JP2001318042A - 液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置 - Google Patents
液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 液体試料表面のリプロンによるブリリュアン
散乱の2次元的分布を検出することにより、液体の表面
張力と粘性率の2次元分布を高速に測定する。 【解決手段】 光源21と、そこからの光を2分する分
割手段BSと、分割された一方の入射光2を所定の入射
角で液面1に向ける入射光偏向手段M3と、他方の参照
光5’を異なる所定の入射角で液面1の同じ位置Pに向
ける参照光偏向手段M4と、液面1から鏡面反射された
参照光5とその方向に散乱された散乱光4とを光検出器
22に入射させる手段M5と、光検出器22とが共通の
基板20上に固定されており、基板20は試料液体30
を載置する試料台11上の水平面内で機械的に2次元走
査する2次元走査手段13に取り付けられており、光検
出器22からの光ヘテロダイン信号がフーリエ変換手段
40に入力される。
散乱の2次元的分布を検出することにより、液体の表面
張力と粘性率の2次元分布を高速に測定する。 【解決手段】 光源21と、そこからの光を2分する分
割手段BSと、分割された一方の入射光2を所定の入射
角で液面1に向ける入射光偏向手段M3と、他方の参照
光5’を異なる所定の入射角で液面1の同じ位置Pに向
ける参照光偏向手段M4と、液面1から鏡面反射された
参照光5とその方向に散乱された散乱光4とを光検出器
22に入射させる手段M5と、光検出器22とが共通の
基板20上に固定されており、基板20は試料液体30
を載置する試料台11上の水平面内で機械的に2次元走
査する2次元走査手段13に取り付けられており、光検
出器22からの光ヘテロダイン信号がフーリエ変換手段
40に入力される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体の表面張力と
粘性率の2次元分布測定装置に関し、特に、リプロンス
キャン技術を応用した表面張力と粘性率の2次元分布測
定装置に関するものである。
粘性率の2次元分布測定装置に関し、特に、リプロンス
キャン技術を応用した表面張力と粘性率の2次元分布測
定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面張力、粘性率あるいは熱伝導率等の
熱物性値(Thermophysical Prope
rties)の計測は、従来は、液体の1点での情報を
求めることによって行っていた。例えば、溶融シリコン
等の高温融体の表面張力は、セラミック板の上に溶融サ
ンプルを滴下し、その静止状態の形状を計測することに
より行っていた(静滴法)。
熱物性値(Thermophysical Prope
rties)の計測は、従来は、液体の1点での情報を
求めることによって行っていた。例えば、溶融シリコン
等の高温融体の表面張力は、セラミック板の上に溶融サ
ンプルを滴下し、その静止状態の形状を計測することに
より行っていた(静滴法)。
【0003】これに対して、非接触で遠隔的にこれら熱
物性値を計測する技術として、リプロンによるブリリュ
アン散乱を利用する方法が知られている。
物性値を計測する技術として、リプロンによるブリリュ
アン散乱を利用する方法が知られている。
【0004】すなわち、液体の表面は、巨視的には一様
な温度であっても、微視的には熱的なゆらぎが常に存在
するため完全な平面ではなく、微細な変形が生じてい
る。この表面の変形は、熱的に励起されたランダムな表
面波の重ね合わせとして考えることができ、各々の波は
100μm程度の波長と1nm程度の振幅を持ってお
り、さざ波の量子としてリプロンと呼ばれている。図2
(a)に示すように、この液体表面1に入射光2として
レーザ光を照射すると、通常の鏡面反射成分3の周りに
散乱光4が観察される。この散乱光4にはリプロンの周
波数や減衰率の情報が含まれており、これを解析して分
散関係式を用いることにより、液体の表面張力と粘性率
を求めることが可能であることが知られている。
な温度であっても、微視的には熱的なゆらぎが常に存在
するため完全な平面ではなく、微細な変形が生じてい
る。この表面の変形は、熱的に励起されたランダムな表
面波の重ね合わせとして考えることができ、各々の波は
100μm程度の波長と1nm程度の振幅を持ってお
り、さざ波の量子としてリプロンと呼ばれている。図2
(a)に示すように、この液体表面1に入射光2として
レーザ光を照射すると、通常の鏡面反射成分3の周りに
散乱光4が観察される。この散乱光4にはリプロンの周
波数や減衰率の情報が含まれており、これを解析して分
散関係式を用いることにより、液体の表面張力と粘性率
を求めることが可能であることが知られている。
【0005】従来、リプロンによる反射側へ出る散乱光
の周波数分布を光ヘテロダイン法により求め、その中心
周波数と半値幅とリプロンの波数とを求めることによ
り、液体サンプルの表面張力と粘性率を求める装置が提
案されている(日本機械学会論文集(B編)59巻56
0号(1993−4)pp.185〜191)。この場
合、ヘテロダイン検出のための参照光として、入射光か
ら回折格子により回折された回折光を用い、かつ、レン
ズにより再度その回折光が液面で入射光位置に集まるよ
うにして、リプロンの波数を求めやすくしている。
の周波数分布を光ヘテロダイン法により求め、その中心
周波数と半値幅とリプロンの波数とを求めることによ
り、液体サンプルの表面張力と粘性率を求める装置が提
案されている(日本機械学会論文集(B編)59巻56
0号(1993−4)pp.185〜191)。この場
合、ヘテロダイン検出のための参照光として、入射光か
ら回折格子により回折された回折光を用い、かつ、レン
ズにより再度その回折光が液面で入射光位置に集まるよ
うにして、リプロンの波数を求めやすくしている。
【0006】また、透明試料のリプロンによる透過側へ
出る散乱光の周波数分布を光ヘテロダイン法により求
め、その中心周波数と半値幅とリプロンの波数とを求め
ることにより、同様に透明液体サンプルの表面張力と粘
性率を求める装置が提案されている(Rev.Sci.
Instrum.Vol.62,No.5,pp.11
92〜1195;Jpn.J.Appl.Phys.V
ol.36(1997),pp.2951〜295
4)。これらの場合、ヘテロダイン検出のための参照光
として入射光から分割された光を用い、反射鏡により再
度その参照光が液面で入射光位置に一致するようにして
いる。
出る散乱光の周波数分布を光ヘテロダイン法により求
め、その中心周波数と半値幅とリプロンの波数とを求め
ることにより、同様に透明液体サンプルの表面張力と粘
性率を求める装置が提案されている(Rev.Sci.
Instrum.Vol.62,No.5,pp.11
92〜1195;Jpn.J.Appl.Phys.V
ol.36(1997),pp.2951〜295
4)。これらの場合、ヘテロダイン検出のための参照光
として入射光から分割された光を用い、反射鏡により再
度その参照光が液面で入射光位置に一致するようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来提案された
いる静滴法においても、リプロンによるブリリュアン散
乱を利用する方法においても、基本的には液体表面の1
点(あるいは、全体の平均値)の測定であり、表面張力
や粘性率等の熱物性値の2次元分布測定は、現在までの
ところ全く行われておらず、また、そのニーズもなかっ
たと言って過言でない。
いる静滴法においても、リプロンによるブリリュアン散
乱を利用する方法においても、基本的には液体表面の1
点(あるいは、全体の平均値)の測定であり、表面張力
や粘性率等の熱物性値の2次元分布測定は、現在までの
ところ全く行われておらず、また、そのニーズもなかっ
たと言って過言でない。
【0008】しかしながら、シリコン単結晶製造の高度
化に代表されるようなより高付加価値のモノづくりにお
いては、温度や圧力だけでは精緻なプロセス制御ができ
ない場合が出てくる。例えば、表面張力は温度だけでな
く組成によっても大きく変化するため、組成の不均一性
をモニターしたり、逆に、不均一性を積極的に付加する
ためには、表面張力や粘性率等の熱物性値の2次元分布
測定を高速に計測することが必要になる。
化に代表されるようなより高付加価値のモノづくりにお
いては、温度や圧力だけでは精緻なプロセス制御ができ
ない場合が出てくる。例えば、表面張力は温度だけでな
く組成によっても大きく変化するため、組成の不均一性
をモニターしたり、逆に、不均一性を積極的に付加する
ためには、表面張力や粘性率等の熱物性値の2次元分布
測定を高速に計測することが必要になる。
【0009】本発明は従来技術のこのような状況に鑑み
てなされたものであり、その目的は、液体試料表面のリ
プロンによるブリリュアン散乱の2次元的分布を検出す
ることにより、液体の表面張力と粘性率の2次元分布を
高速に測定することができる装置を提供することであ
る。
てなされたものであり、その目的は、液体試料表面のリ
プロンによるブリリュアン散乱の2次元的分布を検出す
ることにより、液体の表面張力と粘性率の2次元分布を
高速に測定することができる装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置は、
所定波長の光を2分して一方を入射光、他方を参照光と
して液体表面の同じ位置に相互に異なる入射角で入射さ
せ、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に散
乱された入射光の散乱光とを干渉させて光ヘテロダイン
信号を検出し、その光ヘテロダイン信号をフーリエ変換
して得られたパワースペクトルから液体面のリプロンの
周波数と減衰率とを求め、また、入射光の入射角と散乱
光の散乱角と入射光の波数とからリプロンの波数を求
め、求められたリプロンの周波数と減衰率と入射光の波
数とから液体の表面張力と粘性率を測定する装置におい
て、前記所定波長の光を発する光源と、前記所定波長の
光を2分する光線分割手段と、分割された一方の入射光
を所定の入射角で液体表面に向ける入射光偏向手段と、
分割された他方の参照光を入射光の入射角とは異なる所
定の入射角で液体表面の同じ位置に向ける参照光偏向手
段と、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に
散乱された入射光の散乱光とを光検出器に選択的に入射
させる手段と、光検出器とが共通の基板上に固定されて
おり、前記基板は、試料液体を載置する試料台上の水平
面内で機械的に2次元走査する2次元走査手段に取り付
けられており、前記光検出器からの光ヘテロダイン信号
がフーリエ変換手段に入力されるように構成されている
ことを特徴とするものである。
明の液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置は、
所定波長の光を2分して一方を入射光、他方を参照光と
して液体表面の同じ位置に相互に異なる入射角で入射さ
せ、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に散
乱された入射光の散乱光とを干渉させて光ヘテロダイン
信号を検出し、その光ヘテロダイン信号をフーリエ変換
して得られたパワースペクトルから液体面のリプロンの
周波数と減衰率とを求め、また、入射光の入射角と散乱
光の散乱角と入射光の波数とからリプロンの波数を求
め、求められたリプロンの周波数と減衰率と入射光の波
数とから液体の表面張力と粘性率を測定する装置におい
て、前記所定波長の光を発する光源と、前記所定波長の
光を2分する光線分割手段と、分割された一方の入射光
を所定の入射角で液体表面に向ける入射光偏向手段と、
分割された他方の参照光を入射光の入射角とは異なる所
定の入射角で液体表面の同じ位置に向ける参照光偏向手
段と、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に
散乱された入射光の散乱光とを光検出器に選択的に入射
させる手段と、光検出器とが共通の基板上に固定されて
おり、前記基板は、試料液体を載置する試料台上の水平
面内で機械的に2次元走査する2次元走査手段に取り付
けられており、前記光検出器からの光ヘテロダイン信号
がフーリエ変換手段に入力されるように構成されている
ことを特徴とするものである。
【0011】この場合に、入射光偏向手段と参照光偏向
手段とが角度調節可能であることが望ましい。
手段とが角度調節可能であることが望ましい。
【0012】なお、本発明の測定装置は、試料液体とし
て入射光に対して不透明な液体、例えば高温融体に適用
するのに適したものである。
て入射光に対して不透明な液体、例えば高温融体に適用
するのに適したものである。
【0013】本発明の液体の表面張力と粘性率の2次元
分布測定装置においては、上記のように、所定波長の光
を発する光源と、その所定波長の光を2分する光線分割
手段と、分割された一方の入射光を所定の入射角で液体
表面に向ける入射光偏向手段と、分割された他方の参照
光を入射光の入射角とは異なる所定の入射角で液体表面
の同じ位置に向ける参照光偏向手段と、液体表面から鏡
面反射された参照光とその方向に散乱された入射光の散
乱光とを光検出器に選択的に入射させる手段と、光検出
器とが共通の基板上に固定されており、その基板は、試
料液体を載置する試料台上の水平面内で機械的に2次元
走査する2次元走査手段に取り付けられており、光検出
器からの光ヘテロダイン信号がフーリエ変換手段に入力
されるように構成されているので、今までニーズもなく
試みられることもなかった試料液体の表面張力と粘性率
の2次元分布測定が軽量で簡単な装置により可能にな
る。本発明の装置は、例えば、実際のチョクラルスキー
法の炉に設置することにより、チョクラルスキー法にお
ける溶融シリコン等の不透明で高温の融体の表面張力分
布を結晶成長の段階で測定することができ、均一な結晶
を得るのに資することができる。
分布測定装置においては、上記のように、所定波長の光
を発する光源と、その所定波長の光を2分する光線分割
手段と、分割された一方の入射光を所定の入射角で液体
表面に向ける入射光偏向手段と、分割された他方の参照
光を入射光の入射角とは異なる所定の入射角で液体表面
の同じ位置に向ける参照光偏向手段と、液体表面から鏡
面反射された参照光とその方向に散乱された入射光の散
乱光とを光検出器に選択的に入射させる手段と、光検出
器とが共通の基板上に固定されており、その基板は、試
料液体を載置する試料台上の水平面内で機械的に2次元
走査する2次元走査手段に取り付けられており、光検出
器からの光ヘテロダイン信号がフーリエ変換手段に入力
されるように構成されているので、今までニーズもなく
試みられることもなかった試料液体の表面張力と粘性率
の2次元分布測定が軽量で簡単な装置により可能にな
る。本発明の装置は、例えば、実際のチョクラルスキー
法の炉に設置することにより、チョクラルスキー法にお
ける溶融シリコン等の不透明で高温の融体の表面張力分
布を結晶成長の段階で測定することができ、均一な結晶
を得るのに資することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の液体の表面張力と
粘性率の2次元分布測定装置について説明する。
粘性率の2次元分布測定装置について説明する。
【0015】実施例の説明の前に本発明の測定原理を説
明する。図2(a)に示すように、液体表面1に入射光
2としてレーザ光を照射すると、通常の鏡面反射成分3
の周りに散乱光4が観察される。前記したように、この
散乱光4にはリプロンの周波数や減衰率の情報が含まれ
ており、これを解析して表面波の分散関係式を用いるこ
とにより、液体の表面張力と粘性率を求めることが可能
である。
明する。図2(a)に示すように、液体表面1に入射光
2としてレーザ光を照射すると、通常の鏡面反射成分3
の周りに散乱光4が観察される。前記したように、この
散乱光4にはリプロンの周波数や減衰率の情報が含まれ
ており、これを解析して表面波の分散関係式を用いるこ
とにより、液体の表面張力と粘性率を求めることが可能
である。
【0016】リプロンの進行方向をx軸にとると、リプ
ロンの液面の変位ζは、時間をtとすると、以下のよう
に表すことができる。
ロンの液面の変位ζは、時間をtとすると、以下のよう
に表すことができる。
【0017】 ζ(x,t)=ζ0 cos(kx)・exp(αt) ・・・(1) ここで、ζ0 は初期振幅、kはリプロンの波数、αは次
式で表される複素角周波数である。
式で表される複素角周波数である。
【0018】 α=−iω0 −Γ ・・・(2) 上式(2)で、ω0 ,Γ>0は、それぞれリプロンの角
周波数と減衰率である。このkとαの関係(分散関係
式)は、Navier−Stokesの式と連続の式を
液体表面に適用し、(1)波長に比べて振幅が十分に小
さい、(2)液深くでは運動が生じていない、(3)表
面の剪断応力はない、(4)波長が短く重力の項が無視
できる、という条件の下でLambとLevichによ
り以下のように導かれている。
周波数と減衰率である。このkとαの関係(分散関係
式)は、Navier−Stokesの式と連続の式を
液体表面に適用し、(1)波長に比べて振幅が十分に小
さい、(2)液深くでは運動が生じていない、(3)表
面の剪断応力はない、(4)波長が短く重力の項が無視
できる、という条件の下でLambとLevichによ
り以下のように導かれている。
【0019】 ω0 2 =(σ/ρ)k3 ・・・(3) Γ=2(η/ρ)k2 ・・・(4) ここで、σは表面張力、ρは液体の密度、ηは粘性率で
ある。
ある。
【0020】したがって、リプロンの角周波数ω0 、減
衰率Γ、及び、波数kを測定し、液体の密度ρを既知と
すれば、表面張力σと粘性率ηを求めることができる。
衰率Γ、及び、波数kを測定し、液体の密度ρを既知と
すれば、表面張力σと粘性率ηを求めることができる。
【0021】まず、リプロンの角周波数ω0 、減衰率Γ
を求めるために光ヘテロダイン法による散乱光の検知を
行う。図2(a)に示したように、液体表面1に入射光
2としてレーザ光を照射すると、わずかであるが鏡面反
射成分3の周りに散乱光4が生じる。これはリプロンが
振幅型の回折格子の作用をするためであり、散乱光4は
リプロンのスペクトルに応じた周波数シフトを受け(ブ
リリュアン散乱)、リプロンの波長に応じた散乱角で散
乱される。この周波数シフトと散乱角を求めれば、リプ
ロンのスペクトルと波長を知ることができるが、リプロ
ンによる散乱光4は微弱である上に、光の周波数に比べ
てシフト量(kHz〜MHz)はわずかなため、直接検
知することは難しい。
を求めるために光ヘテロダイン法による散乱光の検知を
行う。図2(a)に示したように、液体表面1に入射光
2としてレーザ光を照射すると、わずかであるが鏡面反
射成分3の周りに散乱光4が生じる。これはリプロンが
振幅型の回折格子の作用をするためであり、散乱光4は
リプロンのスペクトルに応じた周波数シフトを受け(ブ
リリュアン散乱)、リプロンの波長に応じた散乱角で散
乱される。この周波数シフトと散乱角を求めれば、リプ
ロンのスペクトルと波長を知ることができるが、リプロ
ンによる散乱光4は微弱である上に、光の周波数に比べ
てシフト量(kHz〜MHz)はわずかなため、直接検
知することは難しい。
【0022】そこで、この散乱光4の検知法として、信
号強度を強め、低周波での解析が可能となる光ヘテロダ
イン法を用いる。光ヘテロダイン法は、散乱光4と基準
となる他の光である参照光5との周波数混合を行い、こ
れにより発生する光ビート信号から散乱光4の情報を知
る技術である。散乱光4に関する添字をS、参照光5に
関する添字をRとすると、散乱光4と参照光5の電場を
それぞれ、 ES (t)=AS exp{i(ΩS t+φS )} ・・・(5) ER (t)=AR exp{i(ΩR t+φR )} ・・・(6) で表すと、これらを干渉させた場合の光の強度Iは、 I(t)=|ES (t)+ER (t)|2 =AS 2 +AR 2 +2AS AR cos{(ΩS −ΩR )t+(φS −φR )} ・・・(7) となる。ここで、Ωは光の周波数、φは光の位相、Aは
振幅である。
号強度を強め、低周波での解析が可能となる光ヘテロダ
イン法を用いる。光ヘテロダイン法は、散乱光4と基準
となる他の光である参照光5との周波数混合を行い、こ
れにより発生する光ビート信号から散乱光4の情報を知
る技術である。散乱光4に関する添字をS、参照光5に
関する添字をRとすると、散乱光4と参照光5の電場を
それぞれ、 ES (t)=AS exp{i(ΩS t+φS )} ・・・(5) ER (t)=AR exp{i(ΩR t+φR )} ・・・(6) で表すと、これらを干渉させた場合の光の強度Iは、 I(t)=|ES (t)+ER (t)|2 =AS 2 +AR 2 +2AS AR cos{(ΩS −ΩR )t+(φS −φR )} ・・・(7) となる。ここで、Ωは光の周波数、φは光の位相、Aは
振幅である。
【0023】式(7)の第3項が振幅2AS AR 、角周
波数(ΩS −ΩR )で振動する光ヘテロダイン信号とな
る。したがって、参照光5に散乱光4よりも強い光を用
いれば、散乱光4の変動成分を増幅することが可能であ
る。
波数(ΩS −ΩR )で振動する光ヘテロダイン信号とな
る。したがって、参照光5に散乱光4よりも強い光を用
いれば、散乱光4の変動成分を増幅することが可能であ
る。
【0024】ところで、このビート信号の角周波数(Ω
S −ΩR )はリプロンの角周波数ω 0 と等しい。この点
を説明する。図3に示すように、入射光2が、入射角ψ
で、液面1に速度vで伝搬しているリプロン10に入射
した場合、ドップラー効果により周波数シフトし、 f’=(c−vsinψ)/c×f ・・・(8) となる。ここで、fは入射光2の周波数である。
S −ΩR )はリプロンの角周波数ω 0 と等しい。この点
を説明する。図3に示すように、入射光2が、入射角ψ
で、液面1に速度vで伝搬しているリプロン10に入射
した場合、ドップラー効果により周波数シフトし、 f’=(c−vsinψ)/c×f ・・・(8) となる。ここで、fは入射光2の周波数である。
【0025】この周波数f’の光はリプロン10でブリ
リュアン散乱されるが、今度は液面1が光源であると考
えると、固定された光検出器が受ける周波数はさらなる
ドップラーシフトにより、 f”=c/{c−vsin(ψ+θ)}×f’ =(c−vsinψ)/{c−vsin(ψ+θ)}×f ・・・(9) となる。ここで、θは入射光2の鏡面反射成分3に対し
て参照光5がなす角度、あるいは、入射光2に対して液
面に入射する前の参照光5’がなす角度である。
リュアン散乱されるが、今度は液面1が光源であると考
えると、固定された光検出器が受ける周波数はさらなる
ドップラーシフトにより、 f”=c/{c−vsin(ψ+θ)}×f’ =(c−vsinψ)/{c−vsin(ψ+θ)}×f ・・・(9) となる。ここで、θは入射光2の鏡面反射成分3に対し
て参照光5がなす角度、あるいは、入射光2に対して液
面に入射する前の参照光5’がなす角度である。
【0026】この周波数f”の散乱光4と、周波数fの
参照光5のビート信号の周波数Fは、 F=|f”−f| =|(c−vsinψ)/{c−vsin(ψ+θ)}−1|×f =|{−vsinψ+vsin(ψ+θ)}/ {c−vsin(ψ+θ)}|×f ・・・(10) となる。c≫v、λ・f=c(λは光の波長)より、 F=v/λ×|sinψ−sin(ψ+θ)| ・・・(11) となる。
参照光5のビート信号の周波数Fは、 F=|f”−f| =|(c−vsinψ)/{c−vsin(ψ+θ)}−1|×f =|{−vsinψ+vsin(ψ+θ)}/ {c−vsin(ψ+θ)}|×f ・・・(10) となる。c≫v、λ・f=c(λは光の波長)より、 F=v/λ×|sinψ−sin(ψ+θ)| ・・・(11) となる。
【0027】一方、図4に示すように、リプロン10の
波長λ0 を回折格子の格子間隔と考えると、入射光2が
入射角ψの斜め入射の場合、散乱光4は、回折の式か
ら、 λ=|λ0 sinψ−λ0 sin(ψ+θ)| ・・・(12) を満たす。リプロン10は速度vで伝搬している波なの
で、 λ0 ・f0 =v ・・・(13) である。式(12)と(13)より、 f0 =v/λ×|sinψ−sin(ψ+θ)| ・・・(14) が得られる。式(14)のf0 (リプロンの周波数)と
式(11)のF(ビート信号の周波数)が一致すること
から、ビート信号の角周波数(ΩS −ΩR )はリプロン
の角周波数ω0 と等しいことが分かる。
波長λ0 を回折格子の格子間隔と考えると、入射光2が
入射角ψの斜め入射の場合、散乱光4は、回折の式か
ら、 λ=|λ0 sinψ−λ0 sin(ψ+θ)| ・・・(12) を満たす。リプロン10は速度vで伝搬している波なの
で、 λ0 ・f0 =v ・・・(13) である。式(12)と(13)より、 f0 =v/λ×|sinψ−sin(ψ+θ)| ・・・(14) が得られる。式(14)のf0 (リプロンの周波数)と
式(11)のF(ビート信号の周波数)が一致すること
から、ビート信号の角周波数(ΩS −ΩR )はリプロン
の角周波数ω0 と等しいことが分かる。
【0028】さて、上記のような光ヘテロダイン信号を
フーリエ変換して一定回以上の平均を取ると、リプロン
10の次式のようなパワースペクトルP(ω)が求めら
れる。
フーリエ変換して一定回以上の平均を取ると、リプロン
10の次式のようなパワースペクトルP(ω)が求めら
れる。
【0029】 P(ω)=Γ/{(ω−ω0 )2 +Γ2 } ・・・(15) これはロレンツ分布と呼ばれるもので、図2(b)のよ
うな中心角周波数ω0 、半値幅2Γを持つスペクトルを
示す。
うな中心角周波数ω0 、半値幅2Γを持つスペクトルを
示す。
【0030】したがって、液体表面1からの散乱光4の
スペクトルを解析することにより、式(3)、(4)の
波数k以外の、リプロンの角周波数ω0 と減衰率Γを求
めることができる。
スペクトルを解析することにより、式(3)、(4)の
波数k以外の、リプロンの角周波数ω0 と減衰率Γを求
めることができる。
【0031】次に、リプロンの波数kの求め方を説明す
る。図3において、液体表面1で入射光2のフォトンが
リプロン10と弾性衝突するものと考えている。波数と
散乱角の関係について考える。波数ベクトルKinの入射
光2が入射角ψで入射し、この光が波数ベクトルkのリ
プロン10により散乱角θで散乱され、波数ベクトルK
scの散乱光4になったと考える。ここで、液面1に沿う
たx軸方向の運動量の保存を考える。Kin、Kscのx軸
成分をそれぞれKin-x、Ksc-xとすると、それぞれの運
動量は波数とプランク定数により、hKin-x、hk、h
Ksc-xと表される。これより、運動量の保存は次のよう
に表される。
る。図3において、液体表面1で入射光2のフォトンが
リプロン10と弾性衝突するものと考えている。波数と
散乱角の関係について考える。波数ベクトルKinの入射
光2が入射角ψで入射し、この光が波数ベクトルkのリ
プロン10により散乱角θで散乱され、波数ベクトルK
scの散乱光4になったと考える。ここで、液面1に沿う
たx軸方向の運動量の保存を考える。Kin、Kscのx軸
成分をそれぞれKin-x、Ksc-xとすると、それぞれの運
動量は波数とプランク定数により、hKin-x、hk、h
Ksc-xと表される。これより、運動量の保存は次のよう
に表される。
【0032】 hKin-x+hk=hKsc-x ・・・(16) ∴ Kin-x+k=Ksc-x ・・・(17) 式(17)をkについて解くと、 k2 =Kin-x 2 −2Kin-xKsc-x+Ksc-x 2 =Kin 2 sin2 ψ+Ksc 2 sin2 (ψ+θ) −2KinKscsinψ・sin(ψ+θ) ・・・(18) ここで、kはKin、Kscに比べて非常に小さいので、K
in≒Kscとすると、式(18)は次式のようになる。
in≒Kscとすると、式(18)は次式のようになる。
【0033】 k=Kin|sinψ−sin(ψ+θ)| ・・・(19) この式から分かるように、リプロン10の波数kは、入
射光2の波数ベクトルK in、入射角ψ、散乱角θから求
めることができる。
射光2の波数ベクトルK in、入射角ψ、散乱角θから求
めることができる。
【0034】また、 k=2π/λ0 ・・・(20) であるから、これより、 λ0 =λ/|sinψ−sin(ψ+θ)| ・・・(21) と表すことができ、この式(21)に従ってリプロン1
0の波長λ0 (波数k)を決定することができる。
0の波長λ0 (波数k)を決定することができる。
【0035】さて、以上のような測定原理を実施するた
めの本発明による液体の表面張力と粘性率の2次元分布
測定装置の実施例について説明する。図1に示すよう
に、本発明の測定装置は、例えば坩堝31中で溶融して
いる溶融シリカのような測定光に対して不透明な液体サ
ンプル30を載置する試料台11と、その試料台11か
ら垂直方向に起立している壁部材12と、その壁部材1
2の頂辺に設けた水平なレール14を介して紙面に垂直
なY軸方向へ移動自在に取り付けられている梁部材13
と、梁部材13に対して紙面内の水平なX軸方向へ移動
自在に取り付けられた基板20とを含み、この基板20
の垂直な面上には測定系の光学系と光源及び光検出器が
固定されている。
めの本発明による液体の表面張力と粘性率の2次元分布
測定装置の実施例について説明する。図1に示すよう
に、本発明の測定装置は、例えば坩堝31中で溶融して
いる溶融シリカのような測定光に対して不透明な液体サ
ンプル30を載置する試料台11と、その試料台11か
ら垂直方向に起立している壁部材12と、その壁部材1
2の頂辺に設けた水平なレール14を介して紙面に垂直
なY軸方向へ移動自在に取り付けられている梁部材13
と、梁部材13に対して紙面内の水平なX軸方向へ移動
自在に取り付けられた基板20とを含み、この基板20
の垂直な面上には測定系の光学系と光源及び光検出器が
固定されている。
【0036】基板20上には、光源としての例えばYA
Gレーザ21が取り付けられており、その光路を折り曲
げるミラーM1と、ミラーM1で折り曲げられた光路中
にビームスプリッタープリズムBSが取り付けられてお
り、そのビームスプリッタープリズムBSで反射された
光路を折り曲げるミラーM2と、ミラーM2で折り曲げ
られた光路中で角度調節自在になっているミラーM3と
が基板20上に取り付けられていて、図2(a)の入射
光2の光路を形成している。一方、ビームスプリッター
プリズムBSを透過した光路中には角度調節自在のミラ
ーM4が基板20上に取り付けられていて、図2(a)
の参照光5’の光路を形成している。さらに、液体サン
プル30の液面1で正反射された参照光5とその方向に
進む散乱光4とを取り込むための光路を形成する角度調
節自在のミラーM5が基板20上に取り付けられてお
り、その光路中にフォトマルチプライヤー等の光検出器
22が取り付けられている。そして、これら角度調節自
在のミラーM3、M4、M5は、入射光2の液面1に対
する入射角ψと、入射光2が液面1で鏡面反射された成
分3に対して液面1で正反射された参照光5がなす角度
θとが所定の値に精密に設定できるように構成されてい
る。
Gレーザ21が取り付けられており、その光路を折り曲
げるミラーM1と、ミラーM1で折り曲げられた光路中
にビームスプリッタープリズムBSが取り付けられてお
り、そのビームスプリッタープリズムBSで反射された
光路を折り曲げるミラーM2と、ミラーM2で折り曲げ
られた光路中で角度調節自在になっているミラーM3と
が基板20上に取り付けられていて、図2(a)の入射
光2の光路を形成している。一方、ビームスプリッター
プリズムBSを透過した光路中には角度調節自在のミラ
ーM4が基板20上に取り付けられていて、図2(a)
の参照光5’の光路を形成している。さらに、液体サン
プル30の液面1で正反射された参照光5とその方向に
進む散乱光4とを取り込むための光路を形成する角度調
節自在のミラーM5が基板20上に取り付けられてお
り、その光路中にフォトマルチプライヤー等の光検出器
22が取り付けられている。そして、これら角度調節自
在のミラーM3、M4、M5は、入射光2の液面1に対
する入射角ψと、入射光2が液面1で鏡面反射された成
分3に対して液面1で正反射された参照光5がなす角度
θとが所定の値に精密に設定できるように構成されてい
る。
【0037】そして、この測定光学系等が一体に取り付
けられた基板20は、梁部材13に沿って水平なX軸方
向へ不図示の駆動系により移動され、入射光2と参照光
5’の交点(測定点)Pが液体サンプル30の液面1上
を主走査することになる。一方、梁部材13は、壁部材
12の頂辺に沿って水平なY軸方向へ不図示の駆動系に
よって主走査と同期して移動され、測定点Pが液体サン
プル30の液面1上を副走査することになる。そのため
に、このX軸方向の主走査とY軸方向の副走査とを連携
させて測定点Pを液体サンプル30の液面1上をラスタ
ースキャンさせながら、光検出器22から光ヘテロダイ
ン信号を検出し、その信号をパソコン40に取り込んで
高速フーリエ変換をして一定回以上の平均を取ることに
より、例えば基板20と梁部材13の駆動系から入力さ
れる測定点Pの液面1上の座標(x,y)におけるパワ
ースペクトルP(ω)が順次求まり、式(15)から、
その位置(x,y)のリプロンの角周波数ω0 (x,
y)と減衰率(x,y)が求まる。
けられた基板20は、梁部材13に沿って水平なX軸方
向へ不図示の駆動系により移動され、入射光2と参照光
5’の交点(測定点)Pが液体サンプル30の液面1上
を主走査することになる。一方、梁部材13は、壁部材
12の頂辺に沿って水平なY軸方向へ不図示の駆動系に
よって主走査と同期して移動され、測定点Pが液体サン
プル30の液面1上を副走査することになる。そのため
に、このX軸方向の主走査とY軸方向の副走査とを連携
させて測定点Pを液体サンプル30の液面1上をラスタ
ースキャンさせながら、光検出器22から光ヘテロダイ
ン信号を検出し、その信号をパソコン40に取り込んで
高速フーリエ変換をして一定回以上の平均を取ることに
より、例えば基板20と梁部材13の駆動系から入力さ
れる測定点Pの液面1上の座標(x,y)におけるパワ
ースペクトルP(ω)が順次求まり、式(15)から、
その位置(x,y)のリプロンの角周波数ω0 (x,
y)と減衰率(x,y)が求まる。
【0038】一方、入射光2の波数Kinが決まってお
り、基板20上の光学系等の固定配置から入射光2の入
射角ψと散乱角θが決まっているから、式(19)か
ら、リプロンの波数kが求まる。
り、基板20上の光学系等の固定配置から入射光2の入
射角ψと散乱角θが決まっているから、式(19)か
ら、リプロンの波数kが求まる。
【0039】したがって、式(3)と式(4)から、液
体サンプル30の液面1上の表面張力2次元分布σ
(x,y)と粘性率2次元分布η(x,y)が求められ
ることになる。
体サンプル30の液面1上の表面張力2次元分布σ
(x,y)と粘性率2次元分布η(x,y)が求められ
ることになる。
【0040】このように、本発明においては、試料液体
30を載置する試料台11上の水平面内で機械的に2次
元走査される基板20上に測定系を構成する光学系と光
源21と光検出器22とが固定されて一体化され、その
一体化された基板20が液面1に沿って2次元移動され
るので、液面1における表面張力と粘性率の2次元分布
を高速に簡単に測定することができる。しかも、測定装
置の構成が簡単で軽量なものとすることができる。
30を載置する試料台11上の水平面内で機械的に2次
元走査される基板20上に測定系を構成する光学系と光
源21と光検出器22とが固定されて一体化され、その
一体化された基板20が液面1に沿って2次元移動され
るので、液面1における表面張力と粘性率の2次元分布
を高速に簡単に測定することができる。しかも、測定装
置の構成が簡単で軽量なものとすることができる。
【0041】以上、本発明の液体の表面張力と粘性率の
2次元分布測定装置を実施例に基づいて説明してきた
が、本発明は上記実施例に限定されず種々の変形が可能
である。
2次元分布測定装置を実施例に基づいて説明してきた
が、本発明は上記実施例に限定されず種々の変形が可能
である。
【0042】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置による
と、所定波長の光を発する光源と、その所定波長の光を
2分する光線分割手段と、分割された一方の入射光を所
定の入射角で液体表面に向ける入射光偏向手段と、分割
された他方の参照光を入射光の入射角とは異なる所定の
入射角で液体表面の同じ位置に向ける参照光偏向手段
と、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に散
乱された入射光の散乱光とを光検出器に選択的に入射さ
せる手段と、光検出器とが共通の基板上に固定されてお
り、その基板は、試料液体を載置する試料台上の水平面
内で機械的に2次元走査する2次元走査手段に取り付け
られており、光検出器からの光ヘテロダイン信号がフー
リエ変換手段に入力されるように構成されているので、
今までニーズもなく試みられることもなかった試料液体
の表面張力と粘性率の2次元分布測定が軽量で簡単な装
置により可能になる。本発明の装置は、例えば、実際の
チョクラルスキー法の炉に設置することにより、チョク
ラルスキー法における溶融シリコン等の不透明で高温の
融体の表面張力分布を結晶成長の段階で測定することが
でき、均一な結晶を得るのに資することができる。
の液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置による
と、所定波長の光を発する光源と、その所定波長の光を
2分する光線分割手段と、分割された一方の入射光を所
定の入射角で液体表面に向ける入射光偏向手段と、分割
された他方の参照光を入射光の入射角とは異なる所定の
入射角で液体表面の同じ位置に向ける参照光偏向手段
と、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に散
乱された入射光の散乱光とを光検出器に選択的に入射さ
せる手段と、光検出器とが共通の基板上に固定されてお
り、その基板は、試料液体を載置する試料台上の水平面
内で機械的に2次元走査する2次元走査手段に取り付け
られており、光検出器からの光ヘテロダイン信号がフー
リエ変換手段に入力されるように構成されているので、
今までニーズもなく試みられることもなかった試料液体
の表面張力と粘性率の2次元分布測定が軽量で簡単な装
置により可能になる。本発明の装置は、例えば、実際の
チョクラルスキー法の炉に設置することにより、チョク
ラルスキー法における溶融シリコン等の不透明で高温の
融体の表面張力分布を結晶成長の段階で測定することが
でき、均一な結晶を得るのに資することができる。
【図1】本発明による液体の表面張力と粘性率の2次元
分布測定装置の1実施例の構成を説明するための図であ
る。
分布測定装置の1実施例の構成を説明するための図であ
る。
【図2】本発明の基本原理を説明するための図である。
【図3】本発明の基本原理を説明するための各種パラメ
ータを示す図である。
ータを示す図である。
【図4】リプロンを回折格子とした場合の散乱光を示す
図である。
図である。
1…液体表面(液面) 2…入射光 3…入射光の液面での鏡面反射成分 4…散乱光 5…参照光 5’…液面に入射する前の参照光 10…リプロン 11…試料台 12…垂直起立壁部材 13…水平梁部材 14…水平レール 20…基板 21…YAGレーザ 22…光検出器 30…液体サンプル 31…坩堝 40…パソコン BS…ビームスプリッタープリズム M1、M2…光路折り曲げミラー M3、M4、M5…角度調節自在ミラー P…入射光と参照光の交点(測定点)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F064 AA09 FF02 GG12 GG22 HH05 JJ05 JJ15 2G059 AA03 BB04 CC20 DD13 EE02 EE09 FF09 GG01 JJ05 JJ12 JJ13 JJ22 KK01 KK02 MM03
Claims (4)
- 【請求項1】 所定波長の光を2分して一方を入射光、
他方を参照光として液体表面の同じ位置に相互に異なる
入射角で入射させ、液体表面から鏡面反射された参照光
とその方向に散乱された入射光の散乱光とを干渉させて
光ヘテロダイン信号を検出し、その光ヘテロダイン信号
をフーリエ変換して得られたパワースペクトルから液体
面のリプロンの周波数と減衰率とを求め、また、入射光
の入射角と散乱光の散乱角と入射光の波数とからリプロ
ンの波数を求め、求められたリプロンの周波数と減衰率
と入射光の波数とから液体の表面張力と粘性率を測定す
る装置において、 前記所定波長の光を発する光源と、前記所定波長の光を
2分する光線分割手段と、分割された一方の入射光を所
定の入射角で液体表面に向ける入射光偏向手段と、分割
された他方の参照光を入射光の入射角とは異なる所定の
入射角で液体表面の同じ位置に向ける参照光偏向手段
と、液体表面から鏡面反射された参照光とその方向に散
乱された入射光の散乱光とを光検出器に選択的に入射さ
せる手段と、光検出器とが共通の基板上に固定されてお
り、 前記基板は、試料液体を載置する試料台上の水平面内で
機械的に2次元走査する2次元走査手段に取り付けられ
ており、 前記光検出器からの光ヘテロダイン信号がフーリエ変換
手段に入力されるように構成されていることを特徴とす
る液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置。 - 【請求項2】 前記入射光偏向手段と前記参照光偏向手
段とが角度調節可能であることを特徴とする請求項1記
載の液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置。 - 【請求項3】 試料液体が入射光に対して不透明な液体
からなることを特徴とする請求項1又は2記載の液体の
表面張力と粘性率の2次元分布測定装置。 - 【請求項4】 試料液体が高温融体からなることを特徴
とする請求項3記載の液体の表面張力と粘性率の2次元
分布測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135595A JP2001318042A (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000135595A JP2001318042A (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001318042A true JP2001318042A (ja) | 2001-11-16 |
Family
ID=18643648
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000135595A Pending JP2001318042A (ja) | 2000-05-09 | 2000-05-09 | 液体の表面張力と粘性率の2次元分布測定装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001318042A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241323A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Keio Gijuku | 液体表面粘弾性質測定ヘッド及びそれを用いた液体表面粘弾性質測定装置 |
JP2008256365A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Morinaga Milk Ind Co Ltd | 凝固検知センサの走査装置および走査方法 |
JP2009276292A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Fujifilm Corp | 液体の表面物性の異方性評価方法およびそれに用いる装置 |
CN108760684A (zh) * | 2018-05-03 | 2018-11-06 | 太原理工大学 | 一种测量流体界面性质的传感器 |
CN113281221A (zh) * | 2021-05-19 | 2021-08-20 | 太原理工大学 | 一种高温熔融体黏度和表面张力的测量方法和系统 |
-
2000
- 2000-05-09 JP JP2000135595A patent/JP2001318042A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008241323A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Keio Gijuku | 液体表面粘弾性質測定ヘッド及びそれを用いた液体表面粘弾性質測定装置 |
JP2008256365A (ja) * | 2007-03-30 | 2008-10-23 | Morinaga Milk Ind Co Ltd | 凝固検知センサの走査装置および走査方法 |
JP2009276292A (ja) * | 2008-05-16 | 2009-11-26 | Fujifilm Corp | 液体の表面物性の異方性評価方法およびそれに用いる装置 |
CN108760684A (zh) * | 2018-05-03 | 2018-11-06 | 太原理工大学 | 一种测量流体界面性质的传感器 |
CN113281221A (zh) * | 2021-05-19 | 2021-08-20 | 太原理工大学 | 一种高温熔融体黏度和表面张力的测量方法和系统 |
CN113281221B (zh) * | 2021-05-19 | 2023-07-25 | 太原理工大学 | 一种高温熔融体黏度和表面张力的测量方法和系统 |
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