JP2001309791A - 癌細胞の判別方法 - Google Patents

癌細胞の判別方法

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JP2001309791A JP2000138250A JP2000138250A JP2001309791A JP 2001309791 A JP2001309791 A JP 2001309791A JP 2000138250 A JP2000138250 A JP 2000138250A JP 2000138250 A JP2000138250 A JP 2000138250A JP 2001309791 A JP2001309791 A JP 2001309791A
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Hajime Kaneuchi
一 金内
Makoto Kamimori
眞 神森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細胞レベルでの癌細胞の判定を可能とする、高
感度かつ信頼性の高い方法の提供が本発明の課題であ
る。 【解決手段】本発明は、被検細胞におけるテロメラーゼ
のRTサブユニット(hTERT)の発現レベルを、mRNAのin si
tu ハイブリダイゼーション(ISH)によって検出し、正常
細胞の発現レベルと比較する工程を含む、癌細胞の判別
方法である。ISHの利用により細胞レベルでの判別が可
能となった。また、hTERTを指標とすることにより、高
い感度と特異性を実現した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正常細胞と癌細胞
とを判別するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ヒトをはじめとする哺乳動物から酵母に
至る真核生物では、細胞の染色体の末端にテロメアと呼
ばれるDNA反復配列が存在する。たとえばヒトのテロメ
アはTTAGGGの6ヌクレオチドのテロメア反復配列から構
成され、その平均長は約7キロ〜10キロベースに及ぶ。
テロメアは、染色体の安定化に重要な役割を果たしてい
るものと考えられている。例えばある種の癌細胞におい
て、テロメアの欠損により染色体末端同士が融合する現
象が観察されている。
【0003】また、染色体末端のテロメアは、細胞分裂
に伴って短くなることが知られている。染色体DNAの複
製において、リーディング鎖は、3'末端をプライマーと
してDNAポリメラーゼにより連続的に複製される。一方
ラギング鎖では、5'末端のRNAプライマーからの断続的
な複製のため、このRNA部分がDNAに置き換えられない。
このため、複製後の染色体DNAの5'末端が細胞分裂を重
ねるたびに短小化するものと考えられている。
【0004】テロメアは、多少短くなっても致死的では
ない緩衝DNA領域の役割を果たしている。またテロメア
の短小化と老化には密接な関連があることが明らかにさ
れている。動物細胞の初代培養細胞は一般に培養を数十
世代繰り返すと突然DNA複製が停止し、増殖しなくなる
ことが知られている。これは細胞の老化現象の主な特徴
の一つである。テロメアの長さも世代を繰り返すごとに
徐々に短小化することから、老化現象の原因を、テロメ
アの短小化によって説明するモデルが広く受け入れられ
ている。
【0005】短小化したテロメアは、テロメラーゼと呼
ばれる酵素により修復され、テロメアが伸長される。テ
ロメラーゼは、鋳型DNAを必要とせず、自身の構成成分
の一つであるガイドRNAを鋳型として、反復配列を染色
体両端に付加する働きがある。Tetrahymenaやヒトな
ど、いくつかの生物種においてテロメラーゼの構造が明
らかにされている。たとえばヒトテロメラーゼは、次の
3つのコンポーネントからなる複合酵素であることが示
されている(Science 269,1236-41,1995; Science275,97
3-7,1997; Cell 88,875-84,1997,; Science 277,955-9,
1997, Cell 90,785-95,1997, Hum.Mol.Genet. 6,2011-
9,1997)。 テロメラーゼRNAコンポーネント(human telomerase RNA
component; hTR)、 テロメラーゼ逆転写酵素コンポーネント(human telomer
ase reverse transcriptase;hTERT)、 テロメラーゼアソシエートプロテイン(human telomeras
e associated protein; TEP1) hTRは、ガイドRNAとしてテロメラーゼによる伸長反応の
ための鋳型として機能することが知られている。またhT
ERTは逆転写酵素モチーフを含み、実際にin vitroにお
けるhTRとの再構成によってテロメラーゼ活性を発現す
ることが確認された(Nat. Genet.17:498-502,1997, Cur
r.Biol.8:177-180,1998)ことから、テロメラーゼの逆転
写酵素活性を担う構成要素と考えられている。テロメラ
ーゼは、癌組織および正常組織の両方において発現して
いるが、癌化の進行に伴う発現レベルの上昇が報告され
ている。通常の細胞はごく弱いテロメラーゼ活性しか示
さないのに対して、多くの癌組織からは強いテロメラー
ゼ活性が見出されており、テロメラーゼ活性と癌との関
連が注目されている。
【0006】両者の関連に基づいて、テロメラーゼ活性
を指標とした癌組織の判定方法が報告されている(Exp.
Cell Res.,240,333-339,1998)。テロメラーゼ活性の測
定法としては、現在TRAP (telomeric repeat amplifica
tion protocol)法が一般的に知られている。TRAP法は、
検体から調製した細胞抽出液をテロメラーゼの基質とな
るオリゴヌクレオチドと反応させ、テロメア反復配列を
合成、付加させた後、PCRによってその伸長産物を増幅
して検出する方法である。TRAP法では、細胞抽出液を試
料とすること、そしてPCRの増幅産物を電気泳動で確認
しなければならないことから、均一化した組織を試料と
せざるを得ない。したがって、TRAP法を用いる限り、癌
細胞を細胞レベルで判別することは困難である。更に、
癌組織の種類によっては、主にPCRに対して阻害的に働
く作用を持ったものもあり、擬陰性反応の原因となって
いた。また、TRAP法に基づく癌組織の判定方法において
は、リンパ球の混入が多くの腫瘍組織で擬陽性の原因と
なることが知られている。さらに、元来テロメラーゼ活
性は、生殖細胞、リンパ球、癌細胞で強発現し、消化管
の幹細胞においては正常細胞でも弱発現を示す。この正
常組織で弱いながらも活性を示すテロメラーゼの作用を
陽性と見誤る可能性もあった。このようにテロメラーゼ
活性を指標とした癌組織の判定法には、正確性の点で改
善が望まれていた。
【0007】近年、癌細胞におけるヒトテロメラーゼサ
ブユニットの一つであるhTRのmRNAを、in situ ハイブ
リダイゼーション(以下、ISHと省略する)により検出
する試みがなされた(Heine B. et al. J. Pathol. 185:
139-144, 1998)。しかしこの検出法では、正常細胞で
もしばしば陽性反応を示すことがあり、特異性の面で問
題があった。hTRはテロメラーゼ活性の強弱に関わら
ず、正常細胞でも発現が見られる遺伝子である。したが
って、テロメラーゼ活性と、hTRを指標とするテロメラ
ーゼ遺伝子の発現レベルとは、相関しない可能性が疑わ
れた。実際、胃がん組織を対象としたRT-PCRによる解析
によれば、テロメラーゼの活性はテロメラーゼのhTRやT
EP1の発現強度とは必ずしも相関しないことが示されて
いる(CANCERVol.86,No.4,559-565,1999)。テロメラーゼ
ではなく、他の癌関連遺伝子を指標としてISHによって
癌細胞の判別を試みた報告もある(Am.J.Pathol.147/5,1
238-1247,1995)。しかし、この報告においては癌細胞の
識別というよりも、むしろその悪性度の判定に有用であ
ったことが示されている。また、テロメラーゼ以外の遺
伝子を指標としたISHでは、正常組織における発現が判
別を困難にする可能性が考えられる。更に細胞中のテロ
メラーゼを免疫染色によって確認する方法が報告されて
いる(Wataru Yasui, eiji Tahar et al,Japanese Journ
al of Cancer Research Vol.90 No.6 June 589-595 199
9, Immunohistochemical detection of human telomera
se reverse transcriptase in normal mucosa and prec
ancerous lesions ofthe stomach)。免疫染色は、用い
る抗体の特性や、組織標本の調製条件によって染色結果
が大きく左右される。したがって、再現性を高い水準に
維持するには、高度な技術が要求される。以上のよう
に、細胞レベルでの癌細胞の判定を可能とする、感度と
特異性に優れた方法は知られていない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞レベル
での癌細胞の判定を可能とする、高感度かつ信頼性の高
い方法の提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】癌細胞を細胞レベルで判
別するためには、ISHが有利であることは言うまでもな
い。しかしテロメラーゼのmRNAを検出するための公知の
プローブでは、たとえば先に述べたhTRのmRNAをターゲ
ットとするときのように、必ずしも癌細胞を的確に判別
することができないという問題点があった。そこで本発
明者らは、癌細胞を特異的に、しかも高い感度で判別す
ることができる指標について研究を重ねた。
【0010】テロメラーゼが、3つのコンポーネントか
らなることは既に述べた。これらのコンポーネントをコ
ードする遺伝子のうち、本発明者らはヒトテロメラーゼ
の触媒タンパク質サブユニットであるhTERTに着目し
た。hTERTは逆転写酵素モチーフを有しており、テロメ
ラーゼ陽性細胞株において高い発現レベルを示すが、テ
ロメラーゼ陰性細胞株では高い発現が見られない。その
結果、hTERTのmRNAをターゲットとするプローブを用い
てISHを行うことにより、高度に特異的な癌細胞の判別
方法を実施できることを見出し、本発明を完成した。す
なわち本発明は、次のような癌細胞の判別方法、ならび
にそのためのプローブに関する。
【0011】〔1〕被検組織における癌細胞の判別方法
であって、(i)被検組織を構成する細胞におけるテロメ
ラーゼの逆転写酵素コンポーネントの発現レベルを、該
酵素のmRNAのin situ ハイブリダイゼーションにより決
定する工程、(ii)正常細胞におけるテロメラーゼの逆転
写酵素コンポーネントの発現レベルと比較して、有意に
高い発現レベルを示す細胞を、癌細胞と判定する工程、
を含む方法。 〔2〕配列番号:1に記載の塩基配列からなるポリヌク
レオチドとストリンジェントな条件でハイブリダイズ
し、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有する、
〔1〕に記載の癌細胞の判別方法のためのハイブリダイ
ゼーション用プローブ。 〔3〕配列番号:3から10のいずれかに記載の塩基配
列からなる、〔2〕に記載のハイブリダイゼーション用
のプローブ。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、癌細胞の判別のための
ISHにおいて、テロメラーゼの触媒タンパク質サブユニ
ットのmRNAをターゲットとすることを特徴とする。触媒
タンパク質サブユニットは、種を越えてテロメラーゼに
見出される構造である。たとえばヒトテロメラーゼは、
配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAによってコ
ードされる。したがって、配列番号:1に示す塩基配列
からなるmRNAに対してストリンジェントな条件下でハイ
ブリダイズすることができるオリゴヌクレオチドは、本
発明の癌細胞判別方法におけるプローブに有用である。
なお配列番号:1に示す塩基配列は、cDNAの塩基配列と
して記載したのでチミン(t)を含んでいるが、mRNAにお
いてはtに換えてウリジン(u)が用いられることは言うま
でもない。
【0013】本発明によって判別することができる癌細
胞は、ヒトに由来する細胞に限定されない。たとえば、
マウス(Oncogene 16,1723-1730,1998)においてもテロメ
ラーゼの触媒タンパク質サブユニットをコードする遺伝
子の塩基配列は明らかにされている。したがって、これ
らの塩基配列に基づいて、マウスでも本発明による癌細
胞の判別を行うことができる。
【0014】プローブの設計にあたっては、触媒タンパ
ク質をコードする遺伝子の塩基配列の中でも、特に他の
遺伝子との交差反応性の低い塩基配列を選択するのが有
利である。このような塩基配列は、公知のホモロジー検
索アルゴリズムに基づいて設計することができる。塩基
配列の検索アルゴリズムとしては、FastA等が一般的で
ある。たとえば「the Genetic Computer Group 配列解
析プログラム(GCG, Madison, WI)」を利用することによ
り、FastAに基づくホモロジーサーチを行うことができ
る。具体的には、まずテロメラーゼの触媒タンパク質を
コードする塩基配列を、GenBank等のDNA配列データベー
スに登録された塩基配列に対してホモロジーサーチす
る。ホモロジーサーチによって、目的のテロメラーゼ遺
伝子に対しては100%のホモロジーを持ち、それ以外の遺
伝子配列とホモロジーができるだけ小さい塩基配列を明
らかにする。
【0015】本発明においてプローブとして好適な塩基
配列は、検出対象となる遺伝子に対して、ストリンジェ
ントな条件下でハイブリダイズが可能となるように設計
する。ISH用のプローブには、通常mRNA(センス鎖)に
対する相補的な塩基配列(アンチセンス)からなるオリ
ゴヌクレオチドプローブや、cRNAプローブが用いられ
る。具体的には、たとえばオリゴヌクレオチドプローブ
を用いる場合には、10〜100塩基、好ましくは20
〜50塩基の連続した塩基配列を選択する。またcRNAプ
ローブにおいては、50〜1000塩基、より好ましく
は、200〜800塩基程度のプローブを利用するのが
一般的である。このようにして選択された塩基配列から
なるプローブは、実際にいくつかの癌細胞と正常細胞に
対してハイブリダイズさせ、癌細胞に特異的なシグナル
を与えることを確認し、本発明に用いることができる。
【0016】本発明のISH用プローブは、化学合成やT7R
NAポリメラーゼ等による酵素的な合成などによって調製
することができる。たとえば化学的にプローブを合成す
る場合には、先に設定したhTERTに特異的な塩基配列に
したがって、公知のオリゴヌクレオチド合成法に基づい
て合成することができる。具体的には、たとえば次に示
したような塩基配列は、hTERTのmRNA検出用プローブと
して望ましい。
【0017】 5'- CCC CGC CGC CCC CTC CTT CCG CCA GGT GTC -3' 配列番号:3 5'- CTC ATC AGC CAG TGC AGG AAC TT -3' 配列番号:4 5'- GTA GTT GAG CAC GCT GAA CAG -3' 配列番号:5 5'- TCC TTC TGC ATC CTG TCG GCA -3' 配列番号:6 5'- TCC TGG GCC CGC ACA CGC AGC ACG AAG GTG -3' 配列番号:7 5'- GCC TCG TCT TCT ACA GGG AAG TTC ACC ACT GTC TT -3' 配列番号:8 5'- GTC ACT CCA AAT TCC CAG AG -3' 配列番号:9 5'- ACT CAT ATA TTC AGT ATT TT -3' 配列番号:10 これらの塩基配列からなるオリゴヌクレオチドを化学的
に合成することにより、hTERTのmRNAをより特異的に検
出することができる癌細胞の判別に有用なプローブを得
ることができる。こうして得られたプローブは、ヒト大
腸癌組織に対して特異的なシグナルを与えるプローブと
して、本発明者らによって選択されたプローブである。
特異的なプローブを用いることによって、高いストリン
ジェンシーの下で反応を実施することができ、その結果
としてバックグランドは下がり必然的に感度の向上がも
たらされる。
【0018】あるいはRNAポリメラーゼによってcRNAを
得るには、目的とする遺伝子の上流にRNAポリメラーゼ
のプロモーターを連結したベクターを鋳型として、RNA
ポリメラーゼを作用させることによってcRNAを多量に合
成することもできる。より具体的には、たとえばhTERT
のmRNAに由来する194bpの両端に、SP6RNApolymeraseのp
romoter配列(5'側)とT7RNA polymerase のpromoter配列
(3'側)を付加して鋳型とする(251bp、配列番号:
2)。この鋳型にSP6RNAポリメラーゼを作用させれば、
センス鎖のcRNAが、そしてT7RNAポリメラーゼを作用さ
せたときには、アンチセンス鎖のcRNAが転写される。ア
ンチセンス鎖cRNAは、mRNA検出用のプローブとして、ま
たセンス鎖cRNAは競合阻害による対照用のプローブとし
て用いることができる。酵素的に合成されたcRNAは、ジ
ゴキシゲニンやビオチン等で標識することができる。DI
G-ハイプライム、ビオチン-ハイプライム(code No.6360
90: Boehriger Mannheim社)等の、標識用の試薬が市販
されている。
【0019】本発明に基づく癌細胞の判別方法における
ISHは、公知の方法によって実施することができる。以
下に、本発明におけるISHの具体的な手順を述べる。ま
ずISHのための組織標本は、一般に次のようにして調製
することができる。外科的に切除した組織標本や、リン
パ球細胞などをホルマリン固定する。ホルマリン固定標
本はパラフィン包埋し、5〜20μm程度の切片とす
る。あるいは凍結切片として標本を作製することもでき
る。
【0020】次にテロメラーゼのmRNAを検出するための
プローブは、公知の方法によって標識しておく。具体的
には、前記のような工程を経て決定した塩基配列からな
るISH用プローブを合成するときに、標識ヌクレオチド
誘導体を取りこませることにより、標識プローブとする
ことができる。標識ヌクレオチド誘導体としては、35S
等の放射性同位元素(RI)、ジゴキシゲニン、あるいはビ
オチン等で標識したヌクレオチドが用いられている。あ
るいは、プローブとして用いるオリゴヌクレオチドに、
直接標識物質を結合することもできる。たとえば、3'末
端にダイレクトカップリングによってビオチンを連結す
る方法や、3'末端にターミナルトランスフェラーゼによ
って標識ヌクレオチドを連結する方法が公知である。
【0021】切片を予めサケ精子DNA断片等で処理して
ブロッキングした後に、ストリンジェントな条件下でIS
H用プローブを反応させる。ストリンジェントな条件と
は、例えば42℃、2×SSC、0.1%SDSの条件であり、好ま
しくは50℃、2×SSC 、0.1%SDSの条件であり、さらに
好ましくは、65℃、0.1×SSC及び0.1%SDSの条件であ
る。これらの条件において、温度を上げる程に高い相同
性を有するDNAが効率的に得られることが期待できる。
ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーに影響す
る要素としては温度や塩濃度など複数の要素が考えら
れ、当業者であればこれら要素を適宜選択することで同
様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
【0022】なお、プローブの標識に用いる酵素の活性
と同じ活性が切片中に存在する場合は、バックグラウン
ドを下げるために上記ハイブリダイゼーションに先立っ
て予めその活性をブロックしておくことが望ましい。例
えば、プローブをビオチンで標識した場合、組織切片中
の内因性ビオチンの失活処理を行う。例えば、アビジン
溶液で処理し、洗浄後ビオチン溶液で処理する。より具
体的には以下の手順を示すことができる。 (1)アビジン溶液で10〜20分間処理する。 (2)TBSTにて3分間、3回洗浄する。 (3)ビオチン溶液(0.3M NaClを添加)で10〜20分間処
理する。 (4)TBSTにて3分間、3回洗浄する。
【0023】次に目的の遺伝子(mRNA)とハイブリダイズ
した標識プローブの検出を行う。例えば、プローブがジ
ゴキシゲニンによって標識されたものであれば、検出用
の試薬として抗ジゴキシゲニン抗体を用いることができ
る。プローブがビオチンによって標識されたものであれ
ば、検出用の試薬としてストレプトアビジンを用いるこ
とができる。前記試薬は、シグナルを生成するレポータ
ー分子を結合しておくことができる。レポーター分子と
しては、HRP(西洋ワサビペルオキシダーゼ)、アルカ
リフォスファターゼなどの酵素が一般に用いられる。な
お、レポーター分子としてHRPを用いる場合、予め切片
中の内因性HRPをブロッキングしておくことが望まし
い。例えば、過酸化水素水/メタノールに20分間浸す処
理を施す。より具体的には次の手順を示すことができ
る。 (1)0.3%過酸化水素水/メタノールに20分間浸す。 (2)TBS (50mM Tris-HCl, 150mM NaCl (pH 7.6))中で
3分間、2回洗浄する。
【0024】検出用試薬を反応後、結合しなかった余剰
の試薬を除き、レポーター分子を検出することにより、
プローブに由来するシグナルを確認できる。レポーター
分子は、その活性に応じて公知の方法により検出するこ
とができる。レポーター分子が酵素であるならば、発色
や発光により検出することができる。例えば、レポータ
ー分子がHRPであれば、DAB発色試薬にて発色反応を施す
ことができる。あるいはRI標識プローブを用いた場合に
は、オートラジオグラフィーによってRIの存在を検出す
ることができる。
【0025】被検組織とともに、同一の宿主から得られ
た正常組織についても同様の操作を行い、その結果を対
照として、プローブに由来するシグナルを比較する。被
検組織が固形癌である場合には、正常細胞として同じ標
本に由来する、明らかに正常であると思われる細胞を用
いるのが望ましい。先に述べたように、本発明に用いる
ISH用プローブは、テロメラーゼの触媒活性サブユニッ
トをコードする遺伝子に特異的であるものを用いるべき
である。しかし現実には、完全に目的とする遺伝子のみ
と反応することを期待するのは困難な場合もある。つま
り、常に非特異的な反応の可能性を考慮しなければなら
ない。そこで、同一宿主のしかも被検組織と隣接する部
位の正常細胞を対照とすることにより、非特異的な反応
に起因するシグナルを相殺することができる。対照に対
して有意に強いシグナルが観察された細胞は、癌細胞で
あると判定することができる。なお、明らかに正常と思
われる細胞は、通常は顕微鏡によって確認することがで
きる。
【0026】更に、同じ組織の標本について、RNase処
理によってmRNAを分解した後に同様の操作を行って、シ
グナルの消失を確認することによって、ISHのシグナル
が特異的なシグナルであったことを確認することができ
る。あるいは、陽性のシグナルが観察された標本に用い
たプローブのアンチセンス配列を加えて標識プローブを
置換することにより、シグナルの特異性を確認すること
もできる。この場合は、シグナルがハイブリダイゼーシ
ョンに基づく特異的なものであれば、アンチセンスの添
加によって置換され、シグナルが弱まる。同様に、同じ
組織標本に対して、標識プローブと同じ塩基配列からな
る未標識オリゴヌクレオチドを競合させて、シグナルの
低下を観察すれば、シグナルがハイブリダイゼーション
によってもたらされたものであることを確認することが
できる。一方、対照においては、これらの処理によるシ
グナルの低下が見られない場合に、そのシグナルがテロ
メラーゼのmRNAに由来しないシグナル(バックグランド
シグナル)であることを確認することができる。
【0027】本発明による癌細胞の判別方法を実施する
ための、ISH用プローブ、標識検出用試薬、並びに洗浄
液等をパッケージとして、癌細胞の判別用キットとする
ことができる。このキットには、手技や構成試薬類の正
確性を確認することを目的として、陽性対照や陰性対照
となる標準試料を添付することもできる。以下、実施例
に基づいて本発明を更に具体的に説明する。
【0028】
【実施例】1.組織サンプル 26の結腸大腸がん組織、および隣接する正常結腸大腸
粘膜を、東京都老人医療センター(東京、日本)で結腸
大腸の切除の手術を受けた26人の患者から得た。結腸大
腸国際対がん連合の腫瘍結節転移(International Union
Against Cancer tumor-node-metastasis)分類に従っ
て、ステージ分けを行った。
【0029】2.TRAP (telomeric repeat amplificati
on protocol) アッセイ 外科的切除の後、組織を液体窒素で速やかに凍結させ、
使用するまで-80℃で保存した。全ての組織標品を、顕
微鏡を使って確認した。がん細胞ではない粘膜には、が
ん細胞は観察されなかった。ライセートは以下の手順で
調製した。まず、液体窒素中で凍結した組織を粉状に
し、氷冷したLysisバッファー(10 mM Tris-HCl (pH7.
5)、1mM MgCl2、1mM EGTA、0.1mM フェニルメチルスル
ホニルフッ化物、5mM β-メルカプトエタノール、0.5%
CHAPS、10% グリセロール)200μLでホモジナイズした
後、氷上で30分間インキュベートした。ライセートを、
4℃、10000 x gで、20分間遠心し、上清と沈殿を別々に
素早く凍結させ、-80℃で保存した。上清のタンパク質
の濃度は、Bradford assay (Bio-Rad, Hercules, CA)に
よって測定した。アッセイチューブを、ワックスバリア
(Ampliwax; Perkin-ElmerCetus, Foster City, CA)を使
って、0.1μgのCXプライマー5'-CCCTTACCCTTACCCTTACCT
AA-3’(配列番号:11)を隔離することにより調製し
た。6μgタンパク質に相当する抽出物を、下記の組成か
らなる50μlの反応液によりアッセイした。
【0030】反応液の組成: 20 mM Tris-HCl (pH 8.3) 1.5 mM MgCl2 63 mM KCl 0.005% Tween20 1 mM EGTA 50μM dNTPs 150 kBq [α-32P]dCTP 0.1μg TSプライマー (United States Biochemicals, C
leaveland, OH) 5'-AATCCGTCGAGCAGAGTT-3'(配列番号:12) 1μg T4 gene32 タンパク質 2 units Taq DNAポリメラーゼ (GIBCO-BRL, Gaithersbu
rg, MD) 室温で30分インキュベートすることにより、テロメラー
ゼによるTSプライマーの伸長の後、反応液を90℃で90秒
加温し、94℃で30秒、50℃で30秒、72℃で45秒の31サイ
クルのPCR反応を行った。その後、PCR産物を10%ポリア
クリルアミドゲルで電気泳動を行った。TRAPアッセイの
結果、26の結腸大腸がん組織では高いテロメラーゼ活
性が確認された。また、癌のステージが進むのにつれ
て、テロメラーゼ活性が高くなる傾向が見られた。一
方、隣接する正常結腸大腸粘膜においては、テロメラー
ゼ活性は検出されなかった。
【0031】3.RNAのRT-PCR解析 外科的切除の後、組織を液体窒素で速やかに凍結させ、
使用するまで-80℃で保存した。全ての組織標品を、顕
微鏡を使って確認した。がん細胞ではない粘膜には、が
ん細胞は観察されなかった。各標本における、テロメラ
ーゼサブユニットの発現を、RT-PCR増幅により解析し
た。全RNAを、Isogen (ニッポンジーン、東京、日本)
を用い、添付プロトコールに従って組織から単離した。
ランダムヘキサマーと共にM-MLv逆転写酵素(Gibco-BRL)
を利用して1μgの全RNAからcDNAを合成した。このcDNA
を鋳型として、hTERTのmRNA増幅用プライマーで、30
サイクル(94℃で30秒、60℃で30秒、72℃で90秒)のPC
Rにより増幅した。PCR産物を、2% SeaKemアガロースゲ
ル、または3% NuSieve 3:1アガロースによって電気泳動
した。RT-PCRに用いたプライマーの塩基配列は次のとお
りである。 hTERTF(配列番号:13): 5'-CCTCTGTGCTGGGCCTGGACGATA-3' hTERTR(配列番号:14): 5'-ACGGCTGGAGGTCTGTCAAGGTAG-3' RT-PCRの結果、26の結腸大腸がん組織ではhTERTに相
当する230 bpのバンドが明瞭に確認できた。しかし隣接
する正常結腸大腸粘膜においても、同じサイズのバンド
が確認されるものがあった。RT-PCRでは擬陽性が生じる
可能性が考えられた。
【0032】4.ISH用オリゴヌクレオチドプローブ まずオリゴヌクレオチド配列の特異性を、FastAアルゴ
リズムに基づく「the Genetic Computer Group 配列解
析プログラム(GCG, Madison, WI)」を利用した、GenBan
kデータベースサーチにより決定した。このサーチによ
って、hTERTと100%のホモロジーを示し、かつそれ以外
の非特異的遺伝子配列に対してはできるだけホモロジー
の低い塩基配列を選択できる。こうして選択された塩基
配列のアンチセンス配列(配列番号:15)をプローブ
hTERTAとして用いた。センス配列(配列番号:16)に
ついては、後に述べる対照の試験用のプローブhTERTSと
して用いた。各プローブは、公知の方法によって合成し
た。標準ホスホルアミダイトケミストリー(Research Ge
netics, Huntsville, AL)を利用したダイレクトカップ
リングにより、全てのDNAプローブの3’末端に、6つの
ビオチン分子を付加した。 hTERTA(配列番号:15): 5'-GACACCTGGCGCAAGGAGGGGGCGGCGGGG-3' hTERTS(配列番号:16): 5'-CCCCGCCGCCCCCTCCTTCCGCCAGGTGTC-3'
【0033】5.In situ ハイブリダイゼーション法の
染色手順 In situ ハイブリダイゼーション法の染色は、GenPoint
System (Code No.K0620)を用いて行った。使用した試
薬類は、併記したCode No.によりGenPoint-Dako社から
購入することができる。またハイブリダイゼーションに
は、配列番号:8(5'-gcctcgtctt ctacagggaa gttcacca
ct gtctt-3')に示した塩基配列からなる、ジゴキシゲニ
ン標識した合成オリゴヌクレオチドをプローブとして用
いた。具体的な操作を以下に示す。 ステップ1: 脱パラフィン・親水化 1 標本を貼付したスライドをキシレンに3分間、3回浸
した。 2 99%エタノールに3分間、2回浸した。 3 95%エタノールに3分間、2回浸した。 4 DEPC水で1分間、5回洗浄した。
【0034】ステップ2: ターゲット遺伝子の賦活化 1 95℃に温めたTarget Retrieval Solution(Code N
o.S1700)に40分間浸した。 2 標本をバッファーに漬けたまま常温に20分間、放置
した。 3 オートクレーブ処理水で1分間、3回洗浄した。 4 プロテイナーゼK 2.5μL/TBS 10mL(Code No.S300
4、1:4000 TBS希釈)、またはプロテイナーゼK 1.7μL/
TBS 10mL(Code No.S3004、1:6000 TBS希釈)に20分間
浸し除タンパクした(湿潤箱)。 5 DEPC水で1分間、3回洗浄した。
【0035】ステップ3: 内因性ペルオキシダーゼの
ブロッキング 1 0.3%過酸化水素水/メタノールに20分間浸した。 2 TBS(50mM Tris-HCl, 150mM NaCl (pH7.6); Code N
o.S3001)中で3分間、2回洗浄した。
【0036】ステップ4: プローブのハイブリダイゼ
ーション 1 95%エタノールに切片を浸漬(1分間)した。 2 ドライヤー(冷風)にて切片を風乾した。 3 プローブ(1μg/mL)を標本に滴下し、カバースリッ
プで切片を覆った。 4 湿潤箱中でハイブリダイゼーション(37℃、2時間〜
一晩)を行った。
【0037】ステップ5: 洗浄 1 TBST (50mM Tris-HCl, 300mM NaCl (pH7.6), 0.1%T
ween20; Code No.S3306)に切片を浸漬し、カバーグラス
をはずした(自然落下させた)。 2 50倍希釈ボトル2 (Stringent wash Solution:ボト
ル2をイオン交換水で50倍希釈)中で45℃、20分間、2回
洗浄した。 3 室温、TBSTに5分間浸した。
【0038】ステップ6: 内因性ビオチンのブロック 内因性ビオチンブロッキング試薬(Code No.X0590)で
処理した。内容は以下の通りである。 1 アビジン溶液で10分、室温で処理した。 2 TBST にて室温で3分間、3回洗浄した。 3 ビオチン溶液(0.3M NaCl添加する)で10分処理し
た。 4 TBST にて3分間、3回洗浄した(よく洗う)。
【0039】ステップ7: パーオキシダーゼ標識抗DIG
抗体の反応 1 200倍希釈(ボトル3bで希釈) パーオキシダーゼ標識
抗DIG抗体(p5104)200μLを30分間、室温 で反応させ
た。 2 TBSTにて室温で3分間、3回洗浄した。
【0040】ステップ8: ビオチン標識タイラマイド
溶液の反応 1 ビオチン標識タイラマイド溶液(ボトル4)を滴下
し15分間反応させた。 2 TBSTにて3分間、3回洗浄した。
【0041】ステップ9: 二次酵素試薬(HRP標識スト
レプトアビジン)の反応 1 調整済み二次酵素試薬(ボトル5)を滴下し15分間
反応させた。 2 TBSTにて3分間、3回洗浄した。 3 TBSにて3分間、2回洗浄した。
【0042】ステップ10: 発色反応 1 DAB発色試薬 (ボトル6aをボトル6bにて50倍希釈)を
調整後(ボトル6a/6b)滴下し1-10分間反応させた。 2 流水で、3-5分間洗浄した。 3 ヘマトキシリンにて10秒間核染色した。 4 水で1分間、3回洗浄した。 5 95%エタノールで3回洗浄した。 6 99%エタノール3分間、2回洗浄した。 7 キシレンで3分間、3回洗浄した。
【0043】ステップ11: 後染色および封入 必要に応じてヘマトキシリン(CodeNo.S2020)で後染色
し、グリセルゲル(CodeNo.C0563)で封入した。
【0044】6.結腸大腸癌におけるIn situ ハイブリ
ダイゼーション ホルマリンで固定し、パラフィンを浸透させた組織の切
片をシラン処理したプローブの載ったスライド上にマウ
ントした。スライドを、マイクロプローブスライドホル
ダーへ移し、Autodewaxer and Autoalcohl (Research G
enetics)でワックスを除き、脱水した。その後、ペプシ
ンで酵素的に消化し、実施例5に記載の方法にしたがっ
てハイブリダイズさせた。なお、d(T)20オリゴヌクレオ
チドのハイブリダイズを観察することよって、各サンプ
ルのmRNAが分解されていないことを確認した。ISHの結
果、26の結腸大腸癌組織では、いずれも強いシグナル
を示す細胞が多く見られた。一方、隣接する正常結腸大
腸粘膜においては、バックグランドを超えるシグナルは
観察されなかった。本発明の癌細胞の判別方法によっ
て、癌細胞と正常細胞を明瞭に判別できることが明らか
である。
【0045】なおシグナルの特異性を確認するために、
いくつかの対照試料については次のような条件下でのIS
Hも実施した。 (1)組織切片のRNase前処理 (2)アンチセンスプローブによるビオチンラベルした
センスプローブとの置換 (3)ラベル化していないアンチセンスプローブとの競
合アッセイ その結果いずれの対照試料においても、シグナルの消失
や顕著な減少は見られなかった。すなわち、対照試料で
観察されたシグナルは、hTERTによってもたらされたも
のではないことが確認された。したがって、本発明によ
って癌細胞に特異的なシグナルを得られることが裏付け
られた。
【0046】7.大腸癌手術症例22例におけるIn situ
ハイブリダイゼーション 上記の方法と同様にして、in situ hybridization法に
よる大腸癌手術症例22例(内訳;高分化型8例,中分化型11
例,低分化型1例,粘液癌2例)のホルマリンパラフィン切
片6μmについてISH法を用いてhTERT発現を検討し、−80
℃凍結材料についてTRAP(telomeric repeat amplificat
ion protocol)assay法にてテロメラーゼ活性を測定し
た。これらの結果と臨床病理学的因子, 年齢(平均73.9
歳), 性差(M:F 14:8)について比較した。
【0047】その結果、TRAP法によるテロメラーゼ活性
は22/22(100%)で陽性であり、hTERTは19/22(86.4%)で発
現していた。hTERTは癌細胞の細胞質、核に発現すると
ともに、リンパ球および基底膜の増殖域細胞にも発現し
ていた。hTERT発現は臨床病理学的因子などとの相関は
認めなかったが、テロメラーゼ活性とは強い相関関係を
示した(p<0.005)。hTERT発現とテロメラーゼ活性の3症
例での解離はTRAP法施行時のリンパ球混入等が考えられ
るが、ISH法ではhTERT発現の局在が明確に示されると考
えられた。ISH法によるhTERT発現の検討はテロメラーゼ
の局在と大腸癌診断に有用であり今後の新しい診断方法
として期待できる。大腸カルシノイドのISHの結果を図
2に示した。細胞質において、陽性コントロール(図
1)と同じレベルのhTERT陽性シグナルが観察された。
正常組織においては、このような陽性シグナルは観察さ
れなかった。
【0048】8.甲状腺濾胞性腫瘍におけるIn situ ハ
イブリダイゼーション in situ hybridization法による hTERT発現を甲状腺濾
胞性腫瘍20例(濾胞癌6,濾胞腺腫14)について検討した。
実験方法は上記5と同様にして行った。結果の一部を図
3に示した。細胞質において、陽性コントロール(図
1)と同じレベルのhTERT陽性シグナルが観察された。
正常組織においては、このような陽性シグナルは観察さ
れなかった。その結果、濾胞癌6/6 (100%), 濾胞腺腫5/
14 (35.7%)にhTERT発現を認めた。甲状腺濾胞性腫瘍の
癌化にhTERTが関与している可能性が示唆された。
【0049】
【発明の効果】本発明によって、癌細胞を細胞レベルで
特異的に判別することができる方法が実現した。すなわ
ち、ISHに基づく本発明の判別方法は、細胞レベルでの
癌細胞の判別を可能とする。また、そのプローブとして
hTERTのmRNAをターゲットとするプローブを選択するこ
とにより、癌細胞に特異的なシグナルを得ることができ
た。癌細胞におけるテロメラーゼ活性が上昇することは
公知である。しかし、ISHのターゲットとして触媒活性
サブユニットをコードする遺伝子を選択することによ
り、高い特異性を実現できることは、本発明によって初
めて明らかにされた。特に、配列番号:2から配列番
号:10に示す塩基配列からなるプローブは、ヒトの癌
細胞の識別において、高い特異性を達成する優れたプロ
ーブである。
【0050】本発明に基づく癌細胞の判別方法は、次の
ような有用性を持つ。第一に、癌細胞を、再現性良く、
特異的に、しかも容易に判別することができる。このこ
とは、たとえば組織診による癌のスクリーニングにおい
ては重要なことである。本発明によれば、きわめて明瞭
に癌に特異的なシグナルを得ることができるので、これ
までは人間に頼らざるを得なかった顕微鏡観察工程を
も、機械化できる可能性がある。第二に、その組織にお
ける癌細胞の存在を細胞レベルで観察することができ
る。したがって、たとえば癌の外科的治療によって切除
した標本を本発明によって判別し、癌細胞が確実に除去
できたのかどうかを確認することができる。もしも癌細
胞が組織の切除面に及んでいる場合には、癌細胞を完全
に除去できていない可能性がある。
【0051】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Kanauchi, Hajime Kanmori, Makoto <120> Method for discrimination of Tumor Cell <130> SEN-A0001 <140> <141> <160> 16 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 4015 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 gcagcgctgc gtcctgctgc gcacgtggga agccctggcc ccggccaccc ccgcgatgcc 60 gcgcgctccc cgctgccgag ccgtgcgctc cctgctgcgc agccactacc gcgaggtgct 120 gccgctggcc acgttcgtgc ggcgcctggg gccccagggc tggcggctgg tgcagcgcgg 180 ggacccggcg gctttccgcg cgctggtggc ccagtgcctg gtgtgcgtgc cctgggacgc 240 acggccgccc cccgccgccc cctccttccg ccaggtgtcc tgcctgaagg agctggtggc 300 ccgagtgctg cagaggctgt gcgagcgcgg cgcgaagaac gtgctggcct tcggcttcgc 360 gctgctggac ggggcccgcg ggggcccccc cgaggccttc accaccagcg tgcgcagcta 420 cctgcccaac acggtgaccg acgcactgcg ggggagcggg gcgtgggggc tgctgctgcg 480 ccgcgtgggc gacgacgtgc tggttcacct gctggcacgc tgcgcgctct ttgtgctggt 540 ggctcccagc tgcgcctacc aggtgtgcgg gccgccgctg taccagctcg gcgctgccac 600 tcaggcccgg cccccgccac acgctagtgg accccgaagg cgtctgggat gcgaacgggc 660 ctggaaccat agcgtcaggg aggccggggt ccccctgggc ctgccagccc cgggtgcgag 720 gaggcgcggg ggcagtgcca gccgaagtct gccgttgccc aagaggccca ggcgtggcgc 780 tgcccctgag ccggagcgga cgcccgttgg gcaggggtcc tgggcccacc cgggcaggac 840 gcgtggaccg agtgaccgtg gtttctgtgt ggtgtcacct gccagacccg ccgaagaagc 900 cacctctttg gagggtgcgc tctctggcac gcgccactcc cacccatccg tgggccgcca 960 gcaccacgcg ggccccccat ccacatcgcg gccaccacgt ccctgggaca cgccttgtcc 1020 cccggtgtac gccgagacca agcacttcct ctactcctca ggcgacaagg agcagctgcg 1080 gccctccttc ctactcagct ctctgaggcc cagcctgact ggcgctcgga ggctcgtgga 1140 gaccatcttt ctgggttcca ggccctggat gccagggact ccccgcaggt tgccccgcct 1200 gccccagcgc tactggcaaa tgcggcccct gtttctggag ctgcttggga accacgcgca 1260 gtgcccctac ggggtgctcc tcaagacgca ctgcccgctg cgagctgcgg tcaccccagc 1320 agccggtgtc tgtgcccggg agaagcccca gggctctgtg gcggcccccg aggaggagga 1380 cacagacccc cgtcgcctgg tgcagctgct ccgccagcac agcagcccct ggcaggtgta 1440 cggcttcgtg cgggcctgcc tgcgccggct ggtgccccca ggcctctggg gctccaggca 1500 caacgaacgc cgcttcctca ggaacaccaa gaagttcatc tccctgggga agcatgccaa 1560 gctctcgctg caggagctga cgtggaagat gagcgtgcgg gactgcgctt ggctgcgcag 1620 gagcccaggg gttggctgtg ttccggccgc agagcaccgt ctgcgtgagg agatcctggc 1680 caagttcctg cactggctga tgagtgtgta cgtcgtcgag ctgctcaggt ctttctttta 1740 tgtcacggag accacgtttc aaaagaacag gctctttttc taccggaaga gtgtctggag 1800 caagttgcaa agcattggaa tcagacagca cttgaagagg gtgcagctgc gggagctgtc 1860 ggaagcagag gtcaggcagc atcgggaagc caggcccgcc ctgctgacgt ccagactccg 1920 cttcatcccc aagcctgacg ggctgcggcc gattgtgaac atggactacg tcgtgggagc 1980 cagaacgttc cgcagagaaa agagggccga gcgtctcacc tcgagggtga aggcactgtt 2040 cagcgtgctc aactacgagc gggcgcggcg ccccggcctc ctgggcgcct ctgtgctggg 2100 cctggacgat atccacaggg cctggcgcac cttcgtgctg cgtgtgcggg cccaggaccc 2160 gccgcctgag ctgtactttg tcaaggtgga tgtgacgggc gcgtacgaca ccatccccca 2220 ggacaggctc acggaggtca tcgccagcat catcaaaccc cagaacacgt actgcgtgcg 2280 tcggtatgcc gtggtccaga aggccgccca tgggcacgtc cgcaaggcct tcaagagcca 2340 cgtctctacc ttgacagacc tccagccgta catgcgacag ttcgtggctc acctgcagga 2400 gaccagcccg ctgagggatg ccgtcgtcat cgagcagagc tcctccctga atgaggccag 2460 cagtggcctc ttcgacgtct tcctacgctt catgtgccac cacgccgtgc gcatcagggg 2520 caagtcctac gtccagtgcc aggggatccc gcagggctcc atcctctcca cgctgctctg 2580 cagcctgtgc tacggcgaca tggagaacaa gctgtttgcg gggattcggc gggacgggct 2640 gctcctgcgt ttggtggatg atttcttgtt ggtgacacct cacctcaccc acgcgaaaac 2700 cttcctcagg accctggtcc gaggtgtccc tgagtatggc tgcgtggtga acttgcggaa 2760 gacagtggtg aacttccctg tagaagacga ggccctgggt ggcacggctt ttgttcagat 2820 gccggcccac ggcctattcc cctggtgcgg cctgctgctg gatacccgga ccctggaggt 2880 gcagagcgac tactccagct atgcccggac ctccatcaga gccagtctca ccttcaaccg 2940 cggcttcaag gctgggagga acatgcgtcg caaactcttt ggggtcttgc ggctgaagtg 3000 tcacagcctg tttctggatt tgcaggtgaa cagcctccag acggtgtgca ccaacatcta 3060 caagatcctc ctgctgcagg cgtacaggtt tcacgcatgt gtgctgcagc tcccatttca 3120 tcagcaagtt tggaagaacc ccacattttt cctgcgcgtc atctctgaca cggcctccct 3180 ctgctactcc atcctgaaag ccaagaacgc agggatgtcg ctgggggcca agggcgccgc 3240 cggccctctg ccctccgagg ccgtgcagtg gctgtgccac caagcattcc tgctcaagct 3300 gactcgacac cgtgtcacct acgtgccact cctggggtca ctcaggacag cccagacgca 3360 gctgagtcgg aagctcccgg ggacgacgct gactgccctg gaggccgcag ccaacccggc 3420 actgccctca gacttcaaga ccatcctgga ctgatggcca cccgcccaca gccaggccga 3480 gagcagacac cagcagccct gtcacgccgg gctctacgtc ccagggaggg aggggcggcc 3540 cacacccagg cccgcaccgc tgggagtctg aggcctgagt gagtgtttgg ccgaggcctg 3600 catgtccggc tgaaggctga gtgtccggct gaggcctgag cgagtgtcca gccaagggct 3660 gagtgtccag cacacctgcc gtcttcactt ccccacaggc tggcgctcgg ctccacccca 3720 gggccagctt ttcctcacca ggagcccggc ttccactccc cacataggaa tagtccatcc 3780 ccagattcgc cattgttcac ccctcgccct gccctccttt gccttccacc cccaccatcc 3840 aggtggagac cctgagaagg accctgggag ctctgggaat ttggagtgac caaaggtgtg 3900 ccctgtacac aggcgaggac cctgcacctg gatgggggtc cctgtgggtc aaattggggg 3960 gaggtgctgt gggagtaaaa tactgaatat atgagttttt cagttttgaa aaaaa 4015 <210> 2 <211> 251 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Constructed Probe Sequence <400> 2 catacgattt aggtgacact atagaataca tttctaccgg aagagtgtct ggagcaagtt 60 gcaaagcatt ggaatcagac agcacttgaa gagggtgcag ctgcgggagc tgtcggaagc 120 agaggtcagg cagcatcggg aagccaggcc cgccctgctg acgtccagac tccgcttcat 180 ccccaagcct gacgggatgc ggccgattgt gaacatggac tacgattcgc cctatagtga 240 gtcgtattac g 251 <210> 3 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 3 ccccgccgcc ccctccttcc gccaggtgtc 30 <210> 4 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 4 ctcatcagcc agtgcaggaa ctt 23 <210> 5 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 5 gtagttgagc acgctgaaca g 21 <210> 6 <211> 21 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 6 tccttctgca tcctgtcggc a 21 <210> 7 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 7 tcctgggccc gcacacgcag cacgaaggtg 30 <210> 8 <211> 35 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 8 gcctcgtctt ctacagggaa gttcaccact gtctt 35 <210> 9 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 9 gtcactccaa attcccagag 20 <210> 10 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 10 actcatatat tcagtatttt 20 <210> 11 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 11 cccttaccct tacccttacc taa 23 <210> 12 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 12 aatccgtcga gcagagtt 18 <210> 13 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 13 cctctgtgct gggcctggac gata 24 <210> 14 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Primer Sequence <400> 14 acggctggag gtctgtcaag gtag 24 <210> 15 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 15 gacacctggc gcaaggaggg ggcggcgggg 30 <210> 16 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:Artificially Synthesized Probe Sequence <400> 16 ccccgccgcc ccctccttcc gccaggtgtc 30
【図面の簡単な説明】
【図1】陽性コントロール(正常なヒト精巣)のISHの結
果を示す写真。黒く見える(実際はピンクに染まってい
る)のが核、細胞質にhTERT陽性部分が観察される。
【図2】大腸カルシノイドのISHの結果を示す写真。黒
く見える(実際はピンクに染まっている)のが核、細胞
質にhTERT陽性部分が観察される。
【図3】甲状腺濾胞癌のISHの結果を示す写真。黒く見
える(実際はピンクに染まっている)のが核、細胞質に
hTERT陽性部分が観察される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B024 AA11 CA01 CA09 CA12 GA18 HA12 4B063 QA01 QQ08 QQ53 QR31 QR56 QR62 QS25 QS34

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検組織における癌細胞の判別方法であ
    って、(i)被検組織を構成する細胞におけるテロメラー
    ゼの逆転写酵素コンポーネントの発現レベルを、該酵素
    のmRNAのin situ ハイブリダイゼーションにより決定す
    る工程、(ii)正常細胞におけるテロメラーゼの逆転写酵
    素コンポーネントの発現レベルと比較して、有意に高い
    発現レベルを示す細胞を、癌細胞と判定する工程、を含
    む方法。
  2. 【請求項2】 配列番号:1に記載の塩基配列からなる
    ポリヌクレオチドとストリンジェントな条件でハイブリ
    ダイズし、少なくとも15ヌクレオチドの鎖長を有す
    る、請求項1に記載の癌細胞の判別方法のためのハイブ
    リダイゼーション用プローブ。
  3. 【請求項3】 配列番号:3から10のいずれかに記載
    の塩基配列からなる、請求項2に記載のハイブリダイゼ
    ーション用のプローブ。
JP2000138250A 2000-05-02 2000-05-02 癌細胞の判別方法 Pending JP2001309791A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014197008A (ja) * 2005-04-01 2014-10-16 メドベット サイエンス ピーティーワイ. リミティッド 診断法および治療法ならびにそれに有用な薬剤

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