JP2001303356A - 溶融樹脂紡糸用口金 - Google Patents

溶融樹脂紡糸用口金

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JP2001303356A
JP2001303356A JP2000152165A JP2000152165A JP2001303356A JP 2001303356 A JP2001303356 A JP 2001303356A JP 2000152165 A JP2000152165 A JP 2000152165A JP 2000152165 A JP2000152165 A JP 2000152165A JP 2001303356 A JP2001303356 A JP 2001303356A
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molten resin
discharge
diameter
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Masahiro Okesaku
正広 桶作
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Hokuriku Seikei Industrial Co Ltd
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Hokuriku Seikei Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル孔の耐摩耗性が良くて長期間使用
でき、溶融樹脂との摩擦抵抗が少なくて梳き取り性や離
型性が良く、しかも溶着樹脂の離型性や洗滌性が良い口
金を提供するとともに、口金の製造に際して、精密加工
を容易にし、低コスト化を達成すること。 【解決手段】 ノズル孔の少なくとも吐出孔部を、入口
から出口に向けて漸次縮径した形状、または、複雑形状
からなる吐出孔の溝幅寸法を、入口から出口に向けて漸
次縮小した形状とし、しかも、口金材料を曲げ強さが6
00MPa以上で熱膨張係数が10×10−6/k以下
のアルミナセラミックス、導電性のセラミックス及びW
C基硬質材料で形成した紡糸用口金である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステルやナ
イロン等の樹脂を溶融紡糸するための紡糸口金に関す
る。
【0002】
【従来の技術】係る紡糸口金として、特開昭58−76
512号公報には、原液導入孔及びこれに連なる原液吐
出孔を硬質ガラス、セラミック、超硬合金のいずれかよ
り成るチップを紡糸口金板に押し込んだ紡糸口金が開示
されている。
【0003】また、特開平9−300428号公報に
は、紡糸孔と吐出孔とを、超硬材やSKD、SKH、S
K材、ステンレス鋼等の母材によって形成し、更に、そ
の表面にダイヤモンドライクカーボンのコーティング膜
を形成することにより、離型性や耐食、耐摩耗性を向上
させたものが開示されている。
【0004】さらに、特開平9−176911号公報に
は、少なくとも紡糸孔とその周辺部をセラミックスで形
成し、紡糸孔の内壁面の粗度を0.1S以下とした紡糸
口金及びポリマー導入部から吐出孔部に至るまでの間が
滑らかな曲面で連結された紡糸口金が開示されている。
【0005】このような従来の紡糸口金において、少な
くとも紡糸孔とその周辺部を、高硬度で絶縁性のセラミ
ックス材料で形成した場合には、紡糸孔(導入孔)と吐
出孔の加工に多大な工数を要する。また導入孔と吐出孔
とをセラミックや超硬合金から成るチップを別途作成し
ておき、このチップを紡糸口金板に押込んだり、接合、
焼嵌めやロウ付け等で嵌合した口金が数多く開示されて
いるが、これらの口金も製造に際しては多大な工数を要
する。すなわち、多数個のチップの外形を同一寸法で高
精度に製作し、しかも、口金板もチップの嵌合穴を高精
度で加工し、次いで嵌合する工程が必要となる。
【0006】更に、導入孔と吐出孔との周辺部から成る
チップの外形寸法は、直径が数mm程度で非常に小さい
ために、チップの各部寸法を加工する時点で破損する頻
度が高く、また嵌合による歪みや、口金板との熱膨張係
数の差による歪み等により、約573Kの紡糸温度で加
熱冷却が繰り返し作用するために熱歪み割れを発生する
頻度が非常に高い。
【0007】また更に、口金板に嵌合したチップは、加
熱冷却の繰り返しや、溶融樹脂の100〜300kg/
cmの加圧力によって、嵌合部に溶融樹脂が浸入して
チップが口金板から浮き上がる等の問題が発生して口金
の寿命が短くなる。
【0008】溶融樹脂紡糸用口金に関する要求特性は、
導入孔の拡開部と導入孔と導入孔から吐出孔への縮径部
と吐出孔とからなるノズル孔の耐摩耗性が良くて長期間
使用できること、溶融樹脂との摩擦抵抗が少ないこと、
溶融樹脂の加圧力を低くしても正常な吐出ができるこ
と、溶融樹脂の梳き取り性や離型性が良いこと、口金メ
ンテナンス時における溶着樹脂の離型性が良いこと、及
び口金製造時の加工工数が少ないこと等々である。
【0009】ところで、繊維業界で従来から採用されて
いる口金材料は、その大部分がステンレス鋼その他の金
属系材料で形成されているため、ノズル孔の耐摩耗性が
充分とはいえず短期間で寿命となる欠点があった。特に
最近では遠赤外線を放射する繊維や抗菌繊維やUVカッ
ト繊維等が増産される傾向にあるが、これらの特殊繊維
は無機質の酸化物や可溶性塩を含有しているため、金属
製口金のノズル孔は更に摩耗が加速する結果一回の使用
で寿命になる場合がある。
【0010】従がって、これらの金属系材料で形成した
口金の寿命を延長するために、ノズル孔の内面にダイヤ
モンドライクカーボンやその他の硬質膜を形成し、しか
も離型性や耐食性も発揮させようとする口金が開示され
ている。
【0011】しかしながら、これらの硬質膜を形成した
口金は、まず第一に、内径が約0.2mm程度の微細な
吐出孔内面に硬質膜が均一に被覆されないという欠点が
ある。また第二に、被覆された硬質膜が使用中に剥離し
たり、硬質膜が摩耗により無くなった場合は、ノズル孔
の摩耗が急速に進行する欠点がある。また第三に、硬質
膜を形成した口金は、口金母材が金属系材料の熱膨張係
数10×10−6/kを超える値を有しており、樹脂の
熱膨張係数約20×10−6/kに近いために、紡糸終
了後の樹脂の離型性が劣る問題があった。
【0012】一方、少なくとも紡糸孔と吐出孔との周辺
部をセラミックスで形成した口金を用いてポリエステル
系の繊維を製造する方法において、セラミックスがアル
ミナ、ジルコニアを含むセラミックスが好適で、中でも
特にジルコニア系セラミックスが好適であると開示され
たものがある。
【0013】ところが、口金をアルミナ系のセラミック
ス材料で形成した場合は、材料が絶縁性で高硬度である
ために、ノズル孔の形成加工に多大な工数を要し、製造
コストが高価なものとなる。またジルコニア系セラミッ
クスで形成した口金は、約570Kの紡糸温度によって
加熱されるため、ジルコニア結晶相の正方晶形が単斜晶
形に変態して強度が劣化して破損に至る現象、いわゆる
熱変態劣化の問題があり長寿命の口金を得ることができ
ない。更には、ジルコニア系セラミックスは、一般的に
絶縁材料であるので、溶融樹脂との摩擦により静電気が
発生して樹脂が溶着しやすくなる他、製造に際しては放
電加工やワイヤーカット法が採用できないので、ノズル
孔の形成加工に多大な工数を要し製造コストが高価なも
のとなる。
【0014】また特許公報等で少なくともノズル孔の周
辺部を超硬合金で形成した口金が開示されているが、硬
質粒子(WC)の結晶粒子径が大きく、また硬質粒子の
粒界に存在する結合金属相の厚みが大きいために、口金
の要求特性を満足するものは得られていない。
【0015】更に、吐出孔の寸法形状は、単純な丸孔の
場合で孔径が小さなものは約0.1〜0.3mmであ
り、また複雑形状の直線状の溝孔(スリット)が放射状
に3本以上穿設された吐出孔や円弧状スリットからなる
吐出孔において、スリットの幅寸法が0.1mm程度と
非常に小さいために、公知の各種加工方法を採用しても
吐出孔形成に多大な工数を要するとともに、寸法精度の
良い吐出孔を形成することが困難であった。
【0016】また更に、中空糸またはパイプ状樹脂の製
造用口金は、円筒状スリットを三分割した吐出孔が採用
されているため溶融樹脂の吐出抵抗が大きく、且つ円周
方向の肉厚が均一でない中空糸になる等の問題があっ
た。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ノズ
ル孔の耐摩耗性が良くて長期間使用でき、溶融樹脂との
摩擦抵抗が少なく、また溶融樹脂の押出し抵抗を少なく
し、更には溶融樹脂の梳き取り性や離型性が良く、しか
も溶着樹脂の離型性や洗滌性が良い口金を提供するとと
もに、口金の製造に際して、精密加工を容易にし低コス
ト化を達成することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノズル孔の少
なくとも吐出孔部を吐出孔の入口から出口に向けて漸次
縮径した形状、または、複雑形状からなる吐出孔のスリ
ットの幅寸法を入口から出口に向けて漸次縮小すること
により、溶融樹脂の吐出抵抗を低減して糸切れトラブル
を無くし、しかも溶融樹脂の温度を低くすることを可能
にし、更には溶融樹脂の加圧力を低くすることを可能に
する等によって省エネルギーを達成することができる。
【0019】更に、本発明は、ノズル孔の少なくとも吐
出孔部を吐出孔の入口から出口に向けて漸次縮径した形
状、または、複雑形状からなる吐出孔のスリットの幅寸
法を入口から出口に向けて漸次縮小することにより、ノ
ズル孔内に固着した樹脂の除去を容易にして、口金のメ
ンテナンスに要する費用を削減することができる。
【0020】また更に、本発明は、導電性のセラミック
ス材料またはWC基硬質材料の成分からなる粉末を成型
して成型体とし、次いで成型体の段階でノズル孔を形成
する際に、特に微小な孔径または微細なスリットの幅か
らなる吐出孔の成形加工を高精度でしかも能率良く行な
うことにより、低コスト化を達成することができる。
【0021】具体的には、従来の口金は、吐出孔の孔径
またはスリット幅が0.1〜0.3mmの範囲で入口か
ら出口まで同一寸法で形成されているために、微少径の
ドリルやエンドミルの剛性不足により工具が折れたり曲
がったりする頻度が非常に多く、精度の良い吐出孔を形
成することが困難であった。しかしながら、本発明にお
いては、吐出孔を2°乃至30°のテーパー状に形成し
ているので、テーパーエンドミルを採用することができ
る結果、工具の基端寸法が大きくて剛性が大で、加工時
の応力集中による折損や曲がりを発生させず高精度の吐
出孔を能率よく形成することを可能にするものである。
従来のストレートタイプの吐出孔を形成する工具は、工
具の先端のみが切刃となっており、切粉が工具の側面と
吐出孔との間に介在することになるため、吐出孔の寸法
が工具の寸法よりもかなり大きくなり、且つ、吐出孔の
寸法バラツキも大きなものとなる。
【0022】本発明の吐出孔は、テーパー状の工具を使
用するために工具の先端のみならず工具の側面も切刃と
なることから、工具の側面と吐出孔との間に介在する切
粉はほとんど無くて、吐出孔内面の面粗度が非常に良
く、且つ吐出孔の寸法バラツキも非常に小さなものとな
る。ここで、本発明の吐出孔を2°乃至30°のテーパ
ー状に限定する理由は、吐出孔のテーパーが2°未満の
場合は精度の良い吐出孔を形成することはできるが、工
具の剛性が不足することになる。また、吐出孔のテーパ
ーが30°を超えると、吐出孔の出口がわずかに摩耗し
た場合に紡糸された糸の寸法が比較的に大きなものとな
る。
【0023】更に、本発明は、紡糸用口金の耐摩耗性を
向上させるためにセラミックス材料及びWC基硬質材料
を用い、しかも溶融樹脂との摩擦抵抗を低減する目的や
溶融樹脂の離型性や耐溶着性を良くするためには、セラ
ミックス材料が少なくとも静電気を帯びない導電性の材
料とするべきであること、さらには、口金材料の熱膨張
係数が重要な要因であるとの認識の下に完成したもので
ある。
【0024】すなわち、口金をセラミックス材料および
WC基硬質材料で形成する場合は、ビッカース硬度が1
200以上で、比抵抗値が0.1Ω・cm以下で、熱膨
張係数が10.0×10−6/k以下で、曲げ強さが6
00MPa以上でより好ましくは700MPa以上で、
且つ平均結晶粒子径が2μm以下であり、密度が理論密
度の99%以上であり、1μm以上より好ましくは0.
5μm以上の空孔が存在しない緻密焼結体であることが
必要であり、このように緻密焼結体にすることにより空
孔への溶融樹脂の浸入現象が無くなる結果、溶融樹脂の
溶着現象が少なくまた離型性を高めることができる。
【0025】また、口金をWC基硬質材料で形成する場
合は、Fe、Co、NiおよびCrのうち少なくとも一
種から成る結合金属の含有量が10重量%以下でより好
ましくは5重量%以下とすることにより、WCの粒界に
存在する結合金属相の厚みを小さくすることができる結
果、粒界の摩耗現象を低減して溶融樹脂との摩擦抵抗を
少なくすることができる。
【0026】またさらに、口金全体またはチップ(ノズ
ルピース)部分が従来のアルミナ系やジルコニア系のよ
うに絶縁性のセラミックス材料で形成されている場合
は、溶融樹脂が高速でノズル孔内を通過する際に、静電
気が生じて樹脂の溶着力が強くなるために樹脂の離型性
が悪くなる。
【0027】しかしながら、本発明は、アルミナ系やジ
ルコニア系のマトリックスに炭化物や非酸化物系の導電
性粒子を15〜49容量%の範囲で均一に分散させてい
るので、比抵抗値が0.1Ωm以下となり静電気を発生
することが無くて樹脂の離型性を格別に高めることがで
きる。
【0028】次に、本発明の口金材料として、アルミナ
系の導電性セラミックス材料を用いた場合、マトリック
スを形成するアルミナの平均結晶粒子径が3.5μm以
下、より好ましくは2μm以下で、しかも、最大粒子径
は7μm以下とすべきである。アルミナの最大結晶粒子
径が7μmを超えると、ワイヤー放電加工を行なう必要
がある場合に粗大粒子が電極であるワイヤーの進行を阻
害することになる。次に、アルミナの平均結晶粒子径が
3.5μmを超えると、ノズル孔の成形加工や放電加工
工程においてアルミナの結晶粒子が脱落した部分がボイ
ドとなり、ノズル孔の最終仕上げを行なう研磨(ラッピ
ング)工程でボイドが無くなるまで研磨を行なう必要が
あり、また大きなボイドは研磨後に残存する恐れがあ
る。この残存したボイドあるいはセラミック材料に内在
していた空孔がノズル孔内面に存在すると、溶融した樹
脂がボイドや空孔に浸入して離型性を阻害することにな
る。
【0029】また、マトリックスに分散させる導電性付
与成分としては、微粉末の炭化物や窒化物や硼化物、あ
るいはこれらの混合物や複合物を用いる。アルミナ系導
電性セラミックスで口金を形成する場合は、平均粒子径
が2μm以下の導電性付与成分の粉末と平均粒子径が1
μm以下のアルミナ粉末とを均一に粉砕混合して焼結用
原料粉末とし、次いで円板状に成型して成型体を作成す
る。更に、成型体を非酸化性雰囲気で対理論密度が95
〜98%の範囲になるように予備焼結を行なった後、H
IP処理により対理論密度が99%以上、より好ましく
は99.5%以上の緻密焼結体とする。なお、成型体が
ワックス等の成型助剤を含む場合は、予備焼結の前に脱
脂を行ない、また、必要に応じて仮焼結工程を介在させ
る。材料中に分散している導電性付与成分の平均結晶粒
子径は、3μm以下でより好ましくは2μm以下で、し
かも最大粒子径が5μm以下となるように焼結用原料粉
末を調整し、且つ予備焼結とHIP処理条件をコントロ
ールすることにより、比抵抗値のバラツキのない口金材
料が得られる。ところで、ノズル孔は、成型体の段階も
しくは仮焼結体の段階で、形成加工しておくのが最も能
率的に優れているが、この段階でのノズル孔の加工寸法
は焼結収縮率と研磨代を加味した寸法としておくことに
より、口金製品寸法とほとんど同一のノズル孔寸法を得
ることができる。
【0030】更に、本発明において、セラミックスとし
て、ジルコニア系の導電性セラミックス材料を用いる場
合は、YやCeO及びMgOの少なくとも一種
によって部分安定化した平均粒子径が1μm以下のジル
コニア粉末と、アルミナ系導電性セラミックス材料に用
いたのと同じ導電性付与成分の原料粉末とを均一に粉砕
混合した焼結用原料粉末を成型後焼結することによって
得られる。なお、ジルコニアを部分安定化するための安
定化剤の配合量は、Yの場合で1.5〜5mol
%、CeOの場合で2.5〜7mol%、またMgO
の場合で3〜8mol%の範囲とするのが好ましい。あ
るいはまた、これらの部分安定化剤を適宜組み合わせて
ジルコニアを部分安定化した部分安定化ジルコニア粉末
を用いても良い。
【0031】これらの部分安定化ジルコニアのうち、
1.5〜5mol%のYで部分安定化したジルコ
ニア粉末を用いることにより、特に優れた口金材料を得
ることができる。ここで、ジルコニアマトリックスの平
均結晶粒子径は、1μm以下でより好ましくは、0.5
μm以下で、しかも導電性付与成分の平均結晶粒子径は
3μm以下、より好ましくは、2μm以下になるように
焼結用原料粉末と焼結条件をコントロールする。このジ
ルコニア系の導電性口金材料は、ジルコニアマトリック
スの結晶相が実質的に正方晶形からなるもの、または、
大部分が正方晶形で微量の単斜晶形を含む材料からなっ
ており、しかも、導電性付与成分によって分散強化され
ているので、570K前後の紡糸温度において従来のジ
ルコニア系材料からなる口金材料が短期間で正方晶形か
ら単斜晶形へ結晶相が変態して強度が劣化するのに対
し、本発明の導電性口金材料は図6に示すように単斜晶
形への変態が非常に遅いので長期間強度低下を生じるこ
とがない。なお、ジルコニア系の導電性セラミックス材
料の硬さと材料強度は、ビッカース硬度が1200以上
で、しかも、曲げ強さが1100MPa以上の材料とす
ることにより、口金の要求特性を達成することができ
る。
【0032】本発明の溶融樹脂紡糸用口金は、前記導電
性セラミックス材料または、WC基硬質材料の焼結用原
料粉末を成型して成型体を得、次いで成型体の状態又は
成型助剤を脱脂した状態あるいは仮焼結した状態で焼結
収縮率を加味した寸法のノズル孔を所定の工具で形成
し、前記ノズル孔の内壁面の面粗度が7S以下になるよ
うに精密加工を行ない、次いで焼結して得た口金部材の
外周面及び両端面の仕上げ加工を行ない、更にノズル孔
内壁面の面粗度を2S以内、より好ましくは1S以内に
鏡面研磨を行なうことにより溶融紡糸用口金の完成品と
することができる。
【0033】更に、本発明の溶融樹脂紡糸用口金は、成
型体の段階乃至は仮焼結した段階で導入孔と吐出孔とが
連通したノズル孔を、マシニングセンターやグラインデ
ィングセンターの中でも超精密な加工ができる機械に所
定の工具を取付け、特に微少寸法の吐出孔部について
は、テーパー状の微細なエンドミルを取付けて、精密加
工した後焼結することにより、ノズル孔の内壁面の面粗
度を3S以内とすることができ、特に超精密加工を行な
った場合は、面粗度を1Sにすることができる。
【0034】あるいはまた、本発明の導電性セラミック
ス材料、またはWC基硬質材料からなる溶融樹脂紡糸用
口金は、焼結体とした後で必要に応じて放電加工やワイ
ヤーカット法によりノズル孔を形成することもできる。
しかしながら、放電加工やワイヤーカット法により加工
した面の面粗度は、15S程度まで大きくなる場合があ
るため最終加工の研磨工程で面粗度を1S以内に仕上げ
るのに要する工数は多大なものとなる。
【0035】またさらに、ノズル孔の内壁面は、溶媒に
20μm以下のSiC又は立方晶窒化硼素あるいはダイ
ヤモンドからなる砥粒を分散させた流体を高圧力の下で
ノズル孔内部に流通させることによって、面粗度を1S
以下に研磨仕上げすることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を実
施例によって説明する。
【0037】実施例1.アルミナ系導電性セラミックス
材料として、焼結後の材料組成が下記表1になるように
原料粉末を配合して、粉砕混合−噴霧造粒−成型−脱脂
−予備焼結−HIP処理の工程によって対理論密度が9
9.5%以上の口金材料を得た。なお、表1の材料組成
は、アルミナ(Al)と炭化チタン(TiC)と
の割合が容量%で、焼結助剤(TiO)の割合が(A
+TiC)の総量に対する重量%であることを
示す。また、この口金材料の材料特性を調査した結果を
同じ表1に示す。
【表1】
【0038】このアルミナ系導電性口金材料の成形に際
しては、アルミナと導電性付与成分との混合粉末を成型
して得た成型体の状態で、導入孔1と吐出孔出口4の直
径が0.2mmでしかも吐出孔2のテーパー角が7°の
下孔を形成した。この導入孔1と吐出孔2の下孔は、口
金材料を焼結して収縮した場合に、仕上加工代と研磨加
工代を有する完成品寸法に近い導入孔1と吐出孔2とな
るように成形しておく。次いで非酸化性の雰囲気で対理
論密度が95%以上になるように予備焼結を行なった後
HIP処理を行なうことによって対理論密度が99%以
上の緻密焼結体を得た。
【0039】なお、吐出孔2のテーパー角が7°で焼結
後の吐出孔出口4の直径が0.2mmの成形方法は、7
°の角度で先細り状のテーパーエンドミルをマシニング
センターに取付けて加工した結果、工具の折損や曲がり
が全く発生せずに、36箇所の吐出孔2を有する口金を
得ることができた。
【0040】また、表1の組成No.1〜4の材料から
上述の成形法によって得た焼結体は、ノズル孔内面の面
粗度が3Sで吐出孔出口4の直径が0.195mm±5
μmの寸法精度を有する口金材料が得られた。なお、比
較の為に、テーパー角のないストレート状のエンドミル
で焼結後の吐出孔2の直径が0.2mmになるように成
型体を成形後焼結した結果、36孔の加工に5本のエン
ドミルを消耗するとともに、吐出孔2の直径寸法と寸法
公差は0.200mm±15μmの口金材料となった。
次いで、口金材料の外周と両面の研削を行ない、更に吐
出孔出口4の製品寸法が0.205mmでノズル孔内面
の面粗度が1Sになるまで研磨加工を行なうことにより
最終製品の口金を得た。
【0041】図1の形状から成る上記の本発明による口
金20と比較品の図5に示す吐出孔がストレートタイプ
でしかも口金全体が一体形成された口金30とを、Ti
が配合されたポリエステル系の紡糸に使用した。こ
こで、ポリエステル系の溶融樹脂の温度が573K、吐
出圧力が28MPaで、延伸しながら引取る速度を60
00m/分の条件で使用した結果、本発明の口金20は
糸切れもなく、またニーリング現象やバラス効果も発生
せず累積使用時間が2000時間であった。一方、比較
品の吐出孔寸法が0.220mmの口金は、溶融樹脂の
温度と吐出圧力を同一条件の下で、本発明の口金20と
同一デニール数の紡糸製品(原糸)を得るためには、引
取り速度を5000m/分まで遅くする必要があった。
【0042】吐出孔2がテーパー形状の本発明品とスト
レート形状の比較品との引取り速度の差は、本発明品の
方が溶融樹脂の吐出抵抗が少なくて単位時間当たりの吐
出量が多いことを示している。
【0043】実施例2.ジルコニア系の導電性セラミッ
クとして、焼結後の材料組成が下記表2になるように原
料粉末を配合して、成型−ノズル孔成形加工−脱脂−予
備焼結−HIP処理の工程によって対理論密度が99.
5%以上の口金材料を得た。なお、導電性付与成分がW
Cの場合は、通常の焼結法では難焼結性であるため、ノ
ズル孔を成形加工して脱脂または仮焼結した材料を、金
属製のカプセルに真空封入して密閉後HIP処理するこ
とにより、対理論密度が99.5%以上の口金材料を得
た。ここで、表2の材料組成は、ジルコニアとNbCま
たはWCとの割合が容量%であることを示す。また、こ
の口金材料の材料特性を調査した結果を同じ表2に示
す。
【表2】
【0044】図2及び図3の(a)に示す口金全体を、
表2の組成No.1乃至3の成型体の段階で焼結後の吐
出孔出口4の溝幅Wが0.1mmで、Lが0.3mmに
なるように成形した。更に焼結した口金材料の両面及び
外周を研削した後、ノズル孔内面の面粗度が0.5Sに
なるように研磨仕上げを行なって最終製品の口金20を
得た。
【0045】なお、図3(a)の吐出孔2を成形するた
めに使用した5°のテーパーエンドミルの本数は2本で
あるのに対して、吐出孔2のテーパー角が0°でWが
0.1mmで、Lが0.3mmのストレート状の吐出孔
2をエンドミルで成形する試みを行なったが、エンドミ
ルが折損したり変形が頻発して吐出孔数36箇所の加工
に24本のエンドミルを消耗した。
【0046】次いで、表2の組成と同じ組成のテストピ
ースを作成して、ジルコニア成分の熱変態劣化性を大気
雰囲気中で加熱して調査した結果を図6に示す。なお、
図6には、2.5mol%のYで部分安定化した
ジルコニアの熱変態劣化性を比較のための示す。この熱
変態劣化性は、テストピースのX線回折を行ない、回折
ピークが一番高い正方晶形ジルコニアの(lll)面
[I(lll)]と単斜晶形ジルコニアの(lll)
面[I(lll)]との回折ピークの合計高さに対す
る単斜晶形ジルコニアの(lll)面[I(ll
l)]の回折ピークの高さの割合(単斜晶比率)によっ
て判断することができる。すなわち単斜晶比率が大きく
なるほど熱変態劣化が進行していることになる。本発明
のジルコニア系の導電性セラミックスは、加熱時間が0
時間において単斜晶比率が10%以下で、しかも473
Kから573Kの温度で、2000時間加熱した時点の
単斜晶比率が40%以下であることを特徴とする。
【0047】また、実施例1と同じ樹脂を573Kの温
度と28MPa(300kg/cm)の吐出圧力の下
で5000m/分の引取り速度で紡糸した結果、従来の
ステンレス製でしかも吐出孔がストレートタイプの口金
の寿命に対して、本発明の組成No.1乃至No.5の
口金20は、いずれも累積使用時間が5倍以上の寿命を
達成することができた。
【0048】更に、溶融樹脂を吐出する吐出孔2の出口
コーナー部は、離型性と耐摩耗性に優れているためニー
リング現象やバラス効果による吐出樹脂の急激な膨張現
象が全く発生せず、また、溶着樹脂の離型性や洗滌性が
良い等の理由により口金のメンテナンスに要する工数が
大幅に短縮された。
【0049】実施例3.超硬質合金系の材料として、表
3に示すように硬質粒子がWCで結合金属がCoからな
る配合粉末を、成型−脱脂−仮焼結−本焼結の工程によ
って口金材料とした。あるいはまた、本焼結後にHIP
処理を行なうことによりスポットやマイクロポアの無い
口金材料を得ることもできる。なお、ノズル孔8の形成
は、成型体の段階または仮焼結体の段階で焼結収縮率を
加味した寸法で成形することにより能率よく加工でき
る。また、この口金材料の材料特性を調査した結果を同
じ表3に示す。
【表3】
【0050】図2及び図3(b)に示す口金全体を組成
No.1乃至No.5の成型体の段階で、本焼結後また
はHIP処理後の吐出孔出口4の寸法Wが0.15mm
になるように20°のテーパーエンドミルを用いて吐出
孔2を形成した。吐出孔の数が36箇所からなる口金を
成形するのに要したテーパーエンドミルの数は2本であ
った。一方、比較のために組成No.1の成型体を、吐
出孔2のW寸法が0.15mmのストレート孔をテーパ
ー角度の無いストレート状エンドミルで成形を試みたが
エンドミルの折損や変形が頻発して完成品を得ることが
できなかった。従がって組成No.1からなる口金の比
較品は、ワイヤーカット法により吐出孔2を形成した。
【0051】本発明の口金20と比較品の口金を、流体
研磨法によってノズル孔内面の面粗度が0.5Sになる
まで研磨を行なって完成品として、紡糸テストを行なっ
た。この紡糸テストは、実施例1と同じ樹脂を、573
Kの温度で5000m/分の引取り速度の下に同一デニ
ール数の原糸を得るための吐出圧力の差を調査する方法
を採用した。その結果、本発明品は、いずれも吐出圧力
が24MPaであるのに対し、比較品の口金は30MP
aの吐出圧力が必要であった。すなわち、本発明の口金
20は吐出孔がテーパー状となっているために、比較品
よりも吐出孔部における樹脂の流通抵抗による圧力ロス
が少なく約20%相当の加圧力発生エネルギーを削減で
きることを示している。
【0052】また、本発明の口金20を用いた溶融樹脂
の紡糸に際しては、ニーリング現象が全く発生せず、更
には、口金20を繰返し使用しても品質変化の非常に少
ない中空糸を得ることができた。本発明の口金20を用
いた上記の効果は、本発明の材料が結合金属の量を10
%以下とし、且つ硬質粒子の粒界に存在する金属相の厚
みを1μm以下となるように製造しているために、溶融
樹脂との擦過摩耗による凹みが少ないことが好結果を与
えているものと思われる。
【0053】なお、表1には硬質粒子の成分としてWC
のみを示しているが、WCの一部分をlVa、Va、V
la属の炭化物で置換してもよく、また結合金属のCo
の一部をFe、Ni、Crで置換しても同様の口金材料
が得られる。更には、結合金属の量を5%以下に少なく
する程、あるいはCoの一部をNiで置換する量を多く
する程、口金を洗滌する際の耐薬品性が向上する。
【0054】実施例4.WC基硬質材料として、表3の
組成No.2の材料を用いて図7に示す中空糸紡糸用の
口金を形成した。ここで、図7の口金本体11は、拡開
部9と連通する導入孔部全体が同一径を有するストレー
トタイプであり、この導入孔1から連通する吐出孔2の
部分が入口3から出口4に向けて縮径した形状から成る
ノズル孔を形成したものである。
【0055】このノズル孔内に装着するニードル15
は、導入孔1の入口方向が円錐状の導入部12と、円柱
状の胴体13の外周部に樹脂の流通用溝16を軸線方向
に複数箇所配設した胴体部と、口金本体11の吐出孔2
に対応する部分が口金本体11よりも小径でしかも吐出
孔出口4に向けて縮径した導出部14とを一体形成した
ものである。
【0056】なお図7(b)の羽根17は、口金本体1
1の吐出孔入口3の座面に当接する役割を有する。この
一体形成したニードル15を口金本体11のノズル孔に
嵌合した後、固定リング18で固定することによって中
空糸紡糸用の口金としたものである。ここで、吐出孔出
口4の直径と溝幅Wは実施3の口金と同一寸法で形成し
た。
【0057】この中空糸紡糸用の口金を用いて、実施例
3と同じ紡糸テストを行なった結果、吐出圧力が23M
Paであり、また実施例4で得た中空糸の横断面は肉厚
のバラツキのあるいびつな中空糸であったのに対し、本
実施側による中空糸は肉厚が一定で真円に近い円筒形を
示した。
【0058】実施例5.表2の組成No.1の材料を用
いて、図8の(a)、(b)、(c)に示すノズル孔を
成型体の段階で形成した後、焼結して両端面の研削とノ
ズル孔の研磨を行なって口金完成品とした。なお、
(a)、(b)、(c)共に吐出孔の出口直径は0.1
5mmに統一して製作した。
【0059】図8(a)は、導入孔の拡開部9と連接す
る導入孔の入口19から吐出孔の出口4までをテーパー
角で縮径したものである。また、図8(b)は、導入孔
の拡開部9と連接する導入孔部をテーパー角で縮径し、
続けて吐出孔の入口3から吐出孔の出口4までをテーパ
ー角で縮径したものである。次に、図8(c)は、導入
孔の拡開部9と連接して導入孔部を出口に向けて縮径
し、更に導入孔の縮径部とテーパー角度で縮径した吐出
孔2とを連接したものである。
【0060】この3種類の口金を用いて、実施例1と同
じ樹脂を573Kの温度で、28MPaの吐出圧力で延
伸しながら引取る速度を6000m/分の条件で紡糸を
行なった後、口金に固着した樹脂を導入孔方向に引剥が
すことにより、ノズル孔8の中に詰まっている樹脂も容
易に取出すことができた。一方、従来の口金は、導入孔
及び吐出孔がストレートタイプであるために、ノズル孔
内の固着樹脂が導入孔方向に引抜く際に千切れて除去で
きず、各種薬品によって洗滌除去する必要があり、メン
テナンス費用が多大なものであった。本発明の図8に示
す各種形状の紡糸用口金は、メンテナンス時の薬品によ
る洗滌工程を省略することもできるので、ランニングコ
ストを大巾に削減できる効能を示した。
【0061】
【発明の効果】1,導入孔に面する吐出孔の入口寸法が
吐出孔の出口寸法より大きいテーパー状の吐出孔部を形
成しているので、溶融樹脂の流通抵抗が少なく従来の口
金より高速の紡糸が可能である。
【0062】2,ノズル孔内における溶融樹脂の流通抵
抗が少ないので、従来の口金より溶融樹脂の温度を低く
することができ、あるいはまた溶融樹脂の加圧力発生装
置の圧力を低く設定できるので、エネルギー消費量が大
幅に削減できる。
【0063】3,吐出孔形成用の工具として、工具の先
端方向が先細り状のテーパードリルやテーパー状リーマ
を使用できるので、工具の折損や変形が発生せず精密な
吐出孔を形成できる。
【0064】4,従来のステンレス等の金属材料やセラ
ミックス材料及び超硬質合金系材料から成る口金の複雑
形状の吐出孔は、超音波加工、放電加工あるいは放電ワ
イヤーカット法により形成していたので多大な工数を要
していたが、本発明の吐出孔は、成型体乃至仮焼結体の
段階で加工できるので非常に加工能率が良く、口金の製
造コストを削減できる。
【0065】5,口金全体をアルミナセラミックスや導
電性セラミックスあるいはWC基硬質材料で一体形成で
きるので、従来のノズルチップ(ノズルピース)をロウ
付けまたは嵌合した口金のようなノズルピースの熱歪み
割れやノズルピースの浮き上がり現象等の弊害が無い。
【0066】6,本発明の口金材料は、従来の金属材料
製口金より耐摩耗性に優れているので、口金寿命が永
く、且つ長期間安定した品質の紡糸製品が得られる。
【0067】7,また、本発明の口金材料は、吐出孔出
口のエッジも摩耗し難いので、吐出樹脂のニーリング現
象やバラス効果もなく、且つ糸切れもほとんど発生しな
い。
【0068】8,溶融樹脂の紡糸に際しての梳き取り性
が良く、また樹脂の離型性も良いので口金メンテナンス
に要する工数を削減できる。
【0069】9,本発明の口金材料は、金属製の口金よ
り熱膨張係数が小さいので、熱膨張係数の大きな樹脂が
型離れし易く、更には少なくとも微小寸法の吐出孔部が
テーパー状となっているので、導入孔方向に溶着樹脂を
引抜く際に樹脂が切れ残ることがほとんど発生せず、口
金の洗滌工数も削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る紡糸用口金の一例を示す要部の
縦断面図である。
【図2】 本発明に係る紡糸用口金の他の例を示す要部
の縦断面図である。
【図3】 図2のX−X面矢視図で(a)は、Y字形の
吐出孔の例であり、(b)は円筒を3分割した形状の吐
出孔の例を示す。
【図4】 図3(a)及び(b)のA−A縦断面図矢視
図である。
【図5】 従来のノズルピースを嵌合した紡糸用口金の
一例であって、吐出孔部が軸線方向の全長に渡って同一
直径のストレートタイプからなる要部の縦断面図であ
る。
【図6】 本発明に係るジルコニア系導電性口金と従来
のジルコニア系セラミックスとの熱変態劣化性を示す比
較図である。
【図7】 (a)は本発明に係る中空糸紡糸用口金の他
の例を示す要部の縦断面図であり、(b)は(a)のA
−A面矢視図である。
【図8】 (a)、(b)、(c)は、いずれも本発明
に係る紡糸用口金の他の例を示す要部の縦断面図であ
る。
【符号の説明】
20,30 紡糸用口金 1 導入孔 2 吐出孔 3 吐出孔の入口 4 吐出孔の出口 5 吐出孔側端面 6 口金母材 7 ノズルピース(ノズルチップ) 8 ノズル孔(導入孔の拡開部と導入孔と導入孔
の縮径部及び吐出孔とから成るノズル孔) 9 導入孔の拡開部(円弧または角度による拡開
部) 10 導入孔から吐出孔へ向かう導入孔の縮径部 11 口金本体 12 ニードルの円錐状の導入部 13 ニードルの胴体部 14 ニードルの導出部 15 ニードル 16 溶融樹脂の流通溝 17 ニードルの羽根 18 固定リング 19 導入孔の入口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融樹脂の導入孔と導入孔の前方位置
    に有る微小孔径の吐出孔とが連通するノズル孔を有する
    溶融樹脂紡糸用口金において、少なくとも導入孔に面す
    る吐出孔の入口から吐出孔の出口に向けて吐出孔が漸次
    縮径したことを特徴とする溶融樹脂紡糸用口金。
  2. 【請求項2】 導入孔部が導入孔の拡開部と接する入
    口から出口に向けて縮径した形状、または導入孔部が拡
    開部と接する導入孔の入口から吐出孔の出口まで一定の
    縮径角度で形成した形状、およびまたは導入孔の拡開部
    と導入孔と導入孔から吐出孔入口への縮径部と吐出孔と
    が全て出口に向けて縮径角度で連通した形状から成るノ
    ズル孔としたことを特徴とする請求項1に記載の溶融樹
    脂紡糸用口金。
  3. 【請求項3】 吐出孔または導入孔の入口から出口に
    向けて漸次縮径する縮径角度が2°乃至30°であるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融樹
    脂紡糸用口金。
  4. 【請求項4】 溶融樹脂の導入孔と導入孔の前方位置
    に有る微小寸法の吐出孔とが連通するノズル孔を有する
    溶融樹脂紡糸用口金において、少なくとも吐出孔部が吐
    出孔の一部分を構成する直線状または円弧状溝孔の溝幅
    が導入孔に面する入口から出口に向けて漸次縮小したこ
    とを特徴とする溶融樹脂紡糸用口金。
  5. 【請求項5】 吐出孔の一部分を構成する直線状また
    は円弧状溝孔の溝幅が入口から出口に向けて漸次縮小す
    る縮小角度が2°乃至30°であることを特徴とする請
    求項4に記載の溶融樹脂紡糸用口金。
  6. 【請求項6】 溶融樹脂の導入孔と導入孔の前方位置
    に有る微小孔径の吐出孔とが連通するノズル孔を有する
    溶融樹脂紡糸口金において、導入孔方向が円錐状の導入
    部と、円柱状の胴体外周部に樹脂の流通用溝を軸線方向
    に複数箇所配設した胴体部と、口金本体の吐出孔が出口
    に向けて縮径した吐出孔部に対応する部分が口金全体の
    吐出孔よりも小径で、しかも吐出孔出口に向けて縮径し
    た導出部とを一体形成したニードルをノズル孔内に装着
    したことを特徴とする中空糸製造用口金。
  7. 【請求項7】 口金全体を高硬度で、しかも曲げ強さ
    が600MPa以上のアルミナセラミックス又は、樹脂
    との摩擦によって静電気を帯びない導電性のセラミック
    材料あるいはWC基硬質材料で一体的に形成した請求項
    1乃至6のいずれかに記載の溶融樹脂紡糸用口金。
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