JP2001324087A - 熱応動式スチームトラップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 多量の低温復水を素早く排出できる熱応動式
スチームトラップを提供する。 【解決手段】 入口１と出口２を有するケーシング内に
弁室６を形成し、弁室６と出口２を連通する弁孔１３及
びオリフィス１１を設け、弁室６内に弁孔１３を開閉す
る第１熱応動素子１９を配置し、オリフィス１１の通過
面積を変化させる絞り部材１４を配置し、入口側の流体
温度に応動してオリフィス１１の通過面積を低温時に大
きく、高温時に絞るように絞り部材１４に第２熱応動素
子１７を連結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、熱応動素子を用い
て弁孔を開閉することにより、各種蒸気使用機器や蒸気
配管で発生する復水を自動的に排出する熱応動式スチー
ムトラップに関し、特に復水排出容量を大きくしたもの
に関する。

【０００２】

【従来の技術】熱応動素子を用いた熱応動式スチームト
ラップは、例えば特開平７−２５３１９４号公報に示さ
れている。当該公報から理解されるように、入口と出口
を有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口を連
通する弁孔を設け、弁孔を開閉する熱応動素子を弁室内
に配置し、入口と出口を連通する連通路にオリフィスを
設けたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の熱応動式ス
チームトラップは、熱応動素子によって開閉される弁孔
とは別に入口と出口を連通するオリフィスを常開とする
ことにより、復水排出容量を大きくでき優れたものであ
るが、オリフィスの通過面積が一定であるために、特に
配管系の初期立ち上げ時のように低温の復水が多量に発
生する場合に復水排出に時間が掛かると言う問題点があ
った。

【０００４】従って、本発明の技術的課題は、多量の低
温復水を素早く排出できる熱応動式スチームトラップを
提供することである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を解決
するために講じた本発明の技術的手段は、入口と出口を
有するケーシング内に弁室を形成し、弁室と出口を連通
する弁孔及びオリフィスを設け、弁室内に弁孔を開閉す
る第１熱応動素子を配置し、オリフィスの通過面積を変
化させる絞り部材をオリフィスに対面して変位可能に配
置し、入口側の流体温度に応動してオリフィスの通過面
積を低温時に大きくし高温時に絞るように絞り部材に第
２熱応動素子を連結したことを特徴とする熱応動式スチ
ームトラップにある。

【０００６】

【発明の実施の形態】本発明の熱応動式スチームトラッ
プは、入口側の流体温度に応動する第２温度応動素子に
よって、入口側の流体温度が低温であるときは、絞り部
材がオリフィスの通過面積を大きくしている。また、弁
室内に配置した第１熱応動素子がその感熱作用によって
弁孔を開いている。これにより、多量の低温復水を弁孔
及び通過面積を大きくされたオリフィスから素早く排出
する。入口側の流体温度が高温であるときは、絞り部材
がオリフィスの通過面積を絞っている。この絞られたオ
リフィスの通過面積は高温時に発生する復水を僅かに排
出しきれない大きさである。そして、第１熱応動素子が
その感熱作用によって弁孔を開閉する。このように、低
温時には弁孔及び通過面積を大きくされたオリフィスか
ら復水を排出するので、多量の低温復水を素早く排出で
きる。

【０００７】

【実施例】上記の技術的手段の具体例を示す実施例を説
明する（図１参照）。入口１と出口２を有する本体３に
蓋４，５を締結してケーシングを形成し、本体３と蓋４
の間に弁室６を、本体３と蓋５の間に弁座収容室７を形
成する。入口１と弁室６は入口通路８を介して連通し、
入口１と弁座収容室７は連通路９を介して連通し、弁室
６と出口２は開口１０及びオリフィス１１から流出通路
１２を介して連通する。

【０００８】弁座収容室７に、弁室６と流出通路１２を
連通する弁孔１３を有すると共にオリフィス１１の通過
面積を変化させる絞り部材１４を有する弁座１５を進退
可能に配置して開口１０を塞ぐ。弁座１５の背面に入口
４から連通路９を介して連通する入口室１６を形成し、
入口室１６に第２熱応動素子１７を配置する。第２熱応
動素子１７はコイル状の形状記憶合金であり、その両側
を夫々弁座１５と蓋５に連結し、低温時に収縮して弁座
１５を蓋５側に変位させて絞り部材１４でオリフィス１
１の通過面積を大きくし、高温時に伸長して弁座１５を
弁室６側に変位させて絞り部材１４でオリフィス１１の
通過面積を絞る。この絞られたオリフィス１１の通過面
積は高温時に発生する復水を僅かに排出しきれない大き
さに形成する。

【０００９】弁室６内に第１熱応動素子１９を配置す
る。第１熱応動素子１９は上壁部材２０と、上壁部材２
０との間に内部空間２１を形成するダイヤフラム２２
と、内部空間２１に密封した膨脹媒体２３と、ダイヤフ
ラム２２に固着した弁部材２４と、ダイヤフラム２２の
外周縁を上壁部材２０との間に挟んで固着した下壁部材
２５と、上壁部材２０を下方に付勢するばね２６で構成
する。膨脹媒体２３は水、水より沸点の低い液体、ある
いはそれらの混合物で形成する。

【００１０】第１熱応動素子１９は絞り部材１４がオリ
フィス１１の通過面積を絞った高温時に弁座１５に離着
座して弁孔１３を開閉する。弁室６は低温時に弁孔１３
及び通過面積を大きくされたオリフィス１１から流出通
路１２を介して出口２に連通し、高温時に通過面積の絞
られたオリフィス１１及び開かれた弁孔１３から出口通
路１２を介して出口２に連通する。

【００１１】上記実施例の熱応動式スチームトラップの
動作は下記の通りである。入口１側の流体温度が低温で
あるときは、第２熱応動素子１７が収縮して弁座１５を
蓋５側に変位させ、絞り部材１４がオリフィス１１の通
過面積を大きくしている。また、弁室６内に配置した第
１熱応動素子１９がその感熱作用によって弁座１５から
離座して弁孔１３を開いている。これにより、多量の低
温復水を弁孔１３及び通過面積を大きくされたオリフィ
ス１１から素早く排出する。

【００１２】入口１側の流体温度が高温であるときは、
第２熱応動素子１７が伸長して弁座１５を弁室６側に変
位させ、絞り部材１４がオリフィス１１の通過面積を絞
っている。この絞られたオリフィス１１の通過面積は高
温時に発生する復水を僅かに排出しきれない大きさであ
る。そして、第１熱応動素子１９がその感熱作用によっ
て、弁室３内の温度が高くなると弁孔１３を閉じ、温度
が低くなると弁孔１３を開く。これにより、復水を通過
面積の絞られたオリフィス１１と開かれた弁孔１３から
出口２に排出する。このように、低温時には通過面積の
大きな開口１０及び通過面積を大きくされたオリフィス
１１から復水を排出するので多量の低温復水を素早く排
出できる。

【００１３】

【発明の効果】上記のように本発明は、入口側の流体温
度に応動する第２熱応動素子によって、入口側の流体温
度が低温であるときは、絞り部材がオリフィスの通過面
積を大きくするものであるので、多量の低温復水を弁孔
及び通過面積を大きくされたオリフィスから素早く排出
することができると言う優れた効果を生じる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の熱応動式スチームトラップの
断面図。

【符号の説明】

１ 入口 ２ 出口 ３ 本体 ４ 蓋 ５ 蓋 ６ 弁室 ７ 弁座収容室 ８ 入口通路 ９ 連通路 １０ 開口 １１ オリフィス １２ 流出通路 １３ 弁孔 １４ 絞り部材 １５ 弁座 １６ 入口室 １７ 第２熱応動素子 １９ 第１熱応動素子

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 入口と出口を有するケーシング内に弁室
   を形成し、弁室と出口を連通する弁孔及びオリフィスを
   設け、弁室内に弁孔を開閉する第１熱応動素子を配置
   し、オリフィスの通過面積を変化させる絞り部材をオリ
   フィスに対面して変位可能に配置し、入口側の流体温度
   に応動してオリフィスの通過面積を低温時に大きくし高
   温時に絞るように絞り部材に第２熱応動素子を連結した
   ことを特徴とする熱応動式スチームトラップ。