JP2001308415A - 電子回路およびその形成方法 - Google Patents

電子回路およびその形成方法

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JP2001308415A JP2000126103A JP2000126103A JP2001308415A JP 2001308415 A JP2001308415 A JP 2001308415A JP 2000126103 A JP2000126103 A JP 2000126103A JP 2000126103 A JP2000126103 A JP 2000126103A JP 2001308415 A JP2001308415 A JP 2001308415A
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Masahiro Watanabe
政浩 渡辺
Toshiyuki Otaki
俊之 大滝
Keiji Kabeta
桂次 壁田
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GE Toshiba Silicones Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G2261/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G2261/30Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain
    • C08G2261/31Monomer units or repeat units incorporating structural elements in the main chain incorporating aromatic structural elements in the main chain
    • C08G2261/312Non-condensed aromatic systems, e.g. benzene

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  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Internal Circuitry In Semiconductor Integrated Circuit Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工程を簡略化し、材料の無駄を省き、加工ス
テップの増加に伴うパターン精度の低下や材料への汚染
を防ぎ、導電性が比較的高い導電部と絶縁部からなる、
新規な電子回路およびその形成方法を提供する。 【解決手段】 固体ポリオルガノシランと導電性有機ポ
リマーを主成分として含む導電部を有する電子回路;な
らびに固体ポリオルガノシランと導電性有機ポリマーを
主成分として含む薄膜に、(a)その一部の部位を、コ
ヒーレント光によって露光する工程;(b)上記と同じ
部位を、酸素の存在下に非コヒーレント紫外光によって
露光する工程;および(c)酸または酸化性物質でドー
ピングする工程を任意の順序に含む処理を行うことを特
徴とする、電子回路の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子回路に関し、
さらに詳しくは、固体ポリオルガノシランと導電性有機
ポリマーを主成分として含む導電部を有する電子回路に
関する。本発明はまた、電子回路の形成方法に関し、さ
らに詳しくは、固体ポリオルガノシランと導電性有機ポ
リマーを主成分として含む薄膜から、部位選択的にコヒ
ーレント光および非コヒーレント紫外光を光照射するこ
とにより、上記の導電部を有する電子回路を形成する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子回路を形成するためには、その用途
に応じて、いろいろな方法が行われてきた。導電性また
は半導電性を有する物質で導体部を成形し、絶縁性物質
で導体部相互の間を遮断するという方法である。導体部
の形成方法としては、金属を延伸、切削、プレス、切断
など、機械的に加工する方法が従来から行われている。
また、金属膜や半導体膜を形成し、化学反応によってそ
の一部を溶かし去って導体部を形成する方法も、一般的
に行われている。後者の化学的方法は、特に微細加工を
必要とするエレクトロニクスやマイクロエレクトロニク
スの分野で、広く用いられている。これらの方法で形成
された導体部は、さらに絶縁物質を用いて加工され、電
子回路が形成される。
【0003】これらの化学的加工方法は、いずれも導体
材料を部分的に除去することによって、導体部を形成し
ている。しかしながら、これらの方法では、材料に無駄
が生じるというだけでなく、加工ステップが多いという
問題点を含む。加工ステップが多いということは、とり
も直さず、加工によりパターン精度が低下したり、材料
が汚染される可能性が大きいことを意味する。後者の問
題点は、化学的方法による微細加工において、集積度や
要求される加工精度、回路特性が増すにつれて、特に著
しいものとなってきている。また、この化学的方法によ
る微細加工においては、加工工程で排出される排出物の
処理の問題も、大きくなってきている。
【0004】有機ケイ素系ポリマーの中でも、ポリオル
ガノシランやその類縁体は、σ結合からなるSi−Si
結合骨格構造を有するポリマーであって、そのσ電子を
非局在化することができ、その結果、炭素系ポリマーと
は異なった(半)導電性や光導電性、発光特性などとい
ったユニークな電子的特性を有している。また、ポリシ
ラン類の反応については以前より研究されており、特に
光分解反応については詳細な検討が加えられている。ポ
リオルガノシラン類に紫外線を照射することによりSi
−Si結合の切断が起こるが、この紫外線照射を空気中
で行わせることにより、光酸化が起こり、ポリオルガノ
シロキサンなどに変換されるということが報告されてい
る(例:J. M. Zieglerら,Proc. SPIE, 539巻 166頁
(1985); H. Banら,J. Appl. Polym. Sci., 33巻 2787
頁 (1987))。
【0005】早瀬らは、特開平5−230380号公報
に、オニウム塩類を添加した直鎖状ポリオルガノシラン
組成物を基板上にスピンコートし、その一部を露光し
て、現像処理などをすることにより、高い解像性を有す
るポリオルガノシラン膜のパターニングができることを
開示している。
【0006】これらのポリオルガノシランによる回路の
形成は、露光による可溶性部位を溶解し、または架橋部
位を残して他の部位を溶解する、いわゆるレジスト法に
よるもので、加工が煩雑で、その精度に限界があるこ
と、および溶解物の処理など、前述のレジスト法共通の
課題を背負ったものであった。
【0007】伴らは、特開昭62−111449号公報
に、アルゴン雰囲気下でメチルフェニルシラン単位とジ
メチルシラン単位からなる共重合ポリオルガノシランの
薄膜に遠紫外線を用いて露光して、任意のパターン状に
架橋反応を起こすことにより、ポリオルガノシランの架
橋パターニングを形成し、五フッ化ヒ素によるドーピン
グを行うことにより、低導電性部分と高導電性部分によ
る導電性パターン形成ができることを開示しているが、
充分な抵抗率比は得られていない。
【0008】それに対して、今井らは、PCT/JP9
5/00752号公報において、ポリオルガノシラン薄
膜の一部を酸化させ、その後ドーピングすることによ
り、電子回路が形成できることを開示している。また、
若松らは、特開平9−246624号公報において、ポ
リオルガノシラン−オニウム塩組成物からなる薄膜の一
部を酸化させ、続いてドーピングすることにより、電子
回路が形成できることを開示している。しかし、これら
の方法は、導電部の導電性が必ずしも高くなく、その利
用分野には限界があった。
【0009】一方、ポリアセチレン、ポリフェニレン、
ポリアニリン、ポリチオフェンなどの有機高分子化合物
が、導電性薄膜、電極などを形成しうる導電性材料とし
て注目されている。しかしながら、このような導電性有
機ポリマーは、不溶、不融であったり、賦形性に乏しい
という欠点がある。また、気相重合法や電解重合法で薄
膜を形成する場合、得られる薄膜の形状が、反応容器や
電極の形状に制約される。
【0010】成形性を向上させるために、不溶、不融の
これら導電性有機ポリマーを、有機溶媒または水に溶解
させる試みが行われている。たとえば、ポリチオフェン
においては、置換基として長鎖アルキル基を有するチオ
フェンを電解重合することにより、有機溶媒に可溶なポ
リ3−アルキルチオフェンを得ることができる。しかし
ながら、ポリマー骨格に置換基を導入するには、特殊な
前駆体とその合成法を必要とするために、制約が大き
い。
【0011】ポリマーの分子量を低下させることによ
り、導電性有機ポリマーを溶媒に可溶にさせる試みも行
われている。たとえばポリアニリンにおいては、過剰量
のペルオキソ二硫酸アンモニウムを用いてアニリンを化
学酸化重合させることにより、有機溶媒に可溶なポリア
ニリンを合成する方法が提示されている(J. Tangら, S
ynthetic Metals, 24, 231-236 (1998)および特開平3
−28229号公報)。ただし、ここで得られたポリマ
ーに、塩酸、過塩素酸またはヨウ素でドープした際の導
電率は、5〜13S・cm-1であり、通常の導電性ポリマー
に比べて低い値である。そのために、ポリマーの結晶構
造が導電性に与える効果を検討して、導電性を向上させ
る試みがなされているが、導電性ポリマーとしての各種
の用途を満足させ、かつ工業的に製造が容易で、環境へ
の大きな影響を与えない、導電性有機ポリマーの薄膜は
得られていない。
【0012】導電性有機ポリマーによる電子回路の形成
に関しては、ポリアセチレンフィルムの特定の部位を、
トリアリールスルホニウム塩またはジアリールヨードニ
ウム塩のような光プロトン酸発生剤の存在下に露光する
ことにより、導電率2S・cm-1の導電部を有する電子回路
を形成しうることが報告されている(T. C. Clarkeら、
J. C. S. Chem. Comm., 1981, p384-385)。また、絶縁
性ポリマーであるアリール化ポリフェニレンスルフィド
の特定の部位を露光することにより、導電性のイオン化
ポリフェニレンスルフィドを形成して、導電率10-2S・
cm-1の導電部を有する電子回路を形成しうることが報告
されている(B. M. Novakら、Polymer Preprints 1990,
31, p482-483)。しかしながら、これらの方法によっ
ても、導電部の導電性が高くはなく、その利用に限界が
あった。
【0013】本発明者らは、先に、式〔(C65)(CH
3)Si〕a(式中、aは重合度を表す)で示される直鎖
状ポリオルガノシランと有機溶媒に可溶なポリアニリン
とを、テトラヒドロフランに溶解させた溶液から得た薄
膜に、ヨウ素をドーピングして、導電率の向上を試み、
1.0S・cm-1程度の導電率を得た(第4回ケイ素化学シ
ンポジウム(1999.11.4)要旨集,p.30)が、そのよう
な薄膜から電子回路を形成するには至らなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の電子回路形成方法における加工工程を簡略化し、材料
の無駄を省き、加工ステップの増加に伴うパターン精度
の低下や材料への汚染を防ぎ、導電性が比較的高い導電
部と、それに対する充分な抵抗率比を示す絶縁部からな
る、新規な電子回路およびその形成方法を提供すること
である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために研究を重ねた結果、固体ポリオルガ
ノシランと導電性有機ポリマーを主成分として含む薄膜
を、コヒーレント光と非コヒーレント紫外光により段階
的に露光し、ついで薄膜を酸もしくは酸化性物質により
ドーピングすることににより、未露光部位が導電部で、
露光部位が絶縁部となる回路が形成できることを見出
し、また、あらかじめ酸もしくは酸化性物質を固体ポリ
オルガノシランと導電性有機ポリマーにドーピングし、
これを上記と同様に露光しても、同様の電子回路の形成
が可能なことを見出して、本発明を完成するに至った。
【0016】なお、本発明において、導電体およびその
属性としての導電性は、導電率が10-2S・cm以上の半導
電体および半導電性を包含する概念として用いる。
【0017】すなわち、本発明の電子回路は、固体ポリ
オルガノシランと導電性有機ポリマーを主成分として含
む導電部を有する。また、本発明の電子回路の形成方法
は、固体ポリオルガノシランと導電性有機ポリマーを主
成分として含む薄膜に、(a)その一部の部位を、コヒ
ーレント光によって露光する工程;(b)上記と同じ部
位を、酸素の存在下に非コヒーレント紫外光によって露
光する工程;および(c)酸または酸化性物質でドーピ
ングする工程を任意の順序に含む処理を行うことを特徴
とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に用いられる固体ポリオル
ガノシランは、Si−Si結合からなる分子骨格を有
し、常温で固体を呈するものである。その骨格構造は特
に限定されず、直鎖状または分岐状のいずれでもよい。
なお、分岐度が著しく高いポリオルガノシランは、網状
の分子骨格を有するので、本発明において、分岐状と
は、分岐状の分子骨格を有する構造を意味し、複数の分
岐を含む網状構造を包含する概念として用いる。
【0019】本発明に用いられる固体ポリオルガノシラ
ンの分子構造は、下記の一般式(I): (R12Si)m(R3Si)n(Si)p(R456Si)q(R7)r (I) (式中、R1〜R6は、それぞれ独立して、非置換もしく
は置換の1価の炭化水素基または1価の複素環基を表
し、ただし、該R1〜R6の一部、代表的には30モル%
以下は、水素原子、水酸基および非置換もしくは置換の
ヒドロカルビルオキシ基からなる群より選ばれるケイ素
官能性基ならびに/またはトリ(ヒドロカルビル)シリ
ルオキシ基であってもよく;R7は、2個のケイ素原子
の間の、非置換もしくは置換の2価の炭化水素基または
複素環基を表し;m、n、p、qおよびrは、それぞれ
の限定に応じて、後述の意味を有する)で代表的に示さ
れる。なお、該一般式(I)は、構成単位の数を示すも
のであって、各単位の結合位置を示すものではなく、ブ
ロック共重合体を意味するものでもない。
【0020】R1〜R6は、たがいに同一でも異なってい
てもよく、それぞれ1種または2種以上の、上記の基で
ある。非置換または置換の1価の炭化水素基としては、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシ
ル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、オク
タデシルなどの、炭素原子数1〜18の直鎖状または分
岐状のアルキル基;シクロヘキシルなどのシクロアルキ
ル基;2−フェニルエチル、2−フェニルプロピルなど
のアラルキル基;フェニル、トリル、キシリル、メシチ
ル、p−ビニルフェニル、ナフチルなどのアリール基;
ビニル、アリルなどのアルケニル基;ならびにクロロメ
チル、トリフルオロプロピル、メトキシフェニル、4−
(ジエチルアミノ)フェニルなどの炭素官能性置換炭化
水素基;および3−イミダゾリルプロピル、3−カルバ
ゾリルプロピルなどの複素環置換炭化水素基が例示され
る。また、1価の複素環基としては、チエニル、ピロリ
ルなどが例示される。さらに、R1〜R6のうちの一部、
すなわち好ましくは30モル%以下、さらに好ましくは
20モル%以下は、ケイ素官能性基および/またはトリ
(ヒドロカルビル)シリルオキシ基であってもよい。
【0021】ケイ素官能性基は、たとえば、ポリオルガ
ノシラン、特に平均分子量を制御したポリオルガノシラ
ンを合成する際に、ポリオルガノシランの原料ケイ素化
合物のケイ素原子に結合して、該ポリオルガノシラン中
に残存したもの、またはそれらを、ソルボリシスによっ
て取扱い易い基に変換して生じたものである。ケイ素官
能性基としては、水素原子;水酸基;ならびに非置換も
しくは置換ヒドロカルビルオキシ基が例示される。該非
置換または置換ヒドロカルビルオキシ基としては、メト
キシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシなどの直鎖状もしくは分岐状のアル
コキシ基;シクロヘキシルオキシなどのシクロアルコキ
シ基;フェノキシなどのアリールオキシ基;ならびに2
−メトキシエトキシ、2−エトキシエトキシ、2−ブト
キシエトキシなどの置換ヒドロカルビルオキシ基が例示
される。取り扱い易さから、水酸基;メトキシ、エトキ
シ、プロポキシ、ブトキシのような炭素数1〜4のアル
コキシ基;およびフェノキシ基が好ましく、メトキシお
よびエトキシが最も好ましい。このようなケイ素官能性
基は、ポリオルガノシランの分子骨格の、末端、中間お
よび分岐位置のいずれのケイ素原子に結合していてもよ
い。
【0022】トリ(ヒドロカルビル)シリルオキシ基
は、たとえば、上述のようにポリオルガノシランのケイ
素原子に結合して残存したケイ素官能性基、特に塩素、
臭素のようなハロゲン原子や水酸基を除去するために、
シラザン化合物、たとえばヘキサメチルジシラザンのよ
うなシリル化剤で処理することによって生ずる。トリ
(ヒドロカルビル)シリルオキシ基としては、トリメチ
ルシリルオキシ、t−ブチルジメチルシリルオキシ、フ
ェニルジメチルシリルオキシなどが例示される。トリ
(ヒドロカルビル)シリルオキシ基は、ポリオルガノシ
ラン分子鎖の末端、中間および分岐位置のいずれのケイ
素原子に結合していてもよい。
【0023】上述のケイ素官能性基は、あまり多いと固
体ポリオルガノシランの化学的安定性に影響を与える。
また、これらが縮合して生じたシロキサン結合や、トリ
(ヒドロカルビル)シリルオキシ基は、電子回路の導電
部の導電性を低下させることがある。したがって、これ
らの基の合計量は、前述の量が好ましい。
【0024】本発明においては、ポリアニリンのような
導電性有機ポリマーとの間の相溶性が優れ、かつ露光に
よってシロキサン化した後も固体を保って系が安定であ
り、優れた電気特性を有する電子回路が得られることか
ら、R1〜R6のうちの非置換もしくは置換炭化水素基ま
たは複素環基に対して、好ましくは5〜100モル%、
さらに好ましくは25〜80モル%がアリール基、複素
環置換炭化水素基および複素環基から選ばれる1種また
は2種以上の基である。上述のように、アリール基とし
ては、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、p−ビ
ニルフェニル、ナフチルなど;複素環基置換炭化水素基
としては、3−イミダゾリルプロピル、3−カルバゾリ
ルプロピルなど;複素環基としては、チエニル、ピロリ
ルなどが例示され、ポリオルガノシランの合成および取
扱いが容易なことから、アリール基がより好ましく、フ
ェニルが特に好ましい。
【0025】上記のアリール基、複素環置換炭化水素基
および複素環基以外の基としては、合成の容易さ、導電
性有機ポリマーとの相溶性および化学的安定性から、炭
素数1〜6のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好
ましい。
【0026】R7は、ポリシラン鎖中、ポリシラン鎖を
架橋するように、ポリオルガノシラン構造中に、ケイ素
原子の間に導入された置換もしくは非置換の2価の炭化
水素基または複素環基であり、ポリオルガノシランの分
子中に分散して存在することが好ましい。R7として
は、メチレン、エチレン、トリメチレンなどのアルキレ
ン基;ブタジエニレンなどの2価の脂肪族不飽和炭化水
素基;フェニレン、ナフチレン、9,10−アントラセ
ニレン、フェロセニレンなどのアリーレン基;キシリレ
ンなどの2価の芳香族置換炭化水素基;チエニレン、ジ
チエニレン、ピロリレン、ピリジニレンなどの複素環基
が例示され、ビフェニレン、トリフェニレン、チエニレ
ンのような、2個以上の芳香環または複素環が反復して
存在する2価の連鎖であってもよく、合成のし易さか
ら、芳香族炭化水素基が好ましく、フェニレンが特に好
ましい。
【0027】R7の数rは、化学的安定性および溶媒へ
の溶解性が優れていることから、R1〜R7の全量に対し
て20%以下であることが好ましく、5%以下がさらに
好ましい。
【0028】また、本発明に用いられる固体ポリオルガ
ノシランは、導電性有機ポリマーとの相溶性に優れ、均
質な薄膜が得られること、および露光後の特性が安定し
ていることから、前述の定義による分岐状の分子構造を
とること、すなわち、mならびにnおよび/またはpが
正の整数であることが好ましい。
【0029】さらに、該ポリオルガノシランの分岐度
は、導電性有機ポリマーとの相溶性が特に優れ、またド
ーピングした組成物の導電性を向上させる効果が優れて
いることから、式:(n+p)/mで示される構成単位
比が、0.01〜100の範囲であることがより好まし
く、0.1〜10の範囲がさらに好ましい。
【0030】固体ポリオルガノシランの重量平均分子量
は、該ポリオルガノシランが溶媒に可溶であって、溶液
から固体膜が形成できることと、合成のし易さ、および
導電性有機ポリマーとの相溶性から、通常500〜3,
000,000の範囲であり、500〜1,000,0
00がさらに好ましく、1,000〜200,000が
特に好ましい。
【0031】以上を総合して、本発明に用いられる固体
ポリオルガノシランの好ましい実施態様は、重量平均分
子量が500〜1,000,000であり、一般式
(I): (R12Si)m(R3Si)n(Si)p(R456Si)q(R7)r (I) (式中、R1〜R6は、それぞれ独立して、非置換もしく
は置換の1価の炭化水素基または1価の複素環基を表
し、該非置換もしくは置換炭化水素基または複素環基
中、5〜100モル%が、アリール基、複素環置換炭化
水素基および複素環基から選ばれる1種または2種以上
の基であり、ただし、該R1〜R6の30モル%以下は、
水素原子、水酸基および非置換もしくは置換のヒドロカ
ルビルオキシ基からなる群より選ばれるケイ素官能性基
ならびに/またはトリ(ヒドロカルビル)シリルオキシ
基であってもよく;R7は、2個のケイ素原子の間の、
非置換もしくは置換の2価の炭化水素基または複素環基
を表し;m、n、p、qおよびrは、上記の重量平均分
子量を満足させる、それぞれ独立して0または正の整数
であり、ただし、mならびにnおよび/またはpは、正
の整数であり、式:(n+p)/mで示される構成単位
比が、0.01〜100である)で示される。該固体ポ
リオルガノシランの個々の要件におけるさらに好ましい
範囲は、それぞれの要件について記載されている。
【0032】このような固体ポリオルガノシランは、既
知のポリオルガノシランの合成法を用いて製造すること
ができる。たとえば、金属ナトリウムによるオルガノク
ロロシラン類の脱塩縮合反応を用いて、原料のオルガノ
クロロシラン類、たとえばジオルガノジクロロシランと
オルガノトリクロロシランの混合比を調整することによ
り、分子骨格の分岐度を任意に制御した、様々な直鎖状
または分岐状のポリオルガノシランを得ることができ
る。また、アルコキシジシラン類の不均化反応により、
温和な条件で、同様のポリオルガノシランを得ることが
できる(特開平4−311727号公報、特開平6−5
7002号公報およびK. Kabetaら、J. Polym. Sci. Pa
rt A, Polym. Chem., 34, 2991-2998 (1996)およびJ. P
olym. Sci.Part A, Polym. Chem., 35, 455-461 (1997)
参照)。さらに、前述のように、残存するケイ素官能性
基を、ソルボリシスによって他の取扱い易いケイ素官能
性基に変換したり、ヘキサメチルジシラザンのようなシ
リル化剤によってシリル化して、トリ(ヒドロカルビ
ル)シリルオキシ基に変換してもよい。
【0033】本発明に用いられる導電性有機ポリマー
は、非置換または置換の、ポリアニリン、ポリチオフェ
ン、ポリピロール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、
およびそれら相互の共重合体からなる群より選ばれる導
電性有機ポリマーであり、1種でも2種以上を用いても
よい。これらは、アルキル基やヒドロキシアルキル基;
また水酸基、アミノメチル基などの反応性基で置換され
たものも包含し、特に有機溶媒への溶解性が優れている
ことから、ポリ(3−オクチルチオフェン)のようなア
ルキル置換体が好ましい。相互の共重合体としては、そ
れぞれ非置換または置換のチオフェン単位とピロール単
位からなる共重合体が例示される。
【0034】また、このような導電性有機ポリマーとし
ては、有機溶媒への溶解性に優れ、かつ固体ポリオルガ
ノシランとの相溶性も優れていることから、構造式(I
I):
【0035】
【化2】
【0036】(式中、sおよびtは、後述の重量平均分
子量を満足させる整数であり、かつs/(s+t)が0
〜1である)で示されるポリアニリンが好ましい。な
お、この構造式は、構成単位の数を示すものであって、
ブロック共重合体を意味するものではない。
【0037】上記の溶媒可溶性ポリアニリンの重量平均
分子量は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどの
有機溶媒への溶解性、およびポリオルガノシラン、特に
分岐状ポリオルガノシランとの相溶性に優れ、かつドー
ピングを行った際の化学的安定性に優れていることか
ら、1,000〜200,000の範囲が好ましい。ま
たs/(s+t)の値は、構造式(II)に示されるポリ
アニリンの構成単位が互変性であって、合成反応の条件
および還元剤による後処理によって変動し、通常、0.
4〜0.9の範囲のものが好ましい。
【0038】固体ポリオルガノシランと導電性有機ポリ
マーは、相溶性で、共通の有機溶媒中で均一な溶液を形
成することが、組成物に優れた成膜性と導電率を付与す
るために好ましい。ここに有機溶媒とは、代表的には、
用いられる固体ポリオルガノシランおよび導電性有機ポ
リマーの共通溶媒であって、n−へキサン、ベンゼン、
トルエン、キシレンのような炭化水素類;メタノール、
エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
−ブタノールのようなアルコール類;2−ブトキシエタ
ノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2
−プロパノールのような置換アルコール類;アセトン、
メチルエチルケトンのようなケトン類;アセトニトリル
のようなニトリル類;テトラヒドロフランのような環状
エーテル類;N−メチルピロリドン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシドのような非プロトン極性溶
媒などが挙げられる。溶解性、成膜性および薄膜の乾燥
の容易さから、N−メチルピロリドンおよびテトラヒド
ロフランが好ましく、テトラヒドロフランが特に好まし
い。
【0039】固体ポリオルガノシランと導電性有機ポリ
マーの配合比は、電子回路の導電部が優れた導電性を示
すことから、固体ポリオルガノシラン100重量部に対
し、導電性有機ポリマー0.01〜1,000重量部が
好ましく、1〜200重量部がさらに好ましい。
【0040】固体ポリオルガノシランと導電性有機ポリ
マーを主成分として含むポリマー混合物を、上述のよう
な両者の適切な共通溶媒に溶解して、基材表面に導電性
薄膜を形成するための処理液を調製することができる。
溶液は、該ポリマー混合物の濃度が、通常0.01〜8
0重量%、好ましくは0.1〜50重量%になるように
調製する。
【0041】上記の有機溶媒に、固体ポリオルガノシラ
ンと導電性有機ポリマーを別個に溶解してもよく、あら
かじめ相溶性である両者を含むポリマー混合物を調製し
て、溶解させてもよい。
【0042】上記のポリマー混合物に、さらに、界面活
性剤、可塑剤などを配合してもよい。
【0043】本発明に用いられる基板は、通常の電子回
路やマイクロ電子回路に基板として用いられるものをは
じめとして、絶縁物であれば何でもよく、用途や使用条
件に応じて選択される。このような基板としては、アル
ミナ、ベリリア、シリカ、チタニア、酸化タンタル、ム
ライト、ステアタイト、ホルステライト、ガラス、炭化
ケイ素、窒化アルミニウムのような無機絶縁材料;なら
びにフェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステ
ル、ポリイミド、ポリアミド、シリコーン樹脂、シリコ
ーンゴムのような有機高分子、およびこれらに無機質充
填剤を配合した有機絶縁材料が例示される。
【0044】本発明の組成物の薄膜を形成する方法とし
ては、上述のような溶媒に固体ポリオルガノシランおよ
び導電性有機ポリマーを溶解して得られた溶液を、基板
上に塗布し、常圧または減圧で、常温もしくは加温によ
り溶媒を揮発させ、薄膜を得る方法が一般的である。塗
布方法としては、ディッピング、スクリーン印刷、スピ
ンコートなどが例示され、特に導電性薄膜を簡便に再現
性よく得るために、高速で回転させながら溶媒を留去し
て成形するスピンコート法を用いることが望ましい。
【0045】本発明の電子回路の形成方法の特徴は、上
述のようにして得られた薄膜に、前述の(a)コヒーレ
ント光による露光、(b)酸素の存在下における非コヒ
ーレント紫外光による露光、および(c)ドーピングを
行うことである。この工程(a)、(b)および(c)
を行う順序は、任意に選択することができる。すなわ
ち、本発明においては、ドーピングを施した薄膜の、電
気絶縁性を付与したい特定の部位を露光してもよく、ド
ーピング前に電気絶縁性を付与したい特定の部位を露光
してからドーピングを施すことにより、電子回路を形成
してもよい。
【0046】本発明の組成物薄膜の露光は、コヒーレン
ト光および非コヒーレント紫外光の必要量を、該薄膜
の、電気絶縁性を付与したい特定の部位に照射すること
によって行われる。コヒーレント光と非コヒーレント紫
外光を照射する順序は、任意である。コヒーレント光
は、主に導電性有機ポリマーに対する絶縁性付与に効果
があり、非コヒーレント紫外光は、ポリオルガノシラン
に対する絶縁性付与に効果が認められる。このことか
ら、導電性有機ポリマー、固体ポリオルガノシランまた
は両者の組成物に対し、コヒーレント光および非コヒー
レント紫外光のどちらか一方だけを露光した場合、露光
部位に、ある程度の導電率の減少は認められる。しかし
ながら、通常、電子回路においては、導電部と絶縁部の
導電率の比(回路描画抵抗率比)が1012以上であるこ
とが望ましいことを考慮して、コヒーレント光と非コヒ
ーレント紫外光を段階的に照射して露光する方法を提供
する、本発明の優位性は明らかである。
【0047】なお、電子回路の形成に当たって、該回路
の一部の部位に、コヒーレント光への露光のみ、および
/または非コヒーレント紫外光への露光のみによって所
望の導電率を与えることも可能である。本発明の電子回
路形成方法は、絶縁性を付与する部位の少なくとも一部
に、コヒーレント光と非コヒーレント紫外光とに段階的
に露光して形成された絶縁部を与える方法であれば、上
記のように一方への露光による部位が存在する方法をも
包含する。
【0048】工程(a)において露光に用いられるコヒ
ーレント光は、レーザ光のような、単一の波長を有する
光である。レーザ光は、原子の誘導放出によって生ずる
コヒーレント光であって、極度に短い周期のパルス光が
得られる。
【0049】コヒーレント光としては、He−Neレー
ザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザのようなガス
レーザ;ルビーレーザ、ガラスレーザ、YAGレーザの
ような固体レーザ;GaNダイオードレーザ、GaAs
ダイオードレーザ、GaAs−GaAlAsレーザ、I
nGaAlPダイオードレーザのような半導体レーザな
どのレーザ光などが例示され、それらから生じたコヒー
レント光を、非線形光学素子などによって1/2波長
光、1/4波長光などに変換したコヒーレント光も用い
ることができる。
【0050】用いるコヒーレント光の波長は、200〜
1,000nmの範囲が好ましく、たとえば266nmの波
長のコヒーレント光を用いて、導電性有機ポリマーに効
率よく絶縁性を付与できる。露光の強度は組成物の特
性、膜厚、さらに所望の導電性に応じて、露光時間との
関係を考慮して選択される。コヒーレント光の強度は、
所望の絶縁化を短時間に行い、かつ薄膜の破壊や剥離を
起こさないように有効な描線が可能なことから、1〜5
0μJ/パルスの範囲が好ましい。また、該コヒーレン
ト光による描線は、通常1〜100μmの範囲の任意の
線幅で露光して行うことができる。
【0051】工程(b)において用いられる非コヒーレ
ント紫外光は、200〜400μmの波長を有し、自然
光のようなブロードな波長分布を示すものである。この
ような紫外光による露光は、たとえば空気中のような酸
素の存在する雰囲気で、低圧、中圧、高圧または超高圧
水銀灯のような光源を用い、たとえば波長254nmまた
は365nmを中心としたブロードな波長域の紫外線を、
電気絶縁性を付与したい特定の部位に必要量を照射する
ことによって行われる。なお、このような非コヒーレン
ト光をフィルターに通すことにより、特定の波長のもの
を露光に用いてもよい。
【0052】このような光酸化により、露光部位のポリ
オルガノシランのSi−Si結合の一部または全部が、
Si−O−Si結合に変換する。この場合、Si−Si
結合の一部がSi−O−Si結合に変化しただけでも、
すなわち、露光部位を完全にポリオルガノシロキサンに
変化しなくても、薄膜の電気伝導性を低下させて電気絶
縁性にすることは可能であり、本発明による電子回路を
形成することができる。したがって、照射量を変化させ
ることにより、ポリオルガノシランの酸化の度合を制御
することができることから、これを利用して、回路上の
特定の部位の導電性を任意に設定することが可能であ
る。
【0053】電子回路を形成するために、絶縁化させる
部位への工程(a)および工程(b)における露光は、
ホトマスク、スリット、ピンホールなどによって用いる
こともできる。また、工程(a)では、コヒーレント光
の細いビームによって直接に描線することもできる。
【0054】工程(c)は、酸または酸化性物質により
ドーピングする工程である。ドーピングは、工程(a)
および(b)を行う前の薄膜に対して行ってもよく、工
程(a)および(b)による露光後の薄膜に対して行っ
てもよい。特にドーパントが酸の場合、導電性有機ポリ
マーに配合し、ついで前述の方法により処理液を調製し
て薄膜化してもよい。このことにより、得られた電子回
路の導電部に、高い導電性を付与することができる。
【0055】酸としては、塩酸、硫酸およびスルホン酸
類のようなプロトン酸が例示され、簡便に取り扱えるこ
とから、塩酸またはスルホン酸類を用いることが好まし
く、有機溶媒への溶解性が高いことから、有機スルホン
酸類、たとえばメチルスルホン酸、エチルスルホン酸、
ショウノウ−2−スルホン酸がさらに好ましい。
【0056】酸化性物質としては、塩素、臭素、ヨウ素
のようなハロゲン類;および五フッ化ヒ素、五フッ化ア
ンチモン、塩化第二スズ、塩化第二鉄のようなルイス酸
が例示され、簡便に取り扱えることから、ヨウ素または
塩化第二鉄を用いることが好ましく、ヨウ素を用いるこ
とが特に好ましい。
【0057】ドーピングの方法としては、たとえば (1)ショウノウ−2−スルホン酸、ヨウ素、塩化第二
鉄のようなドーピング剤、ならびに固体ポリオルガノシ
ランおよび導電性有機ポリマーが溶解した溶液から乾式
成膜することにより、フィルムまたは薄膜に成形すると
同時に、ドーピングを行う同時ドーピング法; (2)ショウノウ−2−スルホン酸、ヨウ素または塩化
第二鉄のようなドーピング剤を溶解した溶液に、固体ポ
リオルガノシランおよび導電性有機ポリマーがから得ら
れた薄膜を浸漬する湿式ドーピング法;または (3)ヨウ素または塩化第二鉄の蒸気雰囲気下に、同様
の薄膜をさらす気相ドーピング法 を用いることができる。溶媒を使用せず、再現性よく高
い導電性が得られることから、(3)の気相ドーピング
法が好ましい。なお、(3)気相ドーピング法を用いる
場合は、(a)および(b)の露光を行った後にドーピ
ングを行うことが好ましい。
【0058】ドーピングに用いる酸化性物質の量は、導
電部に高い導電性を与える効果および成膜性から、固体
ポリオルガノシランと導電性有機ポリマーの合計量10
0重量部に対して、通常1〜100,000重量部、好
ましくは10〜1,000重量部;酸の量は、通常、1
〜10,000重量部、好ましくは5〜1,000重量
部である。これらの量は、ドーピング工程における使用
量であって、ドーピングされた薄膜にこれだけの量のド
ーピング剤が存在することを意味しない。
【0059】ドーピングによって得られる導電部の導電
率は、10-2S・cm-1以上であり、特に固体ポリオルガノ
シランとして分岐状ポリオルガノシランを用いるとき
は、102S・cm-1以上の高い導電性を示す。したがっ
て、各種の電子回路の導電部として用いるのに必要な導
電率に応じて、薄膜の組成を任意に選択することができ
る。このように、固体ポリオルガノシランに導電性有機
ポリマーを添加した組成物にドーピングを施した際に
は、それぞれ単独でドーピングを施したものよりも高い
導電性を与える。その理由として、導電性有機ポリマー
が固体ポリオルガノシラン中に分散することにより、導
電性有機ポリマーの結晶化度が大きくなり、結果として
導電性が向上することが挙げられる。また、導電率は、
物質中のキャリヤー濃度とその移動度の積で表される。
ポリオルガノシランはキャリヤー移動度に優れ、導電性
有機ポリマーはキャリヤー濃度が大きいため、結果とし
て両者の相乗効果が現れていることも、その理由として
挙げられる。
【0060】
【実施例】以下の合成例および実施例によって、本発明
をさらに詳しく説明する。これらの例中、部はすべて重
量部を表し、物性値は25℃における値である。また、
本発明は、これらの実施例によって制限されるものでは
ない。
【0061】レーザ光の照射には、New Wave Reseach社
製、Quik Lazeレーザーカッティング装置およびMitsuto
yo 50X UV 対物レンズを用い、発生した波長1,064
nmのNd:YAGレーザ光を、光電素子によって変換し
た266nm、強度12μJ/パルスのコヒーレント光に
より、1パルスあたり50×50μmの範囲を照射し、
試料を移動させながら、連続的にパルス照射することに
よって、所望の絶縁部を描画した。なお、上記のレーザ
光強度は、レーザ出力端における強度である。該レーザ
光は、薄膜の露光部位には、顕微鏡システムの光学系お
よび対物レンズを通して照射される。したがって、該光
学系および対物レンズによる吸収と集束を考慮すると、
実際に薄膜の照射するレーザ光の強度は、明確には測定
できず、上記のレーザ出力端における強度と、装置の光
学系および対物レンズによって決定される。
【0062】導電率は、ガラス板上に2個の端子部を金
蒸着により形成して電極とし、この上に試料溶液をスピ
ンコートして薄膜を作製し、光照射前および照射後の薄
膜について、窒素気流中で、室温における直流抵抗値か
ら求めた。ただし、導電率が10-10S・cm-1未満の高絶
縁性を示す部位の導電率は、銅板上に試料溶液をスピン
コートして薄膜を作製し、窒素気流中で、室温における
膜厚方向の直流抵抗値から求めた。
【0063】合成例1 直鎖状フェニルメチルポリシラ
ンの合成 金属ナトリウム10部を窒素気流下でトルエン300部
に添加し、攪拌しつつ110℃に昇温して分散させた。
これにフェニルメチルジクロルシラン41.5部をゆっ
くり滴下した。物質比はフェニルメチルジクロロシラン
1モルに対しナトリウム2モルに相当する。3時間攪拌
して、反応を完結させた。放冷後、生成した塩をろ別
し、溶媒を留去することにより、白色固体のポリオルガ
ノシランを得た。GPCによる分析の結果、得られたポ
リオルガノシランの重量平均分子量は、12,000
(ポリスチレン換算)であった。また、1H NMRか
ら、該ポリオルガノシランが、式(A)で示される、フ
ェニルメチルシリレン単位からなる直鎖状のものである
ことを確認した。
【0064】
【化3】
【0065】合成例2 フェニル基含有分岐状ポリオル
ガノシランの合成 金属ナトリウム4部を窒素気流下でトルエン100部に
添加し、攪拌しつつ110℃に昇温して分散させた。こ
れに、フェニルメチルジクロルシラン10部およびフェ
ニルトリクロロシラン2部を同時に滴下した。物質比
は、フェニルメチルジクロロシラン1モルに対しナトリ
ウム2モル、フェニルトリクロロシラン1モルに対しナ
トリウム3モルに相当する。4時間攪拌して、反応を完
結させた。放冷後、塩をろ別し、溶媒を留去することに
より、薄黄色固体のポリオルガノシランを得た。GPC
による分析の結果、得られたポリオルガノシランの重量
平均分子量は、8,000(ポリスチレン換算)であっ
た。また、1H NMRから求めたフェニルメチルシリ
レン単位とフェニルシリン単位の比は、83:17であ
り、該ポリオルガノシランが、式(B)で示される、分
岐状のものであることを確認した。なお、式(B)は、
構成単位の数を示すものであって、ブロック共重合体を
意味するものではない。
【0066】
【化4】
【0067】合成例3 有機溶媒可溶性ポリアニリンの
合成方法 アニリン10部を1規定塩酸水溶液200部に溶解し、
−5℃で攪拌しつつ、ペルオキソ二硫酸アンモニウム2
0部を加えた。溶液の温度を−5〜0℃に制御して1時
間攪拌した。析出した黒緑色固体を、2規定アンモニア
水500部に分散させて、一夜攪拌することにより、系
から塩酸を除去した。ろ過した固形物を、テトラヒドロ
フラン300部中に投入し、室温で15分間撹拌し、つ
いで超音波を2分間かけて、合成反応で副生した、ポリ
アニリンの溶媒に不溶な分を、ろ過によって除去した。
ついで2kPa{15Torr}の減圧下にテトラヒドロフラ
ンを留去することにより、褐色固体のポリアニリンを得
た。このポリアニリンは、テトラヒドロフランにきわめ
て容易に溶解した。該溶媒可溶性ポリアニリンの収率
は、理論量に対して52%であった。GPCによる分析
の結果、得られたポリアニリンの重量平均分子量は、
6,000(ポリスチレン換算)であった。
【0068】調製例1 ショウノウスルホン酸でドーピ
ングされたポリアニリンの調製 合成例3で得たポリアニリン10部と、ショウノウ−2
−スルホン酸5部をN−メチルピロリドン100部に室
温で加え、2日間攪拌した。溶液の色は当初の青色から
最終的に暗緑色に変化した。この溶液から単離せずに、
そのまま薄膜の作製を行った。
【0069】実施例1 合成例1で得られたポリオルガノシラン10部に、合成
例3で得られたポリアニリン2部を加え、両者を混合し
て得られたポリマー混合物をテトラヒドロフラン100
部に投入し、5分間攪拌した後、得られた溶液をガラス
板上にスピンコートして、50℃/13.3Pa{0.1
Torr}の減圧下でテトラヒドロフランを揮散させ、厚さ
0.5μmの薄膜を作製した。この薄膜に、遮光した状
態で、窒素気流中、ヨウ素100部を用いて室温で気相
ドーピングした後の導電率は、1.0S・cm-1であった。
同様に銅板上にスピンコートして得たドーピングしない
薄膜を、空気中で、波長266nmのレーザ光で露光し、
ついで同様に空気中で低圧水銀灯により、中心波長25
4nmの紫外線により10J/cm2の露光を行い、さらに、
上記と同様の条件によりヨウ素でドーピングすると、露
光した部位の導電率は、1×10-14S・cm-1であった。
【0070】上記と同様に、ガラス板上に作製した導電
性薄膜の特定の部位に、低圧水銀灯による紫外線の露光
量を、それぞれ5J/cm2または1J/cm2とした以外は、上
記と同様にして、紫外線露光、レーザ光露光およびドー
ピングを行ったところ、露光した部位の導電率は、それ
ぞれ6×10-10S・cm-1および3×10-8S・cm-1であっ
た。
【0071】このことを利用して、ホトマスクにより、
それぞれの部位に紫外光の必要な露光を与えることによ
り、各種の抵抗値を有する抵抗素子を含む電子回路を形
成することができた。
【0072】実施例2 合成例2で得られたポリオルガノシラン10部に、合成
例3で得られたポリアニリン5部を加え、混合して得ら
れたポリマー混合物をテトラヒドロフラン100部に投
入し、5分間攪拌した後、ガラス板上にスピンコートし
て、50℃/13.3Pa{0.1Torr}の減圧下でテト
ラヒドロフランを揮散させ、厚さ0.6μmの薄膜を作
製した。この薄膜に、実施例1と同様にヨウ素をドーピ
ングした後の導電率は、3.5×102S・cm-1であっ
た。同様の方法により、銅板上に作製した薄膜を、実施
例1と同様に波長266nmのレーザ光で露光し、つい
で、低圧水銀灯により10J/cm2の紫外線で露光を行
い、さらに、実施例1と同様にヨウ素をドーピングした
とき、導電率は、8×10-13S・cm-1であった。
【0073】実施例3 合成例1で得られたポリオルガノシラン1部に、調製例
1で得られたポリアニリン溶液5部を加え、混合して得
られたポリマー混合物をN−メチルピロリドン20部に
投入し、10分間攪拌して、均一な溶液を得た。得られ
た組成物溶液を、ガラス板上にスピンコートして、50
℃/13.3Pa{0.1Torr}の減圧下でN−メチルピ
ロリドンを揮散させ、厚さ0.4μmの薄膜を作製し
た。この薄膜の導電率は、15S・cm-1であった。この薄
膜の特定の部位を、空気中で波長266nmのレーザ光に
よって露光し、ついで、低圧水銀灯により10J/cm2
紫外線で露光を行ったところ、露光した部位の導電率
は、10-10S・cm-1未満であった。別途、銅板上に同様
に作製した薄膜から、上記と同様にしてパターニングし
て得られた露光部位の導電率は、3×10-12S・cm-1
あった。
【0074】実施例4 実施例1と同様の配合比および薄膜作成条件により、合
成例1で得られたポリオルガノシランと、合成例3で得
られたポリアニリンから、実施例1と同様の導電性薄膜
を得た。これを、ホトマスクによって、12μJ/パル
スのレーザ光のみの露光を行った部位、低圧水銀灯によ
る10J/cm2の紫外線のみの露光を行った部位、および
両者による逐次露光を行った部位を設けて、電子回路の
パターンを形成させた。ついで実施例1と同様に、ヨウ
素によるドーピングを行った。各部位の導電率は、非露
光部位が1.0S・cm-1、レーザ光のみの露光を行った部
位が1.6×10-6S・cm-1、紫外線のみの露光を行った
部位が1.1×10-2S・cm -1、両者による露光を行った
部位が10-10S・cm-1未満であった。別途、銅板上に同
様に作製した薄膜から、上記と同様にパターニングして
得られた、レーザ光と紫外光による露光を行った部位の
導電率は、1×10-14S・cm-1であった。このことによ
り、各種の導電率を有する抵抗素子を含む電子回路を形
成することができた。
【0075】比較例1 合成例1で得られたポリオルガノシラン10部をテトラ
ヒドロフラン100部に投入し、5分間攪拌した後、ガ
ラス板上にスピンコートして、50℃/13.3Pa
{0.1Torr}の減圧下でテトラヒドロフランを揮散さ
せ、厚さ0.5μmのポリオルガノシラン薄膜を作製し
た。この薄膜を、露光せずに、実施例1と同様の条件で
ヨウ素をドーピングした後の導電率は、2.5×10-5
S・cm-1であった。ポリオルガノシラン薄膜に、実施例1
と同様の条件によって、空気中で、波長266nmのレー
ザ光による露光および低圧水銀灯による紫外線露光を行
い、さらに実施例1と同様の条件でヨウ素によってドー
ピングすると、露光された部位の導電率は、10-10S・c
m-1未満であった。別途、銅板上に同様に作製した薄膜
から、上記と同様にパターニングして得られた露光部位
の導電率は、2×10-1 3S・cm-1であった。
【0076】比較例2 比較例1において、薄膜に紫外線露光を行わず、波長2
66nmのレーザ光のみによる露光を行い、ヨウ素をドー
ピングすると、露光された部位の導電率は、2.2×1
-5S・cm-1であった。
【0077】比較例3 比較例1において、銅板上に作製した薄膜にレーザ光に
よる露光を行わず、低圧水銀灯による紫外線露光のみを
行い、ヨウ素をドーピングすると、露光された部位の導
電率は、2×10-13S・cm-1であった。
【0078】比較例4 合成例3で得られたポリアニリン10部をテトラヒドロ
フラン150部に投入し、5分間攪拌した後、ガラス板
上にスピンコートして、50℃/13.3Pa{0.1To
rr}の減圧下でテトラヒドロフランを揮散させ、厚さ
0.3のポリアニリン薄膜を作製した。この薄膜を露光
せずに、実施例1と同様の条件でヨウ素をドーピングし
た後の導電率は、5.0S・cm-1であった。同様のポリア
ニリン薄膜に、実施例1と同様の条件によって、空気中
で、波長266nmのレーザ光露光および低圧水銀灯によ
る紫外線露光を行い、ヨウ素をドーピングすると、導電
率は、5.4×10-6S・cm-1であった。
【0079】比較例5 比較例4において、薄膜に紫外線露光を行わず、波長2
66nmのレーザ光のみによる露光を行い、ヨウ素をドー
ピングすると、露光された部位の導電率は、5.8×1
-6S・cm-1であった。
【0080】比較例6 比較例4において、薄膜にレーザ光による露光を行わ
ず、低圧水銀灯による紫外線露光のみを行い、ヨウ素を
ドーピングすると、露光された部位の導電率は、5.0
S・cm-1であった。
【0081】以上の結果から、原料ポリオルガノシラ
ン、露光に用いた紫外線およびレーザ光の強さ、ならび
に露光部と非露光部の抵抗率比をまとめて、表1に示
す。
【0082】
【表1】
【0083】これらの結果を総合すると、固体ポリオル
ガノシランとして、実施例2に用いたような分岐状ポリ
オルガノシランが、非露光部の導電率および露光による
抵抗率比の優れた電子回路を与えることが明らかであ
る。また、比較例相互を比較して明らかなように、固体
ポリオルガノシラン薄膜は低圧水銀灯による紫外線、ポ
リアニリン薄膜はレーザ光によってそれぞれ絶縁部を形
成したが、いずれも単独では、電子回路として必要な抵
抗率比が得られなかった。
【0084】
【発明の効果】本発明によって、固体ポリオルガノシラ
ンと導電性有機ポリマーとを含む組成物を用いて基板上
に形成された薄膜から、その一部の部位を、コヒーレン
ト光および非コヒーレント紫外光によって露光した後
に、さらに酸または酸化性物質をドーピングするか、あ
るいはドーピングを行った後に、一部の部位に上記の露
光を行うという、3段階の工程によって、電子回路を形
成することができる。このようにして得られる電子回路
は、電子伝導回路として用いることができる。すなわ
ち、エレクトロニクス、マイクロエレクトロニクス用の
導電回路などの受動的回路として用いることができるだ
けでなく、発光機能などを付与すれば、能動的電子回路
としての使用も可能である。
【0085】本発明による電子回路の形成方法は、導電
体の特定の部位を絶縁体に変換して、電子伝導特性の境
界を形成することによってパターンを形成するものであ
り、材料に無駄を生じない。
【0086】さらに、このような薄膜に照射する光の波
長、照射量を変えることにより、露光部位の絶縁性を任
意に制御することができる。たとえば、大エネルギー量
を照射して露光部位を高絶縁性にしたり、小エネルギー
量を照射して露光部位を低く抑制することが可能であ
り、このことを利用して抵抗素子を作り込むなど、パタ
ーンの設計をより多様なものにすることができる。特に
本発明では、回路描画抵抗率比が105〜1018にわた
る多彩な回路パターンを提供することが可能である。さ
らに、本発明の方法によれば、回路パターンの追加や修
正が容易である。
【0087】そればかりでなく、電子回路の形成に至る
加工ステップが、導体形成、レジスト塗布、露光、エッ
チング、残留レジストの剥離除去という従来の電子回路
形成方法よりも少なく、加工によるパターン精度の低下
や材料汚染のおそれが少ないことから、きわめて優れた
電子回路形成方法である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 79/00 C08L 83/16 83/16 101/00 101/00 H05K 1/09 D H01L 21/3205 H01L 29/28 H05K 1/09 21/88 A (72)発明者 壁田 桂次 東京都港区六本木6丁目2番31号 ジーイ ー東芝シリコーン株式会社内 Fターム(参考) 4E351 BB01 BB31 CC27 DD40 GG20 4J002 BM00W CE00W CM01W CP01X DD016 DD036 DE096 DE116 DG046 EV236 FD116 GQ00 5F033 PP26 QQ01 WW04 XX03 XX33

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体ポリオルガノシランと導電性有機ポ
    リマーを主成分として含む導電部を有する電子回路。
  2. 【請求項2】 上記の固体ポリオルガノシランが、ケイ
    素原子に結合した非置換もしくは置換の1価の炭化水素
    基または1価の複素環基中、5〜100モル%がアリー
    ル基、複素環置換炭化水素基および複素環基から選ばれ
    る1種または2種以上の基である、請求項1記載の電子
    回路。
  3. 【請求項3】 上記の固体ポリオルガノシランが、分岐
    状の分子骨格を有する、請求項1または2記載の電子回
    路。
  4. 【請求項4】 上記の固体ポリオルガノシランが、重量
    平均分子量が500〜1,000,000であり、一般
    式(I): (R12Si)m(R3Si)n(Si)p(R456Si)q(R7)r (I) (式中、 R1〜R6は、それぞれ独立して、非置換もしくは置換の
    1価の炭化水素基または1価の複素環基を表し、該非置
    換もしくは置換炭化水素基または複素環基中、5〜10
    0モル%が、アリール基、複素環置換炭化水素基および
    複素環基から選ばれる1種または2種以上の基であり、
    ただし、該R1〜R6の30モル%以下は、水素原子、水
    酸基および非置換もしくは置換のヒドロカルビルオキシ
    基からなる群より選ばれるケイ素官能性基ならびに/ま
    たはトリ(ヒドロカルビル)シリルオキシ基であっても
    よく;R7は、2個のケイ素原子の間の、非置換もしく
    は置換の2価の炭化水素基または複素環基を表し;m、
    n、p、qおよびrは、上記の重量平均分子量を満足さ
    せる、それぞれ独立して0または正の整数であり、ただ
    し、mならびにnおよび/またはpは、正の整数であ
    り、式:(n+p)/mで示される構成単位比が、0.
    01〜100である)で示される、請求項1〜3のいず
    れか1項記載の電子回路。
  5. 【請求項5】 上記の導電性有機ポリマーが、非置換ま
    たは置換の、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロ
    ール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、およびそれら
    相互の共重合体からなる群より選ばれる、請求項1〜4
    のいずれか1項記載の電子回路。
  6. 【請求項6】 上記の導電性ポリマーが、重量平均分子
    量が1,000〜200,000であり、構造式(I
    I): 【化1】 (式中、sおよびtは、上記の重量平均分子量を満足さ
    せる整数であり、かつs/(s+t)が0〜1である)
    で示されるポリアニリンである、請求項1〜5のいずれ
    か1項記載の電子回路。
  7. 【請求項7】 固体ポリオルガノシランと導電性有機ポ
    リマーを主成分として含む薄膜に、(a)その一部の部
    位を、コヒーレント光によって露光する工程;(b)上
    記と同じ部位を、酸素の存在下に非コヒーレント紫外光
    によって露光する工程;および(c)酸または酸化性物
    質でドーピングする工程を任意の順序に含む処理を行う
    ことを特徴とする、電子回路の形成方法。
  8. 【請求項8】 上記のポリオルガノシランおよび上記の
    導電性有機ポリマーとして、たがいに相溶性のものを用
    いる、請求項7記載の形成方法。
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WO2009122956A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 住友化学株式会社 有機半導体組成物、並びに有機薄膜及びこれを備える有機薄膜素子
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