JP2001314747A - 油中不純物分解装置 - Google Patents

油中不純物分解装置

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JP2001314747A
JP2001314747A JP2000135914A JP2000135914A JP2001314747A JP 2001314747 A JP2001314747 A JP 2001314747A JP 2000135914 A JP2000135914 A JP 2000135914A JP 2000135914 A JP2000135914 A JP 2000135914A JP 2001314747 A JP2001314747 A JP 2001314747A
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oil
water
nozzle
cavitation
impurities
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JP2000135914A
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English (en)
Inventor
Kazunori Sato
一教 佐藤
Tadaaki Mizoguchi
忠昭 溝口
Kazunori Fujita
一紀 藤田
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油中不純物の分解効果を向上する。 【解決手段】 液体1を貯留する槽3と、液体中に噴出
孔を位置して設けられたノズル5と、ノズルに処理対象
である油7と水9を供給する手段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、油中不純物分解装
置に係り、特にキャビテーションの作用によって化合物
等の不純物を分解する油中不純物分解装置に関する。
【0002】
【従来の技術】汚染水に含まれる有害成分等の不純物を
分解し汚染水を浄化する方法として、汚染水にキャビテ
ーションを発生させて不純物を分解する方法が知られて
いる。例えば、代表的な地下水汚染成分であるトリクロ
ロエチレンやテトラクロロエチレンといった有害な有機
塩素化合物を、キャビテーションの作用によって無害な
成分に分解することができる。また、病原性大腸菌や耐
塩素性の病原体であり原虫の一種であるクリプトスポリ
ジウム等の細胞を破壊して死滅させることもできる。
【0003】このようなキャビテーションを発生させる
手段として、超音波法や、水中でロータを高速回転させ
る方法などが知られているが、汚染水をプランジャポン
プや遠心ポンプ等の高圧ポンプによって加圧し、ノズル
から高速のジェットとして水中に噴出すると、強度が高
く、かつ連続したキャビテーションを簡単に発生させる
ことができる。例えば、発明者等が行なった試験の結果
によれば、容器内に水を張り、水中に設置されたノズル
から20乃至70MPa程度に加圧された供試汚染水を噴出
することによって、キャビテーションを発生させ、汚染
成分を分解できることがわかっている。また、このよう
にしてキャビテーションを発生させると、ポンプの吐出
圧力やノズルを調整することによって、キャビテーショ
ンの強度や汚染水の処理量といった運転条件を簡単に制
御することができる。
【0004】また、油中にキャビテーションを発生させ
ても、不純物を分解できることがわかっている。特に、
油には水よりも多量の気体が溶解していることが多く、
これらがキャビテーション核(cavitation nuclei)とな
るので、水より簡単にキャビテーションを発生させるこ
とができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、油に溶
解した成分をキャビテーションによって分解しようとし
ても、水の場合に対して分解効果が低いという問題があ
る。例えば、トランス用の絶縁油中に溶解しているポリ
塩化ビフェニール類(PCBs)のような油中不純物に
対して十分な分解効果が得られていない。
【0006】上記の問題に鑑み、本発明の課題は、油中
不純物の分解効果を向上することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、液体を貯留す
る槽と、液体中に噴出孔を位置して設けられたノズル
と、ノズルに処理対象である油と水を供給する手段とを
設けることによって上記課題を解決する。
【0008】このような装置を運転すると、ノズルに供
給された油と水が槽内の液体の中に噴出されて油中水滴
または水中油滴を含むジェットが形成され、これによっ
てキャビテーションが発生する。特に、このような液中
滴の表面、すなわち油と水との界面には溶解気体や微小
な塵等がトラップされているので、これらがキャビテー
ション核となってキャビテーションが発生しやすい。ま
た、油と水とにそれぞれ含まれている気体も同様にキャ
ビテーション核となり得る。このようにキャビテーショ
ンが発生すると、その作用によって油と水とがさらに混
合され、微細な液中滴がより増加し、この液中滴の界面
がまたキャビテーション核となる。したがって、簡単に
強度の高いキャビテーションを発生させることができ
る。
【0009】ところで、水中でのキャビテーションによ
る分解効果は、主にキャビテーション気泡の崩壊時にお
ける(1)衝撃圧と、(2)発熱による熱分解と、(3)気泡の
崩壊時に生成されるOHラジカルの酸化作用に起因する
ことがわかっている。特に、水中でのキャビテーション
においては、強力な酸化作用を発揮するOHラジカルが
多量に生成されるので、その効果は大きい。しかしなが
ら、油中でのキャビテーションにおいては、衝撃圧及び
熱分解による作用は水の場合と同様に得られるが、OH
ラジカルはほとんど生成されない。したがって、その酸
化作用が期待できず、水中でのキャビテーションに対し
て分解効果が劣る原因となっていた。
【0010】この点、本発明によれば、油と水とのジェ
ットによってキャビテーションを発生させているので、
水と接するキャビテーション気泡が崩壊するときにOH
ラジカルが生成される。そして、OHラジカルの酸化作
用が、ポリ塩化ビフェニール類等の化合物の分解に寄与
するので、分解効果を向上することができる。
【0011】また、ノズルに油と水が供給される容器状
の混合室を設け、ノズルから混合室中の油と水とを液体
中に噴出するようにすることが好ましい。これによれ
ば、噴出孔から噴出されるジェット内の油と水の混合を
改善して、キャビテーション核となり得る油と水の界面
をより多く与えてキャビテーションの発生を助長し、油
中不純物の分解効果を一層高めることができる。より好
ましくは、混合室中で油と水とがエマルジョン状に混合
されるとよい。このようなエマルジョンには油中水滴ま
たは水中油滴が無数に含まれ、したがってキャビテーシ
ョン核となりうる水と油との界面が無数に存在する。こ
のようなエマルジョンを噴出孔から噴出すると、非常に
強度の高いキャビテーションを発生させることができ
る。
【0012】また、槽の内部に噴出孔に対向する壁面を
設けると好ましい。これによれば、ジェットが壁面と衝
突する際の衝突エネルギーによってもキャビテーション
を発生させることができ、分解効果を一層向上すること
ができる。この壁面は、ジェットの進行方向に沿った衝
撃圧分布のピーク付近に設置すると、キャビテーション
の発生効果が高く好ましい。
【0013】また、第一および第二のノズルを槽内の液
体中に噴出孔を位置して設置し、第一のノズルに処理対
象である油を供給する手段と、第二のノズルに水を供給
する手段とを設け、第一のノズルと第二のノズルの噴出
孔の軸芯が槽の内部で略交差するように配置してもよ
い。このようにすると、液体中で第一のノズルから噴出
された油のジェットと、第二のノズルから噴出された水
のジェット内にそれぞれキャビテーションが発生するの
みならず、これらジェットどうしが衝突するときの衝突
エネルギーによってもキャビテーションが発生するの
で、強度の高いキャビテーションを得ることができる。
この衝突領域では、油と水とが衝突のエネルギーによっ
て強力に混合されるので、キャビテーション核となり得
る油と水の界面が多く形成されてキャビテーションの発
生が助長される。そして、このようにしても上に述べた
手段と同様に、水と接するキャビテーション気泡の崩壊
によってOHラジカルが生成されるので、その酸化作用
によって分解効果を高めることができる。
【0014】以上のようにして油中不純物が分解処理さ
れた後の水と油の混合物は、比重差を利用した分離槽等
の周知の方法によって水と油に分離することができる。
このとき、油中不純物の一部が水中に溶出して含まれて
いる場合がある。このような水中不純物は、水キャビテ
ーションを利用したもの等の既存の水中不純物分解装置
等によって分解することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用してなる油中
不純物分解装置の実施形態について、図1乃至8を参照
して説明する。図1は本発明を適用してなる油中不純物
分解装置の第一の実施形態の構成図である。図2は図1
の油中不純物分解装置のノズル断面図である。図3は、
図2のノズルから噴出するジェットの模式図である。
【0016】図1に示すように、本油中不純物分解装置
は、油と水の混合物である液体1を貯留する槽である油
処理リアクター3と、リアクター3内部の液体1の中に
噴出孔を位置して設置されたノズル5と、油7と水9と
を、それぞれノズル5に加圧して供給するポンプ11及
び高圧ポンプ13と、処理対象である油7と水9をそれ
ぞれ貯留する貯油槽15と貯水槽17を有して構成され
ている。本油中不純物分解装置は、油7に含まれてい
る、有機塩素化合物等の不純物を分解するためのもので
ある。
【0017】ポンプ11は、貯油槽15とノズル5とを
連結する配管12の途中に設けられている。高圧ポンプ
13は、貯水槽17とノズル5とを連結する配管14の
途中に設けられている。一方、処理後の油と水を分離す
る分離槽19が設けられ、油処理リアクター3と分離槽
19とを連結する配管20が設けられている。分離槽1
9は、比重差を利用して油と水とを分離する周知の分離
槽である。そして、分離槽19内において分離された油
21を、配管22を通して外部へ排出するポンプ23が
設けられている。また、水25を収容する容器状の水処
理リアクター27が設けられ、水25内に水処理ノズル
29が設置されている。そして、分離槽19内で分離さ
れた水31を、配管34を通して水処理ノズル29に圧
送するプランジャポンプ33が設けられている。これら
水処理リアクター27と、水処理ノズル29と、プラン
ジャポンプ33と、配管34は、水のキャビテーション
によって水中成分を分解する既存の水中不純物分解装置
を構成している。また、水処理リアクター27と貯水槽
17とを連結する配管28が形成されている。
【0018】また、配管20の途中に切替弁35が設け
られ、切替弁35と再循環タンク37とを連結する配管
36が形成されている。配管36の途中にポンプ39が
設けられ、再循環タンク37はポンプ39によって圧送
された液体41を貯留するために設けられている。そし
て、ポンプ13と貯水槽17の間の配管14に切替弁4
3が設けられ、再循環タンク37と切替弁43とを連結
し、液体41を送る配管42が形成されている。
【0019】図2に示すように、ノズル5は、油と水の
混合物である液体1の中に混合物噴出孔45を位置させ
て設置されている。ノズル5は、円筒状の外筒47と、
外筒47の内側に略同軸に形成された内筒49とを有し
て形成されている。外筒47の先端にテーパ状に縮径さ
れたテーパ部51が形成され、このテーパ部51の先端
部に外筒47と略同軸の混合物噴出孔45が形成されて
いる。また、内筒49の先端にも同様にテーパ状に縮径
されたテーパ部53が形成され、テーパ部53の先端に
内筒49と略同軸の水噴出孔55が形成されている。水
噴出孔55は、混合物噴出孔45との間に隙間を有して
設けられている。テーパ部51の内面とテーパ部53の
外面も隙間を隔てて略平行に配置されている。
【0020】このような油中不純物分解装置の動作につ
いて以下説明する。油7と水9は、それぞれポンプ11
と高圧ポンプ13によって加圧されてノズル5に供給さ
れる。このとき、水9は油7に対して高圧に加圧され
る。図2に示すように、水9は、内筒49の内部に供給
される。また、油7は、内筒49の外面と外筒47の内
面との間に供給される。図3に示すように、水9はその
圧力によって水噴出孔55から高速の水ジェット57と
して噴出する。一方、油19は、テーパ部51とテーパ
部53との間からジェット57の周囲に供給される。こ
れによって、中心部に芯状の水柱59を有しその周囲が
油の層61によって囲まれたジェット63が形成され、
混合物噴出孔45から液体1の中に噴出する。水柱59
は、ジェット63が混合物噴出孔45から噴出後、下流
側において徐々に分裂し、微細な油中水滴65が形成さ
れる。そして、この油中水滴65の表面、すなわち水と
油との界面や、油中水滴65及び油に含まれる気泡をキ
ャビテーション核として、キャビテーションが発生す
る。また、水と油との界面には、塵等の微細な異物がト
ラップされている場合があり、これらもまたキャビテー
ション核となり得る。キャビテーション気泡67はジェ
ット63内に多量に形成され、その後急速圧縮によって
逐次崩壊する。このキャビテーション気泡67が崩壊す
る際に、衝撃圧と熱が発生する。また、水に接するキャ
ビテーション気泡が崩壊すると、水からOHラジカルや
過酸化水素が生成される。そして、このような衝撃圧
や、発熱に伴う熱分解の作用、またはOHラジカルや過
酸化水素の強力な酸化作用によって、有機塩素化合物等
の不純物が分解される。例えば、有機塩素化合物は、H
やCl等のイオンや、COに変換される。また、
このようなキャビテーションの発生によって、ジェット
63の中の油と水の混合は一層促進され、ジェット63
の一部においてはエマルジョン状となる。エマルジョン
中にはキャビテーション核となり得る油と水の界面が無
数に存在するので、キャビテーションが非常に激しく発
生する。また、このように油と水とをジェットとして噴
出することによって、液中滴やエマルジョンの生成とい
ったマクロ面の混合のみならず、分子レベルのようなミ
クロ面においても混合されるので、水と接するキャビテ
ーション気泡の崩壊によって生成されたOHラジカル
は、分解処理の対象である油側にも行きわたり、油中の
不純物に対して強力な酸化作用を発揮する。
【0021】液体1は、このように油7と水9がノズル
1から噴出され、油処理リアクター3内に残留している
ものである。液体1の中の油に含まれる、処理対象の不
純物が十分に分解されている場合は、液体1は配管20
を通して分離槽19に送られる。分離槽19内におい
て、液体1は油21と水31に分離される。不純物が分
解処理された油21は、ポンプ23によって配管22を
通じて外部へ排出され、油の処理は終了する。このと
き、水31には油7に含まれていた不純物が含まれる場
合がある。水31は、このような不純物を分解するた
め、高圧ポンプ33によって配管34から水処理ノズル
29に供給される。そして、水31は水処理ノズル29
から、水処理リアクター27内の水25の中へ噴出され
る。これによってキャビテーションが発生し、その公知
の作用によって水31に含まれる不純物は分解される。
こうして処理された水は、配管28を通って貯水槽17
に戻され、水9に混入されて、再び装置内を循環させら
れる。
【0022】一方、油処理リアクター3において、液体
1の中の油に含まれる不純物が十分に分解されていない
場合には、これを十分分解するために液体1を回収して
ノズル5に再循環し、再度ジェットとして油処理リアク
ター3内に噴出する。この再循環は以下のようにしてな
される。すなわち、液体1は切替弁35によって再循環
配管36に導かれ、ポンプ39によって再循環タンク3
7に送られる。再循環タンク37内には、このようにし
て送られた、不純物を含む油と水との混合液である液体
41が貯められている。そして、液体41は、再循環タ
ンク37から配管42を通じて切替弁43に送られ、配
管14に流入して高圧ポンプ13によってノズル5に圧
送され、再び油処理リアクター3内にジェット状に噴出
され、上述した効果によって不純物を分解される。
【0023】上述の実施形態によって得られる効果につ
いて以下説明する。ます、本実施形態によれば、油7と
水9とを液体1の中にジェット状に噴出しているので、
ジェット内で油7と水9はよく混合され、油と水との界
面をキャビテーション核としてキャビテーション気泡が
多量に生成される。そして、水に接するキャビテーショ
ン気泡が崩壊するときに、OHラジカルが多量に生成さ
れる。このようにして生成されたOHラジカルは強力な
酸化作用を有しているので、油中不純物の分解効果が大
幅に向上する。これによって、処理時間も短縮すること
ができる。
【0024】例えば、ポリ塩化ビフェニール類を模擬し
たビフェニール化合物を油中に溶解させて、本実施形態
の油中不純物分解装置と、従来技術である油のキャビテ
ーションによる油中不純物分解装置を用いてそれぞれ分
解試験を行なった結果によると、従来技術によれば分解
率が46%に過ぎなかったのに対して、本実施形態によれ
ば96%の分解率が得られており、分解効果の向上が実証
されている。
【0025】また、油中不純物の分解のために、特殊な
添加剤や触媒を必要としないので、それらによって副生
成物が発生することがない。
【0026】また、超臨界分解法や触媒分解法といった
従来技術に対して、エネルギーコストやランニングコス
トを低減することができる。例えば、本実施形態におけ
るエネルギーコストは、ポリ塩化ビフェニール類の代表
的な分解法として知られている超臨界法を適用した場合
のエネルギーコストに対して52%に過ぎない。ちなみ
に、この本実施形態のエネルギーコストは、油処理後の
水と油の分離や、水の再循環処理に要するエネルギーを
も考慮したトータルコストである。
【0027】上に述べたように、本発明によれば、油と
水を液体中に噴出し、キャビテーションを発生させるこ
とによって、油中不純物の分解効果を著しく向上するこ
とができる。
【0028】また、図4乃至8を参照して本発明に係る
油中不純物分解装置の他の実施形態について以下説明す
る。実質的に同一の物については、同一の参照番号を付
して説明する。
【0029】図4は、本発明に係る油中不純物分解装置
の第二の実施形態であって、ノズル5の先端から外筒4
7の中心軸に沿って、スタンドオフ距離X離れた位置
に、ジェット63の進行方向に対して略垂直な平板状の
壁面であるターゲットボード69が設けられている構成
を示す。このようにすると、ノズル5から噴出されたジ
ェット63はターゲットボード69に衝突して向きを変
え、その表面に沿った放射壁面噴流70が形成される。
このとき、上述した実施形態のように、ジェット63内
においてキャビテーションが発生することに加えて、ジ
ェット63とターゲットボード69との衝突エネルギー
によってもキャビテーションが発生し、キャビテーショ
ン気泡71が生成される。このようなキャビテーション
気泡71が急速圧縮によって崩壊するときも、ジェット
内のキャビテーション気泡67が崩壊するときと同様な
分解効果が発揮されるので、有害成分の分解効果が一層
高まる。この場合、スタンドオフ距離Xは、ジェット
63の進行方向に生じる衝撃圧分布のピーク位置付近に
設定するとキャビテーションの発生に寄与するエネルギ
ーが多く得られるので好ましい。特に、衝撃圧分布の2
番目のピークの位置に、Xを設定するとよい。
【0030】また、図5に、本発明に係る油中不純物分
解装置の第三の実施形態におけるノズルの断面図を示
す。本実施形態におけるノズル84は、外筒47と、内
筒49と、外筒47の先端部に形成された容器状の混合
室73とを有し構成されている。内筒49の先端部には
テーパ状に縮径されたテーパ部53が形成され、テーパ
部53の略中央に内筒49と略同軸の油噴出孔75が形
成されている。一方、外筒47の先端部を塞ぐようにし
て隔壁77が形成され、隔壁77の内筒49に対向する
側の面はテーパ部53と適当な隙間を挟んで略平行なテ
ーパ状に形成され、その反対側の面は外筒47の軸芯に
対し略垂直な平面に形成されている。そして、隔壁77
の中心部には外筒47の軸芯と略同軸の開口である混合
物噴出孔45が形成されている。混合室73は、隔壁7
7と、外筒47の先端部からやや縮径されて形成され、
噴出孔の先端方向に向け延在する円筒部79と、円筒部
79の先端からテーパ状に絞られて形成されたリング状
のテーパ部80と、テーパ部80の先端を塞いで形成さ
れた円板81とによって、略円柱状の空間として形成さ
れている。また、このテーパ部80には、その表面に対
して略垂直な噴出孔83が形成されている。そして、内
筒49の内部に高圧に加圧された油7を供給し、内筒4
9の外壁と外筒47の内壁との隙間に高圧に加圧された
水9を供給すると、油7と水9は、混合物噴出孔55に
おいて合流し、そこから混合室73内に噴出する。これ
によって、混合室73の内部に強い循環流と乱流とが形
成され、その循環作用と乱れによって、油7と水9とは
強力に混合される。そして、油7と水9との混合物は噴
出孔83から周囲の液体1の中に噴出し、強力なキャビ
テーションを発生させる。本実施形態によれば、油と水
の混合状態を改善し、キャビテーションの発生を促進し
て油中不純物の分解効果を一層向上することができる。
【0031】また、図6に本発明に係る油中不純物分解
装置の第四の実施形態におけるノズルの断面図を示す。
本実施形態のノズル85は、略円柱状の本体87の先端
部に油噴出孔89と水噴出孔91とを有して形成されて
いる。本体87は、先端面に凹ませて形成されたテーパ
面88を有してなる。油噴出孔89と水噴出孔91はそ
れぞれテーパ面88に対して略垂直の孔として形成さ
れ、それらの軸芯は噴出孔の先端側において略交差する
ように配置されている。そして、油供給路90と水供給
路92が、それぞれの一端を油噴出孔89と水噴出孔9
1に連通させて本体87内に形成されている。
【0032】そして、油噴出孔89と水噴出孔91にそ
れぞれ高圧に加圧された油7と水9を供給すると、油噴
出孔89と水噴出孔91からそれぞれ油7と水9がジェ
ットとして噴出する。そして、ノズル先端部の液体1の
中において油7のジェットと水9のジェットは衝突す
る。これによって、油7のジェットと水9のジェット内
においてそれぞれキャビテーションが発生することに加
えて、これらのジェットの衝突によるエネルギーによっ
てもキャビテーションが発生する。また、衝突によって
油7と水9は強力に混合されるので、キャビテーション
核となり得る油と水の界面が増大し、非常に強力なキャ
ビテーションが発生する。したがって、油中不純物の分
解効果を一層向上することができる。
【0033】また、図7に本発明に係る油中不純物分解
装置の第五の実施形態におけるノズルの断面図を示す。
本実施形態のノズル93は、上述した実施形態における
ノズル5に類似しているが、外筒47の先端部の混合物
噴出孔45が、内筒49の先端部の水噴出孔55から外
筒47の軸芯方向に離間され、外筒部7の先端部の内径
が拡径されることによって、略円柱状の空間である混合
室95が形成されている。このようにすると、混合室9
5の内部において水噴出孔55からの水ジェット97
と、外筒47と内筒49との隙間からの油の流れ99が
強力に混合されて、油7と水9とはエマルジョン状に混
合される。そして、混合物噴出孔45から液体1の中へ
エマルジョンジェット101が噴出され、その中で強力
なキャビテーションが発生する。このように、油7と水
9をエマルジョン状に混合すると、それらの微細な混合
によって、キャビテーションの核となり得る油水界面が
無数に形成される。このように、予めエマルジョン状に
混合した後に噴出孔から噴出すると、ジェット中に非常
に強力なキャビテーションを発生させることができ、油
中不純物の分解効果を向上することができる。
【0034】最後に、図8に本発明を適用してなる油中
不純物分解装置の第六の実施形態の要部の構成を示す。
本実施形態に係る油中不純物分解装置は、貯油槽15
と、貯水槽17と、ホモジナイザー103と、高圧ポン
プ105と、ノズル107と、油処理リアクター3とを
有して構成されている。ノズル107は、混合を考慮せ
ず、キャビテーションを発生させる周知の噴出孔を有し
て形成されている。貯油槽15と貯水槽17から、ホモ
ジナイザー103に通じる配管111と113がそれぞ
れ形成され、それらの途中にポンプ115とポンプ11
7がそれぞれ設けられている。一方、ホモジナイザー1
03からノズル107に通じる配管119が形成され、
高圧ポンプ105はその途中に配置されている。
【0035】このような油中不純物分解装置において
は、貯油槽15内の油7と貯水槽17内の水9は、それ
ぞれ配管111と配管113を通り、ポンプ115とポ
ンプ117によって、ホモジナイザー103に送られ
る。油7と水9は、ホモジナイザー103の中において
混合され、微細液滴を多量に含むエマルジョンが生成さ
れる。このエマルジョンは、高圧ポンプ105によって
ノズル107に供給され、油処理リアクター3内の液体
1の中に噴出される。本実施形態によっても、前に述べ
た実施形態と同様にエマルジョンジェット30を形成す
ることができ、油中不純物の分解効果を高めることがで
きる。また、ホモジナイザー以外の、油と水とをエマル
ジョン状に混合しうる任意の混合手段を用いてもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、油中不純物の分解効果
を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用してなる油中不純物分解装置の第
一の実施形態の系統図である。
【図2】図1の実施形態の油中不純物分解装置のノズル
部断面図である。
【図3】図2のノズルから噴出するジェット内の状態を
示す模式図である。
【図4】本発明を適用してなる油中不純物分解装置の第
二の実施形態のノズル部断面図である。
【図5】本発明を適用してなる油中不純物分解装置の第
三の実施形態のノズル部断面図である。
【図6】本発明を適用してなる油中不純物分解装置の第
四の実施形態のノズル部断面図である。
【図7】本発明を適用してなる油中不純物分解装置の第
五の実施形態のノズル部断面図である。
【図8】本発明を適用してなる油中不純物分解装置の第
六の実施形態の要部の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 液体 3 油処理リアクター 5 ノズル 7 油 9 水 11 ポンプ 13 高圧ポンプ 19 分離槽 63 ジェット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 35/06 C07B 35/06 61/00 61/00 D C07C 25/18 C07C 25/18 (72)発明者 藤田 一紀 広島県呉市宝町3番36号 バブコック日立 株式会社呉研究所内 Fターム(参考) 2E191 BA13 BB00 BC01 BD00 BD11 4F033 QA10 QB03X QB03Y QB15Y QB16X QD03 QD15 QD21 QD25 QE14 4G035 AC15 AE13 4G075 AA13 AA37 BA05 BD05 BD15 BD22 BD24 CA22 DA01 DA13 EA02 EB01 EC02 EC03 EC30 4H006 AA02 AC13 BD81 EA22

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯留する槽と、前記液体中に噴出
    孔を位置して設けられたノズルと、前記ノズルに処理対
    象である油と水を供給する手段とを有する油中不純物分
    解装置。
  2. 【請求項2】 前記ノズルは前記油と前記水が供給され
    る容器状の混合室を有し、前記噴出孔は前記混合室中の
    前記油と前記水とを前記液体中に噴出する請求項1の油
    中不純物分解装置。
  3. 【請求項3】 前記槽の内部に前記噴出孔に対向する壁
    面を有する請求項1または2のいずれかに記載の油中不
    純物分解装置。
  4. 【請求項4】 液体を貯留する槽と、前記液体中に噴出
    孔を位置し設けられた第一および第二のノズルと、前記
    第一のノズルに処理対象である油を供給する手段と、前
    記第二のノズルに水を供給する手段とを有し、前記第一
    のノズルと第二のノズルの噴出孔の軸芯が前記槽の内部
    で略交差している不純物分解装置。
  5. 【請求項5】 油と水とをノズルから液体中に噴出して
    キャビテーションを発生させ、前記油中の不純物を分解
    する油中不純物分解方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008271996A (ja) * 2006-09-20 2008-11-13 Sunfu:Kk ポリ塩化ビフェニル分解装置及び該方法並びにポリ塩化ビフェニル分解システム
JP2009531340A (ja) * 2006-03-29 2009-09-03 フォルシュングスツェントルム カールスルーエ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 含ハロゲン物質の加熱式脱ハロゲン化のための装置
JP2011147932A (ja) * 2009-12-24 2011-08-04 Kao Corp 流体混合器

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