JP2001311426A - 多段スラスト軸受 - Google Patents
多段スラスト軸受Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/46—Cages for rollers or needles
- F16C33/48—Cages for rollers or needles for multiple rows of rollers or needles
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C19/00—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement
- F16C19/22—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings
- F16C19/30—Bearings with rolling contact, for exclusively rotary movement with bearing rollers essentially of the same size in one or more circular rows, e.g. needle bearings for axial load mainly
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- F16C33/4623—Massive or moulded cages having cage pockets surrounding the rollers, e.g. machined window cages formed as one-piece cages, i.e. monoblock cages
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- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C41/00—Other accessories, e.g. devices integrated in the bearing not relating to the bearing function as such
- F16C41/02—Arrangements for equalising the load on a plurality of bearings or their elements
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Rolling Contact Bearings (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】内輪と、これに対向する外輪の撓み量を近づけ
ることによって、転動体に生じるエッジロードなどの低
減を図ることができる多段スラスト軸受を提供する。 【解決手段】内輪1と、ころ5,6を介して対向する外
輪3との肉厚を調整することにより、両者の撓み量を近
づけることができ、それにより、ころ5,6に生じるエ
ッジロードを緩和し、列荷重の均一化を図り、もって多
段スラスト軸受の長寿命化を図ることができる。
ることによって、転動体に生じるエッジロードなどの低
減を図ることができる多段スラスト軸受を提供する。 【解決手段】内輪1と、ころ5,6を介して対向する外
輪3との肉厚を調整することにより、両者の撓み量を近
づけることができ、それにより、ころ5,6に生じるエ
ッジロードを緩和し、列荷重の均一化を図り、もって多
段スラスト軸受の長寿命化を図ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大きなスラスト力
を受けることができる多段スラスト軸受に関する。
を受けることができる多段スラスト軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】スラスト方向に大きな力を受ける回転軸
を支持する場合、一般的にスラスト軸受が用いられる。
かかるスラスト軸受は、回転軸側に設けられたフランジ
状の内輪と、ハウジング側に設けられたフランジ状の外
輪との間にころを挟持して、スラスト方向の力を受ける
ようになっている。
を支持する場合、一般的にスラスト軸受が用いられる。
かかるスラスト軸受は、回転軸側に設けられたフランジ
状の内輪と、ハウジング側に設けられたフランジ状の外
輪との間にころを挟持して、スラスト方向の力を受ける
ようになっている。
【0003】ところで、スラスト方向の力が大きくなる
に従って、ころと内外輪間に生じる面圧が高くなり、ス
ラスト軸受の寿命が短かくなるという問題がある。ころ
と内外輪間に生じる面圧を低くするためには、各ころが
負担する荷重を減少させることが考えられるが、そのた
めには、ころの数を増大させなくてはならない。ところ
が、ころの数を増大させると、ころのピッチ円径が大き
くなって、内外輪の径が増大するため、スラスト軸受が
径方向に大型化するという問題が生じる。
に従って、ころと内外輪間に生じる面圧が高くなり、ス
ラスト軸受の寿命が短かくなるという問題がある。ころ
と内外輪間に生じる面圧を低くするためには、各ころが
負担する荷重を減少させることが考えられるが、そのた
めには、ころの数を増大させなくてはならない。ところ
が、ころの数を増大させると、ころのピッチ円径が大き
くなって、内外輪の径が増大するため、スラスト軸受が
径方向に大型化するという問題が生じる。
【0004】このような問題に対し、軸線方向に沿っ
て、各々ころを挟持する複数段の内外輪を設けた多段ス
ラスト軸受が開発されている。かかる多段スラスト軸受
によれば、各段の内外輪に挟持されるころにより、スラ
スト力を分散して受けることができるため、通常のスラ
スト軸受と比較すると、外径が小さいにもかかわらず、
大きなスラスト力を受けることができ、また同一のスラ
スト力を受けるとすれば、通常のスラスト軸受の場合よ
りも内外輪ところとの間に生じる面圧が低くなるため、
より長寿命化が期待できる。
て、各々ころを挟持する複数段の内外輪を設けた多段ス
ラスト軸受が開発されている。かかる多段スラスト軸受
によれば、各段の内外輪に挟持されるころにより、スラ
スト力を分散して受けることができるため、通常のスラ
スト軸受と比較すると、外径が小さいにもかかわらず、
大きなスラスト力を受けることができ、また同一のスラ
スト力を受けるとすれば、通常のスラスト軸受の場合よ
りも内外輪ところとの間に生じる面圧が低くなるため、
より長寿命化が期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、多段スラス
ト軸受においては、スラスト力を分散する力の伝達経路
として、複数の内輪間には内輪間座を配置し、複数の外
輪間には外輪間座を配置している。ところが、かかる間
座を設けたために、ころを挟んで対向する内外輪の撓み
量が異なってしまうという第1の問題がある。
ト軸受においては、スラスト力を分散する力の伝達経路
として、複数の内輪間には内輪間座を配置し、複数の外
輪間には外輪間座を配置している。ところが、かかる間
座を設けたために、ころを挟んで対向する内外輪の撓み
量が異なってしまうという第1の問題がある。
【0006】又、多段スラスト軸受においては、軸と内
輪間及びハウジングと外輪間をすきまばめで使用するこ
とが一般的である。そのすきまの大きさは、軸と内輪、
ハウジングと外輪の公差範囲で、それぞれ任意にとりう
る実寸により様々に変わりうる。このようなすきまの存
在により、アキシャル荷重を受けたときに、内輪及び外
輪は軸及びハウジングに対して傾くが、それによりすき
まが狭められ、軸と内輪又はハウジングと外輪が接触し
た場合には、内輪又は外輪が軸又はハウジングから受け
る反力により、それ以上傾くことが抑制されることとな
る。
輪間及びハウジングと外輪間をすきまばめで使用するこ
とが一般的である。そのすきまの大きさは、軸と内輪、
ハウジングと外輪の公差範囲で、それぞれ任意にとりう
る実寸により様々に変わりうる。このようなすきまの存
在により、アキシャル荷重を受けたときに、内輪及び外
輪は軸及びハウジングに対して傾くが、それによりすき
まが狭められ、軸と内輪又はハウジングと外輪が接触し
た場合には、内輪又は外輪が軸又はハウジングから受け
る反力により、それ以上傾くことが抑制されることとな
る。
【0007】ところが、軸と内輪間又はハウジングと外
輪間におけるすきまが小さい場合には、傾き角が小さい
状態で軸と内輪又はハウジングと外輪が接触するため、
それらの傾き角は、小さく維持されることとなる。一
方、軸と内輪間又はハウジングと外輪間におけるすきま
が大きい場合には、傾き角が大きい状態で軸と内輪又は
ハウジングと外輪が接触するため、それらの傾き角は、
大きく維持されることとなるという第2の問題がある。
輪間におけるすきまが小さい場合には、傾き角が小さい
状態で軸と内輪又はハウジングと外輪が接触するため、
それらの傾き角は、小さく維持されることとなる。一
方、軸と内輪間又はハウジングと外輪間におけるすきま
が大きい場合には、傾き角が大きい状態で軸と内輪又は
ハウジングと外輪が接触するため、それらの傾き角は、
大きく維持されることとなるという第2の問題がある。
【0008】かかる2つの問題を図面を参照して説明す
る。図2は、従来技術による多段スラスト軸受の断面図
である。図3、4は、図2に示す多段スラスト軸受のこ
ろ5,6に対応する部分を拡大して示す図である。図3
においては、部材の変形は誇張して示されている。まず
第1の問題に関し、図2において、スラスト力Pの伝達
方向における最上流側の内輪1は、回転軸11からスラ
スト力Pを受けると共に、これに対し、ころ5、6から
反力P1を受ける他、下流側にスラスト力を伝達するた
めの内輪間座9からも反力P2を受ける。これに対し、
かかる内輪1に対向する外輪3は、ころ5、6のスラス
ト力P1と、外輪間座10からの反力P1のみを受ける。
ここで、P=(P1+P2)≒2×P1である。
る。図2は、従来技術による多段スラスト軸受の断面図
である。図3、4は、図2に示す多段スラスト軸受のこ
ろ5,6に対応する部分を拡大して示す図である。図3
においては、部材の変形は誇張して示されている。まず
第1の問題に関し、図2において、スラスト力Pの伝達
方向における最上流側の内輪1は、回転軸11からスラ
スト力Pを受けると共に、これに対し、ころ5、6から
反力P1を受ける他、下流側にスラスト力を伝達するた
めの内輪間座9からも反力P2を受ける。これに対し、
かかる内輪1に対向する外輪3は、ころ5、6のスラス
ト力P1と、外輪間座10からの反力P1のみを受ける。
ここで、P=(P1+P2)≒2×P1である。
【0009】従って、内輪1と外輪3の形状が略同一で
あるとすると、それらの受ける合成モーメントが異なる
ため、ころ6の受ける転動体荷重がころ5の受ける転動
体荷重より大きくなるとともに、内輪1と外輪3との撓
み量が異なってしまうこととなる。内輪1と外輪3の撓
み量が異なると、荷重を受けた状態で、内輪1と外輪3
とが平行にならないこととなり、それによりころ5、6
に高いエッジロードが生じやすくなって、ころ5、6お
よび対向する内輪1、外輪3の寿命を短くするなどの恐
れがある。同様な問題は、内輪2と外輪4とに挟持され
るころ7、8および内輪2、外輪4においても生じ、こ
ろ7が受ける転動体荷重がころ8が受ける転動体荷重よ
り大きくなる。
あるとすると、それらの受ける合成モーメントが異なる
ため、ころ6の受ける転動体荷重がころ5の受ける転動
体荷重より大きくなるとともに、内輪1と外輪3との撓
み量が異なってしまうこととなる。内輪1と外輪3の撓
み量が異なると、荷重を受けた状態で、内輪1と外輪3
とが平行にならないこととなり、それによりころ5、6
に高いエッジロードが生じやすくなって、ころ5、6お
よび対向する内輪1、外輪3の寿命を短くするなどの恐
れがある。同様な問題は、内輪2と外輪4とに挟持され
るころ7、8および内輪2、外輪4においても生じ、こ
ろ7が受ける転動体荷重がころ8が受ける転動体荷重よ
り大きくなる。
【0010】このようなエッジロードによる短寿命化
は、設計時の計算寿命より著しく短寿命になるため、特
にその対策が望まれる。
は、設計時の計算寿命より著しく短寿命になるため、特
にその対策が望まれる。
【0011】上述したエッジロードを避けるためには、
ころや軌道輪を成形(クラウニング)することが有効で
ある。これを軌道輪に適用した場合、図4に示すよう
に、内輪1における内側のころ5に対向する面にクラウ
ニングとして凹溝1a(深さΔ1)を形成し、一方、外
輪3における外側ころ6に対向する面にクラウニングと
して凹溝3a(深さΔ2)を形成することが考えられ
る。このように軌道面側を追い込んでおけば、荷重を受
けて内輪1,外輪3がたわんだ際に、ころ5,6の受け
る荷重をある程度均一化することは可能である。
ころや軌道輪を成形(クラウニング)することが有効で
ある。これを軌道輪に適用した場合、図4に示すよう
に、内輪1における内側のころ5に対向する面にクラウ
ニングとして凹溝1a(深さΔ1)を形成し、一方、外
輪3における外側ころ6に対向する面にクラウニングと
して凹溝3a(深さΔ2)を形成することが考えられ
る。このように軌道面側を追い込んでおけば、荷重を受
けて内輪1,外輪3がたわんだ際に、ころ5,6の受け
る荷重をある程度均一化することは可能である。
【0012】しかしながら、このようにクラウニングを
付与したとしても、荷重の大小により、内輪、外輪のた
わみ量は変わってくるため、凹溝1a、凸溝3aの必要
な深さ(△1、△2)は荷重に依存し、荷重が変動する
実機ではその効果は小さい。さらに、荷重付加時におけ
る内輪1,外輪3の対向面は、図3に示すように、ころ
5,6との接触という観点から局部的に見ると、内輪
1,外輪3の根本側で曲面CP、先端側で平面FPを形
成するように変形するので、複列の軸受においては、転
動体荷重が外側の方(ころ6の下方)が内側(ころ5の
下方)のほうより大きくなったり、逆に内側(ころ5の
上方)の方が外側(ころ6の上方)より大きくなるとい
う荷重アンバランスの問題を解決することはできない。
付与したとしても、荷重の大小により、内輪、外輪のた
わみ量は変わってくるため、凹溝1a、凸溝3aの必要
な深さ(△1、△2)は荷重に依存し、荷重が変動する
実機ではその効果は小さい。さらに、荷重付加時におけ
る内輪1,外輪3の対向面は、図3に示すように、ころ
5,6との接触という観点から局部的に見ると、内輪
1,外輪3の根本側で曲面CP、先端側で平面FPを形
成するように変形するので、複列の軸受においては、転
動体荷重が外側の方(ころ6の下方)が内側(ころ5の
下方)のほうより大きくなったり、逆に内側(ころ5の
上方)の方が外側(ころ6の上方)より大きくなるとい
う荷重アンバランスの問題を解決することはできない。
【0013】また、単列の軸受でも、ころのクラウニン
グは、スキューやすべり等のころの運動に影響を及ぼす
ため、クラウニング量Δ1,Δ2をある程度調整できる
といっても、それには自ずと限界がある。
グは、スキューやすべり等のころの運動に影響を及ぼす
ため、クラウニング量Δ1,Δ2をある程度調整できる
といっても、それには自ずと限界がある。
【0014】更に従来技術の第2の問題について説明す
る。図8は、かかる問題を説明するための多段スラスト
軸受の断面図である。図8において、例えば回転軸11
の外径及びハウジング13の孔径が公差範囲の上限であ
り、内輪1の内径及び外輪3の外径が公差範囲の下限で
あると、組み付けた状態で、内輪1と回転軸11とのす
きまδiは小さく、外輪3とハウジング13とのすきま
δeは大きくなる。
る。図8は、かかる問題を説明するための多段スラスト
軸受の断面図である。図8において、例えば回転軸11
の外径及びハウジング13の孔径が公差範囲の上限であ
り、内輪1の内径及び外輪3の外径が公差範囲の下限で
あると、組み付けた状態で、内輪1と回転軸11とのす
きまδiは小さく、外輪3とハウジング13とのすきま
δeは大きくなる。
【0015】かかる状態で、スラスト力Pを受けたとす
ると、図8の点線で示すように、内輪1と外輪3は傾く
が、回転軸11に対する内輪1の傾き角θiは小さくな
り、ハウジング13に対する外輪3の傾き角θeは大き
くなる(θi<θe)。そのため、荷重を受けた状態で
は、内輪1とこれに対向する外輪3の平行度が悪化し、
それによりころ5,6の転動体荷重が生じると共に高い
エッジロードが発生し、ころ5,6、内輪1,外輪3の
寿命が短くなる。図8の例では、ころ6の転動体荷重
が、ころ5の転動体荷重より大きくなり、ころ6におけ
るハウジング13に近い側の接触部にエッジロードによ
る損傷が発生する恐れがある。同様な問題は、内輪2と
外輪4とに挟持されるころ7、8との関係でも生じる。
ると、図8の点線で示すように、内輪1と外輪3は傾く
が、回転軸11に対する内輪1の傾き角θiは小さくな
り、ハウジング13に対する外輪3の傾き角θeは大き
くなる(θi<θe)。そのため、荷重を受けた状態で
は、内輪1とこれに対向する外輪3の平行度が悪化し、
それによりころ5,6の転動体荷重が生じると共に高い
エッジロードが発生し、ころ5,6、内輪1,外輪3の
寿命が短くなる。図8の例では、ころ6の転動体荷重
が、ころ5の転動体荷重より大きくなり、ころ6におけ
るハウジング13に近い側の接触部にエッジロードによ
る損傷が発生する恐れがある。同様な問題は、内輪2と
外輪4とに挟持されるころ7、8との関係でも生じる。
【0016】そこで本発明は、第1の問題に鑑み、内輪
と、これに対向する外輪の撓み量を近づけることによっ
て、転動体に生じるエッジロードなどの低減を図ること
ができる多段スラスト軸受を提供することを目的とす
る。
と、これに対向する外輪の撓み量を近づけることによっ
て、転動体に生じるエッジロードなどの低減を図ること
ができる多段スラスト軸受を提供することを目的とす
る。
【0017】また本発明は、第2の問題に鑑み、軸と内
輪と、ハウジングと外輪の接触により、対向する内外輪
の平行度の悪化を抑制することによって、転動体に生じ
るエッジロードなどの低減を図ることができる多段スラ
スト軸受を提供することを目的とする。
輪と、ハウジングと外輪の接触により、対向する内外輪
の平行度の悪化を抑制することによって、転動体に生じ
るエッジロードなどの低減を図ることができる多段スラ
スト軸受を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】第1の本発明の多段スラ
スト軸受は、軸とハウジングとの間に配置される多段ス
ラスト軸受において、前記軸に取り付けられる複数の内
輪と、前記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、
前記内輪と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置
される転動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間
座と、前記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有
し、前記軸と前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪
間座との間に挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さ
は、前記一方の軌道輪に対して前記転動体を介して対向
する他方の軌道輪の軸線方向厚さより薄くなっている。
スト軸受は、軸とハウジングとの間に配置される多段ス
ラスト軸受において、前記軸に取り付けられる複数の内
輪と、前記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、
前記内輪と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置
される転動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間
座と、前記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有
し、前記軸と前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪
間座との間に挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さ
は、前記一方の軌道輪に対して前記転動体を介して対向
する他方の軌道輪の軸線方向厚さより薄くなっている。
【0019】第2の本発明の多段スラスト軸受は、軸と
ハウジングとの間に配置される多段スラスト軸受におい
て、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前記ハウジ
ングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪と、これ
に隣接する前記外輪との間に各々配置される転動体と、
前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前記複数の
外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記内輪の内
周面及び/又は前記外輪の外周面の少なくとも一部に、
前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する逃げ面を形成
している。
ハウジングとの間に配置される多段スラスト軸受におい
て、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前記ハウジ
ングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪と、これ
に隣接する前記外輪との間に各々配置される転動体と、
前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前記複数の
外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記内輪の内
周面及び/又は前記外輪の外周面の少なくとも一部に、
前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する逃げ面を形成
している。
【0020】
【作用】第1の本発明の多段スラスト軸受によれば、軸
とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸受にお
いて、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前記ハウ
ジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪と、こ
れに隣接する前記外輪との間に各々配置される転動体
と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前記複
数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記軸と
前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪間座との間に
挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さは、前記一方の
軌道輪に対して前記転動体を介して対向する他方の軌道
輪の軸線方向厚さより薄くなっているので、前記内外輪
の撓み量を近づけることができ、それにより転動体のエ
ッジロードの低減を図ることができる。
とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸受にお
いて、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前記ハウ
ジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪と、こ
れに隣接する前記外輪との間に各々配置される転動体
と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前記複
数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記軸と
前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪間座との間に
挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さは、前記一方の
軌道輪に対して前記転動体を介して対向する他方の軌道
輪の軸線方向厚さより薄くなっているので、前記内外輪
の撓み量を近づけることができ、それにより転動体のエ
ッジロードの低減を図ることができる。
【0021】なお、前記一方の軌道輪と前記他方の軌道
輪の厚さの比は、1.1〜3.0であると好ましい。更
に、例えば同一厚さの軌道輪の組み合わせに対して、本
発明を適用する場合、前記一方の軌道輪のみを薄くする
のではなく、前記一方の軌道輪の薄くした量と、前記他
方の軌道輪の厚くした量とをほぼ等しくすれば、多段ス
ラスト軸受の軸線方向長さは変化せず好ましい。
輪の厚さの比は、1.1〜3.0であると好ましい。更
に、例えば同一厚さの軌道輪の組み合わせに対して、本
発明を適用する場合、前記一方の軌道輪のみを薄くする
のではなく、前記一方の軌道輪の薄くした量と、前記他
方の軌道輪の厚くした量とをほぼ等しくすれば、多段ス
ラスト軸受の軸線方向長さは変化せず好ましい。
【0022】第2の本発明の多段スラスト軸受によれ
ば、軸とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸
受において、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前
記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪
と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置される転
動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前
記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記
内輪の内周面及び/又は前記外輪の外周面の少なくとも
一部に、前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する逃げ
面を形成しているので、前記内輪が前記回転軸に対して
及び/又は前記外輪が前記ハウジングに対して傾く際
に、相互干渉が抑制され、その傾きが拘束されにくくな
り、それにより対向する内輪と外輪の軌道面間に傾きが
発生したときに、内輪も外輪もころにならって平行度を
維持しつつ傾くため、もって過大なエッジロードが生じ
ることを防ぐことができる。ここで、逃げ面の一例とし
ては、以下の実施の形態で示すようにテーパ面が考えら
れるが、これに限られず段差面などであっても良い。
ば、軸とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸
受において、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前
記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪
と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置される転
動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前
記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記
内輪の内周面及び/又は前記外輪の外周面の少なくとも
一部に、前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する逃げ
面を形成しているので、前記内輪が前記回転軸に対して
及び/又は前記外輪が前記ハウジングに対して傾く際
に、相互干渉が抑制され、その傾きが拘束されにくくな
り、それにより対向する内輪と外輪の軌道面間に傾きが
発生したときに、内輪も外輪もころにならって平行度を
維持しつつ傾くため、もって過大なエッジロードが生じ
ることを防ぐことができる。ここで、逃げ面の一例とし
ては、以下の実施の形態で示すようにテーパ面が考えら
れるが、これに限られず段差面などであっても良い。
【0023】尚、前記テーパ面のテーパ角を、0.1°
以上15°以下とすれば好ましい。
以上15°以下とすれば好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について詳細に説明する。図1は、第1の実施
の形態による多段スラスト軸受の軸線方向断面図であ
る。図1において、回転軸11とハウジング13との間
に、内輪1、2と、外輪3,4と、これらにそれぞれ挟
持される複列のころ5,6;7,8とを有する多段スラ
スト軸受が配置されている。
施の形態について詳細に説明する。図1は、第1の実施
の形態による多段スラスト軸受の軸線方向断面図であ
る。図1において、回転軸11とハウジング13との間
に、内輪1、2と、外輪3,4と、これらにそれぞれ挟
持される複列のころ5,6;7,8とを有する多段スラ
スト軸受が配置されている。
【0025】より具体的には、回転軸11の段部11a
に内周側を当接するようにして、回転軸11の外周に円
盤状の内輪1が取り付けられている。内輪1の下方にお
ける、回転軸11の外周には、薄肉円筒状の内輪間座9
が配置され、その下方には内輪2が配置されている。
に内周側を当接するようにして、回転軸11の外周に円
盤状の内輪1が取り付けられている。内輪1の下方にお
ける、回転軸11の外周には、薄肉円筒状の内輪間座9
が配置され、その下方には内輪2が配置されている。
【0026】一方、ハウジング13の段部13aに外周
側を当接するようにして、ハウジング13の円筒状内壁
13bには円盤状の外輪4が取り付けられている。外輪
4の上方における、円筒状内壁13bには、薄肉円筒状
の外輪間座10が配置され、その上方には外輪3が配置
されている。
側を当接するようにして、ハウジング13の円筒状内壁
13bには円盤状の外輪4が取り付けられている。外輪
4の上方における、円筒状内壁13bには、薄肉円筒状
の外輪間座10が配置され、その上方には外輪3が配置
されている。
【0027】内輪1と外輪3との間には、転動体として
のころ5,6が挟持され、内輪2と外輪4との間には、
転動体としてのころ7,8が挟持されている。
のころ5,6が挟持され、内輪2と外輪4との間には、
転動体としてのころ7,8が挟持されている。
【0028】ここで、ころ5,6の中心における内輪1
と外輪3の撓み量について考察する。内輪1は、回転軸
11の段部11aからスラスト力Pを受けると共に、こ
れに対し、ころ5,6から反力P1を受ける他、内輪間
座9(点A)からも反力P2を受ける。ここで、内輪1
に与えられる反力P2と反力P1との距離をL1とし、反
力P2とスラスト力Pとの距離をL2とすると、点A回り
のモーメントMAは、MA=P1×L1−P×L2となる。
と外輪3の撓み量について考察する。内輪1は、回転軸
11の段部11aからスラスト力Pを受けると共に、こ
れに対し、ころ5,6から反力P1を受ける他、内輪間
座9(点A)からも反力P2を受ける。ここで、内輪1
に与えられる反力P2と反力P1との距離をL1とし、反
力P2とスラスト力Pとの距離をL2とすると、点A回り
のモーメントMAは、MA=P1×L1−P×L2となる。
【0029】これに対し、かかる内輪1に対向する外輪
3は、ころ5,6からのスラスト力P1と、外輪間座1
0(点B)からの反力P1のみを受ける。ここで、外輪
2に与えられる対向する2つの反力P1間の距離をL3と
すると、点B回りのモーメントMBは、MB=P1×L3と
なる。本実施の形態にかかる多段スラスト軸受の幾何学
的関係上、L1≒L3となるから、内輪1の受けるモーメ
ントMAの方が、外輪2の受けるモーメントMBに比べ
て、約P×L2分だけ小さくなる。すなわち、内輪1と
外輪2との肉厚が同じであると仮定すると、外輪2の撓
み量の方が大きくなるのである。
3は、ころ5,6からのスラスト力P1と、外輪間座1
0(点B)からの反力P1のみを受ける。ここで、外輪
2に与えられる対向する2つの反力P1間の距離をL3と
すると、点B回りのモーメントMBは、MB=P1×L3と
なる。本実施の形態にかかる多段スラスト軸受の幾何学
的関係上、L1≒L3となるから、内輪1の受けるモーメ
ントMAの方が、外輪2の受けるモーメントMBに比べ
て、約P×L2分だけ小さくなる。すなわち、内輪1と
外輪2との肉厚が同じであると仮定すると、外輪2の撓
み量の方が大きくなるのである。
【0030】そこで、本実施の形態においては、内輪1
の肉厚を外輪2の肉厚より薄くして、内輪1と外輪2の
撓み量を近づけるようにしている。
の肉厚を外輪2の肉厚より薄くして、内輪1と外輪2の
撓み量を近づけるようにしている。
【0031】本発明者らが行った有限要素法の解析結果
によれば、内輪1と外輪3との肉厚比が1:1である従
来技術の場合には、ころ5、6の受ける列荷重比(ころ
5、6が受ける荷重の比)が16:1と大きくばらつい
ていたが、本実施の形態の如く、内輪1と外輪3との肉
厚比を、1:1.5に設定した場合、ころ5、6の受け
る列荷重比を、1.4:1程度まで減少でき、それによ
り列荷重比の理想である1:1により近づけられること
が判った。
によれば、内輪1と外輪3との肉厚比が1:1である従
来技術の場合には、ころ5、6の受ける列荷重比(ころ
5、6が受ける荷重の比)が16:1と大きくばらつい
ていたが、本実施の形態の如く、内輪1と外輪3との肉
厚比を、1:1.5に設定した場合、ころ5、6の受け
る列荷重比を、1.4:1程度まで減少でき、それによ
り列荷重比の理想である1:1により近づけられること
が判った。
【0032】尚、同様なことは、内輪2と、外輪4と、
ころ7、8との関係にも言える。すなわち、外輪4の肉
厚を内輪2の肉厚より薄くして、外輪4と内輪2の撓み
量を近づけることができる。
ころ7、8との関係にも言える。すなわち、外輪4の肉
厚を内輪2の肉厚より薄くして、外輪4と内輪2の撓み
量を近づけることができる。
【0033】図5、6は、より具体的に示した解析結果
を示す図であり、図5は軌道輪(内外輪)の厚さを変え
たときの転動体荷重の変化を示す図であり、図6は軌道
輪の厚さの比と寿命比との関係を示した図である。
を示す図であり、図5は軌道輪(内外輪)の厚さを変え
たときの転動体荷重の変化を示す図であり、図6は軌道
輪の厚さの比と寿命比との関係を示した図である。
【0034】図5に示す解析においては、有限要素法に
基づいて、内輪内径φ400mm、外輪外径φ800m
m、内輪1、2および外輪3、4の厚さ60mm、ころ
径φ66mm、ころ有効長さ上段60mm、下段66m
mの2段スラスト軸受に、動定格荷重9850kNの2
0%、すなわちP/C=0.2の荷重を負荷し、さらに
軌道輪の厚さだけを変えて、転動体荷重の変化を調べ
た。
基づいて、内輪内径φ400mm、外輪外径φ800m
m、内輪1、2および外輪3、4の厚さ60mm、ころ
径φ66mm、ころ有効長さ上段60mm、下段66m
mの2段スラスト軸受に、動定格荷重9850kNの2
0%、すなわちP/C=0.2の荷重を負荷し、さらに
軌道輪の厚さだけを変えて、転動体荷重の変化を調べ
た。
【0035】図5の横軸において、軌道輪厚さ60mm
の内外輪とも等しい時を0としたときに、内輪1および
外輪4の厚さを薄くするとともに、その分だけ外輪3お
よび内輪2の厚さを厚くして、軸方向長さ一定のまま軌
道輪厚さを増減した状態における、かかる厚さの増減量
を値としてプロットしている。一方、図5の縦軸におい
て、内輪1、2、外輪3、4の軌道輪厚さがともに60
mmのときの転動体6の荷重を1として、荷重比を値と
してプロットしている。
の内外輪とも等しい時を0としたときに、内輪1および
外輪4の厚さを薄くするとともに、その分だけ外輪3お
よび内輪2の厚さを厚くして、軸方向長さ一定のまま軌
道輪厚さを増減した状態における、かかる厚さの増減量
を値としてプロットしている。一方、図5の縦軸におい
て、内輪1、2、外輪3、4の軌道輪厚さがともに60
mmのときの転動体6の荷重を1として、荷重比を値と
してプロットしている。
【0036】この図から、内輪1および外輪4の厚さを
薄くするとともに外輪3および内輪2の厚さを厚くする
と、軌道輪の撓みにより転動体列の荷重不均一が緩和さ
れ、転動体6、7の転動体荷重が小さくなり、転動体
5、8の転動体荷重が大きくなることがわかる。
薄くするとともに外輪3および内輪2の厚さを厚くする
と、軌道輪の撓みにより転動体列の荷重不均一が緩和さ
れ、転動体6、7の転動体荷重が小さくなり、転動体
5、8の転動体荷重が大きくなることがわかる。
【0037】この転動体荷重をもとに、Lndberg
−Palmgrenの寿命計算理論を適用して、計算寿
命を求めることができる(例えば、「転がり軸受・ころ
軸受の動的負荷容量」岡本純三著、正文社、平成2年、
第2刷)。ここで、転がり軸受の寿命Lは以下の式で表
わされる。 L=(C/P)p−−− (1)
−Palmgrenの寿命計算理論を適用して、計算寿
命を求めることができる(例えば、「転がり軸受・ころ
軸受の動的負荷容量」岡本純三著、正文社、平成2年、
第2刷)。ここで、転がり軸受の寿命Lは以下の式で表
わされる。 L=(C/P)p−−− (1)
【0038】多段スラスト軸受では4列のころがあるの
で、個々の列がそれぞれの軸受寿命特性を有し、その複
数の軸受の組み合せで軸受寿命が決定されるものとす
る。
で、個々の列がそれぞれの軸受寿命特性を有し、その複
数の軸受の組み合せで軸受寿命が決定されるものとす
る。
【0039】まず個々のころ列については、図5の転動
体荷重により軸受に負荷されるスラスト荷重が決まり、
(1)式から寿命Li(i:ころ列)が求まる。
体荷重により軸受に負荷されるスラスト荷重が決まり、
(1)式から寿命Li(i:ころ列)が求まる。
【0040】さらに上記寿命Liを基に、複数の軸受の
組み合せ寿命Lは以下の計算式を用いて求まる. 1/L=(1/L1 e+1/L2 e+1/L3 e+1/L4 e)1/e−−− (2)
組み合せ寿命Lは以下の計算式を用いて求まる. 1/L=(1/L1 e+1/L2 e+1/L3 e+1/L4 e)1/e−−− (2)
【0041】(2)式により求めた寿命値を、内輪1、
2、外輪3、4の軌道輪厚さが60mmのときの寿命値
Lを1として、寿命比で示している。
2、外輪3、4の軌道輪厚さが60mmのときの寿命値
Lを1として、寿命比で示している。
【0042】図6に示す計算結果によれば、外輪3が内
輪1の、内輪2が外輪4の1.1〜3.0倍の範囲内に
ある時、軌道輪の厚さが等しい場合の1.5倍以上の寿
命値を示し、内輪と外輪の厚さの比がこの範囲に入るよ
うに組み合わせれば長寿命が得られることが分かる。
又、外輪3が内輪1の、内輪2が外輪4の1.2〜2.
1倍の範囲内にある時、軌道輪の厚さが等しい場合の2
倍以上の寿命値を示し、内輪と外輪の厚さの比がこの範
囲に入るように組み合わせれば長寿命が得られることが
分かる。さらに、外輪3が内輪1の、内輪2が外輪4の
1.3〜1.8倍の範囲内にある時、軌道輪の厚さが等
しい場合の2.5倍以上の寿命値を示し、内輪と外輪の
厚さの比がこの範囲に入るように組み合わせればさらな
る長寿命が得られることが分かる。加えて、外輪3と内
輪1、内輪2と外輪4の厚さ比が約1.5の時にもっと
も長寿命となり、すなわち内輪1と外輪4の厚さが48
mm、外輪3と内輪2を72mmとした組み合せの場合
である。
輪1の、内輪2が外輪4の1.1〜3.0倍の範囲内に
ある時、軌道輪の厚さが等しい場合の1.5倍以上の寿
命値を示し、内輪と外輪の厚さの比がこの範囲に入るよ
うに組み合わせれば長寿命が得られることが分かる。
又、外輪3が内輪1の、内輪2が外輪4の1.2〜2.
1倍の範囲内にある時、軌道輪の厚さが等しい場合の2
倍以上の寿命値を示し、内輪と外輪の厚さの比がこの範
囲に入るように組み合わせれば長寿命が得られることが
分かる。さらに、外輪3が内輪1の、内輪2が外輪4の
1.3〜1.8倍の範囲内にある時、軌道輪の厚さが等
しい場合の2.5倍以上の寿命値を示し、内輪と外輪の
厚さの比がこの範囲に入るように組み合わせればさらな
る長寿命が得られることが分かる。加えて、外輪3と内
輪1、内輪2と外輪4の厚さ比が約1.5の時にもっと
も長寿命となり、すなわち内輪1と外輪4の厚さが48
mm、外輪3と内輪2を72mmとした組み合せの場合
である。
【0043】なお、図5および図6の計算例は、内輪
1、2、外輪3、4が同じ厚さの組み合せから、内輪1
と外輪4、内輪2と外輪3を同じ寸法だけ変化させたも
のであるが、内輪1と外輪4の減少させる値および内輪
2と外輪3の増加させる値を変えた組み合せとしても良
い。例えば図5で、ころ5,6の転動体荷重が等しくな
るのは、厚さを15mmずつ変えたときなのに対し、こ
ろ7,8の転動体荷重が等しくなるのは、厚さを10m
mずつ変えたときである。その場合も、(2)式の寿命
値が最も大きくなるように選定することが望ましい。ま
た、内輪1と外輪4の減少させる値と内輪2と外輪3の
増加させる値の総和が0であれば、軸方向の寸法を変え
ることなく設計可能である.
1、2、外輪3、4が同じ厚さの組み合せから、内輪1
と外輪4、内輪2と外輪3を同じ寸法だけ変化させたも
のであるが、内輪1と外輪4の減少させる値および内輪
2と外輪3の増加させる値を変えた組み合せとしても良
い。例えば図5で、ころ5,6の転動体荷重が等しくな
るのは、厚さを15mmずつ変えたときなのに対し、こ
ろ7,8の転動体荷重が等しくなるのは、厚さを10m
mずつ変えたときである。その場合も、(2)式の寿命
値が最も大きくなるように選定することが望ましい。ま
た、内輪1と外輪4の減少させる値と内輪2と外輪3の
増加させる値の総和が0であれば、軸方向の寸法を変え
ることなく設計可能である.
【0044】このように、本実施の形態によれば、内輪
と、ころを介して対向する外輪との肉厚を調整すること
により、両者の撓み量を近づけることができ、それによ
り、ころに生じるエッジロードを緩和し、列荷重の均一
化を図り、もって多段スラスト軸受の長寿命化を図るこ
とができる。
と、ころを介して対向する外輪との肉厚を調整すること
により、両者の撓み量を近づけることができ、それによ
り、ころに生じるエッジロードを緩和し、列荷重の均一
化を図り、もって多段スラスト軸受の長寿命化を図るこ
とができる。
【0045】以下,図面を参照して本発明の第2の実施
の形態について詳細に説明する.図7は,第2の実施の
形態による多段スラスト軸受の軸線方向断面図である。
図7に示す多段スラスト軸受の基本的構成は、図1に示
す多段スラスト軸受と同一であるため、主として異なる
点のみを説明する。
の形態について詳細に説明する.図7は,第2の実施の
形態による多段スラスト軸受の軸線方向断面図である。
図7に示す多段スラスト軸受の基本的構成は、図1に示
す多段スラスト軸受と同一であるため、主として異なる
点のみを説明する。
【0046】内輪1の内周面には、図7における上方側
に、テーパ角θAのテーパ面1aを形成している。外輪
3の外周面には、図7における下方側に、テーパ角θC
のテーパ面3aを形成している。
に、テーパ角θAのテーパ面1aを形成している。外輪
3の外周面には、図7における下方側に、テーパ角θC
のテーパ面3aを形成している。
【0047】同様に、内輪2の内周面には、図7におけ
る上方側に、テーパ角θBのテーパ面2aを形成してい
る。外輪4の外周面には、図7における下方側に、テー
パ角θDのテーパ面4aを形成している。
る上方側に、テーパ角θBのテーパ面2aを形成してい
る。外輪4の外周面には、図7における下方側に、テー
パ角θDのテーパ面4aを形成している。
【0048】ここで,ころ5、6の中心における内輪1
と外輪3の傾き量について考察する。内輪1と回転軸1
1,及び外輪3とハウジング13のすきまの大きさは、
回転軸11と内輪1、ハウジング13と外輪3の公差範
囲で、それぞれ任意にとりうる実寸により様々に変わり
うる。ここで、内輪1と回転軸11間のすきまが小さ
く、これに対し外輪3とハウジング13間のすきまが大
きいと仮定する。従来技術の如く、内輪1の内周面及び
外輪3の外周面がストレート(円筒面)であると、すき
まの大きい外輪3は内輪1と比べて大きく傾きことにな
る。
と外輪3の傾き量について考察する。内輪1と回転軸1
1,及び外輪3とハウジング13のすきまの大きさは、
回転軸11と内輪1、ハウジング13と外輪3の公差範
囲で、それぞれ任意にとりうる実寸により様々に変わり
うる。ここで、内輪1と回転軸11間のすきまが小さ
く、これに対し外輪3とハウジング13間のすきまが大
きいと仮定する。従来技術の如く、内輪1の内周面及び
外輪3の外周面がストレート(円筒面)であると、すき
まの大きい外輪3は内輪1と比べて大きく傾きことにな
る。
【0049】そこで、本実施の形態においては、内輪1
の内周面にテーパ面1aを形成すると共に、外輪3の外
周面にテーパ面3aを形成することにより、内輪1と回
転軸11及び外輪3とハウジング13の干渉を抑制する
ようにして、内輪1と外輪3の傾き量を近づけるように
している。
の内周面にテーパ面1aを形成すると共に、外輪3の外
周面にテーパ面3aを形成することにより、内輪1と回
転軸11及び外輪3とハウジング13の干渉を抑制する
ようにして、内輪1と外輪3の傾き量を近づけるように
している。
【0050】本発明者らが行った有限要素法の解析結果
によれば、多段スラスト軸受にアキシャル荷重がかかっ
た場合、内輪1、2は内周面における板厚方向のほぼ中
央(図7の点A及び点B)、外輪3,4は外周面におけ
る板厚方向のほぼ中央(図7の点C及び点D)を中心に
撓んでいることがわかった。更に、内輪1の内周面側の
板厚をl1、テーパ面1aの軸線方向寸法をl2とし、外
輪3の外周面側の板厚をl3、テーパ面3aの軸線方向
寸法をl4とすると、 1/8≦12/11≦1/2−−−(3) 1/8≦l3/l4≦1/2−−−(4) の範囲にあるのが好ましいことがわかった。
によれば、多段スラスト軸受にアキシャル荷重がかかっ
た場合、内輪1、2は内周面における板厚方向のほぼ中
央(図7の点A及び点B)、外輪3,4は外周面におけ
る板厚方向のほぼ中央(図7の点C及び点D)を中心に
撓んでいることがわかった。更に、内輪1の内周面側の
板厚をl1、テーパ面1aの軸線方向寸法をl2とし、外
輪3の外周面側の板厚をl3、テーパ面3aの軸線方向
寸法をl4とすると、 1/8≦12/11≦1/2−−−(3) 1/8≦l3/l4≦1/2−−−(4) の範囲にあるのが好ましいことがわかった。
【0051】また、外輪3,4とハウジング13のスキ
マが、内輪1,2と回転軸11のすきまより大きいとき
は、12/11≦l3/l4とすることが好ましく、また、
外輪3,4とハウジング13のスキマが、内輪1,2と
回転軸11のすきまより小さいときは、12/11≧l3
/l4とすることが好ましいことがわかった。
マが、内輪1,2と回転軸11のすきまより大きいとき
は、12/11≦l3/l4とすることが好ましく、また、
外輪3,4とハウジング13のスキマが、内輪1,2と
回転軸11のすきまより小さいときは、12/11≧l3
/l4とすることが好ましいことがわかった。
【0052】図9は、内輪内径400mm、外輪外径8
00mm、ころ径φ66mm、ころ有効長さ上段60m
m、下段66mm、内輪1、外輪4の厚み48mm、内
輪2、外輪3の厚み72mmの2段スラスト軸受に基本
動定格荷重9850kNまでアキシャル荷重をかけたと
きの荷重と、内輪内周面または外輪外周面の最大傾き角
の関係を示す図である。図9は、内輪内周面と回転軸、
外輪外周面とハウジングのすきま拘束がない状態での結
果を示し、その横軸において、基本動定格荷重を1とし
た時の値をプロットしている。荷重は衝撃荷重を考慮し
て、基本動定格荷重の3倍までとした。
00mm、ころ径φ66mm、ころ有効長さ上段60m
m、下段66mm、内輪1、外輪4の厚み48mm、内
輪2、外輪3の厚み72mmの2段スラスト軸受に基本
動定格荷重9850kNまでアキシャル荷重をかけたと
きの荷重と、内輪内周面または外輪外周面の最大傾き角
の関係を示す図である。図9は、内輪内周面と回転軸、
外輪外周面とハウジングのすきま拘束がない状態での結
果を示し、その横軸において、基本動定格荷重を1とし
た時の値をプロットしている。荷重は衝撃荷重を考慮し
て、基本動定格荷重の3倍までとした。
【0053】ここで、内輪1の内周面と回転軸11、外
輪3の外周面とハウジング13のすきまが異なると、ど
ちらか一方が干渉したときにそれ以上の傾きが制限さ
れ、内輪1と外輪3の傾き角に差が生じる。このため内
側のころ5と外側のころ6で転動体荷重分布に差が生
じ、短寿命化を招くエッジロードが生じる。
輪3の外周面とハウジング13のすきまが異なると、ど
ちらか一方が干渉したときにそれ以上の傾きが制限さ
れ、内輪1と外輪3の傾き角に差が生じる。このため内
側のころ5と外側のころ6で転動体荷重分布に差が生
じ、短寿命化を招くエッジロードが生じる。
【0054】そこで、本実施の形態においては、内輪
1、2の内周面と、外輪3,4の外周面に、それぞれテ
ーパ角θA、θB、θc、θDのテーパ面1a、2a、3
a、4aを設けることにより、内輪1,2及び外輪3,
4が傾いたときの相互干渉を阻止し、水平面に対する内
外輪の傾きを近づける(θ1≒θ2及びθ3≒θ4)ことに
より、転動体荷重の均一化を図っている。衝撃荷重が作
用して基本動定格荷重の3倍までの荷重が軸受に作用す
ると仮定すると、内輪内径面または外輪外径面に設ける
テーパ角θA、θB、θc、θDは、図9の結果より、荷重
が最大に作用したとしても4度以上でよいことがわか
る。ただし、このテーパ角を大きくしすぎると、間座と
軌道輪との接触面積が小さくなり、荷重を均等に支持で
きなくなったり、間座が座屈する恐れがあるので、テー
パ角は15゜以下とする必要がある。
1、2の内周面と、外輪3,4の外周面に、それぞれテ
ーパ角θA、θB、θc、θDのテーパ面1a、2a、3
a、4aを設けることにより、内輪1,2及び外輪3,
4が傾いたときの相互干渉を阻止し、水平面に対する内
外輪の傾きを近づける(θ1≒θ2及びθ3≒θ4)ことに
より、転動体荷重の均一化を図っている。衝撃荷重が作
用して基本動定格荷重の3倍までの荷重が軸受に作用す
ると仮定すると、内輪内径面または外輪外径面に設ける
テーパ角θA、θB、θc、θDは、図9の結果より、荷重
が最大に作用したとしても4度以上でよいことがわか
る。ただし、このテーパ角を大きくしすぎると、間座と
軌道輪との接触面積が小さくなり、荷重を均等に支持で
きなくなったり、間座が座屈する恐れがあるので、テー
パ角は15゜以下とする必要がある。
【0055】また、軸受の使用条件によっては、アキシ
ャル荷重がほとんど加わらず、回転軸の自重及び軸受す
きまによる傾きだけを考慮する場合もあるので、この場
合は、テーパ角度は約0.1度で足りる。したがって、
内輪内周面または外輪外周面におけるテーパ面のテーパ
角θは、 0.1°≦θ≦15°−−−(5) が好ましい。また、外輪3,4とハウジング13のスキ
マが、内輪1,2と回転軸11のすきまより大きいとき
は、内輪1,2側のテーパ角度を外輪3,4側のテーパ
角度より等しいか大きくすることが好ましく、また、外
輪3,4とハウジング13のスキマが、内輪1,2と回
転軸11のすきまより小さいときは、外輪3,4側のテ
ーパ角度を内輪1,2側のテーパ角度より等しいか大き
くすることが好ましいことがわかった。
ャル荷重がほとんど加わらず、回転軸の自重及び軸受す
きまによる傾きだけを考慮する場合もあるので、この場
合は、テーパ角度は約0.1度で足りる。したがって、
内輪内周面または外輪外周面におけるテーパ面のテーパ
角θは、 0.1°≦θ≦15°−−−(5) が好ましい。また、外輪3,4とハウジング13のスキ
マが、内輪1,2と回転軸11のすきまより大きいとき
は、内輪1,2側のテーパ角度を外輪3,4側のテーパ
角度より等しいか大きくすることが好ましく、また、外
輪3,4とハウジング13のスキマが、内輪1,2と回
転軸11のすきまより小さいときは、外輪3,4側のテ
ーパ角度を内輪1,2側のテーパ角度より等しいか大き
くすることが好ましいことがわかった。
【0056】内輪内径400mm、外輪外径800m
m、内輪1、外輪4の厚み48mm、内輪2、外輪3の
厚み72mmの2段スラスト軸受で、内輪内周面及び外
輪外周面がストレートのものと、本実施の形態の如くテ
ーパ面1a、2a、3a、4aを設けたものの、有限要
素法解析を行い、寿命の比較を行った結果を図10に示
す。尚、解析条件として、回転軸11と内輪1,2のす
きまは小さく、外輪3,4とハウジング13のすきまは
大きくできていると仮定した。荷重は、実用的な荷重域
である基本動定格荷重までとした。
m、内輪1、外輪4の厚み48mm、内輪2、外輪3の
厚み72mmの2段スラスト軸受で、内輪内周面及び外
輪外周面がストレートのものと、本実施の形態の如くテ
ーパ面1a、2a、3a、4aを設けたものの、有限要
素法解析を行い、寿命の比較を行った結果を図10に示
す。尚、解析条件として、回転軸11と内輪1,2のす
きまは小さく、外輪3,4とハウジング13のすきまは
大きくできていると仮定した。荷重は、実用的な荷重域
である基本動定格荷重までとした。
【0057】図10より、本実施の形態の如く内輪1お
よび外輪3にテーパ面1a、3aを設けたものは、従来
技術の如く周面がストレートのものと比較して、寿命が
著しく向上していることがわかる。特に、荷重が基本動
定格荷重の0.04倍から0.45倍の範囲では、寿命
が1.5倍以上となっている。さらに、荷重が基本動定
格荷重の0.06倍から0.3倍の範囲では寿命が2倍
以上となっている。
よび外輪3にテーパ面1a、3aを設けたものは、従来
技術の如く周面がストレートのものと比較して、寿命が
著しく向上していることがわかる。特に、荷重が基本動
定格荷重の0.04倍から0.45倍の範囲では、寿命
が1.5倍以上となっている。さらに、荷重が基本動定
格荷重の0.06倍から0.3倍の範囲では寿命が2倍
以上となっている。
【0058】尚、同様なことは、内輪2と、外輪4と、
ころ7、8との関係にも言える。すなわち、内輪2の内
周面及び外輪4の外周面にテーパ面2a、4aを形成す
ることにより、内輪2と回転軸11及び外輪4とハウジ
ング13が相互に干渉しないようにして、内輪2と外輪
4の傾き量を近づけることができる。
ころ7、8との関係にも言える。すなわち、内輪2の内
周面及び外輪4の外周面にテーパ面2a、4aを形成す
ることにより、内輪2と回転軸11及び外輪4とハウジ
ング13が相互に干渉しないようにして、内輪2と外輪
4の傾き量を近づけることができる。
【0059】このように、本実施の形態によれば、内輪
1,2の内周面及び外輪3,4の外周面の一部をテーパ
状にすることにより、両者の傾き量を近づけることがで
き、ころに生じるエッジロードを緩和し、列荷重の均一
化を図り、もって多段スラスト軸受の長寿命化を図るこ
とができる。
1,2の内周面及び外輪3,4の外周面の一部をテーパ
状にすることにより、両者の傾き量を近づけることがで
き、ころに生じるエッジロードを緩和し、列荷重の均一
化を図り、もって多段スラスト軸受の長寿命化を図るこ
とができる。
【0060】尚、第1の実施の形態と第2の実施の形態
について個々に説明したが、これは実施の一形態であっ
て、更に多くの実施の形態が考えられる。例えば、図1
に示す多段スラスト軸受の内輪1,2の内周面にテーパ
面を設け、外輪3,4の外周面にテーパ面を設けること
により組み合わせの効果が期待できる。すなわち、軌道
輪の肉厚を調整することにより、両者の撓み量を近づ
け、かつ軌道輪の周面の一部をテーパ状にすることによ
り、両者の傾き量を近づけ、それにより更なるエッジロ
ードの緩和を図って多段スラスト軸受装置の長寿命化を
図ることが出来る。第2の実施形態として説明した図7
は、この考え方のもと第1実施形態の厚さ48mmとさ
れている内輪1、外輪4、及び厚さ72mmとされてい
る内輪2、外輪3の厚さが選ばれており、第2実施形態
のテーパ面1a、2a、3a、4aの効果と相まって、
更なるエッジロードの緩和を図ることが出来るものであ
る。
について個々に説明したが、これは実施の一形態であっ
て、更に多くの実施の形態が考えられる。例えば、図1
に示す多段スラスト軸受の内輪1,2の内周面にテーパ
面を設け、外輪3,4の外周面にテーパ面を設けること
により組み合わせの効果が期待できる。すなわち、軌道
輪の肉厚を調整することにより、両者の撓み量を近づ
け、かつ軌道輪の周面の一部をテーパ状にすることによ
り、両者の傾き量を近づけ、それにより更なるエッジロ
ードの緩和を図って多段スラスト軸受装置の長寿命化を
図ることが出来る。第2の実施形態として説明した図7
は、この考え方のもと第1実施形態の厚さ48mmとさ
れている内輪1、外輪4、及び厚さ72mmとされてい
る内輪2、外輪3の厚さが選ばれており、第2実施形態
のテーパ面1a、2a、3a、4aの効果と相まって、
更なるエッジロードの緩和を図ることが出来るものであ
る。
【0061】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、本発明は基本動定格荷重に対
してP/Cが0.45以下の領域で使用されるころ軸受
のエッジロードによる短寿命に対し特に効果を有するも
のであるが、複列の軸受の荷重を平均化する効果を狙っ
て複列の玉軸受に適用した場合も、転動体列の荷重が均
等になるので、トルクの安定や長寿命化等の軸受性能の
向上に有効である。更に上述した実施の形態では、一例
として、2段のスラスト軸受について示したが、本発明
は、3段もしくはそれ以上の多段スラスト軸受全般に対
応できる。
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。例えば、本発明は基本動定格荷重に対
してP/Cが0.45以下の領域で使用されるころ軸受
のエッジロードによる短寿命に対し特に効果を有するも
のであるが、複列の軸受の荷重を平均化する効果を狙っ
て複列の玉軸受に適用した場合も、転動体列の荷重が均
等になるので、トルクの安定や長寿命化等の軸受性能の
向上に有効である。更に上述した実施の形態では、一例
として、2段のスラスト軸受について示したが、本発明
は、3段もしくはそれ以上の多段スラスト軸受全般に対
応できる。
【0062】
【発明の効果】第1の本発明の多段スラスト軸受によれ
ば、軸とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸
受において、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前
記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪
と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置される転
動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前
記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記
軸と前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪間座との
間に挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さは、前記一
方の軌道輪に対して前記転動体を介して対向する他方の
軌道輪の軸線方向厚さより薄くなっているので、前記内
外輪の撓み量を近づけることができ、それにより転動体
のエッジロードの低減を図ることができる。
ば、軸とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸
受において、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前
記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪
と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置される転
動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前
記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記
軸と前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪間座との
間に挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さは、前記一
方の軌道輪に対して前記転動体を介して対向する他方の
軌道輪の軸線方向厚さより薄くなっているので、前記内
外輪の撓み量を近づけることができ、それにより転動体
のエッジロードの低減を図ることができる。
【0063】第2の本発明の多段スラスト軸受によれ
ば、軸とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸
受において、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前
記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪
と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置される転
動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前
記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記
内輪の内周面及び/又は前記外輪の外周面の少なくとも
一部に、前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する逃げ
面を形成しているので、前記内輪が前記回転軸に対して
及び/又は前記外輪が前記ハウジングに対して傾く際
に、相互干渉が抑制され、その傾きが拘束されにくくな
り、それにより対向する内輪と外輪の軌道面間に傾きが
発生したときに、内輪も外輪もころにならって平行度を
維持しつつ傾くため、もって過大なエッジロードが生じ
ることを防ぐことができる。
ば、軸とハウジングとの間に配置される多段スラスト軸
受において、前記軸に取り付けられる複数の内輪と、前
記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、前記内輪
と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置される転
動体と、前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、前
記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、前記
内輪の内周面及び/又は前記外輪の外周面の少なくとも
一部に、前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する逃げ
面を形成しているので、前記内輪が前記回転軸に対して
及び/又は前記外輪が前記ハウジングに対して傾く際
に、相互干渉が抑制され、その傾きが拘束されにくくな
り、それにより対向する内輪と外輪の軌道面間に傾きが
発生したときに、内輪も外輪もころにならって平行度を
維持しつつ傾くため、もって過大なエッジロードが生じ
ることを防ぐことができる。
【図1】第1の実施の形態による多段スラスト軸受の軸
線方向断面図である。
線方向断面図である。
【図2】従来技術による多段スラスト軸受の軸線方向断
面図である。
面図である。
【図3】負荷時における、図2に示す多段スラスト軸受
の一部の変形状態のモデルを示す図である。
の一部の変形状態のモデルを示す図である。
【図4】無負荷時における、図2に示す多段スラスト軸
受の一部を示す図である。
受の一部を示す図である。
【図5】軌道輪(内外輪)の厚さを変えたときの転動体
荷重の変化を示す図である。
荷重の変化を示す図である。
【図6】軌道輪の厚さの比と寿命比との関係を示した図
である。
である。
【図7】第2の実施の形態による多段スラスト軸受の軸
線方向断面図である。
線方向断面図である。
【図8】従来技術による多段スラスト軸受の軸線方向断
面図である。
面図である。
【図9】2段スラスト軸受にアキシャル荷重をかけたと
きの荷重と、内輪内周面または外輪外周面の最大傾き角
の関係を示す図である。
きの荷重と、内輪内周面または外輪外周面の最大傾き角
の関係を示す図である。
【図10】内輪内周面と外輪外周面がストレート(円筒
面)である多段スラスト軸受と、内輪内周面と外輪外周
面にテーパ面を設けた本実施の形態とにおける寿命比較
結果を示した図である。
面)である多段スラスト軸受と、内輪内周面と外輪外周
面にテーパ面を設けた本実施の形態とにおける寿命比較
結果を示した図である。
1、2 内輪 3、4 外輪 5,6;7,8 ころ 9 内輪間座 10 外輪間座 11 回転軸 13 ハウジング
Claims (2)
- 【請求項1】 軸とハウジングとの間に配置される多段
スラスト軸受において、 前記軸に取り付けられる複数の内輪と、 前記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、 前記内輪と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置
される転動体と、 前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、 前記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、 前記軸と前記内輪間座、又は前記ハウジングと外輪間座
との間に挟持される一方の軌道輪の軸線方向厚さは、前
記一方の軌道輪に対して前記転動体を介して対向する他
方の軌道輪の軸線方向厚さより薄くなっている多段スラ
スト軸受。 - 【請求項2】 軸とハウジングとの間に配置される多段
スラスト軸受において、 前記軸に取り付けられる複数の内輪と、 前記ハウジングに取り付けられる複数の外輪と、 前記内輪と、これに隣接する前記外輪との間に各々配置
される転動体と、 前記複数の内輪間に配置される内輪間座と、 前記複数の外輪間に配置される外輪間座と、を有し、 前記内輪の内周面及び/又は前記外輪の外周面の少なく
とも一部に、前記内輪及び/又は外輪の傾きを許容する
逃げ面を形成した多段スラスト軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000236355A JP2001311426A (ja) | 1999-08-09 | 2000-08-04 | 多段スラスト軸受 |
Applications Claiming Priority (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22510699 | 1999-08-09 | ||
JP2000052078 | 2000-02-23 | ||
JP11-225106 | 2000-02-23 | ||
JP2000-52078 | 2000-02-23 | ||
JP2000236355A JP2001311426A (ja) | 1999-08-09 | 2000-08-04 | 多段スラスト軸受 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001311426A true JP2001311426A (ja) | 2001-11-09 |
JP2001311426A5 JP2001311426A5 (ja) | 2005-08-11 |
Family
ID=27330997
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000236355A Withdrawn JP2001311426A (ja) | 1999-08-09 | 2000-08-04 | 多段スラスト軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001311426A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6843605B2 (en) | 2001-09-26 | 2005-01-18 | Ntn Corporation | Roller thrust bearing |
WO2013031248A1 (ja) * | 2011-08-29 | 2013-03-07 | 日本精工株式会社 | 油圧式無段変速機用スラスト軸受 |
-
2000
- 2000-08-04 JP JP2000236355A patent/JP2001311426A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6843605B2 (en) | 2001-09-26 | 2005-01-18 | Ntn Corporation | Roller thrust bearing |
US7273319B2 (en) | 2001-09-26 | 2007-09-25 | Ntn Corporation | Roller thrust bearing |
US7707723B2 (en) | 2001-09-26 | 2010-05-04 | Ntn Corporation | Method of producing a roller thrust bearing having a plurality of rows of rollers |
WO2013031248A1 (ja) * | 2011-08-29 | 2013-03-07 | 日本精工株式会社 | 油圧式無段変速機用スラスト軸受 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050117 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050117 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20070515 |