JP2001321941A - 太径棒鋼のサブマージアークプレス溶接方法 - Google Patents
太径棒鋼のサブマージアークプレス溶接方法Info
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Abstract
棒鋼の溶接法において、溶接中の入熱変動、棒鋼先端の
溶融金属と鋼板上の溶融池との短絡に起因する溶接電圧
の変動及び、溶接開始時のアークスタート不良を防止す
ることによって溶接品質の向上を図る。 【解決手段】 溶接中の溶接電流及び溶接電圧をもとに
入熱を算出し、所定の溶接入熱に達した時点で溶接を終
了することによって溶接入熱の一定化を図り、また溶接
中の溶接電圧が所定の値となるように棒鋼の高さを制御
すると共に、溶接開始時にアークスタートに失敗した場
合にも溶接電圧が所定の値となるように棒鋼の高さを制
御することによってアークを再スタートさせる。
Description
の太径棒鋼のサブマージアークプレス溶接方法に関し、
主として、土木建築基礎現場における定着板とアンカー
鉄筋の溶接や基礎杭の端板とアンカー鉄筋の溶接を行う
さいに良好な溶接部が得られるサブマージアークプレス
溶接方法に関するものである。
開平9−155591号公報に示される棒鋼と鋼板とを
エンクローズアーク溶接する方法がある。エンクローズ
アーク溶接は、鉛直方向に配置された鋼板に対して棒鋼
を水平に支持するとともに、鋼板面と棒鋼端部を円筒形
のセラミックス製裏当て材を介して所定開先ギャップに
なるように固定し、裏当て材の上部開口部から溶接ワイ
ヤによりアーク溶接する方法であり、自動化を図るなど
の工夫によってD51程度のサイズの鉄筋を高品質で溶
接できる。しかしながら、この溶接方法は、水平に配置
された棒鋼を鉛直方向から溶接する場合には適用可能で
あるが、アンカー鉄筋と定着板を溶接する場合のように
鉛直に配置された鉄筋を溶接するさいには、溶接姿勢が
横向きになり、溶融金属が流れやすくなるため、溶接部
の品質を確保できない。
を鉛直に配置して鉄筋の端部と鋼板表面とを溶接する方
法では、例えば特開平3−258462号公報で開示さ
れているように、セラミックス製のフェルールで開先部
を囲い棒鋼と鋼板の間にアークを発生させて溶接部を加
熱溶融させた後、棒鋼を鋼板上の溶融池に押し込むこと
によって溶接するスタッド溶接法が挙げられる。このス
タッド溶接は、直流の溶接電源を用いて2000アンペ
ア程度の大電流で溶接を行うことによって溶接時間が1
秒程度という非常に高能率な溶接を達成している。
方法として、例えば特開平11−10342公報に示さ
れるように溶接中の平均電圧値や平均電流値を用いて溶
接入熱を求めることによって溶接結果の判定を行う方法
がある。しかしながら、スタッド溶接は溶接時間が極め
て短いためにこれらの管理データを溶接プロセスにフィ
ードバック制御することによって品質の安定化を図るこ
とは困難であった。また、スタッド溶接法は高価な定電
流型の直流溶接電源を必要とするために他のアーク溶接
方法に対して経済的に不利であった。
を使用するため、鋼材自身の残留磁界や溶接電流によっ
て発生する誘導磁界の影響を受けて溶接アークが不安定
となり易いという問題がある。このため棒鋼サイズの増
加とともに溶接部端面の溶融が不均一となり、高品質で
溶接できる棒鋼のサイズは直径25mm程度が限界であ
った。
径32mm程度)の棒鋼をより安価な垂下特性の交流溶
接電源を用いて溶接する方法として、例えば特開昭41
−76859号公報に示されるサブマージアークプレス
溶接法が挙げられる。従来のサブマージアークプレス溶
接法は、棒鋼端部をアーク発生用挿入体を介して被溶接
材に接触させるとともに、溶接ギャップ部を粉粒体フラ
ックスで包囲し、棒鋼に通電して前記溶接ギャップ間に
溶接アークを発生させることにより前記棒鋼端部を加熱
溶融させ、その後、被溶接材上に生成した溶融池に棒鋼
を押し込むことにより溶接を行っていた。
た粉粒体フラックスが溶融スラグとなり溶接部全体を覆
うため、安価な交流電源を用いても溶接アークが安定し
ており、1000A程度のスタッド溶接法に比べて、比
較的低電流で太径の棒鋼の溶接を行っていた。
レス溶接法は、溶接品質を安定化させるための制御がほ
とんどなされておらず、例えば溶接開始後タイマーのみ
に従って一定時間溶接アークを保持した後に棒鋼を溶融
池に押し込むことによって溶接を行なっていた。このた
め、溶接施工時の種々の変動要因によって溶接品質にば
らつきが生じていた。
ス溶接方法における溶接品質の劣化要因として、以下の
点が挙げられる。
れる。従来、サブマージアークプレス溶接法は主に土木
建築の現場施工で用いられているが、作業能率を考慮し
て重量物である溶接電源は1カ所に固定しておき、この
溶接電源と溶接装置の間に30mから80mの長い電源
ケーブルを接続し、溶接箇所に溶接装置のみを移動させ
て溶接する方法を採用している。この結果、電源ケーブ
ルにおける電力損失量が極めて大きく、また、その電力
損失量は電源ケーブルの劣化状態や発熱状態の違いによ
っても大きく変動するため溶接部に投入される入熱量も
変動し溶接品質の劣化要因となっていた。加えて、工事
現場における1次電源は主にエンジン発電機が用いられ
るが、周辺機器の使用状態によって出力電圧が大きく変
動するため、これも溶接品質の劣化要因となっていた。
源の出力状態による溶接入熱の変動を抑制し、棒鋼のサ
イズおよび材質に応じて溶接入熱を常に一定に制御する
ことがサブマージアークプレス溶接方法の溶接品質を向
上させるうえで重要である。
電圧変動が挙げられる。サブマージアークプレス溶接方
法では、溶接アークが棒鋼と鋼板のギャップで発生する
が、溶接が進行するに従って溶融した金属が棒鋼先端か
ら垂れ下がり、鋼板上の溶融池と短絡するため、溶接電
圧が変動しやすい。このため鋼板上の溶融金属を均一に
加熱することが困難となり、これが溶接部品質の劣化の
要因となる。この傾向は棒鋼サイズの太径化とともに強
くなり、特に棒鋼径が38mmより太い、太径鉄筋を溶
接するさいに溶接部の品質を維持するためには溶接中の
溶接電圧の制御は不可欠となる。
は、上記の溶接品質の劣化を抑制するとともに、溶接作
業性を向上させるためにアークスタート(溶接開始)時
の安定性が課題となる。サブマージアークプレス溶接方
法では、棒鋼と鋼板などの被溶接材との間にアーク発生
用挿入体を介して固定し、棒鋼に通電を開始してアーク
発生用挿入体を溶融させることによってアークスタート
を行なっていたが、挿入体セット時の接触不良やアーク
スタート時の挿入体の溶融状態の変動また粉粒体フラッ
クスの巻き込みによってアークスタートに失敗すること
があり、作業能率の低下要因となっていた。このため、
安定した溶接開始方法を確立することもサブマージアー
クプレス溶接方法において重要な課題であった。
溶接方法における問題点を克服し、溶接品質および作業
能率に優れたサブマージアークプレス溶接方法提供する
ことを目的とする。
解決するものであり、その要旨とするところは以下の通
りである。 (1)棒鋼の端部を水平方向に配置された被溶接材の表
面にアーク発生用挿入体を介して接触させるとともに、
溶接ギャップの周りを粉粒体フラックスで包囲した状態
で、前記棒鋼に通電して棒鋼端部から被溶接材にアーク
を発生させるとともに、棒鋼端部を加熱溶融させて被溶
接材の表面上に溶融池を生成させた後、棒鋼を溶融池に
押し込んで溶接するサブマージアークプレス溶接方法に
おいて、前記棒鋼のアーク発生時から溶接電流及び溶接
電圧を測定するとともに、これらの測定値から溶接入熱
量を計算し、該溶接入熱量の計算値が予め定めた所定の
溶接入熱量に達した後、棒鋼の端部を予め定められた所
定の押し込み量で溶融池に押し込むことを特徴とする溶
接品質に優れた太径棒鋼のサブマージアークプレス溶接
方法。 (2)前記溶接入熱量の計算値は、アーク発生時から所
定の時間間隔で測定した溶接電流と溶接電圧の積算値を
時間積分して求めることを特徴とする上記(1)記載の
溶接品質に優れた太径棒鋼のサブマージアークプレス溶
接方法。 (3)前記溶接電圧の測定値が予め定められた所定の電
圧になるように、鋼板に対する棒鋼の高さをフィードバ
ック制御することを特徴とする上記(1)および(2)
のいずれかに記載の溶接品質に優れた太径棒鋼のサブマ
ージアークプレス溶接方法。 (4)棒鋼の端部を溶融池に押し込むさいの押し込み量
が、前記予め定められた所定の押し込み量とアーク発生
時から押し込む時までの棒鋼の高さの変位量の和である
ことを特徴とする上記(3)に記載の溶接品質に優れた
太径棒鋼のサブマージアークプレス溶接方法。 (5)前記アーク発生時の溶接電圧の測定値が予め定め
られた所定の電圧になるように棒鋼の高さを調整するこ
とを特徴とする上記(1)〜(4)のうちのいずれかに
記載の棒鋼の溶接品質に優れた太径棒鋼のサブマージア
ークプレス溶接方法。
プレス溶接部の断面形状と主な溶接欠陥を示す。サブマ
ージアークプレス溶接方法で問題となる溶接欠陥は、溶
接金属7と棒鋼6の止端部に生ずるアンダーカット欠陥
9(図2(a))やオーバーラップ欠陥10(図2
(b))、溶接金属7と鋼板8の境目に生じる余盛り形
状不良11(図2(c))である。
接方法において発生するこれらの溶接欠陥を防止する方
法について種々検討した結果、アンダーカット欠陥及び
オーバーラップ欠陥は溶接入熱の制御を行うことによっ
て、また余盛り形状不良は溶接電圧制御を行うことによ
って防止することが出来ることが判った。本発明は、こ
れらの知見に基づいてなされたものである。
3はサブマージアークプレス溶接方法により直径32m
mの軟鋼の棒鋼を鋼板に溶接した時の溶接押し込み量と
溶接入熱量との関係、およびそのときの溶接部の欠陥発
生状況を調査した結果である。
に示すように溶接時の溶接電圧と溶接電流の積算値を溶
接時の投入エネルギーとして算出した。 [入熱量]=ΣV(t)×I(t)×Δt ・・・・・ (1) ただし、V(t):溶接電圧 、I(t):溶接電流、
Δt:溶接時間
囲よりも大きい場合は棒鋼の溶融量が過度に増加し押し
込み不足となりアンダーカット欠陥(図2(a))が生
じ、入熱量が適正範囲よりも小さい場合は棒鋼の溶融量
が過度に減少し押し込み過多となりオーバーラップ欠陥
(図2(b))が生じる傾向が高く、これらの溶接部欠
陥を防止するためには溶接入熱量を適正な範囲にするこ
とが重要である。
ける被溶接材の鉄筋サイズと溶接電圧の関係、およびそ
の時の溶接部の欠陥発生状況を調査した結果である。図
4に示すとおり、溶接電圧が低い場合は、短絡の発生率
が増し、鋼板上の溶融金属が広がり難くなるため溶接部
の余盛り形状が不良(凸形状)となり、溶接電圧が高す
ぎる場合は、アーク途絶やスラグインの原因となる。こ
こで余盛り形状不良(図2(c))とは、溶接金属と鋼
板の境目のなじみが悪くなり溶接金属の止端部の角度が
90度以下となる場合を指す。このように、溶接時の溶
接電圧を適正範囲に制御することにより溶接部の余盛り
形状の不良を防止できる。
溶接方法における溶接入熱量および溶接電圧の制御方法
を以下に説明する。はじめに、図7の本発明に用いたサ
ブマージアークプレス溶接装置の概略図により本発明の
実施形態を説明する。サブマージアークプレス溶接を行
うさいの事前準備として、まず溶接する鋼板8上に溶接
装置を配置する。このさい棒鋼6は溶接装置のクランプ
27で保持され、アーク発生用挿入体21を介して鋼板
8上に固定する。次に、鋼板8と棒鋼6との溶接ギャッ
プをフラックスホルダー20で囲み、さらにフラックス
ホルダー20内にフラックス19を充填して溶接ギャッ
プ(溶接部)の周囲を粉粒体フラックス19で包囲す
る。
ら棒鋼6に溶接電流を通電する。このさい溶接電流はア
ーク発生用挿入体を介して棒鋼から鋼板に流れるが、溶
接電流によりアーク発生用挿入体が溶融し、棒鋼6と鋼
板8の溶接ギャップ間にアークが発生する。
本発明では、アーク発生(溶接開始)時から溶接が完了
するまで電源ケーブル23に挿入したシャント抵抗28
の出力電圧を検出して溶接電流を測定するとともに、で
きるだけ溶接部近傍の電圧を取り込むためにクランプ2
7と鋼板8の間の電圧値を検出して溶接電圧を測定す
る。
により粉粒体フラックス19中で棒鋼6と鋼板8間のア
ークを保持させて棒鋼6の端面を加熱溶融させるととも
に、溶接電圧の測定値が所定の値となるように溶接装置
の押し込み装置により棒鋼の高さを調整する。ここで、
押し込み装置は、押し込み動作の駆動力を与えるサーボ
モータ24およびその制御装置5、サーボモータ24の
回転運動を押し込み動作に変換するためのねじ棒25お
よびナット体26、棒鋼6をナット体26に固定させる
ためのクランプ27から構成されている。
から溶接電流および溶接電圧を測定し、それらの測定値
から溶接入熱量を計算し、溶接時の溶接入熱量を管理
し、その溶接入熱量(演算値)が所定の値に達した瞬間
に棒鋼6を鋼板8上の溶融金属に押し込んで溶接が完了
する。
いて説明する。溶接入熱量14は、ある時刻での溶接電
流値In および溶接電圧値Vn から所定の時間間隔△t
(0.5s程度)の投入エネルギーの時間積分値として
下記の(1)式により求められる。棒鋼の押し込みタイ
ミング17は、溶接入熱量14が基準となる所定の入熱
量16と等しくなる時刻(Tweld)とする。 [入熱量]=ΣVn(t)×In(t)×Δt ・・・・・ (1) 但し、Vn(t):溶接電圧値 、In(t):溶接電流
値、Δt:所定の時間間隔
タイミングすなわち溶接時間Tweldを制御することによ
って、溶接電源パワーケーブルによる電力損失や溶接1
次電源の変動による溶接入熱量の変動を抑制でき、常に
一定の溶接入熱量を維持することができるため、それに
よりアンダーカット欠陥やオーバーラップ欠陥等の溶接
欠陥を防止し、良好な溶接品質が得られる。
て説明する。本発明では、溶接中の溶接電圧の測定値が
所定値に一定131となるように棒鋼高さを制御151
することによって溶接電圧の変動を防止する。これによ
り、溶接電圧の一定制御をしない場合に発生し易い棒鋼
先端の溶融金属と鋼板上の溶融金属の短絡(電圧波形1
8)防止でき、それによる余盛り形状不良の溶接欠陥を
防止でき、良好な溶接品質が得られる。
合、前述の溶接入熱量の制御によって棒鋼の溶融量は一
定に保たれているため、溶接終了時Tweldの棒鋼押し込
み量は、予め定められた押し込み量Lと溶接電圧制御の
開始からの棒鋼高さの変位量hの和となる。
御方法を図1のブロック図を用いて詳しく説明する。ま
た表1には、異なるサイズおよび材質の棒鋼ごとの代表
的な溶接条件および制御パラメータを示す。溶接入熱量
制御は、溶接電圧値:Vと溶接電流値:Iの測定値をも
とに式(符号1)によって、溶接における所定の時間間
隔Δtで積分演算し、その計算値:Eが予め定めた所定
の入熱量の値:Erefに達した時(符号2)に、棒鋼の
押し込みの開始指令を押し込み装置のサーボモーター制
御装置5に出すことによってなされる。
ると溶接電圧も増加するという溶接アーク特性の関係を
もとに棒鋼の高さ位置を制御する方法である。すなわ
ち、溶接電圧:Vの測定値と予め定めた所定の溶接電圧
の値:Vref との差分:ΔV(符号3)を計算し、ΔV
から溶接電圧測定値Vが小さいときは棒鋼高さ位置を引
き上げ、溶接電圧測定値Vが大きい場合は棒鋼高さ位置
を下げるように押し込み装置のサーボモーター制御装置
5で棒鋼高さ位置を制御することによって常に溶接電圧
値がVref になるように制御することができる。
用してアークスタートの制御も行う。アークスタート
(溶接開始)時にアーク発生用挿入体が瞬時に溶融し溶
接アークが途絶した場合、無負荷電圧となり電圧値が7
0V程度まで上昇する。一方、アークスタート(溶接開
始)時にアーク発生用挿入体が溶融せずに短絡電流が流
れる場合は電圧値がほぼ零となる。
時に溶接開始電圧:Vsを予め定めておき、溶接電圧の
測定値が無負荷電圧となり急激に上昇する場合は、溶接
電圧の測定値が設定値Vsとなるように棒鋼の高さ位置
を引き下げ、棒鋼の先端をアーク発生用挿入体の溶け残
り部分に接触させることによって再スタートさせ、一
方、短絡電流が流れ、溶接電圧の測定値がほぼ零となっ
た場合は、棒鋼の高さ位置を引き上げることによって溶
接アークを発生させることができる。設定電圧Vsは棒
鋼の種類に関わらず、例えば30Vくらいに設定すれば
良い。
方法を用いた実施例によりその効果を説明する。呼び径
でD32及びD38のSD295鉄筋および板厚22m
mのSM490鋼板を用いてサブマージアークプレス溶
接を行なった。溶接時には、表2に示す成分組成の粉粒
体フラックスを使用し、アーク発生用挿入体は鋼製の薄
板をキャップ状に加工したものを使用した。また、溶接
電源ケーブルの長さは10mと50mのものを用い、溶
接入熱制御および溶接電圧制御を行う本発明例とそれら
の制御を行わない比較例で、溶接部欠陥の発生状況を確
認した。
陥数を示す。溶接本数は各条件に対して20本とし溶接
欠陥のある鉄筋本数を比較した。溶接入熱制御および溶
接電圧制御を行なわなかった比較例では、鉄筋径の拡大
および電源ケーブル長さの増加とともに溶接欠陥の発生
率が増加する。一方、本発明例では溶接欠陥の発生は皆
無であった。また、溶接開始時の安定性に関しても、比
較例では全溶接本数160本中12回のアークスタート
不良がみられたが、本発明例ではいずれも安定したアー
クスタートを示した。
に制御することによって棒鋼の溶融量の適正化を図り、
かつ溶接電圧を所定の値に保つことによって直径38m
m以上の太径棒鋼においても溶接欠陥のない形状の良い
溶接部を得ることができる。このため従来の溶接法にお
いてみられたアンダーカットやオーバーラップ、余盛り
形状不良といった溶接欠陥を防止することができ、高い
溶接品質を再現性良く得ることができる。さらに、溶接
電圧制御を応用した溶接開始時の電圧制御によりアーク
スタートの失敗を防止することが可能となるため、溶接
工程の効率化にも大きく貢献する。
方法を示すブロック図である。
溶接欠陥を示す図で、(a)アンダーカット欠陥、
(b)オーバーラップ欠陥、(c)余盛り形状不良を示
す図である。
状況の関係を示す図である。
接欠陥発生状況の関係を示す図である。
用いるサブマージアークプレス溶接装置を示す図であ
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 棒鋼の端部を水平方向に配置された被溶
接材の表面にアーク発生用挿入体を介して接触させると
ともに、溶接ギャップの周りを粉粒体フラックスで包囲
した状態で、前記棒鋼に通電して棒鋼端部から被溶接材
にアークを発生させるとともに、棒鋼端部を加熱溶融さ
せて被溶接材の表面上に溶融池を生成させた後、棒鋼を
溶融池に押し込んで溶接するサブマージアークプレス溶
接方法において、前記棒鋼のアーク発生時から溶接電流
及び溶接電圧を測定するとともに、これらの測定値から
溶接入熱量を計算し、該溶接入熱量の計算値が予め定め
た所定の溶接入熱量に達した後、棒鋼の端部を予め定め
られた所定の押し込み量で溶融池に押し込むことを特徴
とする溶接品質に優れた太径棒鋼のサブマージアークプ
レス溶接方法。 - 【請求項2】 前記溶接入熱量の計算値は、アーク発生
時から所定の時間間隔で測定した溶接電流と溶接電圧の
積算値を時間積分して求めることを特徴とする請求項1
記載の溶接品質に優れた太径棒鋼のサブマージアークプ
レス溶接方法。 - 【請求項3】 前記溶接電圧の測定値が予め定められた
所定の電圧になるように、鋼板に対する棒鋼の高さをフ
ィードバック制御することを特徴とする請求項1および
2のいずれかに記載の溶接品質に優れた太径棒鋼のサブ
マージアークプレス溶接方法。 - 【請求項4】 棒鋼の端部を溶融池に押し込むさいの押
し込み量が、前記予め定められた所定の押し込み量とア
ーク発生時から押し込む時までの棒鋼の高さの変位量の
和であることを特徴とする請求項3に記載の溶接品質に
優れた太径棒鋼のサブマージアークプレス溶接方法。 - 【請求項5】 前記アーク発生時の溶接電圧の測定値が
予め定められた所定の電圧になるように棒鋼の高さを調
整することを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか
1項に記載の棒鋼の溶接品質に優れた太径棒鋼のサブマ
ージアークプレス溶接方法。
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