JP2001303928A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

内燃機関の排気浄化装置

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JP2001303928A
JP2001303928A JP2000128546A JP2000128546A JP2001303928A JP 2001303928 A JP2001303928 A JP 2001303928A JP 2000128546 A JP2000128546 A JP 2000128546A JP 2000128546 A JP2000128546 A JP 2000128546A JP 2001303928 A JP2001303928 A JP 2001303928A
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exhaust gas
particulate filter
exhaust
internal combustion
combustion engine
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Application number
JP2000128546A
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English (en)
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Koichi Kimura
光壱 木村
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
Shinya Hirota
信也 広田
Kazuhiro Ito
和浩 伊藤
Takamitsu Asanuma
孝充 浅沼
Koichiro Nakatani
好一郎 中谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、排気に含まれる微粒子を酸化する
機能を有するパティキュレートフィルタと、排気温度が
低いときは排気がパティキュレートフィルタを迂回して
流れるよう排気の流れを切り換える機構とを備えた排気
浄化装置において、排気の流れがバイパス状態からパテ
ィキュレートフィルタ経由状態へ戻された際に、パティ
キュレートフィルタが不要に冷却されるのを防止するこ
とを目的とする。 【解決手段】 本発明に係る内燃機関の排気浄化装置
は、排気の流れがパティキュレートフィルタを迂回する
流れであるときに、排気の流量を減少又は排気の温度を
上昇させることにより、パティキュレートフィルタより
上流に位置する排気通路の温度低下を防止し、排気の流
れがバイパス状態からパティキュレートフィルタへ戻さ
れた際に、排気の熱が排気通路によって奪われることを
防止し、以てパティキュレートフィルタに低温の排気が
流入するのを防止することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の排気を
浄化する技術に関し、特に、排気中に含まれる微粒子を
浄化する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等に搭載される内燃機関で
は、該内燃機関から排出される排気を大気中に放出する
前に、排気中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素
(HC)、窒素酸化物(NOx)等の有害ガス成分を浄
化又は除去することにより排気エミッションを向上させ
ることが要求されている。
【0003】特に、軽油を燃料とする圧縮着火式のディ
ーゼル機関では、一酸化炭素(CO)、炭化水素(H
C)、窒素酸化物(NOx)等に加え、排気中に含まれ
る煤やSOF(Soluble Organic Fraction)等の粒子状
物質(PM:Particulate Matter)と呼ばれる微粒子を
浄化もしくは除去することが重要である。
【0004】このため、ディーゼル機関では、断面積が
非常に小さい細孔を多数備えた多孔質の基材からなるパ
ティキュレートフィルタを排気通路に配置し、そのパテ
ィキュレートフィルタの細孔に排気を流すことにより、
排気中の微粒子を捕集する方法が知られている。
【0005】ところで、パティキュレートフィルタに捕
集される微粒子量が過剰に増加すると、パティキュレー
トフィルタ内の排気流路の断面積が減少し、排気の流れ
が妨げられるようになる。
【0006】パティキュレートフィルタにより排気の流
れが妨げられると、パティキュレートフィルタ上流の排
気通路において排気圧力が高まり、その排気圧力が背圧
として内燃機関に作用してしまう。
【0007】このため、パティキュレートフィルタに捕
集された微粒子量が過剰に増加する前に、パティキュレ
ートフィルに捕集された微粒子を浄化してパティキュレ
ートフィルタを再生させる必要がある。
【0008】パティキュレートフィルタを再生する方法
としては、パティキュレートフィルタ内を酸化雰囲気に
することにより、パティキュレートフィルタに捕集され
た微粒子を酸化させる方法がある。
【0009】但し、微粒子は、およそ500℃〜700
℃の高温下で着火及び燃焼するため、パティキュレート
フィルタに捕集された微粒子を酸化させるには、パティ
キュレートフィルタの雰囲気温度を500℃〜700℃
まで高めるとともに、パティキュレートフィルタを酸素
過剰雰囲気としなければならない。
【0010】しかしながら、ディーゼル機関は、大部分
の運転領域において空気過剰の希薄燃焼運転を行うた
め、混合気の燃焼温度が低くなり易く、それに応じて排
気の温度も低くなり易い。従って、ディーゼル機関で
は、排気の熱を利用してパティキュレートフィルタの雰
囲気温度を500℃以上まで昇温させることは困難であ
る。
【0011】これに対し、従来では、特公平7−106
290号公報に記載されたようなディーゼル排気粒子用
フィルタが提案されている。この公報に記載されたディ
ーゼル排気粒子用フィルタは、白金族金属及びアルカリ
土金属酸化物の混合物を含む触媒物質をパティキュレー
トフィルタ上に担持させることにより、およそ350℃
〜400℃程度の比較的低い温度下でも微粒子の着火及
び燃焼を行えるようにしたものである。
【0012】ところで、上記したようなディーゼル排気
粒子用フィルタに担持される触媒物質は、温度が高くな
るほど微粒子を酸化する能力が高まるため、該触媒物質
の温度が比較的低いときに多量の微粒子がパティキュレ
ートフィルタに流入すると、全ての微粒子を酸化させる
ことが困難となる。
【0013】一方、ディーゼル機関の排気温度は、高負
荷運転領域では350℃以上に達しやすいが、低負荷運
転領域では350℃以上に達し難くい。従って、ディー
ゼル機関が低負荷運転された場合、特に、ディーゼル機
関が減速運転状態にある場合のように燃料噴射が停止さ
れた場合には、ディーゼル機関から低温の排気が排出さ
れるため、パティキュレートフィルタが低温の排気によ
って冷却され、該パティキュレートフィルタの微粒子酸
化能力が低下することが想定される。
【0014】このようにパティキュレートフィルタの微
粒子酸化能力が低下すると、比較的多量の微粒子が燃焼
されずにパティキュレートフィルタに堆積される。パテ
ィキュレートフィルタに堆積した微粒子は燃焼し難くな
るため、パティキュレートフィルタの雰囲気温度が35
0℃以上となった場合でも微粒子の燃え残りがパティキ
ュレートフィルタ内に多量に残留し、パティキュレート
フィルタ内の排気流路が目詰まりする虞がある。
【0015】パティキュレートフィルタ内の排気流路が
目詰まりすると、パティキュレートフィルタにおける排
気抵抗が増加して内燃機関に作用する背圧が高くなり、
内燃機関の出力が低下してしまうことになる。
【0016】すなわち、前述したディーゼル排気粒子用
フィルタのように微粒子を酸化する機能を有するパティ
キュレートフィルタを単に排気通路に配置するだけで
は、パティキュレートフィルタの微粒子酸化能力を効率
的に利用することができず、パティキュレートフィルタ
の目詰まりや内燃機関の出力低下等を誘発する虞があ
る。
【0017】このような問題に対し、内燃機関の排気通
路にパティキュレートフィルタを迂回するバイパス通路
を設け、ディーゼル機関が減速運転状態や低負荷運転状
態にある場合のようにディーゼル機関から比較的低温の
排気が排出される場合には、排気の少なくとも一部がバ
イパス通路を流れるように排気の流れを切り換えること
により、低温の排気がパティキュレートフィルタに流入
するのを防止することが考えられる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ディー
ゼル機関から比較的低温の排気が排出される場合に、そ
の排気がバイパス通路へ流されると、パティキュレート
フィルタより上流に位置する排気通路の壁面等が低温の
排気によって冷却されることになる。
【0019】このようにパティキュレートフィルタより
上流の排気通路が冷却されると、排気の流れがバイパス
状態からパティキュレートフィルタ経由状態へ戻された
際に、たとえ内燃機関から排出される排気の温度が高く
とも、その排気の熱がパティキュレートフィルタ上流の
排気通路の壁面等に奪われることになる。
【0020】この結果、排気がパティキュレートフィル
タに到達した時点では、該排気の温度が低くなり、その
ような低温の排気によってパティキュレートフィルタが
不要に冷却されることになる。
【0021】本発明は、上記したような種々の事情に鑑
みてなされたものであり、排気中の微粒子を酸化する能
力を有するパティキュレートフィルタを具備し、内燃機
関から排出される排気の温度が低いときには、排気がパ
ティキュレートフィルタをバイパスして流れるように排
気の流れを切り換える機構を備えた内燃機関の排気浄化
装置において、排気の流れがバイパス状態からパティキ
ュレートフィルタ経由状態へ戻された際に、パティキュ
レートフィルタが不要に冷却されるのを防止することが
できる技術を提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記した課題
を解決するために以下のような手段を採用した。すなわ
ち、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置は、内燃機関
の排気通路に設けられ、排気中に含まれる微粒子を酸化
させる能力を有するパティキュレートフィルタと、排気
の状態が前記パティキュレートフィルタの微粒子酸化能
力を低下させる状態にあると予想されるときに、排気の
少なくとも一部が前記パティキュレートフィルタを迂回
して流れるよう排気の流れを切り換えるバイパス手段
と、前記バイパス手段によって排気が前記パティキュレ
ートフィルタを迂回して流されているときに、前記排気
通路の温度低下を抑制する温度低下抑制手段と、を備え
ることを特徴としている。
【0023】このように構成された内燃機関の排気浄化
装置では、排気の状態がパティキュレートフィルタの微
粒子酸化能力を低下させる状態にないときには、排気の
流れは、パティキュレートフィルタを経由する流れとな
る。そして、排気の状態がパティキュレートフィルタの
微粒子酸化能力を低下させる状態にあると予想されたと
きには、バイパス手段は、排気がパティキュレートフィ
ルタを迂回して流れるように排気の流れを切り換えるこ
とになる。
【0024】ここで、排気の状態がパティキュレートフ
ィルタの微粒子酸化能力を低下させる状態にあるときと
しては、例えば、内燃機関が減速運転状態にあるとき又
は内燃機関に対する燃料噴射量が少ないときを例示する
ことができる。
【0025】パティキュレートフィルタの微粒子酸化能
力は、パティキュレートフィルタの雰囲気温度との相関
が強く、パティキュレートフィルタの雰囲気温度が高く
なるほど活性するため、パティキュレートフィルタの雰
囲気温度が低下すると、それに応じてパティキュレート
フィルタの微粒子酸化能力も低下することになる。
【0026】一方、内燃機関が減速運転状態あるとき
は、通常、内燃機関に対する燃料噴射が停止されて燃焼
が行われないため、その際に内燃機関から排出される排
気は、低温の空気のみとなる。内燃機関に対する燃料噴
射量が少ないときは、燃料の燃焼によって発生する熱量
が少なくなるため、その際に内燃機関から排出される排
気の温度は、比較的低くなる。
【0027】従って、内燃機関が減速運転状態にあると
きや内燃機関に対する燃料噴射量が少ないときは、排気
の温度が低くなり、そのような排気がパティキュレート
フィルタに流入するとパティキュレートフィルタの温度
が低下することになるため、内燃機関が減速運転状態や
内燃機関に対する燃料噴射量が少ないときは、排気の状
態がパティキュレートフィルタの微粒子酸化能力を低下
させる状態にあると言える。
【0028】ところで、排気の状態がパティキュレート
フィルタの微粒子酸化能力を低下させる状態にあるとき
は、バイパス手段によって排気の流れがパティキュレー
トフィルタを迂回するバイパス状態となるため、パティ
キュレートフィルタ自体が低温の排気によって冷却され
ることはないが、排気通路の壁面等の熱が排気に奪わ
れ、排気通路の温度が低下することになる。
【0029】そのような状況において排気の流れがバイ
パス状態からパティキュレートフィルタ経由状態へ戻さ
れると、たとえ内燃機関から高温の排気が排出された場
合であっても、パティキュレートフィルタより上流に位
置する排気通路において排気の熱が排気通路の壁面等に
奪われてしまうことになる。このため、排気がパティキ
ュレートフィルタに到達した時点では、排気の温度が低
くなっていると考えられる。
【0030】これに対し、本発明に係る内燃機関の排気
浄化装置では、排気の流れがバイパス状態にあるとき
は、温度低下抑制手段が排気通路の温度低下を抑制する
ようにした。
【0031】排気の流れがバイパス状態にあるときの排
気通路の温度低下が抑制されると、排気の流れがバイパ
ス状態からパティキュレートフィルを経由する状態へ戻
された際に、内燃機関から排出された高温の排気がパテ
ィキュレートフィルタ上流の排気通路において冷却され
ることがなくなる。この結果、パティキュレートフィル
タに低温の排気が流入することがなくなり、パティキュ
レートフィルタが不要に冷却されることもない。
【0032】また、本発明に係る温度低下抑制手段は、
排気通路を流れる排気の流量を減少させることにより排
気通路の温度低下を抑制するようにしてもよい。この場
合、内燃機関から比較的低温の排気が排出されても、排
気の流量が少なくなるため、排気通路から排気へ伝達さ
れる熱量が少なくなり、以て排気通路の温度低下が抑制
されることになる。
【0033】排気通路を流れる排気の流量を減少させる
方法としては、例えば、内燃機関の吸気通路およびまた
は排気通路にそれらの通路を流れるガスの流量を調整す
る流量調整弁を設け、その流量調整弁の開度を絞る方法
を例示することができる。
【0034】尚、本発明に係る排気浄化装置を適用する
内燃機関が排気通路を流れる排気の一部を吸気通路へ還
流させる排気再循環機構を備えている場合は、排気再循
環機構によって還流される排気量を増加させることによ
り、排気通路を流れる排気の流量を減少させるようにし
てもよい。
【0035】次に、本発明に係る内燃機関の排気浄化装
置は、内燃機関の排気通路に設けられ、排気中に含まれ
る微粒子を酸化させる能力を有するパティキュレートフ
ィルタと、排気の状態が前記パティキュレートフィルタ
の微粒子酸化能力を低下させる状態にあると予想される
ときに、排気の少なくとも一部が前記パティキュレート
フィルタを迂回して流れるよう排気の流れを切り換える
バイパス手段と、前記バイパス手段によって排気が前記
パティキュレートフィルタを迂回して流されているとき
に、排気の温度を昇温させる排気昇温手段と、を備える
ことを特徴とするようにしてもよい。
【0036】このように構成された内燃機関の排気浄化
装置では、排気の状態がパティキュレートフィルタの微
粒子酸化能力を低下させる状態にあると予想されるとき
には、バイパス手段は、排気がパティキュレートフィル
タを迂回して流れるように排気の流れを切り換える。続
いて、排気昇温手段が排気の温度を上昇させる。
【0037】排気の流れがバイパス状態にあるときの排
気の温度が高められると、排気通路の壁面等が排気によ
って冷却されることがなく、又は排気によって暖められ
ることになるため、排気の流れがバイパス状態からパテ
ィキュレートフィル経由状態へ戻された際に、パティキ
ュレートフィルタ上流の排気通路において排気の熱が排
気通路の壁面等に奪われることがなくなる。
【0038】この結果、パティキュレートフィルタに低
温の排気が流入することがなくなり、パティキュレート
フィルタが不要に冷却されることもない。本発明に係る
内燃機関の排気浄化装置において、排気昇温手段は、パ
ティキュレートフィルタより上流の排気通路に設けられ
た酸化触媒であってもよい。
【0039】この場合、酸化触媒において排気中に含ま
れる炭化水素等の未燃燃料成分が酸化され、その際に発
生する熱によって排気が昇温することになる。尚、内燃
機関が減速運転状態にあるときのように内燃機関に対す
る燃料噴射が停止されている場合は、排気中に未燃燃料
成分が存在しないため、酸化触媒において酸化反応が発
生しなくなるが、酸化触媒に蓄熱された熱が排気に伝達
されて排気の温度が上昇することになる。
【0040】但し、内燃機関が減速運転状態にあるとき
のように内燃機関に対する燃料噴射が停止されていると
きに酸化触媒の酸化機能を積極的に利用して排気を昇温
させる場合には、排気昇温手段は、パティキュレートフ
ィルタより上流の排気通路に設けられた酸化触媒に加
え、前記酸化触媒へ燃料を供給する燃料供給手段を備え
るようにしてもよい。
【0041】燃料供給手段は、酸化触媒より上流の排気
通路に設けられた燃料添加ノズルであってもよく、内燃
機関の各気筒が排気行程にあるときに副次的に燃料を噴
射する燃料噴射弁であってもよい。
【0042】尚、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置
において、パティキュレートフィルタは、該パティキュ
レートフィルタに流入する排気の流れ方向を逆転させる
排気流れ切換手段を備えるようにしてもよく、酸素過剰
雰囲気のときは酸素を取り込んで保持するとともに、酸
素濃度が低下したときは保持していた酸素を活性酸素と
して放出する活性酸素放出剤を担持するようにしてもよ
い。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の排
気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて
説明する。
【0044】<実施の形態1>先ず、本発明に係る内燃
機関の排気浄化装置の第1の実施態様について図1〜図
12に基づいて説明する。
【0045】図1は、本発明に係る排気浄化装置を適用
する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図であ
る。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する圧
縮着火式のディーゼル機関である。この内燃機関1に
は、各気筒2の燃焼室内へ直接燃料を噴射する燃料噴射
弁3と、該内燃機関1の機関出力軸たるクランクシャフ
トが所定の角度(例えば、15°)回転する度にパルス
信号を出力するクランクポジションセンサ4と、該内燃
機関1の図示しないウォータージャケットを流れる冷却
水の温度に対応した電気信号を出力する水温センサ5と
が取り付けられている。
【0046】前記した燃料噴射弁3は、燃料パイプ6を
介して蓄圧室(コモンレール)7と接続されている。前
記コモンレール7は、燃料タンク8に取り付けられた燃
料ポンプ9と燃料パイプ10を介して接続されるととも
に、リターンパイプ11を介して燃料タンク8と接続さ
れている。
【0047】前記コモンレール7におけるリターンパイ
プ11の接続部位には、該コモンレール7内の燃料圧力
が予め設定された最大圧力より低いときは閉弁してコモ
ンレール7とリターンパイプ11との導通を遮断し、コ
モンレール7内の燃料圧力が前記最大圧力以上となった
ときは開弁してコモンレール7とリターンパイプ11と
の導通を許容する圧力調整弁12が設けられている。
【0048】前記コモンレール7には、該コモンレール
7内の燃料圧力に応じた電気信号を出力する燃料圧セン
サ13が取り付けられている。このように構成された燃
料系では、燃料ポンプ9が燃料タンク8内に貯蔵された
燃料を汲み上げ、汲み上げた燃料を燃料パイプ10を介
して前記コモンレール7へ圧送する。その際、燃料ポン
プ9の燃料吐出量は、前記した燃料圧センサ13の出力
信号値に基づいてフィードバック制御される。
【0049】燃料ポンプ9からコモンレール7へ供給さ
れた燃料は、該燃料の圧力が所望の目標圧力に達するま
で蓄圧される。コモンレール7において目標圧力まで蓄
圧された燃料は、燃料パイプ6を介して各気筒2の燃料
噴射弁3へ分配及び供給される。そして、各燃料噴射弁
3は、駆動電流が印加されたときに開弁して、前記コモ
ンレール7から供給された目標圧力の燃料を各気筒2の
燃焼室内へ噴射する。
【0050】尚、前記した燃料系では、コモンレール7
内の燃料圧力が最大圧力より高くなると、圧力調整弁1
2が開弁する。この場合、コモンレール7内に蓄えられ
た燃料の一部がリターンパイプ11を介して燃料タンク
8へ戻され、コモンレール7内の燃料圧力が減圧される
ことになる。
【0051】次に、内燃機関1には、複数の枝管が一本
の集合管に合流するよう形成された吸気枝管14が連結
されている。前記吸気枝管14の各枝管は、図示しない
吸気ポートを介して各気筒2の燃焼室と連通している。
前記吸気枝管14の集合管は、吸気管15と接続され、
吸気管15は、エアクリーナボックス16と接続されて
いる。
【0052】前記吸気管15において前記エアクリーナ
ボックス16の直下流の部位には、該吸気管15内を流
れる吸気の質量に対応した電気信号を出力するエアフロ
ーメータ17と、該吸気管15内を流れる吸気の温度に
対応した電気信号を出力する吸気温度センサ18とが取
り付けられている。
【0053】前記吸気管15において前記エアフローメ
ータ17より下流の部位には、内燃機関1から排出され
る排気の熱エネルギを駆動源として作動する遠心過給機
(ターボチャージャ)19のコンプレッサハウジング1
9aが設けられている。
【0054】前記吸気管15において前記コンプレッサ
ハウジング19aより下流の部位には、前記コンプレッ
サハウジング19a内で圧縮されて高温となった新気を
冷却するためのインタークーラ20が設けられている。
【0055】上記したインタークーラ20としては、内
燃機関1を搭載した車両の走行時に発生する走行風を利
用して新気が持つ熱を放熱させる空冷式インタークー
ラ、新気が持つ熱と所定の冷却水との間で熱交換を行う
ことによって新気の温度を低下させる水冷式インターク
ーラ等を例示することができる。
【0056】前記吸気管15において前記インタークー
ラ20より下流の部位には、該吸気管15内を流れる吸
気の流量を調節する吸気絞り弁(スロットル弁)21が
設けられている。このスロットル弁21には、該スロッ
トル弁21を開閉駆動するスロットル用アクチュエータ
21aと、前記スロットル弁21の開度に応じた電気信
号を出力するスロットルポジションセンサ21bとが取
り付けられている。
【0057】前記スロットル用アクチュエータ21aと
しては、例えば、ステッパモータ等からなり印加電力の
大きさに応じてスロットル弁21を開閉駆動する電気式
のアクチュエータや、スロットル弁21に連動して変位
するダイヤフラムを内蔵し、印加される負圧の大きさに
応じてダイヤフラムを変位させることによりスロットル
弁21を開閉駆動する負圧式のアクチュエータ等を例示
することができる。
【0058】前記したスロットル弁21及び前記スロッ
トル用アクチュエータ21aは、本発明に係る流量調整
弁を実現するものである。このように構成された吸気系
では、エアクリーナボックス16に流入した新気は、該
エアクリーナボックス16内の図示しないエアクリーナ
によって新気中の塵や埃等が除去された後、吸気管15
を介して遠心過給機19のコンプレッサハウジング19
aに流入する。
【0059】コンプレッサハウジング19aに流入した
新気は、該コンプレッサハウジング19aに内装された
コンプレッサホイールの回転によって圧縮される。前記
コンプレッサハウジング19a内で圧縮されて高温とな
った新気は、インタークーラ20にて冷却される。
【0060】インタークーラ20によって冷却された新
気は、必要に応じてスロットル弁21によって流量を調
節されて吸気枝管14に導かれる。吸気枝管14に導か
れた新気は、該吸気枝管14の集合管から各枝管へ分配
されて各気筒2の燃焼室へ導かれる。
【0061】各気筒2の燃焼室へ分配された新気は、図
示しないピストンによって圧縮され、燃料噴射弁3から
噴射された燃料を着火源として燃焼する。次に、内燃機
関1には、複数の枝管が一本の集合管に合流するよう形
成された排気枝管24が連結されている。前記排気枝管
24の各枝管は、図示しない排気ポートを介して各気筒
2の燃焼室と連通している。前記排気枝管24の集合管
は、遠心過給機19のタービンハウジング19bを介し
て排気管25aに接続されている。
【0062】前記排気枝管24において前記タービンハ
ウジング19bの直上流に位置する部位と前記排気管2
5aにおいて前記タービンハウジング19bの直下流に
位置する部位とは、前記タービンハウジング19bを迂
回するタービンバイパス通路26によって接続されてい
る。
【0063】前記タービンバイパス通路26には、該タ
ービンバイパス通路26を開閉する弁体27aと、弁体
27aを開閉駆動するアクチュエータ27bとからなる
ウェストゲートバルブ27が取り付けられている。
【0064】前記アクチュエータ27bは、コンプレッ
サハウジング19aの直下流に位置する吸気管15と作
動圧通路28を介して接続されており、コンプレッサハ
ウジング19a直下流の吸気管15内を流れる新気の圧
力、言い換えれば、コンプレッサハウジング19aにお
いて圧縮された新気の圧力(過給圧)を利用して前記弁
体27aを開閉駆動する。
【0065】具体的には、アクチュエータ27bは、吸
気管15から作動圧通路28を介して所定圧未満の圧力
が印加されているときは弁体27aを閉弁位置に保持
し、吸気管15から作動圧通路28を介して所定圧以上
の圧力が印加されたときは弁体27aを開弁駆動する。
【0066】つまり、アクチュエータ27bは、遠心過
給機19による吸気の過給圧が所定圧以上に達すると、
弁体27aを開弁させてタービンバイパス通路26を導
通状態とすることにより、タービンハウジング19bに
流入する排気の流量を減少させ、以て過給圧が前記した
所定圧を越えないようにする。
【0067】前記排気管25aは、排気中の有害ガス成
分、特に煤等の微粒子からなる粒子状物質(PM:Part
iculate Matter)を浄化する排気浄化機構29に接続さ
れている。前記排気浄化機構29は排気管25bに接続
され、排気管25bは下流にて図示しないマフラーに接
続されている。、以下では、排気浄化機構29より上流
の排気管25aを上流側排気管25aと称し、排気浄化
機構29より下流の排気管25bを下流側排気管25b
と称するものとする。
【0068】前記下流側排気管25bにおいて排気浄化
機構29の直下流に位置する部位には、該下流側排気管
25b内を流れる排気の流量を調節する排気絞り弁33
が取り付けられている。
【0069】前記排気絞り弁33には、該排気絞り弁3
3を開閉駆動する排気絞り用アクチュエータ34が取り
付けられている。前記排気絞り用アクチュエータ34
は、電磁力もしくは負圧等を利用して前記排気絞り弁3
3を開閉駆動するアクチュエータである。
【0070】このように構成された排気系では、内燃機
関1の各気筒2の燃焼室で燃焼された既燃ガスは、各気
筒2の排気ポートを介して排気枝管24へ排出され、次
いで排気枝管24の各枝管から集合管を通って遠心過給
機19のタービンハウジング19b内に流入する。
【0071】遠心過給機19のタービンハウジング19
b内に排気が流入すると、排気の熱エネルギが前記ター
ビンハウジング19b内に回転自在に支持されたタービ
ンホイールの回転エネルギに変換される。タービンホイ
ールの回転エネルギは、前述のコンプレッサハウジング
19aのコンプレッサホイールへ伝達され、コンプレッ
サホイールは、前記タービンホイールから伝達された回
転エネルギによって新気を圧縮する。
【0072】その際、コンプレッサハウジング19a内
で圧縮された新気の圧力(過給圧)が所定圧以上まで上
昇すると、その過給圧が作動圧通路28を介してウェス
トゲートバルブ27のアクチュエータ27bへ印加さ
れ、アクチュエータ27bが弁体27aを開弁駆動する
ことになる。
【0073】ウェストゲートバルブ27の弁体27aが
開弁されると、排気枝管24を流れる排気の一部がター
ビンバイパス通路26を介して上流側排気管25aへ流
れるため、タービンハウジング19bに流入する排気の
流量が減少し、タービンハウジング19b内に流入する
排気の熱エネルギ、言い換えれば、タービンハウジング
19bにおいてタービンホイールの回転エネルギに変換
される熱エネルギが減少する。この結果、タービンホイ
ールからコンプレッサホイールへ伝達される回転エネル
ギが減少し、過給圧の過剰な上昇が抑制される。
【0074】前記タービンハウジング19bから上流側
排気管25aへ排出された排気、及び、タービンバイパ
ス通路26から上流側排気管25aへ導かれた排気は、
上流側排気管25aから排気浄化機構29へ流入する。
排気浄化機構29に流入した排気は、該排気に含まれる
煤などの微粒子を浄化又は除去された後に下流側排気管
25bへ排出され、下流側排気管25bを通って大気中
に放出される。
【0075】また、排気枝管24には、排気再循環通路
(EGR通路)100が接続され、このEGR通路10
0は、前記吸気枝管14に接続されている。前記EGR
通路100と前記吸気枝管14との接続部位には、前記
吸気枝管14における前記EGR通路100の開口端を
開閉するEGR弁101が設けられている。前記EGR
弁101は、電磁弁などで構成され、印加電力の大きさ
に応じて開度を変更することが可能となっている。
【0076】前記EGR通路100の途中には、該EG
R通路100内を流れる排気(以下、EGRガスと称す
る)を冷却するためのEGRクーラ103が設けられて
いる。
【0077】前記EGRクーラ103には、2本の配管
104、105が接続され、これら2本の配管104、
105は、内燃機関1の冷却水が持つ熱を大気中に放熱
するためのラジエター106と接続されている。
【0078】前記した2本の配管104、105のうち
の一方の配管104は、前記ラジエター106において
冷却された冷却水の一部を前記EGRクーラ103へ導
くための配管であり、もう一方の配管105は、前記E
GRクーラ103内を循環した後の冷却水を前記ラジエ
ター106へ導くための配管である。尚、以下では、前
記配管104を冷却水導入管104と称し、前記配管1
05を冷却水導出管105と称するものとする。
【0079】前記冷却水導出管105の途中には、該冷
却水導出管105内の流路を開閉する開閉弁107が設
けられている。この開閉弁107は、駆動電力が印加さ
れたときに開弁する電磁駆動弁などで構成されている。
【0080】このように構成された排気再循環機構(E
GR機構)では、EGR弁101が開弁されるとEGR
通路100が導通状態となり、排気枝管24内を流れる
排気の一部が前記EGR通路100を通って吸気枝管1
4へ導かれる。
【0081】その際、開閉弁107が開弁状態にある
と、ラジエター106と冷却水導入管104とEGRク
ーラ103と冷却水導出管105とを結ぶ循環経路が導
通状態となり、ラジエター106で冷却された冷却水が
EGRクーラ103を循環することになる。その結果、
EGRクーラ103では、EGR通路100内を流れる
EGRガスとEGRクーラ103内を循環する冷却水と
の間で熱交換が行われ、EGRガスが冷却される。
【0082】EGR通路100を介して排気枝管24か
ら吸気枝管14へ還流されたEGRガスは、吸気枝管1
4の上流から流れてきた新気と混ざり合いつつ各気筒2
の燃焼室へ導かれ、前記燃料噴射弁3から噴射される燃
料を着火源として燃焼される。
【0083】ここで、EGRガスには、水(H2O)や
二酸化炭素(CO2)などのように、自らが燃焼するこ
とがなく、且つ、吸熱性を有する不活性ガス成分が含ま
れている。このため、EGRガスが混合気中に含有され
ると、混合気の燃焼温度が低められ、以て窒素酸化物
(NOx)の発生量が抑制される。
【0084】更に、EGRクーラ103においてEGR
ガスが冷却された場合は、EGRガス自体の温度が低下
するとともにEGRガスの体積が縮小されるため、EG
Rガスが燃焼室内に供給されたときに該燃焼室内の雰囲
気温度が不要に上昇することがなくなるとともに、燃焼
室内に供給される新気の量(新気の体積)が不要に減少
することがない。
【0085】次に、前述した排気浄化機構29の具体的
な構成について述べる。排気浄化機構29は、図2及び
図3に示すように、煤などの微粒子を酸化する機能を有
するパティキュレートフィルタ22が装填されたケーシ
ング23を備えている。このケーシング23には、上流
側排気管25aから分岐してパティキュレートフィルタ
22の一側の面に臨む第1の排気通路76と、上流側排
気管25aから分岐してパティキュレートフィルタ22
の他側の面に臨む第2の排気通路77とが形成されると
ともに、前記パティキュレートフィルタ22の温度に対
応した電気信号を出力するフィルタ温度センサ39が取
り付けられている。
【0086】続いて、排気浄化機構29は、上流側排気
管25aから第1及び第2の排気通路76、77へ分岐
する部位から前記パティキュレートフィルタ22を経由
せずに下流側排気管25bへ排気を導くフィルタバイパ
ス通路73を備えている。
【0087】第1の排気通路76と第2の排気通路77
とフィルタバイパス通路73との分岐点には、排気切換
弁71が設けられている。この排気切換弁71は、負圧
式アクチュエータやステッパモータ等からなる排気切換
用アクチュエータ72によって駆動される弁体71aを
備え、第1の排気通路76を選択してパティキュレート
フィルタ22の一側から他側へ向かう排気の流れ(順
流)と、第2の排気通路77を選択してパティキュレー
トフィルタ22の他側から一側へ向かう排気の流れ(逆
流)と、フィルタバイパス通路73を選択してパティキ
ュレートフィルタ22を迂回する排気の流れ(バイパス
流)とを切換え可能になっている。
【0088】前記排気切換弁71は、本発明に係る排気
流れ切換手段を実現し、前記排気切換弁71とフィルタ
バイパス通路73とは、本発明に係るバイパス手段を実
現する。
【0089】ここで、パティキュレートフィルタ22を
収容するケーシング23は、図3に示すように、フィル
タバイパス通路73の真上に位置するよう配置され、ケ
ーシング23の両側に上流側排気管25aから分岐した
第1の排気通路76と第2の排気通路77が接続される
形となっている。ケーシング23内のパティキュレート
フィルタ22は、排気の通過方向を長さ方向と仮定した
場合に、長さ方向に直交する幅方向の長さが長さ方向の
長さより長くなるよう形成されている。このような構成
によれば、排気浄化機構29を車両へ搭載する際に必要
となるスペースを小さくすることができる。
【0090】上記したように構成された排気浄化機構2
9では、排気切換弁71の弁体71aが図2の破線で示
す順流位置にあるときは、上流側排気管25aと第1の
排気通路76とが導通するとともに、第2の排気通路7
7とフィルタバイパス通路73とが導通することになる
ため、排気は、上流側排気管25a→第1の排気通路7
6→パティキュレートフィルタ22→第2の排気通路7
7→フィルタバイパス通路73→下流側排気管25bの
順に流れる。
【0091】排気浄化機構29では、排気切換弁71の
弁体71aが図2の実線で示す逆流位置にあるときは、
上流側排気管25aと第2の排気通路77とが導通する
とともに、第1の排気通路76とフィルタバイパス通路
73とが導通することになるため、排気は、上流側排気
管25a→第2の排気通路77→パティキュレートフィ
ルタ22→第1の排気通路76→フィルタバイパス通路
73→下流側排気管25bの順に流れる。
【0092】排気浄化機構29では、排気切換弁71の
弁体71aが図4に示すように上流側排気管25aの軸
線と平行となる中立位置にあるときは、上流側排気管2
5aが直接フィルタバイパス通路73と導通するため、
排気の流れは、上流側排気管25aからパティキュレー
トフィルタ22を経由せずにフィルタバイパス通路73
へ流れるバイパス流となる。以下、弁体71aの中立位
置をバイパス流位置と称する。
【0093】排気切換弁71の弁体71aの位置が順流
位置と逆流位置とに交互に切り換えられた場合は、排気
浄化機構29における排気の流れが順流と逆流とに交互
に切り換えられることになり、煤などの微粒子がパティ
キュレートフィルタ22の基材内を活発に動き回ること
になるため、微粒子の酸化が促進され、以て微粒子の浄
化が効率よく行われることになる。
【0094】図5(A)は、パティキュレートフィルタ
22に一方向からのみ排気を流す場合のイメージを示し
た図であり、微粒子は、パティキュレートフィルタ22
の一方の面にのみ蓄積して殆ど動き回ることが無く、排
気の圧損上昇の原因となるだけでなく、微粒子の浄化を
妨げることになる。
【0095】図5(B)は、パティキュレートフィルタ
22に双方向から排気を流す場合のイメージを示した図
であり、微粒子は、パティキュレートフィルタ22の両
面で順流方向と逆流方向に撹乱されるので、パティキュ
レートフィルタ22の両面で、あるいは、パティキュレ
ートフィルタ22の基材内部で動き回ることになる。そ
の結果、パティキュレートフィルタ22の略全域の活性
点で微粒子が酸化されるようになるため、微粒子の蓄積
が抑制され、排気の圧損上昇を避けることができる。
【0096】ここで、本実施の形態に係るパティキュレ
ートフィルタ22の具体的な構造について述べる。図6
は、パティキュレートフィルタ22の構造を示す図であ
り、図6の(A)はパティキュレートフィルタ22の正
面図を示しており、(B)はパティキュレートフィルタ
22の側面断面図を示している。
【0097】図6(A)および(B)に示すように、パ
ティキュレートフィルタ22は、一側の端部が栓52に
より閉塞された第1排気流路50と、他側の端部が栓5
3により閉塞された第2排気流路51とが隔壁54を介
して交互に且つハニカム状に配置された、多孔質の基材
からなるウォールフロー型のフィルタである。尚、パテ
ィキュレートフィルタ22の基材としては、コージェラ
イト等を例示することができる。
【0098】このように構成されたパティキュレートフ
ィルタ22では、排気の流れが順流となる場合は、第1
排気流路50内に流入した排気が図6(B)中の矢印で
示すように周囲の隔壁54の細孔を通って隣接する第2
排気流路51内へ流れることになる。
【0099】尚、本実施の形態では、パティキュレート
フィルタ22の隔壁54の表面上、及び隔壁54の細孔
の内壁面に、アルミナ等からなる担体の層が形成されて
おり、この担体上に貴金属触媒と活性酸素放出剤とが担
持されている。
【0100】前記した貴金属触媒は、微粒子を酸化する
能力を有する物質であり、そのような貴金属触媒として
は、白金Ptを例示することができる。前記活性酸素放
出剤は、活性酸素を放出して貴金属触媒による微粒子の
酸化を促進するものであり、好ましくは、該活性酸素放
出剤の周囲が酸素過剰雰囲気のときは酸素を取り込んで
保持するとともに、該活性酸素放出剤の周囲の酸素濃度
が低下したときは保持していた酸素を活性酸素の形で放
出するものである。
【0101】前記したような活性酸素放出剤としては、
例えば、カリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、
セシウムCs、ルビジウムRbのようなアルカリ金属、
バリウムBa、カルシウムCa、ストロンチウムSrの
ようなアルカリ土類金属、ランタンLa、イットリウム
Yのような希土類、および遷移金属から選ばれた少くと
も一つから構成されるものを例示することができる。
【0102】但し、パティキュレートフィルタ22に用
いられる活性酸素放出剤としては、カルシウムCaより
もイオン化傾向の高いアルカリ金属又はアルカリ土類金
属、即ちカリウムK、リチウムLi、セシウムCs、ル
ビジウムRb、バリウムBa、ストロンチウムSr等か
ら構成されたものが好ましい。
【0103】これは、排気中にカルシウムCaが含まれ
ている場合に、カルシウムCaがパティキュレートフィ
ルタ22上で硫黄酸化物と反応して硫酸カルシウムCa
SO 4のような熱分解されにくい物質を生成するのを防
止し、硫酸カルシウムCaSO4に起因したパティキュ
レートフィルタ22の目詰まりを防止するためである。
【0104】ここで、アルミナからなる担体上に白金P
tとカリウムKとが担持されたパティキュレートフィル
タ22を例に挙げて、排気浄化機構29の微粒子浄化メ
カニズムについて説明する。尚、以下で述べる活性酸素
放出剤の機能は、カリウムK以外のアルカリ金属、アル
カリ土類金属、希土類、或いは遷移金属を用いても同様
となる。
【0105】本実施の形態に係る内燃機関1のような圧
縮着火式の内燃機関では、大部分の運転領域において空
気過剰状態の混合気が燃焼されるため、内燃機関1から
排出される排気は比較的多量の酸素を含有していること
になる。また、混合気が燃焼する際には、NOやSO2
が発生するため、内燃機関1から排出される排気にはN
O及びSO2も含有されることになる。この結果、パテ
ィキュレートフィルタ22には、過剰酸素、NO、及び
SO2を含有した排気が流入することになる。
【0106】図7の(A)及び(B)は、パティキュレ
ートフィルタ22における排気接触面の拡大図を模式的
に表した図である。パティキュレートフィルタ22に排
気が流入すると、図7(A)に示すように、排気中の酸
素O2がO2 -又はO2-の形で白金Pt60の表面に付着
する。排気中のNOは、白金Pt60の表面上でO2 -
はO2-と反応してNO2となる(2NO+O2 →2NO
2 )。
【0107】続いて、NO2の一部は、白金Pt60の
表面上で酸化されつつ活性酸素放出剤61内に吸収さ
れ、カリウムKと結合しながら硝酸イオンNO3 -の形で
活性酸素放出剤61内に拡散する。その際、一部の硝酸
イオンNO3 -が硝酸カリウムKNO3を形成する。
【0108】また、排気中に含まれているSO2もNO
と同様なメカニズムによって活性酸素放出剤61内に吸
収される。即ち、酸素O2がO2 -又はO2-の形で白金P
t60の表面に付着しているため、排気中のSO2が白
金Pt60の表面上でO2 -又はO2-と反応してSO3
形成する。
【0109】続いて、SO3の一部は、白金Pt60の
表面上で更に酸化されつつ活性酸素放出剤61内に吸収
され、カリウムKと結合しながら硫酸イオンSO4 2-
形で活性酸素放出剤61内に拡散する。その際、一部の
硫酸イオンSO4 2-が硫酸カリウムK2SO4を形成す
る。
【0110】このようにして活性酸素放出剤61内には
硝酸カリウムKNO3 および硫酸カリウムK2SO4
形成されることになる。一方、内燃機関1において混合
気が燃焼する際には、主にカーボンCからなる微粒子が
生成されるため、内燃機関1から排出される排気には微
粒子が含まれていることになる。
【0111】上記したような微粒子を含有した排気がパ
ティキュレートフィルタ22に流入すると、図7(B)
に示すように、排気中の微粒子62が担体層の表面、例
えば活性酸素放出剤61の表面上に衝突して付着する。
【0112】このように微粒子62が活性酸素放出剤6
1の表面上に付着すると、活性酸素放出剤61と微粒子
62との接触面において酸素濃度が低下するため、活性
酸素放出剤61内の酸素が微粒子62との接触面に向け
て移動しようとする。その結果、活性酸素放出剤61内
に形成されていた硝酸カリウムKNO3がカリウムKと
酸素OとNOとに分解され、酸素Oが微粒子62との接
触面に向かい、NOが活性酸素放出剤61から外部に放
出される。活性酸素放出剤61から放出されたNOは下
流側の白金Pt上において酸化され、再び活性酸素放出
剤61内に吸収される。
【0113】その際、活性酸素放出剤61内に形成され
ていた硫酸カリウムK2SO4もカリウムKと酸素OとS
2とに分解され、酸素Oが微粒子62との接触面に向
かうことによってSO2が活性酸素放出剤61から外部
へ放出される。活性酸素放出剤61から放出されたSO
2は下流側の白金Pt上において酸化され、再び活性酸
素放出剤61内に吸収される。但し、硫酸カリウムK2
SO4は、安定しているために硝酸カリウムKNO3に比
して活性酸素を放出しづらい。
【0114】一方、活性酸素放出剤61内において微粒
子62との接触面へ移動する酸素Oは、硝酸カリウムK
NO3や硫酸カリウムK2SO4のような化合物から分解
された酸素であるため、化学反応を起こしやすい状態、
つまり活性状態にある。このような活性酸素が微粒子6
2と接触すると、微粒子62は、短時間のうちに輝炎を
発することなく酸化せしめられて完全に消滅する。
【0115】ここで図1に戻り、上記したように構成さ
れた内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電
子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)
35が併設されている。このECU35は、内燃機関1
の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状
態を制御するユニットである。
【0116】ECU35には、クランクポジションセン
サ4、水温センサ5、燃料圧センサ13、エアフローメ
ータ17、吸気温度センサ18、スロットルポジション
センサ21b、フィルタ温度センサ39に加えて、車両
の室内に設けられたアクセルペダル36の操作量(アク
セル開度)に対応した電気信号を出力するアクセルポジ
ションセンサ37が電気的に接続され、上記した各セン
サの出力信号がECU35に入力されるようになってい
る。
【0117】一方、ECU35には、燃料噴射弁3、燃
料ポンプ9、スロットル用アクチュエータ21a、排気
絞り用アクチュエータ34、排気切換用アクチュエータ
72、EGR弁101、開閉弁107等が電気的に接続
され、ECU35が上記した各部を制御することが可能
になっている。
【0118】ここで、ECU35は、図8に示すよう
に、双方向性バス40によって相互に接続された、CP
U41と、ROM42と、RAM43と、バックアップ
RAM44と、入力ポート45と、出力ポート46とを
備えるとともに、前記入力ポート45に接続されたA/
Dコンバータ(A/D)47を備えている。
【0119】前記入力ポート45は、クランクポジショ
ンセンサ4のようにデジタル信号形式の信号を出力する
センサの出力信号を入力し、それらの出力信号を双方向
性バス40を介してCPU41やRAM43へ送信す
る。
【0120】前記入力ポート45は、水温センサ5、燃
料圧センサ13、エアフローメータ17、吸気温度セン
サ18、スロットルポジションセンサ21b、アクセル
ポジションセンサ37、フィルタ温度センサ39等のよ
うに、アナログ信号形式の信号を出力するセンサの出力
信号をA/D47を介して入力し、それらの出力信号を
双方向性バス40を介してCPU41やRAM43へ送
信する。
【0121】前記出力ポート46は、燃料噴射弁3、燃
料ポンプ9、スロットル用アクチュエータ21a、排気
絞り用アクチュエータ34、排気切換用アクチュエータ
72、EGR弁101、開閉弁107等と図示しない駆
動回路を介して電気的に接続され、CPU41から出力
される制御信号を前記した各部へ送信する。
【0122】前記ROM42は、燃料噴射弁3を制御す
るための燃料噴射弁制御ルーチン、燃料ポンプ9を制御
するための燃料ポンプ制御ルーチン、スロットル弁21
を制御するためのスロットル制御ルーチン、排気絞り弁
33を制御するための排気絞り制御ルーチン、EGR弁
101を制御するためのEGR制御ルーチン、開閉弁1
07を制御するためのEGR冷却制御ルーチン、排気浄
化機構29を制御するための排気浄化制御ルーチン等の
各種アプリケーションプログラムを記憶している。
【0123】前記ROM42は、上記したアプリケーシ
ョンプログラムに加え、各種の制御マップを記憶してい
る。前記制御マップは、例えば、内燃機関1の運転状態
と基本燃料噴射量(基本燃料噴射時間)との関係を示す
燃料噴射量制御マップ、内燃機関1の運転状態と燃料噴
射終了時期との関係を示す燃料噴射終了時期制御マッ
プ、内燃機関1の運転状態とコモンレール7内の目標圧
力との関係を示すコモンレール圧制御マップ、コモンレ
ール7内の目標圧力と燃料ポンプ9の吐出量(燃料ポン
プ9の駆動電流量)との関係を示す燃料吐出圧力制御マ
ップ、内燃機関1の運転状態とスロットル弁21の目標
開度との関係を示すスロットル開度制御マップ、内燃機
関1の運転状態と排気絞り弁33の目標開度との関係を
示す排気絞り開度制御マップ、内燃機関1の運転状態と
EGR弁101の目標開度との関係を示すEGR弁開度
制御マップ、内燃機関1の運転状態とEGRクーラ10
3の作動時期(言い換えれば、開閉弁107の開弁時
期)との関係を示すクーラ作動時期制御マップ、内燃機
関1の運転状態と排気切換弁71の弁体の位置との関係
を示す排気切換弁開度制御マップ等である。
【0124】前記RAM43は、各センサからの出力信
号やCPU41の演算結果等を格納する。前記演算結果
は、例えば、クランクポジションセンサ4がパルス信号
を出力する時間的な間隔に基づいて算出される機関回転
数である。これらのデータは、クランクポジションセン
サ4がパルス信号を出力する都度、最新のデータに書き
換えられる。
【0125】前記バックアップRAM44は、内燃機関
1の運転停止後もデータを記憶可能な不揮発性のメモリ
である。前記CPU41は、前記ROM42に記憶され
たアプリケーションプログラムに従って動作して、燃料
噴射制御、燃料ポンプ制御、スロットル制御、排気絞り
制御、EGR制御、EGR冷却制御を実行するととも
に、本発明の要旨となる排気浄化制御を実行する。
【0126】例えば、燃料噴射制御では、CPU41
は、先ず、燃料噴射弁3から噴射される燃料量を決定
し、次いで燃料噴射弁3から燃料を噴射する時期を決定
する。先ず、燃料噴射量を決定する場合は、CPU41
は、RAM43に記憶されている機関回転数とアクセル
ポジションセンサ37の出力信号(アクセル開度)とを
読み出し、それらアクセル開度と機関回転数とをパラメ
ータとして内燃機関1に対して要求されるトルクを算出
する。
【0127】その際、アクセル開度と機関回転数と要求
トルクとの関係を予め実験的に求め、それらアクセル開
度と機関回転数と要求トルクとの関係をマップとしてR
OM42に記憶しておくようにしてもよい。
【0128】続いて、CPU41は、ROM42の燃料
噴射量制御マップへアクセスし、前記要求トルクに対応
した基本燃料燃料噴射量(基本燃料噴射時間)を算出す
る。CPU41は、水温センサ5の出力信号値、エアフ
ローメータ17の出力信号値、あるいは吸気温度センサ
18の出力信号値等に基づいて前記基本燃料噴射時間を
補正し、最終的な燃料噴射時間を決定する。
【0129】次に、燃料噴射時期を決定する場合は、C
PU41は、ROM42の燃料噴射終了時期制御マップ
へアクセスし、要求トルクに対応した燃料噴射終了時期
を算出する。CPU41は、燃料噴射終了時期から前記
燃料噴射時間を減算して、燃料噴射開始時期を算出す
る。CPU41は、水温センサ5の出力信号値、エアフ
ローメータ17の出力信号値、あるいは吸気温度センサ
18の出力信号値をパラメータとして前記燃料噴射開始
時期を補正し、最終的な燃料噴射開始時期を決定する。
【0130】燃料噴射時間と燃料噴射開始時期とが決定
されると、CPU41は、燃料噴射開始時期とクランク
ポジションセンサ4の出力信号とを比較し、前記クラン
クポジションセンサ4の出力信号が燃料噴射開始時期と
一致した時点で燃料噴射弁3に対する駆動電力の印加を
開始する。CPU41は、燃料噴射弁3に対する駆動電
力の印加を開始した時点からの経過時間が前記燃料噴射
時間に達した時点で燃料噴射弁3に対する駆動電力の印
加を停止する。
【0131】尚、燃料噴射制御において内燃機関1の運
転状態がアイドル運転状態にある場合は、CPU41
は、水温センサ5の出力信号値や、車室内用空調装置の
コンプレッサのようにクランクシャフトの回転力を利用
して作動する補機類の作動状態等をパラメータとして内
燃機関1の目標アイドル回転数を算出する。そして、C
PU41は、実際のアイドル回転数が目標アイドル回転
数と一致するよう燃料噴射量をフィードバック制御す
る。
【0132】燃料ポンプ制御では、CPU41は、RO
M42のコモンレール圧制御マップヘアクセスし、機関
回転数及びアクセル開度に対応した目標圧力を算出す
る。続いて、CPU41は、ROM42の燃料吐出圧力
制御マップへアクセスし、前記目標圧力に対応した燃料
ポンプ9の吐出量(燃料ポンプ9の駆動電流量)を算出
し、算出された駆動電流を前記燃料ポンプ9に印加す
る。
【0133】その際、CPU41は、コモンレール7に
取り付けられた燃料圧センサ13の出力信号値(コモン
レール7内の実際の燃料圧力)と前記目標圧力との差分
に基づいて前記燃料ポンプ9に印加すべき駆動電流値を
フィードバック制御する。
【0134】スロットル制御では、CPU41は、RO
M42のスロットル開度制御マップへアクセスし、機関
回転数及びアクセル開度に対応した目標スロットル開度
を算出する。CPU41は、前記目標スロットル開度に
対応した量の駆動電流をスロットル用アクチュエータ2
1aに印加する。
【0135】更に、CPU41は、スロットルポジショ
ンセンサ21bの出力信号値(実際のスロットル開度)
と前記目標スロットル開度との差分に基づいて前記スロ
ットル用アクチュエータ21aに印加すべき駆動電流量
をフィードバック制御する。
【0136】排気絞り制御では、CPU41は、内燃機
関1が冷間始動後の暖機運転状態にある場合や、車室内
用ヒータが作動状態にある場合などに、排気絞り弁33
を閉弁方向へ駆動すべく排気絞り用アクチュエータ34
を制御する。この場合、内燃機関1の負荷が増大し、そ
れに対応して燃料噴射量が増量されることなる。その結
果、内燃機関1の発熱量が増加し、内燃機関1の暖機が
促進されるとともに、車室内用ヒータの熱源が確保され
る。
【0137】EGR制御では、CPU41は、RAM4
3に記憶されている機関回転数、水温センサ5の出力信
号(冷却水温度)、アクセルポジションセンサ37の出
力信号(アクセル開度)等を読み出し、EGR制御の実
行条件が成立しているか否かを判別する。
【0138】上記したEGR制御実行条件としては、冷
却水温度が所定温度以上にある、内燃機関1が始動時か
ら所定時間以上連続して運転されている、アクセル開度
の変化量が正値である等の条件を例示することができ
る。
【0139】上記したようなEGR制御実行条件が成立
していないと判定した場合は、CPU41は、EGR弁
101を全閉状態に保持すべく制御する。一方、EGR
制御実行条件が成立していると判定した場合は、CPU
41は、ROM42のEGR弁開度制御マップへアクセ
スし、機関回転数とアクセル開度とに対応した目標EG
R開度を算出する。CPU41は、前記目標EGR開度
に対応した駆動電力をEGR弁101に印加する。
【0140】その際、CPU41は、内燃機関1の吸入
空気量をパラメータとしてEGR弁101の開度をフィ
ードバック制御する、いわゆるEGR弁フィードバック
制御を行う。
【0141】EGR弁フィードバック制御では、例え
ば、CPU41は、アクセル開度や機関回転数等をパラ
メータとして内燃機関1の目標吸入空気量を決定する。
その際、アクセル開度と機関回転数と目標吸入空気量と
の関係を予めマップ化しておき、そのマップとアクセル
開度と機関回転数とから目標吸入空気量が算出されるよ
うにしてもよい。
【0142】上記した手順により目標吸入空気量が決定
されると、CPU41は、RAM43に記憶されたエア
フローメータ17の出力信号値(実際の吸入空気量)を
読み出し、実際の吸入空気量と目標吸入空気量とを比較
する。
【0143】前記した実際の吸入空気量が前記目標吸入
空気量より少ない場合には、CPU41は、EGR弁1
01を所定量閉弁させる。この場合、EGR通路100
から吸気枝管14へ流入するEGRガス量が減少し、そ
れに応じて内燃機関1の気筒2内に吸入されるEGRガ
ス量が減少することになる。その結果、内燃機関1の気
筒2内に吸入される新気の量は、EGRガスが減少した
分だけ増加する。
【0144】一方、実際の吸入空気量が目標吸入空気量
より多い場合には、CPU41は、EGR弁101を所
定量開弁させる。この場合、EGR通路100から吸気
枝管14へ流入するEGRガス量が増加し、それに応じ
て内燃機関1の気筒2内に吸入されるEGRガス量が増
加する。この結果、内燃機関1の気筒2内に吸入される
新気の量は、EGRガスが増加した分だけ減少すること
になる。
【0145】尚、EGRガス量を増加させる必要がある
場合に、既にEGR弁101が全開状態にあると、CP
U41は、スロットル弁21を所定開度閉弁させるべく
スロットル用アクチュエータ21aを制御する。
【0146】この場合、スロットル弁21より下流に位
置する吸気枝管14では、吸気管負圧の負圧度合が高く
なるため、EGR通路100から吸気枝管14へ吸入さ
れるEGRガス量が増加することになる。
【0147】前記した所定量は、予め決定されている固
定値であってもよく、あるいは、実際の吸入空気量と目
標吸入空気量との偏差に応じて変更される可変値であっ
てもよい。
【0148】EGR冷却制御は、EGR制御が実行状態
にあるときに実行される制御である。このEGR冷却制
御では、CPU41は、EGR冷却条件が成立している
ときに、開閉弁107を開弁させてラジエター106で
冷却された冷却水の一部をEGRクーラ103に循環さ
せ、以てEGR通路100を流れるEGRガスを冷却す
る。
【0149】上記したEGR冷却条件としては、水温セ
ンサ5の出力信号値(冷却水温度)が所定温度以上であ
る、機関回転数が所定回転数以上である、アクセル開度
が所定開度以上である等の条件を例示することができ
る。
【0150】次に、排気浄化制御では、CPU41は、
パティキュレートフィルタ22の微粒子酸化除去能力を
効率的に利用すべく排気切換用アクチュエータ72を制
御することになる。
【0151】パティキュレートフィルタ22に担持され
た貴金属触媒および活性酸素放出剤は、パティキュレー
トフィルタ22の床温が高くなるほど活性するため、単
位時間当りに活性酸素放出剤が放出しうる活性酸素Oの
量はパティキュレートフィルタ22の床温が高くなるほ
ど増大する。これに伴い、単位時間当たりにパティキュ
レートフィルタ22が輝炎を発することなく酸化除去可
能な微粒子の量(酸化除去可能微粒子量)Gも、図9に
示すように、パティキュレートフィルタ22の床温TF
が高くなるほど増大することになる。
【0152】ここで、単位時間当たりに内燃機関1から
排出される微粒子の量を排出微粒子量Mと称すると、パ
ティキュレートフィルタ22の床温TFに対応した酸化
除去可能微粒子量Gが排出微粒子量Mより多くなるとき
は、内燃機関1から排出された微粒子の全てがパティキ
ュレートフィルタ22において輝炎を発することなく酸
化除去せしめられることになる。
【0153】これに対し、パティキュレートフィルタ2
2の床温TFに対応した酸化除去可能微粒子量Gが排出
微粒子量Mより少なくなるときは、内燃機関1から排出
された微粒子の全てをパティキュレートフィルタ22で
酸化除去するには、活性酸素の量が不足してしまうこと
になる。
【0154】パティキュレートフィルタ22に流入する
微粒子の量に対して活性酸素量が不足している場合は、
図10の(A)に示すように微粒子62が活性酸素放出
剤61上に付着すると、微粒子62の一部のみが酸化さ
れ、十分に酸化されなかった微粒子部分が担体層上に残
留する。次いで活性酸素量が不足している状態が継続す
ると次から次へと酸化されなかった微粒子部分が担体層
上に残留し、その結果、図10(B)に示すように、担
体層の表面が残留微粒子部分63によって覆われるよう
になる。
【0155】担体層の表面を覆う残留微粒子部分63
は、次第に酸化されにくいカーボン質に変質するため、
そのままパティキュレートフィルタ22に残留し易くな
る。また、担体層の表面が残留微粒子部分63によって
覆われると、白金PtによるNO、SO2 の酸化作用お
よび活性酸素放出剤61による活性酸素の放出作用が抑
制される。
【0156】この結果、図10(C)に示すように、残
留微粒子部分63の上に別の微粒子64が次から次へと
堆積し、その結果、微粒子が積層状に堆積することにな
る。担体層の表面に微粒子が積層状に堆積すると、それ
らの微粒子は、白金Ptや活性酸素放出剤と距離を隔て
られることになるため、たとえ酸化されやすい微粒子で
あっても、もはや活性酸素Oによって酸化されることが
なく、斯くしてこの微粒子の上に更に別の微粒子が堆積
していくことになる。
【0157】そこで、本実施の形態における排気浄化制
御では、CPU41は、パティキュレートフィルタ22
に堆積した微粒子を除去又はパティキュレートフィルタ
22における微粒子の堆積を防止すべく、排気浄化機構
29の排気切換用アクチュエータ72を制御することに
なる。
【0158】具体的には、CPU41は、排気切換弁7
1の弁体71aの位置が順流位置と逆流位置とに交互に
切り換わるよう排気切換用アクチュエータ72を制御す
る。排気切換用アクチュエータ72がパティキュレート
フィルタ22に対する排気の流れを逆転(順流から逆流
もしくは逆流から順流へ逆転)させるべく排気切換弁7
1を駆動した場合は、パティキュレートフィルタ22の
上流側と下流側とが逆転し、切り換え前にパティキュレ
ートフィルタ22の下流側であった部分の活性酸素放出
剤が微粒子の付着によって活性酸素Oを放出し、その活
性酸素Oにより微粒子が酸化除去される。更に、活性酸
素放出剤から放出された活性酸素Oの一部は、排気とと
もにパティキュレートフィルタ22の下流側へ移動し、
ここに堆積する微粒子を酸化除去する。
【0159】更に、排気切換用アクチュエータ72がパ
ティキュレートフィルタ22に対する排気の流れを逆転
させるべく排気切換弁71を駆動すると、微粒子がパテ
ィキュレートフィルタ22の両面で順流方向と逆流方向
に撹乱され、パティキュレートフィルタ22の両面、若
しくは基材内部で動き回り、パティキュレートフィルタ
22の略全域の活性点で酸化されることになる。
【0160】従って、パティキュレートフィルタ22に
微粒子が堆積し始めている時期に、排気切換弁71によ
って排気の流れが逆転されると、パティキュレートフィ
ルタ22から微粒子を完全に酸化除去することができ、
微粒子の堆積に起因したパティキュレートフィルタ22
の目詰まりを防止することが可能となる。
【0161】尚、パティキュレートフィルタ22上に微
粒子が堆積した場合には、CPU41は、排気の空燃比
を一時的にリッチにすることにより、活性酸素放出剤の
周囲の酸素濃度を低下させて、パティキュレートフィル
タ22の略全域の活性酸素放出剤から一斉に活性酸素O
を放出させるようにしてもよい。
【0162】また、本実施の形態に係る排気浄化制御で
は、CPU41は、排気の状態がパティキュレートフィ
ルタ22の酸化除去可能微粒子量を低下させる状態にあ
ると予想される場合には、排気浄化機構29における排
気の流れがパティキュレートフィルタ22を迂回する流
れとなるように排気切換用アクチュエータ72を制御す
る。
【0163】ここで、パティキュレートフィルタ22の
酸化除去可能微粒子量は、前述の図9の説明で述べたよ
うに、パティキュレートフィルタ22の床温との相関が
強いため、パティキュレートフィルタ22の床温が低下
すると、それに対応してパティキュレートフィルタ22
の酸化除去可能微粒子量も減少することになる。
【0164】パティキュレートフィルタ22の床温が低
下する主な要因としては、パティキュレートフィルタ2
2に流入する排気の温度低下を挙げることができる。従
って、内燃機関1から排出される排気の温度が低くなる
ときは、排気の状態がパティキュレートフィルタ22の
酸化除去可能微粒子量を低下させる状態にあると言え
る。
【0165】内燃機関1から排出される排気の温度が低
くなる場合としては、内燃機関1が減速運転状態にある
場合や、内燃機関1に対する燃料噴射量が少ない場合を
例示することができる。
【0166】内燃機関1が減速運転状態にあるときは、
燃料噴射弁3に対する駆動電流の印加を停止する、いわ
ゆるフューエルカット制御が実行されるため、内燃機関
1の各気筒2において燃料が燃焼されないことになり、
その結果、各気筒2からは低温の空気のみが排出される
ことになる。
【0167】内燃機関1に対する燃料噴射量が少ないと
きは、内燃機関1の各気筒2内で燃焼される燃料量が少
なくなるため、燃料が燃焼する際に発生する熱量が少な
くなり、その結果、各気筒2から排出される排気が持つ
熱量が少なくなる。尚、内燃機関1に対する燃料噴射量
が少ないときとしては、内燃機関1がアイドル運転状態
にあるときや、定常運転状態にあるとき等を例示するこ
とができる。
【0168】従って、内燃機関1が減速運転状態にある
とき、若しくは、内燃機関1に対する燃料噴射量が少な
いときは、排気の状態がパティキュレートフィルタ22
の酸化除去可能微粒子量を低下させる状態にあると言え
る。
【0169】そこで、本実施の形態に係る排気浄化制御
では、CPU41は、内燃機関1が減速運転状態にある
とき、若しくは、内燃機関1に対する燃料噴射量が少な
いときは、排気浄化機構29における排気の流れがパテ
ィキュレートフィルタ22を迂回する流れとなるように
排気切換用アクチュエータ72を制御することになる。
【0170】このような制御によれば、内燃機関1から
低温の排気が排出される場合に、その低温の排気がパテ
ィキュレートフィルタ22に流入することがなくなるた
め、パティキュレートフィルタ22の持つ熱が排気に奪
われることがなく、その結果、パティキュレートフィル
タ22の床温が低下することを防止することが可能とな
る。
【0171】ところで、上記したような制御によれば、
パティキュレートフィルタ22自体が排気によって冷却
されることはないが、内燃機関1から排気浄化機構29
に至る排気系の部品、すなわち排気枝管24、タービン
ハウジング19b、及び上流側排気管25aの熱が低温
の排気によって奪われることになり、それにより前記し
た排気系部品の温度が低下する。
【0172】排気浄化機構29における排気の流れがパ
ティキュレートフィルタ22を迂回する状態(以下、バ
イパス状態と称する)にあるときに、前記した排気系部
品の温度が低下すると、排気浄化機構29における排気
の流れがバイパス状態から順流状態又は逆流状態(以
下、パティキュレートフィルタ経由状態と総称する)に
戻された際には、内燃機関1から排出された排気の熱が
上記した排気系部品に奪われることになる。
【0173】このため、内燃機関1から高温の排気が排
出されても、その排気がパティキュレートフィルタ22
に到達する時点では該排気の温度が低くなり、その結
果、パティキュレートフィルタ22が低温の排気によっ
て不要に冷却されてしまうことになる。
【0174】従って、排気浄化機構29における排気の
流れがバイパス状態にある場合には、排気浄化機構29
より上流に位置する排気系部品の温度低下を抑制する必
要がある。
【0175】そこで、本実施の形態では、CPU41
は、排気浄化機構29における排気の流れがバイパス状
態にあるときには、排気浄化機構29より上流に位置す
る排気系部品の温度低下を防止すべく温度低下抑制制御
を実行するようにした。
【0176】以下、本実施の形態に係る温度低下抑制制
御について具体的に述べる。温度低下抑制制御では、C
PU41は、図11に示すような温度低下抑制制御ルー
チンを実行することになる。この温度低下抑制制御ルー
チンは、予めROM42に記憶されているルーチンであ
り、所定時間毎(例えば、クランクポジションセンサ4
がパルス信号を出力する度)にCPU41によって繰り
返し実行されるルーチンである。
【0177】温度低下抑制制御ルーチンでは、CPU4
1は、先ず、S1101において、予めRAM43の所
定領域に設定されているバイパス実行フラグ記憶領域へ
アクセスし、該バイパス実行フラグ記憶領域に“1”が
記憶されているか否かを判別する。
【0178】前記したバイパス実行フラグ記憶領域は、
CPU41が排気浄化機構29における排気の流れをパ
ティキュレートフィルタ経由状態からバイパス状態へ切
り換える際に“1”をセットし、排気浄化機構29にお
ける排気の流れをバイパス状態からパティキュレートフ
ィルタ経由状態へ切り換える際に“0”へリセットする
領域である。
【0179】前記S1101において前記バイパス実行
フラグ記憶領域に“1”が記憶されていると判定した場
合は、CPU41は、S1102へ進み、吸気絞り制御
を実行する。
【0180】吸気絞り制御では、CPU41は、スロッ
トル弁21を所定量閉弁させるべくスロットル用アクチ
ュエータ21aを制御し、内燃機関1の吸入空気量を減
少させる。
【0181】この場合、内燃機関1の吸入空気量が減少
されることにより、内燃機関1から排出される排気の量
も減少することになる。この結果、内燃機関1から低温
の排気が排出されても、排気の流量が少なくなるため、
排気浄化機構29より上流に位置する排気系部品から排
気へ伝達される熱量が少なくなり、以て排気系部品の温
度低下が抑制されることになる。
【0182】一方、前記S1101において前記バイパ
ス実行フラグ記憶領域に“1”が記憶されていないと判
定した場合、すなわち、前記バイパス実行フラグ記憶領
域に“0”が記憶されていると判定した場合は、CPU
41は、S1103へ進み、吸気絞り制御の実行を停止
し、スロットル弁21の開度を通常の開度へ戻すべくス
ロットル用アクチュエータ21aを制御し、本ルーチン
の実行を終了する。
【0183】上記したようにCPU41が温度低下抑制
制御ルーチンを実行することにより、排気浄化機構29
における排気の流れがバイパス状態にあるときの排気系
部品の温度は、図12の(A)に示すように、温度低下
抑制制御を実行しない場合に比して高く保たれることに
なり、その結果、排気浄化機構29における排気の流れ
がバイパス状態からパティキュレートフィルタ経由状態
へ戻った際のパティキュレートフィルタ22の床温の低
下も、図12の(B)に示すように、温度低下抑制制御
を実行しない場合に比して少なくなる。従って、CPU
41が温度低下抑制制御ルーチンを実行することによ
り、本発明に係る温度低下抑制手段が実現されることに
なる。
【0184】以上述べた実施の形態によれば、排気浄化
機構29における排気の流れがバイパス状態にあるとき
の排気系部品の温度低下を抑制することが可能となり、
それにより排気浄化機構29における排気の流れがバイ
パス状態からパティキュレートフィルタ経由状態へ戻さ
れた際に、パティキュレートフィルタ22が不要に冷却
されることがなくなる。
【0185】この結果、パティキュレートフィルタ22
の不要な温度低下に起因した酸化除去可能微粒子量の減
少が抑制されることになる。尚、本実施の形態では、温
度低下抑制制御において排気の流量を減少させる方法と
しては、スロットル弁21の開度を絞る方法を例に挙げ
たが、排気絞り弁33の開度を絞ることにより排気流量
を減少させる方法、もしくはEGR弁100の開度を全
開にして排気流量を減少させる方法によっても同様の効
果を得ることが可能である。
【0186】<実施の形態2>次に、本発明に係る内燃
機関の排気浄化装置の第2の実施態様について図13〜
図17に基づいて述べる。ここでは、前述の第1の実施
の形態と異なる構成について説明し、同様の説明につい
ては説明を省略する。
【0187】前述した第1の実施の形態では、排気浄化
機構29における排気の流れがバイパス状態にあるとき
に、前記排気浄化機構29より上流に位置する排気系部
品を通過する排気の流量を減少させることにより前記排
気系部品の温度低下を防止する例について述べたが、本
実施の形態では、排気浄化機構29における排気の流れ
がバイパス状態にあるときに、排気の温度を上昇させ、
以て排気系部品の温度低下防止もしくは排気系部品の温
度上昇を図る排気昇温制御を行う例について述べる。
【0188】図13は、本実施の形態に係る排気浄化装
置を適用する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す
図である。図13に示すように、内燃機関1の排気系に
おいて、上流側排気管25aと排気浄化機構29との間
には、酸化触媒80が介在している。この酸化触媒80
は、炭化水素HC等の未燃燃料成分を酸化する機能を有
するものであればよく、そのような酸化触媒としては三
元触媒を例示することができる。
【0189】前記酸化触媒80の直上流に位置する上流
側排気管25aには、該上流側排気管25a内を流れる
排気中に燃料を添加する燃料添加ノズル38が取り付け
られている。この燃料添加ノズル38は、本発明に係る
燃料供給手段を実現するものであり、図示しない燃料配
管を介して燃料ポンプ9と接続され、燃料ポンプ9から
吐出された燃料の一部が該燃料添加ノズル38に供給さ
れるようになっている。尚、燃料添加ノズル38は、燃
料噴射弁3と同様に、駆動電流が印加されたときに開弁
して燃料を噴射するノズルである。
【0190】前記酸化触媒80には、該酸化触媒80の
床温に対応した電気信号を出力する触媒温度センサ81
が取り付けられている。この場合、上記した燃料添加ノ
ズル38及び触媒温度センサ81は、電気配線を介して
ECU35と接続されている。具体的には、図14に示
すように、燃料添加ノズル38がECU35の出力ポー
ト46に接続され、触媒温度センサ81がECU35の
A/D47に接続されている。
【0191】そして、ECU38のCPU41は、排気
の状態がパティキュレートフィルタ22の酸化除去可能
微粒子量を減少させる状態にあると予想される場合に
は、前述の第1の実施の形態と同様に、排気浄化機構2
9における排気の流れをパティキュレートフィルタ経由
状態からバイパス状態へ切り換える。
【0192】これに対応して、CPU41は、図15に
示すような排気昇温制御ルーチンを実行することにな
る。この排気昇温制御ルーチンは、予めROM42に記
憶されているルーチンであり、CPU41によって所定
時間毎(例えば、クランクポジションセンサ4がパルス
信号を出力する度)に繰り返し実行されるルーチンであ
る。
【0193】排気昇温制御ルーチンでは、CPU41
は、先ず、S1501において、RAM43のバイパス
実行フラグ記憶領域へアクセスし、該バイパス実行フラ
グ記憶領域に“1”が記憶されているか否かを判別す
る。
【0194】前記S1501において前記バイパス実行
フラグ記憶領域に“1”が記憶されていると判定した場
合は、CPU41は、S1502へ進み、RAM43の
所定領域に予め設定されているフューエルカット制御フ
ラグ記憶領域に“1”が記憶されているか否かを判別す
る。
【0195】前記フューエルカット制御フラグ記憶領域
は、内燃機関1が減速運転状態にあるときのようにCP
U41がフューエルカット制御の実行を開始するときに
“1”をセットし、フューエルカット制御の実行を終了
するときに“0”にリセットする領域である。
【0196】前記S1502において前記フューエルカ
ット制御フラグ記憶領域に“1”が記憶されていると判
定した場合は、CPU41は、S1503へ進み、RA
M43から触媒温度センサ81の出力信号値(酸化触媒
80の床温)を読み出し、酸化触媒80の床温が該酸化
触媒80の活性温度以上であるか否か、つまり酸化触媒
80が活性状態にあるか否かを判別する。
【0197】前記S1503において酸化触媒80の床
温が活性温度以上であると判定した場合は、CPU41
は、S1504へ進み、燃料添加制御を実行する。燃料
添加制御では、CPU41は、燃料添加ノズル38に対
して駆動電流を印加する。
【0198】この場合、燃料添加ノズル38は、上流側
排気管25aを流れる排気中に燃料を噴射することにな
る。上流側排気管25aを流れる排気中に噴射された燃
料は、排気とともに酸化触媒80へ流入する。その際、
酸化触媒80が既に活性状態にあるため、前記酸化触媒
80において燃料が酸化されることになる。その結果、
燃料が酸化する際に発生する熱により酸化触媒80内を
通過する排気の温度が上昇する。
【0199】一方、前記S1502において前記フュー
エルカット制御フラグ記憶領域に“0”が記憶されてい
ると判定した場合は、CPU41は、S1505へ進
み、燃料添加制御の実行を停止する。
【0200】この場合、燃料添加ノズル38から酸化触
媒80に対して燃料が供給されないことになるが、内燃
機関1から排出される排気中に未燃燃料成分が含まれて
いるため、その未燃燃料成分が酸化触媒80において酸
化され、未燃燃料成分が酸化する際に発生する熱によっ
て排気の温度が上昇することになる。
【0201】また、前記S1503において酸化触媒8
0の床温が活性温度未満であると判定した場合は、CP
U41は、S1505へ進み、燃料添加制御の実行を停
止する。
【0202】この場合、排気浄化機構29における排気
の流れがバイパス状態にあるにも関わらず、酸化触媒8
0において燃料の酸化が行われないことになるが、排気
浄化機構29より上流の排気系部品の熱容量は、酸化触
媒80が設けられていない場合に比して多くなるため、
内燃機関1から排出された排気は酸化触媒80が持つ熱
を受けてある程度昇温することになる。
【0203】また、前記S1501において前記バイパ
ス実行フラグ記憶領域に“0”が記憶されていると判定
した場合は、CPU41は、S1505へ進み、燃料添
加制御の実行を停止して本ルーチンの実行を一旦終了す
る。
【0204】上記したようにCPU41が排気昇温制御
ルーチンを実行することにより、排気浄化機構29にお
ける排気の流れがバイパス状態にあるときの排気の温度
が昇温されることになり、本発明に係る排気昇温手段が
実現されることになる。
【0205】この結果、排気浄化機構29より上流に位
置する排気系部品、特に酸化触媒80から排気浄化機構
29に至る排気経路に位置する排気系部品の温度低下が
抑制もしくは前記排気系部品の温度が上昇することにな
る。
【0206】ここで、排気浄化機構29より上流の排気
通路に酸化触媒が設けられていない場合は、排気浄化機
構29における排気の流れがバイパス状態にあるときの
排気の温度低下が図16の(A)に示すように比較的大
きくなるため、排気浄化機構29における排気の流れが
バイパス状態からパティキュレートフィルタ経由状態へ
戻された際のパティキュレートフィルタ22の床温も図
16の(B)に示すように比較的大きく低下することに
なる。
【0207】これに対し、排気浄化機構29より上流の
排気通路に酸化触媒80を設けるとともに、本実施の形
態に係る排気昇温制御が実行された場合には、排気浄化
機構29における排気の流れがバイパス状態にあるとき
の排気の温度低下が図17の(A)に示すように比較的
小さくなるため、排気浄化機構29における排気の流れ
がバイパス状態からパティキュレートフィルタ経由状態
へ戻された際のパティキュレートフィルタ22の床温低
下も図17の(B)に示すように比較的小さく抑えられ
ることになる。
【0208】従って、以上述べた実施の形態によれば、
排気の流れがバイパス状態にあるときに排気を昇温させ
ることが可能となり、昇温された排気によって排気系部
品の温度低下が防止もしくは排気系部品の温度が上昇さ
れることになるため、排気の流れがバイパス状態からパ
ティキュレートフィルタ経由状態へ戻された際に、パテ
ィキュレートフィルタ22が不要に冷却されることがな
くなる。
【0209】この結果、パティキュレートフィルタ22
の不要な温度低下に起因した酸化除去可能微粒子量の減
少が抑制されることになる。尚、本実施の形態では、酸
化触媒80が活性状態にあり、且つ、フューエルカット
制御が実行状態にあるときに、酸化触媒80に対する燃
料添加制御を実行する例について述べたが、パティキュ
レートフィルタ22およびまたは酸化触媒80の温度が
非常に高い場合は、それらパティキュレートフィルタ2
2およびまたは酸化触媒80が持つ熱によって排気が昇
温されることになるため、酸化触媒80が活性状態にあ
り、且つ、フューエルカット制御が実行状態にあるとき
であっても、パティキュレートフィルタ22およびまた
は酸化触媒80の温度が非常に高い場合には、酸化触媒
80に対する燃料添加制御を実行しないようにしてもよ
い。この場合、排気昇温制御に係る燃料消費量を低減し
つつ、排気を昇温させることが可能となる。
【0210】また、本実施の形態に係る排気昇温制御で
は、酸化触媒80に対する燃料添加制御のみを行う例に
ついて述べたが、酸化触媒80に対する燃料添加制御に
加えて、排気絞り制御、吸気絞り制御、もしくはEGR
制御を並行して実行するようにしてもよい。
【0211】この場合、排気浄化機構29における排気
の流れがバイパス状態にあるときに、酸化触媒80が未
活性状態にあっても、排気絞り制御、吸気絞り制御、も
しくはEGR制御によって排気の流量が減少するため、
排気系部品の温度低下を防止することができる。
【0212】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の排気浄化装置で
は、排気の流れがパティキュレートフィルタを迂回する
状態にあるときは、排気通路の温度低下を抑制、又は排
気の温度を上昇させるため、排気の流れがバイパス状態
からパティキュレートフィル経由状態へ戻された際に、
内燃機関から排出された高温の排気がパティキュレート
フィルタ上流の排気通路において冷却されるようなこと
がない。
【0213】従って、本発明に係る内燃機関の排気浄化
装置によれば、排気の流れがバイパス状態からパティキ
ュレートフィルタ経由状態へ戻された際に、パティキュ
レートフィルタに低温の排気が流入することがなく、以
てパティキュレートフィルタが不要に冷却されるのを防
止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施の形態に係る排気浄化装置を適用
する内燃機関の概略構成を示す図
【図2】 排気浄化機構の構成を示す水平断面図
【図3】 排気浄化機構の構成を示す側面図
【図4】 排気切換弁の動作を説明する図
【図5】 (A)フィルタ基材に微粒子が堆積する状態
を示すイメージ図 (B)排気ガスの順流/逆流による微粒子の撹乱状態を
示すイメージ図
【図6】 パティキュレートフィルタの構成を示す図
【図7】 パティキュレートフィルタにおける微粒子の
酸化作用を示す概念図
【図8】 ECUの内部構成を示すブロック図
【図9】 パティキュレートフィルタの酸化除去可能微
粒子量とパティキュレートフィルタの温度との関係を示
す図
【図10】 パティキュレートフィルタにおける微粒子の
堆積作用を示す概念図
【図11】 温度低下防止制御ルーチンを示すフローチャ
ート図
【図12】 (A)温度低下抑制制御を実行した場合と実
行しない場合の排気系部品の温度変化を示す図 (B)温度低下抑制制御を実行した場合と実行しない場
合のパティキュレートフィルタの温度変化を示す図
【図13】 第2の実施の形態に係る排気浄化装置を適用
する内燃機関とその吸排気系の概略構成を示す図
【図14】 第2の実施の形態に係るECUの内部構成を
示すブロック図
【図15】 排気昇温制御ルーチンを示すフローチャート
【図16】 (A)排気昇温制御を実行しない場合の排気
の温度変化を示す図 (B)排気昇温制御を実行しない場合のパティキュレー
トフィルタの温度変化を示す図
【図17】 (A)排気昇温制御を実行した場合の排気の
温度変化を示す図 (B)排気昇温制御を実行した場合のパティキュレート
フィルタの温度変化を示す図
【符号の説明】
1・・・・内燃機関 2・・・・気筒 3・・・・燃料噴射弁 14・・・吸気枝管 15・・・吸気管 17・・・エアフローメータ 18・・・吸気温度センサ 19・・・遠心過給機 19a・・コンプレッサハウジング 19b・・タービンハウジング 20・・・インタークーラ 21・・・スロットル弁(吸気絞り弁) 22・・・パティキュレートフィルタ 23・・・ケーシング 24・・・排気枝管 29・・・排気浄化機構 33・・・排気絞り弁 34・・・排気絞り用アクチュエータ 38・・・燃料添加ノズル 39・・・フィルタ温度センサ 71・・・排気切換弁 72・・・排気切換用アクチュエータ 73・・・フィルタバイパス通路 76・・・第1の排気通路 77・・・第2の排気通路 80・・・酸化触媒 81・・・触媒温度センサ 100・・EGR弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F01N 3/02 301 F01N 3/02 301M 3G301 F02D 9/02 F02D 9/02 F S 9/04 9/04 D E 21/08 301 21/08 301B 41/04 310 41/04 310A 43/00 301 43/00 301K 301H F02M 25/07 570 F02M 25/07 570J (72)発明者 広田 信也 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 伊藤 和浩 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 浅沼 孝充 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 中谷 好一郎 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA01 DA01 EA10 GA09 3G065 AA01 AA03 AA04 AA09 AA10 CA00 CA12 DA02 DA04 DA06 GA05 GA08 GA09 GA10 GA27 GA41 GA46 HA22 JA04 JA09 JA11 KA02 3G084 AA01 BA05 BA08 BA13 BA15 BA20 CA02 CA03 CA06 DA10 EA07 EA11 EB08 EB11 EC02 FA02 FA07 FA10 FA12 FA20 FA27 FA33 FA38 3G090 AA03 BA01 CB24 CB25 DA13 DB02 EA07 3G092 AA02 AA06 AA17 DC08 DC12 DC14 DF09 EA01 FA18 HD01Z HD07X HD09X 3G301 HA02 HA11 HA13 JA24 KA05 KA07 KA16 KA26 LA01 LB17 MA11 MA20 MA24 NA08 NC04 ND01 NE01 NE23 PA01A PA01Z PA10Z PA11Z PA16Z PB03Z PB08Z PD11Z PD12Z PE01A PE01Z PE03Z PE08Z PF03Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中
    に含まれる微粒子を酸化させる能力を有するパティキュ
    レートフィルタと、 排気の状態が前記パティキュレートフィルタの微粒子酸
    化能力を低下させる状態にあると予想されるときに、排
    気の少なくとも一部が前記パティキュレートフィルタを
    迂回して流れるよう排気の流れを切り換えるバイパス手
    段と、 前記バイパス手段によって排気が前記パティキュレート
    フィルタを迂回して流されているときに、前記排気通路
    の温度低下を抑制する温度低下抑制手段と、を備えるこ
    とを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 【請求項2】 前記温度低下抑制手段は、前記排気通路
    を流れる排気の流量を減少させることにより、前記排気
    通路の温度低下を抑制することを特徴とする請求項1に
    記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 【請求項3】 前記内燃機関の吸気通路およびまたは排
    気通路を流れるガスの流量を調整する流量調整弁を更に
    備え、 前記温度低下抑制手段は、前記流量調整弁の開度を絞る
    ことにより、前記排気通路を流れる排気の流量を減少さ
    せることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排気
    浄化装置。
  4. 【請求項4】 前記内燃機関の排気通路を流れる排気の
    一部を前記内燃機関の吸気通路へ還流させる排気再循環
    機構を更に備え、 前記温度低下抑制手段は、前記排気再循環機構により還
    流される排気量を増加させることにより、前記排気通路
    を流れる排気の流量を減少させることを特徴とする請求
    項2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関の排気通路に設けられ、排気中
    に含まれる微粒子を酸化させる能力を有するパティキュ
    レートフィルタと、 排気の状態が前記パティキュレートフィルタの微粒子酸
    化能力を低下させる状態にあると予想されるときに、排
    気の少なくとも一部が前記パティキュレートフィルタを
    迂回して流れるよう排気の流れを切り換えるバイパス手
    段と、 前記バイパス手段によって排気が前記パティキュレート
    フィルタを迂回して流されているときに、排気を昇温さ
    せる排気昇温手段と、を備えることを特徴とする内燃機
    関の排気浄化装置。
  6. 【請求項6】 前記排気昇温手段は、前記パティキュレ
    ートフィルタより上流の排気通路に設けられた酸化触媒
    であることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排
    気浄化装置。
  7. 【請求項7】 前記排気昇温手段は、前記パティキュレ
    ートフィルタより上流の排気通路に設けられた酸化触媒
    と、前記酸化触媒へ燃料を供給する燃料供給手段とを具
    備することを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排
    気浄化装置。
  8. 【請求項8】 前記バイパス手段は、前記内燃機関が減
    速運転状態にあるとき又は前記内燃機関に対する燃料噴
    射量が少ないときに、排気の状態が前記パティキュレー
    トフィルタの微粒子酸化能力を低下させる状態にあると
    予想して、排気の少なくとも一部が前記パティキュレー
    トフィルタを迂回して流れるよう排気の流れを切り換え
    ることを特徴とする請求項1又は請求項5に記載の内燃
    機関の排気浄化装置。
  9. 【請求項9】 前記パティキュレートフィルタは、該パ
    ティキュレートフィルタに流入する排気の流れ方向を逆
    転させる排気流れ切換手段を備えることを特徴とする請
    求項1又は請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 【請求項10】 前記パティキュレートフィルタには、
    酸素過剰雰囲気のときは酸素を取り込んで保持し、酸素
    濃度が低下したときは保持していた酸素を活性酸素とし
    て放出する活性酸素放出剤が担持されていることを特徴
    とする請求項1又は請求項5に記載の内燃機関の排気浄
    化装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005121530A1 (ja) * 2004-06-07 2005-12-22 Mitsubishi Fuso Truck And Bus Corporation エンジンの制御装置
KR102131704B1 (ko) * 2019-04-03 2020-07-08 현대오트론 주식회사 Dpf 역세를 위한 공기 역순환 장치 및 이를 이용한 dpf 역세 방법

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