JP2001319559A - 電子放射陰極 - Google Patents

電子放射陰極

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JP2001319559A
JP2001319559A JP2000139655A JP2000139655A JP2001319559A JP 2001319559 A JP2001319559 A JP 2001319559A JP 2000139655 A JP2000139655 A JP 2000139655A JP 2000139655 A JP2000139655 A JP 2000139655A JP 2001319559 A JP2001319559 A JP 2001319559A
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electron
needle
electron emission
cathode
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JP2000139655A
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Yoshinori Terui
良典 照井
Naoya Kudo
直弥 工藤
Katsuyoshi Tsunoda
勝義 角田
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Denka Co Ltd
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Denki Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オージェ電子分光装置等の用途に好適な、高角
電流密度で動作させても、全放射電流が低い電子放射陰
極を提供する。 【解決手段】タングステンまたはモリブデンの単結晶ニ
ードルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた、1.0m
A/srの角電流密度で動作したときに全放射電流が3
50μA以下である電子放射陰極であり、具体的には、
単結晶ニードル先端部の曲率半径が0.8〜2.0μm
である前記の電子放射陰極。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡、電子
線露光機、電子ビームテスタ、ウェハ検査装置、オージ
ェ電子分光装置などの電子源、ことにオージェ電子分光
装置、電子ビームテスタ、又は電子線露光機用の電子源
として用いられる電子放射陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、より高輝度の電子ビームを得るた
めに、タングステン単結晶の針状電極を用いた電子放射
陰極が利用されている。この電子放射陰極は、軸方位が
<100>方位からなるタングステン単結晶ニードル
に、ジルコニウム及び酸素からなる被覆層(以下、Zr
O被覆層という)を設け、該ZrO被覆層によってタン
グステン単結晶の(100)面の仕事関数を4.5eV
から約2.8eVに低下させたもので、前記ニードルの
先端部に形成された(100)面に相当する微小な結晶
面のみが電子放出領域となるので、従来の熱陰極よりも
高輝度の電子ビームが得られ、しかも長寿命である特徴
を有する。また冷電界放射陰極よりも安定で、低い真空
度でも動作し、使い易いという特徴を有している。
【0003】電子放射陰極は、図1に示すように、絶縁
碍子5に固定された導電端子4に設けられたタングステ
ン製のフィラメント3の所定の位置に電子ビームを放射
するタングステンの<100>方位のニードル1が溶接
等により固着されている。ニードル1の一部には、ジル
コニウムと酸素の供給源、即ち、リザーバ2が設けられ
ている。図示していないがニードル1の表面はZrO被
覆層で覆われている。
【0004】ニードル1はフィラメント3により通電加
熱されて一般に1800K程度の温度下で使用されるの
で、ニードル1表面のZrO被覆層は蒸発により消耗す
る。しかし、リザーバー2よりジルコニウム及び酸素が
拡散することにより、ニードル1の表面に連続的に供給
されるので、結果的にZrO被覆層が維持される。
【0005】半導体検査装置などでは、タングステンの
<100>方位の単結晶ニードル1にジルコニウムと酸
素の被覆層を設けた電子放射陰極、いわゆるZrO/W
エミッター、が高輝度で長寿命を有することから広く使
用されている。ZrO/Wエミッターは低加速電圧で用
いられる測長SEMやウェハ検査装置においては、プロ
ーブ電流が安定していて且つエネルギー幅の拡がりが抑
えられるという理由で0.1〜0.2mA/srの角電
流密度で動作される。
【0006】一方、電子ビームテスターや電子線露光装
置、及びオージェ分光装置等においては、スループット
が重視されるために0.4mA/sr程度の高い角電流
密度で動作される。このようなスループットを重視する
用途では、更に高い角電流密度動作が望まれ、1.0m
A/srもの高い角電流密度での動作が要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに動作角電流密度が高い領域では、陰極からの全放射
電流が350μAをこえ、引き出し電極や光軸上の金属
製絞りからのガス放出が著しくなり、電子線の気体への
衝突により生成したイオンがニードル1の先端表面を荒
らして電子放射特性を劣化させたり、著しい場合にはア
ーク放電を生じてニードル1の先端を損傷して故障に至
ることがある。
【0008】本発明者は、上記の事情に鑑みていろいろ
検討した結果、高電流密度で動作させても、全放射電流
が低い電子放射陰極が得られ、前記課題が解決できるこ
とを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、タング
ステンまたはモリブデンの単結晶ニードルにハフニウム
と酸素の被覆層を設けた電子放射陰極であって、1.0
mA/srの角電流密度で動作したときに全放射電流が
350μA以下であることを特徴とする電子放射陰極で
あり、具体的には、単結晶ニードル先端部の曲率半径が
0.8〜2.0μmであることを特徴とする前記の電子
放射陰極である。
【0010】又、本発明は、オージェ電子分光装置、電
子ビームテスタ、又は電子線露光機用の電子放射陰極で
あることを特徴とする前記の電子放射陰極である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によれば、角電流密度が
1.0mA/srの動作条件において、全放射電流が3
50μA以下に抑えられているので、引き出し電極や金
属製絞りからのガス放出が低減でき、電子放射特性を劣
化させること、更にニードル先端を損傷して故障するこ
とを防止できる。
【0012】本発明の具体的な実施態様としては、タン
グステンまたはモリブデン単結晶<100>方位のニー
ドルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた電子放射陰極
(HfO/Wエミッター)であって、ニードルの先端部
の曲率半径が特定範囲のもの、即ち0.8〜2.0μm
のもの、好ましくは0.8〜1.4μmのものを選択す
れば良い。前記の特定な先端曲率半径のHfO/Wエミ
ッターのみが、前記課題を解決する前記電子放射特性、
即ち、角電流密度が1.0mA/srの動作条件におい
て、全放射電流が350μA以下であるという特性を示
すことができる。
【0013】尚、本発明の電子放射陰極は、従来公知の
ZrO/Wエミッタと同様に、1×10-8Torr
(1.3×10-6Pa)よりも高真空条件下で、150
0〜1900K、好ましくは1700〜1850Kの温
度範囲で用いることができる。
【0014】又、本発明の電子放射陰極は、前記特性を
有しているが故に、高角電流密度動作を必要とする電子
線機器、例えばオージェ電子分光装置、電子ビームテス
タ、電子線露光機用の電子放射源として好適であり、こ
れらの機器における故障率の低下、スループットの向上
に効果がある。
【0015】
【実施例】〔実施例1〜4、比較例1〜4〕絶縁碍子に
ロウ付けされた導電端子にタングステン製のフィラメン
トをスポット溶接により固定した後、<100>方位の
単結晶タングステン細線を寸断したニードルを前記フィ
ラメントにスポット溶接により取り付け、更に、ニード
ルの先端を所望の曲率半径となるように電解研磨し、い
ろいろな先端曲率半径を有する電子放射陰極中間体を得
た。
【0016】また、市販水素化ハフニウム粉末を、酢酸
イソアミルを分散媒として、乳鉢上で粉砕混合してスラ
リーを得た。前記スラリーを前記電子放射陰極中間体の
ニードル(フィラメントへの固定位置とニードルの先端
との中央の位置)に塗布して、リザーバを予備形成し
た。スラリー中の酢酸イソアミルが蒸発した後、1×1
-9Torr(1.3×10-7Pa)の超高真空中でフ
ィラメント3に通電してニードル1を1800Kに加熱
し、水素化ハフニウムをハフニウムと水素に熱分解して
リザーバを焼成、固化した。
【0017】更に、酸素雰囲気下3×10-6Torr
(4.0×10-4Pa)で20時間加熱し、リザーバ中
のハフニウムを酸化、焼成並びに拡散をさせて、ニード
ルの表面にHfO被覆層を形成していろいろな先端曲率
半径を有するHfO/Wエミッター(実施例1〜4)を
作製した。また、水素化ハフニウムを水素化ジルコニウ
ムに代えたこと以外は上記と同じ手順で、いろいろな先
端曲率半径を有するZrO/Wエミッター(比較例1〜
4)を作製した。
【0018】前記のHfO/Wエミッター、ZrO/W
エミッターについて、電子放射特性を図2に示す装置で
評価した。ニードル1の先端はサプレッサー電極6と引
き出し電極7との間に配置される。フィラメント3はフ
ィラメント加熱電源14に接続され、更に高圧電源13
に接続され、引き出し電極7に対して負の高電圧、即ち
引き出し電圧Vexが印加される。また、サプレッサー
電極6はバイアス電源12に接続され、ニードル1とフ
ィラメント3に対して更に負の電圧、バイアス電圧V
b、が印加される。これによりフィラメント3からの放
射熱電子を遮る。電子放射陰極からの全放射電流Itは
高圧電源13とアース間に置かれた電流計15により測
定される。ニードル1の先端から放射した電子ビーム1
6は引き出し電極7の孔を通過して、遮蔽板8に到達す
る。遮蔽板8の中央にはアパーチャー9(小孔)が有
り、通過してカップ状電極10に到達したプローブ電流
Ipは微小電流計11により測定される。
【0019】アパーチャー9とニードル1の先端との距
離とアパーチャー9の内径から算出される立体角をωと
すると角電流密度はIp/ωとなる。尚、ニードル1の
先端とサプレッサー電極6の距離は0.25mm、サプ
レッサー電極6と引き出し電極7の距離は0.6mm、引
き出し電極7の孔径は0.6mm、サプレッサー電極6の
孔径は0.4mmである。
【0020】この特性評価装置により1×10-9Tor
r(1.3×10-7Pa)の真空下でフィラメント3に
通電加熱してニードル1の温度を1800Kとした.な
お、ニードル1の温度は放射温度計により測定した.次
にバイアス電圧Vbを−300V印加して角電流密度を
モニターしながら引き出し電圧Vexを徐々に印加す
る。角電流密度が0.2mA/srになった時点で数時
間から数十時間放置して、電子放射特性が安定したのち
引き出し電圧を更に印加して1.0mA/srの角電流
密度に設定してその時の全放射電流Itを測定した。結
果を表1に示す。本発明のHfO/Wエミッターはいず
れも1.0mA/sr動作時の全放射電流が350μA
以下に抑制されている。
【0021】
【表1】
【0022】前記のHfO/Wエミッターと、ZrO/
Wエミッターとを、引き続いて、オージェ電子分光装置
の電子銃に取り付け、動作温度1800K、動作角電流
密度1.0mA/srの条件下で実稼働を行い、信頼性
を評価した。結果を表2に示した。比較例のZrO/W
エミッターでは何れも6000時間の稼働時間内にアー
ク放電によるニードルの損傷が発生し、寿命となった
が、本発明のHfO/Wエミッターでは何れも7000
時間以上にわたり動作した。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の電子放射陰極は、角電流密度が
1.0mA/srの動作条件において、全放射電流が3
50μA以下に抑えられているので、従来問題となって
いた高角電流密度稼働下での、引き出し電極や金属製絞
りからのガス放出が低減でき、電子放射特性が劣化す
る、或いはニードル先端を損傷する等の問題が防止でき
る特徴を有している。
【0025】本発明の電子放射陰極は、前記特徴を有す
るので、オージェ電子分光装置、電子ビームテスタ、電
子線露光機等の高スループットを期待する電子線利用機
器に高信頼性をもって適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電子放射陰極の構造図。
【図2】 電子放射特性の評価装置の構成図.
【符号の説明】 1: ニードル 2: リザーバー 3: フィラメント 4: 導電端子 5: 絶縁碍子 6: サプレッサー電極 7: 引き出し電極 8: 遮蔽電極 9: アパーチャー 10: カップ状電極 11: プローブ電流測定用微小電流計 12: バイアス電源 13: 高圧電源 14: フィラメント加熱電源 15: 全放射電流測定用電流計 16: 放射電子線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C033 TT00 TT08 5C034 BB01 5C035 BB03 BB09 5F056 BA01 CB03 EA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タングステンまたはモリブデンの単結晶ニ
    ードルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた電子放射陰
    極であって、1.0mA/srの角電流密度で動作した
    ときに全放射電流が350μA以下であることを特徴と
    する電子放射陰極。
  2. 【請求項2】単結晶ニードル先端部の曲率半径が0.8
    〜2.0μmであることを特徴とする請求項1記載の電
    子放射陰極。
  3. 【請求項3】オージェ電子分光装置、電子ビームテス
    タ、又は電子線露光機用の電子放射陰極であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載の電子放射陰極。
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