JP2001303499A - パルプモールド成形体の製造方法 - Google Patents

パルプモールド成形体の製造方法

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泰司 山田
Tokuo Tsuura
徳雄 津浦
Hiroaki Kobayashi
洋昭 小林
Kenichi Otani
憲一 大谷
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含水状態の成形体を加圧脱水する際又は加圧
乾燥するに、成形体の変形や損傷が防止され、安定して
成形可能なパルプモールド成形体の製造方法を提供する
こと。 【解決手段】 所定形状のキャビティ4を有する抄紙型
1のキャビティ4内にパルプスラリーを供給して、開口
部を有するパルプモールド成形体7aと、該開口部の端
面に連接された、フランジ7cを有する切り離し部7b
とからなる成形体本体7を成形した後、中子8を成形体
本体7内に挿入し、次いで中子8を拡張させて成形体本
体7を抄紙面へ向けて押圧し、然る後、成形体本体7を
抄紙型1から取り出し、成形体本体7における切り離し
部7bとパルプモールド成形体7aとの連接部におい
て、成形体本体7を切断するパルプモールド成形体の製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルプモールド成
形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】パルプ
モールド成形体の製造工程においては、取り扱い性の向
上及び乾燥時間の短縮化等の点から、抄紙により得られ
た含水状態の成形体を脱水する工程がある。脱水には、
特開平7−223230号公報に記載のように、膨張時
に目的成形物の内側形状と略同一の形状を有する可撓膜
が被着された内型と、目的成形物の外側形状と略同一の
型面形状を有する外型とを用い、該内型と該外型との間
に成形材料を装填して挟圧すると共に前記可撓膜の膨張
を利用して、前記成形材料を加圧脱水する方法が知られ
ている。
【0003】しかし、含水状態の成形体は脆弱であるこ
とから、前記の方法においては、前記外型と前記内型と
による前記成形材料の挟圧の際に型間での位置ずれや、
含水状態の前記成形材料の厚みむらが起こると、前記成
形材料が型と接触して該成形体が変形したり、該成形体
を構成するパルプ繊維が剥落する等の損傷を受ける場合
がある。
【0004】従って、本発明は、含水状態のパルプモー
ルド成形体を加圧脱水する際又は加圧乾燥する際に、成
形体の変形や損傷が防止され、安定して成形可能なパル
プモールド成形体の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、内部に所定形
状のキャビティを有する抄紙型の該キャビティ内にパル
プスラリーを供給して、該キャビティの抄紙面に、開口
部を有するパルプモールド成形体と、該開口部の端面に
連接された、フランジを有する切り離し部とから構成さ
れる成形体本体を成形した後、該成形体本体内に加圧流
体を供給して該成形体本体を脱水し、該成形体本体を、
該抄紙型から取り出して、内部に所定形状のキャビティ
を有する加熱型における該キャビティ内に装填し、続い
て拡縮可能な中子を該成形体本体内に挿入し、次いで該
中子内に所定の流体を供給して該中子を拡張させ、拡張
した該中子により該成形体本体を該キャビティ面へ向け
て押圧した状態下に該成形体本体を乾燥させ、然る後、
乾燥された該成形体本体を前記加熱型から取り出し、該
成形体本体における前記切り離し部と前記パルプモール
ド成形体との連接部において、前記成形体本体を切断す
るパルプモールド成形体の製造方法を提供することによ
り前記目的を達成したものである(以下、第1発明とい
うときには、この発明をいう)。
【0006】また本発明は、内部に所定形状のキャビテ
ィを有する抄紙型の該キャビティ内にパルプスラリーを
供給して、該キャビティの抄紙面に、開口部を有するパ
ルプモールド成形体と、該開口部の端面に連接された、
フランジを有する切り離し部とから構成される成形体本
体を成形した後、拡縮可能な中子を該成形体本体内に挿
入し、次いで該中子内に所定の流体を供給して該中子を
拡張させ、拡張した該中子により該成形体本体を該抄紙
面へ向けて押圧し、然る後、前記成形体本体を該抄紙型
から取り出し、前記成形体本体における前記切り離し部
と前記パルプモールド成形体との連接部において、前記
成形体本体を切断するパルプモールド成形体の製造方法
を提供することにより前記目的を達成したものである
(以下、第2発明というときには、この発明をいう)。
【0007】また、本発明は、湿式抄造法によって所定
形状の成形体本体を成形した後、該成形体本体を、内部
に所定形状のキャビティを有する加熱型における該キャ
ビティ内に装填し、続いて拡縮可能な中子を該成形体本
体内に挿入し、次いで該中子内に所定の流体を供給して
該中子を拡張させ、拡張した該中子により該成形体本体
を該キャビティ面へ向けて押圧して、前記成形体本体か
ら、開口部を有するパルプモールド成形体と、該開口部
の端面に連接された、フランジを有する切り離し部とを
成形し、然る後、前記パルプモールド成形体と前記切り
離し部とから構成される前記成形体本体を前記加熱型か
ら取り出し、前記成形体本体における前記切り離し部と
前記パルプモールド成形体との連接部において、前記成
形体本体を切断するパルプモールド成形体の製造方法を
提供するものである(以下、第3発明というときには、
この発明をいう)。
【0008】また本発明は、前記製造方法に用いられる
好ましい製造装置として、内部に所定形状のキャビティ
を有する抄紙型と、該キャビティ内にパルプスラリーを
供給する手段と、該キャビティ内に成形された、開口部
を有するパルプモールド成形体と、該開口部の端面に連
接された、フランジを有する切り離し部とから構成され
る成形体本体内に挿入される拡縮可能な中子と、該中子
の挿入手段と、該中子内に所定の流体を供給する手段
と、前記成形体本体を前記抄紙型から取り出す手段と、
前記成形体本体を、前記切り離し部と前記パルプモール
ド成形体との連接部において切断する手段とを備えたパ
ルプモールド成形体の製造装置を提供するものである。
【0009】更に本発明は、前記製造方法に用いられる
好ましい別の製造装置として、内部に所定形状のキャビ
ティを有する加熱型と、湿式抄造法によって形成され
た、開口部を有するパルプモールド成形体と、該開口部
の端面に連接された、フランジを有する切り離し部とか
ら構成される成形体本体を前記加熱型に装填する手段
と、該成形体本体内に挿入される拡縮可能な中子と、該
中子の挿入手段と、該中子内に所定の流体を供給する手
段と、該成形体本体を前記加熱型から取り出す手段と、
前記成形体本体を、前記切り離し部と前記パルプモール
ド成形体との連接部において切断する手段とを備えたパ
ルプモールド成形体の製造装置を提供するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】先ず第1発明を、その好ましい実
施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本実施形
態は、開口した口頸部を有し、胴部の径が口頸部の径よ
りも大きいボトル状のパルプモールド成形体(以下、単
に成形体ともいう)を製造する例である。図1(a)〜
図1(c)には、本発明のパルプモールド成形体の製造
方法の抄紙・脱水工程が順次示されており、図1(a)
はパルプスラリー注入及び吸引脱水工程、図1(b)は
加圧流体の供給による脱水工程、図1(c)は抄紙型を
開く工程である。
【0011】本実施形態の製造方法に用いられる製造装
置は、内部に所定形状のキャビティを有する抄紙型と、
該キャビティ内にパルプスラリーを供給する手段と、該
キャビティ内に成形された前記成形体本体内に供給され
る加圧流体の供給手段とを備えている。
【0012】先ず、図1(a)に示すように、2個で一
組をなす割型2,3からなり、且つ各割型を組み合わせ
ることにより所定形状のキャビティ4が内部に形成され
る抄紙型1を用意する。キャビティ4の内面は、所定の
大きさの網目を有する抄紙ネット(図示せず)によって
被覆されている。各割型2,3には、その内部(即ちキ
ャビティ4の内面)から外部へ連通する複数の連通路5
が形成されている。各連通路5は、吸引ポンプ等の吸引
手段(図示せず)に接続されている。キャビティ4は、
スラリー注入路6を通じて抄紙型1の外部に連通してい
る。
【0013】キャビティ4は、開口部を有するパルプモ
ールド成形体に対応する部分である成形体対応キャビテ
ィ部4aと、前記開口部の端面に連接された切り離し部
に対応する部分である切り離し部対応キャビティ部4b
とから構成されている。成形体対応キャビティ部4a
は、開口した口頸部、胴部及び底部を有するボトル状の
パルプモールド成形体が形成される形状となっている。
また切り離し部対応キャビティ部4bは、側方に張り出
したフランジ7c及びフランジ7cの周縁から立ち上が
った立ち上がり部7dを有する切り離し部7が形成され
る形状となっている。成形体対応キャビティ部4aと切
り離し部対応キャビティ部4bとの境界には、リブ11
が形成されている。リブ11は、キャビティ4の全周に
亘って形成されており環状となっている。リブ11は、
その断面が三角形となっている。
【0014】この状態下に、スラリー注入路6内に充填
ノズル12を挿入し、該充填ノズル12を通じて所定量
のパルプスラリーをキャビティ4内に注入する。これと
共に連通路5を通じてキャビティ4内を抄紙型1の外側
に向けて減圧吸引して、パルプスラリー中の水分を吸引
すると共に抄紙面、即ちキャビティ4の内面を被覆する
抄紙ネット上にパルプ繊維を堆積させる。その結果、抄
紙ネット上には、パルプ繊維が堆積されてなる含水状態
の成形体本体7が形成される。このとき、成形体本体7
の形成初期又は及び/又は終期に、キャビティ4内に所
定量の水(希釈水)を加圧注入してキャビティ4内のパ
ルプスラリーの濃度を希釈することで、成形体本体7の
厚みむらを効果的に抑えることができる。形成初期と
は、キャビティ4内に供給されたパルプが、成形に必要
なパルプ全体の30%以下、特に20%以下にある状態
をいう。形成終期とは、キャビティ4内に供給されたパ
ルプが、成形に必要なパルプ全体の70%以上、特に8
0%以上である状態をいう。希釈水の供給量は、パルプ
スラリーの濃度が80%以下、特に20〜60%に希釈
される程度であることが好ましい。
【0015】成形体本体7は、図1(a)に示すよう
に、開口部を有するパルプモールド成形体7aと、該開
口部の端面に連接された切り離し部7bとから構成され
ている。パルプモールド成形体7aと切り離し部7bと
の連接部には、抄紙型1のキャビティ4内面に形成され
ているリブ11に対応する形状の環状の凹部13が形成
されている。該凹部13は、後述する、パルプモールド
成形体7aと切り離し部7bとの切断の位置決めに用い
られる。
【0016】充填ノズル12は、パルプスラリー及び後
述する加圧流体の供給手段として用いられる。充填ノズ
ル12は、打込板12a、打込板を上下に貫通するノズ
ル12b、ノズル12bの上端に取り付けられた三方弁
12c、該三方弁12cにそれぞれ接続するスラリー供
給管12d及び加圧流体供給管12eを備えている。三
方弁12cの切り替えによって、ノズル12bは、スラ
リー供給管12d及び加圧流体供給管12eに択一的に
接続される。パルプスラリーをキャビティ4内に注入す
るときには、ノズル12bは、スラリー供給管12dに
接続している。また、打込板12aがスラリー注入路6
内に嵌挿されており、これによってスラリー注入路6は
閉鎖されている。
【0017】成形体本体7の成形においては、その一方
を構成するパルプモールド成形体7aが、開口した口頸
部、胴部及び底部を有するボトル状の形状となるように
成形を行う。また他方を構成する切り離し部7bに、側
方に張り出したフランジ7c及びフランジ7cの周縁か
ら立ち上がった立ち上がり部7dが形成されるように成
形を行う。
【0018】形成された成形体本体7は、脱水工程に付
される。先ず、図1(b)に示すように、連通路5を通
じて抄紙型1を内部から外部へ向けて吸引する。この状
態下に、充填ノズル12を抄紙時の位置に固定したまま
で、三方弁12cを切り替えて、ノズル12bを加圧流
体供給管12dに接続させ、加圧流体の供給源(図示せ
ず)から所定の加圧流体をキャビティ4内に供給する。
前述の通り、スラリー注入路6は打込板12a閉鎖され
ているのでキャビティ4内は気密状態となっている。こ
こで、気密状態とは、キャビティ4内が完全に気密とな
った状態を意味するものではなく、加圧流体の吹き込み
によってキャビティ4内が後述する圧力以上となる程度
に気密であることをいう。吹き込まれた加圧流体は、成
形体本体7を通過し、連通路5を通じて外部へ排出され
る。
【0019】加圧流体としては、例えば蒸気又は過熱蒸
気(以下、両者を総称して蒸気類という)を用いること
ができ、特に過熱蒸気を用いることが好ましい。蒸気類
を吹き込むことによって、蒸気類による凝縮伝熱によ
り、成形体本体7に含有されている水の温度が瞬時に上
昇し、水の粘度及び表面張力を低減させることができ、
成形体本体7に保有されている水分が、非常に効率よく
瞬間的に吹き飛ばされる。その結果、脱水効率を向上さ
せることが可能となる。この脱水方法は熱交換を主とし
ないことから、エネルギー的に極めて有利な方法であ
る。また、脱水は瞬時に完了することから、脱水時間を
短縮できる。脱水には、後述する加熱乾燥工程で用いら
れる弾性体からなる中子を使用しないので、該中子をキ
ャビティ内に挿入する等の機械時間が不要となり、機械
時間の短縮ができる。更に、プレス脱水の圧力に比して
吹き込み圧力は低いので、得られる成形体本体7の表面
に抄紙ネットの跡が付きにくく、外観の良好な成形体が
得られるという利点もある。
【0020】蒸気類は、キャビティ4内の圧力が98k
Pa以上、特に196kPa以上、とりわけ294kP
a以上となるように吹き込まれることが好ましい。吹き
込みによるキャビティ4内の圧力は、前記の値以上であ
れば高いほど好ましいが、吹き込みの圧力の上昇に伴い
水分の除去の程度が次第に飽和してくることから、経済
的に見合う圧力の上限値は、980kPa程度である。
キャビティ4内の圧力とは、蒸気類のキャビティ4内へ
の入口圧と出口圧との差をいう。
【0021】蒸気類の吹き込みは、スラリーがキャビテ
ィ4内に残留している時点、又は成形体本体7の形成終
期にキャビティ4内に供給された前述の希釈水がキャビ
ティ4内に残留している時点から行うことが好ましい。
これによって、キャビティ4内の水分が型外へ強制排出
され、排水時間が短縮される。蒸気類の吹き込み時間
は、2秒〜20秒、特に3秒〜15秒程度が好ましく、
脱水は極めて短い時間で完了する。この脱水によって、
例えば脱水前の含水率が75〜80重量%の成形体本体
が、40〜70重量%程度まで脱水される。
【0022】蒸気類として過熱蒸気を用いる場合には、
該過熱蒸気は型内圧が前述の値以上となり且つ蒸気が型
内に吹き込まれる手前まで凝縮しない程度に過熱されて
いれば良い。蒸気は十分に過熱されていても良いが、脱
水効果は大きく変わらない。
【0023】成形体本体7の脱水に用いられる加圧流体
としては、前述の蒸気類に加えて圧搾空気を用いること
もできる。圧搾空気の吹き込みを行うことにより、熱交
換による加熱乾燥を主としない物理的なメカニズムによ
って、湿潤状態の成形体本体7から水分が瞬時に除去さ
れる。圧搾空気は、キャビティ4内の圧力が196kP
a以上、特に294kPa以上となるように吹き込まれ
ることが好ましい。圧力の上限値は、蒸気類の場合と同
様の理由により1471kPa程度である。圧搾空気の
吹き込み時間は10〜60秒、特に15〜40秒である
ことが好ましい。圧搾空気は、型内圧が前述の値以上と
なれば、その圧力(元圧)に特に制限は無い。圧搾空気
に関して特に詳述しない点については、蒸気類に関して
詳述した説明が適宜適用される。
【0024】蒸気類及び圧搾空気は、これらのうちの何
れか一方を用いてもよいが、好ましくは両者を組み合わ
せて用いることが脱水効率の点から好ましい。特に、蒸
気類の吹き込みに引き続き圧搾空気を吹き込むことが好
ましい。この理由は、蒸気類の吹き込み時間が長くなる
と、成形体本体7の上下方向で含水率の分布に大きな差
が生じる場合があり、これを防止するためには、先ず蒸
気類を吹き込んでスラリー及び成形体本体に含有されて
いる水の温度を十分に上昇させた後に圧搾空気を吹き込
むことが効果的だからである。蒸気類及び圧搾空気をこ
の順で吹き込む場合、蒸気類の圧力は98kPa以上、
特に196kPa以上、とりわけ294kPa以上で、
吹き込み時間は2秒〜20秒、特に3秒〜15秒が好ま
しく、一方、圧搾空気の圧力は196kPa以上、特に
294kPa以上で、吹き込み時間は2〜25秒、特に
5〜20秒であることが好ましい。蒸気類と圧搾空気と
の吹き込みは連続していることが、脱水効率の点から好
ましい。
【0025】成形体本体7を所定の含水率まで脱水でき
たら、加圧流体の供給を停止し、図1(c)に示すよう
に、充填ノズル12を抄紙型1から取り出す。次いで抄
紙型1を開いて所定の含水率まで脱水された成形体本体
7を、所定のハンドリング手段を用いて取り出す。
【0026】取り出された成形体本体7は次に加熱乾燥
工程に付される。図2(a)〜図2(c)には、加熱乾
燥工程が順次示されており、図2(a)は中子の挿入工
程、図2(b)は加熱乾燥工程、図2(c)は加熱型を
開く工程である。また、図2(d)は乾燥後の成形体本
体の切断工程である。
【0027】加熱乾燥工程においては、内部に所定形状
のキャビティを有する加熱型と、抄紙型1で形成された
成形体本体7を加熱型に装填する手段と、成形体本体7
内に挿入される拡縮可能な中子と、該中子の挿入手段
と、該中子内に所定の流体を供給する手段と、成形体本
体7を加熱型から取り出す手段と、成形体本体7を、切
り離し部7bとパルプモールド成形体7aとの連接部に
おいて切断する手段とを備えた製造装置が用いられる。
【0028】先ず、一組の割型22,23を組み合わせ
ることにより成形すべき成形体本体の外形に対応した形
状のキャビティ24が形成される加熱型21を別途用意
し、該加熱型21を所定温度に加熱しておく。本実施形
態においては、加熱型21のキャビティ形状と抄紙型の
キャビティ形状とは同じになされている。従って、抄紙
型1と同様に、成形体本体7の切り離し部7bとパルプ
モールド成形体7aとの連接部に対応する、加熱型21
のキャビティ内面の部位には、リブ27が形成されてい
る。加熱された状態の加熱型のキャビティ内に、所定の
含水率まで脱水された含水状態の成形体本体を所定のハ
ンドリング手段を用いて装填する。キャビティ24の内
面にネットは配されていない。各割型22,23には、
その内部(即ちキャビティ24の内面)から外部へ連通
する複数の連通路25が形成されている。各連通路25
は、吸引ポンプ等の吸引手段(図示せず)に接続されて
いる。キャビティ24は、中子挿入路26を通じて加熱
型21の外部に連通している。
【0029】次に、図2(a)に示すように、連通路2
5を通じて加熱型21を内部から外部へ向けて吸引した
状態下に、中空の袋状をなす中子8を、中子挿入路26
を通じて成形体本体7内に挿入する。中子8は成形体本
体7の押圧乾燥に使用されるものである。
【0030】成形体本体7における切り離し部7bに
は、抄紙工程によって、側方に張り出したフランジ7c
が形成されている。従って、例えば中子8の挿入位置が
ずれて、中子8が成形体本体7の何れかの部位に接触し
た状態で成形体本体7内に挿入されたとしても、側方に
張り出したフランジ7cがパルプ繊維の係止作用を発揮
して、中子8に接触した部位のパルプ繊維が、中子8と
共に下方に押し下げられることが効果的に防止される。
その結果、パルプモールド成形体7aに変形や損傷を与
えることなく中子8を効率的に成形体本体7内に挿入で
きる。フランジ7cによる前記係止作用は、フランジ7
cの周縁に立ち上がり部7dが形成されていると一層効
果的になる。
【0031】切り離し部7bが形成されるように成形体
本体7を成形することで、多層抄紙を行う場合にも有利
となる。詳細には、多層抄紙によって成形体を製造する
場合、一本に成形体の端部付近においてはスラリーの混
合が起こり易く、該端部付近に明確な多層構造が形成さ
れない場合がある。本発明においては、目的物であるパ
ルプモールド成形体7aと共にこれに連接された切り離
し部7bを形成することで、該切り離し部7bがスラリ
ーの混合に対するバッファ領域となり、該切り離し部7
bに明確な多層構造が形成されなくても、パルプモール
ド成形体7aには安定した多層構造が形成される。その
結果、歩留まりが向上する。
【0032】更に、切り離し部7bが形成されるように
成形体本体7を成形することで、後工程において該切り
離し部7bを把持部として用いることが可能となり、ハ
ンドリング性が良くなるという利点もある。
【0033】中子8内には、中子8の支持部材10が挿
入されている。支持部材10は、円筒状のパイプから構
成されている。支持部材10の側面には多数の開孔10
aが形成されている。また支持部材10の下端10bは
開口しており、この下端10bに、中子8の下端部内面
に形成された所定形状の突起8bが嵌挿されることで、
中子8が支持部材10に固定されている。その結果、中
子8は、支持部材10に支持された状態で成形体本体7
内に挿入される。これによって、中子8を安定した状態
で成形体本体7内に挿入することができ、パルプモール
ド成形体7aに変形や損傷を一層与えずに、中子8を一
層効率的に成形体本体7内に挿入できる。また後述する
中子8の膨張を均一に行うことができ、成形体本体7を
均一に加圧乾燥できる。
【0034】中子8及び支持部材10は、図2(a)に
示すように、中子8の挿入手段としての固定部9に固定
された状態で成形体本体7内に挿入される。図3には、
固定部9の詳細な構造が示されている。
【0035】図3に示すように、固定部9は、打込板9
a、加圧ブッシュ9b及びホルダー9cから構成されて
いる。
【0036】打込板9aは平板状であり、その中央に貫
通孔が穿設されている。貫通孔の径は支持部材10の径
とほぼ同様となっている。そして、貫通孔内に支持部材
10が挿入・固定されている。貫通孔の側壁には環状溝
が凹設されており、この環状溝内にOリング9dが取り
付けられている。Oリング9dによって、貫通孔と支持
部材との間の気密性が保たれる。
【0037】加圧ブッシュ9bは円筒状であり、その上
部に側方に張り出したフランジ部9eが形成されてい
る。そして、フランジ部9eの上面と打込板9aの下面
とで、中空袋状の中子8の開口した上部が挟持・固定さ
れている。
【0038】ホルダー9cは、固定ネジ9fによって打
込板9aに固定されることで、加圧ブッシュ9bのフラ
ンジ部9eを保持している。
【0039】中子8は、拡縮自在な材料から構成されて
いる。本発明において拡縮とは、中子8が伸縮してその
体積が変化する場合と、中子8自体は伸縮しないが、そ
の内部へ流体を供給又はその内部から流体を除去するこ
とにより、その体積が変化する場合の双方を包含する。
前者の例としては天然ゴム、ウレタン、フッ素系ゴム、
シリコーン系ゴム又はエラストマー等の弾性材から構成
された中子が挙げられ、後者の例としてはポリエチレン
やポリプロピレン等のプラスチック材料、これらのプラ
スチック材料のフィルムにアルミニウムやシリカが蒸着
されたフィルム、これらのプラスチック材料のフィルム
にアルミニウム箔がラミネートされたフィルム、紙類、
布類等の可撓性材料から構成された中子が挙げられる。
本実施形態では、中子8として伸縮可能な弾性材から構
成された細長い袋状(風船状)のものを用いている。
【0040】図2(b)に示すように、中子8の挿入の
完了状態においては、中子8の下端は成形体本体7の底
部付近に位置する。この状態下、同図に示すように、加
圧流体の供給手段である供給源(図示せず)から所定の
加圧流体を支持部材10内に供給する。供給された加圧
流体は、支持部材10の側面に形成された開孔10aを
経由して中子8の内部に供給される。また加圧流体の供
給と共に割型22,23を外部から吸引する。これによ
り中子8を膨張させる。
【0041】膨張した中子8によって成形体本体7は、
キャビティ24の内面に向けて押圧される。これによ
り、成形体本体7の乾燥が進行すると共に成形体本体7
にキャビティ24の内面形状が転写される。また、成形
体本体7が、その内部からキャビティ24の内面に向け
て押し付けられるので、キャビティ24の形状が複雑で
あっても、精度良くキャビティ24の内面の形状が成形
体本体7に転写されることになる。更に、胴部側壁がほ
ぼ垂直に立ち上がった深底の成形体も容易に製造でき
る。中子8を膨張させるために用いられる流体として
は、例えば空気(加圧空気)、熱風(加熱された加圧空
気)、過熱蒸気、油(加熱油)、その他各種の液が使用
される。特に、空気、熱風、過熱蒸気を用いることが、
操作性等の点から好ましい。流体を供給する圧力は、
0.01〜5MPa、特に0.1〜3MPaであること
が好ましい。
【0042】成形体本体が十分に乾燥したら、中子8内
の流体を抜き、図2(c)に示すように、中子8を元の
大きさに縮小させる。次いで、縮小した中子8を支持部
材10と共に成形体本体7内より取り出し、更に加熱型
21を開いて、所定のハンドリング手段によって成形体
本体を取り出す。
【0043】次に、図2(d)に示すように、加熱型か
ら取り出された成形体本体7は、該成形体本体7におけ
る切り離し部7bとパルプモールド成形体7aとの連接
部において、所定の切断手段によって切断され、切り離
し部7bとパルプモールド成形体7aとが切り離され
る。その結果、目的物であるパルプモールド成形体7a
が得られる。切断手段としては例えば回転刃が用いられ
る。前述した通り、前記連接部には、抄紙型1のリブ1
1に対応する形状の環状の凹部13が形成されているの
で、切断の際に回転刃の位置決めがし易く、切断ミスに
よる不良品の発生を抑えることができる。切り離された
切り離し部7bは、成形体の原料として再利用される。
【0044】次に第2発明を、その好ましい実施形態に
基づき図4(a)〜図4(d)を参照しながら説明す
る。第2発明については、第1発明と異なる点について
のみ説明し、特に説明しない点については、第1発明に
関して詳述した説明が適宜適用される。また、図4
(a)〜図4(d)において、図1〜図3と同じ部材に
同じ符号を付してある。本実施形態は、第1発明と同様
に、開口した口頸部を有し、胴部の径が口頸部の径より
も大きいボトル状の成形体を製造する例である。図4
(a)〜図4(d)には、本発明のパルプモールド成形
体の製造方法の抄紙・脱水工程が順次示されており、図
4(a)はパルプスラリー注入及び吸引脱水工程、図4
(b)は中子の挿入工程、図4(c)は加圧脱水工程、
図4(d)は抄紙型を開く工程である。
【0045】本実施形態の製造方法に用いられる製造装
置は、内部に所定形状のキャビティを有する抄紙型と、
該キャビティ内にパルプスラリーを供給する手段と、該
キャビティ内に成形された成形体本体内に挿入される拡
縮可能な中子と、該中子の挿入手段と、該中子内に所定
の流体を供給する手段と、成形体本体を抄紙型から取り
出す手段とを備えている。
【0046】先ず、図4(a)に示すように、パルプス
ラリーの供給手段(図示せず)によって、スラリー注入
路6を通じて所定量のパルプスラリーを抄紙型1のキャ
ビティ4内に注入する。これと共に連通路5を通じてキ
ャビティ4内を抄紙型1の外側に向けて減圧吸引して、
パルプスラリー中の水分を吸引すると共に抄紙面、即ち
キャビティ4の内面を被覆する抄紙ネット上にパルプ繊
維を堆積させる。その結果、抄紙ネット上には、開口部
を有するパルプモールド成形体7aと、該開口部の端面
に連接された切り離し部7bとから構成される、含水状
態の成形体本体7が形成される。この場合、第1発明と
同様に、成形体本体7の形成初期又は及び/又は終期
に、キャビティ4内に所定量の希釈水を加圧注入してキ
ャビティ4内のパルプスラリーの濃度を希釈してもよ
い。
【0047】形成された成形体本体7は、加圧脱水工程
に付される。先ず、図4(b)に示すように、連通路5
を通じて抄紙型1を内部から外部へ向けて吸引した状態
下に、中子8を成形体本体7内に挿入する。中子8は、
第1発明において用いたものと同様のものである。但
し、材質及び形状等が全く同一であることは要さない。
また、第1発明では脱水後の成形体本体の押圧乾燥に中
子8を用いたが、ここでは中子8は、成形体本体7の加
圧脱水に使用される。
【0048】中子8の挿入に先立ち、スラリーがキャビ
ティ4内に残留している時点、又は成形体本体7の形成
終期にキャビティ4内に供給された前述の希釈水がキャ
ビティ4内に残留している時点で、キャビティ4に圧搾
空気等の加圧流体を吹き込み、キャビティ4内の水分を
型外へ強制排出させてもよい。圧搾空気を吹き込む場
合、その圧力及び時間は、第1発明における脱水工程で
用いられる圧搾空気の圧力及び時間と同様とすることが
できる。
【0049】第2発明においては、第1発明と同様に、
成形体本体7における切り離し部7bに、側方に張り出
したフランジ7cが形成されている。従って、例えば中
子8の挿入に際して、中子8が成形体本体7の何れかの
部位に接触した状態で成形体本体7内に挿入されたとし
ても、パルプモールド成形体7aに変形や損傷を与える
ことなく中子8を効率的に成形体本体7内に挿入でき
る。特に、抄紙後の成形体本体7は、脱水後の成形体本
体7に比べて含水率が高いことから強度が低く、中子8
との僅かな接触でも変形や損傷を受け易いが、フランジ
7cが形成されていることで、変形や損傷を効果的に防
止できる。
【0050】中子8内には、中子8の支持部材10が挿
入されている。中子8及び支持部材10は、図4(b)
に示すように中子の挿入手段としての固定部9に固定さ
れた状態で成形体本体7内に挿入される。支持部材10
及び固定部9の詳細は、第1発明の場合と同様である。
【0051】図4(c)に示すように、中子8の挿入の
完了状態においては、中子8の下端は成形体本体7の底
部付近に位置する。この状態下、同図に示すように、加
圧流体の供給手段としての供給源(図示せず)から所定
の加圧流体を支持部材10内に供給する。また加圧流体
の供給と共に割型2,3を外部から吸引する。これによ
り中子8を膨張させる。
【0052】膨張した中子8によって含水状態の成形体
本体7は、抄紙面、即ちキャビティ4の内面に向けて押
圧される。これにより、成形体本体7の加圧脱水が進行
すると共に成形体本体7にキャビティ4の内面形状が転
写される。中子8を膨張させるために用いられる流体及
びその供給圧力は、第1発明の場合と同様とすることが
できる。
【0053】成形体本体7を所定の含水率まで脱水でき
且つ成形体本体7にキャビティ4の内面の形状が十分に
転写されたら、中子8内の流体を抜き、図4(d)に示
すように、中子8を元の大きさに縮小させる。次いで、
縮小した中子8を支持部材10と共に成形体本体7内よ
り取り出し、更に抄紙型1を開いて所定の含水率まで脱
水された成形体本体7を所定のハンドリング手段によっ
て取り出す。
【0054】取り出された成形体は次に加熱乾燥工程に
付される。加熱乾燥工程は、第1発明の場合と同様であ
る。乾燥された成形体本体は、加熱型から取り出され
て、第1発明の場合と同様に、該成形体本体における切
り離し部とパルプモールド成形体との連接部である凹部
において切断される。
【0055】次に、第3発明について説明する。尚、第
3発明については、第1発明及び第2発明と異なる点に
ついてのみ説明し、同じ点については特に説明しない
が、第1発明に関して詳述した説明が適宜適用される。
【0056】第3発明においては、先ず、所定の湿式抄
造法によって所定形状の成形体本体を成形する。湿式抄
造法としては、第1発明及び第2発明に用いられる抄造
方法の他、従来公知の抄造方法を適宜用いることができ
る。成形体本体の形状に特に制限は無いが、後述する加
熱乾燥工程で成形される、パルプモールド成形体と切り
離し部とから構成される成形体本体の形状に近い形状で
あることが好ましい。
【0057】湿式抄造法によって成形された成形体本体
は、次いで所定の脱水工程に付される。脱水方法として
は、第1発明に用いられる加圧流体を用いた脱水方法、
第2発明に用いられる中子を用いた加圧脱水方法の他、
従来公知の加圧脱水方法を適宜用いることができる。脱
水によって、成形体本体は、取り扱い性が容易となる程
度の含水率まで脱水される。
【0058】所定の含水率まで脱水された成形体本体
は、次いで加熱乾燥工程に付される。加熱乾燥工程にお
いては、目的とする形状の、パルプモールド成形体及び
切り離し部から構成される成形体本体に対応する形状の
キャビティを有する加熱型が用いられる。この加熱型と
しては、例えば第1発明及び第2発明に用いられる加熱
型同様のものを用いることができる。
【0059】前記キャビティ内に、所定の含水率まで脱
水された成形体本体を装填した後、拡縮可能な中子を該
成形体本体内に挿入し、次いで該中子内に所定の流体を
供給して該中子を拡張させ、拡張した該中子により該成
形体本体を該キャビティ面へ向けて押圧する。このとき
用いられる中子及び流体としては、第1発明及び第2発
明に用いられるものと同様のものを用いることができ
る。
【0060】前記中子による押圧によって、成形体本体
がキャビティ面へ押し付けられる。その結果、押しつけ
られた成形体本体から、開口部を有するパルプモールド
成形体と、該開口部の端面に連接された、フランジを有
する切り離し部とが成形されると共に加熱乾燥が進行す
る。フランジの形状等は第1発明及び第2発明と同様と
することができる。その後は第1発明及び第2発明と同
様にして、切り離し部とパルプモールド成形体とが切り
離され、目的物であるパルプモールド成形体が得られ
る。
【0061】本発明は前記実施形態に制限されない。例
えば、前記実施形態においては、切り離し部7bのフラ
ンジ7cには、その周縁に立ち上がり部7dが形成され
ていたが、フランジ7cによるパルプ繊維の係止作用が
十分であれば、立ち上がり部7dは形成しなくてもよ
い。また、フランジ7cは、水平方向に形成されていた
が、テーパーがつくように(傾め上方に向かうように)
形成されてもよい。
【0062】また、フランジ7cは、そのパルプ繊維の
係止作用が十分に発現すれば、不連続に形成されていて
もよい。
【0063】また、乾燥工程において、中子の繰り返し
の使用耐久性を向上させる為に、成形体の開口部よりも
大きな中子を用いてもよい。この場合にも、所定の含水
率まで脱水された成形体本体は高い強度を有しているの
で、中子がフランジに触れてもパルプモールド成形体の
変形又は損傷を抑えることができる。その結果、中子を
成形体本体に挿入する前に縮める工程を省くことが可能
となり、機械時間の短縮化が図れる。
【0064】また、前記実施形態においては、2個の割
型2,3で一組の抄紙型1が構成されていたが、成形体
の形状に応じて3個又はそれ以上の割型から抄紙型を構
成してもよい。加熱型に関しても同様である。
【0065】また、前記実施形態においては、抄紙型及
び乾燥型に、連続した環状のリブ11が形成されていた
が、リブ11は不連続に形成されていてもよい。その場
合には、リブ11に対応して成形体本体に形成される凹
部13も不連続なものとなる。
【0066】また、前記各実施形態の内容は、適宜相互
に置換可能である。
【0067】本発明の製造方法は、ボトル状の成形体の
製造に特に有効であるが、箱形のカートン状の成形体及
び緩衝材並びにその他の形状の成形体の製造にも同様に
適用することができる。更に、内容物の収容に用いられ
る容器の形状のほか、置物等のオブジェなどデザイン上
自由な種々の形状の成形体の製造にも適用できる。
【0068】
【発明の効果】本発明のパルプモールド成形体の製造方
法によれば、含水状態の成形体を加圧脱水する際又は加
圧乾燥するに、成形体の変形や損傷が防止され、安定成
形が可能となる。また、多層抄紙を行う場合に、パルプ
モールド成形体に安定した多層構造を形成でき、歩留ま
りを向上させることができる。更に、製造工程における
パルプモールド成形体のハンドリング性を高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はパルプスラリー注入及び吸引脱水
工程、図1(b)は加圧流体の供給による脱水工程、図
1(c)は抄紙型を開く工程である。
【図2】図2(a)は中子の挿入工程、図2(b)は加
熱乾燥工程、図2(c)は加熱型を開く工程である。図
2(d)は乾燥後の成形体本体の切断工程である。
【図3】固定部の詳細を表す図である。
【図4】図4(a)はパルプスラリー注入及び吸引脱水
工程、図4(b)は中子の挿入工程、図4(c)は加圧
脱水工程、図4(d)は抄紙型を開く工程である。
【符号の説明】
1 抄紙型 2,3 割型 4 キャビティ 4a 成形体対応キャビティ部 4b 切り離し部対応キャビティ部 5 連通路 6 スラリー流入路 7 成形体本体 7a パルプモールド成形体 7b 切り離し部 7c フランジ 7d 立ち上がり部 8 中子 9 固定部 10 支持部材 11 リブ 12 充填ノズル 21 加熱型 22,23 割型 24 キャビティ 25 連通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津浦 徳雄 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 小林 洋昭 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 (72)発明者 大谷 憲一 栃木県芳賀郡市貝町赤羽2606 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 4L055 BF08 CJ06 FA23 GA50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に所定形状のキャビティを有する抄
    紙型の該キャビティ内にパルプスラリーを供給して、該
    キャビティの抄紙面に、開口部を有するパルプモールド
    成形体と、該開口部の端面に連接された、フランジを有
    する切り離し部とから構成される成形体本体を成形した
    後、拡縮可能な中子を該成形体本体内に挿入し、次いで
    該中子内に所定の流体を供給して該中子を拡張させ、拡
    張した該中子により該成形体本体を該抄紙面へ向けて押
    圧し、然る後、前記成形体本体を該抄紙型から取り出
    し、前記成形体本体における前記切り離し部と前記パル
    プモールド成形体との連接部において、前記成形体本体
    を切断するパルプモールド成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記中子内に支持部材が挿入されてお
    り、該中子の所定箇所が該支持部材の所定箇所に固定さ
    れて、該中子が、該支持部材に支持された状態下に前記
    成形体本体内に挿入される請求項1記載のパルプモール
    ド成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 内部に所定形状のキャビティを有する抄
    紙型の該キャビティ内にパルプスラリーを供給して、該
    キャビティの抄紙面に、開口部を有するパルプモールド
    成形体と、該開口部の端面に連接された、フランジを有
    する切り離し部とから構成される成形体本体を成形した
    後、該成形体本体内に加圧流体を供給して該成形体本体
    を脱水し、該成形体本体を、該抄紙型から取り出して、
    内部に所定形状のキャビティを有する加熱型における該
    キャビティ内に装填し、続いて拡縮可能な中子を該成形
    体本体内に挿入し、次いで該中子内に所定の流体を供給
    して該中子を拡張させ、拡張した該中子により該成形体
    本体を該キャビティ面へ向けて押圧した状態下に該成形
    体本体を乾燥させ、然る後、乾燥された該成形体本体を
    前記加熱型から取り出し、該成形体本体における前記切
    り離し部と前記パルプモールド成形体との連接部におい
    て、前記成形体本体を切断するパルプモールド成形体の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記パルプモールド成形体が、開口した
    口頸部、胴部及び底部を有するボトル状の形状となるよ
    うに前記成形体本体を成形する請求項1〜3の何れかに
    記載のパルプモールド成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フランジに、その周縁から立ち上が
    った立ち上がり部が形成されるように前記成形体本体を
    成形する請求項1〜4の何れかに記載のパルプモールド
    成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】 湿式抄造法によって所定形状の成形体本
    体を成形した後、該成形体本体を、内部に所定形状のキ
    ャビティを有する加熱型における該キャビティ内に装填
    し、続いて拡縮可能な中子を該成形体本体内に挿入し、
    次いで該中子内に所定の流体を供給して該中子を拡張さ
    せ、拡張した該中子により該成形体本体を該キャビティ
    面へ向けて押圧して、前記成形体本体から、開口部を有
    するパルプモールド成形体と、該開口部の端面に連接さ
    れた、フランジを有する切り離し部とを成形し、然る
    後、前記パルプモールド成形体と前記切り離し部とから
    構成される前記成形体本体を前記加熱型から取り出し、
    前記成形体本体における前記切り離し部と前記パルプモ
    ールド成形体との連接部において、前記成形体本体を切
    断するパルプモールド成形体の製造方法。
  7. 【請求項7】 内部に所定形状のキャビティを有する抄
    紙型と、 該キャビティ内にパルプスラリーを供給する手段と、 該キャビティ内に成形された、開口部を有するパルプモ
    ールド成形体と、該開口部の端面に連接された、フラン
    ジを有する切り離し部とから構成される成形体本体内に
    挿入される拡縮可能な中子と、 該中子の挿入手段と、 該中子内に所定の流体を供給する手段と、 前記成形体本体を前記抄紙型から取り出す手段と、 前記成形体本体を、前記切り離し部と前記パルプモール
    ド成形体との連接部において切断する手段とを備えたパ
    ルプモールド成形体の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記抄紙型が、切り離し部におけるフラ
    ンジの周縁から立ち上がった立ち上がり部が形成される
    形状となっている請求項7記載のパルプモールド成形体
    の製造装置。
  9. 【請求項9】 内部に所定形状のキャビティを有する加
    熱型と、 湿式抄造法によって形成された、開口部を有するパルプ
    モールド成形体と、該開口部の端面に連接された、フラ
    ンジを有する切り離し部とから構成される成形体本体を
    前記加熱型に装填する手段と、 該成形体本体内に挿入される拡縮可能な中子と、 該中子の挿入手段と、 該中子内に所定の流体を供給する手段と、 該成形体本体を前記加熱型から取り出す手段と、 前記成形体本体を、前記切り離し部と前記パルプモール
    ド成形体との連接部において切断する手段とを備えたパ
    ルプモールド成形体の製造装置。
  10. 【請求項10】 内部に所定形状のキャビティを有する
    抄紙型と、 該キャビティ内にパルプスラリーを供給する手段と、 該キャビティ内に成形された前記成形体本体内に供給さ
    れる加圧流体の供給手段とを更に備えた請求項9記載の
    パルプモールド成形体の製造装置。
  11. 【請求項11】 前記抄紙型が、切り離し部におけるフ
    ランジの周縁から立ち上がった立ち上がり部が形成され
    る形状となっている請求項10記載のパルプモールド成
    形体の製造装置。
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