JP2001308467A - 光半導体装置とその製造方法 - Google Patents

光半導体装置とその製造方法

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JP2001308467A
JP2001308467A JP2000119355A JP2000119355A JP2001308467A JP 2001308467 A JP2001308467 A JP 2001308467A JP 2000119355 A JP2000119355 A JP 2000119355A JP 2000119355 A JP2000119355 A JP 2000119355A JP 2001308467 A JP2001308467 A JP 2001308467A
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optical semiconductor
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angle
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JP2000119355A
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Kazuhisa Takagi
和久 高木
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Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の素子で利得又は消光特性を劣化させる
ことなく偏光無依存化が可能な光半導体装置を提供す
る。 【解決手段】 p型半導体とn型半導体との間に、一端
から他端に至る長手方向とその長手方向に光を伝送させ
るように制限された幅とを有する量子井戸構造の動作層
を備えた光半導体装置において、上記動作層は、幅方向
の中央部で略直角に屈曲されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバ通信な
どに使用される半導体光増幅器及び半導体光変調器等の
光半導体装置に関し、特に偏光依存性を無くした光半導
体装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバ通信においては、半導体レー
ザ素子の端面反射率を下げて発振しない状態で素子を駆
動することにより光を増幅する半導体光増幅器、多重量
子井戸導波路に印加された逆バイアスの電圧に応答して
光吸収係数が変化する量子閉じ込めシュタルク効果を用
いて光の透過/吸収を制御することにより光を変調する
半導体光変調器等が使用される。
【0003】しかしながら、この量子井戸構造の活性層
又は吸収層を動作層とする光半導体装置は、偏光に対し
て偏光依存性を有しているという問題点があった。例え
ば、量子井戸構造の活性層の光利得は、井戸層と電界が
平行なTE偏光に対しては主として重い正孔と電子の相
互作用で利得が生じるのに対し、それと垂直なTM偏光
に対しては重い正孔は利得に寄与しないために、一般に
TE偏光に対する利得がTM偏光に対する利得よりも大
きくなる偏光依存性を有している。したがって、従来は
この偏光依存性を無くすために、特性のほぼ等しい2つ
の素子を直交させて配置することにより、TE偏光とT
M偏光との間における偏光依存性が等しくなるように構
成していた。
【0004】図6は、従来の偏光無依存光半導体装置で
ある半導体光増幅器の構成を示す模式的な斜視図であ
る。図6の半導体光増幅器は、量子井戸活性層3を有す
る第1の半導体光増幅器1と量子井戸活性層4を有する
第2の半導体光増幅器2が、互いに直交するように配置
されて構成される。このように構成することにより、第
1の半導体光増幅器1の偏光依存性と第2の半導体光増
幅器2の偏光依存性とが相殺されて全体としての偏光依
存性を無くすことができる。上記の問題は量子井戸構造
を有する半導体光変調器においても同様に生じ、同様に
して偏光依存性を無くしていた(偏光無依存化)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図6の
従来例の偏光無依存化した光半導体装置は、2つの素子
を組み合わせているために装置の構成が複雑で組立が容
易でなく、コストが高くなるという問題があった。ま
た、単一素子で偏光無依存化するために、井戸層に引張
歪を加えることにより偏光無依存化することが可能であ
るが、このようにすると、半導体光増幅器においては利
得が減少するという問題があり、また、半導体光変調器
においては消光特性が低下するという新たな問題が生じ
ていた。
【0006】そこで、本発明は、単一の素子で利得又は
消光特性を劣化させることなく偏光無依存化が可能な光
半導体装置とその製造方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る光半導体装置は、p型半導体とn型
半導体との間に、一端から他端に至る長手方向とその長
手方向に光を伝送させるように制限された幅とを有する
量子井戸構造の動作層を備えた光半導体装置において、
上記動作層は、幅方向の中央部で略直角に屈曲されてい
ることを特徴とする。このように構成すると、動作層に
おける互いに略直交する2つの部分によって、各部分の
偏光依存性を相殺することができるので、全体としての
偏光依存性を無くすことができる。
【0008】また、本発明に係る光半導体装置は、上記
動作層におけるレーザ発振を抑制するように上記一端と
他端の反射率を設定することにより、一端から入力され
る光を増幅して他端から出力する半導体光増幅装置とす
ることができる。
【0009】また、本発明に係る光半導体装置は、上記
動作層を印加される電圧に対応して伝送される光の吸収
率が変化する吸収層とすることにより、半導体光変調器
とすることができる。
【0010】また、本発明に係る光半導体装置では、偏
光依存性を小さくするために、上記動作層の屈曲角が、
86.7°以上、93.3°以下であることが好まし
い。
【0011】また、本発明に係る光半導体装置では、偏
光依存性をより小さくするために、上記動作層の屈曲角
が、88°以上、92°以下であることが好ましい。
【0012】また、本発明に係る光半導体装置では、偏
光依存性をよりいっそう小さくするために、上記動作層
の屈曲角が、89.3°以上、90.7°以下であるこ
とが好ましい。
【0013】また、本発明に係る光半導体装置の製造方
法は、半導体基板に、幅方向に比較して十分長い長さを
有しかつ頂角が略90度の逆V字型の峰を形成すること
と、上記峰の上に量子井戸構造の動作層を形成すること
とを含むことを特徴とする。
【0014】また、本発明に係る別の光半導体装置の製
造方法は、半導体基板に、幅方向に比較して十分長い長
さを有しかつ頂角が略90度のV字型の溝を形成するこ
とと、上記溝の上に量子井戸構造の動作層を形成するこ
ととを含むことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
に係る実施の形態の光半導体装置(半導体光増幅器)に
ついて説明する。本実施の形態の半導体光増幅器は、図
1及び図2に示すように、p型半導体であるp−InP
基板5とn型半導体であるn−InPクラッド層7との
間に、一方向に光を伝送させるように制限された所定の
幅を有する量子井戸構造の多重量子井戸活性層(MQW
活性層)6が形成されてなり、その活性層6がその幅方
向の中央部で略直角に屈曲されていることを特徴とす
る。このように、本実施の形態の半導体光増幅器では、
多重量子井戸活性層6を上方に頂点を有するように逆V
字形に形成し、かつ一端面から見た時の活性層の右半分
(第1部分)と左半分(第2部分)とがほぼ同一形状で
しかもほぼ直交するように構成されているので、詳細後
述するように入射光の偏光角によらず光利得をほぼ一定
にすることができる。すなわち、本実施の形態の半導体
光増幅器によれば、一つの素子で偏光無依存動作をする
半導体光増幅器を提供することができる。
【0016】詳細に説明すると、実施の形態の半導体光
増幅器において、例えば、100μmの厚さを有するp
−InP基板5の上面に形成された逆V字型形状部50
上に、その稜線の両側にほぼ左右均等になるように所定
の幅のMQW活性層6が形成される。尚、このMQW活
性層6は素子の一端から他端に至るように形成される。
そして、MQW活性層6上には、MQW活性層6とほぼ
同一幅のn−InPクラッド層7が形成される。このよ
うにして、実施の形態の半導体光増幅器において、p−
InP基板5の逆V字型形状部50とMQW活性層6と
n−InPクラッド層7とからなり、そのMQW活性層
6に沿って光が伝送されるリッジ構造が形成される。こ
こで、MQW活性層6の幅は、増幅する光を一端から他
端の一方向に伝送させるように設定し、例えば0.5〜
2.5μmの幅とする。また、活性層6を構成する井戸
層およびバリア層の層の厚さはそれぞれ3〜20nm程
度に設定する。また、活性層6内の井戸層の数は1以上
であればよいが、例えば1〜15層程度に設定する。さ
らに、n−InPクラッド層7の層厚は例えば1〜5μ
mに設定する。
【0017】また、本実施の形態の半導体光増幅器で
は、リッジ構造の両側における電流を阻止するために、
リッジ構造の両側にp−InPブロック層8、n−In
Pブロック層9、p−InP第2ブロック層10が形成
され、リッジ構造のn−InPクラッド層7及びその両
側のp−InP第2ブロック層10を覆うように、n−
InP第2クラッド層11と、例えば0.1〜1.5μ
mの厚みを有するn+−InPコンタクト層12とが順
次形成される。そして、n+−InPコンタクト層12
の上には、上述のリッジ構造の上に開口部13aを有す
るSiO2絶縁膜13が形成され、その開口部13aに
おいてn+−InPコンタクト層12と接するようにT
i/Au蒸着膜14a及びAuメッキ層14bからなる
カソード電極14が形成される。
【0018】尚、p−InP基板5の下面には、Ti/
Auアノード電極15が形成され、その上にAuメッキ
層16が形成される。ここで、Ti/Au蒸着膜14a
とTi/Auアノード電極15とは、例えば、数千オン
グストロームのTi/Au蒸着膜により構成する。ま
た、Auメッキ層14b及びAuメッキ層16は、例え
ば、数ミクロンの厚さに形成する。尚、素子長(一端面
から他端面までの長さ)は、例えば50〜2000μm
程度に設定される。
【0019】以上のように構成された半導体光増幅器に
おいて、一方の端面(入力端面)から入射された光は、
リッジ構造のMQW活性層6をリッジ構造の長手方向に
伝送され、該MQW活性層6における誘導放出により増
幅されて他方の端面から出力される。ここで特に本実施
の形態の形態の半導体光増幅器では、MQW活性層6が
その幅方向の中央部で略直角に屈曲され第1部分と第2
部分とがほぼ同一形状でしかもほぼ直交するように構成
されているので、後述するように異なる偏光に対してそ
の偏波方向に関わらずほぼ同一利得とできる(偏光無依
存動作をさせることができる。)。
【0020】<偏光無依存動作が実現できる理由>入射
光の電界ベクトルEは右半分の第1部分の量子井戸面に
平行な方向ベクトルeaとそれにほぼ直交する左半分の
第2部分の量子井戸面に平行な方向ベクトルebの成分
の和として、以下の式(1)で表される。
【0021】 Ein=|Ein|cosθ・ea+|Ein|sinθ・eb…式(1)
【0022】ここで、θはベクトルEinとベクトルea
のなす角である。尚、式(1)において、Ein,e
a,ebはベクトルであるが、文字の上に付すべき矢印
(→)は省略して描いている。以下の数式中においても
同様にベクトルを表す(→)は省略している。また、半
導体光増幅器を透過した光の電界は、第1部分の面に直
交する電界成分を有する偏光に対する利得係数をG
TE、第1部分の面に平行な電界成分を有する偏光に対
する利得係数をGaTMとし、第2部分の面に直交する電
界成分を有する偏光に対する利得係数をGbTE、第2部
分の面に平行な電界成分を有する偏光に対する利得係数
をGbTMとすると、次の式(2)で表すことができる。
【0023】 Eout ={GaTE+GbTM}|Ein|cosθ・ea+{GbTE+GaTM}|Ein|sinθ・eb …式(2)
【0024】入射光強度Pinは、Pin∝|Ein2であ
り、出射光強度Poutは、Pout∝|Eout2であり、ベ
クトルeaとベクトルebは直交している。また。本実施
の形態では、MQW活性層6がその幅方向の中央部で略
直角に屈曲され第1部分と第2部分とがほぼ同一形状で
しかもほぼ直交するように構成されているので、GaTE
=GbTM、GaTM=GbTEである。したがって、出射光
強度Poutは次の式(3)であらわすことができる。
【0025】 Pout∝|Eout2 ={GaTE+GbTM2|Ein2cos2θ+{GbTE+GaTM2|Ein2sin2θ +2{GaTE+GbTM}×{GbTE+GaTM}cosθ・sinθ(ea,eb)|Ein 2 ={GaTE+GbTM2|Ein2∝{GaTE+GbTM2in…式(3)
【0026】この式(3)から明らかなように、出射光
の強度は角度θに無関係に決まる。すなわち、本実施の
形態の構成によれば、偏波面と第1部分または第2部分
との成す角度θに関係無く、入射光の強度に対応して出
射光の強度が決定される。
【0027】<V字の角度(第1部分と第2部分との成
す角度)>第1部分と第2部分との成す角度であるV字
のひらき角をθとし、活性層(または、後述する光変調
器では吸収層)である動作層が特定方向の偏光に対して
のみ動作すると仮定した場合(最も偏光依存性が大きい
最も条件の厳しいケースの場合)の偏光依存度Δ(d
B)は、次の式(4)で表される。
【0028】 Δ=20log{tan2(θ/2)}…式(4)
【0029】この式(4)に基いて計算すると、一般に
偏光無依存性として要求される特性である、偏光依存度
0.5dB以下とするため、より好ましい特性として
0.1〜0.3dB以下とするためには、以下の表のよ
うな角度に設定することが好ましい。
【0030】表1
【0031】<実施の形態の半導体光増幅器の製造方法
>次に、本実施の形態の半導体光増幅器の製造方法につ
いて図3を参照しながら説明する。本方法では、まず、
最初に図3(a)に示すように、p−InP基板5の上に
エッチングにより頂角が略90度の逆V字形の峰を形成
する。ここで、頂角とは峰の両側の傾斜面の成す角をい
う。この逆V字型の峰の形成は、例えば、基板にストラ
イプ状のレジストマスクを形成後、ブロムメタノールに
よりウェットエッチングを行う。この場合、峰のストラ
イプ幅は、上に形成する活性層6の幅(0.5〜2.5
μm)よりも少なくともマスク同士の合わせ精度分だけ
広く形成することが好ましい。
【0032】次に、MOCVD法またはMBE法を用い
て、図3(b)に示すように、MQW活性層6(InGa
X1AsY1P井戸層とInGaX2AsY2Pバリア層よりな
る)を結晶成長させる。さらに、図3(c)に示すよう
に、n−InPクラッド層7をMOCVD法などにより
結晶成長する。
【0033】次に、図3(d)に示すように、SiO2
ストライプ状にパターン形成することにより、所定の幅
のストライプ上のSiO2マスク21を形成し、そのS
iO2マスク21を用いてリッジ構造を形成するための
エッチングを行う。そして、図3(e)に示すように、S
iO2マスク21を選択成長マスクとして用いて、リッ
ジ構造の両側にMOCVD法などによりp−InP第1
ブロック層8、n−InPブロック層9、p−InP第
2ブロック層10を順次埋込成長する。
【0034】次に、SiO2マスク21を除去し、図3
(f)に示すように、n−InPクラッド層11、n+
InPコンタクト層12をMOCVD法などにより順次
結晶成長する。次いで、n+−InPコンタクト層12
の上に、リッジ構造の上に開口部を有するSiO2絶縁
膜13を形成し、その開口部13aにおいてn+−In
Pコンタクト層12と接するようにTi/Au蒸着膜1
4a及びAuメッキ層14bからなるカソード電極14
を形成する。そして、p−InP基板5の下面に、Ti
/Auアノード電極15とAuメッキ層16とを形成す
る。
【0035】この後、ウエハより素子を分離し、両端面
に低反射コーティングを行い、各素子をはんだでヒート
シンクに接着し、ワイヤボンドによる配線を行い、半導
体光増幅器が完成する。以上の製造方法により図1及び
図2に示す偏光無依存動作が実現な実施の形態の半導体
光増幅器を製造することができる。
【0036】変形例.以上の実施の形態では、多重量子
井戸活性層6を逆V字型形状に形成したが、本発明はこ
れに限らず、図4及び図5に示すようにV字型形状に形
成するようにしてもよい。すなわち、本発明では、実施
の形態と同様の作用効果を奏するようにするために、少
なくとも活性層6をその幅方向の中央部で略直角に屈曲
させ、活性層6を互いにほぼ同一形状でかつ互いにほぼ
直交する第1部分と第2部分とによって構成するように
すればよい。
【0037】また、活性層を形成する前にV字型の溝を
形成する方法の1例としては、p−InP基板にストラ
イプ状に開口されたレジストマスクを形成した後、HC
lによりウェットエッチングする方法がある。このよう
にすると斜面が約45°の、すなわち頂角が略90度の
溝がエッチングにより得られる。この場合も、溝の幅
は、上記活性層の幅(0.5〜2.5μm)よりも少な
くともマスク同士の合わせ精度分だけ広く形成すること
が好ましい。
【0038】また、本実施の形態では、半導体光増幅器
について説明したが、本発明はこれに限られるものでは
なく、実施の形態の半導体光増幅器と同様の半導体層構
成を有する半導体光変調器にも適用することができる。
すなわち、半導体光変調器は、図1及び図2に示す実施
の形態の半導体光増幅器又は図4及び図5に示す変形例
の半導体光増幅器と同様に、例えば、p型半導体である
p−InP基板とn型半導体であるn−InPクラッド
層との間に、一方向に光を伝送させるように制限された
所定の幅を有する量子井戸構造の多重量子井戸吸収層
(MQW吸収層)が形成されてなり、印加される電圧に
対応してその吸収層における光の吸収率が変化すること
を利用して光を変調するものである。この半導体光変調
器においても、吸収層と入射される光の偏光面との角度
に依存して吸収層の光吸収率が変化するので、平坦な吸
収層を用いると変調特性に偏光依存性を生じる。
【0039】したがって、この半導体光変調器において
も、実施の形態と同様に、吸収層をその幅方向の中央部
で略直角に屈曲させ、吸収層を互いにほぼ同一形状でか
つ互いにほぼ直交する第1部分と第2部分とによって構
成することにより、その第1部分と第2部分によって平
均化され、偏光方向に依存しない一定の変調特性を得る
ことができる。すなわち、本発明に係る半導体光変調器
によれば、一つの素子で偏光無依存動作が可能な半導体
光変調器を提供することができる。
【0040】以上のように、活性層又は吸収層等の動作
層をその幅方向の中央部で略直角に屈曲させることによ
り該動作層を互いにほぼ同一形状でかつ互いにほぼ直交
する第1部分と第2部分とによって構成するという本発
明の構成は、動作層と入力される光の偏光方向との角度
に対応して動作特性が偏光依存性を有する光半導体装置
に適用することができる。
【0041】以上の実施の形態では、InP基板を用い
て構成した例を示したが、本発明はこれに限られるもの
ではなく、GaAs基板等の他の半導体基板を用いて構
成してもよい。尚、例えば、GaAs基板を用いる場
合、基板上にV字型の峰又は溝を形成する時のウェット
エッチング液としては、H2SO4とH22とH2Oの混
合液を使用することができる。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したことから明らかなよ
うに、本発明に係る光半導体装置は、p型半導体とn型
半導体との間に、制限された幅を有する量子井戸構造の
動作層を備えた光半導体装置において、上記動作層は、
幅方向の中央部で略直角に屈曲されているので、動作層
における互いに略直交する2つの部分によって、各部分
の偏光依存性を相殺することができ、全体としての偏光
依存性を無くすことができる。これにより、本発明の光
半導体装置は、単一の素子で利得又は消光特性を劣化さ
せることなく偏光無依存化が可能となる。
【0043】また、本発明に係る光半導体装置は、上記
動作層におけるレーザ発振を抑制するように上記一端と
他端の反射率を設定することにより、偏光に依存しない
増幅が可能な半導体光増幅装置を提供することができ
る。
【0044】また、本発明に係る光半導体装置は、上記
動作層を印加される電圧に対応して伝送される光の吸収
率が変化する吸収層とすることにより、偏光に依存しな
い変調特性を有する半導体光変調器を提供することがで
きる。
【0045】また、本発明に係る光半導体装置では、上
記動作層の屈曲角を、86.7°以上、93.3°以下
とすることにより、偏光依存性を小さくできる。
【0046】また、本発明に係る光半導体装置では、上
記動作層の屈曲角を、88°以上、92°以下とするこ
とにより、偏光依存性をより小さくすることができる。
【0047】また、本発明に係る光半導体装置では、上
記動作層の屈曲角を、89.3°以上、90.7°以下
とすることにより、偏光依存性をよりいっそう小さくす
ることができる。
【0048】また、本発明に係る光半導体装置の製造方
法は、半導体基板に、幅方向に比較して十分長い長さを
有しかつ頂角が略90度の逆V字型の峰を形成すること
と、上記峰の上に量子井戸構造の動作層を形成すること
とを含むので、幅方向の中央部で略直角に屈曲された動
作層を形成することができる。これにより、単一の素子
で利得又は消光特性を劣化させることなく偏光無依存化
が可能な光半導体装置を提供することができる。
【0049】また、本発明に係る別の光半導体装置の製
造方法は、半導体基板に、幅方向に比較して十分長い長
さを有しかつ頂角が略90度のV字型の溝を形成するこ
とと、上記溝の上に量子井戸構造の動作層を形成するこ
ととを含むので、幅方向の中央部で略直角に屈曲された
動作層を形成することができる。これにより、単一の素
子で利得又は消光特性を劣化させることなく偏光無依存
化が可能な光半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る実施の形態の光半導体装置(半
導体光増幅器)の構成を示す斜視図である。
【図2】 図1のA−A’線についての断面図である。
【図3】 本発明に係る実施の形態の光半導体装置の製
造工程の流れを示す断面図である。
【図4】 本発明に係る変形例の光半導体装置(半導体
光増幅器)の構成を示す斜視図である。
【図5】 図1のB−B’線についての断面図である。
【図6】 従来例の光半導体装置の構成を模式的に示す
斜視図である。
【符号の説明】
5 p−InP基板、6 MQW活性層、7 n−In
Pクラッド層、8 p−InPブロック層、9 n−I
nPブロック層、10 p−InP第2ブロック層、1
1 n−InP第2クラッド層、12 n+−InPコ
ンタクト層、13SiO2絶縁膜、14a Ti/Au
蒸着膜、14b,16 Auメッキ層、14 カソード
電極、15 Ti/Auアノード電極、50 逆V字型
形状部。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 p型半導体とn型半導体との間に、一端
    から他端に至る長手方向とその長手方向に光を伝送させ
    るように制限された幅とを有する量子井戸構造の動作層
    を備えた光半導体装置において、 上記動作層は、幅方向の中央部で略直角に屈曲されてい
    ることを特徴とする光半導体装置。
  2. 【請求項2】 上記動作層におけるレーザ発振を抑制す
    るように上記一端と他端の反射率を設定し、一端から入
    力される光を増幅して他端から出力する請求項1記載の
    光半導体装置。
  3. 【請求項3】 上記動作層は印加される電圧に対応して
    伝送される光の吸収率が変化する吸収層である請求項1
    記載の光半導体装置。
  4. 【請求項4】 上記動作層の屈曲角が、86.7°以
    上、93.3°以下である請求項1〜3のうちのいずれ
    か1項に記載の光半導体装置。
  5. 【請求項5】 上記動作層の屈曲角が、88°以上、9
    2°以下である請求項1〜3のうちのいずれか1項に記
    載の光半導体装置。
  6. 【請求項6】 上記動作層の屈曲角が、89.3°以
    上、90.7°以下である請求項1〜3のうちのいずれ
    か1項に記載の光半導体装置。
  7. 【請求項7】 半導体基板に、幅方向に比較して十分長
    い長さを有しかつ頂角が略90度の逆V字型の峰を形成
    することと、 上記峰の上に量子井戸構造の動作層を形成することとを
    含む光半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 半導体基板に、幅方向に比較して十分長
    い長さを有しかつ頂角が略90度のV字型の溝を形成す
    ることと、 上記溝の上に量子井戸構造の動作層を形成することとを
    含む光半導体装置の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7288783B2 (en) 2002-01-07 2007-10-30 Fujitsu Limited Optical semiconductor device and method for fabricating the same
CN100354701C (zh) * 2003-11-21 2007-12-12 中国科学院半导体研究所 偏振不灵敏半导体光放大器的制作方法
JP2014059170A (ja) * 2012-09-14 2014-04-03 V Technology Co Ltd 半導体リングレーザー装置

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