JP2001305359A - フォトニック構造を有する周期構造体の製造方法 - Google Patents

フォトニック構造を有する周期構造体の製造方法

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JP2001305359A
JP2001305359A JP2000120192A JP2000120192A JP2001305359A JP 2001305359 A JP2001305359 A JP 2001305359A JP 2000120192 A JP2000120192 A JP 2000120192A JP 2000120192 A JP2000120192 A JP 2000120192A JP 2001305359 A JP2001305359 A JP 2001305359A
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photonic structure
manufacturing
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spherical particles
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Aya Imada
彩 今田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光波長程度の周期を持ち無欠陥或いは欠陥のあ
るフォトニック構造体として使用し得る屈折率周期構造
体の簡易な製造方法である。 【解決手段】光波長程度のサイズを有する一様な直径の
球状粒子5の懸濁液を、受け部3、4を有する基板1上
に滴下し、球状粒子5に荷重6を加えて受け部3、4内
に球状粒子5を凝集させる事でフォトニック構造体を製
造する。懸濁液に荷重6を加える事で受け部3、4内に
球状粒子を最密充填できて、1次元、2次元ないし3次
元のフォトニック構造体として使用できる屈折率周期構
造が形成できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォトニック構造
体の製造方法およびそれを用いた光機能素子に関するも
のであり、特に、光波長程度の周期を有する屈折率周期
構造体すなわちフォトニック構造体の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】光波長程度の屈折率周期を持つ誘電体多
層膜は、ミラーとして優れた特性を有することが知られ
ている。このような構造は1次元フォトニック構造体と
位置づけられる。これに対し、2軸方向または3軸方向
に光波長程度(0.1μm〜10μm程度)の屈折率周期
を持つ構造体は2次元または3次元フォトニック構造体
と呼ばれる。これらの構造体内部では、屈折率と周期に
よって決定される特定の波長の光波の伝搬が禁じられる
ため、導波路やフィルタ等の光機能素子への応用が期待
されている。この禁制帯をフォトニックバンドギャップ
と呼ぶ。
【0003】実際の2次元ないし3次元フォトニック構
造体の製造手法としては、エッチング技術やフォトリソ
グラフィー技術を用いて、半導体や誘電体薄膜に2次元
面内の光波長程度の周期凹凸構造を製造したり、スパッ
タ法や精密なアライメントにより2次元周期構造体を積
層して3次元的なフォトニック構造体を製造する手法が
主である(Shawn Yu Lin, Nature, vo1.16, p.251,
1998)。
【0004】また、化学合成により製造される光波長程
度のサイズの誘電体球状粒子(ポリスチレンやSiO2など)
を、コロイド懸濁液の表面張力や周囲の温度などの条件
を調整する事で規則的に配列させ、3次元フォトニック
構造体を製造する手法も提案されている (特開平6-2775
01、特開平7-l16502)。
【0005】誘電体球状粒子の1次元配列構造は、ポリ
スチレン懸濁液に電場を印加することで電場の向きに平
行に得られ、微量抗原検出センサの分野でパール鎖とし
て知られているが(T.Kiriyama、固体物理、Vo1.33, N
o.1, p.29, 1998)、NaClなどの溶液内であり基板上へ
の固定は行われていない。
【0006】また、近年では、カーボンやアルミナを陽
極酸化して形成される可視光域にバンドギャップを持つ
円形ホール2次元フォトニック構造体も製造されている
(H.Masuda, APPl. Phys. Lett. Vol.71, No.19,
p.2770, 1O November, 1997)。
【0007】
【発明が解決しようとしている課題】しかしながら、誘
電体や半導体材料に成膜法とエッチング法で広範囲な周
期構造を製造し、更に積層するとなると、光波長程度の
精密なアライメントを繰り返し行わなければならない。
【0008】また、化学合成により製造される光波長程
度のサイズの球状粒子の周期構造は、主にポリスチレン
やSiO2の誘電体球状粒子懸濁液を利用した毛細管現象や
蒸発現象によって自己組織的に製造されるが、懸濁液濃
度や周囲の気温や湿度などの条件に左右され易く、この
作用のみによる凝集力の操作や粒子の充填は難しい。そ
のため、広範囲に無欠陥な周期構造を実現できないのが
現実であり、任意形状の欠陥や多層の完全なフォトニッ
ク構造体は期待できない。
【0009】また、従来手法では、懸濁液の横毛管力や
蒸発現象による凝集力を利用しており、球状粒子に加わ
る荷重の調節が非常に難しい。
【0010】本発明は、上記従来技術の課題を解決すべ
く成されたものであり、その目的は、光波長程度の周期
を持ち欠陥のない又は任意位置に欠陥を有するフォトニ
ック構造体とその応用機能素子を提供すること、および
それらの簡易な製造方法を提供することにある。本発明
において、光波長とは紫外光、可視光、赤外光を意味
し、エキシマレーザから炭酸ガスレーザの波長域O.1μ
m〜10μm程度を指すものとする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するフォ
トニック構造体の製造方法は、光波長程度のサイズを有
する一様な直径の球状粒子の懸濁液を、受け部を有する
基板上に滴下し、該球状粒子に荷重を加えて該受け部内
に球状粒子を凝集させる事でフォトニック構造体を製造
することを特徴とする。この方法では、エッチング技術
やフォトリソグラフィ技術などによって凹部などを作製
した基板上に球状粒子懸濁液を滴下し、懸濁液に荷重を
加える事で凹部等内に球状粒子を最密充填させられて、
1次元、2次元ないし3次元のフォトニック構造体とし
て使用できる屈折率周期構造が形成できる。この構造は
そのまま使用してもよいが、これに光機能材料を充填し
て用いたり、これを型として他の物質を充填して該物質
から成る周期構造を形成して用いてもよい。
【0012】上記基本構成において、以下の如き、より
具体的な形態が可能である。前記受け部はどのような形
態のものでもよいが(例えば、基板上に形成されたポケ
ット状の受け部)、使用しやすく形成しやすいものとし
ては、基板に形成される所定の形状と深さを有する凹部
がある。この場合、前記深さが球状粒子の直径の1/2乃
至4/3程度であれば、凹部には球状粒子が1層しか凝集
されず、2次元的フォトニック構造体を製造できる。前
記深さが球状粒子の直径の4/3程度以上であれば、凹部
には球状粒子が2層以上凝集されて、3次元的フォトニ
ック構造体を製造できる。凹部斜面は基板に対し垂直で
あるほうが好ましい。
【0013】前記受け部は、所定の周期を有して形成さ
れた複数のV溝であってもよい。この場合、前記周期が
球状粒子の直径より大きければ、各溝内に1次元的フォ
トニック構造体を製造できる。前記周期が球状粒子の直
径に等しければ、各溝内に出来た1次元的フォトニック
構造体が密に連続的に繋がって2次元的フォトニック構
造体を製造できる。
【0014】同一基板上に複数個の受け部を作製し、少
なくとも1つの受け部には他とは異なる種類の微粒子を
充填し、複数種のフォトニック構造体を同一基板上に形
成することもできる。図6にその例が示されている。図
6の例では荷重として遠心力を用いているが、重力の基
板面に水平方向の成分や電磁力を用いる場合にも、可能
である。基板に傾斜を与える場合には、1つのフォトニ
ック構造体を、例えば硬化性樹脂で固めた後で、基板を
異なる方向に傾けて他の受け部に異なるフォトニック構
造体を形成すればよい。電磁力を用いる場合は、各受け
部の所に電極を形成して、そこに滴下された球状粒子懸
濁液の粒子を凝縮ないし配列すればよい。
【0015】前記受け部に欠陥部形成用の凸部を作製
し、欠陥部を有するフォトニック構造体を作製すること
もできる。図7にその例が示されている。
【0016】前記荷重は、基板を回転することによる遠
心力、基板に傾斜を与えることによる重力の該基板面に
水平方向の成分、或いは電磁力である。電磁力の場合、
前記懸濁液に電場を印加し、球状粒子を1次元ないし2
次元的に配列させ、基板の受け部に周期構造を作製でき
る。更に、球状粒子は誘電体粒子であって、荷重は、懸
濁液に交流電場を印加することで発生されたり、球状粒
子は金属球粒子であって、荷重は、懸濁液に極微な静電
場を印加することで発生されたりする。
【0017】前記フォトニック構造体を製造した後、エ
ッチング技術やフォトリソグラフィ技術を用いて受け部
の形成に起因する基板の凹凸構造を除去することも出来
る。
【0018】前記基板の受け部は、ウエットエッチング
ないしドライエッチングのエッチング技術やフォトリソ
グラフィ技術により作製されうる。
【0019】硬化性樹脂を含む溶媒の懸濁液を用いて、
フォトニック構造体が基板上に形成された後、該硬化性
樹脂を含む溶媒を紫外光や熱や電子線により硬化しても
よい。
【0020】前記球状粒子は、高分子、金属、無機物
質、生物体、酸化物、両親媒性コロイドなどである。ま
た、前記懸濁液の溶媒は、水、油、有機溶媒などであ
る。
【0021】また、上記目的を達成するフォトニック構
造体は、光波長程度のサイズを有する一様な直径の懸濁
液中の球状粒子を荷重を用いて凝集させて構成されたこ
とを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照しつつ本発明
の実施の形態を説明する。
【0023】(第1の実施例)本発明では、典型的に
は、図1に示すように、エッチング技術やフォトリソグ
ラフィ技術によって凹部3、4を作製した基板1上に、
光波長程度のサイズの球状粒子(ポリエチレンやポリス
チレンやポリプロピレン等の高分子球、SiO2やセラミッ
ク等の無機物質球(誘電体球を含む)、金等の金属球、
フェライト等の酸化物球、細菌や細胞等の生物球、ミセ
ル等の両親媒性コロイド球、ラテックスなど)懸濁液を
滴下し、懸濁液に遠心力などの荷重を加える事で凹部
3、4内に球状粒子5を最密充填させる。凹部構造3、
4の深さが粒子サイズの1/2〜4/3程度であれば2次元的
フォトニック構造体が作製され、更に深くすれば2層な
いし3層程度のフォトニック構造体の作製が可能であ
る。粒子5が充填された後に、懸濁液溶媒を蒸発させ粒
子5を基板1に吸着固定する。
【0024】上記した様に、光波長とは紫外光、可視
光、赤外光の波長を意味し、エキシマレーザから炭酸ガ
スレーザの波長域O.1μm〜10μm程度を指すものとす
るが、使用する粒子によっては表面に電荷分布を持ち、
またブラウン運動によって常に振動するため、粒子懸濁
液を放置しても重力(9.8m/sec2)により完全に沈殿しな
い場合が生じる。荷重の種類に関わらず重力は常に粒子
5に加わっているため、凹部3、4が懸濁液の下方にあ
る以上、本発明の手法では重量の大きな粒子5ほど沈殿
が好適に起こって、好ましい結果が期待できる。
【0025】荷重は、基板を回転する事による遠心力、
基板に傾斜を与える事による重力の基板面に水平方向の
成分、電場ないし磁場を印加する事による電磁気力のい
ずれかである。
【0026】遠心力の場合は、ウエットエッチングない
しドライエッチングないしフォトリソグラフィにより、
図1(a)と図2に示すように、頂角60度のひし形4ない
し3角形ないし矩形3ないしV溝7形状の凹部を基板1
に作製する。粒子5は凹部に六方格子構造に充填される
ため、遠心力の向きに60度の頂角を持つ構造が望まし
い。例えば、図1(a)のような基板1を作製し、懸濁液
を凹部3、4より荷重の支点側に滴下し、支点2を中心
に回転を与えると、図1(b)、(c)のように、粒子5には
重力と遠心力6が作用し、凹部3、4に粒子5が充填さ
れる。図2、図3に示すようなV溝7では、正方格子の
作製が可能である。
【0027】この手法で調節するパラメータは、基板1
の回転速度、凹部形状、懸濁液溶媒の粒子や基板とのぬ
れ性、懸濁液溶媒の粘性と表面張力、粒子サイズ、粒子
材料の種類、周囲の温度と湿度等である。しかしなが
ら、溶媒は遠心力により強制的に粒子5から分離するた
め、回転速度や粒子サイズに比べ、ぬれ性や表面張力は
ほとんど影響しない。
【0028】より具体的な例を説明する。図1(a)に示
すように、反応性イオンエッチング法(RIE法)により、S
i基板1に深さ7.0μmのひし形ないし矩形の凹構造3、
4を作製する。形状は、例えば頂角60度のひし形4や、
{粒子直径×(n+0.5)}(n=整数であり、この数の粒子5
が各層に並ぶことになる)程度の幅を持つ矩形3とす
る。ここで、直径5.0μmのポリスチレン球状粒子5のH
20懸濁液を試料とし、基板1の回転の支点2付近に滴下
する。この粒子5は良く沈殿するため、凹部3、4に入
り込み、遠心力6により六方格子に充填される(図1
(b)、(c))。
【0029】凹部の深さが球状粒子直径程度であるた
め、深さ方向に2層目の充填は行われず、粒子5はH20
溶媒と共に外部へ流出する。基板1の回転を止め、数分
放置すると凹部3、4に残留したH20溶媒は蒸発し、更
に、この際、球状粒子間に横毛管力が働くので、球状粒
子5は密着した状態で基板1に固定される。
【0030】勿論、誘電体球でなく高分子、金属、無機
物質、生物体、酸化物、両親媒性コロイドを用い、また
溶媒をH20のみでなくエタノール等と混合して表面張力
や粘性を変化させることも可能である。
【0031】(第2の実施例)基板に傾斜を与える手法
の場合も、同様の基板1を作製し、図3(a)に示すよう
に基板1に傾斜角9を与え、基板面に水平方向の重力成分
8を利用して粒子を凹部に充填する。この手法で調節す
るパラメータは、基板1の傾斜角度9、凹部形状、懸濁
液溶媒の粘性と表面張力、粒子サイズ、粒子材料の種
類、周囲の温度と湿度等である。粒子の充填に大きく作
用するパラメータは、主に傾斜角度と粒子種類である。
図3に示す如く、凹部形状がV溝構造7のときは、六方
格子のみではなく正方格子の充填も実現できる。
【0032】図3(b)に示すように、各V溝構造7の端を
揃えて配置し、V溝周期を粒子直径以上(d>2R,d=V溝周
期、R:粒子半径)にとると、1次元フォトニック構造体
が作製できる。また、図3(c)に示すようにd<2Rの条件
を満たすとき、つまりd=2Rcosφ(φ>O)の周期のV溝7で
は、隣接するV溝7内に配列する粒子5が妨げとなり配
列に乱れが生じてしまう。つまり、実空間格子周期が2R
となる正方格子2次元フォトニック構造体を作製するに
は、d=2Rとすれば良い。遠心力による手法では連続した
1次元フォトニック構造体の作製が難しいのに対し、連
続したV溝に平行に荷重を加える事のできるこの手法
は、連続した1次元フォトニック構造体の作製に有用で
ある。
【0033】より具体的に説明する。RIE法によりSi基
板に周期8.0μmのV溝7を作製した基板1に傾斜を与
え、直径5.Oμmのポリスチレン球状粒子5のH20懸濁液
を滴下する。これにより、基板1に平行な荷重10によ
り粒子5がV溝7内に充填配列され、1次元フォトニッ
ク構造体が作製される。また、周期5.0μのV溝7では、
各V溝7内に密に接して充填配列された粒子5により正
方格子2次元フォトニック構造体が作製される。
【0034】図3(a)に示すように基板1に5度程度の傾
斜を与え懸濁液を滴下すると、V溝7の低位側から粒子
5が充填されフォトニック構造体が形成される。大半の
H20溶媒はV溝7外へ流出し、残留した溶媒を蒸発させれ
ば粒子5は基板1に吸着固定される。
【0035】(第3の実施例)電場印加による手法で
は、基板上のV溝を使用して正方格子を作製する。V溝7
と平行な方向に電場14がかかるよう、図4のように基
板1に平行電極15を取り付ける。電極15は、アルミ
などの金属を蒸着または塗布し、V溝端近傍またはV溝7
にかかる程度にする。そして、電極15間に懸濁液を滴
下し交流電流を印加する。
【0036】この手法で用いる懸濁液の粒子の種類は、
一定時間放置した後に沈殿するような大きい粒子サイズ
の誘電体粒子が好ましい。誘電体粒子懸濁液に交流電場
を印加すると、粒子は分極し、双極子相互作用により電
場15に平行な方向に1次元的に配列する(パール鎖)。
サイズの大きい重い粒子は、重力により沈殿し、基板上
でパール鎖を形成し、時間が経過すると数本で結合して
太くなるが、基板1にd>2RのV溝7がある場合は1次元
鎖に分割され、各溝7に収まる。ただし、誘電体粒子に
は電極側への引力が作用しないため、充填され長いフォ
トニック構造体を作製するには比較的時間を要する。
【0037】この手法では、粒子配列後も溶媒がそのま
ま残っているため、何らかの方法で取り除く必要があ
る。例えば、溶媒を蒸発させる場合には、水流による力
が非常に大きく粒子配列が乱されるため、周囲条件を操
作して蒸発速度を遅くし、横毛管力を優位に働かせて粒
子を充填しなければならない。また、あらかじめ溶媒を
粘性の低い紫外線硬化性樹脂にし、粒子配列後に紫外線
光にて該樹脂を硬化して、粒子と共に基板7から剥離す
る方法もある。この場合は、ブラウン運動による粒子配
列の乱れが存在するため、粒子サイズの大きなものへの
適用が好ましい。
【0038】また、金属球懸濁液に極微な電場を印加
し、電極側に引き寄せる引力も利用できる。この手法
は、遠心力や基板を傾ける手法と同様に基板に平行な方
向に粒子を引き寄せる力を利用するため、ひし形等の凹
部による六方格子も作製できる(図1参照)。溶媒の除
去法は、誘電体球と同様である。
【0039】より具体的に説明する。直径5.Oμmのポリ
スチレン球状粒子の粘性の低い紫外線硬化性樹脂懸濁液
に交流電場を印加し、粒子配列後に紫外線光にて樹脂を
硬化して1次元フォトニック構造体を作製する。すなわ
ち、基板1上にアルミ蒸着による平行電極15を取り付
け、電極15間に懸濁液を滴下して交流電流(1OOKHz,20
V)を印加すると、粒子は基板1上に沈殿しながら電場に
平行な方向に1次元的に配列する。ブラウン運動による
球状粒子配列の乱れは、溶媒粘度がH20に比較して高い
ため、それほど活発ではない。高圧水銀ランプで紫外線
光を照射し溶媒を硬化すると、1次元フォトニック構造
体フィルムが出来上がる。
【0040】(第4の実施例)懸濁液の滴下位置と荷重
の作用する方向を考慮することで、1種類のフォトニッ
ク構造体を作製した後に、基板の別の部分に更に別種の
フォトニック構造体を作製することができる。そのた
め、この基板上に発光素子や受光素子などを直接実装で
きる。また、スタンパ材をスパッタし剥離する事で、フ
ォトニック構造体による光素子フィルムとして、他の配
線基板上に実装する事もできる。
【0041】より具体的に説明する。図5(a)に示すよ
うに、深さ5.0μmの矩形凹構造3とひし形凹構造4を
有するSi基板1をエッチングにより作製する。図6(a)
はこの基板1の上面図であり、両凹構造3、4の中心位
置にブロック体16をスパッタする。このときの横断面
図が図5(b)である。位置17に直径5.0μmのポリスチ
レン球状粒子のH20懸濁液を滴下し、支点18を中心に
基板1に回転を与えると、矩形凹構造3に粒子5が充填
され六方格子2次元フォトニック構造体ができる(図5
(c))。次に、直径3.0μmのポリスチレン球状粒子のH20
懸濁液を位置21に滴下し、支点18を中心に基板1に
回転を与えると、矩形凹構造4に粒子19が充填され六
方格子2次元フォトニック構造体を作製される(図5
(d))。図5(e)が完成したフォトニック構造体の断面
図、図6(b)が上面図である。
【0042】同様の手順を繰り返す事で、同一基板1上
に数種類のフォトニック構造体が作製でき、この基板上
に発光素子や受光素子などを直接実装できる。
【0043】(第5の実施例)フォトニック構造体内部
に欠陥を作製するには、基板の凹部内に凸部を形成し、
粒子を充填すれば、任意形状の欠陥を有するフォトニッ
ク構造体が作製できる。接着剤塗布ないしスタンパ材を
スパッタすることで、基板からフォトニック構造体を剥
離し、積層を行ったり任意の回路内に配置することが可
能である。
【0044】RIE法によりSi基板に凸構造を有する凹部
を作製し、任意の部位に欠陥を有する2次元フォトニッ
ク構造体を作製する例を説明する。
【0045】第1の実施例と同様に、直径5.0μmのポリ
スチレン球状粒子のH20懸濁液を試料とし、図1に示す
ように基板回転の支点2付近に滴下する。凸構造20を
有する凹部形状は、図7に示すように高さ3.0μm、直
径2.Oμm程度の円柱状突起20を一部に有し、頂角60
度、深さ7.0μmのひし形凹構造4である。凸構造20
は、粒子直径5.Oμmにおいて図7(b)に示す位置に作製
する。遠心力を加えると、粒子5は凹部4に入り込み六
方格子に充填される。凸構造20により、図7(b)のよ
うに1粒子が欠如した2次元フォトニック構造体とな
る。例えば、連続した欠陥構造は光導波路として利用で
きる。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれば
上記従来技術の課題が解決され、光波長程度の周期を持
つ無欠陥ないし欠陥部のあるフォトニック構造体とその
応用機能素子が柔軟かつ確実に実現され、更にそれらの
簡易な製造方法も実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は凹部を有する基板の上面図、 (b)は頂角6
0度のひし形凹部へ充填される球状粒子の上面図、 (c)
は矩形凹部へ充填される球状粒子の上面図である。
【図2】V溝を有する基板の斜視図である。
【図3】(a)は傾斜した基板の斜視図 、(b)はV溝を用い
てのフォトニック構造体作製の模様の斜視図、 (c)はV
溝を用いてのフォトニック構造体作製における寸法を説
明する断面図である。
【図4】電場を用いてのフォトニック構造体作製の斜視
図である。
【図5】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は同一基板上に数種
のフォトニック構造体を作製する模様の断面図である。
【図6】(a)、(b)は同一基板上に数種のフォトニック構
造体を作製する場合を説明する上面図である。
【図7】(a)、(b)は欠陥を有するフォトニック構造体を
作製する場合を説明する上面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 回転の支点 3 矩形凹構造 4 ひし形凹構造 5 光波長程度のサイズの球状粒子 6 遠心力の向き 7 V溝 8 基板に平行方向の重力成分 9 基板の傾斜角度 10 基板に平行方向に加わる荷重 14 電場の方向 15 電極 16 ブロック体 17 懸濁液の滴下位置 18 回転の支点 19 球状粒子5とは異なる光波長程度のサイズの球
状粒子 20 欠陥を作る為の凸構造 21 懸濁液の滴下位置

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光波長程度のサイズを有する一様な直径の
    球状粒子の懸濁液を、受け部を有する基板上に滴下し、
    該球状粒子に荷重を加えて該受け部内に球状粒子を凝集
    させる事でフォトニック構造体を製造することを特徴と
    するフォトニック構造体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記受け部は、所定の形状と深さを有する
    凹部である請求項1に記載のフォトニック構造体の製造
    方法。
  3. 【請求項3】前記深さは球状粒子の直径の1/2乃至4/3程
    度であり、2次元的フォトニック構造体を製造する請求
    項2に記載のフォトニック構造体の製造方法。
  4. 【請求項4】前記深さは球状粒子の直径の4/3程度以上
    であり、3次元的フォトニック構造体を製造する請求項
    2に記載のフォトニック構造体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記受け部は、所定の周期を有して形成さ
    れた複数のV溝である請求項1に記載のフォトニック構
    造体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記周期は球状粒子の直径より大きく、1
    次元的フォトニック構造体を製造する請求項5に記載の
    フォトニック構造体の製造方法。
  7. 【請求項7】前記周期は球状粒子の直径に等しく、2次
    元的フォトニック構造体を製造する請求項5に記載のフ
    ォトニック構造体の製造方法。
  8. 【請求項8】同一基板上に複数個の受け部を作製し、少
    なくとも1つの受け部には他とは異なる種類の微粒子を
    充填し、複数種のフォトニック構造体を同一基板上に形
    成する請求項1乃至7の何れかに記載のフォトニック構
    造体の製造方法。
  9. 【請求項9】前記受け部に欠陥部形成用の凸部を作製
    し、欠陥部を有するフォトニック構造体を作製する請求
    項1乃至8の何れかに記載のフォトニック構造体の製造
    方法。
  10. 【請求項10】前記荷重は、前記基板を回転することに
    よる遠心力である請求項1乃至9の何れかに記載のフォ
    トニック構造体の製造方法。
  11. 【請求項11】前記荷重は、前記基板に傾斜を与えるこ
    とによる重力の前記基板面に水平方向の成分である請求
    項1乃至9の何れかに記載のフォトニック構造体の製造
    方法。
  12. 【請求項12】前記荷重は、電磁力である請求項1乃至
    9の何れかに記載のフォトニック構造体の製造方法。
  13. 【請求項13】前記懸濁液に電場を印加し、球状粒子を
    1次元ないし2次元的に配列させ、前記基板の受け部に
    周期構造を作製する請求項12に記載のフォトニック構
    造体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記球状粒子は誘電体粒子であり、前記
    荷重は、懸濁液に交流電場を印加することで発生される
    請求項12または13に記載のフォトニック構造体の製
    造方法。
  15. 【請求項15】前記球状粒子は金属球粒子であり、前記
    荷重は、懸濁液に極微な静電場を印加することで発生さ
    れる請求項12または13に記載のフォトニック構造体
    の製造方法。
  16. 【請求項16】前記フォトニック構造体を製造した後、
    エッチング技術を用いて前記基板の受け部による凹凸構
    造を除去する請求項1乃至15の何れかに記載のフォト
    ニック構造体の製造方法。
  17. 【請求項17】前記製造方法において、フォトニック構
    造体を製造した後、フォトリソグラフィ技術を用いて前
    記基板の受け部による凹凸構造を除去する請求項1乃至
    15の何れかに記載のフォトニック構造体の製造方法。
  18. 【請求項18】前記基板の受け部は、ウエットエッチン
    グないしドライエッチングのエッチング技術により作製
    される請求項1乃至17の何れかに記載のフォトニック
    構造体の製造方法。
  19. 【請求項19】前記基板の受け部は、フォトリソグラフ
    ィ技術により作製される請求項1乃至17の何れかに記
    載のフォトニック構造体の製造方法。
  20. 【請求項20】前記懸濁液は硬化性樹脂を含む溶媒を用
    いており、前記フォトニック構造体が基板上に形成され
    た後、該硬化性樹脂を含む溶媒を硬化する請求項1乃至
    19の何れかに記載のフォトニック構造体の製造方法。
  21. 【請求項21】前記球状粒子は、高分子、金属、無機物
    質、生物体、酸化物、または両親媒性コロイドである請
    求項1乃至20の何れかに記載のフォトニック構造体の
    製造方法。
  22. 【請求項22】前記懸濁液の溶媒は、水、油ないし有機
    溶媒である請求項1乃至21の何れかに記載のフォトニ
    ック構造体の製造方法。
  23. 【請求項23】光波長程度のサイズを有する一様な直径
    の懸濁液中の球状粒子を荷重を用いて凝集させて構成さ
    れたことを特徴とするフォトニック構造体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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