JP2001324410A - 反射シートの評価方法及び輝度測定装置 - Google Patents
反射シートの評価方法及び輝度測定装置Info
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- JP2001324410A JP2001324410A JP2000143828A JP2000143828A JP2001324410A JP 2001324410 A JP2001324410 A JP 2001324410A JP 2000143828 A JP2000143828 A JP 2000143828A JP 2000143828 A JP2000143828 A JP 2000143828A JP 2001324410 A JP2001324410 A JP 2001324410A
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Abstract
して使用でき、未使用時の基準値と比較可能なデータを
正確かつ容易に得ることができる反射シートの評価方法
及び輝度測定装置を提供する。 【解決手段】 反射シート91の反射面92に所定の照
度と所定の入射角とをもって光源1からの光(V1)を
照射し、光源1に対して所定の相対位置関係をもって配
置された輝度計ユニット2によって、光源1の光(V
1)を反射面92が反射して形成した反射光(V2)の
輝度を実測し、一方、反射面92と光源1との間の距離
(D1)を実測し、その距離(D1)を用いて実際に反
射面92に到達した光の到達照度を求め、標準の光源照
度を含む標準条件で測定されたと見なせる様に、実測輝
度、またはその輝度から求めた反射性能を補正値に変換
し、別途、標準条件において測定された未使用反射シー
トの輝度、または反射性能を基準値とし、基準値と補正
値とを比較することにより、使用中反射シート91の輝
度または反射性能の変化度合いを評価する。
Description
造物に固定して使用する反射シートの反射性能の変化度
合いを評価する反射シートの評価方法に関し、更に詳細
には、JIS規格等の標準測定条件(標準条件)におい
て測定された未使用反射シートの輝度を基準値とし、標
準条件とは異なる実際の測定条件において実測された輝
度を、使用中反射シートの反射面と光源との間で実測さ
れた距離の値を用い、標準条件において測定されたと見
なせる補正値に変換し、その補正値と基準値とを比較し
て、反射性能の変化度合いを評価する反射シートの評価
方法に関する。
常、再帰反射シートと呼ばれる反射シートが広く使用さ
れている。再帰反射シートを利用した標識システムは、
たとえば、特許第2910868号公報(対応米国特許
第5,818,640号)に開示されている。この公報
に開示の標識システムは、再帰反射シートを表面に配置
した標識と、それを照明する光源とを備える、外照方式
のシステムである。道路標識は、道路の鉛直上方の比較
的高い位置に配置されることが多い。
された再帰反射シートも知られている。これらの再帰反
射シートは、ガラスビーズやプリズム素子等の光学屈折
素子と、金属蒸着膜等の反射素子とを備えている。ま
た、キューブコーナープリズムと呼ばれるプリズム素子
の場合、反射素子を用いることなく、プリズムの持つ全
反射作用を有効に利用して、光を所定の方向に反射させ
ることもできる。プリズム素子は、通常ポリマーから形
成される。また、ガラスビーズの表面は、透明なポリマ
ーフィルムでカバーされている。
高い反射性能(反射輝度や再帰反射係数)を維持し、使
用可能である。しかしながら、上記の様な再帰反射シー
トの構成材料(ポリマーや金属蒸着膜等)の化学的、物
理的な変化に伴い、少しづつではあるが、反射性能は経
時で低下する。また、比較的厳しい規格のもとで使用さ
れる場合も多い。たとえば、道路標識の分野がそうであ
る。この分野では、反射シートの使用中に反射性能低下
の度合いを、現場で測定したデータから評価し、その反
射シートの交換が必要か否かを判断するために、定期的
に調査を実施している。
用いて実施される。一定の標準測定条件(光源照度、入
射角、及び観測角)で測定された未使用の反射シートの
反射性能(基準値)と、同じ標準条件で測定された使用
中の反射シートの反射性能(比較値)とを比較し、基準
値に対する比較値の低下度合い(減少百分率や保持百分
率)を算出し、評価する。なお、基準値のデータは、通
常JISZ 9117の7.3に準じて、測定室内で測
定される。
に所定の照度と所定の入射角とで光を照射可能な光源
と、前記光源からの光を前記反射面が反射して形成した
反射光のを受光し、反射輝度を測定する輝度計とを組合
せて使用する。作業標準にしたがい、光源と反射シート
と間の距離、及びを輝度計と反射シートと間の距離を所
定の値に保ち測定を行う。また、反射面に対する光の入
射角、及び反射面に対する輝度計の観測角は、通常変更
可能であり、目的に応じて、それぞれ所定の値に決めて
測定を行う。すなわち、上記距離、入射角及び観測角
が、既知の値であることを前提として、輝度の測定値を
取り扱える。したがって、一定の標準条件で測定された
未使用時のデータである基準値と、同じ標準条件で測定
された使用中の比較値とを比較し、基準値に対する比較
値の低下度合いを算出し、評価することができる。
(設置したまま)の標識に対して測定することはできな
い。使用中の標識の状態を知るには、標識から標識板を
取り外し、それを規定寸法の試料を作製する様に切断す
る等、試料準備操作が必要である。すなわち、現場で使
用中の反射シートの交換が必要か否かを評価するための
データを得るには、非破壊測定が必須である。したがっ
て、この様な方法は上記の様な調査には利用できない。
した再帰反射シートの反射輝度等の反射性能を測定する
ために、携帯用測定装置を使用することができる。この
様な携帯用の装置は、光源と輝度計ユニットとが一体化
された装置である。したがって、現場に装置を持って行
き、使用中状態の反射シートについて反射性能を測定で
き、シートの非破壊測定が可能である。この様な携帯用
測定装置を使用した実例については、たとえば、桜仕会
(警視庁関連)が昭和60年にまとめた、「道路標識の
経年腐食調査および耐用年数設定に関する報告書」に記
載されている。
携帯用測定装置の場合、光源と反射シート反射面との距
離を一定に保つ様に、反射面に測定装置の発光部及び受
光部(輝度計ユニット)を接触させながら測定しなけれ
ばならなかった。これは、次の様な理由からであった。
光源とシート反射面との距離が異なると、反射面におけ
る実際の照度等の測定条件が異なる。たとえば、環境照
度の影響や、光が通過する大気中に粉塵等の障害物が存
在しない限り、実際の照度(到達照度と呼ばれる。)は
距離の2乗に反比例する。したがって、光源とシート反
射面との距離が不明である場合、到達照度が不明の条件
で測定されたデータを得ることになる。この様なデータ
を比較値として基準値と比較しても、反射シートの反射
性能の低下度合いを正確に評価することができない。
常、道路の走行車線やその周辺に設置されている。ま
た、標識(反射シート)が比較的高所に設置されている
場合が多い。この様な場合、測定装置をその設置高さに
まで上げる必要があり、そのために高所作業車等の特殊
車両が必要であった。また、測定作業者の手元や足元が
明るく見えないと、安全かつ正確な作業が非常に困難に
なるので、通常、昼間に測定作業を行う。しかも、測定
作業用スペース確保のためには、走行車線全面において
交通規制を行う場合がしばしばあり、かなり不便であっ
た。さらに、1つの標識を測定するのに、比較的長い時
間がかかり、膨大な費用(特殊車両費用、車線規制費用
等を含む。)を要することもあった。
詳細に検討した結果、本発明を成すに至った。すなわ
ち、本発明の第1の目的は、輝度測定装置自体を標識か
ら離して使用し、未使用時の基準値と比較可能な比較値
(補正値)を正確かつ容易に求めることができ、その比
較値と基準値とを比較して、反射性能の変化度合いを評
価する反射シートの評価方法を提供することにある。ま
た、本発明の第2の目的は、非破壊測定が可能で、装置
自体を標識から離して使用でき、未使用時の基準値と比
較可能なデータを正確かつ容易に得ることができる輝度
測定装置を提供することにある。
れば、反射シートが固定されて使用されている現場にお
いて、前記使用中反射シートの反射面に所定の照度と所
定の入射角とをもって光源からの光を照射し、前記光源
に対して所定の相対位置関係をもって配置された輝度計
ユニットによって、前記光源の光を前記反射面が反射し
て形成した反射光の輝度を実測し、一方、前記反射面と
前記光源との間の距離を実測し、その距離を用いて実際
に前記反射面に到達した光の到達照度を求め、標準の光
源照度を含む標準条件で測定されたと見なせる様に、前
記実測輝度、またはその輝度から求めた反射性能を補正
値に変換し、別途、前記標準条件において測定された未
使用反射シートの輝度、または反射性能を基準値とし、
前記基準値と、前記補正値とを比較することにより、前
記使用中反射シートの輝度または反射性能の変化度合い
を評価することを特徴とする反射シートの評価方法が提
供される。
射面に所定の照度と所定の入射角とで光を照射可能な光
源と、前記光源に対して所定の相対位置関係をもって配
置され、前記光源の光を前記反射面が反射して形成した
反射光の輝度を測定可能な輝度計ユニットと、前記反射
面と前記光源との間の距離を測定可能な距離計ユニット
と、を備えてなることを特徴とする輝度測定装置が提供
される。
ニットとが固定されたステージをさらに備え、そのステ
ージが、光源の光の反射面に対する入射角を変更可能な
様に備えてなることが好ましい。
は、使用中反射シートの反射面に所定の照度と所定の入
射角とをもって光源からの光を照射し、光源に対して所
定の相対位置関係をもって配置された輝度計ユニットに
よって、光源の光を反射面が反射して形成した反射光の
輝度を実測し、一方、反射面と光源との間の距離を実測
し、その距離を用いて実際に反射面に到達した光の到達
照度を求め、標準の光源照度を含む標準条件で測定され
たと見なせる様に、実測輝度、またはその輝度から求め
た反射性能を補正値に変換し、別途、標準条件において
測定された未使用反射シートの輝度、または反射性能を
基準値とし、基準値と、補正値とを比較することによ
り、使用中反射シートの輝度または反射性能の変化度合
いを評価することにある。
に、測定装置を標識に近づける必要があることに起因し
ていた。そこで、本発明の反射シート評価方法は、測定
装置を標識に近づける必要が無く、反射性能の変化度合
いを正確かつ容易に求められる様に構成されている。
装置自体を標識から離して使用し、反射面と光源との間
の距離を実測し、実測距離と実測輝度とを用いて計算す
ることにより、基準値との正確な比較が可能な、補正値
(比較値)を迅速かつ容易に求めることができる。
となる所定距離における照度)と、実際に測定された距
離とを用いた計算により、実際に反射面に到達した光の
照度(到達照度)を正確に求めることができる。また、
輝度を実測する輝度計ユニットは、光源に対して所定の
相対位置関係をもって配置されているので、上記実測距
離を用いた計算により、実測輝度の実際の観測角が、標
準条件と同じと見なせるか、または補正が必要なほど異
なるのかを正確に求めることができる。すなわち、実測
輝度がどのような条件で測定されたかを正確に把握でき
る。また、反射輝度から、他の反射性能データ、たとえ
ば再帰反射係数を得るには、所定の変換公式を用いれば
良い。すなわち、反射輝度が正確かつ迅速に測定できれ
ば、反射性能の変化度合いの評価には時間を要しない。
測角及び到達照度の関数で表される。したがって、たと
えば、光源の光の入射角及び輝度計ユニットの観測角が
同じになる様に設定し、異なる距離において同一の反射
シート反射面の反射輝度を測定した場合、反射輝度は、
到達照度の関数で表される。異なる到達照度As及びA
1(単位cd/m2)において、それぞれ測定された反
射輝度Bs及びB1(単位はlux)との間には、次の
式1の関係が成立する。
れた2つの実測輝度を、式1を用いて補正することによ
り、正しく比較できる。なお、到達照度A1と、実測時
の光源と反射面との距離D1と、光源固有の照度Eとの
間に、次の様な関係が成立する。ここで、照度Eは、そ
の光源と、それが照明する被照明体と間の距離(反射シ
ート反射面と光源との間の距離)が所定のDsである時
の板面照度で表される。
の観測角との関係は、上記到達照度と輝度との関係の様
に単純ではないが、一定の関数で表される。したがっ
て、光の入射角または/及び反射光の観測角が異なる場
合も同様にして補正できる。すなわち、光の入射角、反
射光観測角及び到達照度が、標準条件及び標準条件と異
なるいくつかの測定条件において、反射輝度を測定して
おき、それらの測定データを用い、反射輝度と観測条件
との関係から予め補正式(または補正係数や補正表)を
求めておき、これを用いて実測データを補正し、比較値
としての補正値を求めることができる。
の反射輝度(基準値)が既知である反射シートが固定さ
れて使用されている現場において、上記実測値を測定
し、標準条件における値に換算して比較値としての補正
値を求め、それを前記基準値とを比較し、反射性能の変
化度合いを評価可能なデータを正確かつ迅速に得ること
ができる。
様な評価方法において特に好適に用いることができる構
成を備える。すなわち、本発明の輝度測定装置は、反
射シートの反射面に所定の照度と所定の入射角とで光を
照射可能な光源と、前記光源に対して所定の相対位置
関係をもって配置された輝度計ユニットと、距離計ユ
ニットとを備えていることを特徴とする。距離計ユニッ
トは、前記反射面と前記光源との間の距離を測定可能で
ある。したがって、光源固有の照度と、実際に測定され
た距離とから、実際に反射面に到達した光の照度(到達
照度)を、正確かつ迅速に知ることができる。
対位置関係(光源の発光面中心と、輝度計ユニットの受
光面中心との間の距離等)が既知であるので、前記反射
面と前記光源との間の距離と入射角とが決まれば、自動
的に観測角も決まり、測定された輝度がどのような観測
条件で測定されたかを正確に把握できる。
いれば、測定場所(光源)と反射シート反射面との距離
を可及的に離した状態で、反射性能の変化度合いを評価
するために有効な比較値を、迅速かつ容易に得ることが
できる。したがって、たとえば、比較的高所に設置され
た標識表面(反射面)に対して、車両往来の妨げに成り
難い場所(たとえば、路側や1本の走行車線上)で、し
かも比較的低い位置に装置を配置して測定を行うことが
できる。すなわち、測定作業用スペース確保のために交
通規制を行う必要が無いか、または部分的に規制すれば
良い。また、測定装置を標識設置高さにまで上げる必要
がないので、高所作業車等の特殊車両も不要である。
しながら説明する。図1は、本発明の反射シートの評価
方法の一例を示す説明図である。本発明の反射シートの
評価方法では、図1に示すように、(a)道路標識9の
標識面に固定された反射シート91の反射面92に、所
定の照度と所定の入射角とをもって、光(光路V1を進
む光で、V1と呼ぶこともある。)を照射可能な光源1
と、(b)光源1が発する光(V1)を前記反射面92
が反射して形成した反射光(光路V2を進む光で、V2
と呼ぶこともある。)の輝度を測定可能な輝度計ユニッ
ト2と、(c)前記反射面92と前記光源1との間の距
離を測定可能な距離計ユニット3とを備えた輝度測定装
置を用いるのが良い。
に示すように、上記(a)及び(b)の構成部品を、互
いに所定の相対位置関係をもって配置し、固定するため
の第1ステージ41と、上記構成部品(c)を固定する
ための、第1ステージ41と独立して動かすことができ
る第2ステージ42とを備えている。このとき、各部品
のステージへの固定は、永久なものである必要はなく、
装置の使用中(測定中)に互いの相対位置関係が保持で
きれば、着脱自在に固定しても良い。
示すように、2つのステージ(41,42)を用いず、
光源1、輝度計ユニット2及び距離計ユニット3をすべ
ていっしょに1つのステージ4に固定しても良い。
示すように、光源1が所定の作業場所に配置された装置
10と、標識9との相対位置関係によって、所定の入射
角で光(V1)を反射面92に向かって照射可能な様
に、照射方向を変更可能にステージ41に固定するのが
良い。なお、ステージ41は、光源1及び輝度計ユニッ
ト2が固定された水平面を有する。
光源1の光の照射方向が変更困難な場合は、装置10自
体の位置をずらしたり、ステージ41の水平面を傾けた
りして光源の照射方向を変えれば良い。しかしながら、
測定作業を容易かつ迅速にするには、輝度測定装置10
を所定の場所に配置した後は、装置を動かすことなく、
光源の照射方向を変更可能にするのが好ましい。
41に雲台を備えつけることができる。この様な雲台と
して、雲台に高さを変更可能な三脚が備わっているもの
(カメラ用の三脚等)等が使用できる。また、三脚では
なく、装置を雲台ごと自動車の座席の背もたれ等に固定
するための固定部材を、雲台に備えつけることもできる
(図2〜3参照)。
向き(輝度計ユニット受光面の光軸の方向)を変えられ
る様にする。光源からの光は、通常、光源を中心として
円錐状に広がる様に照射される。したがって、光源の光
軸と、輝度計ユニットの光軸は、反射シート反射面にお
いて一致させるのが好適である。
に示すように、ステージ41に光源1といっしょに固定
し、輝度計ユニット2及び光源1の光軸の反射面92に
おけるそれぞれの交点が互いに一致する様にそれぞれの
向きを調節する。上記の様に調節された後、光源1の反
射面に対する照射方向を決め、光源1の入射角が決まれ
ば、輝度計ユニット2の観測角が決定される。したがっ
て、光源1の入射角及び輝度計ユニット2の観測角が、
ともに測定において有効な範囲になる様に、ステージ4
1の向きや傾きを調節して使用するのが良い。前述の雲
台は、この様な調節を容易にすることができる。
1の反射面92に対する入射角は、通常20度以下、好
適には10度以下の範囲に決定することが好ましい。こ
れは、入射角が大きすぎると測定される輝度の値が低下
し、反射性能の変化度合いを評価可能でデータが得られ
ないおそれがあるからである。すなわち、この様な入射
角で光を照射できる様に光源が固定されたステージの向
きや傾きを調節できる様にするのが良い。
の相対位置関係は、反射面92に対する輝度計ユニット
2の観測角を決定する。したがって、測定対象の反射シ
ート91の輝度が低下し、測定結果が有意でなくならな
い範囲(有効観測角範囲)に、実測時の観測角を調節で
きる様に決定すれば良い。
て測定する場合、実測観測角が、1度以下の範囲に調節
できる様に決定する。また、広い有効観測角を持つ広観
測反射シートの場合は、より大きな実測観測角を含む範
囲にすることができる。
下の範囲に調節できる様に決定する。観測角が大きすぎ
ると測定される輝度の値が低下し、反射性能の変化度合
いを評価可能でデータが得られないおそれがある。すな
わち、この様な観測角で反射光を受光できる様に、光源
1と、輝度計ユニット2との相対的位置関係を決定する
のが良い。なお、基準値となる未使用時の反射シートの
反射輝度は、前掲のJIS Z 9117の7.3に準じ
て測定室内で測定されるのが良い。この時の入射角は通
常5度、観測角は通常12分(0.2度)である。
の受光面中心との間の距離は、本発明の効果を損なわな
い限り特に限定されないが、通常50〜300mmであ
ることが好ましい。300mmを超える場合、光源から
の光の入射角と輝度計ユニットの観測角との差が大きく
なり、両方の角度を、比較的小さな有効範囲に決めるの
が困難になるおそれがある。また、この様な場合、測定
装置の操作が困難になるおそれもある。一方、50mm
より小さい場合、光源発光面の面積または/及び輝度計
受光面の面積を小さくする必要があり、比較的遠方の反
射面(たとえば40m以上)に十分な照度で光を到達さ
せ、十分な光量で反射光を受光すること困難になるおそ
れがある。上記の様な観点から、光源の発光面中心と前
記輝度計ユニットの受光面中心との間の距離は、好適に
は100〜295mmの範囲である。
光面中心と前記輝度計ユニットの受光面中心との間の距
離は174.5mmに設定されている。この様にする
と、ほとんどの道路標識の場合、その反射シート反射面
と測定装置(光源)との間の距離が約50mの時に、入
射角が5度、観測角が12分になることが分かった。ま
た、上記発光面中心−受光面中心間の距離が290.9
mmに設定した場合、標識板の反射面と光源との間の距
離が約50mの時に、入射角が5度、観測角が20分
(0.333度)になる。この様な角度条件で光を照射
し、輝度を測定した場合、前掲のJIS Z 9117に
準じて測定された基準値との比較が容易である。
様な角度条件で測定された反射輝度は十分に高く、反射
性能の変化を評価する上で好適である。したがって、こ
の様な観点からは、上記発光面中心−受光面中心間の距
離は、174.5mm〜290.9mmにする、また
は、観測角が12分〜20分の間になる様な距離にする
のが好ましい。
ユニットは、光源、輝度計ユニット及び距離計ユニット
からなるので比較的かさばらず、たとえば、図2〜3に
示される様に、乗用車等の自動車の、助手席の背もたれ
に配置できる程度の大きさにすることができる。したが
って、自動車の助手席から反射シートの反射輝度及び距
離を測定することもできる。すなわち、輝度測定装置を
搭載した自動車を、現場の所定の測定点(測定装置を配
置すべき場所)に停め、自動車から装置を降ろすことな
く測定を行うことができる。この様にすれば、装置の積
み降ろしにかかる時間を省き、測定作業時間を効果的に
短縮できる。
は、光源1、輝度計ユニット2及び距離計ユニット3が
固定されたステージ4と、そのステージ4の向きや傾き
を調節可能な雲台5cとを備える。また、雲台5cを介
して、助手席の背もたれ7の上部に装置12を固定する
ための固定部材6に、ステージ4が固定されている。図
示の例では、助手席の背もたれ7に固定されたヘッドレ
スト(図示せず。)を取り外し、ヘッドレストと交換し
て輝度測定装置12を、助手席の背もたれ7に固定して
いる。
7の上部に安定に固定するための水平台61と、背もた
れ7の前面(人が座った時に背中が当たる面)と背面と
を挟持する挟持部62とを備える。また、ヘッドレスト
は、通常ヘッドレスト自体を背もたれ7に固定するため
の支軸を有するので、背もたれ7の上部には、その支軸
を挿入する穴が開いている。したがって、水平台61の
背面(雲台が固定されている面の反対面)に、そのヘッ
ドレスト用の穴に挿入可能な固定軸(図示せず。)を配
置する。この様に、固定軸をヘッドレスト用の穴に挿入
すれば、非常に安定に、すなわち、測定中に装置12が
不要に揺れたり動いたりすることなく、装置12を固定
することができる。
良いものであれば特に限定されず、たとえば、メタルハ
ライドランプ、キセノンランプ等が使用できる。光源の
有効到達距離は、到達照度が少なくとも0.5lux以
上になる範囲であれば良く、通常10〜100mに設定
する。
は、通常の輝度計や、輝度測定装置に含まれる輝度計ユ
ニットが使用できる。
は、反射シート反射面に対して、上記光源の有効到達距
離以内の範囲で、測定精度が±1.5mmであるものが
好ましい。
須構成ユニットの他、たとえば、画像記録ユニットを搭
載しても良い。画像記録ユニットは、照射光を反射して
いる反射シート反射面の様子を画像記録(撮影)し、測
定対象の反射シートの変化を評価するのに、データによ
る数値的比較に加えて視覚的な比較も行える様にするこ
とができる。この様に多面的に評価することは、評価の
精度や客観性を高めるのに有用である。画像記録ユニッ
トとしては、ビデオカメラや、デジタルスチルカメラ等
が利用できる。
明するが、本発明はこれらの実施例に限られるものでは
ない。
様に、反射シート91が標識板9に固定されて使用され
ている現場において、反射シート91の反射面92に所
定の照度と所定の入射角とをもって光源1からの光(V
1)を照射する。この光(V1)を反射面92が反射し
て形成した反射光(V2)の輝度を、光源1に対して所
定の相対位置関係をもって配置された輝度計ユニット2
によって実測する。一方、反射面92と光源1との間の
距離D1を実測し、前述の様に、実測輝度を補正値に変
換するために用いる。図示の例の様に、輝度測定装置1
0が距離計ユニット3を備える場合は、後述の様にして
光源距離D1を測定できる。また、輝度測定装置とは別
に用意した距離計を用いて距離を測定しても良い。
源1との間の距離D1(単位はm)は、通常、光源1の
発光面中心と、反射面92上の照射中心Pとの間の距離
である。上記光源距離D1は、距離計ユニット3によっ
て測定される。距離計ユニット3によって測定されるの
は、距離計ユニット3のセンサ面(距離測定用のレーザ
光を発し、反射面からの反射光を受光する面)の中心
と、反射シートの反射面92上の点Pとの距離D3(単
位はm)である。
心と距離計ユニット3のセンサ面中心との間の距離(以
降、S13と記述することもある。)は、上記光源距離D
1に対して非常に小さい。図示の例では、S13は17
4.5mm(0.1745m)に設定してある。したが
って、距離計ユニットのセンサ面と反射面点Pとの距離
D3と、距離D1とはほぼ等しいものとして取り扱って
良い。また、距離D1は、近似的に次式3によって定義
される。なお、上記光源距離D1は51.318mであ
った。
さは、輝度測定装置10の設置高さよりも高く、光源1
の光は、反射面92を見上げる様にして、照射される。
この時、反射面92の点Pを通る法線と、照射光の光路
(V1)との成す角が、光源からの光の入射角(以降、
θと記述することもある。)である。前述の様に、光源
の発光面中心と輝度計ユニットの受光面中心との間の距
離(以降、S12と記述することもある。)は174.5
mm(0.1745m)に設定されている。この様にす
ると、ほとんどの道路標識の場合、その反射シート反射
面と測定装置(光源)との間の距離D1が約50mの時
に、入射角θは5度になる。また、光の入射角θは、正
確には次式4によって定義される。
垂直面X1と、光源1の発光面を含み、第1垂直面X1
と平行な第2垂直面X2との間の距離(単位はm)、D
1は反射面92と光源1との間の距離(単位はm)であ
る。)
置した場所と、道路標識9の設置場所と間で、道路面に
沿って測定できる。一方、輝度計ユニット2が受光する
反射光は、光路(V2)を進む。この時の観測角(以
降、ηと記述することもある。)は、反射面92上の点
Pを通る法線と、光路(V2)との成す角である。前述
の様に、光源の発光面中心と輝度計ユニットの受光面中
心との間の距離S12は、0.1745mに設定されてい
るので、ほとんどの道路標識の場合、光源距離D1が約
50mの時に、観測角ηは12分になる。また、反射光
の観測角ηは、正確には、次式5によって定義される。
1垂直面X1と、輝度計ユニット2)の受光面を含み、
第1垂直面X1と平行な第3垂直面X3との間の距離
(単位はm)、D2は反射面92と、輝度計ユニット2
の受光面中心との間の距離(単位はm)である。)
離Rとは近似的に同じであると見なして取り扱った。前
述の様に、通常、輝度計ユニット2の受光面中心と距離
計ユニット3のセンサ面中心との間の距離(以降、S23
と記述することもある。)は、上記距離計ユニット距離
D3に対して非常に小さいので、距離D2は、ほぼD3
に等しいものとして取り扱って良い。また、図示の例の
様に、ユニット間距離S13とS12とを等しく設定してい
る場合、厳密に距離D2=距離D3である。なお、距離
D2は、近似的に次式6によって定義される。
成ユニットを用い、図2に示す輝度測定装置10を作製
した。距離計ユニット3として、デジタルレーザ距離計
を用いた。また、輝度計ユニット2として、東京光学機
械(トプコン)(株)社の色彩輝度計「品番:BM−
5」を用いた。また、光源1としては、被照明体との距
離が6.254mの時の板面照度が58.4luxであ
るメタルハライドランプを用いた。
(b)に示すように、2つのステージ41,42とし
て、アルミニウム板(厚さ5mm)を用い、上記各ユニ
ット1〜3をそれぞれ固定した。また、前述の様に2つ
の雲台5a,5bを用い、各ユニットの向き等を調節で
きる様にした。それぞれの雲台は、第1ステージ41用
のもの(5a)として、Velbon(株)社製カメラ
用雲台「品番PH−270G」を、第2ステージ42用
のもの(5b)として、Velbon(株)社製カメラ
用雲台「品番PH−360N」を用いた。
(a)に示すように、固定部材6を組み込み、それを介
して乗用車の助手席の背もたれ7に固定できる様にし
た。
用い、反射シート91として、以下の3つの異なる輝度
の反射シート1〜3を用いて輝度を測定した。なお、こ
れらのシートはすべて未使用であり、測定は夜間に行っ
た。
に準じて測定された反射輝度であり、角度条件は、入射
角=5度、観測角=12分であった。
して、標識9に固定した状態で、図1に示すように、上
記距離D1(約50m)だけ離れた測定場所から、輝度
測定装置10を用いて輝度を実測した。なお、角度条件
は、入射角θ=5度、観測角η=12分であった。
m2]、 反射シート2: 実測輝度=135.4[cd/
m2]、 反射シート3: 実測輝度=156.2[cd/
m2]、 であった。
光源固有の照度Eとから、前掲の式2によって算出でき
る。光源固有の照度Eは、被照明体との距離が6.25
4mの時の板面照度が58.4luxであったので、距
離D1=51.318m離れた反射面における到達照度
は、前掲の式2より、到達照度A1=58.4×(6.
254/51.318)2=0.8673lux、であ
った。
ち、補正値Bs=実測輝度B1(標準条件到達As/実
測時到達照度A1)を用い、それぞれの反射シートにつ
いて補正値を算出した。 反射シート1: 補正値(反射輝度)=121[cd/lux/m2] 反射シート2: 補正値(反射輝度)=328[cd/lux/m2] 反射シート3: 補正値(反射輝度)=432[cd/lux/m2] この様に、本例の装置及び方法を用いて算出した補正値
は、前掲のJISに準じて測定した基準値と非常に精度
良く一致していることが分かる。
光源に対して所定の相対位置関係をもって配置された輝
度計ユニットによって、光源の光を反射シート反射面が
反射して形成した反射光の輝度を、迅速かつ容易に実測
できた。また、距離計ユニットによって、光源と反射面
との間の距離を迅速かつ容易に実測できた。さらに、こ
れらの実測輝度及び実測距離とを用いて計算することに
より、基準値との正確な比較が可能な、補正値(比較
値)を迅速かつ容易に求めることができた。
は、上記の様にして求めた補正値と基準値とを比較し、
反射シートの反射性能の変化度合いを迅速かつ正確に評
価することができた。なお、本実施例では、白色の反射
シートを用いたが、着色された反射シートについても、
同様に基準値と、補正するための補正式または補正係数
とを予め求めておくことができた。
来(比較例)との反射シートの評価方法を比較した。そ
の結果を表1に示す。
べて、輝度測定装置を自動車の助手席に固定して使用で
きるため、測定対象となる複数の標識間の移動が容易で
あり、測定装置を自動車から降ろして設置する必要が無
い。また、装置に必要な電源は、自動車車内から供給で
きる。
定場所から測定することができるので、高所作業車を必
要とせず、また全走行車線の規制を行わずに測定するこ
とができた。したがって、1つの測定対象あたりの測定
時間が大幅に短縮でき、また、車両費用や規制費用の削
減、作業者の安全性の向上も可能である。
明の反射シートの評価方法は、輝度測定装置自体を標識
から離して使用し、未使用時の基準値と比較可能な比較
値(補正値)を正確かつ容易に求めることができ、その
比較値と基準値とを比較して、反射性能の変化度合いを
評価することができる。
測定が可能で、装置自体を標識から離して使用でき、未
使用時の基準値と比較可能なデータを正確かつ容易に得
ることができる。
説明図である。
(a)は概要図であり、(b)は輝度測定装置の構成を
示す斜視図である。
り、(a)は概要図であり、(b)は輝度測定装置の構
成を示す斜視図である。
4…ステージ、5…雲台、6…固定部材、7…背もた
れ、9…道路標識、10,12…輝度測定装置、20…
フロントガラス、41…第1ステージ、42…第2ステ
ージ、61…水平台、62…把持部、91…反射シー
ト、92…反射面。
Claims (3)
- 【請求項1】 反射シートが固定されて使用されている
現場において、前記使用中反射シートの反射面に所定の
照度と所定の入射角とをもって光源からの光を照射し、 前記光源に対して所定の相対位置関係をもって配置され
た輝度計ユニットによって、前記光源の光を前記反射面
が反射して形成した反射光の輝度を実測し、 一方、前記反射面と前記光源との間の距離を実測し、 その距離を用いて実際に前記反射面に到達した光の到達
照度を求め、 標準の光源照度を含む標準条件で測定されたと見なせる
様に、前記実測輝度、またはその輝度から求めた反射性
能を補正値に変換し、 別途、前記標準条件において測定された未使用反射シー
トの輝度、または反射性能を基準値とし、 前記基準値と、前記補正値とを比較することにより、前
記使用中反射シートの輝度または反射性能の変化度合い
を評価することを特徴とする反射シートの評価方法。 - 【請求項2】 反射シートの反射面に所定の照度と所定
の入射角とで光を照射可能な光源と、 前記光源に対して所定の相対位置関係をもって配置さ
れ、前記光源の光を前記反射面が反射して形成した反射
光の輝度を測定可能な輝度計ユニットと、 前記反射面と前記光源との間の距離を測定可能な距離計
ユニットと、 を備えてなることを特徴とする輝度測定装置。 - 【請求項3】 前記光源と前記輝度計ユニットとが固定
されたステージをさらに備え、そのステージは、前記光
源の光の前記反射面に対する入射角を変更可能な様に備
えてなる請求項2に記載の輝度測定装置。
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