JP2001322398A - 合成樹脂製品への模様付け方法 - Google Patents

合成樹脂製品への模様付け方法

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JP2001322398A
JP2001322398A JP2000142004A JP2000142004A JP2001322398A JP 2001322398 A JP2001322398 A JP 2001322398A JP 2000142004 A JP2000142004 A JP 2000142004A JP 2000142004 A JP2000142004 A JP 2000142004A JP 2001322398 A JP2001322398 A JP 2001322398A
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synthetic resin
resin product
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pattern
excimer laser
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Hirotaka Fukatsu
啓高 深津
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Araco Co Ltd
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Araco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】合成樹脂製品の表面への模様付けを模様を刻設
された圧延ローラや成形型を使用することなく行って、
圧延ローラや成形型等の部品への投資費用を大幅に軽減
させる。 【解決手段】合成樹脂材料を主要成分とする合成樹脂製
品の表面に模様を付与するための模様付け方法であっ
て、合成樹脂製品20の表面側に所定の模様を複数の透
過孔15bにて形成されているマスク15を位置させ
て、マスク15の各透過孔15bを通してエキシマーレ
ーザーを合成樹脂製品20の表面21に照射して、同表
面21にマスク15の各透過孔15bが形成する模様を
転写する。これにより、模様を刻設された圧延ローラや
成形型の使用を廃止して、圧延ローラや成形型等の部品
への投資費用を大幅に軽減させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成樹脂製品の表
面に模様付けをする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車両用ドアのドアトリム、車両用内装
品、その他の各種分野で使用される合成樹脂材料を主要
成分とする合成樹脂製品の表面に模様を付与する場合、
模様を付与する手段として、圧延成形にあっては、圧延
ローラの周面に刻設されている模様を圧接して転写する
手段が採られ、プレス成形や射出成形にあっては、成形
型の内面側に刻接されている模様を圧締して転写する手
段が採られるのが一般である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの模
様付け手段で使用する圧延ローラや成形型は、電鋳加工
や放電加工により模様を刻設されることから高価なもの
となり、当該模様付け手段を採用するには、圧延ローラ
や成形型等部品に対する投資費用が高くなる。また、圧
延ローラや成形型に刻設されている模様の変更は容易で
はなく、模様を変更する場合には、圧延ローラや成形型
の模様が刻設されている部位を肉盛りした後に再加工す
ることが必要になる。
【0004】従って、本発明は、合成樹脂製品の精密加
工にエキシマーレーザーが使用可能であることに着目し
てなされたもので、その目的とするところは、従来の模
様付け手段における上記した問題に対処することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、合成樹脂材料
を主要成分とする合成樹脂製品の表面に模様を付与する
ための模様付け方法であり、当該模様付け方法は、前記
合成樹脂製品の表面側に所定の模様を複数の透過孔にて
形成されているマスクを位置させて、同マスクの各透過
孔を通してエキシマーレーザーを前記合成樹脂製品の表
面に照射して、同合成樹脂製品の表面に前記マスクの各
透過孔が形成する模様を転写することを特徴とするもの
である。
【0006】本発明に係る合成樹脂製品への模様付け方
法においては、前記マスクの各透過孔を通して照射され
るエキシマーレーザーにより、前記合成樹脂製品の表面
における前記エキシマーレーザーが照射される部位の分
子結合を切断し、切断された分子を飛散させて、当該部
位に窪みを形成する手段を採ることができる。また、前
記マスクの各透過孔を通して照射されるエキシマーレー
ザーにより、前記合成樹脂製品の表面における前記エキ
シマーレーザーが照射される部位を熱変性により溶融し
て、当該部位に突部を形成する手段を採ることができ
る。
【0007】
【発明の作用・効果】本発明に係る模様付け方法によれ
ば、従来の模様付け方法では不可欠な模様付きの圧延ロ
ーラや成形型が不要であって、この分、部品への投資費
用が大幅に軽減される。特に、模様付き合成樹脂製品の
他品種を少量生産する場合には、部品への投資費用の軽
減は顕著である。また、本発明に係る模様付け方法によ
れば、マスクを適宜変更することにより、合成樹脂製品
に対する転写する模様を容易にかつ安価に変更すること
ができるとともに、意匠性の向上を図ることができる。
【0008】さらにまた、本発明に係る模様付け方法に
よれば、エキシマーレーザーの照射条件を適宜変更する
ことにより、合成樹脂製品の表面への模様の転写を窪み
を形成することにより行えるとともに、突部を形成する
ことによっても行うことができて、この点においても、
意匠性を向上させることができる。また、合成樹脂製品
の表面への模様の転写を突部を形成する場合には、合成
樹脂製品の表面を発泡状態に形成することができ、これ
により、合成樹脂製品の軽量化が可能になる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に基づいて説
明すると、図1には、本発明に係る模様付け方法を実施
するための、合成樹脂製品の表面を加工処理する加工処
理装置の一例が示されている。当該加工処理装置10
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、その他の熱可塑性
合成樹脂を主要材料として成形された合成樹脂製品20
の表面を加工処理するもので、レーザー発振器11、加
工台12、固定治具13、ミラー14、マスク15、レ
ンズ16、制御装置17を備えているとともに、ガスボ
ンベ18、先端部にノズル19aを有するガス管路19
bを備えている。レーザー発振器11は、エキシマーレ
ーザーを発振してレーザービームを合成樹脂製品20の
表面に照射するもので、レーザー発振器11としては、
可視部から紫外部の広い範囲にわたる適宜の発振線を発
振する発振器を採用することができる。当該加工処理装
置10においては、例えば、248nmの波長のKrF
レーザーが好適に使用できる。
【0010】ミラー14は、レーザー発振器11から発
振するエキシマーレーザーのレーザビームを反射して合
成樹脂製品20の表面側に導くもので、レーザービーム
は、マスク15およびレンズ16を通して、加工台12
上に固定治具13を介して固定された合成樹脂製品20
の表面側に導かれる。なお、図1の符号11aは、エキ
シマーレーザーのレーザービームを示している。
【0011】マスク15は、銅製、ステンレス製等の金
属材料からなる平板であり、板厚0.1mm〜0.3m
mの板本体15aに、図2に示すように、多数の異なる
形状の透過孔15bからなる模様(マスクパターン)が
形成されている。レーザービーム11aは、マスクパタ
ーンを形成する全ての透過孔15bを透過して、合成樹
脂製品20の表面に照射される。レンズ16は凸レンズ
であって、全ての透過孔15bを透過したレーザービー
ム11aを、一旦収束した後適宜の率で拡開して、合成
樹脂製品20の表面に照射する。これにより、レーザー
ビーム11aは、マスクパターンを合成樹脂製品20の
表面に設定された大きさに転写する。
【0012】制御装置17は、レーザー発振器11のエ
キシマーレーザーの特性を制御するとともに、加工台1
2上に固定された合成樹脂製品20に対する動作範囲を
制御するもので、予め記憶してあるプログラムに基づい
て、入力された運転条件に応じて、エキシマーレーザー
の特性、および、合成樹脂製品20に対する動作範囲を
制御する。
【0013】合成樹脂製品20は、その材質に起因し
て、エキシマーレーザーによる加工雰囲気での劣化状態
を異にすることから、十分な耐久性を有する合成樹脂製
品を加工処理する場合には、大気中で加工処理しても差
し支えないが、十分な耐久性を有しない合成樹脂製品を
加工処理する場合には、窒素、アルゴン、ヘリウム等の
不活性ガスの雰囲気で加工処理することが必要である。
この場合には、ガスボンベ18中の不活性ガスを、ガス
管路19bの先端部に有するノズル19aから噴出させ
て不活性ガスの雰囲気を形成し、この状態で合成樹脂製
品20の表面を加工処理する。
【0014】当該加工処理装置10を使用して、エキシ
マーレーザーを合成樹脂製品20の表面に照射して加工
処理すれば、合成樹脂製品20の表面に、マスク15に
形成したマスクパターンに対応する模様が付与される。
この場合、エキシマーレーザーの特性を制御することに
より、図3および図4に示す2通りの模様が形成され
る。なお、図3および図4は、合成樹脂製品20の表面
に模様を付与する原理を模式的に示すものである。
【0015】図3に示す第1の加工処理方法では、エキ
シマーレーザーのレーザービーム11aが合成樹脂製品
20の表面21に照射されると、照射された部位の分子
結合が切断しかつ飛散して当該部位に、マスク15の各
透過孔15bにて形成されるマスクパターンに対応して
多数の窪み22が形成され、多数の窪み22によりマス
クパターンに対応した模様が転写されることを示してい
る。
【0016】この場合のエキシマーレーザーは、エネル
ギー密度が6.0J/cm2、ショット数が225ショ
ット、発振周波数は100Hzの特性に制御されている
もので、このような特性のエキシマーレーザーを0.1
mmのビーム幅で、厚み2.0mmのポリプロピレン製
シートに照射すると、深さ約0.1mmの窪み22が形
成される。なお、窪み22の深さは、ショット数の増減
により調整することができる。
【0017】このような条件での加工処理方法は、レー
ザー発振器11の能力が低い場合には、最大限エネルギ
ー密度を上げて、ショット数を増やすかまたは発振周波
数を上げることにより可能である。すなわち、同様の加
工は、同等のエネルギー投入量により行うことができる
ものであり、これらの条件の設定は、制御装置17によ
り容易になされる。
【0018】図4に示す第2の加工処理方法では、エキ
シマーレーザーのレーザービーム11aが合成樹脂製品
20の表面21に照射されると、照射された部位がエネ
ルギーの蓄積により熱変性され、熱変性に起因する溶解
および発泡により突部23が形成され、多数の突部23
によりマスクパターンに対応した模様が転写されること
を示している。
【0019】この場合のエキシマーレーザーは、エネル
ギー密度が0.15J/cm2、ショット数が400シ
ョット、発振周波数は100Hzの特性に制御されてい
るもので、このような特性のエキシマーレーザーを照射
サイズ2.5mm×4.0mmのレーザービーム11a
で照射することにより形成される。この現象は、照射す
るレーザービーム面積を大きくすることにより投入する
エネルギー密度を小さくして、照射する周辺への熱的影
響を少なくし、照射した部位のみでエネルギーを吸収さ
せることにより可能となる。
【0020】このように、本発明に係る模様付け方法に
よれば、従来の模様付け方法では不可欠な模様付きの圧
延ローラや成形型が不要であって、この分、部品への投
資費用が大幅に軽減される。特に、模様付き合成樹脂製
品20を他品種、少量生産する場合には、部品への投資
費用の軽減は顕著である。また、本発明に係る模様付け
方法によれば、マスク15を適宜変更することにより、
合成樹脂製品20に転写する模様を容易にかつ安価に変
更することができるとともに、意匠性の向上を図ること
ができる。
【0021】さらにまた、本発明に係る模様付け方法に
よれば、エキシマーレーザーの照射条件を適宜変更する
ことにより、合成樹脂製品20の表面への模様の転写を
窪み22を形成することにより行えるとともに、突部2
3を形成することによっても行うことができて、この点
においても、意匠性を向上させることができる。また、
合成樹脂製品20の表面への模様の転写を突部23によ
り形成する場合には、合成樹脂製品20の表面を発泡状
態に形成することができ、これにより、合成樹脂製品2
0の軽量化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る模様付け方法を実施するための合
成樹脂製品の表面処理加工装置を示す概略構成図であ
る。
【図2】同加工処理装置によるエキシマーレーザーの照
射状態を示す斜視図(a)、および同照射状態を示す模
式的側面図(b)である。
【図3】同加工処理装置により実施される加工処理の一
例を示す照射直前の状態(a)、および照射終了時点の
状態(b)を示す説明図である。である。
【図4】同加工処理装置により実施される加工処理の他
の一例を示す照射直前の状態(a)、および照射終了時
点の状態(b)を示す説明図である。
【符号の説明】
10…加工処理装置、11…レーザー発振器、11a…
レーザービーム、12…加工台、13…固定治具、14
…ミラー、15…マスク、16…レンズ、17…制御装
置、18…ガスボンベ、19a…ノズル、19b…ガス
管路、20…合成樹脂製品、21…表面、22…窪み、
23…突部。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合成樹脂材料を主要成分とする合成樹脂製
    品の表面に模様を付与するための模様付け方法であり、
    前記合成樹脂製品の表面側に所定の模様を複数の透過孔
    にて形成されているマスクを位置させて、同マスクの各
    透過孔を通してエキシマーレーザーを前記合成樹脂製品
    の表面に照射して、同合成樹脂製品の表面に前記マスク
    の各透過孔が形成する模様を転写することを特徴とする
    合成樹脂製品への模様付け方法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の合成樹脂製品への模様付
    け方法において、前記マスクの各透過孔を通して照射さ
    れるエキシマーレーザーにより、前記合成樹脂製品の表
    面における前記エキシマーレーザーが照射される部位の
    分子結合を切断し、切断された分子を飛散させて、当該
    部位に窪みを形成することを特徴とする合成樹脂製品へ
    の模様付け方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の合成樹脂製品への模様付
    け方法において、前記マスクの各透過孔を通して照射さ
    れるエキシマーレーザーにより、前記合成樹脂製品の表
    面における前記エキシマーレーザーが照射される部位を
    熱変性により溶融して、当該部位に突部を形成すること
    を特徴とする合成樹脂製品への模様付け方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007063739A1 (ja) * 2005-11-30 2007-06-07 Tanazawa Hakkosha Co., Ltd 表面に凹凸模様を有する製品及び該凹凸模様を形成する方法
JP2012176744A (ja) * 2011-02-01 2012-09-13 Trinity Industrial Co Ltd 車両用内装部品
JP2014034032A (ja) * 2012-08-07 2014-02-24 Trinity Industrial Co Ltd 車両用加飾部品の製造方法

Cited By (4)

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US7745103B2 (en) 2005-11-30 2010-06-29 Tanazawa Hakkosha Co., Ltd. Product with concave-convex pattern on its surface and method of forming the concave-convex pattern
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