JP2001302905A - 導電性樹脂組成物 - Google Patents

導電性樹脂組成物

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JP2001302905A
JP2001302905A JP2000125083A JP2000125083A JP2001302905A JP 2001302905 A JP2001302905 A JP 2001302905A JP 2000125083 A JP2000125083 A JP 2000125083A JP 2000125083 A JP2000125083 A JP 2000125083A JP 2001302905 A JP2001302905 A JP 2001302905A
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carbon black
resin
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JP2000125083A
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Matsuyoshi Nakagawa
松善 中川
Takaaki Miyoshi
貴章 三好
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Asahi Kasei Corp
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Asahi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ゴム状重合体に含有される少量の
導電性カーボンブラックと炭素系フィラーを官能化ポリ
フェニレンエーテル樹脂およびポリアミド樹脂と混入し
て低線膨張係数と低い体積固有抵抗のバランスのとれた
導電性樹脂組成物の提供。 【解決手段】 (a)官能化ポリフェニレンエーテル樹
脂、(b)ポリアミド樹脂、および(c)ゴム状重合体
に10重量%以上の導電性カーボンブラックを含有した
マスターバッチを導電性カーボンブラック量として
(a)、(b)の100重量部に付き0.1〜2.0重
量部、(a)、(b)の100重量部に付き(d)炭素
系フィラー2〜20重量部を含み、低線膨張性、体積抵
抗値が106Ω・cm未満である熱可塑性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低線膨張、導電性
に優れる導電性樹脂組成物に関するものであり、電気・
電子部品、OA部品、自動車部品、機械部品などの幅広
い分野に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンエーテル系樹脂は機械的
性質、電気的性質及び耐熱性が優れており、しかも寸法
安定性が優れるため広い範囲で用いられているが、単独
では成形加工性が劣っており、これを改良するために、
ポリアミド樹脂を配合する技術が特公昭45−997号
に提案され、以後、様々な改良が加えられ現在では非常
に様々な用途に用いられる材料となっている。
【0003】ポリフェニレンエーテルとポリアミド樹脂
のポリマーアロイの導電性付与については、カーボンブ
ラックを配合する技術は古くから実施されており、例え
ば特開平02−2011811号公報には、ポリフエニ
レンエ−テル、ポリアミドからなる樹脂と、カーボンブ
ラックとを配合することにより、カーボンブラックをポ
リアミド相中に含有し導電性樹脂組成物を得る技術が開
示されている。
【0004】しかしながら、一般に熱可塑性樹脂に、カ
ーボンブラックを配合すると耐衝撃性に劣り、表面外観
が悪くなるという欠点があり、これを解決するため、例
えば特開平8−48869号公報には、低めの導電性カ
ーボンブラック濃度で所望の抵抗値を得る技術が開示さ
れている。また、ポリフェニレンエーテル−ポリアミド
樹脂のポリマーアロイの系においては、特開平6−30
6275号公報に、無機充填剤を配合することにより表
面平滑性、低線膨張に優れた樹脂組成物を得られるとい
う技術が開示されている。しかしながら、導電性が悪
く、あるいは無いことより、導電性、帯電防止、静電等
の分野への汎用性に劣るという問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ゴム状重合
体に含有される特定のカーボンブラックと炭素系フィラ
ーを官能化ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアミド樹
脂およびゴム状重合体と混合し、低線膨張性および導電
性を達成しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意検討をかさねた結果、(a)官能
化ポリフェニレンエーテル樹脂および(b)ポリアミド
樹脂の合計100重量部に対し(c)カーボンブラック
を0.1〜2.0重量部、および(d)カーボンブラッ
ク以外の炭素系フィラー2〜20重量部、(e)ゴム状
重合体3〜30重量部を含み、線膨張係数が7×10-5
-1以下、且つ体積抵抗値が106Ω・cm未満である
熱可塑性樹脂組成物が導電性と低線膨張を発現すること
を見いだした。
【0007】本発明で用いる体積抵抗率は、平板状成形
片(長さ90mm、幅50mm、厚さ2mmの向かい合
った50mm×2.5mm)の面の中央部分に、それぞ
れ30mm×2.5mmの面積で銀ペーストを塗布し、
充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をDIGITAL
MULTMETER(型式:R6441B、ADVAN
TEST製)で測定し、これを異なる平板で5回実施
し、その加算平均値を求めたものである。
【0008】また本発明で用いる線膨張係数はASTM
D696に準じ、ASTM D368の厚さ1/8イ
ンチ、一号ダンベル片の中央部から長辺方向に長さ10
mmの試験片を切削し、昇温速度5℃/分で23〜80
℃の測定範囲における長さの変化を測定し、その寸法変
化率を算出したものである。本発明で使用する(a)成
分の官能化ポリフェニレンエーテル樹脂とは、分子構造
内に少なくとも1個の炭素−炭素二重結合または三重結
合及び、少なくとも1個のカルボン酸基、酸無水物基、
水酸基、グリシジル基の内少なくとも1種の変性化合物
で変性されたポリフェニレンエーテルを指す。
【0009】本発明で使用する(a2)成分のポリフェ
ニレンエーテルとは、一般式(1)の構造単位
【化1】
【0010】〔R1、R4は、それぞれ独立して、水素、
ハロゲン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェ
ニル、ハロアルキル、アミノアルキル、炭化水素オキ
シ、又はハロ炭化水素オキシ(但し、少なくとも2個の
炭素原子がハロゲン原子と酸素原子を隔てている)を表
わし、R2、R3は、それぞれ独立して、水素、ハロゲ
ン、第一級もしくは第二級の低級アルキル、フェニル、
ハロアルキル、炭化水素オキシ、又はハロ炭化水素オキ
シ(但し、少なくとも2個の炭素原子がハロゲン原子と
酸素原子を隔てている)を表わす。〕からなり、還元粘
度(0.5g/dl、クロロホルム溶液、30℃測定)
が、0.15〜0.70の範囲であることが好ましく、
さらに好ましくは0.20〜0.60の範囲、より好ま
しくは0.40〜0.55の範囲にあるホモ重合体及び
/または共重合体である。
【0011】このポリフェニレンエーテルの具体的な例
としては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−
フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−6−エチル
−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ(2−メチル−
6−フェニル−1,4−フェニレンエーテル)、ポリ
(2,6−ジクロロ−1,4−フェニレンエーテル)等
が挙げられ、さらに2,6−ジメチルフェノールと他の
フェノール類(例えば、2,3,6−トリメチルフェノ
ールや2−メチル−6−ブチルフェノール)との共重合
体のごときポリフェニレンエーテル共重合体も挙げられ
る。中でもポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレ
ンエーテル)、2,6−ジメチルフェノールと2,3,
6−トリメチルフェノールとの共重合体が好ましく、さ
らにポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンエー
テル)が好ましい。
【0012】本発明で用いるポリフェニレンエーテルの
製造方法は公知の方法で得られるものであれば特に限定
されるものではなく、例えば、米国特許第330687
4号明細書記載のHayによる第一塩化銅とアミンのコ
ンプレックスを触媒として用い、例えば2,6−ジメチ
ルフェノールを酸化重合することにより容易に製造で
き、そのほかにも米国特許第3306875号明細書、
同第3257357号明細書及び同第3257358号
明細書、特公昭52−17880号公報及び特開昭50
−51197号公報及び同63−152628号公報等
に記載された方法で容易に製造できる。
【0013】本発明では、融点を持つ結晶性ポリフェニ
レンエーテルをポリフェニレンエーテル(a2)として
用いる。結晶性ポリフェニレンエーテルとその融点の関
係を示した文献としては、例えば、Journal o
f Polymer Science,Part A‐
2(6)1141‐1148頁(1968年)、Eur
opean Polymer Journal(9)2
93‐300頁(1973年)、Polymer(1
9)81‐84頁(1978年)などがある。
【0014】本発明では、ポリフェニレンエーテル(a
2)の融点は、(a2)に対する示差熱走査型熱量計
(DSC)の測定において、20℃/分で昇温するとき
に得られる温度−熱流量グラフで観測されるピークのピ
ークトップ温度で定義され、ピークトップ温度が複数あ
る場合にはその内の最高の温度で定義される。本発明の
官能化されたポリフェニレンエーテル樹脂の製造方法で
は、ポリフェニレンエーテル(a2)は、溶液より沈殿
して得られるパウダー状のもので、融点が240℃〜2
60℃のポリフェニレンエーテルであることが好まし
い。又、このパウダーはDSC測定におけるピークから
得られる融解熱(△H)が2J/g以上であることが好
ましい。
【0015】本発明で用いることのできるポリフェニレ
ンエーテルの形状は、体積平均粒子径10μm〜500
μmの粉体状が好ましく、さらに、直径4μm以下の粒
子の割合が全体の5重量%未満である事が好ましい。こ
こでいう体積平均粒子径とは、粉体を振動ふるいで各粒
径に分別し、各ふるいに残った粉体の重量を測定し、全
粉体重量の50%の量が残ったふるいの中で最も細かい
ふるいの目の大きさをもって表す。また、直径4μm以
下の粒子の割合とは、40μmの目のふるいを通った微
粉末をレーザー式粒度測定機(島津製作所製)で粒径4
μm以下の粒子の重量を測定し、40μmのふるいを通
す前の重量に換算して算出する。
【0016】また、本発明に使用されるポリフェニレン
エーテルは、重合溶媒に起因する有機溶剤が、ポリフェ
ニレンエーテルに対して5重量%未満の量で残存してい
ても構わない。これら重合溶媒に起因する有機溶剤は、
重合後の乾燥工程で完全に除去するのは困難であり、通
常数百ppmから数%の範囲で残存しているものであ
る。
【0017】本発明における変性されたポリフェニレン
エーテルとは、官能化化合物(a3)で変性されたポリ
フェニレンエーテルである。具体的な製法としては、ラ
ジカル開始剤の存在下または非存在下でポリフェニレン
エーテルのガラス転移温度以上360℃以下の範囲の温
度で変性化合物と溶融混練し反応させる方法、ラジカル
開始剤の存在下、非存在下で100℃以上、ポリフェニ
レンエーテルのガラス転移温度未満の範囲の温度でポリ
フェニレンエーテルを溶融させることなく変性化合物と
反応させる固相変性方法、ラジカル開始剤の存在下、非
存在下でポリフェニレンエーテルの融点以下の温度でポ
リフェニレンエーテルと変性化合物を反応させる固相変
性方法等が挙げられ、これらいずれの方法でもかまわな
いが、固相変性方法が好ましい。
【0018】本発明の固相変性ポリフェニレンエーテル
は、パドルドライヤー、ヘンシェルミキサー、押出機等
が使用できる他、ポリフェニレンエーテルと官能化化合
物の混合物を、100℃以上、ポリフェニレンエーテル
のガラス転移温度以下の温度で、1時間以上静置する事
によっても容易に製造することができる。いずれの方法
においてもポリフェニレンエーテルが溶融しない条件で
あることが重要である。
【0019】本発明の固相変性ポリフェニレンエーテル
の形状は、変性時に溶融させないため実質的に変性され
ていないポリフェニレンエーテルと差がなく、体積平均
粒子径10μm〜500μmの粉体状が好ましく、さら
に、直径4μm以下の粒子の割合が全体の5重量%未満
である事が好ましい。
【0020】また、官能化化合物のポリフェニレンエー
テル粉体への分散性を向上させるために、官能化化合物
との反応時にポリフェニレンエーテル100重量部に対
して、10重量部以下の重合溶媒とは異なる有機溶剤
(a4)を共存させても構わない。より好ましくは、ポ
リフェニレンエーテル100重量部に対して5重量部以
下である。好ましい有機溶剤としては、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、アセトン、ジメチルケトン、メ
チルエチルケトン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、テ
トラヒドロフラン等が挙げられ、中でもメチルアルコー
ル、アセトンがより好ましい。
【0021】次に本発明で使用することのできる(a
3)成分の官能化化合物は、分子構造内に少なくとも1
個の炭素−炭素二重結合または三重結合及び、少なくと
も1個のカルボキシル基、酸無水物基、水酸基、グリシ
ジル基の内少なくとも1種を分子構造内に有する有機化
合物である。分子内に炭素−炭素二重結合とカルボン酸
基、酸無水物基を同時に有する化合物としては、マレイ
ン酸、フマル酸、クロロマレイン酸、シス−4−シクロ
ヘキセン−1,2−ジカルボン酸及びこれらの酸無水物
などが挙げられる。特にフマル酸、マレイン酸、無水マ
レイン酸が良好で、無水マレイン酸が特に好ましい。
【0022】これら不飽和ジカルボン酸のカルボキシル
基がエステルになっているものも、加工温度でエステル
が分解しカルボキシル基に変化するものは使用可能であ
る。分子内に炭素−炭素二重結合とグリシジル基を同時
に有する化合物としては、アリルグリシジルエーテル、
グリシジルアクリレート、グリシジルメタアクリレー
ト、エポキシ化天然油脂等が挙げられる。分子内に炭素
−炭素二重結合と水酸基を同時に有する化合物として
は、アリルアルコール、4−ペンテン−1−オール、
1,4−ペンタジエン−3−オールなどの一般式Cn
2n-3OH(nは正の整数)の不飽和アルコール、一般式
n2n -5OH、Cn2n-7OH(nは正の整数)等の不
飽和アルコール等が挙げられる。
【0023】ここに示した化合物は、それぞれ単独で用
いても良いし、2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明において、官能化ポリフェニレンエーテル樹脂と
(b)〜(e)との溶融混練時に、上述した官能化化合
物を共存させて構わない。この場合の好ましい官能化化
合物の量は、(a)成分の官能化ポリフェニレンエーテ
ル樹脂100重量部に対して、5重量部以下である。
【0024】また本発明では、官能化ポリフェニレンエ
ーテル樹脂100重量部に対して、さらにポリスチレン
(シンジオタクチックポリスチレンも含む)及び/また
は、ハイインパクトポリスチレンを400重量部を越え
ない範囲で加えたものも含まれる。本発明で使用する
(b)ポリアミド樹脂の種類としては、ポリマー主鎖
に、アミド結合{−NH−C(=O)}を有するもので
あれば、いずれも使用する事ができる。
【0025】一般にポリアミド樹脂は、ラクタム類の開
環重合、ジアミンとジカルボン酸の重縮合、アミノカル
ボン酸の重縮合などによって得られるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0026】上記ジアミンとしては大別して脂肪族、脂
環式および芳香族ジアミンが挙げられ、具体例として
は、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミ
ン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミ
ン、トリデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、5−メチルナノメチレンジアミ
ン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4
−ビスアミノメチルシクロヘキサン、m−フェニレンジ
アミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジア
ミン、p−キシリレンジアミンが挙げられる。
【0027】ジカルボン酸としては、大別して脂肪族、
脂環式および芳香族ジカルボン酸が挙げられ、具体例と
しては、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバ
シン酸、ドデカン二酸、1,1,3−トリデカン二酸、
1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、
イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ダイマー酸な
どが挙げられる。ラクタム類としては、具体的にはε−
カプロラクタム、エナントラクタム、ω−ラウロラクタ
ムなどが挙げられる。
【0028】また、アミノカルボン酸としては、具体的
にはε−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、8
−アミノオクタン酸、9−アミノナノン酸、11−アミ
ノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、13−アミ
ノトリデカン酸などが挙げられる。本発明においては、
これらラクタム類、ジアミン、ジカルボン酸、ω−アミ
ノカルボン酸は、単独あるいは二種以上の混合物にして
重縮合を行って得られる共重合ポリアミド類はいずれも
使用することができる。
【0029】また、これらラクタム類、ジアミン、ジカ
ルボン酸、ω−アミノカルボン酸を重合反応機内で低分
子量のオリゴマーの段階まで重合し、押出機等で高分子
量化したものも好適に使用することができる。
【0030】特に本発明で有用に用いることのできるポ
リアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド6,
6、ポリアミド4,6、ポリアミド11,ポリアミド1
2,ポリアミド6,10、ポリアミド6,12、ポリア
ミド6/6,6、ポリアミド6/6,12、ポリアミド
6/MXD(m−キシリレンジアミン)、ポリアミド
6,T、ポリアミド6,I、ポリアミド6/6,T、ポ
リアミド6/6,I、ポリアミド6,6/6,T、ポリ
アミド6,6/6,I、ポリアミド6/6,T/6,
I、ポリアミド6,6/6,T/6,I、ポリアミド6
/12/6,T、ポリアミド6,6/12/6,T、ポ
リアミド6/12/6,I、ポリアミド6,6/12/
6,Iなどが挙げられ、複数のポリアミドを押出機等で
共重合化したポリアミド類も使用することができる。好
ましいポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6,
6、およびそれらの混合物である。
【0031】本発明で使用されるポリアミド樹脂の好ま
しい数平均分子量は5,000〜100,000であ
り、より好ましくは10,000〜30,000であ
る。本発明におけるポリアミド樹脂はこれらに限定され
るものではなく、分子量の異なる複数のポリアミド樹脂
の混合物であったほうが良い。例えば数平均分子量1
0,000以下の低分子量ポリアミドと、30,000
以上の高分子量ポリアミドの混合物、数平均分子量1
0,000以下の低分子量ポリアミドと、15,000
程度の一般的なポリアミドの混合物等である。
【0032】ポリアミドの末端基は、官能化ポリフェニ
レンエーテルとの反応に関与する。ポリアミド樹脂は末
端基として一般にアミノ基、カルボキシル基を有してい
るが、一般的にカルボキシル基濃度がアミノ基濃度を上
回ると、一般的に耐衝撃性が低下し、流動性が向上し、
逆にアミノ基濃度がカルボキシル基濃度を上回ると耐衝
撃性が向上し、流動性が低下する。これらの好ましい比
はアミノ基/カルボキシル基比で、9/1〜1/9であ
り、より好ましくは8/2〜1/9、更に好ましくは6
/4〜1/9である。
【0033】また、末端のアミノ基の濃度としては少な
くとも10ミリ当量/kgであることが好ましい。更に
好ましくは30ミリ当量/kg以上である。これらポリ
アミド樹脂の末端基の調整方法は、当業者には明らかで
あるような公知の方法を用いればよい。例えばポリアミ
ド樹脂の重合時にジアミン類やジカルボン酸類の添加、
モノカルボン酸の添加などが挙げられる。
【0034】また、ポリアミド樹脂の耐熱安定性を向上
させる目的で公知となっている式(2)に示したような
金属系安定剤を使用することもできる。
【化2】
【0035】(式中、Mは銅、ニッケル、スズ及びセリ
ウムからなる群より選ばれる金属イオンを表し、Xはハ
ロゲン化物イオンおよびカルボキシレートイオンからな
る群より選ばれるイオン基であり、nは1〜6の整数、
yはMの正イオン電荷を表す整数、zはXの負イオン電
荷を表す整数である) 金属系安定剤の具体例としては、CuI、CuCl2
酢酸銅、ヨウ化カリウム、ステアリン酸セリウム等が挙
げられ、これらは、併用しても構わない。金属系安定剤
の好ましい配合量はポリアミド樹脂の100重量部に対
して、0.001〜1重量部である。
【0036】本発明で用いられる(a)官能化ポリフェ
ニレンエーテル樹脂と(b)ポリアミド樹脂の好ましい
配合比は重量比で(a)/(b)が10/90〜90/
10が好ましく、より好ましくは15/85〜65/3
5、特に好ましくは15/85〜50/50である。
【0037】本発明に用いられる(c)カーボンブラッ
クとは、着色用やゴム補強、導電性付与に一般的に使用
されている天然ガスないし液状炭化水素を不完全燃焼ま
たは、熱分解によって得られる黒色微粉末である。好ま
しいカーボンブラックはジブチルフタレート(DBP)
吸油量が70ml/100mg以上のものである。より
好ましくはDBP吸油量が100ml/100mg以
上、更に好ましくは150ml/100mg以上のカー
ボンブラックである。ここでいうDBP吸油量とは、A
STM D2414に定められた方法で測定した値であ
る。
【0038】特に好ましい(c)カーボンブラックは、
アセチレンガスを完全燃焼して得られるアセチレンブラ
ックや、原油を原料にファーネス式不完全燃焼によって
製造されるケッチェンブラック等が挙げられるが、これ
らに限定されることはない。本発明に用いられる(c)
カーボンブラックの配合量は、(a)官能化ポリフェニ
レンエーテル樹脂(b)ポリアミド樹脂の合計100重
量部に対し0.1〜2.0重量部であり、好ましくは
0.1〜1重量部である。
【0039】また(c)カーボンブラックの配合方法は
特に限定されないが、(e)ゴム状重合体に、カーボン
ブラック10重量%以上を含むマスターバッチの方法で
配合されることが好ましい。本発明において使用する
(d)カーボンブラック以外の炭素系フィラーは、炭素
繊維、グラファイト、カーボンウィスカーなどが上げら
れる。これらの炭素系フィラーは単独、または2種以上
を併用してもかまわない。好ましい炭素繊維は、ポリア
クリロニトリル系炭素繊維及びピッチ系炭素繊維が挙げ
られるが、どちらでも構わない。好ましい繊維径は5μ
m〜20μm、より好ましくは5〜13μmであり、ア
スペクト比10以上のものである。また好ましい収束剤
は、エポキシ樹脂であり、炭素繊維に対して1〜5%が
好ましい。
【0040】炭素繊維には、チョップファイバーとミル
ドファイバーが好ましく、単独または併用してもかまわ
ない。グラファイトとしては、炭素純度が80重量%で
あり、粒径が100μm以下のものが好ましい。カーボ
ンウィスカーとしては、炭素コートチタン酸カリウムが
好ましく、繊維径は0.1〜10μmのものである。こ
れら、炭素系フィラーは公知の各種カップリング剤及び
/または収束剤を使用して、樹脂との密着性や取り扱い
性を向上させてももちろん構わない。
【0041】本発明に用いられる(d)カーボンブラッ
ク以外の炭素系フィラーの配合量は、(a)官能化ポリ
フェニレンエーテル樹脂(b)ポリアミド樹脂の合計1
00重量部に対し2〜20重量部であり、好ましくは2
〜10重量部である。本発明における(e)ゴム状重合
体とは、室温で弾性体である天然および合成の重合材料
である。例えば、耐衝撃改良材としても使用される芳香
族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合
体、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブロック
共重合体の水素添加物、エチレンとα−オレフィンの共
重合体、及びエチレンとα−オレフィンとポリエンの共
重合体等が使用可能であり、これらの1種以上を用いる
事ができる。
【0042】芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物の
ブロック共重合体は、芳香族ビニル化合物を主体とする
重合体ブロックを1個、好ましくは2個以上と共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックを少なくとも1個
含有する。また、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合
物のブロック重合体において芳香族ビニル化合物と共役
ジエン化合物との重量比は、10/90〜90/10で
あることが望ましい。より好ましくは、15/85〜8
0/20である。さらに好ましくは15/85〜65/
35である。これらは、芳香族ビニル化合物と共役ジエ
ン化合物との重量比が異なるものを2種以上ブレンドし
ても構わない。また、鉱物油等を含有させたものも使用
できる。
【0043】芳香族ビニル化合物としてはスチレン、α
−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、これ
らから選ばれた1種以上の化合物が用いられるが、中で
もスチレンが特に好ましい。共役ジエン化合物として
は、ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、1,3−ペ
ンタジエン等が挙げられ、これらから選ばれた1種以上
の化合物が用いられるが、中でもブタジエン、イソプレ
ンおよびこれらの組み合わせが好ましい。
【0044】ブロック共重合体の分子構造は、直鎖状、
分岐状あるいは放射状もしくはこれらの組み合わせのい
ずれであっても良く、共役ジエン化合物としてブタジエ
ンを使用する場合は、ポリブタジエンブロック部分のミ
クロ構造は1,2−ビニル含量もしくは1,2−ビニル
含量と3,4−ビニル含量の合計量が5〜80%が好ま
しく、さらには10〜70%が好ましい。芳香族ビニル
化合物と共役ジエン化合物のブロック共重合体の水素添
加物とは、芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物のブ
ロック共重合体を水素添加処理することにより、ジエン
化合物を主体とする重合体ブロックの脂肪族二重結合は
0を越えて100%の範囲で制御したものをいう。
【0045】エチレンとα−オレフィンの共重合体と
は、エチレンと炭素数3〜20個を有する不飽和炭化水
素化合物との共重合体をいい、α−オレフィンとして具
体的にはプロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキ
セン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、4−メチルブ
テン−1,4−メチルペンテン−1等が挙げられ、好ま
しいのはプロピレン、ブテン−1、オクテン−1で、中
でもプロピレン、オクテン−1が特に好ましい。エチレ
ンとα−オレフィンの重量比は95/5〜5/95であ
るものが好ましく、さらに好ましくは95/5〜60/
40である。エチレンとα−オレフィンの共重合体のム
ーニー粘度(ML1+4、121℃)は1〜100であ
るものが好ましく、さらには1〜50のものが好まし
い。ゴム状重合体の好ましいものは、エチレンとα−オ
レフィンの共重合体である。
【0046】エチレンとα−オレフィンとポリエンの共
重合体のポリエンとは1,4−ヘキサジエン、ジシクロ
ペンタジエン、ノルボルナジエンなどの非共役ジエンを
いう。ポリエンの含有率は0.1〜8%程度が望まし
い。α−オレフィンの定義及びエチレンとα−オレフィ
ンの重量比は上記と同じである。エチレンとα−オレフ
ィンとポリエンの共重合体のムーニー粘度(ML1+
4、121℃)は1〜100であるものが好ましく、さ
らには1〜50のものが好ましい。
【0047】本発明に用いられる(e)ゴム状重合体の
配合量は、(a)官能化ポリフェニレンエーテル樹脂
(b)ポリアミド樹脂の合計100重量部に対し3〜3
0重量部である。本発明の樹脂組成物は、次の溶融混練
機械で溶融混練されることが望ましい。例えば、単軸押
出機、二軸押出機を含む多軸押出機、ロール、ニーダ
ー、ブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー
等による加熱溶融混練機が挙げられるが、中でも二軸押
出機を用いた溶融混練方法が最も好ましい。具体的に
は、WERNER&PFLEIDERER社製のZSK
シリーズ、東芝機械(株)製のTEMシリーズ、日本製
鋼所(株)製のTEXシリーズなどが挙げられる。
【0048】押出機を用いた本発明の好ましい態様を以
下に述べる。押出機は原料の流れ方向に対し上流側に第
1原料供給口、これより下流に第1真空ベント、その下
流に第2原料供給口を設け、さらにその下流に第2真空
ベントを設けたものが好ましく、第2原料供給口と第2
真空ベントの間に第3原料供給口を設けたものも使用で
きる。
【0049】本発明で使用される(c)カーボンブラッ
クは(e)ゴム状重合体に、カーボンブラック10重量
%以上を含むマスターバッチの方法で使用されることが
好ましく、その製法は、芳香族ビニル化合物と共役ジエ
ン化合物のブロック共重合体、芳香族ビニル化合物と共
役ジエン化合物のブロック共重合体の水素添加物、エチ
レンとα−オレフィンの共重合体、及びエチレンとα−
オレフィンとポリエンの共重合体等を第1原料供給口よ
り供給し、第2原料供給口より導電性カーボンブラック
を供給した後、溶融混練し得られる。そのときの押出機
バレル温度は180〜250℃が好ましい。また、同条
件でカーボンブラックを第1原料供給口から供給する事
も出来る。
【0050】本発明の導電性樹脂組成物の好ましい製造
方法を次に述べる。まず第1原料供給口より固相変性ポ
リフェニレンエーテルとゴム状重合体に含有される少量
のカーボンブラックと必要により官能化化合物を供給し
溶融混練した後、第2原料供給口より供給した炭素系フ
ィラーと溶融混練する方法、第1原料供給口より固相変
性ポリフェニレンエーテルと必要により官能化化合物及
びポリアミド樹脂とゴム状重合体に含有される少量のカ
ーボンブラックを供給し溶融混練した後、第2原料供給
口より供給した炭素系フィラーと溶融混練する方法、
【0051】第1原料供給口より固相変性ポリフェニレ
ンエーテルと必要により官能化化合物を供給し、第2原
料供給口よりポリアミド樹脂とゴム状重合体に含有され
る少量の導電性カーボンブラックを供給し、第3原料供
給口より炭素系フィラーを供給し融混練する方法、第1
原料供給口より固相変性ポリフェニレンエーテルと必要
により官能化化合物と少量のポリアミド樹脂を供給し、
第2原料供給口より残りのポリアミド樹脂とゴム状重合
体に含有される少量のカーボンブラックを供給し、更に
第3原料供給口より炭素系フィラーを添加しそれぞれ溶
融混練する方法などである。
【0052】この際の溶融混練温度は、第1原料供給口
から第2原料供給口までの前段ゾーンが、280〜35
0℃、好ましくは300〜320℃であり、第2原料供
給口から押出機出口までの後段ゾーンが、260〜32
0℃、好ましくは270〜300℃である。スクリュー
回転数は特に限定されるものではないが、100〜12
00rpmの中から任意に選ぶことができる。
【0053】本発明では、上記した方法で本発明の樹脂
組成物を製造することができるが、本発明の特徴及び効
果を損なわない範囲で必要に応じて他の付加的成分、例
えば、酸化防止剤、金属不活性化剤、難燃剤(有機リン
酸エステル系化合物、無機リン系化合物、芳香族ハロゲ
ン系難燃剤、シリコーン系難燃剤など)、フッ素系ポリ
マー、可塑剤(オイル、低分子量ポリエチレン、エポキ
シ化大豆油、ポリエチレングリコール、脂肪酸エステル
類等)、三酸化アンチモン等の難燃助剤、耐候(光)性
改良剤、スリップ剤、各種着色剤、離型剤等を添加して
もかまわない。
【0054】このようにして得られる本発明の樹脂組成
物は、従来より公知の種々の方法、例えば、射出成形、
押出成形、押出異形成形、中空成形により各種部品の成
形体として成形できる。これら各種部品としては、例え
ば自動車部品が挙げられ、具体的には、バンパー、フェ
ンダー、ドアーパネル、各種モール、エンブレム、エン
ジンフード、ホイールキャップ、ルーフ、スポイラー、
各種エアロパーツ等の外装品や、インストゥルメントパ
ネル、コンソールボックス、トリム等の内装部品等に適
している。さらに、電気機器の内外装部品としても好適
に使用でき、具体的には各種コンピューターおよびその
周辺機器、その他のOA機器、テレビ、ビデオ、各種デ
ィスクプレーヤー等のキャビネット、冷蔵庫等の部品用
途に適している。
【0055】(調製例1) ※固相変性ポリフェニレンエーテル−1の調製 2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得られた還
元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、30℃測
定)0.52のポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェ
ニレンエーテル)(以下PPE1と略記)150kgと
官能化化合物として、無水マレイン酸(以下MAHと略
記)0.7kgを、ジャケット加熱可能な三井鉱山
(株)社製FM500型ヘンシェルミキサー入れ内部を
窒素置換した後、撹拌羽根を高速回転し、剪断発熱によ
り内容物を200℃まで50分かけて加熱した。ジャケ
ット温度が200℃に到達した後、5分間高速回転を継
続した後、冷水をジャケットに流し冷却した。
【0056】内容物のうちの5gを100mlのクロロ
ホルムに溶解後、300mlのアセトンを少量づつ滴下
してポリマーを析出させ、ガラスフィルターを用いて濾
別した。この操作を3回繰り返し、固相変性ポリフェニ
レンエーテル−1(以下MPPE1と略記)を得た。こ
のMPPE1を1gとり、内側からポリテトラフロロエ
チレンシート、アルミシート、鉄板の順に重ねたものの
間にはさみ、280℃に温度設定したプレス成形機を用
い、10MPaで圧縮成形しフィルムを得た。
【0057】得られたフィルムそれぞれについて、日本
分光社製FT/IR−420型フーリエ変換赤外分光光
度計を用いて、赤外分光測定を行った。MPPE1フィ
ルムに対する測定では、1790cm-1に、ポリフェニ
レンエーテルに付加した、マレイン酸由来のピークが観
測された。PPEとMAHの混合物を用いて、あらかじ
め作成しておいた検量線式から計算されたMAHの付加
率は、0.34重量%であった。
【0058】(調製例2) ※固相変性ポリフェニレンエーテル−2の調製 PPEを2,6−ジメチルフェノールを酸化重合して得
られた還元粘度(0.5g/dlクロロホルム溶液、3
0℃測定)0.42のポリ(2,6−ジメチル−1,4
−フェニレンエーテル)(以下PPE−2と略記)に変
更し、ラジカル開始剤としてパーヘキサ25B(日本油
脂(株)社製)75gを添加した以外はすべて調製例1
と同様に固相変性と精製を行い、固相変性ポリフェニレ
ンエーテル−2(以下MPPE−2と略記)を得た。こ
の得られたポリマーを調製例1と同様にフィルムを成形
し赤外分光測定を行い、MAHの付加率を測定したとこ
ろ0.39重量%であった。
【0059】(調製例3) PA66/6Iの調製 アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等モル塩2.0
0kg、イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンの等モ
ル塩0.50kg及び純水2.5kgを5Lのオートク
レーブの中に仕込みよく攪拌した。充分窒素置換した
後、攪拌しながら温度を室温から220℃まで約1時間
かけて昇温した。この際、オートクレーブ内の水蒸気に
よる自然圧で内圧はゲージ圧にして約1.77MPaに
なるが、1.77MPa以上の圧力にならないよう水を
反応系外に除去しながらさらに加熱を続けた。
【0060】さらに2時間後内温が260℃に到達した
ら加熱を止め、オートクレーブの排出バルブを閉止し、
約8時間かけて室温まで冷却した。冷却後オートクレー
ブを開け、約2kgのポリマーを取り出し粉砕した。得
られた粉砕ポリマーを、10Lのエバポレーターに入れ
窒素気流下、200℃で10時間固相重合した。固相重
合によって得られたこのポリマーの硫酸相対粘度(η
r:ポリマー1g/95.5%硫酸100ml、25℃
で測定)は、1.38であった。このポリマーをPA6
6/6Iと略記する。
【0061】(調整例4) カーボンブラックマスターバッチの調整 ゴム状重合体としてエチレンとα−オレフィンの共重合
体(デュポンダウ社製Engage8407)とカーボ
ンブラック(ライオン(株)製ケッチェンブラックEC
600JD)を用い、二軸押出機ZSK−40(WER
NER&PFLEIDERER社製)にてバレル温度2
20℃、スクリュー回転数300rpm、第1原料供給
口よりEngage8407を供給、第2原料供給口よ
りケッチェンブラックEC600JDを供給し、導電性
カーボンブラックの濃度を7重量%(以下mb1と略称
する)、10重量%(以下mb2略称する)、15重量
%(以下mb3略称する)、17重量%(以下mb4略
称する)の導電性カーボンブラックマスターバッチを作
成した。
【0062】また、第1原料供給口よりEngage8
407とケッチェンブラックEC600JDを供給し、
15重量%(以下mb5略称する)の導電性カーボンブ
ラックマスターバッチを作成した。本発明を実施例に基
づいて説明する。
【0063】
【実施例1】原料の流れ方向に対し上流側に第1原料供
給口、これより下流に第1真空ベント、その下流に第2
原料供給口を設け、さらにその下流に第2真空ベントを
設け、第2原料供給口と第2真空ベントの間に第3原料
供給口を設けた二軸押出機[ZSK40:WERNER
&PFLEIDERER社製]を用い、第1原料供給口
より、上記MPPE1を30重量部と芳香族ビニル化合
物と共役ジエン化合物のブロック共重合体(シェル化学
製クレイトンG1651、以下HTR1と略称する)を
10重量部供給し、第2原料供給口より分子量14,0
00、末端アミノ基濃度30ミリ等量/kg、末端カル
ボキシル基濃度100ミリ等量/kgのポリアミド6,
6(以下単にPA66と略記)50重量部と上記mb2
を7.5重量部およびエチレンとα−オレフィンの共重
合体(デュポンダウ社製Engage8407)5重量
部を供給し、第3原料供給口より炭素系フィラーポリア
クリロニトリル系炭素繊維としてエポキシ樹脂集束材2
〜4%を用いた[FORTAFIL F243:アクゾ
ノーベル社製(アメリカ)](以下CF1と略称する)
を7重量部供給し、溶融混練して得られたストランドを
水冷しペレット化した。
【0064】そのときの溶融混練温度は、第1原料供給
口から第2原料供給口までの前段ゾーンは、320℃で
あり、第2原料供給口から押出機出口までの後段ゾーン
は、280℃であり、スクリュー回転数は300rp
m、押出量は60kg/hであった。得られたペレット
を、シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定し
た射出成形機[IS−80EPN:東芝機械(株)社
製]を用いて、ASTMD638に準拠した成形片及
び、長さ90mm、幅50mm、厚さ2mmの平板状成
形片に成形した。
【0065】体積抵抗率の測定は、平板状成形片の向か
い合った50mm×2.5mmの面の中央部分に、それ
ぞれ、30mm×2.5mmの面積で銀ペーストを塗布
し、充分乾燥させた後、両端間の抵抗値をDIGITA
L MULTMETER(型式:R6441B、ADV
ANTEST製)で測定した。これを異なる平板で5回
実施し、その加算平均値を求め、式(A)を用いて体積
抵抗率を計算した。
【0066】
【数1】
【0067】ここで、VRは体積固有抵抗(Ω・c
m)、Rはテスターで測定した抵抗の加算平均値
(Ω)、wは銀ペーストを塗布した部分の幅(cm:こ
の場合は3cm)、tは銀ペーストを塗布した部分の高
さ(cm:この場合は0.25cm)、lは銀ペースト
塗布面間の距離(cm:この場合は9cm)である。線
膨張係数はASTM D696に準じ、上記射出成形に
より得られたASTM D368の厚さ1/8インチ、
一号ダンベル片の中央部から長辺方向に長さ10mmの
試験片を切削し、昇温速度5℃/分で23〜80℃の測
定範囲における長さの変化を測定し、その寸法変化率を
算出した。
【0068】面衝撃試験であるダート衝撃試験は、グラ
フィックインパクトテスター[東洋精機製作所(株)
製]を用いて行った。試験方法は、直径が76mmのサ
ンプルホールダーに試験片をはさみ、先端径が13mm
の球形状のストライカー(重量6.5kg)を、試験片
の上方100cmの高さより自由落下させ、試験片を破
壊させ、破壊された試験片の破壊状況を観察し、割れた
平板の破壊程度により、延性破壊を○、半延性破壊を
△、脆性破壊を×として評価した。
【0069】
【実施例2】上記のカーボンブラックマスターバッチを
mb3に変え、mb3の添加量は、5重量部で、実施例
1と同様に押出、射出成形及び評価を実施した。
【0070】
【実施例3】上記MPPE1を6重量部と、PPE1を
24重量部併用し、カーボンブラックマスターバッチは
mb3を5重量部使用し、実施例1と同様に押出、射出
成形及び評価を実施した。
【0071】
【実施例4】上記MPPE1を15重量部と、PPE1
を15重量部併用し、カーボンブラックマスターバッチ
はmb3を5重量部使用し、実施例1と同様に押出、射
出成形及び評価を実施した。
【0072】
【実施例5】上記カーボンブラックマスターバッチをm
b4に変え、mb4の添加量は、4.5重量部で、実施
例1と同様に押出、射出成形及び評価を実施した。
【0073】
【実施例6】上記カーボンブラックマスターバッチは、
mb5を5重量部使用し、実施例1と同様に押出、射出
成形及び評価を実施した。
【0074】
【実施例7】導電性カーボンブラックマスターバッチは
mb3を5重量部使用し、上記したMPPE2を用い、
実施例1と同様に押出、射出成形及び評価を実施した。
【0075】
【実施例8】押出機の第3原料供給口よりCF1を4重
量部と炭素繊維[ドナカーボ S244:ドナック社
製](以下CF2と略称する)を3重量部供給し炭素繊
維2種類を併用し、溶融混練して得られたストランドを
水冷しペレット化した。その他押出、射出成形および評
価は実施例2と同様に実施した。
【0076】
【実施例9】実施例2の押出機第2原料供給口より供給
するポリアミド樹脂を上記したPA66/6Iに変更
し、その他押出、射出成形および評価は実施例2と同様
に実施した。
【0077】
【実施例10】実施例2の押出機第2原料供給口より供
給するPA66の半量をポリアミド6[ナイロン6 1
013B:宇部興産(株)製](以下PA6と略称す
る)に置き換え、PA66と2種を併用し、溶融混練し
て得られたストランドを水冷しペレット化した。その他
押出、射出成形および評価は実施例2と同様に実施し
た。
【0078】
【実施例11】上記のPPE1を30重量部と無水マレ
イン酸[クリスタルマンAB:日本油脂(株)製]を
0.5重量部およびHTR1を10重量部、押出機の第
1原料供給口より供給し、その他押出、射出成形および
評価は実施例2と同様に実施した。
【0079】
【比較例1】上記したMPPE1を30重量部とHTR
1を10重量部、押出機の第1原料供給口から供給し、
第2原料供給口よりPA66を50重量部と上記mb1
を11重量部およびエチレンとα−オレフィンの共重合
体(デュポンダウ社製Engage8407)5重量部
を供給し、その他押出、射出成形および評価は実施例2
と同様に実施した。
【0080】
【比較例2〜3】押出機の第1原料供給部よりMPPE
1を30重量部とHTR1を10重量部、押出機の第1
原料供給口から供給し、第2原料供給口よりPA66を
50重量部とカーボンブラック[ケッチェンブラックE
C−600JD:ライオン(株)製]を比較例2は1.
5重量部、比較例3は3.0重量部供給およびエチレン
とα−オレフィンの共重合体(デュポンダウ社製Eng
age8407)5重量部を供給し、その他押出、射出
成形および評価は実施例2と同様に実施した。
【0081】
【比較例4】上記したPPE1を30重量部とHTR1
を10重量部、押出機の第1原料供給口から供給し、第
2原料供給口よりPA66を50重量部と上記mb3を
5重量部供給およびエチレンとα−オレフィンの共重合
体(デュポンダウ社製Engage8407)5重量部
を供給し、その他押出、射出成形および評価は実施例2
と同様に実施した。実施例及び比較例の配合組成及び評
価結果を表1、表2に記載した。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【発明の効果】本発明の導電性樹脂組成物から得られる
成型品は、従来技術で得られる成型品に比べ、導電性に
優れ、線膨張係数が小さく、面衝撃も延性破壊である。
注目すべきことに導電性カーボンブラックの濃度は、
1.0重量%以下でより低い体積抵抗率を有する。ま
た、従来の導電性樹脂材料の約半分の低線膨張性を併せ
持ち、バランスの良い導電性樹脂組成物を提供すること
が出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/00 C08L 77/00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)官能化ポリフェニレンエーテル樹
    脂および(b)ポリアミド樹脂の合計100重量部に対
    し(c)カーボンブラックを0.1〜2.0重量部、
    (d)カーボンブラック以外の炭素系フィラー2〜20
    重量部および(e)ゴム状重合体3〜30重量部を含
    み、線膨張係数が7×10-5-1以下、且つ体積抵抗値
    が106Ω・cm未満である熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (a)官能化ポリフェニレンエーテル樹
    脂10〜90重量%、および(b)ポリアミド樹脂90
    〜10重量%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (c)カーボンブラックと(e)ゴム状
    重合体をあらかじめカーボンブラック10重量%以上を
    含むマスターバッチとしておき、(a)(b)(d)と
    溶融混練してなる、請求項1又は2に記載の熱可塑性組
    成物。
  4. 【請求項4】 (a)官能化ポリフェニレンエーテル樹
    脂が、固相変性ポリフェニレンエーテル(a1)100
    〜5重量%と、変性されていないポリフェニレンエーテ
    ル(a2)0〜95重量%よりなり、さらに固相変性ポ
    リフェニレンエーテル(a1)がポリフェニレンエーテ
    ル(a2)100重量部と、共役非芳香族ジエン化合
    物、1個のジエノフィル基を有するジエノフィル化合
    物、又は、これらのジエン又はジエノフィル化合物の前
    駆体より選択される官能化化合物であり二重結合およ
    び、少なくとも1個のカルボキシル基、酸化アシル基、
    イミノ基、イミド基、水酸基、グリシジル基の内少なく
    とも1種を分子構造内にもつ官能化化合物(a3)0.
    01〜10重量部を添加した混合物をラジカル開始剤の
    存在下または非存在下で100℃以上、ポリフェニレン
    エーテルの融点以下の反応温度でポリフェニレンエーテ
    ルを溶融させることなく反応させた固相変性ポリフェニ
    レンエーテルである請求項1〜4のいずれかに記載の樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 (a1)成分の固相変性ポリフェニレン
    エーテルの反応温度が150℃以上、220℃以下の範
    囲である請求項1〜4記載の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 (a1)成分の固相変性ポリフェニレン
    エーテルが、官能化化合物との反応時にポリフェニレン
    エーテル(a2)100重量部に対して、10重量部以
    下の重合溶媒とは異なる有機溶剤(a4)を共存させて
    反応させた固相変性ポリフェニレンエーテルである請求
    項1〜5記載の樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 (a3)成分の官能化化合物が無水マレ
    イン酸である請求項1〜6記載の樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 (d)カーボンブラック以外の炭素系フ
    ィラーが、繊維状フィラーの場合、繊維径5〜20μm
    およびアスペクト比10以上のものであり、針状フィラ
    ーの場合、繊維径0.1〜10μmのもの、また板状、
    鱗片状、球状フィラーの場合、粒径が100μm以下で
    ある請求項1〜7のいずれかに記載の熱可塑性組成物。
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