JP2001321648A - 水と油からなる安定な分散液を製造する方法 - Google Patents

水と油からなる安定な分散液を製造する方法

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 極めて分散状態が安定している水と油との混
合、分散系を製造する方法の提供。 【解決手段】 インバーターにより振動モーター2を5
0〜300Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動
を振動応力分散手段を介して処理槽内の振動棒7を一段
または多段に固定した振動羽根8を振幅0.01〜1
0.0mm、振動数200〜2500回/分で振動流動
させ、処理槽中の水と油を界面活性剤の存在下に、水と
油を撹拌することを特徴とする水と油との安定な分散液
を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水と油からなる安
定な分散液を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1995年の新聞が報じたところによれ
ば、米キャタピラー社とエネルギーベンチャー企業のA
−55(ネバタ州)は、共同で、水55%とガソリン4
5%とを特殊な添加剤を用いて混合した状態とし、これ
を特殊な触媒を通してエンジン内に噴射させて燃焼させ
る技術を開発したと報じている。
【0003】このように、ガソリンなどの油に水を混ぜ
合わせると、燃焼時の排気ガスを大幅に減らせるほか、
空気中では燃えにくく引火などの危険性が極めて低くな
るので、このような技術に対する期待は極めて大きいも
のがあるが、残念ながら前述の技術が未だ普及していな
いところをみると、水とガソリンとの混合物を安定に存
在させることができない点に原因があるのではないかと
想像される。
【0004】水と油を混合させる方法としては、適量の
界面活性剤の存在下に水と油をプロペラ式撹拌機で混合
する方法が知られている。しかし、マヨネーズのように
粘度の高く、卵が混ざっているものは長い間安定な混合
分散状態を保つことができるが、ガソリン、軽油、灯油
などの液状燃料を水中に多量に分散させ、かつそれを安
定な状態に維持することは極めて困難であり、このよう
な分散系が安定に存在しうるという知見は未だ知られて
いない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、極め
て分散状態が安定している水と油との混合、分散系を製
造する方法を提供する点にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、インバ
ーターにより振動モーターを70〜300Hz、好まし
くは100〜200Hz、とくに好ましくは140〜1
80Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を振動
応力分散手段を介して処理槽内の振動棒を一段または多
段に固定した振動羽根を振幅0.01〜10.0mm、
振動数800〜2500回/分で振動流動させ、処理槽
中の水と油を界面活性剤の存在下に、水と油を撹拌する
ことを特徴とする水と油との安定な分散液を製造する方
法に関する。なお、水と油の割合はとくに制限するもの
ではないが、水:油の割合が1:99〜90:10の広
い範囲において適用できる。
【0007】本発明の第二は、水と油の合計量に対し
て、水に可溶性のアルコール類を20重量%以下、好ま
しくは5〜15重量%の割合で共存させてなる請求項1
記載の水と油との安定な分散液を製造する方法に関す
る。
【0008】本発明の第三は、前記第一または第二の発
明を電気石(tourmaline)の存在下に実施す
る点にある。
【0009】本発明装置の1例を添付の図1〜3により
詳細に説明する。図1は、本発明装置の1例を示すもの
であって、1部縦断正面図である。図2、図3は、前記
装置を上部開放型円形タンク(処理槽)1に取付けた状
態を示す。処理槽1内には処理される水と油が入ってい
る。本発明の装置は振動モーター2に振動棒7が取付け
られ、さらに、振動棒7に、振動羽根8が好ましくは図
示されていない押え板を介して振動羽根用固定部材9例
えばナットや固定板等により回転不能に固定されてい
る。本例では振動羽根8は5枚で構成されている。振動
モーター2の振動を処理槽1に伝達させないため、振動
モーター2を上面に支持固定する本体載置台4aの下方
に振動吸収機構を設ける。振動吸収機構は、台板4bと
本体載置台4aとの間にバネ3を介装し、横すべり防止
のため台板4b上に固定したガイドシャフト5を本体載
置台4aに上下に摺動可能にスプリング(バネ)3内を
上下に分断的に貫通して(図11参照)本体載置台4a
をガイドしている。上記バネ3に代え、ゴム等の緩衝体
を用いてもよい。この場合には、ガイドシャフト5と緩
衝体は別位置に設ける。羽根の形状は、図9に示すもの
を使用した。羽根は金属製またはプラスチック製で厚み
1.5mmのものを使用した。角度は水平である。
【0010】振動数を制御するためトランジスターイン
バーター35を振動モーターの前に結線し、200Vを
供給する。振動モーター2の振動エネルギーは振動吸収
体機構の振動吸収体、例えばバネ3により処理槽1から
絶縁され、該エネルギーは振動棒7より処理される水に
振動羽根8により伝えられ、処理される水が循環流動す
る。振動発生手段として振動モーター2を使用すること
ができる。振動モーターは、いわゆる高周波バイブレー
タの範ちゅうに属するものであり、例えば村上精機工作
所製の3相200V、0.075〜3.7kWの商品名
「ハイフレユーラス」の各種グレードを液量に応じて選択
使用することができる。
【0011】前記振動羽根は、インバーターにより制御
された振動モーターにより70〜300Hz、好ましく
は100〜200Hz、とくに好ましくは140〜18
0Hzの間の任意の特定の振動を生じるが、この振動羽
根の材質および厚みは、この振動により羽根がしなりな
がら振動するものであることが好ましい。
【0012】また、振動羽根の形状は、板に切り込み部
を有しないものであることが好ましい。切り込みがある
と振動による材質疲労が原因で切り込み部分から羽根に
亀裂が発生するので好ましくない。もっとも好ましい形
状は羽根の先端部以外は振動棒に固定する振動羽根の付
け根部分の幅と同一の幅をもつ短冊状のものである。
【0013】本発明においては、振動応力分散手段を設
けることが好ましい。応力分散手段を用いた本発明装置
の1例を図13に示す。図13における接続部11を構
成する応力分散手段としては、例えばつぎのような手段
を挙げることができる。
【0014】一つの振動応力分散手段について述べれ
ば、振動発生手段と振動棒の接続部において、振動発生
手段の下部および/または上部の振動棒の周りに設けら
れるゴム質リングを設ける。ゴム質リングは肉厚のもの
が好ましい。
【0015】例えば、図4または図5に示すように、振
動伝達部材37に振動棒7を連結するに当り、振動伝達
部材37の所定の穴に振動棒7を通し、振動棒7の端部
をナット12、13、ワッシャーリング16により固定
し(図4の場合は振動伝達部材37とワッシャーリング
16の間にゴム質リング18′を介在させている)、一
方、振動伝達部材37の反対側は、振動棒7に前記の合
成ゴム質リング18を挿入し、ナット14、15により
固定する。
【0016】ゴム質リング18や18′を全く使用しな
いケースにおいては、振動応力が振動伝達部材と振動棒
との接合部分近辺に集中し、振動棒が折れ易いという問
題点があったが、ここにゴム質リングを挿着することに
より、完全に解消することができた。とくに、ゴム質リ
ングを使用しないで振動数を100Hz以上に高くした
場合には振動棒の折れがしばしば発生していたが、これ
により、そのような心配がなく振動数を高くすることが
できる。
【0017】前記ゴム質リングは、硬い天然ゴム、硬い
合成ゴム、合成樹脂等のショアーA硬度80〜120、
好ましくは90〜100の硬質弾性体により構成するこ
とができる。とくに、ショアーA硬度90〜100の硬
質ウレタンゴムが耐久性、耐薬品性の点で好ましい。
【0018】もう一つの振動応力分散手段は、振動発生
手段と振動棒の接続部において、振動発生装置と振動棒
の間に金属線束を挿入することである。例えば、図6に
示すように、振動伝達部材37に振動棒7を連結するに
当り、補助振動棒7′と金属線束23を介在させるもの
である。なお、場合により、補助振動棒7′は使用しな
いで、金属線束23を直接振動伝達部材37に連結する
こともできる。具体的には、補助振動棒7′の一端をナ
ット12、12′、13、13′、ワッシャーリング1
6、16′により振動伝達部材37に固定し、この他端
にナット19と接続リング20を介して金属線束23の
一端を連結し、ついで金属線束23の他端に接続リング
21とナット22を用いて振動棒7を連結した。これに
より、ゴム質リングを用いた場合と同様の効果を奏する
ことができる。
【0019】金属線束は、その構造が吊り橋のケーブル
としてよく利用されているタイプのものであって、たく
さんの金属単線あるいは金属撚線を端部で外側より結束
したものであり、通常結束には金属被覆部を用いる。こ
の金属線束と他物との連結には、前記金属被覆部にネジ
を切ることにより達成できる。
【0020】金属線束の大きさは、直径が振動棒と同じ
位であり、長さは振動により上下の金属線束の被覆部や
該被覆部に取付けられた接続リング同士が接触しない程
度の長さがあればよい。
【0021】通常、振動モーターは、処理槽上、処理槽
側壁にあるいは固い床上に架台をおきその上にセットす
る。槽の厚みが薄く(ステンレス槽5mm以下)液の振
動によりタンク側壁や床面に振動が伝えられる場合は槽
の外側に架台を設置することが好ましい。槽の厚みが5
mm以下の場合には、槽の側壁にバンドを締めるような
要領で補強部材を付設し、そこに振動装置を設置すると
よい。振動モーターの発生する振動は、基本振動部材を
介して振動棒に伝えられる。この場合、振動モーターは
通常基本振動部材の下側に吊り下げる形でセットするこ
とが好ましい(図14参照)。このようにすることによ
り重心を下げることができ、横ぶれの発生を極めて少な
くすることができる。
【0022】本発明における振動発生手段は、通常、振
動モーター(電機モーター、エアーモーター等も含む)
により基本振動部材や振動伝達部材などを振動させるシ
ステムを採用している。振動モーターに代えて電磁マグ
ネットあるいはエアーガンなどの振動発生手段も使用す
ることができる。
【0023】振動羽根部は、振動羽根と振動羽根用固定
部材よりなるが、振動羽根を複数枚重ねたもの、あるい
は振動羽根と振動羽根用固定部材を一体成形したものを
使用することができる。
【0024】前記振動羽根は、材質として、好ましくは
薄い金属、弾力のある合成樹脂等が使用できるが、振動
モーターの上下の振動により、少なくとも羽根板の先端
部分がフラッター現象(波を打つような状態)を呈する
厚みであり、これにより系に振動に加えて流動を与える
ことのできるものが好ましい。金属の振動羽根の材質と
してチタン、アルミニウム、銅、鉄鋼、ステンレス鋼、
磁性鋼などの磁性金属、これらの合金が使用できる。合
成樹脂としては、ポリカーボネート、塩化ビニル系樹
脂、ポリプロピレンなどが使用できる。振動エネルギー
を伝えて振動の効果を上げるため厚みは特に限定されな
いが一般に金属の場合は0.2〜2mm、プラスチック
の場合は0.5〜10mmが好ましい。過度に厚くなる
と振動撹拌の効果が減少する。
【0025】振動羽根の材質として弾性のある合成樹脂
等を使用する場合には、厚みは特に限定されないが一般
に0.5〜5mmが好ましいが、金属たとえばステンレ
スの場合は0.2〜1mmたとえば0.6mmのものが
好ましい。また、振動板の振幅は、0.1〜15mm、
好ましくは0.5〜5mmである。
【0026】振動軸に対し振動羽根は一段又は多段に取
り付けることができる。振動羽根を多段にする場合、水
位、容量、振動モーターの大きさにより変化し、必要に
応じて5〜7枚と増加することができる。多段の段数を
増加する場合、振動モーターの負荷を大きくすると振動
巾が減少し、振動モーターが発熱する場合がある。振動
羽根は一体でもよい。振動軸に対し振動羽根部の角度は
水平でもよいが、ある程度の角度をもたせることがで
き、角度α(図12参照)が5〜30度とくに10〜2
0度にして振動に方向性をもたせることもできる。
【0027】振動羽根は振動羽根用固定部材により上下
両面から挾みつけて振動棒に固定することにより振動羽
根部を形成することができる。また、振動羽根用固定部
材と振動羽根は振動軸の側面からみて図12に示すよう
に一体的に傾斜していることができる。
【0028】また、振動羽根と振動羽根用固定部材は例
えばプラスチックスを用いて一体成形することにより製
造することもできる。この場合は振動羽根と、振動羽根
用固定部材を別々に使用する場合に較べて、その接合部
分に被処理物が浸入、固着し、洗浄に手間がかかるとい
う欠点を回避することができる。また、羽根と固定部材
を一体化したことにより、厚みの段差が発生せず、応力
集中を避けることができるので、羽根の使用寿命を大幅
に延長することができる。
【0029】一方では振動羽根と振動羽根用固定部材を
別々に作っておけば、振動羽根のみをとりかえることが
できるが、一体成形のものでも交換は可能である。この
場合の振動羽根、振動羽根用固定部材、一体成形品はプ
ラスチックスに限らず、前述の種々の材料が使用でき
る。振動羽根用固定部材9や10を使用するときは、上
下から振動羽根をはさみつけて使用するが、この固定部
材は上下で、その大きさを異ったものとすることもで
き、これにより振動応力を分散させることができる。
【0030】また、図12にみられるように、振動羽根
用固定部材10と振動羽根8の間に合成樹脂シート例え
ば弗素樹脂シートまたはゴムシート33を介在させ、こ
れにクッション作用を持たせることにより振動羽根の応
力を分散することができる。また、前記合成樹脂シート
やゴムシート33は前記振動羽根用固定部材10より長
めで、振動羽根の先端方向にやゝ突出している長さとす
ることが好ましい。
【0031】振動羽根または振動羽根用固定部材などよ
りなる振動羽根部は、ナットを用いて振動棒に固着する
ことができる。振動羽根および/または振動羽根用固定
部材を多数振動棒に取付ける場合には、図13に示すよ
うにナット29で固定した後、振動棒に丁度嵌合する円
筒状の一定の長さのスペーサ30を1個(図13参照)
または複数個(図12参照)挿入することにより、振動
羽根および/または振動羽根用固定部材の間隔を簡単に
一定化することができる。
【0032】振動羽根(または振動羽根部)の形状は、
いろいろな形状を採用することができる。その1例を図
8〜9に示す。図8(a)の振動羽根8、8は、一枚の
板を十字状に切り抜いて作ってもよいし、矩形状のもの
を2枚重ねて作ってもよい。固定部材10は振動羽根の
巾と同じ〔図8(a)、図9(a)〕でもよいし、振動
羽根の巾より狭くてもよい〔図8(b)、図9(b)参
照〕。これらの場合、特願平6−337183号の図
7、8のように羽根に切欠部を設けると、長期使用の場
合に振動羽根や固定部材の破損を誘発する傾向があるの
で、切欠部を設けないことが好ましい。
【0033】振動羽根に図12のように角度αを与えた
場合には、特願平6−337183号の図22に示すよ
うに多数の振動羽根のうち、下位の1〜2枚を下向きの
角度とし、それ以外のものを上向きの角度とすることも
できる。このようにすると、処理槽底部の撹拌を充分行
うことができ、下部に溜りが発生するのを防止すること
ができる。
【0034】以上は、振動棒が1本の場合について説明
してきたが、振動棒は複数本であってもよいことは勿論
であり、多軸にすることにより大型の処理槽の撹拌に有
効である。この具体例を図15〜図17に示す。この具
体例は振動棒を2本としたケースであり、図16にそれ
がよく示されている。
【0035】振動羽根部の振動に伴って発生する振動羽
根の“しなり現象”の程度は、振動を与える周波数、振
動羽根の長さと厚み、被撹拌物の粘度、比重などによっ
て変化するので、与えられた周波数においてもっともよ
く“しなる”長さと厚みを選択することができる。周波
数と振動羽根の厚みを一定にして、振動羽根板の長さを
変化させてゆくと、振動羽根のしなりの程度は図10に
示すように長さ(固定部材より先の部分の長さ)が大き
くなるに従ってある段階までは大きくなるが、それをす
ぎるとしなりは小さくなり、ある長さはときにはほとん
どしなりがなくなり、さらに振動羽根を長くするとまた
しなりが大きくなるという関係をくりかえすことが判っ
てきた。その様子のモデルを図10に示す。
【0036】したがって、振動羽根の長さ(固定部材よ
り先の部分の長さ)は、好ましくは、第1回目のピーク
を示す長さか、第2回目のピークを示す長さを選択する
ことが好ましい。第1回目のピークを示す長さにする
か、第2回目のピークを示す長さにするかは、系の振動
を強くするか、流動を強くするかによって適宜選択でき
る。第3回目のピークを示す長さを選択した場合は、振
動巾が小さくなり、用途が限られる。
【0037】周波数150〜180Hz、75kWのK
HE−1−2T(株式会社村上精機工作所製)でSUS
304製の振動板のいろいろの厚みのものについて、ほ
ゞ第1回目のピークを示す長さ、第二回目のピークを示
す長さを求めたところ、つぎのような結果が得られた。
【表1】 なお、この実験における長さは、振動羽根用固定部材の
先端から振動羽根の先端までの長さで示したものであ
り、振動棒中心から前記固定部材先端部までの長さは2
7mm、振動羽根の角度αは上向き15゜の場合であ
る。
【0038】振動羽根の厚みは、被処理物の粘度、振動
条件により好ましい範囲は異なるが、振動羽根が折れる
ことなく、羽根のように充分しなうことのできる程度の
厚みとするのが、もっとも振動撹拌の効率を高めること
ができる。
【0039】この点から振動羽根は、系の流動に大きく
寄与し、振動羽根用固定部材は系の振動に寄与している
ものと推定される。
【0040】振動棒に固定するためにはナット(図中ナ
ットは省略している場合が多い)を用いて基本振動部材
または振動伝達部材などの振動羽根を固着することがで
きるが、特願平6−337183号の図18に示すよう
にナットの代りにストッパーリングを用いることができ
る。ストッパーリングを用いることにより振動棒を上下
させて液中の振動棒の長さを変化させることができるの
で、処理槽の大きさに応じて振動棒の長さを任意に調整
することができる。また、振動棒を金属製よりプラスチ
ック製などに容易に取り替えることができる。このよう
に処理槽内の液の性質により容易に振動棒や振動羽根な
どの撹拌手段を変更できることは、従来のプロペラ式撹
拌機では全く行なえないことである。
【0041】また、本発明においては、振動発生手段と
処理槽は、図13、図14の振動発生手段において、図
11に示すように振動伝達部材37から下方に垂直に伸
びた四本の支持棒47、それに対応して処理槽側から上
方に垂直に伸びた支持棒48および上下支持棒47、4
8を取り巻くスプリング36により係合されていること
が好ましい。とくに上と下の支持棒47、48は前記ス
プリング36により非接触状態に保たれていることが好
ましい。これにより、振動発生手段に横ゆれが発生して
も前述の係合部分でうまく横ゆれを吸収することがで
き、装置全体に好ましくない横ゆれの発生、それに伴う
騒音の発生を防止することができる。
【0042】振動発生手段と処理槽の間のスプリングを
用いた横ゆれ防止手段のかわりに、振動発生手段と処理
槽との間に、(イ)ゴム板または(ロ)ゴム板(板状ゴ
ム)と金属板との積層体よりなる振動吸収部材を用いる
こともできる。
【0043】本発明における振動吸収手段としての
(イ)ゴム板または(ロ)ゴム板と金属板との積層体
は、ゴム板により振動モーターを含む振動発生装置の振
動を吸収させ、かつ金属板とゴム板が一体になって、あ
るいはゴム板単独で振動モーターを含む振動発生装置の
重量を受け止めかつ、振動棒以外に振動が伝わらないよ
う無駄な振動を吸収する働きをしているものである。し
たがって、金属板とゴム板の積層体は、それぞれの間を
接着剤により接着してもよいが、接着しないで単に積み
重ねただけのものであってもよい。
【0044】ゴム板またはその積層体の厚みは、前述の
とおり振動発生装置の重量に耐えうるものであるととも
に、振動発生装置の振動を振動棒や振動羽根以外のもの
にはできるだけ伝達しないように吸収するという目的に
叶うものであればよい。
【0045】積層体は、金属板/ゴム板〔例えば図18
の(a)参照〕または金属板/ゴム板/金属板〔例えば
図18の(b)参照〕あるいはこれらの繰り返し〔例え
ば図18の(c)または(d)参照〕よりなる構成であ
ることができる。
【0046】前記ゴム板またはその積層体は、振動棒が
貫通するための孔が存在するだけで処理槽全体を覆う密
閉型のもの(金属板は槽の外枠と同一または大きいが、
ゴム板は槽の内側に栓をするようにくいこむ形のものも
使用できる)〔例えば図19の(a)参照〕、前記貫通
孔の個所で二分割されている準密閉型のもの〔例えば図
19の(b)参照〕、あるいは処理槽の枠にほゞ一致す
る部分をのぞき中央部が開口している開放型のもの〔例
えば図19の(c)参照〕などを例示することができ
る。図19の(b)のタイプのものは、2つに分割され
たゴム板を両方から分割面に押しつけるようにしてセッ
トすれば、ほゞ密閉型と同一の働きを示す。
【0047】完全密閉型とする場合には、振動棒がゴム
板またはその積層体を貫通する個所を可変形性シール部
材でシールする必要がある。このようなシールをすれ
ば、有毒ガスが発生する反応系の撹拌において、とくに
有利である。可変形性シール部材としては、軟らかいゴ
ムが使用できる。このような可変形性シール部材を使用
しない場合でも、ゴム板またはその積層体の主成分がゴ
ムであるうえ、振動棒の上下振動は通常20mm以下、
好ましくは10mm以下、とくに好ましくは5mm以下
であり、下限は0.1mm以上、好ましくは0.5mm
以上、といった程度であるから、ゴム板またはその積層
板の伸縮が振動棒の上下動にかなり追従することができ
るので予想外に摩擦熱は発生せず、単にゴム板またはそ
の積層体に振動棒の外径とほゞ同じ径の穴を開け、これ
に振動棒を通すのみで、可成り満足できる密閉状態を形
成することができる。また、前述の準密閉型の密閉状態
もほゞこれに準ずる密閉状態の形成が可能である。ま
た、シール部材と振動棒が一体となった密閉型市販品と
してはNHK CO.,LTD.社のNS・・・A形
〔コンパクトタイプ〕直線運動用やNS形〔重荷重タイ
プ〕直線運動用を採用することもできる。
【0048】積層体における金属板とゴム板との関係
は、通常金属板の平面図とゴム板の平面図が一致するも
のを積層して積層体としたものであるが、図20の斜視
図(一部断面図)のような形状のものを使用することが
できるが、この場合でも、上下の補助板を除く、ゴム/
金属積層体の上下面の表面積が、積層体の中心線に沿っ
て上から下に切断して形成される積層体の表面積より大
きいものであることが必要である。このような条件を満
さないと、積層体が振動するとき側面からみて多少であ
るが「くの字」型に変形し、振動棒に歪がかかるので好
ましくない。したがって、この場合の積層体部分は金属
板とゴム板とがそれぞれ少なくとも1〜2層以上積層さ
れているタイプのものが好ましい。おおむね5層以下で
充分である。
【0049】前記ゴム板は、合成ゴムあるいは天然ゴム
の加硫物であることができ、JISK6386で規定す
る防振ゴムが好ましい。
【0050】前記合成ゴムとしては、クロロプレンゴ
ム、ニトリルゴム、ニトリル−クロロプレンゴム、スチ
レン−クロロプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエ
ンゴム、イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ン共重合体ゴム、エピクロルヒドリン系ゴム、アルキレ
ンオキシド系ゴム、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム、
ウレタン系ゴム、多硫化ゴム、フォスファビンゴムなど
を例示することができる。市販ゴムシートとしては、天
然ゴム板、絶縁ゴム板、導電性ゴム板、耐油性ゴム板
(NBRなど)、クロロプレンゴム板、ブチルゴム板、
ハイパロン(登録商標)ゴム板、SBRゴム板、シリコ
ンゴム板、フッ素ゴム板、アクリルゴム板、エチレンプ
ロピレンゴム板、ウレタンゴム板、エピクロルヒドリン
ゴム板、難燃性ゴム板等が入手でき使用することができ
る。これらのゴム材料としては、とりわけ、JISK6
386(1977)記載の物性をもつ防振ゴムの物性を
満足するものが好ましい。とくに静的せん断弾性率4〜
22kgf/cm、好ましくは5〜10kgf/cm
、伸び250%以上のものが好ましい。
【0051】前記金属板としては、ステンレス板、鉄
板、銅板、アルミニウム板、その他各種合金板などを挙
げることができる。また、金属板として撹拌棒の蓋をそ
のまま転用することもできる。
【0052】本発明においては、前記(イ)ゴム板また
は(ロ)ゴム板と金属板との積層体よりなる振動吸収部
材の使用に加えて、処理槽とその据え付け部との間に任
意の振動吸収機構を付設することが好ましい。この振動
吸収機構は、前記据え付け部の上方に所望の厚みのゴム
層を設けることにより達成することができる。このよう
なゴム材としては、耐震構造建築の振動吸収材として用
いられているゴム材を用いることが好ましい。また、場
合によりゴム層に代えて重ね板ばね、皿ばねなどを用い
ることもできるし、前記ゴム層と併用することもでき
る。
【0053】また、振動モータの取付け態様は、図13
の方式でも図14の方式でもよい。
【0054】この横ゆれ防止機構を備えた振動撹拌タイ
プの本発明の水と油からなる安定な分散液を製造する装
置の1例は、図13および図14に示し、これらの図に
おける横ゆれ防止機構の拡大図は、図11に示す。図中
36はスプリング、46は処理槽またはそれに設けられ
た架台あるいは補強部材、47は基本振動部材または振
動伝達部材より下方に垂直に伸びた支持棒、48は前記
46より上方に垂直に伸びた支持棒である。図13のタ
イプは振動棒7に直接振動羽根8を振動羽根用固定部材
10で固定したものであり、図14のタイプは、振動棒
7を途中で2つに分割し、分割振動棒34、34に分か
れ、分割振動棒34、34には、振動羽根8、8……が
かけ渡されており、この振動羽根8、8……が振動する
ことにより系に振動撹拌を与える。
【0055】横ゆれ防止機構として、ゴムまたはゴム/
金属積層体を用いた本発明の水と油からなる安定な分散
液を製造する装置の例を図21と図22に示す。
【0056】本発明によれば、処理液を100mm/秒
以上、好ましくは200mm/秒、とくに好ましくは2
50mm/秒以上の流速で流動させることができる。な
お、この流速は、3次元電磁流速計(アレック電子株式
会社製商品名ACM300A)を用いて測定したもので
ある。
【0057】前記水に可溶性のアルコールとしては、と
くに水に対する溶解度が実質的に無限大のアルコール類
が好ましく、その具体例としては、メチルアルコール、
エチルアルコール、1−プロピルアルコール、2−プロ
ピルアルコールなどの1価アルコール;エチレングリコ
ール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジ
オール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオ
ール、2,3−ブタンジオールなどの多価アルコール、
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリ
コールモノメチルエーテルなどのアルコールエーテルを
挙げることができる。水に対する溶解度が無限大ではな
いが、水に可溶性の他のアルコールの例としては、dl
−1,2−ブタンジオール、dl−1,3−ブタンジオ
ール、イソプロピルアルコール、1−ブチルアルコー
ル、2−ブチルアルコールなどを挙げることができる。
高級アルコールも前記アルコール類と併用するなどして
使用することができる。また、アルコール以外の溶剤も
使用可能である。とくに油類の割合が高い場合には水可
溶性に左程こだわる必要がない。
【0058】前記電気石(tourmaline)とし
ては、一般式
【化1】 XYSi27(OまたはOHまたはF) (式中、XはCa、Na、K、Mnよりなる群から選ば
れた少なくとも1種の元素であり、YはMg、Fe、A
l、Cr、Mn、Ti、Liよりなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素である)などで示される1987年
2月15日共立出版株式会社発行「化学大辞典6」第24
6頁記載のホウ素含有シクロケイ酸塩鉱物や平成7年1
1月30日株式会社保育社発行「岩石鉱物」第86頁記載
の一般式
【化2】 XYAl(BO(Si18)(OH) (式中、XはNa、Caよりなる群から選ばれた元素で
あり、YはAl、Fe、Li、Mgよりなる群から選ば
れた元素である)で示されるホウ素含有シクロケイ酸塩
鉱物であり、具体的鉱物名としては、ショール〔NaF
AlSi27(OH)〕、ドラバイト
〔NaMg AlSi27(OH)〕、エ
ルバイト〔NaLiAlSi27(OH)
〕、チラサイト、石灰苦土電気石〔CaMgAl
Si27(OH)〕、リシア電気石〔Na
(Al,Fe,Li,Mg)Al(AlSi
27)(O,OH,F)〕などがある。
【0059】前記電気石は、例えばステンレス金網など
で作ったカゴなどに入れた状態で処理槽内に吊り下げ、
処理液と接触する状態にして使用する。電気石の個々の
大きさはカゴからこぼれ出ない範囲において小さいほど
接触面積が大きくなるので好都合である。使用量に制限
はないが、水と油の合計量に対し、1〜10%程度の割
合で使用するのが一応の目安である。
【0060】アルコール類や電気石の併用により、界面
活性剤の使用量を一層少なくすることができる。
【0061】本発明における油とは、石油、重油、廃
油、灯油、軽油、ガソリンなどの炭化水素系油あるいは
動物油、植物油などを挙げることができるが、油−樹脂
結合体、長油性アルキッド樹脂や短油性アルキッド樹脂
のように油変性樹脂は本発明における油ではない。
【0062】本発明において、ガソリン、軽油、灯油あ
るいは重油に水を加えて安定な分散液とした燃料は、廃
ガス中に有害成分が少なく、燃焼効率も高いので、経済
的である上、NOxやSOxの発生量が少なく、極めて
地球環境にやさしい燃料である。また、タンカー底部や
ガソリンスタンド貯油槽底部に堆積する廃棄用ビルジ廃
油のように、処理に困っていた廃油や廃塗料も、本発明
により水と油の分散液とすれば充分燃料として使用する
ことができる。
【0063】本発明によれば、機械油、潤滑油、天ぷら
油などの廃油についても水と安定な分散液とすることが
できるので、これらも新しい燃料としての道が開ける。
また場合によっては、脱脂剤廃液、金属加工等の廃油エ
マルジョン、工業用クリーニング廃液などに直接本発明
を適用することもできる。また、これらに他の廃油を加
えて本発明を適用したものは、燃料として使用できる。
さらに水のかわりに界面活性剤を含んでいるめっき工程
の脱脂廃液を用いることもできる。この場合は脱脂廃液
の処理と界面活性剤の節約が同時に達成できる。
【0064】食品分野では、マヨネーズやドレッシング
のように食用油と水系成分との分散体がいろいろ用いら
れており、そのためには高価なホモジナイザーが用いら
れているが、本発明を適用すれば、高価なホモジナイザ
ーより一層均一に分散されたマヨネーズやドレッシング
を得ることができる。
【0065】本発明に用いる界面活性剤としては、とく
に制限はないが、使用する油に対する親和性と水に対す
る親和性のバランスのとれたものが好ましい。通常、硫
酸エステル型、スルホン酸型のアニオン系界面活性剤や
アルキレンオキサイド系非イオン界面活性剤、ポリオキ
シアルキレンアルキルフェノール系非イオン界面活性剤
などを挙げることができる。油が食用油の場合には、ソ
ルビトール脂肪酸エステル系やポリオキシエチレンソル
ビトール脂肪酸エステル系などの人体に無害の界面活性
剤を選択することは当然である。また高分子分散剤も使
用可能であり、とくに前記界面活性剤と併用して使用す
ることができる。高分子分散剤としては、水溶性でんぷ
ん、リグニンスルホン酸ソーダなどの天然系高分子、ア
ルキルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウ
ム塩、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルアルコー
ルなどの合成高分子などを挙げることができる。
【0066】界面活性剤の使用量は、混合系に対して、
0.8重量%以下、好ましくは0.5重量%以下、さら
に好ましくは0.3重量%以下、一般的には0.01〜
0.5重量%、好ましくは0.1〜0.3重量%で使用
する。
【0067】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0068】実施例1 図1〜3に本発明の実施例に使用する振動撹拌手段と処
理槽を示す。図1は、本発明の実施例1に用いた装置の
断面図であり、図2は、図1の他の断面図であり、図3
は上面図である。振動撹拌手段を駆動するための振動モ
ーターは、株式会社村上精機工作所の3相、200V、
75Wの高周波(150〜180Hz)振動モーターハ
イフレユーラスKHE−1−2Tを用い、処理槽は内寸
1100×450×500(mm)のステンレス容器を
用いた。振動撹拌機は図1〜2に示すように、2本の振
動棒(SUS304製)の間に5枚の振動羽根(SUS
304製)を取り付けたものであり、上4枚の振動羽根
は水平方向から15°上向きに、一番下の振動羽根は水
平方向から15°下向きに取り付けたものである。 使用界面活性剤 ・アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム ・脂肪酸アルカノールアミド ・アルキルアミンオキシド ・ポリオキシエチレンアルキルエーテル(主成分) ・アルキルベタイン を40%含有しているJIS K 3370の洗浄剤と
表示されている花王石鹸株式会社製商品名「ファミリ
ー」を処理液5リットルに対し、15mlの割合で用い
た。 振動撹拌条件:インバーターにより振動モーターを18
0Hzで振動させた。
【0069】各組成物の乳化状態は、下記表のとおりで
ある。
【表2】 △:12時間後に若干の分離がみられた。 ◎:7日後においても非常に良好なエマルジョンであっ
た。 ガソリンは、JIS K 2201(1980)1号の
ものを使用。
【0070】
【表3】 △:12時間後に若干の分離がみられた。 ○:7日後においても良好なエマルジョンであった。 灯油は、JIS K 2203(1982)2号を用い
た。
【0071】
【表4】 △:12時間後に若干の分離がみられた。 ○:7日後においても良好なエマルジョンであった。 重油は、JIS K 2205(1980)1種1号A
重油を用いた。
【0072】実施例2 実施例1と同様の要領で、同量の界面活性剤を用いて6
0分間振動撹拌して得られたガソリン/水混合物、灯油
/水混合物、A重油/水混合物について、燃焼試験を行
ったところ、下記の結果が得られた。
【0073】燃焼は、灯油/水混合物およびA重油/水
混合物の場合は、三浦工業(株)のボイラーSI−20
00を使用した。ボイラー効率95.0%、空気比1.
24%、煙突の口径300mm、煙突の高さ6.0mで
あった。廃ガス中のNOxやSOxの測定はJIS K
−0103およびJIS K−0104で行った。な
お、ガソリン/水混合物の場合は、オートバイの燃料タ
ンクに該混合物を入れ、エンジンを駆動させることによ
り燃焼テストを行った。なお、NOx発生量の測定法お
よびSOx発生量の測定法は下記に従った。 NOx発生量の測定法:JIS K 0104に準拠 SOx発生量の測定法:JIS K 0103に準拠
【0074】
【表5】
【0075】
【表6】
【0076】
【表7】
【0077】実施例3 実施例1において、水と油の混合物として、 (A)水:灯油:メタノール=3:6:1 (B)水:灯油:メタノール=4:5:1 いずれも容量比 灯油はJIS K 2203(1982)2号 メタノールは工業用メタノール を用いた以外は、実施例1を繰り返した。なお、界面活
性剤の種類およびその使用量も同一とした。撹拌時間が
30分では、生成物を5リットル容器に採取して観察す
ると(A)、(B)いずれも1日後にわずかに分離の傾
向が認められたが、60分間撹拌したものでは10日間
放置しても分離はおきておらず、全体が乳白色で原液よ
りわずかに粘度が上がっていた。前記(A)を60分撹
拌処理したものの顕微鏡写真を図23に示す。なお、参
考までに 水:灯油=4:6 とした以外は前記と同一の操作を繰り返し、60分間撹
拌処理したものの顕微鏡写真を図24に示す。図から分
るように本発明のエマルジョンは直径2μm前後のもの
が多く、1μm以下や5μm以上のものが非常に少ない
ため、長期の安定性を示すものと考えられる。ちなみに
1μm以下の粒子が多くなると凝集がおこりやすく、5
μm以上の粒子が多くなると沈降やクリーミングが発生
しやすい。この60分撹拌処理したものを実施例1の要
領で燃焼試験を行った結果を下記に示す。
【表8】
【0078】実施例4 実施例1の装置を用い、処理槽内に平均直径5mmのト
ルマリン鉱石(エルバイト)5リットルを入れたステン
レス製金網カゴ(カゴの網目は1mm×1mm)をつり
下げ、界面活性剤の使用量を半分に減らしたほかは、実
施例1を繰り返した。その結果、実施例1と同一の結果
が得られた。
【0079】比較例1 実施例1において3相、200V、75Wの高周波振動
モーターハイフレユーラスKHE−1−2Tの代りに3
相、200V、75Wの低周波振動モーター(株式会社
村上精機工作所製KEE−1−2B)を取り付け、振動
撹拌条件をインバーターにより40Hzで振動させた以
外は、実施例1を繰り返した。撹拌時間が60分、12
0分、180分のいずれのものについても7日後には完
全に層分離していた。このケースで生成したエマルジョ
ンを調べてみたところ、図25に示すとおりであり、1
μm以下の粒子が多く、一方10μm以上の大きな粒子
も顕微鏡の視野のかなりの面積を占めており、エマルジ
ョンとして好適な範囲の2μm前後の粒子は非常に少な
かった。
【0080】
【発明の効果】(1)本発明により、極めて分散状態が
安定している水と油の混合、分散系を得ることができ、
得られた混合、分散系は乳化、分散粒子が極めて小さ
く、かつ粒度分布が狭く、比較的均一な粒子が分散した
状態である。 (2)水に対する油の割合が低くても、燃焼することは
非常に驚くべきことであり、かつ、それにより得られる
エネルギーも、相当する量の油が発生するエネルギーに
優るとも劣らない。 (3)燃焼による廃ガス中のNOxやSOxを調べたと
ころ、油のみを燃焼したときに較べて、NOxやSOx
の発生量が大幅に低減していた。 (4)以上の点を総合すると、本発明により得られた水
と油の混合物は、将来の低公害形燃料として有望であ
る。 (5)タンカー底部の廃油やガソリンスタンド貯油槽底
部の廃油あるいは水分を多く含む含油質産業廃棄物など
燃料として使用する道を開くものである。 (6)アルコール類を添加したものは、燃焼のさいに黒
煙が大巾に減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水と油からなる安定な分散液を製
造する装置の一部を縦断した正面図である。
【図2】本発明に係る水と油からなる安定な分散液を製
造する装置を処理槽に取付けた状態を示す平面図であ
る。
【図3】図2のX−X′線における処理槽および水と油
からなる安定な分散液を製造する装置の一部の縦断面図
である。
【図4】本発明装置における振動応力分散手段としてゴ
ム質リングを用いた場合の拡大断面図である。
【図5】本発明装置における振動応力分散手段としてゴ
ム質リングをもちいた場合のもう1つの変形例を示す拡
大断面図である。
【図6】本発明装置における振動応力分散手段として金
属線束を用いた場合の拡大断面図を示す。
【図7】金属線束端部の断面図を示す。
【図8】(a)は振動羽根の形状の1例を示す平面図で
あり、(b)はその変形例を示す平面図である。
【図9】(a)は振動羽根の形状の1例を示す平面図で
あり、(b)はその変形例を示す平面図である。
【図10】振動羽根の長さとしなりの程度の関係をモデ
ル的に示すグラフである。
【図11】本発明の横ゆれ防止機構の拡大断面図であ
る。
【図12】振動羽根と振動羽根用固定部材の間に合成樹
脂シートまたはゴムシートを介在させた振動羽根部の拡
大断面図である。
【図13】本発明装置の1具体例を示す断面図である。
【図14】図13に示した本発明装置の1変形例を示す
断面図である。
【図15】本発明装置のもう1つの変形例を示す断面図
である。
【図16】図15の装置の側面断面図である。
【図17】図15の装置の上面図である。
【図18】本発明の金属板/ゴム板の積層体よりなる振
動吸収部材の種々のタイプのものを示す断面図であり、
(a)は、金属板−ゴム板積層体の、(b)は、金属板
−ゴム板−金属板積層体の、(c)は、金属板−ゴム板
−金属板−ゴム板積層体の、(d)は、金属板−ゴム板
−金属板−ゴム板−金属板積層体の断面図である。
【図19】本発明の金属板/ゴム板積層体よりなる振動
吸収部材の種々のタイプのものの平面図であり、(a)
は密閉型の一例を、(b)は準密閉型の一例を、(c)
は非密閉型の一例を示す平面図である。
【図20】本発明の金属板/ゴム板積層体よりなる振動
吸収部材の特殊なケースを示す一部切断斜視図である。
【図21】本発明装置の他の変形例を示す断面図であ
る。
【図22】本発明装置の図21の側面断面図である。
【図23】実施例3の(A)のものを本発明方法により
1時間処理して得られた水と油の混合物の顕微鏡写真で
ある。
【図24】水と灯油を4:6で用いた以外は実施例3の
条件で1時間水と油を撹拌して得られたエマルジョンの
顕微鏡写真である。
【図25】比較例1で1時間水と油を撹拌して得られた
エマルジョンの顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 処理槽 2 振動モーター 3 振動吸収体であるバネ 4a 本体載置台 4b 台板 5 ガイドシャフト 6 支持架台 7 振動棒 7′ 補助振動棒 8 振動羽根 9 振動羽根用固定部材 10 振動羽根用固定部材 11 接続部(応力分散手段) 12 ナット 12′ ナット 13 ナット 13′ ナット 14 ナット 15 ナット 16 ワッシャーリング 16′ ワッシャーリング 17 振動棒のネジ溝 17′ 補助振動棒のネジ溝 18 ゴム質リング 18′ ゴム質リング 19 ナット 20 接続リング 21 接続リング 22 ナット 23 金属線束 24 金属線 25 金属線束の被覆部 26 金属線束の被覆部に設けたネジ溝 29 ナット 30 スペーサ 31 球面状キャップ 33 合成樹脂シート又はゴムシート(クッション作
用) 34 分割振動棒 35 インバーター 36 スプリング 37 振動伝達部材 46 処理槽またはそれに設けられた架台あるいは補強
部材 47 基本振動部材またはそれに設けられた架台あるい
は補助部材より下方に垂直に伸びた支持棒 48 前記46より上方に垂直に伸びた支持棒 51 金属板 52 ゴム板 53 金属板とゴム板の積層体 54 補助板 55 振動棒を通すための穴 56 中空部 57 ナット 58 ボルト 59 パッキング

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インバーターにより振動モーターを70
    〜300Hzの間の所望の振動を発生させ、この振動を
    振動応力分散手段を介して処理槽内の振動棒を一段また
    は多段に固定した振動羽根を振幅0.01〜10.0m
    m、振動数800〜2500回/分で振動流動させ、処
    理槽中の水と油を界面活性剤の存在下に、水と油を撹拌
    することを特徴とする水と油との安定な分散液を製造す
    る方法。
  2. 【請求項2】 水と油の合計量に対して、水に可溶性の
    アルコール類を20重量%以下の割合で共存させてなる
    請求項1記載の水と油との安定な分散液を製造する方
    法。
  3. 【請求項3】 電気石(tourmaline)の存在
    下に行うものである請求項1または2記載の水と油との
    安定な分散液を製造する方法。
  4. 【請求項4】 インバーターにより制御するHz数が1
    40〜180Hzである請求項1〜3いずれか記載の水
    と油との安定な分散液を製造する方法。
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