JP2001313191A - 放電灯点灯装置 - Google Patents

放電灯点灯装置

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JP2001313191A
JP2001313191A JP2000131216A JP2000131216A JP2001313191A JP 2001313191 A JP2001313191 A JP 2001313191A JP 2000131216 A JP2000131216 A JP 2000131216A JP 2000131216 A JP2000131216 A JP 2000131216A JP 2001313191 A JP2001313191 A JP 2001313191A
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Japan
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cataphoresis
discharge lamp
voltage
detection circuit
lighting device
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JP2000131216A
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Nobukazu Miki
伸和 三木
Keisuke Sato
啓介 佐藤
Yukio Yamanaka
幸男 山中
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Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】外乱などの影響を受けずにカタホリシスの発生
を確実に検出することを可能とした放電灯点灯装置を提
供する。 【解決手段】インバータ回路1は直流成分が重畳された
高周波電圧を放電ランプLaに印加して放電ランプLa
を高周波点灯させる。放電ランプLaのランプ電圧の低
下あるいは放電ランプLaの両管端部の温度差の変化を
放電ランプLaの内部での水銀の分布を反映する物理量
としてカタホリシスを検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、放電灯を高周波点
灯させる放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般的に蛍光ランプのような放電ランプ
の両フィラメント電極間に直流電圧成分を重畳して点灯
させると、放電ランプの陽極側で輝度が低下する現象が
発生する.この現象は、放電ランプ内の水銀イオンが陰
極側に集まることに起因しており、電気泳動あるいはカ
タホリシス(cataphoresis)と呼ばれている。
【0003】放電ランプである蛍光ランプでは水銀蒸気
とアルゴンとの混合ガスが放電ガスとして封入されてお
り、電極間に印加される電界により水銀蒸気が水銀イオ
ンと電子に電離することで放電が生じる。ここで、周囲
温度が低温であると水銀イオンは移動度が低下すること
になる。このような条件下において放電ランプの内部に
電位勾配が生じていると、水銀イオンは電位勾配の負極
側に集まり、電子は正極側に集まることになる。つま
り、放電ランプの内部での水銀密度の分布に偏りが生
じ、正極側では水銀密度が低くなることによってアルゴ
ンのスペクトルである赤色の発光が生じる。
【0004】このように、放電ランプの内部に電位勾配
が生じるような条件下であるとカタホリシスが生じ、と
くに周囲温度が低いと水銀イオンの移動度の低下によっ
てカタホリシスが一層生じやすくなる。従来は、放電ラ
ンプの内部(つまり、両フィラメント間)に電位勾配が
生じないようにするには、放電ランプの両フィラメント
間に交流電圧を印加するのが有効であると考えられてき
た。一方、近年では照明器具の軽量化や高効率化の目的
からインバータ回路を用いて高周波電力により放電ラン
プを点灯させる技術が普及してきており、この種の照明
器具では放電ランプに交流電圧を印加しているからカタ
ホリシスが生じないと予想されていたにもかかわらず、
実際には、カタホリシスが生じることが判明してきた。
【0005】しかしながら、これまではインバータ回路
においてカタホリシスが発生している状態を検出する技
術が確立されていなかったものであるから、カタホリシ
スの発生を常時抑制する対策がとられてきた。
【0006】たとえば、特開平10−162986号公
報に記載のものでは、高周波電源から高周波電力を放電
ランプを供給して高周波点灯させるにあたって放電ラン
プ内の水銀が高圧側へ偏る前に放電ランプの高圧側と低
圧側とを切り換える極性反転手段を設けた構成を採用し
ている。極性反転手段は水銀イオンが高圧側に偏る時間
よりも短い時間で周期的に放電ランプの高圧側と低圧側
とを入れ換えるものであり、カタホリシスが生じている
か否かにはかかわらずカタホリシスを抑制しようとする
構成を採用している。
【0007】また、特開平10−294187号公報に
記載のもののように、大地への漏れ電流に着目し、放電
ランプの高圧側と低圧側との漏れ電流差を低減させるよ
うにしてカタホリシスの発生を抑制しようとする構成も
提案されている。
【0008】さらに、特開平11−329772号公報
に記載のものでは、放電ランプの両端間に発生する直流
電圧成分をカタホリシスの発生しない程度まで低減させ
る構成を採用しており、具体的にはハーフブリッジ形の
インバータ回路における2個のスイッチング素子のオン
デューティを適正な値に制御したり、放電ランプへの印
加電圧の直流電圧成分を5V以下とする構成が提案され
ている。また、蛍光ランプの最冷点付近に他の高温部分
からの熱を伝導する部材を設けたり、筒状の保温体に蛍
光ランプを収容したりすることによって、蛍光ランプの
表面温度を高温に保ち、カタホリシスの発生を抑制する
構成も提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た各技術ではカタホリシスが発生しているか否かを判断
する構成は、特開平11−329772号公報にしか記
載がなく、他の技術ではカタホリシスが発生しているか
否かにかかわらずカタホリシスを抑制するようになって
おり、カタホリシスを抑制するために電力に無駄が生じ
たり、回路構成が複雑になったり、あるいはまた特殊な
構造の照明器具が必要になるなどの問題点を有してい
る。
【0010】特開平11−329772号公報に記載の
ものでは蛍光ランプに印加されている直流電圧成分を検
出し、直流電圧成分を低減させる技術が記載されている
が、蛍光ランプに印加されている略5%程度の直流電圧
を検出するものであるから、検出精度が不十分であり外
乱による誤動作が発生しやすいという問題を有してい
る。
【0011】本発明は上記事由に鑑みて為されたもので
あり、その目的は、外乱などの影響を受けずにカタホリ
シスの発生を確実に検出することを可能とした放電灯点
灯装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、放電
ガスが封入された放電ランプと、直流電圧を高周波電力
に変換するとともに前記放電ランプに直流成分が重畳さ
れた高周波電圧を印加して前記放電ランプを高周波点灯
させるインバータ回路と、放電ランプに封入された放電
ガスの状態を反映する物理量に基づいてカタホリシスを
検出するカタホリシス検出回路とを備えるものである。
【0013】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記物理量がランプ電圧の交流成分であって、前記
カタホリシス検出回路ではランプ電圧の交流成分の低下
によりカタホリシスを検出するものである。
【0014】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、ランプ電圧が基準
電圧を下回るときにカタホリシスが発生していると判断
するものである。
【0015】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、ランプ電圧の低下
速度が基準値を超えるときにカタホリシスが発生してい
ると判断するものである。
【0016】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記物理量がランプ電圧の交流成分および直流成分
を含む電圧であって、前記カタホリシス検出回路ではラ
ンプ電圧の交流成分および直流成分を含む電圧の低下を
検出するものである。
【0017】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、前記物理量が前記放電ランプにおいて両管端部の温
度差であって、前記カタホリシス検出回路では放電ラン
プの両管端部の温度を検出する温度センサの出力差の増
加によりカタホリシスを検出するものである。
【0018】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、前記温度センサの
出力差が基準値を超えるときにカタホリシスが発生して
いると判断するものである。
【0019】請求項8の発明は、請求項6の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、前記温度センサの
出力差の増加速度が基準値を超えるときにカタホリシス
が発生していると判断するものである。
【0020】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、前記カタホリシス検出回路において
カタホリシスの発生を示す前記物理量の変化を検出する
とカタホリシスを抑制する方向に前記放電ランプの放電
ガスの分布をフィードバック制御するフィードバック手
段を設けたものである。
【0021】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記フィードバック手段が、前記高周波電圧に重
畳されている直流成分をフィードバック制御するもので
ある。
【0022】請求項11の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記フィードバック手段が、前記放電ランプにお
いて他の部位よりも輝度の高い部位付近を加熱するよう
にフィードバック制御するものである。
【0023】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項11の発明において、前記カタホリシス検出回路の出
力情報を情報ネットワークを通して別装置に伝送するも
のである。
【0024】(原理)本発明において用いる原理を以下
に説明する。本発明ではカタホリシスが生じる際におけ
る放電ランプ内部の放電ガスの状態を反映する物理量を
検出する。また、この物理量で検出されているカタホリ
シスの程度を低減する方向に、放電ランプを点灯させる
放電灯点灯回路の出力状態をフィードバック制御する。
つまり、カタホリシスが生じる方向に物理量が変化しよ
うとすると、この物理量をカタホリシスの生じていない
元の状態に戻す方向に放電灯点灯装置の出力状態をフィ
ードバック制御する。
【0025】上記物理量としては、放電ランプに印加し
ている電圧(ランプ電圧)または放電ランプにおいて形
成される放電路の両端付近の温度を用いる。ランプ電圧
と放電ランプの温度とを、それぞれカタホリシスを反映
する物理量として用いることができるのは以下の理由に
よる。
【0026】いま、放電ランプとして、高周波点灯専用
形蛍光ランプ(JIS C 7601)のうち、定格ラ
ンプ電力が32Wである直管形蛍光ランプ(FHF3
2)を用いるものとして、放電ランプの各端部から10
cmの距離の輝度をそれぞれLA,LBとする。ここ
で、放電ランプLaには図8に示すように直流電源DC
を接続したことに相当する電位勾配が生じているものと
し、直流電源DCの負極側の端部における輝度をLAと
し、直流電源DCの正極側の端部における輝度をLBと
し、LB/LAを求めて輝度比RL(=LB/LA)と
定義する。この輝度比RLを百分率で表すとすれば、1
00%のときがLA=LBであり、輝度比RLが小さい
ほど図8の右端部の輝度LBが左端部の輝度LAよりも
小さくなったことを意味する。個人差はあるものの、F
HF32の蛍光ランプでは、一般的に言って輝度比RL
が30%以下になるとカタホリシスの発生が視覚的に知
覚されることがわかっている。
【0027】放電ランプLaに封入されている放電ガス
は、一般的な蛍光ランプでは水銀蒸気とアルゴンとの混
合ガスであって、放電ランプLaの点灯時には水銀が電
離励起される。直流電源DCを印加したことに相当する
電位勾配が放電ランプLaの管内に生じているときに
は、電離により形成された水銀イオンが直流電源DCの
負極側に集まり、電子が直流電源DCの正極側に集まる
から、放電ランプLaの管内の水銀が直流電源DCの負
極側に偏在することになり、図8における放電ランプL
aの左端部では水銀蒸気が飽和して液化し、液体水銀1
1が溜まることになる。このように放電ランプLaの管
内で水銀が偏在して液体水銀11が溜まるようになる
と、放電ランプLaの管内の水銀蒸気圧が低下し、結果
的にランプ電圧Vlaが水銀蒸気圧に追従して低下する
ことになる。すなわち、ランプ電圧Vlaの低下率は放
電ランプLaに封入された放電ガスについてカタホリシ
スの発生時における状態を反映していることになる。ま
た、水銀が直流電源DCの負極側に偏在することによっ
て、正極側は大部分がアルゴン分子になり、図8の斜線
部付近が赤色に発光することになる。つまり、直流電源
DCの負極側は水銀分子の密度が高いから電子との衝突
断面積が正極側よりも大きくなり、結果的に負極側の温
度が正極側の温度よりも高くなる。すなわち、放電ラン
プLaの両端部の温度差Δθは放電ランプLaに封入さ
れた放電ガスについてカタホリシスの発生時における状
態を反映していることになる。
【0028】輝度比RLとランプ電圧Vlaとを測定し
た結果を図9に示し、輝度比RLと温度差Δθとを測定
した結果を図10に示す。また、周囲温度と放電ランプ
Laの各部の管壁温度を図11に示す。
【0029】図9は周囲温度が0℃であるときの輝度比
RLおよびランプ電圧Vlaの実効値について時間変化
を計測した結果であって、図から明らかなように、輝度
比RLが急激に低下するとランプ電圧Vlaも急激に低
下しており、輝度比RLが低下する際の時間変化はラン
プ電圧Vlaと相関性を有していると言える。
【0030】図10は周囲温度が5℃であるときの輝度
比RLおよび放電ランプLaの両端部の温度差Δθにつ
いて時間変化を計測した結果である。ただし、温度差Δ
θは、放電ランプLaの両管端からそれぞれ10cmの
距離の管壁表面の温度を測定し、正極側の温度θpと負
極側の温度θmとの差(θp−θm)として求めた。つ
まり、図11に示すように、放電ランプLaの周囲温度
(イ)が5℃付近であるときには、正極側(ハ)に比較
して負極側(ロ)では管壁の温度の上昇が遅くなる。図
11において(ニ)は放電ランプLaの長手方向の中央
付近の管壁温度の上昇を示している。この測定によっ
て、直流電源DCの電圧が4V程度であるときに(つま
り、ランプ電圧に4V程度の直流電圧が重畳される
と)、負極側の温度θmに対して正極側の温度θpが低
くなることが明らかになった。また、図から、カタホリ
シスが発生するときの輝度比RLの変化と放電ランプL
aの両端部の管壁表面の温度差Δθとには相関性がある
と言える。
【0031】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)本実施形態
は、図1に示すように、商用電源のような交流電源Vs
に高周波阻止用のフィルタ回路Fを介して接続される整
流器DBを備え、整流器DBの直流出力端間には平滑コ
ンデンサC1が接続される。整流器DBの出力電圧と平
滑コンデンサC1の両端電圧とはインバータ回路1の電
源として機能する。すなわち、インバータ回路1は、整
流器DBの出力電圧が平滑コンデンサC1の両端電圧よ
りも高い期間には整流器DBの出力電圧を電源とし、平
滑コンデンサC1の両端電圧が整流器DBの出力電圧よ
りも高い期間には平滑コンデンサC1の両端電圧を電源
として動作する。インバータ回路1では整流器DBまた
は平滑コンデンサC1からの直流電圧を高周波電力に変
換し、この高周波電力を放電ランプLaに供給して放電
ランプLaを点灯させる。整流器DBにはダイオードブ
リッジを用い、放電ランプLaには蛍光ランプを用いて
いる。
【0032】インバータ回路1は、平滑コンデンサC1
の両端間に接続された一対のスイッチング素子Q1,Q
2の直列回路を備えたハーフブリッジ形であって、両ス
イッチング素子Q1,Q2を高周波で交互にオンオフさ
せる制御回路2を含んでいる。この制御回路2は、2つ
の制御信号H0,L0を各スイッチング素子Q1,Q2
に与えて、両スイッチング素子Q1,Q2を交互にオン
オフさせる。各スイッチング素子Q1,Q2にはそれぞ
れnpn形のバイポーラトランジスタを用い、エミッタ
−コレクタにそれぞれダイオードD1,D2を逆並列に
接続してある。つまり、スイッチング素子Q1,Q2の
オン時とは逆向きの電流をダイオードD1,D2に流す
ことが可能になっている。なお、スイッチング素子Q
1,Q2としてMOSFETを用いてもよく、MOSF
ETではボディダイオードがダイオードD1,D2とし
て機能するから、ダイオードD1,D2を省略すること
ができる。平滑コンデンサC1の高電位側に接続されて
いるスイッチング素子Q1の両端間には、直流カット用
のコンデンサC3と出力トランス(絶縁トランス)Tの
1次巻線n1と共振用のインダクタL1との直列回路が
接続される。
【0033】放電ランプLaは、フィラメントf1,f
2を有し、各フィラメントf1,f2の一端に出力トラ
ンスTの2次巻線n2の各端がそれぞれ接続され、各フ
ィラメントf1,f2の他端間には、フィラメントf
1,f2に予熱電流を流すための経路を形成する共振用
のコンデンサC2が接続される。このコンデンサC2は
インダクタL1とともに共振回路を構成する。
【0034】次に、インバータ回路1の動作を簡単に説
明する。整流器DBの出力電圧がコンデンサC1の両端
電圧よりも高い期間には、スイッチング素子Q2がオン
になると、整流器DBからコンデンサC3−出力トラン
スTの1次巻線n1−インダクタL1−スイッチング素
子Q2の経路で電流が流れ、その後、スイッチング素子
Q2がオフになれば、インダクタL1やトランスTに蓄
積されたエネルギがダイオードD1を通して平滑コンデ
ンサC1に放出される。また、スイッチング素子Q2が
オフになればスイッチング素子Q1がオンになるから、
コンデンサC3を電源としてスイッチング素子Q1−イ
ンダクタL1−トランスTの1次巻線n1の経路で電流
が流れる。このように、トランスTの1次巻線n1に流
れる電流が交番することで、放電ランプLaに交番電圧
が印加されることになる。
【0035】一方、整流器DBの出力電圧がコンデンサ
C1の両端電圧よりも低い期間には、スイッチング素子
Q2がオンであると、平滑コンデンサC1からコンデン
サC3−出力トランスTの1次巻線n1−インダクタL
1−スイッチング素子Q2の経路で電流が流れ、その
後、スイッチング素子Q2がオフになれば、インダクタ
L1やトランスTに蓄積されたエネルギがダイオードD
1を通してコンデンサC3に放出される。また、スイッ
チング素子Q2がオフになればスイッチング素子Q1が
オンになるから、コンデンサC3を電源としてスイッチ
ング素子Q1−インダクタL1−トランスTの1次巻線
n1の経路で電流が流れる。このようにして、トランス
Tの1次巻線n1に流れる電流が交番し、放電ランプL
aに交番電圧が印加されるのである。
【0036】ところで、制御回路2から出力される制御
信号H0,L0は、両スイッチング素子Q1,Q2を1
回ずつオンオフさせる間における各スイッチング素子Q
1,Q2のオン期間を異ならせる(つまり、オンデュー
ティをアンバランスに制御する)ことができるように構
成されている。つまり、各スイッチング素子Q1,Q2
のオン時間をそれぞれτ1,τ2とし、各スイッチング
素子Q1,Q2のオンデューティDT1,DT2を百分
率で表すとすれば、DT1={τ1/(τ1+τ2)}
×100、DT2={τ2/(τ1+τ2)}×100
=(100−DT1)であって、DT1≠DT2となる
ように各スイッチング素子Q1,Q2を制御することが
可能になっている。ここに、τ1+τ2=一定とすれ
ば、スイッチング素子Q1,Q2をオンオフさせる周波
数は一定になる。
【0037】上述のように各スイッチング素子Q1,Q
2のオンデューティを異ならせれば、コンデンサC3の
充電期間あるいは放電期間が変化し、放電ランプLaに
供給する電力を変化させることが可能になる。つまり、
各スイッチング素子Q1,Q2のオンデューティを異な
らせることによって、インバータ回路1の出力を調節す
ることができるから、各スイッチング素子Q1,Q2の
オンデューティを制御することによって、交流電源Vs
の電圧変動を補償したり、放電ランプLaの光出力を調
光したりすることができる。その一方で、各スイッチン
グ素子Q1,Q2のオンデューティをアンバランスにす
ると、放電ランプLaに印加される高周波電圧に直流電
圧成分が重畳されることになり、カタホリシスを生じさ
せる原因になる。
【0038】本実施形態では、上述した構成の放電灯点
灯装置を用いたものであり、この放電灯点灯装置におい
てカタホリシスが生じるのを防止するように構成した点
を特徴にしている。すなわち、原理として説明したよう
に、放電ランプLaの両端部における輝度の比である輝
度比RLがランプ電圧Vlaと相関性を有している。そ
こで、本実施形態では、カタホリシスの発生を検出する
物理量としてランプ電圧Vlaを用い、ランプ電圧Vl
aを監視してスイッチング素子Q1,Q2のオンデュー
ティをフィードバック制御することで、カタホリシスを
抑制する。
【0039】本実施形態では、ランプ電圧Vlaを監視
するカタホリシス検出回路3を設け、制御回路2から出
力する制御信号H0,L0のデューティ比をカタホリシ
ス検出回路3の出力によってカタホリシスが抑制される
ようにフィードバック制御する。カタホリシス検出回路
3においてランプ電圧Vlaを検出するために、本実施
形態では出力トランスTに検出巻線n3を設けてある。
カタホリシス検出回路3では、検出巻線n3の両端間に
抵抗R1,R2とダイオードD3との直列回路を接続し
てあり、検出巻線n3の誘起電圧をダイオードD3によ
り半波整流し抵抗R1,R2により分圧する。抵抗R2
にはコンデンサC4が並列接続され、このコンデンサC
4の両端電圧をコンパレータCP1によって基準電圧V
refと比較する。コンデンサC4の一端はコンパレー
タCP1の非反転入力端に接続され、基準電圧Vref
はコンパレータCP1の反転入力端に印加される。この
ように、検出巻線n3とダイオードD3と抵抗R1,R
2とコンデンサC4とコンパレータCP1とによりカタ
ホリシス検出回路3が構成される。
【0040】コンパレータCP1の出力は検出信号とし
て制御回路2に入力され、ランプ電圧Vlaの変化に応
じて制御回路2から出力される制御信号H0,L0のデ
ューティ比がフィードバック制御される。制御回路2で
はコンパレータCP1の出力がHレベルであるとき(つ
まり、コンデンサC4の端子電圧が基準電圧Vrefよ
りも高いとき)には、放電ランプLaにはカタホリシス
が生じていないものと判断し、コンパレータCP1の出
力がLレベルであるとき(つまり、コンデンサC4の端
子電圧が基準電圧Vrefよりも低いとき)には、カタ
ホリシスが生じる方向に動作していると判断する。ここ
に、基準電圧Vrefは使用する放電ランプLaに応じ
て適宜に設定される。また、本実施形態ではコンデンサ
C4の充電経路に抵抗R1が挿入され、コンデンサC4
に並列接続された抵抗R2はコンデンサC4の放電経路
を形成するから、コンデンサC4の両端電圧が瞬時的に
低下してもコンパレータCP1の出力はHレベルに保た
れる。
【0041】いま、放電ランプLaとしてFHF32を
用いているものとすれば、周囲温度が0℃であるとき、
カタホリシスが発生していなければランプ電圧は定格電
圧の115%に上昇するが、カタホリシスが発生してい
ると、その電圧に対して70〜80%程度に低下する。
したがって、このような電圧変化に対してカタホリシス
の発生の有無を判定できるように、基準電圧Vrefを
設定するのである。なお、カタホリシスが生じるか否か
は周囲温度にも関係するから、PTCやNTCのような
温度センサを用いて周囲温度を検出し、周囲温度に応じ
て基準電圧Vrefを変化させるようにしてもよい。こ
の場合、周囲温度が高いほど基準電圧Vrefを低く設
定することになる。
【0042】上述のように、カタホリシス検出回路3
は、コンパレータCP1の出力をHレベルとするかLレ
ベルとするかの2値出力を発生させるから、カタホリシ
ス検出回路3の出力により制御回路2はオンデューティ
を2段階に変化させることになる。たとえば、通常時に
は図2(a)のように制御信号H0のオンデューティを
40%、制御信号L0のオンデューティを60%に設定
しておき(つまり、デューティ比を2/3に設定してお
き)、カタホリシス検出回路3によりカタホリシスの発
生が検出されたとき(つまり、カタホリシス検出回路3
の出力がLレベルになったとき)、図2(b)のように
制御信号H0と制御信号L0のオンデューティをともに
50%に近付けるように制御する。このように制御すれ
ば、放電ランプLaに印加される高周波電圧に直流電圧
成分が含まれず、カタホリシスが低減ないし改善され
る。また、カタホリシスは直流電圧成分の負極側に水銀
が集まることによって生じるから、カタホリシスが生じ
たときに直流電圧成分の極性が逆転するように制御して
もよい。つまり、図2(c)のように、制御信号H0の
オンデューティを60%、制御信号L0のオンデューテ
ィを40%に設定してもよい(つまり、デューティ比を
3/2に設定してもよい)。また、図2(c)のように
制御すれば、放電ランプLaへの供給電力を変化させず
にカタホリシスを低減することが可能になる。
【0043】上述のようにして、放電ランプLaにカタ
ホリシスが生じているか否かをランプ電圧Vlaにより
検出し、カタホリシスが生じていると判定されていると
きには、カタホリシスを抑制するようにスイッチング素
子Q1,Q2を制御するから、カタホリシスが生じたと
きに放電ランプLaの取付方向を入れ換える(直管形蛍
光ランプであれば、長手方向の両端を入れ換えて取り付
ける)というような面倒が作業を必要とせずにカタホリ
シスを低減させることができる。しかも、ランプ電圧V
laを検出し、制御回路2をフィードバック制御するた
めのカタホリシス検出回路3は比較的簡単な構成であっ
て動作の信頼性も高いから、カタホリシスを確実に低減
する放電灯点灯装置を低コストで提供することが可能で
ある。
【0044】本実施形態の動作はインバータ回路1の構
成にはとくに依存せず、カタホリシスの発生を防止する
方向に制御可能なインバータ回路1であれば、どのよう
な回路形式のインバータ回路1であっても使用可能であ
る。たとえば、インバータ回路1として、高周波充電
式、高周波重畳式、プッシュプル式、一石式、チョッパ
兼用式などと呼称されているインバータ回路1を用いる
ことが可能である。また、本実施形態では、カタホリシ
ス検出回路3では放電ランプLaに印加する電圧の交流
成分および直流成分を含む電圧を検出しているが、交流
成分のみを抽出する構成を採用してもよい。
【0045】(第2の実施の形態)本実施形態は、カタ
ホリシス検出回路3として図3に示す構成を採用したも
のである。すなわち、図1に示した第1の実施の形態に
おけるカタホリシス検出回路3に加えて、コンデンサC
4の両端間にコレクタ−エミッタを接続したトランジス
タQ3を備え、このトランジスタQ3を周期的にオンオ
フさせることによって、コンデンサC4に充電期間と放
電期間とを設けている。つまり、トランジスタQ3をオ
ンにすればコンデンサC4の電荷が放電され、コンデン
サC4にはトランジスタQ3のオフ期間に電荷が蓄積さ
れる。つまり、トランジスタQ3のオフ期間にコンデン
サC4の両端電圧が到達する電圧は、トランジスタQ3
のオフ期間において検出巻線n3に流れる電流に相当す
る。いま、トランジスタQ3のオフ期間を一定周期Δt
とすれば、検出巻線n3に流れる電流は周期Δtにおけ
る電圧の変化分ΔVに相当し、結局、トランジスタQ3
のオフ期間の終了時点でのコンデンサC4の電位は、|
ΔV/Δt|に相当することになる。言い換えると、コ
ンデンサC4は検出巻線n3の誘起電圧を一定の周期Δ
tでサンプリングしていることになる。
【0046】本実施形態では、トランジスタQ3のオフ
期間を一定にするために、一定周期のクロック信号を出
力するクロック回路5と、クロック信号を計数するカウ
ンタ回路6と、カウンタ回路6による計数値が規定値に
なるまでの間にリセット信号を出力するリセット回路7
と、リセット信号により放電するコンデンサC5とを備
える。コンデンサC5はトランジスタQ3のベース−エ
ミッタに接続されており、コンデンサC5が放電すれば
トランジスタQ3はオフになる。
【0047】したがって、クロック回路5からのクロッ
ク信号とカウンタ回路6における規定値とにより設定さ
れた周期ΔtごとにトランジスタQ3がオンになり、ト
ランジスタQ3がオンになることによってコンデンサC
4が放電する。こうしてコンデンサC4が放電すると、
次にトランジスタQ3がオンになるまでの間に、検出巻
線n3の誘起電圧によりコンデンサC4が充電され、|
ΔV/Δt|に相当する電圧を求めることができるので
ある。
【0048】このコンデンサC4の両端電圧を基準電圧
Vrefと比較することにより、第1の実施の形態と同
様に、カタホリシスの発生の有無を判断することが可能
になる。つまり、図4に示すように、ランプ電圧(検出
巻線n3の誘起電圧)を単位時間Δtごとにサンプリン
グし、単位時間Δtの電圧の低下速度|ΔV/Δt|を
基準値と比較し、電圧の低下速度が基準値よりも大きい
ときには、カタホリシスが発生していると判断する。
【0049】図4において時間t1−t2では|ΔV/
Δt|=0であるのに対し、時間t4−t5、時間t5
−t6、時間t6−t7、時間t7−t8では|ΔV/
Δt|は大きく変化していることがわかる。このように
|ΔV/Δt|が大きく変化したときにカタホリシスが
発生していると判断するのである。
【0050】なお、|ΔV/Δt|が基準値を複数回連
続して超える場合にカタホリシスと判断するようにすれ
ば、誤検出を防止することができ、カタホリシスの検出
に対する信頼性を高めることができる。また、検出巻線
n3の誘起電圧の傾きを求めるには、検出巻線n3の誘
起電圧を一定時間毎にサンプリングして保持するサンプ
ルホールド回路を用いるとともに、サンプルホールド回
路で保持した連続する2回の電圧の差を求めることによ
って|ΔV/Δt|を求めてもよい。
【0051】本実施形態の技術を採用すれば、カタホリ
シスが生じる傾向が現れた段階でカタホリシスを検出す
ることができるから、カタホリシスの発生を抑制するこ
とができる。また、本実施形態では検出巻線n3の誘起
電圧(つまり、ランプ電圧)の相対値を検出しているか
ら、複数本の放電ランプを点灯させる、いわゆるマルチ
タイプの放電灯点灯装置においてもカタホリシスの検出
が可能になる。
【0052】(第3の実施の形態)第1の実施の形態で
は、ランプ電圧Vlaに基づいてカタホリシスを検出し
ていたが、本実施形態では放電ランプLaの両端部の温
度差に基づいてカタホリシスを検出する例を示す。
【0053】本実施形態では、図5に示すように、放電
ランプLaの両フィラメントf1,f2の一端をそれぞ
れコンデンサC3とインダクタL1とに接続しており、
出力トランスTは設けていない。また、本実施形態にお
けるカタホリシス検出回路3は、放電ランプLaの各一
端部の管壁温度を検出する2個の温度センサTx,Ty
の出力からコンデンサC6,C7によってノイズ成分を
除去し、各温度センサTx,Tyの出力差を判定器CP
2に入力することで、カタホリシスの発生の有無を判定
している。温度センサTx,Tyには熱電対を用い、放
電ランプLaとしてFHF32を用いる場合には、各温
度センサTx,Tyをそれぞれ管端から等距離の位置
(管端から5cm程度離れた位置)に配置する。判定器
CP2は、たとえば差動増幅器と絶対値回路とコンパレ
ータとにより構成され、両温度センサTx,Tyの出力
の差を差動増幅器で求めた後、絶対値回路(ダイオード
ブリッジでもよい)によって無極性化し、絶対値回路の
出力をコンパレータで基準電圧と比較する。このような
構成により、両温度センサTx,Tyでの検出温度の温
度差を基準値と比較することになる。カタホリシスの発
生を抑制するように制御するには、両温度センサTx,
Tyで検出される温度の温度差が基準値である5℃以上
になると、カタホリシスが生じているものとして制御回
路2から出力される制御信号H0,L0を制御すればよ
い。カタホリシスの検出の有無に応じた制御信号H0,
L0の設定は第1の実施の形態と同様に行えばよい。
【0054】本実施形態では、放電ランプLaの両端部
の各1点のみで温度を検出しているが、複数点ずつの温
度を検出し、放電ランプLaの各端部で検出した温度の
平均値を用いてカタホリシスの発生の有無を判定すれ
ば、カタホリシスの発生の有無の判定をより正確に行う
ことが可能になる。また、上述の例では温度差(温度セ
ンサTx,Tyの出力差)が基準値を超えるとカタホリ
シスが生じていると判断しているが、温度差の時間変化
(温度差の増加速度)を求め、温度差の増加速度が基準
値を超えるとカタホリシスが発生していると判断するよ
うにしてもよい。温度差の増加速度を検出するには、第
2の実施の形態と同様の構成を用いて、単位時間当たり
の温度差の変化を求めればよい。さらに、本実施形態で
は温度センサTx,Tyとして熱電対を用いているが、
他の温度センサを用いてもよく、また温度センサTx,
Tyは接触型でも非接触型でもよい。他の構成および動
作は第1の実施の形態と同様である。
【0055】(第4の実施の形態)本実施形態は、カタ
ホリシス検出回路3によりカタホリシスの発生が検出さ
れたときに、スイッチング素子Q1,Q2のオンデュー
ティを変化させるのではなく、直流カット用のコンデン
サC3の一端部を整流器DBの直流出力端の正極側に接
続する状態と負極側に接続する状態とを切り替えるよう
に構成したものである。したがって、図6に示すよう
に、コンデンサC3の一端は、スイッチ要素S1を介し
て整流器DBの直流出力端の正極側に接続されるととも
に、スイッチ要素S2を介して整流器DBの直流出力端
の負極側に接続される。つまり、2個のスイッチ要素S
1,S2からなる直列回路が整流器DBの直流出力端間
に接続され、両スイッチ要素S1,S2の接続点とスイ
ッチング素子Q1,Q2の接続点との間に、コンデンサ
C3と出力トランスTの1次巻線n1とインダクタL1
との直列回路が接続される。また、スイッチ要素S1,
S2は択一的にオンになるように制御される。
【0056】次に動作を説明する。いま、スイッチ要素
S1がオンであって放電ランプLaが点灯しているとき
に、カタホリシス検出回路3によってカタホリシスの発
生が検出されたとすると、カタホリシス検出回路3では
スイッチ要素S1をオフにし同時にスイッチ要素S2を
オンにする。この動作によって、出力トランスTの1次
巻線n1への印加電圧の直流成分の極性が反転し、放電
ランプLaの内部の電位勾配の傾きが逆向きになる。そ
の結果、放電ランプLaの内部の水銀が逆方向に移動し
ようとしてカタホリシスが改善されることになる。ま
た、スイッチ要素S2がオンであるときに放電ランプL
aにカタホリシスが生じたときには、スイッチ要素S2
をオフにすると同時にスイッチ要素S1をオンにする。
他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0057】なお、本実施形態の技術思想は、放電ラン
プLaに対してカタホリシスを生じさせるような直流電
圧を印加する回路を持つ場合に適用可能である。つま
り、カタホリシスが生じたときに、直流電圧の印加方向
を逆転させることでカタホリシスを低減ないし改善する
ことができる。このような直流電圧を印加する回路構成
としては、放電ランプLaの接続の有無を判別する回
路、放電ランプLaの移動縞を低減させる回路などにお
いて従来より用いられたものがあり、この種の回路では
インバータ回路1の内部あるいは外部に直流電源を有し
ているから、この種の回路においても本実施形態の技術
思想を適用可能である。
【0058】(第5の実施の形態)原理として説明した
ように、カタホリシスが生じる要因は、放電ランプLa
の内部に電位勾配が生じているときに、放電ランプLa
に封入された水銀イオンが負極側に偏在することにあ
る。この場合、水銀が飽和して液体水銀になり安定状態
のまま負極側となっている端部付近に滞在することもあ
る。つまり、カタホリシスを低減ないし改善するには、
水銀イオンの移動度を高めて水銀イオンの偏在を防止
し、放電ランプLa内部の全体に水銀イオンを拡散させ
ればよい。
【0059】そこで、本実施形態では、放電ランプLa
においてカタホリシスが生じているときに、電位勾配の
負極側となっている端部付近を加熱することでカタホリ
シスを低減ないし改善する。電位勾配の負極側は第3の
実施の形態のように、放電ランプLaの両端部の温度を
検出することによって推定することが可能である。ある
いはまた、放電ランプLaの管端部の輝度を検出し、輝
度の高いほう(つまり、水銀蒸気圧の高いほう)を電位
勾配の負極側と判断してもよい。
【0060】放電ランプLaの端部を加熱するには、点
灯中においてフィラメントf1,f2に常時流す予熱電
流を増大させる構成と、放電ランプLaの管端部で放電
ランプLaの外部にヒータのような加熱手段を設けて加
熱する構成とがある。すなわち、カタホリシスが生じて
負極側となっている管端部におけるフィラメントf1,
f2に通電する予熱電流を常時より大きくしたり、その
管端部付近に設けた加熱手段で管端部を加熱することに
よって、管端部の温度を上昇させ、水銀の移動度を高
め、結果的にカタホリシスの発生を抑制するのである。
【0061】ここにおいて、予熱電流を常時大きくして
おけばカタホリシスの発生を抑制することができるが、
フィラメントf1,f2の発熱量が大きくなり、フィラ
メントf1,f2に被着してあるエミッタ(電子放出物
質)の飛散を早めてランプ寿命が短くなるから好ましく
ないが、本実施形態ではカタホリシスが発生していると
きにのみフィラメントf1,f2への通電電流を増加さ
せるから、ランプ寿命への影響を少なくしながらもカタ
ホリシスを改善することができる。他の構成よび動作は
第1の実施の形態と同様である。
【0062】(第6の実施の形態)上述した各実施形態
は、放電ランプLaとともに照明器具に組み込むことに
よって、照明器具内でカタホリシスを自動的に低減ない
し改善できるように構成してあるが、本実施形態では照
明器具に設けた放電ランプLaにカタホリシスが発生し
たことをカタホリシス検出回路3が検知したときに、カ
タホリシス検出回路3から出力される検出信号を情報ネ
ットワークを介して管理装置に通知するようにしてい
る。
【0063】情報ネットワークとしては、たとえばエシ
ュロン社のLONWORKS(エシュロン社の商標)と
いうシステムを用いることが可能である。このシステム
を用いて情報ネットワークを構築する場合には、図7に
示すように、カタホリシス検出回路3で得られた検出信
号を専用チップを通してトランシーバ(図では、専用チ
ップとトランシーバとを専用アダプタBとして示してい
る)に入力し、トランシーバを介して情報ネットワーク
の信号線Cに接続する。信号線Cには他の一般端末(一
般にはパーソナルコンピュータ)Dや検知用端末Eが接
続される。専用アダプタBに用いている専用チップはマ
イコン(ネットワーク用プロセッサ)からなり、入力さ
れた信号の検出レベルを設定することが可能である。
【0064】しかして、照明器具Aにおいてカタホリシ
スが生じているか否かを、情報ネットワークを通して一
般端末Dや検知用端末Eを管理装置として監視すること
ができるから、多数の照明器具Aについて集中監視が可
能になり、またカタホリシスが検出されたときに迅速な
対応が可能になる。上述したように、照明器具Aではカ
タホリシスを自動的に低減ないし改善しているが、カタ
ホリシスが継続するような場合には人手による作業も必
要であり、このような場合の迅速な対応が可能である。
このような対応によって汎用性を高めることが可能にな
る。
【0065】また、情報ネットワークに接続されている
一般端末Dなどを用いて照明器具Aを制御可能にしてお
けば、カタホリシスが検出されたときに第4の実施の形
態ないし第5の実施の形態で説明した技術を適用するよ
うに制御信号を与えることも可能である。
【0066】なお、上述した情報ネットワークの構成は
一例であって、専用線を用いたり、電力線を用いたり、
あるいはTCP/IPを用いる情報ネットワークであっ
てもよい。他の構成および動作は第1の実施の形態と同
様である。
【0067】
【発明の効果】請求項1の発明は、放電ガスが封入され
た放電ランプと、直流電圧を高周波電力に変換するとと
もに前記放電ランプに直流成分が重畳された高周波電圧
を印加して前記放電ランプを高周波点灯させるインバー
タ回路と、放電ランプに封入された放電ガスの状態を反
映する物理量に基づいてカタホリシスを検出するカタホ
リシス検出回路とを備えるものであり、放電ガスの状態
を反映する物理量をカタホリシスの検出に用いているこ
とによって、カタホリシスが生じているか否かを確実に
検出することが可能になる。
【0068】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記物理量がランプ電圧の交流成分であって、前記
カタホリシス検出回路ではランプ電圧の交流成分の低下
によりカタホリシスを検出するものであり、ランプ電圧
の交流成分は容易に抽出することができるから、カタホ
リシスの検出が容易かつ確実に行える。
【0069】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、ランプ電圧が基準
電圧を下回るときにカタホリシスが発生していると判断
するものであり、ランプ電圧を基準電圧と比較するだけ
であるから簡単な構成で実現することができる。
【0070】請求項4の発明は、請求項2の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、ランプ電圧の低下
速度が基準値を超えるときにカタホリシスが発生してい
ると判断するものであり、ランプ電圧の低下速度に基づ
いてカタホリシスを検出するから、カタホリシスの傾向
が現れた時点を検出することができ、カタホリシスを生
じさせないような制御も可能になる。
【0071】請求項5の発明は、請求項1の発明におい
て、前記物理量がランプ電圧の交流成分および直流成分
を含む電圧であって、前記カタホリシス検出回路ではラ
ンプ電圧の交流成分および直流成分を含む電圧の低下を
検出するものであり、ランプ電圧の交流成分および直流
成分を含む電圧は容易に抽出することができるから、カ
タホリシスの検出が容易かつ確実に行える。
【0072】請求項6の発明は、請求項1の発明におい
て、前記物理量が前記放電ランプにおいて両管端部の温
度差であって、前記カタホリシス検出回路では放電ラン
プの両管端部の温度を検出する温度センサの出力差の増
加によりカタホリシスを検出するものであり、放電ラン
プの管端の温度差は容易に検出することができるから、
カタホリシスの検出が容易かつ確実に行える。
【0073】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、前記温度センサの
出力差が基準値を超えるときにカタホリシスが発生して
いると判断するものであり、温度差を基準値と比較する
だけであるから簡単な構成で実現することができる。
【0074】請求項8の発明は、請求項6の発明におい
て、前記カタホリシス検出回路では、前記温度センサの
出力差の増加速度が基準値を超えるときにカタホリシス
が発生していると判断するものであり、温度差の増加速
度に基づいてカタホリシスを検出するから、カタホリシ
スの傾向が現れた時点を検出することができ、カタホリ
シスを生じさせないような制御も可能になる。
【0075】請求項9の発明は、請求項1ないし請求項
8の発明において、前記カタホリシス検出回路において
カタホリシスの発生を示す前記物理量の変化を検出する
とカタホリシスを抑制する方向に前記放電ランプの放電
ガスの分布をフィードバック制御するフィードバック手
段を設けたものであり、カタホリシス検出回路でのカタ
ホリシスの検出状態に応じて放電ガスの分布に関してフ
ィードバック制御するから、カタホリシスを確実に抑制
することができる。
【0076】請求項10の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記フィードバック手段が、前記高周波電圧に重
畳されている直流成分をフィードバック制御するもので
あり、放電ランプの電位勾配を低減するようにフィード
バック制御することができカタホリシスを低減すること
ができる。
【0077】請求項11の発明は、請求項9の発明にお
いて、前記フィードバック手段が、前記放電ランプにお
いて他の部位よりも輝度の高い部位付近を加熱するよう
にフィードバック制御するものであり、放電ガスの移動
度を高めることでカタホリシスを低減することができ
る。
【0078】請求項12の発明は、請求項1ないし請求
項11の発明において、前記カタホリシス検出回路の出
力情報を情報ネットワークを通して別装置に伝送するも
のであり、放電ランプにおいてカタホリシスが生じてい
るか否かを遠方で監視したり、カタホリシスに対する対
応を遠方から行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に用いるカタホリシ
ス検出回路を示す要部回路図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図6】本発明の第4の実施の形態を示す回路図であ
る。
【図7】本発明の第6の実施の形態を示すブロック図で
ある。
【図8】カタホリシスの発生原理を説明する図である。
【図9】輝度比とランプ電圧との関係を示すグラフ図で
ある。
【図10】輝度比と放電ランプの両管端部の温度差との
関係を示すグラフ図である。
【図11】放電ランプの管壁温度の変化を示すグラフ図
である。
【符号の説明】
1 インバータ回路 2 制御回路 3 カタホリシス検出回路 A 照明器具 B 専用アダプタ C 伝送線 D 一般端末 E 検知用端末 La 放電ランプ Tx,Ty 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 幸男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA02 BB01 BC01 CA01 DB03 EB05 GA01 GB12 GC04 HA10

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電ガスが封入された放電ランプと、直
    流電圧を高周波電力に変換するとともに前記放電ランプ
    に直流成分が重畳された高周波電圧を印加して前記放電
    ランプを高周波点灯させるインバータ回路と、放電ラン
    プに封入された放電ガスの状態を反映する物理量に基づ
    いてカタホリシスを検出するカタホリシス検出回路とを
    備えることを特徴とする放電灯点灯装置。
  2. 【請求項2】 前記物理量がランプ電圧の交流成分であ
    って、前記カタホリシス検出回路ではランプ電圧の交流
    成分の低下によりカタホリシスを検出することを特徴と
    する請求項1記載の放電灯点灯装置。
  3. 【請求項3】 前記カタホリシス検出回路では、ランプ
    電圧が基準電圧を下回るときにカタホリシスが発生して
    いると判断することを特徴とする請求項2記載の放電灯
    点灯装置。
  4. 【請求項4】 前記カタホリシス検出回路では、ランプ
    電圧の低下速度が基準値を超えるときにカタホリシスが
    発生していると判断することを特徴とする請求項2記載
    の放電灯点灯装置。
  5. 【請求項5】 前記物理量がランプ電圧の交流成分およ
    び直流成分を含む電圧であって、前記カタホリシス検出
    回路ではランプ電圧の交流成分および直流成分を含む電
    圧の低下を検出することを特徴とする請求項1記載の放
    電灯点灯装置。
  6. 【請求項6】 前記物理量が前記放電ランプにおいて両
    管端部の温度差であって、前記カタホリシス検出回路で
    は放電ランプの両管端部の温度を検出する温度センサの
    出力差の増加によりカタホリシスを検出することを特徴
    とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
  7. 【請求項7】 前記カタホリシス検出回路では、前記温
    度センサの出力差が基準値を超えるときにカタホリシス
    が発生していると判断することを特徴とする請求項6記
    載の放電灯点灯装置。
  8. 【請求項8】 前記カタホリシス検出回路では、前記温
    度センサの出力差の増加速度が基準値を超えるときにカ
    タホリシスが発生していると判断することを特徴とする
    請求項6記載の放電灯点灯装置。
  9. 【請求項9】 前記カタホリシス検出回路においてカタ
    ホリシスの発生を示す前記物理量の変化を検出するとカ
    タホリシスを抑制する方向に前記放電ランプの放電ガス
    の分布をフィードバック制御するフィードバック手段を
    設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項8のいず
    れか1項に記載の放電灯点灯装置。
  10. 【請求項10】 前記フィードバック手段が、前記高周
    波電圧に重畳されている直流成分をフィードバック制御
    することを特徴とする請求項9記載の放電灯点灯装置。
  11. 【請求項11】 前記フィードバック手段が、前記放電
    ランプにおいて他の部位よりも輝度の高い部位付近を加
    熱するようにフィードバック制御することを特徴とする
    請求項9記載の放電灯点灯装置。
  12. 【請求項12】 前記カタホリシス検出回路の出力情報
    を情報ネットワークを通して別装置に伝送することを特
    徴とする請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記
    載の放電灯点灯装置。
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