JP2001321764A - 紫外線照射ダイオキシン類処理装置 - Google Patents
紫外線照射ダイオキシン類処理装置Info
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Abstract
シン類を含む排水を処理するに際し、紫外線利用率が高
く、光源が汚れず、メンテナンス容易な装置を提供す
る。 【解決手段】排水を流下する排水膜3に形成するために
所定の間隔をおき対向して設けられた流下壁1と、排水
膜に紫外線を照射するために流下壁の間に排水膜とは非
接触に取り付けられた紫外線光源4とからなり、流下壁
を垂直面に対し傾斜調整可能に、光源保護部材5等を含
む紫外線光源4を取外し容易に構成した。好ましくは、
紫外線光源および/または光源保護部材の上下に、排水
の飛沫がこれらの光源や部材に付着するのを防止する飛
沫防止板9を取り付ける。
Description
市下水、清掃工場廃水、最終処分場浸出水等に含まれる
ダイオキシン類をはじめとするハロゲン化有機化合物
(以下、ダイオキシン類という)の処理に好適な紫外線
照射ダイオキシン類処理装置に関する。
・沈殿、活性炭処理等の各種処理装置を単独あるいは適
宜に組み合わせて処理していた。ところで、近年その混
入が各地で大きな社会問題を引き起こしているダイオキ
シン類は、水に対する溶解度が極めて低く、その多くは
有機物質や浮遊物質(SS)などに吸着された状態で存
在することが判明している。従って、従来は排水から浮
遊物質を分離・除去し、さらに活性炭処理などの高濃度
処理を施して除去していた。しかし、これらの方法は、
ダイオキシン類を分解しているのではなく、濃縮もしく
は吸着する処理方法であり、抜本的な処理になっていな
い。
ル(以下、OHラジカルという)を発生させ、このOH
ラジカルにより排水中のダイオキシン類をはじめとする
有機物、とくに溶解性ダイオキシン類を分解、除去する
促進酸化処理法が検討されるようになった。このOHラ
ジカルは、強い酸化力を有すると同時に反応の選択性が
低いことから、排水中の微量汚染物質の分解、除去に有
効である。OHラジカルは、紫外線、オゾン、過酸化水
素などを併用することにより発生するが、ダイオキシン
類に対し紫外線照射が脱塩素化反応に寄与するので紫外
線を利用する促進酸化法がよく用いられている。しか
し、従来の紫外線反応器は、排水中に紫外線光源を浸漬
して照射する浸漬型であって、紫外線利用率は高いもの
の光源表面に汚れを生じて照射効率が低下し光源の洗
浄、交換頻度が高く、また照射が不均一であるという問
題があった。とくに高濃度の汚染物質を含む排水処理に
おいてその傾向が強かった。
として、紫外線光源を被処理水と非接触に設けて照射処
理する流下膜反応型紫外線照射装置(Ultra Vi
olet−Falling Film:以下、UV−F
Fという)装置が開発された。このUV−FF装置は、
排水を所要の間隔をおいて対向する垂直流下壁(濡れ
壁)に沿って膜状に流下させ、前記流下壁の間に排水膜
とは非接触に紫外線の光源を配置して排水膜を照射する
ものである。
実用化するには以下の解決しなければならない課題があ
る。 (1)膜状排水を照射するので紫外線利用率が低い。 (2)排水飛沫の飛散によって紫外線光源が汚れる。 (3)紫外線ランプのメンテナンスが容易でない。 (4)排水、紫外線による装置腐食、劣化が激しい。
に含まれるダイオキシン類をはじめとしたハロゲンか有
機化合物を、安定かつ効果的に分解、除去しメンテナン
スが容易な流下膜式の紫外線照射ダイオキシン類処理装
置の提供を目的に研究の結果、完成されたのである。
ダイオキシン処理装置の基本的な実施形態例(断面)を
示す図1を参照して説明する。本発明は、前記の課題を
解決するためダイオキシン類を含む排水に、紫外線を照
射して処理するダイオキシン類処理装置であって、前記
排水を流下する排水膜3を形成するために所定の間隔を
おき対向して設けられた流下壁(濡れ壁)1と、排水膜
3に紫外線を照射するために流下壁1の間に排水膜3と
は非接触に取り付けられた紫外線光源4とからなり、流
下壁1を垂直面に対し傾斜調整可能に、光源保護部材5
等を含む紫外線光源4を取外し容易に構成したことを特
徴とする紫外線照射ダイオキシン処理装置を提供する。
本装置において、好ましくは、紫外線光源4および/ま
たは光源保護部材5の上下に、排水の飛沫が紫外線光源
4および/または光源保護部材5に付着することを防止
するための飛沫防止板9を取り付ける。また、排水の性
状によって、装置部材に耐腐食性および/または耐紫外
線の素材を使用する。
キシン類処理装置について、さらに実施形態例を挙げな
がら具体的に説明する。本発明では、上部に越流堰2の
ある流下壁(濡れ壁)1が対向して設けられ、ダイオキ
シン類を含む排水は、それぞれの越流堰2から流下壁表
面1に沿って膜状に流下する。流下壁1の間の空間部に
は、流下する排水膜3には触れないように紫外線光源4
および光源保護部材5が装着されて排水膜3を照射し、
排水中のダイオキシン類を処理する。6は排水の越流面
である。紫外線光源4や光源保護部材5を、排水膜3に
触れない位置に取り付けることによって、汚れのために
紫外線利用率が低下することを防ぎ、排水を膜状に拡げ
て紫外線が効率よく均一、かつ容易に排水膜3中のダイ
オキシン類に到達させるのである。
ン類処理装置の流下壁1は、垂直線に対して傾斜させ、
かつ、その角度を適宜に調整することができる構造を採
用している。傾斜角を調整することによって、流下する
排水膜3の厚さを調整し、紫外線利用率を増加すること
ができる。実験の結果、垂直に取り付けた流下壁1では
排水膜厚さが0.5mmであったものが、垂直面から3
度傾斜させることにより、排水膜3の厚さが0.8mm
になって紫外線利用率が8%高くなった。また、処理す
る排水の性状によっては腐食の激しいものがあるので取
外し可能に構成して修理、交換を容易にすることが望ま
しい。
くに制限はないが、紫外線利用率の高い低圧水銀灯が好
適である。紫外線光源の使用数、1灯当たりの大きさ、
配列などは紫外線の利用効率を高めるように適宜に設計
すればよく、とくに制限はない。しかし、紫外線光源4
は、長期の照射により光量が低下し、また表面が汚れる
おそれがあるなど、メンテナンスが重要であって、少な
くとも取外し、交換、修理が便利なように設計し、装着
する必要がある。図1に示されるように紫外線光源4を
下部にまたは上部に吊り下げまたは吊り上げられるよう
にユニット7に組み、上部にホイスト8を設けてユニッ
ト7一式を水平に引き抜ける構造にするのも一例であ
る。
排水の飛散が起こってその飛沫が紫外線光源4の表面や
光源保護部材5に付着し、紫外線照射を妨げて紫外線利
用率を低下させ、あるいは洗浄頻度を増加させるので、
防止策を講じておく必要がある。たとえば、紫外線光源
ユニット7の上側と下側とに、飛沫が紫外線光源4や光
源保護部材5に付着して紫外線照射を阻害するするのを
防止するための、平板等を組立てた飛沫防止板9を設け
るのも効果的である。
塩素イオン等の腐食物質が多く含まれているので、装置
の腐食が激しく紫外線による劣化も著しいので、処理水
質によっては、流下壁等に耐腐食、耐紫外線素材を用い
て製作する。たとえば、流下壁をFRPにフッ素樹脂加
工を施した素材を用いその他の部材をSUS316鋼を
用いて製作する。
本構成であって、このような構成を多数配列して使用す
ることもできる。そして、排水中のダイオキシン類濃度
が所要のレベルに低下するまで、排水を循環して照射す
ることもできる。
めるために紫外線の反射器を設けることができる。取付
位置や形状等に特別な制限はないが照射効率を高めるた
めに汚れにくく反射効率の高い反射面を用い、排水流下
膜面を万遍なく照射するように設計し配置することが望
まれる。
の凹凸を設けて偏流を防ぎ、排水膜に乱れを生じさせて
表面を更新し、表面積を拡大して紫外線の照射効率を高
めることができる。さらにまた、流下壁の表面に酸化チ
タンなどの触媒作用を有する物質をコーティングしてダ
イオキシン類の分解を促進することができる。
環照射、連続流通照射、あるいは連続供給・循環・一部
連続抜出し照射等があり、処理条件により任意に選択で
きる。
合のみではなく、オゾン処理、過酸化水素処理などと併
用してダイオキシン類の分解を効率的ならしめることが
望ましい。紫外線照射と過酸化水素とを併用する場合に
は、排水中に所要量の過酸化水素を一時に注入し、ある
いは処理の進行にあわせ紫外線照射と並行して過酸化水
素を適量ずつ分割又は連続注入してもよい。紫外線照射
とオゾンとを併用する場合には、例えば先に紫外線を作
用させた後にオゾンを用いるように順次に用いてもよ
く、また、同時に用いることもできる。
2とを組み合わせたバッチ方式の排水処理装置例をフロ
ーシートに示す。本例では対向する2面の流下壁13と
流下壁13間に水平方向に配置された紫外線ランプ14
とが設けられている。紫外線ランプ14は、ユニット1
6に組み立てられ、その上下には飛沫防止板15を取り
付けている。排水循環槽17に貯留された排水は、紫外
線照射槽ポンプ18によって越流堰溜19に送入され、
越流堰20を越えて排水膜を形成し流下壁13に沿い流
下して排水循環槽17に循環、貯留される。
水の一部がオゾン溶解槽ポンプ21によってオゾン溶解
槽12に送入され、紫外線照射とオゾン処理とが別々の
装置によって同時進行されることになる。オゾン溶解槽
12底部にはオゾン発生器22からオゾンガスが吹き込
まれ、槽内で排水と向流気液接触されている。23はオ
ゾンガス濃度調節計である。排水の紫外線照射・オゾン
処理時間は、排水中のダイオキシン類の種類や濃度によ
って異なるが一般的には0.1〜4時間程度である。
一部に循環方式を利用した本発明連続流通方式排水処理
装置例のフローシートを示す。本例紫外線照射槽31と
オゾン溶解槽32は、図2の例示したのと同様に構成さ
れている。紫外線照射槽31には排水供給ポンプ38か
ら被処理排水が連続供給される。紫外線照射を終えた排
水は排水循環槽37に貯留されオゾン溶解槽供給ポンプ
39によりオゾン溶解槽32に送られオゾン処理され
る。オゾン処理された排水は紫外線照射槽31に循環さ
れて紫外線照射され、排水循環槽37に戻される。排水
循環槽37からは、貯留する排水の一部が処理排水41
として系外に導出される。
装置とオゾン溶解処理槽とを組み合わせたダイオキシン
処理装置を用いて実施試験を行ったので、以下、具体的
に試験内容を説明する。なお、紫外線照射装置には、幅
2000mm、高さ1000mmの平板状流下壁を2
面、垂直面に対し3度の傾きで上開きに対向して設け、
紫外線光源として、500Wの低圧水銀ランプを3本、
水平にして流下壁の中間に垂直方向に等間隔に配置し
た。ダイオキシン類の分析は、ダイオキシン類標準測定
分析マニュアル(厚生省)に準じて測定した。
施試験を行った。飛灰中のダイオキシン類をトルエンで
抽出した後、メタノール置換した抽出液を、BOD80
mg/l、COD160mg/lの浸出水原水に添加し
てダイオキシン類濃度が4000pg/Lの試験用排水
を準備し、本発明の実施試験に供した。前記の試験排水
150リットルを用い、紫外線照射槽ポンプによる試験
用排水の循環量を1時間当たり1000リットルに調整
し、また、オゾン溶解槽にはオゾン濃度を5g/Nm3
以上に調整したオゾンガスを吹き込み、オゾン溶解槽循
環ポンプによる循環量を1時間当たり5400リットル
にして40分間運転した。運転後に試験用排水中のダイ
オキシン類濃度を測定した。その結果、試験用排水中の
ダイオキシン類全体の除去率は93%であって、各同族
体ともに76%以上が除去されていた。
続流通処理方式に改造し、BOD80mg/l、COD
160mg/lの浸出水原水を用いて連続流通処理試験
を行い、飛沫防止板の効果を確認した。操作条件は、排
水供給ポンプによる試験用排水の供給量を1時間当たり
400リットルに調整し、オゾン溶解槽にはオゾン濃度
を5g/Nm3以上に調整したオゾンガスを吹き込み、
オゾン溶解槽循環ポンプによる循環量を1時間当たり3
000リットルにして、試験用廃水の平均滞留時間を4
0分にした。試験開始直後、500時間後および150
0時間後の紫外線照射度を測定したので次に示す。
じ装置を用い、実施例1と同じ条件で試験用排水の処理
実験を行った。実験後、試験用排水中のダイオキシン類
濃度を測定した。その結果、試験用排水中のダイオキシ
ン類全体の除去率は85%であって、各同族体ともに6
0〜90%が除去されていた。
たのと同じ装置を用い、実施例2と同じ条件で試験用排
水の処理実験を行った。試験開始直後、500時間後お
よび1500時間後の紫外線照射度を測定したので次に
示す。
せ、飛沫防止板を取り付けることにより、ダイオキシン
類を含む排水の流下膜の厚さが増大して紫外線利用率が
向上し、紫外線照射度が長時間にわたって安定するの
で、ダイオキシン類をはじめとするハロゲン化有機物は
効果的に分解、除去される。さらに、紫外線光源や流下
壁の取り外しが容易になりメンテナンスをし易くなるな
どのメリットを生じる。
わせたバッチ方式排水処理装置の一例を示すフローシー
ト
フローシート
プ 19:越流堰溜 20:越流堰 21:オゾン溶解槽ポンプ 22:オゾン発生器 23:オゾンガス濃度調節計 31:紫外線照射槽 32:オゾン溶解槽 33:流下壁 34:紫外線ランプ 35:飛沫防止板 36:紫外線ユニット 37:排水循環槽 38:排水供給ポンプ 39:オゾン溶解槽ポンプ 40:オゾン発生器 41:処理水導出管
Claims (3)
- 【請求項1】ダイオキシン類をはじめとしたハロゲン化
有機化合物(以下、ダイオキシン類という)を含む排水
に、紫外線を照射して処理するダイオキシン類処理装置
であって、前記排水を流下する排水膜を形成するために
所定の間隔をおき対向して設けられた流下壁(濡れ壁)
と、排水膜に紫外線を照射するために流下壁の間に排水
膜とは非接触に取り付けられた紫外線光源とからなり、
流下壁を垂直面に対し傾斜調整可能に、紫外線光源を取
外し容易に構成したことを特徴とする紫外線照射ダイオ
キシン処理装置。 - 【請求項2】紫外線光源および/または光源保護部材の
上下に、排水の飛沫が紫外線光源および/または光源保
護部材に付着するのを防止する飛沫防止板を取り付けた
ことを特徴とする請求項1記載の紫外線照射ダイオキシ
ン処理装置。 - 【請求項3】装置部材が、耐腐食性および/または耐紫
外線の素材で構成されていることを特徴とする請求項1
または2記載の紫外線照射ダイオキシン処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000147106A JP3636636B2 (ja) | 2000-05-18 | 2000-05-18 | 紫外線照射ダイオキシン類処理装置 |
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JP3636636B2 JP3636636B2 (ja) | 2005-04-06 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN101734751B (zh) * | 2008-11-07 | 2013-01-02 | 株式会社日立制作所 | 紫外线水处理装置 |
FR2998486A1 (fr) * | 2012-11-28 | 2014-05-30 | Alfaa France | Dispositif de traitement de fluide |
JP2014233712A (ja) * | 2013-06-05 | 2014-12-15 | Ckd株式会社 | 紫外線殺菌装置 |
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FR2998486A1 (fr) * | 2012-11-28 | 2014-05-30 | Alfaa France | Dispositif de traitement de fluide |
WO2014083284A1 (fr) * | 2012-11-28 | 2014-06-05 | Alfaa France | Dispositif de traitement d'un fluide à l'aide des rayons ultra-violets |
JP2014233712A (ja) * | 2013-06-05 | 2014-12-15 | Ckd株式会社 | 紫外線殺菌装置 |
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