JP2001329097A - 熱可塑性樹脂押出発泡体およびその製造方法 - Google Patents

熱可塑性樹脂押出発泡体およびその製造方法

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JP2001329097A
JP2001329097A JP2000150223A JP2000150223A JP2001329097A JP 2001329097 A JP2001329097 A JP 2001329097A JP 2000150223 A JP2000150223 A JP 2000150223A JP 2000150223 A JP2000150223 A JP 2000150223A JP 2001329097 A JP2001329097 A JP 2001329097A
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thermoplastic resin
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foam
cell diameter
parts
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Toru Murayama
徹 村山
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量で断熱性や外部応力に対する緩衝性が良
好である熱可塑性樹脂押出発泡体を提供する. 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂10重量%〜10
0重量%からなる熱可塑性樹脂100重量部に対し,吸
水性物質0.1〜2重量部および造核剤0.01〜5重
量部を加え,加熱溶融混練後,発泡剤および水0.2〜
1.5重量部を圧入し,ついで低圧域に押出発泡させる
ことで,押出方向のセル径,幅方向のセル径,厚さ方向
のセル径について,各方向のセル径の規格化された分散
A,VB,VCの値を,0.2〜1の範囲に制御する.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱可塑性樹脂押出発
泡体およびその製造方法に関する.さらに詳しくは,た
とえば断熱材,緩衝材などに好適に用いられる熱可塑性
樹脂押出発泡体およびその製造方法に関する.
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂押出発泡体としては,たと
えばポリスチレンフォーム,ポリエチレンフォーム,ポ
リプロピレンフォーム,ポリ塩化ビニルフォームなどが
知られている.これらの発泡体は,軽量で断熱性や外部
応力に対する緩衝性が良好であるために,断熱材,緩衝
材,芯材,包装材,食品容器などの用途に幅広く用いら
れている.熱可塑性樹脂押出発泡体が断熱材や緩衝材に
利用され,良好な断熱性や緩衝特性を示すためには,軽
量であり,発泡倍率が高く,セル径が微細であり,さら
にセル構造が均一であることが望ましいといわれてい
る.また,前記熱可塑性樹脂押出発泡体を断熱材や緩衝
材として使用するためには,製造される発泡体の形状が
肉厚な板状であることが便利な場合が多い.熱可塑性樹
脂押出発泡体の製造方法としては種々の方法が知られて
いるが,一般に熱可塑性樹脂に造核剤を加え,加熱溶融
混練後,発泡剤を圧入し,これらの混合物を低圧域へ押
出すことによって発泡剤を蒸発させて熱可塑性樹脂押出
発泡体を製造する方法が採られている.前記方法によっ
て製造された熱可塑性樹脂押出発泡体は,高発泡倍率お
よび均一なセル構造を有する.より優れた断熱性および
緩衝性能を付与するためには,セル径をより微細にする
ことが必要と考えられており,そのためには,たとえば
造核作用の高い造核剤を用いる,二酸化炭素のような難
溶性の発泡剤を用いるなどが有効といわれている.ま
た,発泡剤や造核剤の増量もセル微細化に有効とされて
おり,古くから使われている.たとえば特開平7−13
8403号公報には,造核剤として特定粘度および特定
粒子径のポリ四弗化エチレンを用いることを特徴とする
熱可塑性樹脂押出発泡体の製造方法が開示されている.
また,たとえば特開2000−26646号公報には,
造核剤として特定粒子径のマイカを用いることを特徴と
するプロピレン系樹脂押出発泡体の製造方法が開示され
ている.しかしながら,このような製造方法で得られる
熱可塑性樹脂押出発泡体はセルの微細化が十分とはいえ
ず,本発明が目的とする断熱性は得られない.また,セ
ルのさらなる微細化を進めるために造核剤を増量する
と,発泡速度が速くなり過ぎて発泡体が急激に薄くな
り,満足し得る厚さの熱可塑性樹脂押出発泡体を得るこ
とができない.たとえば特開2000−17098号公
報には,発泡剤として二酸化炭素のみを使用することを
特徴とするスチレン系樹脂押出発泡体およびその製造方
法が開示されている.しかしながら,このような製造法
で得られる熱可塑性樹脂押出発泡体はセルの微細化は実
現できるものの,厚さ方向のセルの異方化が増大するた
めに十分な断熱性を発揮することができない.
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記事情に
鑑みてなされたものであり,優れた断熱性および緩衝性
を有する軽量かつ肉厚な熱可塑性樹脂押出発泡体および
その製造方法を提供することを目的とするものである.
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に第1の発明は,主体となる熱可塑性樹脂がポリプロピ
レン系樹脂10重量%〜100重量%からなる熱可塑性
樹脂押出発泡体であって,押出方向のセル径a1,a2
・・・,an,幅方向のセル径,b1,b2,・・・,
n,厚さ方向のセル径c1,c2,・・・,cnについ
て,
【0005】
【数5】 で定義される各方向の規格化されたセル径の分散VA
B,VCの値が,
【0006】
【数6】 の範囲である熱可塑性樹脂押出発泡体として構成されて
いる.本数式は,各方向のセル径分布に広がりがあるこ
とを意味している.発泡体が断熱材や緩衝材に利用さ
れ,良好な断熱性や緩衝特性を示すためには,セル構造
が均一であることが望ましいといわれているが,セル構
造を積極的に不均一に制御することにより,より高い断
熱性や緩衝特性を有するようになる.これは,以下の理
由によると推定される.セル径分布の広がりが小さい均
一なセル構造であれば,より高い断熱性のためにセル径
をさらに微細化させると,セル膜が非常に薄くなり過ぎ
るためにセル膜が輻射熱を十分に遮蔽することができな
くなり,断熱性が悪化する.セル径分布の広がりが大き
い方と平均のセル膜厚みがより厚くなるため,輻射によ
る伝熱を抑制でき,より高い断熱性を有することができ
る.第2の発明は,ポリプロピレン系樹脂20〜100
重量%からなる熱可塑性樹脂100重量部に対し,吸水
性物質0.1〜2重量部および造核剤0.01〜5重量
部を加え,加熱溶融混練後,発泡剤および水0.2〜
1.5重量部を圧入し,ついで低圧域に押出発泡させ,
押出方向のセル径a1,a2,・・・,an,幅方向のセ
ル径b1,b2,・・・,bn,厚さ方向のセル径c1,c
2,・・・,cnについて,
【0007】
【数7】 で定義される各方向の規格化されたセル径の分散VA
B,VCの値を,
【0008】
【数8】 の範囲とすることを特徴とする熱可塑性樹脂押出発泡体
の製造方法として構成されている.
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用される熱可塑性樹脂
は20〜100重量%のポリプロピレン系樹脂と0〜8
0重量%のその他の熱可塑性樹脂からなる.本発明で使
用されるポリプロピレン系樹脂とは,プロピレン単量体
からなる単位が全体の75〜100重量%,さらには9
0〜100重量%で,その他の共重合成分からなる単位
が0〜25重量%,さらには0〜10重量%である.こ
のようなポリプロピレン系樹脂は,高結晶性,高い剛性
および良好な耐薬品性を保持する点から好ましく,具体
的には,たとえばプロピレンの単独重合体,プロピレン
とエチレン,α−オレフィンまたはジエン系単量体との
ランダムあるいはブロック共重合体,さらには発泡性を
改良したポリプロピレン系樹脂などがあげられる.前記
発泡性を改良したポリプロピレン系樹脂としては,たと
えばプロピレンの単独重合体,プロピレンとエチレン,
α−オレフィンまたはジエン系単量体とのランダムある
いはブロック共重合体などのポリプロピレン系樹脂に,
電子線照射により自由端長鎖枝分れを有し,かつ,歪硬
化性伸び粘度をを付与した改質ポリプロピレン系樹脂が
あげられる.本発明で使用されるその他の熱可塑性樹脂
としては,たとえばポリスチレン系樹脂,ポリエチレン
系樹脂,ポリ塩化ビニル系樹脂などが挙げられる.本発
明で用いられる発泡剤としては,たとえばプロパン,ブ
タン,ペンタン,ヘキサン,ヘプタンなどの脂肪族炭化
水素類;シクロブタン,シクロペンタン,シクロヘキサ
ンなどの脂環式炭化水素類;二酸化炭素,窒素,空気な
どの無機ガス類;たとえばエタノール,メタノールなど
の炭素数1〜4のアルコール類;1−クロロ−1,1−
ジフルオロエタンなどのハロゲン化炭化水素類などを単
独でまたは2種以上併用して用いる.本発明で使用され
る吸水性物質としては,たとえばベントナイト,ラポナ
イトなどの粘土鉱物,含水二酸化ケイ素などを単独でま
たは2種以上併用して用いる.これらの吸水性物質は,
熱可塑性樹脂への溶解度が低い水を押出機内に安定的に
圧入するために必要となる.本発明で使用される造核剤
としては,たとえばタルク粉,炭酸カルシウム粉などが
挙げられ,これらの造核剤は単独でまたは2種以上併用
して用いられる.本発明で使用される水としては,特に
限定はなく,たとえば純水などを用いることができる.
なお,発泡剤と水は押出機に同時に圧入してもよく,ま
た別々に圧入してもよく,本発明はかかる圧入の方法に
よって限定されるものではない.水を圧入することによ
り,通常の大きさのセルと極めて微細なセルが形成され
る.これは以下の理由によると推定される.通常の発泡
剤が押出機内で飽和圧力程度(発泡剤の種類や量に依存
するが,通常は大気圧の10倍以上)で発泡開始するの
に対し,水は大気圧の数倍程度の低圧で発泡開始するた
め,大まかには大小の2種類のセル径のセルをもつ発泡
体を得ることができる.水の量,吸水性物質の量,造核
剤の量,発泡剤の量等を調節することで,本数式を満た
すようにセル径の分散を制御することができる.
【0010】
【実施例】以下,本発明を具体化した実施例につき説明
し,本発明の理解に供する.なお,以下の実施例は本発
明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限
定する性格のものではない.また,特に断らない限り,
「部」は重量部を,「%」は重量%を表す.実施例にお
いては,発泡倍率,,発泡体の厚さ,各方向のセル径の
規格化された分散および熱伝導率を下記の方法に従って
調べた. 1)発泡倍率 得られた押出発泡体の密度を,その発泡体の重量と水没
法により求める体積とから算出し,発泡前の樹脂の密度
を発泡体の密度で除することにより発泡倍率を算出す
る. 2)発泡体厚さ 得られた押出発泡体の押出方向に直交する面で切り出
し,その厚さを測定する. 3)各方向のセル径の規格化された分散 得られた押出発泡体の押出方向に沿った縦断面および押
出方向に直交する横断面を走査型電子顕微鏡((株)日
立製作所製,品番:S−450)にて30倍に拡大して
写真撮影し,撮影した写真を乾式複写機で複写する.該
複写した画像に対し,発泡体の押出方向,幅方向,厚さ
方向のそれぞれに3ないし5本の直線を引く.なお,各
直線は画像の端部に位置する部分的に欠けたセルを除い
て引く.それぞれの直線上に含まれるセル個数で線長を
除することで,それぞれの方向のセル径の平均値A,
B,Cを求める.また,直線上に含まれる個々のセルの
線長を本数式の但し書きの式に代入することにより,そ
れぞれの方向のセル径の規格化された分散VA,VB,V
Cを求める. 4)熱伝導率 熱伝導率は,JIS A9511に準じて測定する.測
定に当たっては,発泡体の中央部から試験片を切り出す
とともに,製造後6ヶ月を経過した時点で測定する. (実施例1)ポリプロピレン樹脂(モンテル社製,PF
−814)100重量%からなる熱可塑性樹脂100重
量部に,造核剤としてタルク0.05重量部,吸水性物
質としてベントナイト0.5重量部を添加してリボンブ
レンダーで混合した.この混合物を1時間当たり40k
gの割合で押出機に投入し,押出機中で230℃に加熱
して混練しながら,イソブタン100重量%からなる発
泡剤を樹脂100部に対して総量15重量部の割合で注
入し,また,水を樹脂100重量部に対して1重量部の
割合で注入し,冷却兼混合機を通じて140℃にし,目
開きの間隔が3mmのスリットと流路面がフッ素樹脂コ
ーティングされた厚さ方向間隔60mmの成形金型を介
して押出発泡し,板状のポリプロピレン系樹脂押出発泡
体を得る.その評価結果を表1に示す.得られる発泡体
は本数式を満たしており,断熱性に優れる発泡体であ
る. (実施例2〜5)主として熱可塑性樹脂,発泡剤,造核
剤および吸水性物質の組成および量を表1に示すごとく
変更するほかは,実施例1と同じ操作を行い発泡体を得
る.なお,実施例3,4,5については,2種の熱可塑
性樹脂の相溶化剤として,スチレン−エチレンプロピレ
ン−スチレンブロック共重合体(クラレ製,SEPTO
N2104)を,熱可塑性樹脂100重量部に対して5
重量部添加した.その評価結果を表1に示す.得られる
発泡体は実施例1の発泡体と同様に本数式を満たしてお
り,断熱性に優れる発泡体である. (比較例1〜5)主として熱可塑性樹脂,発泡剤,造核
剤および吸水性物質の種類および組成を表2に示すごと
く変更するほかは,実施例1と同じ操作を行い発泡体を
得る.なお,比較例4,5については,2種の熱可塑性
樹脂の相溶化剤として,スチレン−エチレンプロピレン
−スチレンブロック共重合体(クラレ製,SEPTON
2104)を,熱可塑性樹脂100重量部に対して5重
量部添加した.その評価結果を表2に示す.得られる発
泡体は本数式を満たしておらず,断熱性に劣る発泡体で
ある.
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】
【発明の効果】本発明の製造法により得られる熱可塑性
樹脂押出発泡体は,従来の熱可塑性樹脂押出発泡体に比
して優れた断熱性および緩衝性を有するという効果があ
り,断熱材,緩衝材などに好適に使用しうるものであ
る.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F074 AA17B AA24 AA32 AA32B AA97 AA98 AC36 AG17 AG20 BA34 BA38 BA73 CA22 CC04X CC22X CC34Y DA02 DA03 DA07 DA23 DA32 DA33 4J002 BB02X BB12W BB14W BB15W BC02X BD03X BP02W BP03W DE018 DE029 DE237 DF008 DJ016 DJ036 DJ047 EA018 EA028 EB068 EC038 FD206 FD207 FD328 FD329

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主体となる熱可塑性樹脂がポリプロピレ
    ン系樹脂10重量%〜100重量%からなる熱可塑性樹
    脂押出発泡体であって,押出方向のセル径a 1,a2,・
    ・・,an,幅方向のセル径b1,b2,・・・,bn,厚
    さ方向のセル径c1,c2,・・・,cnについて, 【数1】 で定義される各方向の規格化されたセル径の分散VA
    B,VCの値が, 【数2】 の範囲である熱可塑性樹脂押出発泡体.
  2. 【請求項2】 ポリプロピレン系樹脂20〜100重量
    %からなる熱可塑性樹脂100重量部に対し,吸水性物
    質0.1〜2重量部および造核剤0.01〜5重量部を
    加え,加熱溶融混練後,発泡剤および水0.2〜1.5
    重量部を圧入し,ついで低圧域に押出発泡させることに
    より,押出方向のセル径a1,a2,・・・,an,幅方
    向のセル径,b1,b2,・・・,bn,厚さ方向のセル
    径c1,c2,・・・,cnについて, 【数3】 で定義される各方向の規格化されたセル径の分散VA
    B,VCの値を, 【数4】 の範囲とすることを特徴とする熱可塑性樹脂押出発泡体
    の製造方法.
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009527634A (ja) * 2006-02-22 2009-07-30 パクティヴ・コーポレーション ギ酸メチルをベースとする発泡剤を用いて製造される膨張・押出ポリオレフィンフォーム
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