JP2001320191A - 電磁波吸収材 - Google Patents

電磁波吸収材

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JP2001320191A
JP2001320191A JP2000137339A JP2000137339A JP2001320191A JP 2001320191 A JP2001320191 A JP 2001320191A JP 2000137339 A JP2000137339 A JP 2000137339A JP 2000137339 A JP2000137339 A JP 2000137339A JP 2001320191 A JP2001320191 A JP 2001320191A
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absorbing material
wave absorbing
conductive powder
resistance layer
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JP2000137339A
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Inventor
Seigo Miyasoi
聖吾 宮副
Mitsuyuki Oda
光之 小田
Masato Morimoto
眞人 森本
Kazunori Kanda
和典 神田
Takashi Hoshitani
隆嗣 星谷
Manabu Imaoka
学 今岡
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Toyo Aluminum KK
Nippon Paint Co Ltd
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Toyo Aluminum KK
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抵抗層、絶縁層および導電層からなる電磁波
吸収材でありながら、λ/4タイプに属さず、これまで
のものに比べて厚みの薄い電磁波吸収材をを提供する。 【解決方法】 裏面に導電層を備えた絶縁体の表面に、
表面抵抗率が20〜10 Ω/□である抵抗層が形成さ
れており、吸収対象とする電磁波の内部波長の1/5よ
りも短い厚みを有する電磁波吸収材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電磁波吸収材および電
磁波吸収方法に関し、特にλ/4タイプに属さない電磁
波吸収材および電磁波吸収方法に関する。
【0002】
【従来の技術】これまで、不要反射などによるレーダー
障害や通信機器の伝送障害の対策に種々の電磁波吸収材
が用いられてきた。その中で最もよく知られているもの
は、フェライトを含んだものであるが、このものは重量
が大きくなるため、取扱いが容易ではない。そのような
問題点を解決するために、フェライト以外の材料として
誘電体を用い、抵抗層、絶縁層および導電層からなる構
成により、電磁波吸収材を軽量化しようとする試みがな
されてきた。
【0003】例えば、特開平11−54981号公報に
は、裏面を金属で短絡した誘電体の表面に抵抗膜を設け
た電波吸収体が開示されている。しかし、このものを含
め、これまでの抵抗層、絶縁層および導電層からなる電
磁波吸収材は、いわゆるλ/4タイプに属する。このλ
/4タイプは、古くからよく知られており、抵抗層、絶
縁層および導電層からなる積層体では、絶縁層の厚さが
電磁波の波長の1/4に設定されるというものである。
電磁波の波長λとその電磁波の絶縁体内部における内部
波長λとの関係は、この絶縁体が有する誘電率ε
用いて表すと、λ=λ(ε -1/2)である。これよ
り、絶縁層の厚さdは、d=λ/(4ε 1/2)で表
される。すなわち、吸収対象となる電磁波の波長が決定
すれば、絶縁層の誘電率に応じて、自ずとその電磁波を
吸収するための材料の厚みが決定してしまう。これは、
λ/4タイプに属している限りは回避できない問題であ
るため、この材料の厚みを薄くすることには限界があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抵抗層、絶
縁層および導電層からなる電磁波吸収材でありながら、
λ/4タイプに属さず、これまでのものに比べて厚みの
薄い電磁波吸収材を得ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁波吸収材
は、裏面に導電層を備えた絶縁体の表面に、表面抵抗率
が20〜1.0×10Ω/□である抵抗層を形成され
た電磁波吸収材であって、この電磁波吸収材の厚みが吸
収対象とする電磁波の内部波長の1/5よりも短いこと
を特徴とするものである。ここで、抵抗層の厚みは、吸
収対象とする電磁波の波長よりも充分に短いものであっ
てもよく、この抵抗層がフレーク状導電性粉末とバイン
ダー樹脂とを含む塗料から形成されたものであってもよ
い。さらにここで、フレーク状導電性粉末の導電性は、
例えば、1.0×10〜1.0×10-1S・cmお
よびアスペクト比が5〜250であり、このフレーク状
導電性粉末とバインダー樹脂との体積比は、例えば、5
/95〜50/50である。また、上記塗料は、さらに
粒状導電性粉末を含んでおり、この粒状導電性粉末の導
電性が10〜10S・cmであり、先のフレーク状
導電性粉末とこの粒状導電性粉末との重量比が10/9
0〜99.5/0.5とすることができる。ここで、フ
レーク状導電性粉末と粒状導電性粉末とを合計したもの
と先のバインダー樹脂との体積比が5/95〜50/5
0であることが好ましい。
【0006】また、本発明の電磁波吸収材は、抵抗層、
絶縁層および導電層がこの順に存在し、上記抵抗層は、
その表面抵抗率が20〜1.0×10Ω/□であり、
上記電磁波吸収材の厚みが吸収対象とする電磁波の内部
波長の1/5よりも充分に短いことを特徴とするもので
ある。ここで、抵抗層の厚みは、吸収対象とする電磁波
の波長よりも充分に短いものであってもよく、この抵抗
層がフレーク状導電性粉末とバインダー樹脂とを含む塗
料から形成されたものであってもよい。上記抵抗層は、
さらに粒状導電性粉末を含むことができる。さらに、本
発明は、先の電磁波吸収材を用いる電磁波吸収方法を提
供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の電磁波吸収材は、裏面に
導電層を備えた絶縁体の表面に、表面抵抗率が20〜
1.0×10Ω/□である抵抗層が形成された電磁波
吸収材であって、この電磁波吸収材の厚みが吸収対象と
する電磁波の内部波長の1/5よりも短いことを特徴と
するものである。本発明の電磁波吸収材における絶縁体
は、裏面に導電層を備えている。上記絶縁体は、基本的
に直流電流を通さないものであり、電磁気学的には「無
損失の誘電体」と呼ばれるものである。このような絶縁
体としては、各種樹脂、ガラス、紙などのよく知られた
ものを挙げることができる。上記樹脂としては、特に限
定されず、プラスチック、発泡スチロール、ポリウレタ
ンなどの種々のものを利用することができる。この中で
誘電率が大きいものを用いることが好ましい。
【0008】また、上記絶縁体の厚みは、吸収対象とす
る電磁波の内部波長の1/5よりも短く、さらに1/1
0より短いことが好ましい。上記厚みが1/5以上であ
ると、電磁波吸収材の厚みを薄くしたことにならない。
本発明の電磁波吸収材は、λ/4タイプに属さないため
に、上記絶縁体の厚みの設計自由度が高い。上記絶縁体
の裏面に備えられる導電層は、通電性が良好なものであ
れば特に限定されず、例えば、金属板であってもよい
が、得られる電磁波吸収材の重量の観点から、金属を薄
膜化したものを用いることが好ましい。このような金属
薄膜化の手段はよく知られており、例えばメッキや蒸着
によって導電層を絶縁体に形成することが可能である
他、アルミ箔などの金属箔を、必要に応じ、接着剤など
を用いて絶縁体の裏面に貼付することにより導電層を形
成することができる。また、樹脂フィルムの片面をアル
ミコーティングしたものが市販されており、これを用い
ることもできる。この導電層の厚さは限定されないが、
上記絶縁体に比べて充分に薄くすることができ、例え
ば、5〜500μmとすることができる。導電層の厚み
が500μmを越えても、厚みに見合った効果が得られ
ず経済的ではなく、5μm未満であると、電磁波吸収能
が得られない恐れがある。
【0009】本発明の電磁波吸収材は、上述の裏面に導
電層を備えた絶縁体の表面に、抵抗層を形成したもので
ある。この抵抗層は、表面抵抗率が20〜1.0×10
Ω/□であって、かつ吸収対象とする電磁波の波長よ
りも充分に短い厚みを有する。これまでの抵抗層、絶縁
層および導電層からなる電磁波吸収材における抵抗層
は、上記2つの条件を満たすものではなかった。抵抗層
が上記2つの条件を満たさない場合には、得られる電磁
波吸収材の厚みを薄くすることができないか、または充
分な電磁波吸収能を得ることができない。なお、ここで
いう「充分に短い」とは、約1/100以下を意味す
る。例えば、吸収対象とする電磁波の周波数が5.8G
Hzである場合には、上記抵抗層の厚みは、520μm
以下である。
【0010】なお、表面抵抗率は抵抗層の電磁気特性
(直流の体積固有抵抗)と厚さとから決定される値であ
り、抵抗層の抵抗率を測定器により実測して得ることが
できる。上記抵抗層は、例えば、フレーク状導電性粉末
とバインダー樹脂とを含む塗料から形成することができ
る。このフレーク状導電性粉末の導電性は1.0×10
〜1.0×10-1S・cmおよびアスペクト比が5
〜250であることが好ましく、20〜200であるも
のがさらに好ましい。導電性がこの範囲外では、形成さ
れる抵抗層の表面抵抗率が十分でない恐れがある。一
方、アスペクト比が5未満であると、形成される抵抗層
の表面抵抗率が、上記の範囲を外れる恐れがある。一
方、250を上回るものは製造および入手が困難であ
る。
【0011】上記フレーク状導電性粉末の導電性は、フ
レーク状導電性粉末をペレット化し、これの導電性を測
定することにより求められる。一方、上記アスペクト比
は、フレーク状導電性粉末の平均粒径D50を粒子の厚み
で割って得られる値である。ここで上記平均粒径D
50は、粒径測定が可能な機器を用いて決定することがで
き、上記粒子の厚みは、電子顕微鏡による実測や計算に
よって求めることができる。
【0012】上記フレーク状導電性粉末は、通電性を有
する金属および金属酸化物を原料として、これを例え
ば、ボールミルなどを用いて上記アスペクト比の範囲に
加工することにより得ることができる。得られる塗膜の
導電性を考慮すると、上記原料としては、銀、銅、ニッ
ケル、コバルト、ケイ素鋼が好ましい。なお、これらの
金属を、上記アスペクト比の範囲に加工されたその他の
金属やグラファイト、ガラス、マイカなどを表面にメッ
キしたものも利用可能である。
【0013】上記抵抗層は、さらに粒状導電性粉末を含
むことができる。粒状導電性粉末を含むことにより、吸
収対象とする電磁波の波長を調整することができる。こ
の粒状導電性粉末は1.0×10〜1.0×10
・cmであることが好ましい。導電性がこの範囲外で
は、先の特性が得られない恐れがある。この粒状導電性
粉末の粒径は特に限定されないが、例えば、0.1〜1
000μmである。上記粒状導電性粉末は、例えば、
銀、銅、ニッケル、コバルト、ケイ素鋼からなる一般に
金属粉末と呼ばれる粒状の形態を有するものであってよ
い。また、スパッタリング法や蒸着法により、導電性金
属薄膜が有機や無機の粒子表面に形成されたものであっ
てもよい。なお、先のフレーク状導電性粉末と前記粒状
導電性粉末とは、同一の金属種であっても異なっていて
もよい。
【0014】また、上記バインダー樹脂は、上記フレー
ク状導電性粉末を膜中に固定できるものであれば特に限
定されるものではなく、一般的に塗料に用いられるもの
が使用できる。具体的には、アクリル樹脂、アクリル−
ウレタン樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、エポキシ
樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ABS樹
脂、塩素化ポリエチレン樹脂およびこれらの変性樹脂等
を挙げることができる。また、必要に応じて例えばイソ
シアネート、アミン、メラミン、オキサゾリン系等の硬
化剤を用いることもできる。なお本明細書においては、
これらの硬化剤はバインダー樹脂に含めるものとする。
【0015】上記抵抗層を形成するための塗料は、上記
フレーク状導電性粉末と上記バインダー樹脂との体積比
が5/95〜50/50に設定されていることが好まし
い。体積比が5/95未満であると、形成される抵抗層
の表面抵抗値が、上記の範囲を外れる恐れがあり、50
/50を上回ると、塗料による抵抗層の形成が困難であ
る。上記塗料が粒状導電性粉末を含む場合、フレーク状
導電性粉末と粒状導電性粉末との重量比は10/90〜
99.5/0.5であることが好ましい。この範囲外で
は、得られる電磁波吸収材の厚みを吸収対象とする電磁
波の内部波長の1/5よりも短くすることが難しい。ま
た、フレーク状導電性粉末と粒状導電性粉末とを合計し
たものとバインダー樹脂との体積比が5/95〜50/
50であることが好ましい。体積比が5/95未満であ
ると、電磁波吸収材の厚みを薄くすることが困難とな
り、50/50を上回ると、抵抗層の形成が困難であ
る。上記塗料は、上記フレーク状導電性粉末およびバイ
ンダー樹脂以外に、表面調整剤や沈降防止剤などの塗料
に含まれる一般的な添加剤を含んでいても構わない。ま
た、塗料の形態としては限定されず、例えば溶剤型、水
性などの種々の形態をとることができる。
【0016】上記抵抗層の形成は、上記塗料を上記絶縁
体の表面に塗布し、これを乾燥することによって行われ
る。塗布手段としては、例えば、刷毛、スプレー、ロー
ルコーターなどの当業者によく知られた方法が利用でき
る。また、乾燥条件は、上記塗料および絶縁体の種類や
形態に応じて種々選択することができる。本発明の電磁
波吸収材の電磁波吸収能は、上記塗料配合や上記抵抗層
の膜厚を変化させること、および絶縁体の厚みを変化さ
せることにより制御可能である。これらは同時に変更可
能であるが、絶縁体の厚みを固定して、上記塗料配合や
上記抵抗層の膜厚を変化させることが設計上容易である
ため、好ましい。
【0017】このようにして得られる、本発明の電磁波
吸収材は、抵抗層、絶縁層および導電層がこの順に存在
している電磁波吸収材であって、上記抵抗層は、その表
面抵抗率が20〜1.0×10Ω/□であり、かつそ
の厚みが吸収対象とする電磁波の波長よりも充分に短い
ことを特徴とするものである。ここで、抵抗層および導
電層は、その製造方法のところで上述した抵抗層および
導電層であり、絶縁層は、上述した絶縁体からなるもの
である。
【0018】本発明の電磁波吸収材の厚みは、吸収対象
とする電磁波の内部波長の1/5よりも短いものであ
り、具体的には100μm〜2cmであることが好まし
く、150μm〜1cmであることがさらに好ましい。
2cmを越えると、電磁波吸収材の厚みを薄くしたこと
にならず、100μm未満であると、充分な電磁波吸収
能が得られない恐れがある。本発明の電磁波吸収材にお
いて、抵抗層および導電層の厚みは、絶縁層の厚みより
充分に小さく、本発明の電磁波吸収材の厚みは、実質的
に絶縁層の厚みで決定されるものである。
【0019】本発明の電磁波吸収材は、不要とされる電
磁波を吸収するのに使用される。本発明の電磁波吸収材
は、1〜20GHzの高周波に対して有効に使用され
る。具体的なものとしては、9.3GHzを用いる船舶
レーダーの偽像防止のために橋などの海上構造物への設
置や2.4GHz帯および5.3GHz帯を用いる無線
LAN通信環境を改善するための建築内装物への設置が
行われる。このような設置は、本発明の電磁波吸収材の
裏面となる導電層に接着剤などの接着成分を塗布して、
対象とする基材に貼り付けることやボルトなどの固定用
部品を用いて上記基材に固定することなど、任意の方法
により行うことができる。
【0020】本発明の電磁波吸収材は、抵抗層、絶縁層
および導電層からなる電磁波吸収材であるにもかかわら
ずλ/4タイプに属せず、その厚みを薄くすることがで
きる。このことは、本発明の電磁波吸収材が有する抵抗
層が、高容量性サセプタンスを有しているためによるも
のと考えられる。すなわち、本発明の電磁波吸収材にお
いては、抵抗層が電磁波吸収能を有しており、抵抗層、
絶縁層および導電層という、従来の電磁波吸収材と同一
の構成を有するものの全くその性質が異なる電磁波吸収
材である。なお、サセプタンスは測定によって求めるこ
とができるが、薄膜に形成した材料のサセプタンスを正
確に、かつ直接求めることは極めて困難である。
【0021】
【実施例】抵抗層の形成に用いる塗料の調製 フレーク状導電性粉末として、表1に示した特性を有す
る3種類のフレーク状導電性粉末A、BおよびC55重
量部とバインダー樹脂IB−6500(昭栄化学社製ア
クリル樹脂、樹脂固形分33%)45重量部(固形分)
とを混合し、それぞれ塗料A、BおよびCを調製した。
また、フレーク状導電性粉末B50重量部と粒状導電性
粉末5重量部と上記バインダー樹脂45重量部(固形
分)とを混合し、塗料Eを調製した。また、比較例用の
塗料として、フレーク状導電性粉末D70重量部と上記
バインダー樹脂30重量部(固形分)とを混合した塗料
D、および上記フレーク状導電性粉末A20重量部と上
記バインダー樹脂80重量部(固形分)とを混合した塗
料A’を調製した。
【0022】なお、フレーク状導電性粉末および粒状導
電性粉末の導電性は、これらを成型器によりペレット化
し、このものの導電性を測定した。一方、アスペクト比
は、フレーク状導電性粉末の平均粒径D50を粒子の厚み
で割って得た。
【0023】
【表1】
【0024】電磁波吸収材の調製 化粧紙を張り合わせることにより、それぞれ表2に示し
た厚さを有する絶縁層を形成し、その裏面に厚さ15μ
mのアルミ箔を張り付けて導電層を形成した。次いで、
絶縁層の表面に、先に得られた塗料を乾燥膜厚がそれぞ
れ表2に示す値になるようにエアースプレーで塗装し
た。約7分間セッティングを行った後、65℃で20分
乾燥を行うことにより、抵抗層を形成して、実施例1〜
8ならびに比較例2および3の電磁波吸収材を得た。
【0025】なお、比較例1は、表面の抵抗層に表面抵
抗率が300Ω/□のITO蒸着膜を用いてλ/4タイ
プの電磁波吸収材を作成した。
【0026】表面抵抗率の測定 上で得られた電磁波吸収材(210mm×210mm)
の表面を三菱化学社製のLoresta AP MCP
−T400を用いて、表面抵抗率を測定した。
【0027】電磁波吸収能の測定 1対のガイドホーンアンテナに、ヒューレットパッカー
ド社製のネットワークアナライザHP8510Bを接続
し、フリースペース法により、試料台に金属板(210
mm×210mm)を置いたときのTM30deg入射
時のSパラメーター(S21)を測定した。次に試料を
金属板上に設置し、同様にしてS21を測定して、最大
吸収ピークを示す周波数において得られた反射減衰量を
吸収量とした。各電磁波吸収材の特性値および電磁波吸
収能測定結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】表2に示すように、本発明の電磁波吸収材
は、これまでのλ/4タイプのものに比べて、その厚さ
を充分に薄くすることができる。また、比較例2では、
表面抵抗率が小さすぎるため、入射した電磁波のほとん
どが塗膜の内部に侵入することなく表面で反射し、比較
例3では、表面抵抗率が大きすぎるため、入射した電磁
波が影響を受けることなく通過するために、整合条件に
合わず反射減衰能を示さない。また、実施例8の結果が
示すように、粒状導電性粉末をフレーク状導電性粉末と
併用することにより、最大吸収ピーク周波数が変化す
る。
【0030】
【発明の効果】本発明の電磁波吸収材は、表面抵抗率が
20〜1.0×10Ω/□の抵抗層を備え、かつ、こ
の抵抗層の厚みが吸収対象とする電磁波の波長よりも充
分に短い厚みを有するという特性であるため、λ/4タ
イプに属せず、その厚みを薄くすることができる。よっ
て、これまでの電磁波吸収材と比較して、軽くて薄いた
め、橋梁などの種々の構造物や構造物を構成する建材な
どに対して利用可能である。また、本発明の電磁波吸収
材は、抵抗層の厚みが、吸収対象とする電磁波の波長よ
りも充分に短いので、特に1〜20GHzの高周波領域
で有効に機能することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小田 光之 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 森本 眞人 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 神田 和典 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 星谷 隆嗣 大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目6番8 号 東洋アルミニウム株式会社内 (72)発明者 今岡 学 大阪府大阪市中央区久太郎町3丁目6番8 号 東洋アルミニウム株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AB10 AB16 AB33 AK15 AK25 AR00A AR00B AR00C BA03 BA07 BA10B BA10C BA25C CA21C CC00 CC00C DE01H DE02C DE02H DG10 EH462 GB41 JD08 JD08C JG01B JG04A JG04C JL03 YY00C 5E321 AA21 BB23 BB25 BB32 BB34 GG11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】裏面に導電層を備えた絶縁体の表面に、表
    面抵抗率が20〜1.0×10Ω/□である抵抗層が
    形成された電磁波吸収材であって、前記電磁波吸収材の
    厚みが吸収対象とする電磁波の内部波長の1/5よりも
    短いことを特徴とする電磁波吸収材。
  2. 【請求項2】前記抵抗層の厚みが、前記吸収対象とする
    電磁波の波長よりも充分に短いことを特徴とする請求項
    1記載の電磁波吸収材。
  3. 【請求項3】前記抵抗層が、フレーク状導電性粉末とバ
    インダー樹脂とを含む塗料から形成されたものである請
    求項1または2記載の電磁波吸収材。
  4. 【請求項4】前記フレーク状導電性粉末の導電性が1.
    0×10〜1.0×10-1S・cmおよびアスペク
    ト比が5〜250であり、前記フレーク状導電性粉末と
    前記バインダー樹脂との体積比が5/95〜50/50
    である請求項3記載の電磁波吸収材。
  5. 【請求項5】前記塗料がさらに粒状導電性粉末を含んで
    おり、前記粒状導電性粉末の導電性が1.0×10
    1.0×10S・cmであり、前記フレーク状導電性
    粉末と前記粒状導電性粉末との重量比が10/90〜9
    9.5/0.5である請求項3または4記載の電磁波吸
    収材。
  6. 【請求項6】前記フレーク状導電性粉末と前記粒状導電
    性粉末とを合計したものと前記バインダー樹脂との体積
    比が5/95〜50/50である請求項5記載の電磁波
    吸収材。
  7. 【請求項7】抵抗層、絶縁層および導電層がこの順に存
    在している電磁波吸収材であって、前記抵抗層は、その
    表面抵抗率が20〜1.0×10Ω/□であり、前記
    電磁波吸収材の厚みが吸収対象とする電磁波の内部波長
    の1/5よりも短いことを特徴とする電磁波吸収材。
  8. 【請求項8】前記抵抗層の厚みが、前記吸収対象とする
    電磁波の波長よりも充分に短いことを特徴とする請求項
    7記載の電磁波吸収材。
  9. 【請求項9】前記抵抗層が、フレーク状導電性粉末およ
    びバインダー樹脂を含んでいるものである請求項7また
    は8記載の電磁波吸収材。
  10. 【請求項10】前記抵抗層が、さらに粒状導電性粉末を
    含んでいるものである請求項7ないし9のいずれか1つ
    に記載の電磁波吸収材。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10のいずれか1つに記
    載された電磁波吸収材を用いる電磁波吸収方法。
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