JP2001329386A - 金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法 - Google Patents

金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法

Info

Publication number
JP2001329386A
JP2001329386A JP2000148058A JP2000148058A JP2001329386A JP 2001329386 A JP2001329386 A JP 2001329386A JP 2000148058 A JP2000148058 A JP 2000148058A JP 2000148058 A JP2000148058 A JP 2000148058A JP 2001329386 A JP2001329386 A JP 2001329386A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
metal
acrylic acid
weight
test
corrosion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000148058A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyoshi Nishigori
弘宜 錦織
Masatsune Okuma
正恒 大熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Katayama Chemical Inc
Original Assignee
Katayama Chemical Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Katayama Chemical Inc filed Critical Katayama Chemical Inc
Priority to JP2000148058A priority Critical patent/JP2001329386A/ja
Publication of JP2001329386A publication Critical patent/JP2001329386A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Preventing Corrosion Or Incrustation Of Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境への影響が少なく、かつ優れた金属防食
効果を発揮する金属防食剤を提供することを課題とす
る。 【解決手段】 アクリル酸またはアクリル酸のアルカリ
金属塩あるいはアンモニウム塩の50〜90重量%とア
クリル酸メチルの10〜50重量%とを共重合して得ら
れる重量平均分子量2000〜15000を有するアク
リル酸系共重合物を有効成分として含有することを特徴
とする金属防食剤により、上記の課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、金属防食剤に関
する。さらに詳しくは、この発明は、水と金属とが接触
して金属の腐食が発生する環境において、水に添加して
金属の腐食を防止する金属防食剤に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸気製造装置、加熱系、化学反応プラン
ト、冷却水系などの装置においては、その装置を構成す
る金属(鉄、軟鋼、鋳鉄など)と水とが常時接触してお
り、水と接触する金属面の腐食が発生しやすい。このよ
うな腐食を防止するために、従来から種々の金属防食剤
が提案され、使用されている。
【0003】冷却水系は、1)冷却塔で循環水の一部を
蒸発させて冷却する開放循環式冷却水系、2)冷媒など
で間接的に循環水の熱を吸収し、原則的には大気と接触
する必要のない密閉循環式冷却水系、および3)一過式
冷却水系に大別される。開放循環式冷却水系は、石油精
製工場、石油化学工場、化学工場などにおける製品の冷
却や冷凍機冷媒の冷却などに広く利用され、特に淡水を
用いた冷却水系において最も多く利用されている。密閉
循環式冷却水系は、エンジンや軸受けなどの機器の冷却
水系、ビルの冷温水系などに利用されている。また、一
過式冷却水系は、種々の工場の製品の冷却や冷凍機冷媒
の冷却および密閉循環式冷却水の二次冷却の手段として
利用されている。
【0004】上記の開放循環式冷却水系には、リン酸
塩、重合リン酸塩やホスホン酸塩などのリン化合物、亜
鉛塩などの重金属化合物、種々の低分子量ポリマーなど
の金属防食剤が用いられてきた。リン化合物や重金属化
合物は水質汚染の原因となるため、排水規制対象物質と
なっており、その使用が制限される傾向にある。しかし
ながら、これらの金属防食剤は優れた防食効果を有し、
かつ安価であることから、現在も使用されている系が少
なくない。
【0005】この発明の有効成分であるアクリル酸また
はアクリル酸のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム塩
の50〜90重量%とアクリル酸メチルの10〜50重
量%とを共重合して得られる重量平均分子量2000〜
15000を有するアクリル酸系共重合物は、塗被紙用
顔料の分散剤およびスケール防止剤として公知である
(例えば、特公昭46−23763号公報参照)。しか
しながら、これらのアクリル酸系共重合物の金属防食剤
としての用途は知られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、環境への
影響が少なく、かつ優れた金属防食効果を発揮する金属
防食剤を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の発明者らは、
環境への影響が少ない化合物で、特に開放循環式冷却水
系において金属防食効果を有する薬剤について鋭意研究
した結果、従来からスケール防止剤および分散剤として
公知のアクリル酸系共重合物が、意外にも金属防食効果
を発揮する事実を見出し、この発明を完成するに到っ
た。
【0008】かくしてこの発明によれば、アクリル酸ま
たはアクリル酸のアルカリ金属塩あるいはアンモニウム
塩の50〜90重量%とアクリル酸メチルの10〜50
重量%とを共重合して得られる重量平均分子量2000
〜15000を有するアクリル酸系共重合物(以下、
「アクリル酸系共重合物」と称する)を有効成分として
含有することを特徴とする金属防食剤が提供される。
【0009】また、この発明によれば、防食対象水系
に、上記の金属防食剤を、有効成分濃度として5〜20
0mg/lとなるように添加することを特徴とする金属
防食方法が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】この発明の有効成分であるアクリ
ル酸系共重合物は、アクリル酸またはアクリル酸のアル
カリ金属塩あるいはアンモニウム塩の50〜90重量%
とアクリル酸メチルの10〜50重量%とを共重合して
得られる重量平均分子量2000〜15000を有する
共重合物である。
【0011】このアクリル酸系共重合物を構成するのに
用いられるアクリル酸のアルカリ金属塩としては、アク
リル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸リ
チウムなどが挙げられ、中でもアクリル酸ナトリウムが
特に好ましい。
【0012】アクリル酸系共重合物としては、例えば、
アクリル酸とアクリル酸メチル、アクリル酸ナトリウム
とアクリル酸メチルおよびアクリル酸アンモニウムとア
クリル酸メチルの組み合わせで共重合して得られる共重
合物が好ましい。
【0013】この発明のアクリル酸系共重合物は、水溶
液重合法、溶液重合法などの公知の方法により得ること
ができ、中でも溶液重合法が好ましい。例えば、アクリ
ル酸とアクリル酸メチルを原料として、メタノール、イ
ソプロパノールなどの有機溶剤中で、第三級ブチルヒド
ロペルオキシドのような有機過酸化物またはアゾビスイ
ソブチロニトリルのような有機アゾ化合物などの公知の
重合開始剤を0.05〜10%程度用いて、50〜15
0℃程度で1〜15時間程度反応させ、脱溶剤した後、
アルカリ金属水酸化物などを使用して常法によって中和
することにより得られる。
【0014】このようにして得られるアクリル酸系共重
合物の重量平均分子量は、金属防食効果および合成の容
易性の点から、2000〜15000が好ましく、50
00〜13000がさらに好ましい。
【0015】この発明の有効成分であるアクリル酸系共
重合物は、例えば、スケール防止剤および分散剤として
市販されているものを好適に用いることができる。
【0016】この発明の金属防食剤は、用途・目的に応
じて防食対象水系中に適宜添加されて用いられるが、通
常、防食対象水系中に有効成分濃度として、5〜200
mg/l添加するのが好ましく、12〜80mg/l添
加するのがより好ましく、20〜40mg/l添加する
のが特に好ましい。この発明の金属防食剤は、水溶液の
形態で添加することができる。
【0017】この発明の金属防食剤の防食対象水系とし
ては、蒸気製造装置、加熱系、化学反応プラント、冷却
水系などの装置が挙げられる。冷却水系は、開放循環式
冷却水系、密閉循環式冷却水系および一過式冷却水系に
大別されるが、この発明の金属防食剤は、石油精製工
場、石油化学工場、化学工場などにおける製品の冷却や
冷凍機冷媒の冷却などに広く利用される開放循環式冷却
水系に好適に用いることができる。
【0018】この発明の金属防食剤は、上記の有効成分
を必須成分とするものであるが、この発明の金属防食効
果が阻害されない範囲で、公知の金属防食剤を併用して
もよい。
【0019】公知の金属防食剤としては、例えば、亜硝
酸塩のような無機系金属防食剤、コハク酸ナトリウム、
グルコン酸ナトリウム、リンゴ酸ナトリウムなどのオキ
シカルボン酸塩、グルコースのような糖類などの有機系
金属防食剤が挙げられる。また、リン酸塩、重合リン酸
塩やホスホン酸塩などのリン化合物、亜鉛塩やモリブデ
ン酸塩などの重金属化合物のような金属防食剤も環境に
負荷を与えない範囲で併用することができる。また、こ
の発明の金属防食剤は、さらに他の分散剤、殺菌・静菌
剤などを含有してもよい。
【0020】
【実施例】この発明を以下の試験例により具体的に説明
するが、これがこの発明の範囲を限定するものではな
い。
【0021】試験例1〔二重管式伝熱面腐食試験〕 図1に示す装置を用いて、表1に示す試験水に表3およ
び表4に示す供試薬剤A〜Hを所定量添加して、表2に
示す試験条件で二重管式伝熱面腐食試験を行なった。な
お、供試薬剤A〜Hは、いずれも各組成の有効成分(固
形分)の40重量%水溶液として使用した。表3および
表4中の添加量は、各供試薬剤の有効成分濃度を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】操作については、検水ピット2に試験水1
1を入れ、マグネットポンプ6aにより循環させ、温水
ピット10には温水(純水)12を入れ、マグネットポ
ンプ6bにより循環させ、循環開始をもって試験開始と
した。テストチューブとしては、低炭素鋼(軟鋼、JI
S規格:STPG−38)を用いた。テスト部分8は、
チューブの二重構造で、外側に試験水11が流れ、内側
に温水12が流れ、チューブ部分が伝熱面となる構造で
ある。試験水11の水温は、冷却水ピット1、温度セン
サー3a、温度調節器4および電磁弁5により調節し、
温水12は、温度センサー3bおよびヒーター9により
調節した。図中、13aおよび13bは温度調節器4お
よびヒーター9の電源(AC100V)である。すなわ
ち、試験水11の熱源は、テスト部分8のテストチュー
ブからの伝熱のみになるようにした。また、試験水11
と温水12の流量は、それぞれの流量計7およびバルブ
(図示しない)により調節した。
【0025】試験終了後、テストチューブを酸洗し、そ
の重量を測定して、この測定値と試験前に予め測定して
おいたテストチューブの重量との重量差Wfを求めた。
得られた重量差Wfと次式から腐食速度[MDD(mg
/日・dm2)]を求めた。 MDD=[重量差Wf(mg)]/[試験期間(日)×チュ
ーブ面積(dm2)] チューブ面積:テストチューブの外面の表面積 重量差Wf:試験前の重量(mg)−酸洗後の重量(mg) 得られた結果を供試薬剤の組成およびその重量平均分子
量と共に表3に示す。表3中、添加量の項目の数値がM
MDを示す。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【発明の効果】この発明の金属防食剤は、環境への影響
が少なく、優れた金属防食効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の金属防食剤の二重管式伝熱面腐食試
験に用いた装置の概略模式図である。
【符号の説明】
1 冷却水ピット 2 検水ピット 3a、3b 温度センサー 4 温度調節器 5 電磁弁 6a、6b マグネットポンプ 7a、7b 流量計 8 テスト部分 9 ヒーター 10 温水ピット 11 試験水 12 温水 13a、13b 電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J100 AJ02P AK03P AK08P AL03Q CA04 DA01 JA15 4K062 AA03 BC09 CA05 FA05 GA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル酸またはアクリル酸のアルカリ
    金属塩あるいはアンモニウム塩の50〜90重量%とア
    クリル酸メチルの10〜50重量%とを共重合して得ら
    れる重量平均分子量2000〜15000を有するアク
    リル酸系共重合物を有効成分として含有することを特徴
    とする金属防食剤。
  2. 【請求項2】 アクリル酸のアルカリ金属塩あるいはア
    ンモニウム塩が、アクリル酸ナトリウムおよび/または
    アクリル酸アンモニウムである請求項1に記載の金属防
    食剤。
  3. 【請求項3】 防食対象水系に、請求項1に記載の金属
    防食剤を、有効成分濃度として5〜200mg/lとな
    るように添加することを特徴とする金属防食方法。
  4. 【請求項4】 防食対象水系に、請求項2に記載の金属
    防食剤を、有効成分濃度として5〜200mg/lとな
    るように添加することを特徴とする金属防食方法。
JP2000148058A 2000-05-19 2000-05-19 金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法 Pending JP2001329386A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148058A JP2001329386A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000148058A JP2001329386A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001329386A true JP2001329386A (ja) 2001-11-27

Family

ID=18654151

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000148058A Pending JP2001329386A (ja) 2000-05-19 2000-05-19 金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001329386A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4443340A (en) Control of iron induced fouling in water systems
US4237090A (en) Method for inhibiting corrosion in aqueous systems
US5575920A (en) Method of inhibiting scale and controlling corrosion in cooling water systems
CN103771597B (zh) 无磷复合阻垢缓蚀剂及其应用以及循环水的处理方法
CA1187765A (en) Control of iron induced fouling in water systems
JP2010202893A (ja) 腐食及びスケール防止用液体組成物ならびに腐食及びスケールの防止方法
JPS6148590B2 (ja)
US4666609A (en) Water treatment agent
EP0277412A1 (en) Inhibiting corrosion of iron base metals
US6645384B1 (en) Method for inhibiting scale in high-cycle aqueous systems
WO2001029286A1 (en) All-organic corrosion inhibitor composition and uses thereof
JP2008240132A (ja) 腐食抑制剤
JP2848672B2 (ja) 高温水系腐食抑制剤
US20050023506A1 (en) Organic corrosion inhibitors and corrosion control methods for water systems
JP2001329386A (ja) 金属防食剤およびそれを用いた金属防食方法
EP0236220B1 (en) Scale inhibitor and method of inhibiting scale
JP2848671B2 (ja) 高温水系腐食抑制剤
EP0363439A1 (en) Treatment for water systems to inhibit corrosion and scale formation
CA1169873A (en) Aluminum-gluconic acid complex corrosion inhibitor
JPH0478494A (ja) スケール防止剤
JP2845670B2 (ja) 金属防食剤
JP2006233287A (ja) 腐食防止用組成物、及び、腐食防止方法
CN102079585A (zh) 一种高效广谱型水质稳定剂
JPH02436B2 (ja)
JP2845671B2 (ja) 金属防食剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070314

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090421

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090915