JP2001322002A - カイサキ面取り装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 装置を簡略化すると共に、生産能率を向上す
る。 【解決手段】 刃物台３０に、バイトホルダ３２が着脱
交換自在に配設される。バイトホルダ３２は、刃物台３
０に対してボルト３４を介して位置決め固定され、その
前部に鋼管１６の外端部にカイサキ面取り加工を施す外
面チップ３８が着脱交換自在に収納される第１取付部４
０が形成され、該外面チップ３８は固定ボルトを介して
第１取付部４０に位置決め固定される。またバイトホル
ダ３２の前部に、鋼管１６の内端部にカイサキ面取り加
工を施す内面チップ４４を備える取付具４６が着脱交換
自在に収納される第２取付部４８が形成され、該取付具
４６は固定ボルト５０を介して第２取付部４８に位置決
め固定される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、カイサキ面取り装
置に関し、更に詳細には、鋼管の外端部および内端部を
カイサキ面取り加工する２個のチップを備えたバイトホ
ルダが配設されるカイサキ面取り装置に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】鋼管の外端部や内端部にカイサキ面取り
加工を行なう装置は、装置本体に回転自在に枢支した主
軸に配設されて一体的に回転する回転盤を備え、該回転
盤の前端面に、径方向に移動調整自在に刃物台が配設さ
れている。この刃物台は、回転盤の回転中心から径方向
に偏位した適宜位置に位置決め固定されると共に、鋼管
の加工位置や加工形状等に応じたチップを備えたバイト
ホルダが着脱交換自在に装着される。そして、回転盤の
前端面に鋼管の端面を対向して位置決めすると共に、鋼
管の加工位置に合わせて刃物台を位置決めした状態で、
回転盤を所要方向に回転することにより、該回転盤の回
転に伴って旋回する刃物台のチップで鋼管の外端部や内
端部にカイサキ面取り加工を行なうよう構成される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記カイサキ面取り加
工装置では、鋼管の外端部と内端部とにカイサキ面取り
加工を行なう場合、外端部用の刃物台と内端部用の刃物
台とを前記回転盤に夫々配設し、両刃物台に装着したチ
ップで対応する外端部または内端部にカイサキ面取り加
工を行なうよう構成される。従って、各刃物台を回転盤
に対して位置調整する装置も２基必要となって、装置が
複雑化してコストが嵩む難点が指摘される。また２基の
刃物台を近接する距離には限界があるため、管径が小さ
くて肉厚の厚い鋼管の内外の端部にカイサキ面取り加工
を施して幅の狭い端面を設ける場合は、別々の刃物台に
配設したバイトホルダのチップにより一度にカイサキ面
取り加工するのは困難であった。すなわち、鋼管の寸法
等の加工条件によっては、例えば一方のバイトホルダの
チップで外端部をカイサキ面取り加工した後に、他方の
バイトホルダのチップで内端部のカイサキ面取り加工を
行なわなければならず、作業時間が長くなって生産能率
が低下する問題がある。

【０００４】

【発明の目的】この発明は、前述した従来の技術に内在
している前記課題に鑑み、これを好適に解決するべく提
案されたものであって、装置を簡略化し得ると共に生産
能率を向上し得るカイサキ面取り装置を提供することを
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前述の課題を克服し、所
期の目的を達成するため、本発明に係るカイサキ面取り
装置は、装置本体に回転自在に配設された回転盤の前端
面に、バイトホルダを備えた刃物台が配設され、前記回
転盤の回転によって旋回する刃物台のバイトホルダに取
付けられたチップで鋼管の端部をカイサキ面取り加工す
るカイサキ面取り装置において、前記刃物台に着脱自在
に配設される前記バイトホルダに、前記鋼管の外端部を
カイサキ面取り加工する外面チップおよび該鋼管の内端
部をカイサキ面取り加工する内面チップを夫々着脱交換
自在に装着したことを特徴とする。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明に係るカイサキ面取
り装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照
しながら以下説明する。

【０００７】図１は、実施例に係るカイサキ面取り装置
のバイトホルダを示す平面図、図２は、バイトホルダの
正面図、図３は、カイサキ面取り装置の全体を示す概略
構成図である。図示のカイサキ面取り装置９は、ベース
１０の上面に一対のガイドレール１２,１２(一方のみ図
示)が平行に配設され、このガイドレール１２,１２に装
置本体１４が摺動走行可能に載架されている。また装置
本体１４の前方に臨むベース１０上には、鋼管１６の端
面を装置本体１４に対向した状態で該鋼管１６を保持す
る保持装置１８が配置される。そして装置本体１４は、
保持装置１８で保持された鋼管１６に対し、例えばモー
タにより正逆回転されるねじ軸とナットの組合わせ等か
らなる移動手段２０によって近接・離間移動するよう構
成されている。

【０００８】前記装置本体１４の内部には、前記ガイド
レール１２と平行な主軸(図示せず)が回転自在に枢支さ
れ、該主軸の本体前面に突出する軸端に円形の回転盤２
２が一体的に配設されている。主軸には、ギヤやベルト
等からなる伝達系２４を介して駆動モータ２６が接続さ
れ、該駆動モータ２６を駆動することにより、主軸およ
び回転盤２２が一体的に回転するよう構成される。

【０００９】前記回転盤２２の前端面には、サドル２８
が径方向に移動可能に配設されており、該サドル２８
は、図示しない調整装置により鋼管１６の寸法等に応じ
て位置調整されるようになっている。またサドル２８に
は、図示しない自動工具交換装置により着脱交換自在な
刃物台３０が配設され、該刃物台３０にバイトホルダ３
２が着脱交換自在に配設される。このバイトホルダ３２
は、図１に示す如く、刃物台３０に対してボルト３４を
介して位置決め固定され、その前部(鋼管１６を指向す
る端部)に、鋼管１６の外端部にカイサキ面取り加工を
施す外面チップ３８が着脱交換自在に収納される第１取
付部４０が形成され、該外面チップ３８は固定ボルト４
２を介して第１取付部４０に位置決め固定されるように
なっている。またバイトホルダ３２の前部には、鋼管１
６の内端部にカイサキ面取り加工を施す内面チップ４４
を備える取付具４６が着脱交換自在に収納される第２取
付部４８が形成され、該取付具４６は固定ボルト５０を
介して第２取付部４８に位置決め固定されるよう構成さ
れる。

【００１０】前記バイトホルダ３２に位置決め固定され
た外面チップ３８の切刃と内面チップ４４の切刃とは、
鋼管１６の軸線と平行な線を挟む位置で夫々所要の角度
で傾斜するよう位置決めされる。そして、前記保持装置
１８により保持されている鋼管１６の端面に向けて装置
本体１４を近接移動することで、図１に示す如く、外面
チップ３８および内面チップ４４により該鋼管１６の内
外の端部に所要角度のカイサキ面取り加工を夫々施し得
るようになっている。

【００１１】

【実施例の作用】次に、このように構成した実施例に係
るカイサキ面取り装置の作用につき説明する。前記装置
本体１４においては、前記保持装置１８に保持された鋼
管１６の寸法に応じて、前記刃物台３０が装着されたサ
ドル２８を回転盤２２に対して位置調整し、前記バイト
ホルダ３２の外面チップ３８および内面チップ４４を、
鋼管１６の対応する内外の端部と対向させる。

【００１２】前記駆動モータ２６により回転盤２２を回
転駆動した状態で、前記装置本体１４を鋼管１６の端面
に近接移動(前進)すると、バイトホルダ３２に取付けら
れている外面チップ３８および内面チップ４４は、回転
盤２２の回転により鋼管１６の外端部および内端部に倣
う軌跡を旋回する。この状態で装置本体１４を更に前進
すると、図１に示す如く、旋回している外面チップ３８
により鋼管１６の外端部にカイサキ面取り加工が施され
ると同時に、内面チップ４４により鋼管１６の内端部に
カイサキ面取り加工が施される。

【００１３】実施例のバイトホルダ３２では、鋼管１６
の外端部用の外面チップ３８と内端部用の内面チップ４
４とを装着してあるから、鋼管１６の外端部および内端
部のカイサキ面取り加工を同時に施すことができる。す
なわち、回転盤２２に外端部用の刃物台と内端部用の刃
物台とを配設する必要はなく、１基の刃物台３０で対応
し得るので、調整装置等を対応的に１基とすることがで
き、部品点数を少なくすると共に装置の簡略化を図り、
製造コストを低廉に抑えることができる。また刃物台３
０は１基であるので、該刃物台３０が別の刃物台と干渉
して移動調整範囲が限定されることはなく、管径が小さ
くて肉厚の厚い鋼管１６の内外の端部にカイサキ面取り
加工を施して幅の狭い端面を設ける場合にも対応し得
る。すなわち、バイトホルダ３２に対して２個のチップ
３８,４４を近接して装着することができるので、幅の
狭い端面を設ける場合であっても鋼管１６の内外の端部
にカイサキ面取り加工を同時に施すことができ、作業時
間を短縮して生産能率を向上することができる。

【００１４】なお、鋼管１６の厚みやカイサキ面取り角
度等が変わった場合は、対応する外面チップ３８および
内面チップ４４を配設した別のバイトホルダ３２と交換
することで簡単に対応し得る。あるいはバイトホルダ３
２に対する内外のチップ３８,４４の交換によっても対
応可能である。

【００１５】

【発明の効果】以上説明した如く、本発明に係るカイサ
キ面取り装置によれば、鋼管の外端部および内端部をカ
イサキ面取り加工する２個のチップを１基のバイトホル
ダに装着したので、装置を簡略化することができ、製造
コストを低廉に抑え得る。すなわち、回転盤に外端部用
の刃物台と内端部用の刃物台とを配設する必要はなく、
１基の刃物台で対応し得るので、調整装置等を対応的に
１基とすることができ、部品点数を少なくすると共に装
置の簡略化を図り得るものである。また刃物台は１基で
あるので、該刃物台の移動調整範囲が限られることはな
く、管径が小さくて肉厚の厚い鋼管の内外の端部にカイ
サキ面取り加工を施して幅の狭い端面を設ける場合で
も、内外の端部のカイサキ面取り加工を同時に行なっ
て、生産能率を向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るカイサキ面取り装置のバ
イトホルダを示す平面図である。

【図２】実施例に係るカイサキ面取り装置のバイトホル
ダを示す正面図である。

【図３】実施例に係るカイサキ面取り装置の全体を示す
概略構成図である。

【符号の説明】

１４ 装置本体 １６ 鋼管 ２２ 回転盤 ３０ 刃物台 ３８ 外面チップ ４４ 内面チップ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 装置本体(14)に回転自在に配設された回
   転盤(22)の前端面に、バイトホルダ(32)を備えた刃物台
   (30)が配設され、前記回転盤(22)の回転によって旋回す
   る刃物台(30)のバイトホルダ(32)に取付けられたチップ
   で鋼管(16)の端部をカイサキ面取り加工するカイサキ面
   取り装置において、 前記刃物台(30)に着脱自在に配設される前記バイトホル
   ダ(32)に、前記鋼管(16)の外端部をカイサキ面取り加工
   する外面チップ(38)および該鋼管(16)の内端部をカイサ
   キ面取り加工する内面チップ(44)を夫々着脱交換自在に
   装着したことを特徴とするカイサキ面取り装置。