JP2001319559A - 電子放射陰極 - Google Patents
電子放射陰極Info
- Publication number
- JP2001319559A JP2001319559A JP2000139655A JP2000139655A JP2001319559A JP 2001319559 A JP2001319559 A JP 2001319559A JP 2000139655 A JP2000139655 A JP 2000139655A JP 2000139655 A JP2000139655 A JP 2000139655A JP 2001319559 A JP2001319559 A JP 2001319559A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electron
- needle
- electron emission
- cathode
- current density
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
- 239000013078 crystal Substances 0.000 claims abstract description 13
- WFKWXMTUELFFGS-UHFFFAOYSA-N tungsten Chemical compound [W] WFKWXMTUELFFGS-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 12
- 229910052721 tungsten Inorganic materials 0.000 claims abstract description 12
- 239000010937 tungsten Substances 0.000 claims abstract description 12
- 239000011247 coating layer Substances 0.000 claims abstract description 10
- QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N atomic oxygen Chemical compound [O] QVGXLLKOCUKJST-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 9
- 229910052760 oxygen Inorganic materials 0.000 claims abstract description 9
- 239000001301 oxygen Substances 0.000 claims abstract description 9
- 229910052735 hafnium Inorganic materials 0.000 claims abstract description 6
- VBJZVLUMGGDVMO-UHFFFAOYSA-N hafnium atom Chemical compound [Hf] VBJZVLUMGGDVMO-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 6
- ZOKXTWBITQBERF-UHFFFAOYSA-N Molybdenum Chemical compound [Mo] ZOKXTWBITQBERF-UHFFFAOYSA-N 0.000 claims abstract description 4
- 229910052750 molybdenum Inorganic materials 0.000 claims abstract description 4
- 239000011733 molybdenum Substances 0.000 claims abstract description 4
- 238000010894 electron beam technology Methods 0.000 claims description 22
- 238000000605 extraction Methods 0.000 description 11
- QCWXUUIWCKQGHC-UHFFFAOYSA-N Zirconium Chemical compound [Zr] QCWXUUIWCKQGHC-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 239000007789 gas Substances 0.000 description 4
- MLFHJEHSLIIPHL-UHFFFAOYSA-N isoamyl acetate Chemical compound CC(C)CCOC(C)=O MLFHJEHSLIIPHL-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 4
- 230000005855 radiation Effects 0.000 description 4
- 229910052726 zirconium Inorganic materials 0.000 description 4
- 230000000052 comparative effect Effects 0.000 description 3
- -1 hafnium hydride Chemical compound 0.000 description 3
- 238000007689 inspection Methods 0.000 description 3
- 239000012212 insulator Substances 0.000 description 3
- 229910052751 metal Inorganic materials 0.000 description 3
- 239000002184 metal Substances 0.000 description 3
- 239000000523 sample Substances 0.000 description 3
- 239000002002 slurry Substances 0.000 description 3
- 238000003466 welding Methods 0.000 description 3
- 238000010891 electric arc Methods 0.000 description 2
- 238000011156 evaluation Methods 0.000 description 2
- 238000010438 heat treatment Methods 0.000 description 2
- 229940117955 isoamyl acetate Drugs 0.000 description 2
- 239000010410 layer Substances 0.000 description 2
- 238000005259 measurement Methods 0.000 description 2
- 230000002542 deteriorative effect Effects 0.000 description 1
- 238000010586 diagram Methods 0.000 description 1
- 239000002612 dispersion medium Substances 0.000 description 1
- 238000001704 evaporation Methods 0.000 description 1
- 230000008020 evaporation Effects 0.000 description 1
- 238000010304 firing Methods 0.000 description 1
- 239000001257 hydrogen Substances 0.000 description 1
- 229910052739 hydrogen Inorganic materials 0.000 description 1
- 125000004435 hydrogen atom Chemical class [H]* 0.000 description 1
- 150000002500 ions Chemical class 0.000 description 1
- 238000012544 monitoring process Methods 0.000 description 1
- 239000004570 mortar (masonry) Substances 0.000 description 1
- 230000003287 optical effect Effects 0.000 description 1
- 239000000843 powder Substances 0.000 description 1
- 238000000682 scanning probe acoustic microscopy Methods 0.000 description 1
- 239000004065 semiconductor Substances 0.000 description 1
- 239000007787 solid Substances 0.000 description 1
- QSGNKXDSTRDWKA-UHFFFAOYSA-N zirconium dihydride Chemical group [ZrH2] QSGNKXDSTRDWKA-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- 229910000568 zirconium hydride Inorganic materials 0.000 description 1
Landscapes
- Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
- Electron Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】オージェ電子分光装置等の用途に好適な、高角
電流密度で動作させても、全放射電流が低い電子放射陰
極を提供する。 【解決手段】タングステンまたはモリブデンの単結晶ニ
ードルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた、1.0m
A/srの角電流密度で動作したときに全放射電流が3
50μA以下である電子放射陰極であり、具体的には、
単結晶ニードル先端部の曲率半径が0.8〜2.0μm
である前記の電子放射陰極。
電流密度で動作させても、全放射電流が低い電子放射陰
極を提供する。 【解決手段】タングステンまたはモリブデンの単結晶ニ
ードルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた、1.0m
A/srの角電流密度で動作したときに全放射電流が3
50μA以下である電子放射陰極であり、具体的には、
単結晶ニードル先端部の曲率半径が0.8〜2.0μm
である前記の電子放射陰極。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡、電子
線露光機、電子ビームテスタ、ウェハ検査装置、オージ
ェ電子分光装置などの電子源、ことにオージェ電子分光
装置、電子ビームテスタ、又は電子線露光機用の電子源
として用いられる電子放射陰極に関する。
線露光機、電子ビームテスタ、ウェハ検査装置、オージ
ェ電子分光装置などの電子源、ことにオージェ電子分光
装置、電子ビームテスタ、又は電子線露光機用の電子源
として用いられる電子放射陰極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、より高輝度の電子ビームを得るた
めに、タングステン単結晶の針状電極を用いた電子放射
陰極が利用されている。この電子放射陰極は、軸方位が
<100>方位からなるタングステン単結晶ニードル
に、ジルコニウム及び酸素からなる被覆層(以下、Zr
O被覆層という)を設け、該ZrO被覆層によってタン
グステン単結晶の(100)面の仕事関数を4.5eV
から約2.8eVに低下させたもので、前記ニードルの
先端部に形成された(100)面に相当する微小な結晶
面のみが電子放出領域となるので、従来の熱陰極よりも
高輝度の電子ビームが得られ、しかも長寿命である特徴
を有する。また冷電界放射陰極よりも安定で、低い真空
度でも動作し、使い易いという特徴を有している。
めに、タングステン単結晶の針状電極を用いた電子放射
陰極が利用されている。この電子放射陰極は、軸方位が
<100>方位からなるタングステン単結晶ニードル
に、ジルコニウム及び酸素からなる被覆層(以下、Zr
O被覆層という)を設け、該ZrO被覆層によってタン
グステン単結晶の(100)面の仕事関数を4.5eV
から約2.8eVに低下させたもので、前記ニードルの
先端部に形成された(100)面に相当する微小な結晶
面のみが電子放出領域となるので、従来の熱陰極よりも
高輝度の電子ビームが得られ、しかも長寿命である特徴
を有する。また冷電界放射陰極よりも安定で、低い真空
度でも動作し、使い易いという特徴を有している。
【0003】電子放射陰極は、図1に示すように、絶縁
碍子5に固定された導電端子4に設けられたタングステ
ン製のフィラメント3の所定の位置に電子ビームを放射
するタングステンの<100>方位のニードル1が溶接
等により固着されている。ニードル1の一部には、ジル
コニウムと酸素の供給源、即ち、リザーバ2が設けられ
ている。図示していないがニードル1の表面はZrO被
覆層で覆われている。
碍子5に固定された導電端子4に設けられたタングステ
ン製のフィラメント3の所定の位置に電子ビームを放射
するタングステンの<100>方位のニードル1が溶接
等により固着されている。ニードル1の一部には、ジル
コニウムと酸素の供給源、即ち、リザーバ2が設けられ
ている。図示していないがニードル1の表面はZrO被
覆層で覆われている。
【0004】ニードル1はフィラメント3により通電加
熱されて一般に1800K程度の温度下で使用されるの
で、ニードル1表面のZrO被覆層は蒸発により消耗す
る。しかし、リザーバー2よりジルコニウム及び酸素が
拡散することにより、ニードル1の表面に連続的に供給
されるので、結果的にZrO被覆層が維持される。
熱されて一般に1800K程度の温度下で使用されるの
で、ニードル1表面のZrO被覆層は蒸発により消耗す
る。しかし、リザーバー2よりジルコニウム及び酸素が
拡散することにより、ニードル1の表面に連続的に供給
されるので、結果的にZrO被覆層が維持される。
【0005】半導体検査装置などでは、タングステンの
<100>方位の単結晶ニードル1にジルコニウムと酸
素の被覆層を設けた電子放射陰極、いわゆるZrO/W
エミッター、が高輝度で長寿命を有することから広く使
用されている。ZrO/Wエミッターは低加速電圧で用
いられる測長SEMやウェハ検査装置においては、プロ
ーブ電流が安定していて且つエネルギー幅の拡がりが抑
えられるという理由で0.1〜0.2mA/srの角電
流密度で動作される。
<100>方位の単結晶ニードル1にジルコニウムと酸
素の被覆層を設けた電子放射陰極、いわゆるZrO/W
エミッター、が高輝度で長寿命を有することから広く使
用されている。ZrO/Wエミッターは低加速電圧で用
いられる測長SEMやウェハ検査装置においては、プロ
ーブ電流が安定していて且つエネルギー幅の拡がりが抑
えられるという理由で0.1〜0.2mA/srの角電
流密度で動作される。
【0006】一方、電子ビームテスターや電子線露光装
置、及びオージェ分光装置等においては、スループット
が重視されるために0.4mA/sr程度の高い角電流
密度で動作される。このようなスループットを重視する
用途では、更に高い角電流密度動作が望まれ、1.0m
A/srもの高い角電流密度での動作が要求される。
置、及びオージェ分光装置等においては、スループット
が重視されるために0.4mA/sr程度の高い角電流
密度で動作される。このようなスループットを重視する
用途では、更に高い角電流密度動作が望まれ、1.0m
A/srもの高い角電流密度での動作が要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに動作角電流密度が高い領域では、陰極からの全放射
電流が350μAをこえ、引き出し電極や光軸上の金属
製絞りからのガス放出が著しくなり、電子線の気体への
衝突により生成したイオンがニードル1の先端表面を荒
らして電子放射特性を劣化させたり、著しい場合にはア
ーク放電を生じてニードル1の先端を損傷して故障に至
ることがある。
うに動作角電流密度が高い領域では、陰極からの全放射
電流が350μAをこえ、引き出し電極や光軸上の金属
製絞りからのガス放出が著しくなり、電子線の気体への
衝突により生成したイオンがニードル1の先端表面を荒
らして電子放射特性を劣化させたり、著しい場合にはア
ーク放電を生じてニードル1の先端を損傷して故障に至
ることがある。
【0008】本発明者は、上記の事情に鑑みていろいろ
検討した結果、高電流密度で動作させても、全放射電流
が低い電子放射陰極が得られ、前記課題が解決できるこ
とを見出し、本発明に至ったものである。
検討した結果、高電流密度で動作させても、全放射電流
が低い電子放射陰極が得られ、前記課題が解決できるこ
とを見出し、本発明に至ったものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、タング
ステンまたはモリブデンの単結晶ニードルにハフニウム
と酸素の被覆層を設けた電子放射陰極であって、1.0
mA/srの角電流密度で動作したときに全放射電流が
350μA以下であることを特徴とする電子放射陰極で
あり、具体的には、単結晶ニードル先端部の曲率半径が
0.8〜2.0μmであることを特徴とする前記の電子
放射陰極である。
ステンまたはモリブデンの単結晶ニードルにハフニウム
と酸素の被覆層を設けた電子放射陰極であって、1.0
mA/srの角電流密度で動作したときに全放射電流が
350μA以下であることを特徴とする電子放射陰極で
あり、具体的には、単結晶ニードル先端部の曲率半径が
0.8〜2.0μmであることを特徴とする前記の電子
放射陰極である。
【0010】又、本発明は、オージェ電子分光装置、電
子ビームテスタ、又は電子線露光機用の電子放射陰極で
あることを特徴とする前記の電子放射陰極である。
子ビームテスタ、又は電子線露光機用の電子放射陰極で
あることを特徴とする前記の電子放射陰極である。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明によれば、角電流密度が
1.0mA/srの動作条件において、全放射電流が3
50μA以下に抑えられているので、引き出し電極や金
属製絞りからのガス放出が低減でき、電子放射特性を劣
化させること、更にニードル先端を損傷して故障するこ
とを防止できる。
1.0mA/srの動作条件において、全放射電流が3
50μA以下に抑えられているので、引き出し電極や金
属製絞りからのガス放出が低減でき、電子放射特性を劣
化させること、更にニードル先端を損傷して故障するこ
とを防止できる。
【0012】本発明の具体的な実施態様としては、タン
グステンまたはモリブデン単結晶<100>方位のニー
ドルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた電子放射陰極
(HfO/Wエミッター)であって、ニードルの先端部
の曲率半径が特定範囲のもの、即ち0.8〜2.0μm
のもの、好ましくは0.8〜1.4μmのものを選択す
れば良い。前記の特定な先端曲率半径のHfO/Wエミ
ッターのみが、前記課題を解決する前記電子放射特性、
即ち、角電流密度が1.0mA/srの動作条件におい
て、全放射電流が350μA以下であるという特性を示
すことができる。
グステンまたはモリブデン単結晶<100>方位のニー
ドルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた電子放射陰極
(HfO/Wエミッター)であって、ニードルの先端部
の曲率半径が特定範囲のもの、即ち0.8〜2.0μm
のもの、好ましくは0.8〜1.4μmのものを選択す
れば良い。前記の特定な先端曲率半径のHfO/Wエミ
ッターのみが、前記課題を解決する前記電子放射特性、
即ち、角電流密度が1.0mA/srの動作条件におい
て、全放射電流が350μA以下であるという特性を示
すことができる。
【0013】尚、本発明の電子放射陰極は、従来公知の
ZrO/Wエミッタと同様に、1×10-8Torr
(1.3×10-6Pa)よりも高真空条件下で、150
0〜1900K、好ましくは1700〜1850Kの温
度範囲で用いることができる。
ZrO/Wエミッタと同様に、1×10-8Torr
(1.3×10-6Pa)よりも高真空条件下で、150
0〜1900K、好ましくは1700〜1850Kの温
度範囲で用いることができる。
【0014】又、本発明の電子放射陰極は、前記特性を
有しているが故に、高角電流密度動作を必要とする電子
線機器、例えばオージェ電子分光装置、電子ビームテス
タ、電子線露光機用の電子放射源として好適であり、こ
れらの機器における故障率の低下、スループットの向上
に効果がある。
有しているが故に、高角電流密度動作を必要とする電子
線機器、例えばオージェ電子分光装置、電子ビームテス
タ、電子線露光機用の電子放射源として好適であり、こ
れらの機器における故障率の低下、スループットの向上
に効果がある。
【0015】
【実施例】〔実施例1〜4、比較例1〜4〕絶縁碍子に
ロウ付けされた導電端子にタングステン製のフィラメン
トをスポット溶接により固定した後、<100>方位の
単結晶タングステン細線を寸断したニードルを前記フィ
ラメントにスポット溶接により取り付け、更に、ニード
ルの先端を所望の曲率半径となるように電解研磨し、い
ろいろな先端曲率半径を有する電子放射陰極中間体を得
た。
ロウ付けされた導電端子にタングステン製のフィラメン
トをスポット溶接により固定した後、<100>方位の
単結晶タングステン細線を寸断したニードルを前記フィ
ラメントにスポット溶接により取り付け、更に、ニード
ルの先端を所望の曲率半径となるように電解研磨し、い
ろいろな先端曲率半径を有する電子放射陰極中間体を得
た。
【0016】また、市販水素化ハフニウム粉末を、酢酸
イソアミルを分散媒として、乳鉢上で粉砕混合してスラ
リーを得た。前記スラリーを前記電子放射陰極中間体の
ニードル(フィラメントへの固定位置とニードルの先端
との中央の位置)に塗布して、リザーバを予備形成し
た。スラリー中の酢酸イソアミルが蒸発した後、1×1
0-9Torr(1.3×10-7Pa)の超高真空中でフ
ィラメント3に通電してニードル1を1800Kに加熱
し、水素化ハフニウムをハフニウムと水素に熱分解して
リザーバを焼成、固化した。
イソアミルを分散媒として、乳鉢上で粉砕混合してスラ
リーを得た。前記スラリーを前記電子放射陰極中間体の
ニードル(フィラメントへの固定位置とニードルの先端
との中央の位置)に塗布して、リザーバを予備形成し
た。スラリー中の酢酸イソアミルが蒸発した後、1×1
0-9Torr(1.3×10-7Pa)の超高真空中でフ
ィラメント3に通電してニードル1を1800Kに加熱
し、水素化ハフニウムをハフニウムと水素に熱分解して
リザーバを焼成、固化した。
【0017】更に、酸素雰囲気下3×10-6Torr
(4.0×10-4Pa)で20時間加熱し、リザーバ中
のハフニウムを酸化、焼成並びに拡散をさせて、ニード
ルの表面にHfO被覆層を形成していろいろな先端曲率
半径を有するHfO/Wエミッター(実施例1〜4)を
作製した。また、水素化ハフニウムを水素化ジルコニウ
ムに代えたこと以外は上記と同じ手順で、いろいろな先
端曲率半径を有するZrO/Wエミッター(比較例1〜
4)を作製した。
(4.0×10-4Pa)で20時間加熱し、リザーバ中
のハフニウムを酸化、焼成並びに拡散をさせて、ニード
ルの表面にHfO被覆層を形成していろいろな先端曲率
半径を有するHfO/Wエミッター(実施例1〜4)を
作製した。また、水素化ハフニウムを水素化ジルコニウ
ムに代えたこと以外は上記と同じ手順で、いろいろな先
端曲率半径を有するZrO/Wエミッター(比較例1〜
4)を作製した。
【0018】前記のHfO/Wエミッター、ZrO/W
エミッターについて、電子放射特性を図2に示す装置で
評価した。ニードル1の先端はサプレッサー電極6と引
き出し電極7との間に配置される。フィラメント3はフ
ィラメント加熱電源14に接続され、更に高圧電源13
に接続され、引き出し電極7に対して負の高電圧、即ち
引き出し電圧Vexが印加される。また、サプレッサー
電極6はバイアス電源12に接続され、ニードル1とフ
ィラメント3に対して更に負の電圧、バイアス電圧V
b、が印加される。これによりフィラメント3からの放
射熱電子を遮る。電子放射陰極からの全放射電流Itは
高圧電源13とアース間に置かれた電流計15により測
定される。ニードル1の先端から放射した電子ビーム1
6は引き出し電極7の孔を通過して、遮蔽板8に到達す
る。遮蔽板8の中央にはアパーチャー9(小孔)が有
り、通過してカップ状電極10に到達したプローブ電流
Ipは微小電流計11により測定される。
エミッターについて、電子放射特性を図2に示す装置で
評価した。ニードル1の先端はサプレッサー電極6と引
き出し電極7との間に配置される。フィラメント3はフ
ィラメント加熱電源14に接続され、更に高圧電源13
に接続され、引き出し電極7に対して負の高電圧、即ち
引き出し電圧Vexが印加される。また、サプレッサー
電極6はバイアス電源12に接続され、ニードル1とフ
ィラメント3に対して更に負の電圧、バイアス電圧V
b、が印加される。これによりフィラメント3からの放
射熱電子を遮る。電子放射陰極からの全放射電流Itは
高圧電源13とアース間に置かれた電流計15により測
定される。ニードル1の先端から放射した電子ビーム1
6は引き出し電極7の孔を通過して、遮蔽板8に到達す
る。遮蔽板8の中央にはアパーチャー9(小孔)が有
り、通過してカップ状電極10に到達したプローブ電流
Ipは微小電流計11により測定される。
【0019】アパーチャー9とニードル1の先端との距
離とアパーチャー9の内径から算出される立体角をωと
すると角電流密度はIp/ωとなる。尚、ニードル1の
先端とサプレッサー電極6の距離は0.25mm、サプ
レッサー電極6と引き出し電極7の距離は0.6mm、引
き出し電極7の孔径は0.6mm、サプレッサー電極6の
孔径は0.4mmである。
離とアパーチャー9の内径から算出される立体角をωと
すると角電流密度はIp/ωとなる。尚、ニードル1の
先端とサプレッサー電極6の距離は0.25mm、サプ
レッサー電極6と引き出し電極7の距離は0.6mm、引
き出し電極7の孔径は0.6mm、サプレッサー電極6の
孔径は0.4mmである。
【0020】この特性評価装置により1×10-9Tor
r(1.3×10-7Pa)の真空下でフィラメント3に
通電加熱してニードル1の温度を1800Kとした.な
お、ニードル1の温度は放射温度計により測定した.次
にバイアス電圧Vbを−300V印加して角電流密度を
モニターしながら引き出し電圧Vexを徐々に印加す
る。角電流密度が0.2mA/srになった時点で数時
間から数十時間放置して、電子放射特性が安定したのち
引き出し電圧を更に印加して1.0mA/srの角電流
密度に設定してその時の全放射電流Itを測定した。結
果を表1に示す。本発明のHfO/Wエミッターはいず
れも1.0mA/sr動作時の全放射電流が350μA
以下に抑制されている。
r(1.3×10-7Pa)の真空下でフィラメント3に
通電加熱してニードル1の温度を1800Kとした.な
お、ニードル1の温度は放射温度計により測定した.次
にバイアス電圧Vbを−300V印加して角電流密度を
モニターしながら引き出し電圧Vexを徐々に印加す
る。角電流密度が0.2mA/srになった時点で数時
間から数十時間放置して、電子放射特性が安定したのち
引き出し電圧を更に印加して1.0mA/srの角電流
密度に設定してその時の全放射電流Itを測定した。結
果を表1に示す。本発明のHfO/Wエミッターはいず
れも1.0mA/sr動作時の全放射電流が350μA
以下に抑制されている。
【0021】
【表1】
【0022】前記のHfO/Wエミッターと、ZrO/
Wエミッターとを、引き続いて、オージェ電子分光装置
の電子銃に取り付け、動作温度1800K、動作角電流
密度1.0mA/srの条件下で実稼働を行い、信頼性
を評価した。結果を表2に示した。比較例のZrO/W
エミッターでは何れも6000時間の稼働時間内にアー
ク放電によるニードルの損傷が発生し、寿命となった
が、本発明のHfO/Wエミッターでは何れも7000
時間以上にわたり動作した。
Wエミッターとを、引き続いて、オージェ電子分光装置
の電子銃に取り付け、動作温度1800K、動作角電流
密度1.0mA/srの条件下で実稼働を行い、信頼性
を評価した。結果を表2に示した。比較例のZrO/W
エミッターでは何れも6000時間の稼働時間内にアー
ク放電によるニードルの損傷が発生し、寿命となった
が、本発明のHfO/Wエミッターでは何れも7000
時間以上にわたり動作した。
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明の電子放射陰極は、角電流密度が
1.0mA/srの動作条件において、全放射電流が3
50μA以下に抑えられているので、従来問題となって
いた高角電流密度稼働下での、引き出し電極や金属製絞
りからのガス放出が低減でき、電子放射特性が劣化す
る、或いはニードル先端を損傷する等の問題が防止でき
る特徴を有している。
1.0mA/srの動作条件において、全放射電流が3
50μA以下に抑えられているので、従来問題となって
いた高角電流密度稼働下での、引き出し電極や金属製絞
りからのガス放出が低減でき、電子放射特性が劣化す
る、或いはニードル先端を損傷する等の問題が防止でき
る特徴を有している。
【0025】本発明の電子放射陰極は、前記特徴を有す
るので、オージェ電子分光装置、電子ビームテスタ、電
子線露光機等の高スループットを期待する電子線利用機
器に高信頼性をもって適用できる。
るので、オージェ電子分光装置、電子ビームテスタ、電
子線露光機等の高スループットを期待する電子線利用機
器に高信頼性をもって適用できる。
【図1】 電子放射陰極の構造図。
【図2】 電子放射特性の評価装置の構成図.
【符号の説明】 1: ニードル 2: リザーバー 3: フィラメント 4: 導電端子 5: 絶縁碍子 6: サプレッサー電極 7: 引き出し電極 8: 遮蔽電極 9: アパーチャー 10: カップ状電極 11: プローブ電流測定用微小電流計 12: バイアス電源 13: 高圧電源 14: フィラメント加熱電源 15: 全放射電流測定用電流計 16: 放射電子線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5C033 TT00 TT08 5C034 BB01 5C035 BB03 BB09 5F056 BA01 CB03 EA02
Claims (3)
- 【請求項1】タングステンまたはモリブデンの単結晶ニ
ードルにハフニウムと酸素の被覆層を設けた電子放射陰
極であって、1.0mA/srの角電流密度で動作した
ときに全放射電流が350μA以下であることを特徴と
する電子放射陰極。 - 【請求項2】単結晶ニードル先端部の曲率半径が0.8
〜2.0μmであることを特徴とする請求項1記載の電
子放射陰極。 - 【請求項3】オージェ電子分光装置、電子ビームテス
タ、又は電子線露光機用の電子放射陰極であることを特
徴とする請求項1又は請求項2記載の電子放射陰極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000139655A JP2001319559A (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 電子放射陰極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000139655A JP2001319559A (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 電子放射陰極 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001319559A true JP2001319559A (ja) | 2001-11-16 |
Family
ID=18647066
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000139655A Pending JP2001319559A (ja) | 2000-05-12 | 2000-05-12 | 電子放射陰極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001319559A (ja) |
-
2000
- 2000-05-12 JP JP2000139655A patent/JP2001319559A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4971342B2 (ja) | 電子源 | |
US5838096A (en) | Cathode having a reservoir and method of manufacturing the same | |
US6903499B2 (en) | Electron gun and a method for using the same | |
JP4792404B2 (ja) | 電子源の製造方法 | |
EP2242084B1 (en) | Method of manufacturing an electron source | |
JP2004265614A (ja) | 電子源 | |
JP5363413B2 (ja) | 電子源 | |
JP2009205800A (ja) | 電子源 | |
WO2011040326A1 (ja) | 電子源用ロッド、電子源及び電子機器 | |
JP2001319559A (ja) | 電子放射陰極 | |
EP1596418B1 (en) | Electron gun | |
JP2006032195A (ja) | 電子放射源 | |
JP2008004411A (ja) | 電子源 | |
JP4368501B2 (ja) | 電子放射陰極の使用方法 | |
JP4874758B2 (ja) | 電子源 | |
EP3996126A1 (en) | Emitter, electron gun using same, electronic device using same, and method for producing same | |
JP2005332677A (ja) | 電子源の製造方法と使用方法 |