JP2001311948A - 液晶表示装置、並びに、そのリターデーション選択方法および装置 - Google Patents

液晶表示装置、並びに、そのリターデーション選択方法および装置

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JP2001311948A
JP2001311948A JP2000128444A JP2000128444A JP2001311948A JP 2001311948 A JP2001311948 A JP 2001311948A JP 2000128444 A JP2000128444 A JP 2000128444A JP 2000128444 A JP2000128444 A JP 2000128444A JP 2001311948 A JP2001311948 A JP 2001311948A
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Koichi Miyaji
弘一 宮地
Motohiro Yamahara
基裕 山原
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 垂直配向モードの液晶表示装置において、位
相差フィルムと液晶層とのリターデーションが最適な値
に設定された液晶表示装置、並びに、当該範囲を少ない
手間で導出可能な方法および演算装置を提供する。 【解決手段】 液晶表示装置1において、液晶セル3の
リターデーションと、位相差フィルム7a・7bのリタ
ーデーションとを適切な組み合わせに設定する際、ある
組み合わせにおいて、所望とする視野角のうちで最も傾
き、かつ、面内方向で、偏光素子5a・5bの吸収軸5
1a・51bと45度の角度となる方向Aでの電圧−透
過率曲線Taを導出する。さらに、当該曲線Taの極大
値となる電圧を白電圧Vwとして設定する。その後、当
該白電圧Vwに基づいて、方向Aでのコントラストなど
の表示品位を評価して、最適な組み合わせを導出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、垂直配向モードの
液晶表示装置に関するものであり、位相差フィルムと液
晶層とのリターデーションが最適な値に設定された液晶
表示装置、並びに、当該範囲を少ない手間で導出可能な
リターデーション選択方法および装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】CRTに比べて消費電力や寸法を削減し
やすい液晶表示装置は、例えば、ワードプロセッサやコ
ンピュータあるいはテレビジョンの画面として、広く普
及している。ここで、近年、TN方式に比べて表示のコ
ントラストが高く、応答速度の速い方式として、負の誘
電率異方性を有するネガ型液晶材料と、垂直方向の配向
膜とを組み合わせたVA(Verticically Aligned) 方式
の液晶表示装置が注目されている。
【0003】当該VA方式の液晶表示装置は、例えば、
特開平11−258605号公報に開示されているよう
に、液晶分子の旋光モードではなく、複屈折モードを利
用するものであって、電圧無印加状態では、垂直に配向
した液晶分子が殆ど複屈折性を示さず、黒表示になると
共に、電圧印加時には、液晶分子が傾斜して、基板に略
水平となり、大きな複屈折性を示して白表示になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の液晶表示装置では、複屈折モードで動作するため、
視野角の拡大が難しく、位相差フィルムが設けられるこ
とが多い。ところが、視野角を拡大するためには、位相
差フィルムのリターデーションと液晶層のリターデーシ
ョンとを好適な値に設定する必要があるにも拘らず、リ
ターデーションの適切な組み合わせの導出方法は確立さ
れていないため、多くの計算量や測定数などが必要とな
ってしまう。この結果、好適な値に設定された液晶表示
装置を実現することが難しいという問題を生じる。
【0005】具体的には、実験で表示品位を測定する場
合には、液晶表示装置を作成する必要があり、手間がか
かる。一方、シミュレーションで算出する場合であって
も、液晶分子の平衡状態を計算して、配向状態を算出す
る必要があるため、計算量が大きくなってしまう。した
がって、好適な組み合わせを導出するために、無作為に
リターデーションを設定し、任意の方向での実験/表示
品位評価を繰り返したとすると、非常に大きな手間がか
かってしまう。
【0006】また、液晶表示装置では、印加電圧によっ
て、透過率が変化するが、電圧−透過率曲線は、線形で
ないだけでなく、視角によって大きく変化する。したが
って、白表示時の印加電圧の設定によっても、視角特性
が変化する。この結果、さらに、好適なリターデーショ
ン選定に必要な手間が多くなってしまう。
【0007】本発明は、上記の問題点に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、垂直配向モードの液晶表示装
置において、位相差フィルムと液晶層とのリターデーシ
ョンが最適な値に設定された液晶表示装置、並びに、当
該範囲を少ない手間で導出可能なリターデーション選択
方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る液晶表示装
置は、上記課題を解決するために、基板表面に垂直配向
膜が塗布され、負の誘電率異方性を有する液晶を含む液
晶層と、液晶層の両側に配された偏光素子と、両偏光素
子間に配された位相差フィルムとを有し、液晶分子が概
ね基板に対して垂直に配向している状態に黒表示を行う
液晶表示装置において、上記位相差フィルムの厚さ方向
のリターデーションの合計Rthと、上記液晶層のリタ
ーデーションRlcとが、Rth ≦ Rlc + 1
50nm、Rth ≧ 1.25・Rlc − 26
2.5nm、Rlc ≧ 75nm、および、Rth
≧ 30nmを満たしていることを特徴としている。
【0009】上記構成では、液晶層および位相差フィル
ムのリターデーション組み合わせについて上限および下
限が設定されており、当該範囲に設定すれば、基板の法
線方向から60度傾いた方向までの視角範囲全般におい
て、階調反転することなく、コントラスト5以上を維持
できる。この結果、斜め視角の表示品位の良好な液晶表
示装置を確実に実現できる。
【0010】上記構成の液晶表示装置は、さらに、上記
位相差フィルムの厚さ方向のリターデーションの合計R
thと、上記液晶層のリターデーションRlcとが、R
th≦ 1.5・Rlc + 80nm、かつ、Rlc
≧ 155nmを満たしている方が好ましい。
【0011】当該構成によれば、液晶表示装置の正面方
向の透過率を空気の透過率の0.2倍以上に保つことが
できる。この結果、正面方向の輝度、コントラストを損
なうことなく、斜め視角の表示品位が良好な液晶表示装
置を確実に実現できる。
【0012】また、本発明に係る液晶表示装置は、上記
課題を解決するために、基板表面に垂直配向膜が塗布さ
れ、負の誘電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液
晶層の両側に配された偏光素子と、両偏光素子間に配さ
れた位相差フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対
して垂直に配向している状態に黒表示を行う液晶表示装
置において、上記位相差フィルムの厚さ方向のリターデ
ーションの合計Rthと、上記液晶層のリターデーショ
ンRlcとが、Rth ≦ 1.5・Rlc+ 80n
m、かつ、Rlc ≧ 155nmを満たしていること
を特徴としている。
【0013】上記構成でも、液晶層および位相差フィル
ムのリターデーション組み合わせについて上限および下
限が設定されており、当該範囲に設定すれば、基板の法
線方向から60度傾いた方向までの視角範囲全般におい
て、階調反転することなく、しかも、正面方向の透過率
を空気の透過率の0.2倍以上に保つことができる。こ
の結果、正面方向の輝度、コントラストを損なうことな
く、斜め視角の表示品位が良好な液晶表示装置を確実に
実現できる。
【0014】さらに、上記各構成の液晶表示装置は、上
記位相差フィルムの厚さ方向のリターデーションの合計
Rthが、Rth ≦ 250nm、かつ、Rlc ≧
30nmを満たしている方が望ましい。
【0015】当該構成によれば、基板の法線方向から6
0度傾いた方向までの視角範囲全般において、正面方向
における電圧−透過率特性と概ね相似した電圧−透過率
特性を保つことができる。この結果、液晶表示装置に表
示される画像は、上記視角範囲のいずれの方向から見て
も、各階調間の明るさの比率が概ね同様の値になり、斜
め視角の階調特性が良好な液晶表示装置を実現できる。
【0016】また、上記各構成の液晶表示装置におい
て、上記液晶層には、画素毎に液晶分子の応答方向が異
なる複数の領域が設けられていてもよい。さらに、上記
液晶層では、画素毎に液晶分子の応答方向が概ね軸対称
に設定されていてもよい。加えて、上記軸対称配向の軸
は、各画素毎に複数設けられていてもよい。これらの構
成によれば、画素の配向分割によって、互いの領域が光
学補償しあうので、より斜め視角の表示品位が良好な液
晶表示装置を実現できる。
【0017】一方、本発明に係る液晶表示装置のリター
デーション選択方法は、基板表面に垂直配向膜が塗布さ
れ、負の誘電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液
晶層の両側に配された偏光素子と、両偏光素子間に配さ
れた位相差フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対
して垂直に配向している状態に黒表示を行う液晶表示装
置のリターデーション選択方法であって、上記課題を解
決するために、上記液晶層のリターデーションと位相差
フィルムのリターデーションとの組み合わせを導出する
際、所望の表示品位と、当該表示品位を確保したい視野
角とを設定する条件設定工程と、上記視野角のうち、上
記基板の法線方向から最も傾き、かつ、上記基板の面内
方位が、上記偏光素子の吸収軸と45度の角度をなす第
1の方向における上記液晶表示装置の電圧−透過率特性
を導出し、極大点を白電圧として決定する印加電圧決定
工程と、決定された白電圧に基づいて、表示品位が上記
所望の表示品位を満足するか否かを判定する判定工程と
を含んでいることを特徴としている。なお、例えば、電
圧−透過率特性など、液晶表示装置の特性は、シミュレ
ーションによって算出してもよいし、実験して導出して
もよい。
【0018】上記構成では、所望の視野角と、偏光素子
の吸収軸の方向とに基づいて、表示品位が最も悪い第1
の方向を決定し、当該第1の方向の電圧−透過率曲線の
極大値を白電圧として決定する。これにより、例えば、
所定の電圧を白電圧として決定したり、他の方向の透過
率に基づいて白電圧を決定する場合などに比べて、より
少ない計算量または測定量で、上記視野角内で階調反転
しない範囲で最も高く白電圧を設定できる。この結果、
視野角内で階調反転せず、しかも、最も表示品位の高い
リターデーションの組み合わせを、比較的少ない手間で
導出できる。
【0019】また、上記構成において、上記条件設定工
程で設定される表示品位は、上記視野角内で維持すべき
最低コントラストであり、上記判定工程は、上記第1の
方向におけるコントラストと上記最低コントラストとを
比較して判定してもよい。
【0020】当該構成によれば、上記視野角内で最も表
示品位の悪い第1の方向のコントラストが所望の条件を
満たす組み合わせを導出できる。したがって、上記視野
角内全域で、少なくとも上記最低コントラストを確保可
能なリターデーション組み合わせを比較的少ない手間で
導出できる。
【0021】さらに、上記各構成において、上記条件設
定工程で設定される表示品位は、上記基板の正面方向に
おける白電圧印加時の透過率であってもよい。当該構成
によれば、正面方向の輝度およびコントラストが良好な
液晶表示装置を実現するためのリターデーション組み合
わせを導出できる。
【0022】また、上記各構成において、さらに、上記
白電圧と、上記基板の正面方向における電圧−透過率特
性とに基づいて、中間階調の印加電圧を決定する中間階
調電圧決定工程を含み、上記条件設定工程で設定される
表示品位は、上記正面方向における各階調電圧−透過率
特性と、上記第1方向における各階調電圧−透過率特性
との相似の程度であってもよい。
【0023】上記構成では、上記印加電圧決定工程で決
められた白電圧に基づいて、中間階調電圧を決定した
後、第1の方向と正面方向と階調電圧−透過率特性の相
似の程度を判定する。この結果、液晶表示装置に表示さ
れる画像を上記視野角内のいずれの方向から見た場合で
あっても、各階調間の明るさの比率が類似するような、
リターデーション組み合わせを、比較的少ない手間で導
出できる。
【0024】また、本発明に係る液晶表示装置のリター
デーション選択装置は、基板表面に垂直配向膜が塗布さ
れ、負の誘電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液
晶層の両側に配された偏光素子と、両偏光素子間に配さ
れた位相差フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対
して垂直に配向している状態に黒表示を行う液晶表示装
置のリターデーション選択装置であって、上記課題を解
決するために、上記液晶層のリターデーションと位相差
フィルムのリターデーションとの組み合わせを導出する
際、所望の表示品位と、当該表示品位を確保したい視野
角とを設定する条件設定手段と、上記視野角のうち、上
記基板の法線方向から最も傾き、かつ、上記基板の面内
方位が、上記偏光素子の吸収軸と45度の角度をなす第
1の方向における上記液晶表示装置の電圧−透過率特性
を導出し、極大点を白電圧として決定する印加電圧決定
手段と、決定された白電圧に基づいて、表示品位が上記
所望の表示品位を満足するか否かを判定する判定手段と
を備えていることを特徴としている。なお、上記印加電
圧決定手段および判定手段は、シミュレーションによっ
て、液晶表示装置の特性を算出してもよいし、実験結果
の入力に基づいて液晶表示装置の特性を導出してもよ
い。
【0025】上記リターデーション選択装置は、上述の
リターデーション選択方法で液晶層のリターデーション
と位相差フィルムのリターデーションとの組み合わせを
導出するので、例えば、所定の電圧を白電圧として決定
したり、他の方向の透過率に基づいて白電圧を決定する
場合などに比べて、より少ない計算量または測定量で、
上記視野角内で階調反転しない範囲で最も高く白電圧を
設定できる。この結果、視野角内で階調反転せず、しか
も、最も表示品位の高いリターデーションの組み合わせ
を、比較的少ない手間で導出できる。
【0026】
【発明の実施の形態】〔第1の実施形態〕本発明の一実
施形態について図1ないし図7に基づいて説明すると以
下の通りである。すなわち、本実施形態に係る液晶表示
装置1は、図1に示すように、基板31a・31bで挟
持された液晶層32を含む液晶セル3と、液晶セル3の
両側に配された偏光素子5a・5bと、液晶セル3と偏
光素子5aとの間、および液晶セル3と偏光素子5bと
の間に、それぞれ配された負フィルムの位相差フィルム
7a・7bとを備えている。
【0027】上記両偏光素子5a・5bの吸収軸51a
・51bの方向は、直交するように設定されている。ま
た、位相差フィルム7a・7bの遅相軸の向き(面内方
向)は、偏光素子5a・5bの吸収軸51a・51bに
対して45度になるように設定されている。
【0028】一方、上記液晶セル3は、垂直配向(V
A)方式の液晶セルであって、薄膜トランジスタ(TF
T)と画素電極33(後述)とをマトリクス状に配列し
たTFT基板(基板31a・31bの一方)と、対向電
極を有するカラーフィルター(CF)基板(基板31a
・31bの他方)とに、図示しない垂直配向膜を印刷
し、両基板31a・31bを貼り合わせると共に、両基
板31a・31bの間隙に負の誘電率異方性を有する液
晶層32を封入して作成する。これにより、電圧無印加
時には、液晶層32の液晶分子が略垂直に配向すると共
に、電圧印加時には、液晶分子が傾斜して水平に配向で
きる。さらに、本実施形態に係る液晶セル3では、図2
に示すように、一方の基板31a(31b)に設けられ
た各画素電極33に、略四角錐状の突起34が形成され
ている。上記突起34は、各斜面の方向、より詳細に
は、各斜面に垂直な方向を基板31a・32aの面内に
投影した方向が、上記偏光素子5a・5bの吸収軸51
a・51bと45度の角度をなすように設定されてお
り、突起34の近傍では、液晶分子が各斜面に垂直にな
るように配向する。加えて、電圧印加時において、突起
34の部分の電界は、突起34の斜面に平行になる方向
に傾く。これらの結果、電圧印加時に液晶分子が傾斜す
る際、面内方向では、吸収軸51a・51bに対して4
5度方向に傾きやすくなっている。なお、上記各突起3
4は、上記TFT基板上に、光感応性樹脂を塗布し、フ
ォトリソグラフィー工程で加工することで形成できる。
【0029】上記構成の液晶表示装置1において、液晶
層32の液晶分子は、電圧無印加時には、突起34近傍
の少数分子を除いて、基板31a(31a)の表面に対
して、略垂直に配向し、液晶層32が殆ど複屈折性を持
たない。この結果、良好な黒表示が得られる。一方、画
素電極33に電極を印加した場合、画素電極33に対応
する画素の液晶分子は、面内方向で吸収軸51a・51
bと45度の角度をなすように傾斜して、基板31a・
31bの表面に対して略水平に配向する。この結果、液
晶層32が強い複屈折性を持ち、当該画素が白表示にな
る。
【0030】また、中間階調の電圧が印加された場合、
当該画素の液晶分子は、基板31a・31bと水平にな
らないので、液晶表示装置1の使用者(観察者)が、液
晶分子の長軸方向から見ると、黒表示に見えてしまう。
ところが、本実施形態では、1画素が各斜面に対応して
複数(この例では4つ)に配向分割されているため、当
該画素のうち、液晶分子が他の方向に配向している部分
からの透過光が、上記方向の使用者に伝えられる。この
結果、配向分割していない場合に比べて、より広い視角
から、中間階調を識別できる。
【0031】ここで、斜め視角からの表示品位は、上記
両位相差フィルム7a・7bのリターデーションの合計
Rthと、液晶セル3のリターデーションRlcとに応
じて大きく変動するため、良好な表示品位を持った液晶
表示装置1を実現するためには、これらの値を適切な値
に選定する必要がある。ところが、上述したように、好
適な組み合わせを導出するために、無作為にリターデー
ションを設定し、任意の方向での実験/表示品位評価を
繰り返したとすると、非常に大きな手間がかかってしま
う。
【0032】本実施形態では、液晶表示装置1の構造と
視野角αとから決定される方向Aでの電圧−透過率曲線
Taに基づいて、白電圧Vwを決定し、表示品位が所望
の条件を満たすか否かを判定することによって、大きな
手間をかけることなく、特に、斜め視角時に高いコント
ラストが得られる数値範囲を見出した。
【0033】ここで、本実施形態では、液晶表示装置1
の特性をシミュレーションで求めており、以下の各ステ
ップは、例えば、図3に示す演算装置(リターデーショ
ン選択装置)101によって実施される。当該演算装置
101には、指定された電圧が印加された液晶表示装置
1の任意の角度における透過率をシミュレーションによ
って導出するシミュレーション処理部102と、シミュ
レーションに必要なパラメータを記憶するパラメータ記
憶部103と、視野角αやコントラストなど所望の条件
を設定する条件設定部(条件選択手段)104と、リタ
ーデーションRthおよびRlcを選択するリターデー
ション設定部105と、上記シミュレーション処理部1
02を制御して、上記リターデーションRth・Rlc
を有する液晶表示装置1が所望の視野角α内で階調反転
しない範囲の白電圧および黒電圧を導出する印加電圧決
定部(印加電圧決定手段)106と、上記シミュレーシ
ョン処理部102を制御して当該電圧が印加される液晶
表示装置1のコントラストを評価する評価部(判定手
段)107とが設けられている。なお、上記各部材10
2〜107は、例えば、CPUなどの演算部がROMや
RAMなどの記憶部に格納されたプログラムを実行する
ことで実現される機能ブロックであり、演算部や記憶部
を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記
録媒体から読み出したり、通信路を介して伝送するなど
して、上記プログラムを取得し、実行することによっ
て、当該コンピュータは、演算装置101として動作で
きる。
【0034】上記構成の演算装置101では、図4に示
すステップ1(以下では、S1のように略称する)にお
いて、例えば、使用者の指示などに基づいて、任意の電
圧が印加した場合の任意方向における液晶表示装置1の
透過率を導出するためのパラメータがパラメータ記憶部
103に設定される。当該パラメータには、液晶のパラ
メータとして、例えば、弾性定数、誘電率、屈折率およ
びヘリカルピッチなどが含まれる。また、上記パラメー
タには、液晶セル3のパラメータとして、例えば、セル
厚、アンカリングエネルギー、プレチルト角、並びに、
セル構造を示すパラメータなどが含まれる。上記S1に
て、パラメータが設定されると、演算装置101のシミ
ュレーション処理部102は、S2において、上記パラ
メータに基づき、各電圧における平衡状態を計算し、各
電圧での液晶分子の配向状態を計算する。
【0035】一方、条件設定部104は、S3におい
て、例えば、使用者の指示などに基づいて、所望の視野
角α(例えば、60度)と、最小限必要なコントラスト
(例えば、5)とを入力する。さらに、S4では、リタ
ーデーション設定部105が、例えば、位相差フィルム
7a・7bを形成する屈折率楕円体およびフィルム厚な
どに基づいて、位相差フィルム7a・7bのリターデー
ションRthの初期値(例えば、10nm)を設定す
る。具体的には、位相差フィルム7a・7bは、負フィ
ルムであり、面内の屈折率をn1およびn2として、法
線方向の屈折率をn3としたとき、n1=n2>n3に
設定されているので、位相差フィルム7a・7bのリタ
ーデーションRthは、以下の式(1)に示すように、 Rth=dth・{(n1+n2)/2−n3} =dth・(n1−n3) …(1) となる。なお、上式(1)において、dthは、位相差
フィルム7a・7bのフィルム厚の合計である。一方、
液晶セル3のリターデーションRlcは、以下の式
(2)に示すように、 Rlc=dlc・Δn …(2) であり、リターデーションRlcの初期値(例えば、1
0nm)は、複屈折率Δnと、上記S1で設定した液晶
セル3のセル厚dlcと、複屈折率Δnとに基づいて導
出される。なお、リターデーションRlcおよびRth
として設定可能な値であれば、先にリターデーションR
lc、Rthを設定し、上記式(1)、式(2)に基づ
いて、厚みdlc、dthを逆算してもよい。
【0036】上記S1およびS4にて、リターデーショ
ンRlcおよびRthの初期値が設定されると、S5に
おいて、印加電圧決定部106は、最も表示品位の悪い
方向(方向A)として、面内方向で偏光素子5a・5b
の吸収軸51a・51bと45度をなし、かつ、上記S
3にて決定された最大視角(例えば、基板31a・31
bの表面の法線方向とのなす角度が60度)の方向を選
択する。さらに、印加電圧決定部106は、シミュレー
ション処理部102を制御して、図5中、破線に示すよ
うに、当該方向Aにおける電圧−透過率曲線Taを導出
し、透過率が極大(Xw点)となる電圧を白電圧Vwと
して設定する。また、透過率の最小となる電圧を黒電圧
Vbとして設定する。
【0037】ここで、上記方向Aは、面内で、上記吸収
軸51a・51bと45度をなす角度であり、上記S3
にて設定された視野角αの中で、法線方向から最も離れ
ている。この結果、図5に示すように、正面方向の電圧
−透過率曲線Tfや、面内方向が吸収軸51a・51b
と平行で最大視角の方向Bにおける電圧−透過率曲線T
bに比べて、表示品位が悪く、透過率の変動範囲が狭い
だけではなく、透過率の極大値が存在し、透過率が単調
増加する範囲も狭くなっている。したがって、仮に、上
記極大値となる電圧を超えた電圧も印加するように設定
すると、上記方向Aでは、階調反転が発生し、表示画像
において、他の方向と明暗が逆転する箇所が出現してし
まう。なお、同図では、透過率を空気の透過率を1倍と
する値で示している。また、電圧の単位は、〔V〕であ
る。
【0038】ところが、上記S5では、方向Aにおい
て、透過率が単調増加する範囲のうち、最も高い電圧を
白電圧(Vw)として設定する。この結果、例えば、所
定の電圧を白電圧として決定したり、他の方向の透過率
に基づいて白電圧を決定する場合などに比べて、より少
ない計算量で、上記S3で設定した視野角α内で階調反
転しない範囲で最も高く、白電圧を設定できる。
【0039】上記S5にて、白電圧Vwおよび黒電圧V
bが決定されると、評価部107は、シミュレーション
処理部102を制御して、S6において、当該電圧が印
加された場合の液晶表示装置1の表示品位を評価し、S
7において、良好な視角特性が得られたか否かを判定す
る。
【0040】本実施形態では、コントラストの最小値
が、予め設定された値(例えば5)以上であるか否か
で、液晶表示装置1の表示品位を評価しており、評価部
107は、コントラストの最小値として、上記方向Aに
おいて、白電圧Vw印加時の透過率Tawと黒電圧Vb
印加時の透過率Tabとの比率を算出し、当該値が上記
設定値以上であるか否かで表示品位を評価する。なお、
両透過率Taw、Tabは、上記S4にて、電圧−透過
率曲線Taを導出する際に導出されているので、少ない
計算量でコントラストの最小値を算出できる。
【0041】上記S7の判定で良好な視角特性が得られ
た場合は、リターデーションRlc、Rthの組み合わ
せが適切なので、演算装置101は、最適化を終了す
る。一方、良好な視角特性が得られなかった場合(上記
S7にて、NOの場合)、評価部107は、S8におい
て、現在設定されている液晶セル3のリターデーション
Rlcで、これまでにリターデーションRthを変更し
たときの表示品位の変動履歴に基づいて、リターデーシ
ョンRthをさらに大きくすると特性が悪化するか否か
を推定し、上記リターデーションRlcを変更する必要
があるか否かを判定する。例えば、上記表示品位の変動
の履歴から現在のリターデーションRthが極大と判断
される場合、評価部107は、S9において、例えば、
パラメータ記憶部103の値を変更するなどして、液晶
セル3のセル厚や屈折率を変化させ、液晶セル3のリタ
ーデーションRlcを、例えば、10nmずつなど、所
定の値刻みで変更する。その後は、上記S2以降の処理
が繰り返される。一方、リターデーションRthを増加
させても、表示品位が低下しないと推定される場合(上
記S8にて、NOの場合)、評価部107は、上記S4以
降を繰り返し、リターデーション設定部105は、例え
ば、10nmずつなど、位相差フィルム7a・7bのリ
ターデーションRthを所定の値刻みで増加させて、表
示品位を再評価する。
【0042】上記構成では、偏光素子5a・5bの吸収
軸51a・51bと、所望の視野角αとにより決定され
る特定の方向Aにおける電圧−透過率曲線Taに基づい
て、白および黒電圧が決定される。この結果、例えば、
所定の電圧を白電圧として決定したり、他の方向の透過
率に基づいて白電圧を決定する場合などに比べて、より
少ない計算量で、上記視野角α内で階調反転しない範囲
で最も高く、白電圧を設定できる。したがって、より少
ない労力で、所望の視野角α内で階調反転せず、しか
も、最も透過率が高い(最も明るい)液晶表示装置1を
製造できる。
【0043】なお、図4のフローチャートでは、良好な
視角特性が得られた時点で検索を打ち切っているが、良
好な視角特性が得られた後もリターデーションRlc、
Rthを変化させて、良好な視角特性が得られる範囲を
算出すると、図6および図7のようになる。この場合で
も、リターデーションRlc、Rthの各組み合わせに
おいて、視野角α内で階調しない範囲で最も明るくなる
ように、白電圧を設定した状態で視角特性を判定するの
で、各組み合わせ毎の実験や計算量を削減できる。
【0044】ここで、図6の各線は、上記S3で条件と
して設定される最低コントラストを2.5〜12.5ま
で2.5刻みで変化させた場合のそれぞれにおいて、最
低コントラストを達成可能なリターデーションRlc、
Rthの範囲を示す等高線である。上記のうち、実用的
な使用に何ら問題がない値として、コントラスト5を選
択すると、図7の範囲となる。同図を詳細に検討する
と、視角60度までの範囲で階調反転せず、しかも、当
該範囲内で少なくともコントラスト5を維持するために
は、液晶セル3のリターデーションRlcと、位相差フ
ィルム7a・7bのリターデーションの合計Rthは、
以下に示すように、 Rth ≦ Rlc + 150nm …(3) Rth ≧ 1.25・Rlc − 262.5nm …(4) Rlc ≧ 75nm …(5) Rth ≧ 30nm …(6) を満足する必要があることがわかる。
【0045】したがって、液晶表示装置1を製造する
際、上記の式(3)〜式(6)を満足するように、液晶
セル3および位相差フィルム7a・7bのリターデーシ
ョンRlc、Rthを設定すれば、斜め視角においても
良好なコントラストを確保できる。
【0046】〔第2の実施形態〕ところで、第1の実施
形態では、所望の視野角α範囲内で所望のコントラスト
を維持できるか否かによって、液晶表示装置の表示品位
を判定した。これに対して、本実施形態では、液晶表示
装置の正面方向の輝度およびコントラストに影響する正
面方向の白電圧時の透過率に基づいて、表示品位を判定
する場合について説明する。
【0047】すなわち、本実施形態では、図8に示すよ
うに、図4に示すS3に代えて設けられたS21におい
て、条件設定部104は、良好な視角特性の条件とし
て、正面方向の透過率(例えば、空気の透過率を1倍と
したときの0.2倍など)を設定する。また、S6に代
えて設けられたS22において、評価部107は、シミ
ュレーション処理部102を制御して、上記S5で決定
された白電圧Vwを印加した場合の正面方向の透過率T
fwを導出し、当該透過率Tfwが上記S21で設定さ
れた値以上か否かを評価する。例えば、図9に示す例で
は、上記S5で決定された白電圧Vwから、正面方向の
透過率Tfwが0.4001程度であり、上記条件を満
たしていることが判る。なお、上記透過率は、空気の透
過率を1倍とした値である。また、この場合でも、第1
の実施形態と同様に、方向Aの電圧−透過率曲線Taに
基づいて白電圧Vwが決定される。したがって、より少
ない労力で、所望の視野角α内で階調反転せず、しか
も、最も透過率が高く(明るく)なるように、液晶表示
装置1のパラメータを設定できる。
【0048】ここで、図6および図7と同様に、良好な
視角特性が得られた後もリターデーションRlc、Rt
hを変化させて、良好な視角特性が得られる範囲を算出
すると、図10および図11のようになる。図10にお
いて、各線は、上記S21で条件として設定される正面
方向の白電圧時の透過率Tfwを0.05〜0.45ま
で0.05刻みに変化させた場合のそれぞれにおいて、
当該透過率を達成可能なリターデーションRlc、Rt
hの範囲を示す等高線である。上記のうち、実用的な使
用に何ら問題がない値として、正面方向の白電圧時の透
過率Tfw=0.2を選択すると、図11の範囲とな
る。同図を詳細に検討すると、視角60度までの範囲で
階調反転せず、しかも、正面方向の白電圧時の透過率T
fwを0.2以上にするためには、液晶セル3のリター
デーションRlcと、位相差フィルム7a・7bのリタ
ーデーションの合計Rthは、以下に示すように、 Rth ≦ 1.5・Rlc + 80nm …(7) Rlc ≧ 155nm …(8) を満足する必要があることがわかる。
【0049】したがって、液晶表示装置1を製造する
際、上記の式(7)および式(8)を満足するように、
液晶セル3および位相差フィルム7a・7bのリターデ
ーションRlc、Rthを設定すれば、正面の輝度およ
びコントラストを損なわずに、斜め視角の階調反転を抑
制できる。
【0050】〔第3の実施形態〕ところで、液晶表示装
置1が階調表示する場合、各階調の輝度の比率は、視聴
者の視角に拘らず、互いに同一に保たれている方が好ま
しい。本実施形態では、所望の視野角範囲内で、階調表
示時にも良好な表示品位を確保するため、さらに他の評
価基準として、各階調nにおける方向Aの透過率Tan
と、正面方向の透過率Tfnとの比率が所定の範囲内で
あるか否かに基づいて表示品位を判定する場合について
説明する。
【0051】すなわち、本実施形態では、図12に示す
ように、図4に示すS3に代えて設けられたS31にお
いて、条件設定部104は、良好な視角特性の条件とし
て、各階調nにおける方向Aの透過率Tanと、正面方
向の透過率Tfnとが満足すべき比率を設定する。な
お、比率自体を設定してもよいが、本実施形態では、方
向Aにおける透過率Tanの範囲を設定する。具体的に
は、例えば、8階調の場合、すなわち、黒が第0階調
で、白が第7階調の場合において、正面方向における白
電圧時の透過率Tfwを100%として正規化すると、
正面方向における第6階調の透過率Tf6は、6/7、
すなわち、約85.7%となる。この場合、良好な視角
特性の条件として、方向Aにおける第6階調の透過率T
a6は、方向Aにおける白電圧時の透過率Tawを10
0%として、例えば、80%〜95%の範囲に設定され
る。
【0052】また、本実施形態では、上述のS5にて、
白電圧Vwおよび黒電圧Vbを設定した後、印加電圧決
定部106は、S32において、シミュレーション処理
部102を制御して、白電圧Vwにおける正面方向の透
過率Tfwと、黒電圧Vbにおける正面方向の透過率T
fbとに基づいて、各階調における正面方向の透過率T
fnを算出する。さらに、正面方向の電圧−透過率曲線
Tfから、各階調毎に、各透過率Tfnとなる印加電圧
を決定する。上述のように、8階調の場合を例にする
と、正面方向における第6階調の透過率Tf6は、白電
圧時の透過率Tfwの約85.7%になるので、図13
に示す正面方向の電圧−透過率曲線Tf上において、透
過率Tf6の点X6に対応する電圧V6が、第6階調の
印加電圧V6として設定される。
【0053】さらに、各階調の印加電圧が決定される
と、S6に代えて設けられたS33において、評価部1
07は、シミュレーション処理部102を制御して、上
記S32で決定された各印加電圧における方向Aの透過
率Tanを導出し、当該透過率Tanが、上記S31で
設定された範囲内か否かを判定する。なお、この場合で
も、第1の実施形態と同様に、方向Aの電圧−透過率曲
線Taに基づいて白電圧Vwが決定される。したがっ
て、より少ない労力で、所望の視野角α内で階調反転せ
ず、しかも、当該視野角α内で最も表示品位が悪い方向
でも、正面方向の階調と類似した階調になるように、液
晶表示装置1のパラメータを設定できる。
【0054】ここで、図6および図7と同様に、良好な
視角特性が得られた後もリターデーションRlc、Rt
hを変化させて、良好な視角特性が得られる範囲を算出
すると、図14および図15のようになる。図14にお
いて、各線は、第6階調の印加電圧V6を加えた場合の
方向Aにおける透過率Ta6が所定の値になるリターデ
ーションRlcおよびRthの範囲を示す等高線であ
り、方向Aにおける白電圧印加時の透過率Tawを10
0%としたとき、57.5%から95%まで、0.75
%刻みの等高線である。上記のうち、実用的な使用に何
ら問題がない値として、第6階調の場合で95%から8
0%の範囲を選択すると、図15の範囲となる。同図を
詳細に検討すると、視角60度までの範囲で階調反転せ
ず、しかも、方向Aでの階調特性を正面方向の特性と概
ね相似形にするためには、液晶セル3のリターデーショ
ンRlcと、位相差フィルム7a・7bのリターデーシ
ョンの合計Rthは、以下に示すように、 Rth ≦ 250nm …(9) Rlc ≧ 30nm …(10) を満足する必要があることがわかる。
【0055】したがって、上記の式(9)および式(1
0)を満足するように、液晶セル3および位相差フィル
ム7a・7bのリターデーションRlc、Rthを設定
すれば、所望の視野角αの範囲内で、階調反転せず、し
かも、正面方向の階調特性と類似の特性を示す液晶表示
装置1を実現できる。
【0056】〔第4の実施形態〕本実施形態では、上記
第1ないし第3の実施形態での判定基準全てで表示品位
を判定する場合について説明する。すなわち、図16に
示すように、本実施形態では、図4のS3に代わるS4
1において、方向Aでのコントラストと、正面方向の明
るさと、各階調における方向Aの透過率および正面方向
の透過率の関係とが、良好な表示品位の条件として設定
される。
【0057】また、図12のS32と同様のS42に
て、各階調の印加電圧が決定された後、S6に代わるS
43では、方向Aでのコントラストと、正面方向の明る
さと、各階調における方向Aの透過率および正面方向の
透過率の関係とが導出され、液晶表示装置1の表示品位
が判定される。なお、この場合でも、第1の実施形態と
同様に、方向Aの電圧−透過率曲線Taに基づいて白電
圧Vwが決定される。したがって、より少ない労力で、
所望の視野角α内で階調反転せず、しかも、第1ないし
第3の液晶表示装置の効果を兼ね備えるように、液晶表
示装置1のパラメータを設定できる。
【0058】ここで、図7と同様に、良好な視角特性が
得られた後もリターデーションRlc、Rthを変化さ
せて、良好な視角特性が得られる範囲を算出すると、図
17に示すように、図7に示す範囲と、図11に示す範
囲と、図15に示す範囲とが重なり合った範囲が得られ
る。したがって、上述の式(3)〜式(10)全てを満足
するように、液晶セル3および位相差フィルム7a・7
bのリターデーションRlc、Rthを設定すれば、正
面方向の透過率を損ねることなく、所望の視野角αの範
囲内で階調反転せず、最低のコントラストが所定の値以
上で、しかも、正面方向と任意方向の階調特性とが類似
した液晶表示装置1を実現できる。
【0059】ところで、第1ないし第4の実施形態で
は、位相差フィルム7a・7bのリターデーションの合
計Rthを初期値から変化させると共に、表示品位が悪
化した時点で、液晶セル3のリターデーションRlcを
変化させて、上記リターデーションRthの変更を繰り
返しているが、評価地点(リターデーションRlcおよ
びRthの組み合わせ)の選択方法は、これに限るもの
ではない。例えば、図18に示すように、評価結果に基
づいて、両リターデーションRlc、Rthの双方を変
更しながら、最適値を検索してもよい。
【0060】具体的には、リターデーションRlcおよ
びリターデーションRthを軸とする2次元マップ上
で、最初は、任意に3点(Rlc,Rth)を選び、各
点における液晶表示装置1の表示品位を評価する。例え
ば、第1の実施形態の例では、各点毎に、図4に示すS
5およびS6の処理を行って、方向Aのコントラストを
評価する。
【0061】ここで、各点のうち、評価の低い順から点
C1、C2およびC3としたとき、点C2および点C3
の中点を算出し、点C4とする。さらに、上記点C1と
点C4とを基準に、1:2の外分点、中点、2:1の外
分点および3:2の外分点を、それぞれD1〜点D4と
して算出する。また、各点D1〜D4について、液晶表
示装置1の表示品位を評価する。
【0062】さらに、点D1〜D4のうち、最も評価の
高い点Eを点C1と置き換え、点E、点C2および点C
3の評価を比較し、評価の低い順に、新たな点C1、C
2およびC3として、点D1〜点D4の算出および表示
品位の評価を繰り返す。なお、評価は、方向Aのコント
ラストなどに限るものではなく、方向Aのコントラス
ト、正面方向の輝度および階調特性などから所定の評価
関数で算出される総合評価値に基づいて、総合的に判定
してもよい。
【0063】上記方法でも、白電圧Vwが方向Aの電圧
−透過率曲線Taに基づいて決定されているので、より
少ない計算量で、所望の条件を満たすリターデーション
RlcおよびRthを算出できる。さらに、当該方法で
は、図4、図8、図12および図16とは異なり、所望
の条件を満たす範囲が算出できないものの、両リターデ
ーションRlcおよびRthの双方を評価結果に応じて
調整しているので、上記各図よりも、さらに少ない計算
量で、最適な表示品位を持つ液晶表示装置1を製造する
ためのリターデーションRlcおよびRthを算出でき
る。
【0064】〔第5の実施形態〕ところで、上記第1な
いし第4の実施形態では、例えば、電圧−透過率曲線な
ど、液晶表示装置1の諸特性を導出する際、シミュレー
ションで算出する場合を例にして説明した。これに対し
て、本実施形態では、実験によって、諸特性を導出する
場合について説明する。
【0065】すなわち、図19に示す演算装置101a
では、図3に示すシミュレーション処理部102および
パラメータ記憶部103に代えて、例えば、演算装置1
01aの使用者や測定装置などから、測定結果が入力さ
れる測定値入力部108が設けられており、印加電圧決
定部106および評価部107は、シミュレーション処
理部102からの値と同様の値を測定値入力部108か
ら受け取っている。これにより、第1ないし第4の実施
形態と同様の方法で各リターデーションRlcおよびR
thを決定でき、同様の結果を導出できる。また、当該
構成でも、白電圧Vwが方向Aの電圧−透過率曲線Ta
に基づいて決定されるので、より少ない測定回数で、所
望の条件を満たすリターデーションRlcおよびRth
を算出できる。
【0066】ところで、第1ないし第5の実施形態で
は、位相差フィルム7a・7bとして、負フィルムを用
いた場合を例にして説明したが、これに限らず、正フィ
ルムを用いた場合でも、同様の方法で、最適なリターデ
ーションRlcおよびRthの組み合わせを導出でき
る。正フィルムは、面内の屈折率n1、n2、法線方向
の屈折率n3とした場合に、n1>n2=n3となるフ
ィルムであって、そのリターデーションRthは、dt
hを両位相差フィルムの厚みの合計とすると、 Rth=dth・{(n1+n2)/2−n3} …(11) として算出される。
【0067】この液晶表示装置でも、第1ないし第5の
実施形態と同様の方法によって、最適なリターデーショ
ンRlcおよびRthの範囲を求めると、それぞれの範
囲と同一であることが確認された。
【0068】また、位相差フィルム7a・7bは、2軸
屈折率楕円体で表現される位相差フィルムであってもよ
い。なお、当該フィルムのリターデーションRthも上
記式(11)によって算出される。この液晶表示装置で
も、第1ないし第5の実施形態と同様の方法で、最適な
リターデーションRlcおよびRthの範囲を導出で
き、それぞれの範囲と同一であることを確認できた。
【0069】さらに、上記各実施形態では、位相差フィ
ルム7a・7bが液晶セル3の両側に配されている場合
を例にして説明したが、片側だけに配してもよい。ま
た、複数種類の位相差フィルムを重ねて、位相差フィル
ム7a(7b)を実現しても良い。いずれの場合であっ
ても、同様の方法で、リターデーションRlcおよびR
thの最適な範囲を導出でき、両偏光素子5a・5b間
に配される位相差フィルムのリターデーションの合計R
thと液晶セル3のリターデーションRlcとの最適な
範囲は、第1ないし第5の実施形態が示す範囲と同一で
あることが確認された。
【0070】なお、上記各実施形態では、図2に示す突
起34によって、液晶セル3を4分割の垂直配向モード
に設定する場合を例にして説明したが、これに限るもの
ではない。例えば、図20に示すように、画素電極33
に、面内の形状がL字状で法線方向の形状が山形の突起
35を設けると共に、CF基板の対向電極にも、同様形
状の突起36を設けてもよい。なお、基板31a・31
bの面内方向における両突起35・36の間隔は、突起
35の斜面の法線と突起36の斜面の法線とが一致する
ように配されている。また、上記各突起35・36は、
突起34などと同様に、上記画素電極33および対向電
極上に光感応性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィー工
程で加工することで形成できる。
【0071】上記構造では、突起35のうち、L字の角
部の一方部分では、当該部分近傍の領域37・38の液
晶分子が山形の両斜面に沿って配向し、基板31a・3
1bの面内方向において、図1に示す偏光素子5a・5
bの吸収軸51a・51bを基準にすると、45度の方
向と225度の方向とに配向する。一方、突起35のう
ち、L字の角部の他方の部分では、当該部分近傍の領域
39・40の液晶分子が山形の両斜面に沿って配向し、
面内方向において、吸収軸51a・51bを基準にする
と、135度と315度の方向に配向する。これによ
り、図2の場合と同様に、各画素において、液晶分子を
4方向に配向分割できる。
【0072】また、配向分割の数も4に限るものではな
く、複数に配向分割した垂直配向モードにも適用でき
る。さらに、図21に示すように、画素電極33に半球
状の突起34aを設け、軸対称配向した垂直配向モード
の場合に適用してもよい。突起34aは、画素電極(3
3)をマトリクス状に配列したTFT基板(31aまた
は31b)上に、光感応性樹脂を塗布し、フォトリソグ
ラフィー工程で加工することで、各画素毎に1つずつ突
起34aを形成できる。いずれの場合であっても、同一
の方法でリターデーションRlcおよびRthの最適な
範囲を算出でき、同様の範囲が最適であることを確認で
きた。
【0073】また、例えば、40インチのような大型の
液晶テレビを形成する場合、各画素のサイズは、1mm
四方程度と大きくなり、画素電極に1つずつ突起(34
・34a)を設けただけでは、配向規制力が弱まり、配
向が不安定になる虞れがある。したがって、配向規制力
が不足する場合には、各画素電極33上に複数の突起を
設ける方が望ましい。
【0074】
【発明の効果】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよ
うに、位相差フィルムの厚さ方向のリターデーションの
合計Rthと、液晶層のリターデーションRlcとが、
Rth≦ Rlc + 150nm、Rth ≧ 1.
25・Rlc − 262.5nm、Rlc ≧ 75
nm、および、Rth ≧ 30nmを満たしている構
成である。
【0075】上記構成では、液晶層および位相差フィル
ムのリターデーション組み合わせについて上限および下
限が設定されており、当該範囲に設定すれば、基板の法
線方向から60度傾いた方向までの視角範囲全般におい
て、階調反転することなく、コントラスト5以上を維持
できる。この結果、斜め視角の表示品位の良好な液晶表
示装置を確実に実現できるという効果を奏する。
【0076】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記構成に加えて、さらに、上記位相差フィルムの
厚さ方向のリターデーションの合計Rthと、上記液晶
層のリターデーションRlcとが、Rth ≦ 1.5
・Rlc + 80nm、かつ、Rlc ≧ 155n
mを満たしている構成である。
【0077】当該構成によれば、液晶表示装置の正面方
向の透過率を空気の透過率の0.2倍以上に保つことが
できる。この結果、正面方向の輝度、コントラストを損
なうことなく、斜め視角の表示品位が良好な液晶表示装
置を確実に実現できるという効果を奏する。
【0078】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、位相差フィルムの厚さ方向のリターデーションの合
計Rthと、液晶層のリターデーションRlcとが、R
th≦ 1.5・Rlc + 80nm、かつ、Rlc
≧ 155nmを満たしている構成である。
【0079】上記構成でも、液晶層および位相差フィル
ムのリターデーション組み合わせについて上限および下
限が設定されており、当該範囲に設定すれば、基板の法
線方向から60度傾いた方向までの視角範囲全般におい
て、階調反転することなく、しかも、正面方向の透過率
を空気の透過率の0.2倍以上に保つことができる。こ
の結果、正面方向の輝度、コントラストを損なうことな
く、斜め視角の表示品位が良好な液晶表示装置を確実に
実現できるという効果を奏する。
【0080】本発明に係る液晶表示装置は、以上のよう
に、上記構成において、上記位相差フィルムの厚さ方向
のリターデーションの合計Rthが、Rth ≦ 25
0nm、かつ、Rlc ≧ 30nmを満たしている構
成である。
【0081】当該構成によれば、基板の法線方向から6
0度傾いた方向までの視角範囲全般において、正面方向
における電圧−透過率特性と概ね相似した電圧−透過率
特性を保つことができる。この結果、液晶表示装置に表
示される画像は、上記視角範囲のいずれの方向から見て
も、各階調間の明るさの比率が概ね同様の値になり、斜
め視角の階調特性が良好な液晶表示装置を実現できると
いう効果を奏する。
【0082】本発明に係る液晶表示装置は、上記各構成
に加えて、上記液晶層には、画素毎に液晶分子の応答方
向が異なる複数の領域が設けられている構成である。ま
た、本発明に係る液晶表示装置は、上記各構成に加え
て、上記液晶層では、画素毎に液晶分子の応答方向が概
ね軸対称に設定されている構成である。さらに、本発明
に係る液晶表示装置は、上記構成において、上記軸対称
配向の軸が各画素毎に複数設けられていている構成であ
る。これらの構成によれば、画素の配向分割によって、
互いの領域が光学補償しあうので、より斜め視角の表示
品位が良好な液晶表示装置を実現できるという効果を奏
する。
【0083】本発明に係る液晶表示装置のリターデーシ
ョン選択方法は、以上のように、液晶層のリターデーシ
ョンと位相差フィルムのリターデーションとの組み合わ
せを導出する際、所望の視野角のうち、基板の法線方向
から最も傾き、かつ、基板の面内方位が偏光素子の吸収
軸と45度の角度をなす第1の方向における液晶表示装
置の電圧−透過率特性を導出し、極大点を白電圧として
決定する印加電圧決定工程と、決定された白電圧に基づ
いて、表示品位が所望の表示品位を満足するか否かを判
定する判定工程とを含んでいる構成である。
【0084】上記構成では、所望の視野角と、偏光素子
の吸収軸の方向とに基づいて、表示品位が最も悪い第1
の方向を決定し、当該第1の方向の電圧−透過率曲線の
極大値を白電圧として決定する。この結果、視野角内で
階調反転せず、しかも、最も表示品位の高いリターデー
ションの組み合わせを、比較的少ない手間で導出できる
という効果を奏する。
【0085】本発明に係るリターデーション選択方法
は、以上のように、上記構成において、上記判定工程
は、上記第1の方向におけるコントラストと視野角内で
維持すべき最低コントラストとを比較して判定する構成
である。
【0086】当該構成によれば、上記視野角内で最も表
示品位の悪い第1の方向のコントラストが所望の条件を
満たす組み合わせを導出できる。したがって、上記視野
角内全域で、少なくとも上記最低コントラストを確保可
能なリターデーション組み合わせを比較的少ない手間で
導出できるという効果を奏する。
【0087】本発明に係るリターデーション選択方法
は、以上のように、上記各構成において、上記条件設定
工程で設定される表示品位として、上記基板の正面方向
における白電圧印加時の透過率を設定する構成である。
当該構成によれば、正面方向の輝度およびコントラスト
が良好な液晶表示装置を実現するためのリターデーショ
ン組み合わせを導出できるという効果を奏する。
【0088】本発明に係るリターデーション選択方法
は、以上のように、上記各構成において、さらに、上記
白電圧と、上記基板の正面方向における電圧−透過率特
性とに基づいて、中間階調の印加電圧を決定する中間階
調電圧決定工程を含み、上記条件設定工程で設定される
表示品位として、上記正面方向における各階調電圧−透
過率特性と、上記第1方向における各階調電圧−透過率
特性との相似の程度を設定する構成である。
【0089】上記構成では、上記印加電圧決定工程で決
められた白電圧に基づいて、中間階調電圧を決定した
後、第1の方向と正面方向との階調電圧−透過率特性に
ついて、相似の程度を判定する。この結果、液晶表示装
置に表示される画像を上記視野角内のいずれの方向から
見た場合であっても、各階調間の明るさの比率が類似す
るような、リターデーション組み合わせを、比較的少な
い手間で導出できるという効果を奏する。
【0090】本発明に係る液晶表示装置のリターデーシ
ョン選択装置は、以上のように、液晶層のリターデーシ
ョンと位相差フィルムのリターデーションとの組み合わ
せを導出する際、所望の視野角のうち、基板の法線方向
から最も傾き、かつ、基板の面内方位が偏光素子の吸収
軸と45度の角度をなす第1の方向における液晶表示装
置の電圧−透過率特性を導出し、極大点を白電圧として
決定する印加電圧決定手段と、決定された白電圧に基づ
いて、表示品位が所望の表示品位を満足するか否かを判
定する判定手段とを備えている構成である。
【0091】当該構成のリターデーション選択装置は、
上述のリターデーション選択方法で液晶層のリターデー
ションと位相差フィルムのリターデーションとの組み合
わせを導出するので、視野角内で階調反転せず、しか
も、最も表示品位の高いリターデーションの組み合わせ
を、比較的少ない手間で導出できるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、液晶表
示装置の要部構成を示す構成図である。
【図2】上記液晶表示装置において、画素電極の構造を
示す斜視図である。
【図3】上記構成の液晶表示装置において、液晶層のリ
ターデーションと位相差フィルムのリターデーションと
の最適な組み合わせを導出する演算装置の要部構成を示
すブロック図である。
【図4】上記リターデーション組み合わせの導出方法を
示すフローチャートである。
【図5】上記方法で参照される値を説明するものであ
り、液晶表示装置の電圧−透過率曲線を示すグラフであ
る。
【図6】上記方法で導出されたリターデーション組み合
わせの範囲を示すグラフである。
【図7】上記方法で導出されたリターデーション組み合
わせの範囲のうち、好適な範囲を示すグラフである。
【図8】本発明の他の実施形態を示すものであり、上記
リターデーション組み合わせの導出方法を示すフローチ
ャートである。
【図9】上記方法で参照される値を説明するものであ
り、液晶表示装置の電圧−透過率曲線を示すグラフであ
る。
【図10】上記方法で導出されたリターデーション組み
合わせの範囲を示すグラフである。
【図11】上記方法で導出されたリターデーション組み
合わせの範囲のうち、好適な範囲を示すグラフである。
【図12】本発明のさらに他の実施形態を示すものであ
り、上記リターデーション組み合わせの導出方法を示す
フローチャートである。
【図13】上記方法で参照される値を説明するものであ
り、液晶表示装置の電圧−透過率曲線を示すグラフであ
る。
【図14】上記方法で導出されたリターデーション組み
合わせの範囲を示すグラフである。
【図15】上記方法で導出されたリターデーション組み
合わせの範囲のうち、好適な範囲を示すグラフである。
【図16】本発明のまた別の実施形態を示すものであ
り、上記リターデーション組み合わせの導出方法を示す
フローチャートである。
【図17】上記方法で導出されたリターデーション組み
合わせの範囲を示すグラフである。
【図18】上記各実施形態の変形例を示すものであり、
評価対象となるリターデーション組み合わせの選択方法
を説明する説明図である。
【図19】本発明の他の実施形態を示すものであり、上
記演算装置の他の構成例を示すブロック図である。
【図20】上記各実施形態の変形例を示すものであり、
画素電極の構造を示す平面図である。
【図21】上記各実施形態の他の変形例を示すものであ
り、画素電極の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置 5a・5b 偏光素子 7a・7b 位相差フィルム 31a・31b 基板 32 液晶層 51a・51b 吸収軸 101・101a 演算装置(リターデーション選択装
置) 104 条件設定部(条件設定手段) 106 印加電圧決定部(印加電圧決定手
段) 107 評価部(判定手段)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板表面に垂直配向膜が塗布され、負の誘
    電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液晶層の両側
    に配された偏光素子と、両偏光素子間に配された位相差
    フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対して垂直に
    配向している状態に黒表示を行う液晶表示装置におい
    て、 上記位相差フィルムの厚さ方向のリターデーションの合
    計Rthと、上記液晶層のリターデーションRlcと
    が、 Rth ≦ Rlc + 150nm Rth ≧ 1.25・Rlc − 262.5nm Rlc ≧ 75nm 、および、 Rth ≧ 30nm を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
  2. 【請求項2】上記位相差フィルムの厚さ方向のリターデ
    ーションの合計Rthと、上記液晶層のリターデーショ
    ンRlcとが、 Rth ≦ 1.5・Rlc + 80nm 、かつ、 Rlc ≧ 155nm を満たしていることを特徴とする請求項1記載の液晶表
    示装置。
  3. 【請求項3】基板表面に垂直配向膜が塗布され、負の誘
    電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液晶層の両側
    に配された偏光素子と、両偏光素子間に配された位相差
    フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対して垂直に
    配向している状態に黒表示を行う液晶表示装置におい
    て、 上記位相差フィルムの厚さ方向のリターデーションの合
    計Rthと、上記液晶層のリターデーションRlcと
    が、 Rth ≦ 1.5・Rlc + 80nm 、かつ、 Rlc ≧ 155nm を満たしていることを特徴とする液晶表示装置。
  4. 【請求項4】上記位相差フィルムの厚さ方向のリターデ
    ーションの合計Rthが、 Rth ≦ 250nm 、かつ、 Rlc ≧ 30nm を満たしていることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】上記液晶層には、画素毎に液晶分子の応答
    方向が異なる複数の領域が設けられていることを特徴と
    する請求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】上記液晶層では、画素毎に液晶分子の応答
    方向が概ね軸対称に設定されていることを特徴とする請
    求項1、2、3または4記載の液晶表示装置。
  7. 【請求項7】上記軸対称配向の軸は、各画素毎に複数設
    けられていることを特徴とする請求項6記載の液晶表示
    装置。
  8. 【請求項8】基板表面に垂直配向膜が塗布され、負の誘
    電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液晶層の両側
    に配された偏光素子と、両偏光素子間に配された位相差
    フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対して垂直に
    配向している状態に黒表示を行う液晶表示装置のリター
    デーション選択方法であって、 上記液晶層のリターデーションと位相差フィルムのリタ
    ーデーションとの組み合わせを導出する際、所望の表示
    品位と、当該表示品位を確保したい視野角とを設定する
    条件設定工程と、 上記視野角のうち、上記基板の法線方向から最も傾き、
    かつ、上記基板の面内方位が、上記偏光素子の吸収軸と
    45度の角度をなす第1の方向における上記液晶表示装
    置の電圧−透過率特性を導出し、極大点を白電圧として
    決定する印加電圧決定工程と、 決定された白電圧に基づいて、表示品位が上記所望の表
    示品位を満足するか否かを判定する判定工程とを含んで
    いることを特徴とする液晶表示装置のリターデーション
    選択方法。
  9. 【請求項9】上記条件設定工程で設定される表示品位
    は、上記視野角内で維持すべき最低コントラストであ
    り、 上記判定工程は、上記第1の方向におけるコントラスト
    と上記最低コントラストとを比較して判定することを特
    徴とする請求項8記載の液晶表示装置のリターデーショ
    ン選択方法。
  10. 【請求項10】上記条件設定工程で設定される表示品位
    は、上記基板の正面方向における白電圧印加時の透過率
    であることを特徴とする請求項8または9記載の液晶表
    示装置のリターデーション選択方法。
  11. 【請求項11】さらに、上記白電圧と、上記基板の正面
    方向における電圧−透過率特性とに基づいて、中間階調
    の印加電圧を決定する中間階調電圧決定工程を含み、 上記条件設定工程で設定される表示品位は、上記正面方
    向における各階調電圧−透過率特性と、上記第1方向に
    おける各階調電圧−透過率特性との相似の程度であるこ
    とを特徴とする請求項8、9または10記載の液晶表示
    装置のリターデーション選択方法。
  12. 【請求項12】基板表面に垂直配向膜が塗布され、負の
    誘電率異方性を有する液晶を含む液晶層と、液晶層の両
    側に配された偏光素子と、両偏光素子間に配された位相
    差フィルムとを有し、液晶分子が概ね基板に対して垂直
    に配向している状態に黒表示を行う液晶表示装置のリタ
    ーデーション選択装置であって、 上記液晶層のリターデーションと位相差フィルムのリタ
    ーデーションとの組み合わせを導出する際、所望の表示
    品位と、当該表示品位を確保したい視野角とを設定する
    条件設定手段と、 上記視野角のうち、上記基板の法線方向から最も傾き、
    かつ、上記基板の面内方位が、上記偏光素子の吸収軸と
    45度の角度をなす第1の方向における上記液晶表示装
    置の電圧−透過率特性を導出し、極大点を白電圧として
    決定する印加電圧決定手段と、 決定された白電圧に基づいて、表示品位が上記所望の表
    示品位を満足するか否かを判定する判定手段とを備えて
    いることを特徴とする液晶表示装置のリターデーション
    選択装置。
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CN100412643C (zh) * 2002-07-26 2008-08-20 三星电子株式会社 液晶显示器件
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