住戸空間の一側
に設けられる共用廊下、Eは住戸空間の他側に設けられ
るバルコニーである。片側廊下方式のこの建物は、住戸
空間Cの連設された方向となる桁行方向(長手方向)に
は、住戸空間Cと共用廊下DもしくはバルコニーEとの
境界面に、主柱Aと中間柱Bとによって短スパンのラー
メン構造が互いに対向するように配置されている。図に
おいて、符号GはA主柱と中間柱Bとを連結する梁であ
る。また、桁行方向に直交するはり間方向には、各住戸
の戸境壁である耐震壁Fが主柱Aの間に設けられること
によって、上階から最下階まで鉄筋コンクリート造の耐
震壁Fが連層配置された建物を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような建物は、最上階から最下階の全階にわたり、中間
柱Bが立設され、また耐震壁Fが連層配置された構造で
あることから、例えば1階に大スパンの開放的な室内空
間を設けようとしても、耐震壁Fあるいは中間柱Bが立
設されているため、開放された空間を得ることができな
い。このように、上記従来の建物では、住戸階の下階
に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供
される建築物を構築するのは困難であり、建築設計上の
制約があった。
【0005】本発明は、上記従来技術を考慮してなされ
たもので、その目的は、複数階を有する住戸階の下階
に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供
される建築物に適用される耐震骨組構造を構成し、経済
性を損なうことなく、水平耐力や水平剛性あるいは靭性
等の構造的特性に富み、建築設計の融通性を大幅に向上
させることのできる耐震骨組構造を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】〔請求項1に係る発明〕
複数階を有する上部骨組部の下階に、1以上の階を有す
る支持骨組部を接合した耐震骨組構造であって、上部骨
組部は、上部柱と、上部柱の間に設けた中間柱と、これ
らを横方向に連結する上部梁と、を備えたラーメン構造
をなし、支持骨組部は、上部柱に接合された支持柱と、
その支持柱を横方向に連結する伝達梁手段とを備えたラ
ーメン構造をなし、中間柱の最下階の柱脚部は、伝達梁
手段のスパン中間部から立設された、ことを特徴とする
耐震骨組構造である。
【0007】〔請求項2に係る発明〕伝達梁手段は、ス
パン端部の梁成が、スパン中間部の梁成より小さい変断
面の梁として構成され、スパン端部で、支持柱と一体化
して剛接合部を形成している、ことを特徴とする請求項
1に記載の耐震骨組構造である。
【0008】〔請求項3に係る発明〕伝達梁手段は、ス
パン方向の上辺を直線状に形成するとともに、スパン方
向の下辺のスパン端部に、逆垂直ハンチを設けることに
よって、スパン端部の梁成をスパン中間部の梁成より小
さくした、ことを特徴とする請求項2に記載の耐震骨組
構造である。
【0009】〔請求項4に係る発明〕伝達梁手段は、ス
パン端部の下辺に段差を設けることによって逆ドロップ
ハンチを形成し、スパン端部の梁成をスパン中間部の梁
成より小さくした、ことを特徴とする請求項2に記載の
耐震骨組構造である。
【0010】〔請求項5に係る発明〕伝達梁手段は、鉄
骨造のトラス構造を備えた、ことを特徴とする請求項1
から4項のいずれかに記載の耐震骨組構造である。
【0011】〔請求項6に係る発明〕伝達梁手段は、ほ
ぼ階高に相当する梁成を有する壁体として形成され、壁
体の下辺と、下階の梁との間に横スリットを形成し、該
横スリットと連続して、支持柱と壁体との境界面で壁体
の上方に向かって所定の長さだけ縦スリットを形成し、
スパン端部の梁成が、スパン中間部の梁成より小さい変
断面の壁梁として構成され、スパン端部で、支持柱に一
体化して剛接合部を形成している、ことを特徴とする請
求項1に記載の耐震骨組構造である。
【0012】〔請求項7に係る発明〕耐震骨組構造体の
終局耐力時に、伝達梁手段と支持柱との剛接合部近傍の
位置に、伝達梁手段の断面降伏耐力を支持柱の断面降伏
耐力よりも小さくすることによって梁降伏型の降伏ヒン
ジを形成する、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれ
かに記載の耐震骨組構造である。
【0013】〔請求項8に係る発明〕支持骨組部の階全
体の水平剛性を、上部骨組部の階全体の水平剛性よりも
小さくすることによって、支持骨組部は地震時に制振的
性能を有する、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれ
かに記載の耐震骨組構造である。
【0014】〔請求項9に係る発明〕支持骨組部の下階
に、1以上の階を有する下部骨組部を接合した、ことを
特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の耐震骨組構
造である。
【0015】〔請求項10に係る発明〕複数階を有する
住戸階の下階に、事務所、店舗などの非住戸階を設けた
複合用途に供される建築物を構成する、ことを特徴とす
る請求項1〜9のいずれかに記載の耐震骨組構造であ
る。
【0016】〔請求項11に係る発明〕複数階を有する
住戸階を上部骨組部で構成し、住戸階の下階に配設した
設備階を支持骨組部で構成し、設備階の下階に配設した
事務所、店舗などの非住戸階を下部骨組部で構成し、設
備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮断
し、住戸階の設備用の縦配管類を、設備階で屈曲させ、
水平方向に横引きして非住戸階の室内空間又は建物の外
部に導いた、ことを特徴とする請求項9に記載の耐震骨
組構造である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態につ
いて、先ず、実施例を示して説明する。なお、各図にお
いて同じ要素には同じ符号を用いる。
【0018】<実施例1>図1〜4は、本発明の耐震骨
組構造を適用した実施例の建物を示すもので、図1は桁
行方向である正面図、図2は、はり間方向である側面
図、図3は2階以上の階の平面図、図4は1階の平面図
である。なお、図1においては、便宜上、桁行方向の半
分のみ(図3に示す桁行方向(図3のY2通)の左半分
(X1〜X4まで)の範囲)を示す。
【0019】図1, 2に示すとおり、建物は建物本体1
とこれを支持する基礎構造部6とからなり、建物本体1
は、複数階を有する上部骨組部3と、上部骨組部3の下
階に接合した支持骨組部4とからなる。2階から最上階
までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成して
いる。住戸階とは、複数の住戸が集合して配置された階
をいう。1階が事務所、店舗などの非住戸階に割り当て
られ、支持骨組部4を構成している。1階は、はり間方
向において片側に張り出しており、2階以上がセットバ
ックされた形態をなしている。基礎構造部6は所定の間
隔をおいて構築された、相対向する複数の基礎62と、
その基礎62を支持するために地盤中に打設する複数の
杭63と、基礎62を水平に連結する基礎梁61とから
なる。
【0020】2階から最上階までの各階の平面形状は、
図3に示すとおり、はり間方向に狭く桁行方向に細長い
板状をなし、その全体平面形状は矩形状(直線状)に形
成されている。基準階の平面形式は片廊下方式が用いら
れ、1つの共用廊下Dに接して複数の住戸空間Cを連設
し、各住戸にバルコニーEを付設している。
【0021】建物の桁行方向において、上部骨組部3
は、上部柱11Aと、上部柱11A,11Aの間に設け
た中間柱32とを有し、上部柱11Aと中間柱32と
が、上部梁31によって連結され、ラーメン構造を構成
している(図1,3参照)。上部柱11Aは、その直下
の支持柱11Bに接合され、縦方向(階数方向)に通し
柱状に立設された柱部材を形成している。下部柱11B
の最下階は基礎62から立設しているので、柱軸力を基
礎で支持することができる。中間柱32の最下階の柱脚
部は、後述する伝達梁手段2のスパン中間部から立設さ
れており、管柱(くだばしら)状をなす。上部骨組部3
の桁行方向のスパン数は、本実施例では、12スパンで
あるが、適宜設定し得るのは勿論である。なお、「スパ
ン」とは対向配置される2本の柱間に成立する1単位で
ある。また、スパン長さとは柱間の直線状の距離を意味
する。また、各図において、符号X1,X2,X3,・
・・は基礎に立設する柱の中心(通り符号)、符号Sは
この柱間のスパン長さ、符号X1A,X2A,X3A,
・・・は中間柱32の中心(通り符号)、符号S11,
S12は中間柱32によって形成されるスパン長さであ
る。
【0022】建物の桁行方向において、支持骨組部4
は、上部柱11Aの下に位置する支持柱11Bと、その
支持柱11B,11Bを横方向に連結する伝達梁手段2
とを有し、上部骨組部3と同様にラーメン構造を構成し
ている(図1,4参照)。しかし、上部骨組部3の中間
柱32の最下階の柱脚部は、伝達梁手段2のスパン中間
部から立設されており、支持骨組部3に中間柱は立設さ
れていないので、支持骨組部3の桁行方向のスパン数
は、6スパンである。すなわち、上部骨組部3は短スパ
ン(小さなスパン長さ)で構成されたラーメン構造、支
持骨組部3は大スパン(上部骨組部3の2スパンに相当
する長さ)で構成されたラーメン構造となる。
【0023】建物のはり間方向において、上部骨組部3
は、上部柱11Aと、上部柱11A,11Aの間に設け
た中間柱32とを有し、上部柱11Aと中間柱32と
が、上部梁31によって連結されている(図2,3参
照)。上部柱11Aは、その直下の支持柱11Bに接合
されている。中間柱32の最下階の柱脚部は、後述する
伝達梁手段2のスパン中間部から立設されている。本実
施例では、上部骨組部3のはり間方向のスパン数は、2
スパン(L11,L12)である。図2において、符号
Y1,Y2,Y3,・・・は基礎に立設する柱の中心
(通り符号)、符号Lはこの柱間のスパン長さ、符号Y
2Aは中間柱32の中心(通り符号)、符号L11,L
12は中間柱32によって形成されるスパン長さであ
る。
【0024】建物のはり間方向において、支持骨組部4
は、上部柱11Aの下に位置する支持柱11Bと、その
支持柱11B,11Bを横方向に連結する伝達梁手段2
とを有し、上部骨組部3と同様にラーメン構造を構成し
ている(図2,4参照)。しかし、上部骨組部3の中間
柱32の最下階の柱脚部は、伝達梁手段2のスパン中間
部から立設されており、支持骨組部3に中間柱は立設さ
れていない。すなわち、上部骨組部3は短スパンで構成
されたラーメン構造、支持骨組部3は大スパン(上部骨
組部3の2スパンに相当する長さ)で構成されたラーメ
ン構造となる。なお、支持骨組部4を形成する1階に
は、はり間方向において片側に張り出したラーメン構造
部7を設けている。ラーメン構造部7は、柱11B,1
1Bとこれらの柱を連結する梁41によってラーメン構
造を構成している。支持骨組部4とラーメン構造部7と
の境に中間柱32が立設されていないので、店舗等の非
居住階として用いるのに好適な、より開放的な大きな空
間が形成される。
【0025】そして、建物の桁行方向及びはり間方向に
おいて、支持骨組部4における支持柱11B,11Bを
横方向に連結する伝達梁手段2は、スパン端部の梁成
(図5のDe)が、スパン中間部の梁成(図5のDc)
より小さい変断面の梁として構成され、スパン端部で、
支持柱11Bと一体化して剛接合部を形成している。こ
の伝達梁手段2の機能作用、具体的態様等は、後述す
る。
【0026】また、骨組の終局耐力時に、伝達梁手段2
と支持柱11Bとの剛接合部近傍の位置に、伝達梁手段
2の断面降伏耐力を支持柱11Bの断面降伏耐力よりも
小さくすることによって梁降伏型の降伏ヒンジを形成す
るものとすることができる。
【0027】また、支持骨組部4の階全体の水平剛性
を、上部骨組部2の階全体の水平剛性よりも小さくする
ことによって、支持骨組部4は地震時に制振的性能を有
するものとすることができる。
【0028】〔構造的特徴〕次に、本発明の耐震骨組構
造について、その構造的特徴を詳説する。 (1)本発明の耐震骨組構造は、複数階を有する上部骨
組部の下階に、1以上の階を有する支持骨組部を同一架
構面内で接合した複合骨組である(請求項1)。上部骨
組部は、中間柱を配設することによって、上部梁の内法
スパン長さが短くなる、短スパンのラーメン構造を構成
する。一方、支持骨組部は、相対向する支持柱と、その
支持柱を横方向に連結する、伝達梁手段を備えたラーメ
ン構造に構成されており、大スパン(例えば、図1に示
すように、S11+S12からなる長いスパン長さS)
のラーメン構造を構成する。したがって、上部骨組部
に、集合住宅である住戸階に好適な構造型式(短スパン
のラーメン構造)を採用し、支持骨組部に、設備階、事
務所、店舗などの非住戸階に好適な構造型式(大スパン
のラーメン構造)を採用して建物を構築することができ
る。非住戸階は、大スパンの純ラーメン構造を構成する
ことができるので、柱の設置本数が少なく広々とした室
内空間を形成することができる。純ラーメン構造とは、
線材である柱、梁から成り、壁ブレース、耐震壁、制振
壁などの面材的耐震構造部材が配設されていない骨組を
いう。勿論、支持骨組部を、耐震壁などを配置したラー
メン構造とすることもできる。なお、骨組とは、上部
柱、梁、中間柱等の線材、並びに耐震壁、壁ブレース、
制振壁等の面部材を適宜組み合わせた架構をいう。
【0029】(2)本発明は、伝達梁手段によって、中
間柱の鉛直力の基礎への伝達経路を、骨組の弾性域から
終局耐力時に至るまで確保するものである。伝達梁手段
は、相対向する支持柱を横方向(スパン方向)に連結し
た、梁機能を有する横架材である。図5に示すように、
上部骨組部3において、各階の上部梁31に加わる床等
の鉛直荷重の基礎への伝達経路は、当該階の上部梁31
を介して両端部の上部柱11Aに各階毎にせん断力
(Q)として伝達する経路と、当該階の上部梁31に接
合する下階の中間柱32に柱軸力(N)として累積的に
伝達し、最下階の梁、すなわち伝達梁手段2によってス
パン両端部の支持柱11Bに柱軸力として伝達する経路
とが生成される。支持柱11Bに柱軸力として伝達した
鉛直荷重は最終的に基礎62で支持される。この2つの
経路の内、中間柱32の柱軸力(鉛直力)が伝達梁手段
2を介して支持柱11Bに伝達する経路が支配的であ
る。住戸階の階数が多くなると、中間柱32から伝達梁
手段2に加わる鉛直力も増大する。中間柱32の最下階
は、下部骨組部4の伝達梁手段2のスパン中間部から管
柱状に立設されているので、伝達梁手段2は、常時、地
震時にわたって、大きな鉛直力を受ける。この鉛直力を
支持するために、伝達梁手段2は強固な断面性能(曲げ
剛性、せん断剛性、断面耐力)を有するよう、比較的大
きな梁成の断面形状とする。
【0030】伝達梁手段2に、常時、地震時にわたっ
て、中間柱32からの鉛直力を支持し得る断面性能(曲
げ剛性、せん断剛性、断面耐力)を設定することによっ
て、上部骨組部3を支持し、上部骨組部3においては、
中間柱32を配置した短スパンのラーメン構造の優れた
耐震性能その他の利点が最大限に活用される。そして、
伝達梁手段2によって、中間柱32の鉛直力の基礎への
伝達経路を、骨組の弾性域から終局耐力時に至るまで確
保し、もって耐震骨組構造の構造的安定性を確保するこ
とができる。
【0031】(3)伝達梁手段は、スパン端部の梁成
が、スパン中間部の梁成(断面高さ)より小さい変断面
の梁として構成され、スパン端部で、支持柱と一体化し
て剛接合部を形成している(請求項2)。剛接合部と
は、接合された梁と柱との相互の部材軸線の角度(変形
後の各部材の節点における接線相互のなす角度)が外力
を受けても変化しないようにした接合をいい、ラーメン
構造の接合部は剛接合である。剛接合部では、曲げモー
メント、せん断力、軸力を伝達することができる。ただ
し、本発明では、剛接合部に、角度が同一な完全な剛接
合部の他に、例えば柱と梁の接合部の構成部材が降伏し
て角度が変化する不完全な剛接合部をも含むものとす
る。
【0032】さて、図6〜7に明らかなとおり、伝達梁
手段2はスパン端部の梁成(De)の中心を通る横方向
(スパン方向)の材軸線により一本の線材に置換され、
この線材の両端部は支持柱11Aに剛接合で接続されて
いる。伝達梁手段2は、常時 (長期) にはスパン中間部
に大きな鉛直力を受け、地震時には両端部に逆対称の曲
げモーメントを受ける。伝達梁手段2は、スパン中間部
の鉛直力に対しては、スパン中間部の梁成(Dc)が有
効な変断面の梁として機能し(図6)、地震時の水平力
には、スパン端部の梁成(De)がスパン全域にわたっ
て有効な等断面の梁として機能する(図7)。地震時に
は、スパン中間部の梁成の下方の部分(Dc−De)
は、部材の曲げ剛性、断面耐力上は、有効的ではない。
変断面とは、部材断面の形状、寸法が、部材の長さ方向
(材軸線方向)に沿って変化している構造部材をいう。
等断面とは、部材断面の形状、寸法が、部材の長さ方向
の全域にわたって同じ大きさの構造部材をいう。
【0033】図8に示すとおり、スパン中間部(梁中央
部)の曲げモーメントgMcは、スパン端部の曲げモー
メントgM1,gM2に比べて大きい。しかし、上記の
ように、伝達梁手段2は、スパン中間部の梁成(De)
が大きいので、常時、地震時にわたって、中間柱の鉛直
力によって生じる断面応力に対して充分な断面耐力(曲
げ耐力、せん断耐力)、断面剛性を具備し、スパン中間
部の過大な鉛直変形を生じることがない。また、伝達梁
手段2は、スパン端部の梁成がスパン中間部の梁成に比
べて小さいため、図8に示すとおり、伝達梁手段2のス
パン端部と支持柱11Bとの固定度(曲げモーメントの
伝達固定度)が低減するので、常時鉛直力(N2)、地
震力によって伝達梁手段2から支持柱11Aに伝わる、
曲げモーメントは小さくなる。したがって、支持柱11
Bの常時、地震時の断面設計応力(曲げモーメント、せ
ん断力)が小さくなるので、支持柱11Bの部材断面を
小さくすることができる。
【0034】(4)骨組の終局耐力時に、伝達梁手段2
と支持柱11Bとの剛接合部近傍の位置に、伝達梁手段
2の断面降伏耐力を支持柱11Bの断面降伏耐力よりも
小さくすることによって梁降伏型の降伏ヒンジを形成す
る(請求項7)。ここで、骨組の終局耐力とは、これ以
上の水平力を受けると骨組が崩壊する最大限の水平耐力
で、保有水平耐力ともいう。
【0035】骨組の崩壊形式(メカニズム)について図
9を参照して説明する。耐震骨組構造の耐震性能を評価
する手段として、骨組の終局耐力時の崩壊形式があり、
ラーメン構造では、中間階で梁降伏型、最下階で柱降伏
型が望ましいとされている。梁降伏型は、柱降伏型より
も、断面降伏後の変形能力が高い靭性に優れた降伏ヒン
ジを形成、維持することができる。柱降伏型では、柱の
柱脚部、柱頭部の双方に降伏ヒンジが形成され易く、柱
断面の圧縮破壊を起こすことによって、柱軸力機能を喪
失し、床構造の鉛直荷重を支持することができないおそ
れれがある。降伏ヒンジとは、骨組を構成する構造部材
(柱、梁など)の一部が、地震力による曲げモーメント
によって全断面降伏し、回転変形が可能になるとき、構
造力学上、その点に構成されたと考えられるピンのこと
をいう。
【0036】したがって、上部骨組部3において、スパ
ン両端部の上部柱11Aと上部梁31梁との接合部で
は、中間階で梁降伏型になるように設計する。ところ
が、中間柱32を伝達梁手段2のスパン中間部に立設さ
せている特徴から、中間柱接合部(上部梁31と中間柱
32との接合部)では、最下階のみならず中間階でも中
間柱32の柱降伏型が望ましい。骨組の終局耐力時にお
いて、中間柱接合部近傍の位置に、中間柱32の断面降
伏耐力を上部梁31の断面降伏耐力よりも小さくするよ
うに設計することによって柱降伏型の降伏ヒンジを形成
する。この場合、中間柱32は、各階の柱頭部、柱脚部
に降伏ヒンジが形成され、降伏後に一定の降伏曲げモー
メントを保持した仮想の両端ピン部材となり、制振部材
として機能する。したがって、上部梁31はスパン中間
部で梁降伏型の降伏ヒンジが形成されないので安定した
骨組となる。支持骨組部4では、伝達梁手段2に、常
時、地震時にわたって、中間柱32からの鉛直力を支持
し得る断面性能(断面耐力)を設定することによって、
最下階の中間柱32の柱脚部では、柱降伏型の降伏ヒン
ジを必ず形成する。伝達梁手段2のスパン端部の梁成を
スパン中間部の梁成より小さい変断面の梁として構成し
ているので、伝達梁手段2の断面降伏耐力を支持柱11
Bの断面降伏耐力よりも小さくすることが容易できる。
支持骨組部4では、伝達梁手段2と支持柱11Bとの剛
接合部で、梁降伏型の降伏ヒンジが形成された安定した
骨組となる。したがって、上部骨組部の下階に、支持骨
組部を同一架構面内で接合した複合骨組である耐震骨組
構造体は、弾性域から終局耐力時に至るまで優れた耐震
性を確保することができる。
【0037】(5)また、支持骨組部4の階全体の水平
剛性を、上部骨組部3の階全体の水平剛性よりも小さく
することによって、支持骨組部4は地震時に制振的性能
を有する(請求項8)。すなわち、上部骨組部3は、中
間柱32を有し短スパンのラーメン構造に構成されてい
るので、階全体の水平剛性は比較的高くなる。一方、支
持骨組部4のスパン長さ(S)は上部骨組部のスパン長
さ(S11,S12)より長い(大スパン)ので、支持骨組
部4は、支持柱11Bの断面(図5〜9の柱成Bc) 、
伝達梁手段2のスパン端部の梁成(図5〜9のDc)を
小さく抑えること等により、水平剛性の低い、靭性に富
むラーメン構造を構成する。支持骨組部4が、地震時
に、上部骨組部3に対して靭性に富んだ制振的性能を発
揮することにより、上部骨組部3の最大水平変形、最大
加速度を抑えることができる。
【0038】動的解析方法によれば、耐震骨組構造の振
動的構造性能を検証することができる。動的解析方法の
一例として、各階を重量、水平剛性を有する「くし団子
型」の質点に置換する方法がある。この質点系モデルの
基礎部(最下階の固定点)に所定の地震波を入力させ
て、各階の応答値(せん断力、加速度など)を計算す
る。耐震骨組構造体は、固有周期が長い程(長周期)、
各階の応答値が小さくなることは理論的に認められてい
る。骨組が全体として同一の固有周期であれば、基礎部
の応答値(せん断力、転倒モーメントなど)は略同一に
なることが多い。さらに、骨組が全体として同一の固有
周期であっても、階数方向の水平剛性の分布を変える
と、各階の固有振動形は変化し、各階の応答値(せん断
力、加速度など)は変化することがある。
【0039】本発明は、骨組全体としての固有周期を長
周期化することと、支持骨組部の制振的性能によって、
下記の効果を奏する。第一に、上部骨組部の水平変位
(基礎の固定点からの相対水平変位)が上階ほど「急増
する現象」は抑制される。図10に示すように、地震時
に、支持骨組部4の水平変形(2階のH2)を大きく
し、上部骨組部3の最上階の水平変形(13階のH1
3)を小さくすることにより、建物の最上階近傍であっ
ても加速度を減少させることができるので、建物の全階
にわたって、什器の転倒、損傷のおそれは格段に低くな
る。第二に、上部骨組部3の各階の応答値は小さくな
る。応答値は、速度、加速度、せん断力、転倒モーメン
トなどがある。各階の加速度が減少すれば、建物の室内
に配設されている家具、備品などの什器の転倒、損傷の
おそれが低くなり、居住者に生じる不快な人体感覚は緩
和される。第三に、基礎部の応答値(せん断力、転倒モ
ーメント)は低減され、建物を転倒させようとする曲げ
モーメントによって、基礎、杭に生じる鉛直力(引抜力
又は圧縮力)は小さくなる。杭、基礎の構造は簡易化
し、建物の高層化が促進される。
【0040】〔伝達梁手段の態様〕伝達梁手段2の具体
的態様について、図11〜19を参照して説明する。各
図において、いずれも、スパン端部の梁成Deは、スパ
ン中間部の梁成Dcより小さい変断面の梁ないし壁梁と
して構成され、スパン端部で、支持柱11Bと一体化し
て剛接合部を形成しているものである。また、スパン方
向の上辺はいずれも直線状に形成されている。
【0041】図11は、伝達梁手段2を例示するもの
で、(a)は正面図、(b)は(a)図のb−b線断面
図、(c)は(a)図のc−c線断面図である。伝達梁
手段2は、鉄骨造のプレートガーダー(溶接H形鋼)で
構成された梁部材21である。プレートガーダーとは、
鋼製プレートを組み合わせた鉄骨造の組立梁で、例えば
H形断面(I形断面)を形成したものがある。H形鋼は
鉛直方向のウェブとその上下に水平方向に設けられたフ
ランジとを有してなる。フランジは、主として曲げ耐力
を受け持ち、ウェブは、せん断耐力を受け持つ。この例
では、梁部材21は、スパン端部において、スパン方向
の下辺がスパン端部からスパン中間部に向けて、スパン
端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t1だけ連続
した後、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成して、梁成
Dcを有するスパン中間部へと続いている。継手部は、
梁成Deを保った所定距離t1の間に、H形鋼同士の継
手部として設けられ、梁・梁の現場継手が可能な構成と
している。なお、逆垂直ハンチとは、伝達梁手段のスパ
ン端部の曲げ剛性、曲げ耐力を減少させるために、スパ
ン端部の梁成を勾配(傾斜)を採ってスパン中間部の梁
成より小さくしたものをいう。通常の垂直ハンチは、ス
パン端部の梁成はスパン中間部の梁成より大きくなって
いる。逆垂直ハンチの「逆」とは、通常の垂直ハンチと
は、勾配が逆方向であることを意味する。
【0042】図12に示す伝達梁手段2は、プレートガ
ーダー(溶接H形鋼)で構成された梁部材21である
が、図11に示したものと異なり、梁部材21は、スパ
ン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部からス
パン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deから徐々に
梁成が大きくなるように、逆垂直ハンチ(斜辺部22)
を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いて
いる。継手部は、逆垂直ハンチ(斜辺部22)の間に、
H形鋼同士の継手部として設けられ、梁・梁の現場継手
が可能な構成としている。図11及び12の例は、請求
項3の発明に相当する形態である。
【0043】図13に示す伝達梁手段2は、プレートガ
ーダー(溶接H形鋼あるいは組立H形鋼)で構成された
梁部材21であるが、スパン中間部は、H形鋼を上下2
段に連結したような形態で梁成Dcを形成している。す
なわち、鉛直方向のウェブとその上下に水平方向に設け
られたフランジとを有し、かつ梁成方向の略中央部に
も、水平に張り出したリブが形成されている。スパン端
部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン
中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平
に所定距離t2だけ連続した後、略垂直の段差23を形
成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いてい
る。スパン中間部の梁成Dcからスパン端部の梁成De
へと勾配をとらずに段差を設けて減少させた逆ドロップ
ハンチ(段差付きハンチ)である。梁成Deを保つ所定
距離t2及び段差23とによって、スパン端部の下辺に
矩形状の凹部24を設けたものであり、請求項4の発明
に相当する形態である。継手部は、梁成Deを保つ所定
距離t2の間に、H形鋼同士の継手部として設けられ、
梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
【0044】図14に示す伝達梁手段2は、プレートガ
ーダー(溶接H形鋼あるいは組立H形鋼)で構成された
梁部材21である。梁成Dcを有するスパン中間部のH
形鋼と、梁成Deを有するスパン端部のH形鋼とを結合
したような形態をなしている。スパン端部において、ス
パン方向の下辺がスパン端部からスパン中間部に向け
て、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に所定距離t
3だけ連続した後、略垂直の段差23を形成して、梁成
Dcを有するスパン中間部へと続いている。梁成Deを
保つ所定距離t3及び段差23によって、スパン端部の
下辺に矩形状の凹部24を設けたものであり、請求項4
の発明に相当する形態である。継手部は、梁成Deを保
つ所定距離t3よりスパン内側である梁成Dcを有する
位置に、プレートガーダー同士の継手部として設けら
れ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
【0045】図15に示す伝達梁手段2は、その基本的
正面形状は、図11に示したものと同じく、スパン端部
において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン中
間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよう水平に
所定距離t1だけ連続した後、逆垂直ハンチ(斜辺部2
2)を形成した梁部材21であるが、その構造を鉄骨鉄
筋コンクリート造としたものである。主筋及びあばら筋
を設け、コンクリートで被覆するので、強度がより向上
し、部材断面を小さくすることによって、より広い空間
を確保することができる。鉄筋コンクリート造でもよ
い。
【0046】図16に示す伝達梁手段2は、その基本的
正面形状(輪郭)は、図12に示したものと同じく、ス
パン端部において、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形成
した梁部材21であるが、その構造は、トラス構造を有
する鉄骨造である。梁成Dcを有するスパン中間部は、
平行弦トラス構造をなし、上弦材、下弦材、斜材、束材
により構成されている。上弦材、下弦材、斜材、束材の
各部材を適宜選定し、軽量で、梁成(トラス成,Dc)
の大きなトラス構造を構成することができる。スパン端
部において、スパン方向の下辺がスパン端部からスパン
中間部に向けて、スパン端部の梁成Deから徐々に梁成
が大きくなるように、逆垂直ハンチ(斜辺部22)を形
成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続いてい
る。斜辺部22と上弦材との間には、端部補強プレート
25が設けられている。
【0047】図17に示す伝達梁手段2は、その基本的
正面形状(輪郭)は、図14に示したものと同じく、ス
パン端部において、スパン方向の下辺がスパン端部から
スパン中間部に向けて、スパン端部の梁成Deを保つよ
う水平に所定距離t3だけ連続した後、略垂直の段差2
3を形成して、梁成Dcを有するスパン中間部へと続い
ている梁部材21であるが、その構造は、H形鋼とトラ
スを組み合わせた複合構造である。上弦材としてH形鋼
を用いるとともに、その下に下弦材、束材、斜材で構成
されるトラス構造を設けた、平行弦トラス構造をなし、
この平行弦トラス構造によってスパン中間部が構成され
ている。スパン端部では、上弦材であるH形鋼のみが、
支持柱11Bと剛接合部を形成する。下弦材、斜材、束
材の各部材は適宜選定し得る。この例は、梁成の大きい
剛強な梁を形成することができるので、伝達梁手段2が
支持し得る中間柱32の鉛直力が大きくなり、上部骨組
部3の階数が多い場合に好適である。
【0048】図18に示す伝達梁手段2は、ほぼ階高
(H)に匹敵する梁成Dcを有する壁体26として形成
され、壁体26の下辺と、下階の梁との間に横スリット
26Aを形成し、該横スリット26Aと連続して、支持
柱11Aと壁体26との境界面で壁体26の上方に向か
って所定の長さだけ縦スリット26Bを形成し、スパン
端部の梁成Deが、スパン中間部の梁成Dcより小さい
変断面の壁梁として構成され、スパン端部で、支持柱1
1Bに一体化して剛接合部を形成している例を示す。請
求項6の発明に相当する形態である。壁体26は、鉄骨
鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造により構成し
得る。この例は、梁成の大きいものであるから、伝達梁
手段2が支持し得る中間柱32の鉛直力が大きくなり、
上部骨組部3の階数が多い場合に好適である。壁体26
に横スリット26A及び縦スリット26Bを形成するこ
とによって、本来、水平剛性、水平耐力が極めて高い面
的構造部材である壁体が、変断面を有する、1本の線材
として置換することができる壁梁に変化されている。縦
スリット26Bを形成する範囲(H−De)で柱11B
に可撓部が形成され、変断面の壁梁として形成された壁
体26とによって、全体として一種のラーメン骨組に構
造力学的機構が変化している。外形上は面的構造部材で
ある壁体26が、実質上は、線材からなるラーメン骨組
に変化しているのである。この壁体26を伝達梁手段2
とすることにより、中間柱32からの鉛直力を支持し得
る断面性能(曲げ剛性、せん断剛性、断面耐力)を設定
することが容易となる。そして、支持骨組部の水平剛性
は、壁体26の縦スリット26Bの縦長さを調整するこ
とによって自由に調整することができるので、水平剛性
の低下の調整が容易である。
【0049】図19に示す伝達梁手段2は、図18の伝
達梁手段2を、鉄骨造に変形した例を示す。H形鋼をス
パン全域に横方向に架設し、スパン中間部ではH形鋼の
下方に、たれ壁状の鉄板壁を一体的に付設したものであ
る。スパン中間部は、ほぼ階高に匹敵する梁成Dcを有
するように構成された梁部材21である。この例も、梁
成の大きいものであるから、伝達梁手段2が支持し得る
中間柱32の鉛直力が大きくなり、上部骨組部3の階数
が多い場合に好適である。継手部は、梁成Deを保つ所
定距離t2の間に、H形鋼同士の継手部として設けら
れ、梁・梁の現場継手が可能な構成としている。
【0050】以上説明したように、伝達梁手段2は、常
時の鉛直力支持性能と、地震力に対する耐震性能を具備
するものであればよく、その構造形式は、梁構造部材、
トラス構造、壁梁としての壁体などを使用することがで
きる。また、構造種別は、鉄骨造するのが一般的である
が、これに限定されず、鉄骨コンクリート造、鉄骨鉄筋
コンクリート造、鉄筋コンクリート造、プレストレスト
鉄筋コンクリート造でもよい。
【0051】〔本発明の耐震骨組構造の建物への適用
例〕以下、本発明の耐震骨組構造の建物への適用例につ
いて説明する。 <実施例2>図20は、本発明の耐震骨組構造を適用し
た実施例の建物を示す、桁行方向である正面図である。
この建物では、支持骨組部4の下階に、1以上の階を有
する下部骨組部5を接合している。請求項9,10の発
明に相当する形態である。支持骨組部4は、その上階の
上部骨組部3を支持するとともに、上部骨組部3の鉛直
荷重を下部骨組部5に適切に伝達する。上部骨組部3の
中間柱32に生じる柱軸力(鉛直力)は、支持骨組部4
の伝達梁手段2を介して支持柱11Bに伝達し、支持柱
11Bからその下に位置する下部骨組部5の下部柱11
Cを通って基礎62へと伝達する。したがって、下部骨
組部5は中間柱32による影響を受けないので、任意の
形状のラーメン構造を構成することができる。また、支
持骨組部4と下部骨組部5とが合わさって、上部骨組部
3に対して靭性に富んだ制振的性能を発揮する。図示の
例では、5階から最上階までが住戸階に割り当てられ、
上部骨組部3を構成している。4階が支持骨組部4、1
階〜3階が下部骨組部5を構成し、それぞれ事務所、店
舗などの非住戸階に割り当てられている。
【0052】支持骨組部4の支持柱11Bは、基礎62
上に立設された、下部骨組部5の下部柱11Cに接合さ
れ、各柱11A,11B,11Cは縦方向(階数方向)
に通し柱状に立設された柱部材を形成している。支持骨
組部4において、伝達梁手段2は、図16に示した形態
のトラス構造を有する鉄骨造の梁部材21を用いてい
る。下部骨組部5は、各スパンとも、下部柱11Cと、
下部柱11Cを連結する梁51とにより、ラーメン構造
を構成している。
【0053】<実施例3>図21は、本発明の耐震骨組
構造を適用した実施例の建物を示す、桁行方向である正
面図である。図20に示したものと同じく、支持骨組部
4の下階に、1以上の階を有する下部骨組部5を接合し
ている。請求項9,10の発明に相当する形態である。
【0054】支持骨組部4の支持柱11Bは、基礎62
上に立設された、下部骨組部5の下部柱11Cに接合さ
れ、各柱11A,11B,11Cは縦方向(階数方向)
に通し柱状に立設された柱部材を形成している。支持骨
組部4において、伝達梁手段2は、図18に示した形態
の、横スリット及び縦スリットを形成した壁体26によ
り構成されている。下部骨組部5は、各スパンとも、下
部柱11Cと、下部柱11Cを連結する梁51とによ
り、ラーメン構造を構成している。
【0055】この建物では、5階から最上階までが住戸
階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。4階
が支持骨組部4、1階〜3階が下部骨組部5を構成す
る。この場合、請求項11の発明に相当する形態を採る
のが好ましい。すなわち、支持骨組部4を設備階として
構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非
住戸階を下部骨組部5で構成する。そして、図22に示
すように、設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床
構造体で遮断し、住戸階の設備用の縦配管類8を、設備
階で屈曲させ、水平方向に横引きして、非住戸階の室内
空間又は建物の外部に導くとよい。耐火構造とは、建築
物の部位別、階別に耐火性能を定め、その性能を有する
構造として建設大臣が指定したものをいう。例えば、鉄
筋コンクリート構造のスラブ(床構造体)は、耐火構造
である。設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構
造体(床スラブ)で遮断することによって、階数方向の
延焼防止が防止され、防災性能が高まるものとなる。
【0056】<実施例4>図23は、本発明の耐震骨組
構造を適用した実施例の建物を示す、桁行方向である正
面図である。支持骨組部4の下階に、1以上の階を有す
る下部骨組部5を接合している。この建物では、4階〜
最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構
成している。2〜3階が支持骨組部4、地階〜1階が下
部骨組部5を構成する。支持骨組部4の支持柱11B
は、基礎62上に立設された、下部骨組部5の下部柱1
1Cに接合され、縦方向(階数方向)に通し柱状に立設
された柱部材を形成している。下部骨組部5は、各スパ
ンとも、下部柱11Cと、下部柱11Cを連結する梁5
1とにより、ラーメン構造を構成している。下部骨組部
5の一部は地下階を構成している。地下階は、左右に1
スパンずつ拡張されている。支持骨組部4において、伝
達梁手段2は、図11に示した形態の梁部材21を用い
ている。
【0057】また、支持骨組部4は、伝達梁手段2を設
けた複数階(この建物では2階分)を有している。さら
に、支持骨組部4における上の階では、伝達梁手段2
(21)の下辺中央部と、その下の階の伝達梁手段2の
上辺中央部とを連結する補助柱42を付加している。補
助柱42は、上階の中間柱32と同一位置に立設されて
いるので、中間柱32の鉛直力(柱軸力)は、2階分の
伝達梁手段によって支持される。これにより、上部骨組
部の階数をさらに増やすこと(高層化)に対応し得る。
【0058】<実施例5>図24は、本発明の耐震骨組
構造を適用した実施例の建物を示す、桁行方向である正
面図である。支持骨組部4の下階に、1以上の階を有す
る下部骨組部5を接合している。この建物では、左及び
中央のスパン(X1〜X3)では4階〜最上階までが住
戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成し、右のスパ
ン(X3〜X4)では、左及び中央のスパンにおける5
階位置から最上階までが住戸階に割り当てられ、上部骨
組部3を構成している。すわなち、右のスパンでは、左
及び中央のスパンにおける伝達梁手段2が、階数方向に
(1階分上に)スキップ配置されており、右のスパンで
は、支持骨組部4の階高が、左及び中央のスパンにおけ
る階高より1階分大きく、より広い空間が確保されてい
る。地階〜2階の下部骨組部5の構成は、図23と同様
である。
【0059】また、最上階の屋根に頂部梁手段(頂部懸
垂梁手段)15を設けている。この頂部梁手段15は、
トラス構造体により構成し得る。中間柱32は、頂部梁
手段15と伝達梁手段2の両方に支持されるので、伝達
梁手段2に加わる鉛直力が緩和される。
【0060】<実施例6>図25は、本発明の耐震骨組
構造を適用した実施例の建物を示す、桁行方向である正
面図である。支持骨組部4の下階に、1以上の階を有す
る下部骨組部5を接合している。5階から最上階までが
住戸階に割り当てられ、上部骨組部3を構成している。
4階が支持骨組部4、1階〜3階が下部骨組部5を構成
する。
【0061】この建物では、左のスパン(X1〜X2)
では、下部骨組部5は、ラーメン構造に耐震壁53を組
みこんだ耐震壁構造を構成している。中央のスパン(X
2〜X3)では、下部骨組部5は、梁51を設けてラー
メン構造を構成しており、また、上部骨組部3には、上
部柱11A間において2本の中間柱32,32が伝達梁
手段2から立設されている。このように、1スパンの伝
達梁手段2に複数本の中間柱32を立設させてもよい。
右のスパン(X3〜X4)では、上部骨組部3には、中
間柱11Bが設けられておらず、また、下部骨組部5
は、ラーメン構造に耐震壁53を組みこんだ耐震壁構造
を構成している。下部骨組部5(1階〜3階)は、左右
に1スパンずつ付加されたラーメン構造部7を有する。
【0062】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨の範囲で適宜、付加、変形等なし得るもので
ある。本発明を集合住宅の桁行方向の構造物に適用した
例を示したが、本発明はこれに限定されるものではな
く、集合住宅の桁行方向以外の構造物にも適用可能であ
る。集合住宅の基準階の平面形式は片廊下方式、中廊下
方式に限定されず、中空コアー方式、雁行方式等でもよ
い。また、建物の用途も集合住宅に限定されず、事務
所、ホテル等の建物の構造物にも幅広く適用できる。さ
らに、建物の階数も、低層から高層、超高層に至るまで
適用できる。請求項11の発明は、図20、図23、図
24、図25に示したような実施例においても適用する
ことができる。下部骨組部5は1以上の階を有するもの
であればよい。
【0063】上部骨組部、支持骨組部、下部骨組部の構
造種別は、鉄骨造、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC
造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨コンクリー
ト造(SC造)が一般的であるが、本発明はこれらの構
造種別に限定されるのではなく、それぞれの機能を発揮
できるものであれば他のものでもよい。高層建物では、
上部柱、支持柱、下部柱をCFT(コンクリート充填鋼
管)構造で構成し、梁(上部梁、伝達梁、下部梁)を鉄
骨造で構成するのは好適である。このとき、上部梁を、
鉄骨造のH形鋼をコンクリートで被覆したプレキャスト
材で製作してもよい。支持骨組部、下部骨組部は、ラー
メン構造に形成されているが、ラーメン構造の補強耐震
部材として耐震壁、ブレース構造、制振壁、粘弾性ダン
パー、オイルダンパーなどを混用してもよい。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の耐震骨組
構造は、複数階を有する住戸階の下階に、事務所、店舗
などの非住戸階を設けた複合用途に供される建築物に好
適に適用される。また、本発明によれば、経済性を損な
うことなく、水平耐力や水平剛性あるいは靭性等の構造
的特性に富み、建築設計の融通性を大幅に向上させるこ
とのできる耐震骨組構造が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐震骨組構造を適用した実施例1の建
物を示すもので、桁行方向である正面図である。
【図2】図1に示す建物のはり間方向である側面図であ
る。
【図3】図1に示す建物の2階以上の階の平面図
【図4】図1に示す建物の1階の平面図である。
【図5】中間柱の軸力(鉛直力)の基礎への伝達経路を
示す説明図である。
【図6】本発明の構造的特徴を示す説明図である。
【図7】本発明の構造的特徴を示す説明図である。
【図8】本発明の構造的特徴を示す説明図である。
【図9】本発明の構造的特徴を示す説明図である。
【図10】本発明の構造的特徴を示す説明図である。
【図11】伝達梁手段2を例示するもので、(a)は正
面図、(b)は(a)のb−b断面図、(c)は(a)
のc−c断面図である。
【図12】伝達梁手段2の態様を例示する正面図であ
る。
【図13】伝達梁手段2の態様を例示するもので、
(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図であ
る。
【図14】伝達梁手段2の態様を例示する正面図であ
る。
【図15】伝達梁手段2の態様を例示する正面図であ
る。
【図16】伝達梁手段2の態様を例示する正面図であ
る。
【図17】伝達梁手段2の態様を例示するもので、
(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図であ
る。
【図18】伝達梁手段2の態様を例示する正面図であ
る。
【図19】伝達梁手段2の態様を例示するもので、
(a)は正面図、(b)は(a)のb−b断面図であ
る。
【図20】本発明の耐震骨組構造を適用した実施例の建
物を示す、桁行方向である正面図である。
【図21】本発明の耐震骨組構造を適用した実施例の建
物を示す、桁行方向である正面図である。
【図22】図21に示す建物の支持骨組部4近傍の拡大
正面図である。
【図23】本発明の耐震骨組構造を適用した実施例の建
物を示す、桁行方向である正面図である。
【図24】本発明の耐震骨組構造を適用した実施例の建
物を示す、桁行方向である正面図である。
【図25】本発明の耐震骨組構造を適用した実施例の建
物を示す、桁行方向である正面図である。
【図26】従来例の建物の構造を示す平面図である。
【図27】従来例の建物の構造を示す正面図(桁行方
向)である。
【符号の説明】
1 建物本体 2 伝達梁手段 3 上部骨組部 4 支持骨組部 5 下部骨組部 6 基礎構造部 11A 上部柱 11B 支持柱 11C 下部柱 21 梁部材 26 壁体 31 上部梁 32 中間柱

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数階を有する上部骨組部の下階に、1
    以上の階を有する支持骨組部を接合した耐震骨組構造で
    あって、 上部骨組部は、上部柱と、上部柱の間に設けた中間柱
    と、これらを横方向に連結する上部梁と、を備えたラー
    メン構造をなし、 支持骨組部は、上部柱に接合された支持柱と、その支持
    柱を横方向に連結する伝達梁手段とを備えたラーメン構
    造をなし、 中間柱の最下階の柱脚部は、伝達梁手段のスパン中間部
    から立設された、ことを特徴とする耐震骨組構造。
  2. 【請求項2】 伝達梁手段は、スパン端部の梁成が、ス
    パン中間部の梁成より小さい変断面の梁として構成さ
    れ、 スパン端部で、支持柱と一体化して剛接合部を形成して
    いる、ことを特徴とする請求項1に記載の耐震骨組構
    造。
  3. 【請求項3】 伝達梁手段は、スパン方向の上辺を直線
    状に形成するとともに、スパン方向の下辺のスパン端部
    に、逆垂直ハンチを設けることによって、スパン端部の
    梁成をスパン中間部の梁成より小さくした、ことを特徴
    とする請求項2に記載の耐震骨組構造。
  4. 【請求項4】 伝達梁手段は、スパン端部の下辺に段差
    を設けることによって逆ドロップハンチを形成し、スパ
    ン端部の梁成をスパン中間部の梁成より小さくした、こ
    とを特徴とする請求項2に記載の耐震骨組構造。
  5. 【請求項5】 伝達梁手段は、鉄骨造のトラス構造を備
    えた、ことを特徴とする請求項1から4項のいずれかに
    記載の耐震骨組構造。
  6. 【請求項6】 伝達梁手段は、ほぼ階高に相当する梁成
    を有する壁体として形成され、 壁体の下辺と、下階の梁との間に横スリットを形成し、 該横スリットと連続して、支持柱と壁体との境界面で壁
    体の上方に向かって所定の長さだけ縦スリットを形成
    し、 スパン端部の梁成が、スパン中間部の梁成より小さい変
    断面の壁梁として構成され、 スパン端部で、支持柱に一体化して剛接合部を形成して
    いる、ことを特徴とする請求項1に記載の耐震骨組構
    造。
  7. 【請求項7】 耐震骨組構造体の終局耐力時に、伝達梁
    手段と支持柱との剛接合部近傍の位置に、伝達梁手段の
    断面降伏耐力を支持柱の断面降伏耐力よりも小さくする
    ことによって梁降伏型の降伏ヒンジを形成する、ことを
    特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の耐震骨組構
    造。
  8. 【請求項8】 支持骨組部の階全体の水平剛性を、上部
    骨組部の階全体の水平剛性よりも小さくすることによっ
    て、支持骨組部は地震時に制振的性能を有する、ことを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の耐震骨組構
    造。
  9. 【請求項9】 支持骨組部の下階に、1以上の階を有す
    る下部骨組部を接合した、ことを特徴とする請求項1〜
    8のいずれかに記載の耐震骨組構造。
  10. 【請求項10】 複数階を有する住戸階の下階に、事務
    所、店舗などの非住戸階を設けた複合用途に供される建
    築物を構成する、ことを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載の耐震骨組構造。
  11. 【請求項11】 複数階を有する住戸階を上部骨組部で
    構成し、住戸階の下階に配設した設備階を支持骨組部で
    構成し、設備階の下階に配設した事務所、店舗などの非
    住戸階を下部骨組部で構成し、 設備階と非住戸階との境界面を耐火構造の床構造体で遮
    断し、 住戸階の設備用の縦配管類を、設備階で屈曲させ、水平
    方向に横引きして非住戸階の室内空間又は建物の外部に
    導いた、ことを特徴とする請求項9に記載の耐震骨組構
    造。
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